(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119026
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】バッテリモジュール及びバッテリパック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/296 20210101AFI20240826BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240826BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20240826BHJP
H01M 50/227 20210101ALI20240826BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20240826BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20240826BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240826BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/204 401D
H01M50/569
H01M50/227
H01M50/264
H01M50/262 S
H01M50/284
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023209716
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】202320276490.2
(32)【優先日】2023-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】何 亞飛
(72)【発明者】
【氏名】張 毛毛
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AA07
5H040LL06
5H043AA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高電圧出力端子とFPC低電圧コネクタとの間の固定の信頼性が高いバッテリモジュール及びバッテリパックを提供する。
【解決手段】バッテリモジュールは、フレームと、複数のセルと、出力端子台とを含む。フレームは、互いに対向するサイドプレートと、互いに対向する第1エンドプレート及び第2エンドプレートとを含む。複数のセルは、積み重ねられてフレームに取り付けられる。出力端子台は、隣り合わせに配置された高電圧出力端子取付部31及び低電圧出力端子取付部32と、低電圧出力端子取付部の底部から延伸することにより形成される制限部331~333とを含む。第1エンドプレートの上部には制限溝1211~1213と取付溝122とが提供される。高電圧出力端子取付部は取付溝に取り付けられ、出力端子台を第1エンドプレートに接続するため制限部は制限溝に取り付けられる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するサイドプレートと、互いに対向する第1エンドプレート及び第2エンドプレートとを含む、フレームと、
積み重ねられて前記フレームに取り付けられる、複数のセルと、
高電圧出力端子取付部と、低電圧出力端子取付部と、制限部とを含む、出力端子台と
を含み、
前記高電圧出力端子取付部と前記低電圧出力端子取付部は隣り合わせに配置され、前記制限部は前記低電圧出力端子取付部の底部から延伸することにより形成され、
前記第1エンドプレートの上部には制限溝と取付溝とが提供され、前記高電圧出力端子取付部は前記取付溝に取り付けられ、前記出力端子台を前記第1エンドプレートに接続するため前記制限部は前記制限溝に取り付けられる、
バッテリモジュール。
【請求項2】
セルコンタクトシステム組立体を更に含み、
前記セルコンタクトシステム組立体は前記セルに電気接続され、前記セルコンタクトシステム組立体はサンプリング組立体と高電圧出力シートとを含み、前記サンプリング組立体はフレキシブル回路板と低電圧コネクタとを含み、前記フレキシブル回路板は前記セルに電気接続され、前記低電圧コネクタは前記低電圧出力端子取付部に取り付けられて前記フレキシブル回路板に電気接続され、前記高電圧出力シートは高電圧出力端子取付部に取り付けられて前記セルに電気接続される、
請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項3】
前記高電圧出力端子取付部にはねじ穴が配置され、前記高電圧出力シートは前記高電圧出力端子取付部に取り付けられ、前記高電圧出力シートには前記ねじ穴に対応する貫通孔が配置される、
請求項2に記載のバッテリモジュール。
【請求項4】
前記第1エンドプレート又は前記第2エンドプレートには複数の重量軽減穴が提供され、前記重量軽減穴は前記制限溝又は前記取付溝を貫く、
