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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119109
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】店舗システム及び注意喚起方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025754
(22)【出願日】2023-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年1月27日 https://www.sankei.com/article/2023012723ZTORUMMJHWVORW2DCWHOOKFU/ を通じて発表、 令和5年2月6日 https://www.yomiuri.co.jp/national/20230206-OYT1T50137/を通じて発表、 株式会社読売新聞大阪本社発行の「読売新聞 2023年2月6日付夕刊 大阪本社発行版 第1社会面」に発表、 株式会社読売新聞東京本社発行の「読売新聞 2023年2月6日付夕刊 東京本社発行版 第2社会面」に発表、 令和5年2月7日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF0710T0X00C23A2000000/を通じて発表、 株式会社読売新聞グループ本社発行の「読売新聞 2023年2月7日付朝刊 全国版 経済面」に発表、 令和5年2月8日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68282890X00C23A2TB2000/ を通じて発表、 株式会社日本経済新聞社発行の「日本経済新聞 2023年2月8日付朝刊 ビジネス面」に発表、 令和5年2月15日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68474970V10C23A2EAC000/ を通じて発表、 株式会社日本経済新聞社発行の「日本経済新聞 2023年2月15日付夕刊 「ニュースぷらす」欄」に発表。
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】396011174
【氏名又は名称】くら寿司株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100166811
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 剛
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC24
5L050CC24
(57)【要約】
【課題】店舗システムにおいて、商品容器に関する異常が発生した可能性がある場合にそれを検知できるようにすることが求められている。
【解決手段】店舗において来店者が使用する席に商品5を提供する店舗システム1であって、商品5を収容可能であって、カバー12が開閉可能である商品容器10と、商品容器10に収容された状態の商品5を上流側から下流側に搬送する商品搬送装置900と、商品搬送装置900により搬送中である商品容器10の、一の席における状態変化を検知する変化検知部と、変化検知部の検知結果に基づいて所定のアラート条件が満たされると判断した場合に、商品容器10に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を出力するアラート部とを備える、店舗システム1により、商品容器10に関する異常が発生した可能性がある場合にそのことに関して注意を喚起することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗において来店者が使用する席に商品を提供する店舗システムであって、
商品を収容可能であって、カバーが開閉可能である商品容器と、
前記商品容器に収容された状態の商品を上流側から下流側に搬送する商品搬送装置と、
前記商品搬送装置により搬送中である前記商品容器の、一の席における状態変化を検知する変化検知部と、
前記変化検知部の検知結果に基づいて所定のアラート条件が満たされるか否かを判別する判別部と、
前記判別部により前記アラート条件が満たされると判別された場合に、前記商品容器に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を出力するアラート部とを備える、店舗システム。
【請求項2】
前記商品搬送装置の商品の搬送路に沿って設けられており、前記商品容器に関する検知を行うためのセンサを含む席間検知部を備え、
前記変化検知部は、
前記席間検知部の検知結果に基づいて前記一の席に搬入される一の前記商品容器の状態に関する情報を検知する第一検知部と、
前記席間検知部の検知結果に基づいて当該席から搬出される当該商品容器の状態に関する情報を検知する第二検知部とを有する、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項3】
前記第一検知部及び前記第二検知部は、前記商品容器のカバーの開閉状態を検知可能に構成されており、
前記アラート条件は、前記一の席に搬入された一の前記商品容器のカバーの開閉状態について、前記第一検知部により開状態が検知され、かつ、前記第二検知部により閉状態が検知されたことを含む、請求項2に記載の店舗システム。
【請求項4】
前記席間検知部は、前記商品容器のカバーが開いた状態において当該商品容器内を撮影可能なカメラを有し、
前記第一検知部及び前記第二検知部は、それぞれ、前記席間検知部のカメラにより撮影された画像に基づいて、当該商品容器の状態に関する情報を検知可能に構成されている、請求項2に記載の店舗システム。
【請求項5】
前記第一検知部及び前記第二検知部は、それぞれ、前記画像に基づいて、前記商品容器に配置された商品の有無に関する情報を検知可能に構成されており、
前記アラート条件は、前記一の席に搬入された一の前記商品容器について、前記第一検知部により商品がない状態であることが検知され、かつ、前記第二検知部により商品がある状態であることが検知されたことを含む、請求項4に記載の店舗システム。
【請求項6】
前記変化検知部は、前記一の席において前記商品搬送装置により搬送中である前記商品容器のカバーの開閉状態の変化を随時に検知可能に構成されており、
前記アラート条件は、前記一の席において搬送されている前記商品容器のカバーが、開状態から閉状態に変化したことが検知されたことを含む、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項7】
一の前記商品容器が前記一の席に搬入されてから当該席から搬出されるまでの間に通過する領域を撮影可能なカメラを含む中間検知部を備え、
前記変化検知部は、前記中間検知部のカメラにより撮影された画像に基づいて前記商品容器のカバーの開閉状態の変化を検知可能に構成されている、請求項6に記載の店舗システム。
【請求項8】
前記商品容器は、前記カバーの開閉状態又はその変化を検知する開閉検知部を有し、
前記変化検知部は、前記開閉検知部による検知結果を示す情報を取得可能に構成されている、請求項6に記載の店舗システム。
【請求項9】
前記変化検知部は、検知対象となる前記商品容器を識別する容器識別子を特定可能に構成されており、
前記アラート部は、前記変化検知部により特定された容器識別子に対応する出力態様で、当該容器識別子に対応する商品容器に関する前記アラート情報を出力するように構成されている、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項10】
前記アラート部は、前記変化検知部により特定された容器識別子に対応する情報を含む前記アラート情報を、当該容器識別子に対応する商品容器に関するアラート情報として出力するように構成されている、請求項9に記載の店舗システム。
【請求項11】
前記アラート部は、前記変化検知部により特定された容器識別子に対応する出力先に、当該容器識別子に対応する商品容器に関する前記アラート情報を出力するように構成されている、請求項9に記載の店舗システム。
【請求項12】
前記変化検知部の検知結果に基づいて、席に対応する利用者に課金を行う課金部を備える、請求項1に記載の店舗システム。
【請求項13】
商品を収容可能であって、カバーが開閉可能である商品容器と、前記商品容器に収容された状態の商品を上流側から下流側に搬送する商品搬送装置と、表示装置とを含む店舗システムにおいて用いられる注意喚起方法であって、
前記商品搬送装置により搬送中である前記商品容器の、一の席における状態変化を検知する変化検知ステップと、
前記変化検知ステップにおける検知結果に基づいて所定のアラート条件が満たされるか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにより前記アラート条件が満たされると判別された場合に、前記商品容器に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を前記表示装置に出力するアラートステップとを含む、注意喚起方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品容器に収容された状態の商品を商品搬送装置によってユーザに搬送する店舗において利用されうる店舗システム及び注意喚起方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば寿司などの商品を提供する飲食店等の店舗において、来店者であるユーザが待つテーブルを巡るように敷かれた搬送路を有する商品搬送装置が用いられている。このような商品搬送装置では、商品を搬送路に配置することによって当該商品をユーザの前まで搬送することで、商品をユーザに提供することができる。
【0003】
このように商品搬送装置を用いて商品を提供する店舗において、商品を、開閉可能な商品容器に収容された状態で商品搬送装置により搬送することが行われる場合がある。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、飲食物商品搬送装置の搬送路に載せられた飲食物収容体に収容されて搬送される飲食物を管理するための飲食物管理装置の構成が開示されている。
【0005】
なお、下記特許文献2には、例えば飲食店等の店舗において、席毎に来店者であるユーザが携帯情報端末等を用いて商品の注文を行えるようにする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許5722842号公報
【特許文献2】特開2021-015529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、商品搬送装置による搬送中に商品が収容される商品容器に関する異常が発生した場合に、店舗において業務に従事する従事者や店舗への来店者等の関係者がそれに対処するためには、異常が発生した可能性がある旨を知る必要がある。しかしながら、一般に、商品搬送装置による搬送経路は長いため、関係者が異常の発生の有無について常時監視することは現実的ではない。
【0008】
本発明は、商品容器に関する異常が発生した可能性がある場合にそのことに関して注意を喚起することができる店舗システム及び注意喚起方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本第一の発明の店舗システムは、店舗において来店者が使用する席に商品を提供する店舗システムであって、商品を収容可能であって、カバーが開閉可能である商品容器と、商品容器に収容された状態の商品を上流側から下流側に搬送する商品搬送装置と、商品搬送装置により搬送中である商品容器の、一の席における状態変化を検知する変化検知部と、変化検知部の検知結果に基づいて所定のアラート条件が満たされるか否かを判別する判別部と、判別部によりアラート条件が満たされると判別された場合に、商品容器に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を出力するアラート部とを備える、店舗システムである。
【0010】
かかる構成により、商品容器に関する異常が発生した可能性がある場合にそのことに関して注意を喚起することができる。
【0011】
また、本第二の発明の店舗システムは、第一の発明に対して、商品搬送装置の商品の搬送路に沿って設けられており、商品容器に関する検知を行うためのセンサを含む席間検知部を備え、変化検知部は、席間検知部の検知結果に基づいて一の席に搬入される一の商品容器の状態に関する情報を検知する第一検知部と、席間検知部の検知結果に基づいて当該席から搬出される当該商品容器の状態に関する情報を検知する第二検知部とを有する、店舗システムである。
【0012】
かかる構成により、一の席における商品容器の搬出入時の状態に応じて、商品容器の状態変化を検知することができる。
【0013】
また、本第三の発明の店舗システムは、第二の発明に対して、第一検知部及び第二検知部は、商品容器のカバーの開閉状態を検知可能に構成されており、アラート条件は、一の席に搬入された一の商品容器のカバーの開閉状態について、第一検知部により開状態が検知され、かつ、第二検知部により閉状態が検知されたことを含む、店舗システムである。
【0014】
かかる構成により、商品容器のカバーの開閉状態の変化に応じて、アラート情報を出力することができる。
【0015】
また、本第四の発明の店舗システムは、第二又は三の発明に対して、席間検知部は、商品容器のカバーが開いた状態において当該商品容器内を撮影可能なカメラを有し、第一検知部及び第二検知部は、それぞれ、席間検知部のカメラにより撮影された画像に基づいて、当該商品容器の状態に関する情報を検知可能に構成されている、店舗システムである。
【0016】
かかる構成により、商品容器の内部を撮影した結果に基づいて、アラート情報を出力することができる。
【0017】
