(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119317
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 40/08 20120101AFI20240827BHJP
B60W 50/08 20200101ALI20240827BHJP
B60W 30/18 20120101ALI20240827BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B60W40/08
B60W50/08
B60W30/18
G08G1/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026124
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小松 昂輝
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA51
3D241BA70
3D241BB02
3D241BB04
3D241DD01Z
5H181AA01
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB17
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】自動運転における利便性を向上させる。
【解決手段】自動運転制御装置2は、エンジンEGが駆動を停止しているときに、車両の車室内に設置された複数の座席STのそれぞれについて、座席STに着座している乗員がシートベルトSBを着用していない非着用状態から、座席STに着座している乗員がシートベルトSBを着用している着用状態へ遷移したか否かを判断する。自動運転制御装置2は、非着用状態から着用状態へ遷移した座席STである着用座席が存在すると判断した場合に、エンジンEGを始動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、
前記車両を走行させるための駆動源(EG)が駆動を停止しているときに、前記車両の車室内に設置された複数の座席(ST)のそれぞれについて、前記座席に着座している前記乗員がシートベルト(SB)を着用していない非着用状態から、前記座席に着座している前記乗員が前記シートベルトを着用している着用状態へ遷移したか否かを判断するように構成されたシートベルト着用判断部(S10,S20)と、
前記非着用状態から前記着用状態へ遷移した前記座席である着用座席が存在すると前記シートベルト着用判断部が判断した場合に、前記駆動源を始動させるように構成された始動部(S60)と
を備える車両制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置であって、
前記着用座席に着座している前記乗員が、前記駆動源の始動を許可された者として予め設定された始動許可者であるか否かを認証するように構成された乗員認証部(S30)を更に備え、
前記始動部は、前記着用座席が存在すると前記シートベルト着用判断部が判断し、且つ、前記着用座席に着座している前記乗員が前記始動許可者であると前記乗員認証部が認証した場合に、前記駆動源を始動させる車両制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両制御装置であって、
前記駆動源を始動させるために前記乗員に所持される携帯鍵(9)の照合を実行するように構成された鍵照合部(S40)を更に備え、
前記始動部は、前記着用座席が存在すると前記シートベルト着用判断部が判断し、且つ、前記着用座席に着座している前記乗員が前記始動許可者であると前記乗員認証部が認証し、且つ、前記携帯鍵の照合が成功したと前記鍵照合部が判断した場合に、前記駆動源を始動させる車両制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両制御装置であって、
前記携帯鍵が前記車室内に存在するか否かを判断するように構成された鍵検出部(S50)を更に備え、
前記始動部は、前記着用座席が存在すると前記シートベルト着用判断部が判断し、且つ、前記着用座席に着座している前記乗員が前記始動許可者であると前記乗員認証部が認証し、且つ、前記携帯鍵の照合が成功したと前記鍵照合部が判断し、且つ、前記携帯鍵が前記車室内に存在すると前記鍵検出部が判断した場合に、前記駆動源を始動させる車両制御装置。
【請求項5】
乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、
前記車両を走行させるための駆動源(EG)が駆動しているか否かを判断するように構成された駆動判断部(S110)と、
前記車両が停止しているか否かを判断するように構成された停止判断部(S120)と、
前記駆動源が駆動していると前記駆動判断部が判断し、且つ、前記車両が停止していると前記停止判断部が判断した場合に、前記車両が最終目的地に到着したか否かを判断するように構成された到着判断部(S130)と、
前記車両が前記最終目的地に到着したと前記到着判断部が判断した場合に、前記駆動源の駆動を停止させるように構成された到着停止部(S150)と
