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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119325
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】リニアガイド
(51)【国際特許分類】
   F16C 29/06 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
F16C29/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026142
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 幸介
(72)【発明者】
【氏名】水村 美典
【テーマコード(参考)】
3J104
【Fターム(参考)】
3J104AA03
3J104AA25
3J104AA36
3J104AA65
3J104AA69
3J104AA74
3J104AA76
3J104BA32
3J104BA33
3J104CA13
3J104CA24
3J104DA05
3J104EA01
3J104EA07
(57)【要約】
【課題】側面から供給される潤滑剤の供給側の方向転換路と反供給側の方向転換路への供給量の差をなくし、左右の転動体循環路を均一に潤滑することができるリニアガイドを提供する。
【解決手段】エンドキャップ70は、外周面に形成された側面給油口と両袖部に形成された一対の方向転換路とを有するエンドキャップ本体30と、スライダ本体に対向するエンドキャップ本体30の当接面32aに配設された油路ユニット50とを有する。油路ユニット50は、側面給油口に近い側の方向転換路と側面給油口とを連通するための供給側潤滑剤供給路71と、側面給油口に遠い側の方向転換路と側面給油口とを連通するための反供給側潤滑剤供給路72と、を画成している。反供給側潤滑剤供給路72は、側面給油口から離れるにしたがって横断面積が大きく構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内レールと、前記案内レールを跨ぐようにスライド自在に係合するスライダと、前記スライダにおけるスライダ本体の軸方向の端部に取り付けられるエンドキャップと、を備えるリニアガイドであって、
前記エンドキャップは、外周面に形成された側面給油口と両袖部に形成された一対の方向転換路とを有するエンドキャップ本体と、前記スライダ本体に対向する前記エンドキャップ本体の対向面に配設された油路ユニットとを有し、
前記油路ユニットは、前記側面給油口に近い側の前記方向転換路と前記側面給油口とを連通するための供給側潤滑剤供給路と、前記側面給油口に遠い側の前記方向転換路と前記側面給油口とを連通するための反供給側潤滑剤供給路と、を画成しており、
前記反供給側潤滑剤供給路は、前記側面給油口から離れるにしたがって横断面積が大きく構成されている、
ことを特徴とするリニアガイド。
【請求項2】
前記供給側潤滑剤供給路及び前記反供給側潤滑剤供給路は、
前記エンドキャップ本体に凹設された油路ユニット嵌合部に収容される前記油路ユニットの凸条部が、前記油路ユニットとの対向面に凹設された前記油路ユニット嵌合部の嵌合溝に嵌合して前記凸条部の先端面と前記嵌合溝の底面との間に隙間を形成することによって、前記油路ユニットと前記エンドキャップ本体との間に画成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド。
【請求項3】
前記嵌合溝が、前記凸条部の先端面が前記嵌合溝の底面に当接するように形成された前記凸条部によって塞がれ、
前記供給側潤滑剤供給路及び前記反供給側潤滑剤供給路が、前記スライダ本体に対向する前記油路ユニットの対向面に形成された供給溝と、前記側面給油口と前記供給溝を連通するため前記油路ユニットに形成された連通穴とによって、前記油路ユニットと前記スライダ本体との間に画成される、
ことを特徴とする請求項2に記載のリニアガイド。
【請求項4】
前記供給側潤滑剤供給路及び前記反供給側潤滑剤供給路は、
前記エンドキャップ本体に対向する前記油路ユニットの対向面に凹設された供給溝と前記エンドキャップ本体に凹設されて前記油路ユニットを収容する油路ユニット嵌合部との間に画成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアガイドに関し、より詳細には、供給側と反供給側への潤滑剤の供給量の差をなくし、左右の転動体循環路を均一に潤滑することができるリニアガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リニアガイド(直動案内)は、軸方向に延びる案内レールと、案内レールに相対移動可能に跨架されたスライダと、を備え、案内レール及びスライダに形成された転動体循環路(転動体転動路)間を循環する複数の転動体(ボール又はころ)を介して、スライダが案内レール上を軸方向に相対移動する。このようなリニアガイドは、各種生産設備の直線移動機構に多用されている。このリニアガイドを、長期間に亘って安定して使用するためには、転動体循環路における案内レール及び転動体に十分な量の潤滑剤(潤滑油やグリース)を供給して、潤滑状態を良好に維持することが重要である。
