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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119087
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】車載機器制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/02 20180101AFI20240827BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20240827BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20240827BHJP
【FI】
H04W4/02
B60R25/24
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025711
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183689
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 華子
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠希
(72)【発明者】
【氏名】須行 洋平
(72)【発明者】
【氏名】九鬼 陽介
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062BB01
5J062BB05
5J062CC14
5K067AA21
5K067EE02
5K067FF03
(57)【要約】
【課題】車載機器を制御するシステムの機能性を向上させつつ、当該車載機器の制御の煩雑化を抑制する。
【解決手段】車載機器制御システム1は、車外に存在するユーザUの携帯端末Udとの通信を介して、車両2の側面2F上の基準位置SPに対するユーザUの角度αを取得する取得部4と、上面視で基準位置SPを中心として車外に展開された半円状の検知エリアDAを所定の中心角Δaを持つ扇形状のエリアSAに分割して、分割したエリアSAの中から、角度αが含まれるエリアSAを存在エリアEAとして特定する特定部5Aと、存在エリアEAに応じて車載機器3を制御する制御部5Bと、を備える。特定部5Aは、存在エリアEAの中心角Δaを拡大した拡大存在エリアEEAを設定し、角度αが拡大存在エリアEEAから逸脱するとみなされる逸脱状態となった場合に、存在エリアEAの逸脱した側に隣接するエリアSAを新たな存在エリアEAとして特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部に存在する前記車両のユーザが所持する携帯端末との通信を介して、前記車両の側面上の基準位置に対する前記ユーザの角度を取得する取得部と、
上面視で前記基準位置を中心として前記側面よりも前記車両の外側に展開された半円状の検知エリアを所定の中心角を持つ扇形状のエリアに分割して、分割した前記エリアの中から、前記角度が含まれる前記エリアを、前記ユーザが存在する存在エリアとして特定する特定部と、
前記存在エリアに応じて車載機器を制御する制御部と、を備え、
前記特定部は、前記存在エリアの前記中心角を拡大した拡大存在エリアを設定し、前記角度が前記拡大存在エリアから逸脱するとみなされる逸脱状態となった場合に、前記存在エリアの前記逸脱した側に隣接するエリアを新たな存在エリアとして特定する
ことを特徴とする、車載機器制御システム。
【請求項2】
前記特定部は、
前記角度が前記拡大存在エリアから逸脱したかを判定する逸脱判定を行い、
前記逸脱判定が成立した時点から所定の逸脱判定時間の間に実施した前記逸脱判定の実施回数全体に対する、前記逸脱判定の非成立回数の割合が、所定の第一割合未満である状態を、前記逸脱状態とする
ことを特徴とする、請求項1に記載の車載機器制御システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記基準位置に対する前記ユーザの距離を取得し、
前記特定部は、前記距離が所定の変更距離以下である場合には、前記距離が前記変更距離よりも長いときに比べて、前記中心角をより大きく拡大する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の車載機器制御システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記基準位置に対する前記ユーザの距離を取得し、
車載機器制御システムは、前記距離が所定の接近判定距離未満であるとみなされる接近状態となったかを判定する接近状態判定部、をさらに備え、
前記特定部は、前記接近状態判定部により、前記接近状態となったと判定された場合に、前記存在エリアの特定を開始する
ことを特徴とする、請求項1に記載の車載機器制御システム。
【請求項5】
前記接近状態判定部は、
前記距離が前記接近判定距離未満であるかを判定する接近判定を行い、
前記接近判定が成立した時点から所定の接近判定時間の間に実施した前記接近判定の実施回数全体に対する、前記接近判定の非成立回数の割合が、所定の第二割合未満である状態を、前記接近状態とする
ことを特徴とする、請求項4に記載の車載機器制御システム。
【請求項6】
前記距離が、前記接近判定距離よりも長い所定の離脱判定距離以上であるとみなされる離脱状態となったかを判定する離脱状態判定部を備え、
前記特定部は、前記離脱状態判定部により、前記離脱状態となったと判定された場合に、前記存在エリアの特定を終了する
ことを特徴とする、請求項4又は5に記載の車載機器制御システム。
【請求項7】
前記離脱状態判定部は、
前記距離が前記離脱判定距離以上であるかを判定する離脱判定を行い、
前記離脱判定が成立した時点から所定の離脱判定時間の間に実施した前記離脱判定の実施回数全体に対する、前記離脱判定の非成立回数の割合が、所定の第三割合未満である状態を、前記離脱状態とする
ことを特徴とする、請求項6に記載の車載機器制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、車載機器を制御する車載機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の外部に存在するユーザを検知し、検知した情報に応じて車載機器を動作させる機能(例えば、ウェルカム機能)を有するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、携帯機を所持したユーザが車両のウェルカムエリアまで接近した場合に、当該携帯機との照合が成立すると、ウェルカムライトを点灯させるウェルカムシステムが開示されている。また、特許文献2には、距離センサによって取得された車両外の目標対象物と車両との距離が所定の距離閾値よりも小さくなることに応じて、車載カメラを起動させて、顔認証を実施するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-178617号
