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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119093
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】止水装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025727
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】神田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 誠
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】 隣接する左右の止水板の中央側が上方へ移動して、止水性が損なわれるのを防ぐ。
【解決手段】 横方向に連結される二つの止水板10,10’により水の流れを阻むようにした止水装置であって、二つの止水板10,10’のうち、その一方の止水板には、他方の止水板側へ突出する係合部Aが設けられ、他方の止水板には、係合部Aに対し上下方向に重なり合って係合する被係合部Bが設けられている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に連結される二つの止水板により水の流れを阻むようにした止水装置であって、
前記二つの止水板のうち、その一方の止水板には、他方の止水板側へ突出する係合部が設けられ、他方の止水板には、前記係合部に対し上下方向に重なり合って係合する被係合部が設けられていることを特徴とする止水装置。
【請求項2】
前記被係合部は、前記係合部の上方側と下方側に位置する部分を有する凹状に構成されていることを特徴とする請求項1記載の止水装置。
【請求項3】
前記係合部及び前記被係合部は、一方及び他方の前記止水板の上端側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の止水装置。
【請求項4】
前記係合部は、前記被係合部側へ突出する平板状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の止水装置。
【請求項5】
前記被係合部は、前記係合部に対し略平坦状の面を重ね合わせて面接触するように形成されることを特徴とする請求項4記載の止水装置。
【請求項6】
一方の前記止水板と他方の前記止水板の間、及び前記止水板の各々と下方側不動面の間に、弾性を有するパッキンが挟み込まれるようにしたことを特徴とする請求項1~5何れか1項記載の止水装置。
【請求項7】
前記パッキンは、前記一方の止水板に設けられた一方のパッキンと、前記他方の止水板に設けられて前記一方のパッキンに接する他方のパッキンとから構成されることを特徴とする請求項6記載の止水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増水時に建物や地下道の開口部を止水板により閉鎖して水の侵入を阻む止水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
台風や集中豪雨などによる増水が建物や地下道の開口部に侵入すると、浸水による甚大な被害を及ぼすおそれがある。そこで、このような事態に備えて、予め建物や地下道などの開口部の近傍に止水板を格納しておき、増水が発生したときには、この止水板を、前記開口部を構成する両側の支柱に固定し、水の侵入を阻むようにした止水装置が従来知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-14865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の止水装置において、開口部の幅が比較的大きい場合等には、複数の止水板を横幅方向に連結して用いる場合がある。
例えば、図7に示す止水装置100では、二枚の止水板110,120を横幅方向に連結して、左右の支柱x,xの間に設置している。
左側の止水板110は、左側の支柱xとの間、右側の止水板120との間、下方側不動面Gとの間に、それぞれ挟み込まれるように、ゴムパッキン111を具備している。同様に右側の止水板120も、右側の支柱xとの間、左側の止水板110との間、下方側不動面Gとの間に、それぞれ挟み込まれるように、ゴムパッキン121を具備している。
