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特開2024-119058情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119058
(43)【公開日】2024-09-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240826BHJP
   G06Q 50/22 20240101ALI20240826BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024024714
(22)【出願日】2024-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2023025371
(32)【優先日】2023-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】523062774
【氏名又は名称】竹内 賀一
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】竹内 賀一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】介護等を必要とするユーザが介護等の業務を行う従事者を簡便に見つけることができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶する記憶手段と、従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報をユーザの第1の情報処理端末から受信すると、第1の情報処理端末の位置を特定する位置特定手段と、第1の情報処理端末の位置を基準に近い方から、依頼情報に対応する1人以上の従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する地図作成手段と、作成された従事者地図情報を第1の情報処理端末に送信する通信手段とを有する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶する記憶手段と、
前記従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報をユーザの第1の情報処理端末から受信すると、前記第1の情報処理端末の位置を特定する位置特定手段と、
前記第1の情報処理端末の位置を基準に近い方から、前記依頼情報に対応する1人以上の前記従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する地図作成手段と、
作成された前記従事者地図情報を前記第1の情報処理端末に送信する通信手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記1人以上の前記従事者のうち、前記ユーザによって選択された前記従事者の情報を含む従事者選択情報を前記第1の情報処理端末から受信すると、前記依頼情報、前記第1の情報処理端末の通信アドレスおよび費用の見積もりを依頼する旨の情報を含む見積もり依頼情報を、前記ユーザによって選択された前記従事者の第2の情報処理端末に送信する見積もり要求手段をさらに有し、
前記通信手段は、
前記依頼情報に対応する前記費用の情報を含む作業完了報告を前記第2の情報処理端末から受信すると、前記作業完了報告を前記記憶手段に記憶させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記従事者が介護タクシー事業者である場合、前記依頼情報が補助者の派遣を依頼する旨の情報を含み、前記補助者の募集を依頼する旨の募集依頼情報を前記第2の情報処理端末から受信すると、前記依頼情報を含む募集情報を予め登録された複数の補助者のそれぞれの第3の情報処理端末に送信する適合手段をさらに有し、
前記適合手段は、
前記複数の補助者のうち、前記募集に応募する旨の応募情報を前記第3の情報処理端末から受信すると、前記応募情報の送信元の通信アドレスの情報を含む前記応募情報を前記第2の情報処理端末に送信する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザに対して、前記従事者への依頼ごとに換金可能なポイントを付与する還元手段をさらに有し、
前記記憶手段は、複数の前記ユーザごとに、前記ポイントの還元率および付与される前記ポイントの情報を含むユーザ情報を記憶し、
前記還元手段は、
前記記憶手段によって前記作業完了報告が記憶されると、前記作業完了報告に対応する前記ユーザ情報から前記還元率を読み出し、読み出した前記還元率および前記費用に基づいて前記ユーザ情報に記録された前記ポイントを更新する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザごとに、前記依頼情報を管理する管理手段をさらに有し、
前記記憶手段は、前記依頼情報に対応して、作業を行った前記従事者の情報を含む依頼履歴を前記ユーザごとに記憶し、
前記管理手段は、
前記第1の情報処理端末から前記依頼履歴を要求する旨の履歴要求情報を受信すると、前記記憶手段から前記依頼履歴を読み出して前記第1の情報処理端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザの生体のデータに基づいて前記第1の情報処理端末から接続を要求する旨の情報を含む接続要求情報を受信すると、接続を許可するか否かを判定する判定手段をさらに有し、
前記記憶手段は、前記ユーザの前記生体について予め登録されたデータである登録データを記憶し、
前記判定手段は、
前記第1の情報処理端末から前記ユーザの前記生体のデータを含む接続要求情報を受信すると、前記接続要求情報に含まれる前記生体のデータと前記登録データとが一致していると判定すると、前記接続を許可する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数の従事者ごとに、前記ユーザによる評価の情報を前記記憶手段に記憶させる評価手段をさらに有し、
前記評価手段は、
前記複数の従事者のうち、いずれか1人の前記従事者の前記評価の情報を要求する評価情報要求信号を前記第1の情報処理端末から受信すると、前記記憶手段から前記評価の情報を読み出して前記第1の情報処理端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、
介護タクシーによる搬送対象者の身体の状態に関する情報である身体情報と、
前記搬送対象者の搬送先である施設または前記施設で働く人の第4の情報処理端末の通信アドレスと、を記憶し、
前記通信手段は、
前記第1の情報処理端末から前記施設への前記身体情報の送信を依頼する旨の事前送信依頼情報を受信すると、前記記憶手段から前記身体情報を読み出して前記第4の情報処理端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶する情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報をユーザの第1の情報処理端末から受信すると、前記第1の情報処理端末の位置を特定する位置特定ステップと、
前記第1の情報処理端末の位置を基準に近い方から、前記依頼情報に対応する1人以上の前記従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する地図作成ステップと、
作成された前記従事者地図情報を前記第1の情報処理端末に送信する通信ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項10】
医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶するコンピュータに、
前記従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報をユーザの第1の情報処理端末から受信すると、前記第1の情報処理端末の位置を特定する位置特定ステップと、
前記第1の情報処理端末の位置を基準に近い方から、前記依頼情報に対応する1人以上の前記従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する地図作成ステップと、
作成された前記従事者地図情報を前記第1の情報処理端末に送信する通信ステップと、
を実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を使用した訪問介護サービスにおいて、人材融通マッチングサービスを提供するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-56131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
介護などを必要とするユーザが、介護作業を行う従事者を簡便に利用することができる装置が近年要求されている。しかしながら、この要求に十分にこたえられていない状況であった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、介護等を必要とするユーザが介護等の業務を行う従事者を簡便に見つけることができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶する記憶手段と、
前記従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報をユーザの第1の情報処理端末から受信すると、前記第1の情報処理端末の位置を特定する位置特定手段と、
前記第1の情報処理端末の位置を基準に近い方から、前記依頼情報に対応する1人以上の前記従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する地図作成手段と、
作成された前記従事者地図情報を前記第1の情報処理端末に送信する通信手段と、
を有する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、介護等を必要とするユーザが介護等の業務を行う従事者を簡便に見つけることができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】民間の搬送サービスを利用する搬送対象者の一例を示す図である。
図2】本実施形態の民間介護システムを利用して搬送を依頼する場合の3つの方法を示す図である。
図3】本実施形態の民間介護システムが運営するウェブサイトのツリー構造の一例を示す図である。
図4】本実施形態の民間介護システムによる、ユーザ、看護師および介護タクシー事業者のマッチングを説明するための図である。
図5】本実施形態の民間介護システムによる、ユーザ、看護師および介護タクシー事業者のマッチングを説明するための別の図である。
図6】本実施形態に係る民間介護システムのシステム構成の概要を示す図である。
図7】サーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図8】サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図9】ユーザからの相談・見積もり依頼一覧の画像例を示す図である。
