(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119077
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】掃除用手持ちブラシ
(51)【国際特許分類】
A47L 13/38 20060101AFI20240827BHJP
A46B 5/00 20060101ALI20240827BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A47L13/38 A
A46B5/00 B
A47L13/20 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025686
(22)【出願日】2023-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】723002284
【氏名又は名称】土屋 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】土屋 弘樹
【テーマコード(参考)】
3B074
3B202
【Fターム(参考)】
3B074AA01
3B074AA02
3B074AA06
3B074AB03
3B074EE01
3B074FF05
3B202AA21
3B202AA36
3B202AB15
3B202BA13
3B202BB10
3B202DA03
3B202DB01
3B202EA01
3B202EA04
3B202EA06
3B202ED01
3B202EE03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2以上の目的で使用でき、磨き掃除も行える掃除用手持ちブラシを提供する。
【解決手段】隣接して配置された第1および第2中央ブラシ部分20、30と、前記第1中央ブラシ部分20の外方側部に隣接して配置された第1側方ブラシ部分40と、前記第2中央ブラシ部分30の外方側部に隣接して配置された第2側方ブラシ部分50とを備え、それらの隣接する部分が互いに枢着部材により、枢着連結されており、それらの枢着連結により前記第1側方ブラシ部分40、前記第1中央ブラシ部分20、前記第2中央ブラシ部分30、前記第2側方ブラシ部分50は、それらが直線状に配置された第1使用形態と、この第1使用形態から、各ブラシ部分を互いに対して折り曲げて、前記第1側方ブラシ部分40、前記第1中央ブラシ部分20、前記第2中央ブラシ部分30、前記第2側方ブラシ部分50が並列状態に配置された第2使用形態とを取ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形することにより2以上の目的で使用できる掃除用手持ちブラシにおいて、
隣接して配置された第1および第2中央ブラシ部分20、30と、
前記第1中央ブラシ部分20の外方側部に隣接して配置された第1側方ブラシ部分40と、
前記第2中央ブラシ部分30の外方側部に隣接して配置された第2側方ブラシ部分50とを備え、
前記第1および第2中央ブラシ部分20、30は、長尺の第1および第2中央ブラシ部分基台22、32と、この第1および第2中央ブラシ部分基台22、32の下面に植設された多数の繊維からなる第1および第2中央ブラシ部繊維部24、34とを備え、
前記第1側方ブラシ部分40は、長尺の第1側方ブラシ部分基台42と、この第1側方ブラシ部分基台42の下面に植設された多数の繊維からなる第1側方ブラシ部繊維部44と、前記第1側方ブラシ部分基台42の内方側部から前記第1中央ブラシ部分20の上辺に沿って所定長内方に延びる第1延長部分46とを備えており、
前記第2側方ブラシ部分50は、長尺の第2側方ブラシ部分基台52と、この第2側方ブラシ部分基台52の下面に植設された多数の繊維からなる第2側方ブラシ部繊維部54と、前記第2側方ブラシ部分基台52の内方側部から前記第2中央ブラシ部分30の上辺に沿って所定長内方に延びる第2延長部分56とを備えており、
前記第1及び第2中央ブラシ部分20、30の前記中央ブラシ部分基台22、32の内方側部同士が第1枢着部材70により枢着されており、