【0003】
そして、このリニアガイドは、様々な給油位置(正面、上面、側面)や給油姿勢(壁掛け、垂直)の条件で使用されており、条件によらず安定した潤滑剤の供給が求められている。しかし、側面からの左右の転動体循環路への潤滑剤供給において、供給側と反供給側での供給経路の長さの違いによって、供給側と反供給側の潤滑量に差が生まれる。そこで、反供給側の転動体循環路を十分潤滑すると、供給側の転動体循環路が過剰潤滑になるという傾向があった。
【0004】
そこで、特許文献1に開示された直動案内ユニット(リニアガイド)は、グリースニップル等から供給された潤滑剤を通すため中央に設けた給油孔と左右の方向転換路とを連通する給油溝がエンドキャップに形成されている。そして、エンドキャップの側面から中央へ経路を通し、その後供給側と反供給側へ分配する経路を設けることで、中央から供給側と反供給側へは経路が同一もしくは対称形に出来ており、潤滑剤を左右の方向転換路へ均等に分配している。
【0005】
また、特許文献2に開示された直動案内装置(リニアガイド)では、エンドキャップ本体と、エンドキャップ本体の凹部へ嵌め込まれる油路ユニットとで、エンドキャップが構成されている。油路の一部がユニット部品である油路ユニットに設けられるため、油路の設計の自由度が高く、変更が容易であり、転動体循環路へ潤滑剤を効率よく供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-64057号公報
【特許文献2】国際公開第2016/143342号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の直動案内ユニットのように、エンドキャップの側面から中央へ経路を通し、その後供給側と反供給側へ分配する経路を設ける構成では、経路の長さが長くなり、取り回しも複雑になるという問題があった。
また、上記特許文献2の直動案内装置における油路の構成では、エンドキャップの側面から供給された潤滑剤を左右の方向転換路へ均等に分配することは難しいと考えられる。
【0008】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、側面から供給される潤滑剤の供給側の方向転換路と反供給側の方向転換路への供給量の差をなくし、左右の転動体循環路を均一に潤滑することができるリニアガイドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
案内レールと、前記案内レールを跨ぐようにスライド自在に係合するスライダと、前記スライダにおけるスライダ本体の軸方向の端部に取り付けられるエンドキャップと、を備えるリニアガイドであって、
前記エンドキャップは、外周面に形成された側面給油口と両袖部に形成された一対の方向転換路とを有するエンドキャップ本体と、前記スライダ本体に対向する前記エンドキャップ本体の対向面に配設された油路ユニットとを有し、
前記油路ユニットは、前記側面給油口に近い側の前記方向転換路と前記側面給油口とを連通するための供給側潤滑剤供給路と、前記側面給油口に遠い側の前記方向転換路と前記側面給油口とを連通するための反供給側潤滑剤供給路と、を画成しており、
前記反供給側潤滑剤供給路は、前記側面給油口から離れるにしたがって横断面積が大きく構成されている、
ことを特徴とするリニアガイド。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリニアガイドによれば、側面から供給される潤滑剤の供給側の方向転換路と反供給側の方向転換路への供給量の差をなくし、左右の転動体循環路を均一に潤滑することができるリニアガイドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るリニアガイドの斜視図である。
図2図2は、図1に示すエンドキャップ及び油路ユニットの分解斜視図である。
図3図3の(a)及び(b)は、図2に示すエンドキャップを対向するスライダ本体側から視た正面図及び側面図である。
図4図4の(a)及び(b)は、図2に示す油路ユニットを対向するエンドキャップ側から視た背面図及び斜視図である。
図5図5は、図1に示すエンドキャップを対向するスライダ本体側から視た正面図である。
図6図6は、図5のVI-VI線に沿った断面矢視図である。
図7図7は、図5のVII-VII線に沿った断面矢視図である。
図8図8の(a)及び(b)は、本発明の第2実施形態に係る油路ユニットを対向するエンドキャップ側から視た斜視図及び対向するスライダ本体側から視た斜視図である。
