(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119248
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】電線固定部材
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20240827BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20240827BHJP
F16L 3/08 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H02G3/30
H02G3/04 037
F16L3/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026015
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】月森 直人
【テーマコード(参考)】
3H023
5G357
5G363
【Fターム(参考)】
3H023AA04
3H023AB01
3H023AC08
3H023AC71
3H023AD08
3H023AE06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G363AA04
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA16
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】簡単な構成でワイヤハーネスの垂れ下がりを防止可能とした電線固定部材を提供すること。
【解決手段】電線固定部材40は、床下パネルPの下方に配策されるワイヤハーネス10を床下パネルPに対して固定する。電線固定部材40は、ワイヤハーネス10の延在方向に沿って延びるとともにワイヤハーネス10を下方から支持可能な板状の支持板部51と、支持板部51における延在方向の複数箇所に設けられ、支持板部51から上方に延びて床下パネルPに固定可能な第1固定部52及び第2固定部53とを有する支持部材50を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象の下方に配策されるワイヤハーネスを前記取付対象に対して固定する電線固定部材であって、
前記ワイヤハーネスの延在方向に沿って延びるとともに前記ワイヤハーネスを下方から支持可能な板状の支持板部と、前記支持板部における延在方向の複数箇所に設けられ、前記支持板部から上方に延びて前記取付対象に固定可能な固定部と、を有する支持部材を備える、
電線固定部材。
【請求項2】
前記ワイヤハーネスにおける延在方向の一部を保持するとともに、前記支持板部に固定される保持固定部材を備える、
請求項1に記載の電線固定部材。
【請求項3】
前記固定部は、前記支持板部における幅方向の第1端部から上方に延びる第1固定部と、前記支持板部における幅方向の第2端部から上方に延びる第2固定部と、を含み、
前記第1固定部と前記第2固定部とは、前記支持板部における延在方向に交互に設けられている、
請求項1に記載の電線固定部材。
【請求項4】
前記固定部は、前記支持板部における幅方向のいずれか一方の端部にのみ設けられている、
請求項1に記載の電線固定部材。
【請求項5】
前記支持部材は、前記支持板部における幅方向の端部から上方に延びる側壁部を有する、
請求項1に記載の電線固定部材。
【請求項6】
前記固定部は、前記支持板部における幅方向の第1端部にのみ設けられ、
前記側壁部は、前記支持板部における幅方向の第2端部にのみ設けられている、
請求項5に記載の電線固定部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電線固定部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電線固定部材としては、例えば、ワイヤハーネスの延在方向の一部を把持するクリップを備え、クリップを取付対象にボルト締結するものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、例えば、車両の床下パネル等の取付対象の下方に配策されるワイヤハーネスを固定する場合は、例えば、ワイヤハーネスの延在方向の複数箇所にクリップを設けることで、ワイヤハーネスを取付対象に固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような電線固定部材では、ワイヤハーネスが柔軟性を有する場合に、クリップ同士の間でワイヤハーネスが垂れ下がってしまうという問題があった。なお、クリップを多数用いることでワイヤハーネスの垂れ下がりを抑制することが可能ではあるが、その場合、部品点数及び組み付け工数が増大してしまう。
