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特開2024-118954無人海中探査システム、管理装置、無人海中探査システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118954
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】無人海中探査システム、管理装置、無人海中探査システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B63C 11/48 20060101AFI20240826BHJP
   B63G 8/39 20060101ALI20240826BHJP
   B63G 8/38 20060101ALI20240826BHJP
   B63H 25/04 20060101ALI20240826BHJP
   B63G 8/00 20060101ALI20240826BHJP
   B63C 11/00 20060101ALI20240826BHJP
   G01S 7/52 20060101ALI20240826BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20240826BHJP
   G05D 1/00 20240101ALI20240826BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
B63C11/48 D
B63G8/39
B63G8/38
B63H25/04 D
B63G8/00 L
B63C11/00 C
B63C11/00 B
G01S7/52 V
G01C15/00 104Z
G05D1/00 A
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025574
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】523063014
【氏名又は名称】株式会社ドローンステーション
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】工藤 政宣
【テーマコード(参考)】
2F129
5H301
5J083
【Fターム(参考)】
2F129AA14
2F129BB03
2F129BB22
2F129CC12
2F129CC16
2F129DD09
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD16
2F129DD20
2F129DD39
2F129EE02
2F129EE08
2F129EE52
2F129EE65
2F129EE67
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE81
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF14
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF36
2F129FF57
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF65
2F129FF71
2F129FF73
2F129FF75
2F129GG17
2F129HH03
2F129HH12
2F129HH31
5H301AA05
5H301BB10
5H301BB14
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD08
5H301DD13
5H301GG10
5H301QQ01
5J083AA02
5J083AB08
5J083AC31
5J083AD13
5J083AE06
5J083AG20
(57)【要約】
【課題】一連の海底探査作業を無人化できる安価な無人海中探査システムを提供すること。
【解決手段】所定のネットワークを介してRCコントローラ23から送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、RCコントローラ23から送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローン31と、船舶1から送信される探査情報を処理する管理装置11とが通信可能な無人海中探査システムにおいて、船舶1から送信される探査情報を受信して海底の地形情報及び海底に敷設された構造部の形状情報を解析し、該解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成し、該作成した3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置と、が通信可能な無人海中探査システムであって、
前記船舶は、
前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記船舶に装備される水中ドローンを海中へ投下するとともに、投下された前記水中ドローンを海中から回収する引揚げ/引き降ろしする手段を備え、
前記水中ドローンは、
設定された探査海底域内において、海底を撮影する海中カメラと、送受波機が配置されたソナーシステムを制御する探査制御部と、
前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記水中ドローンの航行針路を制御する航行制御部と、を備え、
