(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119280
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報開示方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026066
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】523064446
【氏名又は名称】WHYアセットマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】星川 尚久
(72)【発明者】
【氏名】辛川 兼人
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC32
5L050CC32
(57)【要約】
【課題】情報開示のタイミングが遅延しにくい。
【解決手段】情報開示システム1は、複数名の情報開示先の候補者から情報開示先を取得する開示先取得処理と、情報開示先が情報開示元に対して負う義務が記載された電子文書を情報開示元及び情報開示先の双方に送信する文書送信処理と、情報開示先に対する情報開示の許可及び前記情報開示先以外の候補者に対する情報開示の禁止の少なくともいずれかを行う開示制御処理とを実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータが複数の処理を実行する情報開示方法であって、
前記複数の処理が、
複数名の情報開示先の候補者から情報開示先を取得する開示先取得処理と、
前記開示先取得処理により取得された前記情報開示先が情報開示元に対して負う義務が記載された電子文書を前記情報開示元及び情報開示先の双方に送信する文書送信処理と、
前記開示先取得処理により取得された前記情報開示先に対する情報開示の許可及び前記情報開示先以外の前記候補者に対する情報開示の禁止の少なくともいずれかを行う開示制御処理とを含んでおり、
前記開示先取得処理が、
前記電子文書の内容又は概要を前記1名以上の情報開示先の候補者のそれぞれに開示する文書開示処理と、
前記文書開示処理により開示された前記電子文書に対する前記候補者による承認である第1承認を取得する第1承認取得処理と、
前記第1承認取得処理において前記第1承認を取得した前記候補者から前記情報開示先を抽出する開示先抽出処理とを含んでいることを特徴とする情報開示方法。
【請求項2】
前記情報開示の許可に係る処理が、前記情報開示先に対して開示対象情報又は開示対象情報へのアクセスのための情報を発信する処理であることを特徴とする請求項1に記載の情報開示方法。
【請求項3】
前記複数の処理が、前記情報開示先を含む前記候補者に対する同期型のオンラインコミュニケーションを実行するオンラインコミュニケーション処理をさらに含んでおり、
前記情報開示の禁止に係る処理が、前記情報開示先以外の前記候補者に対して、対話型のオンラインコミュニケーションへのアクセスを中断させる処理であることを特徴とする請求項1に記載の情報開示方法。
【請求項4】
前記情報開示の許可及び禁止に係る処理が、前記情報開示先に対して施設内の特定の領域への進入を許可すると共に前記情報開示先に対して施設内の特定の領域への進入を禁止する処理であることを特徴とする請求項1に記載の情報開示方法。
【請求項5】
前記開示先取得処理が、前記情報開示元に対する前記情報開示先の個人情報の開示についての承認である第2承認を取得する第2承認取得処理をさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の情報開示方法。
【請求項6】
前記第2承認取得処理が、前記第2承認を取得するに当たって、前記個人情報の開示の範囲を段階的に前記候補者に選択させる個人情報選択処理を含んでおり、
前記対象情報が開示される範囲が、前記個人情報の開示の範囲と関連付けて段階的に設定されており、
前記情報開示処理が、前記情報開示先のそれぞれにおいて選択された前記個人情報の開示範囲と関連付けられた範囲で前記対象情報を前記情報開示先へと開示する処理であることを特徴とする請求項5に記載の情報開示方法。
【請求項7】
前記開示先抽出処理が、
前記第1承認取得処理において前記第1承認を取得した前記候補者から
の前記情報開示元による前記情報開示先の選択を受け付ける処理を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の情報開示方法。
【請求項8】
あらかじめ登録された前記候補者の個人情報を記憶する記憶部の記憶内容に基づいて当該個人情報が記入された前記電子文書が生成されることを特徴とする請求項1に記載の情報開示方法。
【請求項9】
前記情報開示元がN名(N:2以上の自然数)存在しており、
前記N名の情報開示元に対する前記義務を負わせるN通の前記電子文書が生成されることを特徴とする請求項1に記載の情報開示方法。
【請求項10】
前記情報開示元がN名(N:2以上の自然数)存在しており、
前記情報開示先がM名(M:2以上の自然数)存在しており、
前記N名の情報開示元に対する前記義務を前記M名の情報開示先に負わせる1通の前記電子文書が生成されることを特徴とする請求項1に記載の情報開示方法。
【請求項11】
情報開示に係る複数の処理を実行するサーバであって、
前記複数の処理が、