を備える車両制御装置。
【請求項6】
乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、
前記車両を走行させるための駆動源(EG)が駆動しているか否かを判断するように構成された駆動判断部(S110)と、
前記車両が停止しているか否かを判断するように構成された停止判断部(S120)と、
前記駆動源が駆動していると前記駆動判断部が判断し、且つ、前記車両が停止していると前記停止判断部が判断した場合に、前記車両の車室内に設置された全ての座席(ST)について、前記座席に対応するシートベルトが前記乗員に着用されていないシートベルト非着用状態になっているか否かを判断するように構成された非着用判断部(S140)と、
全ての前記座席が前記シートベルト非着用状態になっていると前記非着用判断部が判断した場合に、前記駆動源の駆動を停止させるように構成された非着用停止部(S150)と
を備える車両制御装置。
【請求項7】
乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、
前記車両を走行させるための駆動源(EG)が駆動しているか否かを判断するように構成された駆動判断部(S110)と、
前記車両が停止しているか否かを判断するように構成された停止判断部(S120)と、
前記駆動源が駆動していると前記駆動判断部が判断し、且つ、前記車両が停止していると前記停止判断部が判断した場合に、前記車両の車室内における前記乗員が0人であるか否かを判断するように構成された乗員判断部(S142)と、
前記車室内における前記乗員が0人であると前記乗員判断部が判断した場合に、前記駆動源の駆動を停止させるように構成された乗員停止部(S150)と
を備える車両制御装置。
【請求項8】
乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、
前記車両を走行させるための駆動源(EG)が駆動しているか否かを判断するように構成された駆動判断部(S110)と、
前記車両が停止しているか否かを判断するように構成された停止判断部(S120)と、
前記駆動源が駆動していると前記駆動判断部が判断し、且つ、前記車両が停止していると前記停止判断部が判断した場合に、前記駆動源を始動させるために前記乗員に所持される携帯鍵が前記車両の外部に存在し、且つ、前記車両における全てのドアが施錠されているか否かを判断するように構成された施錠判断部(S144)と、
前記携帯鍵が前記車両の外部に存在し、且つ、前記車両における全ての前記ドアが施錠されていると前記施錠判断部が判断した場合に、前記駆動源の駆動を停止させるように構成された施錠停止部(S150)と
を備える車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転中において、運転者が着座する座席を車両の進行方向とは逆の方向に向けたり、運転席を車両の後部に移動したりすることを前提とし、自動運転から手動運転へ切り替える場合に、運転に適する状態となるまでの時間を短縮する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転がレベル5になると運転者が運転席に着座する必要がなくなり、エンジンの始動時および停止時において、運転席に人がいない状態、または、運転席が車両の進行方向を向いていない状態になることが想定される。
【0005】
発明者の詳細な検討の結果、運転者が運転席に座り、メカニカルキーを挿して回したり、プッシュスイッチを押したりすることでエンジンの始動または停止の操作を行うという従来のエンジン始動方法およびエンジン停止方法では、自動運転がレベル5であるにもかかわらず、運転者は、エンジンの始動時および停止時に運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行わなければならないという課題が見出された。
【0006】
本開示は、自動運転における利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、シートベルト着用判断部(S10,S20)と、始動部(S60)とを備える。
【0008】
シートベルト着用判断部は、車両を走行させるための駆動源(EG)が駆動を停止しているときに、車両の車室内に設置された複数の座席(ST)のそれぞれについて、座席に着座している乗員がシートベルト(SB)を着用していない非着用状態から、座席に着座している乗員がシートベルトを着用している着用状態へ遷移したか否かを判断するように構成される。
【0009】
始動部は、非着用状態から着用状態へ遷移した座席である着用座席が存在するとシートベルト着用判断部が判断した場合に、駆動源を始動させるように構成される。
このように構成された本開示の車両制御装置は、自動運転機能を備える車両の駆動源を始動させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0010】
本開示の別の態様は、乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、駆動判断部(S110)と、停止判断部(S120)と、到着判断部(S130)と、到着停止部(S150)とを備える。
