IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119310
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240827BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240827BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240827BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240827BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240827BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240827BHJP
   H10K 59/35 20230101ALI20240827BHJP
   H10K 59/40 20230101ALI20240827BHJP
   H10K 59/95 20230101ALI20240827BHJP
   H10K 59/82 20230101ALI20240827BHJP
   H10K 59/121 20230101ALI20240827BHJP
   H10K 102/20 20230101ALN20240827BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G09F9/30 337
G09F9/00 366A
G06F3/044 124
H10K50/10
H10K59/10
H10K59/35
H10K59/40
G06F3/041 410
H10K59/95
H10K59/82
H10K59/121
H10K102:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026112
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】中村 真人
(72)【発明者】
【氏名】原田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】田畠 弘志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅之
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC41
3K107EE07
3K107EE66
3K107FF15
5C094AA37
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DB01
5C094DB04
5C094FA01
5C094FB02
5C094FB12
5G435AA14
5G435AA17
5G435BB05
5G435CC09
5G435HH12
(57)【要約】
【課題】信頼性を改善した表示装置を提供すること。
【解決手段】表示装置は、複数の副画素を含む少なくとも一つの画素と、複数の副画素の境界に沿って延在し、画素の外周を囲む線状のセンサ電極と、を有し、センサ電極は、複数の副画素の境界に少なくとも一つの切断部を有する。センサ電極は、複数の副画素の境界に沿って延在する第1センサ電極と、少なくとも一つの画素の外周を囲み前記第1センサ電極から連続する第2センサ電極と、を含み、切断部は、前記第1センサ電極の前記第2センサ電極との境界部に位置することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の副画素を含む少なくとも一つの画素と、
前記複数の副画素の境界に沿って延在し、前記少なくとも一つの画素の外周を囲む線状のセンサ電極と、を有し、
前記センサ電極は、前記複数の副画素の境界に少なくとも一つの切断部を有する、
表示装置。
【請求項2】
前記センサ電極は、前記複数の副画素の境界に沿って延在する第1センサ電極と、前記少なくとも一つの画素の外周を囲み前記第1センサ電極から連続する第2センサ電極と、を含み、
前記切断部は、前記第1センサ電極の前記第2センサ電極との境界部に位置する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの画素は、第1方向、前記第1方向に交差する第2方向に配列された複数の画素からなり、
前記センサ電極は、複数のセンサ電極を含み、
前記複数のセンサ電極は、それぞれ異なる前記複数の画素と重畳する複数のセンサブロックに配置され、
前記複数のセンサ電極は、前記複数のセンサブロック内で連続し、隣接するセンサブロック間で離隔している、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の副画素は、第1副画素、前記第1副画素と隣接する第2副画素、および前記第2副画素と隣接する第3副画素を含み、
前記少なくとも一つの切断部は、前記第1副画素と前記第2副画素との境界であり、前記少なくとも一つの画素の外周を囲むセンサ電極の内縁沿って位置する第1切断部を含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1副画素は、前記第3副画素と隣接し、
前記少なくとも一つの切断部は、前記第1副画素と前記第3副画素との境界に第2切断部をさらに含む、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2切断部は、前記少なくとも一つの画素の外周を囲むセンサ電極の内縁に沿って位置する、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1副画素は、前記第2副画素および前記第3副画素より大きい面積を有する、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの画素は、隣接する第1画素と第2画素を含み、
前記センサ電極は、前記第1画素と前記第2画素との間に第3切断部を含み、
前記第3切断部は、前記画素の外周を囲む前記センサ電極を切断する、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第3切断部は、前記第1画素の第3副画素と前記第2画素の第1副画素の間に位置する、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2副画素は、前記第1副画素と前記第3副画素の間に位置し、
前記少なくとも一つの切断部は、前記センサ電極において前記第2副画素と前記第3副画素の間に第4切断部を含む、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1切断部および前記第4切断部は、前記少なくとも一つの画素の外周を囲むセンサ電極の内縁に沿って位置する、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1副画素のダイヤ形状の対角線と前記第3副画素のダイヤ形状の対角線は、一直線上に揃う、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つの画素は、第1方向、前記第1方向に交差する第2方向に配列された複数の画素を含み、