複数名の情報開示先の候補者から情報開示先を取得する開示先取得処理と、
前記開示先取得処理により取得された前記情報開示先が情報開示元に対して負う義務が記載された電子文書を前記情報開示元及び情報開示先の双方に送信する文書送信処理と、
前記情報開示先に対する情報開示の許可及び前記情報開示先以外の前記候補者に対する情報開示の禁止の少なくともいずれかを行う開示制御処理とを含んでおり、
前記開示先取得処理が、
前記電子文書の内容又は概要を前記候補者それぞれのコンピュータに送信する処理と、
前記電子文書に対する前記候補者による承認又は非承認を示すユーザ入力の結果を前記コンピュータから受信する処理と、
前記コンピュータから受信した前記ユーザ入力の結果が承認を示した前記候補者から前記情報開示先を取得する処理とを含んでいることを特徴とするサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報開示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、技術情報やノウハウ等の有用な情報がその管理者や保有者から他者に対して開示されることがある。特許文献1はこのような情報開示に当たって使用されるシステムに関する。特許文献1に係るシステムは、技術情報を購入した購入者に、データベースに蓄積された技術文献にアクセスさせるという構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような有用な情報を開示するに先立って、情報開示元に対する秘密保持義務を情報開示先に負わせるための契約等に係る文書が取り交わされることがある。しかしながら、このような文書の取り交わしには時間と手間が掛かることが多い。これにより、情報開示の迅速化及び簡便化が妨げられるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、迅速且つ簡便に情報開示を行うことができる情報開示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報開示方法は、1又は複数のコンピュータが複数の処理を実行する情報開示方法であって、前記複数の処理が、複数名の情報開示先の候補者から情報開示先を取得する開示先取得処理と、前記情報開示処理により開示されることになる情報についての情報開示先が情報開示元に対して負う義務が記載された電子文書を前記情報開示元及び情報開示先の双方に送信する文書送信処理と、前記情報開示先に対する情報開示の許可及び前記情報開示先以外の前記候補者に対する情報開示の禁止の少なくともいずれかを行う開示制御処理とを含んでおり、前記開示先取得処理が、前記電子文書の内容又は概要を前記1名以上の情報開示先の候補者のそれぞれに開示する文書開示処理と、前記文書開示処理により開示された前記電子文書に対する前記候補者による承認である第1承認を取得する第1承認取得処理と、前記第1承認取得処理において前記第1承認を取得した前記候補者から前記情報開示先を抽出する開示先抽出処理とを含んでいる。
【0007】
また、別の観点による本発明のサーバは、情報開示に係る複数の処理を実行するサーバであって、前記複数の処理が、複数名の情報開示先の候補者から情報開示先を取得する開示先取得処理と、前記開示先取得処理により取得された前記情報開示先が情報開示元に対して負う義務が記載された電子文書を前記情報開示元及び情報開示先の双方に送信する文書送信処理と、前記情報開示先に対する情報開示の許可及び前記情報開示先以外の前記候補者に対する情報開示の禁止の少なくともいずれかを行う開示制御処理とを含んでおり、前記開示先取得処理が、前記電子文書の内容又は概要を前記候補者それぞれのコンピュータに送信する処理と、前記電子文書に対する前記候補者による承認又は非承認を示すユーザ入力の結果を前記コンピュータから受信する処理と、前記コンピュータから受信した前記ユーザ入力の結果が承認を示した前記候補者から前記情報開示先を取得する処理とを含んでいる。
【発明の効果】
【0008】
情報開示先の取得及び契約内容等が記載された電子文書の取り交わしがコンピュータによって実行される。したがって、迅速且つ簡便な情報開示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報開示システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の情報開示システムに含まれるメインサーバに格納された情報を示す概念図である。
【
図3】
図1のメインサーバが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図1の情報開示システムが実行する処理の流れの一具体例を示すシーケンス図である。
【
図5】本発明の別の一実施形態に係る情報開示システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明のさらに別の一実施形態に係る情報開示システムが実行する処理の流れの一具体例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
本発明の好適な一実施形態である第1の実施形態に係る情報開示システム1及び情報開示システム1によって実行される情報開示方法について
図1~
図4を参照しつつ、以下に説明する。
【0011】