【0011】
駆動判断部は、車両を走行させるための駆動源(EG)が駆動しているか否かを判断するように構成される。
停止判断部は、車両が停止しているか否かを判断するように構成される。
【0012】
到着判断部は、駆動源が駆動していると駆動判断部が判断し、且つ、車両が停止していると停止判断部が判断した場合に、車両が最終目的地に到着したか否かを判断するように構成される。
【0013】
到着停止部は、車両が最終目的地に到着したと到着判断部が判断した場合に、駆動源の駆動を停止させるように構成される。
このように構成された本開示の車両制御装置は、自動運転機能を備える車両の駆動源を停止させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0014】
本開示の更に別の態様は、乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、駆動判断部(S110)と、停止判断部(S120)と、非着用判断部(S140)と、非着用停止部(S150)とを備える。
【0015】
非着用判断部は、駆動源が駆動していると駆動判断部が判断し、且つ、車両が停止していると停止判断部が判断した場合に、車両の車室内に設置された全ての座席(ST)について、座席に対応するシートベルトが乗員に着用されていないシートベルト非着用状態になっているか否かを判断するように構成される。
【0016】
非着用停止部は、全ての座席がシートベルト非着用状態になっていると非着用判断部が判断した場合に、駆動源の駆動を停止させるように構成される。
このように構成された本開示の車両制御装置は、自動運転機能を備える車両の駆動源を停止させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0017】
本開示の更に別の態様は、乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、駆動判断部(S110)と、停止判断部(S120)と、乗員判断部(S142)と、乗員停止部(S150)とを備える。
【0018】
乗員判断部は、駆動源が駆動していると駆動判断部が判断し、且つ、車両が停止していると停止判断部が判断した場合に、車室内における乗員が0人であるか否かを判断するように構成される。
【0019】
乗員停止部は、車両の車室内における乗員が0人であると乗員判断部が判断した場合に、駆動源の駆動を停止させるように構成される。
このように構成された本開示の車両制御装置は、自動運転機能を備える車両の駆動源を停止させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0020】
本開示の更に別の態様は、乗員に代わり運転操作を行う自動運転機能を備える車両に搭載される車両制御装置(2)であって、駆動判断部(S110)と、停止判断部(S120)と、施錠判断部(S144)と、施錠停止部(S150)とを備える。
【0021】
施錠判断部は、駆動源が駆動していると駆動判断部が判断し、且つ、車両が停止していると停止判断部が判断した場合に、駆動源を始動させるために乗員に所持される携帯鍵が車両の外部に存在し、且つ、車両における全てのドアが施錠されているか否かを判断するように構成される。
【0022】
施錠停止部は、携帯鍵が車両の外部に存在し、且つ、車両における全てのドアが施錠されていると施錠判断部が判断した場合に、駆動源の駆動を停止させるように構成される。
このように構成された本開示の車両制御装置は、自動運転機能を備える車両の駆動源を停止させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】車両制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】バックルおよびタングプレートの構成を示すブロック図である。
【
図3】エンジン始動処理を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態のエンジン停止処理を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態のエンジン停止処理を示すフローチャートである。
【
図6】第3実施形態のエンジン停止処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
以下に本開示の第1実施形態を図面とともに説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両制御システム1は、手動運転および自動運転の両方が可能な自動運転車両に搭載される。手動運転とは、車両の乗員が運転操作を行うことである。自動運転とは、車両の乗員に代わり運転操作を自動で行うことである。
【0025】
車両制御システム1を搭載する自動運転車両は、車室内に複数の座席STを備える。複数の座席STは、車室内において位置および向きを変更可能に構成される。車室内における車両前方右側に、運転者が運転操作を行うためのステアリングホイールと、エンジンEGを始動させたり停止させたりするために運転者により操作されるプッシュスイッチとが設置されている。