前記第1中央ブラシ部分20の前記第1中央ブラシ部分基台22の外方側部と、前記第1側方ブラシ部分40の内方側部が第2枢着部材80により枢着されており、
前記第2中央ブラシ部分30の前記第2中央ブラシ部分基台32の外方側部と、前記第2側方ブラシ部分50の内方側部が第3枢着部材90により枢着されており、
前記第1および第2側方ブラシ部分40、50の第1及び第2延長部分46、56の内方側部は、連結部材60により連結されており、前記第1および第2側方ブラシ部分40、50の第1及び第2延長部分46、56の内方側部は、それぞれ前記連結部材60の両側部に枢着されており、
前記第1側方ブラシ部分40、前記第1中央ブラシ部分20、前記第2中央ブラシ部分30、前記第2側方ブラシ部分50は、それらが直線状に配置された第1使用形態と、
この第1使用形態から、各ブラシ部分を互いに対して折り曲げて、前記第1側方ブラシ部分40、前記第1中央ブラシ部分20、前記第2中央ブラシ部分30、前記第2側方ブラシ部分50が並列状態に配置された第2使用形態とを取ることができるようになっており、
前記各ブラシ部分20、30、40、50が前記第2使用形態のとき、前記第1および第2延長部分46、56は、互いに前記連結部材60で連結された状態で、前記第2使用形態のブラシ部分群から外側に延び、離間した並列状態となり、この部分が使用者の把持部となっていることを特徴とする手持ちブラシ。
【請求項2】
第1および第2中央ブラシ部分20、30、と第1および第2側方ブラシ部分40、50の、各繊維部24、34、44、54毎に、植設する繊維の属性を変えることにより、各繊維部の強度および/または耐久性が異なる請求項1の掃除用手持ちブラシ。
【請求項3】
前記繊維の属性が、素材の種類、太さおよび形状のうち少なくとも1つである請求項2の掃除用手持ちブラシ。
【請求項4】
第1および第2中央ブラシ部分20、30と、第1および第2側方ブラシ部分40、50の、各繊維部24、34、44、54の少なくとも他の繊維部と隣接する側部部分の繊維を、前記他の繊維部の方向に斜めに植設された請求項1~3のいずれかの掃除用手持ちブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ちブラシに関し、さらに詳細には、複数用途用に変形可能な掃除用手持ちブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような類いのブラシ類としては、特開2005-270440号公報に記載されたブラシ形箒が知られている。
【0003】
この公開公報に記載されたブラシ形箒は、細長い基台の下面に払掃用の繊維を植設することにより形成されたヘッドと、このヘッドに連結された柄とを有し、上記ヘッドが、基台の長さを調節することによって清掃時の掃き幅を調節自在になるような構成を採用しているため、
長い掃き幅を有することによってごみを効率よく掃き集めることができ、掃き幅を調節することにより集めたごみを塵取りに掃き込む作業も行い易く、機能性に優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ブラシ形箒は、上記のような構造であるので、広い清掃面を清掃する際や塵取りにゴミを掃き込む際、あるいは狭い場所で清掃する際など、それぞれに最適な掃き幅を持つ箒を提供できるという効果が見込まれるが、用途が掃き掃除に限定され、磨き掃除には適さないという問題があった。
【0006】
また、磨き掃除で使われる従来のブラシでは、平面や曲面と、溝や角部では、それぞれの清掃場所に適しているブラシの構成が異なり、平面と角部によって構成される清掃場所においては、ブラシの構成が異なる複数のブラシを用意するか、特性が異なる清掃部分を持つブラシを用意する必要があった。
【0007】
そこで本発明は、広い清掃面や、溝や角部などの細い清掃面など、さまざまな清掃場所に適した繊維の並び方と使用形態形状に変形させることにより、2以上の目的で使用でき、磨き掃除も行える掃除用手持ちブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題は下記の構成の本発明による掃除用手持ちブラシにより達成される。