図10】介護タクシー事業者から提示される見積もりの一覧の画像例を示す図である。
図11】搬送の予約状況一覧の画像例を示す図である。
図12】成果報告一覧の画像例を示す図である。
図13】架電完結型の依頼状況一覧の画像例を示す図である。
図14】求人一覧の画像例を示す図である。
図15】求人に対する応募者一覧の画像例を示す図である。
図16】応募者に対する内定の報告一覧の画像例を示す図である。
図17】ユーザと介護タクシー事業者との間で送受信されたメッセージの一覧の画像例を示す図である。
図18】介護タクシー事業者に対する評価一覧の画像例を示す図である。
図19】ユーザ端末2の一構成例を示すブロック図である。
図20】本実施形態に係る情報処理装置がユーザから搬送依頼を受け付ける動作の手順の一例を示すフローチャートである。
図21】本実施形態に係る民間介護システムの基本動作の手順の一例を示すシーケンス図である。
図22】ユーザ端末2が表示する事業者地図情報の画像の一例を示す図である。
図23図22に示す事業者地図情報の画像の一部を拡大した場合の画像の一例を示す図である。
図24】本実施形態に係る民間介護システムにおける別の動作手順の一例を示すシーケンス図である。
図25】本実施形態の民間介護システムによる種々のマッチングを模式的に示す図である。
図26】本実施形態に係る民間介護システムにおける別のマッチングを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
<概要>
本実施形態の民間介護システムについて、図面を参照して説明する。図1図5は、本実施形態に係る情報処理装置が適用される民間介護システムの事例を説明するための図である。本実施形態では、医療、介護および葬儀に関する作業を行う従事者のうち、従事者が介護タクシー事業者の場合で説明する。はじめに、本実施形態の民間介護システムが解決すべき従来の課題について説明する。
【0010】
民間救急車を含む介護タクシーによる搬送を必要とする人は、全国で、高齢者、病人、傷病人、障害者および精神疾患者などの人がいる。図1は、民間の搬送サービスを利用する搬送対象者の一例を示す図である。介護タクシーは、身体の不自由な方などにとって、長い距離の移動手段として、必要不可欠である。
従来、介護タクシーによる搬送サービスを提供する多くの介護タクシー事業者は、一般社団法人などの団体に所属し、搬送業務を行っている。このような団体は、利用者から主に電話で搬送依頼を受け付けていた。電話一本で搬送依頼を受け付けられるので、団体に所属せず、単独で搬送業務を行う介護タクシー事業者もある。しかし、単独の介護タクシー事業者は、資金に余裕がないため営業力が弱く、安定して業務を続けることが難しい。そのため、単独の介護タクシー事業者の中には、結局、やむを得ず団体に所属する事業者もある。
しかし、上記団体は、株式会社組織ではないため、所属する事業者間で不公平感が高く、事業の運営方針がまとまらない傾向がある。団体に所属するために、事業者に加盟金や会費を課す団体もある。
【0011】
社会状況においては、2020年から数年続いた新型ウィルス禍により民間救急車の需要が多くても民間救急車の供給が追いつかず、民間救急車の少なさが顕在化した。さらに、近年、119番通報による救急搬送の課題が深刻になっている。全搬送数(620万件)のうち、48%が軽傷者の搬送である。ある救命士の話によると、搬送対象者の8~9割が軽傷者であり、緊急を要するものではなかった。今後、搬送に介護専用の車両が必要だが緊急性が低い場合には、救急車ではなく、民間の介護タクシーを利用することを政府が推奨すると、介護タクシーの利用者数は驚異的に増加する可能性がある。
【0012】
次に、介護タクシーの利用者側から見た民間介護搬送サービスの課題を説明する。介護タクシーの利用者は、介護タクシーを依頼する際、直接、介護タクシー事業者または介護タクシーの運転手に電話で連絡をして予約していた。
搬送対象者が通院をしている場合、利用者は、開院している時間帯に介護タクシーに搬送を依頼する。開院時間は、月曜日から金曜日の午前および午後のそれぞれの3~5時間と、土曜日の午前中の時間帯ぐらいしかないことが多い。そのため、介護タクシーの利用が開院時間帯に集中し、介護タクシーの供給が追い付かないことがある。
また、一般的に、搬送対象者は高齢の方が多く、高齢の方は情報処理装置の操作に不慣れという先入観があるため、介護タクシー事業者は、ウェブサイトで搬送予約を行うようなIT化を進めていない。そのため、介護タクシーを予約する専用のウェブサイトが提供されていない。
結局、利用者は、搬送依頼する際、電話だけに頼らざるを得ず、過去に利用したことのある介護タクシー事業者に電話をかけ、その事業者が搬送依頼を受け付けられない場合、別の介護タクシー事業者を探さなければならない。利用者は、搬送依頼を受け付けてくれる介護タクシー事業者を見つけても、事業者の住所が自宅から遠いと、搬送費用が高くなってしまう場合がある。さらに、多少サービスの質が悪くても、利用者は搬送依頼を受け付けてくれる介護タクシー事業者に依頼せざるを得ない。
【0013】
また、高齢の方が転倒して骨折等の怪我をした場合、急遽、自宅に介護ベッドが必要になるが、その家族は、介護保険による費用補助を受け取る前に、高額な介護ベッドを購入しなければならないことがある。さらに、高齢の方に限らず、国内または海外で大事故に遭って脊髄損傷などの大けがをした場合、介護タクシーを利用した自宅への搬送は高額になる。大けがをした人を長距離搬送するケースは頻度が少ないため、長距離搬送にかかる費用に関する情報の公開は、インターネットのウェブサイト上でも少なすぎる。
社会状況においては、2025~2047年の高齢化社会に向け、今後、介護タクシーの需要が増大するため、利用者は搬送予約を取ることがますます困難になる。
【0014】
上述した課題に対して、スマートフォン等の情報処理装置を難なく使いこなせる年代の方が、今後、高齢化するので、介護タクシーの搬送予約処理にIT化が進むことが予測される。また、現在においても、搬送依頼をする人は、搬送対象者自身ではなく、情報処理装置を使いこなせるソーシャルワーカー、看護師、または搬送対象者の家族であることが多い。
そこで、本実施形態の民間介護システムは、搬送依頼をする人と介護タクシー事業者とが情報交換できるウェブサイトを設け、搬送を依頼する人と介護タクシー事業者とをマッチングさせる。これにより、介護タクシー事業者が搬送依頼を効率よく受け付けられるようになる。本実施形態の民間介護システムは、介護タクシー事業者に対して、加盟金や会費を必要としない。介護タクシー事業者は、本実施形態の民間介護システムへの登録も、登録抹消も自由にできる。
【0015】
本実施形態の民間介護システムの利用者は、搬送を依頼する人および搬送を請け負う介護タクシー事業者の2者であるが、混乱を避けるため、以下では、搬送を依頼する人を「ユーザ」と称する。また、介護タクシー事業者を単に「事業者」と称する場合もある。
【0016】
図2は、本実施形態の民間介護システムを利用して搬送を依頼する場合の3つの方法を示す図である。図2に示すように、利用方法は、「050で依頼」、「一括見積メール」および「相談窓口」の3つがある。「050で依頼」は、ユーザがIP(Internet Protocol)電話の「050」で始まる電話にかけて、口頭で搬送を依頼する方法である。一括見積メールは、ユーザが情報処理端末をサーバに通信接続し、ウェブサイトで搬送依頼を行う方法である。相談窓口は、ユーザが、相談窓口専用の電話番号に電話をかけてコンシェルジュに相談する、またはウェブページで搬送に関する相談内容を入力する方法である。
【0017】
本実施形態の民間介護システムに登録された介護タクシー事業者に「050」で始まる電話番号を割り当て、通話料の一部が本システムの運営費に充てられる。ユーザに返信される一括見積メールには、搬送にかかる費用だけでなく、看護師の付き添いが必要な場合、看護師の付き添い費用も含まれる。「050で依頼」する方法は、情報処理装置を使いこなしていないユーザに適している。「一括見積メール」による方法は、情報処理装置を使いこなしているユーザに適している。「相談窓口」を利用する方法は、情報処理装置を使いこなしていないユーザおよび使いこなしているユーザのどちらも選択可能な方法である。このように、ユーザは、利用方法を3つの中から選択できるので、利便性が向上する。
【0018】
図3は、本実施形態の民間介護システムが運営するウェブサイトのツリー構造の一例を示す図である。民間介護システムの情報処理装置は、アクセスを要求する情報処理端末に対して、図3に示すように、7つの目的に枝分かれするホームページを提供する。7つの目的は、「即日/予約対応」と「求人/保険/起業支援育成」とに大きく2つに分かれる。
【0019】
「即日/予約対応」は、「介護タクシー即日/予約」、「介護旅行」、「イベント」および「貸切」の4つに枝分かれしている。「介護タクシー即日/予約」の項目の枝には、「通常搬送・深夜搬送」、「全国重病患者長距離搬送」、「国際病人空港搬送」、「精神疾患者搬送」および「コロナ搬送」の種々の搬送に関して、費用の概算値を含む詳細な情報が掲載されたウェブページが設けられている。
「介護旅行」の項目の枝には、「国内外の高齢患者」、「国内外の車いす患者」、「身体障害者」、「インバウンド」および「プライベートジェット旅行」の種々の旅行に関して、費用の概算値を含む詳細な情報が掲載されたウェブページが設けられている。
「イベント」の項目の枝には、「オリンピック/パラリンピック」、「コンサート」、「スポーツ大型催事」および「冠婚葬祭」の種々のイベントに関して、イベントの日時および費用の概算値を含む詳細な情報が掲載されたウェブページが設けられている。
「貸切」の項目の枝には、「時間貸し」、「日貸し」および「連日貸し」の種々の貸し出し条件に対して、費用の概算値を含む詳細な情報が掲載されたウェブページが設けられている。
【0020】
例えば、ユーザは、「プライベートジェット旅行」のウェブページを参照して、身体の不自由な家族と一緒にプライベートジェットで海外介護旅行を行うことができる。また、ユーザは、日々、自宅と病院とを往復する生活を行っている高齢の親と一緒に日帰り旅行を行うことで、少しでも外出を楽しんでもらうことができる。例えば、寝たきりの人が居る家族の医療および介護の疲れを少しでも解消することができる。また、介護疲れの親族および精神病患者の家族によるハラスメントおよび犯罪を低減することができる。
【0021】
また、図3に示すように、「求人/保険/起業支援育成」は、「派遣&育成」、「動画」および「その他」の3つに枝分かれしている。
「派遣&育成」の項目には、「看護師救命士派遣」、「サイト内人材マッチング」、および「国際資格MFA取得」の種々の人材に関する詳細な情報が掲載されたウェブページが設けられている。
「動画」の項目には、「搬送の様子」、「搬送車両取材」、「機材の説明」、「介助の仕方」および「実技」の種々の搬送業務に関する動画を提供するウェブページが設けられている。
「その他」の項目には、「損害保険事業」、「起業のための支援」、「行政書士による開業届」、「移送費用申請(行政)」および「備品道具類調達」の介護タクシー事業者への業務支援に関する詳細な情報が掲載されたウェブページが設けられている。
【0022】
