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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119174
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】無線通信タグ付き容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/20 20060101AFI20240827BHJP
   B29C 49/06 20060101ALI20240827BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20240827BHJP
   B29C 33/14 20060101ALI20240827BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20240827BHJP
   B29C 49/48 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B29C49/20
B29C49/06
B29C45/14
B29C33/14
B29C45/26
B29C49/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025892
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000206185
【氏名又は名称】大成化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】塚谷 孝史
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
4F208
【Fターム(参考)】
4F202AD19
4F202AG03
4F202AH55
4F202AR13
4F202CA11
4F202CA15
4F202CB01
4F202CB12
4F202CK12
4F202CN05
4F202CQ01
4F206AD19
4F206AG03
4F206AH55
4F206JA06
4F206JB12
4F206JF05
4F206JL02
4F206JQ81
4F208AD07
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH55
4F208LA08
4F208LA09
4F208LB01
4F208LB22
4F208LG03
4F208LG13
4F208LG14
4F208LG29
4F208LG42
(57)【要約】
【課題】精度良く成形できる無線通信タグ付き容器の製造方法の提供。
【解決手段】径方向外側に配置される外層部と、該外層部の径方向内側に配置される内層部と、前記外層部の内面又は前記内層部の外面に取り付けられた無線通信タグと、を備える成形前容器をブロー成形するブロー成形工程を含む有底筒状の容器の製造方法であって、前記ブロー成形工程は、前記成形前容器の前記外層部を硬化させた状態で前記内層部を膨らませて前記成形前容器をブロー成形する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
径方向外側に配置される外層部と、該外層部の径方向内側に配置される内層部と、前記外層部の内面又は前記内層部の外面に取り付けられた無線通信タグと、を備える成形前容器をブロー成形するブロー成形工程を含む有底筒状の容器の製造方法であって、
前記ブロー成形工程は、前記成形前容器の前記外層部を硬化させた状態で前記内層部を膨らませて前記成形前容器をブロー成形する、
無線通信タグ付き容器の製造方法。
【請求項2】
前記無線通信タグは、前記成形前容器の外層部の内面に取り付けられており、
前記外層部を射出成形する射出成形工程を含み、
前記射出成形工程は、射出成形において、無線通信タグを前記外層部の内面に取り付ける、
請求項1に記載の無線通信タグ付き容器の製造方法。
【請求項3】
前記ブロー成形工程の前に、前記成形前容器を成形する成形前容器成形工程を含み、
前記成形前容器成形工程の後、前記ブロー成形工程前に、前記成形前容器を硬化させる硬化工程を含み、
前記硬化工程では、前記内層部を硬化させずに前記外層部を硬化させる、
請求項1又は請求項2に記載の無線通信タグ付き容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信可能な無線通信タグ付き容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信タグ付き容器の製造方法として、例えば、RFIDが埋設された合成樹脂製容器の製造方法が知られている(特許文献1の図2図4参照)。この合成樹脂製容器は、RFIDをインサート成形することによって形成した内体を、射出成形によって形成した外体に嵌合してプリフォームを形成する。プリフォームにおいて、RFIDは、内体の凹所に嵌合しており、内体と外体との間に配置されている。プリフォームをブロー成形して、合成樹脂製容器が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-131829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の製造方法ではブロー成形において内体と外体とがRFIDを間に挟んだ状態で膨らむため、内体や外体におけるRFIDの周囲の部分への熱の伝わりが悪く、ブロー成形の精度が悪かった。
