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特開2024-119205処理装置、処理方法及び処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119205
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20240827BHJP
   G06Q 10/063 20230101ALI20240827BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240827BHJP
【FI】
H04M3/51
G06Q10/063
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025943
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】松本 直文
【テーマコード(参考)】
5K201
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5K201BA13
5K201BA14
5K201BC06
5K201CB16
5K201DC02
5K201DC04
5K201EC04
5K201EC06
5K201EC09
5K201FB03
5L010AA06
5L049AA06
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来と比べて利便性を向上させる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供する。
【解決手段】改善提案処理手順RT2において、履歴集計装置16は、改善指標問い合わせを受信する処理SP11と、変更前の設定変更情報に基づく比較元集計情報と変更後の設定変更情報に基づく比較先集計情報とが比較された、履歴集計装置16を含むコンタクトセンタシステムのシステム動作に関わる比較情報のうち、改善指標問い合わせを満たす比較情報を記憶装置12から抽出して、該比較情報に含まれる比較先集計IDを取得する処理SP12と、比較先集計IDに該当する最終変更IDに紐づけられた設定変更情報を記憶装置12から取得する処理SP13と、最終変更IDに紐づけられた設定変更情報における変更情報を送信する処理SP14と、を実行する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置であって、
第1指標情報を受信する第1処理部と、
変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の前記第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、前記処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、前記第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理部と、
前記第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理部と、
前記第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理部と
を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記第1処理部は、第1装置から前記第1指標情報を受信し、
前記第4処理部は、前記第2システム設定情報を前記第1装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記所定の記憶部は、第2装置又は前記処理装置の少なくとも何れか一方に備えられる
ことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
所定の記憶部から履歴情報を取得して変更前の前記第1システム設定情報に基づく前記第1集計情報を生成すると共に、所定の記憶部から履歴情報を取得して変更後の前記第1システム設定情報に基づく前記第2集計情報を生成する第5処理部と、
前記第1集計情報と前記第2集計情報とを比較し前記比較情報を生成する第6処理部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
処理装置の処理方法であって、
第1指標情報を受信する第1処理ステップと、
変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の前記第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、前記処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、前記第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理ステップと、
前記第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理ステップと、
前記第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理ステップと
を有することを特徴とする処理方法。
【請求項6】
処理装置を、
第1指標情報を受信する第1処理部と、
