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特開2024-119251情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119251
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026019
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100174528
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 晋朗
(72)【発明者】
【氏名】朴 泰輝
(72)【発明者】
【氏名】松友 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】高西 宏明
(72)【発明者】
【氏名】吉村 美郁
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で取得することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチと、を取得する個別リーチ取得部と、前記第1リーチと、前記第2リーチと、・・・前記第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得するトータルリーチ取得部と、を有し、前記トータルリーチ取得部は、一の情報に接触しておらず他の情報に接触している者の数の規模であるインクリメンタルリーチとして、前記第1リーチから前記第Nリーチのうち、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮する一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視する、ことを特徴とする情報処理装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチと、を取得する個別リーチ取得部と、
前記第1リーチと、前記第2リーチと、・・・前記第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得するトータルリーチ取得部と、
を有し、
前記トータルリーチ取得部は、一の情報に接触しておらず他の情報に接触している者の数の規模であるインクリメンタルリーチとして、前記第1リーチから前記第Nリーチのうち、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮する一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記トータルリーチ取得部は、前記第1リーチから前記第Nリーチのうち、任意の2つの組み合わせである第mリーチPと第nリーチPが重複関係にある成分として、第mリーチPと、第nリーチPと、第mリーチPと第nリーチPの組み合わせ毎に独自に設定された予測重複係数Km・n(NEW)とを乗じた値を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予測重複係数Km・n(NEW)は、前記第mリーチPと、前記第nリーチPの対象となる第n情報の毎分平均視聴率とに基づいて設定される、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予測重複係数Km・n(NEW)は、第mリーチPと第nリーチPの重複リーチDm・nを、前記第mリーチPと前記第n情報の毎分平均視聴率の乗算値で除算した値に設定される、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記重複リーチDm・n、前記第mリーチP、及び、前記第n情報の毎分平均視聴率の少なくとも1つは、ピープルメーター個票に基づいて求められる、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチと、を取得する個別リーチ取得ステップと、
前記第1リーチと、前記第2リーチと、・・・前記第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得するトータルリーチ取得ステップと、
を有し、
前記トータルリーチ取得ステップでは、一の情報に接触しておらず他の情報に接触している者の数の規模であるインクリメンタルリーチとして、前記第1リーチから前記第Nリーチのうち、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮する一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視する、
ような各処理ステップをコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチと、を取得する個別リーチ取得ステップと、
前記第1リーチと、前記第2リーチと、・・・前記第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得するトータルリーチ取得ステップと、
を有し、
前記トータルリーチ取得ステップでは、一の情報に接触しておらず他の情報に接触している者の数の規模であるインクリメンタルリーチとして、前記第1リーチから前記第Nリーチのうち、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮する一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視する、
ような各処理ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビCM及びラジオCM並びにデジタル広告等をはじめとする各種情報への接触者数の規模(リーチ)を調査することは、既に周知であり、調査方法についても、種々の方法が知られている(例えば特許文献1-4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-028859号公報
【特許文献2】特開2020-161037号公報
【特許文献3】特開2021-157567号公報
【特許文献4】特開2022-156971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1-4を含む従来技術は、情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で取得するという観点において、改良の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で取得することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチと、を取得する個別リーチ取得部と、前記第1リーチと、前記第2リーチと、・・・前記第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得するトータルリーチ取得部と、を有し、前記トータルリーチ取得部は、一の情報に接触しておらず他の情報に接触している者の数の規模であるインクリメンタルリーチとして、前記第1リーチから前記第Nリーチのうち、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮する一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で取得することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報への接触者数の規模であるリーチを示す第1の模式図である。
