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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119025
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】積層型電子部品及びこの実装基板
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240826BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20240826BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
H01G4/30 201F
H05K1/18 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023208364
(22)【出願日】2023-12-11
(31)【優先権主張番号】10-2023-0022870
(32)【優先日】2023-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、フィ ダエ
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨウン ギュ
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
5E336
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC04
5E001AC10
5E001AD04
5E001AE02
5E001AE03
5E001AE04
5E001AF06
5E001AH01
5E001AH05
5E001AH06
5E001AH07
5E001AH09
5E001AJ01
5E082AB03
5E082EE04
5E082EE05
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG03
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG11
5E082JJ03
5E082JJ23
5E336AA04
5E336CC34
5E336CC42
5E336CC49
5E336CC53
5E336EE01
5E336GG11
(57)【要約】
【課題】高周波特性(Low ESL)が向上し、耐湿信頼性が向上した積層型電子部品を提供する。
【解決手段】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、誘電体層及び内部電極を含む本体と、上記本体上に配置される外部電極と、を含み、上記内部電極は引き出し部を介して上記外部電極と連結され、上記内部電極は引き出し部を介して上記外部電極と連結され、上記第2及び第3方向の断面を基準として、上記引き出し部のうち上記外部電極と接する平均長さをA、上記引き出し部と連結される上記外部電極のうち上記本体と接する平均長さをBと定義するとき、A/Bは0.75以下であることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層、及び前記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、前記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、前記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、前記第1から第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、
前記本体上に配置される外部電極と、を含み、
前記内部電極は、引き出し部を介して前記外部電極と連結され、前記第2及び第3方向の断面を基準として、前記引き出し部のうち前記外部電極と接する平均長さをA、前記引き出し部と連結される前記外部電極のうち前記本体と接する平均長さをBと定義するとき、A/Bは0.75以下であり、
前記外部電極は第1から第4外部電極を含み、
前記内部電極は、第1引き出し部を介して前記第1外部電極と連結される第1内部電極、第2引き出し部を介して前記第2外部電極と連結される第2内部電極、第3引き出し部を介して前記第3外部電極と連結される第3内部電極、及び第4引き出し部を介して前記第4外部電極と連結される第4内部電極を含む、積層型電子部品。
【請求項2】
前記第2内部電極は、前記第4外部電極と連結される第2追加引き出し部をさらに含み、
前記第4内部電極は、前記第2外部電極と連結される第4追加引き出し部をさらに含む、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項3】
前記第1引き出し部は、前記第3及び第5面の少なくとも一つの面の一部と接し、前記第2引き出し部は、前記第4及び第5面の少なくとも一つの面の一部と接し、前記第3引き出し部は、前記第4及び第6面の少なくとも一つの面の一部と接し、前記第4引き出し部は、前記第3及び第6面の少なくとも一つの面の一部と接する、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項4】
前記第1引き出し部は、前記第3面の一部及び前記第5面の一部にわたって配置され、前記第2引き出し部は、前記第4面の一部及び前記第5面の一部にわたって配置され、前記第3引き出し部は、前記第4面の一部及び前記第6面の一部にわたって配置され、前記第4引き出し部は、前記第3面の一部及び前記第6面の一部にわたって配置される、請求項3に記載の積層型電子部品。
【請求項5】
前記第1から第4引き出し部は、前記第1から第4内部電極が前記第1方向に重ならない領域に配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項6】
前記内部電極は、前記引き出し部及び前記引き出し部を除いたメイン部で構成され、前記メイン部は、前記第1から第4内部電極が前記第1方向に重なる領域である、請求項5に記載の積層型電子部品。
【請求項7】
前記第1から第4内部電極は、前記第1方向に順次配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項8】
前記第1外部電極は前記第1引き出し部と接し、前記第1引き出し部を覆うように配置され、前記第2外部電極は前記第2引き出し部と接し、前記第2引き出し部を覆うように配置され、前記第3外部電極は前記第3引き出し部と接し、前記第3引き出し部を覆うように配置され、前記第4外部電極は前記第4引き出し部と接し、前記第4引き出し部を覆うように配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項9】
