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特開2024-119033介護施設紹介の分析装置及び退院支援代行システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119033
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】介護施設紹介の分析装置及び退院支援代行システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20240826BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002218
(22)【出願日】2024-01-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2023025342
(32)【優先日】2023-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523062718
【氏名又は名称】ユニックスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】安雲 政裕
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】介護に関する十分な知識を有しない患者に適切な介護施設に係る情報を与える等、患者の退院を支援する分析装置及び退院支援代行システムを提供する。
【解決手段】システムSは、介護施設紹介の分析装置1と、対象者の入院に係る連帯保証人及び入院費保証サービス加入状況を含む入院情報を取得する入院情報取得部211と、対象者に入院費の請求を通知する請求通知部216、入院費の支払状況を取得する支払状況取得部217、通知後に、入院情報及び支払状況に基づいて、連帯保証人がいる対象者の入院費の少なくとも一部を連帯保証人から回収する回収依頼を弁護士に送信する回収依頼部218及び通知後に、入院情報及び支払状況に基づいて、連帯保証人がいない対象者であって、入院費保証サービスに加入している対象者の入院費の少なくとも一部を医療施設に支払う入院費保証部219を備える管理サーバ2を含んで構成される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の介護度に係る介護度情報、対象者が必要とする医療サービスに係る医療サービス情報、対象者の住所・居所に係る住所情報、対象者が希望するサービスに係るサービス情報、対象者が希望する費用に係る費用情報、対象者が入所後に受けた医療サービスに係る受診等情報、施設までの移動時間として対象者が希望する移動時間範囲、及び入所に係るケアプランのいずれか一つ以上を含む、介護施設への入所に係る対象者の対象者情報を取得する対象者情報取得部と、
前記対象者情報と介護施設に係る介護施設情報とが一致又は類似する割合に基づいて前記対象者に対する介護施設の適合度を算出する適合度算出部と、
複数の介護施設のうち、前記適合度が最も高い至適施設を判別する至適施設判別部と、
前記至適施設に係る前記適合度である至適適合度と、前記対象者情報と前記対象者が入所した入所先施設に係る入所先情報とが一致又は類似する割合から算出される前記入所先施設の適合度との比較から、前記入所先施設への前記対象者の入所の妥当性である入所妥当性を分析する分析部と、
前記介護施設を運営する事業者とは異なる紹介者が過去に前記入所先施設を紹介した一又は複数の前記対象者それぞれについての前記入所妥当性に係る紹介者ごとの統計値に基づいて前記紹介者による紹介の妥当性である紹介妥当性を評価する評価部と、
を備える、介護施設紹介の分析装置。
【請求項2】
前記適合度算出部は、前記対象者に対する算出済みの紹介ごとの介護施設の適合度を教師データとして機械学習が行われたニューラルネットワークを用いて前記対象者に対する未算出の介護施設の適合度を算出する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記評価部は、前記評価部によって評価済みである紹介者ごとの紹介妥当性を教師データとして機械学習が行われたニューラルネットワークを用いて紹介者に対する未評価の紹介妥当性を評価する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
管理サーバと、
請求項1に記載の分析装置と、を含んで構成され、
前記対象者は、医療施設に入院した患者であり、
前記管理サーバは、
前記対象者の前記入院に係る連帯保証人及び入院費保証サービス加入状況を含む入院情報を取得する入院情報取得部と、
前記対象者に入院費の請求を通知する請求通知部と、
前記入院費の支払状況を取得する支払状況取得部と、
前記通知後に、前記入院情報及び前記支払状況に基づいて、連帯保証人がいる前記対象者が前記入院費を支払っていない場合に前記入院費の少なくとも一部を前記連帯保証人から回収する回収依頼を弁護士に送信する回収依頼部と、
前記通知後に、前記入院情報及び前記支払状況に基づいて、連帯保証人がいない前記対象者であって、前記入院費保証サービスに加入している前記対象者が前記入院費を支払っていない場合に前記入院費の少なくとも一部を前記医療施設に支払う入院費保証部と、
を備える、退院支援代行システム。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記入院情報に基づいて、前記対象者に連帯保証人がいない場合に、前記対象者の身元を保証する身元保証依頼を身元保証会社に送信する身元保証依頼部をさらに備える、請求項4に記載の退院支援代行システム。
【請求項6】
前記管理サーバは、
前記医療施設から退院するときに受けるサービスの種類と、当該サービスを提供する提供者とを関連付けたデータを含むサービス提供者データを管理するサービス提供者管理部と、
前記対象者が前記医療施設から退院するときに受けるサービスを手配するようにとの依頼であるサービス手配依頼を受信するサービス手配依頼受信部と、
前記サービス手配依頼を受信した場合に、前記サービス提供者データに基づいて、前記サービス手配依頼に係るサービスを提供する提供者に、前記サービスを前記対象者に提供するよう依頼するサービス提供依頼を送信するサービス提供依頼部と、
をさらに備える、請求項4に記載の退院支援代行システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置及び退院支援代行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設での介護を要する被介護者に対して、紹介会社等の紹介者が老人ホーム等の介護施設を紹介することが行われている。
【0003】
被介護者に対する介護施設の紹介に関し、特許文献1は、介護情報を提供するために各種通信網を介して1または複数の端末装置に接続されるサーバ装置を備えた介護情報提供システムであって、前記サーバ装置は、介護のサービス種類に対応した入力手順プログラムを格納するプログラム格納手段と、通信網を介した任意の端末装置からのアクセスに対し、前記プログラム格納手段に格納されている入力手順プログラムに従い、ケアプラン作成のためのサービス種類およびその詳細項目を入力する入力画面情報を前記端末装置に送信する入力画面情報送信手段と、この入力画面情報に基づいて前記端末装置から送信されてくる入力情報を受信する受信手段と、この受信手段にて受信された入力情報に基づき、入力されたサービス種類の詳細項目に従ってケアプランを作成し、前記端末装置に送信するケアプラン作成送信手段とを備え、前記入力画面情報には、その初期メニュー画面の入力項目として郵便番号と認定介護度とが含まれていることを特徴とする介護情報提供システムを開示している。
【0004】
特許文献1の技術では、専門的知識の少ない被介護者等であっても、簡単な入力操作によって、ケアプランを容易に作成し得る。これにより、特許文献1の技術は、ケアプランの内容の詳細な比較検討なども被介護者等にあった最適なサービス提供事業者、介護施設、ケアマネージャを被介護者自らが選択することを可能とし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-325361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、紹介者による介護施設等の紹介においては、介護施設等を紹介する紹介者が関連する介護指定事業者等に便宜を図るような紹介をすることが懸念される。また、介護施設等において新規の入所者が強く望まれている場合、被介護者の状態・希望等が反映された紹介の代わりに、紹介された介護施設等から紹介者へ支払われる公然・非公然の対価の多寡が反映された紹介が行われることが懸念される。紹介者に係るこれらのような懸念がある場合、被介護者は、被介護者の状態・希望等が反映された介護施設に入所できなくなり得る。そのため、被介護者が紹介された介護施設の妥当性を判断することを支援する手段が望まれる。
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術は、生成されたケアプランの内容の詳細な比較検討等を介して介護施設を被介護者自らが選択することを可能とし得るにとどまる。そのため、生成されたケアプランを比較検討するための十分な知識がある被介護者でなければ、被介護者にとって適切な介護施設を自ら選択できないことが懸念される。よって、特許文献1の技術は、介護に関する十分な知識を有しない被介護者が紹介された介護施設の妥当性を判断できるようにする点において、さらなる改良の余地がある。
【0008】
本発明の目的は、介護に関する十分な知識を有しない被介護者であっても、希望に対して適切な介護施設の判別、介護施設の紹介に係る妥当性等を判断できるよう支援する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、適合度が最も高い至適施設に係る適合度と実際に入所した入所先施設に係る適合度との比較に基づいて入所先施設への対象者の入所の妥当性を分析すること等によって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
本発明は、介護施設への入所に係る対象者の対象者情報を取得可能な対象者情報取得部と、前記対象者に対する介護施設の適合度を前記対象者情報に基づいて算出可能な適合度算出部と、複数の介護施設のうち、前記適合度が最も高い至適施設を判別可能な至適施設判別部と、前記対象者情報が、前記対象者が入所した入所先施設を特定可能な入所先情報を含む場合に、前記入所先施設に係る前記適合度である入所先適合度及び前記至適施設に係る前記適合度である至適適合度を比較可能な適合度比較部と、前記適合度比較部における比較に基づいて前記入所先施設への前記対象者の入所の妥当性である入所妥当性を分析可能な分析部と、を備える、介護施設紹介の分析装置を提供する。
【0011】
本発明は、介護施設への入所に係る対象者に対する介護施設の適合度を算出できる。これにより、本発明は、複数の介護施設のうち、適合度が最も高い至適施設を判別できる。そして、本発明は、適合度が最も高い至適施設に係る適合度と実際に入所した入所先施設に係る適合度との比較に基づいて入所先施設への対象者の入所の妥当性を分析できる。
【0012】
すなわち、入所先施設への入所が該施設の紹介を受けて行われたものである場合に、本発明は、介護施設の紹介に係る妥当性を分析できる。本発明は、紹介会社等の分析を経ることなく、入所の妥当性を自動的に分析できる。これにより、本発明は、介護施設の紹介に係る妥当性を中立公平な立場から分析できる。このような分析は、介護に関する十分な知識を有しない被介護者に対して、介護施設の紹介に係る妥当性を判断するための有力な情報となり得る。
【発明の効果】
【0013】
