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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119010
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】積層型電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240826BHJP
【FI】
H01G4/30 201G
H01G4/30 201F
H01G4/30 516
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126258
(22)【出願日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0022772
(32)【優先日】2023-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】宋 玲娥
(72)【発明者】
【氏名】崔 奉珪
(72)【発明者】
【氏名】成 光東
(72)【発明者】
【氏名】房 載勳
(72)【発明者】
【氏名】李 度▲景▼
(72)【発明者】
【氏名】金 完植
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC09
5E001AC10
5E001AE02
5E001AE03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
5E082JJ03
5E082JJ12
5E082JJ23
5E082PP09
(57)【要約】
【課題】本発明の一実施形態は、積層型電子部品を提供する。
【解決手段】積層型電子部品は、誘電体層及び上記誘電体層と交互に配置される内部電極を含む本体と、上記本体上に配置されて上記内部電極と連結される外部電極と、を含み、上記外部電極はCuを含む金属を含み、上記外部電極に含まれた金属は、X線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層及び前記誘電体層と交互に配置される内部電極を含む本体と、
前記本体上に配置されて前記内部電極と連結される外部電極と、を含み、
前記外部電極は、Cuを含む金属を含み、
前記外部電極に含まれた金属のX線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下である、積層型電子部品。
【請求項2】
前記外部電極に含まれた金属は、複数の金属グレイン及び前記複数の金属グレインの間に位置するグレインバウンダリーを含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記複数の金属グレインのうち少なくとも一つは複数の結晶子を含む、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記複数の金属グレインの平均グレインサイズは2μm以上4μm以下である、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記外部電極に含まれた金属はSiを含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記外部電極に含まれた金属はSiを含み、
前記グレインバウンダリーにおけるSiの含量は、前記金属グレインの内部におけるSiの含量より大きい、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記グレインバウンダリーに含まれたSiの含量は0.3原子%~1.25原子%である、請求項6に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記外部電極に含まれた金属はAlをさらに含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記外部電極に含まれた金属は、Ni、Si及びAlのうち一つ以上をさらに含み、
前記グレインバウンダリーに含まれたCu、Ni、Si及びAlの合計含量100モルに対するCu、Ni、Siそれぞれの含量をCCu、CNi、CSiとするとき、CCu>CNi>CSiを満たす、請求項2に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記本体は、第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、前記第1面~前記第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含み、
前記外部電極は前記第3面及び前記第4面に配置され、
前記本体の第1方向の中央領域で測定した前記外部電極の第2方向のサイズをT1とするとき、前記T1は5μm以上20μm以下である、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
前記第1方向を基準に、最外郭に配置された内部電極で測定した前記外部電極の第2方向のサイズをT2とするとき、T2/T1は0.8以上1.0以下である、請求項10に記載の積層型電子部品。
【請求項12】
前記外部電極はガラスを含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi‐Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)等の映像機器、コンピュータ、スマートフォン、及び携帯電話等の様々な電子製品の印刷回路基板に装着され、電気を充電又は放電させる役割を果たすチップ型のキャパシタである。
【0003】
このような積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保証され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として使用されることができる。コンピュータ、モバイル機器等、各種の電子機器が小型化、高出力化するにつれて、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化への要求が増大している。