すなわち、本発明による掃除用手持ちブラシは、
変形することにより2以上の目的で使用できる掃除用手持ちブラシにおいて、
隣接して配置された第1および第2中央ブラシ部分20、30と、
前記第1中央ブラシ部分20の外方側部に隣接して配置された第1側方ブラシ部分40と、
前記第2中央ブラシ部分30の外方側部に隣接して配置された第2側方ブラシ部分50とを備え、
前記第1および第2中央ブラシ部分20、30は、長尺の第1および第2中央ブラシ部分基台22、32と、この第1および第2中央ブラシ部分基台22、32の下面に植設された多数の繊維からなる第1および第2中央ブラシ部繊維部24、34とを備え、
前記第1側方ブラシ部分40は、長尺の第1側方ブラシ部分基台42と、この第1側方ブラシ部分基台42の下面に植設された多数の繊維からなる第1側方ブラシ部繊維部44と、前記第1側方ブラシ部分基台42の内方側部から前記第1中央ブラシ部分20の上辺に沿って所定長内方に延びる第1延長部分46とを備えており、
前記第2側方ブラシ部分50は、長尺の第2側方ブラシ部分基台52と、この第2側方ブラシ部分基台52の下面に植設された多数の繊維からなる第2側方ブラシ部繊維部54と、前記第2側方ブラシ部分基台52の内方側部から前記第2中央ブラシ部分30の上辺に沿って所定長内方に延びる第2延長部分56とを備えており、
前記第1及び第2中央ブラシ部分20、30の前記中央ブラシ部分基台22、32の内方側部同士が第1枢着部材70により枢着されており、
前記第1中央ブラシ部分20の前記第1中央ブラシ部分基台22の外方側部と、前記第1側方ブラシ部分40の内方側部が第2枢着部材80により枢着されており、
前記第2中央ブラシ部分30の前記第2中央ブラシ部分基台32の外方側部と、前記第2側方ブラシ部分50の内方側部が第3枢着部材90により枢着されており、
前記第1および第2側方ブラシ部分40、50の第1及び第2延長部分46、56の内方側部は、連結部材60により連結されており、前記第1および第2側方ブラシ部分40、50の第1及び第2延長部分46、56の内方側部は、それぞれ前記連結部材60の両側部に枢着されており、
前記第1側方ブラシ部分40、前記第1中央ブラシ部分20、前記第2中央ブラシ部分30、前記第2側方ブラシ部分50は、それらが直線状に配置された第1使用形態と、
この第1使用形態から、各ブラシ部分を互いに対して折り曲げて、前記第1側方ブラシ部分40、前記第1中央ブラシ部分20、前記第2中央ブラシ部分30、前記第2側方ブラシ部分50が並列状態に配置された第2使用形態とを取ることができるようになっており、
前記各ブラシ部分20、30、40、50が前記第2使用形態のとき、前記前記第1および第2延長部分46、56は、互いに前記連結部材60で連結された状態で、前記第2使用形態のブラシ部分群から外側に延び、離間した並列状態となり、この部分が使用者の把持部となっている。
【0009】
第1および第2中央ブラシ部分20、30、と第1および第2側方ブラシ部分40、50の、各繊維部24、34、44、54毎に、植設する繊維の属性を変えることにより、各繊維部の強度および/または耐久性を異なるようにしてもよい。
前記繊維の属性は、素材の種類、太さおよび形状のうち少なくとも1つとすることができる。
第1および第2中央ブラシ部分20、30と、第1および第2側方ブラシ部分40、50の、各繊維部24、34、44、54の少なくとも他の繊維部と隣接する側部部分の繊維を、前記他の繊維部の方向に斜めに植設しても良い。
【発明の効果】
【0010】
清掃場所に合わせて、それに適した形状へと本体を変形させることにより、複数のブラシを用意したり、それらを持ち替えたりなどの手間を省くことができ、清掃時間の短縮にも期待ができる。
【0011】