また、本第五の発明の店舗システムは、第四の発明に対して、第一検知部及び第二検知部は、それぞれ、画像に基づいて、商品容器に配置された商品の有無に関する情報を検知可能に構成されており、アラート条件は、一の席に搬入された一の商品容器について、第一検知部により商品がない状態であることが検知され、かつ、第二検知部により商品がある状態であることが検知されたことを含む、店舗システムである。
【0018】
かかる構成により、商品容器の有無の変化に応じて、アラート情報を出力することができる。
【0019】
また、本第六の発明の店舗システムは、第一から五のいずれか1つの発明に対して、変化検知部は、一の席において商品搬送装置により搬送中である商品容器のカバーの開閉状態の変化を随時に検知可能に構成されており、アラート条件は、一の席において搬送されている商品容器のカバーが、開状態から閉状態に変化したことが検知されたことを含む、店舗システムである。
【0020】
かかる構成により、一の席において搬送されている商品容器のカバーが開状態から閉状態に変化した状態変化に応じて、アラート情報を出力することができる。
【0021】
また、本第七の発明の店舗システムは、第六の発明に対して、一の商品容器が一の席に搬入されてから当該席から搬出されるまでの間に通過する領域を撮影可能なカメラを含む中間検知部を備え、変化検知部は、中間検知部のカメラにより撮影された画像に基づいて商品容器のカバーの開閉状態の変化を検知可能に構成されている、店舗システムである。
【0022】
かかる構成により、一の席において搬送されている商品容器のカバーの状態変化を確実に検出することができる。
【0023】
また、本第八の発明の店舗システムは、第六又は七にの発明に対して、商品容器は、カバーの開閉状態又はその変化を検知する開閉検知部を有し、変化検知部は、開閉検知部による検知結果を示す情報を取得可能に構成されている、店舗システムである。
【0024】
かかる構成により、一の席において搬送されている商品容器のカバーの状態変化を確実に検出することができる。
【0025】
また、本第九の発明の店舗システムは、第一から八のいずれか1つの発明に対して、変化検知部は、検知対象となる商品容器を識別する容器識別子を特定可能に構成されており、アラート部は、変化検知部により特定された容器識別子に対応する出力態様で、容器識別子に対応する商品容器に関するアラート情報を出力するように構成されている、店舗システムである。
【0026】
かかる構成により、商品容器毎にそれに対応する態様でアラート情報を出力することができる。
【0027】
また、本第十の発明の店舗システムは、第九にの発明に対して、アラート部は、変化検知部により特定された容器識別子に対応する情報を含むアラート情報を、容器識別子に対応する商品容器に関するアラート情報として出力するように構成されている、店舗システムである。
【0028】
かかる構成により、商品容器に対応する情報を含むアラート情報を出力することができる。
【0029】
また、本第十一の発明の店舗システムは、第九又は十にの発明に対して、アラート部は、変化検知部により特定された容器識別子に対応する出力先に、容器識別子に対応する商品容器に関するアラート情報を出力するように構成されている、店舗システムである。
【0030】
かかる構成により、商品容器に対応する出力先にアラート情報を出力することができる。
【0031】
また、本第十二の発明の店舗システムは、第一から十一のいずれか1つの発明に対して、変化検知部の検知結果に基づいて、席に対応する利用者に課金を行う課金部を備える、店舗システムである。
【0032】
かかる構成により、一の席における商品容器の状態変化に応じて、利用者に課金を行うことができる。
【0033】
また、本第十三の発明の注意喚起方法は、商品を収容可能であって、カバーが開閉可能である商品容器と、商品容器に収容された状態の商品を上流側から下流側に搬送する商品搬送装置と、表示装置とを含む店舗システムにおいて用いられる注意喚起方法であって、商品搬送装置により搬送中である商品容器の、一の席における状態変化を検知する変化検知ステップと、変化検知ステップにおける検知結果に基づいて所定のアラート条件が満たされるか否かを判別する判別ステップと、判別ステップによりアラート条件が満たされると判別された場合に、商品容器に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を表示装置に出力するアラートステップとを含む、注意喚起方法である。
【0034】
かかる構成により、商品容器に関する異常が発生した可能性がある場合、商品容器に関する異常が発生した可能性があることに関して注意を喚起することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明による店舗システム等によれば、商品容器に関する異常が発生した可能性がある場合にそのことに関して注意を喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本実施の形態における店舗システムが用いられる店舗の商品搬送装置の一例について説明する図
図2】同商品搬送装置の一例を示す平面図
図3】同店舗システムのブロック構成を示す図
図4】同情報処理装置が用いるユーザ情報の一例を示す図
図5】同情報処理装置により蓄積される状態変化に関する検知結果の一例を示す図
図6】同情報処理装置におけるアラート条件の一例について説明する図
図7】同情報処理装置の動作の一例を示すフローチャート
図8】同情報処理装置により行われる変化検知処理の一例を示すフローチャート
図9】同通知装置におけるアラート情報に基づく通知が行われている画面の一例を示す図
図10】同通知装置におけるアラート情報に基づく通知が行われている画面の別の例を示す図
図11】本実施の形態の一変形例に係る店舗システムのブロック構成を示す図
図12】同変形例における変化検知処理の一例を示すフローチャート
図13】本実施の形態の別の変形例に係る店舗システムにおいて用いられる商品容器の概略構成を示す側面図
図14】同店舗システムのブロック構成を示す図
図15】上記実施の形態におけるコンピュータシステムの概観図
図16】同コンピュータシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、店舗システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0038】
なお、以下において用いる用語は、一般的には次のように定義される。なお、これらの用語の語義は常にここに示されるように解釈されるべきではなく、例えば以下において個別に説明されている場合にはその説明も踏まえて解釈されるべきである。
【0039】
ある事項について識別子とは、当該事項を一意に示す文字又は符号等である。識別子は、例えば、IDであるが、対応する事項を識別しうる情報であれば種類は問わない。すなわち、識別子は、それが示すものそのものの名前であってもよいし、一意に対応するように符号を組み合わせたものであってもよい。
【0040】
取得とは、ユーザ等により入力された事項を取得することを含んでいてもよいし、他の装置に記憶されている情報を取得することを含んでいてもよい。他の装置に記憶されている情報を取得するとは、他の装置に記憶されている情報をAPI経由などで取得することを含んでいてもよいし、他の装置により提供されている文書ファイルの内容(ウェブページの内容なども含む)についてスクレイピング等を行うことにより取得することを含んでいてもよい。また、画像ファイルについて光学式文字読み取りを行うことにより情報を取得することなど、元の情報に基づいてそれとは異なるフォーマットの情報を取得することを含んでいてもよい。
【0041】
また、情報の取得には、いわゆる機械学習の手法を利用するようにしてもよい。機械学習の手法の利用については、例えば次のようにすることができる。すなわち、特定の種類の入力情報を入力とし、取得したい種類の出力情報を出力とする学習器(学習情報)を、機械学習の手法を用いて構成する。例えば、予め、入力情報と出力情報との組を2以上用意し、当該2組以上の情報を機械学習の学習器を構成するためのモジュールに与えて学習器を構成し、構成した学習器を格納部に蓄積する。なお、学習器は分類器ということもできる。なお、機械学習の手法は、例えば、深層学習、ランダムフォレスト、SVM等、問わない。また、機械学習には、例えば、fastText、tinySVM、random forest、TensorFlow等の各種の機械学習フレームワークにおける関数や、種々の既存のライブラリを用いることができる。このような学習器を用いて情報を取得することを、機械学習による取得ということがある。
【0042】
また、学習器は、機械学習により得られるものに限られない。学習器は、例えば、入力情報等に基づく入力ベクトルと、出力情報との対応関係を示すテーブルであってもよい。この場合、入力情報に基づく特徴ベクトルに対応する出力情報をテーブル中から取得するようにしてもよいし、テーブル中の2以上の入力ベクトルと各入力ベクトルの重み付けなどを行うパラメータとを用いて入力情報に基づく特徴ベクトルに近似するベクトルを生成し、生成に用いた各入力ベクトルに対応する出力情報とパラメータとを用いて、最終的な出力情報を取得するようにしてもよい。このような学習器を用いて情報を取得することを、対応関係を用いた取得ということがある。また、学習器は、例えば、入力情報等に基づく入力ベクトルと、出力情報を生成するための情報との関係を表す関数などであってもよい。この場合、例えば、入力情報に基づく特徴ベクトルに対応する情報を関数により求めて、求めた情報を用いて出力情報を取得するなどしてもよい。このような学習器を用いて情報を取得することを、関数を用いた取得ということがある。
【0043】
情報を出力するとは、ディスプレイへの表示、プロジェクタを用いた投影、プリンタでの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。具体的には、例えば、情報のウェブページへの表示を可能とすることや、電子メール等として送信することや、印刷するための情報を出力することなどを含む。
【0044】
情報の受け付けとは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力デバイスから入力された情報の受け付け、他の装置等から有線若しくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
【0045】
情報処理装置等に格納されている各種の情報について、更新とは、格納されている情報の変更のほか、格納されている情報に新たな情報が追加されることや、格納されている情報の一部又は全部が消去されることなどを含む概念である。
【0046】
(実施の形態)
【0047】
本実施の形態の概要は、以下の通りである。本実施の形態に係る店舗システムは、店舗において来店者が使用する席に商品を提供するように構成されており、商品容器に収容された状態の商品を商品搬送装置により搬送可能に構成されている。店舗システムは、商品容器の状態の変化を検知する変化検知部と、変化検知部の検知結果に基づいて、商品容器に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を出力するアラート部とを含んでいる。
【0048】
変化検知部は、例えば、一の席に搬入される一の商品容器の状態に関する情報と、当該席から搬出される商品容器の状態に関する情報を検知可能に構成されていることが好ましい。また、変化検知部は、商品容器の開閉状態を検知可能であり、開状態から閉状態になったことが検知された場合にアラート情報を出力することが好ましい。変化検知部は、開いた状態の商品容器内を撮影可能なカメラの画像に基づいて商品容器内の商品の有無等に関する情報を検知可能であってもよく、この場合、例えば、商品がない状態から商品がある状態に変化したことが検知された場合にアラート情報を出力してもよい。また、変化検知部は、一の席に対応して搬送されている途中の商品容器を撮影可能なカメラの撮影結果や、商品容器に設けられた開閉検知部の検知結果に基づいて商品容器の状態の変化を検知するように構成されていてもよい。
【0049】
アラート部は、商品容器を識別可能な容器識別子に対応する通知態様でアラート情報の出力を行うように構成されていてもよい。例えば、容器を特定したアラート情報の出力を行ったり、容器に対応する出力先にアラート情報を出力するようにしてもよい。
【0050】
以下、このように構成された店舗システムや、それに用いられる情報処理装置等の構成例について説明する。
【0051】
図1は、本実施の形態における店舗システム1が用いられる店舗の商品搬送装置900の一例について説明する図である。図2は、同商品搬送装置900の一例を示す平面図である。
【0052】
本実施の形態に係る店舗システム1は、例えば飲食店などの店舗内において用いられるものである。図1には、その什器等の一部が示されている。図2には、飲食店などの店舗内における、商品搬送装置900の一例が示されている。飲食店は、例えばいわゆる回転寿司店である。なお、店舗システム1が用いられる店舗はその他の業態、業種の飲食店であってもよいし、飲食店ではない店舗であってもよい。また、ユーザに提供される商品は、有償であるか無償であるかを問わない。
【0053】
なお、本実施の形態において、商品とは、例えば寿司等の飲食物である。例えば、にぎり寿司や、手巻き寿司等の料理であったり、その他の料理であったりしてもよい。また、飲食物として、飲料や、菓子や、容器入りの食品や、包装された食品などが含まれてもよい。また、商品には、飲食物以外の、価値を有する物が含まれてもよい。
【0054】
本実施の形態において、店舗システム1は、席毎に来店者であるユーザが商品の注文を行えるようにするものである。また、店舗システム1において、商品搬送装置900により、ユーザの元に商品を搬送することができるようになっている。
【0055】
