(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119283
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】音量設定方法、音量設定端末、イヤホン及び音量設定システム
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026070
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小長井 裕介
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220AB08
(57)【要約】
【課題】ユーザの利用頻度の高い音量において、音量変更操作に対する音量変化特性を容易に補正することができる音量設定方法を提供する。
【解決手段】音量設定方法は、音量変更操作に対する音量変化特性の補正指示を受け付け、前記補正指示を受け付けた時の音量を基準値とし、前記基準値を基準として前記音量変化特性を補正した補正音量変化特性を生成し、生成した前記補正音量変化特性を記憶する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音量変更操作に対する音量変化特性の補正指示を受け付け、
前記補正指示を受け付けた時の音量を基準値とし、前記基準値を基準として前記音量変化特性を補正した補正音量変化特性を生成し、
生成した前記補正音量変化特性を送信する、
音量設定方法。
【請求項2】
前記補正音量変化特性は、前記音量変更操作に対する音量変化量を、補正前の音量変化量よりも小さく補正した特性である、
請求項1に記載の音量設定方法。
【請求項3】
前記補正音量変化特性は、前記音量変更操作における操作値毎に2dBAの前記音量変化量を示す、
請求項2に記載の音量設定方法。
【請求項4】
前記補正音量変化特性は、前記音量変更操作の上限値に対して、予め決められた上限の音量になるように生成される、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音量設定方法。
【請求項5】
生成した前記補正音量変化特性を、ワイヤレス通信で、端末からイヤホンに送信する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音量設定方法。
【請求項6】
前記ワイヤレス通信で音信号を送るプロトコルとは別のプロトコルを使用して、前記ワイヤレス通信で前記端末から前記イヤホンに前記補正音量変化特性を送信する、
請求項5に記載の音量設定方法。
【請求項7】
ユーザから前記補正指示に対応する操作を受け付ける、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の音量設定方法。
【請求項8】
音量変更操作に対する音量変化特性の補正指示を受け付ける補正指示受付部と、
前記補正指示を受け付けた時の音量を基準値とし、前記基準値を基準として前記音量変化特性を補正した補正音量変化特性を生成する変化特性生成部と、
生成した前記補正音量変化特性を他の端末に送信する送信部と、
を備えた、
音量設定端末。
【請求項9】
前記変化特性生成部は、前記音量変更操作に対する音量変化量を小さく補正する、
請求項8に記載の音量設定端末。
【請求項10】
前記補正音量変化特性は、前記音量変更操作における操作値毎に2dBAの前記音量変化量を示す、
請求項9に記載の音量設定端末。
【請求項11】
前記変化特性生成部は、前記補正音量変化特性を、前記補正音量変化特性の上限値に対して、予め決められた上限の音量になるように生成する、
請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の音量設定端末。
【請求項12】
前記送信部は、生成した前記補正音量変化特性を、ワイヤレス通信でイヤホンに送信する、
請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の音量設定端末。
【請求項13】
ユーザから前記補正指示に対応する操作を受け付けるユーザインタフェースをさらに備える、
請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の音量設定端末。
【請求項14】
請求項8に記載の音量設定端末と、
音信号を取得する音信号取得部と、
前記音信号の音量を調節する音量調節部と、
前記音信号を出力する出力部と、を有する、
イヤホンと、
を備え、
前記音量設定端末は、生成した前記補正音量変化特性を、前記イヤホンに送信する、送信部をさらに備え、
前記音量調節部は、前記音信号を、前記補正音量変化特性に基づいて、前記音量を調節し、
前記出力部は、前記音信号に前記補正音量変化特性に基づく音量で前記音信号を出力する、
音量設定システム。
【請求項15】
音信号を取得する音信号取得部と、
携帯端末から受け取った補正音量変化特性を記憶する記憶部と、
前記音信号を、前記補正音量変化特性に基づく音量に調節する音量調節部と、
調節した前記音量で前記音信号を出力する出力部と、を備える、
イヤホン。
【請求項16】
前記補正音量変化特性の音量変化量は、補正前の音量変化量よりも小さい、