本実施形態に係る情報開示システム1は、情報開示の対象となる情報(以下、「対象情報」とする)を一の利用者から他の利用者に開示する情報開示サービスを提供するシステムである。情報開示システム1の利用者は、情報開示元である対象情報の保有者又は管理者(以下、「情報開示元」とする)及び情報開示先となる候補者である。本実施形態においては、1名の情報開示元から複数名の候補者へと対象情報が開示されることが想定されている。なお、情報開示元が複数名存在する場合に情報開示システム1が使用されてもよい。
【0012】
情報開示システム1は、
図1に示すように、情報開示元が使用する開示元PC100、複数名の候補者がそれぞれ使用する複数の候補者PC200、オンラインコミュニケーションサーバ300及びメインサーバ400(以上、本発明の1又は複数のコンピュータに対応する)を備えている。開示元PC100、候補者PC200、オンラインコミュニケーションサーバ300及びメインサーバ400同士の間では、インターネットNを通じたデータ通信が行われる。この通信には、HTTPS(Hyper Text Transfer Protocol Secure)等のインターネット用の通信プロトコルが使用される。なお、インターネットNに代えて、又は加えて、LAN(Local Area Network)その他の通信ネットワークが用いられてもよい。
【0013】
開示元PC100及び候補者PC200は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ストレージ等を有している。また、ディスプレイ若しくはタッチパネルディスプレイ、キーボード、マイク、スピーカ等の各種の入出力デバイスが搭載され又は接続されている。これらの入出力デバイスは、文字や画像等をディスプレイの画面に表示すると共に、文字や数字等のユーザ入力を受け付けることができる。また、マイクやスピーカを通じて音声の入出力が可能である。
【0014】
上記ROM及びRAMには、CPUが各種制御を行うためのプログラム他の各種データからなるソフトウェアが格納される。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。ストレージには、後述のオンラインコミュニケーションを利用するためのアプリ(ブラウザ、専用アプリ等)がインストールされている。CPU等のハードウェアがソフトウェアに従って各種の処理を実行することにより、開示元PC100及び候補者PC200の機能が実現している。
【0015】
オンラインコミュニケーションサーバ300は、利用者間のオンラインコミュニケーションサービスを提供する。オンラインコミュニケーションサービスは、インターネットNを通じて行われる、同期型又は非同期型の双方向のコミュニケーションを行うどのようなサービスでもよい。例えば、電子メール、チャット、SNS(Social networking service)、オンライン会議等のいずれが採用されてもよい。
【0016】
オンラインコミュニケーションサーバ300は、CPU、ROM、RAM、ストレージ等を有している。ROM及びRAMには、CPUが各種制御を行うためのプログラム他の各種データからなるソフトウェアが格納される。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。ストレージには、オンラインコミュニケーションサービスを提供するためのアプリがインストールされている。CPU等のハードウェアがソフトウェアに従って各種の処理を実行することにより、オンラインコミュニケーションサービスを提供する機能が実現している。
【0017】
上記オンラインコミュニケーションサービスにおいては、開示元PC100及び候補者PC200の一方においてユーザ入力された文字や数字、音声が、オンラインコミュニケーションサーバ300を通じ、開示元PC100及び候補者PC200の他方に送信されることが双方向に行われる。送信された文字や数字、音声は、開示元PC100及び候補者PC200の他方においてディスプレイやスピーカによって利用者に対して出力される。また、オンラインコミュニケーションサーバ300は、開示元PC100及び候補者PC200間で、各PCにおけるユーザ入力の結果に基づく情報や電子文書の送信を行うことができる。
【0018】
メインサーバ400は、CPU、ROM、RAM、ストレージからなる記憶部410等を有している。ROM及びRAMには、CPUが各種制御を行うためのプログラム他の各種データからなるソフトウェアが格納される。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に用いるデータを一時的に記憶する。記憶部410には、情報開示サービスを提供するためのアプリがインストールされている。CPU等のハードウェアがソフトウェアに従って情報開示サービスに係る各種の処理を実行する。
【0019】
また、記憶部410には
図2に示す情報が格納されている。この情報は、開示元情報、候補者情報、契約雛形情報及び契約概要情報を含んでいる。開示元情報は、情報開示元に関する情報であり、情報開示元による情報開示サービスの利用に先立ってあらかじめメインサーバ400に登録されている。開示元情報は、契約関連情報、対象情報1~3、開示概要情報及びコミュニケーション情報を含んでいる。契約関連情報は、情報開示に先立って情報開示元及び候補者間で契約を締結するために必要な情報である。この情報には、例えば情報開示元の氏名、住所等、有効な契約に必要となる情報開示者を特定するための個人情報その他の情報が含まれている。また、契約内容を示す電子文書に施される電子署名に必要な情報、例えば公開鍵や秘密鍵、電子証明書に係る情報が含まれている。
