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特開2024-119072業務専用電話システム及び業務専用電話の音声受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119072
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】業務専用電話システム及び業務専用電話の音声受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/72 20210101AFI20240827BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H04M1/72
H04M1/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025673
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】504143876
【氏名又は名称】ブロードマインド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100172225
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 宏行
(72)【発明者】
【氏名】吉野 慶太郎
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB34
5K127GB64
5K127NA02
5K127NA07
(57)【要約】
【課題】コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することのできる業務専用電話システム及び業務専用電話の音声受信方法を提供することを目的とする。
【解決手段】業務専用電話システム1は、業務専用携帯電話10に接続されたケーブル20と、ケーブル20を介して、業務専用携帯電話10と接続された第1の制御装置であるオペレータ用コンピュータ30と、オペレータ用コンピュータ30と通信可能な第2の制御装置である監督者用コンピュータ40と、を備え、オペレータ用コンピュータ30は、業務専用携帯電話10を使った業務電話の会話の音声を、ケーブル20を介して取得し、取得した音声を監督者用コンピュータ40へ送信し、監督者用コンピュータ40は、オペレータ用コンピュータ30から受信した音声を出力可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務専用携帯電話に接続されたケーブルと、
前記ケーブルを介して、前記業務専用携帯電話と接続された第1の制御装置と、
前記第1の制御装置と通信可能な監督者用の第2の制御装置と、を備え、
前記第1の制御装置は、前記業務専用携帯電話を使った業務電話の会話の音声を、前記ケーブルを介して取得し、取得した前記音声を前記第2の制御装置へ送信し、
前記第2の制御装置は、前記第1の制御装置から受信した前記音声を出力可能とする、業務専用電話システム。
【請求項2】
前記業務専用携帯電話は、使用されるべき業務スペースから持ち出し禁止である、
請求項1に記載の業務専用電話システム。
【請求項3】
業務専用携帯電話に接続されたケーブルと、
前記ケーブルを介して、前記業務専用携帯電話と接続された第1の制御装置用の第1のプログラムと、
前記第1の制御装置と通信可能な監督者用の第2の制御装置用の第2のプログラムと、を備え、
前記第1のプログラムは、前記業務専用携帯電話を使った業務電話の会話の音声を、前記ケーブルを介して取得し、取得した前記音声を前記第2の制御装置へ送信し、
前記第2のプログラムは、前記第1の制御装置から受信した前記音声を出力可能とする、業務専用電話システム。
【請求項4】
複数の業務専用携帯電話に接続された複数のケーブルと、
複数の前記ケーブルを介して、複数の前記業務専用携帯電話と接続された少なくとも1つの第1の制御装置用の第1のプログラムと、
前記第1の制御装置と通信可能な監督者用の第2の制御装置用の第2のプログラムと、を備え、
前記第1のプログラムは、複数の前記業務専用携帯電話を使った業務電話の会話の音声を、前記ケーブルを介して取得し、取得した複数の前記音声を前記第2の制御装置へ送信し、
前記第2のプログラムは、
前記第1の制御装置から受信した複数の前記音声を出力可能とし、