そして、左側の止水板110は、係脱具112により、左側の支柱xに係止される。また、右側の止水板120は、ゴムパッキン121を左側の止水板110のゴムパッキン111に押し付けるようにして、係脱具112により、右側の支柱xに係止される。
このような構成により、左側の止水板110と右側の止水板120には、互いに中央側へ押し付け合う力が作用する。このため、図7に示すように、これらの中央側が、上方へ浮くようにして移動し、下端側のゴムパッキン111,121と、下方側不動面Gとの間に隙間sが生じて、水密性を損ねてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
横方向に連結される二つの止水板により水の流れを阻むようにした止水装置であって、前記二つの止水板のうち、その一方の止水板には、他方の止水板側へ突出する係合部が設けられ、他方の止水板には、前記係合部に対し上下方向に重なり合って係合する被係合部が設けられていることを特徴とする止水装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、隣接する左右の止水板の中央側が上方へ移動して、止水性が損なわれるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る止水装置の一例を上流側から視た図である。
図2】(a)は左右の止水板間の上端側部分を上方から視た拡大図であり、(b)は同上端側部分を上流側から視た拡大図である。
図3】接続前の左右の止水板間の上端部分を上流側から視た拡大図である。
図4図1の(IV)-(IV)線に沿う横断面図である。なお、二点鎖線は、支柱に装着される前の止水板を示す。
図5】係合部と被係合部を構成する部品を(a)~(c)にそれぞれ示す平面図である。
図6図1の(VI)-(VI)線に沿う縦断面図である。
図7】従来の止水装置の一例を上流側から視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、上流側とは、想定される水の流れ方向の上流側を意味し、図示例によれば、止水装置の設置対象となる構築物の屋外側が上流側であり、同構築物の屋内側が下流側である。なお、他例としては、上流側を屋内側とし、下流側を屋外側とすることも可能である。
また、以下の説明において。「止水板厚さ方向」とは、止水板の横幅方向に交差する方向であって上下方向ではない、止水板の厚み方向を意味する。
【0009】
<具体的実施形態>
図1は、本発明に係る止水装置の一例を示す。
この止水装置1は、横幅方向に間隔を置いて立設される左右の支柱X,X間に、複数(図示例によれば左右二つ)の止水板10,10’を設置して、左右の支柱X,X間を通過しようとする水の流れを止水板10,10’によって阻む(図1参照)。
【0010】
支柱Xは、止水装置1の設置対象である構築物の開口部における左右両側の部分を構成している。前記開口部の具体例としては、自動ドアの扉体によって開閉される開口部や、地下道の出入口等が挙げられる。
各支柱Xは、硬質金属材料によって下方側不動面Gから上方へ延びる柱状に形成される。
【0011】
各支柱Xの開口部側の面には、上側被係止部x1及び下側被係止部x2(図4参照)が設けられている。これら上側被係止部x1と下側被係止部x2には、止水板10(又は10’)の上側係止部16と下側係止部17が係止される。
【0012】
上側被係止部x1と下側被係止部x2の各々は、硬質金属材料からなる円柱ピン状に構成される。これら上側被係止部x1と下側被係止部x2は、それぞれ、支柱Xの上部側と下部側において、左右の支柱X,X間の内側(開口部中央側)へ突出する。
【0013】
左右の止水板10,10’は、支柱X,X間の開口部の左半部と右半部をそれぞれ覆うように設けられる。
【0014】
左側の止水板10は、間隔を置いて左右に略平行に設けられる縦枠11,12と、これら縦枠11,12間を上端側で連結する上枠13と、縦枠11,12間を下端側で連結する下枠14と、これら縦枠11,12、上枠13及び下枠14の内側に水密に嵌め合わせられた本体板15とによって、正面視矩形状に構成される(図1参照)。
この止水板10の幅方向の左端側は、左側の支柱Xに対し、上側係止部16及び下側係止部17によって脱着可能に係止される。
