(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118967
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】磁気検出装置
(51)【国際特許分類】
G01R 33/04 20060101AFI20240826BHJP
G01R 33/02 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
G01R33/04
G01R33/02 V
G01R33/02 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025589
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(71)【出願人】
【識別番号】502226380
【氏名又は名称】株式会社オプトハブ
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】馬島 八世
(72)【発明者】
【氏名】南雲 章
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 紘
【テーマコード(参考)】
2G017
【Fターム(参考)】
2G017AA02
2G017AC06
2G017AC07
2G017AD42
2G017AD46
2G017AD47
2G017BA03
2G017BA05
(57)【要約】
【課題】複数の方向の磁界を検出する場合に、感度の低下を抑制しながら、複数の方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることが可能な磁気検出装置を提供する。
【解決手段】この磁気検出装置100は、励磁コイル部および信号コイル部と、リングコアとを各々が個別に含む複数の磁気センサ部10a~10fと、駆動回路部20と、検出回路部30と、を備える。そして、複数の磁気センサ部10a~10fのうち、第1軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10bによって、第1軸センサ部が構成されているとともに、複数の磁気センサ部10a~10fのうち、第1軸方向と交差する第2軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの前記磁気センサ部10cおよび10dによって、第2軸センサ部が構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に導体パターンとして形成された励磁コイル部および信号コイル部と、前記基板に配置されている磁性コア層とを各々が個別に含む複数の磁気センサ部と、
前記励磁コイル部に対して交流電流を出力する駆動回路部と、
前記信号コイル部からの検出信号を取得する検出回路部と、を備え、
前記複数の磁気センサ部のうち、第1軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも2つの前記磁気センサ部によって、第1軸センサ部が構成されているとともに、
前記複数の磁気センサ部のうち、前記第1軸方向と交差する第2軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの前記磁気センサ部によって、第2軸センサ部が構成されている、磁気検出装置。
【請求項2】
前記複数の磁気センサ部のうち、前記第1軸方向と前記第2軸方向とによって形成される面に対して交差する第3軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの前記磁気センサ部によって第3軸センサ部がさらに構成されており、
前記第3軸センサ部における前記磁気センサ部は、前記第1軸センサ部における少なくとも2つの前記磁気センサ部同士の間を通る軸線上に配置されている、請求項1に記載の磁気検出装置。
【請求項3】
前記第2軸センサ部における前記磁気センサ部の個数は、前記第1軸センサ部における前記磁気センサ部の個数と等しい、請求項1または2に記載の磁気検出装置。
【請求項4】
前記第1軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部および前記信号コイル部と、前記第2軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部および前記信号コイル部とは、共通の前記基板である第1基板に前記導体パターンとして形成されている、請求項1または2に記載の磁気検出装置。
【請求項5】
前記第2軸センサ部は、少なくとも2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記複数の磁気センサ部のうち、前記第1軸方向と前記第2軸方向とによって形成される面に対して交差する第3軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの前記磁気センサ部によって第3軸センサ部がさらに構成されており、
前記第3軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部および前記信号コイル部は、前記第1基板とは別個の第2基板に前記導体パターンとして形成されており、
前記第2基板は、前記第1基板に設けられた孔部を貫通するように配置されている、請求項4に記載の磁気検出装置。
【請求項6】
前記第1軸センサ部は、前記第1軸方向に沿って並んで配置されている2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第2軸センサ部は、前記第2軸方向に沿って並んで配置されている2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第1軸センサ部における2つの前記磁気センサ部と、前記第2軸センサ部における2つの前記磁気センサ部とは、前記第1軸センサ部における2つの前記磁気センサ部同士を結ぶ線と、前記第2軸センサ部における2つの前記磁気センサ部同士を結ぶ線とが、互いに垂直に交差するように、十字状に配置されている、請求項4に記載の磁気検出装置。
【請求項7】
前記第1軸センサ部は、2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第2軸センサ部は、2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第1基板は、矩形状を有し、
前記第1軸センサ部における2つの前記磁気センサ部同士と、前記第2軸センサ部における2つの前記磁気センサ部同士との各々は、矩形の前記第1基板の対角線に沿って配置されている、請求項4に記載の磁気検出装置。
【請求項8】
前記第1軸センサ部は、3つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第2軸センサ部は、3つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第1軸センサ部の3つの前記磁気センサ部の各々は、前記第1基板において三角形の頂点の位置に配置されており、
前記第2軸センサ部の3つの前記磁気センサ部の各々は、前記第1軸センサ部の3つの前記磁気センサ部が配置されている位置の三角形と重なり合う逆三角形の頂点の位置に配置されている、請求項4に記載の磁気検出装置。
【請求項9】
前記磁性コア層は、円環形状を有し、前記基板に形成された層として前記基板の主表面に沿うように配置されており、
前記励磁コイル部と前記信号コイル部とは、円環形状の前記磁性コア層の周方向に沿って、前記磁性コア層の周りを交互に巻回するように配置されており、
前記信号コイル部は、前記磁性コア層の半周分ずつ巻回される向きを入れ替えながら配置されており、
前記第1軸センサ部における少なくとも2つの前記磁気センサ部は、前記磁性コア層において前記信号コイル部の巻回される向きが入れ替えられる位置の方向である検出方向が、互いに共通の前記第1軸方向となるように向きを揃えて配置されている、請求項1または2に記載の磁気検出装置。
【請求項10】
前記第1軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部と、前記第2軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部とは、互いに直列接続されており、共通の前記駆動回路部からの交流電流が入力される、請求項1または2に記載の磁気検出装置。
【請求項11】
前記複数の磁気センサ部における前記磁性コア層の検出方向側に配置され、前記磁性コア層に対して磁束を収束する磁気収束部をさらに備える、請求項1または2に記載の磁気検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気検出装置に関し、特に、励磁コイル部と信号コイル部とを備える磁気検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、励磁コイル部と信号コイル部とを備える磁気センサが知られている(たとえば、非特許文献1)。
【0003】
上記非特許文献1には、基板に形成されたTFGセンサ素子(Thin-Film Flux-Gate磁気センサ素子:薄膜フラックスゲート磁気センサ素子)が記載されている。上記非特許文献1に記載のTFGセンサ素子は、環状のリングコアと、励振コイルおよび受信コイルとを備えている。リングコアは、基板においてパーマロイ薄膜により形成されている。そして、リングコアの上下に絶縁層を挟みながら薄膜のパターンメッキの上部配線層および下部配線層が積層されている。この上部配線層と下部配線層とが接続されることによって、リングコアの周りに三次元的に励振コイルおよび受信コイルが形成されている。リングコアの周りにおいて、受信コイルと励振コイルとは交互に巻き回されている。また、受信コイルを差動型とするために、受信コイルの巻き方向が、リングコアの半周分ごとに逆向きに切り替えられている。上記非特許文献1に記載のTFGセンサ素子では、リングコアの半周分ごとの受信コイルの巻き方向を切り替える位置が、感度軸の位置となる。
【0004】
また、上記非特許文献1には、1つのTFG素子において、直交する2つの感度軸を有する2軸TFG素子の例が記載されている。2軸TFG素子では、1つのリングコアの90度ずつにおいて、受信コイルが4つに分割されている。そして、4つに分割された受信コイルのうちの互いに向かい合う1対の受信コイル同士の巻き方向が、互いに逆向きになっている。2軸TFG素子では、互いに向かい合う1対の受信コイルが1方向の磁界を差動検出することによって、直交する2方向の磁界が検出される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】吉見、ほか5名、「小型薄膜フラックスゲート磁気センサとその応用」、島津評論、島津評論編集部、1999年8月、第56巻、第1・2号、p.19-28
