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  • 特開-配管支持具、及び、配管の敷設方法 図1
  • 特開-配管支持具、及び、配管の敷設方法 図2
  • 特開-配管支持具、及び、配管の敷設方法 図3
  • 特開-配管支持具、及び、配管の敷設方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024118993
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】配管支持具、及び、配管の敷設方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/00 20060101AFI20240826BHJP
   F16L 11/11 20060101ALI20240826BHJP
   F16L 3/22 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
F16L3/00 D
F16L11/11
F16L3/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025647
(22)【出願日】2023-02-21
(71)【出願人】
【識別番号】519324558
【氏名又は名称】ワイズイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157428
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 聞平
(72)【発明者】
【氏名】安田 善行
【テーマコード(参考)】
3H023
3H111
【Fターム(参考)】
3H023AA05
3H023AB02
3H023AC14
3H023AC23
3H023AD02
3H023AD15
3H023AD54
3H023AE06
3H111AA02
3H111BA15
3H111CA42
3H111CB02
3H111CB14
3H111CB18
3H111DB23
(57)【要約】
【課題】埋め戻し後の可撓性配管において管路試験器やケーブルが通過しない事態を生じにくくする配管支持具を提供する。
【解決手段】配管支持具10は、外周面において複数の凹部22が長さ方向に間隔を空けて並ぶ可撓性配管20の下側に設置され、可撓性配管20の長さ方向に沿って延びる基台部11と、それぞれが基台部11に一体化されて基台部11から上方に突出し、基台部11の長さ方向に間隔を空けて並ぶ複数の突出部12とを備えている。配管支持具10は、可撓性配管20の外周面における複数の凹部22に複数の突出部12が入り込み、且つ、突出部12が可撓性配管20における凹部の区間22sの外周面22aを下側から支持するように、可撓性配管20の下側に設置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面において複数の凹部が長さ方向に間隔を空けて並ぶ可撓性配管の下側に設置され、該可撓性配管の長さ方向に沿って延びる基台部と、
それぞれが前記基台部に一体化されて該基台部から上方に突出し、前記基台部の長さ方向に間隔を空けて並ぶ複数の突出部とを備え、
前記可撓性配管の外周面における前記複数の凹部に前記複数の突出部が入り込み、且つ、前記突出部が前記可撓性配管における前記凹部の区間の外周面を下側から支持するように、前記可撓性配管の下側に設置される、配管支持具。
【請求項2】
前記可撓性配管では、その長さ方向に前記凹部の区間と凸部の区間とが交互に並び、前記凹部の区間は円筒状に形成され、
前記突出部が前記凹部に嵌まり込むように、前記基台部の長さ方向における前記突出部の寸法が設定されている、請求項1に記載の配管支持具。
【請求項3】
前記突出部の上面には、前記凹部の区間の外周面を受ける窪み部が形成されている、請求項2に記載の配管支持具。
【請求項4】
前記可撓性配管の外周面における前記複数の凹部に前記複数の突出部が入り込み、且つ、前記突出部が前記可撓性配管における前記凹部の区間の外周面を下側から支持する状態で、前記可撓性配管に対し当該配管支持具を固定する固定部をさらに備えている、請求項1に記載の配管支持具。
【請求項5】
前記可撓性配管を複数本設置することによって管路を敷設する方法であって、
前記管路を直進させる区間では、請求項1に記載の配管支持具上に、前記可撓性配管を設置し、
前記管路を曲げる区間では、前記可撓性配管の下側に前記配管支持具を設置することなく、前記可撓性配管を設置する、配管の敷設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性配管などの配管と共に使用される配管支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