前記第2の制御装置が備える表示部に、複数の前記業務専用携帯電話のうち会話中の業務専用携帯電話を示す情報を表示させ、
前記第2の制御装置が備える入力部を介して、前記会話中の業務専用携帯電話のうち音声を出力する業務専用携帯電話を選択可能とする、業務専用電話システム。
【請求項5】
業務専用携帯電話と接続された第1の制御装置用の第1のプログラムが、前記業務専用携帯電話を使った業務電話の会話の音声を、ケーブルを介して取得し、取得した前記音声を前記第2の制御装置へ送信し、
前記第1の制御装置と通信可能な監督者用の第2の制御装置用の第2のプログラムは、前記第1の制御装置から受信した前記音声を出力する、業務専用電話の音声受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務専用電話システム及び業務専用電話の音声受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、監督者による音声傍受の機能を容易に実現できるコールセンタ向けIP電話ソフトウェア及びシステムが記載されている。通常、コールセンタ向けIP電話ソフトウェア及びシステムは、特許文献1に記載されているように、電話オペレータと顧客との通話の音声を、所定の監督者が必要に応じてその会話を傍受、監督して電話オペレータの支援を行う。電話オペレータと顧客との通話はインターネットプロトコルを利用するIP電話機で行われる。このように、これまでは、監督者による音声傍受の機能を実現できるコールセンタ向け電話システムは、IP電話機を使用していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-279102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、IP電話機よりもスマートフォンを含む携帯電話の方が通話の品質が良い上に、コールセンタの運用として利便性が高い。しかしながら、これまでは特許文献1に示されるようにIP電話機が使用され、電話オペレータがスマートフォンを含む携帯電話を使用することのできるシステムが存在しなかった。
【0005】
そこで本発明は、コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することのできる業務専用電話システム及び業務専用電話の音声受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の業務専用電話システムは、業務専用携帯電話に接続されたケーブルと、前記ケーブルを介して、前記業務専用携帯電話と接続された第1の制御装置と、前記第1の制御装置と通信可能な監督者用の第2の制御装置と、を備え、前記第1の制御装置は、前記業務専用携帯電話を使った業務電話の会話の音声を、前記ケーブルを介して取得し、取得した前記音声を前記第2の制御装置へ送信し、前記第2の制御装置は、前記第1の制御装置から受信した前記音声を出力可能とする。
【0007】
本発明の業務専用電話システムは、業務専用携帯電話に接続されたケーブルと、前記ケーブルを介して、前記業務専用携帯電話と接続された第1の制御装置用の第1のプログラムと、前記第1の制御装置と通信可能な監督者用の第2の制御装置用の第2のプログラムと、を備え、前記第1のプログラムは、前記業務専用携帯電話を使った業務電話の会話の音声を、前記ケーブルを介して取得し、取得した前記音声を前記第2の制御装置へ送信し、前記第2のプログラムは、前記第1の制御装置から受信した前記音声を出力可能とする。
【0008】
本発明の業務専用電話システムは、複数の業務専用携帯電話に接続された複数のケーブルと、複数の前記ケーブルを介して、複数の前記業務専用携帯電話と接続された少なくとも1つの第1の制御装置用の第1のプログラムと、前記第1の制御装置と通信可能な監督者用の第2の制御装置用の第2のプログラムと、を備え、前記第1のプログラムは、複数の前記業務専用携帯電話を使った業務電話の会話の音声を、前記ケーブルを介して取得し、取得した複数の前記音声を前記第2の制御装置へ送信し、前記第2のプログラムは、前記第1の制御装置から受信した複数の前記音声を出力可能とし、前記第2の制御装置が備える表示部に、複数の前記業務専用携帯電話のうち会話中の業務専用携帯電話を示す情報を表示させ、前記第2の制御装置が備える入力部を介して、前記会話中の業務専用携帯電話のうち音声を出力する業務専用携帯電話を選択可能とする。
【0009】