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1に記載のTFGセンサ素子のように、複数の方向の磁界を検出するために受信コイルを分割する場合には、1方向の磁界を検出するための受信コイルのターン数が小さくなる。そのため、複数の方向の磁界を検出するために、1方向ごとの感度が低下する。また、上記非特許文献1には記載されていないが、複数の方向の磁界を検出するために、1方向の磁界を検出する1軸のTFGセンサ素子を、1つずつ向きを変更しながら並べて配置することが考えられる。その場合には、1方向の磁界を検出するTFGセンサ素子(磁気センサ部)が並んで配置されているので、複数の方向の各々ごとに、センサの中心位置が離間した状態となる。そのため、複数の方向の磁界を検出する場合に、検出位置を互いに近づけることが困難である。これらのように、複数の方向の磁界を検出する場合に、感度の低下を抑制しながら、複数の方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、複数の方向の磁界を検出する場合に、感度の低下を抑制しながら、複数の方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることが可能な磁気検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一の局面における磁気検出装置は、基板に導体パターンとして形成された励磁コイル部および信号コイル部と、基板に配置されている磁性コア層とを各々が個別に含む複数の磁気センサ部と、励磁コイル部に対して交流電流を出力する駆動回路部と、信号コイル部からの検出信号を取得する検出回路部と、を備え、複数の磁気センサ部のうち、第1軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも2つの磁気センサ部によって、第1軸センサ部が構成されているとともに、複数の磁気センサ部のうち、第1軸方向と交差する第2軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの磁気センサ部によって、第2軸センサ部が構成されている。
【発明の効果】
【0009】
上記一の局面における磁気検出装置は、上記のように、複数の磁気センサ部のうち、第1軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも2つの磁気センサ部によって、第1軸センサ部が構成されているとともに、複数の磁気センサ部のうち、第1軸方向と交差する第2軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの磁気センサ部によって、第2軸センサ部が構成されている。これにより、第1軸センサ部において、少なくとも2つの磁気センサ部によって第1軸方向の磁界が検出されるとともに、第2軸センサ部において、少なくとも1つの磁気センサ部によって第2軸方向の磁界が検出されるので、複数の方向の磁界をまとめて1つの磁気センサ部によって検出する場合に比べて、感度が低下することを抑制することができる。また、少なくとも2つの磁気センサ部によって、第1軸センサ部が構成されているとともに、少なくとも1つの磁気センサ部によって、第2軸センサ部が構成されているため、第1軸センサ部の少なくとも2つの磁気センサ部の間に、第2軸センサ部の磁気センサ部の中心を配置すれば、第1軸センサ部における少なくとも2つの磁気センサ部同士の中心の位置と、第2軸センサ部の磁気センサ部の中心の位置とを、互いに近づけることができる。そのため、複数の方向の磁界を検出する場合に、複数の方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることができる。これらの結果、複数の方向の磁界を検出する場合に、感度の低下を抑制しながら、複数の方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態による磁気検出装置の全体構成を示したブロック図である。
【
図2】第1実施形態による磁気検出装置の模式的な構成を示した斜視図である。
【
図3】複数の磁気センサ部のうちの一つの構造を示した模式図である。
【
図5】第2実施形態による磁気検出装置の全体構成を示した図である。
【
図6】第3実施形態による磁気検出装置の模式的な全体構成を示した斜視図である。
【
図7】第3実施形態による磁気検出装置における基板の天面図である。
【
図8】第4実施形態による磁気検出装置の模式的な全体構成を示した斜視図である。
【
図9】磁気収束部の構成を説明するための模式図である。
【
図10】本発明の第4実施形態の変形例による磁気収束部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具現化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
[第1実施形態]
図1~
図4を参照して、本発明の第1実施形態による磁気検出装置100の全体構成について説明する。
【0013】
(磁気検出装置の構成)
図1に示すように、第1実施形態による磁気検出装置100は、複数の磁気センサ部10a、磁気センサ部10b、磁気センサ部10c、磁気センサ部10d、磁気センサ部10e、および、磁気センサ部10fを備えている。また、磁気検出装置100は、駆動回路部20と、検出回路部30とを備えている。磁気検出装置100は、3つの軸方向における磁界(磁束)の各々を検出する3軸の磁気センサである。磁気検出装置100では、複数の磁気センサ部10a~10fのうちの2つの磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bによって、第1軸センサ部1が構成されている。また、複数の磁気センサ部10a~10fのうちの2つの磁気センサ部10cおよび磁気センサ部10dによって、第2軸センサ部2が構成されている。また、複数の磁気センサ部10a~10fのうちの2つの磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fによって、第3軸センサ部3が構成されている。すなわち、第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび10bの個数と、第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび10dの個数と、第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび10fの個数とは、互いに等しい。
【0014】
図2に示すように、第1軸センサ部1では、磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bは、第1軸方向であるX方向を検出方向とするように配置されている。第2軸センサ部2では、磁気センサ部10cおよび磁気センサ部10dは、第2軸方向であるY方向を検出方向とするように配置されている。第3軸センサ部3では、磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fは、第3軸方向であるZ方向を検出方向とするように配置されている。第2軸方向は、第1軸方向に交差する方向である。第3軸方向は、第1軸方向と第2軸方向とによって形成される面(XY平面)に対して交差する方向である。具体的には、第1軸方向(X方向)、第2軸方向(Y方向)、および、第3軸方向(Z方向)は、互いに直交する。
【0015】
第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bと、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび磁気センサ部10dとは、XY平面に沿う基板40に配置されている。第3軸センサ部3の磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fは、YZ平面に沿う基板50に配置されている。なお、基板40は、特許請求の範囲における「基板」および「第1基板」の一例である。基板50は、特許請求の範囲における「基板」および「第2基板」の一例である。基板40および基板50における磁気センサ部10a~10fの配置の詳細は後述する。
【0016】
〈磁気センサ部〉
複数の磁気センサ部10a、磁気センサ部10b、磁気センサ部10c、磁気センサ部10d、磁気センサ部10e、および、磁気センサ部10fの各々は、フラックスゲート磁気センサである。複数(6つ)の磁気センサ部10a、磁気センサ部10b、磁気センサ部10c、磁気センサ部10d、磁気センサ部10e、および、磁気センサ部10fの各々は、互いに共通の構成を有している。以下の説明では、6つの磁気センサ部10a~10fのうちの、基板40に配置されている磁気センサ部10aの構成を図示して説明するとともに、磁気センサ部10b~10fの構成は図示を省略する。
【0017】
図3に示すように、磁気センサ部10aは、リングコア11と、励磁コイル部12と、信号コイル部13とを含む。リングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13は、基板40(
図1および
図2参照)に配置されている。なお、
図3では、リングコア11と、励磁コイル部12と、信号コイル部13とを、ハッチングの差異により区別して図示している。また、リングコア11は、特許請求の範囲における「磁性コア層」の一例である。
【0018】
リングコア11は、円環形状を有する。磁気センサ部10aにおいて、リングコア11は、基板40に形成された層として、基板40の主表面に沿うように配置されている。すなわち、リングコア11は、基板40において、薄膜の磁性体層として形成されている。リングコア11は、磁束の経路となる磁路を形成する軟磁性材料によって構成されている。リングコア11は、たとえば、パーマロイ薄膜である。リングコア11は、たとえば、基板40においてスパッタ成膜されてエッチングされることにより円環形状に形成される。なお、リングコア11は、上記のパーマロイ薄膜のほか、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Mo(モリブデン)などを含むスーパーマロイ、Co(コバルト)、Feなどを含むアモルファス材料、または、アモルファス合金を部分的に結晶化させることによってランダムに配向させたナノ結晶材料などによって構成されていてもよい。
【0019】
また、励磁コイル部12と信号コイル部13とは、円環形状のリングコア11の周方向に沿って、リングコア11の周りを交互に巻回するように配置されている。そして、信号コイル部13は、リングコア11の半周分ずつ巻回される向きを入れ替えながら配置されている。磁気センサ部10aにおいて、信号コイル部13は、リングコア11の中心に対して、Y1方向側とY2方向側とで、互いに異なる向きに巻回されている。信号コイル部13の巻き方向(巻回される向き)を、図中において矢印で示している。信号コイル部13では、Y1方向側の部分は、Z1方向側においてリングコア11の径方向の内側から外側に向かって巻回されている。一方で、信号コイル部13のY2方向側の部分は、Z1方向側においてリングコア11の径方向の外側のから内側に向かって巻回されている。信号コイル部13は、Y1方向側の部分とY2方向側の部分との各々の極性が互いに異なる差動接続された状態となっている。したがって、磁気センサ部10aでは、X方向に沿ってリングコア11の中心を通る線が感度軸となる。すなわち、磁気センサ部10aでは、リングコア11において信号コイル部13の巻回される向きが入れ替えられる位置の方向であるX方向(第1軸方向)が検出方向となる。言い換えれば、複数の磁気センサ部10a~10fの各々において、検出方向に直交する方向の一方側の部分と他方側の部分とが、互いに差動接続された状態となる。