請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項5】
前記低電圧出力端子取付部はフック構造を更に含み、前記フック構造は、前記低電圧出力端子取付部の上部の両側から前記低電圧出力端子取付部から離れる方向に延伸することにより形成される、
請求項2に記載のバッテリモジュール。
【請求項6】
補強板を更に含み、
前記補強板は前記低電圧出力端子取付部に取り付けられて前記低電圧コネクタの上方に位置し、前記補強板の両端は前記フック構造と係合して接続される、
請求項5に記載のバッテリモジュール。
【請求項7】
前記補強板の両端には凸部が形成され、各端の前記凸部は前記低電圧出力端子取付部の同一側上のフック構造の間に位置する、
請求項6に記載のバッテリモジュール。
【請求項8】
前記制限溝は前記第1エンドプレートの厚さ方向において前記第1エンドプレートの内側から外側へ延伸することにより形成され、前記第1エンドプレートの外側壁は前記制限溝の端面を閉じる、
請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項9】
前記制限部は、第1制限部と、第2制限部と、第3制限部とを含み、前記第1制限部と前記第2制限部は垂直方向から離れて延伸することにより形成され、前記第3制限部は前記第1制限部と前記第2制限部との間に位置して前記垂直方向に配置され、
前記制限溝は、それぞれ前記第1制限部、前記第2制限部、前記第3制限部に対応する、第1制限溝と、第2制限溝と、第3制限溝とを含み、
前記第1制限部、前記第2制限部、前記第3制限部は、前記出力端子台を固定するため、前記エンドプレートの厚さ方向において、それぞれ前記第1制限溝、前記第2制限溝、前記第3制限溝に取り付けられる、
請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項10】
前記第1制限部と前記第2制限部のうちの少なくとも1つには副制限部が提供され、前記制限溝には副制限溝が提供され、前記副制限部は凹凸接続で前記副制限溝と接続される、
請求項9に記載のバッテリモジュール。
【請求項11】
前記制限部は複数の弾性部材を含み、前記弾性部材は前記制限溝に係合する、
請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項12】
前記出力端子台はプラスチック部材である、
請求項1に記載のバッテリモジュール。
【請求項13】
箱体を含み、
請求項1~12のいずれか1項に記載のバッテリモジュールが前記箱体に取り付けられる、
バッテリパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリの技術分野に属するものであり、特に、バッテリモジュール及びバッテリパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バッテリモジュールは、フレームと、フレームに収容された複数のセルとを含む。セルの直列接続を達成するため、セルは導電性接続シートを介して電気接続される。モジュールには、隣接するモジュール間の直列接続又は電力の直接出力のために用いられる高電圧出力シートが提供される。電気的安全のため、高電圧出力シートとモジュールとの間の接続強度は特定の要件を満たす必要がある。現在、一般的な配置は、モジュールのフレームのエンドプレートに出力端子台を設計するものである。出力端子台はエンドプレート上に固定され、高電圧出力シートは該出力端子台に固定される。更に、セルの作動状態を監視するため、モジュールには、モジュールの電圧及び温度情報を収集して外部装置と情報を共有するよう構成された低電圧サンプリング部品も含む。一般的に、サンプリング組立体もモジュールに固定する必要がある。
【0003】
概して統合バッテリモジュールとされたバッテリモジュールでは、電気信号及び温度信号を収集して出力する必要があり、その電力を電気機器に出力するためには導電性シートを用いる必要がある。それら両機能は1つの組立体に統合することができる。一般的に、モジュールはその強度を提供するためフレーム構造を有し、フレーム構造は対向サイドプレートと対向エンドプレートとを含む。モジュールのエンドプレートには出力端子固定台が提供される。この段階で、本業界で一般的に用いられる方法は、ボルトによりエンドプレート上に出力端子台を固定するというものである。しかし、現在利用可能な取付方法は、高電圧出力端子とFPC低電圧コネクタとの間の固定の信頼性が低いという課題に直面している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関連技術の上記欠点を鑑み、本発明は、現在利用可能な出力端子台の取付方法に見られる、高電圧出力端子とFPC低電圧コネクタとの間の固定の信頼性が低いという課題に対処するためのバッテリモジュール及びバッテリパックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記及び他の関連する目的を達成するため、本発明は、フレームと、複数のセルと、出力端子台とを含むバッテリモジュールを提供する。
