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特開2024-118944走行計画生成方法及び走行計画生成装置
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  • 特開-走行計画生成方法及び走行計画生成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118944
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】走行計画生成方法及び走行計画生成装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240826BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025563
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 良子
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC07
2F129DD20
2F129DD40
2F129DD46
2F129DD49
2F129DD58
2F129DD62
2F129EE02
2F129EE53
2F129EE84
2F129EE92
2F129FF02
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF57
2F129FF60
2F129FF68
2F129HH02
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB08
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MB03
(57)【要約】
【課題】移動体が経路に沿って移動を開始した後、移動体の乗員が、経由するエネルギ補給施設を移動体周囲の利用可能なエネルギ補給施設に変更するかどうかを適切に選択できる走行計画生成方法及び走行計画生成装置を提供することである。
【解決手段】移動体のエネルギ補給施設を備える第1経由地を経由する第1走行計画を生成し、移動体が走行を開始した後、第1経由地に到着する前に、移動体が第2経由地に接近していると判定した場合に、第2経由地におけるエネルギ補給施設の空き状況を示す満空情報を取得し、第2経由地においてエネルギ補給施設が空いている場合に、移動体の乗員が第1走行計画と第2経由地を経由する第2走行計画とを比較するための比較情報を乗員に通知することによって上記課題を解決する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行計画生成装置によって実行される走行計画生成方法であって、
前記走行計画生成装置は、
移動体のエネルギ補給施設を備える第1経由地を経由する第1走行計画を生成し、
生成された前記第1走行計画に基づいて前記移動体が走行を開始した後、前記第1経由地に到着する前に、前記移動体が前記第1経由地とは異なる第2経由地に接近しているか否かを判定し、
前記移動体が前記第2経由地に接近していると判定した場合に、前記第2経由地における前記エネルギ補給施設の空き状況を示す満空情報を取得し、
前記第2経由地において前記エネルギ補給施設が空いている場合に、前記移動体の乗員が前記第1走行計画と前記第2経由地を経由する第2走行計画とを比較するための比較情報を前記乗員に通知する走行計画生成方法。
【請求項2】
前記走行計画生成装置は、
前記比較情報として、前記第1経由地における前記満空情報と、前記第2経由地における前記満空情報とを前記乗員に通知する請求項1に記載の走行計画生成方法。
【請求項3】
前記走行計画生成装置は、
前記移動体のエネルギ残量を示すエネルギ情報を取得し、
前記エネルギ残量が所定のエネルギ残量閾値以下であるか否かを判定し、
前記移動体が前記第2経由地に接近している、かつ、前記エネルギ残量が前記所定のエネルギ残量閾値以下であると判定した場合に、前記第2経由地における前記満空情報を取得する請求項1又は2に記載の走行計画生成方法。
【請求項4】
前記第1走行計画は、前記第1経由地を経由する第1走行経路を含み、
前記走行計画生成装置は、
前記第1走行経路周囲の地図情報を取得し、
前記地図情報に基づいて、前記第1走行経路周囲に存在し、前記エネルギ補給施設を備える前記第2経由地を探索する請求項1又は2に記載の走行計画生成方法。
【請求項5】
前記走行計画生成装置は、
前記第2経由地の情報を含む前記比較情報を前記乗員に通知し、
前記第2経由地の情報は、
前記第2経由地内の前記エネルギ補給施設の空きスペース、前記移動体が前記第2経由地内の前記エネルギ補給施設の利用スペースに停車するまでの走行経路、前記第2経由地内の前記乗員が利用できる設備、及び、前記第2経由地の観光スポットのうちの少なくともいずれかひとつの情報を含む請求項1又は2に記載の走行計画生成方法。
【請求項6】
前記比較情報は、
前記第1走行計画及び前記第2走行計画ごとに、経由地を経由する走行経路、地図情報、経由地までの到着予定時刻、経由地におけるエネルギ補給時間、エネルギ補給にかかる費用、経由地まで走行するのにかかる費用、及び、経由地を経由する走行経路上の走行難易度の高い場所のうちの少なくともいずれかひとつの情報を含む請求項1又は2に記載の走行計画生成方法。
【請求項7】
前記走行計画生成装置は、
前記第2経由地において前記エネルギ補給施設が空いている場合に、前記移動体の走行計画を、前記第1走行計画から前記第2走行計画に変更することを促す情報を前記乗員に通知する請求項1又は2に記載の走行計画生成方法。