前記複数のセンサ電極は、前記複数の画素と重畳する第1センサブロック、第2センサブロック、第3センサブロック、および第4センサブロックにそれぞれ配置され、
前記第1センサブロックは、前記第2センサブロックおよび前記第4センサブロックと隣接し、
前記第3センサブロックは、前記第2センサブロックおよび前記第4センサブロックと隣接し、
前記複数の画素は、前記第1センサブロック、前記第2センサブロック、前記第3センサブロック、および前記第4センサブロックに跨って配置される画素を含み、
前記画素の外周を囲むセンサ電極は、前記第1センサブロック、前記第2センサブロック、および前記第4センサブロックにおいて離隔し、
前記画素の外周を囲むセンサ電極は、前記第3センサブロックおよび前記第4センサブロックにおいて連続する部分を含み、前記連続する部分は、前記第4センサブロックに配置されるセンサ電極と連続する、
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記複数の副画素は、前記第3副画素と隣接する第4副画素をさらに含み、
前記少なくとも一つの切断部は、前記センサ電極において前記第3副画素と前記第4副画素との境界に第5切断部を含む、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第5切断部は、前記少なくとも一つの画素の外周を囲むセンサ電極の内縁に沿って位置する、
請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記センサ電極は、金属材料で形成される、
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント基板を貼り合わせた表示装置の一つとして、オンセル方式のタッチセンサを採用した表示装置が知られている(特許文献1参照)。タッチセンサには、封止層上にタッチセンサに用いる電極が形成され、表示装置には、電極からフレキシブルプリント基板へ信号伝送するための配線が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-74709号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチセンサのセンサ電極には各種の形状があるが、副画素の輪郭を囲むメッシュ状又は網目状の電極は、金属で形成することができるので低抵抗化の点で有利である。一方、センサ電極は有機樹脂材料で形成されるオーバーコート層で覆われるが、メッシュ状の電極パターンで形成される段差により有機樹脂材料を均一に塗布することができないという問題がある。
【0005】
本発明の実施形態の一つは、信頼性を改善した表示装置を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による表示装置は、複数の副画素を含む少なくとも一つの画素と、複数の副画素の境界に沿って延在し、画素の外周を囲む線状のセンサ電極と、を有し、センサ電極は、複数の副画素の境界に少なくとも一つの切断部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を模式的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の配置を模式的に示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の回路図を示す。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的端面図である。
図5A】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図である。
図5B】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図である。
図6A】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図である。
図6B】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的上面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の配置を模式的に示す図である。
図8A】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図である。
図8B】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の配置を模式的に示す図である。
図10A】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図である。
図10B】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図である。
図11A】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図である。
図11B】本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0009】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0010】
本明細書および請求項において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
本明細書および請求項において、「ある構造体が他の構造体から露出するという」という表現は、ある構造体の一部が他の構造体によって覆われていない態様を意味し、この他の構造体によって覆われていない部分は、さらに別の構造体によって覆われる態様も含む。
【0012】
本明細書および請求項において、端面視という表現は、対象物を垂直に切断し、横から眺めたときを表す。端面図は、端面視したときの図を含むものとする。また、平面視という表現は、対象物を真上から眺めたときを表す。上面図または平面図は、平面視したときの図を含むものとする。
【0013】
<第1実施形態>
本実施形態では、一実施形態に係る表示装置10の構造を示す。図1は、本実施形態に係る表示装置の表示領域とタッチセンサの配置を示す図である。
【0014】
1.全体構造
表示装置10は、基板102を有し、基板102の上に表示領域104、周辺領域106、複数の画素108、タッチセンサ112、実装パッド114、検査パッド116、対向基板118が設けられる。
【0015】
表示装置10は、表示領域104とそれを囲む周辺領域106を備える。表示領域104には、表示用の複数の画素が配列される。表示領域104に重ねてタッチセンサ112が配置される。周辺領域106には、実装パッド114、および検査パッド116、とタッチセンサのセンサ電極とを接続するセンサ配線120、およびその他の配線122が配置される。図1では省略されているが、表示装置10は、表示領域104および周辺領域106と重なるように、後述する図4において点線で示すように、基板102と対となる対向基板118をさらに有する。
【0016】
1-1.画素
