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特開2024-119281ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を分解資化可能な微生物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119281
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を分解資化可能な微生物
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/14 20060101AFI20240827BHJP
   C02F 3/34 20230101ALI20240827BHJP
   C12N 11/04 20060101ALN20240827BHJP
【FI】
C12N1/14 A ZNA
C02F3/34 Z
C12N11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026067
(22)【出願日】2023-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (その1) 発行日 2022年10月15日 刊行物 日本水処理生物学会誌 別巻 第42号 (その2) 開催日 2022年11月18日から2022年11月20日 集会名、開催場所 日本水処理生物学会第58回大会(熊本大会) 熊本大学黒髪南地区(熊本市中央区黒髪2-39-1) (その3) ウェブサイトの掲載日 2022年7月6日 ウェブサイトのアドレス http://getentry.ddbj.nig.ac.jp/getentry/na/LC671521?filetype=html (その4) ウェブサイトの掲載日 2022年10月12日 ウェブサイトのアドレス http://getentry.ddbj.nig.ac.jp/getentry/na/LC731821?filetype=html (その5) 提出日 2022年10月25日 寄託機関 独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター (その6) ウェブサイトの掲載日 2023年1月27日 ウェブサイトのアドレス https://www.nite.go.jp/nbrc/ https://www.nite.go.jp/nbrc/catalogue/NBRCDispSearchServlet?lang=jp https://www.nite.go.jp/nbrc/catalogue/NBRCCatalogueDetailServlet?ID=NBRC&CAT=00115858
(71)【出願人】
【識別番号】513099603
【氏名又は名称】兵庫県公立大学法人
(71)【出願人】
【識別番号】391010895
【氏名又は名称】小西化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武尾 正弘
(72)【発明者】
【氏名】戸村 正稔
(72)【発明者】
【氏名】福島 大樹
(72)【発明者】
【氏名】新家 悟之
【テーマコード(参考)】
4B033
4B065
4D040
【Fターム(参考)】
4B033NA13
4B033NB48
4B033NB62
4B033NC06
4B033ND04
4B033ND08
4B033NG03
4B033NH10
4B065AA58X
4B065AC20
4B065CA55
4D040DD07
4D040DD12
4D040DD16
(57)【要約】
【課題】ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解可能な微生物を提供する。さらに、当該微生物を用いたジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理方法を提供する。
【解決手段】ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び/又は分解能を有する、真菌、及び当該真菌により、対象物中のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解させる工程を含む、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び/又は分解能を有する、真菌。
【請求項2】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能を有する、請求項1に記載の真菌。
【請求項3】
エクソフィアラ属(Exophiala)に属する真菌である、請求項1に記載の真菌。
【請求項4】
エクソフィアラ・ゼノバイオティカ種(xenobiotica)に属する真菌である、請求項1に記載の真菌。
【請求項5】
(A)28S rDNAが、配列番号1で示される塩基配列と99%以上の同一性を有する、及び/又は
(B)ITS-5.8S rDNAが、配列番号2で示される塩基配列と99%以上の同一性を有する、
請求項1に記載の真菌。
【請求項6】
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の資化能を有する、請求項1に記載の真菌。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の真菌により、対象物中のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解させる工程を含む、
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理方法。
【請求項8】