【0006】
フレームは、互いに対向するサイドプレートと、互いに対向する第1エンドプレート及び第2エンドプレートとを含む。
【0007】
複数のセルは、積み重ねられてフレームに取り付けられる。
【0008】
出力端子台は、高電圧出力端子取付部と、低電圧出力端子取付部と、制限部とを含む。高電圧出力端子取付部と低電圧出力端子取付部は隣り合わせに配置され、制限部は低電圧出力端子取付部の底部から延伸することにより形成される。
【0009】
ここで、第1エンドプレートの上部には制限溝と取付溝とが提供される。高電圧出力端子取付部は取付溝に取り付けられ、出力端子台を第1エンドプレートに接続するため制限部は制限溝に取り付けられる。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、バッテリモジュールはセルコンタクトシステム組立体を更に含み、セルコンタクトシステム組立体はセルに電気接続される。セルコンタクトシステム組立体は、サンプリング組立体と高電圧出力シートとを含む。サンプリング組立体はフレキシブル回路板と低電圧コネクタとを含み、フレキシブル回路板はセルに電気接続される。低電圧コネクタは低電圧出力端子取付部上に取り付けられてフレキシブル回路板に電気接続される。高電圧出力シートは高電圧出力端子取付部に取り付けられてセルに電気接続される。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、高電圧出力端子取付部にはねじ穴が配置される。高電圧出力シートは高電圧出力端子取付部上に取り付けられ、高電圧出力シートにはねじ穴に対応する貫通孔が配置される。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、第1エンドプレート又は第2エンドプレートには複数の重量軽減穴が提供される。重量軽減穴は制限溝又は取付溝を貫通する。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、低電圧出力端子取付部はフック構造を更に含む。フック構造は、低電圧出力端子取付部の上部の両側から低電圧出力端子取付部から離れる方向に延伸することにより形成される。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、バッテリモジュールは補強板を更に含む。補強板は、低電圧出力端子取付部に取り付けられて低電圧コネクタの上方に配置される。補強板の両端はフック構造と係合して接続される。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、補強板の両端には凸部が形成される。各端の凸部は、低電圧出力端子取付部の同一側上のフック構造の間に位置する。
【0016】
本発明の1つの実施形態において、制限溝は第1エンドプレートの厚さ方向において第1エンドプレートの内側から外側へ延伸することにより形成される。第1エンドプレートの外側壁は、制限溝の端面を閉じる。
【0017】
本発明の1つの実施形態において、制限部は、第1制限部と、第2制限部と、第3制限部とを含む。第1制限部と第2制限部は、垂直方向から離れて延伸することにより形成される。第3制限部は第1制限部と第2制限部との間に位置し、垂直方向に配置される。制限溝は、それぞれ第1制限部、第2制限部、第3制限部に対応する、第1制限溝と、第2制限溝と、第3制限溝とを含む。第1制限部、第2制限部、第3制限部は、出力端子台を固定するため、エンドプレートの厚さ方向において、それぞれ第1制限溝、第2制限溝、第3制限溝に取り付けられる。
【0018】
本発明の1つの実施形態において、第1制限部と第2制限部のうちの少なくとも1つには副制限部が提供される。制限溝には副制限溝が提供され、副制限部は、制限構造を形成するため、凹凸接続で副制限溝と接続される。
【0019】
本発明の1つの実施形態において、制限部は複数の弾性部材であり、弾性部材は制限溝に係合する。
【0020】
本発明の1つの実施形態において、出力端子台はプラスチック部材である。
【0021】
本発明は、箱体を含むバッテリパックを更に提供する。上記に基づくバッテリモジュールが箱体内に取り付けられる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、バッテリモジュール及びバッテリパックを提供する。バッテリモジュールにおいて、出力端子台がエンドプレートの上に取り付けられた後、エンドプレートの内面はセルの本体に近く、よって出力端子台の底部の制限部はエンドプレートの制限溝から外れにくく、これにより良好な制限効果を提供する。更に、高電圧出力端子取付部と低電圧出力端子取付部は出力端子台上で統合される。このようにして、簡易な構造と高度な統合を提供し、セルコンタクトシステム組立体との適合性を達成する。更に、エンドプレート上の制限溝はエンドプレートの重量軽減穴としても用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の実施形態において提供する技術的解決策をより明確に表すため、説明のため実施形態により必要とされるいくつかの添付図面を以下に簡単に紹介する。当然ながら、下記説明における図面は本発明のいくつかの実施形態にすぎず、当業者は他の図面をこれら図面に基づき発明的努力なしに得ることが可能である。