【0005】
そこで、本発明は、精度良く成形できる無線通信タグ付き容器の製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無線通信タグ付き容器の製造方法は、
径方向外側に配置される外層部と、該外層部の径方向内側に配置される内層部と、前記外層部の内面又は前記内層部の外面に取り付けられた無線通信タグと、を備える成形前容器をブロー成形するブロー成形工程を含む有底筒状の容器の製造方法であって、
前記ブロー成形工程は、前記成形前容器の前記外層部を硬化させた状態で前記内層部を膨らませて前記成形前容器をブロー成形する。
【0007】
かかる構成によれば、ブロー成形工程で、成形前容器の外層部を硬化させた状態で内層部を膨らませて成形前容器をブロー成形するので、無線通信タグが外層部の内面又は内層部の外面のどちらに取り付けられていても、硬化している外層部に対して内層部を膨らませて無線通信タグ付き容器を精度良く成形することができる。
【0008】
本発明の無線通信タグ付き容器の製造方法において、
前記無線通信タグは、前記成形前容器の外層部の内面に取り付けられており、
前記外層部を射出成形する射出成形工程を含み、
前記射出成形工程は、射出成形において、無線通信タグを前記外層部の内面に取り付けてもよい。
【0009】
かかる構成によれば、射出成形工程のときに、無線通信タグを外層部の内面に取り付けることができ、無線通信タグ付き容器を効率よく製造できる。
【0010】
本発明の無線通信タグ付き容器の製造方法において、
前記ブロー成形工程の前に、前記成形前容器を成形する成形前容器成形工程を含み、
前記成形前容器成形工程の後、前記ブロー成形工程前に、前記成形前容器を硬化させる硬化工程を含み、
前記硬化工程では、前記内層部を硬化させずに前記外層部を硬化させてもよい。
【0011】
かかる構成によれば、成形前容器成形工程の後、ブロー成形工程前に、硬化工程で外層部を硬化させるので、ブロー成形工程で成形前容器の内層部を精度良くブロー成形できる。
【発明の効果】
【0012】
以上より、本発明によれば、RFIDタグが精度良く配置できる無線通信タグ付き容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信タグ付き容器の側面図である。
図2図2は、同実施形態に係る無線通信タグ付き容器の平面図である。
図3図3は、図2のIII-III断面線での断面図である。
図4図4は、図2のIV-IV断面線での断面図である。
図5図5は、図3のV-V断面線での断面図を斜め上方から視た図である。
図6図6は、図2のVI-VI断面線での断面図から内層部を除いたものを斜め上方から視た図である。
図7図7は、同実施形態に係る成形前容器の平面図である。
図8図8は、図7のVIII-VIII断面線での断面図である。
図9図9は、図7のIX-IX断面線での断面図である。
図10図10は、同実施形態に係る成形前容器からタグを除いたものの平面図である。
図11図11は、図10のXI-XI断面線での断面図を斜め上方から視た図である。
図12図12は、同実施形態に係る無線通信タグ付き容器の製造方法におけるタグ設置工程を説明するための断面図である。
図13図13は、同製造方法における射出成形工程を説明するための断面図である。
図14図14は、同製造方法における硬化工程を説明するための断面図である。
図15図15は、同製造方法における型締め工程完了後のブロー金型を説明するための断面図である。
図16図16は、同製造方法におけるブロー成形工程を説明するための断面図である。
図17図17は、同製造方法における取り出し工程を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態にかかる無線通信タグ付き容器の製造方法について、製造後の無線通信タグ付き容器の構成及びこの容器の具体的な製造方法を、順に添付図面を参照しつつ説明する。
【0015】
本実施形態に係る無線通信タグ付き容器1は、図1図4に示すように、内容物を収容可能な容器である。無線通信タグ付き容器1は、無線通信タグ2を備える有底筒状の容器である(図3参照)。
【0016】
無線通信タグ付き容器1は、例えば、筒状の容器胴部10と、容器胴部10の一方の開口を閉塞する容器底部11と、容器胴部10の他方の端部から延出し且つ基端の外径よりも先端の外径が小さくなっている(すなわち、先細りに形成されている)容器肩部12と、容器肩部12の先端から延出する筒状の容器首部13と、を有する。また、無線通信タグ付き容器1は、径方向外側に配置される外層部3と、外層部3の径方向内側に配置される内層部4と、外層部3と内層部4との間に配置される枠部5と、を備える。無線タグ付き容器1は、合成樹脂製である。
【0017】
なお、以下の説明において、高さ方向とは無線通信タグ付き容器1の高さ方向(図1図3図4の上下方向)のことであり、径方向とは容器胴部10の径方向(容器胴部10の中心軸線に直交する方向)のことであり、周方向とは容器胴部10の周方向のことである。
【0018】
本実施形態の容器胴部10は、筒状であり、例えば、円筒状である(図3参照)。容器胴部10の径は、高さ方向におけるいずれの部位においても等しいが、少なくとも一部において異なっていてもよい。例えば、容器胴部10は、先細りの形状や、高さ方向の中央部で周方向に膨らんだ形状等であってもよい。なお、容器胴部10は、角筒状であってもよい。
【0019】
容器胴部10における容器底部11の延出位置よりも上方に位置する部位は、外層部3及び内層部4からなる二層構造である。容器胴部10における容器底部11の延出位置よりも下方に位置する部位は、外層部3と連続する単層構造である。
