IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

特開2024-119134表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム
<>
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図1
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図2
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図3
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図4
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図5
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図6
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図7
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図8
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図9
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図10
  • 特開-表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119134
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
G06F3/01 570
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025814
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】富田 智晶
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA64
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC04
5E555CA42
5E555CB66
5E555CC01
5E555DB22
5E555DB51
5E555DC13
5E555DC19
5E555DC84
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特定の部位の動きの量の進捗をユーザが容易に把握できる、表示制御装置、表示制御方法、プログラム及び表示制御システムを提供する。
【解決手段】表示制御装置は、ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行する処理実行部と、特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定する決定部と、しての機能を有する常時制御部218を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行する処理実行部と、
前記特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定する決定部と、
を備える、表示制御装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記フィードバック表示において、前記設定量に対する前記特定の部位の動きの量の進捗に応じた位置に現在表示を配置する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記フィードバック表示において、前記特定の部位の動きの量が前記設定量に達した時に前記現在表示が到達する位置に目標表示を配置する、請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記フィードバック表示において、入力受け付け開始時に前記現在表示を所定の基準位置に配置し、
前記現在表示を、前記特定の部位の動きの量が増すにつれて前記基準位置から前記目標表示に向けて移動させる、請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記現在表示の位置を、前記現在表示を前記基準位置から前記目標表示に向けて直線的に移動させる、請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記フィードバック表示において、前記現在表示の位置が移動する経路を示す表示を配置する、請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記経路を示す表示の長さと、前記設定量との比率に基づき、前記現在表示の位置を決定する、請求項6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記処理実行部は、前記特定の部位の動きの量が前記設定量に達したことに基づいて、前記特定の部位の動きの方向に応じた前記所定の処理を実行し、
前記決定部は、前記進捗、および前記前記特定の部位の動きの方向に基づき、前記フィードバック表示内のいずれの位置に前記現在表示を配置するかを決定する、請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記特定の部位の動きの量は、前記特定の部位の移動量である、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項10】
ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行することと、
前記特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定することと、
を含む、表示制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、
ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行する処理実行部と、
前記特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定する決定部と、
として機能させるための、プログラム。
【請求項12】
ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行する処理実行部と、
前記特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定する決定部と、
を備える、表示制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御方法、プログラムおよび表示制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ジェスチャの入力を受け付け可能なシステムが普及している。例えば、特許文献1には、ジャスチャの入力開始、入力中、および入力終了のそれぞれのタイミングで異なる視覚的または音響的な出力でユーザに状態をフィードバックするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013-541110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のシステムでは、ジェスチャの入力中において、ジャスチャの進捗がユーザにフィードバックされない。このため、例えば移動ジェスチャにおいて、ユーザが手または頭部などの部位をあとどの程度移動させれば入力が完了するかを把握し難かった。結果、ユーザが、ジャスチャに対応する処理が突然実行された感覚になる、どこまで動かせば良いか分からない、といった問題があった。画面内のオブジェクトの拡大、縮小または回転などのためのジェスチャの入力中と異なり、決定またはページ移動のためのジェスチャ入力などでは進捗が分かり難いので、上記問題がより顕著に生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、特定の部位の動きの量の進捗をユーザが容易に把握することが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行する処理実行部と、前記特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定する決定部と、を備える、表示制御装置が提供される。
【0007】
前記決定部は、前記フィードバック表示において、前記設定量に対する前記特定の部位の動きの量の進捗に応じた位置に現在表示を配置してもよい。
【0008】
前記決定部は、前記フィードバック表示において、前記特定の部位の動きの量が前記設定量に達した時に前記現在表示が到達する位置に目標表示を配置してもよい。
【0009】
前記決定部は、前記フィードバック表示において、入力受け付け開始時に前記現在表示を所定の基準位置に配置し、前記現在表示を、前記特定の部位の動きの量が増すにつれて前記基準位置から前記目標表示に向けて移動させてもよい。
【0010】
前記決定部は、前記現在表示の位置を、前記現在表示を前記基準位置から前記目標表示に向けて直線的に移動させてもよい。
【0011】
前記決定部は、前記フィードバック表示において、前記現在表示の位置が移動する経路を示す表示を配置してもよい。
【0012】
前記決定部は、前記経路を示す表示の長さと、前記設定量との比率に基づき、前記現在表示の位置を決定してもよい。
【0013】
前記処理実行部は、前記特定の部位の動きの量が前記設定量に達したことに基づいて、前記特定の部位の動きの方向に応じた前記所定の処理を実行し、前記決定部は、前記進捗、および前記前記特定の部位の動きの方向に基づき、前記フィードバック表示内のいずれの位置に前記現在表示を配置するかを決定してもよい。
【0014】
前記特定の部位の動きの量は、前記特定の部位の移動量であってもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行することと、前記特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定することと、を含む、表示制御方法が提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行する処理実行部と、前記特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定する決定部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、ユーザの特定の部位の動きの量が設定量に達したことに基づいて所定の処理を実行する処理実行部と、前記特定の部位の動きの量の進捗を示すフィードバック表示の内容を決定する決定部と、を備える、表示制御システムが提供される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明した本発明によれば、特定の部位の動きの量の進捗をユーザが容易に把握することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による表示制御システムを示す説明図である。
図2】本発明の一実施形態による表示制御装置20の構成を示す説明図である。
図3】表示部240に表示される画面の一例である。
図4】頭部動作によるジェスチャに関する説明図である。
図5】開始タイミングaにおいて表示されるフィードバックUI50を示す。
図6】頭部の移動中に表示されるフィードバックUI50を示す。
図7】移動量Δxが設定量Xに達した場合に表示されるフィードバックUI50を示す。
図8】本発明の一実施形態による表示制御装置20の動作を示すフローチャートである。
図9】変形例によるフィードバックUI60を含む表示画面を示す説明図である。
図10】変形例によるフィードバックUI60を含む表示画面を示す説明図である。
図11】ハードウェア構成90の一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0022】
