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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119292
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】接客ロボットおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240827BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026083
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 陽介
(72)【発明者】
【氏名】中村 一輝
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】井上 生健
(72)【発明者】
【氏名】下川 サヤカ
(72)【発明者】
【氏名】小久江 千咲
(72)【発明者】
【氏名】星野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】和田 秀之
(72)【発明者】
【氏名】綿田 将悟
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049BB72
5L049CC17
5L050CC17
(57)【要約】
【課題】客の趣味嗜好に応じた接客を行うことができる接客ロボットおよびプログラムを提供する。
【解決手段】接客ロボットは、自律的に移動して、複数の店舗を含む商業施設における客の買物をサポートするものであって、客から取得した来店目的に基づいて、商業施設における立ち寄り店舗と移動ルートとを設定する行動プラン生成部(ルート設定部)と、接客ロボットを、移動ルートに沿って自律的に移動させる動作制御部(移動制御部)と、を備える。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律的に移動して、複数の店舗を含む商業施設における客の買い物をサポートする接客ロボットであって、
前記客から取得した来店目的に基づいて、前記商業施設における立ち寄り店舗と移動ルートとを設定するルート設定部と、
前記接客ロボットを、前記移動ルートに沿って自律的に移動させる移動制御部と、を備える、
接客ロボット。
【請求項2】
前記ルート設定部は、前記客の、商品購入履歴と、商品検索履歴と、前記商品購入履歴および前記商品検索履歴とから推定される趣味嗜好情報と、の少なくとも1つに基づいて、前記商業施設における立ち寄り店舗を提案する、
請求項1に記載の接客ロボット。
【請求項3】
前記ルート設定部は、
前記客の好みの商品が複数の店舗にある場合に、移動距離が最短になる店舗を通る移動ルートを設定する、
請求項1または請求項2に記載の接客ロボット。
【請求項4】
前記客の指示に応じて、前記ルート設定部が設定した移動ルートと、立ち寄り店舗と、当該立ち寄り店舗への滞在時間と、を編集するルート編集部を、更に備える、
請求項1または請求項2に記載の接客ロボット。
【請求項5】
自律的に移動して、複数の店舗を含む商業施設における客の買い物をサポートする接客ロボットを制御するコンピュータを、
前記客から取得した来店目的に基づいて、前記商業施設における立ち寄り店舗と移動ルートとを設定するルート設定部と、
前記接客ロボットを、前記移動ルートに沿って自律的に移動させる移動制御部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、接客ロボットおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客の来店目的を取得して、来店目的に応じた窓口位置まで顧客を誘導案内する店舗受付システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、顧客の来店目的に応じた対応を行うシステムが開示されている。しかし、特許文献1に開示されたシステムは、例えば金融機関のように、顧客の来店目的とそれに対する対応がある程度限定された場面に適用することを前提としたものであった。したがって、特許文献1の開示内容を、顧客の来店目的が千差万別である、例えば商業施設で買い回りを行う場面に適用するのは困難であった。一方で、商業施設にあっては、初めて訪れた顧客に対して、当該商業施設を何度も訪れている顧客と同等の接客を行うことが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、商業施設を初めて訪れた顧客に対して、当該商業施設に慣れた顧客と同等の接客を行うことができる接客ロボットおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の接客ロボットは、自律的に移動して、複数の店舗を含む商業施設における客の買物をサポートするものであって、ルート設定部と、移動制御部とを備える。ルート設定部は、客から取得した来店目的に基づいて、商業施設における立ち寄り店舗と移動ルートとを設定する。移動制御部は、接客ロボットを、移動ルートに沿って自律的に移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る接客支援システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る接客ロボットの一例を示す正面斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る接客ロボットの一例を示す背面斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る接客ロボットのハードウエア構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る店舗装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るサーバ装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図7図7は、店舗管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図8図8は、商品マスタのデータ構成の一例を示す図である。
図9図9は、ロボット管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図10図10は、ユーザ管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図11図11は、取引管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図12図12は、接客ロボット、店舗装置、およびサーバ装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図13図13は、チェックイン時に接客ロボットの正面表示部に表示されるチェックイン画面の一例を示す図である。
図14図14は、来店目的を指示する際に接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図15図15は、訪問したい店舗を選択する際に接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図16図16は、接客ロボットの正面表示部に表示される、生成された移動ルートの概略情報の一例を示す図である。
図17図17は、店舗の巡回順序を変更する方法を説明する第1の図である。
図18図18は、店舗の巡回順序を変更する方法を説明する第2の図である。
図19図19は、店舗の巡回順序を変更する方法を説明する第3の図である。
図20図20は、店舗を削除する方法を説明する第1の図である。
図21図21は、店舗を削除する方法を説明する第2の図である。
図22図22は、接客ロボットが先導モードで移動中に背面表示部に表示される案内情報の一例を示す図である。
図23図23は、接客ロボットの正面表示部に表示される基本操作画面の一例を示す図である。
図24図24は、商品画面の一例を示す図である。
図25図25は、接客ロボットが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図26図26は、チェックイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図27図27は、行動プラン設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図28図28は、移動制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図29図29は、店舗連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図30図30は、購入支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態では、接客支援システム1を、複数の店舗が入居するショッピングセンターや駅ビル等の商業施設に適用した形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
(接客支援システムのシステム構成)
図1は、実施形態に係る接客支援システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、接客支援システム1は、接客ロボット10と、店舗装置20と、サーバ装置30と、駐車場システム40と、顧客端末50とを有する。接客ロボット10、店舗装置20、サーバ装置30、および駐車場システム40は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNに接続される。
【0009】
接客ロボット10は、自律移動式の移動ロボットである。接客ロボット10は、商業施設に複数台設けられ、商業施設を利用する顧客の行動支援を行う。なお、接客ロボット10の台数は、図1の例に限らないものとする。なお、接客ロボット10の詳細構成については後述する(図2図3参照)。
【0010】
店舗装置20は、商業施設に存在する店舗の各々に設けられたPOS端末や店舗サーバ等の情報処理装置である。店舗装置20は、図示しないプロセッサの制御の下、自己の店舗に係る各種の処理を実行する。
【0011】
サーバ装置30は、接客支援システム1のサーバ装置である。サーバ装置30は、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって実現される。サーバ装置30は、接客支援システム1のデータ処理に係る各種のデータを記憶して管理する。例えば、サーバ装置30は、接客ロボット10の現在位置や動作状態を管理する。また、例えば、サーバ装置30は、接客ロボット10を介して登録された商品や、接客ロボット10を介して購入された商品を管理する。
【0012】
なお、本実施形態では、サーバ装置30は、単一の情報処理装置によって実現されるものとするが、ネットワーク接続された複数台の情報処理装置によって実現されるクラウドサーバであってもよい。また、サーバ装置30をクラウドサーバとする場合、各店舗の店舗サーバを含めた構成としてもよい。
【0013】
駐車場システム40は、商業施設の駐車場に設けられ、車両の入出庫の状態や駐車位置等を管理する。例えば、駐車場システム40は、駐車場の出入口に設けられるゲート装置、駐車場の各駐車位置を網羅するように設けられる監視カメラ、駐車場管理サーバ等を有し(何れも図示せず)、車両に付された登録番号(ナンバープレートに記載された番号)に基づき駐車位置や入退場時刻を管理する。例えば、駐車場管理サーバは、監視カメラで撮像された車両の画像から、当該車両の登録番号を認識し、駐車場内での駐車位置を示す情報と関連付けて記憶する。また、駐車場管理サーバは、ゲート装置を介して得られる車両の入退場時刻を、対応する車両の登録番号に関連付けて記憶し、駐車時間に応じた料金の徴収を、ゲート装置又は接客ロボット10を介して行う。
【0014】
顧客端末50は、顧客が所持するスマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置である。本実施形態において、顧客端末50は、例えば顧客が接客ロボット10の利用を開始するチェックイン操作時に使用される。一例として、チェックイン操作は、顧客を識別可能なユーザIDを入力することで行われる。なお、接客ロボット10は、ユーザIDが未入力の状態であっても利用することが可能であるとする。
【0015】
一例として、顧客端末50には、接客ロボット10との連携に係るアプリケーションプログラム(以下、連携プログラムともいう)が導入される。顧客端末50のプロセッサは、連携プログラムと協働することで、接客ロボット10と連携するための各種の処理を実行する。例えば、顧客端末50のプロセッサは、顧客の操作に応じて、ユーザIDを含んだコードシンボルを、顧客端末50が備える表示デバイスに表示させる。また、顧客端末50のプロセッサは、顧客の操作に応じて、接客ロボット10との間で近距離無線通信を確立することが可能であるとする。
【0016】
上述した接客支援システム1において、商業施設に訪れた顧客は、接客ロボット10による接客支援を享受することができる。具体的には、顧客は、接客ロボット10を操作することで、自身と連携した接客ロボット10による接客支援を受けることができる。接客ロボット10は、顧客と商業施設内を移動しながら、行き先となる店舗のリコメンドや商品の購入に係る支援等、各種の処理を実行する。
【0017】
なお、接客支援システム1は、図1の構成に限定されないものとする。例えば、顧客端末50は、接客支援システム1に含めない構成としてもよい。また、商業施設内に存在する店舗のEC(Electronic Commerce)サイトや、商業施設外に存在する他の店舗が運営するECサイト、各種の検索サイト等、顧客が利用することが可能な外部システムを接客支援システム1に含めてもよい。この場合、接客支援システム1の接客ロボット10、サーバ装置30等では、後述するユーザID等に基づき、顧客がECサイトで購入した商品の購入履歴や、顧客が検索サイトで検索した事柄の検索履歴等を参照可能な構成としてもよい。
【0018】
(接客ロボットの構成)
図2および図3を参照して、接客ロボット10の構成について説明する。図2は、実施形態に係る接客ロボットの一例を示す正面外観図である。図3は、実施形態に係る接客ロボットの一例を示す背面外観図である。
【0019】
図2および図3では、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸の3軸方向を用いて接客ロボット10の構成を説明する。X軸は、接客ロボット10を前後に貫き、接客ロボット10の後方から前方に向かう軸である。Y軸は、接客ロボット10を左右に貫き、接客ロボット10に正対した際に左側から右側に向かう軸である。Z軸は、接客ロボット10を上下に貫き、接客ロボット10の下方から上方に向かう軸である。以下、接客ロボット10のX軸正方向側を接客ロボット10の正面側ともいう。また、接客ロボット10のX軸負方向側を接客ロボット10の背面側ともいう。
【0020】
接客ロボット10は、本体部11と、移動部12と、インタフェース部13とを備えている。接客ロボット10は、顧客に対する心理的安心感を与えるため、例えば、動物等のキャラクターを模した外観とすることが好ましい。本実施形態の接客ロボット10は、カンガルーを模した外観を有しており、本体部11および移動部12がカンガルーの胴部に、インタフェース部13がカンガルーの頭部にそれぞれ対応する。
【0021】
本体部11は、略円筒形状の筐体111と、載置台112と、筐体111の下方背面側から正面側にかけて載置台112の周囲を覆うよう設けられたカバー部113とを有する。筐体111の正面側には、開口114が設けられており、開口114を通じて筐体111内にアクセスすることが可能となっている。載置台112は、開口114を通じて、筐体111の内部から正面側に突出した状態で設けられている。載置台112には、例えば商品等の物品を載置することができる。また、載置台112に、後述するリーダライタ部157(図4参照)を設ける構成としてもよい。ここで、載置台112は、接客ロボット10の外観において、カンガルーの育児嚢(袋)に対応するようデザインされている。
【0022】
なお、本実施形態では、載置台112の一部を筐体111から突出させた構成としたが、これに限らず、筐体111の内部に載置台112を設け、筐体111内に物品を収容可能な構成としてもよい。また、載置台112の上方の一部を筐体111で覆う形態としたが、これに限らず、載置台112の上方を覆わない形態としてもよい。
【0023】
また、開口114に蓋や扉等の開閉可能な遮蔽部材を設けることで、載置台112に載置された物品を遮蔽する構成としてもよい。遮蔽部材は、外部から内部の状態を視認できるように光透過性の部材で形成してもよい。更には、電子ロック等を設けることで、遮蔽部材による閉状態をロック可能としてもよい。これにより、例えば、接客ロボット10の移動時等に、載置台112から物品が落下することを防止することができる。また、載置台112から物品が不用意に取り出されてしまうことを防止することができる。
【0024】
一方、筐体111の背面側には、背面表示部115が設けられている。背面表示部115は、例えばタッチパネルディスプレイであり、後述する制御部154(図4参照)の制御の下、各種の情報を表示する。また、筐体111の背面側下方には、カンガルーの尾に対応する尾部116が設けられている。
【0025】
移動部12は、本体部11の下方に設けられ、本体部11を下方から支持する。移動部12は、モータおよび回転機構等を有した駆動部121(図4参照)を具備する。また、移動部12の底面側には、駆動部121によって回転駆動される複数の駆動輪、補助輪等が設けられている(何れも図示せず)。
【0026】