前記管理装置は、
前記船舶が探査する探査海域に基づく航行ルートを設定するルート設定手段と、
前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートを前記船舶に送信して起点港から出航させて前記探査海域まで移動航行させる第1の移動航行手段と、
前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを前記船舶に送信して前記起点港まで帰還航行させる第2の移動航行手段と、
前記船舶から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する解析手段と、
前記解析手段が解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する作成手段と、
前記作成手段が作成した前記3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に築盛された前記3D海底探査画像を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする無人海中探査システム。
【請求項2】
前記探査制御部は、前記水中ドローンが備えるマルチビームソナーから所定周波数の送信波を前記海中で発信することを特徴とする請求項1に記載の無人海中探査システム。
【請求項3】
前記探査制御部は、前記水中ドローンが備える海中カメラの撮像するビーム光源の光量を制御することを特徴とする請求項1に記載の無人海中探査システム。
【請求項4】
前記ルート設定手段は、前記船舶が探査する探査海域の海流の変化に適応して複数の航行ルートを設定することを特徴とする請求項1に記載の無人海中探査システム。
【請求項5】
所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置と、が通信可能な無人海中探査システムの制御方法であって、
前記船舶は、
前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記船舶に装備される前記水中ドローンを海中へ投下するとともに、投下された前記水中ドローンを海中から回収する引揚げ/引き降ろしするステップを備え、
前記水中ドローンは、
設定された探査海底域内において、海底を撮影する海中カメラと、送受波機が配置されたソナーシステムを制御する探査制御ステップと、
前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記水中ドローンの航行針路を制御する航行制御ステップと、を備え、
ることを特徴とする無人海中探査システムの制御方法。
【請求項6】
所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと通信し、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置であって、
前記船舶が探査する探査海域に基づく航行ルートを設定するルート設定手段と、
前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートを前記船舶に送信して起点港から出航させて前記探査海域まで移動航行させる第1の移動航行手段と、
前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを前記船舶に送信して前記起点港まで帰還航行させる第2の移動航行手段と、
前記船舶から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する解析手段と、
前記解析手段が解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する作成手段と、
前記作成手段が作成した前記3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に築盛された前記3D海底探査画像を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項7】
所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置と、が通信可能な無人海中探査システムの制御方法であって、
前記管理装置は、
前記船舶が探査する探査海域に基づく航行ルートを設定するルート設定ステップと、
前記ルート設定ステップにより設定された前記航行ルートを前記船舶に送信して起点港から出航させて前記探査海域まで移動航行させる第1の移動航行ステップと、
前記ルート設定ステップにより設定された前記航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを前記船舶に送信して前記起点港まで帰還航行させる第2の移動航行ステップと、
前記船舶から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する解析ステップと、
前記解析ステップが解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する作成ステップと、
前記作成ステップが作成した前記3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積手段に蓄積する蓄積ステップと、
を備え、
