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特開2024-119160床材およびこの床材を用いた床化粧材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119160
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】床材およびこの床材を用いた床化粧材
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20240827BHJP
   E04F 15/10 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
E04F15/02 B
E04F15/10 104B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025873
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】592089755
【氏名又は名称】株式会社タカショー
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】高岡 伸夫
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA51
2E220AA60
2E220AB04
2E220BA01
2E220BA04
2E220BC04
2E220DA19
2E220DB02
2E220DB03
2E220DB09
2E220FA03
2E220FA13
2E220GA26X
2E220GA34X
2E220GB26X
2E220GB32X
2E220GB33X
(57)【要約】      (修正有)
【課題】床材をいずれの方向に向けても隣接する床材と連結できるとともに、この連結構造部が床材の下側に溜まった土ほこりなどを洗い流す際に障害とならないとともに、施工性のよい床材およびこの床材を用いた床化粧材を提供する。
【解決手段】床材1aの床材本体部の側枠部を平面視正方形とするとともに、側枠部の側面に第1突起13aと第2突起13bを備える複数対の連結用突起群13を等ピッチで、かつ、正方形の対角中心を中心にして回転対称となる位置に設ける一方、第2突起13bが、平面投影したとき、側枠部側から外側に向かって幅広になる台形形状を示し、第1突起13aと第2突起13bの隙間13pが、連結される他の床材1aの第2突起13bが上下方向からスライド嵌合可能で、平面投影したとき、第2突起13bの台形形状と相似形状の台形形状を示すようにした。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床材本体部と、この床材本体部から下方に突出し、前記床材本体部を下方から支持する複数の脚を備え、これらの脚を介して前記床材本体部が、敷設面との間に所望空間を隔てた状態で、前記敷設面に他の同種の床材と連結状態で敷設される床材であって、
前記床材本体部が、平面視で正多角形をした側枠部を有し、
第1突起と第2突起を備える複数対の連結用突起群が、前記正多角形の各辺を構成する前記側枠部の側壁面に、同じピッチで前記正多角形の中心軸を中心に回転対称となる位置にそれぞれ突設され、
前記第2突起が、平面投影したとき、前記側枠部側から外側に向かって幅広になる台形形状を示し、
前記第1突起と第2突起の隙間が、連結される他の床材の第2突起が上下方向からスライド嵌合可能で、平面投影したとき、前記第2突起の台形形状と相似形状の台形形状を示すことを特徴とする床材。
【請求項2】
前記第2突起が、上端部および下端部に、それぞれ上端あるいは下端に向かって第2突起の厚みが薄くなるように形成された上テーパ面および下テーパ面を備えているとともに、
前記連結用突起群が、それぞれ前記第1突起と第2突起の前記隙間に他の床材の第2突起がスライド嵌合したとき、前記連結された同種の床材の第2突起の前記上テーパ面内に臨む位置に第3突起を備えている請求項1に記載の床材。
【請求項3】
前記第1突起の下端部に対向する前記第2突起から下端に向かって徐々に遠ざかるようにテーパ状に切り欠かれた第1切欠部を有し、
前記第2突起が、その下端部両側に前記第2突起の幅が徐々に狭まるようにテーパ状に切り欠かれた第2切欠部を備えいる請求項1または請求項2に記載の床材。
【請求項4】
