(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119076
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】防音パネル
(51)【国際特許分類】
E01F 8/00 20060101AFI20240827BHJP
E04B 1/86 20060101ALI20240827BHJP
E04B 2/56 20060101ALI20240827BHJP
G10K 11/16 20060101ALI20240827BHJP
E04C 2/38 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
E01F8/00
E04B1/86 V
E04B2/56 622B
G10K11/16 130
E04C2/38 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025685
(22)【出願日】2023-02-22
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】雪上 義生
(72)【発明者】
【氏名】萩原 徹
(72)【発明者】
【氏名】岡田 拓也
【テーマコード(参考)】
2D001
2E001
2E002
2E162
5D061
【Fターム(参考)】
2D001AA01
2D001BA01
2D001BB01
2D001CA01
2D001CB02
2D001CC01
2D001CC02
2D001CD01
2E001DF01
2E002EA01
2E002FA02
2E002FB08
2E002FB16
2E002HA02
2E002HB01
2E002MA15
2E162BA03
2E162CB02
2E162CB08
2E162CE00
5D061BB02
5D061BB35
5D061DD06
(57)【要約】
【課題】耐久性が良好な防音パネルを提供する。
【解決手段】2個の枠材と、この各枠材に固定した前面板と背面板とを備える中空箱状の本体部を有し、前記各枠材を幅方向に間隔をあけて配置し、遮音性を有する前記背面板の幅方向両側の端部に前方へむけて延設する固定部を形成し、各固定部を前記枠材の第一接続部へ当接させると共に幅方向へ貫通する締結部材によって第一接続部へ固定する。
幅方向へ貫通する締結部材によって背面板の各固定部を枠材の第一接続部へ固定するので、防音パネルが強風を受ける等して背面板が前後方向への力を受けたときに前記締結部材の一部に力が集中しにくくなされ、締結部材や固定部の破損が抑制されて耐久性が向上する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個の枠材と、該各枠材に固定された前面板と背面板とを備える中空箱状の本体部を有する防音パネルであって、
前記各枠材は幅方向に間隔をあけて配置されており、
遮音性を有する前記背面板は幅方向両側の端部に前方へむけて延設される固定部が形成され、該各固定部は前記枠材の第一接続部に当接すると共に幅方向へ貫通する締結部材によって第一接続部に固定されていることを特徴とする防音パネル。
【請求項2】
前記第一接続部は、前記各枠材の幅方向内側の外面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の防音パネル。
【請求項3】
前記前面板は幅方向両側の端部に固定部が設けられ、該各固定部は前記枠材の前側に設けられた第二接続部へ当接すると共に、前後方向へ貫通する締結部材によって固定されていることを特徴とする請求項1に記載の防音パネル
【請求項4】
前記各枠材は中空部を有する筒状の長尺体で形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の防音パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐久性が良好な防音パネルを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