前記第1から第4外部電極は、それぞれ前記第1面の一部及び前記第2面の一部に延びて配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項10】
前記第1から第4外部電極は、互いに離隔して配置される、請求項1に記載の積層型電子部品。
【請求項11】
電極パッドを含むプリント回路基板と、
前記プリント回路基板上に設けられた前記請求項1に記載の積層型電子部品と、
前記電極パッドと前記積層型電子部品を連結するはんだ付けと、を含み、
前記電極パッドは第1から第4電極パッドを含み、
前記はんだ付けは第1から第4はんだ付けを含み、
前記積層型電子部品の第1から第4外部電極と前記第1から第4電極パッドは、それぞれ第1から第4はんだ付けによって連結される、積層型電子部品の実装基板。
【請求項12】
前記第1から第4外部電極は、2つ以上の互いに異なる電圧を有する、請求項11に記載の積層型電子部品の実装基板。
【請求項13】
前記第1から第4外部電極は、3つ以上の互いに異なる電圧を有する、請求項12に記載の積層型電子部品の実装基板。
【請求項14】
前記互いに異なる電圧の1つは接地状態である、請求項12または13に記載の積層型電子部品の実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電子部品及びこの実装基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型電子部品の一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電または放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子装置の部品として用いられることができる。コンピュータ、モバイル機器などの各種電子機器が小型化、高出力化されながら、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大している。
【0004】
一方、MLCCは、優れた高周波特性(Low ESL)によりセット内で電気信号のノイズ(noise)を除去するデカップリング(decoupling)用としても広く用いられている。
【0005】
高速集積回路(IC:Integrated Circuit)のノイズを解決するために、ICと隣接したところにLSC(Land Side Capacitor)を適用することができるが、LSCは低い厚さを有すると同時に高周波特性が要求されることが知られている。ESLを低減させるためには、高周波領域における単位電流当たりの磁束鎖交(magnetic flux linkage)の数を最小化することが重要である。このために、ループ電流(current loop)を最小化する方向に形成及び構造を制御するか、磁場を相殺することができる方向に内部電極及び外部電極を配置するなど様々な方法でこれを解決している。
【0006】
一方、ESL特性も重要であるが、MLCCの安定した動作のための信頼性向上に対する要求も増加している。その中で湿度の高い環境に露出するとき、水分がMLCCの内部に浸透して不良が発生することもあるが、主な透湿経路の一つとしては、外部電極とセラミック本体の界面を経て内部電極に浸透することが知られている。そこで、外部からの水分の浸透を抑制して耐湿信頼性を向上させながら、Low ESLを実現することができるMLCC構造に対する研究が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】日本特許公開2020-119993号公報
【特許文献2】韓国公開特許公報第10-2019-0116148号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、高周波特性(Low ESL)が向上した積層型電子部品を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする様々な課題の一つは、耐湿信頼性が向上した積層型電子部品を提供することである。
【0010】
但し、本発明が解決しようとする様々な課題は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による積層型電子部品は、誘電体層、及び上記誘電体層と第1方向に交互に配置される内部電極を含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面、上記第1及び第2面と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面、上記第1から第4面と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面を含む本体と、上記本体上に配置される外部電極と、を含み、上記内部電極は、引き出し部を介して上記外部電極と連結され、上記第2及び第3方向の断面を基準として、上記引き出し部のうち上記外部電極と接する平均長さをA、上記引き出し部と連結される上記外部電極のうち上記本体と接する平均長さをBと定義するとき、A/Bは0.75以下であり、上記外部電極は第1から第4外部電極を含み、上記内部電極は第1引き出し部を介して上記第1外部電極と連結される第1内部電極、第2引き出し部を介して上記第2外部電極と連結される第2内部電極、第3引き出し部を介して上記第3外部電極と連結される第3内部電極、及び第4引き出し部を介して上記第4外部電極と連結される第4内部電極を含むことができる。
【0012】
本発明の他の一実施形態による積層型電子部品の実装基板は、電極パッドを含むプリント回路基板と、上記プリント回路基板上に設けられた上記請求項1に記載の積層型電子部品と、上記電極パッドと上記積層型電子部品を連結するはんだ付けと、を含み、上記電極パッドは第1から第4電極パッドを含み、上記はんだ付けは第1から第4はんだ付けを含み、上記積層型電子部品の第1から第4外部電極と上記第1から第4電極パッドはそれぞれ第1から第4はんだ付けによって連結されることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の様々な効果の一つは、積層型電子部品の高周波特性(Low ESL)を向上させることである。
【0014】
本発明の様々な効果の一つは、積層型電子部品の耐湿信頼性を向上させることである。
【0015】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものである。
図2図1の平面図を概略的に示したものである。
図3】(a)~(d)は、本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものである。