また、図3に示していないが、民間介護システムの情報処理装置が、介護施設および介護ベッドなどの介護用品を紹介するウェブページをユーザの情報処理端末に提供してもよい。ユーザは、急遽、介護ベッドが必要になっても、このウェブページを参照することで、より適切な値段の介護ベッドを購入したり、介護ベッドをレンタルする店を探したりすることが容易にできる。さらに、民間介護システムの情報処理装置が遺品整理や産業廃棄物の処理を手掛ける業者を紹介するウェブページを設けていてもよい。
【0023】
次に、本実施形態の民間介護システムを利用するユーザおよび介護タクシー事業者のそれぞれのメリットを説明する。
(ユーザのメリット)
本実施形態の民間介護システムを利用するユーザは、搬送対象者本人に限らず、搬送対象者の家族、ケアマネージャー、ソーシャルワーカー、相談員および行政担当者である。
本実施形態の情報処理装置は、ユーザの情報処理端末に介護タクシー事業者の位置を地図上に表示させる。このとき、介護タクシー事業者の名称および電話番号等をポップアップ表示してもよい。ユーザは、自分の現在地から視覚的に事業者の位置をスムーズに把握できるので、検索する必要がない。
情報処理装置の操作が苦手なユーザは、「050」の電話をかけて搬送を依頼することができる。この場合、ユーザは、本システムへの登録をしなくてもよい。
また、ユーザは、搬送依頼する前に一括見積メールを複数の介護タクシー事業者に送信することで、複数の事業者から見積りを取ることができる。
【0024】
本システムに登録し、かつ、搬送依頼したユーザに対して、換金可能なポイントを付与する。搬送依頼しなくても、本システムに登録したユーザにポイントを付与する。
ユーザは、ポイントの還元率として、0%、5%および10%の3種類から1つを選択することができる。0%、5%および10%の還元率は一例であり、ユーザは、0%~10%から任意の還元率を選択できる。本システムは、ユーザが付与されたポイントを他のサービスのポイントに変換できるウェブサイトを提供する。
本システムにおいては、ユーザは取得したポイントを他人に還元できるようにしている。ユーザがお世話になったケアマネージャー、相談員および患者を世話した人にポイントを渡すことができる。取得したポイントを、自分の親の面倒を見ている子供に渡すこともできる。夫婦で本システムにユーザ登録している場合、一方が仕事で患者の世話ができなかったとき、自分が取得していたポイントを他方に渡すことができる。
ユーザは、本システムに登録しなくても、本システムが提供するウェブサイトを無料で利用することができる。本システムに登録したユーザには、事業者とチャットでやり取りするサービスを提供する。
ユーザは、相談に関するウェブページで他人の搬送依頼内容を参照できる。ユーザは、他人の搬送依頼内容を参照することで、搬送にどのくらい費用がかかり、搬送がどのように行われるかを参考にすることができる。また、本システムは、ユーザ同士がコミュニケーションを行うウェブサイトを設けている。これにより、ユーザ同士で搬送に関する悩みをお互いに供給することができる。
【0025】
(介護タクシー事業者のメリット)
本実施形態の民間介護システムを利用する事業者は、介護タクシー事業者である。介護タクシーは、介護を必要とする人を搬送する車であって、救急車など公共の車両を含まない。民間救急車は、介護タクシーに含まれるが、民間救急の要件を満たす介護タクシーとする。本システムに資格認可証等提出を義務化することで、ユーザに対して、介護タクシー事業者の信頼度を高めることができる。
介護タクシー事業者は、ユーザと電話だけでなく、本システムを介して、ユーザとチャットで詳細な内容をやりとりできる。
介護タクシー事業者は、搬送に看護師を含む医療従事者の付き添いが必要な場合、本システムを利用して、募集することができる。
本システムは、ユーザから介護タクシー事業者に対する評価を集め、評価をウェブサイトで公開する。これにより、介護タクシー事業者は、サービスの質の向上に努める。
本システムにおいて、管理者は、介護タクシー事業者がユーザに提出する見積もりを参照することができる。管理者は、稼働率の低い事業者を把握して業者の稼働率を上げるためのアドバイスを行うことで、事業者の売り上げ向上を図ることができる。
【0026】
次に、本実施形態の民間介護システムによる、ユーザ、看護師および介護タクシー事業者のマッチング方法を説明する。図4は、本実施形態の民間介護システムによる、ユーザ、看護師および介護タクシー事業者のマッチングを説明するための図である。図5は、本実施形態の民間介護システムによる、ユーザ、看護師および介護タクシー事業者のマッチングを説明するための別の図である。
【0027】
(利用者登録)
ユーザは、利用者登録を行えば、日中、深夜を問わず、搬送依頼をできる。ユーザは、本システムの自分用のサイトで通院などの日程スケジュールを管理できる。搬送対象者の代わりに家族またはソーシャルワーカーがユーザとなってスケジュール管理してもよい。
ユーザが(1)050番号にかける、(2)一括見積りメールを送る、および(3)相談窓口に電話する、3つの方法のいずれかにより、搬送依頼を行う。ユーザの情報処理端末は、介護タクシー事業者の位置を示す地図を表示する。ユーザは、情報処理端末を操作して地図に表示された複数の事業者のうち、1つの事業者を選択する操作を行う。その際、ユーザは、2つ以上の事業者を選択してもよい。
【0028】
(看護師救命士プロフィール)
看護師および救命士等の補助者は、事前に本システムにアルバイト登録を行う。ユーザが補助者の派遣を希望する場合、本システムから補助者の情報処理端末に募集の情報が通知される。募集に応じる補助者は、情報処理端末を操作して応募する。補助者は、ユーザによるコメントや5段階で評価される。
【0029】
(民間救急プロフィール)
介護タクシー事業者は、事前に本システムに登録を行う。ユーザによって選択された事業者の情報処理端末は、ユーザの情報処理端末から本システムの情報処理装置を介して搬送依頼の情報を受信する。介護タクシー事業者は、ユーザのコメントや5段階で評価される。5段階の評価が0点~1点の数が一定数に達した場合、本システムへの登録を解消する。これにより、介護タクシー事業者のサービスの質が向上する。また、介護タクシー事業者は、本システム内でスケジュールを管理することで、空いている時間帯に搬送業務を入れることができる。
【0030】
ユーザ、補助者および介護タクシー事業者のマッチング処理は、日中の搬送に限らず、各イベント、オリンピック/パラリンピック、冠婚葬祭、精神病患者搬送、介護旅行、長距離搬送または夜中搬送の場合にも、本システム内において、実行される。
【0031】
本実施形態の民間介護システムによれば、搬送を依頼するユーザは地図上で介護タクシー事業者をすぐに見つけることができるだけでなく、事業者に対してIP電話または情報処理端末を介して搬送を依頼することができる。また、ユーザは本システムを利用することにより、換金可能なポイントを受け取ることができる。ユーザは、取得したポイントを、ケアマネージャーや相談員に渡すこともできる。本実施形態の民間介護システムは、社会貢献を図れるだけでなく、若い人にも介護タクシー事業を起業しやすくなる。
【0032】
本実施形態の民間介護システムは、ユーザ側のニーズと事業者側のシーズとを効率よく結びつけるために、介護タクシーを利用したいユーザと搬送業務を行う介護タクシー事業者とをマッチングするサービスを提供する。本実施形態の民間介護システムによって上述したサービスが実現される仕組みを理解してもらうために、以下に、本実施形態の民間介護システムについて、従事者が介護タクシー事業者である場合を例として、その構成および動作を具体的に説明する。
【0033】
<システム構成>
図6は、本実施形態に係る民間介護システムのシステム構成の概要を示す図である。本実施形態に係る民間介護システムは、ユーザと介護タクシー事業者とのマッチング処理を行うサーバ1と、ユーザが使用するユーザ端末2と、事業者端末3-1~3-m(mは1以上の整数)と、補助者端末4-1~4-n(nは1以上の整数)と、施設端末5とを有する。
【0034】
事業者端末3-1~3-mは、複数の介護タクシー事業者のそれぞれが使用するスマートフォン、タブレットまたはPC(Personal Computer)等の情報処理装置である。補助者端末4-1~4-nは、複数の補助者のそれぞれが使用するスマートフォン、タブレットまたはPC等の情報処理装置である。補助者は、搬送を補助するために搬送対象者に付き添う人である。補助者は、例えば、医師、看護師または介護福祉士などである。施設端末5は、搬送対象者の搬送先の病院等の施設で使用されているスマートフォン、タブレットまたはPC等の情報処理装置である。施設端末5は、施設に勤務する人のスマートフォン、タブレットまたはPC等の情報処理装置であってもよい。
【0035】
サーバ1、ユーザ端末2、事業者端末3-1~3-m、補助者端末4-1~4-nおよび施設端末5は、インターネット等のネットワーク100を介して相互に通信可能に接続される。以下では、事業者端末3-1~3-mのうち、任意の事業者端末を3-j(jは1~mの任意の整数)とする。補助者端末4-1~4-nのうち、任意の補助者端末を4-k(kは1~nの任意の整数)とする。図6は、ユーザ端末2および施設端末5がそれぞれ1つの場合を示しているが、ユーザ端末2および施設端末5のそれぞれが複数あってもよい。
【0036】
サーバ1は、ユーザ端末2、事業者端末3-1~3-m、補助者端末4-1~4-nおよび施設端末5の各動作と協働して各種処理を実行する。
【0037】
このように構成された民間介護システムは、ユーザ端末2、事業者端末3-1~3-mおよび補助者端末4-1~4-nの間で送受信される情報を中継することで、ユーザのニーズと事業者および補助者のシーズとを効率よくマッチングすることができる。
【0038】
<ハードウェア構成>
図7は、本実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部17と、入力部16と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを有する情報処理装置である。
【0039】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、または、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムにしたがって各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12およびRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0040】
入出力インターフェース15には、出力部17、入力部16、記憶部18、通信部19およびドライブ20が接続されている。出力部17は、ディスプレイまたはスピーカ等で構成され、各種情報を画像または音声として出力する。入力部16は、キーボードまたはマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、ネットワーク100を介して他の装置との間で通信を行う。
【0041】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0042】
<機能構成>