<表示制御システムの概要>
本発明の一実施形態は、ユーザが手または頭部などの部位を用いて行うジェスチャを入力として受け付け、ユーザにジェスチャについてのフィードバック表示を提供する表示制御システムに関する。以下、このような表示制御システムの概要を説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による表示制御システムを示す説明図である。図1に示したように、本発明の一実施形態による表示制御システムは、センサ装置10および表示制御装置20を有する。
【0024】
センサ装置10は、ユーザUが入力のために行うジェスチャの動きを検出する。センサ装置10は表示制御装置20に接続されており、センサ装置10は動きの検出結果を表示制御装置20に出力する。センサ装置10と表示制御装置20は、有線で接続されてもよいし、無線で接続されてもよい。
【0025】
本明細書におけるジェスチャは、所定の条件を満たすユーザUの動きである。ユーザUの特定の部位の動きの量(すなわち、移動量)が設定量に達することにより、ユーザUの動きが表示制御装置20においてジェスチャとして検出され得る。このようなジェスチャとしては、頭部動作によるジェスチャ、手の動きによるジェスチャなど、多様なジェスチャが考えられる。
【0026】
センサ装置10には、検出すべきジェスチャに適した装置が選定される。本発明の一実施形態においては、主に、ジェスチャが頭部動作によるジェスチャであり、センサ装置10がユーザUを撮像する撮像センサを有する例を説明する。センサ装置10は、ユーザUの画像からユーザUの頭部位置(例えば、目の位置)および視線位置(例えば、ユーザUにより見られている位置)を特定し、ユーザUの頭部位置および視線位置を示すセンシングデータを表示制御装置20に出力する。
【0027】
なお、センサ装置10は、慣性センサとしての機能を有し、ユーザUに装着される装着型の装置であってもよい。
【0028】
表示制御装置20は、センサ装置10に接続されており、センサ装置10からユーザUの動きに関するセンシングデータが入力される。また、表示制御装置20は、各種画面を表示する表示部240を有する。表示制御装置20は、センサ装置10から入力されるセンシングデータに基づき、ジェスチャの進捗を示すフィードバックUI(フィードバック表示)を表示部240に表示する。
【0029】
なお、図1においては、表示制御装置20としてタブレット型の情報処理装置を示しているが、表示制御装置20は、ノートPCまたはデスクトップ型PCなどの他の情報処理装置であってもよい。また、表示部240の機能は、表示制御装置20と別個の装置において実現されてもよい。また、図1においてはセンサ装置10が表示制御装置20と別個の装置である例を示しているが、センサ装置10の機能は表示制御装置20に包含されてもよい。
【0030】
<表示制御装置の構成>
以上、本発明の一実施形態による表示制御システムの概要を説明した。続いて、図2を参照し、本発明の一実施形態による表示制御装置20の構成を詳細に説明する。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態による表示制御装置20の構成を示す説明図である。図2に示したように、本発明の一実施形態による表示制御装置20は、フィードバック処理部210および表示部240を備える。フィードバック処理部210は、ジェスチャの進捗を示すフィードバックUIの内容を決定する機能を有し、表示部240は、フィードバックUIを含む表示画面を表示する。
【0032】
フィードバック処理部210は、より具体的には、データ処理部212、開始判断部214、移動量演算部216および表示制御部218としての機能を有する。
【0033】
(データ処理部212)
データ処理部212は、センサ装置10からユーザUの頭部位置のセンシングデータを取得し、頭部位置のセンシングデータを処理する。センサ装置10から入力される頭部位置のセンシングデータは、三次元座標P(x、y、z)で表され得る。データ処理部212は、頭部動作によるジェスチャを検出するために十分な単位時間Δtごとに頭部位置の三次元座標P(x、y、z)を取得する。以下では、ジェスチャの入力受け付け開始のタイミングに取得された頭部位置のセンシングデータをP1(x1、y1、z1)と称し、ジェスチャの入力受け付け開始のタイミングから単位時間Δt×n(nは自然数)が経過したタイミングに取得された頭部位置のセンシングデータをPn(xn、yn、zn)と称する。データ処理部212は、各タイミングで取得したセンシングデータを蓄積して、P1(x1、y1、z1)、P2(x2、y2、z2)、・・・Pn(xn、yn、zn)からなるデータ配列を得る。
【0034】
また、データ処理部212は、センサ装置10からユーザUの視線位置のセンシングデータを取得し、視線位置のセンシングデータを処理する。センサ装置10から入力される視線位置のセンシングデータは、二次元座標で表され得る。データ処理部212は、単位時間Δtごとに視線位置の二次元座標を取得し、各タイミングで取得した二次元座標を蓄積して、視線位置の二次元座標のデータ配列を得る。
【0035】
(開始判断部214)
開始判断部214は、ジェスチャの入力受け付けを開始するか否かを判断する。例えば、開始判断部214は、ユーザが表示部240に表示された画面における所定位置を注視した場合に、ジェスチャの入力の受け付けを開始すると判断してもよい。ユーザが表示部240に表示された画面における所定位置を注視したことは、データ処理部212により取得された視線位置の二次元座標に基づき検出可能である。
【0036】
図3は、表示部240に表示される画面の一例である。図3に示した画面は、決定ボタン40を含む。使用者が表示部240において決定ボタン40が配置されている位置を注視した場合に、開始判断部214はジェスチャの入力の受け付けを開始すると判断してもよい。
【0037】
その他、開始判断部214は、物理的なボタンの押下げ、ソフトウェア的なボタンの選択などの多様なトリガに基づいてジェスチャの入力受け付けを開始してもよい。
【0038】
(移動量演算部216)