図4図3の(a)に対応する本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものである。
図5】(a)~(d)は、本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものである。
図6】本発明の一実施形態による積層型電子部品の平面図を概略的に示したものである。
図7】(a)~(d)は、本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものである。
図8】本発明の一実施形態による積層型電子部品の平面図を概略的に示したものである。
図9】(a)~(d)は、本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものである。
図10】積層型電子部品の実装基板の斜視図を概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、具体的な実施形態及び添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0018】
尚、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、図示した各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであるため、本発明は必ずしも図示により限定されない。また、同一の思想の範囲内の機能が同一である構成要素は、同一の参照符号を用いて説明することができる。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0019】
図面において、第1方向は積層方向または厚さ(T)方向、第2方向は長さ(L)方向、第3方向は幅(W)方向と定義することができる。
【0020】
積層型電子部品
図1は、本発明の一実施形態による積層型電子部品の斜視図を概略的に示したものであり、図2は、図1の平面図を概略的に示したものであり、図3の(a)~(d)は、本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものであり、図4は、図3の(a)に対応する本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものであり、図5の(a)~(d)は、本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものであり、図6は、本発明の一実施形態による積層型電子部品の平面図を概略的に示したものであり、図7の(a)~(d)は、本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものであり、図8は、本発明の一実施形態による積層型電子部品の平面図を概略的に示したものであり、図9の(a)~(d)は、本発明の一実施形態による引き出し部を含む内部電極の断面図を概略的に示したものである。
【0021】
以下、図1図9を参照して、本発明の一実施形態による積層型電子部品について詳細に説明する。但し、積層型電子部品の一例として積層セラミックキャパシタについて説明するが、本発明は誘電体組成物を利用する様々な電子製品、例えば、インダクタ、圧電体素子、バリスタ、またはサーミスタなどにも適用されることができる。
【0022】
本発明の一実施形態による積層型電子部品100は、誘電体層111、及び上記誘電体層111と第1方向に交互に配置される内部電極121、122を含み、上記第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、上記第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面3、4、上記第1から第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面5、6を含む本体110と、上記本体110上に配置される外部電極131、132、133、134と、を含み、上記内部電極121、122、123、124は、引き出し部121a、122b、123c、124dを介して上記外部電極131、132、133、134と連結され、上記第2及び第3方向の断面(cross-section)を基準として、上記引き出し部121a、122b、123c、124dのうち上記外部電極131、132、133、134と接する平均長さをA、上記引き出し部121a、122b、123c、124dと連結される上記外部電極131、132、133、134のうち上記本体110と接する平均長さをBと定義するとき、A/Bは0.75以下であり、上記外部電極131、132、133、134は第1から第4外部電極131、132、133、134を含み、上記内部電極121、122、123、124は第1引き出し部121aを介して上記第1外部電極131と連結される第1内部電極121、第2引き出し部122bを介して上記第2外部電極132と連結される第2内部電極122、第3引き出し部123cを介して上記第3外部電極133と連結される第3内部電極123、及び第4引き出し部124dを介して上記第4外部電極134と連結される第4内部電極124を含むことができる。
【0023】
本体110は、誘電体層111及び内部電極121、122、123、124が交互に積層されることができる。
【0024】
より具体的には、本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を挟んで第1方向に第1内部電極121、第2内部電極122、第3内部電極123、及び第4内部電極124を含んで容量を形成する容量形成部を含むことができる。
【0025】
ここで、第1から第4内部電極121、122、123、124を1つのパターンとして定義することができる。第1から第4内部電極121、122、123、124は、第1方向に順次配置されることが好ましいが、特にこれに制限されるものではなく、第1方向に任意に配置されて1つのパターンを形成することができる。
【0026】
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図示のように本体110は六面体状やこれと類似した形状からなることができる。焼成過程で本体110に含まれたセラミック粉末の収縮により、本体110は完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
【0027】
本体110は、第1方向に互いに向かい合う第1及び第2面1、2、第1及び第2面1、2と連結され、第2方向に互いに向かい合う第3及び第4面3、4、第1から第4面1、2、3、4と連結され、第3方向に互いに向かい合う第5及び第6面5、6を有することができる。