表示領域104は、少なくとも一つの画素を含み、例えば、X軸方向及びY軸方向に配列された複数の画素を含む。図2は、表示領域104における画素の配列を示す。図2に示すように、複数の画素108は、表示領域104において、例えば行方向(X方向)及び列方向(Y方向)に配列される。画素108は、複数の副画素110を含む。図2には、画素108が、副画素110-1、副画素110-2、副画素110-3を含む例を示す。各副画素は、カラー表示を行うための各色に対応し、それぞれ異なる発光色を呈する発光素子110Eが用いられる。例えば副画素110-1には青色発光をする発光素子110E-B、副画素110-2には緑色発光をする発光素子110E-G、副画素110-3には赤色発光をする発光素子110E-Rが用いられる。発光素子110Eには、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)素子が用いられてもよい。
【0017】
1-2.画素回路
発光素子Eは、各副画素に設けられるトランジスタと電気的に接続される。図3は、副画素110-1の回路図を示す。副画素110-1の画素回路200は、選択トランジスタ210、駆動トランジスタ220、キャパシタ230及び発光素子110E-Bを含む。
【0018】
選択トランジスタ210は、ゲート線212及びデータ線214に接続される。具体的には、ゲート線212は、選択トランジスタ210のゲートに接続される。データ線214は、選択トランジスタ210のソースに接続される。選択トランジスタ210は、画素回路200にデータ信号(映像信号Vs)を入力するか否かを選択するためのスイッチとして機能する。選択トランジスタ210のドレインは、駆動トランジスタ220のゲート及びキャパシタ230に接続される。
【0019】
駆動トランジスタ220は、アノード電源線222、発光素子110E-B及びキャパシタ230に接続される。具体的には、アノード電源線222は、駆動トランジスタ220のドレインに接続される。発光素子110E-Bは、駆動トランジスタ220のソースに接続される。キャパシタ230は、駆動トランジスタ220のゲートとソースとの間に接続される。駆動トランジスタ220は、発光素子110E-Bに流れる電流量を制御する。アノード電源線222には、高電位の電源電圧(PVDD)が印加される。
【0020】
キャパシタ230は、選択トランジスタ210を経由して入力されたデータ信号を保持する。キャパシタ230に保持されたデータ信号に対応する電圧が駆動トランジスタ220のゲートに印加される。これにより、駆動トランジスタ220を経由して流れる電流量がデータ信号に応じて制御される。
【0021】
発光素子110E-Bは、駆動トランジスタ220とカソード電源線224との間に接続される。具体的には、発光素子110E-Bのアノードは、駆動トランジスタ220のソースに接続される。すなわち、発光素子110E-Bのアノードは、駆動トランジスタ220を介してアノード電源線222に接続される。発光素子110E-Bのカソードは、カソード電源線224に接続される。カソード電源線224には、低電位の電源電圧(PVSS)が印加される。
【0022】
画素回路200において、選択トランジスタ210がオン状態になると、データ線214からデータ信号が入力される。入力されたデータ信号に対応する電圧は、キャパシタ230によって保持される。その後、発光期間において、キャパシタ230に保持された電圧により駆動トランジスタ220のゲートが制御され、駆動トランジスタ220を介してデータ信号に応じた電流が流れる。発光素子110Eに電流が流れると、発光素子110E-Bは、電流量に応じた輝度で発光する。
【0023】
画素回路200に供給される信号は、基板102の外部に設けられた駆動回路、または周辺領域106に設けられる駆動回路と電気的に接続し、供給することができる。外部駆動回路には、駆動用IC(Integrated Circuit)を用いることができる。
【0024】
駆動用ICは、例えば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いたCOF(Chip On Film)によって基板102に実装することができる。例えば、異方性導電フィルムを用いて配線基板が実装されたFOG(Film On Glass)を用い、周辺領域106に設けられた実装パッド114を介して実装することができる。
【0025】
1-3.タッチセンサ
1-3-1.センサブロック
タッチセンサ112は、表示領域104において、複数の画素108と重畳するように配置される。タッチセンサ112は、複数のセンサブロック124に区分することができる。複数のセンサブロック124は、表示領域104において第1方向および第1方向に交差する第2方向に配列することができる。複数のセンサブロック124には、タッチセンサ112を構成する複数のセンサ電極126がそれぞれ配置される。センサブロック124は、複数の画素108と重畳する。図1に示される例では、複数のセンサブロック124-1~センサブロック124-16は、表示領域104において行方向(X方向)及び列方向(Y方向)に配置され、センサブロック124-1~センサブロック124-16には、後述するセンサ電極126が、それぞれ配置されている。
【0026】
センサ電極126は、センサブロック124ごとに異なるセンサ配線120に接続される。例えば、後述する図5Aに示すように、センサブロック124-1に配置されるセンサ電極126-1は、センサ配線120-1と直接または電気的に接続し、センサブロック124-1と隣接するセンサブロック124-3に配置されるセンサ電極126-3はセンサ配線120-3と直接または電気的に接続する。さらに、例えば、センサブロック124-1と隣接するセンサブロック124-16に配置されるセンサ電極126-16は、センサ配線120-16と直接または電気的に接続し、センサブロック124-16またはセンサブロック124-3と隣接するセンサブロック124-14に配置されるセンサ電極126-14はセンサ配線120-14と直接または電気的に接続する。
【0027】
センサ配線120は、表示領域104においてセンサ電極126と接続し、周辺領域106を引き回され、実装パッド114と接続する。センサ配線120と実装パッド114との接続には、複数の配線やコンタクトパッドを介する電気的な接続であってもよい。実装パッド114は、外部駆動回路と電気的に接続され、外部駆動回路からの信号をセンサ配線120に供給することができる。
【0028】
センサ電極126を駆動する駆動回路は、画素108の外部駆動回路と同様に、駆動用ICを用いることができる。センサ電極126は、センサ配線120と電気的に接続する実装パッド114を介して、駆動用ICと電気的に接続する。実装パッド114および駆動用ICには、上述したFOGやCOFを用いることができる。実装パッド114は、センサ電極126の検査に用いられる検査パッド116と接続する。実装パッド114と検査パッド116との接続には、複数の配線を介する電気的な接続であってもよい。
【0029】
1-3-2.断面構造
ここで、図4を参照し、タッチセンサ112を含む表示領域104と周辺領域106の端面視における構造について説明をする。図1で示す鎖線A1-A5に沿った端面図を模式的に示す。以下、図1から図3と同一構成については説明を割愛することがある。
【0030】
表示装置10は、基板102を有し、基板102は、例えば、ガラスや石英基板、または有機樹脂基板を用いることができる。有機樹脂基板を用いる場合、基板102は可撓性を有することができる。
【0031】