また、止水板10の左右端側および下端側には、弾性を有するパッキン21~25が設けられる。
【0015】
右側の止水板10’は、左側の止水板10と略左右対称形状になるように、縦枠11,12’、上枠13、下枠14、本体板15等を配設し、正面視矩形状に構成される(図1参照)。
この止水板10’の幅方向の右端側は、右側の支柱Xに対し、上側係止部16及び下側係止部17によって脱着可能に係止される。
また、止水板10’の左右端側および下端側には、弾性を有するパッキン21~25が設けられる。
【0016】
縦枠11,12,12’、上枠13及び下枠14は、それぞれ、耐腐食性を有する硬質金属材料(例えば、アルミニウム合金や、ステンレス等)によって、長尺な四角筒状もしくは四角柱状に形成される。
縦枠11,12(又は12’)、上枠13及び下枠14は、適宜な接続手段(例えば、ネジ止めや、リベット止め、溶接、嵌合)等によって正面視矩形枠状に接続される。
【0017】
左側の止水板10の縦枠12と、右側の止水板10’の縦枠12’は、これらの間の係脱手段18(図4参照)によって脱着可能に接続される。
係脱手段18は、縦枠12と縦枠12’を、止水板厚さ方向の一方側で横断面L字状に嵌め合わせるととともに、他方側で凹凸状に嵌め合わせて、左右の止水板10,10’が厚さ方向及び横幅方向へ移動しないようにしている(図4参照)。なお、この係脱手段18は、同様に機能すれば。図示例以外の構成とすることが可能である。
【0018】
上側係止部16は、止水板10の横幅方向の一端側において、縦枠11の屋内側の面から突出して、支柱Xの上側被係止部x1に対し、上流側の斜め上側から近づいて離脱しないように係合する(図6参照)。この係合状態は、図示しない係脱機構に対する手動操作により解除可能である。
【0019】
下側係止部17は、上側係止部16の下方側において、縦枠11から屋内側へ突出して、支柱Xの下側被係止部x2に対し、上流側の斜め上側から係合する。この係合状態は、止水板10を逆方向へ移動することで解除可能である。
【0020】
本体板15は、硬質合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネート)や金属材料等により矩形板状に形成され、その上下左右の端部を、対向する縦枠11,12、上枠13又は下枠14に対し水密に接続している。
【0021】
パッキン21~25は、エラストマー樹脂やゴム等の弾性樹脂材料により形成され、止水板10,10’と左右の支柱X,Xの間、止水板10,10’と下方側不動面Gの間等を水密に塞ぐ(図1参照)。
【0022】
パッキン21は、上下方向へ連続する長尺状に形成され、縦枠11の屋内側面に、接着や嵌合等の固定手段により固定されている。このパッキン21は、縦枠11と支柱Xの間に挟まれて弾性的に収縮し、これらの間の水密性を確保する(図4参照)。
【0023】
止水板10側のパッキン22は、上下方向へ連続する長尺状に形成され、縦枠12の外側面(縦枠12’との対向面)に、接着や嵌合等の固定手段により固定されている。
止水板10’側のパッキン22は、上下方向へ連続する長尺状に形成され、縦枠12’の外側面(縦枠12との対向面)に、接着や嵌合等の固定手段により固定されている。
これらパッキン22,22は、左右の縦枠12.12’間に挟まれて弾性的に収縮し、これらの間の水密性を確保する。
【0024】
パッキン23は、止水板横幅方向へ連続する長尺状に形成され、下枠14の下端面に、接着や嵌合等の固定手段により固定されている。このパッキン23は、下枠14と下方側不動面G(例えば、左右の支柱X,X間を連結する下枠や、床面等)との間に挟まれて弾性的に収縮し、これらの間の水密性を確保する。
【0025】
パッキン24は、縦枠11の下端部に設けられた直方体ブロック状の弾性部材(例えば、ゴムやエラストマー樹脂等)であり、縦枠11と下方側不動面Gの間に挟まれて弾性変形し、これらの間の水密性を確保する。
このパッキン24は、パッキン21の下端側に接するとともに、パッキン23にも接しており、パッキン21とパッキン23の間に隙間が生じないようにしている。
【0026】
パッキン25は、縦枠12の下端部に設けられた直方体ブロック状の弾性部材(例えば、ゴムやエラストマー樹脂等)であり、縦枠12と下方側不動面Gの間に挟まれて弾性変形し、これらの間の水密性を確保する。