複数のブラシを掃除に使用した場合、使用後にブラシの洗剤や汚れを洗い落としたり、収納場所を確保したり、新しく買い直したりなどの行為を複数回分行う必要があるが、それに対して本発明に係るブラシの場合には、上記の行為が一度で済むため、時間短縮のみならず、手間の削減、スペースの確保、環境負荷の低減など、様々なメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による掃除用手持ちブラシを第1目的使用形態で示す正面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す掃除用手持ちブラシの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による掃除用手持ちブラシを第2目的使用形態で示す正面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示した第1目的使用形態の手持ちブラシを
図3に示した第2目的使用形態が変形する過程を示した斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1において繊維を斜めに植設した場合の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態による掃除用手持ちブラシ10は、変形することにより2以上の目的で使用できる掃除用手持ちブラシである。
掃除用ブラシ10は、隣接して配置された第1および第2中央ブラシ部分20、30と、前記第1中央ブラシ部分20の外方側部に隣接して配置された第1側方ブラシ部分40と、前記第2中央ブラシ部分30の外方側部に隣接して配置された第2側方ブラシ部分50と備えている。
【0014】
前記第1および第2中央ブラシ部分20、30は、長尺の第1および第2中央ブラシ部分基台22、32と、この第1および第2中央ブラシ部分基台22、32の下面に植設された多数の繊維からなる繊維群24a、34aを有する第1および第2中央ブラシ部繊維部24、34を備えている。
前記第1中央ブラシ部分20の斜視図を、
図13に示す。
【0015】
また、前記第1および第2側方ブラシ部分40、50は、長尺の第1および第2側方ブラシ部分基台42、52と、この第1および第2側方中央ブラシ部分基台42、52の下面に植設された多数の繊維からなる繊維群44a、54aを有する第1および第2側方ブラシ部繊維部44、54を備えている。
前記第1側方ブラシ部分40の斜視図を、
図14に示す。
【0016】
第1および第2中央ブラシ部分基台22、32と第1および第2側方ブラシ部分基台42、52は、合成樹脂を用いて射出成形等で形成するのが好ましく、
第1および第2中央ブラシ部繊維部24、34と第1および第2側方ブラシ部繊維部44、54の繊維は、プラスチック、金属、天然素材で形成することが好ましい。
【0017】
第1および第2中央ブラシ部分20、30、と第1および第2側方ブラシ部分40、50の、各繊維部24、34、44、54毎に、植設する繊維の属性や植設密度等の植設態様を変えることにより、各繊維部の強度および/または耐久性が異なるようにすることもできる。
前記繊維の属性としては、素材の種類(材質)、太さおよび形状等を考えることが出来る。
例えば、掃除用手持ちブラシには外側に植設された繊維ほど、使用するたびに傷みやすいという性質があるため、第1および第2使用形態時、外側に配置される第1および第2側方ブラシ部繊維部44、54は、内側の第1および第2中央ブラシ部繊維部24、34よりも、繊維を太くしたり、深くまた密に植設したり、金属などの頑丈な素材を使用したりなど、繊維の耐久性がより高められることが好ましい。また、被掃除物の強度を考えて、繊維の素材を考えることが好ましい。被掃除物の表面を掃除によって傷つけないなどを考慮することが好ましい。
【0018】
上記繊維は、例えば、複数本が柱状に束ねられて繊維束ユニットの形にまとめられ、この繊維束ユニットが、上記の各ブラシ部分基台22、32、42、52の下面に植設されて、各繊維部24、34、44、54を構成している。その結果、各繊維部24、34、44、54も所定の間隔をおいて列状に配置されている。
【0019】
前記の例では、前記繊維を前記基台22、32、42、52の下面に、垂直方向下向きに植設した例を示したが、前記第1および第2中央ブラシ部分20、30と、第1および第2側方ブラシ部分40、50の、各繊維部24、34、44、54の少なくとも他の繊維部と隣接する側部部分の繊維を、前記他の繊維部の方向に斜め方向に植設されても良い。例として