【0020】
容器底部11は、容器胴部10の底側の端部100に連設されている。容器底部11は、無線通信タグ付き容器1が正立している状態において下向きに配置される部分である。容器底部11は、内層部4からなる単層構造である。
【0021】
本実施形態では、容器底部11は、容器胴部10の底側の端部100における底側の開口端101よりも上方の位置から延出している。また、容器底部11は、径方向の外周部110から中央部111にかけて下方に膨らむように湾曲した形状を有する。容器底部11の中央部111は、容器胴部10の底側の開口端101よりも上方に位置している。なお、容器底部11は、平板状であってもよく、この場合、容器胴部10の底側の開口端101から延出してもよい。
【0022】
容器肩部12は、容器胴部10の頂側の開口端102から延出している。また、容器肩部12は、先細り(テーパー状)の筒状に形成されており、基端側から先端側に向かうにつれて内径も外径も徐々に小さくなるように形成されている。なお、容器胴部10と容器肩部12との連続部分は、僅かに丸みを帯びた形状であるが、角状であってもよい。本実施形態では、容器肩部12は、外層部3及び内層部4からなる二層構造である。
【0023】
容器首部13は、容器肩部12の頂側の開口端120から延出しており、筒状に形成されている。容器首部13の先端は開口しており、この開口から収容物を無線通信タグ付き容器1内に出し入れできるようになっている。なお、本実施形態の容器首部13は、この開口を開閉する蓋を着脱可能に構成されている。本実施形態では、容器首部13は、外層部3及び内層部4と連続する単層構造である。また、容器首部13の外周部には、蓋の内側に設けられた雌螺子と螺合可能な雄螺子が形成されている。
【0024】
外層部3は、無線通信タグ付き容器1の容器胴部10や容器肩部12の外層を構成している。具体的に、外層部3は、無線通信タグ付き容器1の容器胴部10を構成する外胴部30と、容器1の容器肩部12を構成し、外胴部30の頂部300に連続する外肩部32と、を備える。
【0025】
外胴部30は、筒状であり、本実施形態では、円筒状である。外肩部32は、筒状であり、本実施形態では、先細り(テーパー状)の筒状に形成されており、基端側から先端側に向かうにつれて内径も外径も徐々に小さくなるように形成されている。外胴部30と外肩部32との連続部分33は、僅かに丸みを帯びた形状であるが、角状であってもよい。
【0026】
内層部4は、無線通信タグ付き容器1の容器胴部10や容器肩部12の内層を構成している。具体的に、内層部4は、無線通信タグ付き容器1の容器胴部10を構成する内胴部40を備える。また、内層部4は、この容器1の容器底部11を構成する内底部41を備える。さらに、内層部4は、この容器1の容器肩部12を構成する内肩部42を備える。
【0027】
内胴部40は、外胴部30の径方向内側に配置される内胴本体部43と、枠部5を径方向内側から覆う覆部44と、を備える。内胴本体部43は、筒状であり、本実施形態では、円筒状である。
【0028】
内胴本体部43は、外胴部30の内面に沿って重なっている。また、内胴本体部43は、外胴部30に対して径内側から密着している。さらに、内胴本体部43の外面430は、外胴部30の内面301に全体的に密着している。
【0029】
覆部44は、内胴部40の一部が、外層部3から径方向内側に突設された後述の枠部5の形状に倣った形状となることで形成される。また、覆部44は、図4及び図5に示すように、無線通信タグ2の内面22を径内側から覆う覆本体部440と、覆本体部440と内胴本体部43とを連結する覆連結部441とで構成される。
【0030】
覆本体部440は、無線通信タグ2の内面22を覆う覆面446を有する(図3参照)。覆面446は、無線通信タグ2の内面22に対応した平面である。本実施形態では、覆本体部440は、無線通信タグ2の内面22を覆う本体部位442と、後述の頂側当接部510、底側当接部511、周側当接部513をそれぞれ覆う頂側部位443、底側部位444、及び周側部位445と、を備える(図4参照)。本体部位442は、頂側部位443、底側部位444、及び周側部位445に囲まれている。頂側部位443は、本体部位442の頂側の端部に沿って無線通信タグ2の幅方向に延びている。底側部位444は、無線通信タグ2の幅方向に隙間を空けて一対配置されている。周側部位445は、一対設けられ、本体部位442の幅方向における両端部から、それぞれ底側に延びている。
【0031】
内肩部42は、筒状であり、本実施形態では、先細り(テーパー状)の筒状に形成されており、基端側から先端側に向かうにつれて内径も外径も徐々に小さくなるように形成されている。また、内肩部42は、外肩部32に対して径内側から密着している。さらに、内肩部42の外面420は、外肩部32の内面320に全体的に密着している。
【0032】
枠部5は、図5に示すように、外層部3に一体形成されている。また、枠部5は、外胴部30と内胴部40との間に配置される。枠部5は、外層部3の内面35から径方向内側へ突設される。枠部5は、無線通信タグ2を支持する支持部50を備える。また、枠部5は、図6に示すように、支持部50の周囲に配置され、支持部50に支持された無線通信タグ2の外周部20に当接する当接部51を備える。
【0033】