駆動部121は、後述する制御部154の制御の下、駆動輪を回転駆動することで、接客ロボット10を走行させることが可能となっている。具体的には、駆動部121は、駆動する駆動輪や、駆動源の回転速度、および回転方向を変えることで、接客ロボット10を任意の方向および速度で走行させる。なお、本実施形態では、接客ロボット10の正面側を進行方向に向けた状態で走行させるものとするが、これに限らず、接客ロボット10の背面側を進行方向に向けた状態で走行させてもよい。
【0027】
インタフェース部13は、本体部11の上部に設けられる。インタフェース部13は、筐体131と、正面表示部132とを有する。筐体131の正面側には、上方から下方にかけて正面側に傾斜した操作面が形成されており、当該操作面に正面表示部132が設けられている。正面表示部132は、例えばタッチパネルディスプレイであり、後述する制御部154の制御の下、各種の情報を表示する。また、筐体131には、カンガルーの耳に対応する一対の耳部133が設けられる。
【0028】
また、筐体111の操作面の下方には、後述する商品カードを挿入することが可能なスリット134が形成されている。スリット134の内部には、RFIDタグ等の無線タグの読み取りおよび書き込みを行うことが可能なリーダライタ部157(図4参照)が設けられている。リーダライタ部157は、後述する制御部154の制御の下、スリット134に挿入される商品カードの無線タグから商品を特定可能な情報を読み取ったり、当該無線タグに購入済であることを示す情報を書き込んだりする。
【0029】
また、接客ロボット10は、本体部11とインタフェース部13との間に発光部141を備える。発光部141は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有し、後述する制御部154の制御にしたがい発光する。また、発光部141は、複数色の発光素子を有し、後述する制御部154の制御にしたがい発光色を切り替える。発光部141は、発光により例えば、接客ロボット10の状態や商品の購入状態等、各種の状態を報知する。なお、本実施形態では、カンガルーの首に対応する位置に発光部141を首輪状に設けた例を示しているが、発光部141が設けられる位置や形状はこれに限らないものとする。
【0030】
また、接客ロボット10は、背面側に停止ボタン142を備える。停止ボタン142は、接客ロボット10の走行を停止させるための操作子である。停止ボタン142が操作されると、接客ロボット10は走行を停止する。なお、本実施形態では、カンガルーの首に対応する位置に停止ボタン142を設けた例を示しているが、停止ボタン142が設けられる位置はこれに限らないものとする。
【0031】
また、接客ロボット10は、正面側に正面撮像部1431を備え、背面側に背面撮像部1432を備える。正面撮像部1431と背面撮像部1432は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等の撮像素子を有する。
【0032】
正面撮像部1431と背面撮像部1432は、例えば、接客ロボット10の周辺に存在する顧客や、自身の進行方向の障害物を捉えるために、接客ロボット10の周辺を撮像する。また、正面撮像部1431は、顧客によって提示される、商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボル、顧客端末50に表示されたコードシンボル等の撮像にも用いられる。言い換えると正面撮像部1431は、商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボルを取得する。なお、接客ロボット10が備える正面撮像部1431と背面撮像部1432の設置位置は図示例に限らないものとする。また、正面撮像部1431と背面撮像部1432とは、それぞれ複数個設けられてもよい。以下、正面撮像部1431と背面撮像部1432とを区別しないで表現する場合に、単に撮像部143と称する場合がある。
【0033】
また、接客ロボット10は、正面側に正面収音部1441、背面側に背面収音部1442を備える。正面収音部1441は、接客ロボット10の正面側の音声(例えば、顧客の発話)を収音する。背面収音部1442は、接客ロボット10の背面側の音声(例えば、顧客の発話)を収音する。正面収音部1441と背面収音部1442は、例えば、無指向性のマイクロフォンである。また、正面収音部1441と背面収音部1442は、それぞれ、複数のマイクをアレイ状に配列したマイクアレイであってもよい。そして、例えば、正面撮像部1431が検出した顧客の存在方向に、正面収音部1441を構成するマイクアレイの指向特性を向けることによって、顧客の発話をより明瞭に収音することができる。同様に、背面撮像部1432が検出した顧客の存在方向に、背面収音部1442を構成するマイクアレイの指向特性を向けることによって、顧客の発話をより明瞭に収音することができる。
【0034】
また、接客ロボット10は、音声出力部145を備える。音声出力部145は、接客ロボット10の音声や音を出力する。音声出力部145は、例えばスピーカである。なお、接客ロボット10が備える正面収音部1441、背面収音部1442、および音声出力部145の個数と設置位置は、図示例に限らないものとする。以下、正面収音部1441と背面収音部1442とを区別しないで表現する場合に、単に収音部144と称する場合がある。
【0035】
また、接客ロボット10は、各種のセンサ部158(図4参照)を備える。例えば、接客ロボット10は、測距センサを備える。測距センサは、例えば、接客ロボット10の正面側および背面側のそれぞれに設けられ、接客ロボット10の周辺の物体を検知したり、物体までの距離を検知したりする。測距センサのセンシング結果は、後述する制御部154に出力され、走行時の衝突回避等に使用される。なお、測距センサは、例えば撮像画像や超音波により物体検知や距離の測定を行うセンサ装置、レーザ光により物体検知を行うLiDAR(Light Detection and ranging)等のセンサ装置で実現することができる。
【0036】
また、接客ロボット10は、センサ部158として、本体部11への接触や衝撃を検知することが可能な振動検知センサ等を備えてもよい。また、接客ロボット10は、センサ部158又は測位部159(図4参照)として、GPS(Global Positioning System)センサを備えてもよい。GPSセンサは、例えば、商業施設内における自己の接客ロボット10の存在位置を検出する。また、接客ロボット10は、センサ部158として、自己の移動速度を検出する速度センサ、および自己の移動方向を検出する舵角センサやジャイロセンサを備えてもよい。
【0037】
なお、接客ロボット10の構成は、図示例に限定されないものとする。例えば、接客ロボット10は、本体部11や移動部12に、自己の接客ロボット10の駆動電力を供給するバッテリ(図示せず)を備える。また、インタフェース部13は、ICカードやクレジットカード等のカード媒体から情報を読み取るリーダ装置等を備えてもよい。また、接客ロボット10は、現金自動精算機やプリンタ等を備えてもよい。
【0038】
(接客ロボットのハードウエア構成)
図4を用いて、接客ロボット10のハードウエア構成を説明する。図4は、実施形態に係る接客ロボットのハードウエア構成の一例を示す図である。
【0039】
図4に示すように、接客ロボット10は、CPU(Central Processing Unit)151と、ROM(Read Only Memory)152と、RAM(Random Access Memory)153とを備える。
【0040】
CPU151は、プロセッサの一例であり、接客ロボット10の各部を統括的に制御する。ROM152は、各種プログラムを記憶する。RAM153は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0041】
CPU151、ROM152、およびRAM153は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部154を構成する。制御部154では、CPU151がROM152又は記憶部161に記憶されRAM153に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0042】
また、接客ロボット10は、上述した駆動部121、発光部141、正面撮像部1431と背面撮像部1432を含む撮像部143、正面収音部1441と背面収音部1442を含む収音部144、音声出力部145等を備える。収音部144は、接客ロボット10の周辺の音声、例えば、顧客の発話を収音し、収音した音声の音声信号をCPU151に出力する。音声出力部145は、CPU151の制御の下、音声を出力する。
【0043】
また、接客ロボット10は、表示部155、操作部156、リーダライタ部157、センサ部158、測位部159、通信部160、および記憶部161等を備える。
【0044】
表示部155は、上述した背面表示部115、正面表示部132等の表示デバイスである。表示部155は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。表示部155は、CPU151の制御の下、各種の画像情報を表示する。
【0045】
操作部156は、背面表示部115および正面表示部132に設けられるタッチパネル、停止ボタン142等の入力デバイスである。操作部156は、入力デバイスを介して入力される操作内容をCPU151に出力する。なお、操作部156は、収音部144を介して入力される音声(例えば、顧客の発話)を操作内容としてCPU151に出力してもよい。
【0046】
リーダライタ部157は、無線タグの書き込みおよび読み取りを行うことが可能なリーダライタ装置である。リーダライタ部157は、電波を照射するアンテナ(図示せず)を有し、当該アンテナを介して書き込み対象のデータを送信することで、無線タグにデータの書き込みを行う。また、リーダライタ部157は、無線タグが発する電波を、アンテナを介して取得することで、無線タグからデータの読み取りを行う。
【0047】
センサ部158は、上述した測距センサやGPSセンサ等の各種のセンサ装置である。センサ部158は、センシングによって得られたセンシング結果をCPU151に出力する。
【0048】
測位部159は、接客ロボット10の現在位置を測定する。測位部159は、例えばGPSセンサを用いた測位技術によって実現することができる。また、測位部159は、ビーコン測位等の測位技術を利用した位置計測装置によって実現されてもよい。この場合、商業施設の各位置に、ビーコン測位等の測位技術に対応した端末を設けることで、当該端末と測位部159とで形成される測位システムにより、接客ロボット10の現在位置を測定(特定)することができる。
【0049】
通信部160は、ネットワークNに接続可能な無線通信インタフェースである。通信部160は、ネットワークNを介して、サーバ装置30や店舗装置20等の外部装置と通信を行う。また、通信部160は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能を有する。例えば、通信部160は、接客ロボット10の周辺に存在する顧客端末50と近距離無線通信を行う。
【0050】
記憶部161は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部161は、CPU151が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。
【0051】
なお、記憶部161が記憶する情報は図示例に限定されないものとする。例えば、記憶部161は、後述するマップ情報3161(図6参照)や施設情報テーブル、各店舗の商品マスタ、自装置に係る取引管理テーブル等を記憶してもよい。
【0052】
(店舗装置のハードウエア構成)
図5を用いて、店舗装置20のハードウエア構成を説明する。図5は、実施形態に係る店舗装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0053】
次に、店舗装置20のハードウエア構成について説明する。図5は、店舗装置20のハードウエア構成の一例を示す図である。図5に示すように、店舗装置20は、CPU211と、ROM212と、RAM213とを備える。
【0054】
CPU211は、プロセッサの一例であり、店舗装置20の各部を統括的に制御する。ROM212は、各種プログラムを記憶する。RAM213は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0055】
CPU211、ROM212、およびRAM213は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部214を構成する。制御部214では、CPU211がROM212又は記憶部219に記憶されRAM213に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0056】
また、店舗装置20は、表示部215、操作部216、通信部217、接続部218、および記憶部219等を備える。
【0057】
表示部215は、LCD等の表示デバイスを有する。表示部215は、CPU211の制御の下、各種の情報を表示する。操作部216は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスを有する。操作部216は、入力デバイスを介して入力される操作内容をCPU211に出力する。なお、操作部216は、表示部215に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0058】
通信部217は、ネットワークNに接続可能な無線通信インタフェースである。通信部217は、ネットワークNを介して接客ロボット10やサーバ装置30等の外部装置と通信を行う。また、通信部217は、近距離無線通信機能を有してもよく、近距離無線通信により接客ロボット10と通信を行う構成としてもよい。
【0059】
接続部218は、店舗に設けられる各種装置を接続するためのインタフェースである。例えば、接続部218には、コードシンボルを読み取ることが可能なリーダ装置や、プリンタ装置等が接続される。また、接続部218には、店舗の陳列棚の各位置に設置される電子棚札等が接続されてもよい。電子棚札を接続する場合、制御部214は、商品の陳列位置に配置される電子棚札に、当該商品の商品名や価格等を表示させるための制御を行う。また、電子棚札に、LED等の発光素子が設けられている場合、制御部214は、操作部216や接客ロボット10等の外部装置からの指示に基づき、電子棚札に設けられた発光素子を発光させる等の制御を行う。
【0060】
記憶部219は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部219は、CPU211が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。
【0061】
記憶部219は、店舗で取り扱っている商品に関する情報を記憶したマスタファイルである商品マスタを記憶してもよい。すなわち、本実施形態では、商品マスタ3163(図8参照)は、サーバ装置30が記憶しているものとして説明するが、店舗装置20は、サーバ装置30が記憶している商品マスタ3163から、自店舗の店舗IDが付与された商品に係る情報のみを取得して、記憶部219に記憶してもよい。この場合、接客ロボット10は、顧客が購入する商品の登録や決済を行う際に、必要に応じて、記憶部219が記憶する商品マスタを参照することによって、商品情報を取得する。
【0062】
(サーバ装置のハードウエア構成)
図6を用いて、サーバ装置30のハードウエア構成を説明する。図6は、実施形態に係るサーバ装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0063】
図6に示すように、サーバ装置30は、CPU311と、ROM312と、RAM313とを備える。
【0064】
CPU311は、プロセッサの一例であり、サーバ装置30の各部を統括的に制御する。ROM312は、各種プログラムを記憶する。RAM313は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0065】
CPU311、ROM312、およびRAM313は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部314を構成する。制御部314では、CPU311が記憶部316に記憶されRAM313に展開された制御プログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0066】
また、サーバ装置30は、通信部315および記憶部316等を備える。通信部315は、ネットワークNに接続可能な有線又は無線の通信インタフェースである。通信部315は、ネットワークNを介して接客ロボット10、店舗装置20、駐車場システム40等の外部装置と通信を行う。
【0067】
記憶部316は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部316は、CPU311が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。
【0068】
また、記憶部316は、マップ情報3161と、店舗管理テーブル3162と、商品マスタ3163と、ロボット管理テーブル3164と、ユーザ管理テーブル3165と、取引管理テーブル3166とを記憶する。
【0069】
マップ情報3161は、商業施設のマップを示した情報である。マップ情報3161には、商業施設に存在する店舗の位置と、各店舗の位置に関連付けて当該店舗を識別することが可能な店舗IDとが記憶されている。例えば、商業施設が多層階構造を有する場合には、階毎にマップ情報3161が用意される。また、マップ情報3161には、店舗以外の共用スペース(例えば、エレベータ、エスカレータ、トイレ、休憩所等)の位置も識別子に関連付けて記憶される。店舗や共用スペースの情報は、それらの施設の形状を示す、例えばポリゴン形式で記述されてマップ情報3161に格納される。更に、マップ情報3161には、商業施設内部の通路の情報が、例えば、通路を構成する点列や面列等のリンクデータとして格納される。
【0070】