したがって、本発明は、介護に関する十分な知識を有しない被介護者であっても、希望に対して適切な介護施設の判別、介護施設の紹介に係る妥当性等を判断できるよう支援する手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、対象者リスト121の一例である。
図3図3は、介護施設リスト122の一例である。
図4図4は、紹介者リスト123の一例である。
図5図5は、本実施形態の分析処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図6図6は、図5に続く図である。
図7図7は、至適施設判別処理のフローチャートである。
図8図8は、妥当性分析処理のフローチャートである。
図9図9は、第2実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図10図10は、入院情報データベース221の一例である。
図11図11は、サービス提供者データベース222の一例である。
図12図12は、第2実施形態の管理サーバ2で実行される退院支援代行処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図13図13は、図12に続く図である。
図14図14は、図13に続く図である。
図15図15は、図14に続く図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<<第1実施形態>>
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0016】
<システムS>
図1は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。以下は、本実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の好ましい態様の一例を、図1を用いて説明するものである。
【0017】
システムSは、介護施設紹介の分析装置1を含んで構成される。システムSは、ネットワークNを介して分析装置1と通信可能な端末Tをさらに含んで構成されることが好ましい。システムSの利用者は、特に限定されない。利用者は、例えば、被介護者本人、被介護者の家族、被介護者に係る介護の担当者、被介護者に係る行政サービス等の担当者等でよい。
【0018】
〔分析装置1〕
分析装置1は、制御部11と記憶部12と通信部13とを備える。分析装置1の種類は、特に限定しない。分析装置1の種類は、例えば、サーバ装置、クラウドサーバ、端末等でよい。端末は、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。分析装置1の種類が端末である場合、分析装置1は、対象者情報等を入力可能な入力部と結果を表示可能な表示部とをさらに備えることが好ましい。
【0019】
[制御部11]
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を備える。
【0020】
制御部11は、必要に応じて記憶部12及び/又は通信部13と協働する。そして、制御部11は、分析装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、対象者情報取得部111、適合度算出部112、至適施設判別部113、適合度比較部114、分析部115、評価部116、収益推定部117等を実現する。本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する分析処理の好ましい流れの説明において示される。
【0021】
[記憶部12]
記憶部12は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によるデータのストレージ部を有する。
【0022】
記憶部12は、ネットワークNを介してNAS、SAN、クラウドストレージ、ファイルサーバ及び/又は分散ファイルシステム等の記憶装置又は記憶システムとの接続を可能にする仕組みを有してもよい。
【0023】
記憶部12には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、対象者リスト121、介護施設リスト122、紹介者リスト123、適合度ニューラルネットワーク、妥当性ニューラルネットワーク等が記憶されている。
【0024】
(対象者リスト121)
対象者リスト121には、被介護者等によって例示される、介護施設への入所に係る対象者の対象者情報が格納される。対象者情報は、特に限定されない。対象者情報には、例えば、対象者の氏名に係る氏名情報、対象者の介護度に係る介護度情報、対象者が必要とする医療サービスに係る医療サービス情報、対象者の住所・居所に係る住所情報、対象者が希望するサービスに係るサービス情報、対象者が希望する費用に係る費用情報、対象者が入所後に受けた医療サービスに係る受診等情報、施設までの移動時間として対象者が希望する移動時間範囲、システムSの利用・入所に係る同意書等書類、入所に係るケアプラン等の各種情報の1以上が含まれ得る。介護度情報には、介護保険に係る要支援1~2、要介護1~5等の要介護状態等区分のほか、医療サービスを要する医療案件であるとの情報、障がい者への対応を要する障がい案件であるとの情報等が含まれ得る。
【0025】
対象者情報に介護度情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、介護度に係る介護施設の適合度を算出できる。対象者情報に医療サービス情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、医療サービスに係る介護施設の適合度を算出できる。対象者情報に住所情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、住所に係る介護施設の適合度を算出できる。対象者情報にサービス情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、対象者が希望するサービスに係る介護施設の適合度を算出できる。対象者情報に費用情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、対象者が希望する費用に係る介護施設の適合度を算出できる。対象者情報に受診等情報が含まれることにより、分析装置1は、対象者が入所後も入所前の医療施設で医療サービスを受けていたかを判別できる。また、対象者情報に受診等情報が含まれることにより、分析装置1は、受診等情報の提供の有無を用いて介護施設を評価し得る。対象者情報に移動時間範囲が含まれることにより、分析装置1は、対象者が希望する移動時間の範囲内にある介護施設等を紹介できる。対象者情報に同意書等書類・ケアプランが含まれることにより、分析装置1は、システムSの利用、入所等に係る情報を電子的に管理できる。
【0026】
対象者情報には、対象者が入所した入所先施設を特定可能な入所先情報が含まれ得ることが好ましい。これにより、分析装置1は、該入所先への入所の妥当性を評価できる。対象者情報には、対象者が入所した入所先施設に係る入所妥当性が含まれ得ることが好ましい。これにより、分析装置1は、算出済の入所妥当性を再利用できる。また、対象者情報には、対象者が入所した入所先施設を対象者に紹介した紹介者を特定可能な紹介者情報が含まれ得ることが好ましい。これにより、分析装置1は、該紹介者情報を用いて、紹介者による紹介の妥当性を評価できる。
【0027】
対象者リスト121には、対象者情報を識別できる対象者IDと、対応する対象者情報とが関連付けて格納されることが好ましい。これにより、分析装置1は、対象者IDを用いて対象者情報を管理し得る。
【0028】
図2は、対象者リスト121の一例である。図2に示す例には、対象者ID「R0001」に関し、氏名情報「山田 太郎」、介護度情報「要介護2」、住所情報「東京都△△区△△」、サービス情報「レクリエーションが多い施設に入りたい」、費用情報「毎月の自己負担額を△万円以下に収めたい」等が含まれた対象者情報が格納されている。
【0029】
これにより、分析装置1は、後述する介護施設リスト122に格納された介護施設のそれぞれについて、東京都△△区△△に在住の要介護2の対象者が毎月の自己負担額を△万円以下に収められる施設であって、レクリエーションが多い施設であるとの対象者の希望に沿っているかに基づいて各介護施設への該対象者の入所に係る適合度を算出できる。
【0030】
(介護施設リスト122)
介護施設リスト122には、介護施設に係る介護施設情報が格納される。介護施設情報は、特に限定されない。介護施設情報には、例えば、介護施設の名称に係る施設名称情報、介護施設が受け入れ可能な介護度に係る介護度情報、介護施設が提供可能な医療サービスに係る医療サービス情報、介護施設の住所に係る住所情報、介護施設が提供可能なサービスに係るサービス情報、介護施設の入所者が支払う費用に係る費用情報、介護施設に入所した対象者からの評価(アンケート結果等)等の各種情報の1以上が含まれ得る。
【0031】
介護施設情報に介護度情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、介護度に係る適合度を算出できる。介護施設情報に医療サービス情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、医療サービスに係る適合度を算出できる。介護施設情報に住所情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、住所に係る適合度を算出できる。介護施設情報にサービス情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、対象者が希望するサービスに係る適合度を算出できる。介護施設情報に費用情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、対象者が希望する費用に係る適合度を算出できる。介護施設情報に評価が含まれ得ることにより、分析装置1は、該評価に基づいて適合度を算出できる。
【0032】
介護施設リスト122には、介護施設情報を識別できる介護施設IDと、対応する介護施設情報とが関連付けて格納されることが好ましい。これにより、分析装置1は、介護施設IDを用いて介護施設情報を管理し得る。
【0033】
図3は、介護施設リスト122の一例である。図3に示す例には、介護施設ID「F0001」に関し、施設名情報「△△老人ホーム」、介護度情報「要介護1-2」、医療サービス情報「皮膚クリニック併設」、住所情報「東京都△△区△△」、サービス情報「各種レクリエーションあり」、費用情報「毎月の自己負担額を△万円~△△万円」等が含まれた介護施設情報が格納されている。
【0034】
これにより、分析装置1は、東京都△△区△△にあり、要介護1-2の被介護者を受け入れ可能であり、毎月の自己負担額が△万円~△△万円の施設であって、皮膚クリニックが併設され、各種レクリエーションがある施設との介護施設情報に基づいて該介護施設への対象者の入所に係る適合度を算出できる。
【0035】
(紹介者リスト123)
紹介者リスト123には、介護施設に入所した対象者に関し、入所先の介護施設を対象者に紹介した紹介者に係る紹介者情報が格納される。紹介者は、自然人であってもよく、本実施形態のシステムS等のシステムであってもよい。紹介者リスト123に係る紹介者は、本実施形態のシステムSを含むことが好ましい。これにより、分析装置1は、分析装置1を用いて行われた紹介と他の紹介者による紹介とを比較し得る。紹介者情報は、特に限定されない。紹介者情報には、例えば、紹介者の氏名に係る氏名情報、紹介者の所属に係る所属情報、紹介者が紹介した介護施設と該紹介により該介護施設に入所した対象者である入所者との組合せに係る紹介情報、紹介者による紹介の妥当性である紹介妥当性等の各種情報の1以上が含まれ得る。なお、紹介情報には、該紹介に係る入所先適合度及び/又は入所妥当性が含まれ得る。
【0036】