防音壁などを構成する防音パネルについては、箱状に形成した本体の内部に吸音材を内装する吸音パネルなどが従来から利用されており、種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、多数の透孔を有する前面部の上端が背面側に折曲されて上端平面部が形成された前面板と、前面板の背後に配置され、遮音性を有する背面部の上下端がそれぞれ前面側に折曲されて上面部及び下面部が形成されると共にさらにその下面部の先端が内側に折曲されて下端折曲部が形成された背面板と、前面板の上端平面部と背面板の上面部及び前面板の前面部下端と背面板の下端折曲部を夫々締結し、前面板と背面板とを一体化する締結材と、前面板と背面板との間に収納された吸音材とを備えたことを特徴とする防音パネルが、本出願人によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される防音パネルは、前面板と背面板とを一体化するための締結材を、X軸及びY軸の異軸方向へ締結することで前面板の締結部位置に逃げ場を設け、その外観を維持するように設けている。本発明は、これとは異なる構成によって耐久性を良好にした防音パネルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る防音パネルは、2個の枠材と、該各枠材に固定された前面板と背面板とを備える中空箱状の本体部を有する防音パネルであって、前記各枠材は幅方向に間隔をあけて配置されており、遮音性を有する前記背面板は幅方向両側の端部に前方へむけて延設される固定部が形成され、該各固定部は前記枠材の第一接続部に当接すると共に幅方向へ貫通する締結部材によって第一接続部に固定されていることを特徴とするものである。
【0007】
本願発明に係る防音パネルによれば、幅方向に間隔をあけて配置した2個の枠材と、この各枠材に固定した前面板と背面板とを備える中空箱状の本体部を有するので、本体部の内側に吸音材を収納する等して優れた防音性能を有する防音部材を形成することができる。
また、遮音性を有する前記背面板の端部に前方へむけて延設する固定部を形成し、この各固定部を前記枠材の第一接続部へ当接させると共に幅方向へ貫通する締結部材によって第一接続部へ固定するので、防音パネルが強風を受ける等して背面板が前後方向への力を受けたときに前記締結部材の一部に力が集中しにくくなされ、締結部材や固定部の破損が抑制されて耐久性が向上する。
【0008】
また、前記第一接続部を前記各枠材の幅方向内側の外面にそれぞれ設ければ、前記固定部を貫通する締結部材の端部が各枠材の幅方向内側に配置され、この締結部材の端部へ他の物品が接触する等して生じる損傷が低減するので、好ましい。
【0009】
また、前記前面板の幅方向両側の端部に固定部を設け、この各固定部を前記枠材の前側に設けた第二接続部へ当接させると共に前後方向へ貫通する締結部材によって固定すれば、この締結部材が前記背面板と枠材の第一接続部とを固定する前記締結部材と異なる向きに配置されて、各締結部材がそれぞれ異なる方向へ良好な剛性を示すようになされ、本体部全体の耐久性が向上するので、好ましい。
【0010】
また、中空部を有する筒状の長尺体で前記各枠材を形成すれば、各枠材がそれぞれ良好な剛性を有するようになされ、本体部全体の耐久性が向上するので、好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本願発明に係る防音パネルによれば、枠材と背面板とを固定する締結部材の一部に外力が集中しにくく、耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る防音パネルの実施の一形態を示す正面図である。
【
図3】
図1の防音パネルの長手方向の端部を拡大した図である。
【
図7】
図6の防音パネルが強風を受けた状況の概要を示す図である。
【
図8】
図6の防音パネルが強風を受けた状況の概要を示す図である。
【
図10】枠材の後面へ背面板を固定した防音パネルの一形態を示す参考例である。
【
図11】
図10の防音パネルが強風を受けた状況を示す図である。
【
図12】
図10の防音パネルが強風を受けた状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において1は防音パネルである。