図7に示すように、第1使用形態のとき、繊維群を、各ブラシ部分基台の両側方へ広がるような向きに植設してあると、繊維の植設ができない後述する各連結部A、B、Cの下面の隙間を埋めることができ、掃除する面を隙間なく均一に作用でき、したがって、細かい塵を取りこぼすことなく払拭できる。
【0020】
第1中央ブラシ部分基台22の両側方部には、それらの側面からその基台の(以下同じ)内方に所定長延びる凹溝28、29が形成されている。
【0021】
第1中央ブラシ部分20と第2中央ブラシ部分30は鏡面対称の形状となっており、第2中央ブラシ部分基台32の両側方部には、それらの側面から内方に所定長延びる凹溝38、39が形成されている。
【0022】
また、第1側方ブラシ部分基台42の内方側部には、その側面から内方に所定長延びる凹溝48が形成されている。第1側方ブラシ部分40と第2側方ブラシ部分50は鏡面対称の形状となっており、第2側方ブラシ部分基台52の内方側部には、その側面から内方に所定長延びる凹溝58が形成されている。
【0023】
第1および第2中央ブラシ部分基台22、32は、それぞれに形成された凹溝28、38に、
図6に示したような形状の第1枢着部材70のそれぞれの側部が嵌合され、それらを枢軸で枢着することにより、互いに対して回動できるように枢着連結されている。
【0024】
第1中央ブラシ部分基台22と第1側方ブラシ部分基台42とは、それぞれに形成された凹溝29、48に、
図6に示したような形状の第2枢着部材80のそれぞれの側部が嵌合され、それらを枢軸で枢着することにより、互いに対して回動できるように枢着連結されている。
【0025】
第2中央ブラシ部分基台32と第2側方ブラシ部分基台52とは、それぞれに形成された凹溝39、58に、
図6に示したような形状の第3枢着部材90のそれぞれの側部が嵌合され、それらを枢軸で枢着することにより、互いに対して回動できるように枢着連結されている。なお、枢着部材における前記枢軸を通す孔を符号h1で示した。
なお、前記第1、第2および第3枢着部材70、80、90は、使用向きを変えるだけで同一形状のものを用いることができるので、
図6に第1枢着部材70を代表させて示した。
【0026】
以上の様な前記第1、第2および第3枢着部材70、80、90での枢着連結状態を示すため、
図8、
図9には、
図1における断面線A-A、B-Bに沿う断面を示した。
【0027】
前記第1、第2および第3枢着部材70、80、90は、
図10(a)に示したような構造の蝶番様枢着部材とすることもでき、このとき、
図10(b)に示したようなバネ部材を設けることもできる。
【0028】
前記第1側方ブラシ部分基台42の第1延長部分46の内方側部には、その側面から内方に所定長延びる凹溝49が形成されており、前記第2側方ブラシ部分基台52の第2延長部分56の内方側部には、その側面から内方に所定長延びる凹溝59が形成されている。
【0029】
第1延長部分46と、第2延長部分56とは、それぞれに形成された凹溝49、59に、
図5に示したような形状の連結部材60の対応側部の凸壁62、64が嵌合し、この部分を枢軸で枢着することにより、この連結部材60を介して、互いに対して回動できるように枢着連結されている。なお、連結部材における前記枢軸を通す孔を符号h2で示した。
なお、前記連結部材60の対応側部の凸壁62、64は、他の部分(中央部分)より薄くして、前記凹溝に嵌合する形状とすることが好ましい。このとき、前記中央部分は、前記延長部分の厚さと同一にすることが好ましい。
【0030】
以上の様な前記連結部材60での枢着連結状態を示すため、
図8、
図9には、
図1における断面線C-C、D-Dに沿う断面を示した。
【0031】
以上の構成により、本実施の形態による掃除用手持ちブラシ10は、
図1に示した第1使用形態と、
図4に示した第2使用形態とを取ることができる。
【0032】
次に、本実施の形態による掃除用手持ちブラシ10を、