ここで、「適合度」は、本実施形態の適合度算出部112によって算出された対象者に対する介護施設の適合度である。「入所先適合度」は、対象者が入所した介護施設である入所先に係る適合度である。「入所妥当性」は、本実施形態の分析部115によって分析された入所先施設への対象者の入所の妥当性である。
【0037】
紹介者情報に氏名情報・所属情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、紹介妥当性と共に紹介者の氏名・所属を提示できる。紹介者情報に紹介情報が含まれ得ることにより、分析装置1は、該紹介情報に基づいて紹介者に係る入所妥当性を分析できる。紹介者情報に紹介者妥当性が含まれ得ることにより、分析装置1は、評価した紹介妥当性を格納し、再利用できる。
【0038】
紹介者リスト123には、紹介者情報を識別できる紹介者IDと、対応する紹介者情報とが関連付けて格納されることが好ましい。これにより、分析装置1は、紹介者IDを用いて紹介者情報を管理し得る。
【0039】
図4は、紹介者リスト123の一例である。図4に示す例には、紹介者ID「I0001」に関し、氏名情報「安倍 慎太」、所属情報「△△グループ」、紹介情報「山田太郎に△△老人ホームを紹介(入所妥当性0.5)、佐藤花子に△△老人ホームを紹介(入所妥当性0.1)・・・」、紹介妥当性「0.3」等が含まれた紹介者情報が格納されている。
【0040】
これにより、分析装置1は、紹介者「安倍 慎太」について、山田太郎・佐藤花子への介護施設の△△老人ホームの紹介と該紹介に係る入所妥当性等に基づいて、該紹介者の介護施設に係る紹介の妥当性が「0.3」であることを示す紹介妥当性を算出できる。そして、分析装置1は、算出された紹介妥当性を利用者に提示できる。これにより、利用者は、紹介者の紹介妥当性が低いことを客観的な指標により把握し得る。よって、利用者は、紹介者と介護施設等との癒着等に気づき得る。また、これにより、分析装置1は、本実施形態の分析装置1等の客観的な指標に基づく紹介を行う必要性を利用者に示し得る。
【0041】
(適合度ニューラルネットワーク)
記憶部12には、対象者に対する介護施設の適合度に係る機械学習が行われた適合度ニューラルネットワークが格納されることが好ましい。これにより、分析装置1は、例えば、紹介ごとの適合度を教師データとして機械学習を行った適合度ニューラルネットワークに基づく、より精度が高い適合度を算出できる。
【0042】
(妥当性ニューラルネットワーク)
記憶部12には、紹介者による対象者への介護施設の紹介の妥当性である紹介妥当性に係る機械学習が行われた妥当性ニューラルネットワークが格納されることが好ましい。これにより、分析装置1は、例えば、紹介者ごとの妥当性を教師データとして機械学習を行った妥当性ニューラルネットワークに基づく、より精度が高い適合度を算出できる。
【0043】
[通信部13]
通信部13は、分析装置1をネットワークNに接続して端末T等と通信可能にするものであれば特に限定されない。通信部13として、例えば、携帯電話ネットワークに対応した無線装置、無線LANに接続可能なデバイス、及びイーサネット規格に対応したネットワークカード等が挙げられる。
【0044】
〔端末T〕
端末Tは、分析装置1と通信可能であれば、特に限定されない。端末Tは、対象者情報等を入力可能な入力部(図示せず)と結果を表示可能な表示部(図示せず)とを少なくとも備える。
【0045】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、分析装置1及び端末T等を互いに通信可能にするものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0046】
〔分析処理のメインフローチャート〕
図5は、本実施形態の分析処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図6は、図5に続く図である。以下は、本実施形態の分析装置1が行う分析処理の好ましい流れの一例を図5及び図6を用いて説明するものである。
【0047】
分析装置1は、まず、至適施設の判別を利用者に指令されたか判別し、該判別を指令されたと判別した場合に至適施設判別処理を実行する処理を行う(ステップS1からステップS2)。
【0048】
[ステップS1:至適施設の判別を指令されたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、指定された対象者に係る至適施設の判別を指令されたか判別する処理を実行する(ステップS1、至適施設判別指令判別ステップ)。指令されたと判別した場合、制御部11は、処理をステップS2に移す。指令されなかったと判別した場合、制御部11は、処理をステップS3に移す。至適施設判別指令判別ステップは、特に限定されない。該ステップは、例えば、端末Tからの指令、利用者からの入力等に基づいて指令されたか判別する手順等を含む。
【0049】
[ステップS2:至適施設判別処理]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、ステップS1で指定された対象者に対する介護施設の適合度が最も高い至適施設を判別する処理を実行する(ステップS2、至適施設判別処理)。制御部11は、処理をステップS3に移す。至適施設判別処理の好ましい流れは、後に図7を用いてより詳細に説明される。
【0050】
分析処理が至適施設判別処理を含むことにより、分析装置1は、介護に関する十分な知識を有しない被介護者であっても、希望に対して適切な介護施設を判別できるよう支援する手段を提供できる。
【0051】
続いて、分析装置1は、入所の妥当性の分析を利用者に指令されたか判別し、該分析を指令されたと判別した場合に妥当性分析処理を実行する処理を行う(ステップS3からステップS4)。
【0052】
[ステップS3:入所の妥当性の分析を指令されたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、指定された入所先施設及び対象者に関し、該入所先施設へ該対象者が入所したことに係る入所の妥当性(入所妥当性)の分析を指令されたか判別する処理を実行する(ステップS3、入所妥当性分析指令判別ステップ)。指令されたと判別した場合、制御部11は、処理をステップS4に移す。指令されなかったと判別した場合、制御部11は、処理をステップS5に移す。入所妥当性分析指令判別ステップは、特に限定されない。該ステップは、例えば、端末Tからの指令、利用者からの入力等に基づいて指令されたか判別する手順等を含む。
【0053】
[ステップS4:妥当性分析処理]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、ステップS3で指定された入所先施設及び対象者に関し、該入所先施設への該対象者の入所の妥当性(入所妥当性)を分析する処理を実行する(ステップS4、妥当性分析処理)。制御部11は、処理をステップS5に移す。妥当性分析処理の好ましい流れは、後に図8を用いてより詳細に説明される。
【0054】
分析処理が妥当性評価処理を含むことにより、分析装置1は、介護に関する十分な知識を有しない被介護者であっても、介護施設の紹介に係る妥当性のうち、入所先施設へ対象者が入所したことの妥当性を判断できるよう支援する手段を提供できる。
【0055】
分析装置1は、紹介の妥当性の評価を利用者に指令されたか判別し、該評価を指令されたと判別した場合に紹介の妥当性の評価に係る一群の処理(紹介妥当性評価処理)を実行する処理を行うことが好ましい(ステップS5からステップS8)。
【0056】
[ステップS5:紹介の妥当性の評価を指令されたか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、指定された紹介者に関し、該紹介者による紹介の妥当性(紹介妥当性)の評価を指令されたか判別する処理を実行する(ステップS5、紹介妥当性分析指令判別ステップ)。指令されたと判別した場合、制御部11は、処理をステップS6に移す。指令されなかったと判別した場合、制御部11は、処理をステップS9に移す。紹介妥当性分析指令判別ステップは、特に限定されない。該ステップは、例えば、端末Tからの指令、利用者からの入力等に基づいて指令されたか判別する手順等を含む。
【0057】
[ステップS6:紹介者に係る妥当性が未分析の入所があるか判別]
制御部11は、記憶部12と協働し、評価部116を実行する。そして、制御部11は、ステップS5で指定された紹介者に係る妥当性が未分析である入所があるか判別する処理を実行する(ステップS6、未分析入所有無判別ステップ)。あると判別した場合、制御部11は、処理をステップS7に移す。あると判別しなかった場合、制御部11は、処理をステップS8に移す
【0058】
[ステップS7:妥当性分析処理]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、ステップS6であると判別された未分析の入所に係る入所先施設及び対象者に関し、該入所先施設への該対象者の入所の妥当性を分析する処理を実行する(ステップS7、妥当性分析処理)。制御部11は、処理をステップS6に移す。妥当性分析処理の好ましい流れは、後に図8を用いてより詳細に説明される。
【0059】
[ステップS8:紹介の妥当性を評価]
制御部11は、記憶部12と協働し、評価部116を実行する。そして、制御部11は、ステップS5で指定された紹介者に係るステップS7で分析された入所妥当性に基づいて該紹介者による紹介の妥当性(紹介妥当性)を評価する処理を実行する(ステップS8、評価ステップ)。制御部11は、処理をステップS9に移す
【0060】
評価ステップは、特に限定されない。評価ステップは、例えば、分析された複数の入所妥当性に係る統計値に基づいて紹介妥当性を評価する手順等を含む。これにより、分析装置1は、統計という中立公正な処理によって評価された紹介妥当性を提供できる。
【0061】
評価ステップは、紹介妥当性に係る機械学習が行われた妥当性ニューラルネットワークを用いて紹介妥当性を評価する手順を含んでも良い。これにより、分析装置1は、例えば、紹介者ごとの妥当性を教師データとして機械学習を行った妥当性ニューラルネットワークに基づく、より精度が高い適合度を算出できる。
【0062】
分析処理が紹介妥当性評価処理を含むことにより、分析装置1は、介護に関する十分な知識を有しない被介護者であっても、介護施設の紹介に係る妥当性のうち、ステップS5で指定された紹介者による紹介に係る妥当性を判断できるよう支援する手段を提供できる。
【0063】
ステップS1からステップS8の処理の後に、分析装置1は、ステップS2、ステップS4、ステップS8等で得られた結果の表示を指令する結果表示指令ステップ(ステップS9)を実行する。
【0064】
[ステップS9:結果の表示を指令]
制御部11は、記憶部12と協働し、ステップS2において判別された至適施設、ステップS4において分析された入所妥当性、ステップS8で評価された紹介妥当性等の各種結果の表示を指令する処理を実行する(ステップS9、結果表示指令ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に移す
【0065】
分析処理が結果表示指令ステップを含むことにより、分析装置1は、ステップS1からステップS8で得られた各種結果を表示し、介護に関する十分な知識を有しない被介護者であっても、介護施設の紹介に係る妥当性等を判断できるよう支援できる。
【0066】
[入所に係る入所ステップ]
分析処理は、分析装置1による分析結果に基づいて介護施設に入所した対象者が一定数に達したと、対象者リスト121等に基づいて判別するたびに、該対象者の情報を分析装置1に提供した利用者(例えば、対象者が入院していた医療施設)に提供される所定の対価(例えば、商品・役務の提供に対する支払いに利用可能なポイント等)を計算する入所ステップをさらに含むことが好ましい。これにより、当該利用者は、対象者の希望に沿った介護施設を探すべく分析装置1を利用することを促す、さらなる動機を得る。