防音パネル1は略矩形箱形に形成しており、内側に収納する吸音材Sによって騒音等を低減する吸音パネルである。
以下の説明において、
図1の上下方向を長手方向とし、長手方向に対して垂直な
図1の左右方向を幅方向とし、長手方向と幅方向に垂直な方向を前後方向とする。
【0014】
図1、2に示す防音パネル1は長手方向に間隔をあけて配置する2個の枠材2と、幅方向に間隔をあけて配置する2個の枠材3とを備え、各枠材2の両端部と各枠材3の両端部とを連結させて矩形の枠体11を形成している。
前記枠体11は、矩形平板状の基板部41を有する前面板4を前方側に配置して取り付け、矩形平板状の基板部51を有する背面板5を後方側に取り付けている。枠体11、前面板4、及び背面板5は矩形箱状の本体部を構成し、本体部の内側には前記吸音材Sを収納する中空部12が形成される。
前記前面板4は、基板部41に丸孔形状の貫通孔41aを略全面に亘って形成しており、防音パネル1の前方側からの騒音が貫通孔41aを通じて内側へ至り、吸音材Sによって低減されるように設けている。
また、前記背面板5は、基板部51を遮音板として機能させるように設けている。
尚、
図1や後述する
図3では、貫通孔41aを一部のみ図示しており、図面を簡略化している。
【0015】
図3は
図1の防音パネル1の長手方向の端部を拡大した図であり、
図4は
図3のA-A断面図である。
図4においては、前面板4の貫通孔41aの図示を省略して図面を簡略化している。
前記各枠材2はアルミニウムの押出形材で形成しており、略平板状の基部20と、基部20から垂直に延設する設置部21を備える略L字型の断面形状に設けた長尺体である。
各枠材2の基部20には、長手方向内側へ突出する矩形板状の接続片20a、20bを形成している。接続片20aは基部20の前方向側に配置しており、接続片20aへ当接する前面板4の基板部41をブラインドリベットからなる締結部材9によって固定している。また、接続片20bは基部20の後方向側に配置しており、接続片20bへ当接する背面板5の基板部51をブラインドリベットからなる締結部材9によって固定している。
【0016】
各枠材2の設置部21は防音パネル1の長手方向外側へ突出するようにそれぞれ配置し、前後方向に貫通する貫通孔21aを形成している。防音パネル1は、各設置部21を設置場所の支持部材へ当接させ、各貫通孔21aへ挿通するボルト等の締結部材によって前記支持部材へ固定し設置するように設けている。
また、支持部材へ当接させる各設置部21の後面には平板状のパッキンPを取り付けている。
防音パネル1は、長手方向を上下へ向けて支持部材へ固定してもよく、間隔をあけて立設させた支柱を支持部材として長手方向を横方向へ向けて設置することもできる。
【0017】
図5は
図1のA-A断面図であり、
図6は
図5の端部を拡大した図である。
図5、6では、前面板4の貫通孔41aの図示を省略して、図面を簡略化している。
防音パネル1の前面板4と背面板5との間の中空部12に収納される前記吸音材Sは、後方のスペーサー13によって前面板4側寄りに配置しており、吸音材Sと背面板5の間に隙間が形成されるように設けている。
【0018】
前記各枠材3はアルミニウムの押出形材で形成しており、略矩形筒状に設けた長尺体である。具体的には、前記各枠材3は、前面31、後面32、及び幅方向両側の側面33、34をそれぞれ略平面状に形成している。
枠材3の前面31には後方へ窪む溝部31aを形成している。溝部31aは前面31の幅方向外側の端の近傍に配置し、枠材3の全長に亘って形成している。
各枠材3の側面34は防音パネル1の幅方向外側に配置させており、長手方向の全長に亘って内側へ略矩形に窪む溝34aを形成している。防音パネル1は幅方向両側の各溝34aのうち一方側にパッキンPを取り付けており、防音パネル1を幅方向に複数並設させたときに、前記パッキンが隣接する防音パネル1の溝34a内へ係合するように挿入されて、各防音パネル1の間の隙間を効果的に塞ぐように設けている。
【0019】
前記前面板4は平板状の金属板で形成しており、具体的にはアルミニウムの平板材で形成している。前面板4は、基板部41の幅方向の両端から後方へ突出する係合部42を形成しており、各係合部42は基板部41の長手方向の全長に亘って形成している。