基板102の上に、下地膜156を設けることができる。下地膜156は、基板102からの汚染を防ぐことができ、例えば、無機絶縁材料を用いることができる。無機絶縁材料は、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、およびこれらの複合体を用いることができる。
【0032】
下地膜156の上に、絶縁膜158を設けることができる。表示領域104における絶縁膜158は、画素108および周辺領域に駆動回路を有する場合に備えられるトランジスタのゲート絶縁膜の機能を有することができる。絶縁膜158には、下地膜156と同様の材料を用いることができる。
【0033】
絶縁膜158の上に、表示領域104に信号線172を設け、周辺領域106に配線138-1および配線138-2を設けることができる。上述した周辺領域の駆動回路または外部駆動回路から各画素108へ供給される信号は、信号線172を介して行われる。または、信号線172は、各画素108へ一定電位を供給する電源線として機能することもできる。配線138-1は、センサ配線120と実装パッド114の間に位置し、センサ電極126と端子配線140-1とを電気的に接続することができる。配線138-2は、実装パッド114と検査パッド116の間に位置し、図1に示す配線122を構成することができる。配線138-2は、実装パッド114と検査パッド116とを電気的に接続することができる。信号線172および配線138には、例えば、チタン、アルミニウム、銅、モリブデン等を主成分とした材料を用いることができ、また、これらを単層または積層して用いることができる。
【0034】
信号線172、配線138-1、配線138-2、および絶縁膜158の上に、層間膜160を信号線172、配線138-1、および配線138-2を覆うように設けることができる。層間膜160は、信号線172の平坦化膜としても機能することができる。層間膜160には、下地膜156と同様の材料を用いることができる。
【0035】
層間膜160の上に、コンタクトパッド162および端子配線140-1および端子配線140-2を設けることができる。コンタクトパッド162は、配線138-1の上に位置し、センサ配線120と配線138-1との間に配置される。コンタクトパッド162は、センサ配線120と配線138-1の接続に用いることができる。端子配線140-1は、センサ配線120と実装パッド114の間に位置し、平坦化層174Hから露出することにより実装パッド114して機能する。端子配線140-1は、外部駆動回路と図1に示すタッチセンサ112との間の信号を伝達する配線として機能することができる。端子配線140-2は、配線138-2と検査パッド116の間に位置し、図1に示す配線122を構成することができる。端子配線140-2は、平坦化層174Hから露出することにより検査パッド116として機能する。端子配線140-1および端子配線140-2は、単層または積層構造を有することができる。端子配線140-1および端子配線140-2には、例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)の三層構造、モリブデンタングステン(MoW)、Ti、Al、Ti、ITO(Indium Tin Oxide)の五層構造、Mo、Al、Mo、ITOの四層構造を用いることができる。
【0036】
コンタクトパッド162の上に、絶縁層142に設けることができる。絶縁層142は、段差部136-1と段差部136-2との間に位置する。絶縁層142は、コンタクトパッド162の端部を覆う。絶縁層142は、後述する平坦化層174Hと同様に形成することができ、平坦化層174Hと同じ材料を用いることができる。
【0037】
層間膜160および信号線172の上に、表示領域104において、平坦化層174を設けることができる。さらに、周辺領域106における層間膜160の上に、段差部136-1および段差部136-2が設けられる。段差部136-1および段差部136-2は、表示領域104に位置する画素108と周辺領域106に位置する実装パッド114との間に配置される。段差部136-1は、画素108と段差部136-2との間に配置される。段差部136-2は、層間膜160の上に配線138-1と重なりを有して設けられる。段差部136-2は、段差部136-1と実装パッド114との間に配置される。
【0038】
段差部136-1は、表示領域104を囲むように設けられる。段差部136-1は、積層構造で構成することができる。段差部136-1は、例えば、図4に示すように平坦化層174D1および絶縁膜170の積層構造で構成される。段差部136-1の膜厚または端面視における高さは、平坦化層174D1および絶縁膜170の膜厚の合計となる。段差部136-1における平坦化層174D1は、平坦化層174が表示領域104の外周に沿って除去されることにより形成することができる。また、この除去により形成される平坦化層174D1は、基板102上に段差を形成する。段差を形成した平坦化層174D1上に絶縁膜170が積層され、段差部136-1が形成される。このように、積層された膜の合計を膜厚または高さとする段差部136-1は、基板102上の他の構造物と比べ高い構造物となる。したがって、段差部136-1は、後述する表示領域104を覆う第1有機絶縁層180を、表示領域104内に留めることができる。
【0039】
段差部136-2は、段差部136-1を囲むように設けられる。段差部136-2は、段差部136-1と同様に形成することができる。段差部136-2は、例えば図4に示すように、平坦化層174D2および絶縁膜170の積層により構成することができる。平坦化層174D2は、平坦化層174により形成することができる。また、平坦化層174の外周に沿って形成される平坦化層174D2は、基板102上に段差を形成する。段差を形成した平坦化層174D1上に絶縁膜170が積層され、段差部136-2が形成される。このように段差部136-2が形成されることで、オーバーコート層168を段差部136-2内に留めることができる。これにより、実装パッド114はオーバーコート層168に覆われていないため、オーバーコート層168の除去工程なしに円滑にCOF等の駆動用ICと接続することができる。
【0040】
さらに、段差部136-2と連続する平坦化層174Hを配線138の上に設けることができる。平坦化層174Hは、段差部136-2と同時に形成することができる。例えば、段差部136-2を形成する膜のうち平坦化層174を端子配線140-1の上まで設け、段差部136-2に相当する平坦化層174上には、フルトーンマスクを配置し、平坦化層174の端部から端子配線140-1上まではハーフトーンマスクを配置し露光を行い、現像および焼成することで平坦化層174Hを形成することができる。ハーフトーンマスクとは、フルトーンマスクに比べ光透過率が不均一であり光透過率が低いフォトマスクである。
【0041】
ここで、平坦化層174Hの下に配置される端子配線140-1は、上述したように、平坦化層174Hから露出する部分を有し、これを実装パッド114として用いられる端子電極とすることができる。また、平坦化層174Hの下に配置される端子配線140-2も同様に、上述したように、平坦化層174Hから露出する部分を有し、これを検査パッド116として用いられる端子電極とすることができる。
【0042】