【0004】
近年、積層セラミックキャパシタの単位体積当たりの容量を改善するために、外部電極を薄層化するための研究が進められており、外部電極を薄層化するための方法の一つとして、微粒の金属粉末を添加した導電性ペーストを介して外部電極を形成する方法が考えられている。
【0005】
但し、外部電極の形成時に微粒の金属粉末を使用すると、電極の焼成温度が低くなり、外部電極が低温で熱処理されることによって、外部電極に含まれた金属の結晶子(crystallite)サイズが徐々に減少するという問題が発生することがある。
【0006】
外部電極に含まれた金属の結晶子サイズが減少する場合、複数の結晶子間の界面の個数が増加し、内部応力が高くなり、延性(ductility)が低くなる可能性がある。これにより、積層セラミックキャパシタに伝達される外部衝撃を効果的に吸収できず、クラック(crack)が発生するなど、積層セラミックキャパシタの信頼性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明のいくつかの目的の一つは、外部電極に含まれた金属の結晶子サイズを調節して積層型電子部品の信頼性を改善することである。
【0008】
但し、本発明の目的は上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、誘電体層及び上記誘電体層と交互に配置される内部電極を含む本体と、上記本体上に配置されて上記内部電極と連結される外部電極とを含み、上記外部電極はCuを含む金属を含み、上記外部電極に含まれた金属は、X線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下である積層型電子部品を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の様々な効果の一つとして、外部電極に含まれた金属の結晶子サイズを調節して積層型電子部品の信頼性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。
図2図1のI-I’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
図3図1のII-II’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態による積層型電子部品の本体を分解して概略的に示す分解斜視図である。
図5図2のK1領域の拡大図である。
図6図5のK2領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状や大きさ等は、より明確な説明のために誇張されることがあり、図面上の同じ符号で示される要素は同じ要素である。
【0013】
そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。なお、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素に対しては、同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言うとき、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0014】
図面において、第1方向は厚さT方向、第2方向は長さL方向、第3方向は幅W方向と定義することができる。
【0015】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1のI-I’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図であり、図3は、図1のII-II’線に沿った切断断面を概略的に示す断面図であり、図4は、本発明の一実施形態による積層型電子部品の本体を分解して概略的に示す分解斜視図であり、図5は、図2のK1領域の拡大図であり、図6は、図5のK2領域の拡大図である。
【0016】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による積層型電子部品100について詳細に説明する。また、積層型電子部品の一例として、積層セラミックキャパシタ(Multi-layered Ceramic Capacitor、以下「MLCC」という)について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な積層型電子部品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、又はサーミスタなどにも適用することができる。
【0017】
本発明の一実施形態による積層型電子部品100は、誘電体層111及び上記誘電体層と交互に配置される内部電極121、122を含む本体110と、上記本体上に配置されて上記内部電極と連結される外部電極131、132と、を含み、上記外部電極はCuを含む金属31を含み、上記外部電極に含まれた金属はX線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下であることができる。
【0018】
上述したように、外部電極に含まれた金属の結晶子サイズが過度に減少する場合、上記外部電極に残留する内部応力が高くなり、延性が低くなる可能性がある。これにより、積層型電子部品に伝達される外部衝撃を効果的に吸収できず、クラック(crack)が発生するなど、積層型電子部品の信頼性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0019】
一方、本発明の一実施形態による積層型電子部品100の場合、外部電極131、132に含まれた金属31がX線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下であることを満たすことにより、クラック等を効果的に防止し、積層型電子部品100の信頼性を向上させることができる。
【0020】
以下、本発明の一実施形態による積層型電子部品100に含まれる各構成についてより詳細に説明する。