図9図9の(a)は図8に示す油路ユニットを対向するスライダ本体側から視た正面図、図9の(b)は、図8に示した油路ユニットを図5に示したエンドキャップに嵌合した状態におけるVI-VI線に沿った断面矢視図である。
図10図10の(a)及び(b)は、本発明の第3実施形態に係るエンドキャップを対向するスライダ本体側から視た正面図及び側面図である。
図11図11の(a)及び(b)は、図10に示す油路ユニットを対向するエンドキャップ側から視た背面図及び斜視図である。
図12図12は、図11に示した油路ユニットを図10に示したエンドキャップに嵌合した状態における正面図である。
図13図13は、図12のXIII-XIII線に沿った断面矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態に係るリニアガイドを図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、スライダの上下方向、幅方向とは、長手方向を水平にして配置された案内レールに組み付けられたスライダの状態における方向をそれぞれ表しており、スライダの幅方向は、案内レールの長手方向及びスライダの上下方向に垂直な方向であり、左右方向とも言う(図1参照)。また、長手方向は、軸方向とも言う。
【0013】
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るリニアガイド1は、直線状の案内レール3と、案内レール3を跨ぐように組み付けられ、不図示の複数の転動体(円筒ころ)を介してスライド自在に係合する横断面C字状のスライダ20と、を備えている。
【0014】
案内レール3は金属製で、その幅方向の両側面には、それぞれ軸方向に延びるレール側軌道面5が片側二列ずつ、合計四列形成されている。案内レール3は案内レール3の高さ方向に貫通する複数のレール取付穴4を有しており、これらのレール取付穴4には、案内レール3を不図示の被取付面に固定するレール固定用ボルト(図示せず)が挿入される。
レール固定用ボルトの頭部を収容する為、レール取付穴4は、段付き穴となっている。
【0015】
スライダ20は、案内レール3の左右両側に袖部を有するスライダ本体21と、スライダ本体21の前後方向(軸方向)の両端部に装着された一対のエンドキャップ70,70と、エンドキャップ70のエンドキャップ本体30内に一組ずつ組み込まれたリターンガイド40,40と、エンドキャップ本体30内にそれぞれ組み込まれた油路ユニット50と、案内レール3とエンドキャップ70,70との間の隙間をシールする一対のサイドシール60,60と、を備える。
【0016】
スライダ本体21は、左右両側に、不図示のスライダ側軌道面及び転動体戻し路をそれぞれ有している。スライダ側軌道面は、スライダ本体21の両袖部の内側面に形成され、案内レール3のレール側軌道面5と対向しており、レール側軌道面5とスライダ側軌道面により負荷転道路が構成されている。転動体戻し路は、両袖部の肉厚部分を案内レール3の軸方向に貫通する孔によって形成されている。また、スライダ本体21の上面には、スライダ20にテーブル等の被駆動体を固定するボルトを挿通させる被駆動体固定用ねじ挿通孔25が設けられている。
【0017】
エンドキャップ70のエンドキャップ本体30は、図2及び図3に示すように、例えば、合成樹脂材の射出成形品であって、スライダ本体21と同様に横断面C字状に形成されている。エンドキャップ本体30には、複数の取付ねじ挿通孔34が設けられ、取付ねじ挿通孔34に挿通された取付ねじ34Aにより、エンドキャップ本体30がサイドシール60とともにスライダ本体21の前後方向の端面(対向面)21a(図7、参照)に締結される。
【0018】
また、エンドキャップ本体30の左右の袖部31には、スライダ本体21の前後方向の端面21aに対向する当接面31a側に、リターンガイド40がそれぞれ組み込まれている。リターンガイド40は、エンドキャップ本体30の当接面31aに形成された凹部に嵌合することで、エンドキャップ本体30との間に互いに立体交差する方向転換路26a,26bを画成する。方向転換路26a,26bは、スライダ本体21の負荷転動路と転動体戻し路を斜めにそれぞれ連結する。
【0019】
そして、これら負荷転動路、転動体戻し路及び方向転換路26a,26bで、転動体循環路を形成している。転動体循環路内には多数の転動体(円筒ころ)が転動自在に装填され、転動体循環路内を転動しながら無限循環するこれらの転動体を介して、スライダ20が案内レール3上を軸方向に沿って相対移動できるようになっている。
スライダ本体21の前後方向の端面21aに対向するリターンガイド40の対向面には、方向転換路26a,26bに連通する溝42が形成されている。
【0020】
エンドキャップ本体30の水平部32には、スライダ本体21の前後方向の端面21aに対向する当接面(対向面)32a側に、油路ユニット50を組み込むための油路ユニット嵌合部33が凹設されている。