ることを特徴とする無人海中探査システムの制御方法。
【請求項8】
前記管理装置は、
前記蓄積手段に築盛された前記3D海底探査画像を出力する出力ステップを備えることを特徴とする請求項7に記載の無人海中探査システムの制御方法テム。
【請求項9】
前記管理装置は、
前記出力ステップは、所定の表示デバイスに前記3D海底探査画像を出力することを特徴とする請求項8に記載の無人海中探査システムの制御方法。
【請求項10】
前記管理装置は、
前記出力ステップは、所定の印刷デバイスに前記3D海底探査画像を出力することを特徴とする請求項7に記載の無人海中探査システムの制御方法。
【請求項11】
前記管理装置は、
前記出力ステップは、所定の解析コンピュータに前記3D海底探査画像を出力することを特徴とする請求項7に記載の無人海中探査システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信により船体の航行を自動制御して装備される海底探査デバイスにより海底調査を行う無人海中探査システム、管理装置、無人海中探査システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、海底地形等を調査する場合、下記特許文献1には、「ダイバーによる潜水は、簡単に実施できる反面、長時間に亘る連続調査が困難である。また、気象海象の影響を受け易く、かつ、危険を伴う場合も多いという問題点がある。
【0003】
また、水中ロボットの場合には、水中ロボット自体が高価である。しかも水中ロボットの操作に熟練を必要とし、かつ大型の母船を必要とする等、運用が大掛かりとなる。そのため、コストが高くなるという問題がある。
【0004】
さらに、起伏のある海底において、水中ロボットを海底から一定の高さを保つように移動させるには、複雑な機構と制御が必要とされ、かつその操作も複雑となる。」ことが指摘されている。
【0005】
これらの課題に対して、水中航行体とし開示される下記特許文献1には、「安価で、かつ操作が容易な海底調査に利用可能な水中航行体を提供するため、本発明の水中航行体1は、先端部に係索手段9が取り付けられた細長い筒状の本体7と、本体7の係索手段9に対して反対側に位置するとともに後端部を形成する姿勢安定翼を備えた姿勢安定手段11と、本体7の水中位置を調整する調整手段5と、を具備させてなることを特徴とする。」ことが開示されている。
【0006】
また、海底調査デバイスとして、下記特許文献2には「簡易な構成により作業船による海底調査などを支援できる作業船支援方法および作業船支援システムを提供するため、作業船から作業部材とともに海中に垂下された撮像手段10により、海底または海中に敷設されている作業対象に付設されているターゲットマーク60を撮像し、得られた画像を画像処理して前記作業部材と前記作業対象とを含む仮想3次元モデルを生成し、前記仮想3次元モデルを所望方向から見た画像を生成し、それを用いて作業船の作業部材の作業対象への処理を支援するものである。」ことが開示されている。
【0007】
また、下記特許文献3には、水中ドローンを利用した探査を行うシステムとして、「〔0023〕水中では、複数のフロート1の下方にダイバー8とそのダイバーが操作するカメラ9とダイバー近傍に水中ドローン10が海中探索または海中遊泳している。水中ドローン10は送受信装置11を有しており、その送信素子12および受信素子13とは水面方向に向けて水中ドローン10の上部に露出して配置されている。図2は水中ドローン10を正面から見た図であり、4個のプロペラファン14、15、16、17を制御することにより上下左右への推進を行うことができる。また水平尾翼18を備えることで水平移動の安定を確保している。水中ドローン10には送受信装置11が備えられており、送信素子12および受信素子13は、ドローン10本体の上部に配置されている。
【0008】
〔0024〕この送受信装置(移動体側送受信装置)11および送受信素子12、13は、方向制御手段30により水中ドローン10の移動中であっても常時上方へ信号発信できるように制御されている。この方向制御手段30は、ジャイロコンパス方向制御により行われており、詳細は後述する。ドローン10の前面にはドローンカメラ19が配置されて水中映像をドローン側の送受信装置11より上方(水面)側へ送信できるように構成している。このドローンカメラ19は、基地局またはセンター側からのデータ信号制御により本発明による水中通信システムを利用して行われる。」ことが開示されている。
【0009】
図9図10は、港湾工事で敷設された構造体の調査例を示す図である。
図9に示すように、海底の構造物を調査するためには、大型のクレーンを陸地側に設置し、かつ、図10に示すように、その操作位置を別所に設けるスキャナ等で水平状態を確認しながら調査する必要があった。
図11は、漁港のために建設された岸壁の構造を示す図である。
このような海洋構造物は、長年の使用や地震により、基礎部分に予期しない方向から力が加わり、不規則に位置が移動する場合がある。
このため、構造物の正確な位置を定期的に調査して、構造物を補強するための湾岸工事を行う場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005-206031号公報
【特許文献2】特開2001-180579号公報