移動量演算部216は、開始判断部214によりジェスチャの入力受け付けを開始すると判断された開始タイミングaからの頭部位置の移動量を算出する。頭部位置の移動量ΔPは、(現在の頭部位置Pn)-(開始タイミングaにおける頭部位置P1)により算出される。例えば、入力の受け付けが開始されたジェスチャが首振りによる頭部動作である場合、移動量演算部216は、Pnにおける水平方向の成分、すなわち、xnの変化量から、頭部位置のx方向での移動量Δxを算出する。
【0039】
図4は、頭部動作によるジェスチャに関する説明図である。図4においては、開始タイミングaにおけるx方向での頭部位置x1にユーザUの頭部を破線で示しており、現在のx方向での頭部位置(x1+Δx)にユーザUの頭部を実線で示している。頭部位置のx方向での移動量Δxが設定量Xに達すると、頭部動作によるジェスチャの入力が完了する。
【0040】
(表示制御部218)
表示制御部218は、頭部の移動量の進捗を示すフィードバックUIの内容を決定する決定部としての機能を有する。表示制御部218は、開始判断部214によりジェスチャの入力の受け付けを開始すると判断されると、フィードバックUIを含む画面を生成し、当該画面を表示部240に表示させる。以下、図5図7を参照し、フィードバックUIの具体例を説明する。
【0041】
図5は、開始タイミングaにおいて表示されるフィードバックUI50を示す。図5に示したように、フィードバックUI50は、バー表示52、目標表示54および現在表示56を含む。
【0042】
バー表示52は、長方形のオブジェクトであり、長手方向が水平方向に沿うように配置されている。バー表示52は、現在表示56が移動する経路を示す表示の一例である。バー表示52の長手方向が沿う方向は、水平方向に限定されず、他の方向であってもよい。表示制御部218は、入力の受け付けが開始されたジェスチャの動きに応じた方向がバー表示52の長手方向になるようにバー表示52を配置してもよい。例えば、入力の受け付けが開始されたジェスチャが手の振り下げである場合には、表示制御部218は、バー表示52の長手方向が垂直方向に沿うようにバー表示52を配置してもよい。
【0043】
目標表示54は、バー表示52の一方の端部に配置されている。図5においては、目標表示54は、「決定」という処理に関連付けられている。
【0044】
現在表示56は、現在の頭部の移動量Δxを示す表示であり、開始タイミングaにおいてはバー表示52の他方の端部である基準位置d0に配置されている。現在表示56は、バー表示52と異なる態様(図5に示した例では、カーソル型)で表示される。
【0045】
開始タイミングaの後、ユーザUが頭部を移動させると、表示制御部218は、図4を参照して説明した設定量Xに対する移動量Δxの進捗に応じた位置に現在表示56を移動させる。
【0046】
図6は、頭部の移動中に表示されるフィードバックUI50を示す。図6に示したように、ユーザが開始タイミングaの後に頭部を移動させると、表示制御部218は、現在表示56を基準位置d0から目標表示54に向けて直線的に移動させる。
【0047】
ここで、バー表示52の水平方向の長さDは、表示部240のサイズに依存する場合が多く、図4を参照して説明した設定量Xとは異なり得る。このため、表示制御部218は、頭部動作によるジェスチャの入力の完了に必要な設定量Xとバー表示52の長さDとの比率に基づき、現在表示56の表示位置dを決定する。より具体的には、表示制御部218は、以下の数式(1)に従って現在表示56の表示位置dを決定し得る。
【0048】
表示位置d=基準位置d0+移動量Δx・(長さD/設定量X)
(1)
【0049】
表示制御部218は、上述した現在表示56の表示位置dの更新処理を周期的に行う。例えば、更新処理の周期は、単位時間Δtであってもよいし、表示部240のフレーム更新間隔などの単位時間Δtを上回る時間であってもよい。
【0050】
図7は、移動量Δxが設定量Xに達した場合に表示されるフィードバックUI50を示す。移動量Δxが設定量Xに達すると、表示制御部218は、上記数式(1)に従い、基準位置d0+長さDで表される表示位置dに現在表示56を配置する。当該表示位置dは、目標表示54が配置される位置でもある。すなわち、目標表示54が配置される位置は、移動量Δxが設定量Xに達した時に現在表示が到達する位置とも言える。
【0051】
表示制御装置20は、このように移動量Δxが設定量Xに達し、現在表示56も目標表示54に到達したことに基づいて所定の処理を実行する処理実行部を有する。例えば、所定の処理が画面表示の変更を伴う場合、表示制御部218が処理実行部としての機能を包含し得る。また、所定の処理が外部装置へのデータの送信である場合、表示制御装置20は外部装置と通信する通信部を処理実行部として備え得る。また、所定の処理がデータの記憶処理である場合、表示制御装置20はデータを記憶する記憶部を処理実行部として備え得る。
【0052】
<動作>
以上、本発明の一実施形態による表示制御装置20の構成を説明した。続いて、図8を参照して、本発明の一実施形態による表示制御装置20の動作を整理する。
【0053】
図8は、本発明の一実施形態による表示制御装置20の動作を示すフローチャートである。まず、開始判断部214が、ジェスチャの入力の受け付けを開始するか否かを判断する(S304)。例えば、開始判断部214は、データ処理部212によりセンサ装置10から取得されたユーザUの視線位置のセンシングデータに基づいて、ジェスチャの入力の受け付けを開始するか否かを判断する。開始判断部214がジェスチャの入力の受け付けを開始すると判断するまで、S304の処理は繰り返される(S304/No)。
【0054】
開始判断部214がジェスチャの入力の受け付けを開始すると判断した場合(S304/Yes)、表示制御部218は、現在表示56の位置を基準位置d0に設定する(S308)。そして、表示部240が、図5を参照して説明したように、基準位置d0に現在表示56が配置されたフィードバックUI50を含む画面を表示する(S312)。
【0055】
移動量演算部216は、フィードバックUI50の表示が開始された後から、単位時間Δtの区切りの各タイミングにおいて移動量Δxを計算し、移動量Δxに基づいてフィードバックUI50における現在表示56の表示位置dを決定する(S316)。