図8は、本実施形態に係るサーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。サーバ1のCPU11においては、動作する際に、位置特定部31、地図作成部32、見積もり要求部33、適合部34、還元部35、管理部36、判定部37および評価部38が機能する。
【0043】
記憶部18は、医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶する。地図情報は、緯度および経度で位置が特定される地球上の位置を示す情報であってもよく、行政区画にしたがって決められた地名および番地で位置が特定される情報であってもよい。医療に関する従事者は、例えば、医師または看護師などである。介護に関する従事者は、例えば、介護士または介護タクシー事業者などである。葬儀に関する従事者は、葬儀屋である。以下では、記憶部18が、複数の介護タクシー事業者の住所が記録された地図情報を記憶する場合で説明する。記憶部18は、医療、介護および葬儀のうち、1つに限らず、これらのうち2つまたは全てについて、それぞれ複数の住所が記録された地図情報を記憶していてもよい。
【0044】
記憶部18は、複数のユーザごとに、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、ユーザ固有の識別子であるユーザID、ユーザ端末2の通信アドレス、ユーザの電話番号、氏名およびニックネームを含む。ユーザIDは、搬送依頼者をユーザとして登録する場合に限らず、搬送対象者をユーザとして登録する場合であってもよい。例えば、搬送対象者が病気の患者である場合のユーザIDを患者ユーザIDと称する。1人の高齢者を搬送対象者として、家族の複数の人が高齢者をサポートする場合、搬送対象者をユーザとして登録することが考えられる。ユーザ情報は、従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報に対応して、作業を行った従事者の情報を含む依頼履歴を有する。以下では、依頼情報が介護タクシーに搬送を依頼する搬送依頼情報であり、依頼履歴が搬送を行った介護タクシー事業者の情報を含む搬送依頼履歴情報の場合で説明する。搬送依頼履歴情報は、搬送を行った介護タクシーに割り当てられた車のナンバーを含んでいてもよい。搬送依頼情報は、ユーザが介護タクシーによる搬送を依頼する旨および搬送内容を含む情報である。
【0045】
また、ユーザ情報は、換金可能なポイントの還元率および付与されたポイントの情報を含んでいてもよい。ユーザ情報は、ユーザを認証するための情報として、ユーザによって設定されたパスワード、およびユーザの生体について予め登録されたデータである登録データを含んでいてもよい。ユーザの生体とは、例えば、顔、指紋または虹彩である。ユーザ情報は、搬送対象者の身体の状態に関する情報である身体情報と、搬送対象者の搬送先の施設に設置された施設端末5の通信アドレスとを含んでいてもよい。施設端末5は、搬送対象者の搬送先の施設で勤務する看護師または医師等の人に携帯されるものであってもよい。
【0046】
記憶部18は、複数の介護タクシー事業者ごとに、事業者情報を記憶する。事業者情報は、介護タクシー事業者固有の識別子である事業者ID、事業者端末3-jの通信アドレス、介護タクシー事業者の名称、位置情報、電話番号および変換番号を含む。事業者情報は、見積もり情報および作業完了報告を含む。以下では、作業完了報告が、介護タクシー事業者による搬送業務が完了したことの報告である搬送完了報告の場合で説明する。電話番号は、「050」で始まるIP番号で、事業者ごとに割り当てられた電話番号である。変換番号は、ユーザが「050」で始まる電話番号をかけたときの転送先の電話番号であり、事業者自身の電話番号である。
【0047】
記憶部18は、複数の補助者ごとに、補助者情報を記憶する。補助者情報は、補助者固有の識別子である補助者ID、補助者の氏名、補助者端末4-kの通信アドレス、および電話番号を含む。補助者が病院等の施設に勤務している場合、補助者情報は、補助者が勤務する施設名を含む。記憶部18は、各種情報処理に必要なウェブページの画像データを記憶している。
【0048】
位置特定部31は、搬送依頼情報をユーザ端末2から受信すると、ユーザ端末2の位置を特定する。位置特定部31は、特定した位置の情報である位置情報を地図作成部32に送信する。搬送内容は、搬送予約の日時、搬送の出発地および到着地および補助者の有無の情報を含む。また、搬送内容は、必要なレンタル機器として、痰吸引器および酸素吸入器などの医療機器、ならびに車椅子などの介護用品の情報を含んでいてもよい。搬送内容は、例えば、搬送予約の日時が2024年3月1日の午後1時~午後3時であり、出発地が東京都渋谷区、到着地が埼玉県川口市、補助者として看護師が必要という情報を含む。
【0049】
位置特定部31がユーザ端末2の位置を特定する方法の具体例を説明する。ユーザ端末2がGPS(Global Positioning System)を用いて地球上の自端末の位置情報を取得する機能を備えている場合、ユーザ端末2は、位置情報を搬送依頼情報に含める。また、ユーザ端末2が携帯情報処理装置であって屋外において3つ以上の無線基地局の通信圏内であり、各無線基地局の無線電波の強度および位置情報とから地図上の自端末の位置を特定できる場合、ユーザ端末2には、自端末の位置情報を搬送依頼情報に含める。また、ユーザ端末2がユーザの自宅に設置されたルータおよびネットワーク100を介してサーバ1と通信接続される場合、ユーザ端末2は、ユーザの住所の位置情報を搬送依頼情報に含める。
【0050】
地図作成部32は、位置特定部31からユーザ端末2の位置情報を受信すると、記憶部18から地図情報を読み出し、ユーザ端末2の位置を基準としてユーザ端末2に近い方から1人以上の従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する。以下では、従事者地図情報が、1人以上の介護タクシー事業者の位置および名称を示す事業者地図情報の場合で説明する。地図作成部32は、作成した事業者地図情報を、通信部19を介してユーザ端末2に送信する。
【0051】
見積もり要求部33は、複数の介護タクシー事業者のうち、ユーザによって選択された介護タクシー事業者の情報を含む事業者選択情報をユーザ端末2から受信する。見積もり要求部33は、ユーザ端末2から事業者選択情報を受信すると、ユーザによって選択された介護タクシー事業者の事業者端末3-jに見積もり依頼情報を、通信部19を介して送信する。見積もり依頼情報は、搬送依頼情報と、ユーザ端末2の通信アドレスと、費用の見積もりを依頼する旨の情報とを含む。見積もり要求部33は、搬送依頼情報に対応する実費の情報を含む搬送完了報告を事業者端末3-jから受信すると、搬送完了報告を記憶部18に記憶させてもよい。
【0052】
適合部34は、搬送依頼情報が補助者の派遣を依頼する旨の情報を含み、補助者の募集を依頼する旨の募集依頼情報を事業者端末3-jから受信すると、搬送依頼情報を含む募集情報を予め登録された複数の補助者の補助者端末4-1~4-nに送信する。適合部34は、複数の補助者のうち、募集に応募する旨の応募情報を補助者端末4-kから受信すると、応募情報の送信元の補助者端末4-kの通信アドレスを含む応募情報を事業者端末3-jに送信する。
【0053】
還元部35は、各ユーザに対して、介護タクシー事業者への搬送依頼ごとに換金可能なポイントを付与する。還元部35は、記憶部18によって搬送完了報告が記憶されると、搬送完了報告に対応するユーザ情報から還元率を読み出し、読み出した還元率および実費に基づいてユーザ情報に記録されたポイントを更新する。例えば、実費が30000円で、還元率が3%である場合、還元部35は、900円相当のポイントをユーザに付与する。
【0054】
管理部36は、ユーザ情報、事業者情報および補助者情報のそれぞれを管理する。例えば、管理部36は、ユーザごとに搬送依頼情報を管理する。管理部36は、搬送依頼履歴を要求する旨の履歴要求情報をユーザ端末2から受信すると、記憶部18から搬送依頼履歴を読み出してユーザ端末2に送信する。管理部36は、ユーザ端末2から施設への身体情報の送信を依頼する旨の事前送信依頼情報を受信すると、記憶部18が記憶するユーザ情報から身体情報および施設端末5の通信アドレスを読み出し、読み出した身体情報を、通信部19を介して施設端末5に送信してもよい。
【0055】
判定部37は、ユーザの生体のデータに基づいてユーザ端末2から接続を要求する旨の情報を含む接続要求情報を受信すると、生体認証によって接続を許可するか否かを判定する。判定部37は、ユーザ端末2からユーザの生体のデータを含む接続要求情報を受信すると、接続要求情報に含まれる生体のデータと登録データとが一致するか否かを判定する。判定部37は、接続要求情報に含まれる生体のデータと登録データとが一致する場合、ユーザ端末2に対してサーバ1への接続を許可し、接続要求情報に含まれる生体のデータと登録データとが一致しない場合、ユーザ端末2に対してサーバ1への接続を許可しない。
【0056】
評価部38は、複数の介護タクシー事業者ごとに、ユーザによる評価の情報を記憶部18に記憶させる。評価部38は、複数の介護タクシー事業者のうち、いずれか1つの介護タクシー事業者の評価の情報を要求する評価情報要求信号をユーザ端末2から受信すると、記憶部18から評価の情報を読み出してユーザ端末2に送信する。
【0057】
通信部19は、ユーザ端末2、事業者端末3-1~3-m、補助者端末4-1~4-nおよび施設端末5のそれぞれと、予め決められた通信プロトコルにしたがって情報を送受信する。通信プロトコルは、例えば、IPである。通信部19の動作の具体例を説明する。通信部19は、地図作成部32によって作成された事業者地図情報をユーザ端末2に送信する。通信部19は、搬送完了報告を事業者端末3-jから受信すると、搬送完了報告を記憶部18に記憶させる。通信部19は、ユーザ端末2から事前送信依頼情報を受信すると、記憶部18から身体情報を読み出して施設端末5に送信する。
【0058】
次に、民間介護システムの管理者がサーバ1の入力部16を操作して参照する情報について、説明する。出力部17がディスプレイを有し、ディスプレイに表示される画像の具体例を、図9図18を参照して説明する。例えば、管理部36が、管理者によって入力される指示にしたがって図9図18に示す画像をディスプレイに表示させる。図9図18に示すように、画像は、上段の検索画像と、下段の検索結果画像とに分かれている。各検索結果画像には、サンプルとして検索結果上位の一部を表示し、それ以外の部分の表示を省略している。
【0059】
図9は、ユーザからの相談・見積もり依頼一覧の画像例を示す図である。図9に示す検索画像には、ID、相談タイトル、相談者ユーザIDおよび相談者のニックネームの入力欄が設けられている。先頭のIDは、相談・見積もり依頼ごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。
図9に示す検索結果画像には、相談・見積もり依頼ごとに、ID、相談タイトル、相談者ユーザID、相談者ニックネーム、投稿日時、掲載状態、および公開/非公開の情報が表示されている。検索結果を参照すると、どのユーザがいつ見積もり依頼をしたかがわかる。
【0060】