【特許文献3】特開2022-164524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記特許文献1~3を組み合わせたシステムとした場合、システム構成がそれぞれ独立したものとしているため、それぞれの通信インタフェースを調整したり、水中ドローンを操作するダイバーが必要であり、調査できる海底深度に制限があり、かつ、潮流や、濁りといった外的条件も加味されると、有効な探査を実行するためには、気象条件や、潮流、海水の透明度等をあらかじめ掌握していなければならず、人的にも相当の負担が伴い、一定の海底エリア内を安価なコストで探査活動を実行できない等の指摘がなされていた。
【0012】
さらに、海底調査において、海底域の海水を所定量取水して持ち帰る必要がある場合には、さらに、取水デバイスや、デバイスが取水した海水を回収して所定の港等に航行搬送するシステムが必要となるが、現在、海底調査から海水を回収する一連のシステムとしての提案がなされていなかった。
また、湾岸部の調査においても、大規模な計測システムを設置する必要があり、予想以上の調査費用がかかる場合もあった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明は、水中を移動するドローン本体に備わる水中カメラと、音波探知デバイスとを連系させ、遠隔本部で無線コントローラを介して、ドローン本体を操舵しつつ、水中カメラの映像を表示デバイスで確認しながら、意図する海底エリアを探査して得られる反射波を集計、分析する構成を備えることで、簡単な操作でドローンを操縦するだけで、探査対象エリアの海底探査情報を効率よく集約しながら、無線通信で探査情報を転送するとともに、撮影された海中映像情報を遠隔集計本部に設けられる管理装置に転送できる一連の海底探査作業を無人化できる安価な無人海中探査システム、管理装置、無人海中探査システムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る無人海中探査システムは、所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置と、が通信可能な無人海中探査システムであって、前記船舶は、前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記船舶に装備される水中ドローンを海中へ投下するとともに、投下された前記水中ドローンを海中から回収する引揚げ/引き降ろしする手段を備え、前記水中ドローンは、設定された探査海底域内において、海底を撮影する海中カメラと、送受波機が配置されたソナーシステムを制御する探査制御部と、前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記水中ドローンの航行針路を制御する航行制御部と、を備え、前記管理装置は、前記船舶が探査する探査海域に基づく航行ルートを設定するルート設定手段と、前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートを前記船舶に送信して起点港から出航させて前記探査海域まで移動航行させる第1の移動航行手段と、前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを前記船舶に送信して前記起点港まで帰還航行させる第2の移動航行手段と、前記船舶から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する解析手段と、前記解析手段が解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する作成手段と、前記作成手段が作成した前記3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に築盛された前記3D海底探査画像を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単な操作でドローンを操縦するだけで、探査対象エリアの海底探査情報を効率よく集約しながら、無線通信で探査情報を転送するとともに、撮影された海中映像情報を遠隔集計本部に設けられる管理装置に転送できる一連の海底探査作業を無人化できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
図1】本実施形態を示す無人海中探査システムの構成を説明するブロック図。
図2】本実施形態を示す無人海中探査システムにおける陸上基地の設けるサーバ装置の構成を説明するブロック図。
図3図2に示したメモリ部に展開されるプログラム構成を説明するブロック図。
図4図1に示した無線コントローラの構成を説明するブロック図。
図5】本実施形態を示す無人海中探査システムに適用する水中ドローンの外観を示す斜視図。
図6】本実施形態を示す無人海中探査システムを利用する探査例を示す図。
図7】本実施形態を示す無人海中探査システムの船舶における作業処理を説明するフローチャート。
図8】本実施形態を示す無人海中探査システムの船舶における作業処理を説明するフローチャート。
図9】港湾工事で敷設された構造体の調査例を示す図。
図10】港湾工事で敷設された構造体の調査例を示す図。
図11】漁港のために建設された岸壁の構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す無人海中探査システムの構成を説明するブロック図である。以下、所定のネットワークを介してRCコントローラ23から送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶1と、RCコントローラ23から送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローン31と、前記船舶から送信される探査情報を処理する図2に示す管理装置11と、が通信可能な無人海中探査システムの構成について詳述する。