【0020】
また、励磁コイル部12は、端子部T1および端子部T2を介して駆動回路部20に接続されている。また、信号コイル部13は、端子部T3および端子部T4を介して検出回路部30に接続されている。
【0021】
図4に示すように、磁気センサ部10aにおいて、励磁コイル部12および信号コイル部13は、基板40に薄膜の導体パターンとして形成されている。なお、
図4は、
図3のIV-IV線に沿った断面図であるため、励磁コイル部12の断面を図示しているが、信号コイル部13の構造も同様である。励磁コイル部12と信号コイル部13とは、基板40において、リングコア11を挟むように基板40の主表面に交差する方向(厚み方向)の一方側(Z1方向側)に形成された導体パターンと、他方側(Z2方向側)に形成された導体パターンとを互いに接続することによって、リングコア11の周りを巻回するように配置されている。
【0022】
たとえば、磁気センサ部10aでは、励磁コイル部12および信号コイル部13は、Z1方向側とZ2方向側との各々に形成された導体パターン同士が、コンタクトホール(
図3および
図4の部分14)を介して互いに接続されている。励磁コイル部12および信号コイル部13は、たとえば、銅のパターンメッキにより形成されている。基板40において、励磁コイル部12および信号コイル部13のZ2方向側の導体パターンが形成された後に、絶縁膜が配置された後にリングコア11の層が形成される。その後に、再度絶縁膜が配置された後に励磁コイル部12および信号コイル部13のZ1方向側の導体パターンとコンタクトホールの導体が形成される。このようにして、励磁コイル部12および信号コイル部13は、リングコア11を立体的に巻回するように配置されている。なお、
図3では、励磁コイル部12および信号コイル部13のZ1方向側の導体パターンとZ2方向側の導体パターンとを互いに接続する部分14を、Z方向側から見て、ずらした状態で図示しているが、部分14のZ1方向側において接続される部分とZ2方向側において接続される部分とを、Z方向側から見て、互いに重なり合うように配置するように構成してもよい。
【0023】
複数の磁気センサ部10a~10fの各々は、リングコア11と、励磁コイル部12と、信号コイル部13とを個別に含む。すなわち、複数の磁気センサ部10a~10fの各々は、リングコア11ごとに独立したセンサである。複数の磁気センサ部10a~10fのうちの磁気センサ部10a~10dの各々において、リングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13は、基板40(
図1および
図2参照)に配置されている。そして、磁気センサ部10eおよび10fにおいて、リングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13は、基板50に配置されている。すなわち、第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bの各々の励磁コイル部12および信号コイル部13と、第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび磁気センサ部10dの各々の励磁コイル部12および信号コイル部13とは、共通の基板40に導体パターンとして形成されている。そして、第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fの各々の励磁コイル部12および信号コイル部13は、基板40とは別個の基板50に導体パターンとして形成されている。基板40および基板50の各々における磁気センサ部10b~10fのリングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13の構造は、基板40における磁気センサ部10aのリングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13の構造と同様である。
【0024】
また、複数の磁気センサ部10a~10fの各々の励磁コイル部12は、互いに共通の巻き数を有している。同様に、複数の磁気センサ部10a~10fの各々の信号コイル部13も、互いに共通の巻き数を有している。また、複数の磁気センサ部10a~10dの各々は、基板40の主表面に交差する方向(Z方向)の大きさが、基板40の主表面に沿う方向(XY平面に沿う方向)の大きさに比べて小さい扁平な形状を有している。複数の磁気センサ部10eおよび10fも同様に、基板50の主表面に交差する方向(X方向:
図2参照)の大きさが、基板50の主表面に沿う方向(YZ平面に沿う方向)の大きさに比べて小さい扁平な形状を有している。
【0025】
図2に示すように、駆動回路部20は、複数の磁気センサ部10a~10fの各々の端子部T1および端子部T2に接続されている。駆動回路部20は、励磁コイル部12に交流電流を出力する。駆動回路部20は、たとえば、発振器を含み、所定の周波数の交流電流である励磁電流を端子部T1および端子部T2を介して励磁コイル部12に出力する。励磁電流は、たとえば、三角波の交流電流である。励磁電流の大きさは、励磁電流により複数の磁気センサ部10a~10fの各々のリングコア11に生じる磁界が十分飽和する大きさである。
【0026】
また、検出回路部30は、複数の磁気センサ部10a~10fの各々の端子部T3および端子部T4に接続されている。検出回路部30は、端子部T3および端子部T4を介して信号コイル部13からの検出信号を取得する。複数の磁気センサ部10a~10fの各々において、励磁コイル部12に流される交流電流(励磁電流)により、リングコア11は、極性を交互に反転させながら、周期的に磁束が飽和した状態となる。信号コイル部13において、リングコア11の極性が入れ替わるタイミングにおいて、誘導起電力が生じる。そして、信号コイル部13では、リングコア11において磁束が飽和した状態となっているタイミングでは、磁束が変化しないため誘導起電力が生じない。したがって、信号コイル部13では、励磁コイル部12に流される交流電流の2倍の周期で、交互に向き(極性)が入れ替わるパルス状の誘導起電力が生じる。
【0027】
ここで、信号コイル部13では、検出方向に直交する方向の一方側の部分と他方側の部分とが互いに逆極性の差動接続となっているため、外部の磁場(磁界)が存在しない場合には、信号コイル部13に発生する誘導起電力は打ち消し合う。この場合には、信号コイル部13から出力される検出信号はゼロとなる。一方で、検出方向に沿った外部磁界が入力された場合には、リングコア11の磁束が飽和するタイミングが、検出方向に直交する方向の一方側の部分と他方側の部分とで互いに異なる。具体的には、リングコア11に対して、直流成分の磁界が外部から加えられた状態となるため、信号コイル部13の検出方向に直交する方向の一方側の部分と他方側の部分とにおいて誘導起電力が発生するタイミングが、外部からの磁界の大きさに応じて互いに異なるように変化する。信号コイル部13の一方側の部分と他方側の部分とは互いに極性が異なるものの、タイミングが異なることにより誘導起電力が打ち消し合いきれずに、励磁電流の2倍の周波数を有する電圧信号が、検出方向の磁界を検出した検出信号として生じる。
【0028】
検出回路部30は、たとえば、同期整流器および積分器を有する。検出回路部30は、信号コイル部13において生じた検出信号を同期整流した後に積分することによって、複数の磁気センサ部10a~10fの各々の検出方向において入力された外部磁界の大きさに応じた検出値を出力する。駆動回路部20および検出回路部30は、たとえば、共通するHIC(ハイブリッドIC)において構成されている。駆動回路部20および検出回路部30は、基板40または基板50に配置されていてもよいし、基板40および基板50とは異なる位置に配置されていてもよい。
【0029】
磁気検出装置100では、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置を含む図示しない制御部からの信号に基づいて、駆動回路部20から交流電流(励磁電流)が出力され、検出回路部30から検出信号に基づく外部磁界の大きさに応じた検出値を示す信号が制御部に出力される。そして、制御部によって取得された検出値がディスプレイモニタなどの図示しない表示部に表示される。
【0030】
〈複数の磁気センサ部同士の接続〉
図2に示すように、第1実施形態では、複数の磁気センサ部10a~10fの各々における励磁コイル部12は、互いに極性が等しい順方向に直列に接続されている。具体的には、第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび10bの励磁コイル部12と、第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび10dの励磁コイル部12と、第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび10fの励磁コイル部12とは、互いに直列に接続されており、共通の駆動回路部20からの交流電流が入力される。たとえば、駆動回路部20は、基板50に設けられたコネクタ51を介して、磁気センサ部10eの端子部T1に接続されている。そして、磁気センサ部10eの端子部T2は、磁気センサ部10fの端子部T1に接続されており、磁気センサ部10fの端子部T2は、コネクタ51および基板40に設けられたコネクタ41を介して、磁気センサ部10bの端子部T1に接続されている。磁気センサ部10bの端子部T2は、磁気センサ部10dの端子部T1に接続されている。同様に、磁気センサ部10dの端子部T2と磁気センサ部10aの端子部T1とが互いに接続されており、磁気センサ部10aの端子部T2と磁気センサ部10cの端子部T1とが互いに接続されている。そして、磁気センサ部10cの端子部T2が、コネクタ41を介して、駆動回路部20に接続されている。したがって、駆動回路部20に対して、磁気センサ部10e、磁気センサ部10f、磁気センサ部10b、磁気センサ部10d、磁気センサ部10a、および、磁気センサ部10cの順に、磁気センサ部10a~10fの各々における励磁コイル部12同士が直列に接続されている。これにより、複数の磁気センサ部10a~10fの各々の励磁コイル部12では、流される交流電流の周期、位相、および、極性の各々が互いに共通となる。したがって、複数の磁気センサ部10a~10fの各々において、リングコア11には共通の周期、位相、および、極性を有する振動するような磁束が生じる。
【0031】