【特許文献2】特開2022-091755号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、特許文献1のシステムでは、単純に、ウェルカムエリア内に進入したユーザの携帯機との照合が成立したか否かに基づき、車載機器が制御される。また、特許文献2のシステムでは、単純に、取得した距離が距離閾値よりも小さいか否かに基づき、車載機器が制御される。言い換えれば、従来のシステムでは、車外のユーザが車両に接近したか否かの接近判定の結果のみに応じて車載機器が制御される。このため、車載機器を制御するシステムに関し、改良の余地がある。
【0005】
本件は、上記のような課題に鑑み創案されたものであり、車載機器を制御するシステムの機能性を向上させつつ、当該車載機器の制御の煩雑化を抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の車載機器制御システムは、以下に開示する態様(適用例)として実現でき、上記の課題の少なくとも一部を解決する。態様2以降の各態様は、何れもが付加的に適宜選択されうる態様であって、何れもが省略可能な態様である。態様2以降の各態様は、何れもが本件にとって必要不可欠な態様や構成を開示するものではない。
【0007】
態様1.開示する車載機器制御システムは、車両の外部に存在する前記車両のユーザが所持する携帯端末との通信を介して、前記車両の側面上の基準位置に対する前記ユーザの角度を取得する取得部と、上面視で前記基準位置を中心として前記側面よりも前記車両の外側に展開された半円状の検知エリアを所定の中心角を持つ扇形状のエリアに分割して、分割した前記エリアの中から、前記角度が含まれる前記エリアを、前記ユーザが存在する存在エリアとして特定する特定部と、前記存在エリアに応じて車載機器を制御する制御部と、を備える。前記特定部は、前記存在エリアの前記中心角を拡大した拡大存在エリアを設定し、前記角度が前記拡大存在エリアから逸脱するとみなされる逸脱状態となった場合に、前記存在エリアの前記逸脱した側に隣接するエリアを新たな存在エリアとして特定する。
【0008】
態様2.上記の態様1において、前記特定部は、前記角度が前記拡大存在エリアから逸脱したかを判定する逸脱判定を行い、前記逸脱判定が成立した時点から所定の逸脱判定時間の間に実施した前記逸脱判定の実施回数全体に対する、前記逸脱判定の非成立回数の割合が、所定の第一割合未満である状態を、前記逸脱状態とすることが好ましい。
態様3.上記の態様1又は2において、前記取得部は、前記基準位置に対する前記ユーザの距離を取得することが好ましい。この場合、前記特定部は、前記距離が所定の変更距離以下である場合には、前記距離が前記変更距離よりも長いときに比べて、前記中心角をより大きく拡大することが好ましい。
【0009】
態様4.上記の態様1~3のいずれかにおいて、前記取得部は、前記基準位置に対する前記ユーザの距離を取得することが好ましい。この場合、車載機器制御システムは、前記距離が所定の接近判定距離未満であるとみなされる接近状態となったかを判定する接近状態判定部、をさらに備え、前記特定部は、前記接近状態判定部により、前記接近状態となったと判定された場合に、前記存在エリアの特定を開始することが好ましい。
態様5.上記の態様4において、前記接近状態判定部は、前記距離が前記接近判定距離未満であるかを判定する接近判定を行い、前記接近判定が成立した時点から所定の接近判定時間の間に実施した前記接近判定の実施回数全体に対する、前記接近判定の非成立回数の割合が、所定の第二割合未満である状態を、前記接近状態とすることが好ましい。
【0010】
態様6.上記の態様4又は5において、車載機器制御システムは、前記距離が、前記接近判定距離よりも長い所定の離脱判定距離以上であるとみなされる離脱状態となったかを判定する離脱状態判定部を備え、前記特定部は、前記離脱状態判定部により、前記離脱状態となったと判定された場合に、前記存在エリアの特定を終了することが好ましい。
態様7.上記の態様6において、前記離脱状態判定部は、前記距離が前記離脱判定距離以上であるかを判定する離脱判定を行い、前記離脱判定が成立した時点から所定の離脱判定時間の間に実施した前記離脱判定の実施回数全体に対する、前記離脱判定の非成立回数の割合が、所定の第三割合未満である状態を、前記離脱状態とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
開示の車載機器制御システムによれば、車載機器を制御するシステムの機能性を向上させつつ、当該車載機器の制御の煩雑化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る車載機器制御システムが適用された車両とその外部の周辺状況とを併せて示す上面図である。
図2図1の車載機器制御システムが備える制御装置の特定部が実施する処理を例説するための図であり、図1の上面図に対応する図である。
図3図2のケースのときに、通信装置から伝達される角度の値と、特定部で特定される存在エリアと、を時系列で示した図である。
図4図1の車載機器制御システムが備える制御装置の接近状態判定部が実施する処理を例説するための図であり、通信装置から伝達される距離の値と、接近フラグの情報と、を時系列で示した図である。
図5図1の車載機器制御システムが備える制御装置の離脱状態判定部が実施する処理を例説するための図であり、通信装置から伝達される距離の値と、接近フラグの情報と、を時系列で示した図である。
図6図1の車載機器制御システムで実施される制御を説明するためのフローチャート例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、実施形態としての車載機器制御システムについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0014】
以下の説明では、車両の前進方向を前方(車両前方)とし、この反対方向を後方(車両後方)とする。また、車両の前方を向いた状態を基準にして左右を定める。なお、左右方向は車両前後方向と直交する。以下、左右方向を「車幅方向」ともいい、車両前後方向を単に「前後方向」という。車幅方向は前後方向と直交し、車幅方向及び前後方向の双方に直交する方向を上下方向と定義する。
【0015】
[1.装置構成]
図1は、本実施形態の車載機器制御システム1(以下、単に「システム1」という)が適用された車両2とその外部の周辺状況とを併せて示す図である。システム1は、車両2の外部に存在するユーザUのために車載機器3を制御するものである。以下、「車両2の外部に存在するユーザU」を単に「ユーザU」とよぶ。ユーザUは、車両2の運転操作が可能な人であり、車両2を保有するユーザや車両2をレンタルしたユーザである。
【0016】
システム1は、ユーザUが所持する携帯端末Ud(例えば、スマートフォン)との通信を介して、ユーザUの位置情報を取得するものである。システム1は、車両2の外部に展開された検知エリアDAを分割した複数のエリア(以下、「分割エリアSA」ともよぶ)のうち、取得した位置情報が含まれる分割エリアSAをユーザUが存在する存在エリアEAとして特定する。システム1は、特定した存在エリアEAに応じて車載機器3を制御する。