ここで、席とは、商品の提供先となるユーザが利用する座席又はテーブルを意味する概念である。一の席は、例えば、商品を購入する一又は二以上のユーザの客グループ(客グループは、1人以上のユーザを含み、1人のユーザであってもよい)に対応する。例えば、飲食店である店舗に、複数のユーザで構成される客グループが来店した場合において、当該客グループが店舗内の一のテーブルに案内される場合、当該一のテーブルは、席に該当する。また、例えば、飲食店である店舗において、1人のユーザである客グループが来店した場合において、当該客グループが店舗内の一のカウンター席に案内される場合、当該一のカウンター席は、席に該当する。なお、席とは、実際の座席又はテーブルを示すものに限られない。席は、一以上のユーザにより構成されるグループに対応するものとして当該グループによる商品の購入者、発注元、提供先などを示す他のものであってもよい。このような席は、実在するものでも仮想上のものであってもよい。すなわち、席とは、商品の提供先となり、商品の対価を課金する単位を示す概念である。以下の説明において、このようなユーザ(客グループ)に対応する席のことを、単にユーザという場合がある。すなわち、ユーザ(客グループ)に対応する席に商品が提供されることを、単に、ユーザに商品が提供されると表現することがある。
【0056】
店舗システム1は、商品搬送装置900と、情報処理装置100と、通知装置700とを有している。通知装置700は、例えば、各席に対応する受付端末である。1つの通知装置700が2以上の席に共用されてもよい。また、2以上の通知装置700が一の席に対応付けて用いられてもよい。また、通知装置700は、後述する厨房1bに配置されており、店舗における従業者が使用することができるように設けられていてもよい。
【0057】
また、本実施の形態において、店舗システム1は、例えばネットワークを介して情報処理装置100と通信可能な端末装置600を有していると解釈することができる。端末装置600は、例えば、ユーザにより使用されるものである。すなわち、店舗システム1は、飲食店等の客であるユーザが、端末装置600等を用いて利用可能に構成されている。
【0058】
本実施の形態において、一の客グループは、彼らが利用する席に対応するように設置された、タッチパネル等の画面である通知表示装置761を有する通知装置700を用いて、商品の注文等を行うことができる。なお、客グループは、彼らが所有する一以上の端末装置600を用いて、商品の発注等を行うことができるようになっていてもよい。この場合、例えば、上記特許文献2に記載されているような店舗システムの構成を採用することができる。
【0059】
なお、図1においては、例えばいわゆるスマートフォンなどの携帯情報端末装置が端末装置600として示されている。端末装置600は、タッチパネル等の画面である端末表示装置661を有している。なお、タブレット型の情報端末装置及びラップトップコンピュータなどのパーソナルコンピュータ(PC)などが、端末装置600として用いられてもよい。また、タブレット型の情報端末装置が通知装置700として示されているが、携帯情報端末装置やパーソナルコンピュータ(PC)などが、通知装置700として用いられてもよい。
【0060】
なお、端末装置600は、例えば、ホールスタッフなどの店舗従業者により使用されるものであってもよい。すなわち、店舗従業者が、端末装置600を用いて店舗システム1を利用することができるように構成されていてもよい。例えば、店舗従業者が、各席からの注文内容等の情報を、端末装置600を用いて情報処理装置100等に送信することにより、注文の受付を行うことができるようになっていてもよい。
【0061】
なお、店舗システム1において、互いに通信可能な装置同士は、例えばローカルエリアネットワークやインターネットなどのネットワークを介して互いに通信可能であるが、これに限られるものではない。店舗システム1に含まれるそれぞれの装置の数は問わないし、他の装置が店舗システム1に含まれていてもよい。
【0062】
商品搬送装置900は、ユーザが飲食を行う店内1aと厨房1bとにわたって設けられている。店内1aにおいては、例えば、ユーザが飲食を行う際のテーブル980や、座席981等が設けられている。テーブル980としては、ユーザが一列に並んで飲食を行うことが可能なカウンターテーブル980bが用いられていてもよい。
【0063】
商品搬送装置900は、例えば寿司等の商品5が載った皿が乗せられる搬送路960を有している。搬送路960は、各テーブル980の近傍において皿が搬送されるように、店内1aに敷設されている。搬送路960は、例えば、上面がフラットに構成されたクレセントチェーンなどを用いて構成されているが、これに限られない。搬送路960は、皿を所定の搬送方向(図2において矢印で示す)に搬送して店内1aの各テーブル980及び厨房1bを循環させるように構成されている。すなわち、搬送路960は、商品5である寿司等が載った皿を、上流から下流に搬送する。搬送路960上のある地点から見たときに、上流とは、商品5が近づいてくる側であり、下流とは、商品5が離れていく側である。
【0064】
商品搬送装置900において、搬送路960の上方には、上側ユニット951が配置されている。上側ユニット951には、照明手段が設けられており、搬送路960を照らすように、下方に光を照射するように構成されている。上側ユニット951には、通知装置700が配置されている。店舗システム1において、通知装置700により表示されるいわゆる電子メニューを用いて、対応する席のユーザが、商品5の注文等を行うことができるようになっている。このような商品5の注文を受け付けるための構成については、例えば公知のものを用いることができる。例えば、情報処理装置100が、各席に対応する通知装置700等に対するユーザの注文操作に基づいて各席の注文を受け付け、厨房1bに設けられた端末等(図示せず)に注文の内容を送信することにより、当該注文に応じた商品5の提供が可能となっている。
【0065】
本実施の形態において、通知装置700や、端末装置600は、情報処理装置100から出力(送信)される情報を受信し、受信した情報に基づいて通知表示装置761や端末表示装置661に情報等を表示することができるように構成されている。通知装置700や、端末装置600は、それ自身に対して後述のようなアラート情報が出力された場合に、アラート情報に基づいて情報等を表示することができるように構成されている。なお、通知装置700や端末装置600は、音声や光等を出力可能に構成されているものであって、出力されたアラート情報に基づいて、音声や光等を出力するように構成されていてもよい。
【0066】
ここで、本実施の形態において、商品5は、商品容器10を用いてユーザに提供される。商品容器10は、搬送路960上に配置可能に構成されている。商品容器10は、商品5が載せられた皿が載置される載置台11と、載置台11の上面を覆うように構成された蓋体であるカバー12とを有するものである。商品5が載せられた皿は、商品容器10においてカバー12により覆われた状態で搬送路960において搬送される。各ユーザは、商品容器10のカバー12を開動作させることにより、搬送された商品5を皿ごと取り上げ、テーブル980に移動させて食することができる。商品5が取り上げられた商品容器10は、カバー12が開いた開状態のままとなり、搬送路960により厨房1bに届けられる。商品容器10は、商品収容体、飲食物収容体又は商品カバーなどと呼ばれても良い。
【0067】
このような商品容器10は、例えば、上述の特許文献1に記載されているような構成を有するものを用いることができる。なお、本実施の形態においては、2つの商品容器10が互いに連結された連結体500として、2つの商品5が一緒に搬送路960により提供可能であるが、提供方法はこれに限られない。
【0068】
本実施の形態において、店舗システム1には、搬送路上を搬送されている商品容器10に関する検知を行うための席間検知部970が設けられている。本実施の形態において、席間検知部970を用いることで、商品容器10を検知し、それにより商品5に関する検知を行うことができるようになっているが、商品容器10のみに関する検知が行われてもよい。
【0069】
席間検知部970は、例えば、搬送路960に沿って設けられており、商品容器10に関する検知を行うためのセンサ等を有している。センサ等は、例えば、画像を取得するカメラ、接触式のセンサ、光電センサや近接センサ等の非接触式のセンサ又はRFタグ(ICタグ)を読み取り可能な読み取り装置などであるが、これらに限られず、また、これらのうち2以上のセンサが併用されていてもよい。センサ等は、距離画像を取得可能なLiDAR等のセンサであってもよい。席間検知部970は、搬送路960上に設けられたセンサと情報処理装置100やその他のコンピュータ等の装置とが共に用いられて機能するものであってもよいし、情報処理装置100と協働せずにセンサにより得られた情報を処理して、情報処理装置100等に出力可能に構成された装置であってもよい。
【0070】
席間検知部970は、搬送路960上を搬送されている2以上の商品容器10のそれぞれについて、当該商品容器10に関する検知を行うことができるように構成されている。本実施の形態において、席間検知部970は、互いに隣り合う席の間(テーブル980間や、カウンターテーブル980bの座席981間)に対応する位置に配置されている。席間検知部970は、各席について、当該席の少なくとも一方の端部に対応する位置に配置されていると言ってもよい。搬送路960は、それぞれ一の席に対応する複数の区間に分かれるように構成されていると言え、席間検知部970は、隣り合う区間の境の近傍において、商品容器10に関する検知を行うことができるように設けられている。
【0071】
本実施の形態において、席間検知部970のセンサによる検知結果に基づいて、席と席とが隣り合う境界となる地点に到来した商品容器10について、カバー12の開閉に関する状態を検知可能となるように配置されている。すなわち、席間検知部970によって、搬送路960のうち、どの席に対応する区間(領域)において商品容器10が開状態になったかが検知されるようになっている。通常、商品容器10が開状態になることは、商品5が搬送路960から取り上げられたことを意味する。そのため、後述するように、商品容器10の開閉状態の変化に応じて、対応する席に商品5の対価が課金される。
【0072】
席間検知部970は、本実施の形態において、カメラによって搬送路960を撮影するように構成されている。すなわち、店舗システム1では、席間検知部970により撮影された画像を用いて、各席の間の地点に到来した商品容器10の開閉状態を検知可能に構成されている。例えば、商品容器10のカバー12が開状態であるか閉状態であるかを検知可能である。一箇所における検知を行う席間検知部970において、2以上のカメラが設けられていてもよい。なお、画像を用いた開閉状態の検知は、撮影した画像に基づいて、例えば機械学習の学習器を利用して開状態であるか閉状態であるかを示す情報を取得したり、その他の公知の画像認識を行うことによって行われうる。また、本実施の形態において、店舗システム1は、席間検知部970により商品容器10を撮影した画像に基づいて、商品5の種別等に関する属性値を取得可能に構成されていてもよい。この場合、例えば、商品容器10等に識別子を表す二次元コード等が付されており、その二次元コードの読み取り結果を用いて商品5に関する検知を行うように構成されていてもよい。
【0073】
このような席間検知部970により撮影された画像を用いた検知は、席間検知部970により行われるように構成されていてもよい。この場合、席間検知部970による検知結果が、席間検知部970から情報処理装置100等に出力されるように構成されていればよい。また、席間検知部970により撮影された画像を用いた検知は、後述する情報処理装置100の処理部140等により行われてもよい。この場合、席間検知部970により撮影された画像やそれに基づく情報等が席間検知部970から情報処理装置100に出力されるように構成されていればよい。
【0074】
席間検知部970は、商品容器10内を撮影可能な少なくとも1つのカメラを含んでいてもよい。本実施の形態において、席間検知部970は、商品容器10のカバーが開いた状態において当該商品容器10内を撮影可能なカメラを有している。そして、後述するように、店舗システム1は、席間検知部970のカメラによって搬送路960を撮影することにより得た画像を用いて、各席の間の地点に到来した商品容器10内の状態が検知可能となっている。このような検知は、撮影した画像に基づいて、例えば機械学習の学習器を利用して開状態であるか閉状態であるかを示す情報を取得したり、その他の公知の画像認識を行うことによって行われうる。かかる検知処理も、上述と同様に、席間検知部970それ自体で行われるように構成されていてもよいし、情報処理装置100等において行われるように構成されていてもよい。
【0075】
なお、席間検知部970は、このようなカメラを用いて構成されているものに限られない。例えば、席間検知部970は、上述の特許文献1に記載されているような、開閉検出器と読み取り器とを用いた構成のものであってもよい。この場合、例えば、商品容器10に固有のRFタグ等が設けられており、それを読み取り器で読み取った情報を各商品5の識別に関する情報として利用することができる。また、商品容器10の開閉に関する状態を、開閉検出器を利用して検出することができる。
【0076】
なお、席間検知部970の検知結果を用いて、上述のように商品容器10に関する検知を行うことにより、商品5に関する検知を行うことができるように構成されていてもよい。これは、例えば、個々の商品容器10に関する識別子と当該商品容器10に収容された商品5に関する情報とが対応付けられている情報を用いて行われうる。商品5に関する情報として、商品5の識別に関する情報の取得や、商品5の状態に関する情報の取得などが行われうる。
【0077】
商品5の識別に関する情報は、例えば、個々の商品5を識別するための属性値や、種別(メニュー名や、商品5が属するカテゴリー等)を特定するための属性値である。このような属性値としては、商品5の提供に用いられる個々の皿や個々の商品容器10を識別する識別子や、所定の態様で商品5が提供されている場合のその態様の識別結果や、商品5を撮影した画像に基づく情報(画像そのものであってもよいし、画像から取得可能な特徴量等であってもよい)などが該当しうる。すなわち、商品5に関する検知を行うとは、商品5に関する識別を行うと言ってもよい。