【0005】
本開示の目的は、簡単な構成でワイヤハーネスの垂れ下がりを防止可能とした電線固定部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電線固定部材は、取付対象の下方に配策されるワイヤハーネスを前記取付対象に対して固定する電線固定部材であって、前記ワイヤハーネスの延在方向に沿って延びるとともに前記ワイヤハーネスを下方から支持可能な板状の支持板部と、前記支持板部における延在方向の複数箇所に設けられ、前記支持板部から上方に延びて前記取付対象に固定可能な固定部と、を有する支持部材を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の電線固定部材によれば、簡単な構成でワイヤハーネスの垂れ下がりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態におけるワイヤハーネス及び電線固定部材の概略構成図である。
【
図2】
図2は、一実施形態におけるワイヤハーネスと電線固定部材の模式側面図である。
【
図4】
図4は、別例におけるワイヤハーネスと電線固定部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の電線固定部材は、
[1]取付対象の下方に配策されるワイヤハーネスを前記取付対象に対して固定する電線固定部材であって、前記ワイヤハーネスの延在方向に沿って延びるとともに前記ワイヤハーネスを下方から支持可能な板状の支持板部と、前記支持板部における延在方向の複数箇所に設けられ、前記支持板部から上方に延びて前記取付対象に固定可能な固定部と、を有する支持部材を備える。
【0010】
同構成によれば、電線固定部材が備える支持部材は、ワイヤハーネスの延在方向に沿って延びる板状の支持板部と、支持板部における延在方向の複数箇所に設けられ支持板部から上方に延びる固定部を有する。固定部は、取付対象に固定され、ワイヤハーネスは、支持板部に支持される。よって、簡単な構成でワイヤハーネスの垂れ下がりを防止できる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記ワイヤハーネスにおける延在方向の一部を保持するとともに、前記支持板部に固定される保持固定部材を備えていてもよい。
同構成によれば、ワイヤハーネスにおける延在方向の一部を保持するとともに、支持板部に固定される保持固定部材を備えるため、ワイヤハーネスが支持板部から脱落することが防止される。
【0012】
[3]上記[1]または上記[2]において、前記固定部は、前記支持板部における幅方向の第1端部から上方に延びる第1固定部と、前記支持板部における幅方向の第2端部から上方に延びる第2固定部と、を含み、前記第1固定部と前記第2固定部とは、前記支持板部における延在方向に交互に設けられていてもよい。
【0013】
同構成によれば、支持板部における幅方向の第1端部から上方に延びる第1固定部と、支持板部における幅方向の第2端部から上方に延びる第2固定部とが支持板部における延在方向に交互に設けられているため、支持板部の姿勢が安定する。すなわち、例えば、固定部が支持板部における幅方向の第1端部にのみ設けられている構成では、支持板部は第2端部側が下方に向かうように撓んでしまう虞があるが、支持板部の撓みを抑えることができる。よって、ワイヤハーネスの垂れ下がりを安定して防止できる。
【0014】
[4]上記[1]または上記[2]において、前記固定部は、前記支持板部における幅方向のいずれか一方の端部にのみ設けられていてもよい。
同構成によれば、固定部は、支持板部における幅方向のいずれか一方の端部にのみ設けられているため、例えば、小さな配置スペースに配置することができる。すなわち、例えば、固定部が支持板部における幅方向の両方の端部に設けられている構成では、支持板部における幅方向の両方で固定スペースが必要になる場合があるが、これを回避することができる。
【0015】
[5]上記[1]から上記[4]のいずれか1つにおいて、前記支持部材は、前記支持板部における幅方向の端部から上方に延びる側壁部を有していてもよい。
同構成によれば、支持部材は、支持板部における幅方向の端部から上方に延びる側壁部を有するため、ワイヤハーネスが支持板部から脱落することが抑制される。
【0016】
[6]上記[5]において、前記固定部は、前記支持板部における幅方向の第1端部にのみ設けられ、前記側壁部は、前記支持板部における幅方向の第2端部にのみ設けられていてもよい。
【0017】
