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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119136
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】甘藷ペクチンを含有するゲル化剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 29/231 20160101AFI20240827BHJP
   A23L 9/20 20160101ALN20240827BHJP
【FI】
A23L29/231
A23L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025818
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】390015004
【氏名又は名称】株式会社サナス
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 拓也
(72)【発明者】
【氏名】米盛 裕希子
【テーマコード(参考)】
4B025
4B041
【Fターム(参考)】
4B025LB21
4B025LG27
4B025LG43
4B025LK02
4B025LP11
4B041LC05
4B041LD01
4B041LD03
4B041LD04
4B041LH05
4B041LK07
4B041LK25
4B041LK26
4B041LK28
4B041LK29
(57)【要約】
【課題】本発明は、同程度のエステル化度を有する他のペクチンと比較しゲル化の反応性が高い、甘藷ペクチンを有効成分として含有するゲル化剤を提供する。
【解決手段】エステル化度が0~20%である甘藷ペクチンを有効成分として含有し、カルシウムを含有する食品に用いられることを特徴とするゲル化剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エステル化度が0~20%である甘藷ペクチンを有効成分として含有し、カルシウムを含有する食品に用いられることを特徴とするゲル化剤。
【請求項2】
前記カルシウムの含有量が1.2mg/mL以下である請求項1に記載のゲル化剤。
【請求項3】
前記食品が、植物性ミルクである請求項1又は2に記載のゲル化剤。
【請求項4】
前記食品が、果実である請求項1又は2に記載のゲル化剤。
【請求項5】
前記食品が、クリーム状食品である請求項1又は2に記載のゲル化剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、甘藷ペクチンを有効成分として含有する食品用のゲル化剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ペクチンは、食品分野において、ゲル化剤、増粘剤、安定剤として広く利用されている水溶性の食物繊維である。ペクチンはエステル化度(DE)の違いにより、2種類に大別される。エステル化度が50%以上のものはHMペクチン、エステル化度が50%未満のものはLMペクチンと呼ばれる。LMペクチンはカルシウムと反応してゲル化する性質がある。一般的にエステル化度が低いほど、カルシウムと反応してゲル化しやすいことが知られている。
【0003】
甘藷ペクチンはLMペクチンの一種であり、その中でも特にエステル化度の低いLMペクチンであることが知られている(非特許文献1)。また、甘藷粕から得られたペクチンを用いることで、透明で強固なゲル状食品を調製可能であることが報告されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5076889号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】J.Appl.Glycosci.,54,211-216(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
甘藷ペクチンは特にエステル化度が低いため、カルシウム含有量が少量である食品に用いた場合であってもゲル化できることは推測される。しかし、これまで甘藷ペクチンのカルシウムとの反応性については検討されていなかった。そこで本発明者らは、甘藷ペクチンをカルシウム含有量が少量である食品に使用することで、同程度のエステル化度を有する他のペクチンと比較しても甘藷ペクチンのゲル化の反応性が高いことを見出し、本発明に到達した。
【0007】
従って、本発明の目的は、同程度のエステル化度を有する他のペクチンと比較しゲル化の反応性が高い、甘藷ペクチンを有効成分として含有するゲル化剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