【0018】
図1において、船舶1は、RCコントローラ23から送信される信号に基づいて、船舶1に装備される水中ドローン31を海中へ投下するとともに、投下された水中ドローン31を海中から回収する引揚げ/引き降ろしする手段(図示しない)を備え、水中ドローン31は、設定された探査海底域内において、海底を撮影する海中カメラ2と、送受波機が配置されたソナーシステム3を制御する探査制御部として機能するコントローラ4と、RCコントローラ23から送信される制御信号に基づいて、水中ドローン31の航行針路を制御する航行制御部4aと、船舶1のエンジン5と操船方向を決定するラダーや、各種装備品の動作を制御する装備デバイスコントローラ4bを備える。
なお、コントローラ4は、水中ドローン31が備えるマルチビームソナーから所定周波数の送信波を前記海中で発信することが可能に構成されている。
6はスクリューで、エンジン5の回転力を可逆的に伝達することで正転または逆転させる。24はアンテナで、船舶1と水中ドローン31との間で2.5Ghzの操船制御通信を行う。
【0019】
8はモニタで、水中ドローン31に設けるカメラが撮像した水中画像情報を画像処理した後の水中画像を表示する。7はアンテナで、5G環境のキャリアを利用して陸地に設ける拠点に設置される図2に示す管理装置11と無線通信する。
【0020】
本実施形態では、浅瀬における海底探査する第1の探査部と、やや深め水深150~400mの海底を探査する第2の探査部とを備え、船舶1に乗り込む作業者がRCコントローラ23を操作して、第1の探査部と第2の探査部とを自在に切り替えて海底構造物や海底形状を探査することが可能に構成されている。
【0021】
管理装置11は、船舶1が探査する探査海域に基づく航行ルートを設定するルート設定手段14-5と、ルート設定手段14-5により設定された前記航行ルートを船舶1に送信して起点港から出航させて探査海域まで移動航行させる第1の移動航行手段14-1と、ルート設定手段14-5により設定された航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを船舶に送信して起点港まで帰還航行させる第2の移動航行手段14-2と、船舶1から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する解析手段14-3と、解析手段14-3が解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する作成手段14-4と、作成手段14-4が作成した3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積する外部メモリ22と、外部メモリ22に蓄積された3D海底探査画像を出力する表示部21と、を備える。
【0022】
なお、本例は、船舶1の甲板における作業者がRCコントローラ23を操作する例を示すが、船舶1は、無人化した構成として、RCコントローラ23を操作する作業者が管理装置11に近接して位置に配置したシステム構成としてもよい。
【0023】
図2は、本実施形態を示す無人海中探査システムにおける陸上基地の設ける管理装置の構成を説明するブロック図である。
図2において、11は管理装置で、無線コントローラ12がアンテナ24を介して図1に示した船舶1と所定のキャリアを介して相互に通信する。
13はCPUで、インタフェース(I/O)15を介して接続される外部メモリ22からメモリ部14にロードされる各種のアプリケーションを実行する。
【0024】
21は表示部で、CPU13がアンテナ24を介して船舶1から送信される海底探査におけるソナー受信情報、カメラが撮像した海中画像情報に対して画像演算処理、データ解析処理により結果から作成される海底探査画像を表示する。
【0025】
図3は、図2に示したメモリ部14に展開されるプログラム構成を説明するブロック図である。
図3において、14-1は第1の移動航行手段で、ルート設定手段14-5により設定された航行ルートを船舶1に送信して起点港から出航させて探査海域まで移動航行させる制御を行う。
【0026】
14-2は第2の移動航行手段で、ルート設定手段14-5により設定された航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを船舶1に送信して起点港まで帰還航行させる制御を行う。
【0027】
14-3は解析手段で、船舶1から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する演算処理を行う。14-4は作成手段で、解析手段14-3が解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する演算処理を行う。
【0028】
なお、外部メモリ22は、作成手段14-4が作成した3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積する。また、管理装置11は、外部メモリ22に築盛された3D海底探査画像を出力する出力手段として、表示部21、印刷装置(図示しない)を接続することが可能に構成されている。
【0029】
図4は、図2に示したコントローラ4の構成を説明するブロック図である。