図1に示した第1使用形態から、
図4に示した第2使用形態に変形させる際のプロセスについて説明する。
ここで、変形プロセスを説明する前に、この変形に関与する構造について、より詳細に説明しておく。
図3に良く示されているように、第1および第2中央ブラシ部分20と30を第1枢着部材70で連結した連結部Aは、
図1において裏面側に凸となるように折れ曲がる連結部である。
回動する角度は第1中央ブラシ部分20と第1枢着部材70間、第2中央ブラシ部分30と第1枢着部材70間において、それぞれ90度回動し、連結部A
では、第1および第2中央ブラシ部分20と30が
図4に示したように並列状態となるまで回動する。
これらの回動の際、第1および第2中央ブラシ部分20、30と第1枢着部材70のそれぞれにおいて、各部品の回動動作に干渉しないよう、角部20a、30a、70a、70bにはそれぞれラウンド加工がなされている。
また連結部Aにおいて、上記の角部以外にはラウンド加工がなされないことで、連結部Aが逆方向に回動することを制限している。
【0033】
第1中央ブラシ部分20と第1側方ブラシ部分40を第2枢着部材80で連結した連結部Bと、第2中央ブラシ部分30と第2側方ブラシ部分50を第2枢着部材80で連結した連結部Cは、
図1において表面側に凸となるように折れ曲がる連結部である。
上記連結部Bと連結部Cの構造は、上記連結部Aの構造に対して、基本的には同じ構造であるが、折れ曲がる向きが逆となるため、
図1において示す表面-裏面方向に入れ替わった構造となっている。
【0034】
前記したように、連結部材60の両側端には、それぞれ凹溝49、59に入り込んで枢着される凸壁62、64が形成されている。
【0035】
第1および第2延長部分46、56を連結部材60で連結した連結部Dは、
図1において表面側に凸となるように折れ曲がる連結部である。
回動する角度は第1延長部分46と連結部材60間、第2延長部分56と連結部材60間において、それぞれ90度回動し、連結部Dでは、第1延長部分46と第2延長部分56は、
図4に示したように、前記連結部材60の長さ分(第1および第2中央ブラシ部分20と30の両者の厚さの合計の厚さ分)離間した状態となる。
この回動に伴い、連結部A、B、Cと同様に、第1および第2延長部分46、56と連結部材60における凸壁62、64のそれぞれにおいて、各部品の動作に干渉しないよう、角部40a、50a、60a、60bはラウンド加工がなされている。
また連結部Dにおいて、連結部A、B、Cと同様に、上記の角部以外にはラウンド加工がなされないことで、連結部Dが逆方向に回動することを制限している。
【0036】
図1に示した第1使用形態時から、連結部A、B、C、Dを、上記のように折れ曲げたとき、
図3に示す過程を経て、
図4に示した第2使用形態へと変形させることができる。本発明に係る手持ちブラシにおいては、使用者が第1使用形態おけるその第1および第2延長部分46、56のいずれかを掴み、ブラシを優しく振るように動かすだけで、ブラシが自重で第2使用形態に変形する。
【0037】
上記第1および第2使用形態は、使用者が所定の位置を握ることによって固定される。
第2使用形態時は、第1および第2延長部分46、56を両脇から握り込むなどすることで、第1および第2側方ブラシ部分40、50の位置が定まると、第2使用形態の形が固定される。
第1使用形態時は、第1および第2延長部分46、56と連結部材60のいずれかと、第1および第2中央ブラシ部分基台22、32のいずれかが、同時に把持される握り方をされたとき、第1使用形態の形が固定される。
【0038】
第1使用形態を把持するとき、上記の握り方を使用者にアフォードするため、
図2に示すように、本体10の中央に、正面側と背面側それぞれから内部に向かって凹むような窪みEがあっても良い。
【符号の説明】
【0039】
10 手持ちブラシ本体
20 第1中央ブラシ部分
30 第2中央ブラシ部分
40 第1側方ブラシ部分
50 第2側方ブラシ部分
60 連結部材
70 第1枢着部材
80 第2枢着部材
90 第3枢着部材
A 連結部A
B 連結部B
C 連結部C
D 連結部D
E 窪み