請求項15に記載のイヤホン。
【請求項17】
前記補正音量変化特性は、前記携帯端末によって受け付けられた音量変更操作における操作値毎に2dBの前記音量変化量を示す、
請求項16に記載のイヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の一実施形態は、音量を設定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、騒音の大きな環境で通話を行う場合、音量を細かく調節することができる音量調整装置があった(例えば、特許文献1)。特許文献1の音量調整装置は、予め記憶されている複数の音量調整のパターンのうち1つをユーザの操作に応じて選択し、選択されたパターンに基づいた音量に設定する。
【0003】
また、ステップ数と音量との関係を示すボリュームカーブにおいて、ステップ数に対応する音量変化が他より小さい領域(拡大操作量領域)を、ユーザからの操作に応じて、移動させる音響装置があった(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-347878号公報
【特許文献2】特開2005-252725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の音量調整装置は、予め記憶されている音量調整のパターンを選択する必要があった。また、特許文献2の音響装置は、拡大操作量領域をどこに移動させるか判断する必要があった。このように、従来の音量を設定(調整)する装置では、音量変更操作に対する音量変化特性を補正する領域を、ユーザが手動で選択又は移動させる必要があった。仮に、ユーザがほとんど利用しない音量の領域で、音量変更操作に対する音量変化特性を補正しても意味が無い。
【0006】
この発明の一実施形態は、ユーザの利用頻度の高い音量において、音量変更操作に対する音量変化特性を容易に補正することができる音量設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る音量設定方法は、音量変更操作に対する音量変化特性の補正指示を受け付け、前記補正指示を受け付けた時の音量を基準値とし、前記基準値を基準として前記音量変化特性を補正した補正音量変化特性を生成し、生成した前記補正音量変化特性を記憶する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態の音量設定方法は、ユーザの利用頻度の高い音量において、音量変更操作に対する音量変化特性を容易に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】音量設定システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】携帯端末の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】携帯端末の表示器に表示されるアプリケーションプログラムの初期画面の一例を示す説明図である。
【
図5】携帯端末の表示器に表示されるアプリケーションプログラム画面であって、Display dBAボタンが操作された場合を示す説明図である。
【
図6】携帯端末の表示器に表示されるアプリケーションプログラム画面であって、GOボタンが操作された場合を示す説明図である。
【
図7】第2音量カーブ及び第3音量カーブを示す説明図である。
【
図8】VOLn(操作値)に対応する音量の一例を示すテーブルである。
【
図9】携帯端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】イヤホンの構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】変形例1の第4音量カーブの一例を示す説明図である。
【
図12】変形例2の第5音量カーブの一例を示す説明図である。
【
図13】変形例3の第6音量カーブの一例を示す説明図である。
【
図14】変形例4の第7音量カーブの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本実施形態の音量設定システムについて、
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7、
図8、及び
図9を参照して、説明する。
図1は、音量設定システム100の構成の一例を示すブロック図である。
図2は、第1音量カーブc1を示す参考図である。
図3は、携帯端末1の構成の一例を示すブロック図である。
図4は、携帯端末1の表示器11に表示されるアプリケーションプログラム画面の一例を示す説明図である。
図5は、携帯端末1の表示器11に表示されるアプリケーションプログラム画面であって、Display dBA31ボタンが操作された場合を示す説明図である。
図6は、携帯端末1の表示器11に表示されるアプリケーションプログラム画面であって、GOボタン33が操作された場合を示す説明図である。
図7は、補正後の第2音量カーブc2及び第3音量カーブc3を示す説明図である。
図8は、VOLn(操作値)に対応する音量の一例を示すテーブルである。
図9は、携帯端末1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0011】