【0067】
[整合性チェックステップ]
分析処理は、記憶部12に格納された対象者リスト121及び介護施設リスト122に係る情報の整合性をチェックする整合性チェックステップを含むことが好ましい。これにより、分析装置1は、介護施設等による虚偽入力をシステム的に検知し、虚偽入力を防ぎ、虚偽入力が行われていないことを担保し得る。
【0068】
〔至適施設判別処理のフローチャート〕
図7は、至適施設判別処理のフローチャートである。以下は、本実施形態の至適施設判別処理の好ましい流れの一例を、図7を用いて説明するものである。
【0069】
[対象者について]
至適施設判別処理がステップS2において実行された場合において、至適施設判別処理に係る「対象者」は、ステップS1で指定された対象者である。至適施設判別処理がステップS22において実行された場合において、至適施設判別処理に係る「対象者」は、ステップS21に係る対象者である。
【0070】
[ステップS11:対象者情報を取得]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、対象者情報取得部111を実行する。そして、制御部11は、対象者に係る対象者情報を取得する処理を実行する(ステップS11、対象者情報取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。対象者情報取得ステップは、端末T等から対象者情報を取得する手順又は対象者リスト121に格納された対象者情報を取得する手順のいずれかを含む。
【0071】
対象者情報取得ステップが端末T等から対象者情報を取得する手順を行った場合、対象者情報取得ステップは、該対象者情報を対象者リスト121に格納する手順を含むことが好ましい。これにより、分析装置1は、対象者情報を端末T等から重ねて取得することなく、該対象者情報を対象者リスト121から取得できる。
【0072】
[ステップS12:適合度が未算出の介護施設があるか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、至適施設判別部113を実行する。そして、制御部11は、対象者に係る適合度が未算出の介護施設に係る介護施設情報が介護施設リスト122に格納されているか判別する処理を実行する(ステップS12、未算出介護施設有無判別ステップ)。格納されていると判別したならば、制御部11は、処理をステップS13に移す。格納されていると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS14に移す。該ステップにより、分析装置1は、介護施設リスト122に格納されたすべての介護施設情報に係る介護施設について、対象者に係る適合度を算出できる。
【0073】
[ステップS13:未算出の介護施設に係る適合度を算出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、適合度算出部112を実行する。制御部11は、ステップS12において格納されていると判別された未算出の介護施設に係る対象者との適合度を算出する処理を実行する(ステップS13、適合度算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS12に移す。
【0074】
適合度算出ステップは、特に限定されない。該ステップは、例えば、ステップS11で取得した対象者情報と適合度算出ステップに係る介護施設情報とにおいて、それぞれに含まれる対応する各情報が一致又は類似する割合に基づいて適合度を算出する手順を含む。これにより、分析装置1は、対象者の住所、対象者の介護度、対象者に係る医療サービス、対象者が希望するサービス、対象者が希望する移動時間の範囲等又はこれらのうち2以上の組み合わせに基づく適合度を算出可能となる。該ステップは、対象者からの評価、受診等情報の提供の有無等を用いて算出された介護施設の評価を用いて適合度を算出する手順を含んでもよい。これにより、分析装置1は、このような介護施設の評価を踏まえた適合度を算出可能となる。
【0075】
また、該ステップは、適合度に係る機械学習が行われた適合度ニューラルネットワークを用いて適合度を算出する手順を含んでもよい。これにより、分析装置1は、例えば、紹介ごとの適合度を教師データとして機械学習を行った適合度ニューラルネットワークに基づく、より精度が高い適合度を算出できる。
【0076】
加えて、該ステップは、算出済の適合度を対象者リスト121、紹介者リスト123等から取得する手順を含んでもよい。これにより、分析装置1は、算出済の適合度を再度算出することなく、適合度を得られる。
【0077】
至適施設判別処理は、対象者が介護施設に入所したときの介護施設における収益を推定し、該推定及び適合度に基づいて至適施設を判別する処理(ステップS14からステップS16)を含むことが好ましい。
【0078】
[ステップS14:収益に基づく判別を要するか判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、収益推定部117を実行する。そして、制御部11は、収益に基づく判別を要するか判別する処理を実行する(ステップS14、収益推定要否判別ステップ)。要すると判別したならば、制御部11は、処理をステップS15に移す。要すると判別しなかったならば、制御部11は、処理をステップS17に移す。
【0079】
[ステップS15:入所したときの収益を推定]
制御部11は、対象者がステップS13に係る適合度の算出対象となった介護施設に入所したときの収益を推定する処理を実行する(ステップS15、収益推定実行ステップ)。制御部11は、処理をステップS16に移す。
【0080】
収益推定実行ステップは、例えば、対象者が必要とする医療サービスに係る対象者の入所後の収益、対象者が希望するサービスに係る対象者の入所後の収益等を推定する手順を含む。
【0081】
[ステップS16:収益及び適合度に基づいて至適施設を判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、至適施設判別部113を実行する。そして、制御部11は、ステップS15で推定された収益及びステップS13で算出された適合度に基づいて至適施設を判別する処理を実行する(ステップS16、収益込至適施設判別ステップ)。制御部11は、至適施設判別処理を終了し、元のステップの遷移先に処理を移す。
【0082】
収益込至適施設判別ステップは、適合度が最も高い至適施設を判別する手順を含む。また、収益込至適施設判別ステップは、適合度が高い方から所定数の至適施設を判別する手順を含むことがより好ましい。これにより、利用者は、判別された所定数の至適施設から所望の介護施設を選択できる。
【0083】
[ステップS17:適合度に基づいて至適施設を判別]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、至適施設判別部113を実行する。そして、制御部11は、ステップS13で算出された適合度に基づいて至適施設を判別する処理を実行する(ステップS17、至適施設判別ステップ)。制御部11は、至適施設判別処理を終了し、元のステップの遷移先に処理を移す。
【0084】
[至適施設判別処理における元のステップの遷移先について]
至適施設判別処理がステップS2において実行された場合において、ステップS16及びステップS17における「元のステップの遷移先」は、ステップS3である。至適施設判別処理がステップS22において実行された場合において、ステップS16及びステップS17における「元のステップの遷移先」は、ステップS23である。
【0085】
〔妥当性分析処理のフローチャート〕
図8は、妥当性分析処理のフローチャートである。以下は、本実施形態の妥当性分析処理の好ましい流れの一例を、図8を用いて説明するものである。
【0086】
[対象者について]
妥当性分析処理がステップS4において実行された場合において、妥当性分析処理に係る「対象者」は、ステップS3に係る対象者である。妥当性分析処理がステップS7において実行された場合において、妥当性分析処理に係る「対象者」は、ステップS6で未分析であると判別された入所に係る対象者である。
【0087】
[介護施設について]
妥当性分析処理がステップS4において実行された場合において、妥当性分析処理に係る「介護施設」は、ステップS3に係る介護施設である。妥当性分析処理がステップS7において実行された場合において、妥当性分析処理に係る「介護施設」は、ステップS6で未分析であると判別された入所に係る介護施設である。
【0088】
[ステップS21:対象者情報を取得]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、対象者情報取得部111を実行する。そして、制御部11は、対象者に係る対象者情報を取得する処理を実行する(ステップS21、対象者情報取得ステップ)。制御部11は、処理をステップS22に移す。対象者情報取得ステップは、端末T等から対象者情報を取得する手順又は対象者リスト121に格納された対象者情報を取得する手順のいずれかを含む。
【0089】
[ステップS22:至適施設判別処理]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、対象者に対する介護施設の適合度が最も高い至適施設を判別する処理を実行する(ステップS22、至適施設判別処理)。制御部11は、処理をステップS23に移す。
【0090】
[ステップS23:入所先適合度を算出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、適合度算出部112を実行する。制御部11は、対象者が入所した介護施設(入所先介護施設)に係る対象者との適合度(入所先適合度)を算出する処理を実行する(ステップS23、入所先適合度算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS24に移す。入所先適合度算出ステップは、算出に係る対象者及び介護施設を除き、適合度算出ステップと同様でよい。
【0091】
[ステップS24:至適適合度を算出]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、適合度算出部112を実行する。制御部11は、ステップS22で判別された至適施設に係る対象者との適合度(至適適合度)を算出する処理を実行する(ステップS24、至適適合度算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS25に移す。至適適合度算出ステップは、算出に係る対象者及び介護施設を除き、適合度算出ステップと同様でよい。
【0092】
[ステップS25:入所先適合度と至適適合度とを比較]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、適合度比較部114を実行する。制御部11は、ステップS23で算出された入所先適合度とステップS24で算出された至適適合度とを比較する処理を実行する(ステップS25、適合度比較ステップ)。制御部11は、処理をステップS26に移す。
【0093】
[ステップS26:入所の妥当性を分析]
制御部11は、記憶部12及び通信部13と協働し、分析部115を実行する。制御部11は、ステップS25の比較に基づいて入所の妥当性を分析する処理を実行する(ステップS26、分析ステップ)。制御部11は、妥当性分析処理を終了し、元のステップの遷移先に処理を移す。
【0094】
[妥当性分析処理における元のステップの遷移先について]
妥当性分析処理がステップS4において実行された場合において、ステップS26における「元のステップの遷移先」は、ステップS5である。妥当性分析処理がステップS7において実行された場合において、ステップS26における「元のステップの遷移先」は、ステップS6である。