【0028】
本体110を形成する複数の誘電体層111は焼成された状態であり、隣接する誘電体層111間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0029】
誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量が得られる限り、制限されない。一般的に、ペロブスカイト(ABO)系材料を用いることができ、例えば、チタン酸バリウム系材料、鉛複合ペロブスカイト系材料またはチタン酸ストロンチウム系材料などを用いることができる。チタン酸バリウム系材料は、BaTiO系セラミック粉末を含むことができ、セラミック粉末の例示として、BaTiO、BaTiOにCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶された(Ba1-xCa)TiO(0<x<1)、Ba(Ti1-yCa)O(0<y<1)、(Ba1-xCa)(Ti1-yZr)O(0<x<1、0<y<1)またはBa(Ti1-yZr)O(0<y<1)などが挙げられる。
【0030】
また、誘電体層111を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などの粉末に本発明の目的に応じて様々なセラミック添加剤、有機溶剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0031】
誘電体層111の厚さは特に限定する必要はない。
【0032】
但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために誘電体層111の厚さは3.0μm以下、または1.0μm以下であることができ、好ましくは0.6μm以下、より好ましくは0.4μm以下であることができる。
【0033】
ここで、誘電体層111の厚さは、内部電極121、122、123、124の間に配置される誘電体層111の厚さを意味することができる。
【0034】
一方、誘電体層111の厚さは、誘電体層111の第1方向の大きさを意味することができる。また、誘電体層111の厚さは、誘電体層111の平均厚さを意味することができ、誘電体層111の第1方向の平均大きさを意味することができる。
【0035】
誘電体層111の第1方向の平均大きさは、本体110の第1及び第2方向の断面(cross-section)を1万倍率の走査電子顕微鏡(SEM)を用いてイメージをスキャンして測定することができる。より具体的には、1つの誘電体層111の第1方向の平均大きさは、スキャンされたイメージにおいて1つの誘電体層111を第2方向に等間隔の10の地点で第1方向の大きさを測定して計算した平均値を意味することができる。上記等間隔の10の地点は容量形成部で指定されることができる。また、このような平均値測定を10個の誘電体層111に拡張して平均値を測定すると、誘電体層111の第1方向の平均大きさをさらに一般化することができる。
【0036】
内部電極121、122、123、124は誘電体層111と交互に積層されることができる。
【0037】
内部電極121、122、123、124は第1内部電極121、第2内部電極122、第3内部電極123、及び第4内部電極124を含むことができ、第1から第4内部電極121、122、123、124は本体110を構成する誘電体層111を挟んで互いに向かい合うように交互に配置されることができる。
【0038】
第1から第4内部電極121、122、123、124は、第1方向の中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されることができる。
【0039】
一方、本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシート、第3内部電極123が印刷されたセラミックグリーンシートと第4内部電極124が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層した後、焼成して形成されることができる。
【0040】
内部電極121、122、123、124を形成する材料は特に制限されず、電気導電性に優れた材料を用いることができる。例えば、内部電極121、122、123、124は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含むことができる。
【0041】
また、内部電極121、122、123、124は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
外部電極131、132、133、134は本体110上に配置されて内部電極121、122、123、124と連結されることができる。
【0043】
外部電極131、132、133、134は、第1外部電極131、第2外部電極132、第3外部電極133、及び第4外部電極134を含むことができ、それぞれ本体110上で互いに離隔して配置されることができる。
【0044】
外部電極131、132、133、134は、金属などのように電気導電性を有するものであれば、どのような物質を用いても形成されることができ、電気的特性、構造的安定性などを考慮して、具体的な物質が決定されることができ、さらに多層構造を有することができる。
【0045】
例えば、外部電極131、132、133、134は、本体110に配置される電極層及び電極層上に配置されるめっき層を含むことができる。
【0046】
電極層に対するより具体的な例を挙げると、電極層は、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であるか、導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
【0047】
また、電極層は、本体110上に焼成電極及び樹脂系電極が順次形成された形態であることができる。
【0048】
また、電極層は、本体110上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されるか、焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方式で形成されたものであることができる。
【0049】
電極層に用いられる導電性金属は、静電容量形成のために上記内部電極121、122、123、124と電気的に連結されることができる材質であれば特に制限されず、例えば、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びこれらの合金からなる群から選択された1つ以上を含むことができる。電極層は、上記導電性金属粉末にガラスフリットを添加して設けられた導電性ペーストを塗布した後、焼成することにより形成されることができる。