前記真菌が固定化真菌である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び/又は分解能を有する真菌を含む、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を分解資化可能な微生物、当該微生物を用いたジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(明細書及び図面において、「ジヒドロキシジフェニルスルホン」又は「4,4’-DDS」と略することもある)は、更に需要が見込まれるポリエーテルスルホンやポリスルホン等の耐熱性エンジニアリングプラスチックの原材料等で大量に使用されている(例えば、強度や耐候性を必要とする航空機機体素材への使用)。しかしながら、類似構造のビスフェノール類に比べ、極めて生分解されにくく、ジヒドロキシジフェニルスルホンを単一炭素源として利用し、完全分解することのできる微生物は未だ報告されていない。
【0003】
一方、ジヒドロキシジフェニルスルホンは他のビスフェノール類に比べて水溶性が高いため、生物蓄積性や生物濃縮性は低い。産業上、一般環境の浄化よりはむしろ発生源でのジヒドロキシジフェニルスルホンの除去や局所的に高濃度で含まれる環境に対する効果的な浄化法の開発が望まれる。
【0004】
これまでにジヒドロキシジフェニルスルホンの生物分解については、土壌や汚泥、河川水等の環境試料を出発材料とする、混合微生物集団による分解の報告がいくつかあるが、ジヒドロキシジフェニルスルホンを資化できる本質的な微生物は報告されていない。
【0005】
汚泥や土壌等を出発材料とする混合微生物集団や集積物を用いたジヒドロキシジフェニルスルホンの分解では、ジヒドロキシジフェニルスルホンを分解する本質的な菌株の組み合わせや分解の仕組みが不明である。それ故、それらを活用したジヒドロキシジフェニルスルホンの分解処理法を開発したり、その処理系を維持したりする場合、常にその能力の低下や消失のリスクがあり、一旦そのようなケースに遭遇すると原因の究明や分解能力の再構築が困難である。
【0006】
フェノール類化合物を分解する能力を有する微生物としては、特許文献1及び2に報告がなされている。
【0007】
特許文献1では、好気条件下で、フェノールを資化し、共代謝でトリクロロエチレンを分解することができるβプロテオバクテリアに属する細菌が報告されている。
【0008】
特許文献2では、フェノール類化合物を分解する能力を有する微生物としてのアルカリゲネス属微生物は、一般の汚泥中に極めて微量ながら存在する可能性があり、その汚泥を担体の存在下に連続曝気条件下でフェノール類化合物含有排水に馴化すると、その極めて微量のアルカリゲネス属微生物であっても、その汚泥中における主たる微生物の一つといえるまでに選択的に増殖されることが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002-142756号公報
【特許文献2】特開2016-041393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解可能な微生物を提供することを目的とする。さらに、本発明は、当該微生物を用いたジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
好気的生物学的廃水処理法や土壌浄化法でジヒドロキシジフェニルスルホン含有廃水やジヒドロキシジフェニルスルホン汚染土壌等を浄化する場合、処理系に安定して微生物を定着させ、その分解能力を発揮させるためには、ジヒドロキシジフェニルスルホンを基質として資化及び増殖できる微生物の存在が極めて重要かつ有利である。そこで、本発明者らは、従来までジヒドロキシジフェニルスルホン資化微生物が明確に分離されてこなかったため、新規にジヒドロキシジフェニルスルホン資化微生物を環境試料から取得することを試みた。
【0012】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ジヒドロキシジフェニルスルホンを分解及び資化できる真菌エクソフィアラ・ゼノバイオティカ(Exophiala xenobiotica)BPS1株を初めて分離及び同定した。また、従来までは、ジヒドロキシジフェニルスルホン分解混合微生物系を用いても50mg/L程度のジヒドロキシジフェニルスルホンの分解で、しかもその分解に長時間を必要としていたが、本発明により、この菌株の単独使用で、短時間かつ高濃度でのジヒドロキシジフェニルスルホンの分解が示唆された。
【0013】
本発明は、これら知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであり、次の真菌、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理方法等を提供するものである。
【0014】
項1.ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び/又は分解能を有する、真菌。
項2.ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能を有する、項1に記載の真菌。
項3.エクソフィアラ属(Exophiala)に属する真菌である、項1又は2に記載の真菌。
項4.エクソフィアラ・ゼノバイオティカ種(xenobiotica)に属する真菌である、項1又は2に記載の真菌。
項5.(A)28S rDNAが、配列番号1で示される塩基配列と99%以上の同一性を有する、及び/又は
(B)ITS-5.8S rDNAが、配列番号2で示される塩基配列と99%以上の同一性を有する、
項1~4のいずれか一項に記載の真菌。
項6.4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種の資化能を有する、項1~5のいずれか一項に記載の真菌。
項7.項1~6のいずれか一項に記載の真菌により、対象物中のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解させる工程を含む、