複数の磁気センサ部10a~10fの各々の信号コイル部13は、第1軸センサ部1、第2軸センサ部2、および、第3軸センサ部3の各々ごとに、互いに順方向に直列に接続されている。すなわち、第1軸センサ部1において、磁気センサ部10aの端子部T3が、コネクタ41を介して検出回路部30に接続されており、磁気センサ部10aの端子部T4と磁気センサ部10bの端子部T3とが互いに接続されている。そして、磁気センサ部10bの端子部T4は、コネクタ41を介して検出回路部30に接続されている。同様に、第2軸センサ部2において、磁気センサ部10cの端子部T3が、コネクタ41を介して検出回路部30に接続されており、磁気センサ部10cの端子部T4と磁気センサ部10dの端子部T3とが互いに接続されている。そして、磁気センサ部10dの端子部T4は、コネクタ41を介して検出回路部30に接続されている。また、第3軸センサ部3において、磁気センサ部10eの端子部T3が、コネクタ51を介して検出回路部30に接続されており、磁気センサ部10eの端子部T4と磁気センサ部10fの端子部T3とが互いに接続されている。そして、磁気センサ部10fの端子部T4は、コネクタ51を介して検出回路部30に接続されている。すなわち、複数の磁気センサ部10a~10fの各々の信号コイル部13からの検出信号は、検出方向ごとにまとめて共通の検出回路部30によって検出される。検出回路部30から見た場合には、複数の磁気センサ部10a~10fの各々の信号コイル部13は、検出方向ごとに1つのコイルと同様であるとみなされる。なお、各軸ごとに複数の信号コイル部13同士を互いに直列に接続することによって、SN比(シグナル-ノイズ比)が向上する。たとえば、2つの信号コイル部13同士を互いに直列に接続した場合には、検出信号の強度は2倍となるが、雑音信号の強度は、√2倍となるため、SN比が√2倍に向上する。
【0032】
〈基板における磁気センサ部の配置〉
第1実施形態では、第1軸センサ部1における2つの磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bは、検出方向が互いに共通の第1軸方向(X方向)となるように、基板40の主表面に沿うように向きを揃えて配置されている。第2軸センサ部2における2つの磁気センサ部10cおよび磁気センサ部10dは、検出方向が互いに共通の第2軸方向(Y方向)となるように、基板40の主表面に沿うように向きを揃えて配置されている。第3軸センサ部3における2つの磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fは、検出方向が互いに共通の第3軸方向(Z方向)となるように、基板50の主表面に沿うように向きを揃えて配置されている。
【0033】
具体的には、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10bは、基板40の主表面に沿うように第1軸方向(X方向)に沿って並んで配置されている。第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dは、第1軸センサ部1と共通の基板40の主表面に沿うように第2軸方向(Y方向)に沿って並んで配置されている。第3軸センサ部3の磁気センサ部10eおよび10fは、基板50の主表面に沿うように第3軸方向(Z方向)に沿って並んで配置されている。すなわち、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aと磁気センサ部10bとは、互いに感度軸が共通となるように検出方向である第1軸方向(X方向)に沿って配置されている。同様に、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cと磁気センサ部10dとは、互いに感度軸が共通となるように検出方向である第2軸方向(Y方向)に沿って配置されている。第3軸センサ部3の磁気センサ部10eと磁気センサ部10fとは、互いに感度軸が共通となるように検出方向である第3軸方向(Z方向)に沿って配置されている。
【0034】
また、第1軸センサ部1の2つの磁気センサ部10aおよび10b同士を結ぶ線と、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10d同士を結ぶ線とが互いに垂直に交差するように、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10bと、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dとは、共通の基板40において十字状に配置されている。そして、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10b同士の中心の位置と、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10d同士の中心の位置とは、互いに一致する。そして、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10bと、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dとは、互いの感度軸同士が直交するように、共通の基板40に配置されている。
【0035】
そして、第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fは、第1軸センサ部1における2つの磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bの間を通る軸線上に配置されている。具体的には、基板40は、XY平面に沿う矩形である。そして、基板40の各辺の中央に複数の磁気センサ部10a~10dの各々が配置されている。そして、基板40において、中央部分に孔部42が設けられている。基板50は、孔部42を貫通するようにYZ平面に沿って配置されている。
【0036】
第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10b同士の中心の位置と、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10d同士の中心の位置とに対して、第3軸センサ部3の磁気センサ部10eおよび10f同士の中心の位置が一致するように、基板50は配置されている。言い換えると、第3軸センサ部3の磁気センサ部10eおよび10fの間の位置に、第1軸センサ部1および第2軸センサ部2が配置されている基板40が配置される。また、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10bの感度軸と、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dの感度軸とに対して、第3軸センサ部3の磁気センサ部10eおよび10fの感度軸は直交するように配置されている。すなわち、第1軸センサ部1、第2軸センサ部2、および、第3軸センサ部3の各々の感度軸は、一点(中心位置)において互いに直交する。
【0037】
また、複数の磁気センサ部10a~10fの各々は、感度軸が直交する中心位置から、等距離の位置に配置されている。すなわち、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10bの各々のリングコア11の中心同士の距離と、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dの各々のリングコア11の中心同士の距離と、第3軸センサ部3の磁気センサ部10eおよび10fの各々のリングコア11の中心同士の距離とは、互いに略等しい大きさである。
【0038】
なお、基板40において複数の磁気センサ部10a~10dの各々同士を接続する導体も、基板40における導体パターンとして形成されていてもよい。その場合には、励磁コイル部12および信号コイル部13を形成する導体パターンと、基板40の導体パターンとを一体的に形成してもよいし、基板40の導体パターンと複数の磁気センサ部10a~10dの各々の端子部T1~端子部T4とを、導線(リード線)などをはんだ付けすることにより互いに電気的に接続してもよい。また、ワイヤーボンディング法を用いることによって、基板40の導体パターンに対して、複数の磁気センサ部10a~10dの各々の端子部T1~端子部T4を電気的に接続するようにしてもよい。基板50において複数の磁気センサ部10eおよび10f同士を接続する導体についても同様である。
【0039】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0040】
第1実施形態では、上記のように、複数の磁気センサ部10a~10fのうち、第1軸方向(X方向)を検出方向とするように配置された少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10bによって、第1軸センサ部1が構成されているとともに、複数の磁気センサ部10a~10fのうち、第1軸方向(X方向)と交差する第2軸方向(Y方向)を検出方向とするように配置された少なくとも1つの磁気センサ部10cおよび10dによって、第2軸センサ部2が構成されている。これにより、第1軸センサ部1において、少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10bによって第1軸方向(X方向)の磁界が検出されるとともに、第2軸センサ部2において、少なくとも1つの磁気センサ部10cおよび10dによって第2軸方向(Y方向)の磁界が検出されるので、複数の方向の磁界をまとめて1つの磁気センサ部によって検出する場合に比べて、感度が低下することを抑制することができる。また、少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10bによって、第1軸センサ部1が構成されているとともに、少なくとも1つの磁気センサ部10cおよび10dによって、第2軸センサ部2が構成されているため、第1軸センサ部1の少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10bの間に、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dの中心を配置すれば、第1軸センサ部1における少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10b同士の中心の位置と、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dの中心の位置とを、互いに近づけることができる。そのため、複数の方向の磁界を検出する場合に、複数の方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることができる。これらの結果、複数の方向の磁界を検出する場合に、感度の低下を抑制しながら、複数の方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることができる。
【0041】
また、上記第1実施形態では、以下のように構成したことによって、更なる効果が得られる。
【0042】
すなわち、第1実施形態では、上記のように、複数の磁気センサ部10a~10fのうち、第1軸方向(X方向)と第2軸方向(Y方向)とによって形成される面(XY平面)に対して交差する第3軸方向(Z方向)を検出方向とするように配置された少なくとも1つの磁気センサ部10eおよび10fによって第3軸センサ部3が構成されている。第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび10fは、第1軸センサ部1における少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10b同士の間を通る軸線上に配置されている。このように構成すれば、第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび10fが、第1軸センサ部1における少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10b同士の間を通る軸線上に配置されているため、第1軸センサ部1における少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10b同士の中心の位置と、第3軸センサ部3の磁気センサ部10eおよび10fの中心の位置とを、互いに近づけることができるので、第1軸方向、第2軸方向、および、第3軸方向の3つの方向の磁界を検出する場合にも、3つの方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることができる。