【0020】
対象情報1~3は、上記の通り、情報開示の対象となる情報であり、情報開示元が保有又は管理する技術情報、ノウハウ情報、営業秘密等に関する情報である。対象情報1~3は、これらの情報に係る文章や図形、数値、動画、音声等を表す電子文書データ、画像データ(動画データを含む)、音声データ等の形式でストレージに格納されている。これらの情報には情報開示の範囲を規定するレベルが設定されている。本実施形態のレベルには1~3の3段階があり、レベルの数値が大きいほど重要性が高い情報に対応する。対象情報1はレベル1に該当する情報を示し、対象情報2はレベル2に該当する情報を示し、対象情報3はレベル3に該当する情報を示す。例えば、コア技術の概要、コア技術の理論部分及びコア技術を実行する具体的なノウハウの順で重要度が高くなる技術情報に関しては、コア技術の概要が対象情報1(レベル1)に設定され、コア技術の理論部分が対象情報2(レベル2)に設定され、コア技術を実行する具体的なノウハウは対象情報3(レベル3)に設定される。
【0021】
開示概要情報は、対象情報1~3の概要を示す情報である。開示概要情報は、後述の通り、情報開示に先立って情報開示元から候補者に開示され、対象情報の開示を検討するために候補者が参考にする情報である。開示概要情報は、候補者にとって対象情報の価値を検討する材料となる程度に対象情報の内容をかいつまんで表した内容を有している。
【0022】
コミュニケーション情報は、オンラインコミュニケーションサーバ300によって提供されるオンラインコミュニケーションサービスを利用して情報開示元が候補者との間でオンラインコミュニケーションを行うために必要な情報(サービス利用者ID、パスワード、宛先情報等)である。
【0023】
候補者情報は、各候補者に関する情報であり、各候補者による情報開示サービスの利用に先立ってあらかじめメインサーバ400に登録されている。候補者情報は、契約関連情報、属性情報1~3及びコミュニケーション情報を候補者ごとに含んでいる。契約関連情報は、情報開示に先立って情報開示元及び候補者間で契約を締結するために必要な情報である。この情報には、例えば候補者の氏名、住所等、有効な契約に必要となる候補者を特定するための個人情報その他の情報が含まれている。また、契約内容を示す電子文書に施される電子署名に必要な情報、例えば秘密鍵や電子証明書に係る情報が含まれている。
【0024】
属性情報1~3は、候補者の属性に関する情報であり、候補者の資格、職業、勤務先、資産・財務状況等の個人情報を含んでいる。これらの情報は、後述の通り、情報開示元による情報開示先の選択の際に情報開示元に対して適宜開示される。これらの情報には情報開示の範囲を規定するレベルが設定されている。本実施形態のレベルには1~3の3段階があり、レベルの数値が大きいほど候補者にとっての秘匿性が高い情報であることを示す。属性情報1はレベル1に該当する情報を示し、属性情報2はレベル2に該当する情報を示し、属性情報3はレベル3に該当する情報を示す。例えば、候補者にとって資格・職業、勤務先及び資産・財務状況の順で秘匿性が高くなる場合には、資格・職業が属性情報1(レベル1)に設定され、勤務先は属性情報2(レベル2)に設定され、資産・財務状況が属性情報3(レベル3)に設定される。
【0025】
コミュニケーション情報は、オンラインコミュニケーションサーバ300によって提供されるオンラインコミュニケーションサービスを利用して候補者が情報開示元との間でオンラインコミュニケーションを行うために必要な情報(サービス利用者ID、パスワード、宛先情報等)である。
【0026】
契約雛形情報は、情報開示に先立って情報開示元及び候補者間で締結される契約内容に係る契約書の雛形を示す電子文書の情報である。契約書の雛形は、契約当事者(情報開示先及び当事者となる候補者の双方)を特定するための特定情報(例えば、氏名及び住所)及び契約の日を含む契約固有の情報の記載欄が空欄になっている。つまり、契約書の雛形は、各空欄に情報が追加されると契約書として完成するような内容を有している。本実施形態に係る契約には、秘密保持契約、共同開発契約、製造・販売委託契約、ライセンス契約等、各種の契約が含まれる。いずれの契約においても、少なくとも、当事者となる候補者が情報開示元に対して負う義務に係る契約事項が含まれている。例えば、秘密保持契約には、情報開示元から開示される対象情報に関して契約当事者となる候補者が情報開示元に対して負う秘密保持義務に係る契約事項が含まれている。
【0027】
契約概要情報は、契約雛形情報が示す契約内容の概要を表す情報である。例えば、契約概要情報は、契約によって候補者(及び情報開示元)が負う義務の概要をリスト形式で含んでいる。
【0028】
メインサーバ400は、
図3に示すように、情報開示サービスに係る処理として、開示先取得処理(S1)、契約書送信処理(S2)及び開示制御処理(S3)を順に実行する。開示先取得処理は、複数名の候補者から情報開示先を決定する処理である。契約書送信処理は、開示先取得処理において取得された情報開示先が情報開示元に対して負う義務に係る契約書を情報開示元及び情報開示先の双方に対して送信する処理である。開示制御処理は、情報開示先に対する対象情報の開示の許可若しくは禁止を行う処理である。