【0026】
車両制御システム1は、自動運転制御装置2と、周辺監視センサ群3と、車両監視センサ群4と、位置検出部5と、エンジン制御装置6と、走行制御部7と、経路設定部8と、スマートキー9と、車室内アンテナ10と、車室外アンテナ11と、照合部12と、キーロック制御部13と、乗員検出部14と、個人認証部15と、UWBアンカー16と、複数のバックル17と、複数のタングプレート18と、チューナ19とを備える。UWBは、Ultra Wide Bandの略である。
【0027】
自動運転制御装置2は、自動運転を行うための制御装置である。自動運転制御装置2は、例えば、レベル3以上の自動運転を可能にする。自動運転のレベルとは、米国自動車技術会が規定する自動運転レベルである。
【0028】
自動運転制御装置2は、周辺監視センサ群3から、後述する周辺検出情報を取得する。自動運転制御装置2は、車両監視センサ群4から、後述する車両状態検出情報を取得する。自動運転制御装置2は、位置検出部5から、後述するロケータ情報および地図情報を取得する。
【0029】
自動運転制御装置2は、周辺検出情報、ロケータ情報および地図情報に基づき、車両の走行環境を認識する。走行環境としては、例えば、車両の周辺に存在する物体の位置および速度、車両が走行する走行路の形状などが挙げられる。物体としては、例えば、自車両の周辺に存在する他車両、歩行者、自転車、動物、固定物および道路標識などが挙げられる。
【0030】
自動運転制御装置2は、認識した走行環境に基づき、車両の進路(つまり、走行予定経路)を生成する。自動運転制御装置2は、生成した走行予定経路に沿って車両が走行するように、走行制御部7と連携しながら、車両状態検出情報に基づき車両の加減速制御および操舵制御などを実行する。
【0031】
自動運転制御装置2は、CPU21、ROM22およびRAM23等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPU21が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROM22が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、CPU21が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、自動運転制御装置2を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0032】
周辺監視センサ群3は、車両の周辺に存在する物体を検出する。周辺監視センサ群3は、検出結果を示す周辺検出情報を自動運転制御装置2へ出力する。周辺検出情報は、車両の周辺で検出した物体の位置および速度などを示す。
【0033】
周辺監視センサ群3は、例えば、カメラユニットおよびミリ波レーダ等を含む。カメラユニットは、単眼カメラを含む構成であってもよいし、複眼カメラを含む構成であってもよい。カメラユニットは、例えば、車両の前方範囲、側方範囲および後方範囲などを撮影する。ミリ波レーダは、ミリ波または準ミリ波を車両の周囲へ向けて照射し、物体で反射した反射波を受信することにより、物体の位置および相対相度などを検出する。周辺監視センサ群3は、ライダおよびソナー等を更に含んでもよい。
【0034】
車両監視センサ群4は、車両の状態を検出する。周辺監視センサ群3は、検出結果を示す車両状態検出情報を自動運転制御装置2へ出力する。車両監視センサ群4は、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサおよび操舵角センサを含む。車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサおよび操舵角センサはそれぞれ、車両の走行速度、加速度、ヨーレートおよび操舵角を検出する。
【0035】
位置検出部5は、GNSS受信器および慣性センサなどを含む。GNSSは、Global Navigation Satellite Systemの略である。位置検出部5は、GNSS受信器で受信する測位信号、慣性センサの計測結果、および、車両監視センサ群4が検出した車速情報などを組み合わせ、車両の位置および進行方向などを逐次測定する。位置検出部5は、車両の位置および進行方向などを示すロケータ情報を逐次出力する。
【0036】
位置検出部5は、多数の地図データを含む地図データベースを更に備える。地図データとして、3次元地図データおよび2次元地図データがある。3次元地図データは、いわゆる高精度地図データであり、道路の3次元形状情報、および、各車線の詳細情報などを含む。
【0037】
位置検出部5は、車両の現在位置周辺の地図データを地図データベースから読み出す。位置検出部5は、自動運転制御装置2へ、ロケータ情報および地図情報を提供する。地図情報は、地図データベースから読み出した地図データを含む情報である。
【0038】
エンジン制御装置6は、車両に搭載されたエンジンEGを制御する。
走行制御部7は、自動運転制御装置2からの指示、または、運転者の操作に従い、車両のアクセル、ブレーキおよび操舵装置などを作動させるアクチュエータを制御する。
【0039】