【0043】
また、第1実施形態では、上記のように、第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび10dの個数は、第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび10bの個数と等しい。このように構成すれば、第1軸センサ部1における磁界の検出の感度と、第2軸センサ部2における磁界の検出の感度とを互いに等しくすることができる。そのため、第1軸方向(X方向)と第2軸方向(Y方向)との2つの方向の磁界を検出する場合に、2つの方向の各々における感度に差異が生じることを抑制しながら、2つの方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることができる。
【0044】
また、第1実施形態では、上記のように、第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび10bの励磁コイル部12および信号コイル部13と、第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび10dの励磁コイル部12および信号コイル部13とは、共通の基板である基板40(第1基板)に導体パターンとして形成されている。このように構成すれば、共通の基板40に配置することによって、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10bと第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dとを、共通の平面上に容易に配置することができる。そのため、第1軸センサ部1と第2軸センサ部2とが互いに異なる基板に配置されている場合に比べて、部品点数を削減することができるとともに、第1軸方向(X方向)と第2軸方向(Y方向)との2つの方向の磁界ごとの検出位置を互いに容易に近づけることができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、第2軸センサ部2は、少なくとも2つの磁気センサ部10cおよび10dにより構成されている。そして、複数の磁気センサ部10a~10fのうち、第1軸方向(X方向)と第2軸方向(Y方向)とによって形成される面(XY平面)に対して交差する第3軸方向(Z方向)を検出方向とするように配置された少なくとも1つの磁気センサ部10eおよび10fによって第3軸センサ部3が構成されている。第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび10fの励磁コイル部12および信号コイル部13は、基板40(第1基板)とは別個の基板50(第2基板)に導体パターンとして形成されている。基板50は、基板40に設けられた孔部42を貫通するように配置されている。このように構成すれば、第3軸センサ部3が配置されている基板50が、第1軸センサ部1および第2軸センサ部2が配置されている基板40に設けられた孔部42を貫通するように配置されているので、第1軸センサ部1における少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10b同士の中心の位置と、第2軸センサ部2における少なくとも2つの磁気センサ部10cおよび10d同士の中心の位置とに対して、第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび10fの位置をより近づけることができる。そのため、第1軸方向、第2軸方向、および、第3軸方向の3つの方向の磁界を検出する場合にも、3つの方向の磁界ごとの検出位置を互いにより近づけることができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、第1軸センサ部1は、第1軸方向(X方向)に沿って並んで配置されている2つの磁気センサ部10aおよび10bにより構成されている。第2軸センサ部2は、第2軸方向(Y方向)に沿って並んで配置されている2つの磁気センサ部10cおよび10dにより構成されている。第1軸センサ部1における2つの磁気センサ部10aおよび10bと、第2軸センサ部2における2つの磁気センサ部10cおよび10dとは、第1軸センサ部1における2つの磁気センサ部10aおよび10b同士を結ぶ線と、第2軸センサ部2における2つの磁気センサ部10cおよび10d同士を結ぶ線とが、互いに垂直に交差するように、十字状に配置されている。このように構成すれば、第1軸センサ部1において、検出方向である第1軸方向に沿って、2つの磁気センサ部10aおよび10bが並んで配置されており、第2軸センサ部2において、検出方向である第2軸方向に沿って、2つの磁気センサ部10cおよび10dが並んで配置されているので、第1軸センサ部1および第2軸センサ部2の各々において、各軸ごとの感度軸を共通とした状態で、各軸ごとの感度を向上させることができる。また、第1軸センサ部1における2つの磁気センサ部10aおよび10b同士を結ぶ線と、第2軸センサ部2における2つの磁気センサ部10cおよび10d同士を結ぶ線とが、互いに垂直に交差するように、第1軸センサ部1における2つの磁気センサ部10aおよび10bと第2軸センサ部2における2つの磁気センサ部10cおよび10dとが十字状に配置されているので、第1軸方向と第2軸方向との検出位置の中心同士を、十字の交点となる位置に対してより近づけて配置することができる。そのため、2つの方向の磁界ごとの検出位置を互いにより近づけることができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、リングコア11(磁性コア層)は、円環形状を有し、基板40および基板50に形成された層として基板40および基板50の主表面に沿うように配置されている。励磁コイル部12と信号コイル部13とは、円環形状のリングコア11の周方向に沿って、リングコア11の周りを交互に巻回するように配置されている。信号コイル部13は、リングコア11の半周分ずつ巻回される向きを入れ替えながら配置されている。第1軸センサ部1における少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10bは、リングコア11において信号コイル部13の巻回される向きが入れ替えられる位置の方向である検出方向が、互いに共通の第1軸方向(X方向)となるように向きを揃えて配置されている。このように構成すれば、基板40および基板50に形成された層としてリングコア11を配置する場合に、検出方向が互いに共通の方向となるように揃えられた状態で第1軸センサ部1における少なくとも2つの磁気センサ部10aおよび10bが配置されているため、複数の磁気センサ部10a~10fを基板40および基板50に配置する場合に、第1軸方向の磁界の検出において、効果的に感度を向上させることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび10bの励磁コイル部12と、第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび10dの励磁コイル部12とは、互いに直列接続されており、共通の駆動回路部20からの交流電流が入力される。このように構成すれば、第1軸センサ部1および第2軸センサ部2において、互いに異なる駆動回路部から励磁コイル部12に交流電力を入力する場合に比べて、駆動回路部20を共通とすることよって、装置構成が複雑化することを抑制することができる。そのため、複数の方向の磁界を検出するために、複数の磁気センサ部10a~10fを配置することによって感度の低下を抑制する場合にも、装置構成が複雑化することを抑制することができる。
【0049】
[第2実施形態]
図5を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、第1軸センサ部1の磁気センサ部10aおよび10bと、第2軸センサ部2の磁気センサ部10cおよび10dとを、十字状に配置した第1実施形態とは異なり、第1軸センサ部201と第2軸センサ部202とが矩形の基板240の対角線に沿って配置されている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0050】
(第2実施形態による磁気検出装置の構成)
図5に示すように、第2実施形態による磁気検出装置200は、複数の磁気センサ部210a、磁気センサ部210b、磁気センサ部210c、および、磁気センサ部210dを備える。磁気センサ部210a、磁気センサ部210b、磁気センサ部210c、および、磁気センサ部210dの各々は、互いに共通の構成を有している。また、磁気センサ部210a、磁気センサ部210b、磁気センサ部210c、および、磁気センサ部210dの各々は、第1実施形態の複数の磁気センサ部10a~10fの各々と同様の構成を有する。
【0051】
第2実施形態では、2つの磁気センサ部210aおよび磁気センサ部210bによって、第1軸センサ部201が構成されている。また、2つの磁気センサ部210cおよび磁気センサ部210dによって、第2軸センサ部202が構成されている。第1軸センサ部201の磁気センサ部210aおよび磁気センサ部210bの各々は、第1実施形態の第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bと同様である。第2軸センサ部202の磁気センサ部210cおよび磁気センサ部210dの各々は、第1実施形態の第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび磁気センサ部10dと同様である。
【0052】
第2実施形態では、第1軸センサ部201の磁気センサ部210aおよび磁気センサ部210bと、第2軸センサ部202の磁気センサ部210cおよび磁気センサ部210dとは、基板240に配置されている。すなわち、磁気センサ部210a~210dの各々において、リングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13は、基板240に配置されている。なお、基板240は、特許請求の範囲における「基板」および「第1基板」の一例である。
【0053】
基板240は、矩形状を有する。そして、第2実施形態では、第1軸センサ部201における磁気センサ部210aおよび磁気センサ部210b同士と、第2軸センサ部202における磁気センサ部210cおよび磁気センサ部210d同士との各々は、矩形の基板240の対角線に沿って配置されている。すなわち、基板240において、第1軸センサ部201における磁気センサ部210aおよび磁気センサ部210b同士の中心を結ぶ線と、第2軸センサ部202における磁気センサ部210cおよび磁気センサ部210d同士の中心を結ぶ線とは、互いに垂直に交差することによって、X字形状を有する。すなわち、第1実施形態と同様に、第1軸センサ部201の磁気センサ部210aおよび210bと、第2軸センサ部202の磁気センサ部210cおよび210dとは、互いの中心同士の位置が一致するとともに、互いの感度軸同士が直交するように、配置されている。