【0021】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように、本体110は六面体形状又はこれと類似の形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮や角部の研磨により、本体110は完全な直線を有する六面体形状ではないが、実質的に六面体形状を有することができる。
【0022】
本体110は、第1方向に対向する第1面1及び第2面2、上記第1面1及び第2面2と連結され、第2方向に対向する第3面3及び第4面4、第1面~第4面(1、2、3、4)と連結され、第3方向に対向する第5面5及び第6面6を有することができる。
【0023】
本体110は、誘電体層111と内部電極121、122が交互に積層されていてもよい。本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であって、隣接する誘電体層111間の境界は走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0024】
誘電体層111は、セラミック粉末、有機溶剤及びバインダーを含むセラミックスラリーを製造し、上記スラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してセラミックグリーンシートを設けた後、上記セラミックグリーンシートを焼成することにより形成することができる。セラミック粉末は、十分な静電容量が得られる限り特に制限されないが、例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料又はチタン酸ストロンチウム系材料等を使用することができ、上記セラミック粉末の例示として、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)等が一部固溶した(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)又はBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)などが挙げられる。
【0025】
誘電体層111の平均厚さtdは特に限定する必要はない。但し、誘電体層111の厚さが薄くなるほど、電圧の印加時に発生する応力により本体110にクラックが発生しやすく、これにより積層型電子部品の信頼性が低下するという問題点がある。これに対し、本発明の一実施形態による積層型電子部品の場合、外部電極131、132に含まれた金属31がX線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下であることを満たすことで、誘電体層111の平均厚さtdが0.4μm以下の場合でも積層型電子部品の信頼性を確保することができる。
【0026】
ここで、誘電体層111の平均厚さtdは、内部電極121、122の間に配置される誘電体層111の第1方向のサイズを意味する。誘電体層111の平均厚さは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を倍率1万倍の走査型電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的に、一つの誘電体層111の多数の地点、例えば、第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、後述する容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の誘電体層111に拡張して平均値を測定すると、誘電体層111の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0027】
内部電極121、122は誘電体層111と交互に配置されてもよく、例えば、互いに異なる極性を有する一対の電極である第1内部電極121と第2内部電極122とが誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように配置されてもよい。すなわち、第1内部電極121と第2内部電極122とは、その間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されてもよい。
【0028】
第1内部電極121は、第4面4と離隔し、第3面3と連結されるように配置されることができる。また、第2内部電極122は、第3面3と離隔し、第4面4と連結されるように配置されることができる。
【0029】
内部電極121、122に含まれる導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、錫(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち一つ以上であってもよいが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
内部電極121、122は、セラミックグリーンシート上に所定の厚さで導電性金属を含む内部電極用導電性ペーストを塗布して焼成することにより形成することができる。内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
内部電極121、122の平均厚さteは特に限定する必要はない。一方、上述したように、本発明の一実施形態による積層型電子部品の場合、外部電極131、132に含まれた金属31がX線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下であることを満たすことで、内部電極121、122の平均厚さteが0.4μm以下の場合でも積層型電子部品の信頼性を確保することができる。
【0032】
内部電極121、122の平均厚さteは、内部電極121、122の第1方向のサイズを意味する。ここで、内部電極121、122の平均厚さは、本体110の第1方向及び第2方向の断面を倍率1万倍の走査型電子顕微鏡(SEM)でスキャンして測定することができる。より具体的に、一つの内部電極121、122の多数の地点、例えば、第2方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。上記等間隔である30個の地点は、後述する容量形成部Acで指定することができる。また、このような平均値の測定を10個の内部電極121、122に拡張して平均値を測定すると、内部電極121、122の平均厚さをさらに一般化することができる。