本発明の業務専用電話の音声受信方法は、業務専用携帯電話と接続された第1の制御装置用の第1のプログラムが、前記業務専用携帯電話を使った業務電話の会話の音声を、ケーブルを介して取得し、取得した前記音声を前記第2の制御装置へ送信し、前記第1の制御装置と通信可能な監督者用の第2の制御装置用の第2のプログラムは、前記第1の制御装置から受信した前記音声を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することのできる業務専用電話システム及び業務専用電話の音声受信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態の業務専用電話システムの概略の一例を示す図
図2】本発明の一実施の形態の業務専用電話システムの一例を示すブロック図
図3】本発明の一実施の形態の業務専用携帯電話の表裏を示す図
図4】本発明の一実施の形態の監督者用コンピュータの表示画面の一例を示す図
図5】本発明の一実施の形態の業務専用電話システムの動作の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<業務専用電話システム1の概略説明>
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、方法、フロー等は説明のための例示であって、システム、プログラム、コンピュータ、ケーブルなどの仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
まず、本実施の形態における業務専用電話システム1について説明する。図1は、本発明の一実施の形態の業務専用電話システムの概略の一例を示す図である。図2は、本発明の一実施の形態の業務専用電話システムの一例を示すブロックである。業務専用電話システム1は、少なくとも業務専用携帯電話10、ケーブル20、オペレータ用コンピュータ30、監督者用コンピュータ40、サーバ50と、を備える。
【0014】
業務専用携帯電話10は、一般的なスマートフォンでも良く、一般的に販売されている携帯電話である。すなわち、業務専用携帯電話10は、通話部11を含み、業務用に使用される一般的な携帯電話(業務専用に作られた携帯電話ではない)のことを言う。通話部11を介して音声通話を行う際には、「090」「080」「070」から始まる電話番号で通話をすることができる。
【0015】
すなわち、業務専用携帯電話10は、例えば3G(W-CDMA)、4G、5G回線を利用し、CS domain(Circuit Switched/回線交換)を利用する音声通話をすることができる。このような通話は、IP電話機によるインターネットプロトコルを利用した音声通話と異なり、回線の一部分を占有して音声データをやりとりするため、音声品質が良好であると言える。
【0016】
実際に、総務省では加入電話をクラスA、携帯電話をクラスB、IP電話をクラスCと定義している。業務専用携帯電話10は、通話における音声をケーブル20に出力するための差し込み口(ジャック)を有する。業務専用携帯電話10の通話部11(通話機能)を使って業務電話を行い、オペレータは通話相手と会話を行う。
【0017】
ケーブル20は、業務専用携帯電話10に対応可能な有線ケーブルであれば良く、両端のうち1端にプラグ21を備える。例えば、3.5mmフォンプラグ(ステレオミニプラグ)、ミニプラグであると良い。プラグ21が、業務専用携帯電話10の差し込み口に挿入されることで、ケーブル20を介して、通話の音声がオペレータ用コンピュータ30に送られる。当然、ケーブル20の他方の1端もプラグとなり、そのプラグがオペレータ用コンピュータ30の差し込み口に挿入されることで、オペレータ用コンピュータ30に接続される。
【0018】
必ずしも1本のケーブル20で業務専用携帯電話10とオペレータ用コンピュータ30とを接続する必要はなく、複数のケーブル20を使用、または電子機器などケーブル以外のものを介するなどしても良い。例えば、ケーブル20は、プラグ21が1つでジャックが2つの4極3.5mm分岐ケーブルを含み、ケーブル20のプラグ21が業務専用携帯電話10の差し込み口に挿入される。2つのジャックのうち、1つはオペレータが使用するヘドフォンやイヤフォンに接続される。
【0019】
もう1つは、3.5mmtoXLR変換ケーブルに接続される。この、3.5mmtoXLR変換ケーブルのXLRプラグが、例えばオーディオインターフェースなどのインターフェースに接続される。そして、このインターフェースの例えばUSBポートを介して、USBケーブルでオペレータ用コンピュータ30に接続しても良い。この場合、オペレータ用コンピュータ30もUSBポートを備えている。