変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の前記第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、前記処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、前記第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理部と、
前記第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理部と、
前記第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理部と
して機能させるための処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オペレータが顧客と通話を行うコールセンタにおいては、システムの運用設定の最適化を目指すための取り組みがされている。これに対し、オペレータのスキル毎にキューを設け、待ち時間や待ち呼数が一定レベルを超えた場合に、オペレータを繁忙なキューのスキルに割り当てる処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6486690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこのような処理装置においては、システム運用設定を予測した上で最適化するものの、システム運用設定が変更された後の状態を評価することは十分に行っていなかった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮したものであり、従来と比べて利便性を向上させ得る処理装置、処理方法及び処理プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の処理装置においては、処理装置であって、第1指標情報を受信する第1処理部と、変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理部と、第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理部と、第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理部とを設けるようにした。
【0007】
また本発明の処理方法においては、処理装置の処理方法であって、第1指標情報を受信する第1処理ステップと、変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理ステップと、第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理ステップと、第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理ステップとを有するようにした。
【0008】
さらに本発明の処理プログラムにおいては、処理装置を、第1指標情報を受信する第1処理部と、変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理部と、第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理部と、第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理部として機能させるようにした。
【0009】
これにより本発明は、システム設定が変更された後の状態を評価し、過去の設定変更の実績から指標を改善するために必要なシステム設定を提案することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、システム設定が変更された後の状態を評価し、過去の設定変更の実績から指標を改善するために必要なシステム設定を提案することができ、従来と比べて利便性を向上させ得る処理装置、処理方法及び処理プログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】コンタクトセンタシステムの構成を示すブロック図である。
図2】設定装置の構成を示すブロック図である。
図3】履歴集計装置の構成を示すブロック図である。
図4】設定変更情報の構成を示す図である。
図5】設定変更情報の例を示す図である。
図6】集計情報の構成を示す図である。
図7】集計情報の例を示す図である。
図8】比較情報の構成を示す図である。
図9】比較情報の例を示す図である。
図10】比較情報生成処理手順を示すシーケンスチャートである。
図11】改善提案処理手順を示すシーケンスチャートである。
図12】履歴集計装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.コンタクトセンタシステムの構成]
図1に示すように、コンタクトセンタシステム1は、CTI(Computer Telephony Integration)装置10、記憶装置12、設定装置14及び履歴集計装置16が設けられており、これらがネットワーク機器18を用いたIPネットワークである通信網を介して相互に接続されている。
【0014】