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理方法。
項8.前記真菌が固定化真菌である、項7に記載の方法。
項9.ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び/又は分解能を有する真菌を含む、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理剤。
【発明の効果】
【0015】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物は産業上重要な化学物質でありながら、生分解性が極めて悪いことが知られているが、本発明により、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化能及び/又は分解能を有する真菌が初めて提供される。これまでに単一のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化する微生物は明確に報告されておらず、特に真菌の報告は今まで無く、本発明の真菌が初めてである。
【0016】
また、従来までは、ジヒドロキシジフェニルスルホン分解混合微生物系を用いても、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の分解に長時間を必要としていたが、本発明により、この真菌の単独使用で、短時間かつ高濃度でのジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の分解が可能となる。これは、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有工業廃水等の生物処理への適用の可能性を示唆するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ジヒドロキシジフェニルスルホン分解菌の集積培養の経時変化を示すグラフである。
図2】1/2LB寒天培地上の菌叢を示す写真である。
図3】分離株BPS1株によるジヒドロキシジフェニルスルホンの分解及び増殖を示すグラフである。値は平均±SD、n=3。
図4】分離株BPS1株の28S rRNA遺伝子領域の増幅した部分を示す図である。
図5】分離株BPS1株の28S rRNA遺伝子の部分塩基配列(587bp)を示す図である。
図6】分離株BPS1株のITS領域の増幅した部分を示す図である。
図7】分離株BPS1株のITS領域の増幅した部分の塩基配列(571bp)を示す図である。
図8】株式会社日立ハイテク製卓上顕微鏡TM-1000及び日本電子株式会社製卓上走査電子顕微鏡JCM-6000による分離株の形態観察の結果を示す写真である。
図9】分離株BPS1株によるジヒドロキシジフェニルスルホンの分解と溶存炭素量との関係を示すグラフである。
図10】分離株BPS1株によるジヒドロキシジフェニルスルホンの分解と遊離硫酸イオンの生成の関係を示すグラフである。
図11】分離株BPS1株による初期濃度の異なるジヒドロキシジフェニルスルホンの分解を示すグラフである。
図12】分離株BPS1株の固定化細胞によるジヒドロキシジフェニルスルホンの分解を示すグラフである。
図13】分離株BPS1株による2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン(図面において、「2,4’-DDS」と略する)の分解及び増殖を示すグラフである。値は平均±SD、n=3。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
本発明の真菌は、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び/又は分解能を有することを特徴とする(以下、「本発明の真菌」と称することもある)。
【0020】
本明細書において、「資化」とは微生物がある化合物を栄養源として利用することを意味し、ある化合物を栄養源として利用しないことを含む「分解」とは異なるものとする。
【0021】
当該真菌としては、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び/又は分解能を有するものであればいかなるものでもよい。中でも、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能を有するものが好ましい。
【0022】
当該真菌は、例えば、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を含有する廃水を処理している処理場の活性汚泥を分離源とし、後述する実施例に記載の方法等を用いることで取得することが可能である。
【0023】
かかる真菌としては、例えば、エクソフィアラ属(Exophiala)に属する真菌が挙げられ、エクソフィアラ属に属する真菌の中でもエクソフィアラ・ゼノバイオティカ種(xenobiotica)に属する真菌が好ましい。
【0024】
エクソフィアラ・ゼノバイオティカ種に属する真菌の一例としては、エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株が挙げられる。後述する実施例で示すように、BPS1株はジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び分解能を有する。以下に、エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株の菌学的性質及び遺伝学的性質を示す。
【0025】
(i)菌学的性質
エクソフィアラ・ゼノバイオティカ種を定義したDe Hoogらの論文(Antonie Van Leeuwenhoek,90,257-268(2006))のFig.3のイラストと酷似した形態、すなわち、菌糸様細胞、酵母様細胞、分生胞子、分生胞子生産細胞等が存在する。
【0026】
(ii)遺伝学的性質
エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株の染色体DNAに含まれる28S rRNA遺伝子(以下、28S rDNAという)領域の塩基配列を配列番号1に示す。また、エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株の染色体DNAに含まれるITS(internal transcribed spacer)-5.8S rRNA遺伝子(以下、ITS-5.8S rDNAという)領域の塩基配列を配列番号2に示す。これら28S rDNA領域及びITS-5.8S rDNA領域の塩基配列の決定は、エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株からゲノムDNAを抽出し、該ゲノムDNAを鋳型として、PCRを行って28S rDNA領域及びITS-5.8S rDNA領域を増幅し、常法に従ってその全長の塩基配列を決定することによって行った。なお、28S rDNA遺伝子領域のPCRによる増幅には図4に記載のプライマーNL1及びNL2を使用し、また、ITS-5.8S rDNAのPCRによる増幅には図6に記載のプライマーITS1及びITS4を使用した。なお、取得した配列からプライマー配列は除去している。
【0027】
エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株の28S rDNA領域及びITS-5.8S rDNA領域の塩基配列についてデータベースに対するBLAST検索を行ったところ、BPS1株は、エクソフィアラ・ゼノバイオティカ種に属する真菌であることが確認された。
【0028】
当該エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に寄託されている(2022年11月9日)。具体的には、エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株は、受託番号NBRC115858で寄託されている。この菌株は、所定の手続によって寄託機関から分譲を受けることができる。
【0029】
上記エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株以外に、当該真菌の具体例としては、配列番号1で示される塩基配列と99%以上の同一性を有する塩基配列からなる28S rDNAを有する真菌、及び配列番号2で示される塩基配列と99%以上の同一性を有する塩基配列からなるITS-5.8S rDNAを有する真菌が例示される。ここでの同一性としては、99.1%以上、99.2%以上、99.3%以上、99.4%以上、99.5%以上、99.6%以上、99.7%以上、99.8%以上、99.9%以上等も挙げられる。
【0030】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物は産業上重要な化学物質でありながら、生分解性が極めて悪いことが知られているが、エクソフィアラ・ゼノバイオティカBPS1株は、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び分解することが可能である。これまでに単一のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化する微生物は明確に分離されていなかったため、BPS1株は新規の微生物である。さらに、真核生物のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の分解資化菌の報告は存在しないことから、この点においてもBPS1株は新規の微生物と考えられる。
【0031】
本発明におけるジヒドロキシジフェニルスルホン化合物としては、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、それらの塩等が挙げられる。ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物は、1種のみ又は2種以上の組合せのいずれであってもよい。
【0032】
そのような塩としては、特に限定されず、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、鉄塩等の無機塩基との塩;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基との塩;アンモニウム塩が挙げられる。当該塩は、酸付加塩であってもよく、かかる塩としては、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸等の有機酸との酸付加塩が挙げられる。
【0033】
本発明のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理方法は、本発明の真菌により、対象物中のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解させる工程を含むことを特徴とする(以下、「本発明の処理方法」と称することもある)。
【0034】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物等は、上記と同様である。
【0035】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物とは、本発明の真菌による処理の対象物となるものであって、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物が含有するものである限り特に限定されない。ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の具体例としては、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を含有する(工場等からの)廃水、下水及び汚水、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を含有する(工場敷地、工場跡地等の)土壌等が挙げられる。本発明の処理方法により、対象物中のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解させることが可能であるので、対象物となる廃水、土壌等を浄化することができる。