【0033】
本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を間に挟んで互いに交互に配置される第1及び第2内部電極121、122を含んで容量が形成される容量形成部Acと、容量形成部Acの第1方向に対向する両端面上にそれぞれ配置される第1カバー部112及び第2カバー部113を含むことができる。カバー部112、113は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。カバー部112、113は、内部電極を含まないことを除いては、誘電体層111と同じ構成を有することができる。
【0034】
カバー部112、113の厚さは特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化のために、カバー部112、113の平均厚さtcは20μm以下であってもよい。上述のように、カバー部112、113の平均厚さtcが20μm以下の場合であっても、外部電極131、132に含まれた金属31がX線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下であることを満たすことにより、積層型電子部品の信頼性を確保することができる。ここで、カバー部112、113の平均厚さは、第1カバー部112及び第2カバー部113のそれぞれの平均厚さを意味する。
【0035】
カバー部112、113の平均厚さは、カバー部112、113の第1方向への平均サイズを意味することができ、本体110の第1方向及び第2方向の断面において等間隔である5個の地点で測定した第1方向のサイズを平均した値であることができる。
【0036】
本体110は、容量形成部Acの第3方向に対向する両端面上に配置されるマージン部114、115を含むことができる。すなわち、マージン部114、115は、本体110を第1方向及び第3方向に切断した断面において、内部電極121、122の両端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。このとき、マージン部114、115は、本体110の第5面5側に配置された第1マージン部114及び本体110の第6面6側に配置された第2マージン部115を含むことができる。
【0037】
マージン部114、115は、内部電極121、122を含まないことを除いては、誘電体層111と同じ材料を含むことができる。マージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0038】
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される箇所を除き、内部電極用導電性ペーストを塗布して焼成することにより形成されたものであってもよい。あるいは、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後の内部電極121、122が本体の第5面5及び第6面6と連結されるように切断した後、単一の誘電体層、又は2つ以上の誘電体層を容量形成部Acの第3方向に対向する両端面上に積層することにより、マージン部114、115を形成することもできる。
【0039】
マージン部114、115の平均厚さは特に限定する必要はない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化のために、マージン部114、115の平均厚さは20μm以下であってもよい。上述したように、マージン部114、115の平均厚さが20μm以下の場合であっても、外部電極131、132に含まれた金属31がX線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下であることを満たすことにより、積層型電子部品の信頼性を確保することができる。ここで、マージン部114、115の平均厚さは、第1マージン部114及び第2マージン部115のそれぞれの平均厚さを意味する。
【0040】
マージン部114、115の平均厚さは、マージン部114、115の第3方向の平均サイズを意味することができ、本体110の第1方向及び第3方向の断面において等間隔である5個の地点で測定した第3方向のサイズを平均した値であることができる。
【0041】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4に配置されることができ、第1面1、第2面2、第5面5及び第6面6の一部上に延びることができる。また、外部電極131、132は、第1内部電極121と連結される第1外部電極131及び第2内部電極122と連結される第2外部電極132を含むことができる。
【0042】
外部電極131、132は、本体110の第3面3及び第4面4を金属粒子及びガラスを含む外部電極用導電性ペーストにディッピング(dipping)した後、焼成することにより形成することができる。
【0043】
一方、図示されてはいないが、外部電極131、132上にはめっき層が配置されてもよい。上記めっき層は実装特性を向上させることができ、上記めっき層の種類は特に限定されない。例えば、上記めっき層は、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、パラジウム(Pd)及び/又はこれらを含む合金などを含むめっき層であってもよく、複数の層で形成されてもよい。上記めっき層は、例えば、ニッケル(Ni)めっき層又は錫(Sn)めっき層であってもよく、ニッケル(Ni)めっき層及び錫(Sn)めっき層が順次に形成された形態であってもよい。また、上記めっき層は、複数のニッケル(Ni)めっき層及び/又は複数の錫(Sn)めっき層を含むこともできる。
【0044】
図面では、積層型電子部品100が2つの外部電極131、132を有する構造について説明しているが、これに限定されるものではなく、外部電極131、132の個数や形状などは内部電極121、122の形態やその他の目的に応じて変更することができる。
【0045】