CTI装置10は、公衆網と接続されており、該公衆網からIPネットワークへ変換するゲートウェイ機能、電話呼やチャット呼を制御する機能、電話呼やチャット呼が発生した場合の履歴情報を記憶装置12に記録する機能を有している。記憶装置12は、コンタクトセンタシステム1の稼働に必要となるシステム設定の設定情報や履歴情報を記憶する。また記憶装置12は、設定変更情報40(図4)、集計情報42(図6)及び比較情報44(図8)を記憶する。設定装置14は、コンタクトセンタシステム1を稼働させるために必要な設定を記憶装置12から読み取ると共に該設定を変更した内容を記憶装置12に書き込む。履歴集計装置16は、記憶装置12に保存された履歴情報を集計することで集計情報42(図6)を導出し、記憶装置12に保存する。ネットワーク機器18は、ルータ、スイッチや無線アクセスポイント等により構成されている。
【0015】
[2.設定装置の構成]
図2に示すように、設定装置14は、設定装置制御部20を有している。設定装置制御部20は、設定装置14を統括的に制御する部分であり、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を有している。この設定装置制御部20は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや図示しない記憶部等から読み出した各種プログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行う。また設定装置制御部20は、所定のプログラムを実行することにより、情報通信部22、設定読み取り保存部24及び操作表示部26といった複数の機能ブロックを内部に形成する。
【0016】
情報通信部22は、履歴集計装置16及び記憶装置12と通信する。設定読み取り保存部24は、情報通信部22を介して記憶装置12から設定情報を読み取ると共に、情報通信部22を介して記憶装置12に対し設定情報を保存する。操作表示部26は、設定読み取り保存部24が記憶装置12から読み取った設定情報を所定の画面に表示する機能と、記憶装置12に保存する設定をユーザに指定させる機能とを有している。この操作表示部26は、設定装置14に接続されたモニタや操作デバイスを制御しても良く、又は、Webアプリケーションとして任意のクライアント端末から制御されても良い。
【0017】
[3.履歴集計装置の構成]
図3に示すように、履歴集計装置16は、履歴集計装置制御部30を有している。履歴集計装置制御部30は、履歴集計装置16を統括的に制御する部分であり、設定装置14の設定装置制御部20と同様に、図示しないCPU、RAM及びROM等を有している。この履歴集計装置制御部30は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや図示しない記憶部等から読み出した各種プログラムをCPUによって実行することにより、様々な処理を行う。また履歴集計装置制御部30は、所定のプログラムを実行することにより、情報通信部32、集計情報生成部34、比較情報生成部36及び変更情報通知部38といった複数の機能ブロックを内部に形成する。
【0018】
情報通信部32は、設定装置14及び記憶装置12と通信する。第5処理部としての集計情報生成部34は、情報通信部32を介し記憶装置12から取得した履歴情報を基に集計情報42(図6)を生成し、情報通信部32を介し記憶装置12に保存する。
【0019】
第6処理部としての比較情報生成部36は、情報通信部32を介し記憶装置12から取得した2つの集計情報42を比較して比較情報44(図8)を生成し、情報通信部32を介し記憶装置12に保存する。
【0020】
変更情報通知部38は、情報通信部32を介し設定装置14から改善指標問い合わせを受信すると、記憶装置12内に保存されている比較情報44のうち、改善指標問い合わせにより示される指標が改善指標問い合わせ通りに改善されている比較情報44を探索し、該当する比較情報44内の比較先集計IDの一覧を取得する。また変更情報通知部38は、取得した比較先集計IDに該当する集計情報42内の最終変更IDで示される設定変更情報40を記憶装置12から取得し、取得した設定変更情報40に含まれる変更情報を設定装置14に送信する。
【0021】
[4.設定変更情報の構成]
図4に示すように、設定変更情報40は、設定装置14により変更された設定情報を保持している。この設定変更情報40は、変更ID、変更日時及び変更情報により構成されている。変更IDは、設定変更情報40を一意に識別する識別子である。変更日時は、変更IDにより示される設定変更が実施された日時を示す。変更情報は、設定変更の内容を示す。変更情報の例としては、外線番号に割り当てられているIVR(Interactive Voice Response)処理の変更や、コンタクトセンタで勤務しているオペレータの担当する受電受付グループの変更等が考えられる。このような設定変更情報40の例を図5に示す。設定変更情報40は、設定装置14によりシステム設定が変更される度に蓄積されていく。
【0022】
[5.集計情報の構成]
図6に示すように、集計情報42は、履歴集計装置16が記憶装置12に記録された履歴情報を集計した結果を保持している。この集計情報42は、集計ID、集計日時、最終変更ID及び集計データにより構成されている。集計IDは、集計情報42を一意に識別する識別子である。集計日時は、集計IDにより示される集計情報42を履歴集計装置16が作成した日時を示す。最終変更IDは、集計情報42が生成される前に最後に実施された設定変更に該当する設定変更情報40(図4)の変更IDを示す。集計データは、履歴集計装置16により集計された結果を格納する。集計データの例としては、IVRで終了せずにオペレータに引き継がれた受電呼の割合を示すIVR透過率と、オペレータが受電呼に応答した割合を示す応答率と、受電呼がオペレータに通知されてからオペレータが応答するまでの時間を示す応答までの時間等が考えられる。これらの集計データの例であるIVR透過率、応答率及び応答までの時間は、指標とも呼ばれる。このような集計情報42の例を図7に示す。集計情報42は、履歴集計装置16により履歴集計処理が実行される度に蓄積されていく。