【請求項8】
前記走行計画生成装置は、
前記乗員によって設定された、前記比較情報を通知するか否かの選択情報を取得し、
前記選択情報が、前記比較情報を通知することを示す情報である場合に、前記比較情報を前記乗員に通知する請求項1又は2に記載の走行計画生成方法。
【請求項9】
移動体のエネルギ補給施設を備える第1経由地を経由する第1走行計画を生成する走行計画生成部と、
生成された前記第1走行計画に基づいて前記移動体が走行を開始した後、前記第1経由地に到着する前に、前記移動体が前記第1経由地とは異なる第2経由地に接近しているか否かを判定する判定部と、
前記移動体が前記第2経由地に接近していると判定した場合に、前記第2経由地における前記エネルギ補給施設の空き状況を示す満空情報を取得する満空情報取得部と、
前記第2経由地において前記エネルギ補給施設が空いている場合に、前記移動体の乗員が前記第1走行計画と前記第2経由地を経由する第2走行計画とを比較するための比較情報を前記乗員に通知する通知制御部と、を備える走行計画生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行計画生成方法及び走行計画生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出発地および目的地の位置及び移動体のバッテリ残量と、充電スポットの満空状況とに基づき、バッテリ残量と充電スポットの満空状況とに対応した充電スポットを経由する移動体の経路情報を作成し、経路情報を移動体に出力する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-197020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、移動体が経路情報に基づいて移動を開始した後、充電スポットの情報を移動体の乗員に提供する技術ではないため、移動体の乗員が、経由する充電スポットを移動体周囲の利用可能な充電スポットに変更するかどうかを適切に選択できないという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、移動体が経路に沿って移動を開始した後、移動体の乗員が、経由するエネルギ補給施設を移動体周囲の利用可能なエネルギ補給施設に変更するかどうかを適切に選択できる走行計画生成方法及び走行計画生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、移動体のエネルギ補給施設を備える第1経由地を経由する第1走行計画を生成し、移動体が走行を開始した後、第1経由地に到着する前に、移動体が第2経由地に接近していると判定した場合に、第2経由地におけるエネルギ補給施設の空き状況を示す満空情報を取得し、第2経由地においてエネルギ補給施設が空いている場合に、移動体の乗員が第1走行計画と第2経由地を経由する第2走行計画とを比較するための比較情報を乗員に通知することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動体が経路に沿って移動を開始した後、移動体の乗員が、経由するエネルギ補給施設を移動体周囲の利用可能なエネルギ補給施設に変更するかどうかを適切に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る走行計画生成装置の一例を示す構成図である。
図2図2は、本実施形態に係る走行計画の生成の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態において乗員に通知する情報の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態に係る走行計画生成方法の制御手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る走行計画生成装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る走行計画生成装置は、移動体の走行計画を生成する装置である。走行計画は、エネルギ補給施設を備える経由地を経由する走行計画である。エネルギ補給施設は、移動体が走行するためのエネルギを補給する施設である。
【0010】
図1を用いて本実施形態に係る走行計画生成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態における走行計画生成装置10の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態における走行計画生成装置10は、電気通信回線網を構成するネットワークを介して車両20と接続されている。走行計画生成装置10は複数の車両と接続されていてもよい。走行計画生成装置10は、ネットワークを介してエネルギ補給施設と接続されている。走行計画生成装置10は複数のエネルギ補給施設と接続されていてもよい。走行計画生成装置10は、車両20の車両情報と目的地の情報とエネルギ補給施設の情報とに基づいて、車両20が現在地から経由地を経由して目的地まで走行するまでの走行計画を生成する。経由地は、エネルギ補給施設を備える場所である。経由地は、例えば、高速道路上のサービスエリア・パーキングエリア(SAPA)である。本実施形態では、移動体を車両として説明するが、移動体は車両に限定されず、自動二輪車等であってもよい。
【0011】