前記前面板4は、各係合部42を前記各枠材3の溝部31a内へ挿入し、基板部41の幅方向の端部41bの後面と各枠材3の前面31とを当接させて、基板部41を前後方向へ貫通する締結部材8によって枠材3へ固定している。前面板4の幅方向両側の端部41bは、前記枠材3へ当接させて固定する固定部となされる。また、各枠材3の前面31は、固定部となされる前面板4の各端部41bを当接させて固定する第二接続部となされる。
前記締結部材8はブラインドリベットであり、
図1に示すように長手方向に間隔をあけて複数個配置している。また前記締結部材8は、一方の端部が防音パネル1の前面外側に配置され、他方の端部が筒状の枠材3の内側に配置される。
【0020】
前記背面板5は平板状の金属板で形成しており、具体的にはめっき鋼板で形成している。背面板5は、基板部51の幅方向の両端から前方へ突出する固定部52を形成している。各固定部52は前記金属板を曲げ加工して設けた略矩形平板状に形成しており、基板部51の長手方向の全長に亘って形成している。
前記背面板5は、各固定部52の板面を前記各枠材3の側面33へ当接させ、固定部52を幅方向へ貫通する締結部材7によって枠材3へ固定している。各枠材3において幅方向内側に配置される前記各側面33は、前記各固定部52を当接させて固定するための第一接続部となされる。
前記締結部材7はブラインドリベットであり、前記締結部材8と同様に長手方向に間隔をあけて複数個配置している。また前記締結部材7は、一方の端部が防音パネル1の中空部12内に配置され、他方の端部が筒状の枠材3の内側に配置される。
【0021】
図7、8は、
図6の防音パネル1が強風を受けた状況の概要を示す図である。
図7、8においては、枠材3、前面板4、背面板5、及び締結部材7、8を簡易的に描くと共に、吸音材S等の図示を省略して、図面を簡略化している。
図7は後方側から強風を受けた状況を示している。
図7において、防音パネル1の背面板5は後方側からの強風を受けて基板部51が撓むように変形するが、各固定部52には矢印d1に示すような前方へ向かう力として伝達される。このように固定部52へ伝達された力は、固定部52を幅方向へ貫通する前記各締結部材7にせん断力として作用する。
【0022】
図8は前方側から強風を受けた状況を示している。
図8において、防音パネル1の背面板5は前方側からの強風を受けて基板部51が撓むように変形するが、各固定部52には矢印d2に示すような後方へ向かう力として伝達される。このように固定部52へ伝達された力は、固定部52を幅方向へ貫通する前記各締結部材7にせん断力として作用する。
【0023】
図9は
図7、8の締結部材7を示す断面図である。締結部材7は、固定部52と枠材3へ挿通される断面略円形のボディ部71と、ボディ部71よりも径大に設けられて両端に配置されたフランジ部72、73を備え、各フランジ部72、73が抜け止めとなされてボディ部71を挿通させた固定部52と枠材3とを固定している。
【0024】
上記のように防音パネル1が前後方向に向かう強風を受けたとき、その力が伝達されて締結部材7のボディ部71へせん断力として作用する。締結部材7は、固定部52と枠材3との境界において、
図9に一点鎖線で囲って示す部位Eのようにボディ部71の全体で前記せん断力を受けるようになされる。換言すると、締結部材7において前記せん断力が一部に集中するような部位が生じにくくなされ、締結部材7の破損が抑制される。
【0025】
図5~8に示すように、背面板5の固定部52を枠材3へ固定する締結部材7は幅方向へ向けられており、前面板4を枠材3へ固定する締結部材8は前後方向へ向けられている。
このように、前面板4と背面板5を固定する各締結部材7、8を異なる向きに配置することで、各締結部材7、8がそれぞれ異なる方向へ良好な剛性を示すようになされ、防音パネル1全体の耐久性が向上する。
【0026】
また、前記背面板5は前記前面板4よりも単位面積当たりの重量が大きい金属板で形成している。このように単位面積あたりの重量が大きく、さらに前面板4の基板部41の貫通孔41aのように基板部51に多数の貫通孔を形成していない背面板5を枠材3へ固定するための締結部材7を幅方向へ向けて配置することで、前面板4を固定する締結部材8を幅方向へ向けて配置する構成と比べ、風圧や振動を受けたときの締結部材7への力の集中を低減して破損を抑制する前記の効果をより効率良く得ることができる。