【0020】
このように、業務専用携帯電話10とオペレータ用コンピュータ30との接続は、無線を使わず有線で実現することが重要であり、有線での接続方法としては、1本のケーブルで実現する必要はなく複数のケーブルやオーディオインターフェースなどを含んでも良い。また、ケーブル20は、電線やコードなどを含んで良い。
【0021】
なお、オーディオインターフェースとは、通常、音楽でマイクや楽器のアナログ音声信号をデジタルに変換し、ケーブル20を介してコンピュータに出力するための機器である。本実施の形態では、オーディオインターフェースが、業務専用携帯電話10の業務電話の音声(マイクから集音されたオペレータの音声と電話によって受信した通話相手の音声など)信号をオペレータ用コンピュータ30に送信するケーブル20の一部として機能しても良い。
【0022】
オペレータ用コンピュータ30は、制御部31、記憶部32、送受信部33を備える。オペレータ用コンピュータ30は、通話を行うオペレータが使用するものであり、送受信部33及び通信網を介して受信した音声をサーバ50に送信する。通信網としては、有線通信及び無線通信の何れでもよく、有線通信の例として、Ethernet(登録商標)が挙げられる。無線通信の例として、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE、4G、5Gが挙げられる。もちろん、サーバ50などを介さずに監督者用コンピュータ40に直接送信しても良い。また、サーバ50だけでなく他の装置などを介して間接的に監督者用コンピュータ40に送信しても良い。
【0023】
オペレータ用コンピュータ30は制御装置であり、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの電子機器であると良い。記憶部32は、メモリを含む。そして、記憶部32には、必要なソフトウェアやプログラムが記憶され、制御部31が当該ソフトウェアやプログラムを実施する。また、記憶部32には、対応する業務専用携帯電話10を介して行われた過去の会話履歴が記憶されても良い。
【0024】
監督者用コンピュータ40は、業務専用携帯電話10を使って行われる業務電話の音声をリアルタイムで確認することができる監督者が使用するものである。監督者用コンピュータ40は、オペレータ用コンピュータ30から送受信部45を介して受信した音声を出力する。
【0025】
具体的には、監督者用コンピュータ40のスピーカから出力する、または監督者用コンピュータ40にヘッドフォンやイヤフォンを接続するなどしてヘッドフォンやイヤフォンから音声を出力することができる。ここでの「出力する」とは、監督者が業務専用携帯電話10を介して行われる通話の音声を聞くことで確認できるようにすることを言う。また、音声を文字にして表示部42に表示するなど監督者が音声を「見える」ようにして確認できるようにしてもよく、それ以外の方法で出力しても良い。
【0026】
監督者用コンピュータ40には入力部41と表示部42が備えられ、入力部41と表示部42とを介して、監督者は出力する音声を選ぶことができる。詳細は後述する。入力部41は、キーボード、マウスなどであって良い。表示部は、ディスプレイなどであって良い。また、入力部41と表示部42の機能を有するタッチパネルであっても良い。
【0027】
監督者用コンピュータ40は、制御部43、記憶部44、送受信部45を備える。監督者用コンピュータ40は制御装置であり、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなどの電子機器であると良い。記憶部44はメモリを含む。そして、記憶部44には、必要なソフトウェアやプログラムが記憶され、制御部43が当該ソフトウェアやプログラムを実施する。
【0028】
サーバ50は、制御部51、記憶部52、送受信部53を備える。サーバ50は、オペレータ用コンピュータ30から送受信部53及び通信網を介して受信した音声に関わる情報を記憶し、その音声に関わる情報を監督者用コンピュータ40に通信網を介して送信する。図1においては、業務専用電話システム1内にオペレータ用コンピュータ30と監督者用コンピュータ40とが1台ずつあるが、複数台ずつあっても良い。
【0029】