図2】情報への接触者数の規模であるリーチを示す第2の模式図である。
図3】情報への接触者数の規模であるリーチを示す第3の模式図である。
図4】1つ~5つの情報に対応する1つ~5つのリーチのトータルリーチを求める場合の計算式の一例を示す図である。
図5】予測重複係数の設定の手法の一例を示す図である。
図6】情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7】情報処理装置を含むシステムの概略構成の一例を示す図である。
図8】情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図9】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムは、Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得するものである。
【0010】
情報処理装置は、単独で特定の機能を発揮する1つの装置の他、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数の装置をも含むものである。また、情報処理方法及び情報処理プログラムは、情報処理装置に含まれるコンピュータ(Central Processing Unit)が各種の処理ステップを実行することによって実現される。
【0011】
本開示において、第1情報、第2情報、・・・第N情報を含む「情報」は、テレビCM及びラジオCM並びにデジタル広告等をはじめとする各種情報を意味する。
【0012】
本開示において、「人」又は「者」は、個人のみならず、個人が属するグループ(例えば、世帯)を含む概念である。
【0013】
本開示において、「情報通信ネットワーク」は、インターネット及びモバイル通信ネットワーク等、公衆向けにデジタルデータを送信(配信)するための通信ネットワークの総称である。
【0014】
本開示において、「テレビCM」及び「ラジオCM」は、電波放送又はデータ放送にて配信される広告情報のみならず、インターネットテレビ及びIPサイマルラジオ等にて放送される広告情報をも含むものとする。
【0015】
本開示において、「デジタル広告」は、Web広告等、情報通信ネットワークを通じて配信される広告情報であり、広告対象の商品又はサービスに関する情報を掲載したWebサイトを含み、ポータルサイト、SNS(Social Network Service)サイト若しくは動画サイト等に掲載される広告、例えば、サイト利用者(閲覧者)に応じて内容が変化するターゲティング広告、アドネットワーク広告及びDSP(Demand-Side Platform)広告を含み、さらには、バナー広告を含むものとする。また、「デジタル広告」には、ブラウザによって表示されるものが含まれ、且つ、モバイルアプリケーション(いわゆる「アプリ」)を起動して表示されるものも含まれる。
【0016】
本開示において、「接触」とは、情報に接触する行為であり、その情報を知覚/認識したか否かは問わない。また、接触には、例えば、テレビの視聴、ラジオの聴取、Webサイトの利用(閲覧)、モバイルアプリケーションを通じた専用サイトの利用(閲覧)、新聞や雑誌等の購読、屋外又は公共機関で表示される広告等の視認等が挙げられる。また、「視聴」は、放送される番組及び広告をリアルタイムで視聴することの他に、番組及び広告を録画又は録音等して放送後の一定期間内に再生して視聴したりWeb配信されるものを視聴したりする、いわゆるタイムシフト視聴を含む。
【0017】
本開示において、「到達」とは、前述の「接触」を含むと共に、ある場所/位置(具体的には、例えば、情報掲載媒体が設置された場所等)への物理的な到達、及び、ある状態(具体的には、例えば、情報掲載媒体を特定の態様で所持又は利用している状態等)への遷移や移行をも含むものとする。
【0018】
本開示において、第1情報、第2情報、・・・第N情報のそれぞれへの接触者数の規模に関する調査が実施され、その調査結果を示すデータが取得される。ここで、第1情報、第2情報、・・・第N情報は、互いに配信形態が異なる情報であってもよい。具体的に説明すると、第1情報、第2情報、・・・第N情報のうち、一の情報が、テレビ放送される情報(コンテンツ)であり、他の情報が、情報通信ネットワーク経由で配信される情報であってもよい。
【0019】
本開示において、第1情報、第2情報、・・・第N情報は、同一又は異なる商品又はサービスに関する広告情報であってもよい。つまり、第1情報、第2情報、・・・第N情報のうち、一の情報が、ある商品又はサービスに関するテレビCMであり、他の情報が、同一又は異なる商品又はサービスに関するデジタル広告(情報通信ネットワーク経由で配信される情報)であり、一の情報と他の情報は、互いに配信形態が異なる情報であってもよい。
【0020】
また、第1情報、第2情報、・・・第N情報の配信形態については、テレビ及びWeb等に限定されるものではなく、ラジオ放送されてもよく、また、デジタルサイネージ等の屋外に設置される情報表示デバイスにて表示されてもよく、また、店頭等に設置される情報表示器にて表示されてもよく、また、屋外の看板にて表示されてもよく、あるいは、新聞又は雑誌等の紙面にて表示されてもよい。
【0021】
また、第1情報、第2情報、・・・第N情報が表す内容については、広告に限定されず、広告以外のコンテンツ(例えば、ニュース又は記事、若しくは番組等)であってもよい。
【0022】
本開示において、「接触者数の規模」とは、リーチを意味し、具体的には、各調査の母集団の人数に対する、第1情報、第2情報、・・・第N情報に接触した者の人数の割合を意味する。ただし、これに限定されるものではなく、第1情報、第2情報、・・・第N情報への接触者数の絶対数を「接触者数の規模(リーチ)」としてもよい。
【0023】
第1情報、第2情報、・・・第N情報に含まれる少なくとも1つの情報が、ある商品又はサービスに関するテレビCMである場合、テレビCMへの接触者数の規模に関する調査は、テレビ視聴状況の調査である。この調査は、例えば、各日の各時間帯におけるテレビ視聴率を調査する調査会社によって行われる。具体的に、設定された母集団から統計学的手法に従って無作為に選出されたパネルを対象として実施され、各パネルのテレビ視聴状況を機械式手法にて調査する。より詳しく説明すると、各パネルの自宅には、テレビの視聴時間及び視聴チャンネル等を測定する公知の測定機器が設置されている。この測定機器により、各パネルのテレビの視聴状況が調査期間中、毎日調査される。
【0024】
上記の測定機器は、一定間隔(例えば、1分毎)の測定結果を示すデータを生成して、当該データを調査実施者に向けて送信する。調査実施者は、各パネルの測定機器から送られてくるデータを専用の通信回線を通じて収集する。これにより、調査実施者は、テレビの視聴状況を示すデータを、パネルの人数に応じた分、取得する。また、調査実施者は、各パネルから取得したデータをデータベース化して蓄積する。そして、調査実施者は、各パネルから収集したデータを解析し、所定の時間帯にて所定のテレビ局で放送される番組又はテレビCMについて、リーチとしての視聴率を特定する。例えば、調査実施者は、ある商品又はサービスに関するテレビCMが放送される時間帯及びテレビ局を入力情報とし、当該テレビCMの視聴率を、蓄積されたデータに基づいて特定する。このような意味で、当該データは、所定のテレビCMの視聴率(リーチ)を特定するために収集されるデータであると言える。