前記床材本体部の下端と、前記脚の下端との高低差が25mm以上である請求項1または請求項2に記載の床材。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の床材の前記床材本体部の上面に化粧部材が載置状態で固定されていることを特徴とする床化粧材。
【請求項6】
前記床材本体部の下端と、前記脚の下端との高低差が25mm以上である請求項5に記載の床化粧材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベランダ、テラスなどの既設の床面に敷き並べて使用する床材およびこの床材を用いた床化粧材に関する。
【背景技術】
【0002】
平面視略正方形をした床材本体部と、この床材本体部を支える複数の脚部を備え、床材本体部に設けられた連結構造によって隣接する床材と連結してベランダやテラスなどの既設の床面に敷き並べて既存の床面よりかさ上げした床面を形成したり、床材本体部の表面に陶磁器製タイル、木製タイル、人工芝マットなどの化粧材を接着剤やビスによって固定した床化粧材とした状態で前記床面に敷き並べて化粧床面を形成したりする床材が既に上市されている(特許文献1参照)。
そして、上記床材は、床材本体部の正方形の直交する二辺に沿って脚部を兼ねた雌型嵌合部を所望間隔で床材本体部の端縁から外側に突出させるように設ける一方、他の二辺に沿って上記雌型嵌合部に嵌合する雄型の嵌合部を設けて、同種の床材同士を一方の床材の雌型嵌合部に、他方の床材の雄型嵌合部を嵌合させることによってつぎつぎに連結してズレ動かないように敷設できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-247328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の上記床材の場合、雌型嵌合部が脚部を兼ねているため、床材本体部と、敷設される既存の床面との隙間が少ない。また、雄型嵌合部に床材本体部を下方から支える脚部が雄型嵌合部を兼ねている場合もあり、雌型嵌合部を大きくせざるを得ない。
すなわち、床材と床材の隙間からベランダの床面など既存の床面上に入り込んだ土ほこりやごみなどが床材の下に溜まった場合、床材の上からホース等で水を流しても、床材本体部の下縁や雌型嵌合部が邪魔になり、うまく洗い流すことができない。
【0005】
したがって、定期的に床材あるいは床化粧材を取り外して既存の床面を掃除しなければならず、面倒である。
また、上記床材は、床材本体部の二辺に雌型嵌合部が設けられ、他の二辺に雄型嵌合部が設けられているため、雌型嵌合部が設けられた辺(あるいは雄型嵌合部が設けられた辺)の方向を考えながら連結させていく必要があるとともに、立ち上がり壁がある場合など連結作業スペースが少ない場合、一方の床材を傾けながら雌型嵌合部に雄型嵌合部を嵌合させる必要があり、施工性が悪い。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みて、床材をいずれの方向に向けても隣接する床材と連結できるとともに、この連結構造部が床材の下側に溜まった土ほこりなどを洗い流す際に障害とならないとともに、施工性のよい床材およびこの床材を用いた床化粧材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の床材は、床材本体部と、この床材本体部から下方に突出し、前記床材本体部を下方から支持する複数の脚を備え、これらの脚を介して前記床材本体部が、敷設面との間に所望空間を隔てた状態で、前記敷設面に他の同種の床材と連結状態で敷設される床材であって、前記床材本体部が、平面視で正多角形をした側枠部を有し、第1突起と第2突起を備える複数対の連結用突起群が、前記正多角形の各辺を構成する前記側枠部の側壁面に、同じピッチで前記正多角形の中心軸を中心に回転対称となる位置にそれぞれ突設され、前記第2突起が、平面投影したとき、前記側枠部側から外側に向かって幅広になる台形形状を示し、前記第1突起と第2突起の隙間が、連結される他の床材の第2突起が上下方向からスライド嵌合可能で、平面投影したとき、前記第2突起の台形形状と相似形状の台形形状を示すことを特徴としている。
【0008】
本発明において、回転対称とは、正多角形の中心軸を中心に中心角分回転したときに自ら重なり合うことを意味する。