【0017】
つまり、システム1は、ユーザUが存在する存在エリアEAに応じて車載機器3を制御するものである。また、システム1は、車載機器3を制御する際に、取得した位置情報をそのまま用いるのではなく、存在エリアEAを特定して、特定した存在エリアEAに応じて車載機器3を制御するものである。これにより、車外のユーザUに対して、より適切な車載機器3の制御を実現できるので、システム1の機能性(利便性)を向上させられる。また、システム1では、存在エリアEAとして特定される分割エリアSAが変更されない限り、車載機器3に対して同じ制御を継続できるので、制御の煩雑化が抑制される。
【0018】
検知エリアDAは、上述の通り、車両2の外部に展開された領域であり、上面視で、車両2の側面2F上の基準位置SPを中心として側面2Fよりも車両2の外側に半円状の領域として展開(設定)される。なお、本実施形態では、車両2の右側に展開された検知エリアDAを例示しているが、検知エリアDAは、車両2の左側に展開された領域であってもよいし、左右両方に展開された領域でもよい。
【0019】
基準位置SPは、車両2の側面2F上の任意の位置であり、好ましくは側面2Fの延在方向(前後方向)において、車載機器3が設けられる位置と略同位置に設定される。本実施形態では、基準位置SPが、車両2の側面2Fのサイドミラー2S付近に設定される。なお、サイドミラー2S付近には、後述するウェルカムライトやカメラが配置され得る。
【0020】
分割エリアSAは、検知エリアDAを、基準位置SPを中心に周方向に等分割した扇形状の領域である。各分割エリアSAは、互いに重複することなく、同じ中心角Δaを持つ。本実施形態では、30度の中心角Δaを持つ六つの分割エリアSAが設定されている。以下、六つの分割エリアSAのうち車両後方に位置する分割エリアSAから、基準位置SPを中心に反時計回りの方向へ順に、第一分割エリアSA1,第二分割エリアSA2,第三分割エリアSA3,第四分割エリアSA4,第五分割エリアSA5,第六分割エリアSA6ともよぶ。
【0021】
本実施形態において、各分割エリアSAは、上面視で、基準位置SPを通り側面2Fに垂直な方向(車幅方向)に延在する基準線SLの角度を0[°]として、時計回りの角度を正の角度、反時計回りの角度を負の角度とすると、以下の角度の領域として設定される。
・第一分割エリアSA1: 90[°]以下且つ 60[°]以上
・第二分割エリアSA2: 60[°]未満且つ 30[°]以上
・第三分割エリアSA3: 30[°]未満且つ 0[°]以上
・第四分割エリアSA4: 0[°]未満且つ-30[°]以上
・第五分割エリアSA5:-30[°]未満且つ-60[°]以上
・第六分割エリアSA6:-60[°]未満且つ-90[°]以上
【0022】
図2に示すように、システム1には、例えば、通信装置4と制御装置5とが含まれる。
通信装置4は、ユーザUの携帯端末Udと通信可能に構成された装置であり、携帯端末Udとの通信を介して、ユーザUの位置情報を取得する。ユーザUの位置情報として、通信装置4は、基準位置SP(基準線SL)に対する携帯端末Udの角度を、ユーザUの角度α(以下、単に「角度α」とよぶ)として取得する。また、通信装置4は、ユーザUの位置情報として、基準位置SPから携帯端末Udまでの距離を、基準位置SPに対するユーザUの距離D(以下、単に「距離D」とよぶ)として取得してもよい。つまり、通信装置4は、携帯端末Udとの通信を介して、角度α及び距離Dを取得する取得部とも換言される。
【0023】
通信装置4と携帯端末Udとの通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)通信が用いられる。通信装置4は、予めペアリングされた携帯端末Udとの通信が成立した場合に、ユーザUの角度α及び距離Dを取得する。また、角度α及び距離Dの取得には、例えば、AOA(Angle Of Arrival)方式が採用される。AOA方式による角度検出や距離検出については公知であるため、具体的な説明は割愛する。
【0024】
制御装置5は、車載機器3を制御する電子制御装置(コンピューター)であり、マイクロプロセッサー(中央処理装置),メモリ(メインメモリ),記憶装置(ストレージ),インタフェース装置などが内蔵される。制御装置5の入力側には、通信装置4が接続される。制御装置5の出力側には、車載機器3が接続される。
【0025】
車載機器3は、車両2の基準位置SP付近に設けられた電子機器であり、例えば、ウェルカムライトやカメラが挙げられる。車載機器3がウェルカムライトである場合、当該ウェルカムライトは、照射方向を変更可能なものであることが好ましい。或いは、ウェルカムライトは、照射方向が異なる複数のライトを組み合わせて構成されたものであってもよい。車載機器3がカメラである場合、当該カメラは、撮影する方向を変更可能なものであることが好ましい。或いは、カメラは、制御装置5からの制御信号に応じて走査範囲(走査方向)を限定するものであってもよい。
【0026】
[2.制御構成]
制御装置5には、上述の特定及び制御を実施するための要素として、特定部5A及び制御部5Bが設けられる。本実施形態の制御装置5には、さらに、接近状態判定部5C及び離脱状態判定部5Dが設けられる。
【0027】
接近状態判定部5Cは、通信装置4から伝達された距離Dが所定の接近判定距離Dy未満であるとみなされる接近状態となったか否かを判定する機能要素である。また、離脱状態判定部5Dは、通信装置4から伝達された距離Dが所定の離脱判定距離Dz以上であるとみなされる離脱状態となったか否かを判定する機能要素である。接近判定距離Dy及び離脱判定距離Dzについては後述する。
【0028】
なお、これらの要素は電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
【0029】
[2-1.特定部]
特定部5Aは、上記の存在エリアEAを特定するものである。また、特定部5Aは、特定した存在エリアEAを制御部5Bに伝達する。なお、本実施形態において、特定部5Aは、接近状態判定部5Cにより接近状態となったと判定された場合(後述する接近フラグFがONとなった場合)に、存在エリアEAの特定を開始する。また、特定部5Aは、離脱状態判定部5Dにより離脱状態となったと判定された場合(接近フラグFがOFFとなった場合)に、存在エリアEAの特定を終了する。
【0030】
特定部5Aは、通信装置4から角度αを受信し、受信した角度αが含まれる分割エリアSAを存在エリアEAとして特定する。例えば、図1に示すように、角度αが-10[°]である場合には、特定部5Aは、角度αが含まれる第四分割エリアSA4を存在エリアEAとして特定する。特定部5Aが、このように存在エリアEAを特定することで、存在エリアEAとして特定される分割エリアSAが変更されない限り(例えば、第四分割エリアSA4から変更されない限り)、後続する制御部5Bにおいて、車載機器3に対して同じ制御を継続できるので、制御の煩雑化が抑制される。
【0031】