経路設定部8は、車両の乗員が入力装置を介した入力操作を行うことにより設定された目的地までの走行経路を、車両の現在位置と地図データベースとに基づいて算出する。
スマートキー9は、車両の運転者に所持され、車両のエンジンEGを始動したり、車両のドアを施解錠したりするために用いられる。スマートキー9は、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。
【0040】
車室内アンテナ10は、車両の車室内に存在するスマートキー9との間でデータ通信を行うために、車室内において通信エリアを形成するアンテナである。車室内アンテナ10は、スマートキー9へLF帯の無線信号を送信する。LFは、Low Frequencyの略である。
車室外アンテナ11は、車両の車室外に存在するスマートキー9との間でデータ通信を行うために、車室外において通信エリアを形成するアンテナである。車室外アンテナ11は、スマートキー9へLF帯の無線信号を送信する。
【0041】
チューナ19は、スマートキー9から送信されるRF帯の無線信号を受信して、受信した無線信号の増幅および復調などの処理を行う。RFは、Radio Frequencyの略である。
照合部12は、車室内アンテナ10および車室外アンテナ11にLF帯の無線信号を送信させた後に、RF帯の無線信号を受信したチューナ19からスマートキー9の識別情報を取得し、スマートキー9の識別情報と、事前に登録されている識別情報とが一致しているか否かを判断するキー照合処理を実行する。
【0042】
キーロック制御部13は、スマートキー9または車両に対して施錠操作が行われると、照合部12による照合結果を参照し、スマートキー9の識別情報と、事前に登録されている識別情報とが一致している場合に、車両における全てのドアを施錠する。
【0043】
乗員検出部14は、車室内の複数の座席STにおける座部のそれぞれに設置された複数の着座センサを含む。乗員検出部14は、複数の着座センサの検出結果に基づき、車室内に設置された複数の座席STのそれぞれについて、乗員が着座しているか否かを検出する。
【0044】
個人認証部15は、事前に設定された正規運転者を認証する。正規運転者の認証は、例えば、生体認証およびデバイス認証の少なくとも1つを用いて行われる。生体認証は、乗員の指紋、静脈、声紋および顔などを解析することにより正規運転者を特定する認証である。デバイス認証は、乗員が所持するデバイス(例えば、スマートフォンまたはスマートキー)との間でデータ通信を行うことにより正規運転者を特定する認証である。正規運転者は、車両の所有者と、緊急時に対応できる人として予め登録された人とを含む。
【0045】
UWBアンカー16は、車両の車室内に設置され、UWB-IR方式を用いてスマートキー9との間で無線通信を行う。UWB-IRは、Ultra Wide Band-Impulse Radioの略である。UWBアンカー16は、スマートキー9へパルス信号を送信し、スマートキー9からパルス信号を受信するまでの時間を計測することにより、スマートキー9までの距離を検出する。
【0046】
バックル17は、車室内の複数の座席STのそれぞれについて座部の付近に設置され、タングプレート18が着脱可能に挿入される。
タングプレート18は、車室内の複数の座席STのそれぞれに対応して設けられたシートベルトSBに取り付けられる。座席STに着座している乗員がシートベルトSBを着用するときに、タングプレート18がバックル17に着脱可能に挿入される。
【0047】
図2に示すように、バックル17は、制御部31と、送受信部32と、固有ID保管部33と、ID照合部34と、通信部35とを備える。
制御部31は、送受信部32と、ID照合部34と、通信部35とを制御する。送受信部32は、LF帯の無線信号を送受信することによって、タングプレート18との間でデータ通信を行う。
【0048】
固有ID保管部33は、バックル17が設置されている座席STを識別する固有IDを保管する。ID照合部34は、タングプレート18から受信した固有IDと、固有ID保管部33に保管されている固有IDとが一致しているか否かを判断する固有ID照合処理を行う。通信部35は、照合部12との間でデータ通信を行う。
【0049】
制御部31は、バックル17にタングプレート18が挿し込まれると、固有IDの送信を要求するID送信要求を送受信部32に送信させる。制御部31は、送受信部32が固有IDを受信すると、上記の固有ID照合処理をID照合部34に実行させる。制御部31は、通信部35に、ID照合部34による照合結果を照合部12へ送信させる。
【0050】
また制御部31は、自動運転制御装置2から照合部12を介して照合指令を取得すると、上記の固有ID照合処理をID照合部34に実行させる。制御部31は、通信部35に、ID照合部34による照合結果を照合部12へ送信させる。
【0051】
タングプレート18は、制御部41と、送受信部42と、固有ID保管部43とを備える。
制御部41は、送受信部42を制御する。送受信部42は、バックル17の送受信部32との間で無線通信を行う。固有ID保管部43は、タングプレート18が設置されている座席STを識別する固有IDを保管する。
【0052】
