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特開2024-118934放送支援システム、放送支援プログラム、及び放送支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118934
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】放送支援システム、放送支援プログラム、及び放送支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240826BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025548
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆弘
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】人工知能を用いない場合に比較して、より簡易に放送の実施内容を確定することができる放送支援システム、放送支援プログラム、及び放送支援方法を得る。
【解決手段】放送支援装置10は、予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報を取得する取得部11Cと、放送内容関連情報を入力情報とし、かつ、放送の実施内容を示す放送実施内容情報を出力情報として予め機械学習された放送実施内容生成モデル13Eに対して、取得部11Cによって取得された放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する放送実施内容情報を導出する導出部11Dと、導出した放送実施内容情報を提示する提示部11Eと、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報を取得する取得部と、
前記放送内容関連情報を入力情報とし、かつ、前記放送の実施内容を示す放送実施内容情報を出力情報として予め機械学習された放送実施内容生成モデルに対して、前記取得部によって取得された前記放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する前記放送実施内容情報を導出する導出部と、
導出した前記放送実施内容情報を提示する提示部と、
を含む放送支援システム。
【請求項2】
前記放送内容関連情報は、インターネットでの配信による情報、公共放送による情報、及び過去に放送担当者によって設定された情報の少なくとも1つを含み、
前記放送実施内容情報は、前記放送の内容そのものを含み、かつ、当該放送の時期及び当該放送を行う地区の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の放送支援システム。
【請求項3】
前記予め定められた種類の放送は、防災に関する放送、選挙に関する放送、及び気象に関する放送の少なくとも1種類の放送である、
請求項1に記載の放送支援システム。
【請求項4】
前記放送実施内容生成モデルは、回帰型ニューラルネットワークによるモデルである、
請求項1に記載の放送支援システム。
【請求項5】
前記提示部によって提示された前記放送実施内容情報に応じた、当該放送実施内容情報が示す放送の実施内容による放送を行うか否かの指示入力を受け付ける受付部、
を更に含む請求項1に記載の放送支援システム。
【請求項6】
予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報を取得し、
前記放送内容関連情報を入力情報とし、かつ、前記放送の実施内容を示す放送実施内容情報を出力情報として予め機械学習された放送実施内容生成モデルに対して、前記取得した前記放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する前記放送実施内容情報を導出し、
導出した前記放送実施内容情報を提示する、
処理をコンピュータに実行させる放送支援プログラム。
【請求項7】
プロセッサが、
予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報を取得し、
前記放送内容関連情報を入力情報とし、かつ、前記放送の実施内容を示す放送実施内容情報を出力情報として予め機械学習された放送実施内容生成モデルに対して、前記取得した前記放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する前記放送実施内容情報を導出し、
導出した前記放送実施内容情報を提示する、
処理を実行する放送支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送支援システム、放送支援プログラム、及び放送支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、地区遠隔放送装置への放送音声メッセージ内容、放送時刻の登録、確認、訂正、削除操作を簡単化し、操作性の向上を図り特定取扱者の操作時間短縮を図ることを目的とした防災行政無線システムが開示されている。
【0003】