【0029】
以下、メインサーバ400による情報開示サービスの処理の詳細を含めた情報開示システム1全体における処理の一具体例について、
図4を参照しつつ説明する。
図3の処理、
図4の処理及び本発明の処理同士の対応関係は以下の通りである。
図4のS1~S22の一連の処理(本発明の開示先取得処理)に含まれるメインサーバ400側の処理が
図3のS1の開示先取得処理に相当する。
図4のS28の処理が
図3のS2の契約書送信処理(本発明の文書送信処理)に相当する。
図4のS29の処理が
図3のS3の開示制御処理(本発明の開示制御処理)に相当する。
【0030】
なお、以下の説明における、各PCにおける承認の入力結果等のメインサーバ400への送信やメインサーバ400から各PCへの電子文書の送信等は、特に断りのない限り、オンラインコミュニケーションサーバ300によるオンラインコミュニケーションサービスを用いて行われる。メインサーバ400は、記憶部410に格納されたコミュニケーション情報に基づいてオンラインコミュニケーションサーバ300が提供するオンラインコミュニケーションサービスを利用する。以下ではその旨の説明を省略する。
【0031】
まず、情報開示元のユーザ入力に基づいて開示元PC100からメインサーバ400に概要送信指示が送信される(S11)。これに応じ、メインサーバ400は、全候補者PC200に対して、記憶部410の記憶内容が示す開示概要情報及び契約概要情報を送信する(S12)。S12の処理は本発明の文書開示処理に対応する。開示概要情報は、上記の通り、対象情報1~3の概要である。契約概要情報は、上記の通り、契約内容の概要である。候補者PC200は、開示概要情報をディスプレイに表示させる(S13)。各候補者は、ディスプレイに表示された開示概要情報を確認し、対象情報及び契約の概要を把握する。次に、候補者PC200は、開示概要情報及び契約概要情報に対する承認の入力を受け付ける(S14)。候補者は、対象情報及び契約の概要を参考としてこれに承認(本発明の第1承認に対応する)を与えるか検討し、承認又は非承認を候補者PC200に入力する。入力結果はメインサーバ400に送信される(S15)。
図4の例では承認が入力された場合が記載されている。なお、S15の処理が、本発明の第1承認取得処理に対応する。
【0032】
メインサーバ400は、候補者PC200から送信された入力結果に基づき、記憶部410の記憶内容を参照することにより、承認を与えた候補者のリストを生成する(S16)。リストには各候補者の氏名の情報が含まれている。次に、メインサーバ400は、S16で生成したリストに含まれる候補者の候補者PC200に対し、候補者による属性情報の開示のレベルを照会する指示を送信する(S16)。これに応じ、候補者PC200は、候補者に対して開示レベルを選択させる(S17)。開示レベルの選択は、属性情報に関して上記の通り設定されたレベル1~3からなされる。S17の処理は、レベル1~3に対応する属性情報1~3のディスプレイ表示及びユーザ入力に基づく属性情報1~3の選択によってなされる。これにより、情報開示元に開示される属性情報が段階的に選択されると共に、選択されたレベルの属性情報が情報開示元に開示されることに候補者が承認(本発明の第2承認に対応する)を与えたことになる。S17の選択結果はメインサーバ400に送信される(S18)。なお、S16~S18の処理が本発明の第2承認取得処理に対応する。また、S17の処理が本発明の個人情報選択処理に対応する。
【0033】
次に、S16で生成された候補者のリストと、リストに含まれる各候補者についてS18で送信されたレベルに対応する属性情報とが、メインサーバ400から開示元PC100に送信される(S19)。ここで送信される属性情報は、S18で候補者PC200から送信されたレベル及びそれより低いレベルに対応する属性情報であり、記憶部410の記憶内容に基づいて送信される。つまり、S18で候補者PC200から送信されたレベルが1である場合には属性情報1が、S18で候補者PC200から送信されたレベルが2である場合には属性情報1及び2が、S18で候補者PC200から送信されたレベルが3である場合には属性情報1~3が開示元PC100に送信される。次に、開示元PC100は、S19でメインサーバ400から送信された候補者リストに含まれる各候補者の氏名と、S19でメインサーバ400から送信された各候補者のレベルに応じた属性情報1~3とをディスプレイに表示させる(S20)。次に、開示元PC100は、表示されたリストから情報開示先となる候補者を選択するユーザ入力を受け付けると共に、そのユーザ入力が示す候補者を、S19でメインサーバ400から送信された候補者のリストから情報開示先となるべき候補者として抽出する(S21)。情報開示元は、ディスプレイに表示された候補者の氏名と属性情報に基づいて情報開示先となる候補者を選択する。なお、開示元PC100によるS21の処理は本発明の開示先抽出処理に対応する。S21でなされた候補者の抽出結果はメインサーバ400に送信される(S22)。
【0034】