油路ユニット嵌合部33は、嵌合される油路ユニット50の外周部を覆う内周壁35と、油路ユニット50の軸方向の端面を覆う底壁36とによって形成されている。
【0021】
内周壁35の左右両側には、油路ユニット嵌合部33に潤滑油等の潤滑剤を導入する側面給油口37が貫通形成されている。側面給油口37は、リニアガイド1の給油姿勢に応じて左右いずれかの側面給油口37が使用されるが、本第1実施形態では、図3に示す右側の側面給油口37が使用され、左側の側面給油口37は封止プラグ等により封止されるものとして説明する。
【0022】
油路ユニット50との対向面である底壁36には、嵌合溝39が凹設されている。嵌合溝39は、エンドキャップ本体30の幅方向に延びる水平嵌合溝39aと、水平嵌合溝39aの両端に直交して上下方向へ延びる一対の垂直嵌合溝39b,39cと、を有する。
また、エンドキャップ本体30における左右の袖部31の当接面31aには、油路ユニット嵌合部33からリターンガイド40の溝42に至る給油溝38が形成されている。
【0023】
本第1実施形態の油路ユニット50は、図2及び図4に示すように、例えば、合成樹脂材の射出成形品であって、油路ユニット嵌合部33に対応した横断面C字状に形成されている。エンドキャップ本体30の底壁36に当接する油路ユニット50の当接面(対向面)50bは、油路ユニット50の水平部において軸方向に直交する平面部と、油路ユニット50の袖部において平面部からスライダ本体21に対向する対向面50aの下端に向かって延びる傾斜面部とを有する。
【0024】
油路ユニット50は、水平嵌合溝39aが凹設された油路ユニット嵌合部33における底壁36の軸方向の深さと略同じ軸方向の厚み寸法とされている。なお、油路ユニット50の軸方向の厚み寸法とは、当接面50bの平面部と対向面50aとの間隔である。
【0025】
油路ユニット50の当接面50bには、図4に示すように、凸条部51が突設されている。凸条部51は、油路ユニット50の幅方向に延びる水平凸条部51aと、水平凸条部51aの両端に直交して上下方向へ延びる一対の垂直凸条部51b,51cと、を有する。
これら水平凸条部51a及び垂直凸条部51b,51cは、油路ユニット嵌合部33の水平嵌合溝39a及び垂直嵌合溝39b,39cにそれぞれ嵌合される。
【0026】
凸条部51の突出高さは、油路ユニット嵌合部33の嵌合溝39の溝深さよりも小さくされている。そこで、凸条部51の先端面と嵌合溝39の底面との間には、隙間を形成することができる。そこで、図6及び図7に示すように、油路ユニット嵌合部33に嵌合された油路ユニット50は、凸条部51が油路ユニット嵌合部33の嵌合溝39に嵌合されることで、油路ユニット50とエンドキャップ本体30との間には、供給側潤滑剤供給路71及び反供給側潤滑剤供給路72が画成される。
【0027】
供給側潤滑剤供給路71は、図5に示すように、側面給油口37に連通するエンドキャップ本体30の右側の垂直嵌合溝39bと、垂直嵌合溝39bに嵌合された油路ユニット50の垂直凸条部51bとにより画成されている。供給側潤滑剤供給路71は、右側の側面給油口37に近い側の方向転換路26a,26bと側面給油口37とを連通する。
【0028】
反供給側潤滑剤供給路72は、図5に示すように、エンドキャップ本体30の左側の垂直嵌合溝39c及び水平嵌合溝39aと、左側の垂直嵌合溝39c及び水平嵌合溝39aに嵌合された油路ユニット50の左側の垂直凸条部51b及び水平凸条部51aとにより画成されている。反供給側潤滑剤供給路72は、右側の側面給油口37に遠い側の方向転換路26a,26bと側面給油口37とを供給側潤滑剤供給路71の一部を介して連通する。即ち、反供給側潤滑剤供給路72は、供給側潤滑剤供給路71から分岐して形成されている。
【0029】
更に、反供給側潤滑剤供給路72を画成する油路ユニット50の水平凸条部51aは、図6に示すように、油路ユニット50の右側から左側に向かって次第に突出高さが小さくなるテーパ状に形成されている。そこで、油路ユニット50とエンドキャップ本体30との間に画成される反供給側潤滑剤供給路72は、側面給油口37から離れるにしたがって横断面積が大きくなっている。
【0030】
そして、油路ユニット嵌合部33に油路ユニット50が嵌合されたエンドキャップ本体30は、スライダ本体21の前後方向の端部に装着される。油路ユニット50は、対向面50aがスライダ本体21の前後方向の端面21aに当接して位置決めされる。
【0031】
従って、図5に示したように、エンドキャップ本体30の右側の側面給油口37から供給された潤滑剤は、供給側潤滑剤供給路71と反供給側潤滑剤供給路72に分割して供給される。
供給側潤滑剤供給路71に供給された潤滑剤は、エンドキャップ本体30の給油溝38及びリターンガイド40の溝42を経て、側面給油口37に近い側の右側の方向転換路26a,26bに達する。
また、反供給側潤滑剤供給路72に供給された潤滑剤は、エンドキャップ本体30の給油溝38及びリターンガイド40の溝42を経て、側面給油口37に遠い側の左側の方向転換路26a,26bに達する。