【0078】
商品5の状態に関する情報とは、例えば、商品5の状態を示す情報や、商品5の状態を把握するために用いられる情報である。商品5の状態とは、例えば、商品5の位置や、商品5の有無等や、商品5が搬送路960上で提供されてから経過した時間等であるが、これらに限られない。
【0079】
商品5の位置とは、例えば、搬送路960上での相対的な位置であってもよいし、店舗内における当該商品5の絶対的な位置すなわち各ユーザに対する商品5の位置であってもよい。搬送路960上の相対的な位置(搬送路960上の起点からの商品5の位置)が把握できる場合に、商品5の状態を把握するために用いられる情報として、相対的な位置が検知されてもよい。すなわち、相対的な位置と、搬送路960の位置とに基づいて、当該商品5の絶対的な位置を把握することが可能である。なお、ここでいう商品5の位置とは、商品容器10の位置と言い替えてもよい。
【0080】
図3は、同店舗システム1のブロック構成を示す図である。
【0081】
図に示されるように、情報処理装置100は、格納部110と、受信部120と、受付部130と、処理部140と、送信部170とを備える。
【0082】
格納部110は、容器情報格納部112と、ユーザ情報格納部115とを備える。
【0083】
格納部110は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。これらには、それぞれの装置において取得された情報などがそれぞれ格納されるが、情報等が記憶される過程はこれに限られない。例えば、記録媒体を介して情報等が記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報等が記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報等が記憶されるようになってもよい。
【0084】
容器情報格納部112には、例えば、席間検知部970による商品容器10の状態に関する検知結果が格納されている。以下の説明において、検知結果を、容器情報ということがある。
【0085】
本実施の形態において、容器情報は、一の商品容器10に関する種々の属性値である。例えば、個々の商品容器10を識別可能な容器識別子や、当該商品容器10の状態について席間検知部970により検知された情報などである。検知された情報としては、例えば、商品容器10のカバー12が開状態であるか、閉状態であるかを示す情報や、商品容器10内に商品5の有無を示す情報や、その他の異物の有無等を示す情報などであるが、これらに限られない。容器情報は、例えば、商品容器10の状態について席間検知部970により検知された情報に基づいて取得された情報であってもよい。すなわち、席間検知部970により商品容器10の状態が検知され、その結果に基づいて得られた、後述のアラート条件や課金条件の判別結果等の情報を含んでいてもよい。
【0086】
ユーザ情報格納部115には、店舗システム1を利用するユーザに関するユーザ情報が格納される。本実施の形態において、ユーザ情報は、店舗システム1を利用するユーザを識別する識別子であるユーザ識別子と、当該ユーザに関する情報とが対応付けられている情報である。ユーザ情報には、種々の情報が含まれうる。ユーザ情報は、例えば、受信部120により受信されたり、受付部130により受け付けられたり、処理部140による情報処理の結果として取得されたりして、ユーザ情報格納部115に蓄積される。
【0087】
本実施の形態において、ユーザ情報は、ユーザに対応する席に関する情報であると言ってもよい。すなわち、本実施の形態において、ユーザの今回の飲食機会において端末装置600や通知装置700などのユーザが操作可能な端末から送信された情報に基づくユーザ情報が、席を識別する席識別子や端末装置600を識別する端末識別子等の席特定情報に対応付けて格納されるようにしてもよい。このほか、ユーザ情報には、ユーザが飲食店に来店した状態に関する所定の属性値が含まれうる。所定の属性値とは、例えば、ユーザである客グループの人数や、来店時刻(来店してから経過した時間であってもよい)等の情報であるが、これに限られない。客グループに含まれる大人の人数や子供の人数等の情報が含まれてもよい。また、ユーザが使用する席について種々の給仕業務を担当する担当従業者を識別する識別子等が含まれてもよい。
【0088】
また、ユーザ情報には、例えば、商品5の購入履歴等に関する情報が含まれうる。例えば、席毎に行われた注文の受け付け状況を示す注文情報や、席毎の商品5の消費状況を示す消費情報がユーザ情報として含まれていてもよい。
【0089】
注文情報は、例えば、商品の注文に関する情報であり、席を特定する席特定情報を有する情報である。注文情報は、例えば、商品を一意に識別可能な商品識別子を有する。注文情報は、例えば、商品識別子と注文する個数とを有する。なお、注文情報は、例えば、商品識別子と金額とを有していてもよい。注文情報は、例えば、商品5が乗せられた皿が客グループに出された(提供された)旨を示す情報であってもよい。換言すると、注文情報は、注文後の情報でもよい。
【0090】
消費情報は、ユーザが消費する商品5の額又は数量に関する情報である。本実施の形態において、消費情報は、例えば、ユーザが消費した商品5の金額であるが、これに限られない。ユーザが消費した商品5の数が消費情報として用いられてもよい。本実施の形態においては、商品5は所定の単位毎に皿に配置されてユーザに提供される。この場合、ユーザが消費した商品5の皿の数が消費情報として用いられてもよい。
【0091】
なお、このような注文情報や消費情報などの購入履歴に関する情報として、ユーザの今回の飲食機会における購入履歴(今回の購入履歴)に関する情報がユーザ情報に含まれるようにしてもよい。このような購入履歴に関する情報に基づいて、ユーザに、店舗の利用について対価を課金することができる。なお、このような購入履歴に関する情報は、例えば、客グループに属する個々のユーザ毎に記録されるようにしてもよい。
【0092】
受信部120は、他の装置から送信された情報を受信する。受信部120は、通常、無線又は有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。
【0093】
受信部120は、受信した情報を、例えば、格納部110に保存する。本実施の形態において、ユーザは、例えば、端末装置600を用いて情報の入力等を行い、情報処理装置100に送信可能である。受信部120は、送信された各情報を、端末識別子や席識別子に対応付けて格納部110に保存することができる。本実施の形態において、受信部120は、各端末装置600や通知装置700から送信された注文情報を受信し、端末識別子や席識別子に対応付けて格納部110に保存することができる。なお、受信部120は、通知装置700から情報を受信する場合に、送信された情報に基づいて、送信に係る通知装置700に対応する席を特定する席識別子を特定可能である。また、受信部120は、端末装置600から情報を受信する場合に、送信された情報に基づいて、送信に係る端末識別子を特定可能である。
【0094】
受付部130は、情報処理装置100に接続された図示しない入力手段を用いて入力された情報を受け付ける。受付部130は、受け付けた情報を、例えば、格納部110に保存する。なお、入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でもよい。受付部130は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現されうる。受付部130は、情報処理装置100に接続された読み取り装置(例えば、コードリーダなど)を用いて行われた入力操作(例えば、装置により読み取られた情報も含む)により入力された情報を受け付けてもよい。
【0095】
また、受付部130は、受信部120が受信した情報を、情報処理装置100に入力された情報として受け付けるといってもよい。すなわち、情報処理装置100への情報の入力とは、これらの情報が通知装置700や端末装置600等を介してユーザによって間接的に情報処理装置100に入力されることを意味すると解釈してもよい。
【0096】
なお、受信部120や受付部130は、店舗における従業者が送信したり入力したりした情報を受信したり受け付けたりすることも可能である。
【0097】
処理部140は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、以下のように処理部140の各部が行う処理である。処理部140は、通常、MPUやメモリ等から実現されうる。処理部140の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
【0098】
本実施の形態において、処理部140は、搬送路960上において搬送されている商品容器10の状態の変化の検知結果に応じて、所定のアラート条件が満たされると判断した場合に、商品容器10に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を出力するように構成されている。このようなアラート機能は、処理部140に設けられている、ユーザ情報取得部141、変化検知部145、判別部151及びアラート部161によって実現される。また、処理部140は、課金部165を有している。これらの処理部140の各部は、以下のような処理を行いうる。
【0099】
ユーザ情報取得部141は、店舗を利用するユーザ、すなわち対象となるユーザに関する情報であるユーザ情報を取得する。ユーザ情報取得部141は、例えば、後述のアラート情報の出力や、課金等を行うのに際して、対象となるユーザ又は席を識別する識別子に対応するユーザ情報をユーザ情報格納部115から取得する。ユーザ情報を取得することにより、ユーザ又は席に対応する端末装置600や通知装置700を特定することができるようになっている。
【0100】
なお、本実施の形態において用いられるユーザ情報の一例は、次の通りである。
【0101】
図4は、同情報処理装置100が用いるユーザ情報の一例を示す図である。
【0102】
図に示される例において、ユーザ情報として、例えば、席特定情報や、来店時刻や、ユーザが使用する席の給仕業務等を担当する担当者の担当者識別子(担当者ID)などの属性値が、ユーザ情報を識別するユーザ識別子(ユーザID)に対応付けて記録されている。例えば、席特定情報としては、ユーザが使用しているテーブル980を識別可能なテーブル番号や、カウンターテーブル980bを使用するユーザの座席981を識別可能な席番号等の席識別子が含まれうる。
【0103】
このように席に対応する担当従業者に関する識別子がユーザ情報に含まれる場合、各ユーザのユーザ情報に基づいて、ユーザ又は席に対応する担当従業者が使用する端末装置600等を特定可能である。
【0104】
なお、ユーザ情報には、これら以外の情報が含まれてもよいし、いずれかの情報(例えば、担当者識別子等)が、ユーザ情報とは異なる情報として格納されていてもよい。すなわち、ユーザ識別子や席識別子に関連付け可能に格納部110等に格納されている情報や、ユーザ識別子や席識別子に関連付けて取得可能な情報は、ユーザ情報として把握可能である。
【0105】
図3に戻って、変化検知部145は、商品搬送装置900により搬送中である商品容器10の、一の席における状態変化を検知可能に構成されている。本実施の形態において、変化検知部145は、店舗内の各席について、当該席に対応する範囲において搬送された商品容器10の状態変化を検知可能である。変化検知部145は、検知対象となる商品容器10を識別する容器識別子を特定可能に構成されている。各商品容器10についての検知を行うために用いられる情報(例えば、後述のような席間検知部970の検知結果等)や、状態変化の検知結果等は、例えば、当該商品容器10の容器識別子に対応付けて容器情報格納部112に蓄積されるようになっているが、これに限られない。
【0106】
本実施の形態において、変化検知部145は、席間検知部970の検知結果に基づいて、商品容器10の状態変化を検知するように構成されている。すなわち、変化検知部145は、一の席において、当該席に対応する搬送路960の区間(対応区間という)における上流側と下流側とのそれぞれの席間検知部970の検出結果に応じて、当該対応区間を通過したそれぞれの商品容器10の状態変化を検知可能に構成されている。
【0107】
一の席に注目した場合、このような開閉状態の変化の検知は、以下のようにして変化検知部145により行われうると説明してもよい。すなわち、本実施の形態において、変化検知部145は、第一検知部146と、第二検知部147とを有しており、第一検知部146の検知結果と第二検知部147の検知結果とに基づいて商品容器10の状態変化を検知するといえる。ここで、第一検知部146は、一の席の上流側にある席間検知部970(便宜上、第一席間検知部970ということがある)の検知結果に基づいて、当該席に搬入される一の商品容器10の状態に関する情報を検知する。第二検知部147は、当該席の下流側にある席間検知部970(便宜上、第二席間検知部970ということがある)の検知結果に基づいて、当該席から搬出される一の商品容器10の状態に関する情報を検知する。第一席間検知部970は、当該席とその上流側の席等との境界に対応する位置にあり、第二席間検知部970は、当該席とその下流側の席等との境界に対応する位置にあるものである。なお、第一検知部146は第一席間検知部970を含むものであるとして店舗システム1の構成を把握してもよいし、第二検知部147は第二席間検知部970を含むものであるとして店舗システム1の構成を把握してもよい。
【0108】