【0025】
なお、各パネルの自宅に設置された測定機器からのデータの送信については、分単位で行われてもよく、あるいは1時間分、若しくは1日分のデータをまとめて送信してもよい。また、ここでは、データが測定機器から通信回線を通じて送られてくることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、各パネルが所定の記入用紙にテレビの視聴状況(具体的には、それぞれの時間帯におけるテレビ局毎の視聴時間等)を記入し、調査実施者が記入済みの用紙を各パネルから回収し、回収した用紙の記入内容を調査実施者側で入力することで、各パネルのテレビ視聴状況を示すデータを取得してもよい。その他にも、例えば、各パネルがテレビ視聴した際にテレビ受信機にて蓄積されるデバイスログ、あるいはテレビ受信機からネット経由でテレビ放送局側に送られる視聴ログをデータとして取得してもよい。
【0026】
第1情報、第2情報、・・・第N情報に含まれる少なくとも1つの情報が、ある商品又はサービスに関するデジタル広告である場合、デジタル広告への接触者数の規模に関する調査は、デジタル広告の効果測定調査である。この調査は、例えば、各種のWeb広告への接触状況を調査する調査会社によって行われる。より詳しく説明すると、デジタル広告の効果測定調査は、コンバージョン測定等で利用されるタグマネージャを用いて実施され、調査対象として指定されたデジタル広告には追跡用タグが予め埋め込まれており、閲覧者が上記のデジタル広告をブラウザ又はアプリを通じて閲覧すると、閲覧者に関する情報及びその閲覧日時等が特定される。その特定結果を示すデータが調査実施者によって収集され、調査実施者は、上記のデジタル広告の閲覧者の人数に応じた数のデータをデータベース化して蓄積する。そして、調査実施者は、調査対象として指定されたデジタル広告について収集したデータを解析し、デジタル広告について、リーチとしての閲覧率を特定する。例えば、調査実施者は、ある商品又はサービスに関するデジタル広告の閲覧者の人数を、蓄積されたデータから特定し、特定した閲覧者数から閲覧率を特定する。このような意味で、当該データは、所定のデジタル広告についての閲覧率(リーチ)を特定するために収集されるデータであると言える。
【0027】
デジタル広告の効果測定調査者とテレビ視聴状況の調査者は、デジタル広告についての閲覧率(リーチ)と、テレビCMの視聴率(リーチ)とを互いに送受信してもよい。同じデジタル広告が複数のWebサイト(情報掲載媒体)に掲載される場合には、そのデジタル広告についての閲覧率がWebサイト毎(情報掲載媒体毎)に特定されてもよい。かかる場合、当該データは、閲覧率をWebサイト毎に特定する目的で収集される。
【0028】
なお、テレビCMへの接触者数の規模に関する調査を行う会社と、デジタル広告への接触者数の規模に関する調査を行う会社とは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0029】
また、本開示では、上記の2つの調査(デジタル広告の効果測定調査、テレビ視聴状況の調査)とは別に、複数の対象者に対して、複数のメディア接触状況に関する調査(他の調査)を実施してもよい。この調査は、各対象者について、テレビCMへの接触状況と、情報掲載媒体への到達頻度とを把握するための調査であってもよい。情報掲載媒体とは、例えば、デジタル広告を含む被掲載情報が掲載されるメディアであり、ここでは所定のWebサイト(具体的にはポータルサイト、動画サイト及びSNSサイト等)であるとする。情報掲載媒体には、当該情報掲載媒体への到達者(サイト閲覧者)に応じて内容が変わる被掲載情報が表示される。被掲載情報の一例としては、サイト閲覧者に応じて内容が変わる広告(所謂、ターゲティング広告)が挙げられる。
【0030】
なお、情報掲載媒体は、Webサイトに限定されるものではなく、例えば、デジタルサイネージ等の屋外に設置される情報表示デバイス、店頭等に設置される情報表示器、屋外の看板、新聞又は雑誌(これらの電子版を含む)、若しくはラジオ等の放送メディア等であってもよい。また、アプリ起動によってモバイル画面に表示されるWebサービス用のページも情報掲載媒体となる。また、情報掲載媒体に掲載される被掲載情報は、利用者に応じて内容が変わるターゲティング広告に限定されず、例えば、情報掲載媒体への到達者を問わずに共通して配信される純広告(バナー広告等)であってもよい。
【0031】
図1は、情報への接触者数の規模であるリーチを示す第1の模式図である。以下では、ある商品XについてのテレビCMを情報Aとし、同じ商品Xについてのデジタル広告を情報Bとするケースを具体例に挙げて説明することとする。
【0032】
商品XのテレビCMである情報Aについてのリーチ、すなわちリーチAは、テレビ視聴状況の調査の実施を通じて取得されるデータから特定することができる。具体的には、商品XのテレビCMを視聴したことがあるパネルの人数を、全パネルの人数で割ったときの値が、そのテレビCMについてのリーチAとなる。ここで、商品XのテレビCMを視聴したことがあるという事象を事象Aとした場合、リーチAは、図1に示すようにP(A)として表現される。図1は、各種のリーチを示す模式図(詳しくは、ベン図)である。
【0033】
商品Xのデジタル広告についてのリーチ、すなわちリーチBは、デジタル広告の効果測定調査の実施を通じて取得されるデータから特定することができる。具体的には、商品Xのデジタル広告の閲覧者の人数を、日本の全人口又はインターネット利用者の人数で割ったときの値が、そのデジタル広告についてのリーチBとなる。ここで、商品Xのデジタル広告を閲覧したことがあるという事象を事象Bとした場合、リーチBは、図1に示すようにP(B)として表現される。
【0034】
以上のようにリーチP(A)とリーチP(B)とは、それぞれ個々に特定し得る。一方、商品Xの広告の効果(例えば、商品Xの認知度)を確認するには、商品XのテレビCM及びデジタル広告のうちの少なくとも一方への接触者数の規模、すなわちトータルリーチを特定する必要がある。ここで、トータルリーチは、図1に示すように、リーチP(A)及びリーチP(B)の和集合P(A∪B)として表現される。
【0035】
トータルリーチP(A∪B)を特定するには、例えば、商品XのテレビCM及びデジタル広告の双方への接触者数の規模を求める必要がある。この規模は、リーチP(A)とリーチP(B)の積集合P(A∩B)に相当するリーチであり、以下では、交叉リーチP(A∩B)とも呼ぶ。また、図1では描いていないが、リーチP(A)から交叉リーチP(A∩B)を差し引いたものをリーチP(A∩B)で表記し、リーチP(B)から交叉リーチP(A∩B)を差し引いたものをリーチP(A∩B)で表記してもよい。
【0036】
図1に示すように、トータルリーチP(A∪B)は、リーチP(A)とリーチP(B)の総和から交叉リーチP(A∩B)を差し引いたものとして定義される。また、交叉リーチP(A∩B)は、リーチP(A)とリーチP(B)と所定の重複係数KABとを乗算した値として定義される。重複係数KABの設定の仕方については後に詳細に説明する。