以下、図5及び図6を参照して外部電極についてより詳細に説明する。一方、図5及び図6は、第1外部電極131の一部を拡大して示しているが、第1外部電極131は第1内部電極121と連結され、第2外部電極132は第2内部電極122と連結されるという差異があるだけで、第1外部電極131と第2外部電極132の構成は類似しているため、以下では、第1外部電極131を基準として説明するが、これは、第2外部電極132に関する説明を含むものと見なす。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、外部電極131は金属31及びガラス32を含むことができる。外部電極131に含まれた金属31は、Cu、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Pb及び/又はこれらを含む合金を含むことができ、より好ましくはCuを含むことができる。外部電極131に含まれたガラス32は、基本的に本体110と外部電極131との間の接合力を向上させる役割を果たすことができる。
【0047】
一方、図6を参照すると、外部電極131に含まれた金属31は、複数の金属グレイン(粒)MG及び上記複数の金属グレインの間に位置するグレインバウンダリー(粒界)GBを含むことができる。また、複数の金属グレインMGのうち少なくとも一つは複数の結晶子CLを含むことができる。ここで、結晶子(crystallite)とは、単結晶と見なされる粒子の最大集合体をいい、図示のように1つの金属グレインMGは複数の結晶子CLによって構成されることができる。
【0048】
金属グレインMGの形態又は平均グレインサイズは、例えば、外部電極131の断面のうち金属31が配置された領域を走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影することで決定することができる。また、結晶子CLのサイズは、例えば、X線回折パターンから得られたピークに基づいてシェラー(Sherrer)の式によって決定することができる。ここで、シェラー(Sherrer)の式はD=(K×λ)/(β×cosθ)で表され、Dは結晶子サイズ、Kはシェラー(Scherrer)定数、λはX線の波長、βは半値全幅(FWHM)、θはXRDピークの位置であって、2θの半分を意味する。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、外部電極131に含まれた金属31は、X線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下のものであることができる。上記(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm未満の場合、結晶子サイズが小さすぎて外部電極131に含まれた金属31に残留する内部応力が増加し、延性が低くなり、積層型電子部品100に伝達される外部衝撃を効果的に吸収できない可能性がある。
【0050】
一方、上記(111)面のピークから求めた結晶子サイズが増加するほど、複数の結晶子CL間の界面の個数が減少して内部応力を低減し、延性(ductility)を向上させることができる。これにより、積層セラミックキャパシタに伝達される外部衝撃を効果的に吸収してクラック(crack)を防止するなど、積層セラミックキャパシタの信頼性が向上できる。
【0051】
但し、上記(111)面のピークから求めた結晶子サイズが過度に増加するほど、焼成のためにさらに高い温度で熱処理を行わなければならず、このような高温熱処理により本体110に放射クラックが発生するという問題点が生じることがある。そこで、本発明者らは、外部電極131に含まれた金属31がX線回折パターンから得られた(111)面のピークから求めた結晶子サイズが70nm以上100nm以下であることを満たすとき、外部電極131に残留する内部応力を低減し、延性(ductility)を向上させる一方で、高温熱処理による放射クラックを防止できることを確認した。
【0052】
ここで、X線回折パターンから得られた(111)面のピークは、外部電極131の金属31に含まれたCuに由来したものであってもよい。また、CuのXRD分析時に、(111)面、(200)面及び(220)面のピークが現れることがあるが、(111)面のピークを結晶子サイズの計算に使用したのは、ピークの強度が他の面に比べて相対的に高く、結晶子サイズに関する情報が正確に得られるためである。
【0053】
上記結晶子サイズを測定する方法は、上述したように、外部電極131に含まれた金属31をX線回折法(XRD)で分析してX線回折パターンを得た後、上記X線回折パターンから得られた(111)面のピークに基づいてシェラー(Sherrer)の式によって測定することができる。上記結晶子サイズの測定は、本体110の第3方向の中央で切断した積層型電子部品100の第1及び第2方向の断面において、外部電極131の第1方向の中央領域のうち、ガラス32が配置された領域を除いた金属31が配置された領域をXRD分析して測定することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
複数の金属グレインMGの平均グレインサイズは特に限定する必要はない。但し、金属グレインMGの平均グレインサイズは、一般に結晶子CLのサイズが増加するほど、共に増加することができる。
【0055】
一方、一実施形態において、複数の金属グレインMGの平均グレインサイズは2μm以上4μm以下であってもよい。複数の金属グレインMGの平均グレインサイズが2μm未満の場合、グレインバウンダリーGBの個数が増加し、グレインバウンダリーGBにおいて金属グレインMGが滑る現象が発生し、外部電極131に残留する内部応力が増加することがある。また、複数の金属グレインMGの平均グレインサイズが4μmを超えるためには、より高い温度で熱処理を行わなければならず、このような高温熱処理により本体110に放射クラックが発生するという問題点が生じることがある。
【0056】
金属グレインMGの平均グレインサイズは、例えば、本体110の第3方向の中央で切断した積層型電子部品100の第1方向及び第2方向の断面において、外部電極131の第1方向の中央領域のうち、ガラス32が配置された領域を除いた金属31が配置された領域を走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)で撮影したイメージを得た後、上記イメージをイメージ分析プログラムで分析することにより測定することができる。