本実施の形態において、変化検知部145は、例えば、商品容器10のカバー12の開閉状態の変化(状態変化の一例)を検知する。すなわち、変化検知部145は、一の席において、対応区間における上流側と下流側とのそれぞれの席間検知部970の検出結果に応じて、当該対応区間を通過したそれぞれの商品容器10のカバー12の開閉状態の変化を検知可能に構成されている。換言すると、第一検知部146及び第二検知部147は、商品容器10のカバー12の開閉状態を検知可能に構成されており、それにより、変化検知部145がカバー12の開閉状態の変化を検知可能であるといえる。なお、各席間検知部970のセンサによる検知結果に基づいて第一検知部146及び第二検知部147が開閉状態を検知するように構成されていてもよいし、各席間検知部970による開閉状態の検知結果を第一検知部146及び第二検知部147が取得するように構成されていてもよい。後者の場合においても、第一検知部146及び第二検知部147が開閉状態を検知するといえる。
【0109】
また、変化検知部145は、例えば、商品容器10内にある商品5の有無に関する状態の変化(状態変化の一例)を検知する。このような検知は、商品容器10内を撮影可能な席間検知部970のカメラにより撮影された画像を用いて行われうる。すなわち、変化検知部145は、一の席において、対応区間における上流側と下流側とのそれぞれの席間検知部970のカメラにより撮影された、商品容器10内の画像を取得する。そして、当該画像に応じて、当該対応区間を通過したそれぞれの商品容器10内の商品5の有無に関する状態の変化を検知可能に構成されている。換言すると、第一検知部146及び第二検知部147は、カメラによって商品容器10内を撮影された画像に基づいて商品容器10内にある商品5の有無に関する状態を検出可能であり、それにより、変化検知部145が商品5の有無に関する状態の変化を検知可能であるといえる。なお、各席間検知部970により撮影された画像に基づいて第一検知部146及び第二検知部147が商品5の有無に関する状態を検知するように構成されていてもよいし、各席間検知部970による商品5の有無に関する状態の検知結果を第一検知部146及び第二検知部147が取得するように構成されていてもよい。後者の場合においても、第一検知部146及び第二検知部147が商品5の有無に関する状態を検知するといえる。
【0110】
なお、本実施の形態において、変化検知部145により商品容器10のカバー12が開いた状態において撮影された画像に基づいて、第一検知部146及び第二検知部147が商品5の有無に関する状態を検知可能に構成されている。これにより、容易にかつ確実に、商品5の有無に関する状態を検知可能である。なお、これに限られず、商品容器10のカバー12が閉まっている状態においても、撮影された画像に基づいて商品5の有無に関する状態を検知するように構成されていてもよい。例えば、カバー12が透光性を有する素材により構成されている場合、商品容器10のカバー12が閉まっている状態において撮影された画像に基づいて、商品5の有無に関する状態を検知することができる。
【0111】
なお、第一検知部146及び第二検知部147は、商品容器10内を撮影可能な席間検知部970のカメラにより撮影された画像に基づいて、商品5の有無に関する状態に加えて、又はそれに替えて、当該商品容器10の状態に関するその他の情報を検知可能に構成されていてもよい。その他の情報としては、例えば、商品5ではない物(異物と言ってもよい)の有無を示す情報や、商品5の状態(正常な状態であるか、異常な状態であるか)に関する情報等が該当しうるが、これらに限られない。すなわち、第一検知部146及び第二検知部147は、商品容器10内を撮影可能な席間検知部970のカメラにより撮影された画像を用いて、当該商品容器10の状態に関する何らかの情報を検知可能に構成されていればよく、その場合、変化検知部145は、その検知結果により、商品容器10の状態変化を検知することができるといえる。
【0112】
なお、皿のみについて、商品5として検知するようにしてもよいし、例えば異物であるとして検知するようにしてもよい。商品5が皿に配置されて提供されることが通常である場合において、皿とそれに配置された物との全体を商品5として検知するようにしてもよいし、皿と、それに配置されているべき商品とを区別して検知可能に構成されていてもよい。
【0113】
判別部151は、変化検知部145の検知結果に基づいて、所定のアラート条件が満たされるか否かを判別する。アラート条件は、商品容器10の状態変化に関する条件を含むものであるといえる。アラート条件は、1つの条件であってもよいし、複数の条件の組み合わせとして捉えられるものであってもよい。
【0114】
本実施の形態において、アラート条件に関する判別は、各席について行われる。また、アラート条件に関する判別は、各商品容器10について行われる。すなわち、判別部151は、各席において、搬送路960上の各席の対応区間を通過する商品容器10毎に、アラート条件が満たされるか否かを判別する。なお、判別部151は、2以上の席毎(例えば、店舗を複数の席毎に区分けしたブロック毎)に、アラート条件が満たされるか否かを判別するように構成されていてもよいし、席の区別なく、アラート条件が満たされるか否かを判別するようにしてもよい。
【0115】
本実施の形態において、アラート条件は、各席の対応区間を搬送される間に、商品容器10又は商品5に異常が発生した可能性があることを示す兆候が商品容器10の状態変化として現れていること(状態変化条件という)を含むと言える。このような状態変化条件としては、例えば、以下のような条件が設定されている。
【0116】
すなわち、状態変化条件は、例えば、一の席に搬入された一の商品容器10のカバー12の開閉状態について、第一検知部146により開状態が検知され、かつ、第二検知部147により閉状態が検知されたこと、であってもよい。通常、商品容器10は、いったん開状態となった後はその状態が保持されるように構成されている。商品容器10が開状態で対応区間に搬入されてきた場合に、通常であれば、商品容器10はそのままの状態で対応区間から搬出されるはずである。開状態で対応区間に搬入された商品容器10が、対応区間から搬出される際に閉状態となっている場合、対応区間において、誰かにより商品容器10が操作されて閉状態になったことなどの異常が発生した可能性がある。したがって、このような条件が状態変化条件として設定されうる。
【0117】
また、状態変化条件は、例えば、一の席に搬入された一の商品容器10について、第一検知部146により商品5がない状態であることが検知され、かつ、第二検知部147により商品5がある状態であることが検知されたこと、であってもよい。通常、商品5が商品容器10から外に出されると、その商品容器10に別の商品5が収容されることはない。商品5が無い状態で対応区間に搬入された商品容器10に、搬出時に商品5がある場合、対応区間において、誰かにより商品容器10に対して商品5が戻されたことなどの異常が発生した可能性がある。したがって、このような条件が状態変化条件として設定されうる。
【0118】
なお、第一検知部146及び第二検知部147が異物の存在を検知可能である場合、それが対応区間への搬入時になかった異物が搬出時に検知されたことを状態変化条件として設定してもよい。また、第一検知部146及び第二検知部147が、皿と、皿に配置された商品5の有無とを区別して検知可能である場合、対応区間への搬入時になかったものが搬出時に検知されたことを状態変化条件として設定してもよい。また、第一検知部146及び第二検知部147が、商品5の状態(例えば、配置されている位置、数、姿勢、色等)を検知可能である場合、対応区間への搬入時と搬出時とで当該状態が異なっていることが検知されたことを状態変化条件として設定してもよい。
【0119】
なお、アラート条件として、状態変化条件とは異なる条件を含めるようにしてもよい。例えば、席の利用者の人数や、時間帯や、店舗の混雑度合いや、従業員の数や、商品容器10の種別等に関する条件を用いてもよい。この場合、このような条件と、状態変化条件との両方が満たされた場合にアラート条件が満たされると判別されるようにしてもよい。
【0120】
アラート部161は、判別部151によりアラート条件が満たされると判別された場合に、アラート情報を出力する。アラート情報とは、商品容器10に関する異常が発生した可能性があることを示す情報である。換言すると、アラート部161は、変化検知部145の検知結果に基づいて所定のアラート条件が満たされると判断された場合に、商品容器10に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を出力する。
【0121】
アラート情報を出力するとは、例えば、他の装置において商品容器10に関する異常が発生した可能性がある旨を示す表示を行うための情報を送信することであってもよいし、情報処理装置100に設けられている表示部等に情報を出力することであってもよいし、他の装置において所定の動作を実行させるための指示を含む情報を送信することであってもよい。
【0122】
本実施の形態において、アラート部161は、一の席の対応区間において搬送された商品容器10について、判別部151によりアラート条件を満たすと判定された場合において、変化検知部145により特定された容器識別子に対応する出力態様で、容器識別子に対応する商品容器10に関するアラート情報を出力するように構成されている。容器識別子に対応する出力態様でアラート情報を出力するとは、例えば、アラート情報により表示される内容を容器識別子に対応する内容としたアラート情報を構成して出力することであってもよいし、構成したアラート情報を容器識別子に基づいて取得可能な情報を用いて出力することであってもよいし、これらの両方を行うことであってもよい。
【0123】
具体的には、例えば、アラート部161は、変化検知部145により特定された容器識別子に対応する情報を含むアラート情報を、容器識別子に対応する商品容器10に関するアラート情報として出力するように構成されていてもよい。例えば、アラート情報を、アラート条件を満たすと判断された商品容器10を識別するための情報を含む内容としてもよい。商品容器10を識別するための情報は、容器識別子そのものであってもよいし、当該容器識別子に関連付けられている情報、例えば商品5の種別や、商品容器10の位置を示す情報とすることができる。商品容器10の位置を示す情報としては、現在又は将来において当該商品容器10が搬送される席に関する情報や、当該席に対応する担当従業者を識別する情報などが用いられてもよい。商品容器10の位置を示す情報としては、アラート条件を満たすと判別されたことのきっかけとなった席を特定する情報やそれに対応する情報が用いられてもよい。
【0124】
このようにすることにより、例えば、アラート情報の出力に基づいて、情報処理装置100又は他の装置から、特定の番号の商品容器10に異常の可能性がある旨や、特定のメニューの商品5が収容されているはずの商品容器10に異常が発生した可能性がある旨や、現在特定の場所で搬送されている商品容器10に異常が発生した可能性がある旨や、現在特定の担当従業者の担当範囲において搬送されている商品容器10に異常が発生した可能性がある旨や、特定のテーブルで異常が発生した可能性がある旨などを表示したり出力したりすることができる。
【0125】
また、例えば、アラート部161は、変化検知部145により特定された容器識別子に対応する出力先に、容器識別子に対応する商品容器10に関するアラート情報を出力するように構成されていてもよい。例えば、アラート部161は、容器識別子に基づいて取得可能な出力先情報を取得して、出力先情報を用いてアラート情報の出力を行うようにしてもよい。出力先情報としては、例えば、商品容器10の位置を示す情報や、容器識別子に予め対応付けられた出力先情報等を用いることができる。商品容器10の位置を示す情報としては、現在又は将来において当該商品容器10が搬送される席に関する情報や、当該席に対応する担当従業者を識別する情報などが用いられてもよい。商品容器10の位置を示す情報としては、アラート条件を満たすと判別されたことのきっかけとなった席を特定する情報やそれに対応する情報が用いられてもよい。
【0126】
このようにすることにより、例えば、現在又は将来において当該商品容器10が搬送される席に関連する通知装置700や端末装置600にアラート情報を送信してアラート情報が出力されるようにしたり、当該商品容器10に対応する厨房の通知装置700等にアラート情報を送信してアラート情報が出力されるようにしたりすることができる。また、アラート条件を満たすと判別されたことのきっかけとなった席に関連する通知装置700や端末装置600にアラート情報を送信してアラート情報が出力されるようにしてもよい。この場合、アラート部161は、商品容器10に関する異常が発生した可能性があることを示す情報として、そのような異常を引き起こす行為を行うことを窘める内容を含む情報をアラート情報として出力するように構成されていてもよい。
【0127】
なお、商品容器10が、情報処理装置100と通信可能であって、通信結果に応じてアラート情報を出力する出力部を有していてもよい。出力部としては、例えば、アラート情報を所定の点灯状態により示すランプや、文字等を表示可能な表示部が設けられていてもよい。このような場合において、アラート部161は、容器識別子に予め対応付けられた出力先情報として当該商品容器10との通信に用いられる情報を用いて、アラート情報を出力可能に構成されていればよい。
【0128】
また、アラート情報を出力するとは、格納部110等に、アラート条件が満たされたことに関する発生情報を記録することであってもよい。発生情報は、例えば、アラート条件が満たされたことの事実や、判別した時刻等の情報等とすることができるが、これに限られない。この場合、例えば、変化検知部145により特定された容器識別子に対応する態様で、情報が記録されるようにすればよい。例えば、容器識別子と発生情報を対応付けて記録したり、容器識別子に対応する席識別子と発生情報とを対応付けて記録したりしてもよい。
【0129】
課金部165は、変化検知部145の検知結果に基づいて、席に対応する利用者に課金を行う。課金部165は、例えば、変化検知部145の検知結果により所定の課金条件が満たされると判別される場合に、対応する席の利用者に課金を行うことができる。判別は、例えば、判別部151により行われうる。