【0037】
図2は、情報への接触者数の規模であるリーチを示す第2の模式図である。以下では、ある商品XについてのテレビCMを情報Aとし、同じ商品Xについてのデジタル広告を情報Bとし、同じ商品XについてのラジオCMを情報Cとするケースを具体例に挙げて説明することとする。商品XのラジオCMである情報Cについてのリーチ、すなわちリーチCは、ラジオ聴取状況の調査の実施を通じて取得されるデータから特定することができる。
【0038】
図2の例において、商品XのテレビCM、デジタル広告及びラジオCMのうちの少なくとも1つへの接触者数の規模、すなわちトータルリーチを特定する場合、当該トータルリーチは、図2に示すように、リーチP(A)とリーチP(B)とリーチP(C)の和集合P(A∪B∪C)として表現される。
【0039】
トータルリーチP(A∪B∪C)は、図1で求めたトータルリーチP(A∪B)に、情報Aと情報Bには接触していないが情報Cに接触している者の数の規模である、情報CについてのインクリメンタルリーチP(Cincre)を加算したものとして求められる。インクリメンタルリーチP(Cincre)は、リーチP(C)から、リーチP(A)とリーチP(C)と所定の重複係数KACとを乗算した値を減算し、リーチP(B)とリーチP(C)と所定の重複係数KBCとを乗算した値を減算し、さらに、リーチP(A)とリーチP(B)とリーチP(C)と所定の重複係数KABCとを乗算した値を加算することにより得られる。重複係数KACと重複係数KBCの設定の仕方については後に詳細に説明する。
【0040】
図2において、リーチP(A)とリーチP(B)とリーチP(C)の全てに重複する部分を交叉リーチP(A∩B∩C)で描いている。また、図2では描いていないが、交叉リーチP(A∩B)から交叉リーチP(A∩B∩C)を差し引いたものをリーチP(A∩B∩C)で表記し、交叉リーチP(A∩C)から交叉リーチP(A∩B∩C)を差し引いたものをリーチP(A∩B∩C)で表記し、交叉リーチP(B∩C)から交叉リーチP(A∩B∩C)を差し引いたものをリーチP(A∩B∩C)で表記してもよい。さらに、リーチP(A)から交叉リーチP(A∩B∩C)とリーチP(A∩B∩C)とリーチP(A∩B∩C)を差し引いたものをリーチP(A∩B∩C)で表記し、リーチP(B)から交叉リーチP(A∩B∩C)とリーチP(A∩B∩C)とリーチP(A∩B∩C)を差し引いたものをリーチP(A∩B∩C)で表記し、リーチP(C)から交叉リーチP(A∩B∩C)とリーチP(A∩B∩C)とリーチP(A∩B∩C)を差し引いたものをリーチP(A∩B∩C)で表記してもよい。
【0041】
本発明者は、鋭意研究の結果、トータルリーチを取得(算出)する場合において、対象となる情報(重複する情報)が3つ以上に増大したとき、インクリメンタルリーチの取得(算出)に当たり、2つのリーチが重複関係にある成分は、トータルリーチの精度に影響が大きい一方で処理負担(例えば演算量)が小さく、3つ以上のリーチが重複関係にある成分は、トータルリーチの精度に影響が小さい一方で処理負担(例えば演算量)が大きいことに着目した。
【0042】
そして、本発明者は、以下の(1)、(2)、(3)の構成を具備する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを着想するに至った。これにより、情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で取得することが可能になる。
(1)Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチと、を取得する。
(2)第1リーチと、第2リーチと、・・・第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得する。
(3)トータルリーチを取得するに際して、一の情報に接触しておらず他の情報に接触している者の数の規模であるインクリメンタルリーチとして、第1リーチから第Nリーチのうち、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮する(割り引く)一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視する(ゼロ近似する)。
【0043】
上記の構成要件を図2に当てはめると、トータルリーチを取得するに際して、インクリメンタルリーチとして、リーチP(A)とリーチP(B)とリーチP(C)のうち、2つのリーチが重複関係にある成分、すなわち、リーチP(A)とリーチP(C)と所定の重複係数KACとを乗算した値(KAC・P(A)・P(C))、及び、リーチP(B)とリーチP(C)と所定の重複係数KBCとを乗算した値(KBC・P(B)・P(C))を考慮に入れてこれを割り引く。一方、リーチP(A)とリーチP(B)とリーチP(C)のうち、3つのリーチが重複関係にある成分、すなわち、リーチP(A)とリーチP(B)とリーチP(C)と所定の重複係数KABCとを乗算した値(KABC・P(A)・P(B)・P(C))を無視してこれをゼロ近似する。
【0044】
図3A図3Bは、情報への接触者数の規模であるリーチを示す第3の模式図である。図3Aは、4つの情報A、B、C、Dに対応する4つのリーチA、B、C、DのトータルリーチP(A∪B∪C∪D)を求める場合を描いており、図3Bは、5つの情報A、B、C、D、Eに対応する5つのリーチA、B、C、D、EのトータルリーチP(A∪B∪C∪D∪E)を求める場合を描いている。
【0045】
図3A図3Bのいずれにおいても、トータルリーチを取得するに際して、インクリメンタルリーチとして、2つのリーチが重複関係にある成分だけを考慮に入れてこれを割り引く。一方、3つ、4つ、又は5つのリーチが重複関係にある成分を無視してこれをゼロ近似する。
【0046】
図4は、1つ~5つの情報に対応する1つ~5つのリーチのトータルリーチを求める場合の計算式の一例を示す図である。図4において、R~Rは、1枠目~5枠目のトータルリーチを示している。P~Pは、重複分を差し引く前の1枠目~5枠目のリーチを示している。Iは、N枠目のインクリメンタルリーチを示している。Dm・nは、M枠目とN枠目の重複リーチを示している。Km・nは、M枠目とN枠目の予測重複係数を示しており、実際には、後述する予測重複係数Km・n(NEW)が適用される。m及びnは、1~5のうち重複しない2つの自然数の組み合わせにより構成される。
【0047】
このように、1枠目~5枠目のリーチのうち、任意の2つの組み合わせである第mリーチPと第nリーチPが重複関係にある成分として、第mリーチPと、第nリーチPと、第mリーチPと第nリーチPの組み合わせ毎に独自に設定された予測重複係数Km・n(Km・n(NEW))とを乗じた値を算出して、これをインクリメンタルリーチの算出時に考慮に入れて割り引く。具体的に、2枠目のトータルリーチRの計算においては、「P×P×K1・2」の成分を考慮に入れてこれを割り引く。3枠目のトータルリーチRの計算においては、「P×P×K1・3」及び「I×P×K2・3」の成分を考慮に入れてこれを割り引く。4枠目のトータルリーチRの計算においては、「P×P×K1・4」、「I×P×K2・4」及び「I×P×K3・4」の成分を考慮に入れてこれを割り引く。5枠目のトータルリーチRの計算においては、「P×P×K1・5」、「I×P×K2・5」、「I×P×K3・5」及び「I×P×K4・5」の成分を考慮に入れてこれを割り引く。