走行計画生成装置10は、図1に示されるように、少なくともコントローラ100と、地図データベース110と、充電施設データベース120と、通信装置130とを備える。なお、本実施形態では、車両20として、バッテリから供給される電力で駆動されるモータを駆動源とする電気自動車を例に説明するが、電気自動車以外の自動車、例えば、ガソリンエンジンを駆動源とする自動車や、エンジンとモータの両方を駆動源とするハイブリッド自動車であってもよい。車両20が電気自動車である場合、エネルギを電力、エネルギ補給施設を充電施設として説明する。車両20がエンジンを駆動源として有する自動車であれば、エネルギをガソリン燃料、エネルギ補給施設を給油施設としてもよい。また、本実施形態では、車両を移動体の一例として説明するが、エネルギ補給が必要な移動体であれば、車両に限らない。
【0012】
コントローラ100は、ハードウェア及びソフトウェアを有するコンピュータを備えており、このコンピュータはプログラムを格納したROMと、ROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMを含むものである。なお、動作回路としては、CPUに代えて又はこれとともに、MPU、DSP、ASIC、FPGAなどを用いることができる。コントローラ100は、機能ブロックとして、車両情報取得部101と、満空情報取得部102と、走行計画生成部103と、通知制御部104とを含んで構成され、上記各機能を実現する又は各処理を実行するためのソフトウェアと、ハードウェアとの協働により各機能を実行する。
【0013】
なお、本実施形態では、コントローラ100が有する機能を4つのブロックとして分けた上で、各機能ブロックの機能を説明するが、コントローラ100の機能は必ずしも4つのブロックに分ける必要はなく、3つ以下の機能ブロック、あるいは、5つ以上の機能ブロックで分けてもよい。また、本実施形態では、コントローラ100は、走行計画生成装置10の構成として各機能を実行することとしているが、これに限らず、コントローラ100の各機能は、車両20によって実行される構成としてもよい。例えば、走行計画生成装置10は、充電施設データベース120を備え、充電施設データベース120の更新等の管理を行う。そして、車両20の車載コントローラ200が、充電施設データベース120から経由地における充電施設の満空情報を取得し、経由地において充電施設が空いているか否かを判定する。
【0014】
具体的には、まず、コントローラ100は、車両20の車両情報、目的地情報、及び、各経由地における充電施設情報を取得する。そして、コントローラ100は、車両20の車両情報、目的地情報及び充電施設情報に基づいて、車両20の充電のための充電施設を第1充電施設として特定し、車両20が現在地から、第1充電施設を備える第1経由地を経由して目的地まで走行するまでの第1走行計画を生成する。車両20が、生成された第1走行計画に基づいて走行を開始した後、第1経由地に到着するまでの間に、車両20が第1経由地とは異なる第2経由地に接近している場合に、コントローラ100は、第2経由地における充電施設の空き状況を示す満空情報を取得する。そして、コントローラ100は、第2経由地において充電施設が空いている場合に、車両20の乗員に比較情報を通知する。比較情報は、第1走行計画と、第2経由地を経由する第2走行計画とを比較するための情報である。第1経由地は、車両20の走行開始前又は走行開始時に特定された経由地である。また、第2経由地は、車両20の走行開始後の第1経由地の代わりとなる経由地の候補である。後述するように、乗員に第2経由地の情報を通知する時には、第2経由地は、第1経由地の代わりとなる経由地の候補として提示される。
【0015】
車両情報取得部101は、車両20から車両20の車両情報を取得する。車両情報は、少なくとも車両20の位置情報及び車両20のバッテリ情報を含む。車両20の位置情報は、車両20の現在地を示す情報である。バッテリ情報は、車両20のバッテリの残量を示す情報である。本実施形態では、車両情報取得部101は、車両20の走行開始前と走行中に、車両20の車両情報を取得する。車両20の車両情報は、車載通信装置250を介して、走行計画生成装置10に送信される。
【0016】
満空情報取得部102は、充電施設データベース120から、経由地における充電施設の空き状況を示す満空情報を取得する。本実施形態では、満空情報取得部102は、走行計画に基づいて車両20が走行を開始した後、第1経由地に到着する前に、第2経由地に接近しているか否かを判定する。第2経由地に接近していると判定した場合に、満空情報取得部102は、第2経由地における充電施設の空き状況を示す満空情報を取得する。満空情報取得部102は、第2経由地から所定範囲の位置に到達した場合に、第2経由地に接近していると判定する。第2経由地から所定範囲の位置とは、例えば、第2経由地から所定距離離れた地点、又は第2経由地まで所定の走行時間かかる地点である。所定距離とは、例えば、第2経由地から数km~数10kmの距離である。また、所定の走行時間とは、例えば、15分である。満空情報取得部102は、車両20の位置情報、地図情報に基づいて、車両20が第2経由地から所定距離離れた地点に到達したか否かを判定する。また、満空情報取得部102は、第2経由地までの距離と車両20の車速に基づいて、第2経由地まで所定の走行時間かかる地点に到達したか否かを判定する。
【0017】
第2経由地は、地図情報に基づいて探索される。満空情報取得部102は、地図データベース110から、第1走行経路周囲の地図情報を取得する。満空情報取得部102は、取得した地図情報に基づいて、第1走行経路周囲に存在し、充電施設を備える第2経由地を探索する。
【0018】