電力ケーブルや通信ケーブルなどのケーブルを地中に埋設する際に、ケーブルを保護するための保護管内にケーブルが通される。この種の保護管として、可撓性配管が使用されている。可撓性配管は、例えば管路を曲げる必要がある区間に使用される。
【0003】
特許文献1には、この種の可撓性配管として、波形合成樹脂管が記載されている。この波形合成樹脂管では、丸波部分の凹部と、角波部分および円波部分の凸部とが管軸方向に多数形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-112455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電線共同溝では、可撓性配管の設置によって管路を敷設した後に、管路にケーブルを通す前に、ボビンやマンドレルといった管路試験器を用いて通過試験が行われる。この通過試験を行うことによって、いざケーブルを管路に通す時にケーブルが途中までしか通らない事態が起きないようにしている。
【0006】
しかし、可撓性配管によって管路を敷設する場合、埋め戻し後の上側からの土圧によって可撓性配管が下側に撓むことが原因で、通過試験において管路試験器が通過しない場合がある。このような場合は、地面を掘り起こして、可撓性配管の設置のやり直しが必要となってしまう。また、ケーブルを通す時にケーブルが通過しない虞もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、埋め戻し後の可撓性配管において管路試験器やケーブルが通過しない事態を生じにくくする配管支持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、外周面において複数の凹部が長さ方向に間隔を空けて並ぶ可撓性配管の下側に設置され、該可撓性配管の長さ方向に沿って延びる基台部と、それぞれが基台部に一体化されて該基台部から上方に突出し、基台部の長さ方向に間隔を空けて並ぶ複数の突出部とを備え、可撓性配管の外周面における複数の凹部に複数の突出部が入り込み、且つ、複数の突出部が可撓性配管における凹部の区間の外周面を下側から支持するように、可撓性配管の下側に設置される、配管支持具である。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、可撓性配管では、その長さ方向に凹部の区間と凸部の区間とが交互に並び、凹部の区間は円筒状に形成され、突出部が凹部に嵌まり込むように、基台部の長さ方向における突出部の寸法が設定されている。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、突出部の上面には、凹部の区間の外周面を受ける窪み部が形成されている。
【0011】
第4の発明は、第1の発明において、可撓性配管の外周面における複数の凹部に複数の突出部が入り込み、且つ、複数の突出部が可撓性配管における凹部の区間の外周面を下側から支持する状態で、可撓性配管に対し当該配管支持具を固定する固定部をさらに備えている。
【0012】
第5の発明は、可撓性配管を複数本設置することによって管路を敷設する方法であって、管路を直進させる区間では、第1の発明の配管支持具上に、可撓性配管を設置し、管路を曲げる区間では、可撓性配管の下側に配管支持具を設置することなく、可撓性配管を設置する、配管の敷設方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、外周面において複数の凹部が長さ方向に間隔を空けて並ぶ可撓性配管の下側に、複数の突出部が基台部の長さ方向に間隔を空けて並ぶ配管支持具が設置される。配管支持具及び可撓性配管は、複数の突出部が可撓性配管の外周面における複数の凹部に入り込み、且つ、複数の突出部が対応する凹部の底面を下側から支持するように設置される。
【0014】
ここで、外周面において複数の凹部が長さ方向に間隔を空けて並ぶ可撓性配管は、凹部を形成することで可撓性を持たせており、凹部の区間が撓みやすくなっている。そのため、地盤上に可撓性配管を直接的に設置する場合、地盤の軟らかい箇所などで、可撓性配管の凹部の区間が下側に撓む虞がある。その場合、可撓性配管のうち下側へ撓んだ凹部の区間の内面が、その前後の区間の内面に対し下側にずれてしまい、管路試験器やケーブルが通過しない事態が生じやすくなる。
【0015】