音量設定システム100は、
図1に示すように、携帯端末1と、イヤホン2とを備えている。携帯端末1は、例えば、スマートホン、タブレット型コンピュータ又は携帯音楽プレーヤ等である。
図1では、携帯端末1は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信(ワイヤレス通信)でイヤホン2に種々の信号を送信する。この例でいう、携帯端末1は、本発明の音量設定端末の一例である。
【0012】
音量設定システム100は、携帯端末1で受け付けたユーザからの操作によって、ユーザの好みの音量に音量調節をする。携帯端末1は、ユーザによって選択された音(例えば、楽曲又は音声)の音信号をイヤホン2に送信する。携帯端末1は、ユーザから音量調節操作を受け付ける。
【0013】
携帯端末1は、
図2で示される第1音量カーブc1に基づいて、VOL1からVOL16までの16ステップのそれぞれに対応する音量を設定する。
図2の例では、第1音量カーブc1における最小音量x1と最大音量x2との差は、約60dBAに設定されている。この場合、最小音量x1は、例えば、30dBAである。また、最大音量x2は、例えば、90dBAである。
【0014】
ただし、ユーザが好む音量には、個人差がある。例えば、大きい音量で音を聴取したいユーザもいれば、静かな(小さい)音量で音を聴取したいユーザもいる。上述のように、最小音量x1と最大音量x2との差が60dBAであっても、大きい音量で楽曲を聴取したいユーザは、小さい音量の領域をほとんど利用しない。また、小さい音量で楽曲を聴取したいユーザは、大きい音量の領域をほとんど利用しない。
【0015】
また、第1音量カーブc1において、最小音量x1と最大音量x2との差(音量調節幅)は60dBAに設定されている。音量調節幅60dBAが16ステップ(VOL1-VOL16)調節可能である場合、音量は、1VOL毎に4dBAで変化する。すなわち、第1音量カーブc1の変化量(傾き)は、4dBA/VOLである。第1音量カーブc1では、1VOL変更するだけで4dBAの音量の差があるので、ユーザが音量を調節しようとすると、音量が急に音が大きくなる、又は急に小さくなることがある。このように、変化量が4dBA/VOLに設定されていると、ユーザにとって、細かな音量調節が難しくなる。この例でいう、音量調節幅は、本発明の音量変化量である。
【0016】
そこで、本実施形態における携帯端末1は、ユーザ毎の好みの音量領域で、音量変更操作に対する音量変化特性を補正した補正音量変化特性を生成する。ここでいう、補正音量変化特性は、ユーザの好みの音量領域において、VOL1からVOL16(16ステップ)のそれぞれに音量を対応させた音量カーブに基づくものである。
【0017】
携帯端末1は、例えば、1VOL毎の変化量を4dBAから2dBAに変更する。変化量が変更されると、音量調節幅も変更される。携帯端末1は、変更された変化量に基づく音量カーブを生成する。携帯端末1は、設定された音量カーブに基づく補正音量変化特性をイヤホン2に送信する。
【0018】
イヤホン2は、携帯端末1から送信された音信号及び補正音量変化特性を受信する。イヤホン2は、受信した音信号に基づく音を、補正音量変化特性に基づく音量で放音する。
【0019】
なお、携帯端末1は、例えば、補正音量変化特性の設定に係る専用のアプリケーションプログラムを予めサーバからダウンロードしている。携帯端末1は、専用アプリケーションプログラムを使用することで、ユーザにとって、容易に好みの音量領域において細かな音量調節をすることができる。
【0020】
携帯端末1の構成について、詳細に説明する。携帯端末1は、
図3に示すように、表示器11と、フラッシュメモリ12と、RAM13と、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)14と、CPU15と、タッチパネル16と、近距離通信I/F17と、を備えている。この例でいう、タッチパネル16は、本発明のユーザインタフェースの一例である。また、この例でいう、近距離通信I/F17は、本発明の送信部の一例である。
【0021】
CPU15は、フラッシュメモリ12に記憶された所定のプログラムをRAM13に読み出すことにより各種の動作を行なう。なお、プログラムは、自装置のフラッシュメモリ12に記憶している必要はない。CPU15は、例えば、サーバ(図示せず)等の他装置から都度ダウンロードして、RAM13に読み出してもよい。
【0022】
また、CPU15は、機能的に補正指示受付部150及び変化特性生成部151を備えている。CPU15は、フラッシュメモリ12から補正指示受付及び変化特性生成に関するプログラムをRAM13に読み出す。これにより、CPU15は、補正指示受付部150及び変化特性生成部151を構成する。変化特性生成部151については、後述する。
【0023】
表示器11は、
図4、
図5及び
図6に示すように、Display dBAボタン31と、音量表示テキスト32と、GOボタン33と、音量カーブ表示画像34と、Resetボタン35と、を表示する。
図4で示される画面は、補正音量変化特性の設定に係る専用のアプリケーションプログラムが実行された場合に表示される。表示器11は、
