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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119247
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】電線固定部材およびワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20240827BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20240827BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H02G3/30
H01B7/00 301
F16B2/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026014
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】月森 直人
【テーマコード(参考)】
3J022
5G309
5G363
【Fターム(参考)】
3J022DA12
3J022DA30
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC22
3J022ED28
3J022FA05
3J022FB12
3J022FB16
3J022GA04
3J022GA16
3J022GB23
3J022GB27
3J022HA03
5G309AA09
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA15
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】汎用性の向上を可能にした電線固定部材およびワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】電線部材11を板状の被固定部13に固定するための電線固定部材12であって、電線固定部材12は、電線部材11を保持する保持部21と、被固定部13が配置される配置面24とを有する固定部材本体20と、固定部材本体20とは別体をなし、固定部材本体20に組み付けられる挟持部材30と、を備える。配置面24と挟持部材30とは、それらの間で被固定部13を挟持可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線部材を板状の被固定部に固定するための電線固定部材であって、
前記電線部材を保持する保持部と、前記被固定部が配置される配置面とを有する固定部材本体と、
前記固定部材本体とは別体をなし、前記固定部材本体に組み付けられる挟持部材と、
を備え、
前記配置面と前記挟持部材とは、それらの間で前記被固定部を挟持可能に構成されている、
電線固定部材。
【請求項2】
前記固定部材本体は、第1係止部を有し、
前記挟持部材は、前記第1係止部に引っ掛かる第2係止部を有し、
前記固定部材本体と前記挟持部材とは、前記第1係止部と前記第2係止部との引っ掛かりによって互いに固定され、
前記第1係止部および前記第2係止部は、前記挟持部材を前記配置面との間の距離が異なる複数の固定位置で固定可能に構成されている、
請求項1に記載の電線固定部材。
【請求項3】
前記第1係止部と当該第1係止部に引っ掛かる前記第2係止部との組み合わせは、複数設けられている、
請求項2に記載の電線固定部材。
【請求項4】
前記配置面および前記挟持部材のいずれか一方は、前記被固定部に設けられた孔に挿入される凸部を有している、
請求項1に記載の電線固定部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電線固定部材と、
前記電線固定部材に保持された電線部材と、を備える、
ワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電線固定部材およびワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、車両に設けられた板状のブラケットに固定される電線固定部材が記載されている。電線固定部材は、電線部材を保持する保持部と、板状のブラケットに固定される固定部とを備える。固定部は、ブラケットが挿入される挿入孔を有している。挿入孔の内部には、ブラケットが挿入孔から抜けないようにブラケットに引っ掛かる係止部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-110133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両におけるブラケットの板厚は、電線部材の重量等に応じて、強度確保の観点から様々な厚さに設定される。そして、上記のような電線固定部材では、ブラケットの板厚に合わせて挿入孔の大きさ等を設計する必要がある。例えば、第1のブラケットに適した電線固定部材を、第1のブラケットよりも板厚が薄い第2のブラケットに固定した場合を考える。この場合、電線固定部材の挿入孔と第2のブラケットとの間に生じる大きな隙間により、がたつきの発生や、さらには電線固定部材の脱落のおそれがある。したがって、ブラケットの板厚に応じた多種の電線固定部材を用意する必要があった。