【0050】
めっき層は実装特性を向上させる役割を果たすことができる。
【0051】
めっき層の種類は特に限定されず、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)及びこれらの合金のうち1つ以上を含む単一層のめっき層であることができ、複数層で形成されることができる。
【0052】
めっき層に対するより具体的な例を挙げると、めっき層はNiめっき層またはSnめっき層であることができ、電極層上にNiめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができ、Snめっき層、Niめっき層及びSnめっき層が順次形成された形態であることができる。また、めっき層は、複数のNiめっき層及び/または複数のSnめっき層を含むこともできる。
【0053】
一方、積層型電子部品は、優れた高周波特性(Low ESL)によりセット内で電気信号のノイズ(noise)を除去するデカップリング(decoupling)用にも広く用いられている。
【0054】
高速直接回路(IC:Integrated Circuit)のノイズを解決するために、ICと隣接したところにLSC(Land Side Capacitor)を適用することができるが、LSCは低い厚さを有すると同時に高周波特性が要求されることが知られている。ESLを低減させるためには、高周波領域における単位電流当たりの磁束鎖交(magnetic flux linkage)の数を最小化することが重要である。このために、ループ電流(current loop)を最小化する方向に形成及び構造を制御するか、磁場を相殺できる方向に内部電極及び外部電極を配置するなど、様々な方法でこれを解決している。
【0055】
ESL特性も重要であるが、MLCCの安定した動作のための信頼性向上に対する要求も増加している。その中で湿度の高い環境に露出するとき、水分がMLCCの内部に浸透して不良が発生することもあるが、主な透湿経路の一つとしては外部電極とセラミック本体の界面を経て内部電極に浸透することが知られている。そこで、外部からの水分の浸透を抑制して耐湿信頼性を向上させながら、Low ESLを実現することができるMLCC構造が重要である。
【0056】
そこで、本発明は、Low ESLを達成することができる構造において、引き出し部を含む内部電極を含み、外部からの水分浸透経路を最適な割合で達成することができる内部電極と外部電極との間の連結界面を設計することで、積層型電子部品の耐湿信頼性も向上させることができる効果がある。
【0057】
本発明の一実施形態において、内部電極121、122、123、124は、引き出し部121a、122b、123c、124dを介して外部電極131、132、133、134と連結されることができ、より具体的には、第1内部電極121は第1引き出し部121aを介して第1外部電極131と連結されることができ、第2内部電極122は第2引き出し部122bを介して第2外部電極132と連結されることができ、第3内部電極123は第3引き出し部123cを介して第3外部電極133と連結されることができ、第4内部電極124は第4引き出し部124dを介して第4外部電極134と連結されることができる。
【0058】
より具体的には、第1内部電極121は、第2~第4外部電極132、133、134とは連結されず、第1外部電極131と連結されることができ、第2内部電極122は、第1、第3及び第4外部電極131、133、134とは連結されず、第2外部電極132と連結されることができ、第3内部電極123は第1、第2、第4外部電極131、132、134と連結されず、第3外部電極133と連結されることができ、第4内部電極124は第1から第3外部電極131、132、133と連結されず、第4外部電極134と連結されることができる。
【0059】
内部電極121、122、123、124が引き出し部121a、122b、123c、124dを介して外部電極131、132、133、134とそれぞれ連結されることによって、高周波領域におけるLow ESL特性を実現することができる。
【0060】
本発明において、内部電極121、122、123、124は、引き出し部121a、122b、123c、124d及び引き出し部121a、122b、123c、124dを除いたメイン部で構成されることができる。
【0061】
より具体的には、第1から第4引き出し部121a、122b、123c、124dは、第1から第4内部電極121、122、123、124が第1方向に重ならない領域に配置される領域であることができ、第1から第4引き出し部121a、122b、123c、124dが第1方向に重ならないことによって容量を形成しないことができる。
【0062】
また、メイン部は、第1から第4内部電極121、122、123、124が第1方向に重なる領域であることができ、メイン部が第1方向に重なることによって容量を形成することができ、該当領域を容量形成部とすることができる。
【0063】
より具体的には、メイン部は、第1内部電極121のうち第1引き出し部121aを除いた領域である第1メイン部、第2内部電極122のうち第2引き出し部122bを除いた領域である第2メイン部、第3内部電極123のうち第3引き出し部123cを除いた領域である第3メイン部、及び第4内部電極124のうち第4引き出し部124dを除いた領域である第4メイン部を意味することができる。
【0064】
換言すると、内部電極は、容量を形成しない領域である引き出し部と容量を形成する領域であるメイン部を含むことができる。
【0065】
一方、引き出し部の形状は多様であることができる。例えば、第1引き出し部は第3及び第5面3、5の少なくとも一つの面の一部と接し、第2引き出し部は第4及び第5面4、5の少なくとも一つの面の一部と接し、第3引き出し部は第4及び第6面4、6の少なくとも一つの面の一部と接し、第4引き出し部は第3及び第6面3、6の少なくとも一つの面の一部と接することができる。
【0066】
すなわち、第1引き出し部は、第3及び第5面3、5の少なくとも一つの面の一部と接すると十分であり、第3及び第5面3、5と同時に接する必要はないことを意味することができる。このような説明は、第2~第4引き出し部にも同様に適用することができる。
【0067】
また他の例を挙げると、第1引き出し部は第3面3の一部及び第5面5の一部にわたって配置され、第2引き出し部は第4面4の一部及び第5面5の一部にわたって配置され、第3引き出し部は第4面4の一部及び第6面6の一部にわたって配置され、第4引き出し部は第3面3の一部及び第6面6の一部にわたって配置されることができる。
【0068】
また他の例を挙げると、第2内部電極は第4外部電極と連結される第2追加引き出し部をさらに含み、第4内部電極は第2外部電極と連結される第4追加引き出し部をさらに含むことができる。