図4に示すように、初期画面として、Display dBA31ボタンを表示する。
【0024】
タッチパネル16は、表示器11に積層されている。言い換えると、タッチパネル16は、表示器11とでGUI(Graphical User Interface)を構成する。タッチパネル16は、例えば、ユーザが操作面をタップ又はスライドするなどの操作を受け付ける。この例では、タッチパネル16は、ユーザが操作面にタッチした際の静電容量の変化に基づいて、操作の有無及びタッチされた位置を求める静電容量方式のタッチパネルである。
【0025】
タッチパネル16は、表示器11に表示されているDisplay dBAボタン31からユーザによるタップ操作を受け付ける。表示器11は、
図5に示すように、ユーザによってDisplay dBAボタン31がタップされると、音量表示テキスト32に現在の音量を表示する。また、表示器11は、GOボタン33を表示する。
【0026】
また、タッチパネル16は、GOボタン33からユーザによるタップ操作(補正指示操作)を受け付ける。タッチパネル16は、表示器11に表示されているGOボタン33がユーザによってタップされると、現在の音量に対する音量変化特性の補正指示を受け付ける。以下、GOボタン33がユーザによってタップされる操作を補正指示操作と呼ぶ。
【0027】
また、表示器11は、
図6に示すように、ユーザによるGOボタン33のタップを受け付けると、音量カーブ表示画像34に音量カーブを表示する。この場合、表示器11は、音量カーブ表示画像34に、現在の音量、変更後の最小音量、及び変更後の最大音量を表示する。また、表示器11は、音量カーブ表示画像34に、現在の音量、変更後の最小音量、及び変更後の最大音量のそれぞれに対応するVOLを表示する。また、表示器11は、ユーザによるGOボタン33のタップを受け付けると、Resetボタン35を表示する。
【0028】
さらに、タッチパネル16は、Resetボタン35からユーザによるタップ操作を受け付ける。表示器11は、Resetボタン35を、音量カーブが表示されている場合に表示する。Resetボタン35を受け付けた場合、表示器11は、
図4に示すように、Display dBAボタン31のみ表示する。
【0029】
近距離通信I/F17は、イヤホン2に音信号、補正音量変化特性、及び音量調節に係る情報を送信する。
【0030】
CPU15の補正指示受付部150及び変化特性生成部151について説明する(
図3参照)。補正指示受付部150は、補正指示操作(GOボタン33のタップ)を受け付けると、音量変更操作に対する音量変化特性の補正指示を受け付ける。変化特性生成部151は、補正指示を受け付けた時の音量を基準値とし、基準値を基準として音量変化特性を補正した補正音量変化特性を生成する。
【0031】
変化特性生成部151は、補正指示を受け付けると、現在の音量を基準値に設定する。変化特性生成部151は、補正指示を受け付けると、1VOL毎の変化量を2dBAに補正した補正音量変化特性を生成する。
【0032】
例えば、静かな(小さい)音量で音を聴取したいユーザが、現在、46dBAの音量で楽曲を聞いていたとする。この場合、現在の音量は、
図7に示すように、第1音量カーブc1におけるVOL5に対応する音量(音量x10)である。変化特性生成部151は、ユーザによる補正指示操作を受け付けると、現在の音量(音量x10=46dBA)を、VOL9に対応づける。さらに、変化特性生成部151は、VOL9に対応付けられた基準値(音量x10=46dBA)を基準として、1VOL毎の変化量を2dBAに補正した補正音量変化特性を生成する。この場合、変化特性生成部151は、音量x10=46dBAを基準とした第2音量カーブc2に基づく補正音量変化特性を生成する。言い換えると、変化特性生成部151は、第2音量カーブc2に基づいて、最小調節音量x11と最大調節音量x12との間で、VOL1からVOL16までの16ステップのそれぞれに対応する音量を設定する。
【0033】
また、例えば、大きい音量で音を聴取したいユーザが、現在、73dBAの音量で楽曲を聞いていたとする。この場合、現在の音量は、
図7に示すように、第1音量カーブc1におけるVOL12の音量(音量x20=73dBA)である。変化特性生成部151は、ユーザによる補正指示操作を受け付けると、現在の音量(音量x20=73dBA)をVOL9に対応づける。変化特性生成部151は、VOL9に対応付けられた基準値(x20=73dBA)を基準として、1VOL毎の変化量を2dBAに補正した補正音量変化特性を生成する。この場合、変化特性生成部151は、音量x20を基準とした第3音量カーブc3に基づく補正音量変化特性を生成する。言い換えると、変化特性生成部151は、第3音量カーブc3に基づいて、最小調節音量x21と最大調節音量x22との間で、VOL1からVOL16までの16ステップのそれぞれに対応する音量を設定する。
【0034】
変化特性生成部151は、VOL1-VOL16のそれぞれに対応する音量を算出する。算出されたVOL1-VOL16のそれぞれに対応する音量は、例えば、フラッシュメモリ12に記憶される。この例では、補正音量変化特性は、VOL1-VOL16のステップ値と、VOL1-VOL16のそれぞれに対応する音量とを含む。
【0035】