ところで、通信装置4から伝達される角度αは、通信時の誤差により、実際の角度に対して2~3[°]の誤差が生じることがある。このため、受信した角度αが含まれる分割エリアSAを、単純に、存在エリアEAとして特定すると、隣接する分割エリアSA間の境界角度付近にユーザUが存在する場合に、ユーザUが移動していないにもかかわらず隣接する分割エリアSAを新しい存在エリアEAとして特定しうる。つまり、ユーザUが移動していなくても、角度αを受信する度に、存在エリアEAとして特定される分割エリアSAが変わる、所謂、チャタリングが生じる可能性がある。
【0032】
そこで、特定部5Aは、当該チャタリングの発生を抑制する処理を実施する。具体的には、特定部5Aは、受信した角度αに基づいて、一旦存在エリアEAを特定した場合には、上記の誤差が生じてもチャタリングを回避すべく、この存在エリアEAの範囲を拡大する。つまり、特定した当該存在エリアEAの中心角Δaを所定角度だけ拡大した拡大存在エリアEEAを設定する。これにより、境界角度付近にユーザUが存在していても、存在エリアEA(拡大存在エリアEEA)内にとどまっているものと特定されやすくなる。なお、上記の所定角度は、少なくとも上記の誤差角度を含む角度(例えば数[°])とされる。拡大存在エリアEEAは、存在エリアEAを区画する二本の直線のそれぞれを所定角度だけ広げた領域とされる。
【0033】
さらに、特定部5Aは、角度αが拡大存在エリアEEAから逸脱するとみなされる逸脱状態となった場合に、存在エリアEAの逸脱した側に隣接する分割エリアSAを新たな存在エリアEAとして特定する。つまり、存在エリアEAを拡大した拡大存在エリアEEAから逸脱したとみなされる状態になって初めて、隣の分割エリアSAにユーザUが移動したと判断されて、新しい存在エリアEAが特定される。
【0034】
逸脱状態となったか否かの判定において、本実施形態の特定部5Aは、角度αを受信する度に、角度αが拡大存在エリアEEAから逸脱したかを判定する逸脱判定を行う。そして、特定部5Aは、逸脱判定が成立した時点から所定の逸脱判定時間Txの間に実施した逸脱判定の実施回数Xall全体に対する、逸脱判定の非成立回数Xfalseの割合〔(Xfalse/Xall)*100[%]〕が、所定の第一割合P1未満である状態を、逸脱状態とする。以下、この割合を「非逸脱割合Px」とよぶ。
【0035】
逸脱判定時間Txは、ユーザUが拡大存在エリアEEAから逸脱したか否かを、通信誤差を考慮しつつ判断可能な時間であり、例えば、0.5[秒]とされる。第一割合P1は、逸脱判定の結果から、ユーザUが拡大存在エリアEEAから逸脱したことを推測できる値であり、例えば25[%]に設定される。言い換えれば、本実施形態の特定部5Aは、逸脱判定の実施回数Xall全体に対する、逸脱判定の成立回数Xtrueの割合〔(Xtrue/Xall)*100[%]〕が、75[%]以上となることを以て、ユーザUが拡大存在エリアEEAから逸脱したとみなせると判定する。
【0036】
図2及び図3を参照して、特定部5Aで実施される上記の処理について詳述する。図2は、時刻t=0[秒]の時点で第三分割エリアSA3内に存在していたユーザUが、第二分割エリアSA2側へ移動した場合を示す図である。図2では、ユーザUが、時刻t=0.4~2.1[秒]の間で、第二分割エリアSA2と第三分割エリアSA3との境界角度(30[°])付近に存在するものとする。また、ユーザUが、時刻t=3.5~4.5[秒]の間で、拡大存在エリアEEAの第二分割エリアSA2側の境界角度(37[°])付近に存在するものとする。
【0037】
図3は、上記の時刻t=0~4.5[秒]の間で、通信装置4から伝達された角度αの値をプロットした図であり、特定部5Aで特定される存在エリアEAを併せて示している。なお、図2及び図3のケースにおいて、特定部5Aは、0.1[秒]間隔で通信装置4から角度αを受信するものとする。また、図3では、拡大存在エリアEEAを設定しない場合に、特定される存在エリアEAを太破線で示している。
【0038】
まず、拡大存在エリアEEAを設定しない場合、すなわち、単純に、受信した角度αが含まれる分割エリアSAを存在エリアEAとして特定する場合について説明する。上述の通り、通信装置4から伝達される角度αは、ユーザUが移動していなくても、通信誤差により、±2~3[°]の誤差が生じることがある。
【0039】
このため、図3に示すように、時刻t=0.4~2.1[秒]の間で受信される角度αは、第二分割エリアSA2と第三分割エリアSA3との境界角度(30[°])に一意に定まることなく、29~31[°]の範囲で変動しうる。このとき、特定部5Aが、単純に、受信した角度αが含まれる分割エリアSAを存在エリアEAとして特定すると、図3に太破線で示すように、存在エリアEAとして特定される分割エリアSAが、第三分割エリアSA3と第二分割エリアSA2とを行き来する、すなわち、チャタリングが発生する。
【0040】
そこで、特定部5Aは、当該チャタリングの発生を抑制するために、拡大存在エリアEEAを設定する処理を実施する。具体的には、特定部5Aは、時刻t=0の時点で受信した角度α(=26[°])に基づいて、図3に太実線で示すように、第三分割エリアSA3を存在エリアEAとして特定する。そして、特定部5Aは、図2に二点鎖線で示すように、特定した存在エリアEA、すなわち、第三分割エリアSA3の中心角Δaを周方向の両側へ所定角度だけ拡大した拡大存在エリアEEAを設定する。
【0041】
本実施形態において、特定部5Aは、存在エリアEAの中心角Δaを14[°](時計回りの方向側及び反時計回りの方向側に7[°]ずつ)拡大する。つまり、この場合、上述の所定角度は7[°]であり、第三分割エリアSA3が存在エリアEAとして特定されているとき、拡大存在エリアEEAは、-7[°]以上且つ37[°]未満の角度の領域に設定される。
【0042】
別言すれば、第三分割エリアSA3が存在エリアEAとして特定されているとき、拡大存在エリアEEAは、その時計回りの方向側の閾値が、存在エリアEAの同じ方向側の閾値(30[°])に対して、所定角度の分だけ+7[°]オフセットされる。これにより、存在エリアEAの時計回りの方向側には、30~37[°]の範囲で不感帯が設けられる。また、拡大存在エリアEEAの反時計回りの方向側の閾値は、存在エリアEAの同じ方向側の閾値(0[°])に対して、所定角度の分だけ-7[°]オフセットされる。これにより、存在エリアEAの反時計回りの方向側には、-7~0[°]の範囲で不感帯が設けられる。なお、図3には、図2に対応させて、存在エリアEAとして第三分割エリアSA3が特定されているときにおける、拡大存在エリアEEAの時計回りの方向側の境界角度(37[°])を二点鎖線で示している。
【0043】
拡大存在エリアEEAを設定したのち、特定部5Aは、逸脱状態となるまで同じ分割エリアSAを存在エリアEAとして特定し続ける。ここでは、時刻t=0~3.4[秒]の間において、受信された角度αが、拡大存在エリアEEAの時計回りの方向側の境界角度(37[°])未満の値である。このため、特定部5Aは、時刻t=0~3.4[秒]の間では、逸脱判定が成立しないため、図3に太実線で示すように、第三分割エリアSA3を存在エリアEAとして特定し続ける。したがって、ユーザUが、時刻t=0.4~2.1[秒]の間で、第二分割エリアSA2と第三分割エリアSA3との境界角度(30[°])付近に存在しても、上述のようなチャタリングの発生が抑制される。