店舗管理テーブル3162は、商業施設に存在する店舗に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。図7は、店舗管理テーブル3162のデータ構成の一例を示す図である。図7に示すように、店舗管理テーブル3162は、商業施設に存在する各店舗の店舗IDに関連付けて、店舗名、店舗種別、キーワード、ステータス等の店舗情報を記憶する。店舗名の項目には、店舗IDに対応する店舗の名称を示す情報が格納される。
【0071】
店舗種別の項目には、店舗の業態種別や、店舗で取り扱う商品の分類を示す情報等が格納される。例えば、店舗種別の項目には、飲食店や小売店等の大分類、取り扱う商品の分類(例えば、和食、中華、衣料店、電気店等)を示す中分類、より詳細な小分類(寿司、そば、紳士服、婦人服等)等、段階的に定義することも可能である。
【0072】
キーワードの項目には、店舗の特徴や特性を示すキーワードが1又は複数格納される。キーワードは、店舗毎に任意に設定することが可能であるが、顧客の来店行動に基づく指標で分類されたキーワードを用いることが好ましい。また、同じ業種、ジャンルの店舗については、共通する指標に基づき分類されたキーワードを用いることが好ましい。
【0073】
一例として、飲食店では「食べたい」等のキーワード、衣料店等の小売店では「買いたい」等のキーワード、ゲームセンター等の店舗では「遊びたい」等のキーワードを設定することができる。また、店舗が扱う商品の特性に基づき、「男性向け」、「女性向け」、「ファミリー向け」等のキーワードを設定してもよい。なお、キーワードは、後述する来店目的確認画面Gb(図14参照)において、顧客の目的を探る際のキーワードとすることもできる。そのため、顧客の来店行動に基づいた名称を設定することが好ましい。
【0074】
ステータスの項目には、店舗の混雑状況や、営業中/休業中等の状態を示す情報が格納される。ステータスに格納された情報を用いることによって、例えば、後述する顧客の行動プランの設定を行う際に、できるだけ空いている店舗を案内することができる。また、休業中の店舗への案内を避けることができる。
【0075】
なお、店舗管理テーブル3162のデータ構成は図7の例に限定されるものではない。例えば、店舗管理テーブル3162は、店舗IDに関連付けて、当該店舗IDに対応する店舗の位置を示す位置情報を記憶してもよい。さらに、店舗管理テーブル3162は、店舗以外の共用スペースに関する情報を記憶してもよい。
【0076】
商品マスタ3163は、商業施設に属する各店舗で販売される商品に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。
【0077】
図8は、商品マスタ3163のデータ構成の一例を示す図である。図8に示すように、商品マスタ3163は、自己の店舗の店舗ID及び自己の店舗で販売する商品の商品コードに関連付けて、商品名、価格、付加情報、商品画像等の商品情報を記憶する。ここで、店舗IDは店舗の各々を識別可能な識別子の一例である。また、商品コードは、商品の種別を識別可能な識別子の一例である。
【0078】
商品名の項目には、商品コードに対応する商品の名称が格納される。価格の項目には、商品コードに対応する商品の価格が格納される。付加情報の項目には、商品コードに対応する商品に関する付加的な情報が格納される。例えば、付加情報の項目には、商品の種別等が格納される。また、商品が衣料の場合、サイズや色、デザイン、材質、ブランド等が付加情報の項目に格納される。商品画像の項目には、商品コードに対応する商品を表した画像データが格納される。
【0079】
なお、商品マスタ3163のデータ構成は、図8の例に限定されるものではない。例えば、商品マスタ3163は、商品コードに関連付けて、その商品の重量を記憶してもよい。また、商品マスタ3163は、商品コードに関連付けて、各店舗におけるその商品の陳列位置、当該陳列位置に配置された電子棚札を特定可能な情報を記憶してもよい。
【0080】
また、商品マスタ3163に登録される商品は、実際に店舗から受け取って持ち帰ることが可能な商品(以下、店舗商品ともいう)に限らないものとする。例えば、商品マスタ3163に登録される商品は、サービスであってもよい。
【0081】
また、例えば、商品の展示のみを行うショールーム型の店舗では、展示された商品の商品コードを読み取って当該商品の登録及び決済をし、顧客が指定した受取方法(配送、受取カウンター等で受取)で商品を引き渡す場合がある。このような場合、商品コードに対応する商品が、上述した店舗で受け取り可能な店舗商品か、店舗で受け取ることができない後述する仮商品かを示す情報を、付加情報として記憶してもよい。また、例えば、展示された商品の決済をその場で行うのではなく、店舗が運営するECサイトで行う場合には、ECサイトのアドレス等を付加情報として記憶してもよい。すなわち、展示商品は、その場で現物を受け取ることができない商品である。以後、展示商品のことを仮商品ともいう。また店舗商品であっても、店頭在庫がない商品も仮商品である。
【0082】
ロボット管理テーブル3164は、接客ロボット10に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。図9は、ロボット管理テーブル3164のデータ構成の一例を示す図である。図9に示すように、ロボット管理テーブル3164は、ロボットIDに関連付けて、現在位置、ステータス、ユーザID、ユーザ特徴、行動プラン等のロボット情報を記憶する。ここで、ロボットIDは、接客ロボット10の各々を識別可能な識別子の一例である。
【0083】
現在位置の項目には、接客ロボット10の現在位置を示す情報が格納される。ステータスの項目には、ロボットIDに対応する接客ロボット10の現在の状態を示す情報が格納される。例えば、接客ロボット10の現在の動作モードを示す情報が格納される。また、例えば、接客ロボット10が搭載するバッテリーの残量を示す情報が格納される。
【0084】
ユーザIDの項目には、接客ロボット10が接客中の顧客、つまり接客ロボット10にチェックインした顧客(以下、チェックインユーザともいう)のユーザIDが格納される。なお、後述するように、接客ロボット10は、ユーザIDの項目は空の状態であっても動作することが可能となっている。
【0085】
ユーザ特徴の項目には、接客ロボット10にチェックイン中の顧客の外観上の特徴を示す情報が格納される。例えば、ユーザ特徴の項目には、顧客の顔や姿を撮像した画像(以下、顧客画像ともいう)や、顧客の顔や姿の特徴を示す特徴量が格納される。ユーザ特徴は、撮像部143によって撮像される画像から、チェックイン中の顧客を認識する際に使用される。また、行動プランの項目には、接客ロボット10が生成した後述する行動プランが格納される。
【0086】
なお、ロボット管理テーブル3164のデータ構成は、図9の例に限定されるものではない。例えば、ロボット管理テーブル3164は、ロボットIDに関連付けて、後述するパーソナライズ処理で変更された接客ロボット10の変更内容をユーザ設定として記憶してもよい。また、ロボット管理テーブル3164は、ロボットIDに関連付けて、対応する接客ロボット10で取得された画像や映像、音声等を、取得日時とともに記憶してもよい。
【0087】
ユーザ管理テーブル3165は、顧客に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。図10は、ユーザ管理テーブル3165のデータ構成の一例を示す図である。図10に示すように、ユーザ管理テーブル3165は、ユーザIDに関連付けて、ユーザ名、特性情報、車両登録番号、ユーザ設定等のユーザ情報を記憶する。ここで、ユーザIDは、顧客の各々を識別可能な識別子の一例である。
【0088】
ユーザ名の項目には、顧客の氏名を示す情報が格納される。特性情報の項目には、ユーザIDに対応する顧客の特性を示す情報が格納される。例えば、特性情報には、顧客の性別、年齢、嗜好等を示す情報が含まれる。嗜好を示す情報は、顧客自身が設定したものであってもよいし、顧客の購入履歴や検索履歴等から導出されたものであってもよい。後者の場合、例えば、制御部314は、後述する取引管理テーブル3166等からユーザIDに対応する顧客の購入履歴を抽出し、抽出した購入履歴に基づいて顧客の嗜好を推定する構成としてもよい。また、例えば、制御部314は、ユーザIDに関連付けられた購入履歴や検索履歴を外部システムから取得し、取得した情報に基づいて顧客の嗜好を推定してもよい。なお、嗜好の推定方法は特に問わず、公知の技術を用いることが可能である。
【0089】
車両登録番号の項目には、顧客が所持する車両の車両登録番号が格納される。車両登録番号は、駐車場システム40から、該当する車両の入庫時刻を取得するために用いられる。接客支援システム1は、例えば、顧客の車両の入庫時刻に基づいて、接客中の顧客に対して、駐車時間や駐車料金を案内する。また、車両登録番号は、駐車場システム40から、該当する車両の駐車位置を取得するために用いられる。接客支援システム1は、例えば、顧客の指示に応じて、顧客が購入した商品を駐車位置まで運搬する。
【0090】
ユーザ特徴の項目には、上述したロボット管理テーブル3164が格納するユーザ特徴と同じ内容が格納される。
【0091】
なお、ユーザ管理テーブル3165のデータ構成は、図10の例に限定されるものではない。例えば、ユーザ管理テーブル3165は、ユーザIDに関連付けて、その顧客が使用する端末(顧客端末50)の端末IDやアドレス情報等を含んでもよい。また、ユーザ管理テーブル3165は、顧客の顔認証を行うため、ユーザIDに関連付けて、その顧客の顔部を撮像した顔画像や、顔部の特徴を示した特徴量を記憶してもよい。
【0092】
また、ユーザ管理テーブル3165は、ユーザIDに関連付けて、その顧客の住所等、商品の配送先を特定可能な情報を記憶してもよい。また、ユーザ管理テーブル3165は、ユーザIDに関連付けて、決済用情報を記憶してもよい。ここで、決済用情報は、顧客が予め契約した電子決済サービスを利用するためのアカウント等の情報である。電子決済サービスは、コード決済、電子マネー決済、クレジット決済などを含む。また、電子決済サービスがクレジット決済である場合、決済用情報は顧客が所有するクレジットカードの番号であってもよい。
【0093】
取引管理テーブル3166は、接客ロボット10を介して行われた取引に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。図11は、取引管理テーブル3166のデータ構成の一例を示す図である。図11に示すように、取引管理テーブル3166は、ロボットIDおよび取引IDに関連付けて、店舗ID、商品コード、価格、購入済フラグ等の取引情報を記憶する。
【0094】
ここで、取引IDは、ロボットIDに対応する接客ロボット10が行う取引の各々を識別可能な識別子である。係る取引IDは、例えば、顧客のチェックインが行われる毎に固有の取引IDが接客ロボット10で発行され、顧客から接客ロボット10の利用終了(又は、接客ロボット10による接客終了)を指示するチェックアウト操作が行われるまでの間、同一の取引IDが継続して使用される。
【0095】
なお、本実施形態では、接客ロボット10の各々が取引IDを発行する構成とするが、これに限らず、サーバ装置30が発行する構成としてもよい。この場合、サーバ装置30の制御部314は、ロボット管理テーブル3164に基づいて接客ロボット10のステータスを監視し、ステータスが接客モードに切り替わった接客ロボット10を検出すると、当該接客ロボット10に対し取引IDを発行する。そして、サーバ装置30の制御部314は、発行した取引IDを対応する接客ロボット10に通知することで、当該接客ロボット10の接客モードが継続する間、同一の取引IDを使用させることができる。
【0096】
ここで、店舗ID、商品コード、および価格の項目は、ロボットIDに対応する接客ロボット10を用いて登録された商品に係る、店舗ID、商品コード、および価格が登録される。また、購入済フラグの項目には、商品コードに対応する商品の決済(会計)が完了済か否かを示す情報が格納される。
【0097】
なお、取引管理テーブル3166のデータ構成は、図11の例に限定されるものではない。例えば、取引管理テーブル3166は、ロボットIDに関連付けて、対応する接客ロボット10にチェックインしたチェックインユーザのユーザIDを記憶してもよい。また、取引管理テーブル3166は、商品コードに関連付けて、対応する商品が店舗商品か仮商品かを示す情報を記憶してもよい。また、取引管理テーブル3166は、商品コードに関連付けて、対応する商品の登録又は決済が行われた日時を記憶してもよい。
【0098】
また、取引管理テーブル3166は、接客ロボット10の各々で商品の登録や決済が行われる度に更新されるものとする。なお、取引管理テーブル3166に記憶されたデータは、接客ロボット10から通知される取引IDを指定した接客終了等の指示に応じて、対応するロボットID及び取引IDのデータがクリアされる構成としてもよいし、保持し続ける構成としてもよい。後者の場合、取引管理テーブル3166に記憶されたデータは、商業施設を利用した各顧客の購入履歴として取り扱うことができる。
【0099】
(接客支援システムの機能構成)
次に、上述した接客ロボット10、店舗装置20、およびサーバ装置30の機能構成について説明する。図12は、接客ロボット、店舗装置、およびサーバ装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。まず、サーバ装置30について説明する。
【0100】
(サーバ装置の機能構成)
サーバ装置30の制御部314は、CPU311がROM312や記憶部316に記憶されたプログラムにしたがって動作することで、情報管理部3141、ロボット管理部3142、および通信制御部3143として機能する。なお、これら各機能の一部又は全ては、専用回路等のハードウエアで実現されてもよい。
【0101】
情報管理部3141は、接客ロボット10、店舗装置20、および駐車場システム40の各々と協働することで、記憶部316に記憶された各種データテーブルを更新する。例えば、情報管理部3141は、接客ロボット10、店舗装置20、および駐車場システム40の各々から各種データテーブルに係る情報を取得し、取得した情報に基づいて各種データテーブルの更新を行う。
【0102】
情報の取得方法は特に問わず、種々の方法を用いることが可能である。例えば、情報管理部3141は、接客ロボット10、店舗装置20、および駐車場システム40の各々から送信される情報を受動的に取得するプッシュ型で情報を取得してもよい。また、情報管理部3141は、接客ロボット10、店舗装置20、および駐車場システム40の各々に情報を要求等することで、情報を能動的に取得するプル型で情報を取得してもよい。
【0103】
例えば、情報管理部3141は、店舗装置20からステータスに関する情報を取得すると、店舗管理テーブル3162に記憶された当該店舗装置20の店舗IDに係るステータスを更新する。
【0104】
例えば、情報管理部3141は、接客ロボット10から位置情報やステータス、行動プランに関する情報を取得すると、当該接客ロボット10のロボットIDに関連付けて記憶されたロボット管理テーブル3164の該当するデータエントリを更新する。また、情報管理部3141は、接客ロボット10から、接客中の顧客のユーザID、ユーザ設定を取得すると、ユーザIDに関連付けて記憶されたユーザ管理テーブル3165の該当するデータエントリを更新する。また、例えば、情報管理部3141は、接客ロボット10から取引IDとともに取引に関する情報を取得すると、当該接客ロボット10のロボットIDおよび取引IDに基づいて、データエントリの追加や削除、購入済フラグの更新等を取引管理テーブル3166に対して行う。
【0105】
なお、本実施形態では、ユーザ管理テーブル3165に記憶されるユーザ情報のうち、ユーザID、ユーザ名、特性情報、および車両登録番号等の静的な情報は予め登録されているものとするが、これに限定されるものではない。例えば、接客ロボット10や顧客端末50を介して、接客支援システム1の新規ユーザの登録処理(以下、会員登録ともいう)が行われてもよい。この場合、ユーザ管理テーブル3165は、接客ロボット10や顧客端末50から取得した新規ユーザのユーザ情報をユーザ管理テーブル3165に追加する。
【0106】
また、情報管理部3141は、記憶部316に記憶されたマップ情報3161及び各種データテーブルを、接客ロボット10や店舗装置20の各々から参照可能に提供する。ここで、データの提供方法は特に問わないものとする。例えば、情報管理部3141は、ファイル共有等の技術によりマップ情報3161及び各種データテーブルを、接客ロボット10の各々から参照可能に提供する。また、例えば、情報管理部3141は、ロボットIDやユーザID、店舗ID等をキーとするクエリに応じて、各種データテーブルから該当するデータエントリを抽出し、依頼元の接客ロボット10に提供する。
【0107】
ロボット管理部3142は、接客ロボット10の位置情報やステータス等に基づき、商業施設内での接客ロボット10の動作を統括的に管理する。例えば、顧客の接客を行わない待機状態(待機モード)の接客ロボット10が存在する場合、ロボット管理部3142は、待機状態の接客ロボット10に移動先等を指示する。一例として、ロボット管理部3142は、各接客ロボット10の位置に基づき、商業施設の入口や接客ロボット10が比較的存在しないエリア等に移動することを指示する。
【0108】
通信制御部3143は、サーバ装置30と接客ロボット10との間の各種通信を制御する。また、通信制御部3143は、サーバ装置30と店舗装置20との間の各種通信を制御する。
【0109】
(店舗装置の機能構成)
店舗装置20の制御部214は、CPU211がROM212や記憶部219に記憶されたプログラムにしたがって動作することで、店舗情報送信部2141、ロボット連携部2142、決済処理部2143、および通信制御部2144として機能する。なお、これら各機能の一部又は全ては、専用回路等のハードウエアで実現されてもよい。
【0110】