図10は、介護タクシー事業者から提示される見積もりの一覧の画像例を示す図である。図10に示す検索画像には、ID、見積もりタイトル、業者ユーザID、会社名、相談・見積もり依頼ID、提示先患者ユーザIDおよびニックネームの入力欄が設けられている。先頭のIDは、提示された見積もりごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。相談・見積もり依頼IDは、事業者が独自に割り当てた識別子である。
図10に示す検索結果画像には、提示された見積もりごとに、ID、見積もりタイトル、業者ユーザID、会社名、提示日時、見積もり依頼ID、患者ユーザID、ニックネーム、見積もり金額、対応内容、有効/取消済、および公開/非公開の情報が表示されている。検索結果を参照すると、搬送予約に対する見積もりの概要および見積もりが有効か否かを調べることができる。
【0061】
図11は、搬送の予約状況一覧の画像例を示す図である。図11に示す検索画像には、ID、予約者ユーザID、予約者メールアドレス、予約先の業者ユーザID(事業者ID)、予約先業者メールアドレス、および相談・見積もり依頼IDの入力欄が設けられている。先頭のIDは、成立した搬送予約ごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。
図11に示す検索結果画像には、搬送予約ごとに、ID、予約者ユーザID、予約者メールアドレス、予約者の氏名(姓および名)、予約先の業者ユーザID(事業者ID)、予約先業者の会社名、予約先業者メールアドレス、実施日時、予約をした日時および支払い方法が表示されている。検索結果を参照すると、どのユーザがどの事業者に搬送予約をしたか状況を調べることができる。
【0062】
図12は、成果報告一覧の画像例を示す図である。図12に示す検索画像には、ID、患者ユーザID、ユーザまたは搬送対象者の氏名(姓および名)、業者ユーザID(事業者ID)および事業者の会社名の入力欄が設けられている。先頭のIDは、搬送完了報告ごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。
図12に示す検索結果画像には、完了した搬送業務ごとに、ID、患者ユーザID、患者ニックネーム、患者の氏名(姓および名)、患者メールアドレス、患者電話番号、業者ユーザID、事業者の会社名、事業者の電話番号、事業者のメールアドレス、依頼タイトルおよび支払い金額が表示されている。
検索結果を参照すると、搬送業務ごとにどのユーザがどの事業者に依頼し、いくらで業務が行われたかを調べることができる。本実施形態の民間介護システムにおいては、ユーザが介護タクシー事業者に支払う費用のうち、予め決められた割合がシステムの運営費となる。そのため、管理者は、搬送費用からどのくらいの金額が運営費になるかを把握できる。
【0063】
図13は、架電完結型の依頼状況一覧の画像例を示す図である。架電完結型とは、架電によってユーザの依頼から事業者による搬送までが行われる場合である。図13に示す検索画像には、ID、業者ユーザID、事業者の会社名、およびコールログSIDの入力欄が設けられている。先頭のIDは、架電を利用した搬送依頼ごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。
図13に示す検索結果画像には、架電による依頼ごとに、ID、依頼状況、架電日時、業者ユーザID(事業者ID)、事業者の会社名、電話番号、変換番号、見積もり金額、およびメモの内容が表示されている。検索結果を参照すると、ユーザと介護タクシー事業者との間で搬送契約が成立したか不成立だったかを確認できる。
【0064】
図14は、求人一覧の画像例を示す図である。図14に示す検索画像には、ID、求人タイトル、出稿者ユーザID、出稿会社名、および求人会社・施設名の入力欄が設けられている。先頭のIDは、求人ごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。出稿者ユーザIDは事業者IDに相当し、出稿会社名は介護タクシー事業者の会社名(名称)に相当する。求人会社・施設名は、補助者が所属する会社または施設の名称である。
図14に示す検索結果画像には、求人ごとに、ID、求人タイトル、業者ユーザID(事業者ID)、出稿会社名、求人会社・施設名、投稿日時、掲載状態、および公開/非公開の情報が表示されている。検索結果を参照すると、どの介護タクシー事業者が求人を出しているか調べられる。
【0065】
図15は、求人に対する応募者一覧の画像例を示す図である。図15に示す検索画像には、ID、応募者氏名、応募者メールアドレス、応募者電話番号、求人ID、求人会社・施設名、業者ユーザIDおよび出稿会社名の入力欄が設けられている。先頭のIDは、応募ごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。応募者は補助者に相当する。求人IDは、補助者の派遣を求める介護タクシー事業者に割り当てられる識別子である。求人会社・施設名は、補助者の派遣を求める介護タクシー事業者の名称である。求人会社・施設名と出稿会社名とが同じになる場合もある。
図15に示す検索結果画像には、求人に対する応募者ごとに、ID、応募者氏名、応募者メールアドレス、応募者電話番号、求人ID、求人会社・施設名、業者ユーザID(事業者ID)および出稿会社名が表示されている。検索結果を参照すると、応募者と補助者の派遣を依頼した介護タクシー事業者とを調べられる。
【0066】
図16は、応募者に対する内定の報告一覧の画像例を示す図である。図16に示す検索画像には、ID、求職者ID、メールアドレスおよび氏名の入力欄が設けられている。先頭のIDは、応募者から補助者が決定される内定ごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。求職者IDは内定した補助者の補助者IDに相当する。
図16に示す検索結果画像には、内定ごとに、ID、求職者ID、氏名、メールアドレス、電話番号、求人募集者詳細、求人ID、求人タイトルおよび報告日時が表示されている。図16は、検索結果の具体例の表示を省略している。
【0067】
図17は、ユーザと介護タクシー事業者との間で送受信されたメッセージの一覧の画像例を示す図である。図17に示す検索画像には、ID、患者ユーザID、患者のニックネーム、患者の氏名(姓および名)、業者ユーザID(事業者ID)、および介護タクシー事業者の会社名の入力欄が設けられている。先頭のIDは、1件の搬送業務に関してユーザと介護タクシー事業者との間で送受信される複数のメッセージのうち、最初のメッセージに管理部36によって割り当てられる識別子である。
図17に示す検索結果画像には、搬送業務ごとに、ID、患者ユーザID、患者のニックネーム、患者の氏名(姓および名)、業者ユーザID(事業者ID)、介護タクシー事業者の会社名、初回メッセージの日時、最終メッセージの日時およびメッセージ数が表示されている。
検索結果を参照すると、どのユーザがどの介護タクシー事業者とメールでやり取りしているかを見ることができる。管理者が入力部16を操作して図17の検索結果画像に示される「詳細」ボタンを選択する操作を行うと、やり取りされた全てのメールの内容を確認することができる。
【0068】
図18は、介護タクシー事業者に対する評価一覧の画像例を示す図である。図18に示す検索画像には、ID、患者ユーザID、患者ニックネーム、業者ユーザID(事業者ID)、および介護タクシー事業者の会社名の入力欄が設けられている。先頭のIDは、評価された事業者ごとに管理部36によって割り当てられる識別子である。
図18に示す検索結果画像には、ID、患者ユーザID、患者ニックネーム、成果報告ID、業者ユーザID(事業者ID)、介護タクシー事業者の会社名、評価結果、ユーザのコメント、評価日時、および公開/非公開が表示されている。評価は、例えば、5段階評価である。数値が大きいほど、ユーザの満足度が高いことを意味する。検索結果を参照すると、介護タクシー事業者ごとに5段階評価およびユーザのコメントを見ることができる。
【0069】
次に、ユーザ端末2の構成を説明する。本実施形態においては、ユーザ端末2がスマートフォンの場合で説明する。
図19は、ユーザ端末2の一構成例を示すブロック図である。ユーザ端末2のハードウェア構成は、図7に示したハードウェア構成と同様である。図19においては、図7に示した構成のうち、CPU11、ROM12、RAM13、バス14および入出力インターフェース15を図に示すことを省略している。ユーザ端末2は、通信部41、制御部42、記憶部43、出力部44および入力部45を有する。図7に示したCPU11がプログラムを実行することで、制御部42が機能する。出力部44は、画像を表示するディスプレイ51と、音声を出力するスピーカ52とを有する。入力部45は、ユーザがユーザ端末2に指示を入力するためのタッチパネル53と、ユーザの顔を撮影するカメラ54と、ユーザの音声を収音するマイク55とを有する。タッチパネル53は、ディスプレイ51が画像を表示する面の上に設けられている。以下では、ユーザ端末2がGPS機能によって位置情報を取得する機能を備えている場合で説明する。
【0070】
なお、図に示すことを省略するが、事業者端末3-1~3-m、補助者端末4-1~4-nおよび施設端末5の各端末は、図19を参照して説明したユーザ端末2と同様に、図7に示したハードウェア構成を有する。これらの端末の構成は、ユーザ端末2と同様になるため、その詳細な説明を省略する。
【0071】
<処理内容>
次に、サーバ1がユーザと介護タクシー事業者とをマッチングする処理の動作の手順を説明する。図20は、本実施形態に係る情報処理装置がユーザから搬送依頼を受け付ける動作の手順の一例を示すフローチャートである。図21は、本実施形態に係る民間介護システムの基本動作の手順の一例を示すシーケンス図である。
【0072】
図20に示すステップS1において、サーバ1は、搬送依頼情報をユーザ端末2から受信するか否かを判定する。ステップS1の判定の結果、サーバ1が搬送依頼情報をユーザ端末2から受信すると(ステップS1でYesの場合)、位置特定部31は、ユーザ端末2の位置を特定する(ステップS2)。位置特定部31は、特定した位置を示す位置情報を地図作成部32に送信する。
地図作成部32は、位置特定部31から位置情報を受信すると、記憶部18から地図情報を読み出す。そして、地図作成部32は、地図情報を用いて、ユーザ端末2の位置を基準としてユーザ端末2に近い方から1つ以上の介護タクシー事業者の位置および名称を示す事業者地図情報を作成する。地図作成部32は、介護タクシー事業者について、位置および名称の他に、介護タクシー事業者の電話番号を表示する事業者地図情報を作成してもよい。
【0073】
ステップS3において、地図作成部32は、作成した事業者地図情報を、通信部19を介してユーザ端末2に送信する。
ステップS4において、サーバ1は、事業者選択情報をユーザ端末2から受信するか否かを判定する。ステップS4の判定の結果、サーバ1が事業者選択情報をユーザ端末2から受信すると(ステップS4でYesの場合)、見積もり要求部33は、搬送依頼情報、ユーザ端末2の通信アドレスおよび費用の見積もりを依頼する旨の情報を含む見積もり依頼情報を作成する。
ステップS5において、見積もり要求部33は、作成した見積もり依頼情報を、事業者選択情報で特定される介護タクシー事業者の事業者端末3-jに、通信部19を介して送信する。