【0057】
一方、外部電極131に含まれた金属31の結晶子CLサイズと金属グレインMGの平均グレインサイズを調節する方法は特に限定する必要はない。好ましい一例として、外部電極用導電性ペーストに含まれる金属粒子をSiOでコーティングした後に焼成することにより、金属31の結晶子CLサイズ及び金属グレインMGの平均グレインサイズを制御することができる。すなわち、外部電極用SiOがコーティングされた金属粒子で外部電極131を形成することにより、外部電極131に含まれた金属31はSiを含むことができる。
【0058】
上記SiOは、外部電極131に含まれた金属31の焼成を遅らせる役割を果たすことができる。すなわち、SiOは、外部電極131に含まれた金属31の焼成温度を増加させる役割を果たすことができ、これによって、より高い焼成温度で焼成された金属31の結晶子CLサイズ及び金属グレインMGの平均グレインサイズが増加することができる。
【0059】
一方、金属粒子にコーティングされたSiOは焼成過程で押し出され、複数の金属グレインMGの間に位置するグレインバウンダリーGBに移動することができる。これにより、一実施形態において、グレインバウンダリーGBにおけるSiの含量は、金属グレインMGの内部におけるSiの含量より大きくなり得る。
【0060】
焼成後のグレインバウンダリーGBに含まれたSiの含量は特に限定する必要はない。但し、一実施形態において、グレインバウンダリーGBに含まれたSiの含量は0.3原子(at)%~1.25原子(at)%であってもよい。ここで、Siの含量とは、グレインバウンダリーGBに含まれたCu、Ni、Si及びAlの合計含量100原子(at)%に対するSiの含量を意味する。
【0061】
グレインバウンダリーGBに含まれたSiの含量が0.3原子(at)%未満の場合、上述の焼成遅延効果が僅かであり得る。一方、グレインバウンダリーGBに含まれたSiの含量が増加するほど、金属粒子にコーティングされたSiOのコーティング量が多くなることを意味することができる。すなわち、グレインバウンダリーGBに含まれたSiの含量が増加するほど、外部電極131に含まれた金属31の焼成温度が増加することができ、これにより、グレインバウンダリーGBに含まれたSiの含量が増加するほど、外部電極131に含まれた金属31の結晶子CLサイズ及び金属グレインMGの平均グレインサイズが増加することができる。但し、グレインバウンダリーGBに含まれたSiの含量が過度になり、外部電極131に含まれた金属31の焼成温度が過度に高くなる場合、外部電極131に含まれた金属31が内部電極121に過度に拡散して本体110に放射クラックが発生する可能性がある。したがって、グレインバウンダリーGBに含まれたSiの含量は1.25原子(at)%以下であることが好ましい。
【0062】
一実施形態において、外部電極131に含まれた金属31はAlを含むことができる。上記Alは、上述したSiと同様に、外部電極131に含まれた金属31の焼成を遅らせる役割を果たすことができる。すなわち、外部電極131に含まれた金属31がAlを含むことにより、結晶子CLサイズ及び金属グレインMGの平均グレインサイズを増加させることができる。
【0063】
一方、外部電極131を形成する金属粒子をSi及びAlでコーティングする場合、金属粒子の表面にSi-Al合金が形成されることができ、これにより焼成遅延効果がより顕著になり得るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0064】
一実施形態において、外部電極131に含まれた金属は、Ni、Si及びAlのうち一つ以上をさらに含み、グレインバウンダリーGBに含まれたCu、Ni、Si及びAlの合計含量100モルに対するCu、Ni及びSiのそれぞれの含量をCCu、CNi、CSiとするとき、CCu>CNi>CSiを満たすことができる。ここで、Cuは、例えば、外部電極用導電性ペーストに含まれた金属粒子に由来したものであってもよく、Niは、例えば、焼成過程で内部電極121に含まれた金属から拡散したものであってもよく、Siは、例えば、外部電極用導電性ペーストに含まれた金属粒子にコーティングされたSiOに由来したものであってもよい。
【0065】
一実施形態において、本体110の第1方向の中央領域で測定した外部電極131、132の第2方向のサイズをT1とするとき、上記T1は5μm以上20μm以下を満たすことができる。上記T1は、本体110の第3方向の中央を基準に、積層型電子部品100を第1方向及び第2方向に切断した後、外部電極131、132の第1方向の中央領域を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより測定することができる。ここで、外部電極131、132の第1方向の中央領域とは、上記走査型電子顕微鏡でスキャンしたイメージにおいて、第3面3又は第4面4上に配置された外部電極131、132を、第1方向を基準に5等分した領域のうち、中央に位置する領域を意味することができる。
【0066】
一実施形態において、第1方向を基準に、最外郭に配置された内部電極121、122で測定した外部電極131、132の第2方向のサイズをT2とするとき、T2/T1は0.8以上1.0以下であることができる。従来のディッピング(dipping)工法によって形成した外部電極は、第1方向の中央領域での厚さが厚く、本体のコーナー上での厚さが薄くなる傾向があった。すなわち、従来のディッピング工法の場合、外部電極の第1方向の中央領域での厚さが増加するにつれて、積層型電子部品の単位体積当たりの容量が低下するという問題点を招く可能性があり、本体のコーナー上での外部電極の厚さが減少して積層型電子部品の耐湿信頼性が低下するという問題点を招くことがある。
【0067】
これに対し、本発明の一実施形態によれば、T2/T1は0.8以上1.0以下を満たすことにより、積層型電子部品の単位体積当たりの容量が減少したり、コーナーカバレッジが脆弱になったりして積層型電子部品の耐湿信頼性が低下することを防止することができる。
【0068】