【0069】
すなわち、第2内部電極は、第2引き出し部を介して第2外部電極と連結され、第2追加引き出し部を介して第4外部電極と連結されることができ、第4内部電極は、第4引き出し部を介して第4外部電極と連結され、第4追加引き出し部を介して第2外部電極と連結されることができる。
【0070】
換言すると、第1内部電極は第1外部電極と連結され、第2及び第4内部電極は第2外部電極及び第4外部電極と同時に連結されることができ、第3内部電極は第3外部電極と連結されることができる。
【0071】
第2及び第4内部電極が第2及び第4外部電極と同時に連結される場合には、第2及び第4内部電極に含まれた各引き出し部は、第2内部電極と第4内部電極との間に重なる領域を含むことができる。このような第2内部電極と第4内部電極の形状は、実質的に同一であることができるが、特にこれに制限されるものではない。
【0072】
第1から第4内部電極が順次配置される場合には、第1内部電極、第2内部電極、第3内部電極、及び第4内部電極が順次配置されることができる。
【0073】
一方、第2及び第3方向の断面(cross-section)を基準として、引き出し部121a、122b、123c、124dのうち外部電極131、132、133、134と接する平均長さをA、引き出し部121a、122b、123c、124dと連結される外部電極131、132、133、134のうち本体110と接する平均長さをBと定義するとき、A/Bは0.75以下であることができる。
【0074】
A/Bの下限は耐湿信頼性のためであれば、特に制限されないが、内部電極と外部電極の連結性のために0.1以上であれば十分であり、または0.2以上、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上であることが好ましい。
【0075】
ここで、Aは、引き出し部のうち外部電極と接する長さを平均した値を意味することができる。
【0076】
複数の内部電極のうち1つの内部電極の第2及び第3方向の断面(cross-section)を基準として示した図4を参照して説明すると、第1引き出し部121aが第1外部電極131と接し、第1引き出し部121aが第1外部電極131と接する長さのうち、第3方向の長さをAa1とし、第2方向の長さをAa2と定義するとき、Aa1及びAa2の平均長さをA1と定義することができ、これをAとすることができる。
【0077】
次に、Bは、外部電極のうち、引き出し部と接する外部電極の本体と接する長さを平均した値を意味することができる。
【0078】
「引き出し部と連結される外部電極」とは、第1内部電極121は、第1引き出し部121aを介して第1外部電極131と連結され、第2から第4外部電極132、133、134とは連結されない場合があるが、この場合の第1外部電極131aを意味することができる。
【0079】
このとき、第1外部電極131が本体110と接する大きさのうち第3方向の長さをBa1とし、第1外部電極131が本体110と接する大きさのうち第2方向の長さをBa2と定義するとき、Ba1及びBa2の平均長さをB1と定義することができ、これをBとすることができる。
【0080】
A及びBを計算する方法は、後述する複数個の引き出し部を含む内部電極においても同様に適用されることができる。
【0081】
A/Bが0.75以下である場合、本体と外部電極の界面で外部からの水分浸透を抑制することができ、耐湿信頼性に優れることができる。
【0082】
A/Bが0.75を超過する場合、本体と外部電極の界面で外部からの水分浸透が容易になり、耐湿信頼性が劣るおそれがある。
【0083】
A及びBを測定する方法は、特に制限されない。例えば、光学顕微鏡(OM:Optical Microscopy)、走査電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscopy)などを用いてAとBを測定することができる。
【0084】
より具体的には、Aは積層型電子部品の任意の第1方向において第2及び第3方向の断面(cross-section)を確認して外部電極と接する引き出し部の長さを測定して求めることができ、Bは同一断面で本体の面と接する外部電極の長さを測定して求めることができる。
【0085】
また他の測定方法として、Bは積層型電子部品において外部電極のうち本体と接する長さを測定して平均値を求めた後、外部電極を除去し、各面に接している引き出し部の長さを測定して平均した値を介してAを求めることもできる。
【0086】
一方、外部電極131、132、133、134は、引き出し部121a、122b、123c、124dと接し、引き出し部121a、122b、123c、124dを覆うように配置されることができる。
【0087】
ここで、「覆うように配置される」とは、本体110の少なくともいずれかの一面と接する引き出し部121a、122b、123c、124dが外部に露出する部分がないように、外部電極131、132、133、134が配置されることを意味することができる。
【0088】
より具体的には、第1外部電極131は第1引き出し部121aと接し、第1引き出し部121aを覆うように配置され、第2外部電極132は第2引き出し部122bと接し、第2引き出し部122bを覆うように配置され、第3外部電極133は第3引き出し部123cと接し、第3引き出し部123cを覆うように配置され、第4外部電極134は、第4引き出し部124dと接し、第4引き出し部124dを覆うように配置されることができる。
【0089】
第1から第4外部電極131、132、133、134は、本体の第3から第6面3、4、5、6のいずれかの一面以上に配置されると十分である。但し、基板への実装容易性及びより優れた耐湿信頼性のために、第1から第4外部電極131、132、133、134は本体110の第1面の一部1及び第2面2の一部に延びて配置されることが好ましい。
【0090】
第1から第4外部電極131、132、133、134は互いに離隔して配置されることができ、これによって互いに異なる電圧と連結されて2つ以上の互いに異なる電圧を有することができ、3つ以上の互いに異なる電圧を有することもできる。このとき、互いに異なる電圧のうち1つの電圧の状態は接地(ground)状態であることができる。これにより、外部電極の端子別に信号端と接地端の区分を可能にすることができ、様々な回路に適用することができるという利点がある。
【0091】
例えば、第1から第4外部電極131、132、133、134は、接地状態を含んで接地状態とは異なる電位差を有する電圧を1つ以上有することができる。より具体的には、第1外部電極131と第3外部電極131は接地ではない同じ電圧を有することができ、第2外部電極132と第4外部電極134は接地状態であることができる。または、第1外部電極131は接地ではない電圧を有することができ、第3外部電極133は第1外部電極131とは異なる電位差を有する接地ではない電圧を有することができ、第2外部電極132と第4外部電極134は接地状態であることができる。但し、特にこれに制限されるものではなく、ユーザの設計に応じて様々なオプションの電極状態を有するようにすることができる。