この例では、変化特性生成部151は、以下の数式に基づいて、VOL1-VOL16のそれぞれに対応する音量を算出する(
図7参照)。なお、数式のz1は変化量(この例では、2dBA/VOL)である。また、表示器11には、
図4で示されるアプリケーションプログラム画面が表示されているとする。また、VOLnのnは、1から16にいずれかである。また、音量x0は、現在の音量である。
【0036】
[数式1]
VOLnに対応する音量=音量x0-z1×(9-n)(n=1-8の場合)
[数式2]
VOLnに対応する音量=音量x0+z1×(n-9)(n=10-16の場合)
携帯端末1は、例えば、VOL1に対応する音量(最小調節音量x11、x21)を数式1で算出する。第2音量カーブc2におけるVOL1に対応する音量は、30dBAである(音量x0=46dBA、z1=2dBA、n=1)。また、第3音量カーブc3におけるVOL1に対応する音量は、57dBAである(音量x0=73dBA、z1=2dBA、n=1)。携帯端末1は、VOL16に対応する音量(最大調節音量x12、x22)を数式2で算出する。第2音量カーブc2におけるVOL16に対応する音量は、60dBAである(音量x0=46dBA、z1=2dBA、n=16)。第3音量カーブc3におけるVOL16に対応する音量は、87dBAである(音量x0=73dBA、z1=2dBA、n=16)。
【0037】
このように、変化特性生成部151は、VOL1-VOL8に対応する音量を、数式1を用いて算出する。また、変化特性生成部151はVOL10-VOL16に対応する音量を、数式2を用いて算出する。
【0038】
第2音量カーブc2において、算出されたVOL1-VOL8及びVOL10-VOL16のそれぞれに対応する音量は、例えば、
図8に示すように、VOL(ステップ数)と対応づけられてフラッシュメモリ12に記憶される。
【0039】
次に、携帯端末1の動作について
図9のフローチャートを参照して説明する。なお、この例では、第2音量カーブc2を生成した場合の例で説明する。また、この例では、現在の音量が46dBAであるとする。
【0040】
携帯端末1は、音量調節操作に対する音量変化特性の補正指示操作を、タッチパネル16を介して受け付けると(S11:Yes)、現在の音量(例えば、46dBA)を取得する(S12)。携帯端末1は、取得した現在の音量を基準値に設定する(S13)(
図5参照)。携帯端末1は、1VOL毎(VOL1-VOL8及びVOL10-VOL16のそれぞれ)に対応する音量を上記の数式1又は数式2を用いて算出する(S14)。携帯端末1は、算出した補正音量変化特性を、近距離通信I/F17を介して、イヤホン2に送信する(S15)。携帯端末1は、算出した補正音量特性に基づき、表示器11に表示されている音量カーブ表示画像34の音量カーブの表示を更新する(S16)。
【0041】
また、携帯端末1は、音量調整に係る音量調整指示をユーザ操作により受け付ける。より具体的には、携帯端末1は、ユーザからの音量調整の操作を受け付けると、受け付けた操作に応じたボリュームの操作値(VOLn)を近距離通信I/F17を介して、イヤホン2に送信する。
【0042】
このように、携帯端末1は、ユーザによる補正指示操作を受け付けると、現在の音量を基準値(例えば、音量x10又は音量x20)として、1VOL毎に対応する音量を算出する。また、携帯端末1は、補正音量変化特性をイヤホン2に送信する。さらに、携帯端末1は、ユーザから、VOLnの変更操作を受け付ける。
【0043】
なお、CPU15は、ユーザによってResetボタン35がタップされると、例えば、第2音量カーブc2又は第3音量カーブc3を補正する前の第1音量カーブc1に戻す。すなわち、CPU15は、ユーザによってResetボタン35がタップされると、音量は、第1音量カーブc1に基づいて調節されることになる。また、この場合、CPU15は、ユーザによって設定されている音量を変更しない。
【0044】
また、表示器11は、Resetボタン35を、初期画面に表示してもよい。
【0045】
また、タッチパネル16は、音量カーブ表示画像34音量カーブが表示されている場合であっても、GOボタン33の操作を受け付けてもよい。この場合、CPU15は、GOボタン33が操作される前の音量カーブを、現在の音量を基準とした新たな音量カーブに更新する。表示器11は、音量カーブ表示画像34に、現在の音量を基準とした新たな音量カーブを表示する。この場合、携帯端末1は、現在の音量を基準とした新たな音量カーブに基づく補正音量変化特性を、イヤホン2に送信する。これにより、携帯端末1は、音量変更操作に対する音量変化特性を補正した後でも、処理及び操作に関して、効率よく現在の音量を基準とした新たな音量カーブを生成することができる。
【0046】
イヤホン2の構成について、
図10を参照して説明する。
図10は、イヤホン2の構成の一例を示すブロック図である。イヤホン2は、近距離通信I/F21と、フラッシュメモリ22と、RAM23と、信号処理部24と、CPU25と、出力部26と、を備える。
【0047】
近距離通信I/F21は、携帯端末1で選択された音信号及び補正音量変化特性を携帯端末1から受信する。また、近距離通信I/F21は、携帯端末1から、音量調節に係る音量調節情報を受信する。この例でいう、近距離通信I/F21は、本発明の音信号取得部の一例である。
