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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119279
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】超音波診断装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240827BHJP
   A61B 8/06 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
A61B8/14
A61B8/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026065
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 靖夫
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD03
4C601DE06
4C601EE11
4C601JC16
4C601KK10
4C601KK25
4C601KK31
4C601KK35
4C601LL33
(57)【要約】
【課題】画像診断装置によって撮影された複数の画像の中からユーザが目的の画像を容易に選択することができるようにすることを目的とする。
【解決手段】識別部32は、画像診断装置によって撮影された複数の画像のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を1つの画像群として識別する。表示制御部26は、当該画像群と当該画像群以外の画像とを区別してディスプレイに表示させる。例えば、表示制御部26は、当該画像群を1つのサムネイル画像としてディスプレイに表示し、当該画像群以外の画像を1つのサムネイル画像としてディスプレイに表示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像診断装置によって撮影された複数の画像のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を1つの画像群として識別する識別手段と、
前記画像群と前記画像群以外の画像とを区別してディスプレイに表示させる制御手段と、
を含むことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記識別手段は、前記画像群に含まれる各画像を、被検体に対して造影剤を用いた撮像によって生成された画像であるとして、前記画像群を識別する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記制御手段は、前記画像群を1つのサムネイル画像として前記ディスプレイに表示させる、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
請求項3に記載の超音波診断装置において、
前記画像群を表すサムネイル画像がユーザによって選択された場合、前記制御手段は、取得候補となる画像を選択するためのダイアログを前記ディスプレイに表示させ、
前記ダイアログは、前記画像群に含まれる各画像にそれぞれ対応する図形を、各画像の撮影時間の順番に従って並べて表現する画像であり、
前記ダイアログ上で図形が選択された場合、前記制御手段は、前記選択された図形に対応する画像を取得候補の画像として定める、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波診断装置において、
前記取得候補の画像が定められた後、前記画像群が1つのサムネイル画像として表示されている場合、前記制御手段は、前記取得候補の画像が前記画像群に属する画像であることを示すように、前記取得候補の画像と前記画像群とを別々のサムネイル画像として前記ディスプレイに表示させる、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項6】
請求項5に記載の超音波診断装置において、
前記取得候補の画像を表すサムネイル画像が前記ディスプレイに表示されている場合において、前記取得候補の画像を表すサムネイル画像が選択された場合、前記制御手段は、前記選択されたサムネイル画像に対応する前記取得候補の画像を、取得候補ではない画像として定める、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
請求項4に記載の超音波診断装置において、
前記ダイアログは、各画像の撮影時間に従って各図形を円環状に配置した形状を有する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項8】
請求項7に記載の超音波診断装置において、
前記制御手段は、前記画像群の中で撮影時間が最も早い画像に対応する図形と、前記画像群の中で撮影時間が最も遅い画像に対応する図形と、の間をあけて各図形を配置する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項9】
請求項8に記載の超音波診断装置において、
前記制御手段は、前記ダイアログにおいて、造影剤が被検体の特定の部位に流入するタイミングに基づいて、そのタイミングに撮影された画像に対応する図形を、他の画像に対応する図形と区別して表示する、
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項10】
コンピュータを、
画像診断装置によって撮影された複数の画像のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を1つの画像群として識別する識別手段、
前記画像群と前記画像群以外の画像とを区別してディスプレイに表示させる制御手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置等の画像診断装置において、複数の画像を区別して表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置又はX線診断装置等の画像診断装置において、他の画像診断装置によって生成された画像や画像サーバに記憶されている画像を取得することがある。
【0003】
特許文献1には、検査項目や検査内容に応じて、各サムネイル画像をグループ分けして表示する装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、複数の診断画像を収集し、検査の区分に従ってグループ情報を設定し、診断画像の保存指示があった場合に、グループ情報を診断画像に付加して保存する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-14989号公報