エステル化度が0~20%である甘藷ペクチンを有効成分として含有し、カルシウムを含有する食品に用いられることを特徴とするゲル化剤。
【0009】
前記カルシウムの含有量が1.2mg/mL以下であることが好ましい。
【0010】
前記食品が、植物性ミルクであることが好ましい。
【0011】
前記食品が、果実であることが好ましい。
【0012】
前記食品が、クリーム状食品であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のゲル化剤は、甘藷ペクチンをカルシウム含有量が少量である食品に使用することで、同程度のエステル化度を有する他のペクチンと比較しても甘藷ペクチンのゲル化力が高い。さらに、これまでLMペクチンではゲル化できることが報告されていなかった食品についても、甘藷ペクチンを用いることでゲル化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
甘藷ペクチンは、甘藷(さつまいも)から、澱粉を製造した際に発生する残渣(甘藷粕)より抽出された甘藷由来のペクチンである。
本発明のゲル化剤に用いる甘藷ペクチンのエステル化度は0~20%であり、好ましくは0~10%であり、より好ましくは5~10%である。
本発明のゲル化剤は、甘藷ペクチンを有効成分として含有する。「甘藷ペクチンを有効成分」とするとは、本発明のゲル化剤中に甘藷ペクチンが含まれていればよい。ゲル化剤中の甘藷ペクチンの含有量は、1~100重量%の範囲であることが望ましいが、甘藷ペクチンの含有量が高いものほど、食品とのゲル化の反応性が高いため、好ましい。
具体的なゲル化剤中の甘藷ペクチンの含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以上、より好ましくは50重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、特に好ましくは99重量%以上であることが挙げられる。
【0015】
また、本発明のゲル化剤には、甘藷ペクチン以外の成分、例えば賦形剤等のゲル化剤としては機能しないが、ゲル化剤を構成するのに有用な成分を含有してもよい。種類は限定されないが、具体的には、砂糖、ブドウ糖、果糖、異性化糖、水飴、トレハロース、マルチトール、ソルビトール、デンプン、デキストリン等が挙げられる。
更に本発明のゲル化剤には、甘藷ペクチン以外のゲル化剤を含有してもよい。本発明の実施に際して、柑橘やリンゴ等のペクチン、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、ジェランガム、ネイティブジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、フェノグリークガム、アラビアガム、カラヤガム、カラギーナン、キトサン、微結晶セルロース、寒天、ゼラチン等の他の安定剤及びゲル化剤を併用することができる。これらの成分は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
本発明のゲル化剤は、カルシウム含有量が少量である食品に用いられる。前記食品のカルシウム含有量は1.2mg/mL以下であり、好ましくは0.54mg/mL以下であり、より好ましくは0.36mg/mL以下である。食品のカルシウム含有量が1.2mg/mLよりも大きい場合には、甘藷ペクチン以外の他のLMペクチンでもゲル化を十分に行うことができるためである。
また、本発明において、「カルシウム含有量」の「カルシウム」とは、カルシウムイオン及び化合物中のカルシウムの両方を意味している。即ち、食品中にカルシウムイオン及びカルシウムを含む化合物の両方を含んでいる場合には、その食品中のカルシウム含有量は、カルシウムイオンの量及び化合物中のカルシウムの量の合計値である。
【0017】
本発明のゲル化剤を用いる食品は、これらに限られないが、植物性ミルク、ブルーベリー等の果実、ホイップクリーム等のクリーム状食品であることが好ましい。
【0018】
以下、実施例により本発明をさらに詳述する。本発明はかかる実施例により何ら制限されるものではない。
【実施例0019】
<評価に用いるペクチン>
評価に用いたペクチンの種類、原材料、及びエステル化度(%)を表1に示す。
ペクチン1は、甘藷ペクチンとエステル化度が同程度のペクチンである。ペクチン2はカルシウム含有量が低い食品である豆乳のゲル化用ペクチンである。ペクチン3は低糖度ジャム用の一般的なLMペクチンである。
【0020】
【表1】
【0021】
<実施例1>
(カルシウム含有量とゲル化の関係)