取得される満空情報は、所定のタイミングの第2経由地における充電施設の空き状況を示す満空情報である。例えば、満空情報は、満空情報を取得する時点における第2経由地の満空情報である。また、満空情報取得部102は、車両20が第2経由地に到着する到着予定時刻の第2経由地の満空情報を取得してもよい。具体的には、まず、満空情報取得部102は、車両20の位置情報と第2経由地の位置情報から、車両20と第2経由地との間の距離を算出し、算出された距離と車両20の車速とに基づいて車両20の到着予定時刻を算出する。そして、満空情報取得部102は、算出された到着予定時刻における第2経由地の満空情報を取得する。このとき、満空情報取得部102は、到着予定時刻の第2経由地の満空情報として、到着予定時刻に充電施設の充電スタンドの利用予約があるか否か、及び充電施設で充電中の車両の充電が到着予定時刻までに完了するか否かの情報を取得する。到着予定時刻の利用予約の情報を取得するのは、現時点では充電スタンドが空き状態であっても、車両20が到着するときに利用予約されている場合には、車両20の充電ができないからである。また、充電中の車両の充電が到着予定時刻までに完了するか否かの情報を取得するのは、現時点では充電スタンドが満車状態であっても、車両20が到着する時点に、充電スタンドが充電時間中ではなくなっていれば車両20の充電ができるからである。そして、車両20の到着予定時刻までに充電が完了している車両があるときには、到着予定時刻に充電施設に空きがあるという満空情報が取得される。
【0019】
また、満空情報取得部102は、車両20が第2経由地に接近している、かつ、車両20のバッテリ残量が所定のバッテリ残量閾値以下であると判定した場合に、第2経由地における充電施設の満空情報を取得することとしてもよい。具体的には、満空情報取得部102は、車両20の車載通信装置250から、バッテリ情報を取得し、バッテリ残量が所定のバッテリ残量閾値以下であるか否かを判定する。所定のバッテリ残量閾値は、第1経由地まで走行するために必要なバッテリ残量よりも大きい値である。本実施形態では、バッテリ残量が、第1経由地まで走行することが可能な量であっても、満空情報取得部102は、車両20が第2経由地に接近していると判定した場合には、第2経由地の満空情報を取得する。所定のバッテリ残量閾値は、走行経路上において第1経由地よりも遠くに位置する経由地まで走行するために必要なバッテリ残量よりも小さい値であってもよい。所定のバッテリ残量閾値は、例えば、SOC50%である。また、所定のバッテリ残量閾値は、バッテリの充電が必要となるバッテリ残量よりも大きい値であってもよい。バッテリの充電が必要となるバッテリ残量は、車両20がいわゆる電欠状態(SOC0%)となることを防ぐための値であり、例えば、SOC20%など、電欠状態となるまでに、車両Vがある程度走行することができる値である。
【0020】
走行計画生成部103は、車両20が現在地から、充電施設を備える経由地を経由して目的地まで走行する走行計画を生成する。まず、走行計画生成部103は、車両20の位置情報と目的地情報に基づいて、車両20の現在位置から目的地までの走行経路を演算する。目的地情報は、車両20の乗員の目的地の情報であり、乗員によって設定される。このとき演算される走行経路は、現在位置から目的地までの走行時間が最短となる走行経路であってもよいし、現在位置から目的地までの走行距離が最短となる走行経路であってもよい。次に、走行計画生成部103は、演算された走行経路上に位置する充電施設を第1充電施設として特定する。具体的には、走行計画生成部103は、車両20のバッテリ情報に基づいて、車両20のバッテリ残量で走行可能な距離の範囲を特定する。そして、走行計画生成部103は、地図情報と充電施設の位置情報に基づいて、当該範囲内の走行経路上に位置する充電施設を第1充電施設として特定する。また、走行計画生成部103は、当該範囲内の走行経路上に位置する充電施設が複数ある場合には、当該複数の充電施設の中から、当該範囲内で走行距離又は走行時間が最長である充電施設を第1充電施設として特定する。すなわち、第1充電施設は、車両20のバッテリ残量で走行可能な距離の範囲内の走行経路上に位置する充電施設のうち、車両20から最も遠い、又は、目的地に最も近い充電施設である。
【0021】
また、走行計画生成部103は、走行経路上に位置する充電施設に限らず、走行経路から所定の距離の範囲に位置する充電施設を第1充電施設として特定してもよい。この場合には、走行計画生成部103は、特定された第1充電施設を経由する走行経路に走行経路を変更する。走行計画生成部103は、第1充電施設が特定された場合、第1充電施設を備える第1経由地を経由する第1走行計画を生成する。以上のように、本実施形態では、走行計画生成部103は、車両20の現在位置から、第1経由地を経由して目的地まで走行するための走行経路を生成し、車両20が当該走行経路を走行する走行計画を生成する。なお、走行計画は、走行経路を含まず、出発地、経由地、目的地の位置情報を含むだけでもよい。
【0022】
また、走行計画生成部103は、充電施設データベース120に格納された充電施設の満空情報に基づき、空いている充電施設を第1充電施設として特定してもよい。例えば、走行計画生成部103は、車両20のバッテリ残量で走行可能な距離の範囲内に位置する充電施設の満空情報を取得して、当該満空情報に基づいて、空いている充電施設を第1充電施設として特定する。
【0023】