店舗情報送信部2141は、自己の店舗に関する店舗情報をサーバ装置30に送信する。例えば、店舗情報送信部2141は、店舗の混雑状況や、営業中/休業中等の状態を示す情報を、自己の店舗の店舗IDとともにサーバ装置30に送信する。ここで、店舗の混雑状況は、例えば、店舗に来店した顧客(接客ロボット10)の単位時間あたりの人数(台数)に基づき導出してもよい。また、店舗の混雑状況は、例えば、店舗に設けられる監視カメラで撮像された画像に含まれる人数に基づき導出してもよい。また、店舗情報送信部2141は、店員等が入力した店舗に係るキーワードを、自己の店舗の店舗IDとともにサーバ装置30に送信してもよい。
【0111】
ロボット連携部2142は、アクセス元の接客ロボット10と通信を確立することで、接客ロボット10との連携を実現する。ロボット連携部2142は、連携した接客ロボット10に対し、店舗装置20がサーバ装置30から取得した商品マスタ等を参照可能に提供する。
【0112】
また、ロボット連携部2142は、接客ロボット10と協働することで、店舗に設けられた電子棚札の発光を制御する。例えば、ロボット連携部2142は、接客ロボット10から商品の種別や商品を指定した発光指示を受け付けると、当該発光指示で指定された種別の商品や指定された商品が陳列された陳列位置の電子棚札を発光させる。
【0113】
決済処理部2143は、店舗で販売する商品の決済処理を実行する。例えば、決済処理部2143は、店舗に設けられた登録装置や接客ロボット10で登録された各商品の商品コード、点数に基づいて合計金額を算出し、当該合計金額を顧客の支払金額で決済する処理を実行する。また、決済処理部2143は、決済処理が完了すると、図示しないプリンタから、決済処理の内訳を印字したレシートを発行させる。なお、本実施形態では、決済処理部2143は、現金による決済処理を行うものとするが、対応可能な決済方法はこれに限らないものとする。
【0114】
通信制御部2144は、ネットワークN又は近距離無線通信等を介して、店舗装置20と接客ロボット10との間の各種通信を制御する。また、通信制御部2144は、店舗装置20とサーバ装置30との間の各種通信を制御する。
【0115】
(接客ロボットの機能構成)
接客ロボット10の制御部154は、CPU151がROM152や記憶部161に記憶されたプログラムにしたがって動作することで、表示制御部1541、操作受付部1542、リード/ライト制御部1543、動作制御部1544、パーソナライズ処理部1545、行動プラン生成部1546、店舗連携部1547、購入支援部1548、通信制御部1549として機能する。なお、これら各機能の一部又は全ては、専用回路等のハードウエアで実現されてもよい。
【0116】
表示制御部1541は、表示部155に各種情報を表示させる。具体的には、表示制御部1541は、接客ロボット10の各機能と協働することで、背面表示部115及び正面表示部132に各種の画面(GUI:Graphical User Interface)を表示させる。表示制御部1541が表示する画面例については後述する。
【0117】
操作受付部1542は、操作部156を介してユーザ操作を受け付ける。例えば、操作受付部1542は、背面表示部115及び正面表示部132に対する操作を受け付ける。また、操作受付部1542は、停止ボタン142に対する操作を受け付ける。また、操作受付部1542は、ウェイクワード等の収音部144を介した顧客の発話を受け付ける。また、操作受付部1542は、顧客端末50による操作指示やリモコン装置による操作指示を受け付ける。
【0118】
リード/ライト制御部1543は、撮像部143やリーダライタ部157等を介して情報の読み取りを行う。例えば、リード/ライト制御部1543は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルが撮像部143により撮像されると、コードシンボルをデコードすることで、コードシンボルに保持された情報(例えば商品コート等)の読み取りを行う。また、例えば、リード/ライト制御部1543は、リーダライタ部157を制御することで、商品等に貼付された無線タグに保持された情報(例えば商品コート等)の読み取りを行う。また、例えば、リード/ライト制御部1543は、リーダライタ部157を制御することで、無線タグに対し情報の書き込みを行う。
【0119】
動作制御部1544は、接客ロボット10の動作を統括的に制御する。具体的には、動作制御部1544は、駆動部121を制御し、撮像部143によって撮像される画像や各種のセンサ部158のセンシング結果に基づいて、後述する行動プラン生成部1546が生成した移動ルート(以下、巡回ルート、巡回順序ともいう)に沿って接客ロボット10を走行させることで、接客ロボット10の自律走行を実現する。なお、動作制御部1544は、本開示における移動制御部の一例である。
【0120】
また、動作制御部1544は、ユーザのチェックイン時に、正面撮像部1431に対して顧客画像の撮像を指示する。そして、動作制御部1544は、顧客画像の中からユーザ特徴を抽出して、サーバ装置30が記憶するユーザ管理テーブル3165に格納させる。
【0121】
また、動作制御部1544は、接客ロボット10の状態等に応じて、接客ロボット10の動作モードを切り替える。本実施形態の接客ロボット10は、大別して、待機モードと、接客モードと、閉店後モードとの3つの動作モードを有する。また、接客ロボット10は、接客モード時の動作モードとして、先導モードと、追従モードとを有する。
【0122】
待機モードは、接客を行わない待機状態時の動作モードである。接客モードは、接客を行うための動作モードである。先導モードは、顧客を店舗等の移動先に先導するための動作モードである。追従モードは、顧客に追従して移動する動作モードである。閉店後モードは、商業施設の閉店後等、接客以外の業務を行うための動作モードである。
【0123】
また、動作制御部1544は、接客モード下において、パーソナライズ処理部1545、行動プラン生成部1546、店舗連携部1547、および購入支援部1548、通信制御部1549を有効化し、顧客の行動支援を行う。
【0124】
動作制御部1544は、待機モードにおいて、接客ロボット10の利用を開始するためのチェックイン画面を正面表示部132に表示させる。例えば、動作制御部1544は、待機モードにおいて、例えばチェックイン画面Ga(図13参照)を正面表示部132に表示させる。チェックイン画面Gaの詳細については後述する。
【0125】
なお、動作制御部1544は、待機モードの間、背面表示部115にチェックイン可能であることを報知するメッセージや、商業施設の広告画面等を表示させてもよい。また、動作制御部1544は、音声出力部145からチェックイン操作を促す音声を出力させてもよい。
【0126】
また、動作制御部1544は、待機モードの間、接客ロボット10を所定の位置に停止させてもよいし、予め定められたルートで走行させてもよいし、サーバ装置30からの指示に応じて走行させてもよい。なお、動作制御部1544は、待機モード時に接客ロボット10を走行させる場合、センサ部158や収音部144を介し、自装置の周辺に顧客が存在することや呼び止めるような音声を検知したことを条件に、接客ロボット10を停止させるものとする。
【0127】
また、動作制御部1544は、顧客が店舗を巡回する途中で食事をする場合に、接客ロボット10を待機モードに移行させる。このとき、例えば、載置台112の上部に設けたロック可能な扉部材を閉状態にして、待機モードの間は載置台112に載置された商品や荷物を保護するようにしてもよい。
【0128】
動作制御部1544は、先導モードに移行すると、後述する行動プラン生成部1546が生成した行動プランに基づいて接客ロボット10を行先店舗に向けて移動させる。具体的には、動作制御部1544は、行動プランに規定された行先店舗の順に接客ロボット10を移動させる。また、動作制御部1544は、行動プランに規定された店舗間の移動時間に応じた速度で接客ロボット10を走行させる。
【0129】
また、動作制御部1544は、先導モードにおいて、チェックインを行った顧客と所定の距離を保ちながら当該顧客の前方を移動することで、行先店舗に向けて顧客を誘導(先導)する。具体的には、動作制御部1544は、チェックイン時に記憶した顧客画像に基づき、背面撮像部1432が撮像する画像の中からユーザ特徴に合致する人物、つまりチェックインユーザを特定する。そして、動作制御部1544は、特定した顧客と所定の距離を保ちながら、当該人物の前方を行先店舗に向けて走行する。このとき、動作制御部1544は、行先店舗に誘導中であることを案内する画面(以下、案内画面ともいう)を背面表示部115に表示させることで、自装置に追従して移動することを顧客に促す。
【0130】
動作制御部1544は、表示制御部1541に対して、背面表示部115に案内画面Ge(図22参照)を表示させる。案内画面Geの詳細については後述する。なお、接客ロボット10の各機能部は、表示制御部1541に対して、正面表示部132又は背面表示部115に各種画面を表示させる。説明が煩雑になるため、以降の説明では、単に「対象となる機能部は、対象となる表示部に各種画面や各種情報を表示させる」と記載する。
【0131】
また、動作制御部1544は、画面表示による案内に限らず、音声出力による案内を行ってもよい。例えば、動作制御部1544は、案内画面Geとともに、音声出力部145から、行先店舗への移動を案内する音声を出力してもよい。
【0132】
なお、接客ロボット10の移動中に、正面表示部132に表示させる画面は特に問わないものとする。例えば、動作制御部1544は、接客ロボット10を移動させている間、上述したチェックイン画面Gaと同様の、目や鼻等の顔を模した画像を正面表示部132に表示させてもよい。但し、チェックイン画面Gaとは異なり、顧客を案内中であることを示す情報をあわせて表示させることが好ましい。
【0133】
これにより、顧客は、先行する接客ロボット10の背面表示部115に表示された案内画面Geを見ることで、行き先となる店舗や当該店舗までの距離等を容易に確認することができる。また、顧客は、行先店舗への移動途中において周辺に存在する共用スペースを容易に確認することができるため、必要に応じて共用スペースに向かうことができる。
【0134】
なお、顧客が共用スペースやトイレに向かう等することで接客ロボット10から離れた場合、顧客は接客ロボット10の移動方向とは異なる方向に移動し、接客ロボット10との距離が規定値から逸脱した、行動プラン外の動作を行うことになる。動作制御部1544は、撮像部143の画像等に基づき行動プラン外の顧客の動作を検出すると、先導モードを解除し、顧客に追従する追従モードに移行する。また、動作制御部1544は、顧客が共用スペースやトイレに入った場合、当該顧客が共用スペースやトイレから出てくるまで、その出入口で待機する。そして、動作制御部1544は、ユーザ特徴に合致する顧客が共用スペースやトイレから出てくると、先導モードに移行して行先店舗への案内を継続する。なお、動作制御部1544は、後述する行動プラン生成部1546に対して、行動プランから逸脱した位置から、当初の行動プランに復帰するためのルート再設定を行わせる。
【0135】
また、顧客の先導途中で、当該顧客が他の店舗に向かう場合も、動作制御部1544は、先導モードを解除して追従モードに移行する。この場合、動作制御部1544は、顧客が店舗から退店するまで追従モードを継続し、測位部159が出力する位置情報等に基づき店舗から退店したことを検知すると、先導モードに移行して行先店舗への案内を継続する。なお、この場合、動作制御部1544は、行動プラン生成部1546と協働し、行先店舗の巡回順序を変更する等、行動プランを更新する構成としてもよい。
【0136】
また、動作制御部1544は、先導モードで動作している間であっても、顧客の操作を受け付けることが可能である。例えば、動作制御部1544は、接客ロボット10の移動中に、停止ボタン142の操作を受け付けると、接客ロボット10の移動を停止させる。また、例えば、動作制御部1544は、背面表示部115をタッチする操作や、本体部11をノックする操作、ウェイクワード等の呼び掛け操作等を受け付けると、接客ロボット10の移動を停止させる。そして、動作制御部1544は、背面表示部115に、生成された行動プラン画面Gd(図16参照)等を表示させることで、各種操作を受け付け可能な状態とする。また、動作制御部1544は、設定された移動ルートに従って移動している際に、顧客から、例えば共用スペースに行きたい旨の指示を受け付けると、行動プランを変更して、指示された共用スペースまで先導する。その際、行動プラン生成部1546は、移動ルートの再設定を行う。
【0137】
動作制御部1544は、先導モードによる移動により、自己の接客ロボット10の現在位置が、行先店舗のエリア又は行先店舗の位置情報を基点する所定範囲のエリアに入ると、行先店舗に到達したと判定する。動作制御部1544は、行先店舗に到達したと判定すると、接客ロボット10の動作モードを先導モードから追従モードに移行させる。
【0138】
なお、行先店舗への到達判定に係るエリアの範囲は任意に設定することが可能であるとする。例えば、店舗の敷地全域を到達判定に係るエリアとしてもよい。また、例えば、フードコートに存在する特定の店舗(飲食店)が行先店舗の場合、フードコートの全域を到達判定に係るエリアとしてもよい。
【0139】
動作制御部1544は、追従モードに移行すると、チェックインユーザの後を追従して接客ロボット10を移動させる制御を行う。具体的には、動作制御部1544は、チェックインユーザと所定の距離を保ちながら、当該顧客の後方を走行させる。これにより、動作制御部1544は、顧客が行先店舗に滞在する間、当該顧客に追従して接客ロボット10を走行させる。
【0140】
なお、動作制御部1544は、追従モードに移行した際に、画面表示や音声により追従モードに移行したことを顧客に報知してもよい。例えば、動作制御部1544は、追従モードに移行すると、接客ロボット10の正面側を顧客に向け、行先店舗に到着したことを報知する情報や、「お供します」等の追従動作を報知する情報を、正面表示部132や音声出力部145から出力させてもよい。また、背面表示部115には、追従モードで動作していることを報知する情報を表示させてもよいし、他の情報を表示させてもよい。例えば、動作制御部1544は、到着した行先店舗に関する広告や、接客ロボット10の利用を促す宣伝等の情報を背面表示部115に表示させてもよい。
【0141】
また、動作制御部1544は、行動プランに規定された店舗に到着すると、当該店舗に到着してからの経過時間を計時する。そして、動作制御部1544は、計時する経過時間が、行動プランに規定された当該店舗の滞在時間に近づく又は達すると、次の店舗に移動する時間であることを表示又は音声を介して顧客に報知する。
【0142】
また、動作制御部1544は、店舗装置20と協働することで、電子棚札を発光させてもよい。例えば、接客ロボット10が到達した行先店舗に、特定の種別の商品の陳列位置の電子棚札を発光させるタスクが設定されている場合、動作制御部1544は、店舗装置20と協働することで、該当する陳列位置の電子棚札を発光させる。その際、後述するパーソナライズ処理部1545によって設定された発光色で電子棚札を発光させることによって、別の接客ロボット10に接客されている他の顧客の設定に応じて発光する電子棚札と容易に識別することができる。
【0143】
具体的には、店舗連携部1547は、タスクに設定された種別に該当する商品を商品マスタ3163から検索し、当該商品の陳列位置を特定する。そして、店舗連携部1547は、店舗装置20と協働し、特定した陳列位置に配置された電子棚札を発光させるための制御を行う。
【0144】
これにより、顧客は、接客ロボット10の先導により行先店舗に到達すると、自己が購入目的とした商品の陳列位置を容易に把握することができる。したがって、接客ロボット10は、顧客が目的とした商品の購入支援を効率的に行うことができる。
【0145】
パーソナライズ処理部1545は、チェックインユーザの操作に応じて、接客ロボット10の動作に関する設定を初期状態から変更するパーソナライズ処理を行う。また、パーソナライズ処理部1545は、ユーザ管理テーブル3165の特性情報やユーザ設定に記憶された設定を変更するパーソナライズ処理を行う。
【0146】
変更可能な接客ロボット10の設定は、接客ロボット10の基本動作を妨げない範囲であれば特に問わないものとする。例えば、発光部141の発光色や、UI(顧客の母国語に応じた言語設定等)、接客ロボット10が発する音声(男性の音声、女性の音声等)等を変更することができる。例えば、発光部141の発光色は、ユーザ管理テーブル3165の特性情報に記憶された顧客の属性や、ユーザ設定に記憶された顧客の嗜好情報に基づいて、顧客の好みの色に変更することができる。また、接客ロボット10が音声アシスタント機能を有する場合、音声アシスタント機能を呼び出す(起動する)際に用いるウェイクワードを変更することができる。また、接客ロボット10が行う各種の報知方法や、決済の方法等を設定することができる。なお、接客ロボット10の初期状態の設定は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0147】
また、設定の変更方法も特に問わず、画面操作又は音声操作により変更することが可能であるとする。例えば、パーソナライズ処理部1545は、チェックイン操作の後、設定変更を行う否かを確認するための画面を正面表示部132に表示させてもよい。この場合、パーソナライズ処理部1545は、設定変更が指示されると、変更可能な項目を示した設定変更画面を正面表示部132に表示させる(何れも図示せず)。そして、顧客の操作により変更後の設定内容が決定されると、パーソナライズ処理部1545は、自装置の設定を変更後の設定内容に変更する。なお、接客モードの間は、任意のタイミングで設定変更することが可能であるとする。
【0148】
また、パーソナライズ処理部1545は、設定変更が行われた場合、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて、変更後の設定内容をユーザ設定としてユーザ管理テーブル3165に登録する。
【0149】
なお、チェックインユーザが接客支援システム1の会員である場合、パーソナライズ処理部1545は、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて記憶されたユーザ設定をユーザ管理テーブル3165から読み出し、当該ユーザ設定に基づいて、自装置の設定を変更してもよい。
【0150】