【0130】
課金条件としては、例えば、商品5の対価として課金を行う通常課金条件が含まれうる。通常課金条件が満たされた場合には、課金部165は、席の利用者に商品5の対価として定められている金額を課金する。
【0131】
通常課金条件は、例えば、一の席に搬入された一の商品容器10のカバー12の開閉状態について、第一検知部146により閉状態が検知され、かつ、第二検知部147により開状態が検知されたこと、である。閉状態で対応区間に搬入された商品容器10が、対応区間から搬出される際に開状態となっている場合、対応区間において、誰かにより商品容器10から商品5が取り出されたと見ることができる。なお、この場合において、他の条件、例えば商品の有無の検知結果に係る条件が組み合わされていてもよい。例えば、第一検知部146により閉状態が検知され、かつ、第二検知部147により開状態が検知された場合において、第二検知部147により商品5がある状態であることが検知された場合には、課金を行わないように構成されていてもよい。なお、第二検知部147により商品5があると検知された場合においても、商品5がないと検知された場合においても、課金が行われるようにしてもよい。
【0132】
なお、課金条件としては、商品5の対価としてではない性質の金額の課金を行う特別課金条件が含まれていてもよい。特別課金条件が満たされた場合には、課金部165は、席の利用者に、例えば所定の金額を課金するようにしてもよい。
【0133】
特別課金条件は、例えば、アラート条件と同一であってもよいし、アラート条件のうち1つの条件が特別課金条件として設定されていてもよい。例えば、第一検知部146により開状態が検知され、かつ、第二検知部147により閉状態が検知されたことが特別課金条件として設定されていてもよい。また、第一検知部146により商品5がないことが検知され、かつ、第二検知部147により商品5があることが検知されたことが特別課金条件として設定されていてもよい。
【0134】
このような特別課金条件に基づく課金が行われるようにすることにより、異常が発生した可能性があると判別される状況が、来店者等によって引き起こされることを効果的に抑止することができる。
【0135】
送信部170は、情報を、ネットワーク等を介して他の装置に送信する。送信部170は、例えば、通知装置700や端末装置600に対して情報を送信する。換言すると、送信部170は、例えば、通知装置700や端末装置600に対して情報を出力する。
【0136】
なお、送信部170は、通常、無線又は有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されてもよい。
【0137】
本実施の形態において、アラート部161がアラート情報を出力する場合、例えば、送信部170により、対応する席の利用者が利用する通知装置700又は端末装置600や、従業者用に用いられる通知装置700又は端末装置600に対して、アラート情報を送信する。そうすると、通知装置700や端末装置600は、アラート情報に基づく表示を、通知表示装置761や端末表示装置661に表示させる。これにより、ユーザや従業者等が、アラート情報に基づく表示を認識して、必要な対応をとることができる。
【0138】
なお、本実施の形態において用いられる商品容器10の状態変化に関する検知結果の記録内容の一例は、次の通りである。
【0139】
図5は、同情報処理装置100により蓄積される状態変化に関する検知結果の一例を示す図である。
【0140】
図に示される例においては、商品容器10の状態変化に関する検知結果として、各席間検知部970を用いた商品容器10の状態に関する検知結果が次々と記録されるようにする場合の記録内容が示されている。商品容器10の状態に関する検知結果は、当該商品容器10の容器識別子に対応付けて、例えば容器情報格納部112に蓄積されうる。このような各席間検知部970を用いた商品容器10の状態に関する検知結果により、一の席における、各商品容器10の状態変化に関する検知結果が得られているといえる。
【0141】
すなわち、図においては、容器識別子(容器ID)に対応付けて、検知時刻と、検知に用いられた席間検知部970を識別する情報すなわち検知位置を示す情報(検知位置)と、商品容器10の開閉状態の検知結果に関する情報(開閉状態)と、商品容器10の商品5の有無の検知結果に関する情報(商品有無)と、のそれぞれの情報が記録されている。本例において、商品有無は、カバー12が開状態である場合にのみ検知されるものとする。検知位置としては、例えば、当該位置に差し掛かった商品容器10の搬入先となる席を特定する情報が示されているが、これに限られない。例えば、検知位置で「3A」となっている場合、席番号が3番の席にこれから搬入される位置で検知されていることを示す。これは、上流側に位置する席番号が2番の席から搬出される位置で検知されていることと同視できる。
【0142】
このような情報を用いて把握される商品容器10の状態変化の一例について説明する。容器識別子が「0214」である商品容器10の記録について着目すると、席番号が3番の席の搬入時において閉状態であり(S11)、搬出時において開状態であって商品が無いことが検知されている(S12)。この場合、検知位置により特定される、3番の席番号により識別される席において、当該商品容器10に収容されている商品5が取り出されたことが把握される。上述のように当該状態変化が満足するように通常課金条件が設定されている場合、当該席について課金を行うことができる。
【0143】
一方、容器識別子が「1932」である商品容器10の記録について着目すると、席番号が11番の席の搬入時において開状態であって商品がないことが検知され(S21)、搬出時において閉状態に変化していることが検知されている(S22)。この場合、検知位置により特定される11番の席番号により識別される席において、異常が発生した可能性があると見ることができる。上述のように当該状態変化が満足するようにアラート条件が設定されている場合、判別部151は、アラート条件が満たされると判別する。そうすると、例えば当該商品容器10に対応する出力態様で、アラート部161によるアラート情報の出力が行われる。
【0144】
また、先の容器識別子が「0214」である商品容器10について、その後、それより下流側にある席番号が11番の席の搬入時において開状態であって商品がないことが検知され(S31)、搬出時において開状態であって商品があることが検知されている(S32)。この場合、検知位置により特定される11番の席番号により識別される席において、異常が発生した可能性があると見ることができる。上述のように当該状態変化が満足するようにアラート条件が設定されている場合、判別部151は、アラート条件が満たされると判別する。そうすると、例えば当該商品容器10に対応する出力態様で、アラート部161によるアラート情報の出力が行われる。
【0145】
なお、上述の本実施の形態の一態様において、一の席において変化検知部145による状態変化に関する検知結果は、例えば次のように整理することができる(状態が変化していないものも含む)。この場合、一例として、それぞれの検知結果に関して、アラート条件を以下のように設定することができる。
【0146】
図6は、同情報処理装置100におけるアラート条件の一例について説明する図である。
【0147】
図においては、変化検知部145による状態変化に関する検知結果、すなわち第一検知部146の検知結果及び第二検知部147の検知結果の組み合わせと、その場合にアラート条件を満たすか否か(満たさない場合はハイフンで示されている)と、課金条件を満たすか否かとが表形式で示されている。課金条件を満たすか否かは、課金をするか否かと言ってもよい。
【0148】
図に示されるように、アラート条件は、例えば、第一検知部146によりカバー12が開状態であって商品5がないことが検知され第二検知部147によりカバー12が閉状態であることが検知された場合と、第一検知部146によりカバー12が開状態であって商品5がないことが検知され第二検知部147によりカバー12が開状態であって商品5があることが検知された場合と、第一検知部146によりカバー12が開状態であって商品5があることが検知され第二検知部147によりカバー12が閉状態であることが検知された場合とに、満足すると判別されうる。すなわち、この場合、アラート条件は、一の席の対応区間において搬入時に開状態であったカバー12が搬出時に閉状態であったこと、又は一の席の対応区間において搬入時に商品5がない商品容器10に対して搬出時において商品5があることが検知されたこと、であると言える。
【0149】
また、課金は、例えば、第二検知部147において商品5があることが検知されたか商品5がないことが検知されたかにかかわらず、第一検知部146によりカバー12が閉状態であることことが検知され第二検知部147によりカバー12が開状態であることが検知された場合に行われる。なお、これに限られず、例えばカバー12が開状態に変化した場合において、第二検知部147により商品5がないことが検知された場合のみに課金が行われるようにしてもよい。また、上述のような特別課金条件が設定されている場合に、例えばアラート条件が満たされるようなケースにおいて課金が行われるようにしてもよい。
【0150】
本実施の形態において、情報処理装置100は、例えば以下のように種々の動作を行うことにより、アラート機能を実現するように構成されている。これらの動作は、処理部140が、各部を用いながら制御動作等を実行することにより行われる。
【0151】
図7は、同情報処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0152】
図に示されるような処理は、例えば、定期的に実行される。なお、これに限られず、その他の所定の実行条件が満たされたこと(例えば、所定のタイミングが到来したことや、所定の情報が検知されたこと)などきっかけにして行われるようにしてもよい。
【0153】
(ステップS101)処理部140は、変化検知処理を行う。変化検知処理は、例えば、次に説明するような処理である。
【0154】
図8は、同情報処理装置100により行われる変化検知処理の一例を示すフローチャートである。
【0155】
(ステップS121)処理部140は、席間検知部970により新たな検知結果があるか否かを判断する。新たな検知結果があると判断するまでこの処理を繰り返し、新たな検知結果があると判断した場合には、次に進む。
【0156】
(ステップS122)処理部140は、新たに検知された商品容器10について、今回の検知結果を取得する。すなわち、一の席において搬出された商品容器10についての席間検知部970を用いた検知結果が得られる。上述の説明における第二検知部147による検知が行われると言える。
【0157】
(ステップS123)処理部140は、新たに検知された商品容器10について、前回の検知結果を取得する。すなわち、一の席において搬出された商品容器10について、その商品容器10が当該席に搬入された際の検知結果が取得される。上述の説明における第一検知部146による検知が行われると言える。
【0158】
(ステップS124)処理部140は、取得した検知結果に基づいて、アラート条件が満足されるか否かを判別する。処理部140は、判別結果を、例えば、商品容器10の容器識別子に対応付けたフラグ等として格納部110に記録する。
【0159】
(ステップS125)処理部140は、取得した検知結果に基づいて、課金条件が満足されるか否かを判別する。処理部140は、判別結果を、例えば、検知を行った席間検知部970に対応する席識別子又はユーザ識別子に対応付けたフラグ等として格納部110に記録する。その後、上位の処理に戻る。
【0160】
(ステップS102)処理部140は、検知された商品容器10について、アラート条件を満足すると判別されたか否かを判断する。判断は、例えば、格納部110に記録されたフラグ等の有無や内容に応じて行われ、フラグが有ることに基づいて判断を行った場合には、その後にフラグがクリアされる。なお、この処理は、ステップS124の処理と同じであると考えてもよい。アラート条件を満足すると判断された場合にはステップS103に進み、そうでない場合にはステップS105に進む。
【0161】
(ステップS103)処理部140は、検知された商品容器10についてアラート条件を満足すると判別したことに応じて、アラート情報を取得する。アラート情報は、例えば、上述のように、検知された商品容器10の容器識別子に応じて構成されるようにしてもよい。
【0162】
(ステップS104)処理部140は、取得したアラート情報を出力する。アラート情報の出力は、例えば、上述のように、検知された商品容器10の容器識別子に応じて特定される出力先に行われるようにしてもよい。
【0163】
(ステップS105)次に、処理部140は、検知された商品容器10について、課金条件を満足すると判別されたか否かを判断する。判断は、例えば、格納部110に記録されたフラグ等の有無や内容に応じて行われ、フラグが有ることに基づいて判断を行った場合には、その後にフラグがクリアされる。なお、この処理は、ステップS125の処理と同じであると考えてもよい。課金条件を満足すると判断された場合にはステップS106に進み、そうでない場合には一連の処理を終了する。
【0164】
(ステップS106)処理部140は、課金条件を満足すると判別したことに応じて、課金を行う。例えば、金額や商品5等を特定する情報を含む課金情報が、席又はユーザに対応付けて、ユーザ情報格納部115等に蓄積されることにより、課金が行われうる。なお、課金の態様はこれに限らず、種々の方法を採ればよい。その後、一連の処理を終了する。
【0165】
本実施の形態において、このようにアラート機能によりアラート情報が出力された場合に、出力先となる通知装置700等では、例えば以下のような通知画面を表示し、アラート情報に基づく通知(アラート)が行われるようにすればよい。なお、この例では、アラート情報として、アラート画面を表示させるための情報が出力された場合を想定している。
【0166】
図9は、同通知装置700におけるアラート情報に基づく通知が行われている画面の一例を示す図である。