制御部41は、バックル17から固有ID送信要求を受信すると、固有ID保管部43から固有IDを読み出し、読み出した固有IDを送受信部42に送信させる。
次に、自動運転制御装置2が実行するエンジン始動処理の手順を説明する。エンジン始動処理は、自動運転制御装置2の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0053】
エンジン始動処理が実行されると、自動運転制御装置2のCPU21は、
図3に示すように、S10にて、エンジンEGの状態を示す情報をエンジン制御装置6から取得し、エンジンEGが停止しているか否かを判断する。ここで、エンジンEGが停止していない場合には、CPU21は、エンジン始動処理を終了する。
【0054】
一方、エンジンEGが停止している場合には、CPU21は、S20にて、上記の固有ID照合処理の照合結果を照合部12から取得し、タングプレート18がバックル17に挿し込まれていない状態から、タングプレート18がバックル17に挿し込まれた状態へ遷移した座席STがあるか否かを判断する。
【0055】
ここで、タングプレート18がバックル17に挿し込まれている座席STがない場合には、CPU21は、エンジン始動処理を終了する。一方、タングプレート18がバックル17に挿し込まれている座席ST(以下、認証対象座席)がある場合には、CPU21は、S30にて、個人認証部15から認証結果を取得することにより、認証対象座席に着座している乗員が正規運転者であるか否かを判断する。
【0056】
ここで、認証対象座席に着座している乗員が正規運転者でない場合には、CPU21は、エンジン始動処理を終了する。一方、認証対象座席に着座している乗員が正規運転者である場合には、CPU21は、S40にて、上記のキー照合処理の照合結果を照合部12から取得し、スマートキー9の照合が成功しているか否かを判断する。
【0057】
ここで、スマートキー9の照合が失敗している場合には、CPU21は、エンジン始動処理を終了する。一方、スマートキー9の照合が成功している場合には、CPU21は、S50にて、UWBアンカー16とスマートキー9との間の距離を示す距離検出結果をUWBアンカー16から取得し、スマートキー9が車室内に存在しているか否かを判断する。
【0058】
ここで、スマートキー9が車室内に存在していない場合には、CPU21は、エンジン始動処理を終了する。一方、スマートキー9が車室内に存在している場合には、CPU21は、S60にて、エンジン始動指令をエンジン制御装置6へ送信し、エンジン始動処理を終了する。自動運転制御装置2からエンジン始動指令を取得したエンジン制御装置6は、エンジンEGを始動する。
【0059】
次に、自動運転制御装置2が実行するエンジン停止処理の手順を説明する。エンジン停止処理は、自動運転制御装置2の動作中において繰り返し実行される処理である。
エンジン停止処理が実行されると、自動運転制御装置2のCPU21は、
図4に示すように、S110にて、エンジンEGの状態を示す情報をエンジン制御装置6から取得し、エンジンEGが駆動しているか否かを判断する。ここで、エンジンEGが駆動していない場合には、CPU21は、エンジン停止処理を終了する。
【0060】
一方、エンジンEGが駆動している場合には、CPU21は、S120にて、車両監視センサ群4から検出結果を取得し、車両が停止しているか否かを判断する。ここで、車両が停止していない場合には、CPU21は、エンジン停止処理を終了する。
【0061】
一方、車両が停止している場合には、CPU21は、S130にて、ロケータ情報を位置検出部5から取得し、車両の最終目的地を示す最終目的地情報を経路設定部8から取得して、車両が最終目的地に到着したか否かを判断する。最終目的地とは、経路設定部8において設定された走行経路に含まれる1または複数の目的地のうち、車両が最後に到達する目的地である。走行経路に含まれる複数の目的地のうち、最終目的地以外の目的地は経由地である。
【0062】
ここで、車両が最終目的地に到着した場合には、CPU21は、S150に移行する。一方、車両が最終目的地に到着していない場合には、CPU21は、S140にて、車両における全ての座席STのシートベルトSBが外されているか否かを判断する。具体的には、CPU21は、照合部12を介して、全ての座席STのバックル17に対して照合指令を送信する。そしてCPU21は、照合部12を介して全ての座席STのバックル17から照合結果を取得し、全ての座席STのそれぞれについて、タングプレート18がバックル17から外されているか否かを判断する。
【0063】
ここで、シートベルトSBが外されていない座席STが存在する場合には、CPU21は、エンジン停止処理を終了する。一方、全ての座席STのシートベルトSBが外されている場合には、CPU21は、S150に移行する。
【0064】
S150に移行すると、CPU21は、エンジン停止指令をエンジン制御装置6へ送信し、エンジン停止処理を終了する。自動運転制御装置2からエンジン停止指令を取得したエンジン制御装置6は、エンジンEGを停止する。
【0065】
このように構成された自動運転制御装置2は、エンジンEGが駆動を停止しているときに、車両の車室内に設置された複数の座席STのそれぞれについて、座席STに着座している乗員がシートベルトSBを着用していない非着用状態から、座席STに着座している乗員がシートベルトSBを着用している着用状態へ遷移したか否かを判断する。