【0054】
第2実施形態では、基板240において、第1軸センサ部201の磁気センサ部210aおよび磁気センサ部210bは、互いにY方向にずれた状態で、共通のX方向(第1軸方向)を検出方向とするように配置されている。第2軸センサ部202の磁気センサ部210cおよび磁気センサ部210dも同様に、互いにX方向にずれた状態で、共通のY方向(第2軸方向)を検出方向とするように配置されている。
【0055】
そして、基板240は、第1実施形態の基板40と同様に基板50が貫通する孔部242を有する。孔部242を貫通する基板50の構成は、第1実施形態と同様である。すなわち、基板50には、第3軸センサ部3を構成する2つの磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fが配置されている。第1実施形態と同様に、第1軸センサ部201の磁気センサ部210aおよび210bと、第2軸センサ部202の磁気センサ部210cおよび210dとの、互いの中心同士の位置に対して、第3軸センサ部3の磁気センサ部10eおよび10fの中心の位置が一致するように、孔部242において基板50が配置される。
【0056】
なお、複数の磁気センサ部210a~210dの各々と、駆動回路部20および検出回路部30との接続は、第1実施形態と同様である。また、第2実施形態による磁気検出装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0057】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0058】
第2実施形態では、上記のように、第1軸センサ部201は、2つの磁気センサ部210aおよび210bにより構成されている。第2軸センサ部202は、2つの磁気センサ部210cおよび210dにより構成されている。基板240(第1基板)は、矩形状を有する。第1軸センサ部201における2つの磁気センサ部210aおよび210b同士と、第2軸センサ部202における2つの磁気センサ部210cおよび210d同士との各々は、矩形の基板240の対角線に沿って配置されている。このように構成すれば、矩形の基板240の対角線に沿って、第1軸センサ部201の2つの磁気センサ部210aおよび210bと、第2軸センサ部202の2つの磁気センサ部210cおよび210dとの各々が配置されているので、基板240において、4つの磁気センサ部210a~210dを配置する領域が大きくなることを抑制することができる。そのため、第1軸センサ部201と第2軸センサ部202との各々において、2つずつの磁気センサ部210aおよび210b(210cおよび210d)を配置する場合に、基板240の大型化を抑制することができるので、装置構成が大型化することを抑制することができる。
【0059】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
[第3実施形態]
図6および
図7を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、第1軸センサ部1、第2軸センサ部2、および、第3軸センサ部3の各々を2つの磁気センサ部によって構成した第1実施形態とは異なり、第1軸センサ部301、第2軸センサ部302、および、第3軸センサ部303の各々を、3つの磁気センサ部によって構成する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0061】
(第3実施形態による磁気検出装置の構成)
図6に示すように、第3実施形態による磁気検出装置300は、複数の磁気センサ部310a、磁気センサ部310b、磁気センサ部310c、磁気センサ部310d、磁気センサ部310e、磁気センサ部310f、磁気センサ部310g、磁気センサ部310h、および、磁気センサ部310iを備える。複数の磁気センサ部310a~310iの各々は、互いに共通の構成を有している。また、複数の磁気センサ部310a~310iの各々は、第1実施形態の複数の磁気センサ部10a~10fの各々と同様の構成を有する。
【0062】
第3実施形態では、3つの磁気センサ部310a、磁気センサ部310b、および、磁気センサ部310cによって、第1軸センサ部301が構成されている。また、3つの磁気センサ部310d、磁気センサ部310e、および、磁気センサ部310fによって、第2軸センサ部302が構成されている。そして、3つの磁気センサ部310g、磁気センサ部310h、および、磁気センサ部310iによって、第3軸センサ部303が構成されている。第1軸センサ部301の磁気センサ部310a~310cの各々は、第1実施形態の第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bの各々と同様である。第2軸センサ部302の磁気センサ部310d~310fの各々は、第1実施形態の第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび磁気センサ部10dの各々と同様である。また、第3軸センサ部303における磁気センサ部310g~310iの各々は、第1実施形態の第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fの各々と同様である。
【0063】
第3実施形態では、第1軸センサ部301の磁気センサ部310a~310cと、第2軸センサ部302の磁気センサ部310d~310fとは、基板340に配置されている。すなわち、磁気センサ部310a~310fの各々において、リングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13は、基板340に配置されている。また、第3軸センサ部303の磁気センサ部310g~310iは、基板350に配置されている。磁気センサ部310g~310iの各々において、リングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13は、基板350に配置されている。基板340および基板350の各々におけるリングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13の構成は、第1実施形態の基板40および基板50におけるリングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13の構成と同様である。なお、基板340は、特許請求の範囲における「基板」および「第1基板」の一例である。基板350は、特許請求の範囲における「基板」および「第2基板」の一例である。
【0064】
図7に示すように、第3実施形態では、第1軸センサ部301の3つの磁気センサ部310a、磁気センサ部310b、および、磁気センサ部310cの各々は、基板340において、三角形340aの頂点の位置に配置されている。そして、第2軸センサ部302の3つの磁気センサ部310d、磁気センサ部310e、および、磁気センサ部310fの各々は、基板340において、逆三角形340bの頂点の位置に配置されている。逆三角形340bは、第1軸センサ部301の3つの磁気センサ部310a~310cが配置されている位置の三角形340aと重なり合う三角形である。三角形340aと逆三角形340bとは、互いに向きが対向する正三角形である。そして、三角形340aにおいて、X1方向側の頂点が、逆三角形340bのY方向に沿う辺の中点に重なる。逆三角形340bにおいて、X2方向側の頂点が、三角形340aのY方向に沿う辺の中点に重なる。したがって、基板340のX1方向側において、第1軸センサ部301の磁気センサ部310aと、第2軸センサ部302の磁気センサ部310dおよび310eとが、Y方向に沿って並んで配置されている。また、基板340のX2方向側において、第1軸センサ部301の磁気センサ部310bおよび310cと、第2軸センサ部302の磁気センサ部310fとが、Y方向に沿って並んで配置されている。第1軸センサ部301における磁気センサ部310a~310cは、第1実施形態の第1軸センサ部1と同様に、X方向(第1軸方向)を検出方向とするように配置されている。また、第2軸センサ部302における磁気センサ部310d~310fは、第1実施形態の第2軸センサ部2と同様に、Y方向(第2軸方向)を検出方向とするように配置されている。
【0065】
そして、
図6に示すように、基板340は、第1実施形態の基板40と同様に基板350が貫通する孔部342を有する。孔部342を貫通する基板350において、磁気センサ部310g~310iによって構成されている第3軸センサ部303がZ方向に沿って配置されている。基板350において、Z1方向側から順に、磁気センサ部310g、磁気センサ部310h、および、磁気センサ部310iが、Z方向(第3軸方向)を検出方向とするように並んで配置されている。すなわち、第3軸センサ部303において、感度軸は共通となっている。第1軸センサ部301の磁気センサ部310a~310cが配置される三角形340aの中心(重心位置)と、第2軸センサ部302の磁気センサ部310d~310fが配置される逆三角形340bの中心(重心位置)との中間の位置に、第3軸センサ部303の磁気センサ部310g~310iの中心の位置が一致するように、基板350が配置されている。
【0066】
なお、複数の磁気センサ部310a~310iの各々と、駆動回路部20および検出回路部30との接続は、第1実施形態と同様である。すなわち、磁気センサ部310a~310iの各々における励磁コイル部12同士は、互いに直列に接続されている。また、第1軸センサ部301の磁気センサ部310a~310cの各々における信号コイル部13同士は、互いに直列に接続されている。第2軸センサ部302の磁気センサ部310d~310fの各々における信号コイル部13同士は、互いに直列に接続されている。第3軸センサ部303の磁気センサ部310g~310iの各々における信号コイル部13同士は、互いに直列に接続されている。また、第3実施形態による磁気検出装置300のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
【0067】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0068】
第3実施形態では、上記のように、第1軸センサ部301は、3つの磁気センサ部310a~310cにより構成されている。第2軸センサ部302は、3つの磁気センサ部310d~310fにより構成されている。第1軸センサ部301の3つの磁気センサ部310a~310cの各々は、基板340(第1基板)において三角形340aの頂点の位置に配置されている。第2軸センサ部302の3つの磁気センサ部310d~310fの各々は、第1軸センサ部301の3つの磁気センサ部310a~310cが配置されている位置の三角形340aと重なり合う逆三角形340bの頂点の位置に配置されている。このように構成すれば、互いに重なり合う三角形340aと逆三角形340bとの頂点の位置に、それぞれ、第1軸センサ部301の3つの磁気センサ部310a~310cと、第2軸センサ部302の3つの磁気センサ部310d~310fとを配置することによって、第1軸センサ部301の3つの磁気センサ部310a~310c同士の中心の位置と、第2軸センサ部302の3つの磁気センサ部310d~310f同士の中心の位置とを、互いに近づけることができる。そのため、第1軸センサ部301において3つの磁気センサ部310a~310cを配置するとともに、第2軸センサ部302において3つの磁気センサ部310d~310fを配置する場合にも、第1軸方向(X方向)の磁界の検出位置と第2軸方向(Y方向)の磁界の検出位置とを互いに近づけて配置することができる。その結果、第1軸センサ部301および第2軸センサ部302の各々において、2つの磁気センサ部を配置する場合に比べて、磁界の検出の感度をより向上することができるとともに、検出位置を互いに近づけることができる。