この防災行政無線システムは、親局設備と子局設備が無線回線で接続され、前記親局設備には一般公衆回線に接続された電話機から、放送する音声、放送する時刻を登録する手段を有した地区遠隔放送装置を具備し、登録した音声メッセージを登録した時刻に子局設備で拡声する防災行政無線システムにあって、指定時刻に放送する音声メッセージと、放送時刻の指定をインターネット経由により地区遠隔放送装置で受付けし、登録する手段と、前記音声メッセージ内容と、放送時刻を特定取扱者宅に設置するインターネット接続機器から前記遠隔放送装置へ登録、確認、訂正及び削除する手段を合わせもつことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-188839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、防災行政無線システム等の拡声放送を行う放送システムでは、一般に、担当者が、放送を行う時刻や放送の内容そのもの、放送を行う地区等といった放送の実施内容を手動で入力していた。
【0006】
しかしながら、この放送システムでは、担当者が、放送対象に関する状況が変化する度に、放送の実施内容を修正したり、新たに入力したりする必要があり、その内容を確定するのに著しく手間がかかるものであった。
【0007】
本発明は、人工知能を用いない場合に比較して、より簡易に放送の実施内容を確定することができる放送支援システム、放送支援プログラム、及び放送支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の放送支援システムは、予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報を取得する取得部と、前記放送内容関連情報を入力情報とし、かつ、前記放送の実施内容を示す放送実施内容情報を出力情報として予め機械学習された放送実施内容生成モデルに対して、前記取得部によって取得された前記放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する前記放送実施内容情報を導出する導出部と、導出した前記放送実施内容情報を提示する提示部と、を含む。
【0009】
本発明の放送支援プログラムは、予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報を取得し、前記放送内容関連情報を入力情報とし、かつ、前記放送の実施内容を示す放送実施内容情報を出力情報として予め機械学習された放送実施内容生成モデルに対して、前記取得した前記放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する前記放送実施内容情報を導出し、導出した前記放送実施内容情報を提示する、処理をコンピュータに実行させる。
【0010】
本発明の放送支援方法は、プロセッサが、予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報を取得し、前記放送内容関連情報を入力情報とし、かつ、前記放送の実施内容を示す放送実施内容情報を出力情報として予め機械学習された放送実施内容生成モデルに対して、前記取得した前記放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する前記放送実施内容情報を導出し、導出した前記放送実施内容情報を提示する、処理を実行する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、人工知能を用いない場合に比較して、より簡易に放送の実施内容を確定することができる放送支援システム、放送支援プログラム、及び放送支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態に係る放送支援システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態に係る放送支援装置の、放送実施内容生成モデルの学習時における機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施の形態に係る放送支援装置の、放送実施内容生成モデルの運用時における機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態に係る学習用情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図5】実施の形態に係る放送予定情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図6】実施の形態に係る学習処理の一例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態に係る放送支援処理の一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態に係る放送内容確認画面の構成の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、対象とする地区において公共的な情報を拡声放送することを支援する放送支援システムに適用した場合について説明する。