次に、メインサーバ400は、記憶部410の記憶内容に基づき、契約雛形情報が示す契約書の雛形の全文を開示元PC100及び情報開示先となった候補者PC200の双方に送信する(S23)。次に、開示元PC100及び候補者PC200のそれぞれにおいて、S23でメインサーバ400から送信された契約書の雛形の全文がディスプレイに表示され(S24)、ユーザ入力により承認が入力される(S25)。承認の入力結果はメインサーバ400に送信される(S26)。これに応じ、メインサーバ400は、電子署名がなされた契約書の電子文書を生成する(S27)。この電子文書は、記憶部410の記憶内容に基づき、契約雛形情報と、開示元情報及び候補者情報にそれぞれ含まれる契約関連情報とに基づいて生成される。具体的には、契約雛形情報が示す契約書の雛形の空欄箇所に、契約関連情報が示す情報開示元及び候補者の氏名及び住所等の必要事項を追記した電子文書が生成される。さらに、生成された電子文書に対し、開示元情報及び候補者情報の双方の契約雛形情報に含まれる秘密鍵に基づいて、情報開示元及び候補者双方による電子署名がなされる。
【0035】
なお、S27においては、情報開示元及び1名の情報開示先を契約当事者とする契約書の電子文書が情報開示先ごとに生成されてもよいし、情報開示元及び全情報開示先を契約当事者とする1通の契約書の電子文書が生成されてもよい。S27で生成された電子署名済みの契約書は、電子証明書と共に開示元PC100及び情報開示先となった候補者の候補者PC200の双方に送信される(S28)。
【0036】
次に、メインサーバ400から、記憶部410の記憶内容に基づき、S28で署名済みの契約書が送信された候補者PC200に対象情報1~3が適宜送信される(S29)。ここで送信される対象情報は、S18で候補者PC200から送信されたレベル及びそれより低いレベルに対応する対象情報である。例えば、S18で候補者PC200から送信されたレベルが1である場合には対象情報1が、S18で候補者PC200から送信されたレベルが2である場合には対象情報1及び2が、S18で候補者PC200から送信されたレベルが3である場合には対象情報1~3が、その候補者PC200へと送信される。このように、候補者が情報開示先に対して開示される属性情報の範囲と、最終的に候補者に開示される対象情報の範囲とは、互いに関連付けられて設定されている。
【0037】
なお、S29において対象情報1~3自体が送信される代わりに、対象情報1~3にアクセスするための情報が送信されてもよい。例えば、情報開示システム1外の他のサーバに対象情報1~3が格納されており、上記他のサーバから対象情報1~3をダウンロードするためのアドレス、ID及びパスワードを示す情報がメインサーバ400から候補者PC200に送信されてもよい。対象情報1~3自体が送信される場合及び対象情報1~3にアクセスするための情報が送信される場合のいずれも、これらが送信される処理は、
図3のS3における情報開示の許可に係る処理に対応する。
【0038】
また、S29において、情報開示の許可に係る処理の代わりに、情報開示の禁止に係る処理が実行されてもよい。例えば、オンラインコミュニケーションサーバ300によって提供される同期型のオンラインコミュニケーションサービスと併せて本情報開示サービスが利用される場合において、情報開示元と全候補者との間で実行されていた同期型のオンラインコミュニケーション(例えば、対話セッション)へのアクセスを、情報開示先となった候補者以外の候補者に対して中断させる処理が実行されてもよい。このような中断処理の後で、オンラインコミュニケーションに継続して参加している候補者に対し、オンラインコミュニケーションを通じて情報開示元から対象情報の開示がなされる。このような中断処理は、S18で候補者PC200から送信されたレベルに応じて段階的になされるように実行されることが好ましい。例えば、情報開示先以外の候補者に対して最初に中断処理がなされ、次にレベル1の情報開示先に対して中断処理がなされ、次にレベル2の情報開示先に対して中断処理がなされる。情報開示元は、中断処理の各段階のタイミングを自らコントロールすると共に、対象情報1~3のうち、オンラインコミュニケーションに参加している候補者のレベルに応じた内容の情報を候補者に対して段階的に開示する。
【0039】
以上説明した本実施形態によれば、情報開示先の取得及び契約内容等が記載された契約書の取り交わしが情報開示システム1によって実行される。特に、あらかじめ登録された候補者の個人情報を記憶する記憶部410の記憶内容に基づいて当該個人情報が記入された契約書の電子文書が生成される。したがって、情報開示を迅速且つ簡便に進めることができる。
【0040】
また、情報開示に先立って、属性情報の開示を承認した候補者の属性情報が情報開示先に開示される。この属性情報には3段階のレベルが設定され、情報開示元に対する開示の範囲がこれらのレベルによって規定されている。属性情報の3段階のレベルは対象情報の3段階のレベルと関連付けられている。つまり、候補者が承認した属性情報の開示範囲と関連付けられた範囲の対象情報が候補者に対して開示される。これにより、情報開示元に対して開示される属性情報の範囲が、候補者にとって秘匿性が高いものであるほど、その見返りとして重要度の高い範囲まで対象情報が開示されることになる。
【0041】
[第2の実施形態]
以下、本発明の別の一実施形態である第2の実施形態に係る情報開示システム1000について説明する。第2の実施形態は第1の実施形態と共通の構成を多く有している。このため、そのような共通の構成に係る説明を適宜省略する。
【0042】
情報開示システム1000には、メインサーバ400の代わりにメインサーバ1400が用いられている。メインサーバ1400において、メインサーバ400との違いは以下の部分に限られ、その他はメインサーバ400と同様の構成及び機能を有するため、その説明を適宜省略する。