同構成によれば、固定部は、支持板部における幅方向の第1端部にのみ設けられているため、例えば、小さな配置スペースに配置することができる。また、側壁部は、支持板部における幅方向の第2端部にのみ設けられているため、ワイヤハーネスが支持板部の第2端部から脱落することが抑制される。なお、ワイヤハーネスが支持板部の第1端部から脱落することは、支持板部から上方に延びる固定部によって抑制される。
【0018】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の電線固定部材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」や「真円」は、厳密に平行や直交や真円の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交や真円の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0019】
(ワイヤハーネス10の全体構成)
図1に示すワイヤハーネス10は、2個又は3個以上の電気機器を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の車両Vの前部に設置されたインバータ11と、そのインバータ11よりも車両Vの後方に設置された高圧バッテリ12とを電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、車両Vの床下等を通るように配索される。例えば、ワイヤハーネス10の長さ方向の中間部は、車両Vの取付対象としての床下パネルPの下方である車室外を通るように配索される。
【0020】
インバータ11は、車両走行の動力源となる図示しない車輪駆動用のモータと接続される。インバータ11は、高圧バッテリ12の直流電力から交流電力を生成し、その交流電力をモータに供給する。高圧バッテリ12は、例えば、数百ボルトの電圧を供給可能なバッテリである。
【0021】
図2及び
図3に示すように、ワイヤハーネス10は、上記電気機器同士を電気的に接続する複数の電線20と、電線20の外周を覆う外装部材としてのコルゲートチューブ30とを備えている。
【0022】
(電線20の構成)
図3に示すように、本実施形態のワイヤハーネス10は、2本の電線20を有する。電線20は、芯線21と、該芯線21の外周を覆う絶縁被覆22とを有する。
【0023】
芯線21は、例えば、複数の導電性の素線をより合わせてなる撚線や、単芯線等によって構成されている。芯線21は、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料からなる。
【0024】
絶縁被覆22は、例えば、芯線21の外周面を全周にわたって被覆している。絶縁被覆22は、例えば、架橋ポリエチレンや架橋ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成分とする合成樹脂などの絶縁材料からなる。
【0025】
(コルゲートチューブ30の構成)
コルゲートチューブ30は、円筒状に形成されている。コルゲートチューブ30は、コルゲートチューブ30の長さ方向に沿って大径部と大径部よりも径の小さい小径部とが交互に連なって設けられた蛇腹構造を有している。なお、図中では、蛇腹構造を省略してコルゲートチューブ30を模式的に図示している。コルゲートチューブ30は、蛇腹構造によって柔軟性を有し、容易に屈曲可能とされている。コルゲートチューブ30の材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ABS樹脂などの合成樹脂が使用可能である。コルゲートチューブ30は、2本の電線20をまとめて覆っており、電線20を保護する。
【0026】
(電線固定部材40の構成)
図2及び
図3に示すように、電線固定部材40は、床下パネルPの下方に配策されるワイヤハーネス10を床下パネルPに対して固定する。電線固定部材40は、支持部材50と、保持固定部材としてのバンドクリップ60とを備える。
【0027】
(支持部材50の構成)
支持部材50は、支持板部51と、固定部としての第1固定部52及び第2固定部53とを有する。支持部材50は、金属材料からなる。支持板部51は、ワイヤハーネス10の延在方向に沿って延びるとともにワイヤハーネス10を下方から支持可能な板状に形成されている。
【0028】
第1固定部52及び第2固定部53は、支持板部51における延在方向の複数箇所に設けられ、支持板部51から上方に延びて床下パネルPに固定可能とされている。詳しくは、第1固定部52は、支持板部51における幅方向の第1端部51aから上方に延びている。第1固定部52は、第1端部51aから上方に延びる第1上延部52aと、第1上延部52aの上端から幅方向の外側に延びる第1固定片52bとを有する。また、第2固定部53は、支持板部51における幅方向の第2端部51bから上方に延びている。第2固定部53は、第2端部51bから上方に延びる第2上延部53aと、第2上延部53aの上端から幅方向の外側に延びる第2固定片53bとを有する。なお、支持板部51における幅方向とは、支持板部51の延在方向と交差する方向であって、