【特許文献2】特開2008-237758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像診断装置が画像を取得する場合、取得候補の画像に関する情報を文字情報として一覧表示し、ユーザが、その一覧を参照して取得候補の画像を選択することが考えられる。しかし、文字情報のみから取得候補の画像を選択することは、ユーザにとって負担である。また、造影検査が行われた場合、一般的に、画像が撮影された時相に関する情報は、取得候補の画像を選択するために役に立つ情報である。しかし、時相に関する情報がユーザに提示されないと、取得候補の画像を選択することが、ユーザにとって困難になる。
【0007】
本発明の目的は、画像診断装置によって撮影された複数の画像の中からユーザが目的の画像を容易に選択することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの態様は、画像診断装置によって撮影された複数の画像のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を1つの画像群として識別する識別手段と、前記画像群と前記画像群以外の画像とを区別してディスプレイに表示させる制御手段と、を含むことを特徴とする超音波診断装置である。
【0009】
上記の構成において、画像診断装置は、例えば、超音波診断装置、X線CT装置、MRI装置又はX線診断装置等である、上記の画像は、画像診断装置に記憶されている画像であってもよいし、画像サーバ等の装置に記憶されている画像であってもよい。上記の予め定められた時間間隔は、ユーザによって変更されてもよい。例えば、連続して撮影された複数の画像が1つの画像群を構成し得ると想定される時間間隔が、上記の予め定められた時間間隔として設定されてもよい。例えば、画像群に含まれる各画像と画像群以外の画像とが識別可能な態様で、各画像が表示される。画像群に含まれる各画像が1つの群を構成するとユーザによって認識されるように、画像群に含まる各画像がまとめて表示されてもよい。超音波診断装置は、単一の装置として構成されてもよいし、複数の装置によって構成されてもよい。識別手段による識別処理と制御手段による表示制御とが、単一の装置によって実現されてもよいし、複数の装置によって実現されてもよい。
【0010】
前記識別手段は、前記画像群に含まれる各画像を、被検体に対して造影剤を用いた撮像によって生成された画像であるとして、前記画像群を識別してもよい。
【0011】
前記制御手段は、前記画像群を1つのサムネイル画像として前記ディスプレイに表示させてもよい。
【0012】
前記画像群を表すサムネイル画像がユーザによって選択された場合、前記制御手段は、取得候補となる画像を選択するためのダイアログを前記ディスプレイに表示させ、前記ダイアログは、前記画像群に含まれる各画像にそれぞれ対応する図形を、各画像の撮影時間の順番に従って並べて表現する画像であり、前記ダイアログ上で図形が選択された場合、前記制御手段は、前記選択された図形に対応する画像を取得候補の画像として定めてもよい。
【0013】
前記取得候補の画像が定められた後、前記画像群が1つのサムネイル画像として表示されている場合、前記制御手段は、前記取得候補の画像が前記画像群に属する画像であることを示すように、前記取得候補の画像と前記画像群とを別々のサムネイル画像として前記ディスプレイに表示させてもよい。
【0014】
前記取得候補の画像を表すサムネイル画像が前記ディスプレイに表示されている場合において、前記取得候補の画像を表すサムネイル画像が選択された場合、前記制御手段は、前記選択されたサムネイル画像に対応する前記取得候補の画像を、取得候補ではない画像として定めてもよい。
【0015】
前記ダイアログは、各画像の撮影時間に従って各図形を円環状に配置した形状を有してもよい。
【0016】
前記制御手段は、前記画像群の中で撮影時間が最も早い画像に対応する図形と、前記画像群の中で撮影時間が最も遅い画像に対応する図形と、の間をあけて各図形を配置してもよい。
【0017】
前記制御手段は、前記ダイアログにおいて、造影剤が被検体の特定の部位に流入するタイミングに基づいて、そのタイミングに撮影された画像に対応する図形を、他の画像に対応する図形と区別して表示してもよい。
【0018】
本発明の1つの態様は、コンピュータを、画像診断装置によって撮影された複数の画像のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を1つの画像群として識別する識別手段、前記画像群と前記画像群以外の画像とを区別してディスプレイに表示させる制御手段、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像診断装置によって撮影された複数の画像の中からユーザが目的の画像を容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る画像診断システムの構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る超音波診断装置による処理の流れを示すフローチャートである。
図4】インポート画面を示す図である。
図5】インポート画面を示す図である。
図6】インポート画面を示す図である。
図7】インポート画面とダイアログとを示す図である。
図8】インポート画面とダイアログとを示す図である。
図9】インポート画面とダイアログとを示す図である。
図10】インポート画面とダイアログとを示す図である。
図11】インポート画面とダイアログとを示す図である。
図12】インポート画面とダイアログとを示す図である。
図13】インポート画面とダイアログとを示す図である。
図14】インポート画面を示す図である。
図15】ダイアログを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照して、実施形態に係る画像診断システムについて説明する。図1には、実施形態に係る画像診断システムの構成が示されている。
【0022】
画像診断システムは、超音波診断装置10と1又は複数の画像診断装置(例えば、画像診断装置100A,・・・,100N)とを含む。画像診断装置100A,・・・,100Nのそれぞれは、超音波診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置又はX線診断装置等である。以下、画像診断装置100A,・・・,100Nを区別する必要がない場合、これらを「画像診断装置100」と称することとする。超音波診断装置10による撮影によって画像データ(つまり超音波画像データ)が生成される。画像診断装置100による撮影によって画像データ(例えばCT画像データやMRI画像データ等)が生成される。以下では、画像データを画像と称することとする。