【0167】
図に示すように、本実施の形態において、通知装置700によってアラート情報に基づく通知が行われる場合、通知装置700の通知表示装置761には、アラート画面81が表示される。図に示す例においては、例えば厨房等のバックヤードに配置された通知装置700において従業者向けに表示されるアラート画面81の例が示されている。アラート画面81には、例えば、「11番テーブルでカバー開から閉が検知されました」というように、異常が発生した原因となった席を示す情報と、アラート条件を満たす所定の状態変化が検知されたこととを示す情報が示されている。また、本実施の形態においては、例えば「寿司カバー1932番(まぐろ)」というように、検知された対象となる商品容器10に関する情報が合わせて表示され、従業者等において当該商品容器10を容易に見つけることができるようになっている。アラート画面81において、確認済みボタン812が含まれており、確認済みボタン812の操作によりアラート画面81から他の画面に遷移可能となるように構成されている。
【0168】
このようなアラート画面81が出力されることにより、アラート画面81を見た従業者等は、異常が発生した可能性があることや、その場所(席)、及び対象となる商品容器10を特定する情報を容易に確認することができる。
【0169】
以上説明したように、本実施の形態においては、店舗システム1においてアラート機能を利用した注意喚起方法を行うことができる。注意喚起方法は、商品搬送装置900により搬送中である商品容器10の、一の席における状態変化を検知するステップと、状態変化の検知結果に基づいて所定のアラート条件が満たされるか否かを判別するステップと、アラート条件が満たされると判別された場合に、商品容器10に関する異常が発生した可能性があることを示すアラート情報を、通知装置700や端末装置600等の表示装置に出力するステップとを含む方法であるということができる。
【0170】
このようなアラート機能により、商品容器10に関する異常が発生した可能性がある場合にアラート情報が出力されるので、その異常が発生した可能性があることに関して、利用者又は従業者の注意を喚起することができる。また、店舗においてアラート機能が機能していることが利用者に知らされることにより、利用者等が商品容器10に関する異常が発生したと検知されるおそれのある行為を行うことを抑止する効果を得ることができる。
【0171】
本実施の形態においては、商品容器10に関する異常が発生した可能性があるか否かを、商品5の対価を各席の利用者に課金するために用いることができる席間検知部970を利用して判別することができる。すなわち、課金を効率的に行うための席間検知部970をアラート機能にも活用することにより、アラート機能を実現するためにハードウェアを店舗等に増設する必要がなく、低コストでアラート機能を実現することができる。
【0172】
席間に配置された席間検知部970を用いて、対応区間毎に、確実に商品容器10の状態の変化が検知されうる。したがって、高精度でアラート条件が満たされるか否かを判別することができ、必要な場合に確実にアラート情報を出力することができる。
【0173】
本実施の形態においては、商品容器10毎に、それに対応する態様でアラート情報の出力が行われうる。したがって、アラート情報を出力する目的に応じて、的確にアラート情報を出力し、効果を得ることができる。例えば、従業者に対して、異常が発生した可能性のある商品容器10の確認を行うことができるようにする目的でアラート機能を用いる場合には、商品容器10の容器識別子に応じて、厨房等の通知装置700や担当従業者が使用する端末装置600にアラート情報を出力したり、異常に関連する商品容器10を容易に特定するための情報を含むアラート情報を出力したりすることができるので、目的を容易に達成しやすくなる。また、異常が発生した可能性がある商品容器10が搬送されている可能性があることを利用者に知らせる目的でアラート機能を用いる場合には、商品容器10の容器識別子に応じて、当該商品容器10が現在又は将来搬送される領域の席に対応する通知装置700等にアラート情報を出力したり、そのアラート情報を異常に関連する商品容器10を特定するための情報を含むものとしたりすることができるので、目的を達成しつつ、通知を行うことが必要な対象を限定することができる。
【0174】
なお、例えば、異常が発生した可能性がある商品容器10が搬送されている可能性があることを利用者に知らせる目的でアラート情報を出力する場合、アラート情報に基づくアラート画面82は、例えば次のようにすることができる。
【0175】
図10は、同通知装置700におけるアラート情報に基づく通知が行われている画面の別の例を示す図である。
【0176】
ここでは、例えば、利用者の席に設置されている通知装置700の通知表示装置761に表示される、アラート情報に基づくアラート画面82の一例が示されている。アラート画面82には、例えば、「寿司カバー1932番(まぐろ)」というように、検知された対象となる商品容器10に関する情報が、異常が発生した可能性があるため商品容器10の利用を控えるべき旨と合わせて表示される。なお、アラート画面82において、確認済みボタン822が含まれており、確認済みボタン822の操作によりアラート画面82から、例えば注文を行うための通常画面などの他の画面に遷移可能となるように構成されている。
【0177】
このようなアラート画面82が出力されることにより、アラート画面82を見た利用者等は、異常が発生した可能性があることや、その事象に関連する商品容器10を特定する情報を容易に確認することができる。
【0178】
(変形例の説明)
【0179】
上述のようなアラート機能を行う場合において、例えば、席間検知部970とは異なる検知手段を用いて、一の席において搬送中である商品容器10の状態の変化を、対応区間の中間部分等においても検知可能に構成してもよい。このような構成(便宜上中間検知構成という)は、上述のような席間検知部970、第一検知部146及び第二検知部147を用いた、対応区間の両端における商品容器10の状態の検知結果を利用してアラート条件が満たされるか否かを判別する構成(便宜上両端検知構成という)と併用してもよいし、両端検知構成に替えて用いるようにしてもよい。以下の説明においては、上述のような両端検知構成と中間検知構成との両方が用いられる場合について説明する。
【0180】
図11は、本実施の形態の一変形例に係る店舗システム1のブロック構成を示す図である。
【0181】
本実施の形態において、店舗システム1は、中間検知部975を有している。また、情報処理装置100において、処理部140の変化検知部145は、第一検知部146及び第二検知部147に加えて、中間検知部975に関する処理を行う第三検知部148を有している。そのほかの基本的な構成は、上述の実施の形態における構成と同様である。
【0182】
中間検知部975は、例えば、各席に設けられている。中間検知部975は、例えば、各席の対応区間において搬送されている商品容器10を撮影する画角内に含むように構成されて配置されているカメラを有している。すなわち、中間検知部975は、各席の対応区間において搬送されている商品容器10を撮影した画像を取得することができるように構成されている。すなわち、中間検知部975は、商品容器10が一の席に搬入されてから当該席から搬出されるまでの間に通過する領域を撮影可能なカメラを含むといえる。中間検知部975のカメラは、例えば、各席のテーブル980の上方等に設置されたり、席間の間仕切り等に設置されたり、上側ユニット951に配置されたりすればよいが、これらに限られない。一の席における検知を行う中間検知部975において、2以上のカメラが設けられていてもよい。なお、対応区間のうち一部の領域においては商品容器10が含まれないようにカメラが設置されていてもよい。すなわち、対応区間のうち、連続又は断続した所定の領域において搬送される商品容器10が画角内に含まれるようにカメラが設置されていればよい。カメラは、LiDAR等のセンサであって、距離画像を取得可能に構成されていてもよい。
【0183】
中間検知部975は、搬送路960上を搬送されている2以上の商品容器10のそれぞれについて、当該商品容器10に関する検知を随時に行うことができるように構成されている。本変形例において、中間検知部975のカメラによる検知結果に基づいて、対応区間内に位置する商品容器10について、カバー12の開閉に関する状態を随時に検知可能となるように配置されている。随時に検知するとは、例えば所定の時間間隔で検知を行うことをも含む概念である。中間検知部975によって、例えば、商品容器10のカバー12が開状態であるか閉状態であるかを検知可能である。なお、画像を用いた開閉状態の検知は、撮影した画像に基づいて、例えば機械学習の学習器を利用して開状態であるか閉状態であるかを示す情報を取得したり、その他の公知の画像認識を行うことによって行われうる。このような中間検知部975により撮影された画像を用いた検知は、中間検知部975により行われるように構成されていてもよい。この場合、中間検知部975による検知結果が、中間検知部975から情報処理装置100等に出力されるように構成されていればよい。また、中間検知部975により撮影された画像を用いた検知は、後述する情報処理装置100の処理部140等により行われてもよい。この場合、中間検知部975により撮影された画像やそれに基づく情報等が中間検知部975から情報処理装置100に出力されるように構成されていればよい。
【0184】
なお、本変形例において、中間検知部975により撮影された個々の商品容器10を識別する容器識別子は、例えば、中間検知部975により撮影した画像に基づいて取得可能であってもよい。また、例えば、上流側や下流側における席間検知部970を用いた容器識別子の特定と、中間検知部975による商品容器10の検出等とを同期させて行うことにより、中間検知部975により撮影された個々の商品容器10の容器識別子が特定されるようにしてもよい。
【0185】
本変形例において、変化検知部145は、第三検知部148を用いて、対応区間において搬送される商品容器10のカバー12の開閉状態の変化を随時に検知可能に構成されている。随時に検知するとは、上述と同様に、例えば所定の時間間隔で検知を行うことをも含む概念である。本変形例では、第三検知部148は、中間検知部975のカメラにより撮影された画像に基づいて、商品容器10のカバー12の開閉状態を検知可能に構成されている。同一の商品容器10について、第三検知部148により検知された開閉状態の検知結果が対応区間内において変化した場合に、変化検知部145は、それを検知することができるように構成されている。なお、各中間検知部975のカメラによる検知結果に基づいて第三検知部148が開閉状態を検知するように構成されていてもよいし、各席間検知部970による開閉状態の検知結果を第三検知部148が取得するように構成されていてもよい。後者の場合においても、第三検知部148が開閉状態を検知するといえる。同様に、各席間検知部970において開閉状態の変化が検知可能であり、その検知結果に基づいて、第三検知部148すなわち変化検知部145が開閉状態の変化を検知するように構成されていてもよい。
【0186】
本変形例においては、アラート条件として、上述の実施の形態のものに加えて、又はそれに替えて、以下のような状態変化条件が設定されている。すなわち、一の席において搬送されている商品容器10のカバー12が、開状態から閉状態に変化したことが検知されたことが、状態変化条件として設定されうる。このようなアラート条件が設定されていることにより、判別部151は、変化検知部145により、対応区間にある商品容器10について開状態から閉状態に変化したことが検知された場合に、アラート条件が満たされたと判別することができる。
【0187】
図12は、同変形例における変化検知処理の一例を示すフローチャートである。
【0188】
(ステップS221)図に示されるように、本変形例においても、処理部140は、まず、席間検知部970により新たな検知結果があるか否かを判断する。新たな検知結果があると判断した場合には、ステップS222に進み、そうでない場合には、ステップS226に進む。
【0189】
ステップS222からステップS225の処理は、上述の実施の形態におけるステップS122からステップS125の処理と同様である。ステップS225が終了すると、上位の処理に戻る。
【0190】
(ステップS226)処理部140は、中間検知部975を用いてアラート条件が満足されると判別されるか否かを判断する。例えば、処理部140は、閉状態から開状態に変化したことがいずれかの商品容器10について検知されたか否かを判断する。アラート条件が満足されると判別されると判断した場合には、ステップS227に進み、そうでない場合には、ステップS221に戻る。
【0191】
(ステップS227)処理部140は、アラート条件が満足されると判別される旨の判別結果を、例えば、商品容器10の容器識別子に対応付けたフラグ等として格納部110に記録する。その後、上位の処理に戻る。
【0192】
本変形例においては、このように中間検知部975を用いて対応区間内における商品容器10の開閉状態の変化を随時検知してアラート情報を出力することができるので、より迅速にアラート情報を出力することが可能となる。
【0193】
なお、本変形例において、アラート条件としては、第一検知部146による検知結果と第三検知部148による検知結果との組み合わせに関する条件や、第三検知部148による検知結果と第二検知部147による検知結果との組み合わせに関する条件が含まれていてもよい。例えば、第一検知部146において開状態が検知された商品容器10について第三検知部148において閉状態が検知されたことがアラート条件に含まれていてもよい。この場合も、より迅速にアラート情報を出力することが可能となる。また、例えば、第三検知部148において開状態が検知された商品容器10について第二検知部147において閉状態が検知されたことがアラート条件に含まれていてもよい。この場合、例えば第一検知部146において閉状態が検知された商品容器10について、対応区間の中間において一度開状態にされ、再度閉状態になった場合にも、アラート情報を出力することが可能となる。なお、後者の条件は、一の席において搬送されている商品容器10のカバー12が開状態から閉状態に変化したことが検知されたこと、という条件の一類型に該当するといえる。