このように、接客ロボット10では、顧客の操作に応じて設定を変更することで、顧客毎のカスタマイズを許容する。これにより、顧客は、自身を接客してくれる接客ロボット10と、他の接客ロボット10とを容易に識別することができる。また、顧客は、自身の好みに応じてカスタマイズした接客ロボット10を用いて買物等を行うことができる。
【0151】
なお、本実施形態では、チェックインユーザが接客支援システム1の会員か否かによらず、設定変更を行うことが可能であるとする。チェックインユーザが非会員の場合、パーソナライズ処理部1545は、変更内容をユーザ管理テーブル3165に登録することなく自装置に反映する。また、また、チェックインユーザが非会員の場合には、設定変更を行うことができないように制限する構成としてもよい。
【0152】
行動プラン生成部1546は、商業施設内での顧客の行動を支援するための処理を実行する。具体的には、行動プラン生成部1546は、顧客から取得した来店目的や条件を確認しながら行き先を絞り込んで行くことで、商業施設における立ち寄り店舗と移動ルートとを含む行動プランを生成し、顧客に提案する。なお、行動プラン生成部1546は、本開示におけるルート設定部の一例である。行動プラン生成部1546の動作例について、詳しくは後述する(図14図21参照)。
【0153】
具体的には、行動プラン生成部1546は、行先店舗を確定する操作を受け付けると、行先店舗各々の位置情報と、自己の接客ロボット10の現在位置と、マップ情報3161とに基づき、行先店舗の順路を示した行動プランを生成する。そして、行動プラン生成部1546は、生成した行動プランを表す行動プラン画面Gd(図16参照)を、正面表示部132に表示させる。行動プラン画面Gdの詳細については後述する。
【0154】
行動プランは、行先店舗の各々について、当該行先店舗の巡回順序を規定するための情報を少なくとも有する。また、行動プランは、行先店舗の存在位置(例えばフロア階数)を示す情報を含んでもよい。また、行動プランは、行先店舗間の距離や移動に要する時間、行先店舗での滞在時間、移動時間及び滞在時間を合計した総時間等を含んでもよい。
【0155】
この場合、滞在時間には、各店舗一律の時間が設定されてもよい。また、滞在時間には、店舗毎や店舗の種別毎に予め算出された滞在時間の平均値等に基づいて、行先店舗やその種別に応じた滞在時間が設定されてもよい。更には、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて行動履歴を記録する構成の場合、過去の行動履歴から行先店舗の滞在時間を抽出し、抽出した滞在時間の平均値等を滞在時間に設定してもよい。
【0156】
また、行先店舗の巡回順序を決定する方法は特に問わず、経路探索等の公知の技術を用いることが可能である。また、行動プラン生成部1546は、巡回順序を適宜アレンジしてもよい。例えば、行動プラン生成部1546は、現在位置から近い順に行先店舗を並べてもよい。また、行動プラン生成部1546は、顧客の好みの商品が複数の店舗にある場合に、総移動距離が最短になる店舗を選択して巡回順序を設定してもよい。また、行動プラン生成部1546は、行先店舗の混雑状況等を加味して、待ち時間が最小となる順序で行先店舗を並べてもよい。
【0157】
また、行動プラン生成部1546は、顧客の指示に応じて、設定された移動ルートと、立ち寄り店舗と、当該立ち寄り店舗への滞在時間と、の編集を行わせる。この場合、行動プラン生成部1546は、本開示におけるルート編集部として機能する。移動ルートの編集の具体例は後述する(図17図21参照)。
【0158】
購入支援部1548は、商品の購入を支援するための処理を実行する。例えば、購入支援部1548は、コードシンボル又は無線タグから読み取られた商品コードに基づき、当該商品コードに対応する商品を購入対象として登録する処理を実行する。具体的には、購入支援部1548は、リード/ライト制御部1543により商品コードが読み取られると、その商品コードに対応する商品の商品名、価格等の商品情報を商品マスタ3163から読み取り、RAM153等に記憶されたデータテーブル(以下、ローカル取引管理テーブルともいう)に登録する。ここで、ローカル取引管理テーブルは、例えば、取引管理テーブル3166と同様のデータ構成であってもよいし、取引管理テーブル3166からロボットIDを除いたデータ構成であってもよい。
【0159】
また、購入支援部1548は、顧客の操作に応じて、ローカル取引管理テーブルに登録された商品の決済処理を実行する。具体的には、購入支援部1548は、ローカル取引管理テーブルに登録された商品の合計金額を、顧客の支払金額で決済する決済処理を実行する。そして、決済処理が完了すると、購入支援部1548は、ローカル取引管理テーブルに登録された決済済の商品の商品コードに関連付けて購入済フラグを付与する。
【0160】
なお、決済方法は特に問わず、コード決済や、クレジット決済、電子マネー決済等の電子決済処理を行うことが可能であるとする。また、接客ロボット10が現金自動精算機を備える場合には、現金決済も使用可能であるとする。
【0161】
接客ロボット10が現金自動精算機を備えない場合には、購入支援部1548は、ネットワークNを介し、現金決済可能な外部の装置に決済用のデータを送信することで、当該装置で現金決済を行わせるものとする。例えば、購入支援部1548は、店舗内に設けられたPOS端末(店舗装置20の一例)や、商業施設内に設けられた現金決済用の会計機等の外部装置に決済用のデータを送信することで、当該外部装置で現金決済を行わせる。この場合、購入支援部1548は、外部装置の状態に応じて送信先となる外部装置を決定してもよい。例えば、外部装置が有する釣銭の在高や、外部装置の使用状況に応じて、送信先となる外部装置を決定してもよい。なお、外部装置に決済を行わせる場合には、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、決済先の外部装置まで顧客を先導することが好ましい。
【0162】
なお、購入支援部1548は、決済処理の完了に伴い、その取引の内訳を示したレシートを出力する。例えば、接客ロボット10がプリンタを備える場合や、接客ロボット10にプリンタが接続される構成の場合、購入支援部1548は、プリンタを制御することで当該プリンタからレシートを出力させる。
【0163】
また、購入支援部1548は、電子レシートの形態でレシートを出力してもよい。この場合、購入支援部1548は、ペアリングを確立した顧客端末50に電子レシートを送信してもよい。また、購入支援部1548は、ユーザ管理テーブル3165に記憶されたアドレス宛に電子レシートを送信してもよい。
【0164】
また、この場合、購入支援部1548は、決済処理が行われる毎にレシートを出力してもよいし、店舗毎にレシートを出力してもよい。後者の場合、購入支援部1548は、接客ロボット10が店舗から退店する際に、レシートを出力してもよい。さらには、購入支援部1548は、行動プランに規定された全ての店舗の巡回が完了した際に、店舗の各々行われた決済処理のレシートをまとめて出力してもよい。なお、レシートの出力タイミングは、顧客が選択できるものとする。また、レシートの出力タイミングは、パーソナライズ処理により設定可能としてもよい。
【0165】
購入支援部1548は、商品の登録又は決済処理の完了によりローカル取引管理テーブルを更新すると、更新したローカル取引管理テーブルの内容を、自装置のロボットIDおよび当該取引の取引IDとともにサーバ装置30に送信することで、サーバ装置30の取引管理テーブル3166を更新する。これにより、接客ロボット10の各々で行われる取引の最新の状態が、サーバ装置30の取引管理テーブル3166に反映されることになる。なお、本実施形態では、接客ロボット10とサーバ装置30との両方の取引管理テーブルに取引の状態を保持したが、これに限らず、何れか一方の取引管理テーブルに保持する形態としてもよい。
【0166】
また、購入支援部1548は、購入候補の商品の選定にあたり、顧客を支援するための機能を備えている。具体的には、購入支援部1548は、顧客の嗜好に適した商品を購入候補として選定及び提示するリコメンド機能を備えてもよい。
【0167】
例えば、購入支援部1548は、衣料店等において、商品コードの読み取りによりリコメンドの基準となる商品が選択されると、その商品の付加情報に含まれたサイズや色、デザイン等の情報に基づき、組み合わせ(又は代替)の対象となる商品を選定する。そして、購入支援部1548は、選定した商品を正面表示部132に表示させることで顧客に提示する。提示された商品は、顧客の操作により、購入対象として登録することや、却下すること等を指示することが可能であるとする。
【0168】
なお、商品の選定方法は特に問わず、リコメンドに関する公知の技術を用いることが可能である。例えば、購入支援部1548は、顧客のユーザIDに関連付けて記憶された購入履歴等に基づき、顧客の購入傾向や嗜好に準じた商品を選定してもよい。また、上記例では、基準となる商品が選択された後、当該商品に基づいて購入候補の商品を選定する形態としたが、これに限らず、商品が未選択の状態から購入候補の商品を選定する形態としてもよい。また、本実施形態では、選定する購入候補の商品は、商品マスタ3163に登録された、店舗で販売される店舗商品であるものとするが、これに限らないものとする。
【0169】
本実施形態において、購入支援部1548は、店舗内で登録された商品は、当該店舗内で決済が完了するまで、店舗外に持ち出すことができないよう顧客の動作を制限する。例えば、購入支援部1548は、登録された店舗商品の全てで決済が完了するまでの間、動作制御部1544と協働することで、接客ロボット10が店舗外に出ないよう動作を制限する。また、例えば、未決済の店舗商品があっても店舗外に移動可能な構成とする場合、購入支援部1548は、店舗から所定の距離離れると接客ロボット10の移動を停止し、未決済の店舗商品について決済を要請する画面を正面表示部132や背面表示部115に表示させる。
【0170】
また、購入支援部1548は、登録された店舗商品の中に、未決済の商品が存在する場合、店員や顧客自身に注意を促すため報知を行ってもよい。例えば、購入支援部1548は、発光部141の色を変えたり、発光部141を点滅させたりすることで、未決済の店舗商品が存在することを報知してもよい。また、購入支援部1548は、背面表示部115に商品の登録及び決済の状態、例えば、商品の登録点数と決済点数とを表示させることで、店員への注意を促してもよい。店舗の店員又は商業施設の従業員は、背面表示部115の表示を確認することによって、未決済の商品が存在するか否か等、取引の状態を容易に把握することができる。
【0171】
なお、購入支援部1548は、仮商品が登録された場合には、当該仮商品に係る決済処理は、店舗内に限らず、店舗を出た後でも実行可能としてもよい。これにより、顧客は、別の店舗で、仮商品と類似商品との比較を行った後で、気に入った商品を購入することができる。
【0172】
通信制御部1549は、接客ロボット10とサーバ装置30との間の通信、および接客ロボット10と店舗装置20との間の通信を制御する。また、通信制御部1549は、後述するように、接客ロボット10がエレベータを使用して、異なる階数のフロアを移動する場合に、エレベータとの間の通信を制御する。
【0173】
なお、異なる装置間で行われるデータのやり取りは、いずれも、各装置が備える通信制御部の働きによって行われるが、説明が煩雑になるため、以降の動作説明において、通信制御部1549、通信制御部3143、通信制御部2144に係る説明は省略する。
【0174】
ところで、行動プランで規定される店舗の中には、接客ロボット10の移動可能な範囲を超えた位置に存在する店舗が含まれる場合がある。例えば、行動パターンの中に異なる階数のフロアを跨ぐ移動が含まれる場合である。このような場合、動作制御部1544は、接客ロボット10を、エレベータを利用して異なる階数のフロアに移動させる。
【0175】
具体的には、動作制御部1544は、エレベータとの間で無線通信を行うことによって、エレベータの呼び出しと、目標階数の指定とを行う。
【0176】
エレベータがない場合、又はエレベータが使用できない場合、動作制御部1544は、目標階数のフロアにいる、待機モードの接客ロボット10に応援を要請する。そして、動作制御部1544は、自身に設定されている行動パターンを、別の接客ロボット10に引き継ぐことで、顧客の行動支援を継続する。応援を要請した側の接客ロボット10は、顧客をエスカレータの乗り口まで誘導する。そして、目標階数のエスカレータの降り口まで、設定を引き継ぐ接客ロボット10を移動させる。顧客は自身でエスカレータを用いて、目標階まで移動する。その後、エスカレータの降り口にいる接客ロボット10が、顧客の案内を継続する。
【0177】
このとき、今まで接客していた接客ロボット10の設定情報、例えば、チェックインユーザのユーザID,ユーザ設定、行動プラン、ローカル取引管理テーブル等は、全て、別の接客ロボット10に引き継がれているため、顧客は、再度チェックイン操作を行う必要はない。
【0178】
なお、今まで案内を行っていた接客ロボット10の載置台112に商品等の物品が載置されている場合には、動作制御部1544は、顧客に、物品を持って移動して、新たな接客ロボット10に載置することを促す画面を表示させてもよいし、物品を受取カウンター等に預けることを指示するための画面を表示させてもよい。後者の場合、動作制御部1544は、移動の指示を受け付けると、載置台112に載置された物品を受取カウンターまで搬送する。
【0179】
なお、接客ロボット10の間のデータの引継ぎが行われるのは、階数の異なるフロアを跨ぐ場合に限らない。例えば、同じ階数のフロアであっても、接客ロボット10の移動可能なフロアが制限されている場合には、各フロアを担当する接客ロボット10間でデータの引継ぎを行う構成としてもよい。また、商業施設と駐車場とで担当する接客ロボット10が異なる場合には、商業施設と駐車場とを行き来する際に、異なる接客ロボット10の間でデータの引継ぎを行う構成としてもよい。更に、接客ロボット10のバッテリーが消耗して、行動パターンの全行程を移動できない場合にも、別の接客ロボット10にデータを引き継いでもよい。
【0180】
また、動作制御部1544は、行動プランに規定された全ての店舗に移動した後、自己の接客ロボット10に保持されたユーザID、ユーザ設定、行動プラン、ローカル取引管理テーブル等の各種データをクリアし、自己の接客ロボット10を待機モードに移行させる。また、動作制御部1544は、例えば顧客から、任意のタイミングで、接客ロボット10の利用を終了するチェックアウト操作を受け付けると、自己の接客ロボット10に保持された各種データをクリアし、自己の接客ロボット10を待機モードに移行させる。
【0181】
待機モードに移行した接客ロボット10は、例えば、動作制御部1544の制御により、商業施設内の所定位置に移動する。一例として、接客ロボット10は、待機モードに移行すると、バッテリーの充電を行うことが可能な充電エリアに移動する。
【0182】
また、待機モードの接客ロボット10は、店舗装置20やサーバ装置30からの指示により、指定された位置に移動するように構成してもよい。この場合、移動可能な接客ロボット10の台数は1に限らず、複数の接客ロボット10をまとめて移動させることも可能であるとする。
【0183】
ところで、各店舗で購入された商品は、接客ロボット10が備える載置台112に載置することで、接客ロボット10に搬送させることが可能である。一方で、商品の形態や顧客の意向によっては、購入した商品をその場で受け取らず、他の機会又は場所で受け取るようなことも想定される。例えば、店舗がショールーム店舗である場合、店舗内の商品は展示品となるため、商品の現物をその場で受け取ることはできない。また、例えば、接客ロボット10の載置台112に、持参した荷物や他の商品が載置されているような場合、新たに購入した商品を載置台112に置くことができない場合がある。
【0184】
そこで、購入支援部1548は、決済処理が完了した商品について、当該商品の受け取り方法を選択可能な画面を正面表示部132に表示させてもよい。例えば、購入支援部1548は、図示しない、受け取り方法を選択可能な画面を正面表示部132に表示させる。受け取り方法を選択可能な画面には、例えば、郵送、カウンター受取、ロッカー受取、出口受取、駐車場受取等の選択肢が表示される。購入支援部1548は、顧客の選択結果を取得することによって、受取方法を特定する。続いて、購入支援部1548は、顧客に対して、選択された受取方法に応じた詳細情報の指定を求める。例えば、郵送が選択された場合は、顧客に対して、送付先の情報の入力を指示する。また、カウンター受取、ロッカー受取、出口受取が指定された場合は、顧客に対して、具体的なカウンターの位置、ロッカーの位置、出口の位置等の指定を指示する。更に、駐車場受取が指定された場合は、駐車場システム40から取得した、顧客の自動車の駐車位置でよいかの確認を行う。
【0185】
このように、本実施形態の接客ロボット10では、決済が完了した商品について、顧客が所望する方法で商品を受け渡すことができる。
【0186】
また、接客ロボット10は、商業施設の営業終了後等の営業時間外において、上述した動作モードとは異なる閉店後モードで動作する。具体的には、動作制御部1544は、現在の日時が商業施設の営業時間外に達すると、接客ロボット10を閉店後モードに移行させる。
【0187】
閉店後モードの接客ロボット10は、上述した待機モード及び接客モードとは異なる動作を行う。例えば、動作制御部1544は、商業施設内を所定のルートで走行させるとともに、撮像部143を用いて周辺環境の撮像を行うことで、商業施設や店舗の見回り業務を行う。
【0188】
また、閉店後モードの接客ロボット10は、予め設定された店舗において、店舗内の棚卸業務を支援する形態としてもよい。この場合、例えば、動作制御部1544は、店舗内を巡回しながらリーダライタ部157を動作させることで、店舗内に存在する商品の無線タグから商品コードや個品コードの読み取りを行う。そして、動作制御部1544は、読取結果に基づいて商品の点数を種別毎に集計し、棚卸結果として店舗装置20に送信等を行う。
【0189】
(チェックイン処理の具体例)