【0014】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る放送支援システム90の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る放送支援システム90のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る放送支援システム90は、放送支援システム90において中心的な役割を担う放送支援装置10を含む。なお、放送支援装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。
【0016】
本実施形態に係る放送支援装置10は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16、及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16、及び通信I/F部18はバスBを介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0017】
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、学習プログラム13A及び放送支援プログラム13Bが記憶されている。学習プログラム13A及び放送支援プログラム13Bの各プログラムは、当該各プログラムが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの上記各プログラムの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶(インストール)される。CPU11は、学習プログラム13A及び放送支援プログラム13Bの各プログラムを記憶部13から適宜読み出してメモリ12に展開し、当該各プログラムが各々有するプロセスを順次実行する。
【0018】
また、記憶部13には、学習用情報データベース13C及び放送予定情報データベース13Dが記憶される。学習用情報データベース13C及び放送予定情報データベース13Dについては、詳細を後述する。
【0019】
また、記憶部13には、放送実施内容生成モデル13Eが記憶される。本実施形態に係る放送実施内容生成モデル13Eは、予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報が入力情報とされ、かつ、上記放送の実施内容を示す放送実施内容情報が出力情報とされている。
【0020】
本実施形態に係る放送支援システム90では、放送実施内容生成モデル13Eを放送の種類毎に構築して適用しているが、これに限るものではない。例えば、単一の放送実施内容生成モデル13Eにより複数種類の放送に対応する形態としてもよい。更に、この形態においては、放送実施内容生成モデル13Eの入力情報に、放送の種類を示す情報を含める形態としてもよい。
【0021】
本実施形態に係る放送支援システム90では、放送内容関連情報として、インターネットでの配信による情報、及び、公共放送による情報を適用しているが、これに限るものではない。例えば、これらの2種類の情報に加えて、放送支援システム90の予め定められた担当者(以下、「放送担当者」という。)によって過去に設定された情報の3種類の情報のうちの1種類、又は複数の組み合わせを放送内容関連情報として適用する形態としてもよい。
【0022】
また、本実施形態に係る放送支援システム90では、放送実施内容情報として、上記放送の内容そのものに加えて、当該放送の時期を示す情報及び当該放送を行う地区を示す情報を適用しているが、これに限るものではない。例えば、上記放送の内容そのものと、当該放送の時期を示す情報及び当該放送を行う地区を示す情報の何れか一方とを放送実施内容情報として適用する形態としてもよい。
【0023】
また、本実施形態に係る放送支援システム90では、上記予め定められた種類の放送として、防災に関する放送、選挙に関する放送、及び気象に関する放送の3種類の放送を適用しているが、これに限るものではない。例えば、これらの3種類の放送のうちの1種類、又は2種類の組み合わせを、上記予め定められた種類の放送として適用する形態としてもよい。更には、これらの種類以外にも、帰宅児童生徒の見守り放送等といった防犯に関する放送等、不特定多数の人に対して行う放送の対象となり得る他の種類の放送を適用する形態としてもよい。
【0024】
本実施形態に係る放送実施内容生成モデル13Eは、RNN(Recurrent Neural Network、回帰型ニューラルネットワーク)を用いたAI(Artificial Intelligence、人工知能)によるモデルとされているが、これに限るものではない。MLP(Multilayer perceptron、多層パーセプトロン)を用いたAIによるモデル等の、RNN以外のAI等の機械学習モデルを放送実施内容生成モデル13Eとして適用する形態としてもよい。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る放送支援システム90では、放送支援装置10が放送支援システム90によって放送対象とされている複数の地区(以下、「対象地区群」という。)に対応する基地局無線装置30に接続されている。
【0026】
そして、本実施形態に係る基地局無線装置30は、対象地区群の各々に設けられた屋外スピーカ50に対して拡声放送を実施させることが可能とされている一方、放送内容関連情報を提供する外部サーバ70と通信可能とされている。従って、本実施形態に係る放送支援装置10は、基地局無線装置30を介して、対象地区群に設けられた屋外スピーカ50による拡声放送を行うことができると共に、外部サーバ70が提供する放送内容関連情報を取得することができる。