【0023】
[6.比較情報の構成]
図8に示すように、比較情報44は、履歴集計装置16が2つの集計情報42(図6)を抽出し集計データを比較した結果を保持している。この比較情報44は、比較元集計ID、比較先集計ID及び集計データ比較情報により構成されている。比較元集計ID及び比較先集計IDは、それぞれ比較元となる集計情報42の集計IDと比較先となる集計情報42の集計IDとを示す。ここで、比較元集計IDにより指定される集計情報42(以下では比較元集計情報とも呼ぶ)の集計データは、比較先集計IDで指定される集計情報42(以下では比較先集計情報とも呼ぶ)の集計データよりも前の時刻に集計されたデータである必要がある。集計データ比較情報は、比較元集計情報の集計データと比較先集計情報の集計データとが比較されたものである。集計データ比較情報の例としては、IVR透過率20[%]減少、応答率30[%]増加や、応答までの時間10秒短縮等が考えられる。例えば、IVR透過率20[%]減少とは、比較先集計情報の集計データのIVR透過率が比較元集計情報の集計データのIVR透過率に対し、20[%]減少したことを示している。このような比較情報44の例を図9に示す。比較情報44は、履歴集計装置16により集計比較処理が実行される度に蓄積されていく。
【0024】
[7.比較情報生成処理]
次に、コンタクトセンタシステム1において、比較情報44を生成する処理である図10に示す比較情報生成処理手順RT1について説明する。ステップSP1において履歴集計装置16の履歴集計装置制御部30は、集計情報生成部34により記憶装置12から履歴情報を取得して集計情報42を生成し、該集計情報42を記憶装置12に蓄積するように保存する。この集計情報42は、ステップSP1における履歴集計処理が実行される前に設定されたシステム設定であり、ステップSP2において変更される前のシステム設定に基づいたものとなる。このステップSP1における履歴集計処理は、ユーザからの指示やスケジュールされたバッチ処理の実行等の任意の方法によって実行される。
【0025】
ステップSP1における履歴集計処理が実行されたことを確認すると、ステップSP2において設定装置14の設定装置制御部20は、設定読み取り保存部24により記憶装置12からシステム設定を読み取ってシステム設定を変更し、このシステム設定の変更に関する設定変更情報40である第1設定変更情報40aを生成し、該第1設定変更情報40aを記憶装置12に蓄積するように保存する。この時点では、図5に示すように、変更IDが「変更ID_722」の設定変更情報40が、第1設定変更情報40aとなる。
【0026】
ステップSP3において履歴集計装置16の履歴集計装置制御部30は、集計情報生成部34により記憶装置12から履歴情報を再度取得して集計情報42を生成し、該集計情報42を記憶装置12に蓄積するように保存する。この集計情報42は、ステップSP2において変更されたシステム設定に基づいたものとなる。このステップSP3における履歴集計処理は、ステップSP1と同様に、ユーザからの指示やスケジュールされたバッチ処理の実行等の任意の方法によって実行される。
【0027】
ステップSP4において履歴集計装置制御部30は、2つの集計情報42を比較するために、以下の条件で2つの集計情報42である比較元集計情報42a及び比較先集計情報42bを比較情報生成部36により記憶装置12から取得する。具体的に比較情報生成部36は、最終変更IDが最新の設定変更情報40(すなわち第1設定変更情報40a)以外の集計情報42(図7)のうち、最新の集計情報42を比較元集計情報42aとして取得する。また比較情報生成部36は、集計日時が最新である最新の集計情報42を比較先集計情報42bとして取得する。このため、図7に示すように、集計IDが「集計ID_1860」の集計情報42が比較元集計情報42aとなり、集計IDが「集計ID_3060」の集計情報42が比較先集計情報42bとなる。
【0028】
ステップSP5において履歴集計装置制御部30は、取得した2つの集計情報42である比較元集計情報42a及び比較先集計情報42bにそれぞれ含まれる集計データの比較を比較情報生成部36により行うことにより集計比較処理を行い、比較情報44を生成し、該比較情報44を記憶装置12に蓄積するように保存する。
【0029】
このように履歴集計装置16は、比較情報44を生成することにより、設定変更情報40に記録された設定変更の内容が、集計情報42の集計データで示される指標に対しどのような影響を与えたかを確認することができる。
【0030】
[8.改善提案処理]
次に、コンタクトセンタシステム1において、比較情報44の集計データで示される指標の改善提案を行う処理である、図11に示す改善提案処理手順RT2について説明する。ステップSP11において設定装置14の設定装置制御部20は、改善したい指標の問い合わせである改善指標問い合わせを情報通信部22により履歴集計装置16へ送信する。この改善指標問い合わせは、例えば、応答率を10[%]改善する等の問い合わせである。
【0031】