【0066】
自動運転制御装置2は、非着用状態から着用状態へ遷移した座席ST(以下、着用座席)に着座している乗員が正規運転者であるか否かを認証する。
自動運転制御装置2は、エンジンEGを始動させるために乗員に所持されるスマートキー9の照合を実行する。
【0067】
自動運転制御装置2は、スマートキー9が車室内に存在するか否かを判断する。
自動運転制御装置2は、着用座席が存在すると判断し、且つ、着用座席に着座している乗員が正規運転者であると認証し、且つ、スマートキー9の照合が成功したと判断し、且つ、スマートキー9が車室内に存在すると判断した場合に、エンジンEGを始動させる。
【0068】
このような自動運転制御装置2は、自動運転機能を備える車両のエンジンEGを始動させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0069】
また自動運転制御装置2は、着用座席に着座している乗員が正規運転者である場合にエンジンEGを始動させるため、車両が移動すべきではない状態(すなわち、正規運転者が乗車していない状態)でのエンジン始動を回避することができる。
【0070】
また自動運転制御装置2は、スマートキー9の照合に成功した場合にエンジンEGを始動させるため、車両が移動すべきではない状態(すなわち、正規のスマートキー9を所持する運転者が乗車していない状態)でのエンジン始動を回避することができる。
【0071】
また自動運転制御装置2は、スマートキー9が車室内に存在する場合にエンジンEGを始動させるため、車両が移動すべきではない状態(すなわち、スマートキー9を所持する運転者が乗車していない状態)でのエンジン始動を回避することができる。
【0072】
さらに自動運転制御装置2は、エンジンEGが駆動しているか否かを判断する。自動運転制御装置2は、車両が停止しているか否かを判断する。
自動運転制御装置2は、エンジンEGが駆動していると判断し、且つ、車両が停止していると判断した場合に、車両が最終目的地に到着したか否かを判断する。自動運転制御装置2は、車両が最終目的地に到着したと判断した場合に、エンジンEGの駆動を停止させる。
【0073】
このような自動運転制御装置2は、自動運転機能を備える車両のエンジンEGを停止させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0074】
さらに自動運転制御装置2は、エンジンEGが駆動していると判断し、且つ、車両が停止していると判断した場合に、車両の車室内に設置された全ての座席STについて、座席STに対応するシートベルトSBが乗員に着用されていないシートベルト非着用状態になっているか否かを判断する。自動運転制御装置2は、全ての座席STがシートベルト非着用状態になっていると判断した場合に、エンジンEGの駆動を停止させる。
【0075】
このような自動運転制御装置2は、自動運転機能を備える車両のエンジンEGを停止させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0076】
以上説明した実施形態において、自動運転制御装置2は車両制御装置に相当し、エンジンEGは駆動源に相当し、S10,S20はシートベルト着用判断部としての処理に相当し、S60は始動部としての処理に相当する。
【0077】
また、正規運転者は始動許可者に相当し、S30は乗員認証部としての処理に相当し、スマートキー9は携帯鍵に相当し、S40は鍵照合部としての処理に相当し、S50は鍵検出部としての処理にする。
【0078】
また、S110は駆動判断部としての処理に相当し、S120は停止判断部としての処理に相当し、S130は到着判断部としての処理に相当し、S140は非着用判断部としての処理に相当し、S150は到着停止部および非着用停止部としての処理に相当する。
【0079】
[第2実施形態]
以下に本開示の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
【0080】
第2実施形態の車両制御システム1は、エンジン停止処理が変更された点が第1実施形態と異なる。
図5に示すように、第2実施形態のエンジン停止処理は、S140の代わりにS142の処理を実行する点が第1実施形態と異なる。
【0081】
すなわち、S130において車両が最終目的地に到着していない場合には、CPU21は、S142にて、乗員検出部14から乗員検出結果を取得し、車両の乗員が0人であるか否かを判断する。ここで、車両の乗員が1人以上である場合には、CPU21は、エンジン停止処理を終了する。一方、車両の乗員が0人である場合には、CPU21は、S150に移行する。
【0082】
このように構成された自動運転制御装置2は、エンジンEGが駆動していると判断し、且つ、車両が停止していると判断した場合に、車室内における乗員が0人であるか否かを判断する。自動運転制御装置2は、車室内における乗員が0人であると判断した場合に、エンジンEGの駆動を停止させる。
【0083】
このような自動運転制御装置2は、自動運転機能を備える車両のエンジンEGを停止させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0084】