端子配線140-1および端子配線140-2に用いる材料としては、信号線172や配線138と同様の材料を用いることができる。また、平坦化層174、および絶縁膜170には、アクリル樹脂やポリシロキサン、ポリイミド、ポリエステルなどを含む感光性の有機樹脂材料を用いることができ、有機絶縁層として機能することができる。さらに、絶縁層113および絶縁層115は、エポキシ樹脂やアクリル樹脂などを含む感光性の有機樹脂材料を用いることができる。
【0043】
さらに、平坦化層174の上に絶縁膜170を設けることができる。図4では、絶縁膜170の形状を詳細に示していないが、絶縁膜170は隔壁層およびスペーサ170Sの機能を有する構造物を有することができる。隔壁は、画素108を定義する機能を有し、スペーサ170Sは、画素108の発光素子110Eの作成工程、例えば蒸着工程で用いられるファインマスクを支える機能を有することができる。隔壁層は、画素108に設けられる発光素子110Eの電極端部を覆うように配置される。スペーサ170Sは、隔壁層上に配置することができる。
【0044】
隔壁層およびスペーサ170Sは、絶縁膜170から形成することができる。例えば、樹脂膜を平坦化層174上に形成し、フルトーンマスクとハーフトーンマスクを含むSPCマスクを用いて絶縁膜170から膜厚の厚いスペーサ170Sと膜厚の薄い隔壁層とをつくり分けることができる。スペーサ170Sおよび隔壁層は、絶縁膜170に用いられるエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの有機樹脂材料を用いることができる。
【0045】
絶縁膜170の上、および平面視における段差部136-1および段差部136-2に囲まれた領域に、封止層166が設けられる。封止層166は、複数の絶縁層を有し、それぞれに異なる機能を設けることができる。例えば、図4に示すように、封止層166は、第1無機絶縁層178、第1有機絶縁層180、第2無機絶縁層182を有する。
【0046】
段差部136-1および段差部136-2に囲まれる領域には、表示領域104は含まれ、画素108に有機EL素子が用いられる場合、第1無機絶縁層178がその領域を覆うことによって有機EL素子への不純物の侵入を抑制することができる。第1無機絶縁層178には、例えば、酸化シリコンや窒化シリコン等の無機化合物を用いることができる。
【0047】
第1無機絶縁層178の上であり、平面視における段差部136-1に囲まれる領域において、第1有機絶縁層180が設けられる。第1有機絶縁層180は、平坦化層111または段差部136-1を超えないように、段差部136-1に沿って設けられる。また、第1有機絶縁層180は、画素108の上を平坦化することができ、また画素108に発光素子110Eが設けられる場合、発光素子110Eを不純物から保護することができる。第1有機絶縁層180には、絶縁膜170と同様の材料を用いることができる。
【0048】
第1有機絶縁層180の上であり、平面視における段差部136-1および段差部136-2に囲まれる領域において、第2無機絶縁層182を設けることができる。第2無機絶縁層182は、第1有機絶縁層の外側の領域で第1無機絶縁層178と接触する。これにより、第1無機絶縁層178と第2無機絶縁層182は、段差部136-1を覆い、段差部136-1の外側に延びる。このような構造とすることで、第1無機絶縁層178と第2無機絶縁層182とは、第1有機絶縁層180を封止することができる。第2無機絶縁層182は、例えば、窒化シリコン等の無機化合物を用いることができる。
【0049】
上述した第1有機絶縁層180および第2無機絶縁層182などの複数の異なる種類の膜は、画素108の上の平坦化および画素108に設けられる発光素子110Eの不純物からの保護を行うことができるため、表示領域104において、画素108の上にタッチセンサ112等の構造物を設けることができる。
【0050】
第2無機絶縁層182の上に、表示領域104において、センサ電極126を設けることができる。センサ電極126は、金属材料を用いて形成することができる。金属材料は、例えば、モリブデン、アルミニウムの金属(0価の金属)が挙げられる。センサ電極126は、積層構造を用いることができ、例えば、Ti、Al、Tiの積層構造、Mo、Al、Moの積層構造を用いることができる。
【0051】
また、封止層166の上に、センサ電極126と接続するセンサ配線120が設けられる。具体的には、封止層166の第2無機絶縁層182の上に、センサ配線120が設けられる。センサ配線120は、段差部136-1と段差部136-2との間に位置するコンタクトパッド162を介して配線138-1と接続するために段差部136-1を乗り越え、コンタクトパッド162まで延びている。センサ配線120は、センサ電極126と同様の材料を用いることができる。
【0052】
さらに、センサ電極126およびセンサ配線120の上に、それらを覆うようにオーバーコート層168が設けられる。また、オーバーコート層168は、コンタクトホール135の上まで延伸して設けられる。オーバーコート層168は、平面視における段差部136-2に囲まれる領域に設けられる。オーバーコート層168は、第1有機絶縁層180と同様の材料を用いることができる。
【0053】
オーバーコート層168の上に、対向基板118を設けることができる。図4において、対向基板118は、オーバーコート層168と重なるように配置される例を示したが、基板102の上に設けられる構造物の上に配置されればよい。対向基板118は、偏光板の機能を有するフィルムやガラス等を用いることができる。また、対向基板118は、基板102の上に設けられる構造物、例えば画素108やタッチセンサ112等を保護する機能を有する。さらに、対向基板118と基板102を貼り合わせる際には、対向基板118と基板102との間に接着層169を用いて貼り合わせることができる。接着層169には接着剤を用いることができる。接着剤には、例えばOCA(Optical Clear Adhesive)のような対向基板118の材料に近い屈折率を持った接着剤を用いることができる。そのような接着剤を基板102上の構造物に直面する面に加工することで、対向基板118と基板102との間に接着層169を用いて貼り合わせることができる。
【0054】
1-3-3.センサ電極
図5Aを参照し、タッチセンサ112に用いられるセンサ電極126について説明する。図5Aは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図であり、図1に示す破線で囲んだ部分300であり、複数のセンサブロック124-1、センサブロック124-3、センサブロック124-14、およびセンサブロック124-16の一部を拡大した図である。
【0055】
センサ電極126は線状であり、連続した線状パターンにより形成される。センサ電極126は、センサブロック124内で連続し、電気的にフローティング状態となるパターンを含まないことが好ましい。図5Aに示される例では、センサ電極126-1は、センサブロック124-1に配置され、センサブロック124-1内で連続している。線状のセンサ電極126-3は、センサブロック124-3に配置され、センサブロック124-3内で連続している。センサ電極126-16は、センサブロック124-16に配置され、センサブロック124-16内で連続している。センサ電極126-14は、センサブロック124-14に配置され、センサブロック124-14内で連続している。
【0056】