すなわち、1台または複数のオペレータ用コンピュータ30の音声が、1台または複数台の監督者用コンピュータ40において出力されるようにしても良い。制御部51は、どのオペレータ用コンピュータ30の音声をどの監督者用コンピュータ40に送信するかを制御する。サーバ50には、受信した音声の少なくとも一部が記憶部52に記憶されるとよく、記憶されなくても良い。
【0030】
なお、通信網としては、有線通信及び無線通信の何れでもよく、有線通信の例として、Ethernet(登録商標)が挙げられる。無線通信の例として、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE、4G、5Gが挙げられる。サーバ50は、クラウドサーバであっても良い。
【0031】
<携帯電話を業務専用電話システムに使用することについて>
本発明において業務専用電話システム1においてスマートフォンを含む業務専用携帯電話10を使用するのは、前述した通り、通話品質がIP電話機よりも良いからである。また、携帯電話(スマートフォンを含む)は一般的に普及しているので、大量生産されているため低価格なものも多くコスト削減を実現することも可能である。すなわち、IP電話機のように業務専用電話システム1専用の電話機を使用するのではなく、一般的な携帯電話を業務専用携帯電話10として使用するため、安価かつ手に入れやすい。したがって、利便性が高い。
【0032】
前述した業務専用携帯電話10の音声通話(IP電話の音声通話方法とは異なる音声通話)は、電波法に従う必要がある。電波法に基づいた上で、図1のように、業務専用携帯電話10の音声通話を監督者用コンピュータ40においても出力可能とするには、業務専用携帯電話10を介して行われる通話の会話が業務に関する通話(業務電話)に限られることが重要である。
【0033】
さらに、監督者用コンピュータ40を使用する監督者が、業務専用携帯電話10を使用するオペレータと同一の業務に従事している必要がある。すなわち、業務関する通話のみに限定した上で、監督者用コンピュータ40を使用する監督者と業務専用携帯電話10を使用するオペレータとが当該業務における当事者であることが重要である。
【0034】
業務専用携帯電話10は、使用されるべき業務スペースに限られた方が良い。使用されるべき業務スペースとは、会社内の業務通話用の部屋やスペースや、オペレータが在宅ワークの場合のオペレータ宅内の業務通話用の部屋やスペースである。この時、業務専用携帯電話10が使用されるべき業務スペースから持出禁止として管理することが望ましい。
【0035】
これらの工夫によって、業務専用携帯電話10を業務用途限定で使用することができ、プライベート使用を防ぐことができる。それはつまり、監督者が誤ってオペレータのプライベート通話を聞いてしまうことを防ぐことができる。その結果、電波法に従いながらも、一般的な携帯電話を業務専用携帯電話10として使用することが可能となる。
【0036】
さらなる工夫として、図3に示すように、業務専用携帯電話10の裏面には、「業務用 持出禁止」などのシール12を貼るなどして、「業務用」であることや「持出禁止」であることが分かるように文字やマークなどを表示すると良い。図3は、本発明の一実施の形態の業務専用携帯電話の表裏を示す図であり、(a)は表面、(b)は裏面を示す。このように、業務専用携帯電話10が業務専用であることを明らかにすると良い。なお、このような表示は、業務専用携帯電話10の面面でも裏面でもそれ以外の場所でも良い。
【0037】
また、業務専用携帯電話10として一般的な携帯電話を使用するため、業務専用電話システム1専用の電話機を使用するわけではない。業務専用携帯電話10の通話の音声をオペレータ用コンピュータ30に送る手段として一般的に有線と無線が考えられるが、本実施の形態においては有線を選択する。
【0038】
これは、無線を使用すると、業務専用携帯電話10を介して行われる通話の会話が当該業務の当事者以外に傍受される可能性があるからである。従って、本実施の形態においては、必ず有線を使用する。その一例として、図1では、ケーブル20を使用しており、ケーブル20以外の有線通信手段を使用しても良い。
【0039】
<監督者用コンピュータの表示部について>
次に、監督者用コンピュータ40の表示部42について説明する。図4は、本発明の一実施の形態の監督者用コンピュータの表示画面の一例を示す図である。この時、業務専用電話システム1には、業務専用携帯電話10として少なくともNo.1からNo.7の7台が含まれる。
【0040】
