IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニスト(ウルサン ナショナル インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー)の特許一覧

特開2024-119001二重活性点を有した単原子触媒及びこれの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119001
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】二重活性点を有した単原子触媒及びこれの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 27/24 20060101AFI20240826BHJP
   B01J 35/52 20240101ALI20240826BHJP
   B01J 37/04 20060101ALI20240826BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20240826BHJP
   C01C 1/04 20060101ALI20240826BHJP
   C01B 32/40 20170101ALI20240826BHJP
   C25B 11/052 20210101ALI20240826BHJP
   C25B 11/065 20210101ALI20240826BHJP
   C25B 11/075 20210101ALI20240826BHJP
【FI】
B01J27/24 M
B01J35/08 A
B01J37/04 102
B01J37/08
C01C1/04 E
C01B32/40
B01J27/24 Z
C25B11/052
C25B11/065
C25B11/075
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023070832
(22)【出願日】2023-04-24
(31)【優先権主張番号】10-2023-0023176
(32)【優先日】2023-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515351884
【氏名又は名称】ユニスト(ウルサン ナショナル インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー)
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ヨン クッ
(72)【発明者】
【氏名】イム,ハン クォン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ハン セム
(72)【発明者】
【氏名】シン,ソク ミン
【テーマコード(参考)】
4G146
4G169
4K011
【Fターム(参考)】
4G146JA01
4G146JB04
4G146JC01
4G146JC22
4G146JC25
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA08A
4G169BA08B
4G169BA08C
4G169BA21C
4G169BA42C
4G169BB06C
4G169BB08C
4G169BB09A
4G169BB09B
4G169BB10C
4G169BB11A
4G169BB11C
4G169BB12C
4G169BB13A
4G169BB14C
4G169BB15C
4G169BB18A
4G169BB18B
4G169BC18A
4G169BC18C
4G169BC22A
4G169BC22C
4G169BC25A
4G169BC25C
4G169BC29A
4G169BC29C
4G169BC31A
4G169BC31C
4G169BC35A
4G169BC35C
4G169BC50A
4G169BC50C
4G169BC54A
4G169BC54B
4G169BC54C
4G169BC56A
4G169BC56C
4G169BC58A
4G169BC58B
4G169BC58C
4G169BC59A
4G169BC59B
4G169BC59C
4G169BC60A
4G169BC60B
4G169BC60C
4G169BC62A
4G169BC62B
4G169BC62C
4G169BC66A
4G169BC66C
4G169BC67A
4G169BC67C
4G169BC68A
4G169BC68C
4G169BC70A
4G169BC70C
4G169BC71A
4G169BC71C
4G169BC72A
4G169BC72C
4G169BC73A
4G169BC73C
4G169BD01C
4G169BD02A
4G169BD02C
4G169BD03A
4G169BD03C
4G169BD04C
4G169BD06A
4G169BD06B
4G169BD06C
4G169BD07A
4G169BD07C
4G169BD08A
4G169BD08C
4G169BD09A
4G169BD09C
4G169BD12C
4G169BE08C
4G169CB02
4G169CB77
4G169CB81
4G169CB82
4G169DA06
4G169EA03X
4G169EB01
4G169EB06
4G169EB19
4G169FA01
4G169FA02
4G169FB06
4G169FB29
4G169FC02
4G169FC04
4G169FC08
4K011AA23
4K011AA29
4K011DA11
(57)【要約】
【課題】本発明の一実施例は、炭素や窒素が配位された構造で金属の電気化学的触媒性能を極大化し、これは、副反応と思われる水素発生反応(HER)を抑制する単原子触媒を提供する
【解決手段】本発明の一実施例による単原子触媒は、窒素(N)がドーピングされた炭素支持体と、前記炭素支持体上にドーピングされるp-ブロック(p-block)元素と、前記窒素(N)と前記p-ブロック元素との間に配位結合を形成する遷移金属とを含む。
【選択図】図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素(N)がドーピングされた炭素支持体と、
前記炭素支持体上にドーピングされるp-ブロック(p-block)元素と、
前記窒素(N)と前記p-ブロック元素との間に配位結合を形成する遷移金属とを含む、
単原子触媒。
【請求項2】
前記単原子触媒は下記化学式1で表示される結合構造を有するものである、
請求項1に記載の単原子触媒。
[化学式1]
M-XnN4-n
前記化学式1でMは遷移金属であり、Xはp-ブロック元素であり、nは1乃至3の定数であることができる。
【請求項3】
前記炭素支持体は、炭素ナノチューブ(carbon nanotubes:CNTs)、官能基化炭素ナノチューブ(functionalized CNTs)、グラフェン(graphene)、酸化グラフェン(graphene oxides)、還元型酸化グラフェン(reduced graphene oxides)、グラファイト(graphites)、フラーレン(fullerenes)、バッキーチューブ(bucky tubes)、ダイヤモンド、無定形炭素(amorphous carbons)、気相成長された炭素ナノ繊維(vapor-grown carbon nanofibers)、Super P導電性カーボン(Super P carbon)、ケッチェンブラックカーボン(Ketjen Black carbon)、炭素繊維(carbon fibers)、ハードカーボン(hard carbons)、中空炭素ナノ粒子(hollow carbon nanoparticles)、マイクロ多孔性炭素ナノ粒子、メソポーラス(mesoporous)炭素ナノ粒子、炭素ナノラトル(carbon nanorattles)及びキトサンからなる群から選択されるものである、
請求項1に記載の単原子触媒。
【請求項4】
前記p-ブロック元素は、ホウ素(B)元素、リン(P)元素、セレニウム(Se)元素、及び硫黄(S)元素からなる群から選択されるものである、
請求項1に記載の単原子触媒。
【請求項5】
前記p-ブロック元素はホウ素(B)元素であることである、
請求項4に記載の単原子触媒。
【請求項6】
前記遷移金属は、マンガン(Mn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)及びタンタル(Ta)からなる群から選択されるものである、
請求項1に記載の単原子触媒。
【請求項7】
前記遷移金属はマンガン(Mn)である、
請求項6に記載の単原子触媒。
【請求項8】
前記遷移金属の含量は0.5乃至15wt%である、
請求項6に記載の単原子触媒。
【請求項9】
窒素(N)がドーピングされた炭素支持体水溶液に遷移金属前駆体水溶液を一定に投入する段階と、
前記炭素支持体水溶液にp-ブロック元素前駆体と金属塩を投入して熱処理前駆体を製造する段階と、
前記熱処理前駆体を熱処理して中間体を製造する段階と、
前記中間体を酸処理(acid washing)する段階を含む、
単原子触媒の合成方法。
【請求項10】
前記炭素支持体は炭素ナノチューブ(carbon nanotubes:CNTs)、官能基化炭素ナノチューブ(functionalized CNTs)、グラフェン(graphene)、酸化グラフェン、還元型酸化グラフェン(reduced graphene oxides)、グラファイト(graphites)、フラーレン(fullerenes)、バッキーチューブ(buckytubes)、ダイヤモンド、無定形炭素(amorphous carbons)、気相成長された炭素ナノ繊維(vapor-growncarbon nanofibers)、スーパーP導電性カーボン(Super P carbon)、ケッチェンブラックカーボン(Ketjen Black carbon)、炭素繊維(carbon fibers)、ハードカーボン(hard carbons)、中空炭素ナノ粒子(hollow carbon nanoparticles)、マイクロ多孔性炭素ナノ粒子、メソポーラス(mesoporous)炭素ナノ粒子及び炭素ナノラトル(carbon nanorattles)からなる群から選択されるものである、
請求項9に記載の単原子触媒の合成方法。
【請求項11】
前記遷移金属は、マンガン(Mn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)及びタンタル(Ta)からなる群から選択されるものである、
請求項9に記載の単原子触媒の合成方法。
【請求項12】