図4に示す装備デバイスコントローラ4bにおいて、4b-1はエンジン制御部で、船舶1の図示しないエンジン5を総括的に制御する。なお、エンジン制御4b-1は、RCコントローラ23からの操作信号に基づいてエンジン部をコントロールすることも可能である。
【0030】
4b-2はソナー制御部で、マルチビームを海中に送信し、海底から反射される反射波を受信して海底形状を確定する海底形状情報を収集する。
【0031】
4b-3は水中ドローン制御部で、RCコントローラ23からの操作信号に基づいて水中ドローン31を潜航、浮上、移動方向等を制御する。4b-4はカメラ制御部で、RCコントローラ23からの操作信号に基づいて水中ドローン31が装備する海中カメラ2の撮影、撮影補助ライトの点灯を制御する。
【0032】
図5は、本実施形態を示す無人海中探査システムに適用する水中ドローン31の外観を示す斜視図である。
【0033】
図5において、100はドローン本体で、水中カメラ102、測位システム103、ソナー、前進スラスタ、鉛直スラスタ、横スラスタ、通信ユニット、コントローラユニットを備え、船上のウインチに接続される巻上げケーブル(図示しない)により潜航した本体を船上200まで引き上げることができる構成を備える。また、ドローン本体100は、4軸ジョイスティックを備える操作コントローラと無線通信することで、カメラ位置、撮影角度を調整可能である。
【0034】
また、操作コントローラを船舶1上で操作することで、本体に図示しない撮影用のライトを点灯することができる。また、ドローン本体100は自動方位機能および自動深度機能を備えることが可能に構成されている。
【0035】
図6は、本実施形態を示す無人海中探査システムにおける無人船舶により潜航した水中ドローンによる探査例を示す図である。
【0036】
本実施形態では、RCコントローラ23を操作する作業者が船舶1に乗船していなくても、管理装置11が設置される本部において、船舶1と、水中ドローン31を操船し、かつ、水中ドローン31が装備するソナー、海中カメラ2の作動を無線通信により制御したり、船舶1が備えるソナーシステム3や、海中カメラ2の作動を無線通信により制御したりすることをモードで切り替え制御可能に構成されている。
【0037】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、海面から10メートル程度の浅瀬における海底形状測量や、海面から150mから400m程度の海底形状測量を遠隔制御できるため、従来の海底探査に関わる装備を小型化するとともに、安価なシステムとして構築できる。また、海底探査に要する作業者の数を大幅に削減することができる。
【0038】
〔第2実施形態〕
以下、船舶側の作業処理および管理装置側の作業処理を示す無人海中探査システムにおける制御方法について詳述する。
【0039】
〔船舶側の作業処理〕
図7は、本実施形態を示す無人海中探査システムにおける船舶側の作業処理を示すフローチャートである。なお、(1)~(12)は各ステップを示し、各ステップは、船舶1のコントローラ4が記憶された制御プログラムを実行することで実現される。
【0040】
まず、RCコントローラ23から水中ドローン31を海中へ潜航させるための引き落とし信号を受信したら(1)、船舶1に船首部に設けるウインチを制御して水中ドローン31を潜航させる(2)。
【0041】
次に、RCコントローラ23から水中ドローン31のカメラ102をオンする信号を受信したら(3)、カメラによる海中撮影を開始する。
次に、RCコントローラ23は水中ドローン31のカメラから送信される海中映像がOKかどうかを確認し(4)、受信したカメラが撮像した海中動画情報を外部メモリ22に蓄積する。
【0042】
次に、RCコントローラ23は水中ドローン31のソナーシステムを作動させ(5)、水中ドローン31から送信される音波の反射波を受信する(6)。
次に、船舶1のコントローラ4は、RCコントローラ23から船舶1の航路を変更する指示がなされているかを判断する(7)。ここで、船舶1のコントローラ4が航路を変更すると判断した場合、エンジン5の始動を制御して探査海域を移動する(8)。
【0043】
次に、指定された海域の探査を完了した場合、船舶1のコントローラ4は、RCコントローラ23から水中ドローン31を回収する指示を受けているかどうかを判断する。ここで、船舶1のコントローラ4は、RCコントローラ23から水中ドローン31を回収する指示を受けていると判断した場合、上記ウインチを駆動して水中ドローン31を海中から回収する(9)。
【0044】
次に、船舶1のコントローラ4は、移動した座標位置があらかじめ設定された探査海域かを判断する(10)。ここで、船舶1のコントローラ4は、移動した座標位置があらかじめ設定された探査海域であると判断した場合、海中探査を再開するかどうかを判断し(11)、探査を再開する場合は、ステップ(1)へ戻り、探査作業を繰り返す。
【0045】
一方、ステップ(11)で、海底探査を再開しない(探査終了)と判断した場合は、船舶1のコントローラ4は、RCコントローラ23からの帰港指示を受け取ることで(12)、あらかじめ設定された出航港へ向けて帰港航行を行い、出航港に帰港したら、本処理を終了する。
【0046】
これにより、船舶1は、RCコントローラ23から受信する操船信号、水中ドローン潜航、浮上等を制御して、海底を探査して、海底の形状、海底の構造物を無人で調査することが可能となる。