【0023】
画像には、患者情報と検査情報とを含む付帯情報が紐付けられている。患者情報は、患者を識別するための情報であり、例えば、患者ID、患者の氏名を示す情報、患者の生年月日を示す情報、及び、患者の性別を示す情報等を含む。検査情報は、検査を識別するための情報(例えば検査ID)、画像を撮影した画像診断装置100を識別するための装置識別情報、画像が撮影された時間(例えば日付と時刻)を示す撮影時間情報、撮影された部位を示す情報、及び、撮影の条件を示す撮影条件情報等を含む。例えば、DICOM規格に従った情報が、付帯情報として画像に紐付けられる。例えば、超音波診断装置10による撮影によって画像が生成されると、超音波診断装置10にて付帯情報が当該画像に紐付けられる。同様に、画像診断装置100による撮影によって画像が生成されると、当該画像診断装置100にて付帯情報が当該画像に紐付けられる。
【0024】
超音波診断装置10と各画像診断装置100は、他の装置と通信する機能を有する。その通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。無線通信として、例えば、近距離無線通信やWi-Fi(登録商標)等が用いられる。これら以外の規格の無線通信が用いられてもよい。例えば、超音波診断装置10と各画像診断装置100は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信経路Nを介して互いに通信する。超音波診断装置10と各画像診断装置100は、サーバ等の外部装置を介して互いに通信してもよい。
【0025】
画像診断システムは、画像サーバ200を含んでもよい。画像サーバ200は、他の装置と通信する機能を有する。例えば、画像診断装置100による撮影によって生成された画像が、通信経路Nを介して画像サーバ200に送信され、画像サーバ200に記憶される。同様に、超音波診断装置10による撮影によって生成された画像が、通信経路Nを介して画像サーバ200に送信されて、画像サーバ200に記憶されてもよい。なお、画像診断装置100によって生成された画像は、当該画像診断装置100自体に記憶されてもよい。同様に、超音波診断装置10によって生成された画像は、当該超音波診断装置10自体に記憶されてもよい。
【0026】
画像サーバ200に記憶されている画像が、超音波診断装置10や画像診断装置100に送信されてもよい。例えば、画像診断装置100によって生成された画像が画像サーバ200に記憶され、超音波診断装置10への送信の指示(例えばインポート指示)に従って、当該画像が、画像サーバ200から超音波診断装置10に送信される。
【0027】
画像は、画像サーバ200を介さずに、各装置間で送受信されてもよい。例えば、画像診断装置100によって生成された画像が、超音波診断装置10に送信されてもよい。同様に、超音波診断装置10によって生成された画像が、画像診断装置100に送信されてもよい。
【0028】
例えば、ユーザが、超音波診断装置10において、画像診断装置100による撮影によって生成された画像を参照することが考えられる。この場合、画像診断装置100による撮影によって生成された画像が、当該画像診断装置100や画像サーバ200から超音波診断装置10に送信され、ユーザによって、当該画像が参照される。
【0029】
図2を参照して、実施形態に係る超音波診断装置10について説明する。図2には、超音波診断装置10の構成が示されている。
【0030】
超音波診断装置10は、超音波プローブ12を用いた超音波の送受信によって超音波画像を生成する。例えば、超音波診断装置10は、被検体内に超音波を送信し、被検体の内部にて反射した超音波を受信することで、被検体の内部の組織を表す超音波画像を生成する。
【0031】
超音波プローブ12は、超音波を送受信する装置である。超音波プローブ12は、例えば1Dアレイ振動子を含む。1Dアレイ振動子は、複数の超音波振動子が一次元的に配列されることで構成される。1Dアレイ振動子によって超音波ビームが形成され、超音波ビームが繰り返し電子走査される。これにより、電子走査毎に生体内に走査面が形成される。走査面は、二次元エコーデータ取込空間に相当する。超音波プローブ12は、1Dアレイ振動子でなく、複数の振動素子が二次元的に配列されて形成された2Dアレイ振動子を含んでもよい。2Dアレイ振動子によって超音波ビームが形成され、超音波ビームが繰り返し電子走査されると、電子走査毎に二次元エコーデータ取込空間としての走査面が形成される。超音波ビームが二次元的に走査されると、三次元エコーデータ取込空間としての三次元空間が形成される。走査方式として、セクタ走査、リニア走査又はコンベックス走査等が用いられる。
【0032】
送受信部14は、送信ビームフォーマと受信ビームフォーマとして機能する。送信時において、送受信部14は、超音波プローブ12に含まれる複数の超音波振動子に対して一定の遅延関係をもった複数の送信信号を供給する。これにより、超音波の送信ビームが形成される。受信時において、生体内からの反射波(RF信号)が超音波プローブ12により受信され、これにより超音波プローブ12から送受信部14へ複数の受信信号が出力される。送受信部14は、複数の受信信号に対して整相加算処理を適用することで、受信ビームを形成する。そのビームデータが信号処理部16に出力される。すなわち、送受信部14は、各超音波振動子から得られる受信信号に対して、各超音波振動子に対する遅延処理条件に従って遅延処理を施し、複数の超音波振動子から得られる複数の受信信号を加算処理することで受信ビームを形成する。遅延処理条件は、遅延時間を示す受信遅延データによって規定される。複数の超音波振動子に対応する受信遅延データセット(つまり遅延時間のセット)は制御部24から供給される。
【0033】
送受信部14の作用によって、超音波ビーム(つまり送信ビーム及び受信ビーム)が電子的に走査され、これによって、走査面が形成される。走査面は複数のビームデータに相当し、それらは受信フレームデータ(具体的にはRF信号フレームデータ)を構成する。なお、各ビームデータは深さ方向に並ぶ複数のエコーデータにより構成される。超音波ビームの電子走査を繰り返すことで、時間軸上に並ぶ複数の受信フレームデータが送受信部14から信号処理部16に出力される。複数の受信フレームデータが受信フレーム列を構成する。
【0034】
送受信部14の作用によって超音波ビームが二次元的に電子走査されると、三次元エコーデータ取込空間が形成され、その三次元エコーデータ取込空間からエコーデータ集合体としてのボリュームデータが取得される。超音波ビームの電子走査を繰り返すことにより、時間軸上に並ぶ複数のボリュームデータが送受信部14から信号処理部16に出力される。複数のボリュームデータがボリュームデータ列を構成する。
【0035】