【0032】
従って、エンドキャップ本体30の左右の袖部31にそれぞれ設けられた方向転換路26a,26bに達した潤滑剤は、方向転換路26a,26bとともに転動体循環路を形成しているスライダ本体21の負荷転動路及び転動体戻し路に確実に供給され、レール側軌道面5及び転動体にも供給される。
【0033】
この際、反供給側潤滑剤供給路72の供給路長さは、供給側潤滑剤供給路71の供給路長さに比べて長いが、反供給側潤滑剤供給路72の横断面積は、供給側潤滑剤供給路71の横断面積に比べて側面給油口37から離れるにしたがって大きくなっている。
そこで、供給側潤滑剤供給路71から側面給油口37に近い側の右側の方向転換路26a,26bに供給される潤滑剤の供給量と、反供給側潤滑剤供給路72から側面給油口37に遠い側の左側の方向転換路26a,26bに供給される潤滑剤の供給量との差を無くし、均一に潤滑剤を供給することができる。
【0034】
従って、本第1実施形態に係るリニアガイド1によれば、側面給油口37から供給される潤滑剤の供給側の方向転換路26a,26bと反供給側の方向転換路26a,26bへの供給量の差をなくし、左右の転動体循環路を均一に潤滑することができる。
【0035】
なお、本第1実施形態に係るリニアガイド1によれば、供給側潤滑剤供給路71及び反供給側潤滑剤供給路72は、エンドキャップ本体30に凹設された油路ユニット嵌合部33に収容される油路ユニット50の凸条部51が、油路ユニット50との対向面に凹設された油路ユニット嵌合部33の嵌合溝39に嵌合して凸条部51の先端面と嵌合溝39の底面との間に隙間を形成することによって、油路ユニット50とエンドキャップ本体30との間に画成されている。
従って、凸条部51の突出高さが異なる複数の油路ユニット50を選択的に用いることで、使用状態に応じて最適な潤滑剤供給量を備えたリニアガイド1を提供することができる。
【0036】
図8図9に示すように、本発明の第2実施形態に係る油路ユニット50Aは、上記第1実施形態の油路ユニット50に代えて、エンドキャップ本体30に凹設された油路ユニット嵌合部33に収容されることで、リニアガイド1を構成するものである。なお、上記第1実施形態の油路ユニット50と同様の油路ユニット50Aの構成部分については、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
油路ユニット50Aの当接面50bに突設された凸条部51は、図8に示すように、油路ユニット50Aの幅方向に延びる水平凸条部51aと、水平凸条部51aの両端に直交して上下方向へ延びる一対の垂直凸条部51b,51cと、を有する。
【0038】
これら水平凸条部51a及び垂直凸条部51b,51cは、油路ユニット嵌合部33の水平嵌合溝39a及び垂直嵌合溝39b,39cにそれぞれ嵌合される。
本第2実施形態に係る凸条部51の突出高さは、油路ユニット嵌合部33の嵌合溝39の溝深さと同じくされている。そこで、凸条部51の先端面と嵌合溝39の底面との間には隙間を形成することができず、嵌合溝39は凸条部51によって塞がれた状態となる。
【0039】
油路ユニット50Aの対向面50aには、図8の(b)及び図9の(a)に示すように、供給溝57が凹設されている。供給溝57は、油路ユニット50Aの幅方向に延びる水平供給溝57aと、水平供給溝57aの両端に直交して上下方向へ延びる一対の垂直供給溝57b,57cと、を有する。
更に、油路ユニット50Aには、側面給油口37と供給溝57を連通するための連通穴54が設けられている。連通穴54は、垂直供給溝57b,57cの上端部と、垂直凸条部51b,51cの上端部近傍と、をそれぞれ貫通して形成されている。
【0040】
そして、油路ユニット嵌合部33に油路ユニット50Aが嵌合されたエンドキャップ本体30は、スライダ本体21の前後方向の端部に装着される。油路ユニット50Aは、対向面50aがスライダ本体21の前後方向の端面21aに当接して位置決めされる。
そこで、油路ユニット嵌合部33に嵌合された油路ユニット50Aは、図9の(b)に示すように、エンドキャップ本体30がスライダ本体21の前後方向の端部に装着されることで、油路ユニット50Aの対向面50aとスライダ本体21の端面21aとの間には、供給側潤滑剤供給路81及び反供給側潤滑剤供給路82が画成される。
【0041】
供給側潤滑剤供給路81は、側面給油口37に連通する右側の連通穴54と、エンドキャップ本体30の右側の垂直供給溝57bとにより画成されている。供給側潤滑剤供給路81は、右側の側面給油口37に近い側の方向転換路26a,26bと側面給油口37とを連通する。
【0042】
反供給側潤滑剤供給路82は、エンドキャップ本体30の左側の垂直供給溝57cと、水平供給溝57aとにより画成されている。反供給側潤滑剤供給路82は、右側の側面給油口37に遠い側の方向転換路26a,26bと側面給油口37とを連通する。即ち、反供給側潤滑剤供給路82は、供給側潤滑剤供給路81から分岐して形成されている。水平供給溝57aの分岐部分よりも下方の垂直供給溝57bは、垂直供給溝57cよりも溝幅が狭く形成されている。