【0005】
本開示の目的は、汎用性の向上を可能にした電線固定部材およびワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電線固定部材は、電線部材を板状の被固定部に固定するための電線固定部材であって、前記電線部材を保持する保持部と、前記被固定部が配置される配置面とを有する固定部材本体と、前記固定部材本体とは別体をなし、前記固定部材本体に組み付けられる挟持部材と、を備え、前記配置面と前記挟持部材とは、それらの間で前記被固定部を挟持可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の電線固定部材およびワイヤハーネスによれば、汎用性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態のワイヤハーネスを示す正面図である。
図2図2は、同形態のワイヤハーネスの平面図である。
図3図3は、図2における3-3線断面図である。
図4図4は、変更例における電線固定部材の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の電線固定部材は、
[1]電線部材を板状の被固定部に固定するための電線固定部材であって、前記電線部材を保持する保持部と、前記被固定部が配置される配置面とを有する固定部材本体と、前記固定部材本体とは別体をなし、前記固定部材本体に組み付けられる挟持部材と、を備え、前記配置面と前記挟持部材とは、それらの間で前記被固定部を挟持可能に構成されている。
【0010】
この構成によれば、固定部材本体の配置面と挟持部材との間の距離を変更することで、板厚が異なる種々の被固定部を、がたつきを抑えつつ挟持させることが可能となる。すなわち、配置面と挟持部材との間の距離を被固定部の板厚に応じて変更することで、板厚が異なる種々の被固定部に対応することが可能となる。したがって、電線固定部材の汎用性を向上させることが可能となる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記固定部材本体は、第1係止部を有し、前記挟持部材は、前記第1係止部に引っ掛かる第2係止部を有し、前記固定部材本体と前記挟持部材とは、前記第1係止部と前記第2係止部との引っ掛かりによって互いに固定され、前記第1係止部および前記第2係止部は、前記挟持部材を前記配置面との間の距離が異なる複数の固定位置で固定可能に構成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、第1係止部および第2係止部の構成によって、固定部材本体の配置面と挟持部材との間の距離を変更することが可能となる。
[3]上記[2]において、前記第1係止部と当該第1係止部に引っ掛かる前記第2係止部との組み合わせは、複数設けられていてもよい。
【0013】
この構成によれば、第1係止部と第2係止部との組み合わせが複数設けられることで、挟持部材を固定部材本体に強固に固定させることが可能となる。
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、前記配置面および前記挟持部材のいずれか一方は、前記被固定部に設けられた孔に挿入される凸部を有していてもよい。
【0014】
この構成によれば、被固定部の孔に挿入された凸部によって、被固定部が配置面と挟持部材との間から抜け出ることを抑制することが可能となる。
[5]本開示のワイヤハーネスは、上記[1]から[4]のいずれかの電線固定部材と、前記電線固定部材に保持された電線部材と、を備える。
【0015】
この構成によれば、上記の電線固定部材と同様の作用効果を奏することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の電線固定部材およびワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。また、本明細書における「平行」や「垂直」は、厳密に平行や垂直の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね平行や垂直の場合も含まれる。