前記p-ブロック元素は、ホウ素(B)元素、リン(P)元素、セレニウム(Se)元素、及び硫黄(S)元素からなるた群から選択されるものである、
請求項9に記載の単原子触媒の合成方法。
【請求項13】
前記p-ブロック元素前駆体は、p-ブロック元素を含む酸性(acid)物質である、
請求項9に記載の単原子触媒の合成方法。
【請求項14】
前記酸性物質は、酢酸(Acetic Acid)、硫酸(HSO)、塩酸(HCl)、過塩素酸(HClO)、リン酸(HPO)または硝酸(HNO)である、
請求項13に記載の単原子触媒の合成方法。
【請求項15】
前記酸性(acid)物質の濃度は1mM乃至1Mである、
請求項13に記載の単原子触媒の合成方法。
【請求項16】
前記金属塩は、金属クロリド、金属カーボネイトまたは金属ナイトレートである、
請求項9に記載の単原子触媒の合成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単原子触媒に関するものであり、より詳細には、二重活性点を有した単原子触媒であって、これを高分散・高担持する合成技術開発を通じて電気化学反応の活性度を向上させるとともに、副反応である水素発生反応を抑制し、窒素分子を容易に開裂させることができる、二重活性点を有した単原子触媒に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水系(aqueous)で進行される電気化学還元反応には、大部分、水素発生反応(HER; Hydrogen evolution reaction)が伴われる。温室ガスを低減し水素経済を支えるグリーンアンモニア関連市場を先取り(先占)するためには、ターゲット生成物(アンモニア、尿素(urea)、エチレンなど)に対する高い反応選択度が要求される。これを解決するために、水素発生反応を抑制するための触媒デザイン技術が必要である。
【0003】
電気化学的還元反応の中で、水素発生反応(HER)との競争反応が一番熾烈である窒素転換アンモニア合成の場合、窒素の極度に低い溶解度と、三重結合の不活性(inert)な性質とによって、大部分の活性点を陽性子(H+)に奪われて水素発生反応(HER)が優勢である反応を示す。よって、窒素転換アンモニア合成のための電気触媒設計の際に考慮されなければならない事項として、水素発生反応(HER)を抑制して、窒素分子(N)の活性化に特化された触媒活性点(active site)を提供することが重要である。
【0004】
既存の電気化学的な窒素転換アンモニア合成のためのバルク(bulk)触媒では、それぞれの金属原子ごとに陽性子(proton)を吸着させているのであり、これのアンサンブル効果(ensemble effect)によって水素発生反応(HER)がよく起きる環境が作りだされた。反面、単原子触媒構造(single atom catalyst)であると、金属原子1個が独立的に孤立されている状態で、アンサンブル効果は減らし、単原子による物質固有の特性を極大化することができるという効果を期待することができる。また、金属原子が凝集する現象(agglomeration)を減らし、高耐久性の性能を発揮させて触媒劣化を防止することができる。
【0005】
大部分の既存単原子触媒構造は、通常、グラフェン構造の炭素(carbon)に金属原子が置き換えられて導入されるか、または窒素(nitrogen)がドーピングされたグラフェン構造のN edge siteに金属原子を堅たく固定させて単原子触媒の構造を完成させる。ここで、金属が配位(coordination)を形成する原子は、電気陰性度が大きい窒素と炭素であり、電子密度が極度に低い環境が作り出される。それによって、非共有電子対を提供する分子(CO、Nなど)らが、単原子金属活性点に、より良く、くっ付く傾向がある。このような単原子触媒は、アンサンブル効果を減らして水素発生反応(HER)を抑制することができるが、酸化数の変化による酸化/還元力を持っている金属であるので、反応物が豊富であってキネティック(kinetic)が速い水素発生反応(HER)を抑制することは容易でない。
【0006】
ここで、単原子触媒の電子密度環境を調節するために、Nエッジサイト(N edge site)をp-ブロック元素(p block element)で部分的に置き替えた触媒構造を導入することができるのであり、このような二重活性点(double active site)を導入する場合、金属単原子の水素発生反応(HER)活性点を周辺のp-ブロック(p block)原子に転移させることができる環境を作り出すことができる。代表的に、ホウ素(Boron、B)がドーピングされたグラフェンのホウ素は、炭素との結合構造を有する。二つの元素の間の電気陰性度(electronegativity)差によって、ホウ素は、相対的に電子密度が低い、正電荷を帯びる活性点になる。それによって、正電荷を帯びる陽性子(H+)は、容易にホウ素活性点に結合され得ないことから水素発生反応(HER)を抑制しうるのであり、窒素の非共有電子対は、正電荷を帯びるホウ素活性点に、よりよく結合するようになる。また、ホウ素は、独特の電子構造を持っていることから、sp3混成化オービタル(sp3 hybridized orbital)を形成するのであり、sp3オービタルが窒素の非共有電子対とシグマ結合(sigma bond)を形成して、電子が満たされたsp3オービタルにおけるパイ逆結合(pi back donation)を通じて、窒素の反結合(anti-bonding)領域に電子密度を高める。これは、3dオービタルであって、使用可能な電子が豊富である基本的な遷移金属の反応物還元メカニズムと等しいのであるが、ホウ素(Boron)は、sp3オービタル内に3個の電子を持っていることから、酸化数の変化が少なく、使用可能でありうる電子密度が限定的であるので、触媒の性能に限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2022-0058260号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例は、炭素や窒素が配位された構造でもって金属の電気化学的な触媒性能を極大化するのであり、これは、副反応と思われる水素発生反応(HER)を抑制する単原子触媒を提供することを目的とする。
【0009】
本発明のいくつかの目的は、以上で言及したいくつかの目的に制限されないのであり、言及されなかった、さらに他のいくつかの目的は、下の記載から明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例による単原子触媒は、窒素(N)がドーピングされた炭素支持体と、前記炭素支持体上にドーピングされるp-ブロック(p-block)元素と、前記窒素(N)と前記p-ブロック元素の間に配位結合を形成する遷移金属とを含む。
【0011】
前記単原子触媒は、下記化学式1で表示される結合構造を有するものでありうる。
【0012】
[化学式1]
M-XnN4-n
【0013】
前記化学式1でMは遷移金属であり、Xはp-ブロック元素であり、nは1乃至3の定数でありうる。
【0014】
前記炭素支持体は、炭素ナノチューブ(carbon nanotubes:CNTs)、官能基化炭素ナノチューブ(functionalized CNTs)、グラフェン(graphene)、酸化グラフェン、還元型酸化グラフェン(reduced graphene oxides)、グラファイト(graphites)、フラーレン(fullerenes)、バッキーチューブ(buckytubes)、ダイヤモンド、無定形炭素(amorphous carbons)、気相成長された炭素ナノ繊維(vapor-grown carbon nanofibers)、スーパーP導電性カーボン(Super P carbon; TIMCAL社のSuper P Liなど)、ケッチェンブラックカーボン(Ketjen Black carbon)、炭素繊維(carbon fibers)、ハードカーボン(hard carbons)、中空炭素ナノ粒子(hollow carbon nanoparticles)、マイクロ多孔性炭素ナノ粒子、メソポーラス(mesoporous)炭素ナノ粒子、炭素ナノラトル(carbon nanorattles)、グルコース、ポリアクリロニトリル及びキトサンからなる群から選択されるものでありうる。
【0015】
前記p-ブロック元素は、ホウ素(B)元素、リン(P)元素、セレニウム(Se)元素及び硫黄(S)元素からなる群から選択されるのでありうるのであり、前記p-ブロック元素はホウ素(B)元素でありうる。
【0016】
前記遷移金属は、マンガン(Mn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)及びタンタル(Ta)からなる群から選択されるのでありうるのであり、前記遷移金属はマンガン(Mn)でありうる。
【0017】
前記遷移金属の含量は0.5乃至15wt%でありうる。
【0018】
また、本発明の一実施例による単原子触媒の合成方法は、窒素(N)がドーピングされた炭素支持体水溶液に遷移金属前駆体が水溶液を一定に投入する段階と、前記炭素支持体水溶液にp-ブロック元素前駆体と金属塩を投入して熱処理前駆体を製造する段階と、前記熱処理前駆体を熱処理して中間体を製造する段階と、及び前記中間体を酸処理(acid washing)する段階を含む。
【0019】
前記炭素支持体は炭素ナノチューブ(carbon nano tubes:CNTs)、官能基化炭素ナノチューブ(functionalized CNTs)、グラフェン(graphene)、酸化グラフェン、還元型酸化グラフェン(reduced graphene oxides)、グラファイト(graphites)、フラーレン(fullerenes)、バッキーチューブ(buckytubes)、ダイヤモンド、無定形炭素(amorphous carbons)、気相成長された炭素ナノ繊維(vapor-grown carbon nanofibers)、スーパーP導電性カーボン(Super P carbon; TIMCAL社のSuper P Liなどの超導電性カーボンブラック;Extra Conductive Furnace(XCF))、ケッチェンブラックカーボン(Ketjen Black carbon; Lion Specialty Chemicals Co., Ltd.の中空シェル状の高導電カーボンブラック;例えばKETJENBLACK EC300J、KETJENBLACK EC600JD)、炭素繊維(carbon fibers)、ハードカーボン(hard carbons)、中空炭素ナノ粒子(hollow carbon nanoparticles)、マイクロ多孔性炭素ナノ粒子、メソポーラス(mesoporous)炭素ナノ粒子、炭素ナノラトル(carbon nanorattles)、グルコース、ポリアクリロニトリル及びキトサンからなる群から選択されるものでありうる。