【0069】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
【0070】
[第4実施形態]
図8および
図9を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、複数の磁気センサ部410a~410fの各々に対して、磁気収束部460が設けられている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
【0071】
(第4実施形態による磁気検出装置の構成)
図8に示すように、第4実施形態による磁気検出装置400は、複数の磁気センサ部410a、磁気センサ部410b、磁気センサ部410c、磁気センサ部410d、磁気センサ部410e、および、磁気センサ部410fを備える。複数の磁気センサ部410a~410fの各々は、互いに共通の構成を有している。また、複数の磁気センサ部410a~410fの各々は、第1実施形態の複数の磁気センサ部10a~10fの各々と同様に、リングコア11、励磁コイル部12、および、信号コイル部13を含んでいる。
【0072】
2つの磁気センサ部410a、および、磁気センサ部410bによって、第1軸センサ部401が構成されている。また、2つの磁気センサ部410c、および、磁気センサ部410dによって、第2軸センサ部402が構成されている。そして、2つの磁気センサ部410e、および、磁気センサ部410fによって、第3軸センサ部403が構成されている。第1軸センサ部401の磁気センサ部410aおよび410bの各々は、第1実施形態の第1軸センサ部1における磁気センサ部10aおよび磁気センサ部10bの各々と同様に、第1軸方向(X方向)を検出方向とするように、基板440においてX方向に沿って並んで配置されている。第2軸センサ部402の磁気センサ部410cおよび410dの各々は、第1実施形態の第2軸センサ部2における磁気センサ部10cおよび磁気センサ部10dの各々と同様に、第2軸方向(Y方向)を検出方向とするように、基板440においてY方向に沿って並んで配置されている。第3軸センサ部403の磁気センサ部410eおよび410fの各々は、第1実施形態の第3軸センサ部3における磁気センサ部10eおよび磁気センサ部10fの各々と同様に、第3軸方向(Z方向)を検出方向とするように、基板450においてZ方向に沿って並んで配置されている。基板440における第1軸センサ部401の磁気センサ部410aおよび410bの各々と、第2軸センサ部402の磁気センサ部410cおよび410dの各々とは、第1実施形態の第1軸センサ部1および第2軸センサ部2の基板40における配置と同様に、十字状に配置されている。また、基板450における第3軸センサ部403の磁気センサ部410eおよび410fの配置は、第1実施形態の第3軸センサ部3の基板50における配置と同様である。基板450は、第1実施形態の基板50と同様に、基板440に設けられた孔部442を貫通するように配置されている。なお、基板440は、特許請求の範囲における「基板」および「第1基板」の一例である。基板450は、特許請求の範囲における「基板」および「第2基板」の一例である。
【0073】
そして、第4実施形態では、磁気検出装置400は、複数の磁気センサ部410a~410fの各々のリングコア11に対して磁束を収束する磁気収束部460を備えている。磁気収束部460は、複数の磁気センサ部410a~410fの各々に対して、2つずつ配置されている。なお、複数の磁気センサ部410a~410fの各々ごとにおける磁気収束部460は、同様の構成を有する。以下の説明では、磁気センサ部410aにおける磁気収束部460について図示して説明するとともに、磁気センサ部410b~410fにおける磁気収束部460については、図示を省略する。
【0074】
図9に示すように、第4実施形態では、磁気収束部460は、複数の磁気センサ部410a~410fにおけるリングコア11(磁性コア層)の検出方向側に配置されている。たとえば、磁気センサ部410aでは、リングコア11に対して、リングコア11の検出方向であるX方向(第1軸方向)の一方側(X1方向側)と他方側(X2方向側)との各々に、感度軸に沿って磁気収束部460が配置されている。磁気収束部460は、たとえば、リングコア11と同様に、基板440および基板450の各々において、主表面に沿うように形成された薄膜の磁性体層である。磁気収束部460は、磁路を形成する軟磁性材料によって構成されている。たとえば、磁気収束部460は、パーマロイ薄膜である。磁気収束部460は、リングコア11と同様に、基板440および基板450の各々においてスパッタ成膜されてエッチングされることにより形成される。なお、磁気収束部460は、基板440および基板450の各々の厚み方向において、リングコア11と等しい位置に配置されている。
【0075】
磁気収束部460は、台形状の薄膜である。磁気収束部460において、検出方向に沿ってリングコア11から離間している方向側の辺の長さは、リングコア11に対して近接している方向側の辺の長さに比べて大きい。これにより、磁気収束部460において、検出方向に沿ってリングコア11から離間している方向側の辺からの磁束が、検出方向に沿って収束するとともに、リングコア11に対して近接している方向側の辺から出力される。すなわち、磁気収束部460は、磁気のレンズ作用によって複数の磁気センサ部410a~410fの各々における磁束密度を増加させる。たとえば、磁気収束部460は、磁気センサ部410aのリングコア11に対して入力される磁束を収束させる。磁気収束部460は、リングコア11に向かって、リングコア11の周囲の検出方向(X方向)に沿う向きの磁界(磁束)を収束させる。すなわち、磁気収束部460は、Y方向においてリングコア11よりも外側の位置を通る磁束を、リングコア11を通るように収束させる。
【0076】
なお、第4実施形態による磁気検出装置400のその他の構成は、上記第1~第3実施形態と同様である。
【0077】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0078】
第4実施形態では、上記のように、磁気検出装置400は、複数の磁気センサ部410a~410fにおけるリングコア11(磁性コア層)の検出方向側に配置され、リングコア11に対して磁束を収束する磁気収束部460を備える。このように構成すれば、磁気収束部460によって、リングコア11に対して磁束を収束することができるので、複数の磁気センサ部410a~410fの各々における検出の感度をより向上することができる。そのため、複数の方向の磁界を検出する場合に、感度の低下をより抑制しながら、複数の方向の磁界ごとの検出位置を互いに近づけることができる。
【0079】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1~第3実施形態と同様である。
【0080】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0081】
たとえば、上記第1~第4実施形態では、複数の磁気センサ部10a~10f(210a~210d、310a~310i、410a~410f)の各々の信号コイル部13が各軸ごとに検出回路部30に対して順方向に直列に接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の磁気センサ部の各々の信号コイル部を、検出回路部に対して互いに並列に接続してもよい。その場合にも、SN比は向上する。また、信号コイル部同士を接続せず、1つの信号コイル部ごとに検出回路部に検出信号を出力するようにしてもよい。
【0082】
また、上記第1~第4実施形態では、複数の磁気センサ部10a~10f(210a~210d、310a~310i、410a~410f)の各々の励磁コイル部12を、直列に接続するとともに、共通の駆動回路部20からの交流電流を流す例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の磁気センサ部の各々の励磁コイル部に対して、別個の駆動回路部からの交流電流が流されるようにしてもよい。たとえば、各軸ごとに共通の駆動回路部を配置するようにしてもよい。また、第1基板と第2基板との各々ごとに1つずつ共通の駆動回路を配置するようにしてもよい。また、共通の駆動回路部からの交流電流が入力される場合に、励磁コイル部を互いに並列に接続するようにしてもよい。
【0083】
また、上記第1~第4実施形態では、円環形状を有するリングコア11(磁性コア層)に対して、基板(第1基板)40(240、340、440)および基板(第2基板)50(350、450)に交差する方向の一方側と他方側との各々に形成された導体パターンによってリングコア11を巻回する励磁コイル部12と信号コイル部13とを構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、板状(棒状)の磁性コア層に励磁コイル部と信号コイル部とを巻回するように構成してもよい。その場合、励磁コイル部と信号コイル部とを、基板の主表面に沿うように巻回するように構成してもよい。
【0084】
また、上記第1、第2、および、第4実施形態では、第1軸センサ部1(201、401)、第2軸センサ部2(202、402)および、第3軸センサ部3(403)の各々を2つずつの磁気センサ部10a~10f(210a~210d、410a~410f)により構成する例を示すとともに、第3実施形態では、第1軸センサ部301、第2軸センサ部302および、第3軸センサ部303の各々を3つずつの磁気センサ部310a~310iにより構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2軸センサ部を1つの磁気センサ部により構成するようにしてもよい。また、第3軸センサ部を1つの磁気センサ部により構成するようにしてもよい。また、第1軸センサ部、第2軸センサ部、および、第3軸センサ部の各々における磁気センサ部の個数を互いに異ならせるようにしてもよい。また、第3軸センサ部を設けずに、第1軸センサ部と第2軸センサ部との2軸の磁気センサを構成するようにしてもよい。たとえば、磁気検出装置を2軸の磁気センサとする場合に、検出方向に沿って配置された2つの磁気センサ部によって第1軸センサ部を構成するとともに、第1軸センサ部の2つの磁気センサ部の間に、第2軸センサ部を構成する1つの磁気センサ部を配置するようにしてもよい。
【0085】
また、上記第1~第4実施形態では、基板(第1基板)40(240、340、440)に設けられた孔部42(242、342、442)を貫通するように基板(第2基板)50(350、450)を配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1基板に孔部を設けず、第1基板の主表面の一方側と他方側との少なくとも一方に、第3軸センサ部を構成する磁気センサ部を配置するようにしてもよい。たとえば、2つの磁気センサ部によって第3軸センサ部を構成する場合に、第3軸センサ部を構成する磁気センサ部を、互いに別個の基板に配置するようにしてもよい。