【0016】
図1および図2に示すように、本実施形態のワイヤハーネス10は、例えば、自動車等の車両に設けられる。ワイヤハーネス10は、電線部材11と、電線固定部材12とを備える。電線固定部材12は、車両に設けられた板状の被固定部13に固定するための部品である。被固定部13は、例えば、金属製の板状ブラケットである。電線部材11は、2個以上の車載機器を電気的に接続する。電線部材11は、例えば、電線と、当該電線の外周を覆う外装部材とを備える。
【0017】
板状の被固定部13は、互いに平行をなす第1主面13xと第2主面13yとを有している。図3に示すように、被固定部13は、例えば孔14を有している。孔14は、例えば、被固定部13を第1主面13xから第2主面13yにかけて貫通する貫通孔である。
【0018】
(電線固定部材12)
図1および図2に示すように、電線固定部材12は、固定部材本体20と、固定部材本体20とは別体をなす挟持部材30とを備える。固定部材本体20および挟持部材30はそれぞれ、例えば合成樹脂にて形成されている。固定部材本体20と挟持部材30とは、被固定部13を板厚方向に挟持する。
【0019】
固定部材本体20は、電線部材11を保持する保持部21と、挟持部材30が取り付けられる取付部22とを有している。
図1に示すように、保持部21は、電線部材11の長さ方向から見て環状をなしている。保持部21は、電線部材11の外周を囲っている。これにより、電線部材11は、保持部21によって保持される。保持部21は、例えば、保持部21の内周面から突出する突出部23を有している。突出部23は、電線部材11に対して長さ方向に引っ掛かるように構成されている。突出部23が電線部材11に対して長さ方向に引っ掛かることによって、長さ方向における電線部材11と電線固定部材12との相対的な位置ずれが抑制されている。なお、電線部材11の前記外装部材が例えばコルゲートチューブの場合、突出部23は、当該コルゲートチューブの外周面の凹部に嵌まり込む。
【0020】
(取付部22)
図1および図2に示すように、取付部22は、被固定部13が配置される配置面24と、複数の第1係止部25とを有している。配置面24は、例えば、被固定部13に対して平行な平面状をなしている。
【0021】
図3に示すように、配置面24は、例えば、被固定部13の孔14に挿入される凸部26を有している。凸部26が孔14に入り込むことにより、被固定部13が配置面24と平行な方向において位置決めされる。例えば、被固定部13は、凸部26によって、幅方向D1および高さ方向D2において位置決めされる。
【0022】
図2に示すように、複数の第1係止部25は、例えば、取付部22の幅方向D1における両側面22aからそれぞれ突出する係止凸部である。取付部22の両側面22aに設けられた一対の第1係止部25は、取付部22の高さ方向D2に並ぶように複数組設けられている(図1参照)。当該一対の第1係止部25の組は、取付部22の高さ方向D2の一端部および他端部のそれぞれの近傍位置に設けられている。すなわち、本実施形態の取付部22には、4つの第1係止部25が設けられている。各第1係止部25には、挟持部材30における後述する固定片32がそれぞれ引っ掛かるようになっている。なお、取付部22の高さ方向D2は、配置面24と平行、かつ、幅方向D1に対して垂直な方向である。被固定部13は、配置面24と接するように高さ方向D2に沿って配置される。
【0023】
図1に示すように、固定部材本体20は、例えば、保持部21から取付部22にかけて、第1部位41と第2部位42とに2分割された構造をなしている。第1部位41と第2部位42とは、ヒンジ部43を介して互いに繋がっている。第1部位41、第2部位42およびヒンジ部43は一体に形成されている。第2部位42は、第1部位41に対し、ヒンジ部43を軸として回動可能である。ヒンジ部43は、例えば保持部21に設けられている。
【0024】
固定部材本体20の取付部22は、例えば、第1部位41の一部と第2部位42の一部とによって構成される。取付部22において第1部位41および第2部位42のそれぞれに設けられた図示しない連結部同士の連結によって、第1部位41と第2部位42とが閉じた状態が保持される。取付部22の配置面24は、例えば、第1部位41の一部と第2部位42の一部とによって形成される。第1係止部25は、取付部22において、例えば第1部位41および第2部位42のそれぞれに設けられている。
【0025】
(挟持部材30)