【0048】
このように、1枠目~5枠目のトータルリーチR~Rを算出(取得)するに際し、インクリメンタルリーチとして、1枠目~5枠目のリーチP~Pのうち、2つのリーチが重複関係にある成分だけを考慮に入れてこれを割り引く。一方、1枠目~5枠目のリーチP~Pのうち、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視してこれをゼロ近似する。仮に、1枠目~5枠目のリーチP~Pのうち、3つ以上のリーチが重複関係にある成分も考慮して計算するならば、その計算式は非常に複雑で処理負担(例えば演算量)が多いものになるが、図4では、ゼロ近似して省略する計算式の部分を省略して描いている。例えば、3枠目のトータルリーチR3の計算においては「P×P×P×K1・2・3」の成分をゼロ近似して省略して描いている。これにより、1枠目~5枠目の情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で算出(取得)することができる。
【0049】
続いて、図5を参照して、重複リーチを算出(取得)する際に用いる予測重複係数の設定の手法について詳細に説明する。
【0050】
図4の例において、1枠目~5枠目のリーチP~Pのうち、任意の2つの組み合わせである第mリーチPと第nリーチPが重複関係にある成分(重複リーチ)として、第mリーチPと、第nリーチPと、第mリーチPと第nリーチPの組み合わせ毎に独自に設定された予測重複係数Km・n(Km・n(NEW))とを乗じた値を算出する。図5の例では、m=1かつn=2として、1枠目のリーチPと、2枠目のリーチPと、1枠目のリーチPと2枠目のリーチPの組み合わせに対して設定された予測重複係数K1・2とを乗じた値を算出する(P×P×K1・2)。これだけでは、従来一般に行われている過去の重複リーチの計算手法と言える。
【0051】
本開示では、未来予測の高精度化等を視野に入れて、予測重複係数K1・2を予測重複係数K1・2(NEW)に発展・昇華させて、1枠目のリーチPと2枠目のリーチPの組み合わせ毎に独自に設定された予測重複係数K1・2(NEW)を使用する。図4においては、数式の簡略化を目的として「P×P×Km・n」と簡略化して描いているが、これは、以下で説明する予測重複係数Km・n(NEW)を使用したものであることを想定している。
【0052】
ここで、予測重複係数K1・2(NEW)は、1枠目のリーチ(第1リーチ)Pと、2枠目のリーチ(第2リーチ)Pの対象となる2枠目の情報(第2情報)の毎分平均視聴率とに基づいて設定される。より具体的に、予測重複係数K1・2(NEW)は、1枠目のリーチ(第1リーチ)Pと2枠目のリーチ(第2リーチ)Pの重複リーチD1・2を、1枠目のリーチ(第1リーチ)Pと2枠目のリーチ(第2リーチ)Pの対象となる2枠目の情報(第2情報)の毎分平均視聴率の乗算値で除算した値に設定される。このように設定した予測重複係数K1・2(NEW)を使用することで、1枠目と2枠目の情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で算出(取得)することができる。
【0053】
より具体的に、1枠目のリーチ(第1リーチ)Pは、例えば、A局の月曜日5時00分から5時59分のうち、特定時間を視聴した人のリーチのように取得するものであり、予測重複係数K1・2(NEW)の算出と共通の任意に設定される視聴者判定条件に基づくという特徴がある。この「任意に設定される視聴者判定条件」では、例えば、60分のうち断続的に1/3(つまり20分)を視聴した人のリーチや重複を算出してもよい。なお、ここで挙げた1/3の係数値は一例であり、ターゲットを男女何歳に設定するかで、適切な条件を変動させてもよい。「任意に設定される視聴者判定条件」を付加することにより、異なる時間帯や放送局同士の重複者の割合を考慮した最適な予測重複係数K1・2(NEW)の算出に寄与することができる。また、2枠目のリーチ(第2リーチ)Pの対象となる2枠目の情報(第2情報)の毎分平均視聴率は、例えば、B局の火曜日6時00分から6時59分の60分間の毎分平均視聴率のように取得するものであり、広告市場において広く活用されている共通指標という特徴がある。両者は、任意性の点で異なっているが、予測重複係数K1・2(NEW)として、1枠目のリーチ(第1リーチ)Pと2枠目のリーチ(第2リーチ)Pの重複リーチD1・2を、1枠目のリーチ(第1リーチ)Pと2枠目のリーチ(第2リーチ)Pの対象となる2枠目の情報(第2情報)の毎分平均視聴率の乗算値で除算した値に設定することで、より一層、1枠目の情報(第1情報)と2枠目の情報(第2情報)への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で取得することが可能になる。
【0054】
1枠目のリーチ(第1リーチ)Pと2枠目のリーチ(第2リーチ)Pの重複リーチD1・2、1枠目のリーチ(第1リーチ)P、及び、2枠目のリーチ(第2リーチ)Pの対象となる2枠目の情報(第2情報)の毎分平均視聴率の少なくとも1つは、ピープルメーター個票に基づいて求めることができる。
【0055】
ピープルメーター個票とは、視聴率調査会社が、個人視聴率調査に使用する測定機のことでありPM(People Meter)と表記されることもある。調査協力を受けた個人宅に設置され、家庭内の最大8台までのテレビの視聴状況を測定する。テレビを視聴するたびに測定機付きのリモコンボタンを押して個人データを入力することで、家族の誰が、いつ、どの番組(放送局)を視聴したかを記録することができる。これにより、ひとつの調査で世帯視聴率と個人視聴率が集計され、同時にテレビ稼働率も記録することができる。
【0056】
ピープルメーター個票に基づく各指標の算出に当たっては、特定週(月曜日~日曜日)の「曜日×24h」×「各局(例えば5局)」のリーチの実績を使用することができる。また、予測重複係数Km・n(NEW)の運用は、例えば、「直近4週」、「4週平均(号数化)」、「前年同時期」等のバイイング条件に合わせて、柔軟に対応することができる。また、リーチ実績は、広告主の取引条件のトレンドに鑑みて、番組平均(P)ではなく、時点アクチュアル(C)に基づいて算出することができる。
【0057】
なお、予測重複係数Km・n(NEW)の設定・使用、ひいては、トータルリーチの算出に当たっては、m枠目とn枠目のうち番号が小さい方を含む2つ又は3つ以上の組み合わせに係る成分を考慮する(割り引く)一方、m枠目とn枠目のうち番号が大きい方を含む2つ又は3つ以上の組み合わせに係る成分を無視する(ゼロ近似する)ことも可能である。
【0058】
図6は、情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0059】
情報処理装置1は、第1情報への接触者数の規模である第1リーチを取得する第1リーチ取得部10-1と、第2情報への接触者数の規模である第2リーチを取得する第2リーチ取得部10-2と、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチを取得する第Nリーチ取得部10-Nとを有している。第1リーチ取得部10-1と、第2リーチ取得部10-2と、・・・第Nリーチ取得部10-Nとは、個別リーチ取得部10を構成する。個別リーチ取得部10は、Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチとを取得する。