このパッキン25は、パッキン22の下端側に接するとともに、パッキン23にも接しており、パッキン22とパッキン23の間に隙間が生じないようにしている。
【0027】
二つの止水板10,10’のうち、その一方の止水板(図2によれば左側の止水板10)の上端側には、他方の止水板側へ突出する係合部Aが設けられ、他方の止水板(図2によれば右側の止水板10’)の上端側には、係合部Aに対し上下方向に重なり合って係合する被係合部Bが設けられる。
【0028】
係合部Aは、横断面略枠状の縦枠12の上端開口を塞ぐ蓋部材40を単数具備する。
【0029】
蓋部材40は、縦枠12上端の輪郭に沿って形成された平板状の部材であり、被係合部B側へ突出する突片部41を有する(図5(a)参照)。
この蓋部材40は、突片部41を縦枠12から被係合部B側へ突出させるようにして、縦枠12上端に、不動に固定される(図3参照)。この固定手段は、例えば、ねじ止めや、リベット止め、嵌合、溶接等(図示例によれば、ねじ止め)とすればよい。
【0030】
被係合部Bは、縦枠12’の上端部と、この上端部の開口を塞ぐ蓋部材51と、この蓋部材51の上面に重ね合わせられ固定された重合板52とにより、係合部A(突片部41)に対し上方側と下方側に位置する部分を有する凹状に構成される(図3参照)。
【0031】
前記のようにして重なり合う上下の面41a,41b(図3参照)と、被係合部B側の面52a1,12a’とは、いずれも略平坦状の面であり、前記のようにして重なり合った場合に面接触する。
【0032】
蓋部材51は、平板状の部材である。この蓋部材51は、縦枠12’における縦枠12との対向面に対し、反係合部A側(図3によれば右側)へずれて位置する(図3参照)。
【0033】
重合板52は、蓋部材51の上面に重なり合う平板状の部材であり、係合部A側へ突出する突片部52aを有する(図5(c)参照)。なお、図示例によれば、この重合板52は、蓋部材40と左右対称に構成される。
この重合板52は、突片部52aを蓋部材51から係合部A側へ突出させるようにして、蓋部材51上面に、不動に固定される(図3参照)。この際の固定手段は、例えば、ねじ止めや、リベット止め、嵌合、溶接等(図示例によれば、ねじ止め)とすればよい。
【0034】
<作用効果>
次に、上記構成の止水装置1について、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
左右の止水板10,10’は、それぞれ、上側係止部16と下側係止部17により左右の支柱X,Xに係止される。
この際、図4に示すように、左側の上側係止部16及び下側係止部17が、左側の支柱Xの内側面に接触し、右側の上側係止部16及び下側係止部17が、右側の支柱Xに接触する。そして、止水板10,10’の間のパッキン22,22が、弾性的に収縮して弾発する。このため、左側の止水板10と右側の止水板10’は、互いに押圧し合う。
すなわち、上側係止部16と下側係止部17は、パッキン22,22の弾発力により、それぞれ、左側の支柱Xの内側面と、右側の支柱Xの内側面に押圧される。そして、左右の止水板10,10’間は、パッキン22,22によって水密に保持される。
【0035】
前記のようにして、左側の止水板10と右側の止水板10’が、これらの間の中央側へ押されるため、これら止水板10,10’の中央側部分には、上方向きの力が作用する。しかしながら、止水板10と止水板10’は、係合部Aと被係合部Bによって凹凸状に嵌り合うとともに上下に重なり合う部分を有するため、従来技術(図7参照)のように中央側部分が上方へ浮き上がるように移動するのを阻むことができる。ひいては、下方側のパッキン23と下方側不動面Gの間に隙間が生じるようなことを防ぐことができる。
【0036】
特に、図示する好ましい一例によれば、係合部Aを構成する突片部41の上面41a又は下面41bに対し、対向する被係合部Bの面52a1又は12a’が、面接触するため、止水板10,10’間が上下方向にがたつくのを抑制することができる。
【0037】
よって、上記構成の止水装置1によれば、隣接する左右の止水板10,10’の中央側が上方へ移動して、止水性が損なわれるのを防ぐことができる。
【0038】
<変形例>
図示例によれば、係合部Aを板状の蓋部材40によって構成したが、この係合部Aは、被係合部Bに嵌り合う凸状であればよく、例えば、縦枠12に一体に形成された突起等とすることも可能である。