ペクチンのカルシウムとの反応によるゲル化を評価した。3重量%ペクチン水溶液を調製し、表2に示すようにカルシウム含有量を調整したそれぞれの塩化カルシウム水溶液中に、スポイトを用いてペクチン水溶液を1滴ずつゆっくりと添加した。この時のゲル(粒状ゼリー)形成の有無、及びゲルが形成されていた場合にはその形状を評価した。評価基準は、下記の通りである。結果を表2に示す。なお、甘藷ペクチンを用いた場合を実施例1、ペクチン1~3を用いた場合をそれぞれ比較例1~3とした。
(評価基準)
◎:ゲルがきれいな球形を形成
〇:ゲルが球形を形成、又は塩化カルシウム水溶液中でゲルの球形同士の接着あり
△:ゲルがややいびつな球形を形成
×:塩化カルシウム水溶液に添加してもゲルが球形にならない、又は塩化カルシウム水溶液から取り出すとゲルが崩れる
【0022】
【表2】
【0023】
甘藷ペクチンを用いた場合は、カルシウム含有量が0.36mg/mL以上では、きれいな球形のゲルの形成が確認された。カルシウム含有量が0.18mg/mL以下のでも、塩化カルシウム水溶液中で球形同士の接着あるものも見られたが、球形のゲルの形成が確認された。
ペクチン1を用いた場合は、カルシウム含有量が3.6mg/mLでややいびつな球形のゲルが見られたが、カルシウム含有量が1.8mg/mL以下では、塩化カルシウム水溶液に添加してもゲルが球形にならない、又は塩化カルシウム水溶液から取り出すとゲルが崩れてしまった。
ペクチン2を用いた場合は、カルシウム含有量が3.6mg/mL又は1.8mg/mLでは、塩化カルシウム水溶液中で球形同士の接着あるものも見られたが、球形のゲルの形成が確認された。しかし、カルシウム含有量が0.36mg/mLでは、ややいびつな球形のゲルが確認され、カルシウム含有量が0.18mg/mL以下の含有量においては、塩化カルシウム水溶液に添加してもゲルが球形にならない、又は塩化カルシウム水溶液から取り出すとゲルが崩れてしまった。
ペクチン3を用いた場合は、全てのカルシウム含有量において、塩化カルシウム水溶液に添加してもゲルが球形にならない、又は塩化カルシウム水溶液から取り出すとゲルが崩れてしまった。
【0024】
<実施例2>
(植物性ミルクのゲル化)
カルシウム含有量の少ない食品として、植物性ミルクを用いた場合のゲル化の評価を行った。植物性ミルクとして、豆乳、オーツ、アーモンド、ココナッツ、ライス、及びナッツ由来の5つの種類の植物性ミルクを用いた。また、表3に示す通り、豆乳については製品A~Dの4種類、オーツについては製品E~Fの2種類、アーモンドについては製品G~Hの2種類、ココナッツについては製品Iの1種類、ライスについては製品J~Kの2種類、ナッツについては製品L~Nの3種類の市販製品について実施した。表3のミルク中のカルシウム含有量は、各製品のパッケージに記載されていたカルシウム含有量を採用した。なお、このカルシウム含有量も、カルシウムイオン及び化合物中のカルシウムの量の合計値である。
ペクチン1.5重量%水溶液を作成し、該水溶液と同量の植物性ミルクを添加して、30秒間攪拌後のゲル化の程度を確認した。評価基準は下記の通りである。結果を表3に示す。なお、甘藷ペクチンを用いた場合を実施例2、ペクチン1~3を用いた場合をそれぞれ比較例4~6とした。
(評価基準)
○:ゲル化(攪拌中にゲル化したものも含む)
△:増粘
×:ゲル化なし、又は液体
【0025】
【表3】
【0026】
豆乳においては、甘藷ペクチンを用いた場合、製品A~Dの全てでゲル化が確認された。一方、ペクチン2を用いた場合は、製品Dで増粘が確認されたものの、製品A~Cでゲル化なし、又は液体のままであった。ペクチン1又はペクチン3を用いた場合は、製品A~Dの全てでゲル化なし、又は液体のままであった。
オーツにおいては、甘藷ペクチンを用いた場合、製品Eでは増粘にとどまったが、製品Fではゲル化した。一方、ペクチン1~3を用いた場合は、製品E及び製品Fともにゲル化なし、又は液体のままであった。
アーモンドにおいても、甘藷ペクチンを用いた場合、製品Gではゲル化なし又は液体のままであったが、製品Hではゲル化した。一方、ペクチン1~3を用いた場合は、全ての場合で製品G及び製品Hともにゲル化なし、又は液体のままであった。
ココナッツにおいては、甘藷ペクチンを用いた場合、製品Iで増粘が確認された。一方、ペクチン1~3を用いた場合は、全ての場合において製品Iでゲル化なし、又は液体のままであった。
ライスにおいては、甘藷ペクチンを用いた場合、製品Jではゲル化なし又は液体のままであったが、製品Kでは増粘した。一方、ペクチン1~3を用いた場合は、製品J及び製品Kともにゲル化なし、又は液体のままであった。
ナッツにおいては、甘藷ペクチンを用いた場合、製品L~Nの全てで増粘が確認された。一方、ペクチン1~3を用いた場合は、製品L~Nの全てでゲル化なし、又は液体のままであった。
よって、カルシウム含有量の低い植物性ミルクについて、全ての種類の植物性ミルクに対して、甘藷ペクチンがペクチン1~3と比較してゲル化の反応性が高いことが確認できた。
【0027】
<実施例3>
(ホイップクリームの固まりやすさ及び保形性評価)