【0056】
そして、表示制御部218は、フィードバックUI50における現在表示56の位置を、移動量演算部216により決定された表示位置dに、単位時間Δtまたは単位時間Δtより長い時間間隔で更新する(S320)。
【0057】
上記のS316およびS320の処理は、移動量Δxが設定量Xに達し、現在表示56も目標表示54に到達するまで、繰り返される(S324/No)。移動量Δxが設定量Xに達し、図7を参照して説明したように現在表示56も目標表示54に到達した場合(S324/Yes)、表示制御装置20はジェスチャに対応付けられた処理の処理を実行し(S328)、表示制御部218がフィードバックUI50の表示を終了する(S332)。なお、何らかの方法でジェスチャの入力がキャンセルされた場合には、S316~S324のループが終わり、表示制御部218がフィードバックUI50の表示を終了する(S332)。
【0058】
<作用効果>
以上説明した本発明の一実施形態によれば、多様な作用効果が得られる。例えば、本発明の一実施形態によれば、ユーザUがジャスチャを行っている途中に、フィードバックUI50を見ることにより、手または頭部などの部位をあとどの程度移動させればよいかを把握できる。したがって、ジャスチャに対応する処理が突然実行された感覚になる、どこまで動かせば良いか分からない、といった問題を解決することが可能である。
【0059】
上記の効果は、設定量Xに対する移動量Δxの進捗(割合)に応じた位置に現在表示56が配置され、かつ、移動量Δxが設定量Xに達した時に現在表示56が到達する位置に目標表示54が配置されることで、より顕著に発揮される。
【0060】
また、本発明の一実施形態においては、移動量Δxが増すにつれて現在表示56が基準位置d0から目標表示54に向けて直線的に移動するので、ユーザがジェスチャの進捗を直感的に把握し易い。
【0061】
また、本発明の一実施形態においては、現在表示56が移動する経路を示すバー表示52がフィードバックUI50に含まれるので、ユーザが手または頭部などの部位を動かすべき方向を把握し易い。
【0062】
また、本発明の一実施形態においては、表示制御部218が、頭部動作によるジェスチャの入力の完了に必要な設定量Xとバー表示52の長さDとの比率に基づき、現在表示56の表示位置dを決定する。従って、バー表示52の水平方向の長さDと、設定量Xが異なる場合にも、適切にフィードバックUI50を表示することが可能である。
【0063】
また、ユーザが表示部240に表示された画面における所定位置を注視したことに基づき、ジェスチャの入力の受け付けが開始される場合、ユーザは非接触に入力を完了することが可能である。なお、ユーザが表示部240に表示された画面における所定位置を注視したことのみに基づき所定の処理を実行することも考えられるが、注視したか否かの判断基準となる時間の閾値が低いと誤判定が増加し、閾値が高いとユーザの負荷が大きくなる。この点、視線とジェスチャを組み合わせることにより、誤判定の低減およびユーザ負荷の低減を実現し得る。
【0064】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態を説明した。以下では、上述した実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で上述した実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで上述した実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、上述した実施形態の構成に代えて適用されてもよいし、上述した実施形態の構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0065】
(第1の変形例)
例えば、上記では基準位置d0がバー表示52の端部に位置する例を説明したが、入力の種類によって、基準位置d0は異なってもよい。以下、図9および図10を参照して、変形例によるフィードバックUI60を説明する。
【0066】
図9および図10は、変形例によるフィードバックUI60を含む表示画面を示す説明図である。図9および図10に示した表示画面は、フィードバックUI60および資料表示領域70を含む。資料表示領域70には、複数ページからなる資料のうちの第23頁の資料が表示されている。本例では、資料の頁送り、および頁戻しに頭部動作によるジェスチャが用いられる。
【0067】
フィードバックUI60は、バー表示62、目標表示64、目標表示65および現在表示66を含む。
【0068】
バー表示62は、長方形のオブジェクトであり、長手方向が水平方向に沿うように配置されている。バー表示62は、現在表示66が移動する経路を示す表示の一例である。
【0069】
目標表示64は、バー表示62の一方の端部に配置されている。目標表示65は、バー表示62の他方の端部に配置されている。図9および図10においては、目標表示64は頁送り処理に関連付けられており、目標表示65は頁戻し処理に関連付けられている。
【0070】
基準位置d0はバー表示62の中央に位置しており、このため、開始タイミングaにおいては、現在表示66は図9に示したようにバー表示62の中央に配置される。その後、ユーザUが頭部を移動させると、表示制御部218は、移動量Δxの進捗および頭部の移動の方向に基づき、フィードバックUI60内のいずれの位置に現在表示66を移動させるかを決定する。例えば、図10に示したように、表示制御部218は、基準位置d0から目標表示64に向かう方向に現在表示66を移動させる。
【0071】
そして、表示制御装置20は、現在表示66が目標表示64に到達すると資料の頁送り処理を実行し、現在表示66が目標表示65に到達すると資料の頁戻し処理を実行する。このように、複数種類の入力を実現することも可能である。
【0072】
(他の変形例)