それに対し、本発明では、可撓性配管における凹部の区間が、突出部によって下側から支持されるため、凹部の区間が下側に撓みにくい。そのため、可撓性配管の内面において前後の区間に対し下側にずれる箇所が生じにくい。また、配管支持具の基台部が下側に撓み、それに伴って可撓性配管も下側に撓む場合であっても、可撓性配管は基台部に追従して撓むため、可撓性配管の内面も、その長さ方向において基台部の曲がり形状に追従した曲がり形状になる。従って、この場合も、可撓性配管の内面において前後の区間に対し下側にずれる箇所が生じにくい。本発明では、埋め戻し後の可撓性配管において管路試験器やケーブルが通過しない事態を生じにくくする配管支持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態に係る配管支持具の部分斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る配管支持具上に可撓性配管が設置された様子(使用状態の様子)を表す側面図である。
図3図3(a)は、実施形態に係る配管支持具上に可撓性配管が設置された様子について、可撓性配管の凹部から、可撓性配管の軸方向に見た図であり、図3(b)は、実施形態の第1変形例について、図3(a)と同一箇所から同一方向に見た様子を表す図である。
図4図4は、実施形態に係る配管支持具が、最も上側の可撓性配管を覆う防護板として設置された様子を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0018】
本実施形態は、埋め戻し後の可撓性配管20において通過試験用の管路試験器やケーブルが通過しない事態を生じにくくするための配管支持具10である。図1は、配管支持具10を斜め上から見た斜視図である。図1に示す配管支持具10は、長さ方向の途中で切断したものである。すなわち、配管支持具10の長さは、図1に示すものよりも長い。図2は、電線共同溝1の底面2上に設置された配管支持具10上に、可撓性配管20が設置された様子を表す側面図である。
【0019】
まず可撓性配管20について説明を行う。可撓性配管20は、例えば「角型FEP」と呼ばれる管材である。可撓性配管20は、図2に示すように、他の可撓性配管20に接続される両端の接続部を除き、可撓性配管20の長さ方向に、外周面に凸部21が形成された凸部区間21sと、外周面に凹部22が形成された凹部区間22sとが交互に並んでいる。可撓性配管20の軸方向に見た場合、図3(a)に示すように、凸部区間21sの外周面21aの形状は角型であり、凹部区間22sの外周面22aの形状は円形である。凹部区間22sは円筒状に形成されている。
【0020】
可撓性配管20では、隣り合う凸部21間において、各凹部22が周方向に亘って延びている。各凹部22では、円筒部分の外周面22aが底面に相当する。各凹部22では、底面22aから壁面22bが略垂直に立ち上がって、凸部21の外周面21aに接続する。凹部22の壁面22bは、凸部21と凹部22との段差面でもある。
【0021】
次に、図1に戻って、配管支持具10について説明を行う。配管支持具10は、可撓性配管20の下側に設置されて可撓性配管20の長さ方向に沿って延びる基台部11と、それぞれが基台部11に一体化されて基台部11の長さ方向に間隔を空けて並ぶ多数の突出部(管枕部)12とを備えている。配管支持具10の材料には硬質樹脂を用いることができ、基台部11と多数の突出部12とは例えば一体形成される。配管支持具10の材料には、例えば可撓性配管20よりも硬い材料を用いることができる。
【0022】
なお、本明細書において「多数」とは5以上を言う。本実施形態では、突出部12の個数は10以上である。
【0023】
配管支持具10は、可撓性配管20の外周面における多数の凹部22に、基台部11の上面から上方に突出する多数の突出部12が1つずつ入り込み、且つ、多数の突出部12の各々が凹部区間22sの外周面22aを下側から支持する支持状態で、可撓性配管20の下側に設置される。
【0024】
また、配管支持具10は、可撓性配管20に対し配管支持具10を固定する固定部18をさらに備えている。固定部18には、図2に示すように、配管支持具10及び可撓性配管20を一括りにして巻き付けられる紐状部材(ロープや結束バンドなど)18を用いることができる。なお、固定部18は、紐状部材18のように巻き付けるのではなく、他の方法で可撓性配管20に対し配管支持具10を固定するものであってもよい。基台部11には、紐状部材18を引っ掛けるための切欠き11aが形成されている。
【0025】
基台部11は、上面視において細長く真っすぐな平板状に形成されている。基台部11の長さは、可撓性配管20の長さと同程度にすることができるが、基台部11の長さは、可撓性配管20の長さより長くしてもよいし、短くしてもよい。基台部11の幅は、可撓性配管20における凸部区間21sの幅と同程度にすることができるが、凸部区間21sの幅より長くしてもよいし、短くしてもよい。