【0048】
CPU25は、フラッシュメモリ22に記憶された所定のプログラムをRAM23に読み出すことによりイヤホン2を統括的に制御する。
【0049】
CPU25は、音量調節部251を備えている。CPU25は、フラッシュメモリ22から音量調節に関するプログラムをRAM23に読み出す。これにより、CPU25は、音量調節部251を構成する。
【0050】
フラッシュメモリ22には、携帯端末1から受信した補正音量変化特性が記憶されている。
【0051】
音量調節部251は、携帯端末1から音量調節に係る音量調節情報を受信すると、受信した音信号を音量調節情報に応じた音量に調節する。より詳細には、音量調節部251は、音量調節情報、例えば、ボリュームの操作値(VOLn)を受け取ると、受け取ったボリュームの操作値(VOLn)に対応するゲイン値を、フラッシュメモリ22に記憶されている補正音量変化特性に基づいて、設定する。
【0052】
信号処理部24は、例えば、DSPで構成される。信号処理部24は、設定されたゲイン値に応じて、音信号のレベルを増幅又は減衰する。信号処理部24は、信号処理された音信号を出力部26に出力する。
【0053】
出力部26は、DAコンバータ(以下、DACと称す)261と、増幅器(以下、AMPと称す)262と、スピーカ263L、263Rと、を有している。DAC261は、受信した音信号をアナログ信号に変換する。AMP262は、スピーカ263L、263Rを駆動するために該アナログ信号を増幅する。スピーカ263L、263Rは、AMP262から出力された音信号に基づいた音を放音する。
【0054】
このように、携帯端末1は、ユーザによる音量調節操作を受け付け、受け付けた音量調節操作に応じた音量に係る音量調節情報をイヤホン2に送信する。イヤホン2は、受信した音量調節情報に基づいて、音信号のレベルを増幅又は減衰する。このように、この例における音量設定システム100は、ユーザの利用頻度の高い音量において、細かな音量調節をすることができる。
【0055】
なお、この例では、最小調節音量と最大調節音量の差を補正前よりも小さい30dBAに補正する例で説明したが、本発明はこれに限定されない。携帯端末1は、最小調節音量と最大調節音量との差を第1音量カーブc1における最小音量x1と最大音量x2との差(60dBA)から大きい値(例えば、80dBA)になるように補正音量変化特性を補正してもよい。この場合、携帯端末1は、1VOL毎の変化量も第1音量カーブc1における変化量よりも大きく設定する。これにより、音量設定システム100は、ユーザによって、効率よく音量の大きさを変更することができる。すなわち、音量設定システム100は、補正指示を受け付けた時の音量を基準として音量変化特性を補正することで、ユーザの利用頻度の高い音量領域において、音量変更操作に対する補正音量変化特性を容易に補正することができる。
【0056】
<変形例1>
変形例1では、ユーザの好みの音量領域が高い場合について、
図11を参照して説明する。
図11は、変形例1の第4音量カーブc4の一例を示す説明図である。この例では、最大音量(上限値)x2を超えない補正音量変化特性を生成する。すなわち、変形例1の補正音量変化特性は、最大音量x2となったVOLよりもさらにVOLを上げても、最大音量を超えない。変形例1では、携帯端末1による動作で説明する。
【0057】
この例では、最大音量x2を90dBAとして説明する。また、この例では、実施形態1と同様に、現在の音量を基準に2dBA/VOLの変化量で補正音量変化特性を生成する例で説明する。さらに、この例では、現在の音量を82dBAとして説明する。なお、
図11で示される音量x41は、第4音量カーブc4における最小調節音量を示す。
【0058】
変化特性生成部151は、補正指示操作を受け付けると、現在の音量(例えば、82dBA)を基準値に設定する。現在の音量は、第1音量カーブc1においてVOL14に対応する音量である。変化特性生成部151は、現在の音量(例えば、82dBA)をVOL9に対応づける。変化特性生成部151は、VOL9に対応付けられた基準値(x40=82dBA)を基準として、1VOL毎の変化量を2dBAに補正した補正音量変化特性を生成する。変化特性生成部151は、VOL1-VOL8を、上記の数式1を用いて算出する。また、変化特性生成部151は、VOL10-VOL16を、上記の数式2を用いて算出する。この場合の変化量は、2dBA/VOLである。変化特性生成部151は、VOLn(n=1-16)に対応する音量が90dBAを超えた場合、該音量を90dBAに設定する。
【0059】
第4音量カーブc4では、
図11に示すように、VOL14に対応する音量が90dBAである。ここで、変化特性生成部151は、VOL14-VOL16に対応する音量が最大音量x2(90dBA)を超えないように、VOL15及びVOL16に対応する音量を最大音量x2に設定する。
【0060】
このように、変形例1の携帯端末1は、最大音量x2を予め設定し、補正後のVOL1-VOL16に対応する音量が最大音量を超えないようにする。これにより、変形例1の携帯端末1は、スピーカ263L及び263Rの再生能力を超える音信号を出力することがないため、音質の劣化を抑制することができる。また、変形例1の携帯端末1は、大音量による不快感を抑制することができる。