【0027】
本実施形態に係る放送支援システム90では、上述したように、対象とする放送の種類として防災に関する放送、選挙に関する放送、及び気象に関する放送の3種類の放送を適用している。従って、本実施形態に係る外部サーバ70には、例えば、防災に関する放送に関連する放送内容関連情報を提供する外部サーバ70として、警察署、消防署等のサーバ等といった国民保護情報を含む各種防災に関する情報を提供するサーバが含まれる。また、本実施形態に係る外部サーバ70には、選挙管理委員会等のサーバ等といった選挙に関する情報を提供するサーバや、気象庁や環境省等のサーバ等といった気象に関する情報を提供するサーバが含まれる。
【0028】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る放送支援装置10の、放送実施内容生成モデル13Eの学習時における機能的な構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る放送支援装置10の、放送実施内容生成モデル13Eの学習時における機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、本実施形態に係る放送実施内容生成モデル13Eの学習時における放送支援装置10は、取得部11A及び学習部11Bを含む。放送支援装置10のCPU11が学習プログラム13Aを実行することで、取得部11A及び学習部11Bとして機能する。
【0030】
本実施形態に係る取得部11Aは、放送実施内容生成モデル13Eの学習用の情報である学習用情報を取得する。なお、本実施形態では、学習用情報を、後述する学習用情報データベース13C(図4も参照。)から読み出すことにより取得する。但し、この形態に限るものではなく、例えば、学習用情報データベース13Cに登録される情報の元となる情報を、当該学習用情報データベース13Cを介することなく直接取得することで、学習用情報を取得する形態としてもよい。
【0031】
そして、本実施形態に係る学習部11Bは、取得部11Aによって取得された学習用情報を用いて、放送実施内容生成モデル13Eの機械学習を行う。
【0032】
次に、図3を参照して、本実施形態に係る放送支援装置10の、放送実施内容生成モデル13Eの運用時における機能的な構成について説明する。図3は、本実施の形態に係る放送支援装置10の、放送実施内容生成モデル13Eの運用時における機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、本実施形態に係る放送実施内容生成モデル13Eの運用時における放送支援装置10は、取得部11C、導出部11D、提示部11E、及び受付部11Fを含む。放送支援装置10のCPU11が放送支援プログラム13Bを実行することで、取得部11C、導出部11D、提示部11E、及び受付部11Fとして機能する。
【0034】
本実施形態に係る取得部11Cは、上述した放送内容関連情報を取得する。また、本実施形態に係る導出部11Dは、放送実施内容生成モデル13Eに対して、取得部11Cによって取得された放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する放送実施内容情報を導出する。そして、本実施形態に係る提示部11Eは、導出部11Dによって導出された放送実施内容情報を提示する。
【0035】
なお、本実施形態では、提示部11Eによる提示として、表示部15による表示による提示を適用しているが、これに限るものではない。例えば、スピーカ等の音声再生装置による音声による提示や、プリンタ等の画像形成装置による印刷による提示を、提示部11Eによる提示として適用する形態としてもよい。
【0036】
また、本実施形態に係る受付部11Fは、提示部11Eによって提示された放送実施内容情報に応じた、当該放送実施内容情報が示す放送の実施内容による放送を行うか否かの指示入力を受け付ける。なお、本実施形態では、受付部11Fによる受け付けとして、入力部14を介した受け付けを適用しているが、これに限るものではない。例えば、マイクロフォン等の音声入力装置による音声による受け付けを、受付部11Fによる受け付けとして適用する形態としてもよい。
【0037】
次に、図4を参照して、本実施形態に係る学習用情報データベース13Cについて説明する。図4は、本実施の形態に係る学習用情報データベース13Cの構成の一例を示す模式図である。
【0038】
図4に示すように、本実施形態に係る学習用情報データベース13Cは、放送内容関連情報及び放送実施内容情報の各情報が記憶される。
【0039】
上記放送内容関連情報は、上述した放送内容関連情報そのものを示す情報であり、上記放送実施内容情報も、上述した放送実施内容情報そのものを示す情報である。ここで、放送内容関連情報が外部サーバ70から得られる情報であることは上述した通りである。一方、放送実施内容情報は、放送担当者等により、対応する放送内容関連情報に関する放送を実際に実施することを想定して、適切な情報が入力されることで登録された情報である。
【0040】