図13を用いて、チェックイン処理の動作例を説明する。図13は、チェックイン時に接客ロボットの正面表示部に表示されるチェックイン画面の一例を示す図である。
【0190】
チェックイン画面Gaには、目や鼻等の顔を模した画像が表示される。また、チェックイン画面Gaには、顧客のチェックイン操作を促すメッセージGaaが表示される。
【0191】
チェックインの操作方法は、特に問わないものとするが、ユーザ管理テーブル3165にユーザ情報が登録された顧客(以下、会員ともいう)の操作方法と、ユーザ管理テーブル3165にユーザ情報が未登録の非会員用の操作方法とを用意することが好ましい。本実施形態では、ユーザIDを接客ロボット10に入力する操作を、会員用のチェックイン操作としている。また、チェックイン画面Gaに対するタッチ操作を、非会員用のチェックイン操作としている。なお、図13のチェックイン画面Gaは、ユーザIDの入力を促すため、顧客に対して、自身の顧客端末50に、ユーザIDが登録された二次元コードの提示を案内する画像Gabを表示した例を示している。
【0192】
なお、画像Gabは、顧客端末50に表示されるコードシンボルを接客ロボット10に読み取らせることを案内する情報を含んでもよい。また、チェックイン画面Gaにチェックイン用のコードシンボルを表示させる場合、画像Gabは、そのコードシンボルと当該コードシンボルを顧客端末50で読み取ることを案内する情報を含んでもよい。後者の場合、チェックイン画面Gaに表示するコードシンボルに、自己の接客ロボット10と後述するペアリングを確立するための情報を含めることが好ましい。この場合、動作制御部1544は、ペアリングが確立した顧客端末50からユーザIDを取得することで、ユーザIDの入力を受け付けてもよい。
【0193】
ここで、例えば、顧客端末50に表示された二次元コードが、正面撮像部1431に向けて翳されると、リード/ライト制御部1543によって、二次元コードからユーザIDが読み取られる。動作制御部1544は、リード/ライト制御部1543を介してユーザIDの入力を受け付けると、入力されたユーザIDをユーザ管理テーブル3165から検索することで、会員か否かの照合を行う。入力されたユーザIDがユーザ管理テーブル3165に登録されている場合、動作制御部1544は、会員によるチェックイン操作が行われたと判断し、接客ロボット10の動作モードを、待機モードから接客モードへと移行させる。なお、動作制御部1544は、接客モードに移行した際に取引IDを発行してもよい。また、動作制御部1544は、正面撮像部1431が撮像する画像から、チェックイン操作を行った顧客の画像や特徴量をユーザ特徴として取得し、入力されたユーザIDと関連付けてRAM153等に保持する。そして、動作制御部1544は、自装置のロボットIDに関連付けて、現在の動作モード、入力されたユーザID、およびユーザ特徴をロボット管理テーブル3164に登録する。
【0194】
また、動作制御部1544は、チェックイン画面Gaに対するタッチ操作を受け付けると、非会員によりチェックイン操作が行われたと判断し、接客ロボット10の動作モードを、待機モードから接客モードへと移行させる。この場合、動作制御部1544は、チェックイン操作を行った顧客のユーザ特徴をローカルに保持するとともに、自装置のロボットIDに関連付けて、現在の動作モード、およびユーザ特徴をロボット管理テーブル3164に登録する。また、この場合、パーソナライズ処理部1545は、会員登録を促す画面を正面表示部132に表示させてもよい。
【0195】
なお、タッチ操作によるチェックイン操作が行われた場合であっても、接客モードの間は、任意のタイミングでユーザIDの入力を行うことで、会員によるチェックイン状態に移行できるものとする。
【0196】
また、動作制御部1544は、チェックインした顧客(以下、チェックインユーザともいう)が会員か否かによらず、顧客端末50との間で近距離無線通信による通信(ペアリング)を確立することが可能であるとする。この場合、例えば動作制御部1544は、自己の接客ロボット10とペアリングするための設定情報を二次元コード等の形態で正面表示部132に表示させたり、リード/ライト制御部1543を介して顧客端末50の設定情報を読み取ったりする。動作制御部1544は、顧客端末50とのペアリングが確立すると、RSSI(受信信号強度)等に基づいてチェックインユーザの位置や接客ロボット10との距離を捕捉したり、各種情報の送受信を行ったりする。例えば、顧客端末50を、接客ロボット10をコントロールするリモコン装置として利用してもよい。
【0197】
また、ペアリングの対象は、顧客端末50に限らず、より簡易的なビーコン端末であってもよい。この場合、ビーコン端末は商業施設から貸し出されてもよいし、接客ロボット10に着脱自在に設けられてもよい。動作制御部1544は、ビーコン端末とのペアリングが確立すると、RSSI(受信信号強度)等に基づいてチェックインユーザの位置や接客ロボット10との距離を捕捉したり、各種情報の送受信を行ったりする。
【0198】
なお、ビーコン端末にリモコン機能を持たせることによって、ビーコン端末を、接客ロボット10をコントロールするリモコン装置として利用してもよい。
【0199】
(行動プラン設定の具体例)
図14から図16を用いて、行動プラン設定の具体例を説明する。図14は、来店目的を指示する際に接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。図15は、訪問したい店舗を選択する際に接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。図16は、接客ロボットの正面表示部に表示される、生成された移動ルートの概略情報の一例を示す図である。
【0200】
行動プラン生成部1546は、顧客の目的を確認するため、図14に示すような来店目的確認画面Gbを正面表示部132に表示させる。来店目的確認画面Gbには、店舗管理テーブル3162に登録された各店舗の店舗種別やキーワードに基づき設定された、目的の種別を示す選択肢Gbaが複数表示される。例えば、図14に示すように、「買いたい」、「遊びたい」、「食べたい」等の大まかな目標が選択肢Gbaとして表示される。選択肢Gbaは、例えば何れか一つを選択することが可能となっている。何れか一の選択肢Gbaが選択された後、中央の操作子Gbbの操作により選択が確定されると、行動プラン生成部1546は、選択された選択肢Gbaの目的を更に絞り込むため、店舗確認画面Gcを正面表示部132に表示させる。
【0201】
店舗確認画面Gcには、直前の来店目的確認画面Gbで選択された目的を達成可能な店舗を示す複数の選択肢Gcaが表示される。図15は、店舗確認画面Gcの一例であり、図14の来店目的確認画面Gbから「買いたい」の選択肢Gbaが選択された場合の例を示している。
【0202】
また、他の例として、店舗確認画面Gcの選択肢Gcaには、商業施設で購入可能な商品の種別等が表示されてもよい。この場合、選択肢Gcaを介して商品の種別が選択され、操作子Gcbの操作により選択が確定されると、行動プラン生成部1546は、選択された種別の商品を販売する店舗の店舗名を選択肢とした新たな店舗確認画面Gcを更に表示させてもよい。このように、行動プラン生成部1546は、顧客の目的を段階的に絞り込んでいくことで、目的に適合した行先となる店舗(以下、行先店舗ともいう)を決定する。
【0203】
なお、来店目的確認画面Gbと店舗確認画面Gcを用いて絞り込みを行う回数は特に問わないものとする。例えば、目的毎に絞り込みを行う回数が異なっていてもよい。また、上記例では、絞り込みの最終的段階で行先店舗を選択させる例を示したが、選択可能な店舗数は1に限らず複数であってもよい。
【0204】
また、行動プラン生成部1546は、行先店舗を顧客に直接選択させることなく、選択された目的の条件から行先店舗を自動で決定する形態としてもよい。この場合、行動プラン生成部1546は、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて記憶された特性情報や購入履歴等に基づき、行先店舗を1又は複数個決定してもよい。
【0205】
また、来店目的確認画面Gbにおいて、ある目的について行先店舗を決定した後で、最初や直前の来店目的確認画面Gbに再び戻ることで、異なる目的に係る行先店舗を決定することも可能である。
【0206】
図16は、行動プラン画面Gdの一例である。行動プラン画面Gdには、行動プランに規定された行先店舗の各々の店舗名と、当該行先店舗を巡回する順序が表示される。図16では、店舗A、店舗B、店舗C、店舗Dの順に巡回することが表示された例を示している。また、図16の例では、行先店舗のフロア階数Gda、店舗で扱う代表的な商品を示す商品アイコンGdb、店舗名Gdc、店舗間の移動に要する時間Gdd、総所要時間Gdeを併せて表示している。
【0207】
接客ロボット10を操作する顧客は、行動プラン画面Gdを見ることで、行き先となる店舗とその順序を確認することができる。また、行動プラン画面Gdでは、後述するように、顧客の操作に応じて、行先店舗の順序を変更したり、行先店舗を削除したりすることができる。
【0208】
また、行動プラン画面Gdでは、顧客の操作に応じて、行先店舗を追加することもできる。例えば、操作子Gdfの操作を受け付けると、行動プラン生成部1546は、行先店舗を追加することが可能な画面を正面表示部132に表示する。かかる画面は、例えば、店舗を直接指定することが可能な、店舗名を一覧表示した画面であってもよいし、上述した来店目的確認画面であってもよい。
【0209】
また、行動プラン画面Gdには、商業施設のマップを表示するための操作子Gdgが設けられている。行動プラン生成部1546は、操作子Gdgの操作を受け付けると、マップ情報3161に基づいて、商業施設のマップに行先店舗の各位置を示した画面を正面表示部132に表示させる(図示せず)。また、行動プラン生成部1546は、行先店舗の各位置に巡回する順序を示す番号を付したり、行先店舗間の移動経路を強調したりする等の処理を施したマップを表示させてもよい。
【0210】
また、行動プラン画面Gdには、行先店舗への移動を開始することを指示する操作子Gdhが設けられている。操作子Gdhが操作されると、動作制御部1544は、自装置の動作モードを先導モードへと移行させる。なお、動作制御部1544は、行動プランが生成されたタイミングや、行先店舗への移動開始が指示されたタイミングで、取引IDを発行してもよい。
【0211】
なお、行動プラン画面Gdでは、表示された行先店舗の店舗名等を選択することで、当該行先店舗に到着した際に実行する処理内容を設定することも可能であるとする。例えば、行先店舗に到着した際に、来店目的選択画面で選択した種別の商品が陳列されている電子棚札を発光させる処理をタスクとして設定することができる。行先店舗に設定されたタスクは、当該行先店舗に接客ロボット10が到着した際に、動作制御部1544の制御により実行される。
【0212】
ここで、タスクとは、顧客から要求された処理を規定するものであり、予め設定されたタイミングで実行される。例えば、タスクは、実行条件と処理内容との組で表すことができる。上記例の場合、実行条件は、処理を実行する店舗の「店舗名」と、処理の実行タイミングを規定する「店舗への到着時」との組で規定される。また、処理内容には、来店目的選択画面で選択された商品の種別を表す商品コード等とともに、電子棚札の発光を指示するコマンド等が設定される。行先店舗に設定されたタスクの処理内容は、当該タスクの実行条件に基づき、動作制御部1544の制御により実行される。なお、タスクとして設定可能な実行条件及び処理内容はこれに限らないものとする。
【0213】
(行動プランの編集機能)
図17から図19を用いて、行動プランの編集の一例である、提案された店舗の巡回順序を変更する具体的な方法を説明する。図17から図19は、いずれも、店舗の巡回順序を変更する方法を説明する図である。図17は、巡回順序を変更したい、例えば店舗名Gdiを長押しして、店舗(この場合、店舗B)を選択した状態を示す図である。図18は、選択した店舗Bの巡回順序を、店舗Cの後ろに移動させた状態を示す図である。また、図19は、行動プラン生成部1546が、巡回順序が変更された状態で、巡回ルートを再設定した状態を示す図である。
【0214】
行動プラン生成部1546は、図17に示すように、店舗名Gdiが長押しされたことを検出した際に、当該店舗を選択する。
【0215】
そして、操作受付部1542は、店舗名Gdiが押下されたままドラッグされる操作を検出した場合に、行動プラン生成部1546は、店舗名Gdiを、ドラッグされた位置に移動することによって、店舗の巡回順序を変更する。図18の例では、選択された店舗Bが、店舗Cと店舗Dとの間の位置に変更される。
【0216】
更に、行動プラン生成部1546は、図19に示すように、巡回順序が変更された状態で、巡回ルートを再設定する。巡回ルートの再設定によって、図19に示すように、店舗間の移動に要する時間Gddと、総所要時間Gdeとが変更される。
【0217】
次に、図20図21を用いて、行動プランの編集の一例である、提案された店舗を削除する具体的な方法を説明する。図20は、削除する店舗を選択した状態を示す図である。図21は、行動プラン生成部1546が、店舗が削除された状態で、巡回ルートを再設定した状態を示す図である。
【0218】
行動プラン生成部1546は、図20に示すように、例えば店舗名Gdiが長押しされたことを検出した際に、当該店舗(この場合、店舗B)を選択する。
【0219】
その後、操作受付部1542が、店舗名Gdiが押下されたままフリックされる操作を検出した場合に、行動プラン生成部1546は、店舗名Gdiを削除する。
【0220】
更に、行動プラン生成部1546は、店舗Bが削除された状態で、巡回ルートを再設定する。巡回ルートの再設定によって、図21に示すように、店舗間の移動に要する時間Gddと、総所要時間Gdeとが変更される。
【0221】
また、図示はしないが、店舗における滞在時間を変更する場合には、例えば、店舗名Gdiを短押しした際にポップアップするサブウインドウにて、滞在時間の再設定を行うことができる。
【0222】
(移動中に接客ロボットに表示される案内画面例)
図22を用いて、接客ロボットが移動中に表示する案内情報について説明する。図22は、接客ロボットが先導モードで移動中に背面表示部に表示される案内情報の一例を示す図である。
【0223】
表示制御部1541は、接客ロボット10の動作制御部1544と行動プラン生成部1546とから得た情報に基づいて、接客ロボットの背面表示部115に、図22に示す案内画面Geを表示させる。
【0224】
案内画面Geには、移動先となる店舗名Gea(この場合は店舗A)と、案内中であることを示すメッセージが表示される。また、案内画面Geには、接客ロボット10が移動する方向を示す矢印Gebや、移動先となる店舗までの距離Gecが表示される。また、案内画面Geには、接客ロボット10の現在位置周辺に存在する共用スペースを示した周辺情報Gedが、画面上部に表示される。ここで、画面内において周辺情報Gedが表示される位置は、例えば、接客ロボット10の現在位置および移動方法を基準として、それぞれの共用スペースが存在する方向に対応する。例えば、図22の例は、接客ロボット10の進行方向の右側に自動販売機があり、接客ロボット10の進行方向の左側にベビー休憩室があることを示している。また、図22は、接客ロボット10の進行方向に、トイレと、休憩所と、ロッカーがあることを示している。そして、これらの周辺情報Gedを示すアイコンの表示位置は、接客ロボット10の進行方向に応じて変化する。
【0225】
また、動作制御部1544は、画面表示による案内に限らず、音声出力による案内を行ってもよい。例えば、動作制御部1544は、案内画面Geとともに、行先店舗への移動を案内する音声を出力してもよい。
【0226】
なお、接客ロボット10が先導モードで移動中に、正面表示部132に表示させる画面は特に問わないものとする。例えば、動作制御部1544は、接客ロボット10を移動させている間、上述したチェックイン画面Gaと同様の、目や鼻等の顔を模した画像を正面表示部132に表示させてもよい。但し、チェックイン画面Gaとは異なり、顧客を案内中であることを示す情報をあわせて表示させることが好ましい。
【0227】
(買物中に接客ロボットに表示される各種画面例)
図23図24を用いて、購入支援部1548の具体的な動作例を説明する。図23は、接客ロボットの正面表示部に表示される基本操作画面の一例を示す図である。図24は、商品画面の一例を示す図である。
【0228】
購入支援部1548は、接客ロボット10が店舗に到着して追従モードに移行すると、図23に示す基本操作画面Gfを正面表示部132に表示させて、顧客の操作を待機する。
【0229】
基本操作画面Gfには、商品の読み取りを促すメッセージGfa及び読み取り方法を説明する画像が表示される。また、基本操作画面Gfの上方には、滞在中の店舗の店舗名Gfbと、後述する操作子Gfcとが設けられる。
【0230】
また、基本操作画面Gfの下方には画像Gfd、Gfeが表示される。画像Gfdは、コードシンボルの読み取りが可能であることを示すアイコンであり、画像Gfeは、無線タグの読み取りが可能であることを示すアイコンである。
【0231】
なお、画像Gfd、Gfeは、読み取り機能に係るハードウエア構成を有効化させるための操作子としてもよい。例えば、画像Gfd、Gfeの何れかのアイコンがタッチされると、購入支援部1548は、タッチされたアイコンに応じて、撮像部143又はリーダライタ部157を有効化する制御を行ってもよい。
【0232】
また、基本操作画面Gfには、操作子Gff、Gfg、Gfhが表示される。操作子Gffは、店舗内の店員に問い合わせを行うための操作子である。操作子Gfgは、登録された商品を確認するための操作子である。操作子Gfgを操作すると、その時点で登録済の商品の商品画像、商品名、価格等が表示された仮想カゴ画面(図示しない)が表示される。操作子Gfhは、決済処理の開始を指示するための操作子である。
【0233】
なお、操作子Gffが操作された場合には、購入支援部1548は、店舗装置20と協働することで、店舗の店員に対応を依頼するための処理を実行する。例えば、店舗連携部1547は、自己の接客ロボット10の位置や、問合せの対象となる商品を指定する情報を店舗装置20に送信することで、店員による対応を依頼する。この場合、店舗装置20は、店舗の店員が所持する端末に接客ロボット10の位置等を通知し、顧客の対応を店員に促す。