【0092】
積層型電子部品100のサイズは特に限定する必要はない。
【0093】
但し、小型化及び高容量化を同時に達成するためには、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増加させなければならないため、1005(長さ×幅:1.0mm×0.5mm)以下のサイズを有する積層型電子部品100において本発明による効果がより顕著になることができる。
【0094】
また、高周波領域におけるLow ESL低減効果及び耐湿信頼性の向上効果を同時に達成するためには、0606(長さ×幅:0.6mm×0.6mm)サイズなどの長さと幅の大きさが同じ大きさを有する積層型電子部品100で本発明による効果がより顕著になることができる。
【0095】
以下では、積層型電子部品の様々な実施例を介して本発明をさらに詳細に説明するが、これは発明の具体的な理解を助けるためであり、本発明の範囲が実施例によって限定されるものではない。また、様々な実施例の積層型電子部品を実装基板に実装することができることは、通常の技術者において明らかである。
【0096】
第1実施例
図1図3を参照して本発明の第1実施例である積層型電子部品100について説明すると、第1内部電極121は第3面3の一部及び第5面5の一部にわたって接するように配置される第1引き出し部121aを介して、第3面3の一部及び第5面5の一部上にわたって第1引き出し部121aを覆うように配置される第1外部電極131と連結されることができる。第2内部電極122は、第4面4の一部及び第5面5の一部にわたって接するように配置される第2引き出し部122bを介して、第4面4の一部及び第5面5の一部上にわたって第2引き出し部122bを覆うように配置される第2外部電極131と連結されることができる。第3内部電極123は、第4面4の一部及び第6面6の一部にわたって接するように配置される第3引き出し部123cを介して、第4面4の一部及び第6面6の一部上にわたって第3引き出し部123cを覆うように配置される第3外部電極133と連結されることができる。第4内部電極124は、第3面3の一部及び第6面6の一部にわたって接するように配置される第4引き出し部124dを介して、第3面3の一部及び第6面6の一部上にわたって第4引き出し部124dを覆うように配置される第4外部電極134と連結されることができる。
【0097】
第2実施例
積層型電子部品の第2実施形態200の斜視図は、積層型電子部品の第1実施形態100の斜視図である図1と同様であるため省略されるが、当業者であれば理解することは難しくない。図5を参照して本発明の第2実施例である積層型電子部品200について説明すると、他の構成は第1実施例である積層型電子部品100と同様であるが、第2内部電極222及び第4内部電極(図示せず)が異なることができ、これに対して具体的に説明する。
【0098】
第2内部電極222は、第4面4の一部及び第5面5の一部にわたって接するように配置される第2引き出し部222bを介して、第4面4の一部及び第5面5の一部上にわたって第2引き出し部222bを覆うように配置される第2外部電極232と連結されることができ、さらに、第2内部電極222は第3面3の一部及び第6面6の一部にわたって接するように配置される第2引き出し部222dを介して第3面3の一部及び第6面6の一部にわたって第2追加引き出し部222dを覆うように配置される第4外部電極234と連結されることができる。これによって、第2内部電極222は、第2外部電極232及び第4外部電極234と同時に連結されることができる。
【0099】
図面に示されてはいないが、第4内部電極は第2内部電極の形状と同じであることができる。これにより、第1から第4内部電極が順次配置される場合、第1内部電極221、第2内部電極222、第3内部電極223、第2内部電極222、第1内部電極221・・・の順に第1方向に積層されて配置されることができる。
【0100】
第3実施例
図6及び図7を参照して本発明の第3実施例である積層型電子部品300について説明すると、第1内部電極321は第3面3の一部と接する第1引き出し部321aを介して第3面3の一部上で第1引き出し部321aを覆うように配置される第1外部電極331と連結されることができる。第2内部電極322は、第5面5の一部と接する第2引き出し部322bを介して第5面5の一部上で第2引き出し部322cを覆うように配置される第2外部電極332と連結されることができる。第3内部電極323は、第4面4の一部と接する第3引き出し部323cを介して第4面4の一部上で第3引き出し部323aを覆うように配置される第3外部電極333と連結されることができる。第4内部電極324は、第6面6の一部と接する第4引き出し部324dを介して第6面6の一部上で第4引き出し部324dを覆うように配置される第4外部電極334と連結されることができる。
【0101】
第4実施例
図8及び図9を参照して本発明の第4実施例である積層型電子部品400について説明すると、第1内部電極421は第5面5の一部と接する第1引き出し部421aを介して第5面5の一部上で第1引き出し部421aを覆うように配置される第1外部電極431と連結されることができる。第2内部電極422は、第5面5の一部と接する第2引き出し部422bを介して第5面5の一部上で第2引き出し部422bを覆うように配置される第2外部電極432と連結されることができる。第3内部電極423は、第6面6の一部と接する第3引き出し部423cを介して第6面6の一部上で第3引き出し部423cを覆うように配置される第3外部電極433と連結されることができる。第4内部電極424は、第6面6の一部と接する第4引き出し部424dを介して第6面6の一部上で第4引き出し部424dを覆うように配置される第4外部電極434と連結されることができる。
【0102】
積層型電子部品の実装基板
図10は、積層型電子部品の実装基板の斜視図を概略的に示したものである。
【0103】
以下、図10を参照して、本発明の他の一実施形態による積層型電子部品の実装基板について詳細に説明する。上述した積層型電子部品に対する説明と重複する内容は省略して説明する。
【0104】