【0020】
前記遷移金属は、マンガン(Mn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)及びタンタル(Ta)からなる群から選択されるものでありうる。
【0021】
前記p-ブロック元素は、ホウ素(B)元素、リン(P)元素、セレニウム(Se)元素、及び硫黄(S)元素からなる群から選択されるものでありうる。
【0022】
前記p-ブロック元素前駆体は、p-ブロック元素を含む酸性(acid)物質であるのでありうる。
【0023】
前記酸性物質は、酢酸(Acetic Acid)、硫酸(HSO)、塩酸(HCl)、過塩素酸(HClO)、リン酸(HPO)または硝酸(HNO)でありうるのであり、前記酸性(acid)物質の濃度は1mM乃至1Mでありうる。
【0024】
前記金属塩は、金属クロリド、金属カーボネイト、または金属ナイトレートでありうる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施例によれば、炭素や窒素が配位された構造でもって金属の電気化学的触媒性能を極大化するのであり、このことから、副反応と思われる水素発生反応(HER)を抑制する単原子触媒を提供するという効果がある。
【0026】
また、本発明の一実施例による単原子触媒は、窒素転換アンモニア合成反応にて、高い収率のアンモニアを合成することができるという効果がある。
【0027】
また、本発明の一実施例による単原子触媒は、二酸化炭素転換反応における一酸化炭素(CO)についての高い選択度を有するという効果がある。
【0028】
また、本発明の一実施例による単原子触媒は、二酸化炭素と窒素とを同時に転換する反応において、尿素(urea)に対して高い選択度を有するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】本発明の一実施例による単原子触媒の模式図を示したものである。
図1b】本発明の一実施例による単原子触媒の合成反応段階を示したものである。
図2a】本発明の一実施例による単原子触媒の構造分析結果を示したもの(1)である。
図2b】本発明の一実施例による単原子触媒の構造分析結果を示したもの(2)である。
図2c】本発明の一実施例による単原子触媒の構造分析結果を示したもの(3)である。
図2d】本発明の一実施例による単原子触媒の構造分析結果を示したもの(4)である。
図2e】本発明の一実施例による単原子触媒の構造分析結果を示したもの(5)である。
図2f】本発明の一実施例による単原子触媒の構造分析結果を示したもの(6)である。
図3a】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(1)である。
図3b】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(2)である。
図3c】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(3)である。
図3d】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(4)である。
図4a】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(1)である。
図4b】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(2)である。
図5a】本発明の一実施例及び比較例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(1)である。
図5b】本発明の一実施例及び比較例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(2)である。
図6a】a及びbは、本発明の一実施例及び比較例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(1)である。
図6b】本発明の一実施例及び比較例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(2)である。
図7a】本発明の一実施例及び比較例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(1)である。
図7b】本発明の一実施例及び比較例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(2)である。
図8a】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(1)である。
図8b】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(2)である。
図8c】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(3)である。
図8d】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(4)である。
図9】本発明の一実施例による単原子触媒についての水系反応でのアンモニア転換反応性能評価結果を示したものである。
図10】本発明の一実施例及び比較例による単原子触媒についての反応による密度汎関数理論(Density Functional Theory、DFT)計算を示したものである。
図11】本発明の一実施例による単原子触媒についての気相系反応でのアンモニア転換反応性能評価結果を示したものである。
図12a】本発明の一実施例による単原子触媒についての二酸化炭素還元反応の評価結果を示したものである。
図12b】本発明の比較例による単原子触媒についての二酸化炭素還元反応の評価結果を示したものである。
図13a】本発明の一実施例による単原子触媒についての二酸化炭素と窒素とを同時に還元する尿素(urea)合成反応の評価結果を示したものである。
図13b】本発明の比較例による単原子触媒についての二酸化炭素と窒素とを同時に還元する尿素(urea)合成反応の評価結果を示したものである。
図13c】本発明の一実施例による単原子触媒についての、窒素だけが存在する際のアンモニア転換反応の評価結果を示したものである。
図14】本発明の一実施例、比較例及び対照群による単原子触媒についての二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応の評価比較結果を示したものである。
図15】本発明の一実施例による単原子触媒についての尿素合成における時間変化による平均電圧分析結果を示したものである。
図16】本発明の一実施例による単原子触媒についての尿素合成におけるC-Nカップリングメカニズムを示したものである。
図17】本発明の一実施例による単原子触媒についての二重活性点の形成を説明するための模式図を示したものである。
図18】本発明の一実施例による単原子触媒についてのC-Nカップリング活性度の測定結果を示したものである。
図19a】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(1)である。
図19b】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(2)である。
図19c】本発明の一実施例による単原子触媒のTEMイメージを示したもの(3)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が容易に実施できるように本発明の実施例に対して詳しく説明しようとする。しかし、本発明はいろいろ相異な形態で具現されることができるし、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
以下、本発明の一実施例による単原子触媒は窒素(N)がドーピングされた炭素支持体と、前記炭素支持体上にドーピングされるp-ブロック(p-block)元素と、前記窒素(N)と前記p-ブロック元素との間に配位結合を形成する遷移金属を含む。
【0032】
本発明の一実施例による単原子触媒は下記化学式1で表示される結合構造を含むものであることができる。
【0033】
[化学式1]
M-XnN4-n
【0034】
前記化学式1において、Mは遷移金属であり、Xはp-ブロック元素であり、nは1乃至3の定数でありうる。
【0035】
前記炭素支持体はp-ブロック元素がドーピング可能なものであり、2次元構造を有するものでありうる。一例として、前記炭素支持体は、炭素ナノチューブ(carbon nanotubes:CNTs)、官能基化炭素ナノチューブ(functionalized CNTs)、グラフェン(graphene)、酸化グラフェン、還元された酸化グラフェン(reduced graphene oxides)、グラファイト(graphites)、フラーレン(fullerenes)、バッキーチューブ(buckytubes)、ダイヤモンド、無定形炭素(amorphous carbons)、気相成長された炭素ナノ繊維(vapor-grown carbon nanofibers)、スーパーP導電性カーボン(Super P carbon)、ケッチェンブラックカーボン(Ketjen Black carbon)、炭素繊維(carbonfibers)、ハードカーボン(hard carbons)、中空炭素ナノ粒子(hollow carbon nanoparticles)、マイクロ多孔性炭素ナノ粒子、メソポーラス(mesoporous)炭素ナノ粒子、炭素ナノラトル(carbon nanorattles)、グルコース、ポリアクリロニトリル及びキトサンからなる群から選択されるものでありうる。
【0036】
前記化学式1で表示される結合構造は、図1aに示された模式図のような構造を有するものでありうる。
【0037】
前記炭素支持体であると、窒素原子(N)の配位は窒素の高い電気陰性度を利用して、金属原子(陽イオン)が安定な具合にNサイト(N site)に固定され、触媒が単原子として存在できるようにするものであり、この目的で、N(窒素)が含まれた還元剤を触媒の合成過程に含ませるか、または、N(窒素)を含んでいる自然由来物質を利用するのでありうる。
【0038】