【0043】
本実施形態に係る情報開示は、
図5に示す施設内において実施される。施設内は、第1室(本発明の特定の領域に対応する)及び第2室に仕切られており、第1室において、室内にいる情報開示先に対して情報開示元からの情報開示が行われる。情報開示の態様は、室内での口頭発表や資料の掲示等、どのようなものであってもよい。第2室は全候補者の控室である。一部の候補者は、第2室で待機しつつ、持参した候補者PC200を使用することで、メインサーバ1400及び開示元PC100との間で実行される
図4のS11~S28の処理により、情報開示元との間で契約書の取り交わしまでを行う。
【0044】
第1室及び第2室間を結ぶ出入口にはセキュリティ設備900が設置されている。セキュリティ設備900は、出入り口に設置されたドアの状態を、第2室から第1室への入室が可能なアンロック状態と、上記入室を禁止するロック状態とで切り替える。通常、ドアはロック状態を取っている。セキュリティ設備900にはパスワードの入力部が設置されている。入力部への入力結果は、インターネットN等を通じてメインサーバ1400へと送信される。メインサーバ1400は、セキュリティ設備900から送信されたパスワードが適切であるか否かを判定し、適切である場合にはアンロックを許可する指示をセキュリティ設備に送信する。これに応じ、セキュリティ設備900は、一時的にドアをアンロック状態とする。
【0045】
メインサーバ1400は、
図4のS3(S29)を実行する際に、対象情報自体の代わりにワンタイムパスワードを情報開示先となった候補者の候補者PC200に送信する。これに応じ、候補者PC200は、メインサーバ1400から送信されたワンタイムパスワードをディスプレイに表示させる。情報開示先となった候補者は、ディスプレイに表示されたワンタイムパスワードをセキュリティ設備900に入力する。その入力内容がメインサーバ1400において判定され、ワンタイムパスワードとして適切であると判定された場合には、メインサーバ1400からの指示に基づき、セキュリティ設備900がドアを一時的にアンロック状態とする。そして、情報開示先となった候補者はドアを通じて第1室に進入し、第1室内にて情報開示元から対象情報の開示を受ける。一方、S3のワンタイムパスワードの送信がなされなかった候補者は、セキュリティ設備900へのワンタイムパスワードの入力によるドアのロック解除を行うことができず、第1室への進入が禁止される。
【0046】
本実施形態において、情報開示元が2名以上であってもよい。この場合、
図4のS27及びS28において、情報開示先となった候補者のそれぞれに対し、N名(N:2以上の自然数)の情報開示元に対する義務を負わせる内容のN通の契約書の電子文書が生成され、送信されてもよい。また、情報開示先となった候補者がM名(M:2以上の自然数)である場合に、N名の情報開示元に対する義務をM名の情報開示先に負わせる1通の契約書の電子文書が生成され、情報開示先に対して共通に送信されてもよい。
【0047】
[第3の実施形態]
以下、本発明の別の一実施形態である第3の実施形態に係る情報開示システム2000について説明する。第3の実施形態は第1の実施形態と共通の構成を多く有している。このため、そのような共通の構成に係る説明を適宜省略する。
【0048】
第3の実施形態に係る情報開示システム2000が第1の実施形態に係る情報開示システム1と異なるのは、開示元PC100、候補者PC200及びメインサーバ400の代わりに、これらとそれぞれ対応する開示元PC2100、候補者PC2200及びメインサーバ2400を備えている点である。そして、開示元PC2100、候補者PC2200及びメインサーバ2400が開示元PC100、候補者PC200及びメインサーバ400と異なるのは、
図4の処理の代わりに
図6の処理を実行する点である。
図6の処理は
図4の処理と共通の処理を多く含んでいる。このため、以下の説明では、
図4の処理と相違する処理について主に説明し、上記のような共通の処理については共通の符号を用いると共に、その説明を適宜省略する。なお、
図6のS112~S115、S16、S119~S121及びS22の一連の処理(本発明の開示先取得処理)に含まれるメインサーバ2400側の処理が
図3のS1の開示先取得処理に相当する。
【0049】
図6の処理では、まず、情報開示元のユーザ入力に基づいて開示元PC2100からメインサーバ400に概要送信指示及び開示レベルが送信される(S111)。開示レベルは、情報開示元が情報開示先に要求する個人情報のレベルであり、開示元PC2100における情報開示元によるユーザ入力に基づいて取得される。開示レベルには1~3があり、これらは第1の実施形態と同様、属性情報1~3と対応している。なお、属性情報1~3は、第1の実施形態と同じ情報であってもよいし、異なる情報であってもよい。後者の場合、例えば、属性情報1は氏名、属性情報2は氏名及び住所、属性情報3は氏名、住所及び肩書であってもよい。
【0050】