信号処理部16は、送受信部14から出力されたビームデータに対して、検波、対数圧縮等の振幅圧縮(振幅変換)及びコンバート機能(DSC(デジタルスキャンコンバータ)による座標変換機能及び補間処理機能等)等の信号処理を適用することで、超音波画像(例えばBモード画像)を生成する。なお、本実施形態に係る超音波画像は、Bモード画像に限られず、カラードプラ画像、パルスドプラ画像、ひずみイメージング画像(Strain Image)又は剪断波イメージング(Shear Wave Elastography Image)等でもよい。
【0036】
表示処理部18は、超音波画像に対して必要なグラフィックデータをオーバーレイ処理し、これにより表示画像データを生成する。表示画像は表示部20に出力され、表示モードに従った表示態様で1又は複数の画像が並べて表示される。
【0037】
表示部20は、液晶ディスプレイやELディスプレイ等のディスプレイである。表示部20には、Bモード画像等の超音波画像が表示される。表示部20は、ディスプレイと操作部28とを兼ね備えた装置であってもよい。例えば、GUI(Graphic User Interface)が、表示部20によって実現されてもよい。また、タッチパネル等のユーザインターフェースが、表示部20によって実現されてもよい。
【0038】
記憶部22は、データを記憶する1又は複数の記憶領域を構成する。記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、各種のメモリ(例えばRAM、DRAM、ROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)又はそれらの組み合わせである。記憶部22には、超音波診断装置10による撮影によって生成された画像、画像診断装置100から取得された画像、撮影条件を示す情報、及び、患者に関する情報等が記憶される。
【0039】
制御部24は、超音波診断装置10の各部の動作を制御する。
【0040】
制御部24は、表示制御部26を含む。表示制御部26は、画像を表示部20に表示させる。表示制御部26は、超音波診断装置10による撮影によって生成された画像を表示部20に表示させてもよいし、画像診断装置100から取得された画像を表示部20に表示させてもよい。表示制御部26による表示制御については後で詳しく説明する。なお、表示処理部18の一部又は全部の機能が、表示制御部26に含まれてもよい。
【0041】
操作部28は、ユーザが撮像に必要な条件や命令等を超音波診断装置10に入力するための装置である。例えば、操作部28、操作パネル、スイッチ、ボタン、キーボード、マウス、トラックボール又はジョイスティック等である。
【0042】
取得部30は、画像診断装置100や画像サーバ200から画像を取得する。例えば、ユーザによって検索条件が指定された場合、取得部30は、その検索条件に合致する画像を取得する。取得部30は、画像の付帯情報のみを取得してもよいし、付帯情報が紐付けられた画像を取得してもよい。
【0043】
識別部32は、各画像診断装置100によって撮影された複数の画像(つまり、各画像診断装置100による撮影によって生成された複数の画像)のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を、1つの画像群として識別する。例えば、取得部30によって複数の画像が取得され、識別部32は、その取得された複数の画像のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を、1つの画像群として識別する。
【0044】
例えば、造影検査(造影剤を患者に注入して行う撮影)が画像診断装置100にて行わる場合、一般的に、造影剤が注入された状態の被検体を表す複数の画像が連続して撮影される。例えば、造影剤が血管内を流れている様子を表す複数の画像が、連続して撮影される。このように、造影検査においては、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して複数の画像が撮影される。上記の画像群(つまり、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像)は、造影剤が注入された状態の被検体を表す画像群であると推測される。識別部32は、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された画像群に含まれる各画像を、患者に対して造影剤を用いた撮影によって生成された画像(つまり、造影剤が注入された状態の被検体を表す画像)として、当該画像群を識別する。
【0045】
表示制御部26は、識別部32によって識別された画像群と、その画像群以外の画像と、を区別して、表示部20に表示させる。つまり、表示制御部26は、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像と、そのような条件を満たさない画像と、を区別して表示部20に表示させる。
【0046】
例えば、表示制御部26は、取得部30によって取得された複数の画像のそれぞれをサムネイル画像として表示部20に表示させる。また、表示制御部26は、識別部32によって識別された画像群を1つのサムネイル画像としてまとめて表示部20に表示させる。つまり、表示制御部26は、識別部32によって1つの画像群として識別された複数の画像を1つのサムネイル画像としてまとめて表示部20に表示させ、その画像群以外の画像を個別の画像として、その画像のサムネイル画像を表示部20に表示させる。
【0047】
例えば、造影検査が行われた場合、1つの画像群としてまとめられた複数の画像のサムネイル画像は、造影剤が注入された状態の被検体を表すと推測される画像群のサムネイル画像である。表示制御部26は、このような画像群のサムネイル画像を、その画像群以外の画像のサムネイル画像と区別して表示する。こうすることで、ユーザは、造影剤が注入された状態の被検体を表す画像群のサムネイル画像を、その画像群以外の画像のサムネイル画像と区別して認識することができる。
【0048】
以下、図3を参照して、超音波診断装置10が画像診断装置100によって生成された画像を取得する処理について説明する。一例として、超音波診断装置10は画像サーバ200から画像を取得するものとする。
【0049】
まず、ユーザが、操作部28を操作することで、インポート画面の表示を指示する(S01)。例えば、検索条件の入力欄等が、インポート画面に表示される。検索条件は、取得対象の画像を検索するための条件である。
【0050】
次に、ユーザは、インポート画面上にて検索条件を入力し、検索を指示する(S02)。例えば、患者情報等が検索条件として入力される。
【0051】