本発明の床材は、後述するように床化粧材のベース材として用いても構わないし、本発明の床材のみを既存の床面上に敷設し、所謂2重床状態の床を形成するために用いても構わない。
【0009】
本発明の床材は、特に限定されないが、前記第2突起が、上端部および下端部に、それぞれ上端あるいは下端に向かって第2突起の厚みが薄くなるように形成された上テーパ面および下テーパ面を備えているとともに、前記連結用突起群が、それぞれ前記第1突起と第2突起の前記隙間に他の床材の第2突起がスライド嵌合したとき、前記連結された同種の床材の第2突起の前記上テーパ面内に臨む位置に第3突起を備えている構成とすることが好ましい。
【0010】
すなわち、上記構成とすれば、第3突起が設けられているので、歩行時に床材が浮き上がるような力が加わっても、嵌合状態が解除されて、床材がまくり上がったりすることを防止できる。
また、下テーパ面を備えているので、第2突起を隣合う床材の第1突起と第2突起との隙間に上方からスライド嵌合させる際に、下テーパ面が第3突起徐々に弾性変形させて第2突起が第3突起をスムーズに乗り越える。
【0011】
本発明の床材は、特に限定されないが、前記第1突起の下端部に対向する前記第2突起から下端に向かって徐々に遠ざかるようにテーパ状に切り欠かれた(面取りされた)第1切欠部を有し、前記第2突起が、その下端部両側に前記第2突起の幅が徐々に狭まるようにテーパ状に切り欠かれた第2切欠部を備えている構成とすることが好ましい。
すなわち、上記構成とすれば、第2突起と隙間の位置が少しずれていても、連結しようとする床材を押し下げ動作する間に、第1切欠部および第2切欠部のテーパによって第2突起と隙間が重なるようにガイドされて、第2突起をスムーズに隙間にスライド嵌合させることができる。
したがって、連結作業をより容易、且つ、正確に行うことができる。
【0012】
本発明の床材は、特に限定されないが、床材本体部の下端と、前記脚の下端との高低差が25mm以上であることが好ましい。
すなわち、床材本体部の下端と、脚の下端との高低差が25mm以上であれば、市販の容器入りゴキブリ駆除剤を床材本体部の下方に置く十分なスペースを確保でき、床材本体部と既存の床面での間でのゴキブリの繁殖を防止することができる。
また、床材本体部と敷設面との間に大きな隙間を確保することができ、床材本体部と床材本体部との隙間からホースで水をかけて既存の床面上に溜まった土ほこりやごみをきわめて容易に洗い流すことができる。
【0013】
本発明の床化粧材は、本発明の床材の床材本体部の上面に載置状態で固定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の床材は、上記のように、床材本体部と、この床材本体部から下方に突出し、前記床材本体部を下方から支持する複数の脚を備え、これらの脚を介して前記床材本体部が、敷設面との間に所望空間を隔てた状態で、前記敷設面に他の同種の床材と連結状態で敷設される床材であって、前記床材本体部が、平面視で正多角形をした側枠部を有し、第1突起と第2突起を備える複数対の連結用突起群が、前記正多角形の各辺を構成する前記側枠部の側壁面に、同じピッチで前記正多角形の中心軸を中心に回転対称となる位置にそれぞれ突設され、前記第2突起が、平面投影したとき、前記側枠部側から外側に向かって幅広になる台形形状を示し、前記第1突起と第2突起の隙間が、連結される他の床材の第2突起が上下方向からスライド嵌合可能で、平面投影したとき、前記第2突起の台形形状と相似形状の台形形状を示すので、以下のような効果を奏する。
(1)他の床材と連結させる際に方向性がなく、また、連結する床材の第2突起を第1突起と第2突起の隙間に床材を押し下げるだけで床材同士の連結が完了するので、連結および取り外しの作業性がよい。
(2)枠部の側面に連結用突起群を用いて連結するようにしたので、水洗時の障害になる脚部兼用の雌型嵌合部が不要となり、床材本体部と床材本体部との隙間からホースで水をかけて既存の床面上に溜まった土ほこりやごみを容易に洗い流すことができ、床材を取り外して掃除するという手間を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の床化粧材の第1の実施の形態の側面図である。
図2図1の床化粧材の平面図である。
図3図1の床化粧材のベースとなる本発明の床材の第1の実施の形態の斜視図である。
図4図3の床材の底面図である。
図5図3の床材の連結用突起群を説明する部分側面図である。