前記炭素支持体は、キトサンでありうるのであり、より詳細には、前記炭素支持体は、キトサン(chitosan)から提供されるのでありうるのであり、前記炭素支持体は、キトサンから誘導されるカーボン層として、キトサンの炭化(carbonization)過程から提供されるカーボン層でありうる。キトサンは、窒素原子(N)を含んでいる自然由来物質であって、窒素原子(N)を提供することで、金属原子の状態を電子欠乏構造にすることで、反応物の非共有電子対を良好に受け取ることができるように手助けしてくれる役割を行うのであり、より具体的には、キトサンのアミン基(-NH)が、Nエッジサイト(N edge site)として、金属陽イオンが容易にくっ付くことができるように手助けしてくれる。
【0039】
前記p-ブロック元素は、前記炭素支持体上にドーピングされて固定されるものであり、最外殼電子の構造が、反応対象物と類似の準位のp-オービタル(p-orbital)の間のオービタルを共有することで、反応物の反結合(anti-bonding)領域(π*orbital)のエネルギー準位を低めて電子の移動を活発にさせるものでありうるのであり、前記反応物は、N、OまたはCOでありうる。また、前記p-ブロック元素は、電気陰性度が低く触媒活性を示すのであって、前記炭素支持体上にドーピングされることで、遷移金属が有する水素発生反応(HER)の活性点をp-ブロック元素に転移させて、遷移金属の水素発生反応を抑制することができるものでありうる。
【0040】
一例として、前記p-ブロック元素は、ホウ素(B)元素、リン(P)元素、セレニウム(Se)元素及び硫黄(S)元素でなされた群から選択されるものであることができるし、望ましくは、前記p-ブロック元素はホウ素(B)元素でありうる。
【0041】
前記遷移金属はマンガン(Mn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)及びタンタル(Ta)でなされた群から選択されるものであることができるし、望ましくは、前記遷移金属はマンガン(Mn)であることができる。
【0042】
前記遷移金属は、前記窒素(N)と前記p-ブロック元素との間に配位結合することで、前記遷移金属は4個の原子と配位結合するものでありうるのであり、前記遷移金属は、1乃至3個の前記p-ブロック元素と1乃至3個の窒素(N)との配位結合を形成するものでありうる。
【0043】
前記遷移金属の含量は0.5乃至15wt%でありうる。
【0044】
図1bは、本発明の一実施例による単原子触媒の合成方法の流れ図を示したものである。
【0045】
図1bを参照すれば、本発明の一実施例による単原子触媒の合成方法は、窒素(N)がドーピングされた炭素支持体の水溶液に遷移金属前駆体水溶液を一定に投入する段階(S100)と、前記炭素支持体水溶液にp-ブロック元素前駆体と金属塩を投入して熱処理前駆体を製造する段階(S200)と、前記熱処理前駆体を熱処理して中間体を製造する段階(S300)と、及び前記中間体を酸処理(acid washing)する段階(S400)を含む。
【0046】
S100にて、前記炭素支持体は、炭素ナノチューブ(carbon nanotubes:CNTs)、官能基化炭素ナノチューブ(functionalized CNTs)、グラフェン(graphene)、酸化グラフェン、還元された酸化グラフェン(reduced graphene oxides)、グラファイト(graphites)、フラーレン(fullerenes)、バッキーチューブ(buckytubes)、ダイヤモンド、無定形炭素(amorphous carbons)、気相成長された炭素ナノ繊維(vapor-growncarbon nanofibers)、スーパーP導電性カーボン(Super P carbon; TIMCAL社のSuper P Liなど)、ケッチェンブラックカーボン(Ketjen Black carbon)、炭素繊維(carbon fibers)、ハードカーボン(hard carbons)、中空炭素ナノ粒子(hollow carbon nanoparticles)、マイクロ多孔性炭素ナノ粒子、メソポーラス(mesoporous)炭素ナノ粒子、炭素ナノラトル(carbon nanorattles)、グルコース、ポリアクリロニトリル及びキトサンからなる群から選択されるものでありうる。
【0047】
ここで、前記キトサンは、金属陽イオンを固定させることができるNエッジサイト(N edge site)を持っている炭素支持体(carbon matrix)である。
【0048】
S100にて、炭素支持体としてキトサンを利用する場合、キトサン水溶液(炭素支持体水溶液)の溶媒として酸性溶媒を利用するものであることができるし、前記酸性溶媒は塩酸(HCl)でありうるのであって、キトサンは、酸素ブリッジ(Oxo-bridge)構造(Glycosidic bond)を通じた長鎖の分子構造で絡まり合っている。これの解重合(depolymerization)を通じてNエッジサイト(N edge site)をより多く露出させる必要があるので、キトサンは、塩酸下で解重合することができるのであって、前記p-ブロック元素を含む酸性物質を利用することで、キトサンにおける、酸素ブリッジ(oxo-bridge)を成すグリコシド結合(glycosidic bond)を陽性子付加(protonation)させることで脱水化反応を起こすことができる。また、キトサンは、N-アセチルグルコサミン(N-Acetylglucosamine)(アセチル基[-CHCO]がアミン基[-NH]を覆い隠しているキチン(chitin)の構造)と、グルコサミン(Glucosamine)の構造とが、ランダムに酸素ブリッジ(oxo-bridge)構造で連結されている。N-アセチルグルコサミン(N-Acetylglucosamine)においては、アセチル基が金属陽イオン結合サイトであるアミン基を覆い隠していることから、単原子触媒に悪影響を与える。ところが、これについては、塩酸の強酸雰囲気で脱アセチル(deacetylation)反応が起き、アミン基(-NH)を露出させることができる。その結果、キトサン高分子が絡まり合っていた鎖が解けながら、薄くなったmatrixを通じて、炭化(carbonization)過程で、とても薄いカーボン層が形成されるものと判断され、よって、酸性で合成する方式は、薄く広く単原子触媒を形成させることができるのであって、単原子触媒活性点をさらに露出させることができる合成方式である。
【0049】
S100で、前記遷移金属は、マンガン(Mn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、バナジウム(V)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)及びタンタル(Ta)からなる群から選択されるものであることができる。
【0050】
S100で、前記遷移金属前駆体水溶液の溶媒として、酸性溶媒を利用するものでありうるし、前記酸性溶媒は、塩酸(HCl)でありうる。
【0051】
S100で、前記遷移金属前駆体水溶液は、前記キトサン水溶液に一定の速度で投入するものでありうるし、望ましくは、前記遷移金属前駆体水溶液は、前記キトサン水溶液に1mL/minの速度で投入するものでありうる。これは、遷移金属前駆体水溶液上にとけている遷移金属陽イオンが、キトサンの中心部に向けて濡れて染み込むことで拡散(diffusion)される方式にて結合されるのであって、一括して、遷移金属前駆体水溶液を一度にキトサン水溶液に投入した時の拡散よりも、一定の速度で投入した時に、少ない量でゆっくり一定に広がるようにする効果を期待することができる。また、解重合の過程で、キトサンは、強酸(strong acid)条件でゲル(gel)形態に変わるようになるが、ゲル(gel)化されれば、粘度(viscosity)が高くなって分散が不良となる結果をもたらすので、急にpHを低めずに、ゆっくり添加しながら、金属陽イオンが充分に拡散されるようにするために、遷移金属前駆体水溶液を1mL/minの、とても遅い速度でキトサン水溶液に添加しなければならない。
【0052】
S200にて、前記p-ブロック元素は、ホウ素(B)元素、リン(P)元素、セレニウム(Se)元素、及び硫黄(S)元素でなされた群から選択されるものでありうる。前記p-ブロック元素前駆体は、前記p-ブロック元素を含む酸性(acid)物質でありうる。前記酸性物質は酢酸(Acetic Acid)、硫酸(HSO)、塩酸(HCl)、過塩素酸(HClO)、リン酸(HPO)または硝酸(HNO)でありうる。前記酸性物質の濃度は1mM乃至1Mでありうる。
【0053】
S200にて、前記金属塩は金属溶融塩でありうるし、前記金属塩は、金属クライド、金属カーボネイトまたは金属ナイトレートでありうる。前記金属クロリドは、塩化カリウム(KCl)、ソディウムクロライド(NaCl)またはリチウムクロライド(LiCl)でありうる。特に、塩化カリウム(KCl)は、溶融点が770℃であって、高温で反応させる単原子触媒合成法にて、溶融による高いイオン伝導性及びCl-による金属熱還元効果を期待することができるのであり、それによって、金属陽イオンがNエッジサイト(N edge site)に容易に到逹して単原子触媒活性点を増加させることができる。前記金属カーボネイトは、ポタシウムカーボネイト(KCO)、カルシウムカーボネイト(CaCO)、ソディウムカーボネイト(NaCO)またはリチウムカーボネイト(LiCO)であることがある。前記金属ナイトレートはソディウムナイトレート(NaNO)、ポタシウムナイトレート(KNO)またはリチウムナイトレート(LiNO)でありうる。
【0054】
S300にて、前記熱処理前駆体を非活性気体雰囲気下で遂行するものでありうるし、前記非活性気体はArまたはNでありうるのであって、S300は、昇温速度3乃至30℃/minにて、500乃至1,000℃で1乃至6時間の間熱処理するものでありうる。
【0055】
S400で、前記酸処理(acid washing)は硫酸(HSO)または塩酸(HCl)を利用して遂行するものであることができるし、望ましくは、超音波処理と同時に遂行するものでありうる。
【0056】
以下、実施例を通じて本発明をより詳しく説明する。本実施例は、本発明の理解のための一つの実施例に過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
【0057】
<実施例1.単原子触媒の合成>