支持部50は、無線通信タグ2の形状に倣った形状を有する(図5参照)。また、支持部50は、無線通信タグ2の外面21支持する支持面500を有する。支持面500は、無線通信タグ2の外面21に対応した面である。本実施形態では、後述するように無線通信タグ2の外面21は平面であるため、支持面500も平坦な面である。支持部50は、外層部3の内面35から径方向内側へ突設されている。よって、支持面500は、外層部3の内面35(本実施形態では、外胴部30の内面301)よりも径内側に配置される。支持部50と外胴部30との境界には、段差Sが形成されている。
【0034】
本実施形態では、当接部51は、矩形板状の無線通信タグ2の外周部20に当接している(図6参照)。当接部51は、支持部50の頂側に配置され、支持部50に支持された無線通信タグ2の頂側外周部200に当接する頂側当接部510を備える。当接部51は、支持部50の底側に配置され、支持部50に支持された無線通信タグ2の底側外周部201に当接する底側当接部511を備える。また、当接部51は、支持部50の幅方向外側に配置され、無線通信タグ2の幅外周部203(頂側外周部200と底側外周部201とを接続する幅外周部203)に当接する周側当接部513を備える。
【0035】
頂側当接部510は、外層部3における外胴部30と外肩部32との連続部分33に配置される。本実施形態では、頂側当接部510は、一つ配置されている。頂側当接部510は、無線通信タグ2の頂側外周部200の幅方向の全域に沿って延びている。
【0036】
底側当接部511は、外層部3における外胴部30に配置される。本実施形態では、底側当接部511は、無線通信タグ2の幅方向に並んで一対配置されている。一対の底側当接部511の間は、当接部51が設けられていない開放部512となっている。各底側当接部511は、無線通信タグ2の底側外周部201の幅方向の各端部に沿って延びている。底側当接部511は、底側外周部201に当接する当接本体部515と、当接本体部515から底側に延設される底延設部516と、を備える。底延設部516は、底側に突出した形状であり、本実施形態では、略半円形状である。
【0037】
周側当接部513は、外層部3における連続部分33から底側に延びている。本実施形態では、周側当接部513は、無線通信タグ2を幅方向から挟むように一対配置されている。この周側当接部513は、無線通信タグ2の幅外周部203の高さ方向の全域に沿って延びている。
【0038】
この無線通信タグ付き容器1では、覆部44の覆連結部441は、支持部50と外胴部30との段差Sに沿って湾曲した形状を有する(図5参照)。また、支持部50の支持面500と覆本体部440の覆面446とで無線通信タグ2は挟まれる。
【0039】
図3に示すように、外肩部32の厚みは、外胴部30の厚みよりも厚い。また、外胴部30の厚みは、頂側の部位ほど厚く底側の部位ほど薄くなっている。外胴部30のうち支持部50が設けられている部位と支持部50とを合わせた部分の厚みは、外胴部30のうち支持部50が設けられていない部位の厚みよりも厚い。支持部50の外胴部30の内面からの突出量を調整することで、無線通信タグ2と外胴部30との距離を調整し、無線通信タグ2の適切な通信距離を確保することができる。外胴部30と外肩部32と容器胴部10の底側の開口端101の厚みは同じ厚みであっても良く適宜選択することができる。
【0040】
内層部4の厚みは、いずれの部位においても略同じである。本実施形態では、内層部4の厚みは、外肩部32の厚みよりも薄い。また、内層部4の厚みは、外胴部30のうち支持部50が設けられている部位と支持部50とを合わせた部分の厚みよりも薄い。
【0041】
無線通信タグ2は、例えば、薄型の無線通信タグ2であり、例えば、矩形板状の無線通信タグである。無線通信タグ2の外面21は、平面であり、枠部5の支持部50の径方向内側を向いた支持面500と接触している。無線通信タグ2の外面21と反対側に位置する内面22(径方向内側を向いた内面22)は、平面であり、内層部4の覆部44の覆面446と接触している。
【0042】
無線通信タグ2の外面21及び内面22を除く面(無線通信タグ2の外周部20の端面)は、いずれも平面である(図6参照)。無線通信タグ2の頂側外周部200の頂側を向いた面には、枠部5の頂側当接部510の底側を向いた面が当接する。また、無線通信タグ2の底側外周部201の底側を向いた面には、枠部5の底側当接部511の頂側を向いた面が当接する。さらに、無線通信タグ2の幅外周部203の幅方向外側を向いた面には、枠部5の周側当接部513の幅方向内側を向いた面が当接する。
【0043】
無線通信タグ2は、情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に対して読み書きする情報を無線通信する無線通信手段とを有するように構成されている。本実施形態の無線通信タグ2は、いわゆる、RFIDタグであり、ICチップと、ICチップに接続されるアンテナとを備えるように構成されている。なお、ICチップとアンテナは、基板やシール等のベースに設けられていればよい。
【0044】
また、無線通信タグ2は、UHF帯の周波数を利用する(長距離で通信可能である)UHFタグと、HF帯の周波数、特に13.56MHzの周波数を利用する(近距離で通信可能である)NFCタグの両方を1つのタグに一体化したRFIDタグである。
【0045】
なお、無線通信タグ2は、外部からのアクセスに応じて記憶手段に書き込まれている情報を発信するパッシブ型のものであってもよいし、記憶手段に書き込まれている情報を自発的に発信できるアクティブ型のものであってもよい。また、UHFタグのみのRFIDタグ、NFCタグのみのRFIDタグであってもよい。
【0046】