また、走行計画生成部103は、生成された走行計画に基づいて車両20が走行を開始した後、第1経由地に到着する前に、第2経由地の充電施設が空いている場合に、第2経由地を経由する第2走行計画を生成する。具体的には、走行計画生成部103は、車両20の位置情報、目的地情報及び第2経由地の位置情報に基づいて、車両20が現在地から第2経由地を経由して目的地まで走行する走行経路を演算する。このとき演算される走行経路は、現在地から目的地までの走行時間が最短となる走行経路であってもよいし、現在地から目的地までの走行距離が最短となる走行経路であってもよい。以上のように、走行計画生成部103は、車両20が現在地から第2経由地を経由して目的地までの走行経路を走行する走行計画を生成する。生成された走行計画を示す走行計画情報は、通信装置130を介して、車両20の車載通信装置に送信される。
【0024】
図2は、本実施形態に係る走行計画の生成の一例を示す図である。図2は、時間ごとの車両20の位置と、車両20の走行計画を示している。図2では、時間Tsは、走行開始時であり、車両20は時間Tsの時点で走行開始位置Psに位置する。このとき、走行計画生成装置10は、走行開始位置Psから、充電施設を備える第1経由地P1を経由して、目的地Dまで走行する第1走行経路R1を生成する。そして、車両20は第1走行経路R1に基づいて走行を開始する。そして、走行計画生成装置10は、車両20が第1走行経路R1を走行中に充電施設を備える第2経由地P2に接近していると判定された時点(Ta)で、第2経由地P2における充電施設の満空情報を取得する。図2では、走行計画生成装置10が第2経由地P2における充電施設の満空情報を取得する位置は情報取得位置Paである。走行計画生成装置10は、第2経由地P2における充電施設の満空情報に基づいて、第2経由地において充電施設が空いていると判定した場合には、ユーザに第2経由地の情報を通知する。例えば、車両20の現在位置(Pa)から第2経由地P2を経由して目的地Dまで走行する走行経路R2の情報が乗員に通知される。第2経由地なお、図2では、第1経由地までの走行経路周囲に充電施設を備える経由地がひとつ存在する場合の例を示しているが、これに限らず、走行経路上又は走行経路周囲に複数の経由地がある場合には、車両20が各経由地に接近しているタイミングで、各経由地において充電施設が空いているか否かを判定することとしてもよい。
【0025】
通知制御部104は、第2経由地において充電施設が空いている場合に、出力装置240を介して、比較情報を乗員に通知する。比較情報は、乗員が第1走行計画と第2走行計画とを比較するための情報であって、第1経由地の情報及び第2経由地の情報を含む。例えば、通知制御部104は、比較情報として、第1経由地における満空情報と、第2経由地における満空情報とを乗員に通知する。第2経由地は充電施設が空いているため、少なくとも第2経由地においては充電施設が空いていることを示す情報が通知される。乗員は、通知された情報を確認して、経由地として第1経由地及び第2経由地のいずれかを選択できる。第1経由地は現在経由地として設定されているため、乗員が第1経由地を選択した場合には、経由地に変更はない。一方で、第2経由地は、第1経由地の代わりに経由する経由地の候補として乗員に通知される。乗員が第2経由地を選択した場合には、経由地が変更される。
【0026】
また、比較情報は、第1走行計画及び第2走行計画ごとに、経由地を経由する走行経路、地図情報、経由地までの到着予定時刻、経由地における充電時間、充電費用、経由地まで走行するのにかかる費用、及び、経由地を経由する走行経路上の走行難易度の高い場所のうちの少なくともいずれかひとつの情報を含むこととしてもよい。経由地まで走行するのにかかる費用は、例えば、高速料金を含む。走行難易度の高い場所は、例えば、道路の分岐地点、混雑エリアである。また、比較情報は、第1走行計画及び第2走行計画ごとの、目的地到着時のバッテリ残量、目的地への到着予定時刻を含むこととしてもよい。また、比較情報は、第1走行計画と第2走行計画との差分情報を含むこととしてもよい。差分情報は、第1走行計画と第2走行計画との間の違い及び差を示す情報である。差分情報は、例えば、充電施設又は目的地への到着予定時刻の時間差、充電時間の差を含む。
【0027】
通知制御部104は、満空情報取得部102で取得された第2経由地における充電施設の満空情報に基づき、第2経由地において充電施設が空いているか否かを判定する。例えば、満空情報取得部102により、第2経由地において充電施設に空きがないという満空情報が取得されたときには、通知制御部104は、第2経由地において充電施設が空いていないと判定する。また、充電施設に空きがあるという満空情報が取得されたときには、通知制御部104は、第2経由地において充電施設が空いていると判定する。第2経由地において充電施設が空いていると判定した場合に、通知制御部104は、第1経由地の情報及び第2経由地の情報を含む比較情報を取得する。これらの情報は、地図データベース110及ぶ充電施設データベース120から取得される。また、通知制御部104は、車両20が第2経由地に到着する推定到着時刻における充電施設の満空情報に基づいて、推定到着時刻に第2経由地において充電施設が空いているか否かを判定することとしてもよい。
【0028】
また、第2経由地の情報は、第2経由地内の充電施設の空きスペース、車両20が第2経由地内の充電施設の利用スペースに停車するまでの走行経路、第2経由地内の乗員が利用できる設備、及び、第2経由地の観光スポットのうちの少なくともいずれかひとつの情報を含む。また、通知制御部104は、第2経由地の情報と同様に、第1経由地の情報を取得することとしてもよい。
【0029】