【0044】
その後、ユーザUが移動したことで、時刻t=3.5[秒]の時点で37[°]の角度αを受信すると、特定部5Aは、逸脱判定が成立したと判断する。そして、特定部5Aは、この時点から逸脱判定時間Txの間(t=3.5~4.0[秒]の間)に実施した逸脱判定の結果を参照して、逸脱状態となったか否かを判断する。
【0045】
図3に示すケースでは、時刻t=3.5~4.0[秒]の間(図3にハッチング塗りの矢印で示す期間)に、実施した6[回]の逸脱判定のうち、時刻t=3.8[秒]の時点で受信した角度αに基づく逸脱判定が非成立となる。この場合、逸脱判定の実施回数Xallは6[回]となり、逸脱判定の非成立回数Xfalseは1[回]となるため、非逸脱割合Pxは16.7[%]となる。特定部5Aは、当該非逸脱割合Pxが、第一割合P1(=25[%])未満であることから、逸脱状態となったと判断する。
【0046】
そして、特定部5Aは、存在エリアEAの逸脱した側に隣接する分割エリアSAを新たな存在エリアEAとして特定する。つまり、図3に示すケースでは、図中太実線で示すように、特定部5Aは、存在エリアEAとして特定されている第三分割エリアSA3の時計回りの方向側に隣接する第二分割エリアSA2を、時刻t=4.0[秒]の時点で、新たな存在エリアEAとして再特定する。これにより、存在エリアEAは、第三分割エリアSA3から第二分割エリアSA2に遷移する。このように、特定部5Aは、逸脱状態となった場合に、存在エリアEAとして特定される分割エリアSAを変更することで、拡大存在エリアEEAの境界角度付近でのチャタリングの発生をも抑制する。
【0047】
なお、特定部5Aは、時刻t=4.0[秒]の時点で、第二分割エリアSA2を存在エリアEAとして再特定すると、上記と同様の方法で、再特定した存在エリアEA(すなわち、第二分割エリアSA2)に基づき拡大存在エリアEEAを再設定する。
【0048】
これにより、拡大存在エリアEEAの反時計回り側の境界角度は、図3の時刻t=4.0以降に二点鎖線で示すように、第二分割エリアSA2の反時計回り側の境界角度(30[°])から-7[°]オフセットされた値(23[°])となる。よって、図3に示すように、時刻t=4.0~4.5[秒]の間で、ユーザUが、存在エリアEAとして第三分割エリアSA3が特定されていたときの拡大存在領域EEAの境界角度(37[°])付近に依然として存在していても、受信される角度αが、新たに設定された拡大存在エリアEEAの範囲内であるため、逸脱状態とならない。したがって、存在エリアEAの遷移後のチャタリングの発生が抑制される。
【0049】
[2-2.制御部]
制御部5Bは、特定部5Aで特定された存在エリアEAに応じて、車載機器3を制御するものである。車載機器3がウェルカムライトである場合、制御部5Bは、例えば、存在エリアEAに向かって光が照射されるようにウェルカムライトの照射方向を制御する。これにより、照射されたエリアをユーザUが快適に歩行できる。さらに、ウェルカムライトがユーザUのために照射されているように演出されるため、おもてなし感が向上する。また、車載機器3がカメラである場合、制御部5Bは、例えば、存在エリアEAが撮影されるようにカメラの向きを制御する。これにより、カメラによって撮影される画像データに、ユーザUがより映り込みやすくなるため、例えば、顔認証の精度の向上や処理時間の短縮を図れる。
【0050】
[2-3.接近状態判定部]
接近状態判定部5Cは、上述の通り、接近状態となったかを判定するものである。接近状態判定部5Cは、通信装置4から距離Dを受信し、受信した距離Dに基づき接近状態となったかを判定する。接近状態判定部5Cは、接近状態となったと判定した場合に、接近フラグFをONにして、接近フラグFの情報を特定部5Aに伝達する。なお、接近状態判定部5Cは、接近フラグFの情報を離脱状態判定部5Dにも伝達してよい。接近フラグFは、特定部5Aによる存在エリアEAの特定の要否を示すフラグである。接近フラグFの初期情報(制御装置5の起動開始直後の情報)は、OFFとされる。
【0051】
接近状態となったか否かの判定において、本実施形態の接近状態判定部5Cは、距離Dを受信する度に、距離Dが接近判定距離Dy未満であるかを判定する接近判定を行う。接近判定距離Dyは、ユーザUが車両2に到着する前に、ユーザUが車両2に接近したことを検知できる距離であって、例えば、5[m]に設定される。
【0052】
そして、接近状態判定部5Cは、接近判定が成立した時点から所定の接近判定時間Tyの間に実施した接近判定の実施回数Yall全体に対する、接近判定の非成立回数Yfalseの割合〔(Yfalse/Yall)*100[%]〕が、所定の第二割合P2未満である状態を、接近状態とする。以下、この割合を「非接近割合Py」とよぶ。
【0053】
ここで、角度αと同様に、通信装置4から伝達される距離Dも、通信時の誤差により、実際の距離に対して±0.3~0.5[m]の誤差が生じることがある。このため、単純に、受信した距離Dが接近判定距離Dy未満となったか否かによって接近フラグFのON/OFFを切り替えることとすると、接近判定距離Dy付近にユーザUが存在する場合に、ユーザUが移動していない場合や、移動していても車両2に接近していない場合に、接近フラグFが切り替えられうる。つまり、ユーザUが実際に移動や接近をしていなくても、距離Dを受信する度に、接近フラグのON/OFF状態が切り替わる、所謂、チャタリングが生じる可能性がある。
【0054】
これに対して、本実施形態の接近状態判定部5Cは、非接近割合Pyが第二割合P2未満である場合に、接近状態となったと判定して、接近フラグFをONとする。これにより、接近フラグFのチャタリングの発生を抑制できる。
【0055】
なお、接近判定時間Tyは、接近判定距離Dyよりも車両2の近くにユーザUが接近したか否かを、通信誤差を考慮しつつ判断可能な時間であり、例えば、0.5[秒]とされる。第二割合P2は、接近判定の結果から、接近判定距離Dyよりも車両2の近くにユーザUが接近したことを推測できる値であり、例えば25[%]に設定される。言い換えれば、本実施形態の接近状態判定部5Cは、接近判定の実施回数Yall全体に対する、接近判定の成立回数Ytrueの割合〔(Ytrue/Yall)*100[%]〕が、75[%]以上となることを以て、接近判定距離Dyよりも近くにユーザUが接近したとみなせると判定する。
【0056】
図4を参照して、接近状態判定部5Cで実施される上記の判定処理について詳述する。図4は、時刻t=0~2.0[秒]の間で、通信装置4から伝達された距離Dの値をプロットした図であり、接近状態判定部5Cにより設定される接近フラグFの情報を併せて示している。図4のケースにおいて、接近状態判定部5Cは、0.1[秒]間隔で通信装置4から距離Dを受信するものとする。
【0057】
なお、図4の時刻と図3の時刻との間には、時間的な関連性は全くない。また、図4では、単純に、受信した距離Dが接近判定距離Dy未満となったか否かによって、接近フラグFのON/OFFを切り替える場合に、設定される接近フラグFの情報を太破線で示している。