履歴集計装置16の履歴集計装置制御部30は、改善指標問い合わせを設定装置14から受信すると、ステップSP12において、変更情報通知部38により、記憶装置12内に保存されている比較情報44のうち、改善指標問い合わせの内容を満たす比較情報44を探索し、該当する比較情報44内の比較先集計IDの一覧を取得する。変更情報通知部38は、例えば、応答率を10[%]改善するという改善指標問い合わせの場合、応答率が10[%]以上改善されている(すなわち増加している)比較情報44(図9)を記憶装置12内において探索する。
【0032】
ここで、図9に示す比較情報44a、44b、44c及び44dのうち、比較情報44a、44b及び44cは、応答率が10[%]以上増加しているものの、比較情報44dは、応答率が10[%]以上増加していない。このため変更情報通知部38は、比較情報44a、44b及び44cを、改善指標問い合わせの内容を満たす比較情報44として検出する。続いて変更情報通知部38は、それぞれ比較情報44a、44b及び44cの比較先集計IDである「集計ID_1260」、「集計ID_1860」及び「集計ID_2460」を取得する。
【0033】
ステップSP13において履歴集計装置制御部30は、取得した比較先集計IDに該当する(すなわち比較先集計IDで示される集計IDが付された)集計情報42(図7)内の最終変更IDで示される(すなわち最終変更IDで示される変更IDが付された)設定変更情報40を変更情報通知部38により記憶装置12から取得する。具体的に変更情報通知部38は、まず、比較先集計IDから取得した「集計ID_1260」、「集計ID_1860」及び「集計ID_2460」それぞれが集計IDとして設定された集計情報42(図7)を抽出する。続いて変更情報通知部38は、抽出した集計情報42内の最終変更IDから取得した「変更ID_721」及び「変更ID_722」それぞれが変更IDとして設定された設定変更情報40(図5)を抽出する。
【0034】
ステップSP14において履歴集計装置制御部30は、取得した設定変更情報40に含まれる変更情報を変更情報通知部38により設定装置14に送信する。
【0035】
設定装置14の設定装置制御部20は、変更情報を情報通信部22により履歴集計装置16から受信すると、ステップSP15において、取得した変更情報に基づき指標を改善するためにシステム設定を変更し、このシステム設定に関する設定変更情報40を生成し、記憶装置12に保存する。ここで、設定装置14は、設定変更情報40を操作表示部26により画面に表示し、利用者が目視で確認した上で手動にて設定変更を実施しても良く、又は、設定装置14が任意の方法により自動で設定の確認及び変更を実施しても良い。
【0036】
これにより設定装置14は、利用者に対し、指標を改善したい場合に過去の設定変更の実績からどのような設定変更を行えばよいかを確認させることができる。
【0037】
[9.履歴集計装置の機能構成]
ここで、履歴集計装置16における比較情報生成処理及び改善提案処理に関係する基本的な機能を機能ブロック図により表すと、図12のようになる。
【0038】
第1処理部50は、変更情報通知部38(図3)と対応しており、設定装置14から第1指標情報としての改善指標問い合わせを受信する。
【0039】
第2処理部52は、変更情報通知部38(図3)と対応しており、変更前の第1システム設定情報としての設定変更情報40(例えば「変更ID_721」の設定変更情報40)に基づく第1集計情報としての比較元集計情報42aと変更後の前記第1システム設定情報としての設定変更情報40(例えば「変更ID_722」の設定変更情報40)に基づく第2集計情報としての比較先集計情報42bとが比較された、履歴集計装置16を含むコンタクトセンタシステム1のシステム動作に関わる比較情報44のうち、改善指標問い合わせを満たす比較情報44を所定の記憶部としての記憶装置12から抽出して、該比較情報44に含まれる第1識別情報としての比較先集計IDを取得する。
【0040】
第3処理部54は、変更情報通知部38(図3)と対応しており、比較先集計IDに該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報としての最終変更IDに紐づけられた第2システム設定情報としての設定変更情報40を、所定の記憶部としての記憶装置12から取得する。
【0041】
第4処理部56は、集計情報生成部34(図3)と対応しており、第2システム設定情報としての設定変更情報40におけるシステム変更情報としての変更情報を、設定装置14に送信する。
【0042】
[10.効果等]
以上の構成において設定装置14は、設定変更情報40を記憶装置12に蓄積するように保存するようにした。また履歴集計装置16は、記憶装置12から履歴情報を取得して比較元集計情報42aを生成した後に、記憶装置12から履歴情報を再度取得して比較先集計情報42bを生成し、比較元集計情報42aと比較先集計情報42bとの集計データの比較を行って比較情報44を生成し、該比較情報44を記憶装置12に蓄積するように保存するようにした。
【0043】
このように履歴集計装置16は、設定変更情報40と比較情報44とを記録することにより、実施された設定変更がコンタクトセンタシステム1の指標に対しどのような影響を与えたかを確認可能にできる。
【0044】
また履歴集計装置16は、第1装置としての設定装置14から改善指標問い合わせを受信すると、改善指標問い合わせを満たす比較情報44を第2装置としての記憶装置12から抽出して、該比較情報44に含まれる比較先集計IDを取得し、取得した比較先集計IDに該当する集計情報42内の最終変更IDで示される設定変更情報40を記憶装置12から取得するようにした。さらに履歴集計装置16は、取得した設定変更情報40に含まれる変更情報を設定装置14に送信するようにした。