以上の無線通信タグ付き容器1は、図7図9に示す成形前容器6をブロー成形するブロー成形工程を含む有底筒状の容器の製造方法により、製造される。成形前容器6は、径方向外側に配置される外層部63と、該外層部63の径方向内側に配置される内層部64と、を備える。また、成形前容器6は、外層部63の頂側の端縁及び内層部64の頂側の端縁から延出しており、筒状に形成されている首部66を備える。成形前容器6は、外層部63の内面630に取り付けられた無線通信タグ2を備える(図9参照)。さらに、成形前容器6は、外層部63に一体形成された枠部65を備える。
【0047】
枠部65は、図11に示すように、外層部63に一体形成されている。また、枠部65は、外層部63の内面630から径方向内側へ突設される。枠部65は、無線通信タグ2を支持する支持部650を備える。また、枠部65は、支持部650の周囲に配置され、支持部650に支持された無線通信タグ2の外周部20に当接する当接部651を備える。
【0048】
当接部651は、支持部650の頂側に配置され、支持部650に支持された無線通信タグ2の頂側外周部200に当接する頂側当接部6510を備える。当接部651は、支持部650の底側に配置され、支持部650に支持された無線通信タグ2の底側外周部201に当接する底側当接部6511を備える。また、当接部は、支持部650の幅方向外側に配置され、無線通信タグ2の幅外周部203に当接する周側当接部6513を備える。
【0049】
頂側当接部6510は、外層部63における外胴部632と外肩部633との連続部分634に配置される。本実施形態では、頂側当接部6510は、一つ配置されている。頂側当接部6510は、無線通信タグ2の頂側外周部200の幅方向の全域に沿って延びている。
【0050】
底側当接部6511は、外層部63における外胴部632に配置される。本実施形態では、底側当接部6511は、無線通信タグ2の幅方向に並んで一対配置されている。一対の底側当接部6511の間は、当接部651が設けられていない開放部6512となっている。各底側当接部6511は、無線通信タグ2の底側外周部201(図6も参照)の幅方向の各端部に沿って延びている。底側当接部6511は、無線通信タグ2の底側外周部201に当接する当接本体部6515と、当接本体部6515から底側に延設される底延設部6516と、を備える。底延設部6516は、底側に突出した形状であり、本実施形態では、略半円形状である。
【0051】
周側当接部6513は、外層部63における連続部分634から底側に延びている。本実施形態では、周側当接部6513は、無線通信タグ2を幅方向から挟むように一対配置されている。この周側当接部6513は、無線通信タグ2の幅外周部203の高さ方向の全域に沿って延びている。
【0052】
本実施形態の無線通信タグ付き容器1の製造方法は、外層部63を射出成形する射出成形工程を含む。また、この製造方法は、ブロー成形工程の前に、成形前容器6を成形する成形前容器成形工程を含む。さらに、この製造方法は、成形前容器成形工程の後、ブロー成形工程前に、成形前容器6を硬化させる硬化工程を含む。
【0053】
以下、無線通信タグ付き容器1の製造方法について、図12図17を用いて説明する。まず、成形前容器成形工程として、タグ設置工程と、型締め工程と、射出成形工程と、を順に実施する。
【0054】
タグ設置工程は、図12に示すように、無線通信タグ2を射出成形工程で用いる成形前容器成形用金型(射出金型)に設置する工程である。射出金型は、一つのキャビティ70と、キャビティ70の頂側に配置される一つの頂側コア71と、キャビティ70の幅方向外側に配置される一対の幅側コア72、73と、で構成される。本実施形態では、キャビティ70は、成形前容器6の外胴部632を成形する第一部位701と、成形前容器6の外肩部633を成形する第二部位702と、を有する。なお、射出金型は、このようなパーツ70、71、72、73で構成される以外に、これらのパーツと異なる数や形状のパーツで構成されてもよい。
【0055】
本実施形態では、射出金型の外面のうち平坦な面に、無線通信タグ2を設置する。具体的に、また、タグ設置工程において、キャビティ70の外面700(例えば、外面700のうち幅方向外側を向いた平坦な面)に無線通信タグ2を配置する。本実施形態では、キャビティ70の無線通信タグ2が配置されるタグ設置部7010は、キャビティ70の外面700に凹設して形成され、具体的に、第一部位701に外向きに開放するよう凹設されている。また、タグ設置部7010は、第二部位702の方へも開放している。
【0056】
タグ設置工程の後、型締め工程において、頂側コア71を底側に移動させるとともに、幅側コア72、73を幅方向内側に移動させて、射出金型7の型締め動作を完了させる。型締め工程では、頂側コア71を幅側コア72、73と当接する位置まで移動させるとともに、幅側コア72、73をそれぞれキャビティ70と当接する位置まで移動させる。
【0057】
図13に示すように、型締め動作が完了した射出金型7を用いて、射出成形工程を行うことで成形前容器6を形成する。型締め動作が完了した射出金型7では、キャビティ70とコア71、72、73との間に空間74が設けられている。また、この射出金型7において、無線通信タグ2は、キャビティ70と幅側コア72との間に配置されている。本実施形態では、無線通信タグ2は、キャビティ70の頂側の端部と幅側コア72の頂側の端部との間に配置されている。
【0058】
本実施形態では、一回の射出成形により、成形前容器6の外層部63及び内層部64を形成する。この射出成形工程では、外層部63と枠部65(図11も参照)とが一体成形される。具体的に、射出金型7の空間74に溶融樹脂を充填することで、外層部63と枠部65とが一体成形される。