取得部30は、画像サーバ200において、その入力された検索条件に合致する画像を検索し、その検索条件に合致する画像を取得する(S03)。付帯情報が、取得された画像に紐付けられている。ここでは、複数の画像が取得部30によって取得されたものとする。この段階においては、各画像は一時的に取得される。
【0052】
識別部32は、取得部30が取得した各画像の付帯情報から撮影時間情報を取得する(S04)。識別部32は、各画像の撮影時間情報を参照することで、取得部30によって取得された複数の画像のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を、1つの画像群として識別する(S05)。
【0053】
表示制御部26は、取得部30が取得した各画像をサムネイル画像として表示部20に表示させる(S06)。このとき、表示制御部26は、識別部32によって識別された画像群のサムネイル画像と、その画像群以外の画像のサムネイル画像と、を区別して表示部20に表示させる。
【0054】
ユーザは、表示された複数のサムネイル画像の中からサムネイル画像を選択することで、インポート候補の画像を選択する(S07)。ユーザは、画像群のサムネイル画像を選択してもよいし、画像群以外の画像のサムネイル画像を選択してもよい。
【0055】
ユーザが、表示部20に表示されたインポートボタンを押すと(S08)、取得部30は、インポート候補の画像又は画像群を画像サーバ200から超音波診断装置10にインポートする(S09)。取得された画像又は画像群は、超音波診断装置10の記憶部22に記憶される。また、取得された画像又は画像群は、超音波診断装置10にて構築されているデータベースに登録される。
【0056】
画像のインポート処理の終了がユーザによって指示されると、インポート画面が閉じられる。
【0057】
以上のように、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された画像群と、その画像群以外の画像と、を区別して表示することで、ユーザは、その画像群と、その画像群以外の画像と、を区別して認識することができる。例えば、ユーザは、造影剤が被検体に注入された状態を表す画像群を、造影剤が被検体に注入されていない状態の1又は複数の画像と区別して認識することができる。
【0058】
以下、具体例を挙げて実施形態について詳しく説明する。
【0059】
図4を参照して、インポート画面について説明する。図4には、インポート画面34が示されている。
【0060】
インポート画面34の表示指示がユーザによって与えられると、表示制御部26は、インポート画面34を表示部20に表示させる。
【0061】
表示制御部26は、1又は複数のサムネイル画像36と、1又は複数のサムネイル画像38とを、インポート画面34に表示する。サムネイル画像36は、識別部32によって識別された画像群をまとめて表すサムネイル画像である。例えば、サムネイル画像36は、造影剤が注入された状態の被検体を表すと推測される画像群をまとめて表すサムネイル画像である。例えば、サムネイル画像36は、画像群に含まれる複数の画像を撮影時間順に重ねて表すサムネイル画像である。サムネイル画像38は、識別部32によって識別された画像群に含まれない1つの画像を表すサムネイル画像である。例えば、サムネイル画像38は、造影剤が注入されていない状態の被検体を表すと推測される画像を表すサムネイル画像である。
【0062】
上述したステップS02にて検索条件が入力されて画像が検索されると、1又は複数のサムネイル画像36と1又は複数のサムネイル画像38が、その検索の結果としてインポート画面34に表示される。
【0063】
例えば、患者ID(Patient ID)の入力欄がインポート画面34に表示されている。ユーザが、患者IDを当該入力欄に入力して検索を指示すると、取得部30は、その入力された患者IDが紐付けられた複数の画像を画像サーバ200にて検索して取得する。識別部32は、このようにして取得された複数の画像のうち、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された複数の画像を、1つの画像群として識別する。表示制御部26は、そのようにして識別された画像群を1つのサムネイル画像36としてインポート画面34に表示し、識別されなかった画像を1つのサムネイル画像38としてインポート画面34に表示する。
【0064】
展開ボタン40,42がインポート画面34に表示されてもよい。展開ボタン40は、検索対象の格納場所(例えばメディア)を指定するためのボタンである。展開ボタン40が押されると、検索対象の格納場所を選択するための画面が表示される。その画面上で選択された格納場所を対象として、画像が検索される。展開ボタン42は、検索条件を指定するためのボタンである。展開ボタン42が押されると、検索条件を入力するための入力欄の一覧が表示される。その入力欄に入力された条件に従って画像が検索される。
【0065】
ユーザは、インポート画面34に表されているサムネイル画像を選択することで、インポート対象の画像を選択する。例えば、サムネイル画像を選択するためのポインタ44がインポート画面34に表示される。ユーザは、ポインタ44を操作することでサムネイル画像を選択する。
【0066】
図4に示す例では、サムネイル画像46が選択されている。サムネイル画像46は、画像群に含まれない画像を表すサムネイル画像である。なお、インポート画面34がタッチパネル式のディスプレイに表示されている場合、タッチ操作によってインポート対象の画像のサムネイル画像が選択されてもよい。
【0067】
インポート対象の画像を表すサムネイル画像46が選択されると、図5に示すように、表示制御部26は、サムネイル画像46が選択されたことを視覚的に表す枠等をインポート画面34に表示してもよい。例えば、選択されたサムネイル画像46を囲む枠が、インポート画面34に表示される。
【0068】
ユーザがサムネイル画像46を選択し、画像のインポートを指示すると、取得部30は、サムネイル画像46が表す画像を画像サーバ200から超音波診断装置10にインポートする。インポートされた画像は、記憶部22に記憶される。例えば、インポートボタンがインポート画面34に表示され、そのインポートボタンが押されると、取得部30は、サムネイル画像46が表す画像を画像サーバ200からインポートする。表示制御部26は、インポートされた画像を表示部20に表示させてもよい。
【0069】
以下、図6から図14を参照して、画像群を表すサムネイル画像を選択して画像群をインポートする処理について説明する。
【0070】
インポート画面34が、図6に示されている。ここでは、ある画像群を表すサムネイル画像48が、ポインタ44を用いてユーザによって選択されている。説明の便宜上、サムネイル画像48が表す画像群を「画像群A」と称することとする。例えば、ユーザは、操作部28に含まれるマウスを操作することで、ポインタ44によってサムネイル画像48を指定した状態でマウスをクリックする。これにより、サムネイル画像48が選択される。