【0043】
更に、反供給側潤滑剤供給路82を画成する油路ユニット50Aの水平供給溝57aは、図9の(b)に示したように、油路ユニット50Aの右側から左側に向かって次第に溝深さが深くなるように溝底面がテーパ状に形成されている。そこで、油路ユニット50Aとスライダ本体21との間に画成される反供給側潤滑剤供給路82は、側面給油口37から離れるにしたがって横断面積が大きくなっている。
【0044】
従って、エンドキャップ本体30の右側の側面給油口37から供給された潤滑剤は、供給側潤滑剤供給路81と反供給側潤滑剤供給路82に分割して供給される。
供給側潤滑剤供給路81に供給された潤滑剤は、エンドキャップ本体30の給油溝38及びリターンガイド40の溝42を経て、側面給油口37に近い側の右側の方向転換路26a,26bに達する。
また、反供給側潤滑剤供給路82に供給された潤滑剤は、エンドキャップ本体30の給油溝38及びリターンガイド40の溝42を経て、側面給油口37に遠い側の左側の方向転換路26a,26bに達する。
【0045】
従って、エンドキャップ本体30の左右の袖部31にそれぞれ設けられた方向転換路26a,26bに達した潤滑剤は、方向転換路26a,26bとともに転動体循環路を形成しているスライダ本体21の負荷転動路及び転動体戻し路に確実に供給され、レール側軌道面5及び転動体にも供給される。
【0046】
この際、反供給側潤滑剤供給路82の供給路長さは、供給側潤滑剤供給路81の供給路長さに比べて長いが、反供給側潤滑剤供給路82の横断面積は、供給側潤滑剤供給路81の横断面積に比べて側面給油口37から離れるにしたがって大きくなっている。
そこで、供給側潤滑剤供給路81から側面給油口37に近い側の右側の方向転換路26a,26bに供給される潤滑剤の供給量と、反供給側潤滑剤供給路82から側面給油口37に遠い側の左側の方向転換路26a,26bに供給される潤滑剤の供給量との差を無くし、均一に潤滑剤を供給することができる。
【0047】
従って、本第2実施形態に係るリニアガイド1によれば、側面給油口37から供給される潤滑剤の供給側の方向転換路26a,26bと反供給側の方向転換路26a,26bへの供給量の差をなくし、左右の転動体循環路を均一に潤滑することができる。
【0048】
なお、本第2実施形態に係るリニアガイド1によれば、エンドキャップ本体30の嵌合溝39が、油路ユニット50Aの凸条部51の先端面が嵌合溝39の底面に当接するように形成された凸条部51によって塞がれ、供給側潤滑剤供給路81及び反供給側潤滑剤供給路82が、スライダ本体21に対向する油路ユニット50Aの対向面50aに形成された供給溝57と、側面給油口37と供給溝57を連通するため油路ユニット50Aに形成された連通穴54とによって、油路ユニット50Aとスライダ本体21との間に画成されている。
従って、供給溝57の溝深さが異なる複数の油路ユニット50Aを選択的に用いることで、使用状態に応じて最適な潤滑剤供給量を備えたリニアガイド1を提供することができる。
【0049】
図10の~図13に示すように、本発明の第3実施形態に係るエンドキャップ本体30Aは、上記第1及び第2実施形態の油路ユニット50,50Aを収容したエンドキャップ本体30に代えて、油路ユニット50Bを油路ユニット嵌合部33Aに収容することで、リニアガイド1を構成するものである。なお、上記第1実施形態のエンドキャップ本体30と同様のエンドキャップ本体30Aの構成部分については、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
図10に示すようにエンドキャップ本体30Aの水平部32には、スライダ本体21の前後方向の端面21aに対向する当接面32a側に、油路ユニット50Bを組み込むための油路ユニット嵌合部33Aが凹設されている。
油路ユニット嵌合部33Aは、嵌合される油路ユニット50Bの外周部を覆う内周壁35と、油路ユニット50Bの軸方向の端面を覆う底壁36とによって形成されている。底壁36には、複数の取付ねじ挿通孔34が貫通形成され、取付ねじ挿通孔34に挿通された取付ねじ34Aにより、エンドキャップ本体30Aがサイドシール60とともにスライダ本体21の前後方向の端面21aに締結される。
【0051】
内周壁35の左右両側には、油路ユニット嵌合部33Aに潤滑油等の潤滑剤を導入する側面給油口37が貫通形成されている。側面給油口37は、リニアガイド1の給油姿勢に応じて左右いずれかの側面給油口37が使用されるが、本第3実施形態では、図10に示す右側の側面給油口37が使用され、左側の側面給油口37は封止プラグ等により封止されるものとして説明する。
【0052】
油路ユニット50Bは、図11に示すように、例えば、合成樹脂材の射出成形品であって、油路ユニット嵌合部33Aに対応した略直方体状に形成されている。油路ユニット50Bは、油路ユニット嵌合部33Aの軸方向の深さと略同じ軸方向の厚み寸法とされている。なお、油路ユニット50Bの軸方向の厚み寸法とは、スライダ本体21に対向する対向面50aと、エンドキャップ本体30Aの底壁36に当接する当接面50bとの間隔である。