本発明の他の一実施形態による積層型電子部品の実装基板1000は、電極パッド151、152(不図示)、153、154を含むプリント回路基板140と、上記プリント回路基板140上に設けられた上記請求項1に記載の積層型電子部品100と、上記電極パッド151、152、153、154と上記積層型電子部品100を連結するはんだ付け161、162、163、164と、を含み、上記電極パッドは第1から第4電極パッド151、152、153、154を含み、上記はんだ付けは第1から第4はんだ付け161、162、163、164を含み、上記積層型電子部品の第1から第4外部電極131、132、133、134と上記第1から第4電極パッド151、152、153、154はそれぞれ第1から第4はんだ付け161、162、163、164によって連結されることができる。
【0105】
このとき、第1から第4外部電極131、132、133、134は、上述したように2つ以上の互いに異なる電圧を有することができ、または3つ以上の互いに異なる電圧を有することができる。このとき、互いに異なる電圧のうち1つは電池状態であることができる。
【0106】
様々な電圧を有する外部電極を介してユーザは様々なオプションの電極状態を有するように設計することができる。
【0107】
(試験例)
以下では、内部電極の引き出し部の数を制御するにつれて、外部からの水分浸透やめっき液による信頼性が低下しない試験例について説明する。
【0108】
各試験例別に100個のサンプルチップ(chip)を製作し、サンプルチップのサイズは0.6mm×0.6mm×0.1mm(長さ(L)×幅(W)×厚さ(T))サイズで製作し、それぞれの試験例について耐湿信頼性の評価を行った。
【0109】
試験例1は、互いに異なる対角線に対向する2つの引き出し部を有する2つの内部電極を1つのパターンとして繰り返し積層して製作した。
【0110】
より具体的には、一つの内部電極は、第3面の一部及び第5面の一部と接する引き出し部を介して第1外部電極と連結され、第4面の一部及び第6面の一部と接する追加引き出し部を介して第3外部電極と連結される。また他の1つの内部電極は、第4面の一部及び第5面の一部と接する引き出し部を介して第2外部電極と連結され、第3面の一部及び第6面の一部と接する追加引き出し部を介して第4外部電極と連結される。
【0111】
試験例2は、互いに異なる対角線に配置される1つの引き出し部を有する4つの内部電極を1つのパターンとして繰り返し積層して製作した。
【0112】
より具体的には、一つの内部電極は第3面の一部及び第5面の一部と接する引き出し部を介して第1外部電極と連結され、他の一つの内部電極は第4面の一部及び第5面の一部と接する引き出し部を介して第2外部電極と連結され、また他の一つの内部電極は第4面の一部及び第6面の一部と接する引き出し部を介して第3外部電極と連結され、最後の内部電極は第3面の一部及び第6面の一部と接する引き出し部を介して第4外部電極と連結される。
【0113】
試験例3は、1つの引き出し部を有する1つの内部電極と、2つの引き出し部を有する1つの内部電極、1つの引き出し部を有する1つの内部電極、及び2つの引き出し部を有する1つの内部電極を1つのパターンとして、繰り返し積層して製作した。
【0114】
より具体的には、一つの内部電極は、第3面の一部及び第5面の一部と接する引き出し部を介して第1外部電極と連結される。他の一つの内部電極は、第4面の一部及び第5面の一部と接する引き出し部を介して第2外部電極と連結され、第3面の一部及び第6面の一部と接する追加引き出し部を介して第4外部電極と連結される。また他の一つの内部電極は、第4面の一部及び第6面の一部と接する引き出し部を介して第3外部電極と連結される。最後の内部電極は、第2内部電極と同様に、第4面の一部及び第5面の一部と接する引き出し部を介して第2外部電極と連結され、第3面の一部及び第6面の一部と接する追加引き出し部を介して第4外部電極と連結される。
【0115】
耐湿信頼性の評価は、温度条件85℃、相対湿度条件85%で1時間の間、電圧条件1.0Vrを印加し、10つのチップの中で不良が1つ以上発生した試験例の場合、×と表記し、不良が発生していない試験例は〇と表記した。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
試験例1の場合、互いに異なる対角線に対向する2つの引き出し部を含む2つの内部電極を有し、A/B値が0.663の場合、耐湿信頼性の評価を通過したが、A/B値が0.702の場合、耐湿信頼性の評価を通過することができなかった。これから、2つの引き出し部のみを含む内部電極を繰り返し積層する場合に耐湿信頼性に優れるためには、外部電極と接する引き出し部の面(界面)積が相対的に少なくなければならないことが分かる。
【0120】
一方、試験例2の場合、互いに異なる1つの引き出し部を含む第1から第4内部電極を有し、A/B値が0.746である場合にも耐湿信頼性の評価を通過した。これから、1つの引き出し部のみを含む内部電極を繰り返し積層する場合には、外部電極と接する引き出し部の面(界面)積が相対的に大きいことが分かる。
【0121】
また、試験例3の場合、互いに異なる1つの引き出し部を含む2つの内部電極と、2つの引き出し部を含む1つの内部電極を含んでパターンを構成したものであり、A/B値が0.701の場合にも耐湿信頼性の評価を通過した。これから、1つ及び2つの引き出し部を含む内部電極を1つのパターンとして繰り返し積層する場合には、外部電極と接する引き出し部の面(界面)積が相対的に大きいことが分かる。
【0122】
試験例1~3から、2つの引き出し部のみを含む内部電極の場合、耐湿信頼性に優れるためには、引き出し部と外部電極の界面積が相対的に小さくなければならないが、1つの引き出し部を含む内部電極の場合には引き出し部と外部電極の界面積が比較的大きい場合にも耐湿信頼性に優れることが分かる。
【0123】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これもまた本発明の範囲に属するといえる。
【0124】
本明細書で用いられた「一実施例」という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一実施例は、他の一実施例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一実施例において説明された事項が他の一実施例に説明されていなくても、他の一実施例においてその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一実施例に関連する説明として理解することができる。
【0125】
本明細書で用いられた用語は、単に一実施例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0126】
100 積層型電子部品
110 本体
111 誘電体層
121、122、123、124 内部電極
121a、122b、123c、124d 引き出し部
131、132、133、134 外部電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10