【0059】
また、本実施形態では、射出成形工程は、射出成形において、無線通信タグ2を成形前容器6の外層部63の内面630に取り付ける工程を含む。この射出成形工程では、例えば、射出成形の熱を利用して、無線通信タグ2を外層部63の内面630に接着することができる。本実施形態では、高温の射出金型7を用いて射出成形工程を行う。また、無線通信タグ2の外層部63の内面630を向いた面に、感熱性接着剤が設けられている。具体的に、射出金型7の空間74に溶融樹脂を充填することで、溶融樹脂の持つ熱により無線通信タグ2が成形前容器6の外層部63の内面630に接着する。また、この熱により接着剤が溶けて無線通信タグ2が内面630に付着し、この接着剤により、無線通信タグ2が外層部63の内面630に接着する。さらに、無線通信タグ2の外面21に充填された溶融樹脂が、成形前容器6の枠部65の支持部650及び当接部651となり、その外側に外胴部632が一体的に形成される(図11も参照)。
【0060】
以上の一連の工程が、本実施形態における成形前容器成形工程である。
【0061】
成形前容器成形工程の後、図14に示すように、成形前容器6が取り付けられたままの頂側コア71を頂側に移動させるとともに、幅側コア72、73を幅方向外側に移動させて、射出金型7の型開き動作を行う。
【0062】
本実施形態では、型開き動作の際に、硬化工程を実施する。硬化工程は、具体的に、内層部64を硬化させずに外層部63を硬化させる。また、本実施形態では、硬化工程として、成形前容器6の温度を調整する温度調整工程を実施する。温度調整工程は、成形前容器6の外層部63の温度を、成形前容器成形工程における成形温度(具体的には、射出成形工程における成形温度)から下げて、外層部63を硬化させる工程である。本実施形態の温度調整工程では、内層部64の温度を維持するとともに、外層部63の温度を下げることにより、外層部63の温度を内層部64よりも低くして、外層部63を硬化させ、内層部64を軟化された状態(半溶融した状態)で維持する。外層部63が硬化された状態となることにより、無線通信タグ2は、外層部63と一体となった枠部65によって位置決めされるとともに、接着により固定される。
【0063】
温度調整工程の後、図15に示すように、完成容器成形用金型(ブロー金型)を用いてブロー成形工程を実施する。本実施形態では、ブロー金型は、それぞれ一つずつ設けられた頂側キャビティ80及び底側キャビティ81と、一対の幅側キャビティ82、83と、で構成される。頂側キャビティ80は、成形前容器6の首部66を支持するパーツである。幅側キャビティ82、83は、成形前容器6の外層部63を支持するパーツである。底側キャビティ81は、成形前容器6のブロー成形時の形状を外層部63とともに規制するパーツである。本実施形態では、頂側キャビティ80として、射出成形工程で用いた射出金型7の頂側コア71を利用する。なお、ブロー金型は、このようなパーツ80、81、82、83で構成される以外に、これらと異なる数や形状のパーツで構成されてもよい。
【0064】
温度調整工程の後、型締め工程において、底側キャビティ81を頂側に移動させるとともに、幅側キャビティ82、83を幅方向内側に移動させて、ブロー金型8の型締め動作を完了させる。型締め工程では、底側キャビティ81を成形前容器6の内層部64の底側端縁に当接する位置まで移動させるとともに、幅側キャビティ82、83を、それぞれ、成形前容器6の外層部63に当接する位置まで移動させる。
【0065】
型締め動作が完了したブロー金型8では、底側キャビティ81の外周部の頂側を向いた面が、成形前容器6の内層部64の底側端縁に当接する。また、このブロー金型8において、幅側キャビティ82、83の幅方向内側を向いた面が、それぞれ、成形前容器6の外層部63の外面631の全域に当接する。
【0066】
型締め動作が完了したブロー金型8を用いて、図16に示すように、ブロー成形工程を行うことで無線通信タグ付き容器1を形成する。ブロー成形工程は、成形前容器6の外層部63を硬化させた状態で、内層部64を膨らませて成形前容器6をブロー成形する工程である。本実施形態では、ブロー成形工程において、射出成形工程における内層部64の熱を利用して成形前容器6をブロー成形できる。ブロー成形工程では、内層部64が、無線通信タグ2、外層部63、及び、底側キャビティ81に当接する形状となるまで膨らむ。
【0067】
ブロー成形工程により、内層部64が、内胴本体部43及び覆部44を有する内胴部40になる。具体的に、ブロー成形工程では、内層部64が膨らんで硬化した外層部63及び枠部65に重なる。このとき、内層部64が、外層部63及び枠部65に倣って変形する。変形後の内層部64は、厚みが略同じである内胴本体部43と、覆部44と、を有する(図5参照)。覆部44は、枠部65に倣って成形される。より具体的に、覆本体部440は、無線通信タグ2の内面22に倣って成形される。覆連結部441は、外層部63と枠部65との段差Sに倣って成形される。なお、本実施形態では、内層部64は、内胴部40に加えて、内底部41及び内肩部42になる。
【0068】
ブロー成形工程の後、図17に示すように、無線通信タグ付き容器1をブロー金型8から取り出す取り出し工程を行う。具体的に、頂側キャビティ80を頂側に移動させ、底側キャビティ81を底側に移動させるとともに、幅側キャビティ82、83を幅方向外側に移動させて、ブロー金型8の型開き動作を行うことで、無線通信タグ付き容器1を取り出す。ブロー成形工程後の無線通信タグ付き容器1では、外層部3の内面35に内層部4の外面45が密着している。