【0058】
図4では、時刻t=0の時点で、ユーザUが、車両2から接近判定距離Dy(すなわち、5[m])よりもやや遠くに存在するものとする。また、図4では、時刻t=0.3~1.8[秒]の間で、ユーザUが接近判定距離Dy(すなわち、5[m])付近に存在し、時刻t=2.0で、接近判定距離Dyよりも近くにユーザUが接近したものとする。
【0059】
上述の通り、通信装置4から伝達される距離Dは、ユーザUが移動していなくても、通信誤差により、±0.3~0.5[m]の誤差が生じることがある。このため、図4に示すように、時刻t=0.3~1.8[秒]の間で受信される距離Dは、接近判定距離Dy(5[m])に一意に定まることなく、4.8~5.1[m]の範囲で変動しうる。このとき、単純に、受信した距離Dが接近判定距離Dy未満となったかによって、接近フラグFのON/OFFが切り替えられると、図4に太破線で示すように、接近フラグFのON/OFFが頻繁に切り替わるチャタリングが発生する。
【0060】
これに対して、接近状態判定部5Cは、接近状態となったと判定した場合に、接近フラグFをONとする。すなわち、接近状態判定部5Cは、時刻t=0.3[秒]の時点で、受信した距離D(=4.9[m])が接近判定距離Dy(=5.0[m])未満であることを以て、接近判定が成立したと判断する。そして、接近状態判定部5Cは、この時点から接近判定時間Tyの間(t=0.3~0.8[秒]の間)に実施した接近判定の結果を参照して、接近状態となったか否かを判断する。
【0061】
図4に示すケースでは、時刻t=0.3~0.8[秒]の間(図4にハッチング塗りの矢印で示す期間)に、実施した6[回]の接近判定のうち、時刻t=0.6[秒]の時点で受信した距離Dに基づく接近判定が非成立となる。このため、非接近割合Pyは、16.7[%]となる。接近状態判定部5Cは、当該非接近割合Pyが、第二割合P2(=25[%])未満であることから、接近状態となったと判定して、図4に太実線で示すように、時刻t=0.8[秒]の時点で、接近フラグFをOFFからONに切り替える。よって、接近フラグFのチャタリングの発生が抑制される。
【0062】
なお、本実施形態では、後述するように、接近フラグFのONからOFFへの切り替えが、離脱状態判定部5Dにより離脱状態となったと判定された場合に実施される。このため、時刻t=0.8[秒]の時点で、ONに切り替えられた接近フラグFは、離脱状態判定部5Dにより離脱状態となったと判定されるまで、ONに維持される。したがって、接近フラグFのチャタリングの発生がさらに抑制される。
【0063】
[2-4.離脱状態判定部]
離脱状態判定部5Dは、上述の通り、離脱状態となったかを判定するものである。離脱状態判定部5Dは、接近フラグFがONとされたことを接近状態判定部5Cから受信した場合に、通信装置4から距離Dを受信し、受信した距離Dに基づき離脱状態となったかを判定する。そして、離脱状態判定部5Dは、離脱状態となったと判定した場合に、接近フラグFをOFFにして、接近フラグFの情報を特定部5Aに伝達する。なお、離脱状態判定部5Dは、接近フラグFの情報を接近状態判定部5Cにも伝達してよい。
【0064】
離脱状態となったか否かの判定において、本実施形態の離脱状態判定部5Dは、距離Dを受信する度に、距離Dが離脱判定距離Dz以上であるかを判定する離脱判定を行う。離脱判定距離Dzは、ユーザUが車両2から十分に離れたことを検知できる距離であって、接近判定距離Dyよりも長い、例えば、8[m]に設定される。
【0065】
そして、離脱状態判定部5Dは、離脱判定が成立した時点から所定の離脱判定時間Tzの間に実施した離脱判定の実施回数Zall全体に対する、離脱判定の非成立回数Zfalseの割合〔(Zfalse/Zall)*100[%]〕が、所定の第三割合P3未満である状態を、離脱状態とする。以下、この割合を「非離脱割合Pz」とよぶ。
【0066】
なお、離脱判定時間Tzは、離脱判定距離Dzよりも遠くにユーザUが離れたか否かを、通信誤差を考慮しつつ判断可能な時間であり、例えば、0.5[秒]とされる。第三割合P3は、離脱判定の結果から、離脱判定距離Dzよりも遠くに車両2からユーザUが離れたことを推測できる値であり、例えば25[%]に設定される。言い換えれば、本実施形態の離脱状態判定部5Dは、離脱判定の実施回数Zall全体に対する、離脱判定の成立回数Ztrueの割合〔(Ztrue/Zall)*100[%]〕が、75[%]以上となることを以て、離脱判定距離Dzよりも遠くにユーザUが車両2から離脱したとみなせると判定する。
【0067】
図5を参照して、離脱状態判定部5Dで実施される上記の判定処理について詳述する。図5は、時刻t=0~2.0[秒]の間で、通信装置4から伝達された距離Dの値をプロットした図であり、離脱状態判定部5Dにより設定される接近フラグFの情報を併せて示している。図5のケースにおいて、離脱状態判定部5Dは、0.1[秒]間隔で通信装置4から距離Dを受信するものとする。なお、図5の時刻と、図4の時刻及び図3の時刻との間には、時間的な関連性は全くない。
【0068】
図5では、時刻t=0の時点で、接近フラグFがONに設定されているものとする。また、図5では、時刻t=0.3~2.0[秒]の間にかけて、ユーザUが、車両2から離脱判定距離Dz(すなわち、8[m])よりも離れた位置に離脱していったものとする。
【0069】
離脱状態判定部5Dは、時刻t=0.3[秒]の時点で、受信した距離D(=8.0[m])が離脱判定距離Dz(=8.0[m])以上であることを以て、離脱判定が成立したと判断する。そして、離脱状態判定部5Dは、この時点から離脱判定時間Tzの間(t=0.3~0.8[秒]の間)に実施した離脱判定の結果を参照して、離脱状態となったか否かを判断する。
【0070】
図5に示すケースでは、時刻t=0.3~0.8[秒]の間(図5にハッチング塗りの矢印で示す期間)に、実施した6[回]の離脱判定のうち、時刻t=0.6[秒]の時点で受信した距離Dに基づく離脱判定が非成立となる。このため、非離脱割合Pzは、16.7[%]となる。離脱状態判定部5Dは、当該非離脱割合Pzが、第三割合P3(=25[%])未満であることから、離脱状態となったと判定して、図5に太実線で示すように、時刻t=0.8[秒]の時点で、接近フラグFをOFFからONに切り替える。
【0071】
なお、上述の通り、接近フラグFのOFFからONへの切り替えは、接近状態判定部5Cにより接近状態となったと判定された場合に実施される。このため、離脱状態判定部5DによりOFFに切り替えられた接近フラグFは、時刻t=0.8[秒]以降にユーザUが車両2から離脱判定距離Dzよりも若干短い距離(例えば、距離D=7.8[m]付近)の位置に存在したとしても、OFFに維持される。したがって、接近フラグFのチャタリングの発生が抑制される。
【0072】
離脱状態判定部5Dは、このように、接近判定距離Dyよりも長い離脱判定距離Dzを、離脱状態の判定に際して用いることで、接近状態判定部5Cにより接近フラグFがONとされた直後に、接近フラグFがOFFとなることを抑制する。また、離脱状態判定部5Dは、受信した距離Dが離脱判定距離Dz以上であることを以て直ちに接近フラグFをOFFにするのではなく、上述のように離脱状態となったか否かを判定する。これにより、例えば、通信誤差の影響によって、ユーザUが離脱判定距離Dzよりも離れたと誤判定されることを抑制する。