なお、RCコントローラ23は、海流の変化に適応して、管理装置11から船舶1の探査海域を操船するための複数の航行ルートを設定することが可能である。
【0047】
〔管理装置側の作業処理〕
図8は、本実施形態を示す無人海中探査システムにおける船舶側の作業処理を示すフローチャートである。なお、(21)~(30)は各ステップを示し、各ステップは、管理装置11のCPU13が記憶された制御プログラムを実行することで実現される。本例は、船舶1に作業者が乗船し、作業者が操作するデータ端末と管理装置11とが通信可能とし、船舶1のエンジン始動を作業者が行うものとする。
【0048】
管理装置11のCPU13は、蓄積された探査海域の海流の変化に適応して船舶1の探査ルートを設定する(21)。次に、CPU13は、設定した探査ルートに関わる情報を船舶1に送信する(22)。この探査ルートの情報は、船舶1に作業者が乗船し、作業者が操作するデータ端末にインストールされたアプリに通知されるものとする。
【0049】
次に、作業者は、データ端末に表示される操作画面に表示された指示に基づいて、船舶1のエンジン5を始動する(23)。なお、船舶1の操船により移動する位置情報は、GPS信号を追跡することで管理装置11は常時把握することができるものとする。
【0050】
次に、管理装置11は、船舶1が目的海域に到達したかどうかをGPS信号を受信して判断し(24)、船舶1が目的海域に到達したと判断した場合、船舶1から無線送信される探査情報を受信する(25)。なお、船舶1上でも、表示部21でカメラ102が撮像する海底画像が表示されるものとする。
【0051】
この際、船舶1上では、作業者がRCコントローラ23を操作して、水中ドローン31の潜航、浮上等が制御されている。また、浅い海底においては、海中カメラ2による撮像情報が表示される。
次に、管理装置11は、船舶1から送信された探査情報を図示しない解析プログラムを起動して海底の深度、形状等を3次元解析する(26)。
【0052】
次に、CPU13は、3次元解析結果に基づいて海底の形状等を3D画像として表示するための解析画像を作成する(27)。
次に、CPU13は、解析画像情報を外部メモリ22に蓄積する(28)。なお、蓄積する解析画像情報は、所定のID情報が付与され、外部メモリ22から随時読み出して表示部21に表示することが可能である。
【0053】
次に、外部メモリ22に蓄積した解析画像情報の出力指示を受け付けた場合(29)、表示部21に探査した海域の構造、形状を示す3D画像を表示部21に出力して(30)、本処理を終了する。
なお、管理装置11は、所定の印刷デバイスに3D海底探査画像を出力したり、所定の解析コンピュータに3D海底探査画像を出力したりすることも可能である。
【0054】
〔第2実施形態の効果〕
これにより、管理装置11は、調査する船舶1に近接することなく、所望の探査本部に遠隔的に設置され、かつ、精密な海洋、海底調査を監視するとともに、統括的に船舶1や水中ドローン31を使用した潜水調査を自在に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
上記実施形態では、船舶自体が探査するシステムを例としているが探査船舶を曳航する他の船舶1とが連系するシステムにおいても、曳航する船舶1を無人化してRCコントローラ23で探査海域をGSP情報を用いながら所定の探査海域の海底を探査するシステムとすることも可能である。
また、船舶1は、RCコントローラに限らず、管理装置11の無線コントローラ12が起動する自動操舵プログラムを実行して、船舶1の操船、操舵、各機器の点検、水中ドローン23の海中投入、海中からの引揚げを行うウインチを遠隔制御する構成としてもよいし、RCコントローラと管理装置11が連携して船舶の操船、操舵、各機器の点検、水中ドローン23の海中投入、海中からの引揚げを行うウインチを遠隔制御する構成としてもよい。
【0056】
なお、船舶と管理装置との間における通信は、無線、有線の他に衛星を利用する通信を含めて、地球上の海洋域において、本発明を適用することが可能となる。
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0057】
(1)所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置と、が通信可能な無人海中探査システムであって、前記船舶は、前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記船舶に装備される水中ドローンを海中へ投下するとともに、投下された前記水中ドローンを海中から回収する引揚げ/引き降ろしする手段を備え、前記水中ドローンは、設定された探査海底域内において、海底を撮影する海中カメラと、送受波機が配置されたソナーシステムを制御する探査制御部と、前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記水中ドローンの航行針路を制御する航行制御部と、を備え、前記管理装置は、前記船舶が探査する探査海域に基づく航行ルートを設定するルート設定手段と、前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートを前記船舶に送信して起点港から出航させて前記探査海域まで移動航行させる第1の移動航行手段と、前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを前記船舶に送信して前記起点港まで帰還航行させる第2の移動航行手段と、前記船舶から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する解析手段と、前記解析手段が解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する作成手段と、前記作成手段が作成した前記3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に築盛された前記3D海底探査画像を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0058】