図1および図2に示すように、挟持部材30は、例えば、本体部31と、本体部31から延びる複数の固定片32とを有している。各固定片32は、本体部31から、配置面24に対して垂直な方向に延びている。各固定片32は、取付部22の各第1係止部25に引っ掛かる第2係止部33を有している。各固定片32における第2係止部33は、例えば、固定片32を幅方向D1に貫通する貫通孔である。そして、各固定片32の第2係止部33に各第1係止部25が入り込んで引っ掛かることによって、配置面24と本体部31とで被固定部13を板厚方向に挟んだ状態で、挟持部材30が取付部22に固定される。配置面24と本体部31とで被固定部13を挟持する状態では、配置面24は被固定部13の第1主面13xに接し、本体部31は被固定部13の第2主面13yに接する。
【0026】
取付部22の第1係止部25および挟持部材30の第2係止部33は、挟持部材30を配置面24との距離が異なる複数の固定位置で固定可能に構成されている。
詳しくは、各固定片32において、第2係止部33は、配置面24に対して垂直な方向に沿って複数設けられている。第2係止部33の個数は各固定片32で互いに同数である。また、配置面24に対して垂直な方向における第2係止部33同士の間隔についても、各固定片32で同じである。なお、図面では、各固定片32に3つの第2係止部33を図示しているが、各固定片32における第2係止部33の個数は、3つに限定されるものではなく、2つまたは4つ以上であってもよい。
【0027】
第1係止部25は、固定片32におけるいずれかの第2係止部33に引っ掛かるようになっている。そして、第1係止部25が固定片32におけるどの第2係止部33に引っ掛かるかによって、挟持部材30の本体部31と取付部22の配置面24との間の距離が変わるようになっている。
【0028】
挟持部材30は、例えば被覆部34を有している。被覆部34は、挟持部材30において、例えば高さ方向D2における固定片32同士の間に形成されている。被覆部34は、本体部31の幅方向D1の両端部からそれぞれ延出している。各被覆部34は、幅方向D1において、取付部22の側面22aと対向している。そして、被覆部34は、幅方向D1において、配置面24と本体部31との間の隙間を覆うように構成されている。これにより、幅方向D1から見て、配置面24と本体部31との間の隙間から被固定部13が露出することが、被覆部34によって防止されるようになっている。
【0029】
(本実施形態の作用)
被固定部13に対する電線固定部材12の組み付け態様について説明する。まず、被固定部13を固定部材本体20における配置面24に配置する。このとき、被固定部13の孔14に配置面24の凸部26を挿入する。
【0030】
次に、固定部材本体20における取付部22の第1係止部25に挟持部材30の第2係止部33を引っ掛けることにより、取付部22に対して挟持部材30を取り付ける。これにより、取付部22の配置面24と挟持部材30の本体部31とによって、被固定部13が板厚方向に挟持される。このとき、固定片32におけるどの第2係止部33に第1係止部25を引っ掛けるかによって、取付部22の配置面24と挟持部材30の本体部31との間の距離を調節可能である。したがって、配置面24と挟持部材30の本体部31との間の距離を、被固定部13の板厚に応じて調節することで、がたつきを抑えつつ被固定部13を配置面24と挟持部材30の本体部31とで挟持することが可能となっている。
【0031】
(本実施形態の効果)
(1)電線固定部材12は、固定部材本体20と、固定部材本体20に組み付けられる挟持部材30とを備える。そして、固定部材本体20の配置面24と挟持部材30とは、それらの間で被固定部13を挟持可能に構成されている。この構成によれば、固定部材本体20の配置面24と挟持部材30との間の距離を変更することで、板厚が異なる種々の被固定部13を、がたつきを抑えつつ挟持させることが可能となる。すなわち、配置面24と挟持部材30との間の距離を被固定部13の板厚に応じて変更することで、板厚が異なる種々の被固定部13に対応することが可能となる。したがって、電線固定部材12の汎用性を向上させることが可能となる。
【0032】
(2)固定部材本体20は、第1係止部25を有している。挟持部材30は、第1係止部25に引っ掛かる第2係止部33を有している。固定部材本体20と挟持部材30とは、第1係止部25と第2係止部33との引っ掛かりによって互いに固定される。そして、第1係止部25および第2係止部33は、挟持部材30を配置面24との間の距離が異なる複数の固定位置で固定可能に構成されている。この構成によれば、第1係止部25および第2係止部33の構成によって、固定部材本体20の配置面24と挟持部材30との間の距離を変更することが可能となる。
【0033】
(3)第1係止部25と当該第1係止部25に引っ掛かる第2係止部33との組み合わせは、複数設けられている。この構成によれば、第1係止部25と第2係止部33との組み合わせが複数設けられることで、挟持部材30を固定部材本体20に強固に固定させることが可能となる。