【0234】
購入支援部1548は、コードシンボル又は無線タグの読み取りにより商品コードの入力を受け付けると、例えば図24に示す商品画面Ggを正面表示部132に表示させる。
【0235】
商品画面Ggは、基本操作画面Gfで説明した各種の操作子を有する。また、商品画面Ggの画面中央には、商品画像を表示するための領域Ggaが設けられている。購入支援部1548は、入力された商品コードに対応する商品情報を商品マスタ3163から読み出し、読み出したデータエントリに含まれる商品画像を領域Ggaに表示させる。また、購入支援部1548は、読み出したデータエントリに基づき、商品の登録処理を実行する。
【0236】
図24では、商品AAAが読み取られた状態を示しており、領域Ggaに商品AAAの外観を示す商品画像が表示されている。また、領域Ggaの近傍には、商品AAAの商品名および価格等が表示される。
【0237】
また、商品画面Ggには、操作子Ggbと操作子Ggcが設けられている。操作子Ggbは、商品画面Ggの領域Ggaに表示された商品の商品登録処理を指示するための操作子である。操作子Ggcは、リコメンド機能の実行を指示するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Ggbの操作を受け付けると、入力された商品コードに基づき、対応する商品の商品情報をローカル取引管理テーブルに登録する商品登録処理(以下、商品登録ともいう)を行う。また、購入支援部1548は、操作子Ggcの操作を受け付けると、領域Ggaに表示された商品の付加情報等に基づき、商品AAAと組み合わせ(例えばコーディネート)の対象となる商品(以下、リコメンド商品ともいう)を商品マスタ3163から選択する。そして、購入支援部1548は、選択された商品のデータエントリに基づき、当該商品の商品画像等を表した商品画面Ggを正面表示部132に表示させる。
【0238】
また、図示はしないが、操作子Ggb、Ggcと並べて、領域Ggaに表示された商品の仮想試着を指示するための操作子を設けてもよい。購入支援部1548は、当該操作子の操作を受け付けると、正面撮像部1431で撮像される顧客の画像に、領域Ggaに表示された商品の商品画像を重畳した合成画像を生成する。そして、購入支援部1548は、生成した合成画像を、領域Ggaや別画面に表示させることで仮想試着を実現する。なお、仮想試着に係る処理は公知の技術を用いることが可能であるとする。
【0239】
購入支援部1548は、顧客が選択した商品に基づき、当該商品と組み合わせ可能な商品を購入候補として提案する。そして、顧客は、提案された候補商品を気に入った場合、購入対象の商品として登録することができる。
【0240】
(接客ロボットが行う処理の流れ)
図25を用いて、実施形態の接客ロボット10が行う処理の流れを説明する。図25は、接客ロボットが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、初期状態として、接客ロボット10は待機モードの状態にあるものとする。
【0241】
動作制御部1544は、上述したチェックイン処理を行う(ステップS10)。チェックイン処理の詳細な流れは後述する(図26参照)。なお、チェックイン処理を行うことによって、接客ロボット10は接客モードに移行する。
【0242】
パーソナライズ処理部1545は、上述したパーソナライズ処理を行う(ステップS11)。具体的には、パーソナライズ処理部1545は、チェックインユーザのユーザ設定が既に登録されている場合は、登録されたユーザ設定を流用する、一方、チェックインユーザのユーザ設定が未登録の場合は、カスタマイズ操作を受け付けて、接客ロボット10の各種設定を行う。
【0243】
行動プラン生成部1546は、上述した行動プランを設定する行動プラン設定処理を行う(ステップS12)。行動プラン設定処理の詳細な流れは後述する(図27参照)。
【0244】
動作制御部1544は、行動プランに沿って接客ロボット10を移動させる移動制御処理を行う(ステップS13)。移動制御処理の詳細な流れは後述する(図28参照)。
【0245】
動作制御部1544は、接客ロボット10が次に立ち寄る店舗に到着したかを判定する(ステップS14)。店舗に到着したと判定される(ステップS14:Yes)とステップS15に進む。一方、店舗に到着したと判定されない(ステップS14:No)とステップS13に戻る。
【0246】
ステップS14において、店舗に到着したと判定されると、店舗連携部1547は、立ち寄った店舗の店舗装置20と協働することによって、例えば、上述した電子棚札を発光させる等の店舗連携処理を行う(ステップS15)。店舗連携処理の詳細な流れは後述する(図29参照)。
【0247】
続いて、購入支援部1548は、商品の購入を支援するための購入支援処理を行う(ステップS16)。購入支援処理の詳細な流れは後述する(図30参照)。
【0248】
動作制御部1544は、行動プラン生成部1546が生成した行動プランを参照することによって、全ての店舗を巡回したかを判定する(ステップS17)。ここで、例えば、動作制御部1544は、チェックアウト操作を受け付けると、全ての店舗を巡回したと判定する。全ての店舗を巡回したと判定される(ステップS17:Yes)とステップS18に進む。一方、全ての店舗を巡回したと判定されない(ステップS17:No)とステップS13に戻る。
【0249】
ステップS17において、全ての店舗を巡回したと判定されると、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10が保持する各種データをクリアして、接客ロボット10を待機モードに移行させる(ステップS18)。
【0250】
続いて、動作制御部1544は、接客ロボット10を商業施設内の所定の位置に移動させる。なお、所定の位置とは、接客ロボット10が集積されている商業施設の入口でもよいし、使用後の接客ロボット10のバッテリーを充電するための充電エリアであってもよい。なお、接客ロボット10を所定の位置に戻す操作を、店員が遠隔操作で行ってもよい。なお、接客ロボット10を所定の位置に戻す遠隔操作は、個々の接客ロボット10に対して別々に行ってもよいし、複数の接客ロボット10をまとめて所定の位置に戻すような操作であってもよい。その後、所定の位置に到着すると、接客ロボット10は、図25の処理を終了する。
【0251】
(接客支援システムが行うチェックイン処理の流れ)
図26を用いて、チェックイン処理の流れを説明する。図26は、チェックイン処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0252】
接客ロボット10は、サーバ装置30と協働することによって、チェックイン処理を行う。まず、接客ロボット10が行う処理の流れを説明する。
【0253】
動作制御部1544は、正面表示部132にチェックイン画面Gaを表示させる(ステップS21)。
【0254】
リード/ライト制御部1543は、チェックインユーザのユーザIDを読み取ったかを判定する(ステップS22)。ユーザIDを読み取ったと判定される(ステップS22:Yes)とステップS23に進む。一方、ユーザIDを読み取ったと判定されない(ステップS22:No)とステップS26に進む。
【0255】
ステップS22において、ユーザIDを読み取ったと判定されると、行動プラン生成部1546は、リード/ライト制御部1543から受け取ったユーザIDを、サーバ装置30に対して出力する(ステップS23)。
【0256】
行動プラン生成部1546は、サーバ装置30から、ユーザIDに対応するユーザのユーザ情報を取得する(ステップS24)。
【0257】
行動プラン生成部1546は、ユーザIDに対応するユーザの過去の購入履歴や検索履歴等に基づいて、正面表示部132に、図示しないおすすめ店舗リストを表示させる(ステップS25)。その後、ステップS32に進む。
【0258】
一方、ステップS22において、ユーザIDを読み取ったと判定されないと、行動プラン生成部1546は、操作受付部1542が、チェックイン画面Gaのタッチ操作を検出したか、即ち、チェックイン画面Gaがタッチされたかを判定する(ステップS26)。チェックイン画面Gaがタッチされたと判定される(ステップS26:Yes)とステップS27に進む。一方、チェックイン画面Gaがタッチされたと判定されない(ステップS26:No)とステップS22に戻る。
【0259】
ステップS26において、チェックイン画面Gaがタッチされたと判定されると、行動プラン生成部1546は、正面表示部132に、来店目的確認画面Gbを表示させる(ステップS27)。
【0260】
行動プラン生成部1546は、来店目的確認画面Gbにおいて来店目的の選択を受け付ける(ステップS28)。
【0261】
続いて、行動プラン生成部1546は、サーバ装置30に対して、選択された来店目的を出力する(ステップS29)。
【0262】
行動プラン生成部1546は、サーバ装置30から、来店目的に応じた店舗情報を取得する(ステップS30)。
【0263】
行動プラン生成部1546は、正面表示部132に店舗確認画面Gcを表示させる(ステップS31)。
【0264】
行動プラン生成部1546は、操作受付部1542が検出した店舗確認画面Gcにおける店舗選択結果を取得することによって、店舗選択を受け付ける(ステップS32)。
【0265】
動作制御部1544は、正面撮像部1431に対して顧客画像を撮像させる(ステップS33)。
【0266】
動作制御部1544は、顧客画像からユーザ特徴を抽出する(ステップS34)。
【0267】
動作制御部1544は、サーバ装置30に対して、ユーザ特徴を出力する(ステップS35)。その後、接客ロボット10はチェックイン処理を終了して、図25のメインルーチンに戻る。
【0268】
次に、サーバ装置30が行う処理の流れを説明する。
【0269】
情報管理部3141は、接客ロボット10から、ユーザIDを取得する(ステップS41)。
【0270】
情報管理部3141は、接客ロボット10に対して、ユーザIDに対応するユーザのユーザ情報を出力する(ステップS42)。
【0271】
情報管理部3141は、接客ロボット10から、チェックインユーザの来店目的を取得する(ステップS43)。
【0272】
情報管理部3141は、接客ロボット10に対して、来店目的に応じた店舗情報を出力する(ステップS44)。
【0273】
情報管理部3141は、接客ロボット10からユーザ特徴を取得して、ロボット管理テーブル3164に格納する(ステップS45)。
【0274】
続いて、情報管理部3141は、取得したユーザ特徴をロボット管理テーブル3164に格納することよって、ロボット管理テーブル3164とユーザ管理テーブル3165を更新する(ステップS46)。その後、サーバ装置30は、チェックイン処理に係る動作を終了する。
【0275】
なお、図26では、チェックインを受け付けた非会員が、来店目的に基づいて提示された店舗情報の中から、自身が訪れたい店舗を選択して、自身の顧客画像が登録されるまでをチェックイン処理として説明した。また、チェックインを受け付けた会員が、自身の過去の購入履歴や検索履歴に基づいて提示されたおすすめ店舗リストの中から、自身が訪れたい店舗を選択して、自身の顧客画像が登録されるまでをチェックイン処理として説明した。この中で、来店目的の選択と店舗選択とを行う部分は、後述する行動プラン設定処理に含めても構わない。
【0276】
(接客支援システムが行う行動プラン設定処理の流れ)
図27を用いて、行動プラン設定処理の流れを説明する。図27は、行動プラン設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0277】
接客ロボット10は、サーバ装置30と協働することによって、行動プラン設定処理を行う。まず、接客ロボット10が行う処理の流れを説明する。
【0278】
行動プラン生成部1546は、サーバ装置30に対して、マップ情報3161の出力を要求する(ステップS51)。なお、この処理は。チェックイン処理が完了した後で、1度だけ行えばよい。或いは、接客ロボット10は、常に、最新のマップ情報3161を、自身の記憶部161に保持しておいてもよい。
【0279】
行動プラン生成部1546は、サーバ装置30からマップ情報3161を取得する(ステップS52)。
【0280】
行動プラン生成部1546は、顧客がユーザIDを有するかを判定する(ステップS53)。なお、顧客がユーザIDを有するかは、チェックイン処理の結果に基づいて判定される。顧客がユーザIDを有すると判定される(ステップS53:Yes)とステップS54に進む。一方、顧客がユーザIDを有すると判定されない(ステップS53:No)とステップS56に進む。
【0281】
ステップS53において、顧客がユーザIDを有すると判定されると、行動プラン生成部1546は、チェックイン処理のステップS32で行われた店舗選択操作を受けて、顧客が選択した店舗の中に、顧客の好みの同じ商品を販売している複数の店舗があるかを判定する(ステップS54)。顧客の好みの同じ商品を販売している複数の店舗があると判定される(ステップS54:Yes)とステップS55に進む。一方、顧客の好みの同じ商品を販売している複数の店舗があると判定されない(ステップS54:No)とステップS56に進む。
【0282】
ステップS54において、顧客の好みの同じ商品を販売している複数の店舗があると判定されると、行動プラン生成部1546は、同じ商品を販売している店舗を避けて、移動距離が最短になる移動ルートを設定する(ステップS55)。
【0283】
続いて、行動プラン生成部1546は、操作受付部1542が受け付けた操作情報に基づいて、ルート編集指示があるかを判定する(ステップS57)。ルート編集指示があると判定される(ステップS57:Yes)とステップS58に進む。一方、ルート編集指示があると判定されない(ステップS57:No)とステップS59に進む。
【0284】
ステップS57において、ルート編集指示があると判定されると、行動プラン生成部1546は、指示された編集内容に応じて、移動ルートの再設定を行う(ステップS58)。
【0285】
ステップS57においてルート編集指示があると判定されない場合、又はステップS58に続いて、行動プラン生成部1546は、サーバ装置30に対して、移動ルート情報と、移動ルートに含まれる立ち寄り店舗の店舗IDとを出力する(ステップS59)。その後、接客ロボット10は行動プラン設定処理を終了して、図25のメインルーチンに戻る。
【0286】
次に、サーバ装置30が行う処理の流れを説明する。
【0287】
情報管理部3141は、接客ロボット10から、マップ情報3161の出力リクエストを取得する(ステップS61)。
【0288】
情報管理部3141は、接客ロボット10に対して、マップ情報3161を出力する(ステップS62)。
【0289】
情報管理部3141は、接客ロボット10から、移動ルート情報と、移動ルートに含まれる立ち寄り店舗の店舗IDとを取得する(ステップS63)。
【0290】
情報管理部3141は、取得した移動ルート情報と店舗IDとをロボット管理テーブル3164に格納することよって、ロボット管理テーブル3164を更新する(ステップS64)。その後、サーバ装置30は、行動プラン設定処理に係る動作を終了する。
【0291】
(接客支援システムが行う移動制御処理の流れ)
図28を用いて、移動制御処理の流れを説明する。図28は、移動制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0292】
接客ロボット10は、サーバ装置30と協働することによって、移動制御処理を行う。まず、接客ロボット10が行う処理の流れを説明する。
【0293】
動作制御部1544は、操作受付部1542が接客モードの変更指示を受けたかを判定する(ステップS71)。接客モードの変更指示を受けたと判定される(ステップS71:Yes)とステップS72に進む。一方、接客モードの変更指示を受けたと判定されない(ステップS71:No)とステップS73に進む。
【0294】
ステップS71において、接客モードの変更指示を受けたと判定されると、動作制御部1544は、接客モードを先導モードから追従モード、又は追従モードから先導モードに変更する(ステップS72)。なお、接客ロボット10は、店舗に到着した際に、顧客の指示を待たずに、自動的に追従モードに移行してもよい。
【0295】
動作制御部1544は、撮像部143が撮像した画像の中から顧客の存在位置を認識する(ステップS73)。なお、動作制御部1544は、顧客端末50の存在位置、又は上述したビーコン端末の存在位置を併せて利用することによって、顧客の存在位置の認識を、より効率的に行うことができる。
【0296】
動作制御部1544は、ステップS73で認識した顧客との位置関係を一定に保った状態で、先導モード又は追従モードで移動する移動制御を実行する(ステップS74)。なお、このとき動作制御部1544は、進行方向に障害物が存在する場合には、当該障害物の手前で一時停止する、又は障害物を回避して移動する等の移動制御を併せて行う。
【0297】
動作制御部1544は、測位部159の測位結果と、センサ部158が検出した接客ロボット10の速度や移動方向と、マップ情報3161とに基づいて、商業施設における接客ロボット10の現在位置を特定(デッドレコニング)する(ステップS75)。
【0298】
動作制御部1544は、ステップS75で特定した接客ロボット10の現在位置に基づいて、案内画面Geに表示する案内情報を更新する(ステップS76)。
【0299】
動作制御部1544は、ステップS75で特定した接客ロボット10の現在位置を、サーバ装置30に出力する(ステップS77)。その後、接客ロボット10は移動制御処理を終了して、図25のメインルーチンに戻る。
【0300】
次に、サーバ装置30が行う処理の流れを説明する。
【0301】
情報管理部3141は、接客ロボット10から、現在位置を取得する(ステップS81)。
【0302】
情報管理部3141は、取得した接客ロボット10の現在位置をロボット管理テーブル3164に格納することよって、ロボット管理テーブル3164を更新する(ステップS82)。その後、サーバ装置30は、移動制御処理に係る動作を終了する。