また、図示例によれば、被係合部Bを板状の蓋部材51及び重合板52によって構成したが、この被係合部Bは、係合部Aに嵌り合う凹状であればよく、例えば、縦枠12’に一体に形成された凹部等とすることも可能である。
【0039】
上記実施形態によれば、二つの止水板10,10’間の上下のずれを解消する好ましい一例として、これら止水板10,10’間の上端側に、係合部A及び被係合部Bを設けたが、他例としては、これら止水板10,10’間の下端側や、上下方向の途中位置等に、係合部A及び被係合部Bを設けることも可能である。
【0040】
上記実施形態によれば、係合部A及び被係合部Bを、止水板10,10’間の上端側のみに設けたが、他例としては、係合部A及び被係合部Bを、止水板10,10’間において上下方向に複数設けることも可能である。
【0041】
上記実施形態によれば、特に好ましい一例として、係合部Aと被係合部Bが凹凸状に嵌り合うようにしたが、他例としては、係合部Aと被係合部Bが凹凸状に嵌り合うことなく単に重なり合う態様とすることも可能である。
【0042】
上記実施形態によれば、上側係止部16(又は下側係止部17)が支柱Xの内側面に直接接触するようにしたが、図示例以外の他例としては、上側被係止部x1の内側面に、上側被係止部x1(又は下側被係止部x2)を固定するための中間部材(基台や補強板等)を設け、この中間部材に対し、上側係止部16(又は下側係止部17)が接触するようにしてもよい。
【0043】
上記実施形態によれば、支柱x,x間の開口を、横方向に並ぶ二つの止水板10,10’により塞ぐようにしたが、図示例以外の他例としては、支柱x,x間の開口を横方向に並ぶ三つ以上の止水板10,10’により塞ぐことも可能である。この場合、隣接する止水板間に、係合部A及び被係合部Bを設ければよい。
【0044】
上記実施の形態によれば、特に組立性や止水性等が良好な一例として、一方の止水板10と他方の止水板20の間に二つのパッキン22,22を挟み込んだが、図示例以外の他例としては、第一の止水板10と第二の止水板20の間に単一のパッキンを挟み込んだ態様とすることも可能である。この他例の場合、単一のパッキンは、止水板幅方向の厚みを二つのパッキン22,22を合わせた厚みと略同等にする。
【0045】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0046】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
横方向に連結される二つの止水板により水の流れを阻むようにした止水装置であって、前記二つの止水板のうち、その一方の止水板には、他方の止水板側へ突出する係合部が設けられ、他方の止水板には、前記係合部に対し上下方向に重なり合って係合する被係合部が設けられていることを特徴とする止水装置(図1図6参照)。
(2)
前記被係合部は、前記係合部の上方側と下方側に位置する部分を有する凹状に構成されていることを特徴とする(1)に記載の止水装置(図2(b)及び図3参照)。
(3)
前記係合部及び前記被係合部は、一方及び他方の前記止水板の上端側に設けられていることを特徴とする(1)または(2)に記載の止水装置(図1図3参照)。
(4)
前記係合部は、前記被係合部側へ突出する平板状に形成されていることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の止水装置(図3及び図5参照)。
(5)
前記被係合部は、前記係合部に対し略平坦状の面を重ね合わせて面接触するように形成されることを特徴とする(4)に記載の止水装置(図3参照)。
(6)
一方の前記止水板と他方の前記止水板の間、及び前記止水板の各々と下方側不動面の間に、弾性を有するパッキンが挟み込まれるようにしたことを特徴とする(1)~(5)の何れかに記載の止水装置(図1参照)。
(7)
前記パッキンは、前記一方の止水板に設けられた一方のパッキンと、前記他方の止水板に設けられて前記一方のパッキンに接する他方のパッキンとから構成されることを特徴とする(6)記載の止水装置。
【符号の説明】
【0047】
1:止水装置
10,10’:止水板
12,12’:縦枠
40:蓋部材
41:突片部
51:蓋部材
52:重合板
52a:突片部
A:係合部
B:被係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7