【0024】
【
図1】本発明の1つの実施形態によるバッテリモジュールの構造図である。
【
図2】組み付けられた
図1のセルとフレームの構造図である。
【
図6】もう1つの視点から見た
図1の第1エンドプレートの概略図である。
【
図7】組み付けられた
図1の第1エンドプレートと出力端子台の前側からの概略図である。
【
図8】組み付けられた
図1の第1エンドプレートと出力端子台の後側からの概略図である。
【
図9】組み付けられた
図8の第1エンドプレートと出力端子台の分解図である。
【
図11】組み付けられた
図8の第1エンドプレートと出力端子台の上面図である。
【
図13】組み付けられた
図8の第1エンドプレートと出力端子台の正面図である。
【
図14】
図13のB-Bに沿って得られる構造の局部断面図である。
【
図15】本発明の1つの実施形態によるバッテリパックの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施を以下に特定の実施形態により表す。当業者は、本明細書において開示される内容から本発明の利点及び効果を容易に理解可能である。本発明は他の異なる特定の実施方法を通じて実施又は応用することも可能である。本明細書における詳細は、本発明の精神から逸脱することなく、異なる視点及び応用に基づき改変又は変更することも可能である。
【0026】
実施形態において提供する図面は単に本発明の基本理念を概略的に表しているにすぎないことに注意されたい。このため、図面は、実際の実施における部品の数、形状、サイズに基づき図示した図面ではなく、本発明に関係する部品のみを示している。実際の実施において、部品の種類、数、及び割合は任意に変更可能であり、部品レイアウトの種類はより複雑であり得る。
【0027】
図1~
図15を参照し、本実施形態において、本発明は、出力端子台のための現在利用可能な取付方法に見られる高電圧出力端子とFPC低電圧コネクタとの間の固定の信頼性の劣る課題に対処する、バッテリモジュール及びバッテリパックを提供する。具体的には、バッテリモジュール100は、フレーム10と、複数のセル20と、出力端子台30とを含む。ここで、フレーム10は、互いに対向するサイドプレート11と、互いに対向するエンドプレートの群とを含む。エンドプレートは、第1エンドプレート12と第2エンドプレート13とを含む。サイドプレート11、第1エンドプレート12、及び第2エンドプレート13は、フレーム10を形成するため順に固定接続される。複数のセル20は順に積み重ねられ、順に積み重ねられた後にフレーム10の中に取り付けられ、サイドプレート11及びエンドプレートの押さえ付け効果により固定される。出力端子台30は、フレーム10の第1エンドプレート12上に固定に取り付けられる。
【0028】
図1~
図8を参照し、本実施形態において、出力端子台30は、高電圧出力端子取付部31と、低電圧出力端子取付部32と、制限部33とを含む。ここで、高電圧出力端子取付部31は、電気機器に電力供給するためにバッテリモジュール100の電力を電気機器に出力出来るように、高電圧出力端子311を取付可能に構成される。低電圧出力端子取付部32は、サンプリング組立体により収集される複数のセル20の電気信号及び温度信号といった低電圧情報を出力するため、低電圧コネクタを取付可能に構成される。具体的には、高電圧出力端子取付部31と低電圧出力端子取付部32は隣り合わせに配置され、制限部33は低電圧出力端子取付部32の底部から延伸することにより形成される。例えば、制限部33は、低電圧出力端子取付部32の底部から下向きに延伸することにより形成される。即ち、高電圧出力端子取付部31と低電圧出力端子取付部32は出力端子台30上で統合され、制限部33を介して第1エンドプレート12と固定に取り付けられる。このようにして、簡易な構造と高度な統合を提供し、セルコンタクトシステム組立体との適合性を達成する。具体的には、第1エンドプレート12の上部には制限溝121と取付溝122とが提供される。高電圧出力端子取付部31は取付溝122に取り付けられ、制限部33は出力端子台30を第1エンドプレート12上に固定に取り付けるため制限溝121に取り付けられる。即ち、高電圧出力端子取付部31と低電圧出力端子取付部32とを統合することにより、簡易な構造と高度な統合を提供する。出力端子台30は絶縁と保護のためプラスチック部材であり、よって向上された安全性が提供されることに注意されたい。
【0029】
図1、
図7~