キトサン(chitosan)、塩化マンガン(MnCl)、ホウ酸(boric acid)及び塩化カリウム(KCl)を、4:1:0.5:4の重さ比(w:w)を有するように、表1の重量で準備した後、キトサンを脱イオン水(DI water)30mLに溶解させてキトサン水溶液を製造し、塩化マンガンを50mMのHCl20mLに溶解させて塩化マンガン水溶液を製造する。この後、製造されたキトサン水溶液に、塩化マンガン水溶液を1mL/minの速度で添加し、塩化マンガン水溶液の添加の際に、キトサン水溶液は80℃、500rpmで係属して撹拌(stirring)させる。この後、キトサン水溶液にホウ酸及び塩化カリウムを追加して1時間の間、撹拌(80℃、500rpm)し、この後、湯煎して乾燥することで、パウダー(powder)の形態の固体混合物を製造する。固体混合物を、管路(Tube Furnace)にて、アルゴン(Ar)雰囲気下で昇温速度3℃/minとし、1,000℃に到達させ、この後、4時間(hr)の間熱処理することで固体中間体を製造した。固体中間体について、乳鉢を利用して粉末の形態に再び製造した後、1M HSOでもって超音波洗浄し、分散後に遠心分離機を利用して3次蒸溜水とエタノール無水物とに投入してそれぞれ3回ずつ洗浄することで最終生成物を修得した。この後、真空オーブンを利用して乾燥することでMn-N/B-C単原子触媒を合成した。
【0058】
<実施例2.単原子触媒の合成>
前記実施例1と同一に遂行するが、キトサン(chitosan)、塩化マンガン(MnCl)、ホウ酸(boric acid)及び塩化カリウム(KCl)を1:1:0.5:4の重さ比(w:w)で準備する。
【0059】
<実施例3.単原子触媒の合成>
前記実施例1と同一に遂行するが、キトサン(chitosan)、塩化マンガン(MnCl)、ホウ酸(boric acid)及び塩化カリウム(KCl)を2:1:0.5:4の重さ比(w:w)で準備する。
【0060】
<実施例4.単原子触媒の合成>
前記実施例1と同一に遂行するが、キトサン(chitosan)、塩化マンガン(MnCl)、ホウ酸(boric acid)及び塩化カリウム(KCl)を10:1:0.5:4の重さ比(w:w)で準備する。
【0061】
【表1】
【0062】
<対照群.MnB触媒の合成>
MgBとMnClを1:1(w:w)で混合した後、管路にて昇温速度5℃/min、Ar雰囲気650℃で2時間熱処理後、1M HSOでの超音波洗浄及び分散後遠心分離機を利用して3次蒸溜水とエタノール無水物でそれぞれ3回ずつ洗浄して最終生成物を修得した後、真空オーブンを利用して乾燥してMnB触媒を合成した。
【0063】
<実験例1.構造分析>
前記実施例1で合成された単原子触媒のXPS分析を遂行して、図2aに示したのであり、NEXAFS分析結果を図2bに示した。図2bでは、対照群としてのMnB触媒のNEXAFS分析結果を一緒に示した。
【0064】
図2aを参照すれば、ホウ素(Boron)と窒素(Nitrogen)との割合が略1:1割合を成す。図2bを参照すれば、安定な構造についてDFT(密度汎関数理論;Density Functional Theory)計算を通じて現わす構造緩和(structural relaxation)の結果、ホウ素(Boron)が存在するときに、BN構造が最も安定であるものと確認することができる。
【0065】
また、図2cを参照すれば、前記実施例1で合成された単原子触媒は、ホウ素化マンガン(Manganese Boride)(Mn-B)に強く現われるピーク(peak)を持っていることを確認することができる。
【0066】
したがって、図2a乃至図2cを総合して見るならば、前記実施例1で合成された単原子触媒は、Mn-BN-Cの構造を有することを確認することができる。
【0067】
前記実施例1で合成された単原子触媒のTEMイメージを図2dに示した。図2dを参照すれば、前記実施例1で合成された単原子触媒は、多孔性構造であって表面積が広く分布していることを確認することができる。
【0068】
前記実施例1で合成された単原子触媒に対するEDS Mappingイメージを図2eに示した。図2eを参照すれば、前記実施例1で合成された単原子触媒は、炭素原子(C)、ホウ素原子(B)、窒素原子(N)及びマンガン原子(Mn)が分布されていることを確認することができる。
【0069】
図2dでの前記実施例1で合成された単原子触媒のTEMイメージのうちでEEL Sspectrumを図2fに示した。図2fを参照すれば、同一な位置(site)に炭素原子(C)、ホウ素原子(B)、窒素原子(N)が共存しているのであり、すべてπ*-σ* signalが共存している。このことから、等しい平面上に2次元(2D)構造で配置されているものであることを確認することができる。
【0070】
<実験例2.キトサン及びMnCl割合による分析>
前記実施例1乃至4で合成された単原子触媒のTEMイメージ分析を遂行した。分析されたTEMイメージは図3a乃至図3dに示した。
【0071】
図3aを参照すれば、実施例1に合成された単原子触媒は一部Mnクラスタが存在するが、酸処理によってMnOxは消えて、Mn単原子が共存することを確認することができる。
【0072】
一方、図3bを参照すれば、実施例2で合成された単原子触媒は、実施例1に比べて相対的にMn金属塩(MnCl)を過剰量で含んでいるので、MnOxやMnクラスタ(cluster)が複数存在することを確認することができる。図3cを参照すれば、実施例3で合成された単原子触媒も、実施例1に比べて相対的に、Mn金属塩(MnCl)を過剰量で含んでいるので、Mnクラスタ(cluster)が複数存在することを確認することができる。
【0073】
一方、図3dを参照すれば、実施例4で合成された単原子触媒は、実施例1に比べて相対的に、Mn金属塩(MnCl)を少なく含んでいるので、単原子触媒が少なくBN結合層が複数生成されたことを確認することができる。
【0074】
<実験例3.酸処理如何による分析>
前記実施例1で合成された単原子触媒と前記実施例1での“固体中間体”に対するTEMイメージ分析を遂行した。分析されたTEMイメージは図4a及び図4bに示した。
【0075】
図4aを参照すれば、前記実施例1での固体中間体は1M HSOで処理しないことから、MnOx、Mnクラスタ、Mn単原子が共存するということを確認することができる。
【0076】
反面、図4bを参照すれば、前記実施例1で合成された単原子触媒は1M HSOの強酸を処理することによって一部Mnクラスタが存在するが、MnOxは消えて、Mn単原子が共存することを確認することができる。
【0077】
<比較例1.>
前記実施例1と同一に遂行するが、キトサンと塩化マンガンそれぞれを3次蒸溜水(DI water)に溶解させてキトサン水溶液と塩化マンガン水溶液をそれぞれ製造した。
【0078】
<実験例4.>
前記比較例1で合成された単原子触媒と前記実施例1で合成された単原子触媒のTEMイメージ分析を遂行したし、分析されたTEMイメージを図5a及び図5bに示した。
【0079】
図5aを参照すれば、前記比較例1で合成された単原子触媒は3次蒸溜水にそれぞれキトサンと塩化マンガンを溶解させてキトサン水溶液と塩化マンガン水溶液を製造することによって、最終合成された単原子触媒の場合基質(Matrix)が厚くて一部単原子触媒が隠されることを確認することができる。
【0080】
反面、図5bを参照すれば、前記実施例1で合成された単原子触媒はキトサン水溶液と50mMのHClを利用して塩化マンガン水溶液を利用して製造することによって、最終合成された単原子触媒の基質(Matrix)が薄くて格子構造が明らかなことを確認することができる。これはキトサン高分子が強酸雰囲気下で縛られていた鎖がとけながら薄くなった基質(matrix)を通じて炭化(carbonization)過程でとても薄いカーボン層が形成されることで判断される。よって、強酸の条件で合成する方式は薄くて広く単原子触媒を形成させることができるし、単原子触媒活性点をさらに露出させることができる合成方式である。
【0081】
<比較例2.>
前記実施例1と同一に遂行するが、キトサン水溶液に塩化マンガン水溶液を一括的に混合した。
【0082】
<実験例5.>
前記比較例2で合成された単原子触媒と前記実施例1で合成された単原子触媒のTEMイメージ分析を遂行したし、分析されたTEMイメージを図6a及び図6bに示した。
【0083】
図6aを参照すれば、前記比較例2で合成された単原子触媒は合成過程でキトサン水溶液と塩化マンガン水溶液を一括的に混合することによって、Mnクラスタが共存することを確認することができる。
【0084】
反面、図6bを参照すれば、前記実施例1で合成された単原子触媒は合成過程でキトサン水溶液に塩化マンガン水溶液を一定な速度で添加することによって、Mnクラスタが極めて一部存在することを確認することができる。
【0085】
これはキトサンを通じて単原子触媒を合成する方式は水溶液上に溶解されている金属(Mn)陽イオンがキトサン中心部に向けて濡れていって拡散(diffusion)される方式で結合されることで、金属塩(MnCl)を1mL/minのとても遅い速度で添加しなければならないし、これによって一括的に混合した時の拡散より少ない量をゆっくり均一に広がるようにする効果を期待することができる。
【0086】
また、解重合(depolymerization)過程でキトサンは強酸条件でゲル(gel)形態で変化するようになって、ゲル化時粘度(viscosity)が高くなって分散がよくできない結果をもたらす。よって、急にpHを低めないでゆっくり添加しながら金属(Mn)陽イオンが充分に拡散するようにするために1mL/minのとても遅い速度で添加しなければならない。
【0087】
<比較例3.>
前記実施例1と同一に遂行するが、塩化カリウム(KCl)をキトサン水溶液に追加しなかった。
【0088】
<実験例6.>
前記比較例3で合成された単原子触媒と、前記実施例1で合成された単原子触媒とのTEMイメージ分析を遂行した。分析されたTEMイメージを図7a及び図7bに示した。
【0089】
図7aを参照すれば、比較例3で合成された単原子触媒は、酸性条件での合成によって炭素構造が薄くなったが一部クラスタが存在して、また、Mnのwt%は1.09wt%であり、位置の偶然による結合で、相対的に低いMn含有量を有することを確認することができる。
【0090】
図7bを参照すれば、実施例1で合成された単原子触媒は、酸性条件での合成によって炭素構造が薄くなったし、Mnクラスタなしに、こぎれいな単原子触媒で構成されている。また、Mnのwt%は、1.656wt%で、塩化カリウムを添加しない図6aよりもMn含有量が高いことを確認することができる。すなわち、塩化カリウムの溶融によるイオン伝導度の増加で、MnとN、Bとが、良好に結合しうる。
【0091】
<実施例5.単原子触媒の合成>
前記実施例1と同一に遂行するが、固体混合物を管路(Tube Furnace)にて400℃で熱処理して固体中間体を製造した。
【0092】
<実施例6.単原子触媒の合成>
前記実施例1と同一に遂行するが、固体混合物を管路(Tube Furnace)にて600℃で熱処理して固体中間体を製造した。
【0093】
<実施例7.単原子触媒の合成>