異なるセンサブロック124に配置されるセンサ電極126は、互いに離隔し、接続されていない。図5Aに示される例では、それぞれのセンサブロック124-1、センサブロック124-3、センサブロック124-14、およびセンサブロック124-16に配置されているセンサ電極126-1、センサ電極126-3、センサ電極126-14、およびセンサ電極126-16は互いに離隔し、連続していない。隣接するセンサブロック124-1とセンサブロック124-3に配置されるセンサ電極126-1とセンサ電極126-3は、センサブロック124-1とセンサブロック124-3の間において離隔している。隣接するセンサブロック124-1とセンサブロック124-16に配置されるセンサ電極126-1とセンサ電極126-16は、センサブロック124-1とセンサブロック124-16の間において離隔している。隣接するセンサブロック124-3とセンサブロック124-14に配置されるセンサ電極126-3とセンサ電極126-14は、センサブロック124-3とセンサブロック124-14の間において離隔している。隣接するセンサブロック124-16とセンサブロック124-14に配置されるセンサ電極126-16とセンサ電極126-14は、センサブロック124-16とセンサブロック124-14の間において離隔している。
【0057】
センサ電極126は、互いに離隔する他のセンサブロック124に配置されるセンサ電極126とともに、センサブロック124の境界に面する画素108の外周を囲むことができる。図5Aに示される例では、複数の画素108Bは、センサブロック124-1とセンサブロック124-16との境界124Bに面する。複数の画素108Bの外周は、センサブロック124-1とセンサブロック124-16に配置されるセンサ電極126によって囲まれる。このとき、センサブロック124-16に配置されるセンサ電極126は、センサブロック124-1に向けて端部を有する。センサブロック124-1に配置されるセンサ電極126-1は、センサブロック124-16に対し連続する部分を有する。センサブロック124の境界に面する画素108Bは、連続するセンサ電極126に囲まれず、これにより、センサブロック124間のセンサ電極126は、離隔している。
【0058】
センサ電極126は、画素108における切断部184の位置が、複数の画素108に繰り返し同じ位置に設けることができる。図5Aに示される例では、画素108内の切断部184-1および切断部184-2の位置は、複数のセンサブロック124において繰り返されている。
【0059】
次に、図5Bを参照し、センサ電極126の構成について説明をする。図5Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図である。図5Bは、図5Aに示す破線で囲んだ部分320を拡大して示す。
【0060】
センサ電極126は、線状の細いパターンで形成され、少なくとも一つの画素108の外周を囲む。センサ電極126は、センサブロック124において、複数の画素108の境界に沿って延在する。センサ電極126はさらに、複数の副画素110の境界に沿って延在する。センサ電極126は、複数の副画素110の境界に沿って延在するセンサ電極126Sと複数の副画素110の境界に沿って延在するセンサ電極126Bを含む。センサ電極126Sとセンサ電極126Bは、少なくとも一部分において接続され、連続する。
【0061】
図5Bに示す例では、センサ電極126Sは、画素108の外周を囲み、画素108-1と画素108-2の境界に沿って延在している。センサ電極126Bは、副画素110-1、副画素110-2、および副画素110-3の境界に沿って延在している。センサ電極126は、センサ電極126Sとセンサ電極126Bから構成され、センサ電極126Sとセンサ電極126Bは各画素108において一部が接続され、連続している。
【0062】
センサ電極126は、複数の画素108と重畳するように配置されているが、画素108の外周を囲み、副画素110の境界に沿って配置されることにより、画素108にアイコン等の画像を表示させつつ、タッチセンサ112によりタッチの有無をセンシングすることができる。
【0063】
センサ電極126は、複数の副画素110の境界に少なくとも一つの切断部184を有する。少なくとも一つの切断部184は、隣接する副画素110の境界に位置する。切断部184は、画素108の外周を囲むセンサ電極126の内縁に沿って位置することが好ましい。切断部184は、センサ電極126Sとセンサ電極Bとの境界部に位置することが好ましい。図5Aおよび図5Bに示される例では、副画素110-1と副画素-2は隣接し、センサ電極126は、副画素110-1と副画素110-2との境界に切断部184-1を有する。切断部184-1は、画素108の外周を囲むセンサ電極126Sの内縁に沿って位置する。切断部184-1は、センサ電極126Sとセンサ電極126Bとの境界部に位置する。
【0064】
少なくとも一つの切断部184は、複数の切断部184を含んでもよい。センサ電極126は、上述した切断部184-1の他に複数の切断部184を有することができる。センサ電極126は、複数の副画素110のそれぞれの境界に沿って切断部184を有することができる。
【0065】
図5Bに示される例では、画素108には、3つの副画素110-1、副画素110-2、および副画素110-3を有する。副画素-2および副画素-3の面積より大きい面積を有する副画素110-1は、副画素-2および副画素-3と隣接し、さらに副画素-2と副画素-3は隣接する。上述したように、センサ配線120は、副画素110-1と副画素-2との境界に切断部-1を有する。センサ電極126はさらに、副画素110-1と副画素-3との境界に切断部-2を有する。切断部-2は、切断部-1と同様に、画素108の外周を囲むセンサ電極126の内縁に沿って位置する。切断部184-2は、センサ電極126Sとセンサ電極Bとの境界部に位置する。切断部184-1と切断部184-2の位置は、副画素110-1からみて副画素110-2と副画素110-3において同じ方向である。
【0066】
表示装置10では、センサ電極126が画素108の外周を囲み、複数の副画素110の境界に沿って延在し、複数の副画素110の境界に少なくとも一つの切断部184-1を有することにより、センサ電極126の上に設けられるオーバーコート層168はセンサ電極126が囲む領域に流れ込み易くなる。このオーバーコート層168の流れ込みにより、オーバーコート層168はセンサ電極126を十分に覆うことができ、オーバーコート層168のセンサ電極126対する被覆状態を改善することができる。このため、本実施形態を適用することで、見栄えが良く信頼性を改善した表示装置を提供することができる。
【0067】
さらに、表示装置10では、切断部184の位置が画素108毎に異ならず、同じ位置に繰り返し配置されることにより、表示装置10の見栄えが均一となる。また、面積が異なる複数の副画素110において、面積が大きい副画素110と面積が小さい副画素110との間に切断部184を設けることで、よりオーバーコート層168のセンサ電極126に対する被覆状態が改善され、上下方向(X方向)の視覚特性がより良好となる。このため、本実施形態を適用することで、見栄えが良く信頼性を改善した表示装置を提供することができる。
【0068】
2.変形例
2-1.変形例1