図9を参照し、本実施形態において、ねじ穴312が高電圧出力端子取付部31に配置され、ねじ穴312に対応する貫通孔が高電圧出力シート311に配置される。締結ボルトが高電圧出力シート311の貫通孔を通過してねじ穴312に接続することで、高電圧出力シート311が高電圧出力端子取付部31に固定される。いくつかの実施形態において、2つ以上のバッテリモジュール100が互いに接続される場合、2つの隣接したバッテリモジュール100は銅バーを介して互いに電気接続される。銅バーの両端は、2つのバッテリモジュール100の高電圧出力シート311に電気接続される。即ち、高電圧出力シート311に接続された銅バーの端部も、関連付く高電圧出力端子取付部31に取り付けられる。具体的には、銅バーの端部にも貫通孔が提供され、この貫通孔は高電圧出力シート311の貫通孔及びねじ穴312に対応する。締結ボルトは銅バーの貫通孔と高電圧出力シート311の貫通孔を通過してねじ穴312に接続されることで、高電圧出力端子取付部31において銅バーと高電圧出力シート311とが固定に取り付けられる。
【0030】
図9~
図14を参照し、本実施形態において、制限部33は、第1制限部331と、第2制限部332と、第3制限部333とを含む。第1制限部331と第2制限部332は、垂直方向から離れて延伸することにより形成される。第3制限部333は第1制限部331と第2制限部332との間に位置し、第3制限部333は垂直方向に配置される。即ち、第1制限部331と第2制限部332は第3制限部333の両側に位置し、第3制限部333から離れる方向に逸れて延伸することにより形成される。複数の制限部と第1エンドプレート12との間の固定接続を介して、制限効果が向上し、制限部と第1エンドプレート12との間の固定接続の信頼性が確保される。
【0031】
図9~
図14を参照し、本実施形態において、制限溝121は、それぞれ第1制限部331、第2制限部332、第3制限部333に対応する、第1制限溝1211と、第2制限溝1212と、第3制限溝1213とを含む。第1制限部331、第2制限部332、第3制限部333は、出力端子台30を第1エンドプレート12上に固定するため、第1エンドプレート12の厚さ方向においてそれぞれ第1制限溝1211、第2制限溝1212、第3制限溝1213に取り付けられる。このようにして、出力端子台30の底部の制限部33は第1エンドプレート12上の制限溝121から外れにくく、よって出力端子台30と第1エンドプレート12との間の制限効果が向上する。
【0032】
図9~
図14を参照し、本実施形態において、第1制限部331と第2制限部332のうちの少なくとも1つには副制限部が提供される。第1エンドプレート12上の対応する制限溝には副制限溝が提供され、副制限部は制限構造を形成するため凹凸接続で副制限溝に接続される。例えば、副制限部は第1凸部3301として形成されてよく、第1凸部3301は第1制限部331と第2制限部332の両方の対向側上に提供される。出力端子台30が第1エンドプレート12の厚さ方向において第1エンドプレート12上に取り付けられたとき、第1凸部3301は制限溝121内に位置して第1エンドプレート12の内壁と制限構造を形成する。具体的には、本実施形態において、第1エンドプレート12と第2エンドプレートのそれぞれに重量軽減穴1201が提供される。重量軽減穴1201は、エンドプレートの重量を軽減させるため制限溝121又は取付溝122を貫通する。即ち、本実施形態において、第1エンドプレート12中に複数のキャビティ構造が配置され、第1エンドプレート12は、セル20と接触する第1側壁1202と、セル20から離れた第2側壁1203とを含む。出力端子台30が第1エンドプレート12の厚さ方向において第1エンドプレート12上に取り付けられたとき、第1凸部3301は制限構造を形成するため第1側壁1202と干渉するよう第1エンドプレート12中のキャビティ内に位置する。このようにして、出力端子台30と第1エンドプレート12との間の制限効果が更に向上し、出力端子台30は更に制限される。
【0033】
図9~
図14を参照し、本実施形態において、制限溝121は、第1エンドプレート12の厚さ方向において、第1エンドプレート12の内側から外側へ延伸することにより形成される。ここで、第1エンドプレート12のセル20に近い側が内側であり、セル20から離れた側が外側である。第1エンドプレート12の外側壁は制限溝121の端面を閉じる。即ち、制限溝121は第1エンドプレート12の厚さ方向において第1側壁1202を通過し、厚さ方向において第2側壁1203に到達するまで延伸し続ける。このように、第2側壁1203が制限溝121の端面を閉じることで、制限部33は第1エンドプレート12の厚さ方向において第1エンドプレート12の内側からのみ制限溝121内に取り付けることができる。第1エンドプレート12の厚さ方向における出力端子台30の移動が第1凸部3301と第2側壁1203との間の組付けにおいて制限されることで、出力端子台30はより良好に固定される。
【0034】
もう1つの実施形態において、制限部33は更に、複数の弾性部材として形成されてよく、弾性部材は制限溝に係合する。弾性部材の弾性作用を介して弾性部材と制限溝との間の締りばめが生成されることで、出力端子台30が第1エンドプレート12上に固定される。
【0035】
図9~