【0095】
<システムSの使用例>
以下、本実施形態におけるシステムSの使用例が説明される。
【0096】
〔介護施設に係る情報を入力〕
介護施設の担当者等は、例えば、有償の利用契約に基づいて分析装置1を利用する。有償の利用契約は、特に限定されず、例えば、月ごと、年ごと等に定められた対価を支払う利用契約等でよい。該利用契約は、分析装置1と通信可能な端末Tの貸与を含んでもよい。該担当者等は、端末T等を介して介護施設に係る情報を分析装置1に入力する。分析装置1は、該情報を介護施設リスト122に格納する。
【0097】
〔入所に適した施設を判別〕
対象者が入院する医療施設の担当者等の利用者は、例えば、無償の利用契約に基づいて分析装置1を利用する。該利用契約は、分析装置1と通信可能な端末Tの貸与を含んでもよい。該利用者は、端末T等を介して、対象者に係る情報を分析装置1に入力する。該利用者は、介護施設に入所させたい対象者について、入所に適した施設を判別すべく、端末T等を介して分析装置1に至適施設判別を指示する。分析装置1は、至適施設及び必要に応じて適合度が高い他の施設の表示を端末T等に指令する。利用者は、端末T等に表示された至適施設等を用いて、入所に適した施設を判別する。
【0098】
〔入所〕
利用者は、上記判別に基づいて対象者に介護施設を紹介する。紹介された介護施設の担当者等は、該対象者に係る情報を分析装置1に入力する。該紹介が一定数に達するたびに、分析装置1は、該利用者に対して提供される所定の対価を計算する。上記紹介に基づいて入所した対象者は、紹介された介護施設に係るアンケート等を介して、該介護施設の評価を分析装置1に入力する。分析装置1は、入力された各種情報を記憶部12に格納する。
【0099】
〔入所の妥当性を分析〕
利用者は、介護施設に入所した対象者について、端末T等を介して分析装置1に当該入所の妥当性の分析を指示する。分析装置1は、分析された入所妥当性の表示を端末T等に指令する。利用者は、端末T等に表示された入所妥当性を用いて、入所の妥当性を判別し、他の施設への移動を検討するか等を判断する。
【0100】
〔紹介者の妥当性を分析〕
利用者は、介護施設を紹介する紹介者について、端末T等を介して分析装置1に当該紹介者による紹介の妥当性の評価を指示する。分析装置1は、評価された紹介妥当性の表示を端末T等に指令する。利用者は、端末T等に表示された紹介妥当性を用いて、紹介者に係る紹介の妥当性を判別し、他の紹介者による仲介を検討するか等を判断する。
【0101】
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態は、上述の第1実施形態において行われる介護施設への入所に係る支援(介護施設紹介サービス)、入院費の支払いに係る支援(入院費保証サービス)その他の退院に関する各種支援の代行によって例示される退院支援代行を行う退院支援代行システムを提供する。
【0102】
<第2実施形態に係る課題>
病院等の医療施設に入院した患者が退院する場合、各種の手続きが生じる。このような手続きとして、例えば、退院時の手続き、退院時の物品整理、退院後に残された残置物の処分、入院費・治療費の精算、退院時の連帯保証人への連絡、退院時の身元引受、退院時の送迎手配等が挙げられる。また、高齢者等の患者が退院する場合、退院時の手続きとして、退院後に入所する介護施設の検討、介護施設への入所手続き、介護施設への入所手続きに係る連帯保証人の手配、緊急時対応の準備等が生じ得る。加えて、高齢者等の患者が退院に伴って介護施設に居所を移す場合、不動産・相続等に関する手続き、空き家管理に関する手続き、家財整理、それまでの居所の清掃、遺言等のいわゆる終活に関する準備等が生じ得る。高齢者等の患者の退院においては、法定後見制度に係る手続き等も必要となり得る。
【0103】
傷病からある程度回復してようやく退院できるようになった患者は、これらの複雑な手続き等を行う上で困難を覚え得る。患者が縁者・知人等の支援を得てこれらの複雑な手続きを行えることが好ましいものの、これらの複雑な手続きを支援する縁者・知人等が患者の近くにいない等の事情がある場合もあり得る。そこで、退院に係る各種手続き等に係る支援を患者及び患者の家族等に代わって行う退院支援代行手段が求められている。
【0104】
特許文献1の技術は、生成されたケアプランの内容の詳細な比較検討等を介して介護施設を被介護者自らが選択することを可能とし得るにとどまる。よって、特許文献1の技術は、入院費の支払いに係る支援(入院費保証サービス)によって例示される、介護施設以外の手続き等に係る支援を行う点において、さらなる改良の余地がある。
【0105】
本発明の第2実施形態の目的は、介護施設への入所に係る支援に限定されない、入院患者の退院に伴う各種手続き等を支援する手段を提供することである。
【0106】
<第2実施形態における解決手段>
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、入院患者の入院情報等に基づいて、入院患者の退院に伴う各種手続きに伴う通知・依頼を自動送信するようサーバを構成することにより、退院支援代行サービスの管理を当該サーバにより支援できることを見出した。そして、本発明者らは、本発明の第2実施形態を完成させるに至った。具体的に、本発明の第2実施形態は以下のものを提供する。
【0107】
本発明の第2実施形態は、少なくとも管理サーバ2を含む退院支援代行システムを提供する。本発明の第2実施形態において、退院支援代行システムに係る対象者は、医療施設に入院した患者である。本発明の第2実施形態における管理サーバ2は、前記対象者の前記入院に係る連帯保証人及び入院費保証サービス加入状況を含む入院情報を取得する入院情報取得部211と、前記対象者に入院費の請求を通知する請求通知部216と、前記入院費の支払状況を取得する支払状況取得部217と、前記通知後に、前記入院情報及び前記支払状況に基づいて、連帯保証人がいる前記対象者が前記入院費を支払っていない場合に前記入院費の少なくとも一部を前記連帯保証人から回収する回収依頼を弁護士に送信する回収依頼部218と、前記通知後に、前記入院情報及び前記支払状況に基づいて、連帯保証人がいない前記対象者であって、前記入院費保証サービスに加入している前記対象者が前記入院費を支払っていない場合に前記入院費の少なくとも一部を前記医療施設に支払う入院費保証部219と、を備える。また、本発明の第2実施形態における退院支援代行システムは、第1実施形態の分析装置1又は当該分析装置1に基づく分析装置1をさらに含んで構成されることが好ましい。
【0108】
<第2実施形態がもたらす効果>
入院患者の退院に伴う各種手続きは、退院費、治療費等の入院費の支払いを含む。しかしながら、傷病によって入院した患者は、身体的能力、認知能力等が十分でない場合があり得る。特に、入院患者が高齢者である場合、身体的能力、認知能力等が十分でないことがよりいっそう懸念される。これらの場合には、患者自身が入院費の支払いに係る手続きを確実に行えないことが懸念される。
【0109】
管理サーバ2は、上述の構成により、入院患者が入院費を支払わない場合に医療施設が入院費の少なくとも一部を受け取れるようにする入院費保証サービスの管理を支援できる。具体的に、管理サーバ2は、入院情報取得部211により、入院に係る連帯保証人及び入院費保証サービス加入状況を含む入院情報を取得し、患者の連帯保証人の情報・入院費保証サービス加入状況を管理できる。そして、管理サーバ2は、請求通知部216により、入院費の請求を自動的に通知する。そして、管理サーバ2は、入院費が未払である場合に、連帯保証人、入院費保証サービス加入の有無によって異なる手順で、入院費の少なくとも一部が医療施設に支払われるようにする。より詳細には、連帯保証人がいる場合には、入院費の少なくとも一部を連帯保証人から回収するよう依頼し、連帯保証人がおらず、入院費保証サービスに加入している場合には、当該サービスにより入院費の少なくとも一部が医療施設に支払われるようにする。これにより、退院支援代行システムは、連帯保証人の有無によらず、入院費が全額未払いとなることを防ぐ。
【0110】
また、退院支援代行システムは、分析装置1を含んで構成されることにより、退院する患者に対し、希望に対して適切な介護施設の判別、介護施設の紹介に係る妥当性等を判断できるよう支援できる。すなわち、退院支援代行システムは、退院する患者に適切な介護施設を紹介する介護施設紹介サポートを行える。
【0111】
以上より、第2実施形態の退院支援代行システムは、介護施設への入所に係る支援に限定されない、入院患者の退院に伴う各種手続きを支援する手段を提供できる。
【0112】
以下は、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0113】
<システムS>
図9は、第2実施形態のシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。第2実施形態のシステムSは、少なくとも、退院支援代行サービスに係る管理を行う管理サーバ2を含んで構成される。「第2実施形態のシステムS」は、以下、単に「システムS」とも称される。システムSは、ネットワークNを介して管理サーバ2と通信可能な端末Tをさらに含んで構成されることが好ましい。システムSは、分析装置1をさらに含んで構成されることが好ましい。
【0114】
〔分析装置1〕
第2実施形態の分析装置1は、第1実施形態の分析装置1と同様でよい。以下は、分析装置1のソフトウェア構成要素の説明を補足するものである。
【0115】
(適合度算出部112)
上述の通り、適合度算出部112は、対象者と介護施設との適合度を算出する処理を実行する。当該処理は、例えば、対象者情報に含まれる各情報と、介護施設情報に含まれる対応する各情報とが一致又は類似する割合に基づいて適合度を算出する手順を含む。
【0116】
上述の通り、適合度算出部112は、適合度に係る機械学習が行われた適合度ニューラルネットワークを用いて適合度を算出してもよい。適合度ニューラルネットワークは、例えば、対象者情報に含まれる各情報及び介護施設情報に含まれる対応する各情報を説明変数として含み、適合度を目的変数として含む学習データを用いた機械学習が行われたニューラルネットワークである。
【0117】
(分析部115)
上述の通り、分析部115は、適合度比較部114による入所先適合度と至適適合度との比較に基づいて、入所の妥当性を分析する。ここで、上述の通り、至適適合度は、対象者に対する介護施設の適合度が最も高い至適施設に係る適合度である。すなわち、分析部115は、対象者と対象者が入所した入所先との適合度である入所先適合度を、対象者と介護施設との適合度が最も高くなる場合の適合度である至適適合度と比較し、入所の妥当性を分析する。当該比較は、例えば、至適適合度と入所先適合度との大小関係を求める比較、至適適合度に対する入所先適合度の割合を求める比較、至適適合度と入所先適合度との差を求める比較等を含む。
【0118】
(評価部116)
上述の通り、評価部116は、紹介者が過去に入所先施設を紹介した1以上の対象者それぞれについての入所妥当性に係る統計値を紹介者ごとに算出し、当該統計値に基づいて紹介者による入所先施設の紹介の妥当性である紹介妥当性を評価する。この統計値は、例えば、平均値、中央値、平均値と分散との組合せ、中央値と第1四分点及び第3四分点との組合せ等のデータの分布範囲を示す統計値であることが好ましい。また、この統計値は、最大値、最小値等を含んでもよい。紹介者が関係する入所先施設を紹介した場合に生じ得る評価のバイアスを除くべく、評価部116は、紹介者が、介護施設を運営する事業者とは異なる入所先施設を紹介した場合に限定した統計値を算出し、当該統計値に基づいて紹介妥当性を評価することが好ましい。
【0119】
上述の通り、評価部116は、紹介妥当性に係る機械学習が行われた適合度ニューラルネットワークを用いて適合度を算出してもよい。適合度ニューラルネットワークは、例えば、紹介者ごとの入所妥当性に係る統計値を説明変数として含み、紹介妥当性を目的変数として含む学習データを用いた機械学習が行われたニューラルネットワークである。