【0045】
このため履歴集計装置16は、過去の設定変更の実績から、コンタクトセンタシステム1の指標を改善するために必要な設定を提案できる。
【0046】
以上の構成によれば履歴集計装置16は、改善指標問い合わせを受信する第1処理部50と、変更前の設定変更情報40に基づく比較元集計情報42aと変更後の設定変更情報40に基づく比較先集計情報42bとが比較された、履歴集計装置16を含むコンタクトセンタシステム1のシステム動作に関わる比較情報44のうち、改善指標問い合わせを満たす比較情報44を記憶装置12から抽出して、該比較情報44に含まれる比較先集計IDを取得する第2処理部52と、比較先集計IDに該当する最終変更IDに紐づけられた設定変更情報40を記憶装置12から取得する第3処理部54と、最終変更IDに紐づけられた設定変更情報40における変更情報を送信する第4処理部56とを設けるようにした。
【0047】
これにより履歴集計装置16は、システム設定が変更された後の状態を評価し、過去の設定変更の実績から指標を改善するために必要なシステム設定を提案することができる。
【0048】
[11.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においてコンタクトセンタシステム1は、設定変更情報40(図4)を記憶装置12に記憶させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、コンタクトセンタシステム1は、記憶装置12に設定変更情報40の変更IDのみを記憶させた上で、該変更IDと、該変更IDと対応した変更日時及び変更情報とを、コンタクトセンタシステム1内の記憶装置12以外の所定の記憶部としての記憶装置に記憶させても良い。また、コンタクトセンタシステム1は、記憶装置12に設定変更情報40の変更IDのみを記憶させた上で、該変更IDと、該変更IDと対応した変更日時及び変更情報とを、コンタクトセンタシステム1外に配置され該コンタクトセンタシステム1とネットワークを介し接続された所定の記憶部としての記憶装置に記憶させても良い。
【0049】
また上述した実施の形態においてコンタクトセンタシステム1は、集計情報42(図6)を記憶装置12に記憶させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、コンタクトセンタシステム1は、記憶装置12に集計情報42の集計IDのみを記憶させた上で、該集計IDと、該集計IDと対応した集計日時、最終変更ID及び集計データとを、コンタクトセンタシステム1内の記憶装置12以外の所定の記憶部としての記憶装置に記憶させても良い。また、コンタクトセンタシステム1は、記憶装置12に集計情報42の集計IDのみを記憶させた上で、該集計IDと、該集計IDと対応した集計日時、最終変更ID及び集計データとを、コンタクトセンタシステム1外に配置され該コンタクトセンタシステム1とネットワークを介し接続された所定の記憶部としての記憶装置に記憶させても良い。
【0050】
さらに上述した実施の形態においてコンタクトセンタシステム1は、比較情報44(図8)を記憶装置12に記憶させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、コンタクトセンタシステム1は、記憶装置12に比較情報44の比較元集計IDのみを記憶させた上で、該比較元集計IDと、該比較元集計IDと対応した比較先集計ID及び集計データ比較情報とを、コンタクトセンタシステム1内の記憶装置12以外の所定の記憶部としての記憶装置に記憶させても良い。また、コンタクトセンタシステム1は、記憶装置12に比較情報44の比較元集計IDのみを記憶させた上で、該比較元集計IDと、該比較元集計IDと対応した比較先集計ID及び集計データ比較情報とを、コンタクトセンタシステム1外に配置され該コンタクトセンタシステム1とネットワークを介し接続された所定の記憶部としての記憶装置に記憶させても良い。
【0051】
このようにコンタクトセンタシステム1は、設定変更情報40、集計情報42及び比較情報44を、互いに同一の記憶装置に記憶させなくても良く、又は、設定装置14や履歴集計装置16に記憶させても良い。
【0052】
さらに上述した実施の形態において履歴集計装置16は、設定装置14から改善指標問い合わせを受信し、該設定装置14へ設定変更情報40の変更情報を送信する場合について述べた。本発明はこれに限らず、履歴集計装置16は、設定装置14以外から改善指標問い合わせを受信し、該設定装置14へ設定変更情報40の変更情報を送信したり、設定装置14から改善指標問い合わせを受信し、該設定装置14以外へ設定変更情報40の変更情報を送信したりしても良い。
【0053】
また上述した実施の形態においては、処理システムの具体例であるコンタクトセンタシステム1に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、コンタクトセンタシステム1とは異なる構成の処理システムに本発明を適用しても良い。さらに上述した実施の形態においては、処理装置の具体例である履歴集計装置16に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、履歴集計装置16とは異なる構成の処理装置に本発明を適用しても良い。
【0054】