【0036】
本発明の処理方法において、真菌を固定化して用いることもできる。真菌の固定化には、包括法、架橋法、担体結合法等が存在する。包括法とは真菌を高分子ゲルの微細な格子の中に包み込むか、又は半透膜性の高分子の皮膜によって被覆する方法であり、架橋法とは真菌を2個又はそれ以上の官能基を持った試薬(多官能性架橋剤)で架橋する方法であり、担体結合法とは水不溶性の担体に真菌を結合させる方法である。固定化に用いられる固定化担体としては、ガラスビーズ、シリカゲル、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カラギーナン、アルギン酸、寒天、ゼラチン、活性炭、ゼオライト、セライト、セルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0037】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解させる工程は、好気条件下で実施されることが望ましい。
【0038】
本発明の処理方法において、資化及び/又は分解させるジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の(液体中の)濃度は、例えば、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2’-ジヒドロキシジフェニルスルホンの場合、1μM以上、5mM以下である。
【0039】
本発明の処理方法により、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を、例えば、初期濃度の10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下まで資化及び/又は分解させることが可能である。
【0040】
また、本発明の処理方法により、対象物中のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解させるために必要な期間は、例えば、1時間以上、3日以下である。
【0041】
本発明において真菌を使用する際の使用条件(使用温度、培養条件等)は特に限定されるものではなく、使用する真菌の性質及び特徴に応じてジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解に最適な使用条件を選択すればよい。
【0042】
本発明の真菌により、対象物中のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解させるために、対象物に本発明の真菌の添加、投与、接触等を行う。本発明の真菌は、いわゆる活性汚泥法のような一般的な好気的生物処理法に、乾燥粉末や液体の高濃度微生物製剤として添加し、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物分解能力を既存の処理法に与える方法、あるいは一般的な微生物固定化法により高濃度固定化物を調製後、廃水処理系に投入する方法等で工業廃水の処理に適用できる。また、本発明の真菌は、土壌や水系に上記の形態で直接散布することでも使用可能である。その際に使用する本発明の真菌の量は特に限定されず、使用する真菌の種類等に応じてジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を資化及び/又は分解に最適な量を選択すればよい。
【0043】
従来までは、ジヒドロキシジフェニルスルホン分解混合微生物系を用いても、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の分解に長時間を必要としていたが、本発明の処理方法によって、本発明の真菌の単独使用で、短時間かつ高濃度でのジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の分解が可能となる。これは、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有工業廃水等の生物処理への適用の可能性を示唆するものである。本発明により、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物を含む工業廃水等を環境フレンドリーな方法で浄化することが可能となる。
【0044】
本発明のジヒドロキシジフェニルスルホン化合物含有物の処理剤は、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物の資化能及び/又は分解能を有する真菌を含むことを特徴とする(以下、「本発明の処理剤」と称することもある)。
【0045】
ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物等は、上記と同様である。
【0046】
本発明の処理剤は、基本的には上記真菌を含むものであればよく、その他に、培地成分、保護剤、pH調整剤等を含むものであってもよい。本発明の処理剤の形態としては、例えば、ペレット状、粉末状、繊維状等の固形形態、液状形態等が挙げられる。
【0047】
本発明によれば、目標12「持続可能な消費生産形態を確保する」等の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することができる。
【0048】
なお、本明細書において「含む」とは、「本質的にからなる」と、「からなる」をも包含する(The term “comprising” includes “consisting essentially of” and “consisting of.”)。また、本発明は、本明細書に説明した構成要件を任意の組み合わせを全て包含する。