【0074】
次に、図21を参照して、本実施形態に係る民間介護システムの動作を説明する。
ユーザは、ユーザ端末2を操作して、ユーザ端末2をサーバ1に接続させる。ユーザ端末2の制御部42がサーバ1からウェブページのデータを受信すると、受信したウェブページを表示する。ユーザは、ディスプレイ51に表示されるウェブページを見ながら、ユーザ端末2に搬送内容を入力し、搬送予約を依頼する旨の指示を入力する。
図21に示すステップS11において、ユーザ端末2の制御部42は、GPS機能によって取得した位置情報およびユーザによって入力された搬送内容を含む搬送依頼情報を、通信部41を介して、サーバ1に送信する。
【0075】
サーバ1が搬送依頼情報をユーザ端末2から受信すると、図20を参照して説明したように、位置特定部31は、搬送依頼情報に含まれる位置情報を基にユーザ端末2の位置を特定する。地図作成部32は、ユーザ端末2の位置情報と記憶部18から読み出した地図情報とを用いて事業者地図情報を作成する。
ステップS12において、地図作成部32は、通信部19を介して、事業者地図情報をユーザ端末2に送信する。
【0076】
ユーザ端末2の制御部42は、サーバ1から事業者地図情報を受信すると、事業者地図情報の画像をディスプレイ51に表示させる。制御部42は、介護タクシー事業者の名称および電話番号の一方または両方をポップアップ表示してもよい。ユーザがユーザ端末2を操作して、事業者地図情報に表示された複数の介護タクシー事業者のうち、1つの介護タクシー事業者を選択する。
ステップS13において、ユーザ端末2の制御部42は、ユーザによって選択された介護タクシー事業者の情報を含む事業者選択情報を、通信部41を介して、サーバ1に送信する。
【0077】
サーバ1が事業者選択情報を受信すると、見積もり要求部33が搬送依頼情報を基に見積もり依頼情報を作成する。
ステップS14において、見積もり要求部33は、見積もり依頼情報を、通信部19を介して、ユーザによって選択された介護タクシー事業者の事業者端末3-jに送信する。
事業者端末3-jは、サーバ1から見積もり依頼情報を受信すると、見積もり依頼情報を表示する。介護タクシー事業者の従業員は、事業者端末3-jを操作して、見積もり依頼情報を基に、搬送依頼情報に対応する費用の見積もり内容を含む見積もり情報を作成する。
ステップS15において、事業者端末3-jは、見積もり依頼情報からユーザ端末2の通信アドレスを読み出し、見積もり情報をユーザ端末2に送信する。
【0078】
ユーザ端末2の制御部42は、サーバ1から見積もり情報を受信すると、見積もり情報をディスプレイ51に表示させる。
ステップS16において、ユーザがユーザ端末2のディスプレイ51に表示された見積もり情報の費用に納得して承認する旨を入力すると、制御部42は、見積もり情報を承認する旨の承認情報を、通信部41を介して、事業者端末3-jに送信する。
【0079】
事業者端末3-jは、ユーザ端末2から承認情報を受信すると、承認情報を表示する。介護タクシー事業者の従業員は、ユーザから依頼された搬送業務を行う。搬送業務が終了すると、介護タクシー事業者の従業員は、事業者端末3-jを操作して、搬送を依頼したユーザを特定する情報と、自社を特定する情報と、搬送業務の費用とを含む搬送完了報告を作成する。ユーザを特定する情報は、例えば、ユーザ端末2の通信アドレスまたはユーザIDである。自社を特定する情報は、例えば、事業者IDまたは名称(会社名)である。搬送業務の費用は、実費および利益を合算した金額である。
ステップS17において、事業者端末3-jは、搬送完了報告をサーバ1に送信する。サーバ1の通信部19が事業者端末3-jから搬送完了報告を受信すると、搬送完了報告を記憶部18に記憶させる。
【0080】
なお、ステップS15において、事業者端末3-jは、見積もり情報をサーバ1に送信してもよい。ステップS16において、事業者端末3-jは、ユーザ端末2から承認情報を受信すると、見積もり情報を、ユーザとの間で契約が成立した情報としてサーバ1に送信してもよい。管理部36は、ステップS15およびS16において、見積もり情報を事業者端末3-jから受信すると、見積もり情報を記憶部18が記憶する事業者情報に保存する。これにより、契約成立前および契約成立後のそれぞれの見積もり情報を記録することができる。
【0081】
図22は、ユーザ端末2が表示する事業者地図情報の画像の一例を示す図である。図22において、介護タクシー事業者71を星印で示す。図22に示すように、ディスプレイ51は、複数の介護タクシー事業者71の位置を含む地図を表示する。図22は、東京都の23区を一画面で表示している場合である。
【0082】
図23は、図22に示す事業者地図情報の画像の一部を拡大した場合の画像の一例を示す図である。図23に示すように、ディスプレイ51は、道路73、第1の鉄道74aおよび第2の鉄道74bを含む地図を表示する。図23において、ユーザの現在地72を黒丸印で示す。ここでは、現在地72がユーザの自宅の場合で説明する。図22には、介護タクシー事業者71aおよび介護タクシー事業者71bの2つの事業者が表示されている。ディスプレイ51は、現在地72を中心として、現在地72から半径が距離C1および距離C2の2つの同心円を破線で示す。距離C1および距離C2は、C1<C2の関係である。ユーザは、図22に示す地図を参照することで、介護タクシー事業者71aおよび介護タクシー事業者71bの2つの事業者のうち、介護タクシー事業者71aの方が自宅に近いと判定することができる。
【0083】
このようにして、ユーザ端末2は、搬送依頼情報をサーバ1に送信すると、ユーザが居る場所を基準に周辺(例えば、半径が30kmの円内)に位置する介護タクシー事業者を示す画像を表示する。ユーザは、自宅周囲の複数の介護タクシー事業者から1つを選択できる。また、ユーザは、過去に搬送を依頼した介護タクシー事業者の対応が丁寧であった場合、同じ事業者に依頼することが多い。ユーザの自宅に近い方の介護タクシー事業者の利用を複数回利用すると、2回目の依頼以降、早く来てくれるだけでなく、評価の高い介護タクシー事業者を何度も利用することができる。
【0084】
次に、搬送依頼情報に補助者が必要である旨の情報が含まれている場合について、サーバ1が補助者と介護タクシー事業者とをマッチングする処理の動作手順を説明する。図24は、本実施形態に係る民間介護システムにおける別の動作手順の一例を示すシーケンス図である。
【0085】
ステップS21において、介護タクシー事業者の事業者端末3-jは、搬送依頼情報が補助者の派遣を依頼する旨の情報を含んでいると、補助者の募集を依頼する旨の募集依頼情報をサーバ1に送信する。
サーバ1が事業者端末3-jから募集依頼情報を受信すると、適合部34は、記憶部18が記憶する全ての補助者情報から補助者端末4-1~4-nの通信アドレスの情報を読み出す。
ステップS22において、事業者端末3-jは、搬送依頼情報を含む募集情報を補助者端末4-1~4-nに送信する。
【0086】
補助者端末4-1~4-nの各端末は、募集情報を受信すると、募集情報の内容を表示する。
ステップS23において、補助者端末4-kを使用する補助者が補助者端末4-kに表示された募集情報を見て、応募する旨を補助者端末4-kに入力すると、補助者端末4-kは、募集に応募する旨の応募情報をサーバ1に送信する。
ステップS24において、サーバ1が応募情報を補助者端末4-kから受信すると、適合部34は、補助者端末4-kの通信アドレスを含む応募情報を事業者端末3-jに送信する。このようにして、搬送依頼情報で指定された日時および出発地に、補助者端末4-kを使用する補助者が行くことで、搬送対象者に付き添って介護タクシーに乗車する。管理部36は、補助者の派遣に対する費用を算出し、算出した費用を請求費用として介護タクシー事業者の事業者情報に保存する。その後、事業者情報に保存された請求費用が、決済される。
【0087】
このようにして、介護タクシー事業者は、ユーザから依頼された搬送に補助者が必要な場合でも、本実施形態の民間介護システムのウェブサイトを利用して補助者を確保できる。そのため、介護タクシー事業者は、自分で補助者を探す必要がなく、補助者を探す手間を省くことができる。
【0088】
なお、図24を参照して、サーバ1が補助者を募集する場合を説明したが、搬送時に必要なレンタル機器のレンタル依頼を複数のレンタル会社に対して行うようにしてもよい。
【0089】
また、搬送を依頼するユーザに対して、搬送が完了すると、換金可能なポイントを付与してもよい。ユーザは、ポイント還元率として、0%、5%および10%のから1つを選択できる。還元部35は、記憶部18よって搬送完了報告が記憶されると、搬送完了報告に対応するユーザ情報から還元率を読み出し、読み出した還元率および費用に基づいてユーザ情報に記録されたポイントを更新する。具体的には、還元部35は、還元率と費用とを乗算した結果の値を、ユーザ情報に保存されているポイントに加算する。
ユーザがケアマネージャーである場合、ケアマネージャーに少しでもポイントを還元してあげることができる。しかし、ケアマネージャーは、良心の呵責から、還元率として0%を選択することがある。一般の人は、還元率として10%を選択する。従事者のうち、少しはポイントをもらっていいだろうと思う人は、5%を選択することが考えられる。0%、5%および10%の還元率は一例であって、0~10%の任意の数値が設定されてもよい。また、ユーザは、自分で取得する10%還元率のポイントについて、ケアマネージャーさんに還元率3%、施設に還元率7%のように、従事者や施設に還元率を設定してもよい。
【0090】
また、サーバ1は、ユーザ端末2からのアクセス要求に対して、ユーザの顔、指紋または眼などの生体に基づく認証によって、ユーザ認証を行ってもよい。判定部37は、ユーザ端末2からユーザの生体のデータを含む接続要求情報を受信し、接続要求情報に含まれる生体のデータと記憶部18が記憶する登録データとを比較する。判定部37は、生体のデータと登録データとが一致すると判定すると、接続を許可する。ユーザは、ユーザ端末2を操作して民間介護システムのウェブサイトにアクセスする際、生体認証によって認証されるので、パスワードを暗記する必要がなく、パスワードを入力する手間が省ける。
【0091】
また、ユーザが搬送依頼履歴から介護タクシー事業者の車のナンバーを読み出して次回依頼する搬送のデータとして利用してもよい。管理部36は、ユーザ端末2から搬送依頼履歴を要求する旨の履歴要求情報を受信すると、記憶部18から搬送依頼履歴を読み出してユーザ端末2に送信する。ユーザは、過去に利用した介護タクシーの車のナンバーをユーザ端末2に表示された搬送利用履歴から読み出して、同じ事業者に搬送を依頼することができる。また、ユーザは、搬送履歴から次に依頼する搬送と同様な内容の搬送内容を読み出すことで、入力の労力が軽減する。
【0092】
また、ユーザがワンクリック(1つの選択操作)で同じ内容の搬送を、複数の日で利用できるようにしてもよい。搬送依頼履歴に選択ボタンを設けることで、ユーザは、ユーザ端末2を操作して、表示される搬送依頼履歴のうち、同じ内容で搬送したい履歴を選択し、利用日を選択する。ユーザ端末2は、選択された履歴および利用日を含む搬送依頼情報をサーバ1に送信する。これにより、図21を参照して説明した手順で搬送の手配が行われる。
【0093】