さらに本発明は、上述した実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも適用範囲が及ぶものである。また本発明は、上述した実施の形態及び他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用した実施の形態や、抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加した実施の形態にも適用範囲が及ぶものである。
【0055】
さらに上述した実施の形態においては、第1処理部としての第1処理部50と、第2処理部としての第2処理部52と、第3処理部としての第3処理部54と、第4処理部としての第4処理部56とによって、処理装置としての履歴集計装置16を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1処理部と、第2処理部と、第3処理部と、第4処理部とによって、処理装置を構成しても良い。
【0056】
[12.付記]
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0057】
かかる課題を解決するため本発明の処理装置においては、処理装置であって、第1指標情報を受信する第1処理部と、変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理部と、第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理部と、第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理部とを設けるようにした。
【0058】
これにより本発明の処理装置は、システム設定が変更された後の状態を評価し、過去の設定変更の実績から指標を改善するために必要なシステム設定を提案することができ、かくして従来と比べて利便性を向上できる。
【0059】
また第1処理部は、第1装置から第1指標情報を受信し、第4処理部は、第2システム設定情報を第1装置に送信するようにした。
【0060】
さらに所定の記憶部は、第2装置又は処理装置の少なくとも何れか一方に備えられるようにした。
【0061】
さらに処理装置は、所定の記憶部から履歴情報を取得して変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報を生成すると共に、所定の記憶部から履歴情報を取得して変更後の第1システム設定情報に基づく第2集計情報を生成する第5処理部と、第1集計情報と第2集計情報とを比較し比較情報を生成する第6処理部とを設けるようにした。
【0062】
さらに本発明の処理方法においては、処理装置の処理方法であって、第1指標情報を受信する第1処理ステップと、変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理ステップと、第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理ステップと、第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理ステップとを有するようにした。
【0063】
これにより本発明の処理方法においては、システム設定が変更された後の状態を評価し、過去の設定変更の実績から指標を改善するために必要なシステム設定を提案することができ、かくして従来と比べて利便性を向上できる。
【0064】
さらに本発明の処理プログラムにおいては、処理装置を、第1指標情報を受信する第1処理部と、変更前の第1システム設定情報に基づく第1集計情報と変更後の第1システム設定情報に基づく第2集計情報とが比較された、処理装置を含むシステム動作に関わる比較情報のうち、第1指標情報を満たす比較情報を所定の記憶部から抽出して、該比較情報に含まれる第1識別情報を取得する第2処理部と、第1識別情報に該当する、最後に付与された識別情報である第2識別情報に紐づけられた第2システム設定情報を、所定の記憶部から取得する第3処理部と、第2システム設定情報におけるシステム変更情報を送信する第4処理部として機能させるようにした。
【0065】
これにより本発明の処理プログラムにおいては、システム設定が変更された後の状態を評価し、過去の設定変更の実績から指標を改善するために必要なシステム設定を提案することができ、かくして従来と比べて利便性を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、コンタクトセンタシステム等の顧客対応システムで広く利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1……コンタクトセンタシステム、10……CTI装置、12……記憶装置、14……設定装置、16……履歴集計装置、18……ネットワーク機器、20……設定装置制御部、22……情報通信部、24……設定読み取り保存部、26……操作表示部、30……履歴集計装置制御部、32……情報通信部、34……集計情報生成部、36……比較情報生成部、38……変更情報通知部、40……設定変更情報、40a……第1設定変更情報、42……集計情報、42a……比較元集計情報、42b……比較先集計情報、44、44a、44b、44c、44d……比較情報、50……第1処理部、52……第2処理部、54……第3処理部、56……第4処理部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
図12