【0069】
以上のように、無線通信タグ付き容器1によれば、図3に示すように、容器1の成形時に、無線通信タグ2は、枠部5の支持部50に嵌め込まれて当接部51が当接した状態で位置決めされるから、精度良く配置できる。また、無線通信タグ2が、外層部3と内層部4との間に配置されるため、無線通信タグ付き容器1に何らかの衝撃が加わったとしても、無線通信タグ2は容器1から外れにくい。さらに、無線通信タグ付き容器1を切断等しない限り、無線通信タグ2が容器1から外れないため、この容器1の無線通信タグ2の改ざんを防ぐこともできる。
【0070】
本実施形態に係る無線通信タグ付き容器1によれば、枠部5が外層部3に一体形成され、頂側当接部510が外胴部30と外肩部32との連続部分33に配置されることにより、枠部5の剛性が増して、容器1の成形時に無線通信タグ2を精度良く位置決めできる。また、頂側当接部510が頂側から無線通信タグ2に当接するため、成形時に(具体的には、射出成形後に)、無線通信タグ2が位置ずれすることがない。
【0071】
また、本実施形態に係る無線通信タグ付き容器1によれば、図6に示すように、底側当接部511が、当接本体部515と底延設部516とを備えるので、無線通信タグ2が外層部3に完全に密着していない場合であっても、金型に無線通信タグ2が残ることなく型抜きすることができる。また、底側当接部511が底側から無線通信タグ2に当接するため、成形時に(具体的には、射出成形後に)、無線通信タグ2が位置ずれすることがなく、容器胴部10側から容器肩部12側に型抜きすることができる。
【0072】
さらに、本実施形態では、図3に示すように、枠部5が、外胴部30と内胴部40との間という広い面積の部分に配置されるため、無線通信タグ付き容器1の成形時に枠部5を配置しやすい。また、無線通信タグ2が無線通信タグ付き容器1の容器胴部10に配置されることになるため、この容器1の側方から無線通信タグ2を読み取る際に便利である。
【0073】
以上の無線通信タグ付き容器1の製造方法によれば、ブロー成形工程で、成形前容器6の外層部63を硬化させた状態で内層部64を膨らませて成形前容器6をブロー成形するので(図16参照)、無線通信2タグが外層部63の内面630に取り付けられていても、硬化している外層部63に対して内層部64を膨らませて無線通信タグ付き容器1を精度良く成形することができる。
【0074】
本実施形態の無線通信タグ付き容器1の製造方法によれば、射出成形工程のときに、無線通信タグ2を成形前容器6の外層部63の内面630に取り付けることができ、射出成形とブロー成形を連続で行うことができるため、無線通信タグ付き容器1を効率よく製造できる。
【0075】
また、本実施形態の無線通信タグ付き容器1の製造方法によれば、成形前容器成形工程の後、ブロー成形工程前に、硬化工程で成形前容器6の外層部63を硬化させるので(例えば、温度調整工程で成形前容器6の外層部63の温度を下げて外層部63を硬化させるので)、ブロー成形工程で成形前容器6の内層部64を膨らませた後の形状が、外層部63により規制されるため、成形前容器6の内層部64を精度良くブロー成形できる。
【0076】
さらに、本実施形態では、射出成形工程において、射出金型7のキャビティ70の外面700のうち平坦な面に無線通信タグ2が設置されているため、無線通信タグ2は、平坦な状態を保ったまま、成形前容器6の外層部63に取り付けられる。これにより、完成した無線通信タグ付き容器1において、無線通信タグ2は平坦な状態を維持できるため、無線通信タグ2が湾曲した構成と比べて、無線通信タグ2を読み取りやすい。
【0077】
本実施形態では、射出金型7のキャビティ70のタグ設置部7010が、外肩部32を成形する部位である第二部位702の方に開放している(図13参照)。そのため、射出成形によって、この開放部分にも溶融樹脂が充填されて無線通信タグ2が位置決めされ、さらに、射出金型7の型開きの際にキャビティ70を抜くときに、無線通信タグ2がキャビティ70に引っ掛かることがない。
【0078】
なお、本発明の無線通信タグ付き容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0079】
上記実施形態では、枠部5は、外層部3に一体形成されていたが、枠部5は、外胴部30と内胴部40との間に配置される構成であれば、内層部4に一体形成されてもよい。この場合、枠部5を覆う覆部は、外層部3に設けられればよく、外層部3に設けられた覆部は、枠部5を径方向外側から覆う。また、この場合、枠部5の支持部50は、径方向内側に凹んだ支持部となる。
【0080】
上記実施形態では、枠部5は、外胴部30と内胴部40との間に配置されていたが、外肩部32と内肩部42との間に配置されていてもよい。この場合、無線通信タグ2が、無線通信タグ付き容器1の容器肩部12に配置されるため、この容器1の上方から無線通信タグ2を読み取る際に便利である。
【0081】