【0061】
<変形例2>
変形例2では、ユーザが好む音量領域が高い場合について、変形例1とは別の例について、
図12を参照して説明する。
図12は、変形例2の第5音量カーブc5の一例を示す説明図である。この例では、変形例1と同様に、最大音量x2(例えば、90dBA)を超えない補正音量変化特性を生成する。ただし、変形例2では、VOL1-VOL9の変化量と、VOL9-VOL16の変化量とが異なるように、補正音量変化特性を生成する。この例では、VOL1-VOL9の変化量を、実施形態1と同様に2dBA/VOLとして説明する。変形例2では、携帯端末1による動作で説明する。また、この例では、現在の音量を82dBAとして説明する。
【0062】
現在の音量は、第1音量カーブc1のVOL14に対応する音量である。変化特性生成部151は、補正指示操作を受け付けると、現在の音量(例えば、82dBA)を基準値に設定する。言い換えると、変化特性生成部151は、現在の音量をVOL9に対応づける。変化特性生成部151は、VOL9に対応する音量x50(
図12の例では82dBA)を基準として、かつ、変化量を2dB/VOLで、VOL1-VOL8のそれぞれに対応する音量を上記の数式1を用いて算出する。変化特性生成部151は、VOL10-VOL16に対応する音量を算出するための変化量を以下の数式3で計算する。
【0063】
[数式3]
VOL9-16の変化量=(最大音量x2-音量x50)÷7ステップ
ここで、7ステップは、VOL10からVOL16までのステップ数である。また、最大音量x2は、90dBAである。さらに、音量x50は、82dBである。すなわち、変化特性生成部151がVOL9-VOL16の変化量を上記の数式3を用いて計算すると、変化量は、1dBA/VOLである(小数点以下切り捨て)。変化特性生成部151は、VOL10-VOL16に対応する音量を、上記の数式2を用いて算出する。この場合、変化特性生成部151は、算出した変化量1dBA/VOLで音量を算出する。
【0064】
このように、変化特性生成部151は、
図12に示される、第5音量カーブc5に基づく補正音量変化特性を生成する。また、変形例2では、VOL9を境に変化量を変える。補正音量変化特性は、VOL9-VOL16の変化量を、最大音量x2に基づいて算出することで、基準値が高く設定されていても、最大音量x2を超えないように生成される。これにより、変形例2の携帯端末1は、ユーザが好む音量領域において、細かな音量調節をすることができ、かつ、スピーカ263L及び263Rの再生能力を超える音信号を出力することがないため、音質の劣化を抑制することができる。また、変形例2の携帯端末1は、大音量による不快感を抑制することができる。
【0065】
<変形例3>
変形例3では、部分的に(例えば、VOL6からVOL12までにおいて)、より細かな音量調節ができるように、補正変化音量特性を生成する例について、
図13を参照して説明する。
図13は、変形例3の第6音量カーブc6の一例を示す説明図である。この例では、VOL6-VOL12までの変化量を1dBA/VOLに設定する。また、VOL1-VOL6及びVOL12-VOL16までの変化量を、例えば3dBA/VOLに設定する。
【0066】
この例では、
図13に示すように、第6音量カーブc6を領域a1と領域a2とに区別して説明する。領域a1はVOL6からVOL12までの領域を示す。領域a2は、VOL1からVOL6まで及びVOL12からVOL16までの領域を示す。変形例3では、携帯端末1による動作で説明する。
【0067】
変化特性生成部151は、補正指示操作を受け付けると、現在の音量x60を基準値に設定する。言い換えると、変化特性生成部151は、現在の音量をVOL9に対応づける。
【0068】
変化特性生成部151は、VOL1-VOL8のそれぞれに対応する音量を、上記の数式1を用いて算出する。この場合、変化特性生成部151は、VOL1-VOL8のうち、領域a2に属するVOL1-VOL6のそれぞれに対応する音量の算出に関して、変化量Z1を3dBA/VOLにして音量を算出する。また、変化特性生成部151は、領域a1に属するVOL7及びVOL8のそれぞれに対応する音量の算出に関して、変化量Z1を1dBA/VOLにして音量を算出する。
【0069】
また、変化特性生成部151は、VOL10-VOL16のそれぞれに対応する音量を、上記の数式2を用いて算出する。この場合、変化特性生成部151は、VOL10-VOL16のうち、領域a2に属するVOL12-VOL16のそれぞれに対応する音量の算出に関して、変化量Z1を3dBA/VOLにして音量を算出する。また、変化特性生成部151は、領域a1に属するVOL10及びVOL11のそれぞれに対応する音量の算出に関して、変化量Z1を1dBA/VOLにして音量を算出する。
【0070】
このように、変化特性生成部151は、