図3中の左右方向である。第1固定部52は、第1固定片52bを貫通して床下パネルPに形成された雌ねじ孔Paに螺合されるボルトBによって、床下パネルPに固定される。第2固定部53は、第2固定片53bを貫通して床下パネルPに形成された雌ねじ孔Paに螺合されるボルトBによって、床下パネルPに固定される。
【0029】
図2に示すように、第1固定部52と第2固定部53とは、支持板部51における延在方向に離れて設けられるとともに交互に設けられている。本実施形態では、第1固定部52と第2固定部53とは、支持板部51における延在方向の両端部と、両端部の間とに等間隔で合計4つ設けられている。
【0030】
(バンドクリップ60の構成)
バンドクリップ60は、ワイヤハーネス10における延在方向の一部を保持するとともに、支持板部51に固定される。バンドクリップ60は、可撓性を有する柔軟な帯状部61と、帯状部61の長さ方向の端部に設けられているロック部62と、ロック部62に設けられた係止部63とを有する。ロック部62は、帯状部61が通された状態で、その通す方向の反対方向である抜き方向への帯状部61の移動を規制して、帯状部61をロックするものである。バンドクリップ60は、帯状部61がワイヤハーネス10、詳しくはコルゲートチューブ30の周方向の全体を覆った状態でロック部62に通されることで、ワイヤハーネス10における延在方向の一部を保持する。そして、バンドクリップ60は、係止部63が支持板部51に設けられた係止孔51cに嵌着されることで、支持板部51に固定される。
【0031】
バンドクリップ60は、支持板部51の延在方向において、第1固定部52と第2固定部53との間にそれぞれ配置されている。すなわち、バンドクリップ60は、合計4つ設けられる第1固定部52と第2固定部53との各間に設けられており、3つ設けられている。なお、
図2では、ワイヤハーネス10は、模式的に直線状に図示されているが、弛み具合等に応じて、例えば、部分的に支持板部51に接触しつつ支持されることになる。
【0032】
次に、上記のように構成された電線固定部材40の作用について説明する。
ワイヤハーネス10は、電線固定部材40によって、床下パネルPに対して固定される。ワイヤハーネス10は、ワイヤハーネス10の延在方向に沿って延びる支持板部51に下方から支持されるため、ワイヤハーネス10の延在方向の一部が支持板部51よりも下方に垂れ下がってしまうことが防止される。また、ワイヤハーネス10は、地面側が支持板部51に覆われるため、例えば、地面側からの異物の衝突に対して保護される。
【0033】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)電線固定部材40が備える支持部材50は、ワイヤハーネス10の延在方向に沿って延びる板状の支持板部51と、支持板部51における延在方向の複数箇所に設けられ支持板部51から上方に延びる第1固定部52及び第2固定部53を有する。第1固定部52及び第2固定部53は、床下パネルPに固定され、ワイヤハーネス10は、支持板部51に支持される。よって、簡単な構成でワイヤハーネス10の垂れ下がりを防止できる。
【0034】
(2)電線固定部材40は、ワイヤハーネス10における延在方向の一部を保持するとともに、支持板部51に固定されるバンドクリップ60を備えるため、ワイヤハーネス10が支持板部51から脱落することが防止される。
【0035】
(3)支持板部51における幅方向の第1端部51aから上方に延びる第1固定部52と、支持板部51における幅方向の第2端部51bから上方に延びる第2固定部53とが支持板部51における延在方向に交互に設けられている。よって、支持板部51の姿勢が安定する。すなわち、例えば、固定部が支持板部51における幅方向の第1端部51aにのみ設けられている構成では、支持板部51は第2端部51b側が下方に向かうように撓んでしまう虞があるが、支持板部51の撓みを抑えることができる。よって、ワイヤハーネス10の垂れ下がりを安定して防止できる。
【0036】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、支持部材50は、固定部として第1固定部52及び第2固定部53を有するとしたが、これに限定されず、例えば、第1固定部52及び第2固定部53のいずれか一方を有していなくてもよい。すなわち、支持部材50は、支持板部51における幅方向のいずれか一方の端部にのみ設けられていてもよい。