【0071】
画像群Aを表すサムネイル画像48がユーザによって選択された場合、表示制御部26は、画像群Aの中から取得候補(つまりインポート候補)となる画像を選択するためのダイアログを表示部20に表示させる。
【0072】
図7には、そのダイアログ50が示されている。例えば、表示制御部26は、ダイアログ50をインポート画面34上に表示する。ダイアログ50は、ユーザによって選択された画像群Aに含まれる各画像にそれぞれ対応する図形52を、各画像の撮影時間の順番に従って並べて表現する画像である。つまり、撮影時間情報が画像の付帯情報に含まれており、表示制御部26は、各画像の付帯情報に含まれる撮影時間情報を参照することで、各画像の撮影時間を特定する。表示制御部26は、各画像の撮影時間の順番に従って、各画像に対応する図形52を並べて表示する。1つの図形52は、当該図形52が配置されている位置に対応する撮影時間に撮影された画像に対応する。例えば、表示制御部26は、各画像の撮影時間に従って各図形を円環状に配置して表示する。これにより、円環状のダイアログ50が形成されて表示される。例えば、各図形52は扇型状の形状を有しており、複数の図形52を円環状に並べることで、ダイアログ50が形成される。
【0073】
図7に示す例では、説明の便宜上、各図形52に符号a,b,c,・・・が付されている。符号aが付された図形52を図形52aと称し、符号bが付された図形52を図形52bと称することとする。その他の符号が付された図形についても同様である。
【0074】
図形52aは、サムネイル画像48が表す画像群Aに含まれるある画像(仮に画像aと称する)に対応する図形である。画像aは、当該画像群の中で最も早い撮影時間(つまり最も早い時相)に撮影された画像である。図形52bは、画像群Aに含まれる画像に対応する図形であって、画像aの次の時相に撮影された画像(仮に画像bと称する)に対応する図形である。図形52cは、画像群Aに含まれる画像に対応する図形であって、画像bの次の時相に撮影された画像(仮に画像cと称する)に対応する図形である。例えば、画像aの撮影時間を基準(0[s])として、時相(30[s]、40[s]、80[s])を表す文字列がダイアログ50に表示される。例えば、ダイアログ50を時計に例えると、12時の位置が0[s]に相当し、時計回りに時相が進むように、各図形が配置されている。
【0075】
画像aと画像bは、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された画像である。つまり、画像aの撮影時間と画像bの撮影時間との差分(撮影の時間間隔)は、予め定められた時間間隔以下の時間間隔である。画像bと画像cは、予め定められた時間間隔以下の時間間隔で連続して撮影された画像である。つまり、画像bの撮影時間と画像cの撮影時間との差分(撮影の時間間隔)は、予め定められた時間間隔以下の時間間隔である。画像d,e,f,・・・についても同様である。
【0076】
このように、画像a,b,c,・・・は、その順番で撮影された画像であり、各画像の撮影時間の間隔は、予め定められた時間間隔以下の時間間隔である。
【0077】
図形52aは、最初の画像aに対応する図形であるため、ダイアログ50において最初の時相(0[s])に対応する位置に配置される。図形52bは、画像aの次に撮影された画像bに対応する図形であるため、図形52bの隣に配置される。図形52cは、画像bの次に撮影された画像cに対応する図形であるため、図形52cの隣に配置される。図形52d,52e,52f,・・・についても同様である。
【0078】
表示制御部26は、画像群Aの中で撮影時間が最も早い画像に対応する図形と、当該画像群の中で撮影時間が最も遅い画像に対応する図形と、の間をあけて、ダイアログ50を表示してもよい。
【0079】
図7に示す例では、画像aが、画像群Aの中で撮影時間が最も早い画像である。画像zzが、画像群Aの中で撮影時間が最も遅い画像である。この場合、表示制御部26は、画像aに対応する図形52aと画像zzに対応する図形52zzとの間をあけて、ダイアログ50を表示する。例えば、図形52aと図形52zzとの間に隙間54が形成されて、最初の図形52aと最後の図形52zzとが離れて表示されている。
【0080】
最初の図形52aと最後の図形52zzとを離して表示することで、ユーザにおいて、最初の画像aと最後の画像zzとを区別して認識することができる。つまり、図形52aと図形52zzとが接触して表示されると、ユーザにおいて、どの図形が最初の画像aに対応する図形であるのか、又は、どの図形が最後の画像zzに対応する図形であるのかが、分かりにくいという事態が生じる。最初の図形52aと最後の図形52zzとを離して表示することで、ユーザにおいて、どの図形が最初の画像aに対応する図形であるのか、又は、どの図形が最後の画像zzに対応する図形であるのかが、分かり易くなる。
【0081】
なお、扇形の図形を用いずに、複数の矩形状の図形を帯状に一列に並べることで、ダイアログ50とは別のダイアログを形成することも可能である。この場合において、画像の数が多いと、1つの画像に対応する図形を小さくする必要がある。そのため、マウス操作やタッチ操作等によって、目的の図形を指定することが難しくなる。一方で、円環状のダイアログ50によれば、その円の直径の約3.14倍の長さを有する領域に複数の図形を配置することができるので、1つ1つの図形の大きさを大きくすることができる。そのため、マウス操作やタッチ操作によって、目的の図形を指定することが容易となる。また、ダイアログ50によれば、画面をスクロールせずに複数の図形を1つの画面に表示することができる。もちろん、本実施形態においては、複数の矩形状の図形を帯状に一列に配置する形態を排斥するものではない。例えば、画像の数が少ない場合に、そのような形態が用いられてもよいし、ユーザの選択によって、そのような形態が用いられてもよい。
【0082】
ダイアログ50上で図形が選択された場合、制御部24は、その選択された図形に対応する画像を取得候補の画像(つまりインポート候補の画像)として定める。
【0083】
この処理について、図8から図10を参照して詳しく説明する。図8から図10には、インポート画面34とダイアログ50とが示されている。
【0084】
例えば、図8に示すように、ダイアログ50において、図形50fが、ユーザによって、取得候補の画像を表す図形として選択されている。図形50fが選択されると、表示制御部26は、図形50fに対応する画像fを表すサムネイル画像56をインポート画面34に表示する。例えば、表示制御部26は、図形50fの隣にサムネイル画像56を表示したり、図形50fからの吹き出しを表示し、その吹き出しの中にサムネイル画像56を表示したりする。このようにサムネイル画像56を表示することで、ユーザは、図形50fに対応する時相にて撮影された画像fを確認することができる。つまり、ユーザは、取得候補の画像fをサムネイル画像56によって確認することができる。