【0060】
情報処理装置1は、トータルリーチ取得部20を有している。トータルリーチ取得部20は、個別リーチ取得部10(第1リーチ取得部10-1、第2リーチ取得部10-2、・・・第Nリーチ取得部10-N)が取得した、第1リーチと、第2リーチと、・・・第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得する。
【0061】
トータルリーチ取得部20は、一の情報に接触しておらず他の情報に接触している者の数の規模であるインクリメンタルリーチとして、第1リーチから第Nリーチのうち、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮する(割り引く)一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視する(ゼロ近似する)。
【0062】
トータルリーチ取得部20は、第1リーチから第Nリーチのうち、任意の2つの組み合わせである第mリーチPと第nリーチPが重複関係にある成分として、第mリーチPと、第nリーチPと、第mリーチPと第nリーチPの組み合わせ毎に独自に設定された予測重複係数Km・n(NEW)とを乗じた値を算出する。ここで、m及びnは、1~Nのうち重複しない2つの自然数の組み合わせにより構成される。
【0063】
予測重複係数Km・n(NEW)は、第mリーチPと、第nリーチPの対象となる第n情報の毎分平均視聴率とに基づいて設定される。より具体的に、予測重複係数Km・n(NEW)は、第mリーチPと第nリーチPの重複リーチDm・nを、第mリーチPと第n情報の毎分平均視聴率の乗算値で除算した値に設定される。
【0064】
重複リーチDm・n、第mリーチP、及び、第n情報の毎分平均視聴率の少なくとも1つは、ピープルメーター個票に基づいて求められてもよい。
【0065】
本開示による情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムでは、Nを3以上の自然数と定義したとき、第1情報への接触者数の規模である第1リーチと、第2情報への接触者数の規模である第2リーチと、・・・第N情報への接触者数の規模である第Nリーチと、を取得し、第1リーチと、第2リーチと、・・・第Nリーチとの和集合であるトータルリーチを取得する。トータルリーチを取得する際に、一の情報に接触しておらず他の情報に接触している者の数の規模であるインクリメンタルリーチとして、第1リーチから第Nリーチのうち、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮する一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視する。これにより、情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で取得することができる。
【0066】
比較例としてのトータルリーチの取得方法として、例えば、放送時点情報に基づいてピープルメーター個票をカウントし、ユニーク接触視聴をカウントし、個票レベルでその時点での視聴予測を行うことが考えられる。しかし、予測精度が低く、データ量が大きく、演算量が大きくなる傾向(デメリット)がある。
【0067】
また、トータルリーチの他の取得方法として、視聴率とメソリンガム係数とに基づいた算出が考えられる。しかし、メソリンガム係数の算出負荷が大きく、粗い粒度と更新頻度がデメリットとなってしまう。また、メソリンガム係数が定数係数であることによる均質化(視聴率の差)も技術課題となってしまう。
【0068】
さらなる比較例として、あるリーチA’とリーチB’の重複リーチを求めるに際して、リーチA’とリーチB’の乗算値に、過去放送分の統合リーチを視聴率や重複係数を加重平均として番組(情報)A’として扱うことが考えられる。この場合、リーチA’とリーチB’の重複リーチ分だけでなく、3つ以上の重複リーチ分も考慮する。この比較例では、CMの本数を重ねるごとに番組(情報)A’の視聴率(リーチ)が増大していく結果、重複係数算出時の環境(視聴率数%)と乖離して重複が出やすくなり、リーチB’よりも重複リーチが大きくなってロジック破綻するケースが出てくる。とりわけ、同時間帯の線引き、重複率が高い深夜、隣接時間帯がリスクとなる。
【0069】
さらなる比較例として、あるリーチA”とリーチB”の重複リーチを求めるに際して、リーチB”に、過去放送分の重複割合の加重平均値を足し上げることが考えられる。この場合、CMの本数を重ねるごとに番組(情報)A’の視聴率(リーチ)が増大していくのに対して、リーチB”の重複率は、単番組時の環境(視聴率数%)に対する割合で重複算出されるため、「インクリメンタルリーチが高い状態」が積み重ねられる。その結果、リーチが実際よりも高く算出されるケースが多くなる。とりわけ、重複割合が小さい時間帯がリスクとなる。
【0070】
これに対して、本開示の手法では、加算するインクリメンタルリーチを、過去のインクリメンタルリーチに対してそれぞれ算出して足し上げるとともに、2つのリーチが重複関係にある成分を考慮してこれを割り引く一方、3つ以上のリーチが重複関係にある成分を無視してこれをゼロ近似している。この場合、CMの本数を重ねるごとに、各番組のインクリメンタルリーチ(加算視聴率)が小さくなるので、重複が過剰に積算されてリーチが過剰に伸び易くなる事態、ひいては重複リーチが大きくなりすぎてロジック破綻する事態を防止することができる。その結果、情報への接触者数の規模(リーチ)を高い精度かつ少ない処理負担(例えば演算量)で取得することができる。
【0071】
図7は、情報処理装置1を含むシステム30の概略構成の一例を示す図である。システム30は、情報処理装置1と、コスト算出装置2と、放送配信装置3と、視聴率予測装置4とを有している。情報処理装置1とコスト算出装置2と放送配信装置3と視聴率予測装置4は、ネットワーク40によって互いに通信可能に接続されている。
【0072】
コスト算出装置2は、例えば、テレビCMのコストを算出する。コスト算出装置2は、テレビCMを挿入する対象番組の視聴率(予測視聴率)を含んだ計算式に基づいて、テレビCMのコストを算出する。
【0073】
コスト算出装置2は、例えば、ある放送局(チャンネルで読み替えられてもよい)の所定の期間(例えば、一週間)におけるスポットCMの出稿パターンごとのコストを取得する。ここで、本開示におけるコストは、視聴率1TRP(Target Rating Point)(1%)あたりの料金を示すパーコスト(Cost Per Rating)を意味してもよい。あるいは、本開示におけるコストは、視聴率1GRP(Gross Rating Point)(1%)あたりの料金を示すパーコスト(Cost Per Rating)を意味してもよい。出稿パターンは、既存の(任意の)出稿パターン(例えば、逆L型、全日型、ヨの字型、コの字型、一の字型、深夜型、全日昼型など)を含んでもよい。また、コスト算出装置2は、外部からの入力(例えば、放送局による設定)に基づいて、各出稿パターンについてのコスト、出稿パターンを構成する時間帯などを取得してもよい。
【0074】