(2)前記探査制御部は、前記水中ドローンが備えるマルチビームソナーから所定周波数の送信波を前記海中で発信することを特徴とする。
【0059】
(3)前記探査制御部は、前記水中ドローンが備える海中カメラの撮像するビーム光源の光量を制御することを特徴とする。
【0060】
(4)前記ルート設定手段は、前記船舶が探査する探査海域の海流の変化に適応して複数の航行ルートを設定することを特徴とする。
【0061】
(5)所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置と、が通信可能な無人海中探査システムの制御方法であって、前記船舶は、前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記船舶に装備される前記水中ドローンを海中へ投下するとともに、投下された前記水中ドローンを海中から回収する引揚げ/引き降ろしするステップを備え、前記水中ドローンは、設定された探査海底域内において、海底を撮影する海中カメラと、送受波機が配置されたソナーシステムを制御する探査制御ステップと、前記RCコントローラから送信される信号に基づいて、前記水中ドローンの航行針路を制御する航行制御ステップと、を備えることを特徴とする。
【0062】
(6)所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと通信し、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置であって、前記船舶が探査する探査海域に基づく航行ルートを設定するルート設定手段と、前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートを前記船舶に送信して起点港から出航させて前記探査海域まで移動航行させる第1の移動航行手段と、前記ルート設定手段により設定された前記航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを前記船舶に送信して前記起点港まで帰還航行させる第2の移動航行手段と、前記船舶から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する解析手段と、前記解析手段が解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する作成手段と、前記作成手段が作成した前記3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に築盛された前記3D海底探査画像を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0063】
(7)所定のネットワークを介してRCコントローラから送信される操舵信号を送受信アンテナを介して受信して航行可能な船舶と、前記RCコントローラから送信される探査信号に基づいて海中探査を行う水中ドローンと、前記船舶から送信される探査情報を処理する管理装置と、が通信可能な無人海中探査システムの制御方法であって、前記管理装置は、前記船舶が探査する探査海域に基づく航行ルートを設定するルート設定ステップと、前記ルート設定ステップにより設定された前記航行ルートを前記船舶に送信して起点港から出航させて前記探査海域まで移動航行させる第1の移動航行ステップと、前記ルート設定ステップにより設定された前記航行ルートにより定まる探査海域から起点港に帰還させる帰還航行ルートを前記船舶に送信して前記起点港まで帰還航行させる第2の移動航行ステップと、前記船舶から送信される探査情報を受信することにより海底の地形情報および海底に敷設された構造部の形状情報を解析する解析ステップと、前記解析ステップが解析した探査情報に基づいて探査結果を示す海底地形、海底構造物を示す3D海底探査画像を作成する作成ステップと、前記作成ステップが作成した前記3D海底探査画像を所定の海図に紐づけて蓄積手段に蓄積する蓄積ステップと、を備えることを特徴とする。
【0064】
(8)前記管理装置は、前記蓄積手段に築盛された前記3D海底探査画像を出力する出力ステップを備えることを特徴とする。
【0065】
(9)前記管理装置は、前記出力ステップは、所定の表示デバイスに前記3D海底探査画像を出力することを特徴とする。
【0066】
(10)前記管理装置は、前記出力ステップは、所定の印刷デバイスに前記3D海底探査画像を出力することを特徴とする。
【0067】
(11)前記管理装置は、前記出力ステップは、所定の解析コンピュータに前記3D海底探査画像を出力することを特徴とする。
【符号の説明】
【0068】
1 船舶
4 コントローラ
11 管理装置
13 CPU
23 RCコントローラ
31 水中ドローン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11