【0085】
次に、ユーザが、操作部28を操作することで、ダイアログ50以外の領域を指定すると、表示制御部26は、ダイアログ50を閉じる。つまり、表示制御部26は、ダイアログ50を非表示にする。例えば、図9に示すように、ユーザが、ダイアログ50以外の領域にポインタ44を移動させてマウスをクリックすると、表示制御部26は、ダイアログ50を閉じる。
【0086】
表示制御部26は、選択された図形50fの色を変えてもよい。これにより、ユーザは、図形50fが選択されていることを認識することができる。例えば、ポインタ44が図形50f上に配置された状態で、クリックやタッチ操作が行われていない場合(つまり、図形50fの選択が確定していない場合)、表示制御部26は、図8に示すように、ダイアログ50に紐付けてサムネイル画像56をインポート画面34に表示する。このとき、表示制御部26は、図形50fを第1色で表示する。次に、ポインタ44が図形50f上に配置された状態で、クリックやタッチ操作が行われた場合(つまり、図形50fの選択が確定した場合)、表示制御部26は、図形50fの色を第1色から第2色(第1色とは異なる色)に変える。これにより、ユーザは、図形50fが確定的に選択されたこと、つまり、図形50fに対応する画像fが取得候補として選択されたことを認識することができる。
【0087】
図10には、ダイアログ50が閉じられた後のインポート画面34が示されている。ダイアログ50が閉じられると、表示制御部26は、取得候補の画像が画像群Aに属する画像であることを示すように、取得候補の画像と画像群Aとを別々のサムネイル画像としてインポート画面34に表示する。
【0088】
具体的には、表示制御部26は、ダイアログ50上で選択された図形50fに対応する画像f(つまり取得候補の画像)を表すサムネイル画像56を、画像群Aを表すサムネイル画像48とは別のサムネイル画像として、インポート画面34に表示する。このとき、表示制御部26は、画像fを表すサムネイル画像56を、画像群Aを表すサムネイル画像48の隣に表示する。
【0089】
また、表示制御部26は、取得候補の画像fが、サムネイル画像48が表す画像群Aに属する画像であることを示すように、画像fのサムネイル画像56と画像群Aのサムネイル画像48とを囲む枠58をインポート画面34に表示する。このように、枠58によってサムネイル画像48,56を囲むことで、ユーザにおいて、画像fが元々の画像群Aに属する画像であることを認識することができる。また、画像fのサムネイル画像56が、画像群Aのサムネイル画像48とは別のサムネイル画像として表示されることで、ユーザにおいて、画像fが取得候補の画像であることを認識することができる。
【0090】
このように、取得候補の画像fが定められた後、元々の画像群Aが1つのサムネイル画像48として表示される場合、表示制御部26は、画像fのサムネイル画像56と画像群Aのサムネイル画像48とを別々に表示すると共に、画像fが画像群Aに属する画像であることを示すように、サムネイル画像48,56を囲む枠58をインポート画面34に表示する。
【0091】
図10に示すように、取得候補の画像fを表すサムネイル画像56がインポート画面34に表示されている場合において、ユーザによって、サムネイル画像56が選択された場合、制御部24は、その選択されたサムネイル画像56に対応する取得候補の画像fを、取得候補ではない画像として定めてもよい。例えば、ユーザが、ポインタ44によってサムネイル画像56を選択した場合(例えばクリックした場合)、制御部24は、画像fを、取得候補の画像から除外する。このように、インポート画面34上にて、取得候補の画像の選択を解除してもよい。この場合、表示制御部26は、画像fを表すサムネイル画像56及び枠58を非表示にする。
【0092】
ユーザが、インポート画面34上で、再度、画像群を表すサムネイル画像を選択すると、表示制御部26は、ダイアログ50を表示する。例えば、画像群Aを表すサムネイル画像48がユーザによって選択された場合、図11に示すように、表示制御部26は、画像群Aの中から取得候補となる画像を選択するためのダイアログ50を表示部20に表示させる。
【0093】
この段階においては、既に図形50fがユーザによって選択されているため、表示制御部26は、図形50fが既に選択済みであることを表す色で図形50fを表示する。
【0094】
例えば、図12に示すように、ダイアログ50において、図形50jがユーザによって選択されると、表示制御部26は、図形50jに対応する画像jを表すサムネイル画像60をインポート画面34に表示する。また、表示制御部26は、選択された図形50jの色を変える。これらの処理は、図8を参照して説明した処理と同じである。
【0095】
次に、ユーザが、ダイアログ50以外の領域を指定すると、表示制御部26は、ダイアログ50を閉じる。例えば、図13に示すように、ユーザが、ダイアログ50以外の領域にポインタ44を移動させてマウスをクリックすると、表示制御部26は、ダイアログ50を閉じる。
【0096】
図14には、ダイアログ50が閉じられた後のインポート画面34が示されている。ダイアログ50が閉じられると、図10に示す例と同様に、表示制御部26は、取得候補の画像が画像群Aに属する画像であることを示すように、取得候補の画像と画像群Aとを別々のサムネイル画像としてインポート画面34に表示する。
【0097】
具体的には、表示制御部26は、ダイアログ50上で既に選択済みの図形50fに対応する画像fを表すサムネイル画像56と、ダイアログ50上で新たに選択された図形50jに対応する画像jを表すサムネイル画像60とを、画像群Aを表すサムネイル画像48とは別のサムネイル画像として、インポート画面34に表示する。このとき、表示制御部26は、先に選択された画像fを表すサムネイル画像56を、画像群Aを表すサムネイル画像48の隣に表示し、新たに選択された画像jを表すサムネイル画像60を、サムネイル画像56の隣に表示する。図14に示す例では、サムネイル画像56の隣にスペースがないため、サムネイル画像60は、1つ下の段に表示されている。
【0098】
また、表示制御部26は、画像f,jが、サムネイル画像48が表す画像群Aに属する画像であることを示すように、画像fのサムネイル画像56と画像jのサムネイル画像60と画像群Aのサムネイル画像48とを囲む枠62をインポート画面34に表示する。図14に示す例では、サムネイル画像60は、サムネイル画像48,56よりも1つ下の段に表示されているため、枠62も、2つの段にわたって表示されている。このように、枠62によってサムネイル画像48,56,60を囲むことで、ユーザにおいて、画像f,jが元々の画像群Aに属する画像であることを認識することができる。また、ユーザにおいて、画像f,jが取得候補の画像であることを認識することができる。