【0049】
また、上述した本発明の各実施形態について説明した各種特性(性質、構造、機能等)は、本発明に包含される主題を特定するにあたり、どのように組み合わせられてもよい。すなわち、本発明には、本明細書に記載される組み合わせ可能な各特性のあらゆる組み合わせからなる主題が全て包含される。
【実施例0050】
以下、本発明を更に詳しく説明するため実施例を挙げる。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。
【0051】
(1)和歌山市和歌川終末処理場から採取した活性汚泥を微生物源として、これを1mM-ジヒドロキシジフェニルスルホンを含む無機塩培地100mL(KHPO 1g/L,(NHSO 1g/L,MgSO・7HO 0.2g/L,FeCl 0.02g/L,NaCl 0.1g/L,CaCl 0.1g/L,pH7.4,以下MSBと略す)に1%(v/v)で植種し、30℃、150rpmで回転振盪培養によるジヒドロキシジフェニルスルホン分解微生物群の集積を行った。その結果、図1に示す通り、1ヶ月以上の馴養の後、2週間程度で1mMのジヒドロキシジフェニルスルホン(約250mg/L)を完全に消失させる微生物集積物を得た。ジヒドロキシジフェニルスルホンの分析はHPLCによるUV吸収(275nm)検出で行ったが、この波長での検出でクロマトグラム上には顕著な中間体は検出されなかったため、ジヒドロキシジフェニルスルホンの芳香環は壊れた可能性が高いと推定された。
【0052】
(2)ジヒドロキシジフェニルスルホン分解集積物を希釈して1mM-ジヒドロキシジフェニルスルホンを含むMSB寒天培地(寒天濃度1.5%w/v)あるいは1/2LB寒天培地(バクトトリプトン5g/L,バクトイーストエキストラクト2.5g/L,NaCl 5g/L,pH7.0,寒天濃度1.5%w/v)に塗沫し、30℃で静置培養したところ、図2の写真の真菌と推定される菌株を得た。
【0053】
(3)本菌株を約0.5mM-ジヒドロキシジフェニルスルホン(約125mg/L)を含むMSB液体培地に1白金耳植種し、30℃、150rpmで回転振盪培養したところ、図3に示す通り、15日間でほぼ完全にジヒドロキシジフェニルスルホンを消失させ、濁度による本質的な菌体の増殖も確認できた。これにより、本菌株をジヒドロキシジフェニルスルホン分解資化菌BPS1株と命名した。
【0054】
(4)寒天培地上の菌体の一部を採取し、図4に示すプライマーを表1の組成のPCR反応液に入れた後、適切な温度プログラムにより28S rRNA遺伝子領域をPCR法で増幅した結果、0.6kbサイズのDNA断片が得られた。このPCR増幅断片の塩基配列を解析したところ、プライマー配列を除き、図5に示す587bpの塩基配列(DDBJ accession no.LC671521)が得られた。Nucleotide BLASTによる相同性検索の結果、Exophiala xenobiotica CBS 128093株、128104株、128095株、127909株の28S rRNA遺伝子配列と99.65%、Exophiala spinifera CBS 128091株、128089株とも99.65%の相同性があった。この結果から、少なくとも本菌株は、黒色酵母として知られるExophiala属の真菌と推定された。これまでに真核生物のジヒドロキシジフェニルスルホン分解資化菌の報告は存在しないため、新規のジヒドロキシジフェニルスルホン分解資化菌と考えられる。
【0055】
【表1】
【0056】
さらに、図6に示すプライマーを表1の組成のPCR反応液に入れた後、適切な温度プログラムによりITS領域をPCR法で増幅した結果、0.6kbサイズのDNA断片が得られた。このPCR増幅断片の塩基配列を解析したところ、プライマー配列を除き、図7に示す571bpの塩基配列(DDBJ accession no.LC731821)が得られた。Nucleotide BLASTによる相同性検索の結果、表2に示す様にExophiala xenobiotica CBS 127909株、strain A44株、BMU 00223株、IFM 58546株のITS領域の配列と100%の相同性があった。この結果から、本菌株は、黒色酵母として知られるExophiala xenobiotica種の真菌と同定された。
【0057】
【表2】
【0058】
(5)本菌株の卓上走査電子顕微鏡(Miniscope(登録商標) TM-1000,株式会社日立ハイテク及び日本電子株式会社製卓上走査電子顕微鏡NeoScope(登録商標) JCM-6000)による形態観察の結果、図8に示す通り、Exophiala xenobioticaの種の定義を行なったDe Hoogらの論文(Antonie Van Leeuwenhoek,90,257-268(2006))のFig.3のイラストと酷似した形態、すなわち、菌糸様細胞、酵母様細胞、分生胞子、分生胞子生産細胞等が観察された。この結果も前記同定を支持するものである。
【0059】
(6)本菌株BPS1株によるジヒドロキシジフェニルスルホンの資化を補強するため、前記(3)のジヒドロキシジフェニルスルホン分解試験と同様の分解試験を実施し、ジヒドロキシジフェニルスルホン分解に伴う溶存炭素量の変化を株式会社島津製作所製TOC-VCSNを用い、NPOC法で測定した。その結果、図9に示す通り、約0.48mM(約120mg/L)のジヒドロキシジフェニルスルホンが15日間でほぼ消失し、それに伴い約50mgC/Lの炭素量の減少が観測された。ジヒドロキシジフェニルスルホン(C1210S,MW=250.27)の理論炭素率は57.6%(144/250=0.576)であるので、投入された理論炭素量は120×0.576=69.1mgC/Lと計算される。この結果から、投入したジヒドロキシジフェニルスルホンの炭素の72.5%(50/69=0.725)が消失したことになる。減少分の炭素は、資化されて菌体への炭素固定に使用されたり、あるいは呼吸等によりCOとして放出されたと考えられる。