T2/T1を制御する方法は特に限定する必要はない。但し、上述したように、外部電極用導電性ペーストに含まれた金属粒子をSiOでコーティングする場合、焼成遅延効果により外部電極用導電性ペーストが焼成過程で収縮することを抑制することができ、これによりコーナーカバレッジを改善し、外部電極の厚さをより均一に形成することができる。
【0069】
上記T2は、T1と同じ断面で測定することができる。すなわち、上記T2は、本体110の第3方向の中央を基準に、積層型電子部品100を第1方向及び第2方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより測定することができる。
【0070】
(実験例)
<結晶子(crystallite)サイズの測定及び評価>
まず、チタン酸バリウム系粉末を含むスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して複数個のセラミックグリーンシートを設けた。その後、上記セラミックグリーンシート上に内部電極用導電性ペーストを塗布し、上記内部電極用導電性ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを複数回積層した後、焼成して誘電体層及び内部電極を含む本体を形成した。
【0071】
次に、上記本体の第3面及び第4面をCu粒子及びガラスを含む外部電極用導電性ペーストにディッピングした後、焼成して外部電極を形成した。このとき、Cu粒子を外部電極用導電性ペーストに添加する前に、上記Cu粒子をSiOでコーティングした。また、各サンプルチップごとに上記SiOのコーティング量が互いに異なるように調節した。
【0072】
その後、各サンプルチップを本体110の第3方向の中央で第1及び第2方向に切断した後、外部電極の第1方向の中央領域のうち、ガラスが配置された領域を除いた金属が配置された領域をXRDで分析した。次に、XRD測定によるX線回折パターンから得られた(111)面のピークに基づいて、シェラー(Sherrer)の式によって各サンプルの結晶子サイズを測定し、下記表1に記載した。このとき、シェラー(Scherrer)定数(K)は0.9、X線の波長(λ)は1.542Å(CuKα)で計算した。また、各サンプルに対して、温度85℃、相対湿度85%で1Vの電圧を2時間の間印加する信頼性評価を行った後、各サンプルを光学顕微鏡(OM)で観察し、クラック発生の有無を判断して下記表1に記載した。
【0073】
【表1】
【0074】
試料番号1は、SiOでコーティングされていないCu粒子で外部電極を形成し、試料番号2~7は、Cu粒子100重量部に対して1~5重量部のSiOをコーティングしたものである。
【0075】
上記表1を参照すると、試料番号1は、SiOでコーティングされていないCu粒子で外部電極を形成して結晶子サイズが70nm未満であることが分かる。これは、低い温度で外部電極が焼成されることにより、外部電極に含まれた金属の結晶子サイズが徐々に減少し、これにより複数の結晶子間の界面の個数が増加して内部応力が高くなり、延性が減少することで現れた結果と予想される。
【0076】
また、試料番号7は、結晶子サイズが100nm超であり、これはSiOのコーティング量が過剰であり、このような高すぎる焼成温度で外部電極が焼成されることにより、本体に放射クラックが発生したものと予想される。
【0077】
一方、試料番号2~6は、外部電極に含まれた金属の結晶子サイズが70nm~100nmと、本体にクラックが全く発生していないことを確認し、これにより、外部電極に含まれた金属の結晶子サイズが70nm以上100nm以下であることを満たすことで、積層型電子部品の信頼性を向上させることができることを確認した。
【0078】
<SiOコーティング量による耐湿信頼性の評価>
SiOコーティング量による耐湿信頼性の評価を行った。上述の方法と同様の方法でサンプルチップを作製したが、下記表2の試料番号8は、外部電極を形成するCu粒子をSiOでコーティングしておらず、試料番号9は、外部電極を形成するCu粒子100重量部に対して2重量部のSiOをCu粒子にコーティングした。
【0079】
耐湿信頼性の評価は、各サンプルチップを実装し、温度85℃、相対湿度85%で1Vの電圧を2時間の間印加した後、絶縁抵抗が10-5Ω以下に低下したサンプルの個数を下記表2に記載した。
【0080】
【表2】
【0081】
上記表2を参照すると、試料番号9は、試料番号8に比べて耐湿信頼性に優れることが確認できる。これは、外部電極を形成するCu粒子をSiOでコーティングすることにより、結晶子サイズの大きさを増加させて本体のクラックを防止することができ、焼成遅延効果によりコーナーカバレッジを改善することができるためと予想される。
【0082】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものである。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野における通常の知識を有する者により様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するものである。
【0083】
また、「一実施形態」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかし、上記に提示された一実施形態は、他の一実施形態の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施形態で説明した事項が他の一実施形態に説明されていなくても、他の一実施形態においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一実施形態に関連する説明として理解されることができる。
【0084】
さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【符号の説明】
【0085】
100:積層型電子部品
110:本体
111:誘電体層
112、113:カバー部
114、115:マージン部
121、122:内部電極
131、132:外部電極
31:金属
32:ガラス
MG:金属グレイン
GB:グレインバウンダリー
CL:結晶子
図1
図2
図3
図4
図5
図6