【0086】
また、上記第1~第4実施形態では、複数の磁気センサ部10a~10f(210a~210d、310a~310i、410a~410f)の各々の励磁コイル部12および信号コイル部13が、共通の基板(第1基板)40(240、340、440)および基板(第2基板)50(350、450)に導体パターンとして形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、互いに別個の基板に配置されている複数の磁気センサ部を並べて配置するようにしてもよい。また、扁平な形状を有する複数の磁気センサ部を、積層するように厚み方向に重畳して配置するようにしてもよい。また、立方体の互いに対向する面ごとに、各軸2つずつの磁気センサ部を配置するようにしてもよい。
【0087】
また、上記第1、第2、および、第4実施形態では、第1軸センサ部1(201、401)の磁気センサ部10aおよび10b(210aおよび210b、410aおよび410b)同士の中心の位置と、第2軸センサ部2(202、402)の磁気センサ部10cおよび10d(210cおよび210d、410cおよび410d)同士の中心の位置とを互いに一致させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1軸センサ部の磁気センサ部の中心の位置と、第2軸センサ部の磁気センサ部の中心の位置とを互いに一致させないようにしてもよい。また、第3軸センサ部についても同様に、第3軸センサ部の磁気センサ部の中心の位置を、第1軸センサ部の磁気センサ部の中心の位置と、第2軸センサ部の磁気センサ部の中心の位置との少なくとも一方と一致させないようにしてもよい。
【0088】
また、上記第1~第4実施形態では、複数の磁気センサ部10a~10f(210a~210d、310a~310i、410a~410f)の各々の励磁コイル部12同士は互いに共通の巻き数を有し、信号コイル部13同士も互いに共通の巻き数を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の磁気センサ部の各々の励磁コイル部同士、および、信号コイル部同士の少なくとも一方を、互いに巻き数が異なるように構成してもよい。
【0089】
また、上記第1~第4実施形態では、駆動回路部20および検出回路部30は、共通のハイブリッドICに構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動回路部と検出回路部とを、互いに別個のハードウェアに構成するようにしてもよい。また、駆動回路部と検出回路部とを、ハイブリッドIC以外の制御回路などにより構成してもよい。
【0090】
また、上記第4実施形態では、複数の磁気センサ部410a~410fの各々において、リングコア11(磁性コア層)の検出方向の両側の各々に台形状の薄膜である磁気収束部460を2つずつ配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、磁気収束部は、複数の磁気センサ部の各々に対して、検出方向の一方側に1つずつ配置するようにしてもよい。また、複数の磁気センサ部に対して、共通の磁気収束部を配置するようにしてもよい。たとえば、検出方向に沿って複数の磁性コア層が感度軸を共通とするように並んで配置されている場合には、並んで配置されている複数の磁性コア層に対して、検出方向の一方側と他方側との各々に、1つずつの磁気収束部を共通して配置するようにしてもよい。また、磁気収束部の形状は、台形でなくともよい。すなわち、磁性コア層から離間している側の辺の長さが、磁性コア層に対して近接している側の辺の長さより長ければ、磁気収束部の形状は台形に限られない。たとえば、磁気収束部を、
図10に示す変形例による磁気収束部560のように、五角形の薄膜として形成してもよい。
【0091】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0092】
(項目1)
基板に導体パターンとして形成された励磁コイル部および信号コイル部と、前記基板に配置されている磁性コア層とを各々が個別に含む複数の磁気センサ部と、
前記励磁コイル部に対して交流電流を出力する駆動回路部と、
前記信号コイル部からの検出信号を取得する検出回路部と、を備え、
前記複数の磁気センサ部のうち、第1軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも2つの前記磁気センサ部によって、第1軸センサ部が構成されているとともに、
前記複数の磁気センサ部のうち、前記第1軸方向と交差する第2軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの前記磁気センサ部によって、第2軸センサ部が構成されている、磁気検出装置。
【0093】
(項目2)
前記複数の磁気センサ部のうち、前記第1軸方向と前記第2軸方向とによって形成される面に対して交差する第3軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの前記磁気センサ部によって第3軸センサ部がさらに構成されており、
前記第3軸センサ部における前記磁気センサ部は、前記第1軸センサ部における少なくとも2つの前記磁気センサ部同士の間を通る軸線上に配置されている、項目1に記載の磁気検出装置。
【0094】
(項目3)
前記第2軸センサ部における前記磁気センサ部の個数は、前記第1軸センサ部における前記磁気センサ部の個数と等しい、項目1または2に記載の磁気検出装置。
【0095】
(項目4)
前記第1軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部および前記信号コイル部と、前記第2軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部および前記信号コイル部とは、共通の前記基板である第1基板に前記導体パターンとして形成されている、項目1~3のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
【0096】
(項目5)
前記第2軸センサ部は、少なくとも2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記複数の磁気センサ部のうち、前記第1軸方向と前記第2軸方向とによって形成される面に対して交差する第3軸方向を検出方向とするように配置された少なくとも1つの前記磁気センサ部によって第3軸センサ部がさらに構成されており、
前記第3軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部および前記信号コイル部は、前記第1基板とは別個の第2基板に前記導体パターンとして形成されており、
前記第2基板は、前記第1基板に設けられた孔部を貫通するように配置されている、項目4に記載の磁気検出装置。
【0097】
(項目6)
前記第1軸センサ部は、前記第1軸方向に沿って並んで配置されている2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第2軸センサ部は、前記第2軸方向に沿って並んで配置されている2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第1軸センサ部における2つの前記磁気センサ部と、前記第2軸センサ部における2つの前記磁気センサ部とは、前記第1軸センサ部における2つの前記磁気センサ部同士を結ぶ線と、前記第2軸センサ部における2つの前記磁気センサ部同士を結ぶ線とが、互いに垂直に交差するように、十字状に配置されている、項目4または5に記載の磁気検出装置。
【0098】
(項目7)
前記第1軸センサ部は、2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第2軸センサ部は、2つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第1基板は、矩形状を有し、
前記第1軸センサ部における2つの前記磁気センサ部同士と、前記第2軸センサ部における2つの前記磁気センサ部同士との各々は、矩形の前記第1基板の対角線に沿って配置されている、項目4または5に記載の磁気検出装置。
【0099】
(項目8)
前記第1軸センサ部は、3つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第2軸センサ部は、3つの前記磁気センサ部により構成されており、
前記第1軸センサ部の3つの前記磁気センサ部の各々は、前記第1基板において三角形の頂点の位置に配置されており、
前記第2軸センサ部の3つの前記磁気センサ部の各々は、前記第1軸センサ部の3つの前記磁気センサ部が配置されている位置の三角形と重なり合う逆三角形の頂点の位置に配置されている、項目4または5に記載の磁気検出装置。
【0100】
(項目9)
前記磁性コア層は、円環形状を有し、前記基板に形成された層として前記基板の主表面に沿うように配置されており、
前記励磁コイル部と前記信号コイル部とは、円環形状の前記磁性コア層の周方向に沿って、前記磁性コア層の周りを交互に巻回するように配置されており、
前記信号コイル部は、前記磁性コア層の半周分ずつ巻回される向きを入れ替えながら配置されており、
前記第1軸センサ部における少なくとも2つの前記磁気センサ部は、前記磁性コア層において前記信号コイル部の巻回される向きが入れ替えられる位置の方向である検出方向が、互いに共通の前記第1軸方向となるように向きを揃えて配置されている、項目1~8のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
【0101】
(項目10)
前記第1軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部と、前記第2軸センサ部における前記磁気センサ部の前記励磁コイル部とは、互いに直列接続されており、共通の前記駆動回路部からの交流電流が入力される、項目1~9のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
【0102】
(項目11)
前記複数の磁気センサ部における前記磁性コア層の検出方向側に配置され、前記磁性コア層に対して磁束を収束する磁気収束部をさらに備える、項目1~10のいずれか1項に記載の磁気検出装置。
【符号の説明】
【0103】
1、201、301、401 第1軸センサ部
2、202、302、402 第2軸センサ部
3、303、403 第3軸センサ部
10a、10b、10c、10d、10e、10f、210a、210b、210c、210d、310a、310b、310c、310d、310e、310f、310g、310h、310i、410a、410b、410c、410d、410e、410f 磁気センサ部
11 リングコア(磁性コア層)
12 励磁コイル部
13 信号コイル部
20 駆動回路部
30 検出回路部
40、240、340、440 基板(第1基板)
42、242、342、442 孔部
50、350、450 基板(第2基板)
100、200、300、400 磁気検出装置
460、560 磁気収束部