【0026】
多数の突出部12は、互いに同じ大きさで同じ形状である。突出部12は、略直方体の上面に円弧状の窪み部14を設けた形状を呈する。突出部12は、上面視において略矩形状を呈し、基台部11を幅方向に横断するように設けられている。突出部12の長手方向は、基台部11の幅方向と略一致している。突出部12では、長手方向に延びる一対の長手側面15が、基台部11から略垂直に立ち上がる直壁となっている。
【0027】
突出部12の上面では、長手方向における両方の端部13が平坦面になっており、端部13の間に窪み部14が形成されている。窪み部14の底面は、円筒状の凹部区間22sの外周面22aと直径が略等しい円弧面により構成されている。図3(a)に示すように、窪み部14は、凹部区間22sの外周面22aを受ける部分となる。また、突出部12の上面の外周には、全周に亘って面取り部が形成されている。なお、図3では、配管支持具10の部分にハッチングを付けている。
【0028】
本実施形態では、図2において破線で囲まれた拡大図に示すように、突出部12が凹部22に嵌まり込むように、基台部11の長さ方向(突出部12の短手方向)における突出部12の寸法Lが設定されている。すなわち、突出部12における一対の長手側面15間の距離Lは、凹部22における一対の壁面22b間の距離に略等しい。突出部12は、凹部22の壁面22b間に挟まれている。突出部12は、凹部22を介して隣り合う凸部21に挟まれているとも言える。なお、図2の拡大図では、配管支持具10の部分にハッチングを付けている。
【0029】
[配管支持具の使用方法]
配管支持具10は、可撓性配管20を複数本設置することによって管路を敷設する方法(配管の敷設方法)において使用される。配管支持具10は、図2に示すように、電線共同溝工事で形成される電線共同溝1の底面2上(地盤上)に載置されて使用される。配管支持具10は、突出部12を上向きにして、可撓性配管20の敷設予定経路に沿って設置される。
【0030】
そして、配管支持具10の設置後に、配管支持具10上に、多数の突出部12が多数の凹部22に嵌まり込むように可撓性配管20が設置され、紐状部材18が配管支持具10及び可撓性配管20に巻き付けられて、配管支持具10が可撓性配管20に固定される。可撓性配管20の設置が完了した設置完了状態では、図2の拡大図に示すように、可撓性配管20の凸部区間21sの外周面21aが基台部11の上面に当接し、凹部区間22sの外周面22aが突出部12の窪み部14の底面に当接する。また、突出部12の一対の長手側面15は、凹部22の一対の壁面22bに当接する状態になる。
【0031】
管路の敷設方法においては、管路を直進させる区間では、配管支持具10上に、可撓性配管20を設置し、管路を曲げる区間では、可撓性配管20の下側に配管支持具10を設置することなく、可撓性配管20を設置するように、施工を行うことができる。
【0032】
なお、配管支持具10及び可撓性配管20の設置方法としては、多数の突出部12が多数の凹部22に嵌まり込むように可撓性配管20に対し配管支持具10を取り付つけ、紐状部材18によって配管支持具10を可撓性配管20に固定した後に、電線共同溝1の底面2上に、配管支持具10及び可撓性配管20を同時に設置してもよい。この場合、配管支持具10が取り付けられた側を下向きにして可撓性配管20が底面2上に設置される。
【0033】
ところで、電線共同溝工事では、可撓性配管20が上下と左右に複数個ずつ設置される場合がある。その場合、左右に並ぶ複数の可撓性配管20の各々の下側に、配管支持具10が設置される(図示省略)。可撓性配管20が上下に積み上げられた各列において、2段目から上側の可撓性配管20の下側には、配管支持具10は設置されない。なお、配管支持具10は、図4に示すように、最も上側の可撓性配管20の上面に取り付けて、ツルハシ等の落下物による衝撃から可撓性配管20を保護するための防護板として利用してもよい。
【0034】
[実施形態の効果等]
本実施形態では、配管支持具10及び可撓性配管20が、基台部11上の複数の突出部12が可撓性配管20の外周面における複数の凹部22に入り込むように設置され、設置後は突出部12が凹部区間22sを下側から支持する。
【0035】
ここで、上側からの土圧によって可撓性配管20が下側に撓もうとする際に、可撓性配管20の凹部区間22sが下側から支持されない場合は、凸部区間21sに比べて強度が弱い凹部区間22sの下側部分(円筒の下側部分)が、下側に伸びるように変形する。そのため、可撓性配管20では凹部区間22sの内面が、その前後の凸部区間21sの内面に対し下側にずれてしまい、管路試験器やケーブルが通過しない事態が生じやすくなる。