コスト算出装置2は、コスト算出のための情報を取得(例えば、受信)してもよい。例えば、コスト算出装置2は、各広告枠に関する視聴率の情報(例えば、世帯視聴率、個人視聴率、個人全体視聴率であってリアルタイム視聴及び放送後7日目までのタイムシフト視聴を合算した視聴率(「All&P+C7(Program + Commercial 7)」などと呼ばれてもよい)など)を、視聴率予測装置4から取得(受信)してもよい。コスト算出装置2は、例えば、放送局によるAタイム1本単価の設定と、視聴率予測装置4から取得された視聴率の情報と、に基づいて、Aタイム1枠のコストを導出してもよい。
【0075】
コスト算出装置2は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末などの携帯端末(移動通信端末)であってもよいし、パソコン(PC:Personal Computer)、サーバなどの固定通信端末であってもよい。つまり、本開示におけるコスト算出装置2は、通信デバイスで読み替えることができる。また、コスト算出装置2は、有線及び/又は無線(例えば、LTE(Long Term Evolution)、NR(New Radio)、Wi-Fi(登録商標)など)を介して、ネットワーク(インターネットなど)と通信してもよい。
【0076】
放送配信装置3は、テレビ(TV:television)に対して放送を配信する装置である。ここで、テレビ(テレビ受像機)は、地上波放送、放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)/通信衛星(CS:Communications Satellite)による放送、インターネット放送(インターネットテレビ)などの少なくとも1つを受信する機能を有する装置であってもよい。例えば、テレビは、多機能テレビ、スマートTV、IP(Internet Protocol)TV、セットトップボックスなどであってもよい。なお、放送は、公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を意味し、無線放送、インターネット放送などを含んでもよい。
【0077】
視聴率予測装置4は、テレビにおいて放送される番組の実際の視聴率を集計する装置である。また、視聴率予測装置4は、テレビにおいてこれから放送される番組(対象番組)の視聴率を予測する装置である。視聴率は、所定の時間単位(例えば、秒、分、時)で記憶されてもよい。視聴率予測装置4は、ネットワークを介して他の装置(例えば、コスト算出装置2)に対して、視聴率に関する情報(例えば、テレビCMを挿入する対象番組の視聴率(予測視聴率))を送信してもよい。
【0078】
視聴率予測装置4は、例えば、テレビ視聴率調査者によって管理される装置であってもよい。視聴率予測装置4は、所定の世帯(例えば、調査協力世帯)のテレビに接続された測定機器から視聴履歴のデータを取得して管理してもよい。なお、当該データから視聴率が算出又は予測されてもよい。視聴率予測装置4には、所定のターゲット(所定の属性に該当するユーザ)ごとの視聴率(ターゲットの個人視聴率)が記録されてもよい。なお、本開示において、ターゲットは、マーケティングの分野で用いられる性・年齢別区分(C(Child)層、T(Teen)層、M(Male)1-M3層、F(Female)1-F3層)であると想定するが、この分類に限られない。
【0079】
視聴率予測装置4は、ビッグデータを扱うという新たな分析手法を用いて、テレビの「視聴者の広告視聴率」を高い精度で予測することができるように構成されている。視聴率予測装置4は、データソース情報を入力するデータ入力部と、データ入力部から入力されたデータソース情報に特定の加工処理を施してデータソース情報を説明変数化する説明変数化部と、所定のアルゴリズムのプログラムを実装しているプログラム実装・実行部と、プログラム実装・実行部による結果を出力するデータ出力部と、を有することができる。データ入力部から入力されたデータソース情報と、説明変数化部により説明変数化して得られた説明変数とを用いてプログラム実装・実行部が実装されているプログラムのアルゴリズムを実行し、アルゴリズムを実行して得られた予測視聴率データを出力部から出力して、出力された予測視聴率データに基づいて、広告枠を最適化することができる。ここで、テレビCMを挿入する対象番組の視聴率(予測視聴率)を算出するためのデータソース情報として、対象番組に関連する関連番組(例えば、連続ドラマの前回以前の放送分、特別番組の前回以前の放送分など)の視聴率を用いることができる。
【0080】
なお、当該システム構成は一例であり、これに限られない。例えば、各装置は、図7ではそれぞれ1つずつ含まれる構成としたが、各機器の数はこれに限られず、複数存在してもよい。システム30は、一部の装置を含まない構成としてもよいし、1つの装置の機能が複数の装置により実現される構成としてもよい。逆に、複数の装置の機能が1つの装置により実現される構成としてもよい。例えば、情報処理装置1とコスト算出装置2と放送配信装置3と視聴率予測装置4の少なくとも2つが1つのサーバ上で実装されてもよい。
【0081】
なお、本開示は、「視聴率」を特定の指標(又は特定の指標の向上度合、オフセットなど)で読み替えた内容もカバーしている。当該特定の指標は、広告効果を判断するための指標、広告主の重要業績指標(KPI:Key Performance Indicators)を向上するための中間指標などであってもよく、例えば、認知率、リーチ、ROAS(Return On Advertising Spend)、ROI(Return on Investment)などを含んでもよい。「視聴率」という記載の少なくとも一部が上記特定の指標のいずれかで読み替えられてもよい。
【0082】
図8は、情報処理装置1の機能構成の一例を示す図である。図8に示すように、情報処理装置1は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、入力部140と、出力部150と、を有する。なお、図8では、情報処理装置1の機能ブロックの一例を示しており、図8に描いていない他の機能ブロックを有していてもよい。また、一部の機能ブロックを含まない構成としてもよい。
【0083】
制御部110は、情報処理装置1の制御を実施する。制御部110は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置により構成することができる。
【0084】
記憶部120は、情報処理装置1で利用する情報を記憶する。記憶部120は、例えば、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるメモリ、ストレージ、記憶装置などにより構成することができる。
【0085】
通信部130は、情報処理装置1の通信(例えば両者の相互通信)を行う。通信部130は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置により構成することができる。なお、通信部130は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0086】