【0120】
〔管理サーバ2〕
管理サーバ2は、入院患者の入院情報等に基づいて、入院患者の退院に伴う各種手続きに伴う通知・依頼を自動送信するサーバである。管理サーバ2は、サーバ制御部21、サーバ記憶部22、サーバ通信部23等を備える。
【0121】
[サーバ制御部21]
サーバ制御部21のハードウェア構成は、分析装置1の制御部11と同様でよい。サーバ制御部21は、必要に応じてサーバ記憶部22及び/又はサーバ通信部23と協働する。そして、サーバ制御部21は、管理サーバ2で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、入院情報取得部211、身元保証依頼部212、サービス提供者管理部213、サービス手配依頼受信部214、サービス提供依頼部215、請求通知部216、支払状況取得部217、回収依頼部218、入院費保証部219等を実現する。本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素それぞれが提供する機能は、後述する管理処理の好ましい流れの説明において示される。
【0122】
[サーバ記憶部22]
サーバ記憶部22のハードウェア構成は、分析装置1の記憶部12と同様でよい。サーバ記憶部22には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、入院情報データベース221、サービス提供者データベース222等が記憶されている。
【0123】
(入院情報データベース221)
入院情報データベース221には、入院患者である対象者の入院に係る連帯保証人及び入院費保証サービス加入状況を含む入院情報が格納される。入院情報は、入院情報を識別する入院情報IDと、対応する入院情報とが関連付けて格納されることが好ましい。これにより、管理サーバ2は、入院情報IDを用いて入院情報を管理できる。また、入院情報は、入院費の支払状況を含むことが好ましい。
【0124】
連帯保証人がいない対象者の身元保証を管理サーバ2が管理すべく、入院情報は、身元保証に関する情報を含むことが好ましい。身元保証に関する情報は、例えば、身元保証会社との契約内容等を含む。退院時の手続き、退院するときに受けるサービスの手配に活用すべく、入院情報は、対象者リスト121で説明した対象者情報に含まれる各種情報の一部又は全部が含まれることが好ましい。
【0125】
退院時の手続きを管理サーバ2が管理すべく、入院情報は、退院時の手続きの状況に関する情報を含むことが好ましい。退院時の手続きは、例えば、医療施設に提出する書類等に係る手続き、退院時の物品整理、退院後に残された残置物の処分、入院費・治療費の精算、退院時の連帯保証人への連絡、緊急時の駆けつけ・付き添いの手配、退院時の身元引受、退院時の送迎手配等である。当該状況は、当該手続きに関する依頼、当該依頼への対応状況等を含むことが好ましい。これにより、システムSは、当該情報を用いて、これらの手続きの支援代行を管理できる。よって、システムSは、入院患者である対象者が退院するときに必要とする各種手続きの支援代行の提供を支援できる。なお、退院後に残された残置物の処分は、残置物を郵便、宅配便等で送る手順を含むことが好ましい。
【0126】
対象者が医療施設から退院するときに受けるサービスの手配を管理サーバ2が管理すべく、入院情報は、サービス手配依頼、サービス手配依頼に係るサービスの状況等に係る情報であるサービス情報を含むことが好ましい。なお、「サービス手配依頼」は、医療施設から退院するときに受けるサービスを手配するようにとの依頼を指す。上述のサービスは、例えば、介護施設の紹介に係るサービス、不動産・相続・終活に係るサービス、身元保証・信託・後見に係るサービス等の1以上を含む。これにより、システムSは、当該情報を用いて、これらのサービスに係る手配の支援代行を管理し、その提供を支援できる。すなわち、システムSは、入院患者である対象者が退院するときに必要とする各種のサービスの手配を代行し、その提供を支援できる。
【0127】
介護施設の紹介に係るサービスは、例えば、分析装置1等を用いた検討により対象者の希望に沿った介護施設の候補を挙げるサービス、対象者が当該候補を見学する際に同行するサービス、当該見学等を経て対象者が入所を希望することとなった介護施設への入所手続きを代行するサービス、入所手続きに必要な書類・物品等(例えば、住民票、印鑑証明等)の準備を支援するサービス、当該入所に係る連帯保証をサポートするサービス、緊急時に当該介護施設へ駆けつけて対応するサービス等の1以上を含む。上述のサービスに係る情報が入院情報に含まれることにより、システムSは、当該情報を用いて、これらのサービスの手配に係る支援代行を管理し、その提供を支援できる。すなわち、システムSは、上述のサービスの提供を支援し、入院患者である対象者に対し、介護施設選定から入所までのプロセスを支援できる。これにより、システムSは、対象者に安心感を提供し、病状に集中する環境を整える。また、システムSは、介護施設選択の際の精神的及び時間的負担の軽減、入所手続きの容易化に貢献し、緊急事態発生時の迅速な対応により、対象者等の不安を緩和できる。
【0128】
不動産・相続・終活に係るサービスは、例えば、不動産の売却、賃貸相談、空き家管理、家財整理、家屋の清掃、相続、遺言、終活、生前対策等に関するサービスの1以上を含む。生前対策は、例えば、相続トラブル対策、節税対策、納税資金対策、認知症対策等である。対象者は、入院中であるため、これらの事項を自ら行うことには相当な困難が伴う。上述のサービスに係る情報が入院情報に含まれることにより、システムSは、当該情報を用いて、これらのサービスの手配に係る支援代行を管理し、その提供を支援できる。すなわち、システムSは、上述のサービスの提供を支援し、入院患者が療養に専念できる環境を確保し、同時に上記の事項に関する心理的、物理的な負担を軽減することができる。これにより、患者等の安心感が増し、経済的、時間的な効率も向上する。
【0129】
身元保証・信託・後見に係るサービスは、例えば、入院・施設入所時の身元保証、死亡時の手続き代行、退去時の残置物処理、死亡時の遺体引き取り・葬儀手配、退院・退去時の清算代行、任意後見契約書作成、法定後見人契約手続きサポート、金融機関取引代行、各種契約代行、緊急駆けつけ等の1以上を含む。対象者は、連帯保証人になってくれる者等の身寄りがいない入院患者である場合、これらの事項を代行する者を自ら探すことには相当な困難が伴う。上述のサービスに係る情報が入院情報に含まれることにより、システムSは、当該情報を用いて、これらのサービスの手配に係る支援代行を管理し、その提供を支援できる。すなわち、システムSは、上述のサービスの提供を支援し、身寄りがいない入院患者が療養に専念できる環境を確保し、同時に上記の事項に関する心理的、物理的な負担を軽減することができる。
【0130】
図10は、入院情報データベース221の一例である。当該例には、入院情報ID「H0001」と、対象者「鈴木 大地」、連帯保証人「鈴木 空」、入院費保証サービス加入状況「なし」、入院費の支払状況「支払済」、サービス情報「生前対策希望(△△社に依頼中)」等の情報を関連付けた入院情報と、を関連付けたデータが格納されている。また、当該例には、入院情報ID「H0002」と、対象者「山田 太郎」、連帯保証人「山田 花子」、入院費保証サービス加入状況「なし」、入院費の支払状況「未払い10万円」、サービス情報「介護施設の斡旋希望(△△老人ホームを紹介)」等の情報を関連付けた入院情報と、を関連付けたデータが格納されている。加えて、当該例には、入院情報ID「H0003」と、対象者「佐藤 よし子」、連帯保証人「なし」、入院費保証サービス加入状況「加入済」、入院費の支払状況「未払い10万円」、サービス情報「自宅への送迎希望(△△タクシーに依頼中)、終活相談希望(△△社に依頼中)」等の情報を関連付けた入院情報と、を関連付けたデータが格納されている。
【0131】
入院情報データベース221に上述の情報が格納されることにより、管理サーバ2は、入院費が未払いである患者(「山田 太郎」「佐藤 よし子」)に係る、入院費の少なくとも一部が医療施設に支払われるようにする退院支援代行サービスの提供を管理できる。具体的に、管理サーバ2は、連帯保証人の有無、入院費保証サービスへの加入の有無を参照し、連帯保証人からの回収、入院費保証サービスからの支払いに係る依頼等を自動送信できる。
【0132】
(サービス提供者データベース222)
サービス提供者データベース222には、医療施設から退院するときに受けるサービスの種類と、当該サービスを提供する提供者とを関連付けたデータであるサービス提供者データが格納される。これにより、管理サーバ2は、対象者が医療施設から退院するときに受けるサービスを手配するようにとの依頼(サービス手配依頼)について、当該依頼にサービスを提供する提供者を判別できる。
【0133】
当該サービスは、特に限定されない。当該サービスは、例えば、入院情報データベース221において列挙した各種サービスでよい。サービス手配依頼の送信を適切に進めるべく、サービス提供者データは、提供者の連絡先、当該提供者に送信するサービス手配依頼のテンプレート、入院情報のうち当該提供者に送る情報の種類等をさらに含むことが好ましい。サービス提供者データは、サービス提供者データを識別する提供者IDと、対応するサービス提供者データとが関連付けて格納されることが好ましい。これにより、管理サーバ2は、提供者IDを用いてサービス提供者データを管理できる。
【0134】
図11は、サービス提供者データベース222の一例である。当該例には、提供者ID「P0001」と、サービスの種類「介護施設紹介」と、当該サービスを提供する提供者「△△コンシェルジュ」と、を関連付けたサービス提供者データが格納されている。また、当該例には、提供者ID「P0002」と、サービスの種類「相続、終活、生前対策」と、当該サービスを提供する提供者「△△社」と、を関連付けたサービス提供者データが格納されている。また、当該例には、提供者ID「P0003」と、サービスの種類「身元保証、信託、後見」と、当該サービスを提供する提供者「△△ネット」と、を関連付けたサービス提供者データが格納されている。また、当該例には、提供者ID「P0004」と、サービスの種類「不動産」と、当該サービスを提供する提供者「△△不動産」と、を関連付けたサービス提供者データが格納されている。また、当該例には、提供者ID「P0005」と、サービスの種類「家財整理、清掃」と、当該サービスを提供する提供者「△△整理」と、を関連付けたサービス提供者データが格納されている。また、当該例には、提供者ID「P0006」と、サービスの種類「送迎」と、当該サービスを提供する提供者「△△タクシー」と、を関連付けたサービス提供者データが格納されている。
【0135】
サービス提供者データベース222に上述の情報が格納されることにより、管理サーバ2は、生前対策、介護施設紹介、送迎、終活相談等の各種サービスの手配が依頼された場合に、「△△社」、「△△コンシェルジュ」、「△△タクシー」、「△△社」等の適切なサービス提供者を判別し、サービス提供依頼を当該提供者に送信できる。
【0136】
[サーバ通信部23]
サーバ通信部23は、分析装置1の通信部13と同様でよい。サーバ通信部23は、管理サーバ2をネットワークNに接続して端末T等と通信可能にする
【0137】
〔端末T〕
第2実施形態の端末Tは、第1実施形態の端末Tと同様でよい。第2実施形態の端末Tは、入院情報、サービス手配依頼等を入力可能な入力部(図示せず)と入院費の請求に係る通知等を表示可能な表示部(図示せず)とを少なくとも備える。
【0138】
〔ネットワークN〕
第2実施形態のネットワークNは、第1実施形態のネットワークNと同様でよい。第2実施形態のネットワークNは、管理サーバ2及び端末T等を互いに通信可能にする。
【0139】
〔管理処理のメインフローチャート〕