【0036】
それに対し、本実施形態では、可撓性配管20の凹部区間22sが、突出部12によって下側から支持されているため、凹部区間22sが下側に撓みにくい。特に、本実施形態では、突出部12が凹部22に嵌まり込み、凹部区間22sが壁面22b間に亘って突出部12により支持されるため、凹部区間22sの全体が下側に変形しにくくなる。配管支持具10は、可撓性配管20における凹部区間22sの下側への可撓性を大きく低下させ、可撓性配管20の沈下を抑制又は防止する沈下抑制板又は沈下防止板として機能する。そのため、可撓性配管20の内面において前後の区間に対し下側にずれる箇所が生じにくい。本実施形態では、埋め戻し後の可撓性配管20において管路試験器やケーブルが通過しない事態を生じにくくする配管支持具10を提供することができる。
【0037】
[実施形態の第1変形例]
本変形例では、図3(b)に示すように、配管支持具10における突出部12の形状が実施形態とは異なる。本変形例では、突出部12の窪み部14が、略半円の円弧状に形成されている。そのため、突出部12は、可撓性配管20における凹部区間22sの下側の略半分を覆うように設けられる。本変形例の配管支持具10によれば、可撓性配管20における凹部区間22sの可撓性をさらに大きく低下させることができる。
【0038】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、可撓性配管20の多数の凹部22に対し1つずつ突出部12を設けたが、これに限定されず、多数の凹部22に対し1つ置きに突出部12を設けるなど、多数の凹部22の一部に対し突出部12を設けるように、配管支持具10を構成してもよい。
【0039】
上述の実施形態では、上述の設置完了状態において、多数の突出部12の全てが、可撓性配管20の凹部区間22sの外周面22aに当接するが、多数の突出部12の一部が、可撓性配管20の凹部区間22sの外周面22aに当接し、多数の突出部12の残りが、可撓性配管20の凹部区間22sの外周面22aに離間してもよい。例えば、多数の突出部12において、可撓性配管20の凹部区間22sの外周面22aに当接する突出部12は、複数個置きになるように、多数の突出部12を形成してもよい。
【0040】
上述の実施形態において、突出部12の寸法Lは、凹部22における一対の壁面22b間の距離よりも短くしてもよい。突出部12の長手側面15と壁面22bとの間には、隙間が形成される。この場合、可撓性配管20では凹部区間22sの下側への可撓性の低下度合いは、上述の実施形態よりも小さい。しかし、上側からの土圧によって配管支持具10の基台部11が下側に撓み、それに伴って可撓性配管20も下側に撓む場合であっても、可撓性配管20は基台部11に追従して撓むため、可撓性配管20の内面も、その長さ方向において基台部11の曲がり形状に追従した曲がり形状になる。そのため、可撓性配管20の内面において前後の区間に対し下側にずれる箇所が生じにくい。
【0041】
上述の実施形態では、横方向に並ぶ複数本の可撓性配管20に対して同数の配管支持具10を設置するが、1枚の配管支持具10により、横方向に並ぶ複数本の可撓性配管20を支持するようにしてもよい。この場合、基台部11を幅広に構成し、且つ、複数本の可撓性配管20の各々に対応して、突出部12の列を複数設ける。各列は、1本の可撓性配管20における複数の凹部22に入り込む複数の突出部12により構成される。
【0042】
上述の実施形態では、基台部11が板状に形成されているが、基台部11は、例えば、複数本の棒材(例えば鋼製又は樹脂製の棒材など)により構成してもよい。この場合、配管支持具10は、例えば、2本の棒材(基台部11)が互いに平行に設けられ、複数の突出部12が、棒材の長さ方向に間隔を空けて並ぶように2本の棒材に固定された構成となる。
【0043】
上述の実施形態では、上述の設置完了状態において可撓性配管20の凸部区間21sの外周面21aが基台部11の上面に当接するが、凸部区間21sの外周面21aを基台部11の上面に当接させず、基台部11上に凸部区間21sが浮く状態になるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、可撓性配管などの配管と共に使用される配管支持具等に適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 配管支持具
11 基台部
12 突出部
13 端部
14 窪み部
15 長手側壁
18 紐状部材(固定部)
20 可撓性配管
21 凸部
21s 凸部の区間
22 凹部
22a 底面、凹部の区間の外周面
22b 壁面
22s 凹部の区間
図1
図2
図3
図4