入力部140は、情報処理装置1における入力を受け付ける。また、入力部140は、所定の機器、記憶媒体などと接続され、データの入力を受け付けてもよい。入力部140は、入力結果を例えば制御部110に出力してもよい。入力部140は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるキーボード、マウス、ボタンなどの入力装置、入出力端子、入出力回路などにより構成することができる。また、入力部140は、表示部と一体となった構成(例えば、タッチパネル)としてもよい。
【0087】
出力部150は、情報処理装置1における出力を行う。例えば、出力部150は、画像を表示する表示部、音声を出力する音声出力部などを含んで構成されてもよい。表示部は、例えば、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるディスプレイ、モニタなどの表示装置により構成することができる。また、音声出力部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるスピーカーなどの出力装置により構成することができる。
【0088】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線によって接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0089】
例えば、本開示の一実施形態における装置(情報処理装置1)は、本開示の各種の情報処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図9は、情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の情報処理装置1は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0090】
なお、本開示において、装置、回路、デバイス、ユニット、サーバなどは、互いに読み替えることができる。情報処理装置1のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0091】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0092】
情報処理装置1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みなどを制御することによって実現される。
【0093】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。なお、上述の制御部110などの各部は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0094】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、制御部110は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0095】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、一実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0096】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。なお、上述の記憶部120は、メモリ1002及び/又はストレージ1003によって実現されてもよい。
【0097】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、SIMカードを含んでもよい。なお、上述の通信部130は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0098】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウスなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカーなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。なお、上述の入力部140及び出力部150は、それぞれ入力装置1005及び出力装置1006によって実現されてもよい。
【0099】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1008によって接続される。バス1007は、単一のバスによって構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0100】
また、情報処理装置1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0101】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び/又は本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0102】
本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。また、本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0103】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0104】
情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0105】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0106】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0107】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体及び信号波形の少なくとも1つを介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0108】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
【0109】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0110】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0111】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0112】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0113】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0114】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。
【符号の説明】
【0115】
1 情報処理装置
2 コスト算出装置
3 放送配信装置
4 視聴率予測装置
10 個別リーチ取得部
10-1 第1リーチ取得部
10-2 第2リーチ取得部
10-N 第Nリーチ取得部
20 トータルリーチ取得部
30 システム
40 ネットワーク
図1
図2
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図9