図14を参照し、本実施形態において、バッテリモジュール100中の複数のセル20は、セル20を互いに電気接続するため、接続シートを介してセル20のセル端子201上に接続される。更に、高電圧出力シート311が高電圧出力端子取付部31に取り付けられ、高電圧出力を達成するため、高電圧出力シート311は接続シートに電気接続される。加えて、バッテリモジュール100はFPC組立体を更に含む。FPC組立体は、複数のセル20の電気信号及び温度信号といった低電圧情報を収集するため、サンプリング端子を介してバッテリモジュール100中の異なるセル20を接続する接続シートに溶接接続される。いくつかの他の実施形態において、バッテリモジュール100はセルコンタクトシステム組立体を更に含み、セルコンタクトシステム組立体は複数のセル20に電気接続される。セルコンタクトシステム組立体は、サンプリング組立体と高電圧出力シートとを含む。ここで、サンプリング組立体はフレキシブル回路板(未図示)と低電圧コネクタ202とを含む。フレキシブル回路板はセル20に電気接続される。低電圧コネクタ202は、サンプリング組立体により収集された電気信号及び温度信号といった低電圧情報を出力するため、低電圧出力端子取付部32の上に取り付けられてフレキシブル回路板に電気接続される。高電圧出力シート311は、電気機器に電力供給するためにバッテリモジュール100の電力を電気機器に出力出来るように、高電圧出力端子取付部31に取り付けられてセル20に電気接続される。ここで、サンプリングを達成するため分離されたFPC組立体と接続片を用いる構造と比較し、セルコンタクトシステム組立体は取り付けが容易であり、よってバッテリモジュールの取付効率及びグループ化効率が向上する。
【0036】
図9~
図14を参照し、本実施形態において、低電圧出力端子取付部32はフック構造321を更に含む。フック構造321は、低電圧出力端子取付部32の上部の両側から低電圧出力端子取付部32から離れる方向へ延伸することにより形成される。出力端子台30には、補強板34が更に提供される。補強板34は、低電圧出力端子取付部32上に取り付けられて低電圧コネクタ202の上方に配置される。補強板34の両端はフック構造321と係合接続され、第2凸部341が補強板34の両端上に形成される。補強板34が低電圧出力端子取付部32上に取り付けられるとき、各端の第2凸部341は低電圧出力端子取付部32の同一側上のフック構造321の間に位置する。このようにして、補強板34が低電圧出力端子取付部32上に固定されることで低電圧コネクタ202が固定され、構造強度が向上する。
【0037】
図1~
図15を参照し、本発明はバッテリパックを更に提供する。バッテリパックは箱体200を含み、箱体200には少なくとも1つのバッテリモジュール100が提供される。バッテリモジュール100の構造は上述した実施形態において説明したバッテリモジュール100と類似又は同一であり、よってここではその説明を繰り返さない。
【0038】
本発明はバッテリモジュール及びバッテリパックを提供する。バッテリモジュールにおいて、出力端子台がエンドプレート上に取り付けられた後、エンドプレートの内面はセルの本体に近く、よって出力端子台の底部の制限部はエンドプレート上の制限溝から外れにくく、これにより良好な制限効果を提供する。更に、高電圧出力端子取付部と低電圧出力端子取付部は出力端子台上で統合される。このようにして、簡易な構造と高度な統合を提供し、セルコンタクトシステム組立体との適合性を達成する。更に、エンドプレート上の制限溝はエンドプレートの重量軽減穴としても用いられることができる。
【0039】
上記説明は、本発明の好ましい実施形態、及び適用される技術原理の例示にすぎない。当業者は、本発明に関係する範囲は上記技術的特徴の特定の組合せにより形成される技術的解決策に限定されず、本発明の概念から逸脱することなく上記技術的特徴又はそれらに均等な特徴の任意の組合せにより形成される技術的解決策、例えば、本発明において開示される技術的特徴を有する上記特徴を類似の機能に置き換えること(ただし、これに限定されない)により形成される技術的解決策をカバーすることを理解するであろう。
【0040】
本明細書における技術的特徴を除き、残りの技術的特徴は当業者にとって既知の技術である。本発明の革新的特徴を強調するため、残りの技術的特徴についてはここでは繰り返し説明しない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
出力端子台の現在利用可能な取付方法に見られる高電圧出力端子とFPC低電圧コネクタとの間の固定の信頼性が劣る問題に対処するバッテリモジュール及びバッテリパックを提供する。
【符号の説明】
【0042】
バッテリモジュール100、フレーム10、セル20、出力端子台30、サイドプレート11、第1エンドプレート12、第2エンドプレート13、高電圧出力端子取付部31、高電圧出力シート311、ねじ穴312、低電圧出力端子取付部32、制限部33、制限溝121、取付溝122、第1制限部331、第2制限部332、第3制限部333、第1制限溝1211、第2制限溝1212、第3制限溝1213、第1凸部3301、重量軽減穴1201、第1側壁1202、第2側壁1203、セル端子201、低電圧コネクタ202、フック構造321、補強板34、第2凸部341、箱体200。
【外国語明細書】