前記実施例1と同一に遂行するが、固体混合物を管路(Tube Furnace)にて800℃で熱処理して固体中間体を製造した。
【0094】
<実験例6.ICP-OES分析>
前記実施例1、実施例5乃至7で合成された単原子触媒に対して、誘導結合プラズマ分光分析法(Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectroscopy、ICP-OES)を遂行した。分析結果を下記表2に整理した。
【0095】
【表2】
【0096】
前記実施例1、実施例5乃至7で合成された単原子触媒のTEMイメージ分析を遂行した。分析されたTEMイメージを図8a及び図8dに示した。
【0097】
図8aを参照すれば、前記実施例1において固体混合物を温度1000℃で熱処理したことで、高い温度で金属(Mn)陽イオンの分散が、よりく行われることを確認することができる。
【0098】
キトサンは、180℃で炭化(carbonization)され始めてNドープされたグラフェン(N doped graphene)の形態に変化してから、金属(Mn)陽イオンがNエッジサイト(N edge site)に固定されて、ホウ素(boron)が陥入(incorporation)される。
【0099】
図8bを参照すれば、前記実施例5において固体混合物を温度400℃で熱処理したことで、400℃ではホウ素(boron)が検出されないのであり、Mnは一部がMnOxの形態で存在する。
【0100】
図8cを参照すれば、前記実施例6で固体混合物を温度600℃で熱処理したことで、ホウ素(boron)が600℃から配位(coordination)され始めて、Mnはナノクラスタの形態で存在するようになる。
【0101】
図8dを参照すれば、前記実施例7で固体混合物を温度800℃で熱処理したことで、単原子触媒として800℃から形成され、それ以上の温度では、一部の金属N(Metal-N)配位(coordination)がこわれて単原子上の触媒サイトを失うこともありうる。
【0102】
<比較例4.単原子触媒>
前記実施例1と同一に遂行するが、ホウ酸(boric acid)を除いて、MnがNのみと配位(coordination)を成すMn-N-C構造(Mn-N-C)の単原子触媒を合成した。
【0103】
<実験例7.アンモニア転換性能評価>
前記実施例1で合成された単原子触媒と、前記比較例4で合成された単原子触媒に対して、それぞれの窒素のアンモニア転換(合成)(N to NH)を遂行した。
【0104】
窒素のアンモニア転換は水系と気相系で、それぞれ反応を進行した。
【0105】
<水系反応での電極の構成>
水系反応での窒素のアンモニア転換反応には、電極H型セル(H-type cell)を活用した。酸性、中性及び塩基性条件でのそれぞれの基準電極、相対電極、作業電極及び電解質を下記表3のとおりとした。触媒(実施例1の単原子触媒または比較例4の単原子触媒)は、ローディング(loading)量が0.5mg/cmになるように触媒インク(ink)の形態で、作業電極上にドロップキャスティング(drop-casting)した。触媒インクは、触媒粉末(実施例1の単原子触媒または比較例4の単原子触媒)10mg、エタノール(ethanol)1mL、脱イオン水(D.I. water)0.9mL及びナフィオン(Nafion)117含有溶液0.1mLを混合して製造したのであり、触媒インク100μLずつを作業電極上にローディングした。イオン交換膜としては、Sustainion(登録商標)X37-50を使用した。
【0106】
【表3】
【0107】
<気相系反応での電極の構成>
前記“水系反応での電極の構成”と等しい電極構成を有するものであり、窒素(N)ガス供給チャンバが別に追加された。
【0108】
<水系反応でのアンモニア転換反応性能評価>
水系反応でのアンモニア転換性能は中性条件(0.1 M PBS)で評価した。評価結果を図9に示すとともに、表4に整理した。
【0109】
【表4】
【0110】
前記実施例1による単原子触媒(“Mn-B/N-C”)の場合、-0.1V vs. RHEで一番高い性能(電流効率37.15% & 生産速度21.31μg・mgcat. -1h-1)を示すことを確認することができる。反面、ホウ素(Boron)が存在しない前記比較例4による触媒(“Mn-N-C”)であるMn-N-Cの場合、-0.1V vs. RHEで電流効率(FE)17.5%及び生産速度(Yield)14.33μg・mgcat. -1h-1の性能を示すことを確認することができる。これを通じて、ホウ素(Boron)が配位(coordination)された場合、電流効率は2倍以上増加させることができるのであり、同時に生産速度も増加させることができるものであることにつき確認することができる。
【0111】
図10を参照すれば、このような現象に対するDFT(密度汎関数理論;Density Functional Theory、DFT)計算の結果として、N転換アンモニア合成反応経路のうちでN *[N吸着状態]にて一番目に陽性磁化(protonation)される段階[N *->NH*]でのエネルギーバリアーは、ホウ素(Boron)がドーピングされることによって低くなる。また、Mn-N配位(coordination)状態でのMn単原子活性点は、水素発生反応(HER)に高い活性を示すことに比べて、Mn-B配位(coordination)状態では、Mn単原子活性点での水素発生反応(HER)活性がホウ素(Boron)活性点に転移されることを、電子密度差及びギプス自由エネルギー計算を通じて明らかにすることができる。より具体的には、図10の(a)を参照すれば、前記実施例1による単原子触媒(“Mn-B/N-C”)(図10の“Mn-B2N2”)の構造にてPDS(Potential Determining Step)のエネルギーバリアーが、前記比較例4による触媒(“Mn-N-C”)(図9の“Mn-N”)の構造より低いことを確認することができる。図10の(b)を参照すれば、陽性子(proton)供給のための水解離(water dissociation)エネルギーの差を現わし、前記比較例4による触媒(“Mn-N-C”)(図10の“Mn-N4”)がHO吸着に高いエネルギーバリアーを示して最終的にMnサイト(Mn site)にてH*とOH*の二つともが共存するようになる。反面、前記実施例1による単原子触媒(“Mn-B/N-C”)(図10の“Mn-BN”)の構造は、HO吸着に対する低いエネルギーバリアー、及びボロンサイト(Boron site)における、H*吸着が優勢なギプス自由エネルギーを示す。図10の(c)を参照すれば、図10の(b)と類似の環境で、H*がNに吸着することに対するエネルギーバリアーは、前記実施例1による単原子触媒(“Mn-B/N-C”)(図10の“Mn-BN”)で下り坂(ダウンヒル)であり、H*がbボロンサイト(oron site)にあるために、Mnは窒素還元反応(NRR)だけに集中することができる。
【0112】
<気相系反応でのアンモニア転換反応性能評価>
気相系反応でのアンモニア転換性能は、酸性(0.05 M HSO)条件、中性(0.1MPBS)条件、塩基性(0.1 M KOH)条件ですべて評価した。評価結果を図11に示すとともに、表5(酸性(Acid)条件、中性(Neutral)条件、塩基性(Basic)条件)に整理した。
【0113】
【表5】
【0114】
図11及び表5を参照すれば、塩基性(0.1 M KOH)で一番高い性能を見せたのであり、-0.15V vs. RHEにて、電流効率(FE)49.1%と、生産速度(Yield)97.24μg・mgcat. -1h-1とを示す。その外、酸性(0.05 M HSO)、中性(0.1 M PBS)では、それぞれ60.18μg・mgcat. -1h-1 (22.76%) at -0.25V vs. RHE、82.31μg・mgcat. -1h-1 (43.13%) at -0.15V vs. RHEの性能を示した。
【0115】
また、塩基性条件における実施例1(Mn-B/N-C)及び比較例4(Mn-N4-C)と、他の単原子触媒とを比べて見たのであり、その結果、比較例4(Mn-N-C)による単原子触媒にて、-0.15V vs. RHEで電流効率(FE)25.75%と生産速度(Yield)76.85μg・mgcat. -1h-1を示す。
【0116】
<実験例8.二酸化炭素還元反応>
前記実施例1で合成された単原子触媒と、前記比較例4で合成された単原子触媒に対してそれぞれの二酸化炭素還元反応を遂行したのであり、気相系反応のみに電解システムを構成して、時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。
【0117】
気相系反応での二酸化炭素還元反応を遂行するために、3電極フロー型セル(flow type cell)を活用した。Hg/HgOを基準電極とし、Ni-Fe-Mo合金を相対電極として使用した。作業電極としてはガス拡散電極(gas diffusion electrode:GDE)を使用し、触媒ローディング(loading)量が0.5mg/cmになるように触媒インク(ink)を作業電極上にドロップキャスティング(drop-cast)した。触媒インクは、触媒粉末(実施例1の単原子触媒または比較例4の単原子触媒)10mg、エタノール(ethanol)1mL、脱イオン水(D.I. water)0.9mL及びNafion 117含有溶液0.1mLを混合して製造したのであり、100μLずつ作業電極上にローディングした。電解質としては1M KOHを使用したし、イオン交換膜としてはSustainion(R) X37-50を使用した。
【0118】
評価結果を図12a(実施例1で合成された単原子触媒)並びに図12b(比較例4で合成された単原子触媒)に示すとともに、表6に整理した。
【0119】
【表6】
【0120】
図12a、図12b及び表6を参照すれば、二酸化炭素転換反応にて実施例1で合成された単原子触媒(Mn-B/N-C)は、-200mA・cm-2の電流密度を基準として、89.1%のCO生産電流効率(FE CO)を示し、10.57%の水素発生反応(HER)の電流効率(FE H)を示している。比較例4で合成された単原子触媒(Mn-N-C)の場合、同じ-200mA電流で43.33%の電流効率(FE CO)を示すところ、実施例1で合成された単原子触媒(Mn-B/N-C)が、比較例4で合成された単原子触媒(Mn-N-C)に比べて、略2倍以上のCOに対する選択度(5倍以上HER抑制)を示した。これを通じて、ホウ素(Boron)がMn単原子活性点に配位(coordination)されることで、水系反応におけるどのような反応物でも水素発生反応(HER)を抑制することができるということを見て取ることができる。