ここで、図3を用いて、乗員に通知する情報の一例を説明する。図3は、本実施形態において乗員に通知する情報の一例を示す図である。図3は、出力装置240に表示される画面Sである。図3では、第1走行計画と第2走行計画とを比較するための比較情報が表示されている。画面Sの左上に、第1走行計画(現在の走行計画)の情報が表示されていて、図面Dの左下に、第2走行計画(新しく提示する走行計画)の情報が表示されている。第1走行計画の情報には、車両V1の位置、第1走行経路R1、第1経由地P1の情報、目的地Dの情報が含まれる。第1経由地P1の情報は、例えば、第1経由地P1の情報を表すテキストT11である。テキストT11には、第1経由地P1に備えられる充電施設での充電量、第1経由地P1への到着予定時刻、第1経由地P1における充電時間、第1経由地P1における充電施設の満空情報を含む。目的地Dの情報は、例えば、目的地Dの情報を表すテキストT12である。テキストT12には、目的地D到着時のバッテリ残量、目的地Dへの到着予定時刻を含む。第2走行計画の情報には、車両V1の位置、第2走行経路R2、第2経由P2の情報、目的地Dの情報が含まれる。第2経由地P2の情報は、例えば、第2経由地P2の情報を表すテキストT21である。テキストT21には、第2経由地P2に備えられる充電施設での充電量、第2経由地P2への到着予定時刻、第2経由地P2における充電時間、第2経由地P2における充電施設の満空情報を含む。
【0030】
目的地Dの情報は、例えば、目的地Dの情報を表すテキストT22である。テキストT22には、目的地D到着時のバッテリ残量、目的地Dへの到着予定時刻を含む。また、画面Sの右側に、地図情報が表示されている。地図情報には、車両V1の位置、目的地Dの位置、第1経由地P1を経由する第1走行経路R1、第2経由地P2を経由する第2走行経路R2の情報が含まれる。また、画面Sには、ユーザが第1走行計画及び第2走行計画のうちいずれかの走行計画を選択するための選択ボタンSBを表示することとしてもよい。
【0031】
通知制御部104は、第2経由地において充電施設が空いている場合に、車両20の走行計画を、第1走行計画から第2走行計画に変更することを促す情報を乗員に通知することとしてもよい。なお、通知制御部104は、乗員によって設定された、比較情報を通知するか否かの選択情報を取得し、選択情報が、比較情報を通知することを示す情報である場合に、比較情報を乗員に通知することとしてもよい。
【0032】
地図データベース110は、道路情報を含む地図情報であって、例えば、交差点や分岐点をノードとして、ノードとノードの間の道路区間をリンクとして、道路情報を保存している。本実施形態では、地図情報は、走行計画生成部103が走行計画を生成する際に使用される。また、地図情報は、経由地の情報を含む。経由地は、充電施設を備える地点である。例えば、経由地は、高速道路のサービスエリア・パーキングエリアである。経由地の情報は、経由地の位置情報と、経由地に備えられる充電施設の情報とを含む。また、経由地の情報は、経由地内の充電施設の空きスペース、車両20が経由地内の充電施設の利用スペースの位置、経由地内の乗員が利用できる設備、及び、経由地の観光スポットのうちの少なくともいずれかひとつの情報を含むこととしてもよい。また、地図情報は、高速道路を走行するのにかかる高速料金、道路上の走行難易度の高い場所の情報を含むこととしてもよい。本実施形態では、地図情報は、第2経由地を探索する際に使用される。
【0033】
充電施設データベース120は、充電施設に関する充電施設情報を記憶する。充電施設情報は、少なくとも、充電施設の識別情報と、経度緯度で示される位置情報と、満空情報とを含む。また、充電施設情報は、車両の充電にかかる充電時間、充電料金を含むこととしてもよい。充電施設情報は、充電施設が備えられる経由地の情報を含むこととしてもよい。充電施設データベース120は、充電施設ごとに充電施設情報を記憶している。満空情報は、充電施設の空き状況を示す情報である。具体的には、満空情報は、充電施設に配置されている充電スタンドごとの、所定のタイミングにおける空き状況を示す情報である。また、満空情報は、充電スタンドの利用予約に関する情報を含む。具体的には、満空情報は、充電施設の充電スタンドごとに利用予約がされている時間の情報を含む。また、満空情報は、充電施設の充電スタンドごとに、充電中の車両がある場合には、当該車両の充電時間の情報を含む。満空情報は、充電施設ごとに通信装置130を介して取得されてリアルタイムに更新される。
【0034】
通信装置130は、ネットワークを介して、車両20の車載通信装置250との間で情報の送受信を行う。通信装置130は、車両20に走行計画情報を送信する。また、通信装置130は、車両20から車両情報を受信する。また、通信装置130は、充電施設から満空情報を受信する。
【0035】
次に、車両20について説明する。車両20は、少なくとも、車載コントローラ200と、自車位置検出装置210と、充電状態取得装置220と、駆動装置230と、出力装置240と、車載通信装置250とを備える。本実施形態では、車両20は、自律走行が可能な車両を前提としているが、これに限らず、運転者が操縦する車両であってもよい。
【0036】
車載コントローラ200は、車両20の各部を制御するものであり、プログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成されるコンピュータである。車載コントローラ200は、例えば、自車位置検出装置210及び充電状態取得装置220から各種情報を取得し、車載通信装置250を介して、各種情報を走行計画生成装置10に送信する。また、車載コントローラ200は、車載通信装置250により走行計画情報を取得し、走行計画に沿って車両20の走行を制御するための目標制御量の信号を駆動装置230に出力する。また、車載コントローラ200は、乗員が手動運転する場合には、取得した走行計画情報を出力装置240に出力させて、走行計画に基づく経路案内を実行してもよい。
【0037】