【0073】
[3.フローチャート]
図6は、制御装置5で実施される上述の制御を説明するためのフローチャート例である。図6のフローチャートは、例えば、通信装置4と携帯端末Udとの通信が成功して、携帯端末Udが車両2内に存在せず、且つ、通信装置4から情報が伝達されているときに所定の演算周期で(例えば、通信装置4から情報を受信する毎に)繰り返し実施される。
【0074】
ステップS1では、接近フラグFがONであるか否かが判定される。ステップS1において、接近フラグFがONではない、すなわち、接近フラグFがOFFであると判定された場合には、車載機器3の制御は不要であると判断して、ステップS9で車載機器3が非作動状態とされて、このフローをリターンする。例えば、通信装置4と携帯端末Udとの通信は成功しているが、接近状態判定部5Cにより接近状態ではないと判定された場合には、上記の処理を経て、このフローをリターンする。
【0075】
次の演算周期以降において、例えば、接近状態判定部5Cにより接近状態であると判定されたことで、ステップS1で、接近フラグFがONであると判定された場合には、ステップS2に進む。ステップS2では、存在エリアEAが特定されているか否かが判定される。
【0076】
ステップS2において、存在エリアEAが未だ特定されていない場合には、存在エリアEAを特定する処理(ステップS3),拡大存在エリアEEAを設定する処理(ステップS4)及び車載機器3を制御する処理(ステップS5)が順に実施されて、このフローをリターンする。
【0077】
すなわち、ステップS3では、受信した角度αの含まれる分割エリアSAが存在エリアEAとして特定され、ステップS4に進む。ステップS4では、特定された存在エリアEAに基づき拡大存在エリアEEAが設定されて、ステップS5に進む。ステップS5では、特定された存在エリアEAに応じた制御が実施されるように車載機器3が作動及び制御されて、このフローをリターンする。
【0078】
次の演算周期以降において、接近フラグFがOFFとなることなく(ステップS1のYesルート)、ステップS2に進んだ場合には、前回処理で存在エリアEAが特定されているため、ステップS6に進む。ステップS6では、逸脱状態であるか否か、すなわち、受信した角度αが拡大存在エリアEEAを逸脱するとみなされるか否かが判定される。
【0079】
ステップS6において、逸脱状態ではないと判定された場合には、存在エリアEAの再特定は不要であると判断して、ステップS5に進む。ステップS5では、引き続き、特定された存在エリアEAに応じた制御が実施されるように車載機器3が制御され続けて、このフローをリターンする。
【0080】
一方で、ユーザUが移動したことに伴い、ステップS6で、逸脱状態であると判定された場合には、存在エリアEAを再特定する処理(ステップS7),拡大存在エリアEEAを再設定する処理(ステップS8)及び車載機器3を制御する処理(ステップS5)が順に実施されて、このフローをリターンする。
【0081】
すなわち、ステップS7では、存在エリアEAとして特定されている分割エリアSAに隣接する分割エリアSAのうち、拡大存在エリアEEAを逸脱した側に隣接する分割エリアSAが、存在エリアEAとして再特定されて、ステップS8に進む。ステップS8では、再特定された存在エリアEAに基づき拡大存在エリアEEAが再設定されて、ステップS5に進む。ステップS5では、再特定された存在エリアEAに応じた制御が実施されるように車載機器3が作動及び制御されて、このフローをリターンする。
【0082】
なお、上述の説明では、接近フラグFがOFFとなることなく(ステップS1のYesルート)、ステップS2に進んだ場合について説明した。一方で、ステップS1のYesルートに進んだ後の演算周期以降において、ユーザUが車両2から離れたことで、ステップS1で、接近フラグFがOFFであると判定された場合には、ステップS9に進む。そして、ステップS9で、車載機器3が非作動状態とされて、このフローをリターンする。言い換えれば、接近状態判定部5Cにより接近状態であると判定されたあと、離脱状態判定部5Dにより離脱状態であると判定された場合には、ステップS1のNoルート及びステップS9の処理を経て、このフローをリターンする。
【0083】
[4.効果]
(1)上述のシステム1では、取得した角度αが含まれる分割エリアSAを存在エリアEAとして特定する特定部5Aと、特定された存在エリアEAに応じて車載機器3を制御する制御部5Bとが設けられる。このように、ユーザUが存在する存在エリアEAに応じて車載機器3を制御することで、ユーザUに対してより適切な車載機器3の制御を実現できる。よって、システム1の機能性(利便性)の向上が図られる。さらに、取得した角度αをそのまま使って車載機器3を細かく制御するのではなく、存在エリアEAを特定することで、存在エリアEAとして特定される分割エリアSAが変更されない限り車載機器3に対して同じ制御を継続できる。よって、制御部5Bでの車載機器3の制御が煩雑になることを抑制できる。
【0084】
また、特定部5Aは、一度、存在エリアEAを特定した後は、特定した存在エリアEAの中心角Δaを拡大した拡大存在エリアEEAを設定し、当該拡大存在エリアEEAから逸脱するとみなされる逸脱状態となった場合に、存在エリアEAを再特定する。このように存在エリアEAとして特定される分割エリアSAを遷移しにくくすることで、言い換えれば、存在エリアEAとして特定される分割エリアSAの遷移を鈍化させることで、チャタリングの発生を抑制できる。延いては、後続する制御部5Bでの車載機器3の制御が煩雑になることを抑制できる。
【0085】
(2)逸脱状態となったかの判定において、特定部5Aは、非逸脱割合Pxが第一割合P1未満である場合に、逸脱状態となったと判定する。このように、特定部5Aは、受信した角度αが拡大存在エリアEEAを逸脱したことを以て直ちに逸脱状態と判定するのではなく、上述のように判定することで、逸脱状態の判定に際して通信誤差が及ぼす影響を極力抑えることができる。延いては、存在エリアEAとして特定される分割エリアSAのチャタリングをより抑制できる。
【0086】
(3)システム1には、接近状態判定部5Cが設けられる。また、特定部5Aは、接近状態判定部5Cにより接近状態となったと判定された場合に、存在エリアEAの特定を開始する。このように、接近状態となった場合に、存在エリアEAが特定されて、車載機器3が制御されることで、車載機器3の不要な制御(起動)を抑制できる。
【0087】
(4)また、接近状態となったかの判定において、接近状態判定部5Cは、非接近割合Pyが第二割合P2未満である場合に、接近状態となったと判定する。このように、接近状態判定部5Cは、受信した距離Dが接近判定距離Dy未満となったことを以て直ちに接近状態と判定するのではなく、上述のように判定することで、接近状態の判定に際して通信誤差が及ぼす影響を極力抑えることができる。したがって、適切に接近状態を判定できる。