図13に示される、第6音量カーブc6に基づく補正音量変化特性を生成する。変形例3では、領域a1の変化量が領域a2の変化量よりも小さい。このように、変形例3の携帯端末1は、領域a1の変化量が領域a2の変化量よりも小さい値で補正音量変化特性を生成しているので、ユーザの利用頻度の高い音量において、より細かな音量調節をすることができる。また、携帯端末1は、VOL1-VOL16に対応する音量を変化量1dBA/VOLで算出した補正音量変化特性よりも、音量調節幅が広くなる。これにより、携帯端末1は、より広い音量調節幅で音量調節ができ、かつ、ユーザの利用頻度の高い音量において、より細かな音量調節をすることができる。
【0071】
なお、領域a1はVOL6-VOL12までに限定されない。領域a1は、
図13で示される領域よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。この場合、領域a2は、領域a1に応じて変更される。
【0072】
<変形例4>
変形例4では、ユーザの好みの音量領域おける補正音量変化特性の生成について、
図14を参照して説明する。
図14は、変形例4の第7音量カーブc7の一例を示す説明図である。なお、変形例4では、携帯端末1による動作で説明する。また、変形例4では、現在の音量は、第1音量カーブc1において、VOL5に対応する音量x10で説明する。
【0073】
携帯端末1は、実施形態1と同様に、1VOL毎の変化量を4dBAから2dBAに変更する。変化量が変更されると、音量調節幅も変更される。
【0074】
携帯端末1は、現在の音量(46dBA)を基準値に設定する。現在の音量は、第1音量カーブc1におけるVOL5に対応する音量である。変形例4の携帯端末1は、実施形態1の例と異なり、現在の音量をVOL9に対応づけず、VOL5のまま維持する。携帯端末1は、VOL5に対応する音量を基準値とし、
図14に示すように、第7音量カーブc7を生成する。携帯端末1は、VOL1-VOL4に対応する音量を、上記の数式1を用いて算出する。また、携帯端末1は、VOL6-VOL16に対応する音量を上記の数式2を用いて算出する。
【0075】
変形例4では、VOL5に対応する音量を基準値とするので、VOL6-VOL16までの音量調節幅が、VOL1-VOL4までの音量調節幅よりも大きくなる。すなわち、携帯端末1は、音量を上げるほうに対して、実施形態1の例よりも大きな音量での音量調節をすることができる。
【0076】
なお、この例では、VOL5に対応する音量を基準値として説明したがこれに限定されない。現在の音量が、第1音量カーブc1における、VOL12に対応する音量の場合、携帯端末1は、VOL12に対応する音量を基準値として、補正音量変化特性を生成してもよい。この場合、携帯端末1は、VOL1-VOL11に対応する音量を上記の数式1で算出する。また、携帯端末1は、VOL13-VOL16に対応する音量を上記の数式2で算出する。これにより、携帯端末1は、音量を下げるほうに対して、実施形態1よりも小さな音量での音量調節をすることができる。
【0077】
本実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0078】
なお、この例では、携帯端末1とイヤホン2とが無線で接続される例で説明したが、携帯端末1とイヤホン2とは有線で接続されていてもよい。
【0079】
また、携帯端末1は、ワイヤレス通信で音信号を送るプロトコルとは別のプロトコルを使用して、ワイヤレス通信で端末からイヤホン2に補正音量変化特性を送信してもよい。携帯端末1は、例えば、音信号をセキュリティーの高いBluetooth(登録商標)のプロトコルでイヤホン2に送信し、多くの情報量を送信可能なWi-Fi(登録商標)のプロトコルで補正音量変化特性を、イヤホン2に送信してもよい。携帯端末1は、送信する音信号及び補正音量変化特性のそれぞれに適したプロトコルでイヤホン2に送信することで、利便性を向上することができる。
【0080】
また、現在の音量が小さい場合、現在の音量をVOL9に対応づけると、VOL1-VOL8のそれぞれに対応する音量が、30dBAよりも小さくなる場合がある。この場合、例えば、音量設定システム100は、VOL1-VOL8に対応する音量を30dBAよりも小さくなる音量カーブを生成してもよい。あるいは、音量設定システム100は、VOL1-VOL8のそれぞれに対応する音量を30dBA未満にならないように音量カーブを生成してもよい。大音量の場合も同様に、現在の音量をVOL9に対応づけると、VOL10-VOL16のそれぞれに対応する音量が、90dBAよりも大きくなる場合がある。音量設定システム100は、VOL10-VOL16に対応する音量が90dBAよりも大きくなる音量カーブを生成してもよいし、変形例1、2の様に90dBAを超えない音量カーブを生成してもよい。
【0081】
また、イヤホン2は、携帯端末1以外の機器、例えば、サーバ又はPCから、音信号を取得してもよい。この場合、イヤホン2は、携帯端末1以外の機器と、無線又は有線で接続されている。
【符号の説明】
【0082】
1…携帯端末(音量設定端末)
2…イヤホン
11…表示器
12…フラッシュメモリ(記憶部)
13…RAM
14…ネットワークI/F
15…CPU
16…タッチパネル(ユーザインタフェース)
17…近距離通信I/F(送信部)
21…近距離通信I/F(音信号取得部)
22…フラッシュメモリ(記憶部)
23…RAM
24…信号処理部
25…CPU
26…出力部
150…補正指示受付部
151…変化特性生成部
251…音量調節部