【0303】
(接客支援システムが行う店舗連携処理の流れ)
図29を用いて、店舗連携処理の流れを説明する。図29は、店舗連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0304】
接客ロボット10は、店舗装置20と協働することによって、店舗連携処理を行う。まず、接客ロボット10が行う処理の流れを説明する。
【0305】
接客ロボット10が店舗に入店すると、店舗連携部1547は、接客ロボット10の通信部160と、店舗装置20の通信部217との間で情報のやり取りを行うために接続を確立する(ステップS91)。なお、ここで確立させた接続は、接客ロボット10が退店するまで保持される。
【0306】
店舗連携部1547は、顧客が選択した商品又は顧客の好みに合った商品が、店舗にあるかを判定する(ステップS92)。具体的には、店舗連携部1547は、例えばサーバ装置30から取得したロボット管理テーブル3164やユーザ管理テーブル3165の内容、および商品マスタ3163の内容に基づいて、顧客が選択した商品又は顧客の好みに合った商品が、店舗にあるかを判定する(図29には図示しない)。該当する商品が店舗にあると判定される(ステップS92:Yes)とステップS93に進む。一方、該当する商品が店舗にあると判定されない(ステップS92:No)と、接客ロボット10は店舗連携処理を終了して、図25のメインルーチンに戻る。
【0307】
ステップS92において、該当する商品が店舗にあると判定されると、店舗連携部1547は、該当する商品の商品コードを、店舗装置20に対して出力する(ステップS93)。その後、接客ロボット10は店舗連携処理を終了して、図25のメインルーチンに戻る。
【0308】
次に、店舗装置20が行う処理の流れを説明する。
【0309】
通信制御部2144は、店舗装置20の通信部217と接客ロボット10の通信部160との間で情報のやり取りを行うために接続を確立する(ステップS101)。なお、ここで確立させた接続は、接客ロボット10が退店するまで保持される。
【0310】
ロボット連携部2142は、接客ロボット10から商品コードを取得したかを判定する(ステップS102)。商品コードを取得したと判定される(ステップS102:Yes)とステップS103に進む。一方、商品コードを取得したと判定されない(ステップS102:No)と、店舗装置20は、店舗連携処理に係る動作を終了する。
【0311】
ステップS102において、商品コードを取得したと判定されると、ロボット連携部2142は、該当商品の電子棚札に発光指示を出力する(ステップS103)。これによって、該当する商品の電子棚札が発光するため、顧客は容易に商品を発見することができるようになる。なお、店舗装置20は、接客ロボット10が退店して、ステップS101で確立させた接続が途絶えた場合に、電子棚札の発光を停止させる(図29には図示しない)。その後、店舗装置20は、店舗連携処理に係る動作を終了する。
【0312】
(接客支援システムが行う購入支援処理の流れ)
図30を用いて、購入支援処理の流れを説明する。図30は、購入支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0313】
接客ロボット10は、店舗装置20やサーバ装置30と協働することによって、購入支援処理を行う。店舗装置20とサーバ装置30は、接客ロボット10が行った処理の結果を随時取得して、自身が記憶する各種テーブルの内容を更新する。
【0314】
接客ロボット10は、店舗装置20やサーバ装置30と協働することによって、購入支援処理を実行するが、説明が煩雑になるため、ここでは、接客ロボット10が行う処理のみを、図30によって説明する。
【0315】
購入支援部1548は、商品コードが入力されたかを判定する(ステップS110)。具体的には、購入支援部1548は、上述した基本操作画面Gfにおいて、コードシンボル又は無線タグの読み取りがなされた場合に、商品コードが入力されたと判定する。商品コードが入力されたと判定される(ステップS110:Yes)とステップS111に進む。一方、商品コードが入力されたと判定されない(ステップS110:No)とステップS121に進む。
【0316】
ステップS110において、商品コードが入力されたと判定されると、購入支援部1548は、商品画面Ggを正面表示部132に表示させる(ステップS111)。
【0317】
続いて、購入支援部1548は、顧客からのリコメンド要求があるかを判定する(ステップS112)。具体的には、購入支援部1548は、商品画面Ggにおいて、操作子Ggcが操作された場合に、リコメンド要求がなされたと判定する。リコメンド要求があると判定される(ステップS112:Yes)とステップS113に進む。一方、リコメンド要求があると判定されない(ステップS112:No)とステップS114に進む。
【0318】
ステップS112において、リコメンド要求があると判定されると、購入支援部1548は、商品画面Ggにリコメンド商品を表示する。なお、複数のリコメンド商品がある場合、顧客の選択操作によって選択された1つのリコメンド商品が商品画面Ggに表示される(ステップS113)。
【0319】
続いて、購入支援部1548は、商品画面Ggに表示されている商品に対する登録指示があるかを判定する(ステップS114)。同様に、ステップS112において、リコメンド要求があると判定されない場合も、購入支援部1548は、商品画面Ggに表示されている商品に対する登録指示があるかを判定する(ステップS114)。具体的には、購入支援部1548は、商品画面Ggに表示される操作子Ggbの操作情報を検出した場合に、商品に対する登録指示があったと判定する。商品登録指示があると判定される(ステップS114:Yes)とステップS115に進む。一方、商品登録指示があると判定されない(ステップS114:No)とステップS110に戻る。なお、ステップS110に戻る際には、接客ロボット10の正面表示部132には基本操作画面Gfが表示される。
【0320】
ステップS114において、商品登録指示があると判定された場合、購入支援部1548は、商品登録を行う(ステップS115)。このとき、購入支援部1548は、登録された商品が店舗商品か仮商品かを識別可能な状態で登録する。その後、ステップS110に戻る。なお、このとき、接客ロボット10には基本操作画面Gfが表示される。
【0321】
ステップS110に戻り、ステップS110において商品コードが入力されたと判定されないと、購入支援部1548は、仮想カゴ表示の指示がなされたかを判定する(ステップS121)。具体的には、購入支援部1548は、基本操作画面Gfにおいて、上述した操作子Gfgが操作された場合に、仮想カゴ表示の指示がなされたと判定する。仮想カゴ表示の指示がなされたと判定される(ステップS121:Yes)とステップS122に進む。一方、仮想カゴ表示の指示がなされたと判定されない(ステップS121:No)とステップS131に進む。
【0322】
ステップS121において、仮想カゴ表示の指示がなされたと判定されると、購入支援部1548は、接客ロボット10の正面表示部132に、登録商品の一覧画面(図示しない)を表示する(ステップS122)。
【0323】
続いて、購入支援部1548は、登録商品の一覧画面において、商品選択がなされたかを判定する(ステップS123)。商品選択がなされたと判定される(ステップS123:Yes)とステップS124に進む。一方、商品選択がなされたと判定されない(ステップS123:No)とステップS125に進む。
【0324】
ステップS123において、商品選択がなされたと判定されると、購入支援部1548は、接客ロボット10の正面表示部132に、選択された商品が表示された商品画面Ggを表示する(ステップS124)。
【0325】
購入支援部1548は、商品画面Ggにおいて、決済が指示されたかを判定する(ステップS125)。具体的には、購入支援部1548は、商品画面Ggに表示された操作子Gfhが操作された場合に、決済が指示されたと判定する。決済が指示されたと判定される(ステップS125:Yes)とステップS132に進む。一方、決済が指示されたと判定されない(ステップS125:No)とステップS126に進む。
【0326】
ステップS125において、決済が指示されたと判定されないと、購入支援部1548は、顧客から退店指示がなされたかを判定する(ステップS126)。具体的には、購入支援部1548は、基本操作画面Gf又は商品画面Ggにおいて、操作子Gfcが操作された場合に、顧客から退店指示がなされたと判定する。顧客から退店指示がなされたと判定される(ステップS126:Yes)とステップS127に進む。一方、顧客から退店指示がなされたと判定されない(ステップS126:No)とステップS110に戻る。
【0327】
ステップS126において、顧客から退店指示がなされたと判定されると、購入支援部1548は、登録済の商品のうち、全ての店舗商品が決済済であるかを判定する(ステップS127)。登録済の商品のうち、全ての店舗商品が決済済であると判定される(ステップS127:Yes)と、接客ロボット10は購入支援処理を終了して、図25のメインルーチンに戻って、顧客を次の店舗に案内する。一方、登録済の商品のうち、全ての店舗商品が決済済であると判定されない(ステップS127:No)とステップS128に進む。
【0328】
ステップS127において、登録済の商品のうち、全ての店舗商品が決済済であると判定されないと、購入支援部1548は、接客ロボット10に対して報知を行わせる(ステップS128)。具体的には、購入支援部1548は、接客ロボットの発光部141を発光させたり、正面表示部132に未決済の店舗商品があることを示す表示を行ったりすることにより、未決済の店舗商品があることを報知する。その後、ステップS110に戻り、顧客は未決済の店舗商品の決済を行う。
【0329】
ステップS121に戻って、ステップS121において、仮想カゴ表示の指示がなされたと判定されないと、購入支援部1548は、決済指示がなされたかを判定する(ステップS131)。具体的には、購入支援部1548は、基本操作画面Gf又は商品画面Ggにおいて、操作子Gfhが操作された場合に、顧客から決済指示がなされたと判定する。決済指示がなされたと判定される(ステップS131:Yes)とステップS132に進む。一方、決済指示がなされたと判定されない(ステップS131:No)とステップS141に進む。
【0330】
ステップS131において、決済指示がなされたと判定されると、購入支援部1548は、正面表示部132に、決済方法選択画面(図示しない)を表示する(ステップS132)。決済方法選択画面には、例えば、「クレジット」、「現金」、「電子マネー」、「コード決済」等の選択肢が表示される。なお、上述したステップS125において、決済が指示されたと判定された場合も、ステップS132の処理が行われる。
【0331】
購入支援部1548は、決済方法選択画面における選択肢の選択を受け付ける(ステップS133)。
【0332】
続いて、購入支援部1548は、ステップS125又はステップS131で指示を受けた決済を、ステップS133で受け付けた方法で実行する(ステップS134)。
【0333】
続いて、購入支援部1548は、顧客から商品の受取方法の指示があるかを判定する(ステップS135)。具体的には、購入支援部1548は、正面表示部132に表示された、図示しない、「受取方法を指定する」旨の選択肢が操作された場合に、受取方法の指示があると判定する。商品の受取方法の指示があると判定される(ステップS135:Yes)とステップS136に進む。一方、商品の受取方法の指示があると判定されない(ステップS135:No)とステップS126に戻る。なお、ステップS135において、受取方法の指示がない場合は、顧客は購入した商品を、自ら運んで持って帰るものと判定される。この場合、顧客は、購入した商品を、例えば、接客ロボット10の載置台112に載置して、接客ロボット10に搬送させる。
【0334】
ステップS135において、顧客から商品の受取方法の指示があると判定されると、購入支援部1548は、正面表示部132に表示された、商品の受取方法選択画面(図示しない)の中から、受取方法の選択を受け付ける(ステップS136)。受取方法選択画面には、例えば、「発送する」、「カウンターで受け取る」、「ロッカーで受け取る」、「出口で受け取る」、「駐車場で受け取る」等の選択肢が表示されて、購入支援部1548は、その中から選択された受取方法を取得する。なお、決済された商品が仮商品である場合、該当する商品は後日発送されることになるため、「発送する」、入荷次第再来店して「カウンターで受け取る」のみを選択可能としてもよい。一方、決済された商品が店舗商品である場合、上述した全ての選択肢が選択可能とされる。
【0335】
購入支援部1548は、ステップS136で選択された受取方法で商品の受け取りを行うように手配を行う(ステップS137)。その後、ステップS126に戻る。
【0336】
ステップS131に戻り、ステップS131において、決済指示がなされたと判定されないと、購入支援部1548は、問い合わせ要求があるかを判定する(ステップS141)。具体的には、購入支援部1548は、基本操作画面Gf又は商品画面Ggにおいて、操作子Gffが操作された場合に、顧客から問い合わせ要求があると判定する。問い合わせ要求があると判定される(ステップS141:Yes)とステップS142に進む。一方、問い合わせ要求があると判定されない(ステップS141:No)とステップS216に戻る。
【0337】
ステップS141において、顧客から問い合わせ要求があると判定されると、購入支援部1548は、接客ロボット10の位置等を含んだ問合せ情報を店舗装置20に送信する(ステップS142)。その後、ステップS126に戻る。
【0338】
なお、問合せ情報を受け付けた店舗装置20では、例えばロボット連携部2142の制御により、店舗の店員が所持する端末に接客ロボット10の位置等を通知することで、顧客の対応を店員に促す。
【0339】
また、接客ロボット10は、顧客の買物が終了した後で、駐車料金の精算を行ってもよい。このとき、購入支援部1548は、例えば、現在時刻と駐車開始時間とから駐車時間を算出して、駐車時間に応じた駐車料金を算出する。そして、顧客が購入した商品の合計金額に基づいた駐車料金のサービスを勘案して、駐車料金の精算が必要な場合には、顧客に対して、不足している駐車料金の精算処理を行わせる。
【0340】
以上、実施形態について説明したが、上記実施形態において、接客ロボット10、店舗装置20、サーバ装置30、駐車場システム40、顧客端末50の各装置で実行されるプログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。
【0341】
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、実施形態の接客ロボット10は、自律的に移動して、複数の店舗を含む商業施設における客の買物をサポートするものであって、客から取得した来店目的に基づいて、商業施設における立ち寄り店舗と移動ルートとを設定する行動プラン生成部1546(ルート設定部)と、接客ロボット10を、移動ルートに沿って自律的に移動させる動作制御部1544(移動制御部)と、を備える。したがって、商業施設を初めて訪れた顧客(例えばユーザ登録を行っていない顧客)に対して、当該商業施設に慣れた顧客(例えばユーザ登録を行っている顧客)と同等の接客を行うことができる。
【0342】
また、実施形態の接客ロボット10において、行動プラン生成部1546(ルート設定部)は、客の、商品購入履歴と、商品検索履歴と、商品購入履歴および商品検索履歴とから推定される趣味嗜好情報と、の少なくとも1つに基づいて、商業施設における立ち寄り店舗を提案する。したがって、ユーザ登録を行っている顧客に対しては、更に、顧客の好みに合った商品の買い回りが可能な巡回ルートを提案することができる。
【0343】
また、実施形態の接客ロボット10において、行動プラン生成部1546(ルート設定部)は、客の好みの商品が複数の店舗にある場合に、移動距離が最短になる店舗を通る移動ルートを設定する。したがって、効率のよい移動ルートを提案することができる。
【0344】
また、実施形態の接客ロボット10は、客の指示に応じて、行動プラン生成部1546(ルート設定部)が設定した移動ルートと、立ち寄り店舗と、当該立ち寄り店舗への滞在時間と、を編集する行動プラン生成部1546(ルート編集部)を、更に備える。したがって、顧客の好みに応じて、移動ルートを容易に変更することができる。
【0345】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0346】
1 接客支援システム
10 接客ロボット
20 店舗装置
30 サーバ装置
40 駐車場システム
1541 表示制御部
1542 操作受付部
1543 リード/ライト制御部
1544 動作制御部(移動制御部)
1545 パーソナライズ処理部
1546 行動プラン生成部(ルート設定部、ルート編集部)
1547 店舗連携部
1548 購入支援部
1549 通信制御部
2141 店舗情報送信部
2142 ロボット連携部
2143 決済処理部
2144 通信制御部
3141 情報管理部
3142 ロボット管理部
3143 通信制御部
3161 マップ情報
3162 店舗管理テーブル
3163 商品マスタ
3164 ロボット管理テーブル
3165 ユーザ管理テーブル
3166 取引管理テーブル
Ga チェックイン画面
Gb 来店目的確認画面
Gc 店舗確認画面
Gd 行動プラン画面
Ge 案内画面
Gf 基本操作画面
Gg 商品画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0347】
【特許文献1】特開2017-222021号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図13
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図26
図27
図28
図29
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