上記では、開始タイミングaにおける頭部の位置が基準位置d0に対応付けられる例を説明したが、基準位置d0に対応付けられる頭部の位置は変更可能であってもよい。例えば、事前に定められたルールに従って自動で、または、ユーザUが手動にて、開始タイミングaの後のタイミングにおいて現在表示56(66)を基準位置d0に配置することで、開始タイミングaの後のタイミングにおける頭部の位置を基準位置d0に対応付けることが可能である。
【0073】
上記では、フィードバック処理部210が表示制御装置20内に設けられる例を説明したが、フィードバック処理部210の機能は、一元管理されたローカルサーバまたはクラウドサーバなどに実装されてもよい。この場合、表示制御装置20は、ローカルサーバまたはクラウドサーバと有線または無線を介して通信することで、上述した処理と実質的に同一な処理を実現可能である。
【0074】
上記では、表示制御装置20がタブレット型の情報処理装置である例を説明したが、表示制御装置20は、ARグラスのようなウェアラブル端末であってもよい。
【0075】
上記では、フィードバックUI50(60)がバー表示52(62)を含む例を説明したが、フィードバックUI50(60)はバー表示52(62)を含まなくてもよい。この場合でも、現在表示56(66)が移動することにより、ユーザが移動量Δxの進捗を把握することが可能である。
【0076】
<ハードウェア構成>
以上、本発明の各実施形態を説明した。上述したフィードバックUIの内容の決定などの情報処理は、ソフトウェアと、ハードウェアとの協働により実現される。以下、表示制御装置20に適用され得るハードウェア構成例を説明する。
【0077】
図11は、ハードウェア構成90の一例を示したブロック図である。ハードウェア構成90は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、を備える。また、ハードウェア構成90は、ブリッジ905と、外部バス906と、インターフェース907と、入力装置908と、表示装置909と、音声出力装置910と、ストレージ装置(HDD)911と、ドライブ912と、ネットワークインターフェース915とを備える。
【0078】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス904により相互に接続されている。これらCPU901、ROM902およびRAM903とソフトウェアとの協働により、上述したフィードバック処理部210の機能が実現され得る。
【0079】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0080】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサー、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。ユーザは、該入力装置908を操作することにより、に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0081】
表示装置909は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、プロジェクター装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。また、音声出力装置910は、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置を含む。
【0082】
ストレージ装置911は、本実施形態にかかる記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置911は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置911は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid Strage Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。このストレージ装置911は、ストレージを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0083】
ドライブ912は、記憶媒体用リーダライタであり、ハードウェア構成90に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ912は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体84に記録されている情報を読み出して、RAM903またはストレージ装置911に出力する。また、ドライブ912は、リムーバブル記憶媒体84に情報を書き込むこともできる。
【0084】
ネットワークインターフェース915は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース915は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0085】
<補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0086】
例えば、本明細書の表示制御装置20の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、表示制御装置20の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0087】
また、表示制御装置20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した表示制御装置20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムが記憶された非一時的な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0088】
10 センサ装置
20 表示制御装置
210 フィードバック処理部
212 データ処理部
214 開始判断部
216 移動量演算部
218 表示制御部
240 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11