【0053】
油路ユニット50Bの当接面(対向面)50bには、図11に示すように、供給溝61が凹設されている。供給溝61は、油路ユニット50Bの幅方向に延びる水平供給溝61aと、水平供給溝61aの両端に直交して上下方向へ延びる一対の垂直供給溝61b,61cと、を有する。
そこで、図12及び図13に示すように、油路ユニット50Bが油路ユニット嵌合部33Aに嵌合されることで、油路ユニット50Bの当接面50bに凹設された供給溝61とエンドキャップ本体30Aの底壁36との間には、供給側潤滑剤供給路91及び反供給側潤滑剤供給路92が画成される。
【0054】
供給側潤滑剤供給路91は、図12に示すように、側面給油口37に連通するエンドキャップ本体30Aの右側の垂直供給溝61bにより画成されている。供給側潤滑剤供給路91は、右側の側面給油口37に近い側の方向転換路26a,26bと側面給油口37とを連通する。
【0055】
反供給側潤滑剤供給路92は、エンドキャップ本体30Aの左側の垂直供給溝61cと、水平供給溝61aとにより画成されている。反供給側潤滑剤供給路92は、右側の側面給油口37に遠い側の方向転換路26a,26bと側面給油口37とを連通する。即ち、反供給側潤滑剤供給路92は、供給側潤滑剤供給路91から分岐して形成されている。水平供給溝61aの分岐部分よりも下方の垂直供給溝61bは、垂直供給溝61cよりも溝幅が狭く形成されている。
【0056】
更に、反供給側潤滑剤供給路92を画成する油路ユニット50Bの水平供給溝61aは、図13に示すように、油路ユニット50Bの右側から左側に向かって次第に溝深さが深くなるように溝底面がテーパ状に形成されている(図11の(b)参照)。そこで、油路ユニット50Bとエンドキャップ本体30Aとの間に画成される反供給側潤滑剤供給路92は、側面給油口37から離れるにしたがって横断面積が大きくなっている。
【0057】
従って、エンドキャップ本体30Aの右側の側面給油口37から供給された潤滑剤は、供給側潤滑剤供給路91と反供給側潤滑剤供給路92に分割して供給される。
供給側潤滑剤供給路91に供給された潤滑剤は、エンドキャップ本体30Aの給油溝38及びリターンガイド40の溝42を経て、側面給油口37に近い側の右側の方向転換路26a,26bに達する。
また、反供給側潤滑剤供給路92に供給された潤滑剤は、エンドキャップ本体30Aの給油溝38及びリターンガイド40の溝42を経て、側面給油口37に遠い側の左側の方向転換路26a,26bに達する。
【0058】
従って、エンドキャップ本体30Aの左右の袖部31にそれぞれ設けられた方向転換路26a,26bに達した潤滑剤は、方向転換路26a,26bとともに転動体循環路を形成しているスライダ本体21の負荷転動路及び転動体戻し路に確実に供給され、レール側軌道面5及び転動体にも供給される。
【0059】
この際、反供給側潤滑剤供給路92の供給路長さは、供給側潤滑剤供給路91の供給路長さに比べて長いが、反供給側潤滑剤供給路92の横断面積は、供給側潤滑剤供給路91の横断面積に比べて側面給油口37から離れるにしたがって大きくなっている。
そこで、供給側潤滑剤供給路91から側面給油口37に近い側の右側の方向転換路26a,26bに供給される潤滑剤の供給量と、反供給側潤滑剤供給路92から側面給油口37に遠い側の左側の方向転換路26a,26bに供給される潤滑剤の供給量との差を無くし、均一に潤滑剤を供給することができる。
【0060】
従って、本第3実施形態に係るリニアガイド1によれば、側面給油口37から供給される潤滑剤の供給側の方向転換路26a,26bと反供給側の方向転換路26a,26bへの供給量の差をなくし、左右の転動体循環路を均一に潤滑することができる。
【0061】
なお、本第3実施形態に係るリニアガイド1によれば、供給側潤滑剤供給路91及び反供給側潤滑剤供給路92は、エンドキャップ本体30Aに対向する油路ユニット50Bの当接面50bに凹設された供給溝61とエンドキャップ本体30Aに凹設されて油路ユニット50Bを収容する油路ユニット嵌合部33Aとの間に画成されている。
従って、供給溝61の溝深さが異なる複数の油路ユニット50Bを選択的に用いることで、使用状態に応じて最適な潤滑剤供給量を備えたリニアガイド1を提供することができる。
【0062】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記第3実施形態の油路ユニット50Bは、水平供給溝61aの溝深さが油路ユニット50Bの右側から左側に向かって次第に深くなるように溝底面がテーパ状に形成されることで、反供給側潤滑剤供給路92が側面給油口37から離れるにしたがって横断面積が大きくなるように構成されている。これに対し、水平供給溝61aの溝幅が油路ユニット50Bの右側から左側に向かって次第に広くなるように形成されることで、反供給側潤滑剤供給路92が側面給油口37から離れるにしたがって横断面積が大きくなるように構成することもできる。