上記実施形態では、枠部5の当接部51は、頂側当接部510、底側当接部511、周側当接部513を備えていたが、これらのうち少なくとも一つを備えていればよい。また、各当接部510、511、513の形状は、上記実施形態の構成に限定されない。例えば、上記実施形態では、底側当接部511は、一対設けられていたが、一つのみ設けられていてもよく、無線通信タグ2の底側外周部201の底側を向いた面の幅方向の全域に当接する構成であってもよい。この場合、底側当接部511は、底側外周部201に当接する当接本体部515と、当接本体部515の幅方向の両端部からそれぞれ底側に延設される底延設部516と、を備えてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、頂側当接部510が、無線通信タグ2の頂側外周部200の幅方向の全域に沿って延びていたが、頂側外周部200の幅方向の一部に沿って延びる構成であってもよい。この場合、複数の頂側当接部510が無線通信タグ2の幅方向に隙間を空けて配置されていてもよい。同様に、周側当接部513は、各幅側外周部203に一つずつ設けられ、且つ、無線通信タグ2の幅外周部203の高さ方向の全域に沿って延びていたが、各幅側外周部203に複数設けられ、無線通信タグ2の幅外周部203の高さ方向に隙間を空けて配置されていてもよい。
【0083】
上記実施形態では、一つの無線通信タグ付き容器1に対して一つの無線通信タグ2が設けられていたが、この構成に限定されない。例えば、無線通信タグ付き容器1に対して複数の無線通信タグ2が設けられていてもよい。この場合、容器1の容器胴部10の径方向に対向する位置にそれぞれ無線通信タグ2が配置されていてもよい。また、容器1の容器胴部10及び容器肩部12に、一つずつ無線通信タグ2が配置されていてもよい。
【0084】
上記実施形態では、タグ設置工程において、キャビティ70の外面700のうち幅方向外側に向いた面に、無線通信タグ2を配置していたが、この外面700のうち頂側を向いた面に無線通信タグ2を配置してもよい。この場合、完成後の無線通信タグ付き容器1において、無線通信タグ2が外肩部32と内肩部42との間に配置される。
【0085】
また、上記実施形態では、無線通信タグ2が、成形前容器6の外層部63の内面630に取り付けられていたが(図9参照)、内層部64の外面640に取り付けられてもよい(図8参照)。この場合、例えば、図12に示すタグ設置工程において、キャビティ70の内面703の幅方向内側を向いた面に、無線通信タグ2を配置して、射出金型7の空間74に溶融樹脂を充填することで、熱により無線通信タグを内層部64の外面640に取り付ければよい。このような場合においても、ブロー成形工程で、成形前容器6の外層部63を硬化させた状態で内層部64を膨らませて成形前容器6をブロー成形することで、無線通信2タグが内層部64の外面640に取り付けられていても、硬化している外層部63に対して内層部64を膨らませて無線通信タグ付き容器1を精度良く成形することができる。
【0086】
なお、無線通信タグ2をキャビティ70の内面703の幅方向内側を向いた面に配置する場合、タグ設置工程において、無線通信タグ2をキャビティ70の頂側端部よりも底側の部位の内面703に配置すると、無線通信タグ2が外胴部30と内胴部40との間に配置された無線タグ付き容器1が得られる。一方、無線通信タグ2をキャビティ70の頂側端部の内面703に配置すると、無線通信タグ2が外肩部32と内肩部42との間に配置された無線タグ付き容器1が得られる。
【0087】
上記実施形態では、一回の射出成形により、成形前容器6の外層部63及び内層部64を形成していたが、外層部63と内層部64とを別々に成形し、成形前容器6となるように一体化してもよい。
【0088】
上記実施形態では、無線通信タグ2に設けられた感熱性接着剤により、無線通信タグ2が外層部63の内面630に接着していたが、この接着剤が無くても、射出成形工程の際に、無線通信タグ2を囲む溶融樹脂が硬化されることで、無線通信タグ2が外層部63に取り付けられる。
【0089】
また、上記実施形態では、高温の射出金型7を用いた射出成形工程の後に、温度調整工程を行い、内層部64の温度を維持するとともに外層部63の温度を下げていたが、低温の射出金型7を用いた射出成形工程の後に、温度調整工程を行い、内層部64の温度を上げるととともに外層部63の温度を維持してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…無線通信タグ付き容器(容器)、2…無線通信タグ、3…外層部、4…内層部、5…枠部、6…成形前容器、7…射出金型、8…ブロー金型、10…容器胴部、11…容器底部、12…容器肩部、13…容器首部、20…外周部、21…外面、22…内面、30…外胴部、32…外肩部、33…連続部分、35…内面、40…内胴部、41…内底部、42…内肩部、43…内胴本体部、44…覆部、45…外面、50…支持部、51…当接部、63…外層部、64…内層部、65…枠部、66…首部、70…キャビティ、71…頂側コア、72、73…幅側コア、74…空間、80…頂側キャビティ、81…底側キャビティ、82、83…幅側キャビティ、100…端部、101、102…開口端、110…外周部、111…中央部、120…開口端、200…頂側外周部、201…底側外周部、203…幅外周部、300…頂部、301…内面、320…内面、420…外面、430…外面、440…覆本体部、441…覆連結部、442…本体部位、443…頂側部位、444…底側部位、445…周側部位、446…覆面、500…支持面、510…頂側当接部、511…底側当接部、512…開放部、513…周側当接部、515…当接本体部、516…当接本体部、516…底延設部、630…内面、631…外面、632…外胴部、633…外肩部、634…連続部分、640…外面、650…支持部、651…当接部、700…外面、701…第一部位、702…第二部位、703…内面、6510…頂側当接部、6511…底側当接部、6512…開放部、6513…周側当接部、6515…当接本体部、6516…底延設部、7010…タグ設置部、S…段差
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17