また、搬送対象者の身体情報をソーシャルワーカーに事前に転送できるようにしてもよい。身体情報は、搬送対象者が患者である場合、病状を意味する。通信部19は、ユーザ端末2から施設への身体情報の送信を依頼する旨の事前送信依頼情報を受信すると、記憶部18から身体情報を読み出して、ソーシャルワーカーが勤務する施設の施設端末5に送信する。これにより、搬送対象者が点滴していることや病状の情報が、搬送先の施設のソーシャルワーカーに通知される。ソーシャルワーカーは、搬送先で患者を受け入れる準備をすることができる。
【0094】
また、サーバ1が、介護タクシー事業者が役所に請求するために必要な計算を行ってもよい。介護タクシーにかかる費用の一部を国が負担してくれる場合、管理部36は、予め登録された計算式および費用に基づいて、役所に対して請求する金額を計算する。また、管理部36は、生活保護者を介護タクシー事業者が搬送した場合、生活保護課に申請する申請書を予め決められた手順にしたがって作成してもよい。
【0095】
また、サーバ1は、患者の病状具合を判別し、患者に合った介護商品をユーザ端末2に表示させてもよい。記憶部18が搬送対象者の身体の状態に関する情報である身体情報を記憶しているので、管理部36は、身体情報を予め決められた病状基準と比較して、病状基準に適合する介護商品の情報を他のウェブサイトから読み出し、読み出した介護商品の情報をユーザ端末2に送信する。ユーザは、自分で介護商品を探す手間が省ける。
【0096】
また、ソーシャルワーカーや相談員がユーザである場合、搬送対象者の転院先や受入先の電話番号や施設をユーザ情報で管理してもよい。患者を世話するソーシャルワーカーや訪問介護士などが、ユーザ端末2を操作して患者の健康具合をユーザ情報に入力してもよい。この場合、管理部36は、入力された健康具体に応じて必要な商品や情報を、搬送対象者の家族のユーザ端末2に表示させる。患者の家族のアカウントと社会福祉士のアカウントとが紐づけされているので、社会福祉士が患者の健康具合を入力することで、必要な商品や情報が患者の家族の情報処理端末に表示される。
【0097】
また、患者が自宅で死亡した際、管理部36は、ユーザの自宅を基準として周辺の葬儀社の案内をユーザ端末2に表示させてもよい。患者が亡くなった場合、家族がユーザ端末2を操作して患者が死亡した旨を入力すると、管理部36は、家族の住所の近くの葬儀社を案内する。基準となる位置は、ユーザの自宅に限らず、病院でもよい。または、管理部36は、近くの葬儀社を探すというボタンをユーザ端末2に表示させるようにしてもよい。亡くなった患者の家族は、自分で葬儀社を探す手間を省ける。
【0098】
さらに、ユーザがユーザ端末2を操作して搬送予約をする際、生命維持装置などの医療機器を選択する操作を行うと、管理部36が補助者情報を参照し、ユーザの自宅周辺に居る看護師をユーザ端末2に表示された地図に表示し、看護師の派遣を推奨するメッセージをユーザに通知してもよい。
【0099】
上述した実施形態においては、従事者が介護タクシー事業者の場合で説明したが、従事者は、例えば、看護師であってもよい。本システムにおいて、上述した介護タクシー事業者を見つける仕組みと同様にして、ユーザ端末2の地図上に看護師を表示するようにする。この場合、ユーザが自宅近くに居る看護師を地図上で探して、看護師に派遣を依頼することができる。依頼情報は、依頼する介護の内容および介護日時の情報を含む。看護師が使用する情報処理装置が第2の情報処理端末に相当する。本システムによってユーザが検索できる対象は、看護師単独だけでもよく、介護タクシーおよび看護師のセットでもよい。新型ウィルス禍以降、看護師が1人で法人化してプライベートナースと呼ばれている事業が行われている。ロケ現場やイベントなどの熱中症対策で看護師を派遣することが既に行われている。医療に関する従事者は、看護師に限らず、医師や介護士であってもよい。さらに、従事者は、介護ベッドなどの介護用品を販売する介護用品販売者であってもよく、葬儀屋であってもよい。
【0100】
図21に示したステップS11において、ユーザは、ユーザ端末2にサーバ1からウェブページを受信させた後、依頼情報に検索条件を含めるか否かを選択できるようにしてもよい。つまり、ユーザは、依頼情報をサーバ1に送信する際、ウェブページに検索条件を入力しなくてもよく、検索条件を入力してもよい。具体例を説明する。ステップS11において、ユーザ端末2が検索条件を入力せずに、搬送対象者の搬送を依頼する情報を含む依頼情報をサーバ1に送信する。この場合、ステッS12において、サーバ1の地図作成部32は、ユーザの住所を基準にして周囲にある1以上の介護タクシー事業者の位置および名称を示す地図情報を作成してユーザ端末2に送信する。一方、ステップS11において、ユーザ端末2が検索条件として「介護用品」を入力して、介護用品の紹介を依頼する旨の依頼情報をサーバ1に送信する。この場合、ステップS12において、サーバ1は、ユーザの住所を基準として周囲にある1以上の介護用品販売者の位置および名称を示す地図情報をユーザ端末2に送信する。さらに、ステップS11において、ユーザ端末2が検索条件として「介護用品」を入力して、搬送対象者の搬送を依頼する情報を含む依頼情報をサーバ1に送信してもよい。ステップS12において、サーバ1は、ユーザの住所を基準として周囲にある1以上の介護用品販売者および1以上の介護タクシー事業者の両方の従事者の位置および名称とを示す地図情報をユーザ端末2に送信してもよい。また、ステップS11において、ユーザ端末2が検索条件として「葬儀屋」を入力して、葬儀を依頼する情報を含む依頼情報をサーバ1に送信すると、ステップS12において、サーバ1は、ユーザの住所を基準として周囲にある1以上の葬儀屋の位置および名称を示す地図情報をユーザ端末2に送信する。さらに、検索条件の入力のタイミングは、ステップS12において、ユーザ端末2が地図情報をサーバ1から受信した後であってもよい。この場合、地図作成部32は、ステップS12で送信した地図情報に、検索条件に合致する従事者を重ねて表示する地図情報を作成してもよい。
【0101】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、ユーザ端末2は、依頼情報をサーバ1に送信すると、ユーザが居る場所を基準に周辺(例えば、半径が30kmの円内)に位置する従事者(例えば、介護タクシー事業者、看護師、介護用品販売者、葬儀屋など)を示す画像を表示する。ユーザは、自宅周囲の複数の従事者から1人を選択できる。また、ユーザは、過去に作業を依頼した従事者の対応が丁寧であった場合、同じ従事者に依頼することが多い。ユーザの自宅に近い方の従事者に作業を複数回依頼する場合、2回目の依頼以降、早く来てくれるだけでなく、評価の高い従事者に何度も作業を行ってもらうことができる。
【0102】
また、従事者が介護タクシー事業者である場合、以下の効果も得ることができる。
(民間救急マッチング1)
本実施形態によれば、介護タクシー事業と並行して民間救急の業務を行うことができる。図25は、本実施形態の民間介護システムによる種々のマッチングを模式的に示す図である。民間救急が介護タクシーをしていることが多く民間の救急搬送業務を請負っているが、車両内の設備に差がある。また、民間救急資格を取得することで、依頼を請け負う対象も広がる。車両の設備および所得した資格に対応して、厚生労働省、NPO法人など支援団体や施設、精神科病院、ご家族、海外-日本、消防庁、行政、損保、および介護旅行と相互にマッチングすることができる。
【0103】
(民間救急マッチング2)
図26は、本実施形態に係る民間介護システムにおける別のマッチングを模式的に示す図である。厚生労働省のウェブサイトには、後期高齢者が増えると要介護者が増える根拠が説明されている。全国の総合病院、公立病院、夜間病院など全国病院数は約8300カ所ある。全国で介護タクシーの利用者数は、2~3万人/日と予想される。一般タクシーのユニバーサルデザインタクシーを除くと、介護タクシーは全国で1.5万台(2018年)といわれている。患者、民間救急、看護師、救命士、病院、行政、家族、施設、および訪日外国人患者が相互に関連している。これらのマッチングを行ってもよい。
【0104】
(精神疾患患者の搬送)
民間救急車による精神疾患患者の搬送業務が行われている。本システムが提供するサービスを、インターネットを通じて利用してもらう。NPOなどに案内や営業をし、ネットや電話で当サービスを利用してもらう。厚生労働局全国7カ所に入札して精神疾患患者の移送も請け負う。営業や口コミでネットや電話で当サービスを利用してもらう。
民間救急車による重症患者および感染症患者の搬送業務が行われている。海外で事故にあわれて搬送するときなどの手配、および空輸や空港からの搬送を行ってもよい。日本からの輸送などで医師・看護師同伴の場合は5百万円~数千万円程度かかる。結核患者や新型コロナウィルスの患者も搬送対象者もなり得る。
【0105】
(介護旅行)
高齢者や障害者の方に旅行支援を行う。旅行事業の免許を取得し、専門サイトとして国内外介護旅行プランの企画も提案する。例えば、温泉旅行、同窓会、法事、結婚式、日帰り旅行、墓参りおよび紅葉観光などである。
【0106】
(介護タクシー利用乗客とネットの活用)
パンプレットなどで直接利用者に車内にて旅行案内をする。
(1)旅行事業の免許を取得し専門サイトとして国内外介護旅行プランの企画を提案する。旅行企画代金を請求できる。旅行中は家から帰宅まで全て付き添う。トイレ・温泉入浴・移動などの必要な介護や服薬管理、金銭管理、体調管理などの必要なサポートする。
(2)有資格者同行の介護付き旅行サービスを提供する。諦めかけていた旅行を実現させることができる。温泉旅行、記念日旅行、親孝行旅行、親子3世代旅行など、介護福祉士等の有資格者がご旅行に付き添い、必要なサポートを行う。車いす等で介護を必要とする方とそのご家族が、安心してご旅行を楽しめる介護付き旅行サービスを提供する。
【0107】
(貸し切り車両)
日帰り旅行、スポーツ観戦、コンサート、買い物、複数場所の立ち寄り、および要介護外国人訪日客を対象とする。日本に来たくても移動手段を見つけられず断念する要介護外国人が多くいる。訪日ニーズが高まる。英語、中国語など外国人向けの介護タクシー案内サイトを構築する。
【0108】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0109】
(変形例)
(介護タクシー事業者の登録数の増加)
「050」の通話料の一部と、搬送費用の一部がシステムの運営費に充てられている。介護タクシー事業者の本システムへの会員登録を無料としてもよい。システムの運営費は、広告費用等で充てる。その結果、本システムを利用する介護タクシー事業者が増える。社団法人を設立して、無料会員と有料会員を設けてもよい。
事業者は3パターンから選べるようにする。1つ目は、本システムを通じて搬送業務を受託したら、費用のうち、一定の割合をシステムの管理者に支払う。2つ目は、社団法人に所属することで無料会員となる。3つ目は社団法人に所属した上で有料会員になる。有料会員は、例えば、ブロンズ(会費1万円)、シルバー(2万円)およびゴールド(3万円)の3段階が考えられる。有料会員になると、看護師が無料で募集できる、プラチナ会員は看護師10人まで無料にできる、人工呼吸器を格安でレンタルするなどの特典が得られる。医療機器は高額なので、社団法人で備えることで貸出する。