表示装置10の構造は上述した構造に限られない。例えば、図6Aに示すように、画素108の外周を囲むセンサ電極126に切断部184-3を設けてもよい。図6Aは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図であり、図4Bと同様に複数のセンサブロック124に設けられるセンサ電極126を拡大した図である。図6Bは、図6Aに示す破線で囲んだ部分340であり、複数の画素108を囲むセンサ電極126を拡大した図を示す。
【0069】
副画素110-1と副画素-2の間の切断部184-1に加え、さらに画素108を囲むセンサ電極126Sに切断部184-3を設けることができる。切断部184-3は、画素108の外周を囲むセンサ電極126Sを切断することができる。切断部184-3は、隣接する画素108の間に位置することができる。切断部184-3は、隣接する画素108の間において、上述した隣接する画素108とは異なる隣接する画素108に近い位置に配置することができる。切断部184-3は、隣接する画素108と共有する異なるセンサ電極126の境界部に位置することができる。切断部184-3は、副画素110-3と隣接する画素108の副画素110-1との間に位置する。切断部184-3は、画素108-1の副画素110-3と画素108-1と隣接する画素108-2の副画素110-1との間に位置することができる。
【0070】
図6に示される例では、切断部184-3は、画素108-1と画素108-2の間のセンサ電極126に設けられる。切断部184-3は、隣接する画素108-2との間おいて、隣接する画素108-3に近い位置に配置される。画素108-1の外周を囲むセンサ電極126Sは、隣接する画素108-2の外周を囲むセンサ電極126Sと共有する126SH-1を有し、隣接する画素108-3の外周を囲むセンサ電極126Sと共有する126SH-2を有する。切断部184-3は、共有部126SH-1と共有部126SH-2との境界部に位置する。切断部184-3は、画素108-1の副画素110-3と隣接する画素108-2の副画素110-1との間に位置する。
【0071】
2-2.変形例2
また、表示装置10の構造は上述した構造に限られず、例えば、図7に示すように、副画素110の配列をストライプ配列とし、図8Aに示すように、複数の切断部184をセンサ電極126に設けることができる。図7は、本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の配置を模式的に示す図であり、表示領域104に配置される複数の画素108を示す。図8Aは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図であり、図1に示す破線で囲んだ部分300であり、複数のセンサブロック124-1、センサブロック124-3、センサブロック124-14、およびセンサブロック124-16の一部を拡大した上面図である。図8Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図であり、図8Aに示す破線で囲んだ複数の画素108を囲む部分360を示し、センサ電極126を拡大した図を示す。
【0072】
表示装置10は、図7に示すように、複数の副画素110をスライプ配列に配置することができる。副画素110-1は、副画素110-2と隣接し、副画素110-2は副画素110-3と隣接する。副画素110-2は、副画素110-1と副画素110-3の間に配置される。
【0073】
センサ電極126は、画素108の外周を囲み、スライプ配列に配置された複数の副画素110の境界に沿って形成することができる。センサ電極126は、複数の切断部184を有することができる。複数の切断部184は、センサ電極126において、隣接する副画素110間の位置することができる。切断部184は、画素の外周を囲むセンサ電極126の内縁に沿って位置することができる。複数の切断部184は、上記位置に加え、互いに最も近い位置に配置することが好ましい。
【0074】
図8Aおよび図8Bに示される例では、切断部184-1は、センサ電極126において、副画素110-1と副画素110-2との間に位置する。切断部184-4は、副画素110-2と副画素110-3との間に位置する。切断部184-1と切断部184-4は、センサ電極126Sとセンサ電極126Bとの境界部において、互いに最も近い位置に配置されている。切断部184-1は、センサ電極126Sと副画素110-1と副画素110-2との間のセンサ電極126Bとの境界部に位置し、切断部184-4は、センサ電極126Sと副画素110-2と副画素110-3との間のセンサ電極126Bとの境界部において、切断部184-1に近い方に位置する。
【0075】
2-3.変形例3
さらに、表示装置10の構造は上述した構造に限られず、例えば、図9に示すように副画素110-1~副画素110-3をダイヤモンド配列に配置し、図10Aおよび図10Bに示すように、複数の切断部184をセンサ電極126に設けることができる。図9は、本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の配置を模式的に示す図であり、表示領域104に配置される複数の画素108を示す。図10Aは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図であり、複数のセンサブロック124-1、センサブロック124-3、センサブロック124-14、およびセンサブロック124-16の部分300を拡大した図を示す。図10Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図であり、センサ電極126をさらに拡大した図を示す。
【0076】
表示装置10は、図9に示すように、複数の副画素110をダイヤモンド配列に配置することができる。副画素110-1は、副画素110-2と隣接し、副画素110-2は、副画素110-3と隣接することができる。副画素110-1のダイヤ形状の対角線と副画素110-3のダイヤ形状の対角線は、一直線110L上に揃うことができる。各副画素110に対応して発光素子110Eを設けることができ、ペンタイル配列に配置してもよい。
【0077】
センサ電極126は、画素108の外周を囲み、ダイヤモンド配列に配置された複数の副画素110の境界に沿って形成することができる。センサ電極126は、複数の切断部184を有することができる。複数の切断部184は、センサ電極126において、隣接する副画素110間の位置することができる。切断部184は、画素108の外周を囲むセンサ電極126の内縁に沿って位置することができる。切断部184は、センサ電極126Sとセンサ電極126Bとの境界部に位置することができる。
【0078】
センサ電極126は、複数のセンサブロック124に跨って配置される画素108Cの外周を、互いに離隔され他のセンサブロック124に配置されるセンサ電極126とともに囲んでもよい。図10Aに示される例では、画素108Cは、センサブロック124-1、センサブロック124-3、センサブロック124-14、およびセンサブロック124-16に跨って配置されている。画素108Cの外周は、センサブロック124-1、センサブロック124-3、センサブロック124-14、センサブロック124-16のそれぞれに配置されるセンサ電極126によって囲まれている。
【0079】