【0037】
例えば、
図4に示すように、支持部材70は、固定部として第1固定部52のみを有していてもよい。このようにすると、例えば、小さな配置スペースに配置することができる。すなわち、例えば、固定部が支持板部51における幅方向の両方の端部に設けられている構成では、支持板部51における幅方向の両方で固定スペースが必要になる場合があるが、これを回避することができる。
【0038】
・上記実施形態では、電線固定部材40は、ワイヤハーネス10における延在方向の一部を保持するとともに、支持板部51に固定されるバンドクリップ60を備えるとしたが、これに限定されず、バンドクリップ60を備えていない構成としてもよい。
【0039】
例えば、
図4に示すように、変更してもよい。この例では、ワイヤハーネス10は、延在方向の全体が支持板部51に接触して支持されている。
・上記実施形態の支持部材50,70は、支持板部51における幅方向の端部から上方に延びる側壁部を有していてもよい。
【0040】
例えば、
図4に示すように、支持部材70は、第1固定部52のみを有し、支持板部51における幅方向の第2端部51bにのみ側壁部71を有する構成としてもよい。このようにすると、支持部材70は、支持板部51における幅方向の端部から上方に延びる側壁部71を有するため、ワイヤハーネス10が支持板部51から脱落することが抑制される。また、この例では、固定部は、支持板部51における幅方向の第1端部51aにのみ設けられている第1固定部52であり、第2固定部53を有さないため、例えば、小さな配置スペースに配置することができる。また、側壁部71は、支持板部51における幅方向の第2端部51bにのみ設けられているため、ワイヤハーネス10が支持板部51の第2端部51bから脱落することが抑制される。なお、ワイヤハーネス10が支持板部51の第1端部51aから脱落することは、支持板部51から上方に延びる第1固定部52によって抑制される。側壁部71は、支持板部51の延在方向の全体にもうけられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。また、側壁部71は、第1端部51aに設けられていてもよい。
【0041】
・上記実施形態では、電線固定部材40は、1つの支持部材50のみ備える構成としたが、これに限定されず、ワイヤハーネス10の延在方向に2つ以上の支持部材50を備える構成としてもよい。
【0042】
・上記実施形態では、第1固定部52及び第2固定部53を固定するボルトBは、床下パネルPに形成された雌ねじ孔Paに螺合されるとしたが、これに限定されず、例えば、床下パネルPの上方に配置したナットに螺合させてもよい。
【0043】
・上記実施形態では、第1固定部52及び第2固定部53は、ボルトBによって固定される第1固定片52b及び第2固定片53bを有するとしたが、これに限定されず、他の構成で床下パネルPに固定される第1固定部52及び第2固定部53としてもよい。
【0044】
・上記実施形態では、取付対象が車両Vの床下パネルPであるとしたが、これに限定されず、床下パネルPは、下方にワイヤハーネス10が配策される他の取付対象であってもよい。
【0045】
・上記実施形態では、ワイヤハーネス10は、コルゲートチューブ30を備えるとしたが、これに限定されず、コルゲートチューブ30を備えていない構成としてもよい。また、コルゲートチューブ30は、柔軟性を有するホース等の他の外装部材に変更してもよい。
【0046】
・上記実施形態では、ワイヤハーネス10は、2本の電線20を有するとしたが、これに限定されず、1本の電線20のみを有する構成としてもよいし、3本以上の電線20を有する構成としてもよい。
【0047】
・上記実施形態のワイヤハーネス10は、電線20の外周を覆うとともにコルゲートチューブ30に覆われる電磁シールド部材を有していてもよい。電磁シールド部材としては、例えば、導電性の素線が筒状に編み込まれた編組線等を用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 ワイヤハーネス
11 インバータ
12 高圧バッテリ
20 電線
21 芯線
22 絶縁被覆
30 コルゲートチューブ
40 電線固定部材
50 支持部材
51 支持板部
51a 第1端部
51b 第2端部
51c 係止孔
52 第1固定部(固定部)
52a 第1上延部
52b 第1固定片
53 第2固定部(固定部)
53a 第2上延部
53b 第2固定片
60 バンドクリップ(保持固定部材)
61 帯状部
62 ロック部
63 係止部
70 支持部材
71 側壁部
B ボルト
P 床下パネル(取付対象)
Pa 雌ねじ孔
V 車両