図6図3の床材と床材の連結状態を説明する側面図である。
図7図6の連結部の拡大平面図である。
図8】本発明の床化粧材の第2の実施の形態をあらわす側面図である。
図9図8の床化粧材の平面図である。
図10図8の床化粧材のベースとなる床材の第2の実施の形態をあらわす斜視図である。
図11】本発明の床化粧材の第3の実施の形態をあらわす斜視図である。
図12図11の床化粧材のベースとなる床材の第3の実施の形態をあらわす斜視図である。
図13図12の床材の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を、その実施の形態を参照して詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の床化粧材の第1の実施の形態をあらわし、図3図6は本発明の床材の第1の実施の形態をあらわしている。
【0017】
図1および図2に示すように、この床化粧材Aは、ベースとなる床材1aと、化粧材としての陶磁器製の1枚のタイル2aを備えている。ベースとなるポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂や、この熱可塑性樹脂に強化繊維などの公知の添加剤を加えた熱可塑性樹脂組成物の射出成形品である
床材1aは、図1図3あるいは図4に示すように、床材本体部11と、4本のコーナー脚12aと、9本の中間脚12bを備えている。
【0018】
床材本体部11は、図3および図4に示すように、その外縁が平面視正方形をしている側枠部11aと、側枠部11aの内側に設けられた格子部11xと、8つタイル係止突起14を備えている。
側枠部11aと格子部11xは、その上面が同一平面に収まる(面一)ようになっている
【0019】
側枠部11aは、平面視正方形をしていて、その正方形を形成する4側面にそれぞれ連結用突起群13が4対ずつ突設されている。
また、各連結用突起群13は、第1突起13aと、第2突起13bと、第3突起13cを備えるとともに、側枠部11aの各側面に4対ずつ、等ピッチで、かつ、側枠部11aの対角中心cを中心とする回転対称となるように突設されている。
【0020】
第1突起13aは、図5図7に示すように、同じ連結用突起群13の第2突起13b側に第1テーパ面13dを備えている。
第1テーパ面13dは、図7に示すように、側枠部11aから外側に向かって、第1突起13aの幅が広くなるように形成されている。
また、第1突起13aは、図5に示すように、第1テーパ面13dを構成する部分の下端にテーパ状の第1切欠部13eが設けられている。
【0021】
第2突起13bは、図7に示すように、第1テーパ面13dに対向する面に第2テーパ面13j、反対側の面に第3テーパ面13kをそれぞれ備えている。
また、第2突起13bは、図5に示すように、上端部に係止テーパ面13f、下端部にガイドテーパ面13gを備えている。
【0022】
係止テーパ面13fは、上端に向かって第2突起13bの厚みが薄くなるように形成されている。
ガイドテーパ面13gは、下端に向かって第2突起13bの厚みが薄くなるとともに、下端側の両側にテーパ状に切り欠かれた第2切欠部13h、13iを備えている。
【0023】
また、上記第2テーパ面13jは、第1テーパ面13dと面対称となっていて、第3テーパ面13kは、第1テーパ面13dと平行になっている。
すなわち、第2突起13bは、平面投影したとき、側枠部11a側から外側に向かって左右同じテーパ角で幅広になる台形を示すように形成されている。
また、第1突起13aと第2突起13bの隙間13pは、平面投影したとき、第2突起13bの台形と相似、かつ、同じ大きさか少し大きい台形をしている。
【0024】
第3突起13cは、各連結用突起群13の第1突起13aと第2突起13bによって形成される隙間13pの中心線上で、かつ、後述するように連結状態で係止テーパ面13fを臨む位置にくる高さ位置に設けられている。
格子部11xは、側枠部11aの内側を16の正方形の区画に仕切るように縦横に延びる桟11cと、前記16の正方形の区画の対角線に沿うように設けられた斜めに延びる桟11cを備えている。
【0025】
斜め方向に延びる桟11cは、側枠部11aの近傍および側枠部11aの対角中心近傍に、計16のビス孔部11bを備えている。
また、対角中心近傍の4つのビス孔部11bは、補強桟11cによって、対角中心cを通る縦横桟11cに支持されている。
【0026】