【0027】
図10は枠材3の後面32へ背面板5を固定した防音パネルHの一形態を示す参考例である。
図10では、
図7、8に示す前記防音パネル1と同様に、前面板4、背面板5、及び締結部材7、8を簡易的に描くと共に、吸音材S等の図示を省略して、図面を簡略化している。
図10に示す防音パネルHは、背面板5の構成と、枠材3への取付方法のみ前記防音パネル1と異なっている。即ち、
図10に示す防音パネルHは、各枠材2、3、前面板4、吸音材S、スペーサー13等の各部材を前記防音パネル1と同一形状に形成しており、同様の方法で固定している。
【0028】
図10に示す防音パネルHの背面板5は、前記防音パネル1の背面板5と同様にめっき鋼板で形成しており、略矩形平板状の基板部51を備えている。背面板5は、基板部51の幅方向の両側に前方へ突出する係合部55をそれぞれ形成している。各係合部55は基板部51の長手方向の全長に亘って形成している。
前記背面板5は、基板部51の前面を前記各枠材3の後面32へ当接させ、基板部51を前後方向へ貫通する締結部材7によって枠材3へ固定している。
図10の締結部材7は、防音パネル1の前記締結部材7と同一のブラインドリベットであり、前記防音パネル1と同様に長手方向に間隔をあけて複数個配置している。
【0029】
図11、12は、
図10の防音パネルHが強風を受けた状況を示す図である。
図11は防音パネルHが後方側から強風を受けた状況を示している。
防音パネルHの背面板5は幅方向の端部において、その前面が各枠材3の後面32へ当接して固定されている。この背面板5が後方から強風を受けたときに、防音パネル1と同様に基板部51が撓むように変形する。このとき、枠材3の後面32と側面33とが接続する角部Cが支点となり、強風を受ける基板部51の幅方向内側部分を力点とする梃子の原理の力が基板部51の幅方向の端部に働き、角部Cよりも幅方向外側に位置する基板部51の端部へ矢印d3に示すような後方へ向かう力として伝達される。
このように基板部51の端部へ伝達された力は、基板部51を前後方向へ貫通する前記各締結部材7に引張力として作用するが、詳細には締結部材7のフランジ部72の幅方向内側部分が梃子の原理の作用点となされて前記後方へ向かう力が集中する。
【0030】
図12は防音パネルHが前方側から強風を受けた状況を示している。
図12において前方側からの強風を受けた防音パネルHの背面板5は、前記防音パネル1と同様に基板部51が撓むように変形する。このとき、基板部51の幅方向の端部には矢印d4に示すような後方へ向かうとして伝達される。
このように基板部51の端部へ伝達された力は、基板部51を前後方向へ貫通する前記各締結部材7に引張力として作用するが、詳細にはフランジ部72の幅方向内側部分へ前記後方へ向かう力が集中する。
【0031】
図13は
図11、12の締結部材7を示す断面図である。
上記のように防音パネルHが前後方向に向かう強風を受けたとき、その力が伝達されて締結部材7のボディ部71へ引張力として作用する。詳細には、フランジ部72の幅方向内側部分へ前記後方へ向かう力が集中するため、
図13に一点鎖線で囲って示す部位Fのようなフランジ部72の幅方向内側部分とボディ部71とが接続する部位に力が集中して、締結部材7を損傷させる可能性が高まる。
【0032】
尚、本発明に係る防音パネル1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、
図1~6に示す防音パネル1は、背面板5を当接させて固定する第一接続部を幅方向内側に配置する側面33としているが、これに限るものではなく、幅方向外側に配置する側面34を第一接続部として背面板5の固定部52を当接させ、幅方向へ貫通する締結部材によって固定するように設けても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 防音パネル
11 枠体
12 中空部
13 スペーサー
2 枠材
20 基部
21 設置部
3 枠材
4 前面板
41 基板部
42 係合部
5 背面板
51 基板部
52 固定部
7 締結部材
71 ボディ部
72 フランジ部
73 フランジ部
8 締結部材
S 吸音材