図4に示す例では、例えば、防災に関する放送内容関連情報として「A~C地区では例年1月から2月にかけて乾燥しますので、火災にご注意ください。」との情報が登録されている。また、図4に示す例では、この情報に対応する放送実施内容情報として、放送の内容として「この時期は乾燥しやすいので、火の元の確認をお願いします。」との情報が登録されており、放送対象とする時期として1月~2月の17時が登録されており、放送対象とする地区としてA地区~C地区が登録されている。
【0041】
本実施形態に係る放送支援システム90では、これらの学習用情報データベース13Cの各情報を予め定められた定期的なタイミング(本実施形態では、1か月に一度のタイミング)で登録しているが、これに限るものではない。例えば、当該定期的なタイミングに加えて、外部サーバ70から各種情報が発令されたタイミングを、学習用情報データベース13Cへの情報の登録のタイミングとして適用する形態としてもよい。
【0042】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る放送予定情報データベース13Dについて説明する。図5は、本実施の形態に係る放送予定情報データベース13Dの構成の一例を示す模式図である。
【0043】
図5に示すように、本実施形態に係る放送予定情報データベース13Dは、放送日、対象地区、放送時刻、及び放送内容の各情報が記憶される。
【0044】
上記放送日は、対応する拡声放送を行う日を示す情報であり、上記対象地区は、対応する拡声放送を行う地区を示す情報であり、上記放送時刻は、対応する拡声放送を行う時刻を示す情報であり、上記放送内容は、対応する拡声放送の内容そのものを示す情報である。
【0045】
即ち、一例として図5に示すように、放送予定情報データベース13Dは、対象地区群の各々別の放送予定を示す情報(以下、「放送予定情報」という。)が登録されるものである。ここで、放送予定情報における放送日及び放送時刻は放送実施内容情報における時期を示す情報に対応し、放送予定情報における対象地区は放送実施内容情報における地区を示す情報に対応している。また、放送予定情報における放送内容は放送実施内容情報における内容そのものを示す情報に対応している。従って、放送予定情報は、放送実施内容生成モデル13Eによって得られる放送実施内容情報を用いて作成することができる。
【0046】
本実施形態に係る放送支援システム90では、放送予定情報データベース13Dの各情報を登録するタイミング(以下、「運用タイミング」という。)として、外部サーバ70から各種情報が発令されたタイミング、及び予め定められた定期的なタイミング(本実施形態では、1か月に一度のタイミング)を適用しているが、これに限るものではない。例えば、これらのタイミングの何れか一方のタイミングのみを運用タイミングとして適用する形態としてもよい。
【0047】
次に、図6図8を参照して、本実施形態に係る放送支援システム90の作用(放送支援方法)を説明する。まず、図6を参照して、本実施形態に係る学習処理を実行する場合(放送実施内容生成モデル13Eの学習フェーズ時)の放送支援装置10の作用を説明する。図6は、本実施形態に係る学習処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
放送支援装置10のCPU11が学習プログラム13Aを実行することによって、図6に示す学習処理が実行される。図6に示す学習処理は、予め定められたタイミング(本実施形態では、2か月に一度のタイミング)が到来した場合に実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、学習用情報データベース13Cに、放送実施内容生成モデル13Eを学習するために必要な数の情報が登録されている場合について説明する。
【0049】
図6のステップ100で、CPU11は、何れかの種類(以下、「処理対象種類」という。)の放送に対応する1組分の放送内容関連情報及び放送実施内容情報を学習用情報データベース13Cから読み出す。ステップ102で、CPU11は、読み出した放送内容関連情報を入力情報とし、読み出した放送実施内容情報を出力情報(正解情報)として、放送実施内容生成モデル13Eを機械学習する。
【0050】
ステップ104で、CPU11は、学習用情報データベース13Cに登録されている、処理対象種類の放送に対応する全ての情報についてステップ102による機械学習が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ100に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ106に移行する。なお、ステップ100~ステップ104の処理を繰り返し実行する場合にCPU11は、それまでに対象としなかった放送内容関連情報及び放送実施内容情報を処理対象とするようにする。
【0051】
ステップ106で、CPU11は、全ての種類の放送について以上の機械学習が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ100に戻る一方、肯定判定となった場合は本学習処理を終了する。なお、ステップ100~ステップ106の処理を繰り返し実行する場合にCPU11は、それまでに対象としなかった種類の放送を処理対象種類とするようにする。
【0052】
以上の学習処理により、放送の種類毎に個別に放送実施内容生成モデル13Eが学習されることになる。
【0053】