【0099】
画像f,jが取得候補の画像として選択されている状態で、ユーザがインポートボタンを押すと、取得部30は、インポート候補の画像f,jを画像サーバ200から超音波診断装置10にインポートする。画像f,jは、超音波診断装置10の記憶部22に記憶される。また、インポートされた画像f,jは、超音波診断装置10にて構築されているデータベースに登録される。
【0100】
以下、図15を参照して、ダイアログ50の変形例について説明する。図15には、ダイアログ50が示されている。
【0101】
変形例においては、表示制御部26は、ダイアログ50において、造影剤が被検体の特定の部位に流入するタイミングに基づいて、そのタイミングに撮影された画像に対応する図形を、他の画像に対応する図形と区別して表示する。例えば、表示制御部26は、造影剤が流入したタイミングで撮影された画像に対応する図形を強調して表示する。このようにして、インポートの候補となる画像をユーザに推奨してもよい。
【0102】
例えば、被検体である患者に造影剤が注入された時点から、造影剤が各部位に流入するまでに要する時間は、経験則やモデル等に基づいて予め推測される。制御部24は、患者に造影剤が注入された時点からの経過時間と各部位に造影剤が流入するまでに要する時間と基づいて、被検体の部位毎に、造影剤が流入している撮影時間を推測する。換言すると、制御部24は、患者に造影剤が注入された時点からの経過時間と各部位に造影剤が流入するまでに要する時間とに基づいて、撮影時間毎に、造影剤が流入している部位を推測する。つまり、制御部24は、造影剤が流入していると推測される部位を表す画像を特定する。
【0103】
表示制御部26は、ダイアログ50において、造影剤が流入していると推測されるタイミングで撮影された画像に対応する図形を、他の画像(つまり、造影剤が流入していないと推測されるタイミングで撮影された画像)に対応する図形と区別して表示する。
【0104】
例えば、表示制御部26は、造影剤が流入していると推測されるタイミングで撮影された画像に対応する図形の高さや色を変更する。
【0105】
図15に示す例では、図形群64a,64b,64cはそれぞれ、造影剤が流入していると推測される画像に対応する図形群である。表示制御部26は、符号66aが指し示すように、図形群64aに含まれる各図形の高さを、図形群64a,64b,64cに含まれない他の図形の高さよりも高くして、図形群64aを表示する。図形群64b,64cに含まれる図形についても同様である。
【0106】
また、表示制御部26は、図形群64a,64b,64cのそれぞれに含まれる図形の全部又は一部の色を変えてもよい。例えば、表示制御部26は、図形群64aに含まれる各図形の一部と、図形群64bに含まれる各図形の一部と、図形群64cに含まれる各図形の一部とを、それぞれ異なる色で表示する。図15に示す例では、表示制御部26は、符号66aが指し示す部分の色と、符号66bが指し示す部分の色と、符号66cが指し占めす部分の色とを、それぞれ異なる色で表示する。
【0107】
別の例として、表示制御部26は、画像の付帯情報に応じて、図形を強調して表示してもよい。例えば、画像診断装置100や超音波診断装置10において、ユーザによって、各種の情報が付帯情報に含まれることがある。表示制御部26は、付帯情報が示す内容に応じて、図形の大きさ、形状及び色を変えてもよい。
【0108】
信号処理部16、表示処理部18、制御部24、表示制御部26、取得部30及び識別部32は、例えばプロセッサや電子回路等のハードウェア資源を利用して実現することができ、その実現において必要に応じてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。また、信号処理部16、表示処理部18、制御部24、表示制御部26、取得部30及び識別部32は、例えばコンピュータによって実現されてもよい。つまり、コンピュータが備えるCPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェア資源と、CPU等の動作を規定するソフトウェア(プログラム)との協働により、信号処理部16、表示処理部18、制御部24、表示制御部26、取得部30及び識別部32の全部又は一部が実現されてもよい。当該プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、超音波診断装置10の記憶部22又はその他の記憶装置に記憶される。別の例として、信号処理部16、表示処理部18、制御部24、表示制御部26、取得部30及び識別部32は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現されてもよい。もちろん、GPU(Graphics Processing Unit)等が用いられてもよい。信号処理部16、表示処理部18、制御部24、表示制御部26、取得部30及び識別部32は、単一の装置によって実現されてもよいし、信号処理部16、表示処理部18、制御部24、表示制御部26、取得部30及び識別部32のそれぞれが有する各機能が、1又は複数の装置によって実現されてもよい。
【0109】
本実施形態は、例えばRVS(Real-time Virtual Sonography)に適用してもよい。つまり、超音波診断装置10の表示制御部26は、超音波診断装置10によって生成された超音波画像と、画像診断装置100や画像サーバ200から取得された画像と、を同期させて同時にディスプレイに表示させてもよい。本実施形態によれば、RVSを実行するときに、素早く容易にインポート候補の画像を選択することができる。例えば、RVSのために、目的の時相に撮影された画像を、素早く容易にインポート候補の画像として選択することができる。
【0110】
なお、上述した実施形態においては、超音波診断装置10が画像を取得する場合について説明したが、超音波診断装置10以外の画像診断装置100が画像を取得する場合も、超音波診断装置10が画像を取得する場合と同様の処理が実行される。例えば、上述した制御部24のうち画像取得に関わる機能、表示制御部26、取得部30及び識別部32が、画像診断装置100に設けられ、画像診断装置100は、上述した実施形態に従って、ダイアログを表示し、画像を取得してもよい。
【符号の説明】
【0111】
10 超音波診断装置、24 制御部、26 表示制御部、30 取得部、32 識別部、100 画像診断装置、200 画像サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15