また、例えば、従来、事業者が搬送1万円のうち2500円を本システムの運営費として支払っている場合、会費が1万円/月の有料会員になれば、1カ月に4回以上搬送すれば、有料会員が得になる。管理部は、事業者情報を参照し、1カ月に4回以上搬送している事業者に対して、有料会員を勧める情報を事業者に通知してもよい。
【0110】
(看護師の会員制化)
本実施形態の民間介護システムにおいて、医療従事者として登録される看護師および補助者として登録される看護師の一方または両方について、介護タクシーの場合と同様に、会員制にしてもよい。本システムによって、管理者は看護師から紹介料をとってもよく、看護師に社団法人に所属してもらう選択肢もあり得る。看護師は最初無料で、後で課金にしてもよい。看護師が有料会員を選択した場合、上述した介護タクシーの有料会員と同様に、本システムから提供されるサービスが異なる複数のランク(例えば、ブロンズ、シルバーおよびゴールド)が設けられていてもよい。
【0111】
(介護タクシー事業者の搬送業務の質の向上)
サーバ1は、ルール違反を行う介護タクシー事業者に対して、警告を行ってもよい。警告してもルール違反をする介護タクシー事業者には本実施形態の民間介護システムへの登録を解消する。ルール違反とは、例えば、契約成立を不成立と申告した場合、他の事業者に再委託した場合、不正に他の事業者の情報を取得しようとした場合、およびユーザとの契約のキャンセルを繰り返す場合などである。例えば、管理部36が、介護タクシー事業者ごとに、ルール違反の情報を事業者情報で管理する。これにより、介護タクシー事業者がユーザに提供するサービスの質を維持することができる。
【0112】
(その他)
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0113】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0114】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0115】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0116】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶する記憶手段(例えば、記憶部18)と、
前記従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報をユーザの第1の情報処理端末から受信すると、前記第1の情報処理端末の位置を特定する位置特定手段(例えば、位置特定部31)と、
前記第1の情報処理端末の位置を基準に近い方から、前記依頼情報に対応する1人以上の前記従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する地図作成手段(例えば、地図作成部32)と、
作成された前記従事者地図情報を前記第1の情報処理端末に送信する通信手段(例えば、通信部19)と、
を有する情報処理装置である。
これにより、第1の情報処理端末が依頼情報を情報処理装置に送信すると、ユーザが居る場所を基準に周辺に位置する、依頼情報に対応する従事者(例えば、介護タクシー事業者、看護師、介護用品販売者、葬儀屋など)を示す画像を表示する。ユーザは、自宅周囲の複数の従事者から1人の従事者を選択できる。
【0117】
また、前記1人以上の前記従事者のうち、前記ユーザによって選択された前記従事者の情報を含む従事者選択情報を前記第1の情報処理端末から受信すると、前記依頼情報、前記第1の情報処理端末の通信アドレスおよび費用の見積もりを依頼する旨の情報を含む見積もり依頼情報を、前記ユーザによって選択された前記従事者の第2の情報処理端末に送信する見積もり要求手段(例えば、見積もり要求部33)をさらに有し、
前記通信手段は、
前記依頼情報に対応する前記費用の情報を含む作業完了報告を前記第2の情報処理端末から受信すると、前記作業完了報告を前記記憶手段に記憶させてもよい。
これにより、ユーザが地図上で従事者(例えば、介護タクシー事業者、看護師、介護用品販売者、葬儀屋など)を選択すると、選択された従事者から見積もりを受け取ることができる。従事者による作業が完了すると、作業完了報告が記憶手段に登録される。ユーザと従事者との間で作業費用が合意されると、作業が完了するまで、ユーザおよび従事者はそれぞれの端末を操作する必要がないので、端末操作の負荷が軽減する。
【0118】
また、前記従事者が介護タクシー事業者である場合、前記依頼情報が補助者の派遣を依頼する旨の情報を含み、前記補助者の募集を依頼する旨の募集依頼情報を前記第2の情報処理端末から受信すると、前記依頼情報を含む募集情報を予め登録された複数の補助者のそれぞれの第3の情報処理端末に送信する適合手段(例えば、適合部34)をさらに有し、
前記適合手段は、
前記複数の補助者のうち、前記募集に応募する旨の応募情報を前記第3の情報処理端末から受信すると、前記応募情報の送信元の通信アドレスの情報を含む前記応募情報を前記第2の情報処理端末に送信してもよい。
これにより、従事者が介護タクシー事業者である場合、介護タクシー事業者は、ユーザから依頼された搬送に補助者が必要な場合、自分で補助者を探す必要がないので、補助者を探す手間を省くことができる。
【0119】
また、前記ユーザに対して、前記従事者への依頼ごとに換金可能なポイントを付与する還元手段(例えば、還元部35)をさらに有し、
前記記憶手段は、複数の前記ユーザごとに、前記ポイントの還元率および付与される前記ポイントの情報を含むユーザ情報を記憶し、
前記還元手段は、
前記記憶手段によって前記作業完了報告が記憶されると、前記作業完了報告に対応する前記ユーザ情報から前記還元率を読み出し、読み出した前記還元率および前記費用に基づいて前記ユーザ情報に記録された前記ポイントを更新してもよい。
これにより、ユーザは、従事者(例えば、介護タクシー事業者、看護師、介護用品販売者、葬儀屋など)に作業を行ってもらう度に付与されるポイントについて、自分で予め設定した還元率のポイントを受け取ることができる。
【0120】
また、前記ユーザごとに、前記依頼情報を管理する管理手段(例えば、管理部36)をさらに有し、
前記記憶手段は、前記依頼情報に対応して、作業を行った前記従事者の情報を含む依頼履歴を前記ユーザごとに記憶し、
前記管理手段は、
前記第1の情報処理端末から前記依頼履歴を要求する旨の履歴要求情報を受信すると、前記記憶手段から前記依頼履歴を読み出して前記第1の情報処理端末に送信してもよい。
情報処理装置がユーザごとに依頼履歴を記憶しているので、ユーザは、過去に作業を依頼した従事者(例えば、介護タクシー事業者、看護師、介護用品販売者、葬儀屋など)にまた作業を依頼したい場合、依頼履歴から医療従事者の情報を読み出すことができる。その結果、ユーザは、サービスの質に満足している従事者に何度も作業を依頼することができる。
【0121】
また、前記ユーザの生体のデータに基づいて前記第1の情報処理端末から接続を要求する旨の情報を含む接続要求情報を受信すると、接続を許可するか否かを判定する判定手段(例えば、判定部37)をさらに有し、
前記記憶手段は、前記ユーザの前記生体について予め登録されたデータである登録データを記憶し、
前記判定手段は、
前記第1の情報処理端末から前記ユーザの前記生体のデータを含む接続要求情報を受信し、前記接続要求情報に含まれる前記生体のデータと前記登録データとが一致すると判定すると、前記接続を許可してもよい。
これにより、ユーザは、第1の情報処理端末を情報処理装置に接続させる際、生体認証によって認証されるので、パスワードを暗記する必要がなく、パスワードを入力する手間が省ける。
【0122】
また、前記複数の従事者ごとに、前記ユーザによる評価の情報を前記記憶手段に記憶させる評価手段(例えば、評価部38)をさらに有し、
前記評価手段は、
前記複数の従事者のうち、いずれか1人の前記従事者の前記評価の情報を要求する評価情報要求信号を前記第1の情報処理端末から受信すると、前記記憶手段から前記評価の情報を読み出して前記第1の情報処理端末に送信してもよい。
ユーザは、従事者(例えば、介護タクシー事業者、看護師、介護用品販売者、葬儀屋など)に対する他人の評価結果を見ることができるので、作業を依頼する際、より評価の高い従事者に作業を依頼できる。一方、従事者は、自分が提供するサービスに対してユーザによる評価が公開されるので、業務の質を高めるように努める。
【0123】
また、前記記憶手段は、
介護タクシーによる搬送対象者の身体の状態に関する情報である身体情報と、
前記搬送対象者の搬送先である施設または前記施設で働く人の第4の情報処理端末の通信アドレスと、を記憶し、
前記通信手段は、
前記第1の情報処理端末から前記施設への前記身体情報の送信を依頼する旨の事前送信依頼情報を受信すると、前記記憶手段から前記身体情報を読み出して前記第4の情報処理端末に送信してもよい。
ユーザは、介護タクシーによる搬送対象者の身体情報を情報処理装置に登録しておけば、身体情報が搬送対象者の搬送先の施設に提供されるので、搬送対象者の身体情報を施設の担当者に説明する手間を省くことができる。
【0124】
また、医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶する情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
前記従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報をユーザの第1の情報処理端末から受信すると、前記第1の情報処理端末の位置を特定する位置特定ステップと、
前記第1の情報処理端末の位置を基準に近い方から、前記依頼情報に対応する1人以上の前記従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する地図作成ステップと、
作成された前記従事者地図情報を前記第1の情報処理端末に送信する通信ステップと、
を有する情報処理方法であってもよい。
【0125】
また、医療、介護および葬儀のうち少なくともいずれか1つに関する複数の従事者の住所が記録された地図情報を記憶するコンピュータに、
前記従事者に依頼する内容の情報を含む依頼情報をユーザの第1の情報処理端末から受信すると、前記第1の情報処理端末の位置を特定する位置特定ステップと、
前記第1の情報処理端末の位置を基準に近い方から、前記依頼情報に対応する1人以上の前記従事者の位置および名称を示す従事者地図情報を作成する地図作成ステップと、
作成された前記従事者地図情報を前記第1の情報処理端末に送信する通信ステップと、
を実行させるためのプログラムであってもよい。
【符号の説明】
【0126】
1:サーバ 2:ユーザ端末 3-1~3-m:事業者端末
4-1~4-n:補助者端末 5:施設端末 11:CPU
18:記憶部 19:通信部 31:位置特定部
32:地図作成部 33:見積もり要求部 34:適合部
35:還元部 36:管理部 37:判定部
38:評価部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図20
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図26