自車位置検出装置210は、車両20の現在位置を検出するものであり、例えばGPS機器を用いることができる。自車位置検出装置210は、複数の衛星通信から送信される電波を受信機で受信することで、車両20の位置情報を取得する。また、自車位置検出装置210は、周期的に複数の衛星通信から送信される電波を受信することで、車両20の位置情報の変化を検出できる。取得された車両20の位置情報は、走行計画生成装置10に送信される。本実施形態では、車両20が走行経路に沿って走行する際に現在位置情報が用いられる。
【0038】
充電状態取得装置220は、車両20に搭載されたバッテリの残量を示すバッテリ情報を取得する。取得されたバッテリ情報は、車載通信装置250を介して走行計画生成装置10に送信される。
【0039】
駆動装置230は、走行計画生成装置10から取得された走行計画に従って走行するために、車両20の加減速や操舵を含む走行制御を実行する。駆動装置230は、例えば、走行駆動源である電動モータおよび/または内燃機関、これら走行駆動源からの出力を駆動輪に伝達するドライブシャフトや自動変速機を含む動力伝達装置、および車輪を制動する制動装置などの駆動機構を備える。また、駆動装置230には、ヘッドライト、方向指示器、ハザードランプ、ワイパー等、車両20の走行に必要なその他の機器が含まれていてもよい。
【0040】
出力装置240は、車両20の乗員に対して各種情報を出力する。出力装置240は、ディスプレイにより構成される。出力装置240は、各種情報を音声情報として出力するスピーカーを備えることとしてもよい。本実施形態では、出力装置240は、通知制御部104によって通知指示があった場合に、情報を出力する。例えば、本実施形態では、出力装置240は、第2経由地において充電施設が空いている場合に、比較情報を出力する。例えば、出力装置240は、ディスプレイ上に比較情報を表す画像を表示する。
【0041】
車載通信装置250は、ネットワークを介して、走行計画生成装置10の通信装置130との間で情報の送受信を行う。車載通信装置250は、通信装置130から、車両20の走行計画情報を受信する。また、車載通信装置250は、通信装置130に、車両情報、すなわち、車両20の位置情報やバッテリ情報を送信する。
【0042】
続いて、図4を用いて、走行計画生成装置10により実行される走行計画生成方法の制御手順の一例を説明する。図4は、走行計画生成装置により実行される走行計画生成方法の制御手順を示すフローチャート図である。なお、本実施形態では、車両20の乗員により車両20の目的地の情報が入力された場合に、ステップS1から制御フローが実行される。
【0043】
ステップS1では、コントローラ100は、第1充電施設を備える第1経由地を経由する第1走行計画を生成する。例えば、コントローラ100は、車両20の現在位置から目的地までの走行経路上又は走行経路周囲の充電施設を第1充電施設として特定し、第1充電施設が位置する経由地を経由する走行計画を第1走行計画として生成する。ステップS2では、車両20は、第1走行計画に基づいて走行を開始する。ステップS3では、コントローラ100は、車両20が高速道路を走行しているか否かを判定する。車両20が高速道路を走行していると判定した場合には、コントローラ100は、ステップS4に進む。車両20が高速道路を走行していないと判定した場合には、コントローラ100は、制御フローを終了する。ステップS4では、コントローラ100は、第2経由地に接近しているか否かを判定する。第2経由地に接近していると判定した場合には、コントローラ100は、ステップS5に進む。第2経由地に接近していないと判定した場合には、コントローラ100は、ステップS10に進む。
【0044】
ステップS5では、コントローラ100は、第2経由地の満空情報を取得する。ステップS6では、コントローラ100は、第2経由地において充電施設が空いているか否かを判定する。第2経由地において充電施設が空いていると判定した場合には、コントローラ100は、ステップS7に進む。第2経由地において充電施設が空いていないと判定した場合には、コントローラ100は、ステップS10に進む。ステップS7では、コントローラ100は、出力装置240を介して、乗員に比較情報を通知する。比較情報は、例えば、第1経由地及び第2経由地における満空情報を含む。
【0045】
ステップS8では、車載コントローラ200は、乗員が第2走行計画を選択したか否かを判定する。乗員が第2走行計画を選択したと判定した場合には、車載コントローラ200は、ステップS9に進む。乗員が第2走行計画を選択していないと判定した場合には、車載コントローラ200は、ステップS10に進む。ステップS9では、車載コントローラ200は、第2走行計画に基づく走行経路の案内を実行する。ステップS10では、コントローラ100は、車両20が第1経由地に到着したか否かを判定する。車両20が第1経由地に到着したと判定した場合、コントローラ100は、制御フローを終了する。車両20が第1経由地に到着していないと判定した場合、コントローラ100は、ステップS4に進み、以下フローを繰り返す。すなわち、本実施形態では、第1経由地までの走行経路上に複数の第2経由地が存在する場合、車両20が第1経由地に到着するまでの間、第1経由地から遠い順に第2経由地に接近するたびに、ステップS5~S8までの制御を行う。
【0046】
図4のフローチャート図では、車両20が高速道路をしている場合に、本実施形態に係る走行計画生成方法を実行している。車両20が高速道路上を走行し、高速道路上のサービスエリア・パーキングエリア(SAPA)を第1経由地として第1経由地を経由する場合に、車両20が第1経由地に接近又は到着してから第1経由地の充電施設が満車であると判明することがある。このような場合、車両20に第1経由地の次の経由地まで走行するためのバッテリ残量がない、車両20は第1経由地の前の経由地を既に通過してしまっている等の理由で、高速道路を降りない限りは、他の代替となる経由地が見つからない。