【0194】
また、本変形例において、中間検知部975は、席間検知部970と同様に、商品容器10内を撮影可能なカメラを含んでいてもよい。カメラは、商品容器10のカバーが開いた状態において当該商品容器10内を撮影可能なカメラであってもよい。店舗システム1は、中間検知部975のカメラによって得た画像を用いて商品容器10内の状態を随時検知可能であってもよい。このような検知は、撮影した画像に基づいて、例えば機械学習の学習器を利用して開状態であるか閉状態であるかを示す情報を取得したり、その他の公知の画像認識を行うことによって行われうる。かかる検知処理も、上述と同様に、中間検知部975それ自体で行われるように構成されていてもよいし、情報処理装置100等において行われるように構成されていてもよい。
【0195】
このような場合に、変化検知部145は、第三検知部148を用いて、対応区間における一の商品容器10について商品の有無の変化などを随時検知可能であってもよい。アラート条件として、例えば、対応区間の中間領域においても、商品5がないことが検知された商品容器10についてその後に商品5があると検知されるような変化が発生したことに該当する条件を設定することで、上述の実施の形態と同様に、商品5等が商品容器10に戻されるというような異常が発生した可能性がある場合に、迅速にアラート情報を出力することが可能となる。
【0196】
また、別の変形例(第二の変形例ということがある)として、上述の実施の形態とは異なりカバー12の開閉を検知可能な構成を有している商品容器10Bを用いることにより、上述のようなアラート機能が実現されてもよい。商品容器10B自体で開閉状態を検知可能であることにより、一の席において搬送中である商品容器10Bの状態の変化を、対応区間の中間部分等においても検知可能に構成することができる。このような構成(便宜上、容器検知構成という)は、上述のような両端検知構成と併用してもよいし、両端検知構成に替えて用いるようにしてもよい。また、容器検知構成は、上述の変形例に係るような中間検知構成と併用してもよい。以下の説明においては、両端検知構成と容器検知構成との両方が用いられる場合について説明する。なお、両端検知構成及び中間検知構成を用いない場合には、搬送路960上の各商品容器10Bの位置を随時特定可能に構成されていればよい。一例として、搬送路960上の所定の位置を起点とする各商品容器10Bの位置を示す相対位置情報と、搬送路960の所定の位置の絶対位置を示す情報とを用いて、店舗内における各席と各商品容器10Bとの位置関係を特定することが可能である。
【0197】
図13は、本実施の形態の別の変形例に係る店舗システム1において用いられる商品容器10Bの概略構成を示す側面図である。図14は、同店舗システム1のブロック構成を示す図である。
【0198】
商品容器10Bは、例えば、開閉検知部14と、開閉送信部15とを有している。開閉検知部14は、商品容器10Bのカバー12の開閉状態又はその変化を検知する。そして、開閉検知部14は、カバー12の開閉状態又はその変化の検知結果を示す開閉信号を出力可能に構成されている。開閉送信部15は、例えば、情報処理装置100等や店舗システム1のその他の装置等との間で無線通信可能に構成されており、開閉検知部14により出力された開閉信号を情報処理装置100に送信可能に構成されている。開閉送信部15は、例えば、無線通信可能な公知の通信モジュールやその電源等より構成されうるが、通信方式等は適宜選択可能である。なお、開閉信号は、開状態と閉状態であることの少なくとも一方を示す信号であってもよいし、開状態と閉状態とが変化したことを示す信号であってもよい。また、開閉信号は、開状態から閉状態に変化したのみに送信される信号であってもよい。
【0199】
開閉検知部14は、例えば、載置台11とカバー12とに跨がって配置され、一方が他方に対して近接しているか離間しているかの検知結果に応じた信号を出力可能な装置であるが、これに限られない。載置台11とカバー12との一方に設けられ、カバー12の開閉状態に応じて構成部材の一部が変位する事に伴って出力する信号が異なるように構成されたスイッチ等であってもよい。また、カバー12の載置台11に対する回転角度に応じて出力する信号が異なるように構成されたスイッチ等であってもよい。また、カバー12の所定の位置における加速度を計測し、その計測結果又はその処理結果を示す信号を出力するセンサ等であってもよい。開閉検知部14は、例えば、載置台11とカバー12とが互いに接続されているヒンジ部に設けられていてもよいし、ヒンジ部から離れた位置に設けられていてもよい。なお、開閉検知部14として、又はそれに加えて、収容されている商品5の有無に応じた信号を出力可能に構成されたスイッチ等が用いられてもよい。
【0200】
第二の変形例において、情報処理装置100の変化検知部145は、第三検知部248を有している。変化検知部145は、第三検知部248を用いて、対応区間において搬送される商品容器10のカバー12の開閉状態の変化を随時に検知可能に構成されている。随時に検知するとは、上述と同様に、例えば所定の時間間隔で検知を行うことをも含む概念である。第二の変形例では、第三検知部248は、各商品容器10Bから送信された開閉信号に基づいて、商品容器10のカバー12の開閉状態の変化を検知可能に構成されている。同一の商品容器10について、第三検知部248により検知された開閉状態の検知結果が対応区間内において変化した場合に、変化検知部145は、それを検知することができるように構成されている。
【0201】
なお、第二の変形例において、変化検知部145による各商品容器10Bを識別する容器識別子の取得は、例えば、開閉信号に対応付けて送信される容器識別子を用いて行われればよい。
【0202】
第二の変形例においても、アラート条件や、変化検知処理としては、上述の中間検知構成において説明したものと同様のものを採用することができる。このように商品容器10Bから取得した情報を用いて対応区間内における商品容器10の開閉状態の変化を随時検知してアラート情報を出力することができるので、より確実にアラート情報を出力することが可能となる。
【0203】
なお、商品容器10Bは、必ずしも情報処理装置100と通信可能に構成されていなくてもよい。例えば、商品容器10Bは、開閉検知部14が出力した開閉信号に応じた態様で情報の表示又はランプの点灯等を行うことにより、開閉検知部14による検知結果を示す情報を出力する情報出力部を有するように構成されていてもよい。この場合、情報出力部の出力結果をカメラ等で取得した結果を用いて、第三検知部248が商品容器10Bのカバー12の開閉状態の変化を検知可能であってもよい。
【0204】
(その他)
【0205】
図15は、上記実施の形態におけるコンピュータシステム800の概観図である。図16は、同コンピュータシステム800のブロック図である。
【0206】
これらの図においては、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した実施の形態の店舗システム1の情報処理装置100等を実現するコンピュータの構成例が示されている。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現されうる。
【0207】
コンピュータシステム800は、光ディスクドライブを含むコンピュータ801と、キーボード802と、マウス803と、モニタ804とを含む。
【0208】
コンピュータ801は、光ディスクドライブ(ODD)8012に加えて、MPU8013と、光ディスクドライブ8012等に接続されたバス8014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM8015と、MPU8013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM8016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク(HDD)8017とを含む。ここでは図示しないが、コンピュータ801は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでもよい。
【0209】
コンピュータシステム800に、上述した実施の形態の情報処理装置等の機能を実行させるプログラムは、光ディスク8101に記憶されて、光ディスクドライブ8012に挿入され、さらにハードディスク8017に転送されてもよい。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ801に送信され、ハードディスク8017に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM8016にロードされる。プログラムは、光ディスク8101又はネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0210】
プログラムは、コンピュータ801に、上述した実施の形態の情報処理装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、又はサードパーティープログラム等を、必ずしも含まなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいればよい。コンピュータシステム800がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0211】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信する送信ステップや、情報を受信する受信ステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0212】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0213】
また、上記実施の形態において、一の装置に存在する2以上の構成要素は、物理的に一の媒体で実現されてもよい。
【0214】
上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、又は、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現されうる。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。また、そのプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。また、そのプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
【0215】
また、上記実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい(この場合、分散処理を行う複数の装置により構成されるシステム全体を1つの「装置」として把握することが可能である)。
【0216】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、又は、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0217】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、又は長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、又は、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、又は、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0218】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、又は、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0219】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。
【0220】
上述の実施の形態や変形例の構成要素を適宜組み合わせた実施の形態を構成してもよい。例えば、上述の実施の形態の構成そのものに限られず、上述の実施の形態や変形例のそれぞれの構成要素について、適宜、他の実施の形態等の構成要素と置換したり組み合わせたりしてもよい。また、上述の実施の形態や変形例のうち、一部の構成要素や機能が省略されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0221】
以上のように、本発明にかかる店舗システムは、商品容器に関する異常が発生した可能性がある場合、商品容器に関する異常が発生した可能性があることに関して注意を喚起することができるという効果を有し、店舗システム等として有用である。
【符号の説明】
【0222】
1 店舗システム
5 商品
10,10B 商品容器
12 カバー
14 開閉検知部
15 開閉送信部
81,82 アラート画面
100 情報処理装置
110 格納部
112 容器情報格納部
115 ユーザ情報格納部
120 受信部
130 受付部
140 処理部
141 ユーザ情報取得部
145 変化検知部
146 第一検知部
147 第二検知部
148,248 第三検知部
151 判別部
161 アラート部
165 課金部
170 送信部
600 端末装置
661 端末表示装置
700 通知装置
761 通知表示装置
900 商品搬送装置
960 搬送路
970 席間検知部
975 中間検知部
980 テーブル
981 座席
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16