次に、図7図8を参照して、本実施形態に係る放送支援処理を実行する場合(放送実施内容生成モデル13Eの運用フェーズ時)の放送支援装置10の作用を説明する。図7は、本実施形態に係る放送支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
放送支援装置10のCPU11が放送支援プログラム13Bを実行することによって、図7に示す放送支援処理が実行される。図7に示す放送支援処理は、上述した運用タイミングが到来した場合に実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、放送実施内容生成モデル13Eが学習済みである場合について説明する。
【0055】
図7のステップ200で、CPU11は、到来した運用タイミングが定期的なタイミングであったか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ202に移行する。ステップ202で、CPU11は、前回の定期的なタイミング以降に登録された放送内容関連情報(以下、「処理対象情報」という。)のうちの1組の放送内容関連情報を学習用情報データベース13Cから読み出すことで取得する。
【0056】
ステップ204で、CPU11は、取得した放送内容関連情報を、対応する種類の放送実施内容生成モデル13Eに入力する。放送内容関連情報が入力されると、放送実施内容生成モデル13Eから、当該放送内容関連情報に対応する放送実施内容情報が出力されるため、ステップ206で、CPU11は、放送実施内容生成モデル13Eから出力された放送実施内容情報を取得する。
【0057】
ステップ208で、CPU11は、取得した放送実施内容情報を用いて、上述した放送予定情報における放送日、対象地区、放送時刻、及び放送内容の各情報を作成し、放送予定情報データベース13Dの対応する記憶領域に登録する。
【0058】
ステップ210で、CPU11は、全ての処理対象情報についてステップ208の処理が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ202に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ212に移行する。なお、ステップ202~ステップ210の処理を繰り返し実行する際に、CPU11は、それまでに処理対象としなかった放送内容関連情報を処理対象とする。
【0059】
以上のステップ202~ステップ210の処理により、一例として図5に示される放送予定情報データベース13Dが作成(更新)されることになるが、この段階の放送予定情報には、同一地区において同一時刻に実施が予定される放送が存在する可能性がある。
【0060】
そこで、ステップ212で、CPU11は、放送予定情報データベース13Dを参照し、同一地区において同一時刻に放送が行われる予定が存在するか否か、即ち、放送の重複があるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ216に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ214に移行する。
【0061】
ステップ214で、CPU11は、予め定められた重複解消処理を実行し、その後にステップ216に移行する。本実施形態では、上記重複解消処理として、放送の種類毎に優先順位を予め定めておき、重複する放送を対象として、優先順位が低い放送ほど放送時刻を遅らせるように調整する処理を適用している。この場合、放送時刻を遅らせた放送が、既に登録されている放送に重複する場合もあるが、この場合は、やはり、上記優先順位に従って放送順序を並び替える。但し、重複解消処理は、この形態に限るものではなく、例えば、優先順位を放送内容の重要度毎に予め定めておき、当該優先順位を用いて放送順序を並び替える処理を重複解消処理として適用する形態としてもよい。
【0062】
ステップ216で、CPU11は、以上の処理を経た放送予定情報を用いて、予め定められた構成とされた放送内容確認画面を表示部15に表示させる制御を行い、ステップ218で、CPU11は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
【0063】
図8には、本実施形態に係る放送内容確認画面の一例が示されている。図8に示すように、本実施形態に係る放送内容確認画面では、実施しない放送の指定を促すメッセージが表示されると共に、取得した放送予定情報で、かつ、重複が解消された放送予定情報が一覧表形式で表示される。
【0064】
そこで、放送担当者等の放送支援装置10のユーザは、入力部14を介して、表示されている放送に実施しない放送が含まれる場合は当該放送を指定し、実施しない放送が含まれない状態となった時点で終了ボタン15Aを指定する。ユーザによって終了ボタン15Aが指定されると、ステップ218が肯定判定となってステップ220に移行する。
【0065】
ステップ220で、CPU11は、ユーザにより、放送内容確認画面において、少なくとも1つの放送が指定されたか否かを判定することにより、放送予定情報に実施しない放送が含まれているか否かを判定し、否定判定となった場合は本放送支援処理を終了する一方、肯定判定となった場合はステップ222に移行する。
【0066】
ステップ222で、CPU11は、ユーザによって指定された放送を放送予定情報から削除する放送削除処理を実行し、その後に本放送支援処理を終了する。