タイル係止突起14は、側枠部11aの4つのコーナー部近傍で、側枠部11aの側面に沿って立ち上がるように設けられ、床材本体部11上に載せたタイル2aが水平方向にズレ動かないようにするために設けられている
コーナー脚12aは、円筒形をしていて、側枠部11aの4つのコーナー部から下方に延出するように設けられている。
中間脚12bは、コーナー脚12aより少し大径の円筒形をしていて、側枠部11aの4辺のそれぞれの中央位置と、対角中心c位置と、斜め桟11cの交差位置に設けられている。
また、コーナー脚12aおよび中間脚12bは、その下端と床材本体部11の下端の高低差hが25mm以上となっている。
タイル2aは、図示していないが、ビス孔部11bに対応する位置にそれぞれ雌ねじ(図示せず)が埋設されていて、タイル2aを床材本体部11上に載せた状態で、床材本体部11の底側からビス孔部11b越しにビス(図示せず)をねじ込むことによって床材1aに固定されている。
【0027】
つぎに、この床化粧材Aは、たとえば、以下のようにして連結される。
(1)敷設面(図示せず)上に隣接して敷設される一方の床化粧材A(あるいは床材1a)を敷設面に載置した状態で他方の床化粧材Aの各連結用突起群13の第2突起13bが一方の床化粧材Aの第1突起13aと第2突起13bの隙間13pを上方から臨むように配置する。
(2)他方の床化粧材Aを第2突起13bが、一方の床化粧材Aの第1突起13aと第2突起13bとの隙間13pに入り込むとともに、第3突起13cが係止テーパ面13fに臨む位置まで押し下げる。
(3)そして、上記(1)、(2)を繰り返し敷設面に床化粧材Aを連結状態に敷き詰める。
【0028】
この床化粧材Aは、上記のようになっているので、以下のような優れた効果を奏する。
(1)第1突起13aに第1切欠部13e、第2突起13bに第2切欠部13j、13kが設けられているので、第1切欠部13e、第2切欠部13j、13kの傾斜によってガイドされて第2突起13bの中心位置を、連結される他方の床化粧材Aの第1突起13aと第2突起13bの隙間13pとの中心位置に容易に一致させることができる。
(2)第2突起13bが下端側にガイドテーパ面13gを備えているので、第3突起13cがガイドテーパ面13gにガイドされて第2突起13bを容易に乗り越える。したがって、第3突起13cが係止テーパ面13f臨む位置まで第2突起13bをスムーズに押し込める。
(3)第3突起13cを備えているので、床化粧材Aに浮き上がる方向の力が加わっても、大きな力でない限り、第3突起13cにより、第2突起13bの隙間13pからの離脱を防止して連結状態を保つことができる。
(4)第2突起13bが他方の床化粧材Aの第1突起13aと第2突起13bの隙間に嵌合した状態で図7に示すように、第2突起13bの第3テーパ面と他方の床化粧材Aの第1突起13aの第1テーパ面13dがほぼ密着するとともに、第2突起13bの第2テーパ面13jが他方の床化粧材Aの第2突起13bがほぼ密着状態となるので、隣接する床化粧材A間の距離をほとんど無くすことができるとともに、床化粧材Aに水平方向の力が加わってもしっかりとした連結状態を保つことができる。
(5)敷設面に敷設された床化粧材Aに対し連結する床化粧材Aを垂直方向に押し込むだけ床化粧材A同士を連結できるので、狭い場所での施工も容易に行える。
(6)4面にそれぞれ回転対称となる4対ずつの連結用突起群13を設けたので、連結作業の際に方向性がなく、施工性がよい。
(7)床材本体部11の下端と、4本のコーナー脚12aおよび9本の中間脚12bの下端との高低差hが25mm以上あるので、図1に示すように、床材本体部11と敷設面との間の空間に市販のケース入りのゴキブリ駆除剤3を挿入して、ゴキブリの発生を防止することができる。また、敷設面上に土ほこりやゴミが溜まった場合でも、床化粧材Aと床化粧材Aの隙間から水を流し入れれば、土ほこりやゴミを容易に洗い流すことができる。
【0029】
図8および図9は、本発明の床化粧材の第2の実施の形態をあらわし、図10は床材の第2の実施の形態をあらわしている。
図8および図9に示すように、この床化粧材Bは、床材1bの上に化粧材として4枚の木質板材2bがビス固定されている。
【0030】
そして、床材1bは、図10に示すように、格子部が斜め方向に延びる桟11cのみで形成され、木質板材2bの裏面を臨む桟11cの交点位置にビス孔11dが設けられている。