画素108Cの外周を囲むセンサ電極126において、センサブロック124-14に配置されるセンサ電極126-14は、センサブロック124-16に延伸する部分126-14Pを有することができる。延伸する部分126-14Pは、センサ電極126-16と離隔し、センサブロック124-14に配置されるセンサ電極126-14と連続している。画素108Cがセンサブロック124の境界に配置される場合、複数のセンサブロック124に配置されるセンサ電極126は、少なくとも一つのセンサ電極126と連続する。
【0080】
次に、図10Bを参照し、センサ電極126の構成について説明をする。図10Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図である。図10Bは、図10Aに示す破線で囲んだ部分380を示し、複数の画素108を囲むセンサ電極126を拡大した図を示す。
【0081】
センサ電極126は、画素108の外周を囲み、ダイヤモンド配列に配置された複数の副画素110の境界に沿って形成することができる。センサ電極126は、複数の切断部184を有することができる。複数の切断部184は、センサ電極126において、隣接する副画素110間の位置することができる。切断部184は、画素の外周を囲むセンサ電極126の内縁に沿って位置することができる。複数の切断部184は、上記位置に加え、互いに最も遠い位置に配置することが好ましい。隣接する副画素110との間に複数の切断部184が配置される副画素110において、複数の切断部184は対角線上に配置することができる。
【0082】
図10Aおよび図10Bに示される例では、副画素110-2は、副画素110-1および副画素110-3との間に切断部184-1と切断部184-5とをそれぞれ有する。切断部184-1と切断部184-5は、センサ電極126Sとセンサ電極126Bとの境界部において、互いに最も遠い位置に配置されている。切断部184-1と切断部184-5は、副画素110-2の対角上に位置している。
【0083】
2-4.変形例4
または、表示装置10の構造は上述した構造に限られず、例えば、図11Aおよび図11Bに示すように、画素108に4つ以上の副画素110を設け、複数の切断部184をセンサ電極126に設けることができる。図11Aは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の配置を模式的に示す図である。図11Aは、図1に示す破線で囲んだ部分400を示し、複数のセンサブロック124-1、センサブロック124-3、センサブロック124-14、およびセンサブロック124-16の一部を拡大した上面図である。複数のセンサブロック124-1、センサブロック124-3、センサブロック124-14、およびセンサブロック124-16の部分400を拡大した図を示す。図11Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置のセンサ電極の構成を模式的に示す図であり、センサ電極126をさらに拡大した図を示す。
【0084】
表示装置10は、一つの画素に4つ以上の副画素110を設け、副画素110-1は、副画素110-2および副画素110-4と隣接し、副画素110-3は、副画素110-2および副画素110-4と隣接することができる。副画素110-1と副画素110-3は対角線上に配置され、副画素110-2と副画素110-4は、対角線上に配置することができる。各副画素110に対応して発光素子110Eを設けることができ、ペンタイル配列に配置してもよい。
【0085】
センサ電極126は、センサブロック124の境界に一部が達する画素108Nの外周において、他のセンサブロック124に向かって切断部をさらに有することができる。この切断部により、センサブロック124-14に配置されるセンサ電極126とセンサブロック124-3に配置されるセンサ電極126は離隔することができる。
【0086】
図11Aに示される例では、センサブロック124-14に位置する画素108Nがセンサブロック124-3との境界に一部が達している。センサブロック124-14に配置されるセンサ電極126は、画素108Nの外周において、センサブロック124-3に向かって切断部を有する。
【0087】
センサ電極126はさらに、副画素110-3と副画素110-4との間に切断部184-6を設けることができる。図11Bに示すように、切断部184-6は、画素の外周を囲むセンサ電極126の内縁に沿って位置することができる。切断部184-6は、センサ電極126Sとセンサ電極126Bとの境界部に位置することができる。
【0088】
本発明の実施形態として上述した変形例を含む実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。変形例を含む実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0089】
また、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0090】
10:表示装置、102:基板、104:表示領域、104E:発光素子110E-B:発光素子110E-G:発光素子110E-R:発光素子、106:周辺領域、108:画素、108-1:画素、108-2:画素、108-3:画素、108B:画素、108C:画素、108N:画素、110:副画素、110-1:副画素、110-2:副画素、110-3:副画素、110-4:副画素、110E:発光素子、110E-B:発光素子、110E-R:発光素子、111:平坦化層、112:タッチセンサ、113:絶縁層、114:実装パッド、115:絶縁層、116:検査パッド、118:対向基板、120:センサ配線、120-1:センサ配線、120-14:センサ配線、120-16:センサ配線、120-3:センサ配線、122:配線、124:センサブロック、124-1:センサブロック、124-14:センサブロック、124-16:センサブロック、124-3:センサブロック、124B:境界、126:センサ電極、126-1:センサ電極、126-14:センサ電極、126-16:センサ電極、126-3:センサ電極、126B:センサ電極、126S:センサ電極、126SH-1:共有部、126SH-2:共有部、135:コンタクトホール、136-1:段差部、136-2:段差部、138:配線、138-1:配線、138-2:配線、140-1:端子配線、140-2:端子配線、142:絶縁層、154:絶縁層、156:下地膜、158:絶縁膜、160:層間膜、162:コンタクトパッド、166:封止層、168:オーバーコート層、169:接着層、170:絶縁膜、170S:スペーサ、172:信号線、174:平坦化層、174D1:平坦化層、174D2:平坦化層、174H:平坦化層、178:第1無機絶縁層、180:第1有機絶縁層、182:第2無機絶縁層、184:切断部、184-1:切断部、184-2:切断部、184-3:切断部、184-4:切断部、184-5:切断部、184-6:切断部、200:画素回路、210:選択トランジスタ、212:ゲート線、214:データ線、220:駆動トランジスタ、222:アノード電源線、224:カソード電源線、230:キャパシタ、300:部分、320:部分、340:部分、360:部分、380:部分、400:部分
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B