【0067】
以上の処理により、ユーザによる実際に放送を行うか否かの確認を経た放送予定情報が作成されることになる。
【0068】
一方、ステップ200において否定判定となった場合、到来した運用タイミングが外部サーバ70から各種情報が発令されたタイミングであったと見なしてステップ224に移行する。
【0069】
ステップ224で、CPU11は、外部サーバ70から、発令された情報における放送内容関連情報を取得する。ステップ226で、CPU11は、取得した放送内容関連情報を、対応する種類の放送実施内容生成モデル13Eに入力する。放送内容関連情報が入力されると、放送実施内容生成モデル13Eから、当該放送内容関連情報に対応する放送実施内容情報が出力されるため、ステップ228で、CPU11は、放送実施内容生成モデル13Eから出力された放送実施内容情報を取得する。
【0070】
ステップ230で、CPU11は、取得した放送実施内容情報を用いて、対応する地区に設けられた屋外スピーカ50による拡声放送を行う放送処理を実行し、その後に本放送支援処理を終了する。
【0071】
ステップ230の処理により、外部サーバ70から各種情報が発令されたタイミングで、当該情報に関する拡声放送が対象となる地区においてリアルタイムで実施されることになる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、予め定められた種類の放送の内容に関連する放送内容関連情報を取得し、放送内容関連情報を入力情報とし、かつ、放送の実施内容を示す放送実施内容情報を出力情報として予め機械学習された放送実施内容生成モデルに対して、取得した放送内容関連情報を入力することで、当該放送内容関連情報に対応する放送実施内容情報を導出し、導出した放送実施内容情報を提示している。従って、人工知能を用いない場合に比較して、より簡易に放送の実施内容を確定することができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、提示した放送実施内容情報に応じた、当該放送実施内容情報が示す放送の実施内容による放送を行うか否かの指示入力を受け付けている。従って、誤った放送を未然に回避することができる。
【0074】
なお、上記実施形態では、本発明を、公共的な情報を拡声放送することを支援する放送支援システムに適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、放送内容は公共的な内容に限らず、一部の聴取者にとって専用の内容を放送内容とする形態としてもよいし、放送対象は拡声放送に限らず、電波や有線による放送を放送対象とする形態としてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、実際に放送を行った情報、即ち、放送予定情報データベース13Dに登録された情報を、放送実施内容生成モデル13Eの学習には用いない場合について説明したが、これに限定されない。例えば、放送予定情報データベース13Dに登録された情報を、放送実施内容生成モデル13Eの学習に用いる形態としてもよい。この場合、放送担当者等によって放送しない旨が指定された情報については、学習の対象から外す形態としてもよい。この形態により、より高精度に放送実施内容情報を生成することができる放送実施内容生成モデル13Eを得ることができる。
【0076】
また、上記実施形態では、放送実施内容生成モデル13Eの学習に用いる情報を、放送予定情報の作成にも用いる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、放送実施内容生成モデル13Eの学習に用いる情報と、放送予定情報の作成に用いる情報とを、各々異なる情報とする形態としてもよい。この場合の形態例としては、例えば、放送実施内容生成モデル13Eの学習に用いる情報を、日本全国を対象とした情報とし、放送予定情報の作成に用いる情報を、対象地区群のみを対象とした情報とする形態等を例示することができる。
【0077】
また、上記実施形態において、例えば、取得部11A、学習部11B、取得部11C、導出部11D、提示部11E、及び受付部11Fの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0078】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0079】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0080】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0081】
10 放送支援装置
11 CPU
11A 取得部
11B 学習部
11C 取得部
11D 導出部
11E 提示部
11F 受付部
12 メモリ
13 記憶部
13A 学習プログラム
13B 放送支援プログラム
13C 学習用情報データベース
13D 放送予定情報データベース
13E 放送実施内容生成モデル
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
30 基地局無線装置
50 屋外スピーカ
70 外部サーバ
90 放送支援システム
図1
図2
図3
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図8