【0088】
(5)システム1には、距離Dが接近判定距離Dyよりも長い所定の離脱判定距離Dz以上であるとみなされる離脱状態となったかを判定する離脱状態判定部5Dが設けられる。また、特定部5Aは、離脱状態判定部5Dにより離脱状態となったと判定された場合に、存在エリアEAの特定を終了する。このように、離脱状態となった場合に、存在エリアEAの特定を終了することで、車載機器3の不要な制御(起動)を抑制できる。
【0089】
また、離脱状態判定部5Dが、接近判定距離Dyよりも長い所定の離脱判定距離Dzに基づいて判定することで、接近状態となったと判定された直後に、離脱状態判定部5Dにより離脱状態となったと判定されることが抑制される。したがって、特定部5Aによる存在エリアEAの特定の開始及び終了が繰り返されることを抑制できる。延いては、車載機器3の起動と停止が繰り返されることを抑制できる。
【0090】
(6)また、離脱状態となったかの判定において、離脱状態判定部5Dは、非離脱割合Pzが第三割合P3未満である場合に、離脱状態となったと判定する。このように、離脱状態判定部5Dは、受信した距離Dが離脱判定距離Dz未満となったことを以て直ちに離脱状態と判定するのではなく、上述のように判定することで、離脱状態の判定に際して通信誤差が及ぼす影響を極力抑えることができる。したがって、適切に離脱状態を判定できる。
【0091】
[5.その他]
上述のシステム1の構成及びシステム1で実施される処理及び制御は一例である。また、システム1が適用される車両2の構成も一例である。
【0092】
例えば、特定部5Aは、通信装置4から距離Dを取得して、取得した距離Dの情報に基づき、拡大存在エリアEEAを設定してもよい。基準位置SPを基にエリア区分を行う場合、車両2から離れた位置でユーザUが移動する場合と、車両2の近くでユーザUが移動する場合とでは、エリア遷移(存在エリアEAとして特性される分割エリアSAの変更)の起きやすさに差が出る。このため、特定部5Aは、距離Dが所定の変更距離Dx以下である場合には、距離Dが変更距離Dxよりも長いときに比べて、中心角Δaをより大きく拡大してよい。
【0093】
変更距離Dxは、特に限定されないが、接近判定距離Dyよりも短い値であることが好ましく、例えば、3[m]に設定される。距離Dが変更距離Dxよりも長いときに中心角Δaが上述の所定角度(7[°])拡大される場合、特定部5Aは、距離Dが所定の変更距離Dx以下であるときに、例えば、存在エリアEAの中心角Δaを周方向の両側へ10[°]ずつ(すなわち、中心角Δaを20[°])拡大してよい。このように、ユーザUが車両2の近傍に存在するときには、エリア遷移が起きにくいように、エリア切り替えを鈍化させる調整をすることで、チャタリングの発生をより抑制できる。
【0094】
分割エリアSAの数は、六つに限らず、少なくとも二つ以上であればよい。また、拡大存在エリアEEAを設定する際に、存在エリアEAの中心角Δaを拡大する角度も、一例であり、上記の値に限らない。逸脱状態となったかの判定に係る値、すなわち、逸脱判定時間Tx及び第一割合P1も、一例であり、上記の値に限らない。逸脱判定の実施回数Xallは、逸脱判定時間Txと角度αを受信する間隔とに応じて変化するため、上記の回数(6[回])に限らない。
【0095】
上述の特定部5Aでは、非逸脱割合Pxが第一割合P1未満である場合に逸脱状態であると判定したが、逸脱状態の判定方法はこれに限らない。例えば、特定部5Aは、逸脱判定が成立した時点から逸脱判定の成立状態が所定時間継続した場合に、角度αが拡大存在エリアEEAから逸脱するとみなされる逸脱状態となったと判定してもよい。
【0096】
同様に、接近状態判定部5Cによる接近状態の判定方法、及び、離脱状態判定部5Dによる離脱状態の判定方法も、上述のものに限らない。接近状態判定部5Cは、接近判定が成立した時点から接近判定の成立状態が所定時間継続した場合に、接近状態となったと判定してもよい。また、離脱状態判定部5Dは、離脱判定が成立した時点から離脱判定の成立状態が所定時間継続した場合に、離脱状態となったと判定してもよい。
【0097】
接近状態となったかの判定に係る値、すなわち、接近判定時間Ty及び第二割合P2も、一例であり、上記の値に限らない。接近判定の実施回数Yallは、接近判定時間Tyと距離Dを受信する間隔とに応じて変化するため、上記の回数(6[回])に限らない。
【0098】
同様に、離脱状態となったかの判定に係る値、すなわち、離脱判定時間Tz及び第三割合P3も、一例であり、上記の値に限らない。離脱判定の実施回数Zallは、離脱判定時間Tzと距離Dを受信する間隔とに応じて変化するため、上記の回数(6[回])に限らない。
【0099】
システム1は、少なくとも、取得部としての通信装置4と、制御装置5の特定部5A及び制御部5Bと、を備えていればよく、接近状態判定部5C及び離脱状態判定部5Dは省略されてもよい。この場合、特定部5Aは、通信装置4と携帯端末Udとの通信が成立した場合に、存在エリアEAの特定を開始し、通信装置4と携帯端末Udとの通信ができなくなった場合に、存在エリアEAの特定を終了してよい。離脱状態判定部5Dのみが省略される場合、接近状態判定部5Cは、接近状態となったか否かの判定結果に基づき、接近フラグFのON/OFFを切り替えてもよい。
【0100】
上述のシステム1では、取得部として通信装置4が設けられていたが、通信装置4の取得部としての機能が制御装置5に含まれていてもよい。すなわち、システム1は、制御装置5のみで構成されるものであってもよい。また、制御装置5の特定部5Aの機能が、通信装置4に含まれていてもよい。この場合、制御装置5の接近状態判定部5C及び離脱状態判定部5Dの機能も、通信装置4に含まれていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本件は、車両に適用される車載機器制御システムの製造産業に利用可能であり、その車載機器制御システムを搭載した車両の製造産業にも利用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 システム(車載機器制御システム)
2 車両
2F 側面
2S サイドミラー
3 車載機器
4 通信装置(取得部)
5 制御装置
5A 特定部
5B 制御部
5C 接近状態判定部
5D 離脱状態判定部
α 角度
Δa 中心角
D 距離
Dx 変更距離
Dy 接近判定距離
Dz 離脱判定距離
DA 検知エリア
EA 存在エリア
EEA 拡大存在エリア
F 接近フラグ
P1 第一割合
P2 第二割合
P3 第三割合
Px 非逸脱割合
Py 非接近割合
Pz 非離脱割合
SA 分割エリア(エリア)
SL 基準線
SP 基準位置
Tx 逸脱判定時間
Ty 接近判定時間
Tz 離脱判定時間
U ユーザ
Ud 携帯端末
Xall 逸脱判定の実施回数
Xfause 逸脱判定の非成立回数
Xture 逸脱判定の成立回数
Yall 接近判定の実施回数
Yfause 接近判定の非成立回数
Yture 接近判定の成立回数
Zall 離脱判定の実施回数
Zfause 離脱判定の非成立回数
Zture 離脱判定の成立回数
図1
図2
図3
図4
図5
図6