以上説明した実施形態において、S142は乗員判断部としての処理に相当し、S150は乗員停止部としての処理に相当する。
[第3実施形態]
以下に本開示の第3実施形態を図面とともに説明する。なお第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
【0085】
第3実施形態の車両制御システム1は、エンジン停止処理が変更された点が第1実施形態と異なる。
図6に示すように、第3実施形態のエンジン停止処理は、S140の代わりにS144の処理を実行する点が第1実施形態と異なる。
【0086】
すなわち、S130において車両が最終目的地に到着していない場合には、CPU21は、S144にて、スマートキー9が車外に存在し、且つ、車両における全てのドアが施錠されているか否かを判断する。具体的には、CPU21は、まず、上記のキー照合処理の照合結果を照合部12から取得し、スマートキー9が車外に存在しているか否かを判断する。なお、CPU21は、取得した照合結果が、車室外アンテナ11を介してスマートキー9から取得した識別情報を用いた照合の結果である場合に、スマートキー9が車外に存在していると判断する。そして、スマートキー9が車外に存在している場合に、CPU21は、車両のドアの状態を示すドア状態情報をキーロック制御部13から取得し、車両における全てのドアが施錠されているか否かを判断する。
【0087】
ここで、スマートキー9が車室内に存在している、または、解錠しているドアが存在している場合には、CPU21は、エンジン停止処理を終了する。一方、スマートキー9が車外に存在し、且つ、車両における全てのドアが施錠されている場合には、CPU21は、S150に移行する。
【0088】
このように構成された自動運転制御装置2は、エンジンEGが駆動していると判断し、且つ、車両が停止していると判断した場合に、エンジンEGを始動させるために乗員に所持されるスマートキー9が車両の外部に存在し、且つ、車両における全てのドアが施錠されているか否かを判断する。自動運転制御装置2は、スマートキー9が車両の外部に存在し、且つ、車両における全てのドアが施錠されていると判断した場合に、エンジンEGの駆動を停止させる。
【0089】
このような自動運転制御装置2は、自動運転機能を備える車両のエンジンEGを停止させる時に運転者が運転席に座って運転席を車両の進行方向に向かせる作業を行う必要がなくなり、自動運転における利便性を向上させることができる。
【0090】
以上説明した実施形態において、S144は施錠判断部としての処理に相当し、S150は施錠停止部としての処理に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
【0091】
[変形例1]
上記実施形態では、手動運転および自動運転の両方が可能な自動運転車両に自動運転制御装置2が搭載される形態を示したが、手動運転が不可で自動運転が可能な自動運転車両に自動運転制御装置2が搭載されてもよい。
【0092】
[変形例2]
上記実施形態では、
図3に示すS20,S30,S40,S50の全てにおいて肯定判断がされた場合に、S60にてエンジンEGを始動する形態を示した。しかし、S20において肯定判断がされた場合に、S60にてエンジンEGを始動するようにしてもよい。また、S20,S30において肯定判断がされた場合に、S60にてエンジンEGを始動するようにしてもよい。また、S20,S30,S40において肯定判断がされた場合に、S60にてエンジンEGを始動するようにしてもよい。
【0093】
[変形例3]
上記実施形態では、
図4,5,6に示すS130において否定判断がされた場合に、S140,S142,S144の処理を実行する形態を示したが、S130の処理を行うことなく(すなわち、S120において肯定判断がされた場合に)、S140,S142,S144の処理を実行するようにしてもよい。
【0094】
本開示に記載の自動運転制御装置2およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の自動運転制御装置2およびその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の自動運転制御装置2およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。自動運転制御装置2に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0095】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0096】
上述した自動運転制御装置2の他、当該自動運転制御装置2を構成要素とするシステム、当該自動運転制御装置2としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、自動運転制御方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0097】
2…自動運転制御装置、EG…エンジン、SB…シートベルト、ST…座席