【0121】
<実験例9.二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応>
前記実施例1で合成された単原子触媒と、前記比較例4で合成された単原子触媒に対して、それぞれの二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、気相系反応のみにて電解システムを構成して、時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。
【0122】
二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行するために、3電極flow type cellを活用したのであり、Hg/HgOを基準電極とし、Ni-Fe-Mo合金を相対電極として使用した。作業電極としては、ガス拡散電極(gas diffusion electrodeと、GDE)を使用したのであり、触媒ローディング(loading)量が0.5mg/cmになるように触媒インク(ink)を作業電極上にドロップキャスティング(drop-cast)した。触媒インクは、触媒粉末(実施例1の単原子触媒または比較例4の単原子触媒)10mg、エタノール(ethanol)1mL、脱イオン水(D.I. water)0.9mL及びNafion 117含有溶液0.1mLを混合して製造したのであり、100μLずつ作業電極上にローディングした。電解質としては1M KOHを使用したし、イオン交換膜としてはSustainion(登録商標) X37-50を使用した。
【0123】
評価結果を、図13a(実施例1で合成された単原子触媒)、並びに図13b(比較例4で合成された単原子触媒)に図示すとともに、表7に整理した。
【0124】
【表7】
【0125】
図13a、図13b及び表7を参照すれば、実施例1で合成された単原子触媒(Mn-B/N-C)は、-100mA・cm-2電流密度で88.7%の電流効率(FE UREA)を示したのであり、比較例4で合成された単原子触媒(Mn-N-C)の場合のような-100mA・cm-2電流密度で7.52%の電流効率(FE UREA)を示している。このことを考慮するならば、二重活性点を有したMn-B配位(coordination)がC-Nカップリングを活発にさせる役割を遂行することができるものであることを確認することができる。特に、表7の-150mA・cm-2電流密度で、0.0FE CO(%)を示しているところ、これは副反応生成物であるCO(一酸化炭素)の生成が完全に抑制されるものであることを確認することができる。
【0126】
前記表7での実施例1で合成された単原子触媒の尿素合成電流効率(FE UREA)を表8に整理した。表8で“mmol/mgcat.h”は、触媒使用量対比生成された尿素(Urea)のモル数であって、“mg/mgcat.h”は、触媒使用量と対比した、生成された尿素(Urea)の質量である。
【0127】
【表8】
【0128】
一方、比較例として、前記実施例1で合成された単原子触媒に対して窒素(N)だけが存在した場合の、アンモニア(NH)転換結果を図13cに示した。図13cを参照すれば、窒素だけが存在する場合には、アンモニア活性度が尿素(Urea)に比べて著しく低いものであることを確認することができる。
【0129】
追加的に、前記対照群で合成されたMnB触媒に対して、前記実施例1及び前記比較例4と等しい条件下での、二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、気相系反応のみで電解システムを構成して時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。比較結果を図14に示した。図14にて、“Mn BNC”は実施例1で合成された単原子触媒、“Mn N”は比較例4で合成された触媒、“MnB”は対照群としてのMnB触媒を現わす。
【0130】
前記表7での実施例1で合成された単原子触媒の尿素合成で、-300mA・cm-2条件で、時間変化による平均電圧を分析して図15に示した。図15を参照すれば、-300mA・cm-2で100時間程度、尿素(Urea)を安定的に合成することができることを確認することができるし、これは触媒の長期間安全性及び駆動可能性を確認することができる。
【0131】
前記表7における実施例1で合成された単原子触媒の尿素合成にて、強い三重結合を有したNガスを活性化させるC-Nカップリングメカニズムを、図16に示した。RRDE(Rotating Ring-Disk Electrode)実験で、赤色グラフはPtからなるリング(ring)が尿素(Urea)を酸化させる酸化ピックを現わすものであり、図16の(a)は、COを先に触媒に吸着させた後にNを投入した場合、尿素(Urea)酸化ピーク(Peak)が発生したのであるが、図16の(b)は、Nを先に触媒に吸着させた後にCOを投入する場合、尿素(Urea)酸化ピークが現われない。これは、尿素(Urea)が生成されようとすれば、CO吸着種が触媒に先に形成されなければならないことを意味し、実際、電気化学的尿素(Urea)合成の過程で、C-Nカップリングメカニズムは、MnにCOが先に吸着されてCO吸着種が生じれば、CO吸着種が、三重結合のNを分離活性させることができるということを証明したものである。
【0132】
図16による解釈を追加説明しようと、図17を参照すれば、図17の(a)にて、前記実施例1で合成された単原子触媒(図17の(a)で“Mn-BN”)は、Nがボロン(Boron)に結合され、ボロン(Boron)(*N)と、Mn単原子(*CO)を成す二重活性点を形成するものである。これに比べて、図17の(b)における前記比較例4で合成された触媒(図17の(b)で“Mn-N4”)の場合、Nは物理的吸着だけに依存して反応を進行させる。
【0133】
<実施例8.>
前記実施例1と同一に遂行するが、塩化マンガン(MnCl)ではないモリブデン酸ナトリウム(NaMoO)を使用してモリブデン酸ナトリウム水溶液を製造し、Mo-B/N-Cの単原子触媒を合成した。
【0134】
<実施例9.>
前記実施例1と同一に遂行するが、塩化マンガン(MnCl2)ではないクロム硝酸塩(CrNO)を使用してクロム酸硝酸塩水溶液を製造し、Cr-B/N-Cの単原子触媒を合成した。
【0135】
<実施例10.>
前記実施例1と同一に遂行するが、塩化マンガン(MnCl)ではないタングステン酸ナトリウム(NaWO)を使用してタングステン酸ナトリウム水溶液を製造し、W-B/N-Cの単原子触媒を合成した。
【0136】
<比較例5.>
前記実施例8と同一に遂行するが、ホウ酸(boric acid)を除いて、MoがもっぱらNと配位(coordination)を成すMo-N-C構造(Mo-N-C)の単原子触媒を合成した。
【0137】
<比較例6.>
前記実施例9と同一に遂行するが、ホウ酸(boric acid)を除いて、CrがもっぱらNと配位(coordination)を成すCr-N-C構造(Cr-N-C)の単原子触媒を合成した。
【0138】
<比較例7.>
前記実施例10と同一に遂行するが、ホウ酸(boric acid)を除いて、WがもっぱらNと配位(coordination)を成すW-N-C構造(W-N-C)の単原子触媒を合成した。
【0139】
<比較例8.>
前記実施例1と同一に遂行するが、塩化マンガン(MnCl)を除いて、マンガン(Mn)を含まないB/N-C構造の炭素基盤触媒準を準備した。
【0140】
<実験例10.構造分析>
前記実施例8乃至10、前記比較例4乃至8で合成された単原子触媒に対してXPS分析を遂行し、誘導結合プラズマ分光分析法(Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectroscopy、ICP-OES)を遂行し、各単原子触媒に対する原子分析結果及びICP-OES分析結果を表9に整理した。表9に、ホウ素(B)元素と窒素(N)元素との割合による化学式を整理した。
【0141】
【表9】
【0142】
<実験例11.C-Nカップリング活性度評価>
前記実施例1、実施例8乃至10で合成された単原子触媒に対してC-Nカップリング活性度を測定して図18に示した。
【0143】
図18を参照すれば、実施例1(MnBNC)、実施例8(Mo BNC)、実施例9(CrBNC)、実施例10(WBNC)の手順でC-Nカップリング活性度を示すことを確認することができる。
【0144】
図18の(a)は、同じ電圧に対比しての電流値を比べた値であって、二酸化炭素と窒素をフィードした際に、反応物が活性化される程度の差を現わしたものであり、また、触媒の電気伝導性を現わすものであり、MnとMo触媒が類似な電流傾向をしめすことを確認することができる。
【0145】
一方、図18の(b)における尿素(Urea)合成評価の面では、Mnが、はるかに優れた尿素選択性を示すことを確認することができるのであり、同じ電流が流れても、そのうちで尿素(Urea)合成に使用される電流が、Mn触媒にて、より多いということを確認することができる。
【0146】
<実験例12.TEMイメージ分析>
前記実施例8乃至10で合成された単原子触媒のTEMイメージを撮影し、図19a乃至図19cに示した。図19aは実施例8(Mo BNC)のTEMイメージ、図19bは実施例9(Cr BNC)のTEMイメージ、図19cは実施例10(W BNC)のTEMイメージである。
【0147】
<実験例13-1.水系反応でのアンモニア転換性能評価>
前記実施例8で合成された単原子触媒と、前記比較例5で合成された単原子触媒に対して、それぞれの窒素のアンモニア転換(合成)(N to NH)を遂行したのであって、前記実験例7での“水系反応での電極の構成”と同一に構成したのであり、遂行した結果を下記表10に整理した。
【0148】
【表10】
【0149】
表10を参照すれば、MoとBとが配位を成す構造でアンモニア合成に対する生産速度が向上されたことを確認することができる。
【0150】
<実験例13-2.二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応>
前記実施例8で合成された単原子触媒と、前記比較例5で合成された単原子触媒に対して、それぞれの二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、前記実験例9と等しく、気相系反応のみで電解システムを構成して、時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。評価結果を下記表11に整理した。
【0151】