表示部42には、少なくとも、その時通話をしている業務専用携帯電話10を示す番号やIDなどが表示される。図4の例においては、この時、No.1からNo.7のうちNo.1、No.2、No.5の3台が通話中である。表示部42には、No.1、No.2、No.5それぞれを表す選択ボタン46が表示される。それによって監督者は、入力部41を介して、通話中のNo.1、No.2、No.5の業務専用携帯電話10のうちいずれかを選択することができ、どの業務専用携帯電話10の会話音声を出力するかを選択することができる。
【0041】
選択する業務専用携帯電話10は、1つであっても、複数であっても良い。選択されたIDの業務専用携帯電話10の会話音声が出力される。また、表示部42には、各オペレータが通話中であるかどうかだけでなく、待機中、後処理中、離席中、オフラインのいずれかであることがわかるように表示しても良い。
【0042】
表示部42には、少なくとも、その日またはその時間などに勤務をしているオペレータの業務専用携帯電話10を示す番号やIDなどが表示される。図3の例においては、この時、No.1からNo.7のうちNo.1、No.2、No.3、No.5、No.6、No.7の6台それぞれを使用するオペレータが勤務中である。この時、表示部42には、No.1、No.2、No.3、No.5、No.6、No.7それぞれを表す勤務中ボタン47が表示される。
【0043】
No.4の業務専用携帯電話10を使用するオペレータは、その時出社していない、休日または業務外である、など、在籍していないことが分かる。勤務中であって、通話中でないIDの業務専用携帯電話10を使用するオペレータ(No.3、No.6、No.7)は、休憩中か、通話をしていない状態である。監督者は、入力部41を介して通話中のNo.1、No.2、No.3、No.5、No.6、No.7を選択することができ、選択されたIDの業務専用携帯電話10を使用するオペレータの現在の状況やステータスなどを見ることができる。
【0044】
<業務専用電話の音声受信方法について>
次に、業務専用電話の音声受信方法について説明する。図5は、本発明の一実施の形態の業務専用電話システムの動作の一例を示す図である。なお、以下の動作は、業務専用電話システム1で実行される音声受信方法を示すだけでなく、業務専用電話システム1のオペレータ用コンピュータ30及び監督者用コンピュータ40とで実行可能なソフトウェアやプログラムの処理手順を示すものである。そして、これらの処理は、図5で示した順序には限定されない。すなわち、あるステップでその前段のステップの結果を利用する関係にある等の制約がない限り、順序を入れ替えてもよい。
【0045】
まず、業務専用電話システム1に含まれる1つまたは複数の業務専用携帯電話10のうち少なくとも1つを使用するオペレータが、当該業務専用携帯電話10を使って通話開始する(ST1)。この通話の音声は、ケーブル20を介してオペレータ用コンピュータ30が受信する(ST2)。ケーブル20が業務専用携帯電話10とオペレータ用コンピュータ30とを既に接続していれば、ST1が行われることで同時にST2が行われる。
【0046】
次に、オペレータ用コンピュータ30は、通信網を介して受信した音声をサーバ50に送信し、サーバ50は受信した音声を記憶する(ST3)。この時、サーバ50は必ずしも受信した音声を全て記憶しなくても良い。本実施の形態においては、基本的に監督者は業務電話の会話をリアルタイムで確認するが、記憶された音声は、いつでも確認できるようになる。そして、サーバ50は、受信した音声を、予め指定された監督者用コンピュータ40に送信する。
【0047】
次に、監督者用コンピュータ40において、監督者が出力したい(聞きたい)通話を行っている業務専用携帯電話10を選択する(ST4)。業務専用電話システム1内に、音声を出力できる業務専用携帯電話10が1つしかない場合や、出力する業務専用携帯電話10が予め決定している場合などは、ST4を省略してもよい。前述したように、ST4は、監督者用コンピュータ40の少なくとも入力部41と表示部42とを介して行われる。そして、選択された業務専用携帯電話10の音声は、サーバ50から監督者用コンピュータ40に送信される(ST5)。
【0048】
そして、監督者用コンピュータ40は、受信した音声を出力する(ST6)。すなわち、音声の内容をリアルタイムで監督者が確認できるようにする。この時、ST4においては、選択されていない業務専用携帯電話10の音声も監督者用コンピュータ40に送信されても良い。
【0049】