すなわち、木質板材2bは、図示していないが、床材本体部11の底面側からビス孔11dを介してビス(図示せず)をねじ込んで床材1bに固定されるようになっている。
【0031】
また、この床材1bは、側枠部11aの床材本体部11のコーナー部に位置するコーナー脚12cが角筒形をしていて、円筒形をした中間脚12bが側枠部11aの各辺に3つずつ、斜め方向に延びる桟11cの交点部分に7つ設けられている。
この床化粧材Bは、タイル係止突起14が設けられていないとともに、上記した以外は第1の実施の形態と同様になっている。したがって、第1の実施の形態と同様の構成部分は第1の実施の形態と同じ符号を付している。
【0032】
すなわち、この床化粧材Bは、上記第1の実施の形態と同様に、側枠部11aの正方形の4方の側面に4対ずつの同形状の連結用突起群13を設けるとともに、コーナー脚12cおよび中間脚12bの下端と、床材本体部11の下端との高低差hが25mm以上以上としたので、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0033】
図11は、本発明の床化粧材の第3の実施の形態をあらわし、図12および図13は、本発明の床材の第3の実施の形態をあらわしている。
図11に示すように、この床化粧材Cは、床材1cと、この床材1cの上に固定された化粧材としての人工芝マット2cを備えている。
【0034】
図12および図13に示すように、床材1cは、床材本体部11と、床材本体部11の下端から下方に延出する、円筒形をした25の脚12dを備えている。
25の脚12dは、5つずつ等ピッチで縦方向に5列、横方向5列となるように配置されている。
【0035】
図12および図13に示すように、床材本体部11の各脚12dの上端部には、周囲に複数のスリットが設けられた嵌合筒部11eが設けられている。
この嵌合筒部11eには、人工芝マット2cの裏面に取り付けられた設けられた嵌合ピン(図示せず)が弾性嵌合するようになっていて、この弾性嵌合によって、人工芝マット2cが床材1cに固定されている。
【0036】
この床化粧材Cは、タイル係止突起14が設けられていないとともに、上記した以外は第1の実施の形態と同様になっている。したがって、第1の実施の形態と同様の構成部分は第1の実施の形態と同じ符号を付している。
すなわち、この床化粧材Bは、上記第1の実施の形態と同様に、側枠部11aの正方形の4方の側面に4対ずつの同形状の連結用突起群13を設けるとともに、各脚12dの下端と、床材本体部11の下端との高低差hが25mm以上以上としたので、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0037】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。上記の実施の形態では、床材本体部の枠部が平面視正四角形であったが、平面視正三角形、平面視正五角形、平面視正六角形などでも構わない。
上記の第1の実施の形態では、タイルを床材本体部にビスで固定するようにしていたが、接着固定でも構わない。
【0038】
上記の実施の形態では、床材に化粧材を固定するようにしていたが、床材のみを敷設面に敷設してベース面を形成したのち、ベース面の大きさをしたカーペット状の化粧材をベース面上に敷くようにしても構わない。
上記の実施の形態では、床材の床材本体部が格子部を備えていたが、床材本体部の上面部分を平滑面としても構わない。平滑面とすれば、化粧材を用いることなく床材のみで床面を形成することができる。
上記の実施の形態では、4面の側壁面毎に4対ずつの連結用突起群が設けられていたが、2対、3対あるいは5対ずつ以上としても構わない。
【符号の説明】
【0039】
A,B,C 床化粧材
1a、1b、1c 床材
11 床材本体部
11a 側枠部
11b
11c 桟
11d ビス孔
11e 嵌合筒部
11x 格子部
12a コーナー脚
12b 中間脚
12c コーナー脚
12d 脚
13 連結用突起群
13a 第1突起
13b 第2突起
13c 第3突起
13d 第1テーパ面
13e 第1切欠部
13f 係止テーパ面
13g ガイドテーパ面
13h、13i 第2切欠部
13j 第2テーパ面
13k 第3テーパ面
13p 隙間
14 タイル係止突起
2a タイル(化粧材)
2b 木質板材(化粧材)
2c 人工芝マット(化粧材)
c 対角中心
図1
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