【0060】
(7)本菌株BPS1株によるジヒドロキシジフェニルスルホンの分解をさらに補強するため、MSBの組成を硫黄成分なしのS-free MSB(KHPO 1g/L,(NH)Cl 0.5g/L,NaNO 0.5g/L,MgCl 0.2g/L,FeCl 0.02g/L,NaCl 0.1g/L,CaCl 0.1g/L,pH7.4)に変更し、前記(3)と同様のジヒドロキシジフェニルスルホン分解試験を実施した。その結果、図10に示す通り、約0.55mMのジヒドロキシジフェニルスルホンは15日間でほぼ消失し、それに伴い0.3mM以上の遊離硫酸イオンが検出された。したがって、ジヒドロキシジフェニルスルホンの芳香環をつなぐスルホン部分の硫黄原子はかなりの量が硫酸イオンとして遊離したことが明らかとなった。本試験では、HPLCによるイオンクロマトグラフィーで硫酸イオンのみを分析したため、亜硫酸イオンやチオ硫酸イオンのような他の無機硫黄イオン種として硫黄原子が存在する可能性もある。この結果からも、ジヒドロキシジフェニルスルホンのかなりの構造が破壊されたことが明確である。
【0061】
(8)本菌株BPS1株がどの程度のジヒドロキシジフェニルスルホン分解能力を有するかを確認するため、ジヒドロキシジフェニルスルホンの初期濃度を1mM、2mM、5mM程度に調整した培地を用いて分解試験を実施した。その結果、図11に示す通り、2mM弱(約1.8mM,450mg/L)の濃度までは同じ分解試験法で分解が可能であることがわかったが、6mMでは分解が途中で停止した。この濃度のジヒドロキシジフェニルスルホンの微生物分解はこれまでに報告された例はない。
【0062】
(9)実廃水処理系を想定し、ジヒドロキシジフェニルスルホンの分解にかかる時間を大幅に短縮するために、固定化細胞によるジヒドロキシジフェニルスルホンの分解を試みた。まず、雑菌の増殖を防ぐため50mg/Lのクロラムフェニコールを含む、LB培地(バクトトリプトン10g/L,バクトイーストエキストラクト5g/L,NaCl 10g/L,pH7.4)(以下、LC培地と称す)100mLに、ジヒドロキシジフェニルスルホン分解活性を維持したBPS1株の前培養液を2mL(2%v/v)加え、ジヒドロキシジフェニルスルホンの最終濃度が0.5mMとなるように調整後、25℃、140rpmで48時間回転振盪培養を行った。培養液中の菌体を遠心分離(9600rpm,4℃,10min)で集菌し、滅菌水で2回洗浄した。さらに、得られた菌体を滅菌水4mLで再懸濁(OD600=3程度)し、あらかじめアルギン酸ナトリウムを湯煎で滅菌水に溶かした溶液(最終濃度30g/L)20mLに加えて混合した。この溶液を、1mL容注射器を用いて1.5%w/v CaCl水溶液に滴下し、15分静置してゲル化させた。得られたビーズ(直径3mm前後)を滅菌水でよく洗浄し、LC培地50mLに加え、ジヒドロキシジフェニルスルホンを添加後、25℃、140rpmで回転振盪培養する分解試験を行った。ビーズの充填率は、50mLの培地に対し、約24mLのビーズを添加しているので、32.4%(24/74=0.324)程度であった。図12に示す通り、このビーズによる分解試験では3mM程度(約750mg/L)のジヒドロキシジフェニルスルホンが24時間~48時間以内に迅速に消失し、繰り返し分解も可能であった。単一菌による増殖をさせながらの分解では8日~14日程度かかる分解を、一般的な固定化法により1日~2日以内で完結させることができる。
【0063】
また、構造類似体に対する分解性の一例として、(3)の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン分解試験と同様の方法で2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンを分解させたところ、図13に示す通り、13日程度で0.6mMの2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンがほぼ完全に分解され、菌体の増殖も観察された(2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンの分解が始まる4時間目以降に、約0.15の濁度の増加があり、これは(3)の4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンの分解時の増殖と同等である)。この結果から、BPS1株は2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンも資化できると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の適用範囲として、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物製造プロセスから、あるいはプロセス洗浄水として、低濃度(具体的には、~数百mg/L)のジヒドロキシジフェニルスルホン含有廃水を生じ得るが、本発明の真菌は、いわゆる活性汚泥法のような一般的な好気的生物処理法に、乾燥粉末や液体の高濃度微生物製剤として添加し、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物分解能力を既存の処理法に与える方法、あるいは一般的な微生物固定化法により高濃度固定化物を調製後、廃水処理系に投入する方法等で工業廃水の処理に適用できる。また、本発明の真菌は、土壌や水系に上記の形態で直接散布することにより、ジヒドロキシジフェニルスルホン化合物に対するバイオレメディエーションにも適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【配列表】
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