図12は、第2実施形態の管理サーバ2で実行される退院支援代行処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図13は、図12に続く図である。図14は、図13に続く図である。図15は、図14に続く図である。以下は、図12から図15を用いた、第2実施形態の管理サーバ2で実行される退院支援代行処理の好ましい流れの一例である。
【0140】
[ステップS101:入院情報を取得するか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、入院情報取得部211を実行する。そして、サーバ制御部21は、入院情報取得部211により、入院情報を取得するか判別する処理を実行する(ステップS101、入院情報取得判別ステップ)。取得すると判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS102に移す。取得すると判別しなかったならば、サーバ制御部21は、処理をステップS105に移す。
【0141】
入院情報取得判別ステップにおいて入院情報を取得するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末Tから入院情報を受信した場合に入院情報を取得すると判別する手順を含む。また、当該手順は、例えば、医療施設又は医療施設にデータ管理を委託されたデータ管理者のいずれかにおいて入院情報を管理する装置から入院情報を受信した場合に入院情報を取得すると判別する手順を含む。
【0142】
[ステップS102:入院情報を取得]
サーバ制御部21は、入院情報取得部211により、入院情報を取得する処理を実行する(ステップS102、入院情報取得ステップ)。サーバ制御部21は、処理をステップS103に移す。
【0143】
入院情報取得ステップに係る入院情報は、少なくとも、入院患者である対象者の入院に係る連帯保証人及び入院費保証サービス加入状況を含む。入院情報は、その他、入院情報データベース221に示された各種情報を含むことが好ましい。
【0144】
管理処理は、対象者に連帯保証人がいない場合に、対象者の身元保証を手配する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS103からステップS104は、当該処理の一例である。
【0145】
[ステップS103:連帯保証人がいるか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、身元保証依頼部212を実行する。そして、サーバ制御部21は、身元保証依頼部212により、入院情報取得ステップで取得された入院情報に基づいて、対象者に連帯保証人がいるか判別する処理を実行する(ステップS103、連帯保証人有無判別ステップ)。いると判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS104に移す。いると判別しなかったならば、サーバ制御部21は、処理をステップS105に移す。
【0146】
[ステップS104:身元保証依頼を送信]
サーバ制御部21は、身元保証依頼部212により、サービス提供者データベース222を参照することで判別された身元保証を行う身元保証会社に、対象者の身元を保証する身元保証依頼を送信する処理を実行する(ステップS104、身元保証依頼ステップ)。サーバ制御部21は、処理をステップS105に移す。身元保証依頼ステップは、入院費保証サービスへの加入依頼を患者又は患者への連絡を仲立ちするスタッフに通知する手順を含むことが好ましい。
【0147】
管理処理は、サービス提供者データを管理し、サービス手配依頼を受信した場合に、当該データに基づいて判別されたサービス提供者に当該サービスを提供するよう依頼する一連の処理を含むことが好ましい。ステップS105からステップS108は、当該処理の一例である。
【0148】
なお、当該処理に係る「サービス」は、医療施設に入院した患者に関して行われるサービスであれば、特に限定されず、例えば、退院支援代行サービスに係る各種サービスである。退院支援代行サービスに係る各種サービスは、入院情報データベース221の説明における例示の通りである。
【0149】
[ステップS105:サービス提供者データを更新するか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、サービス提供者管理部213を実行する。そして、サーバ制御部21は、サービス提供者管理部213により、サービス提供者データを更新するか判別する処理を実行する(ステップS105、提供者データ更新判別ステップ)。更新すると判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS106に移す。更新すると判別しなかったならば、サーバ制御部21は、処理をステップS107に移す。
【0150】
提供者データ更新判別ステップにおいてサービス提供者データを更新するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、端末Tからサービス提供者データを受信した場合にサービス提供者データを更新すると判別する手順を含む。また、当該手順は、例えば、医療施設又は医療施設に退院支援代行サービスを委託された業者においてサービス提供者データを管理する装置からサービス提供者データを受信した場合にサービス提供者データを更新すると判別する手順を含む。
【0151】
[ステップS106:サービス提供者データを更新]
サーバ制御部21は、サービス提供者管理部213により、サービス提供者データを更新する処理を実行する(ステップS106、サービス提供者データ更新ステップ)。サーバ制御部21は、処理をステップS107に移す。
【0152】
サービス提供者管理部213により管理されるサービス提供者データは、少なくとも、医療施設から退院するときに受けるサービスの種類と、当該サービスを提供する提供者とを関連付けたデータを含む。
【0153】
[ステップS107:サービス手配依頼を受信したか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、サービス手配依頼受信部214を実行する。そして、サーバ制御部21は、サービス手配依頼受信部214により、サービス手配依頼を受信したか判別する処理を実行する(ステップS107、サービス手配依頼受信ステップ)。受信したと判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS108に移す。受信したと判別しなかったならば、サーバ制御部21は、処理をステップS109に移す。
【0154】
サービス手配依頼受信におけるサービス手配依頼の送信元は、特に限定されない。当該送信元は、例えば、端末T、医療施設が管理する装置、及び医療施設に退院支援代行サービスを委託された業者が管理する装置等の1以上を含む。サービス手配依頼受信は、退院支援代行サービスに係るスタッフが対象者の悩みごとをヒアリングし、当該ヒアリングに基づいて送信したサービス手配依頼の受信を含むことが好ましい。これにより、当該スタッフがサービス完了までの窓口を担う退院支援代行サービスが実現される。
【0155】
[ステップS108:サービス提供依頼を送信]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、サービス提供依頼部215を実行する。そして、サーバ制御部21は、サービス提供依頼部215により、サービス手配依頼受信ステップに係るサービス手配依頼について、サービス提供者データに基づいて、サービス手配依頼に係るサービスを提供する提供者に、サービス提供依頼を送信する処理を実行する(ステップS108、サービス提供依頼ステップ)。サーバ制御部21は、処理をステップS109に移す。
【0156】
サービス提供依頼ステップにおいて、サービス手配依頼に係るサービスを提供する提供者は、サービス提供者データベース222に格納されたサービス提供者データを参照することで判別される。サービス提供依頼ステップは、当該依頼に係る手数料に応じたポイントを医療施設等に付与する手順を含むことが好ましい。当該ポイントは、例えば、カタログギフト等と引き換えることができる。これにより、管理サーバ2は、退院支援代行サービスの利用及び当該サービスを委託する動機を与えることができる。
【0157】
[ステップS109:入院費の請求を通知するか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、請求通知部216を実行する。そして、サーバ制御部21は、請求通知部216により、入院費の請求を通知するか判別する処理を実行する(ステップS109、請求通知判別ステップ)。通知すると判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS110に移す。通知すると判別しなかったならば、サーバ制御部21は、処理をステップS111に移す。
【0158】
請求通知判別ステップにおいて入院費の請求を通知するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、入院情報データベース221に、請求に係る情報が登録されたと判別された場合に入院費の請求を通知すると判別する手順を含む。当該登録の判別は、登録に伴って実行される通知トランザクションによって行われてもよく、所与のタイミングで定期的に行われる登録検知トランザクションによって行われてもよい。
【0159】
[ステップS110:入院費の請求を通知]
サーバ制御部21は、請求通知部216により、請求通知判別ステップに係る入院費の請求について、入院情報に基づいて判別される対象者に入院費の請求を通知する処理を実行する(ステップS110、請求通知ステップ)。サーバ制御部21は、処理をステップS111に移す。
【0160】
[ステップS111:入院費の支払状況を取得するか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、支払状況取得部217を実行する。そして、サーバ制御部21は、支払状況取得部217により、入院費の支払状況を取得するか判別する処理を実行する(ステップS111、支払状況取得判別ステップ)。取得すると判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS112に移す。取得すると判別しなかったならば、サーバ制御部21は、処理をステップS101に戻し、ステップS101からステップS117の処理を繰り返す。
【0161】
支払状況取得判別ステップにおいて入院費の支払状況を取得するか判別する手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、定期的に設けられた所与のタイミング以降において当該支払状況が未取得であれば支払状況を取得すると判別する手順、管理サーバ2の利用者からの指示があった場合に支払状況を取得すると判別する手順、請求通知ステップが特定の対象者に通知した回数が所与の回数(例えば、3回)に達した場合に支払状況を取得すると判別する手順等を含む。
【0162】
[ステップS112:入院費の支払状況を取得]
サーバ制御部21は、支払状況取得部217により、対象者について、入院情報データベース221等から入院費の支払状況を取得する処理を実行する(ステップS112、支払状況取得ステップ)。サーバ制御部21は、処理をステップS113に移す。
【0163】
[ステップS113:入院費が未払いであるか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、支払状況取得ステップで取得された支払状況に基づいて、入院費が未払いであるか判別する処理を実行する(ステップS113、未払判別ステップ)。未払いであると判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS114に移す。未払いであると判別しなかったならば、サーバ制御部21は、処理をステップS101に戻し、ステップS101からステップS117の処理を繰り返す。