【0047】
本実施形態では、車両20が高速道路を走行している間、第1経由地に到着する前に車両が高速道路上の他の経由地(第2経由地)に接近する場合に、充電施設が空いている第2経由地と、第1経由地とを比較できる情報を乗員に提供する。乗員は、高速道路走行中には走行時間や疲労等を考慮して高速道路上のいずれのSAPAに寄るかを判断する。本実施形態では、乗員は、充電施設の空き状況をも加味して判断できるようになるため、乗員の判断の負担を軽減できる。なお、本実施形態に係る発明は、車両20が高速道路を走行する場合に限らず、車両20が一般道を走行する場合にも適用してもよい。
【0048】
また、本実施形態に係る発明は、車両20が走行経路を走行している場合に適用しているが、これに限らず、走行経路の設定がない場合に適用してもよい。例えば、走行計画に、車両20の経由地、車両20の目的地が含まれ、経由地までの走行経路や目的地までの走行経路が設定されていない場合であっても、経由地及び目的地に向かって走行している車両20が他の経由地(第2経由地)に接近した場合には、当該経由地における充電施設の空き状況を乗員に通知してもよい。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る走行計画生成装置及び走行計画生成方法は、移動体のエネルギ補給施設を備える第1経由地を経由する第1走行計画を生成し、生成された第1走行計画に基づいて移動体が走行を開始した後、第1経由地に到着する前に、移動体が第1経由地とは異なる第2経由地に接近しているか否かを判定し、移動体が第2経由地に接近していると判定した場合に、第2経由地におけるエネルギ補給施設の空き状況を示す満空情報を取得し、第2経由地においてエネルギ補給施設が空いている場合に、移動体の乗員が第1走行計画と第2経由地を経由する第2走行計画とを比較するための比較情報を乗員に通知する。これにより、移動体が経路に沿って移動を開始した後、移動体の乗員が、経由するエネルギ補給施設を移動体周囲の利用可能なエネルギ補給施設に変更するかどうかを適切に選択できる。
【0050】
また、本実施形態に係る走行計画生成装置及び走行計画生成方法は、比較情報として、第1経由地における満空情報と、第2経由地における満空情報とを乗員に通知する。これにより、乗員は、エネルギ補給施設の空き状況を確認して、移動体周囲の利用可能なエネルギ補給施設に変更するかどうかを適切に選択できる。
【0051】
また、本実施形態に係る走行計画生成装置及び走行計画生成方法は、移動体のエネルギ残量を示すエネルギ情報を取得し、エネルギ残量が所定のエネルギ残量閾値以下であるか否かを判定し、移動体が第2経由地に接近している、かつ、エネルギ残量が所定のエネルギ残量閾値以下であると判定した場合に、第2経由地における満空情報を取得する。これにより、移動体のエネルギ残量が所定の残量まで少なくなった場合に、第2経由地が空いているかどうかを判定できる。
【0052】
また、本実施形態に係る走行計画生成装置及び走行計画生成方法では、第1走行計画は、第1経由地を経由する第1走行経路を含み、走行計画生成装置及び走行計画生成方法は、第1走行経路周囲の地図情報を取得し、地図情報に基づいて、第1走行経路周囲に存在し、エネルギ補給施設を備える第2経由地を探索する。これにより、移動体が走行する予定の経路から近い第2経由地を特定できる。
【0053】
また、本実施形態に係る走行計画生成装置及び走行計画生成方法は、第2経由地の情報を含む比較情報を乗員に通知し、第2経由地の情報は、第2経由地内のエネルギ補給施設の空きスペース、移動体が第2経由地内のエネルギ補給施設の利用スペースに停車するまでの走行経路、第2経由地内の乗員が利用できる設備、及び、第2経由地の観光スポットのうちの少なくともいずれかひとつの情報を含む。これにより、乗員は経由先を第2経由地にするかどうかの判断がしやすくなる。
【0054】
また、本実施形態に係る走行計画生成装置及び走行計画生成方法では、比較情報は、第1走行計画及び第2走行計画ごとに、経由地を経由する走行経路、地図情報、経由地における満空情報、経由地までの到着予定時刻、経由地におけるエネルギ補給時間、エネルギ補給にかかる費用、経由地まで走行するのにかかる費用、及び、経由地を経由する走行経路上の走行難易度の高い場所のうちの少なくともいずれかひとつの情報を含む。これにより、乗員は経由先を第2経由地にするかどうかの判断がしやすくなる。
【0055】
また、本実施形態に係る走行計画生成装置及び走行計画生成方法は、第2経由地においてエネルギ補給施設が空いている場合に、移動体の走行計画を、第1走行計画から第2走行計画に変更することを促す情報を乗員に通知する。これにより、乗員は、走行計画の変更がしやすくなる。
【0056】
また、本実施形態に係る走行計画生成装置及び走行計画生成方法は、乗員によって設定された、比較情報を通知するか否かの選択情報を取得し、選択情報が、比較情報を通知することを示す情報である場合に、比較情報を乗員に通知する。これにより、乗員は経由先を第2経由地にするかどうかの判断がしやすくなる。
【0057】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0058】
10…走行計画生成装置
100…コントローラ
101…車両情報取得部
102…満空情報取得部
103…走行計画生成部
104…通知制御部
110…地図データベース
120…充電施設データベース
130…通信装置
図1
図2
図3
図4