カルシウム含有量の少ない食品として植物性油脂を主原料とするホイップクリームを用いた場合の、ホイップクリームの固まりやすさ及び保形性の評価を行った。
本実施例で用いるホイップクリームのカルシウム含有量は39mg/100mLである。ホイップクリーム82部に対して、砂糖9部及び、5重量%ペクチン水溶液9部を添加した。冷却しながら、家庭用ハンドミキサーにて攪拌してホイップクリームを調製し、オーバーランをかけて10分立てになるまでの時間を計測した。また、出来上がったホイップクリームを星形の形状の絞り金をつけた絞り出し袋でろ紙の上に絞り出した後、クリームの状態を観察し、保形性を評価した。結果を表4に示す。なお、甘藷ペクチンを用いた場合を実施例3、ペクチン1~3を用いた場合をそれぞれ比較例7~9とした。
なお、10分立てとは、泡だて器を用いてホイップクリームを攪拌した場合の固さ(角の立ち具合)の表現であり、ホイップクリーム等を用いたレシピにおいて一般的に使用される表現である。10分立ては最も固い(角が立ちやすい)場合である。
【0028】
【表4】
【0029】
甘藷ペクチンを用いた場合は、10分立てになるまでの時間が2分50秒と最も短かったため、ホイップクリームをゲル化しやすい(固まらせやすい)といえる。さらに、絞り出し後も星形形状を保持できており、保形性にも優れていることを確認できた。
ペクチン1を用いた場合は、10分立てになるまでの時間が4分とやや長かった。絞り出し後、星形形状は保持できていた。
ペクチン2を用いた場合は、10分立てになるまでの時間が3分30秒と比較的短いものの、甘藷ペクチンを用いた場合と比べると長かった。絞り出し後、星形形状は保持できていた。
ペクチン3を用いた場合は、10分間攪拌しても10分立てにならず、ホイップクリームを固まらせにくいことが分かった。また、絞り出し後も星形が崩れて形状が広がってしまった。
【0030】
<実施例4、実施例5>
(ブルーベリーを用いた低糖度ジャム)
カルシウム含有量の少ない食品として、ブルーベリーを用いた場合のゲル化について、低糖度ジャムを作成することにより評価を行った。
一般的に、低糖度ジャムにはゲル化剤としてLMペクチンが使用される。また、日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、ブルーベリーはカルシウム含有量が8mg/100g可食部であり、カルシウムの含有量が少量である食品の一つである。
冷凍ブルーベリー50部に砂糖30部を添加し軽く攪拌後、加熱する。そこに5重量%ペクチン水溶液15部を添加し、煮詰める。Brix40%に調整しながら煮詰め、Brixが40%になったところで5重量%クエン酸水溶液5部を加えてさらに攪拌した。攪拌後の溶液を容器に充填し、ジャムを作成した。作成したジャムは以下のように評価した。
【0031】
(1)ジャムの状態の粘度評価
容器に充填したジャムを粗熱が取れるまで室温で冷却後、冷蔵庫に入れて一晩静置した。果肉を取り除いた冷蔵後のジャムの粘度を音叉型粘度計(音叉振動式レオメータRV-10000、(株)エー・アンド・デイ)を用いて評価を行った。結果を表5に示す。なお、甘藷ペクチンを用いた場合を実施例4、ペクチン1~3を用いた場合をそれぞれ比較例10~12とした。
【0032】
【表5】
【0033】
全ての場合でゲル化が確認されるとともに、高温になるにつれて粘度の減少が見られた。
特に甘藷ペクチン又はペクチン2を用いた場合は、ペクチン1又はペクチン3を用いた場合に比べて高い粘度となった。さらに、甘藷ペクチンを用いた場合は、ペクチン2を用いた場合に比べて、高温においても粘度の減少幅が小さく、高い粘度が維持できていることが確認された。
【0034】
(2)ジャムの保水性評価
クッキングシートを引いた鉄板に、直径30mm、高さ10mmの円形の容器に擦切りいっぱいまでジャムを入れ、果肉の数と重量が同じになるように調整した。200℃で予熱したコンベクションオーブンにて、200℃で5分間焼成し、ジャムの状態を評価し、重量を測定した。また、焼成前後のジャムの水分を赤外線水分計(赤外線水分計 FD-800、株式会社ケツト科学研究所)で測定した。焼成後のジャムの状態の評価基準は下記の通りである。結果を表6に示す。なお、甘藷ペクチンを用いた場合を実施例5、ペクチン1~3を用いた場合をそれぞれ比較例13~15とした。
(評価基準)
○:離水がない、円形を保持できている
×:離水がある、円形を保持できず崩れている
【0035】
【表6】
【0036】
甘藷ペクチンを用いた場合の焼成後のジャムは、離水がなく円形を保持できていた。また、焼成前後の重量差及び水分差が最も小さく、保水性に優れていることが分かった。
一方、ペクチン1~3を用いた場合の焼成後のジャムは、全ての場合において離水があり、円形を保持できずに崩れていた。さらに、焼成前後の重量差及び水分差も、甘藷ペクチンを用いた場合に比べて大きく、保水性に劣っていた。