本実施の形態における業務専用電話システム1は、業務専用携帯電話10に接続されたケーブル20と、ケーブル20を介して、業務専用携帯電話10と接続された第1の制御装置であるオペレータ用コンピュータ30と、オペレータ用コンピュータ30と通信可能な第2の制御装置である監督者用コンピュータ40と、を備え、オペレータ用コンピュータ30は、業務専用携帯電話10を使った業務電話の会話の音声を、ケーブル20を介して取得し、取得した音声を監督者用コンピュータ40へ送信し、監督者用コンピュータ40は、オペレータ用コンピュータ30から受信した音声を出力可能とする。これによって、コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することができる。
【0050】
また、業務専用携帯電話10は、使用されるべき業務スペースから持ち出し禁止であると良い。これによって、より確実に業務専用携帯電話10を業務専用として管理し、コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することができる。
【0051】
また、業務専用電話システム1は、業務専用携帯電話10に接続されたケーブル20と、ケーブル20を介して、業務専用携帯電話10と接続された第1の制御装置であるオペレータ用コンピュータ30用の第1のプログラムと、オペレータ用コンピュータ30と通信可能な監督者用コンピュータ40用の第2のプログラムと、を備え、第1のプログラムは、業務専用携帯電話10を使った業務電話の会話の音声を、ケーブル20を介して取得し、取得した音声を監督者用コンピュータ40へ送信し、第2のプログラムは、オペレータ用コンピュータ30から受信した音声を出力可能とする。これによって、コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することができる。
【0052】
また、業務専用電話システム1は、複数の業務専用携帯電話10に接続された複数のケーブル20と、複数のケーブル20を介して、複数の業務専用携帯電話10と接続された少なくとも1つのオペレータ用コンピュータ30用の第1のプログラムと、オペレータ用コンピュータ30と通信可能な監督者用コンピュータ40用の第2のプログラムと、を備え、第1のプログラムは、複数の業務専用携帯電話10を使った業務電話の会話の音声を、ケーブル20を介して取得し、取得した複数の音声を監督者用コンピュータ40へ送信し、第2のプログラムは、オペレータ用コンピュータ30から受信した複数の音声を出力可能とし、監督者用コンピュータ40が備える表示部42に、複数の業務専用携帯電話10のうち会話中の業務専用携帯電話10を示す情報を表示させ、監督者用コンピュータ40が備える入力部41を介して、会話中の業務専用携帯電話10のうち音声を出力する業務専用携帯電話10を選択可能とする。これによって、コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することができる。
【0053】
また、本実施の形態の業務専用電話の音声受信方法は業務専用携帯電話10と接続されたオペレータ用コンピュータ30用の第1のプログラムが、業務専用携帯電話10を使った業務電話の会話の音声を、ケーブル20を介して取得し、取得した音声を監督者用コンピュータ40へ送信し、オペレータ用コンピュータ30と通信可能な監督者用コンピュータ40用の第2のプログラムは、オペレータ用コンピュータ30から受信した音声を出力する。これによって、コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することができる。
【0054】
なお、「オペレータ用コンピュータ30と通信可能な監督者用コンピュータ40」の「通信可能」とは、直接通信可能でも、他の装置などを介して間接的に通信可能でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0055】
コールセンタなどの業務用途で、IP電話機ではなく、スマートフォンを含む携帯電話を使用することのできる業務専用電話システム及び業務専用電話の音声受信方法を提供する。
【符号の説明】
【0056】
1 業務専用電話システム
10 業務専用携帯電話
11 通話部
12 シール
20 ケーブル
21 プラグ
30 オペレータ用コンピュータ
31 制御部
32 記憶部
33 送受信部
40 監督者用コンピュータ
41 入力部
42 表示部
43 制御部
44 記憶部
45 送受信部
46 選択ボタン
47 勤務中ボタン
50 サーバ
51 制御部
52 記憶部
53 送受信部
図1
図2
図3
図4
図5