【0034】
(4)配置面24は、被固定部13に設けられた孔14に挿入される凸部26を有している。この構成によれば、被固定部13の孔14に挿入された凸部26によって、被固定部13が配置面24と挟持部材30との間から抜け出ることを抑制することが可能となる。
【0035】
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0036】
・固定部材本体20における第1係止部25、および、挟持部材30の第2係止部33の構成は上記実施形態に限定されるものではない。第1係止部25および第2係止部33は、挟持部材30を配置面24との間の距離が異なる複数の固定位置で固定可能に構成されていればよい。例えば、第1係止部25および第2係止部33の構成は、例えば図4に示すように変更可能である。
【0037】
図4に示すように、固定部材本体20の取付部22は、複数の凹凸形状を有する第1係止部51を有している。第1係止部51は、例えば、取付部22の幅方向D1の側面22aに形成された筒状部52の内周面の少なくとも一部に設けられている。第1係止部51では、配置面24に対して垂直な方向に沿って凹凸が交互に複数並んでいる。
【0038】
挟持部材30の固定片32は、複数の凹凸形状を有する第2係止部53を有している。第2係止部53では、配置面24に対して垂直な方向に沿って凹凸が交互に複数並んでいる。第2係止部53の凹凸形状は、第1係止部51の凹凸形状と同様に形成されている。固定片32が筒状部52に挿入されることにより、第1係止部51と第2係止部53とが配置面24に対して垂直な方向において互いに係合する。
【0039】
第1係止部51および第2係止部53は、配置面24に対して垂直な方向に沿って凹凸が交互に複数並ぶ構成を有している。これにより、第1係止部51および第2係止部53は、挟持部材30を配置面24との間の距離が異なる複数の固定位置で固定可能となっている。このような構成によっても、第1係止部51および第2係止部53の構成によって、配置面24と挟持部材30との間の距離を変更することが可能となる。
【0040】
・上記実施形態では、被固定部13の孔14に挿入される凸部26が配置面24に設けられたが、これに限らず、被固定部13の孔14に挿入される凸部が、挟持部材30の本体部31に設けられていてもよい。
【0041】
・被固定部13の孔14は、第1主面13xに形成された凹部であってもよい。すなわち、被固定部13の孔14は、被固定部13の第1主面13xから第2主面13yまでを貫通しない構成であってもよい。
【0042】
・上記実施形態の電線固定部材12では、固定部材本体20の第1係止部25と挟持部材30の第2係止部33との引っ掛かりにより、挟持部材30が固定部材本体20に固定されるが、これに特に限定されるものではない。例えば、電線固定部材12が、固定部材本体20および挟持部材30のそれぞれとは別体の連結部材を備え、その連結部材によって固定部材本体20の取付部22と挟持部材30とが互いに連結される構成であってもよい。この場合、当該連結部材は、挟持部材30の本体部31と配置面24との間の距離を変更可能に、取付部22と挟持部材30とを連結する。これにより、挟持部材30の本体部31と配置面24との間の距離を、被固定部13の板厚に応じて調節することが可能となる。
【0043】
・電線固定部材12における保持部21の形状等の構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、保持部21を電線部材11の長さ方向に延びる延出片とし、当該延出片に電線部材11がテープ巻き等により固定される構成であってもよい。
【0044】
・固定部材本体20において、取付部22は、第1部位41および第2部位42のいずれか一方のみに形成されていてもよい。
・上記実施形態の被固定部13は平板状をなすが、これに限らず、例えば、幅方向D1における被固定部13の端部が例えば略直角に屈曲した形状であってもよい。
【0045】
・今回開示された実施形態及び変更例はすべての点で例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0046】
10 ワイヤハーネス
11 電線部材
12 電線固定部材
13 被固定部
13x 第1主面
13y 第2主面
14 孔
20 固定部材本体
21 保持部
22 取付部
22a 側面
23 突出部
24 配置面
25 第1係止部
26 凸部
30 挟持部材
31 本体部
32 固定片
33 第2係止部
34 被覆部
41 第1部位
42 第2部位
43 ヒンジ部
51 第1係止部
52 筒状部
53 第2係止部
D1 幅方向
D2 高さ方向
図1
図2
図3
図4