S111の処理に応じ、メインサーバ2400は、全候補者PC2200に対して開示概要情報及び契約概要情報並びにS111の開示レベルを送信する(S112)。開示概要情報は、上記の通り、対象情報1~3の概要である。契約概要情報は、上記の通り、契約内容の概要である。次に、候補者PC2200は、S112の開示概要情報及び開示レベルをディスプレイに表示させる(S113)。次に、候補者PC2200は、開示概要情報及び契約概要情報に対する承認及び開示レベルの選択の入力を受け付ける(S114)。候補者は、対象情報及び契約の概要を参考としてこれに承認(本発明の第1承認に対応する)を与えるか検討し、承認又は非承認を候補者PC2200に入力する。また、候補者は、開示レベルを選択し、候補者PC2200に入力する。これにより、情報開示元に開示される属性情報が段階的に選択されると共に、選択されたレベルの属性情報が情報開示元に開示されることに候補者が承認(本発明の第2承認に対応する)を与えたことになる。S114の入力結果はメインサーバ2400に送信される(S115)。
図6の例では承認が入力された場合が記載されている。なお、S115の処理が、本発明の第1承認取得処理に対応する。S111~S115の処理が本発明の第2承認取得処理に対応する。また、S114の処理が本発明の個人情報選択処理に対応する。
【0051】
また、S119において、S16で生成された候補者のリストと、S115で送信されたレベルに対応する属性情報と、契約書の雛形とが、メインサーバ2400から開示元PC2100に送信される。ここで送信される属性情報は、第1の実施形態と同様、S115で候補者PC200から送信された開示レベル及びそれより低いレベルに対応する属性情報である。また、契約書の雛形は、第1の実施形態と同様、契約雛形情報に基づいて送信される。次に、開示元PC2100は、S119の候補者リスト及び属性情報1~3並びに契約書雛形をディスプレイに表示させる(S120)。次に、開示元PC2100は、表示されたリストからの情報開示先となる候補者の選択及び候補者の抽出並びに契約書に対する承認の入力を受け付ける(S121)。S27以降の処理は第1の実施形態と同様である。
【0052】
<変形例>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0053】
例えば、上述の第1の実施形態では、
図4のS27の契約書への電子署名が、記憶部410に記憶された情報開示元及び情報開示先となった候補者双方の秘密鍵に基づいてメインサーバ400において実行されている。これに対し、電子署名が開示元PC100及び候補者PC200においてなされてもよい。例えば、必要事項が記入された契約書の電子文書がメインサーバ400から開示元PC100へと送信され、開示元PC100において情報開示元の電子署名がその電子文書になされた後に、情報開示元の電子署名がなされた電子文書がメインサーバ400を通じて候補者PC200へと送信され、候補者PC200においてさらに候補者の電子署名がその電子文書になされてもよい。
【0054】
また、上述の第1の実施形態では、
図4のS15の承認が送信された候補者PC200に対応する候補者からなるリストがS16で生成され、このリストに含まれる候補者から、情報開示元の選択結果に基づいて開示元PC100によりS21で情報開示先が抽出される。このような情報開示元の選択結果に基づく抽出が行われず、S16で生成されたリストに含まれる全ての候補者がメインサーバ400により情報開示先として抽出されてもよい。この場合、メインサーバ400による抽出処理が本発明の開示先抽出処理に対応する。また、最初に情報開示元が全候補者から有力候補者を抽出し、次に、その有力候補者に対してS12~S15の処理が実行されてもよい。この場合、まず、メインサーバ400から全候補者のリストが開示元PC100に送信される。次に、そのリストから情報開示先が有力候補者を選択した結果が開示元PC100に入力され、その入力結果が開示元PC100からメインサーバ400に送信される。次に、入力結果が示す候補者の候補者PC200に対してS12~S15が実行される。そして、S15に基づいてS16で生成されたリストから、さらに開示元PC100において情報開示先が抽出されてもよいし、S16で生成されたリスト中の全候補者がメインサーバ400において情報開示先として抽出されてもよい。
【0055】
また、上述の第1の実施形態では、
図4のS12においてメインサーバ400から候補者PC200へと契約概要情報が送信される。これに代えて、又は加えて、契約書の雛形の全文がメインサーバ400から候補者PC200へと送信されてもよい。
【0056】
また、情報開示の許可及び禁止の処理として、上述の第1及び第2の実施形態に係る処理以外のものが採用されてもよい。例えば、情報開示先となった候補者に対し、対象情報に相当する動画や音声をリアルタイムで提供する非公開ウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を送信したり、対象情報を提供する番組を視聴中の候補者のうち、情報開示先以外の候補者を、番組の視聴を強制的に中断させたりする処理が採用されてもよい。また、全候補者に配布された音声プレイヤーのうち、情報開示先となった候補者に渡された音声プレイヤーのみから対象情報に相当する音声が再生される処理がなされてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 情報開示システム
100 開示元PC
200 候補者PC
300 オンラインコミュニケーションサーバ
400 メインサーバ
410 記憶部
900 セキュリティ設備
1000 情報開示システム
1400 メインサーバ