【表11】
【0152】
表11を参照すれば、MoとBとが配位を成す構造にて、副反応である一酸化炭素(CO)の生成を抑制することができることを確認することができる。
【0153】
<実験例14-1.水系反応でのアンモニア転換性能評価>
前記実施例9で合成された単原子触媒と、前記比較例6で合成された単原子触媒に対して、それぞれの窒素のアンモニア転換(合成)(N to NH)を遂行したのであって、前記実験例7での“水系反応での電極の構成”と同一に構成したのであり、遂行した結果を下記表12に整理した。
【0154】
【表12】
【0155】
表12を参照すれば、CrとBが配位を成す構造でアンモニア合成に対する電流効率及び生産速度を大幅に向上させることができることを確認することができる。
【0156】
<実験例14-2.二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応>
前記実施例9で合成された単原子触媒に対して、二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、前記実験例9と等しく、気相系反応のみで電解システムを構成して、時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。評価結果を下記表13に整理した。
【0157】
【表13】
【0158】
表13を参照すれば、CrとBとが配位を成す構造にて尿素(urea)の合成が可能であることを確認することができる。
【0159】
<実験例15-1.水系反応でのアンモニア転換性能評価>
前記実施例10で合成された単原子触媒と、前記比較例7で合成された単原子触媒に対して、それぞれの窒素のアンモニア転換(合成)(N to NH)を遂行したのであって、前記実験例7での“水系反応での電極の構成”と同一に構成したのであり、遂行した結果を下記表14に整理した。
【0160】
【表14】
【0161】
表14を参照すれば、WとBが配位を形成する構造でアンモニア合成に対する高い電流効率を見せて、生産速度が向上されたことを確認することができる。
【0162】
<実験例15-2.二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応>
前記実施例10で合成された単原子触媒に対して、二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、前記実験例9と等しく、気相系反応のみで電解システムを構成して、時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。評価結果を下記表15に整理した。
【0163】
【表15】
【0164】
表15を参照すれば、WとBとが配位を成す構造にて、アンモニア合成性能に比べて尿素合成(urea)性能が低調であることを確認することができる。
【0165】
<実験例16-1.水系反応でのアンモニア転換性能評価>
前記比較例8で合成された単原子触媒に対して、それぞれの窒素のアンモニア転換(合成)(N to NH)を遂行したのであって、前記実験例7での“水系反応での電極の構成”と同一に構成したのであり、遂行した結果を下記表16に整理した。
【0166】
【表16】
【0167】
表16を参照すれば、金属(Mn)がないことにもアンモニア合成性能を示すことを確認することができる。
【0168】
<実験例16-2.二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応>
前記比較例8で合成された触媒に対して、二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、前記実験例9と等しく、気相系反応のみで電解システムを構成して、時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。評価結果を下記表17に整理した。
【0169】
【表17】
【0170】
表17を参照すれば、金属(Mn)がないことによって尿素(urea)が合成されないのであり、このことから、C-Nカップリングを形成することができないことを確認することができる。
【0171】
<実施例11.>
前記実施例1と同一に遂行するが、ホウ酸(Boricacid)ではないチオアセトアミド(Thioacetamide)を使用して、Mn-S/N-Cの単原子触媒を合成した。
【0172】
<実施例12.>
前記実施例11と同一に遂行するが、塩化マンガン(MnCl2)ではないモリブデン酸ナトリウム(NaMoO)を使用してモリブデン酸ナトリウム水溶液を製造し、Mo-S/N-Cの単原子触媒を合成した。
【0173】
<実施例13.>
前記実施例11と同一に遂行するが、塩化マンガン(MnCl)ではない塩化バナジウム(VCl)を使用して塩化バナジウム水溶液を製造し、V-S/N-Cの単原子触媒を合成した。
【0174】
<比較例9.>
前記実施例13と同一に遂行するが、チオアセトアミド(Thioacetamide)を除いて、VがもっぱらNと配位(coordination)を成すV-N-C構造(V-N-C)の単原子触媒を合成した。
【0175】
<実験例17.構造分析>
前記実施例11乃至13、比較例9で合成された単原子触媒に対してXPS分析を遂行し、誘導結合プラズマ分光分析法(Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectroscopy、ICP-OES)を遂行し、各単原子触媒に対する原子分析結果及びICP-OES分析結果を、表18に整理した。表18に、ホウ素(B)元素と窒素(N)元素の割合による化学式を整理した。
【0176】
【表18】
【0177】
<実験例18-1.水系反応でのアンモニア転換性能評価>
前記実施例11で合成された単原子触媒と、前記比較例4で合成された単原子触媒に対して、それぞれの窒素のアンモニア転換(合成)(N to NH)を遂行したのであって、前記実験例7での“水系反応での電極の構成”と同一に構成したのであり、遂行した結果を下記表19に整理した。
【0178】
【表19】
【0179】
表19を参照すれば、Pブロック(P block)元素としての硫黄(S)はホウ素(B)と共にマンガン(Mn)と配位を成す場合、水素発生の抑制が可能であり、アンモニア合成性能も増加するということを確認することができる。
【0180】
<実験例18-2.二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応>
前記実施例11で合成された単原子触媒と、前記比較例4で合成された単原子触媒とに対して、それぞれの二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、前記実験例9と等しく、気相系反応のみで電解システムを構成して、時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。評価結果を下記表20に整理した。
【0181】
【表20】
【0182】
表20を参照すれば、Pブロック(P block)元素としての硫黄(S)はホウ素(B)と共にマンガン(Mn)と配位を成す場合、副反応(CO合成)を抑制することができであって、尿素(urea)合成性能は増加するということを確認することができる。
【0183】
<実験例19-1.水系反応でのアンモニア転換性能評価>
前記実施例12で合成された単原子触媒と、前記比較例5で合成された単原子触媒とに対して、それぞれの窒素のアンモニア転換(合成)(N to NH)を遂行したのであって、前記実験例7での“水系反応での電極の構成”と同一に構成したのであり、遂行した結果を下記表21に整理した。
【0184】
【表21】
【0185】
表21を参照すれば、P block元素として硫黄(S)はホウ素(B)と共にモリブデン(Mo)と配位を成す時、水素発生抑制が可能であり、アンモニア合成性能も増加することを確認することができる。
【0186】
<実験例19-2.二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応>
前記実施例12で合成された単原子触媒と、前記比較例5で合成された単原子触媒とに対して、それぞれの二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、前記実験例9と等しく、気相系反応のみで電解システムを構成して、時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。評価結果を下記表22に整理した。
【0187】
【表22】
【0188】
表22を参照すれば、P block元素としての硫黄(S)はホウ素(B)のようにモリブデン(Mo)と配位を成す場合、副反応(CO合成)を抑制することができ、尿素(urea)合成性能は増加するということを確認することができる。
【0189】
<実験例20-1.水系反応でのアンモニア転換性能評価>
前記実施例13で合成された単原子触媒と、前記比較例9で合成された単原子触媒とに対して、それぞれの窒素のアンモニア転換(合成)(N to NH)を遂行したのであって、前記実験例7での“水系反応での電極の構成”と同一に構成したのであり、遂行した結果を下記表23に整理した。
【0190】
【表23】
【0191】
表23を参照すれば、P block元素として硫黄(S)はバナジウム(V)と配位を成す時、水素発生抑制が可能であり、アンモニア合成性能も増加することを確認することができる。
【0192】
<実験例20-2.二酸化炭素と窒素同時還元尿素(urea)合成反応>
前記実施例13で合成された単原子触媒と、前記比較例9で合成された単原子触媒とに対して、それぞれの二酸化炭素と窒素との同時還元尿素(urea)合成反応を遂行したのであり、前記実験例9と等しく、気相系反応のみで電解システムを構成して時間帯電位差法(Chronopotentiometry)で評価した。評価結果を下記表24に整理した。
【0193】
【表24】
【0194】
表24を参照すれば、P block元素としての硫黄(S)はバナジウム(V)と配位を成す時、副反応(CO合成)の抑制には大きい影響がないが、尿素(urea)合成性能は増加するということを確認することができる。
【0195】
以上で本発明の望ましい実施例に対して詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多くの変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13a
図13b
図13c
図14
図15
図16
図17
図18
図19a
図19b
図19c