【0164】
[ステップS114:連帯保証人がいるか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、回収依頼部218を実行する。そして、サーバ制御部21は、回収依頼部218により、支払状況取得ステップで取得された支払状況と対応する入院情報に基づいて、対象者に連帯保証人がいるか判別する処理を実行する(ステップS114、連帯保証人判別ステップ)。いると判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS115に移す。いると判別しなかったならば、サーバ制御部21は、処理をステップS116に移す。
【0165】
[ステップS115:回収依頼を送信]
サーバ制御部21は、回収依頼部218により、未払判別ステップに係る対象者について、当該対象者が支払うべき入院費の少なくとも一部を当該対象者の連帯保証人から回収する回収依頼を弁護士に送信する処理を実行する(ステップS115、回収依頼ステップ)。サーバ制御部21は、処理をステップS101に戻し、ステップS101からステップS117の処理を繰り返す。
【0166】
回収依頼ステップにおける「当該対象者が支払うべき入院費の少なくとも一部」の金額は、特に限定されない。当該金額は、例えば、当該入院費の全額でもよく、全額より少ない額でもよい。回収依頼ステップにおいて回収された入院費から弁護士への報酬(例えば、回収額の35%)を引いた額が退院支援代行サービスの運営者に支払われる。退院支援代行サービスの運営者は、当該運営者への報酬(例えば、回収額の10%)を引いた額を医療施設に支払う。
【0167】
[ステップS116:入院費保証サービスに加入しているか判別]
サーバ制御部21は、サーバ記憶部22、サーバ通信部23と協働し、入院費保証部219を実行する。そして、サーバ制御部21は、入院費保証部219により、支払状況取得ステップで取得された支払状況と対応する入院情報に基づいて、入院費保証サービスに加入しているか判別する処理を実行する(ステップS116、保証サービス判別ステップ)。加入していると判別したならば、サーバ制御部21は、処理をステップS115に移す。加入していると判別しなかったならば、サーバ制御部21は、連帯保証人がおらず、入院費保証サービスに加入していないことを通知した後に、処理をステップS101に戻し、ステップS101からステップS117の処理を繰り返す。
【0168】
[ステップS117:入院費の少なくとも一部を支払う]
サーバ制御部21は、入院費保証部219により、支払状況取得ステップで取得された支払状況に係る入院費の少なくとも一部を医療施設に支払う処理を実行する(ステップS117、入院費保証ステップ)。サーバ制御部21は、処理をステップS101に戻し、ステップS101からステップS117の処理を繰り返す。
【0169】
入院費保証ステップにおいて入院費の少なくとも一部を医療施設に支払う手順は、特に限定されない。当該手順は、例えば、入院費保証サービスを運営するスタッフに当該支払いを指示する情報を送信する手順、入院費保証サービスの口座から医療施設への振込を電子的な自動手続きで行う手順等を含む。入院費保証ステップにおける「入院費の少なくとも一部」の金額は、特に限定されない。当該金額は、例えば、保証額の上限(例えば、100万円)を限度とする金額であることが好ましい。
【0170】
[入院費支払い支援ステップ]
管理処理は、対象者が入院費を支払うプロセスを支援する入院費支払い支援ステップを含むことが好ましい。当該ステップは、対象者を金融機関まで送迎し、金融機関の口座から入院費を受け取るプロセスを支援するスタッフの手配に係る各種手順を含む。当該手順は、例えば、シフト表に基づく当該スタッフの自動選定、選定されたスタッフへの通知等を含む。これにより、退院支援代行サービスは、入院費を支払うプロセスを自力で行うことに困難がある対象者の入院費支払いを支援できる。
【0171】
<システムSの使用例>
以下、第2実施形態におけるシステムSの使用例が説明される。
【0172】
[入院情報の登録]
退院支援代行システムの利用者は、端末Tを介して、医療施設への入院患者の情報である入院情報を管理サーバ2に送信する。管理サーバ2は、送信されたデータを取得し、入院情報データベース221に登録する。
【0173】
[入院費保証サービスへの加入]
管理サーバ2は、連帯保証人の有無を判別する。そして、管理サーバ2は、連帯保証人がいない場合に、入院費保証サービスへの加入依頼を患者又は患者への連絡を仲立ちするスタッフに通知する。
【0174】
[入院情報の更新]
管理サーバ2は、医療施設又は医療施設にデータ管理を委託されたデータ管理者から提供された情報を用いて、入院情報を更新する。
【0175】
[退院時に行うサービスの手配]
利用者は、端末T等を介して、医療施設から退院するときに受けるサービスを手配するようにとの依頼であるサービス手配依頼を管理サーバ2に送信する。管理サーバ2は、当該依頼を受信する。そして、管理サーバ2は、サービス手配依頼に係るサービスを提供する提供者に、サービスを前記対象者に提供するよう依頼するサービス提供依頼を送信する。これにより、医療施設から退院するときに受ける各種サービスが手配される。
【0176】
患者の便宜を図るため、手配の対象となる各種サービスは、無料で手配される。各種サービスは、退院サポートに係るサービス、介護施設の紹介に係るサービス、不動産・相続・終活に係るサービス、身元保証・信託・後見に係るサービスを含む。これにより、患者は、退院時に焦ることなく、必要なサービスを受けることができる。また、これにより、医療施設は、退院時の業務負荷が軽減されるだけでなく、円滑な退院調整が可能となる。
【0177】
[入院費の保証]
管理サーバ2は、入院費が未払いであるか判別し、未払いである場合に、入院費の保証に関する自動処理を行う。当該自動処理により、患者に連帯保証人がいる場合は、弁護士に連帯保証人からの入院費回収を依頼する回収依頼が送信される。また、当該自動処理により、患者に連帯保証人がおらず、患者が入院費保証サービスに加入している場合は、入院費保証サービスからの入院費支払いが行われるよう自動的に処理される。
【0178】
以上、本発明の好ましい態様の一例が説明された。なお、本発明の思想の範疇において、当業者は、各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、上述の一例と同様に、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものは、本発明の要旨を備えている限り、上述の一例と同様に、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0179】
S システム
1 分析装置
11 制御部
111 対象者情報取得部
112 適合度算出部
113 至適施設判別部
114 適合度比較部
115 分析部
116 評価部
117 収益推定部
12 記憶部
121 対象者リスト
122 介護施設リスト
123 紹介者リスト
13 通信部
2 管理サーバ
21 サーバ制御部
211 入院情報取得部
212 身元保証依頼部
213 サービス提供者管理部
214 サービス手配依頼受信部
215 サービス提供依頼部
216 請求通知部
217 支払状況取得部
218 回収依頼部
219 入院費保証部
22 サーバ記憶部
221 入院情報データベース
222 サービス提供者データベース
23 サーバ通信部
T 端末
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の介護度に係る介護度情報、対象者が必要とする医療サービスに係る医療サービス情報、対象者の住所・居所に係る住所情報、対象者が希望するサービスに係るサービス情報、対象者が希望する費用に係る費用情報、対象者が入所後に受けた医療サービスに係る受診等情報、施設までの移動時間として対象者が希望する移動時間範囲、及び入所に係るケアプランのいずれか一つ以上を含む、介護施設への入所に係る対象者の対象者情報を取得する対象者情報取得部と、
前記対象者情報と介護施設に係る介護施設情報とが一致又は類似する割合に基づいて前記対象者に対する介護施設の適合度を算出する適合度算出部と、
複数の介護施設のうち、前記適合度が最も高い至適施設を判別する至適施設判別部と、
前記至適施設に係る前記適合度である至適適合度と、前記対象者情報と前記対象者が入所した入所先施設に係る入所先情報とが一致又は類似する割合から算出される前記入所先施設の適合度との比較から、前記入所先施設への前記対象者の入所の妥当性である入所妥当性を分析する分析部と
介者が過去に前記入所先施設を紹介した一又は複数の前記対象者それぞれについての前記入所妥当性に係る紹介者ごとの統計値に基づいて前記紹介者による紹介の妥当性である紹介妥当性を評価する評価部と、
を備える、介護施設紹介の分析装置。
【請求項2】
前記評価部は、前記介護施設を運営する介護指定事業者のうち、前記紹介者が関連する前記介護指定事業者とは異なる前記介護指定事業者の入所先施設を前記紹介者が前記対象者に紹介した場合に限定した統計値を算出し、当該統計値に基づいて前記紹介妥当性を評価する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記適合度算出部は、前記対象者に対する算出済みの紹介ごとの介護施設の適合度を教師データとして機械学習が行われたニューラルネットワークを用いて前記対象者に対する未算出の介護施設の適合度を算出する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記評価部によって評価済みである紹介者ごとの紹介妥当性を教師データとして機械学習が行われたニューラルネットワークを用いて紹介者に対する未評価の紹介妥当性を評価する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項5】
管理サーバと、
請求項1に記載の分析装置と、を含んで構成され、
前記対象者は、医療施設に入院した患者であり、
前記管理サーバは、
前記対象者の前記入院に係る連帯保証人及び入院費保証サービスへの加入状況を含む入院情報を取得する入院情報取得部と、
前記対象者に入院費の請求を通知する請求通知部と、
前記入院費の支払状況を取得する支払状況取得部と、
前記通知後に、前記入院情報及び前記支払状況に基づいて、連帯保証人がいる前記対象者が前記入院費を支払っていない場合に前記入院費の少なくとも一部を前記連帯保証人から回収する回収依頼を弁護士に送信する回収依頼部と、
前記通知後に、前記入院情報及び前記支払状況に基づいて、連帯保証人がいない前記対象者であって、前記入院費保証サービスに加入している前記対象者が前記入院費を支払っていない場合に前記入院費の少なくとも一部を前記医療施設に支払う入院費保証部と、
を備える、
退院支援代行システム。
【請求項6】
前記管理サーバは、前記入院情報に基づいて、前記対象者に連帯保証人がいない場合に、前記対象者の身元を保証する身元保証依頼を身元保証会社に送信する身元保証依頼部をさらに備える、請求項に記載の退院支援代行システム。
【請求項7】
前記管理サーバは、
前記医療施設から退院するときに受けるサービスの種類と、当該サービスを提供する提供者とを関連付けたデータを含むサービス提供者データを管理するサービス提供者管理部と、
前記対象者が前記医療施設から退院するときに受けるサービスを手配するようにとの依頼であるサービス手配依頼を受信するサービス手配依頼受信部と、
前記サービス手配依頼を受信した場合に、前記サービス提供者データに基づいて、前記サービス手配依頼に係るサービスを提供する提供者に、前記サービスを前記対象者に提供するよう依頼するサービス提供依頼を送信するサービス提供依頼部と、
をさらに備える、請求項に記載の退院支援代行システム。