また、リニアガイドの転動体としては、円筒ころの代わりにボールを使用してもよい。
【0063】
ここで、上述した本発明に係るリニアガイドの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 案内レール(3)と、前記案内レール(3)を跨ぐようにスライド自在に係合するスライダ(20)と、前記スライダ(20)におけるスライダ本体(21)の軸方向の端部に取り付けられるエンドキャップ(70,70)と、を備えるリニアガイド(1)であって、
前記エンドキャップ(70,70)は、外周面に形成された側面給油口(37)と両袖部(31)に形成された一対の方向転換路(26a,26b)とを有するエンドキャップ本体(30)と、前記スライダ本体(21)に対向する前記エンドキャップ本体(30)の対向面(当接面32a)に配設された油路ユニット(50,50A,50B)とを有し、
前記油路ユニット(50,50A,50B)は、前記側面給油口(37)に近い側の前記方向転換路(26a,26b)と前記側面給油口(37)とを連通するための供給側潤滑剤供給路(71,81,91)と、前記側面給油口(37)に遠い側の前記方向転換路(26a,26b)と前記側面給油口(37)とを連通するための反供給側潤滑剤供給路(72,82,92)と、を画成しており、
前記反供給側潤滑剤供給路(72,82,92)は、前記側面給油口(37)から離れるにしたがって横断面積が大きく構成されている、
ことを特徴とするリニアガイド(1)。
【0064】
上記[1]の構成によれば、反供給側潤滑剤供給路(72,82,92)の供給路長さは、供給側潤滑剤供給路(71,81,91)の供給路長さに比べて長いが、反供給側潤滑剤供給路(72,82,92)の横断面積は、供給側潤滑剤供給路(71,81,91)の横断面積に比べて側面給油口(37)から離れるにしたがって大きくなっている。
そこで、供給側潤滑剤供給路(71,81,91)から側面給油口(37)に近い側の方向転換路(26a,26b)に供給される潤滑剤の供給量と、反供給側潤滑剤供給路(72,82,92)から側面給油口(37)に遠い側の方向転換路(26a,26b)に供給される潤滑剤の供給量との差を無くし、均一に潤滑剤を供給することができる。
従って、本構成のリニアガイド(1)によれば、側面給油口(37)から供給される潤滑剤の供給側の方向転換路(26a,26b)と反供給側の方向転換路(26a,26b)への供給量の差をなくし、左右の転動体循環路を均一に潤滑することができる。
【0065】
[2] 前記供給側潤滑剤供給路(71)及び前記反供給側潤滑剤供給路(72)は、
前記エンドキャップ本体(30)に凹設された油路ユニット嵌合部(33)に収容される前記油路ユニット(50)の凸条部(51)が、前記油路ユニット(50)との対向面に凹設された前記油路ユニット嵌合部(33)の嵌合溝(39)に嵌合して前記凸条部(51)の先端面と前記嵌合溝(39)の底面との間に隙間を形成することによって、前記油路ユニット(50)と前記エンドキャップ本体(30)との間に画成される、
ことを特徴とする上記[1]に記載のリニアガイド(1)。
【0066】
上記[2]の構成によれば、凸条部(51)の突出高さが異なる複数の油路ユニット(50)を選択的に用いることで、使用状態に応じて最適な潤滑剤供給量を備えたリニアガイド(1)を提供することができる。
【0067】
[3] 前記嵌合溝(39)が、前記凸条部(51)の先端面が前記嵌合溝(39)の底面に当接するように形成された前記凸条部(51)によって塞がれ、
前記供給側潤滑剤供給路(81)及び前記反供給側潤滑剤供給路(82)が、前記スライダ本体(21)に対向する前記油路ユニット(50A)の対向面(50a)に形成された供給溝(57)と、前記側面給油口(37)と前記供給溝(57)を連通するため前記油路ユニット(50A)に形成された連通穴(54)とによって、前記油路ユニット(50A)と前記スライダ本体(21)との間に画成される、
ことを特徴とする上記[2]に記載のリニアガイド(1)。
【0068】
上記[3]の構成によれば、供給溝(57)の溝深さが異なる複数の油路ユニット(50A)を選択的に用いることで、使用状態に応じて最適な潤滑剤供給量を備えたリニアガイド(1)を提供することができる。
【0069】
[4] 前記供給側潤滑剤供給路(91)及び前記反供給側潤滑剤供給路(92)は、
前記エンドキャップ本体(30A)に対向する前記油路ユニット(50B)の対向面(50a)に凹設された供給溝(61)と前記エンドキャップ本体(30A)に凹設されて前記油路ユニット(50B)を収容する油路ユニット嵌合部(33A)との間に画成される、
ことを特徴とする上記[1]に記載のリニアガイド(1)。
【符号の説明】
【0070】
1 リニアガイド
3 案内レール
20 スライダ
21 スライダ本体
26a,26b 方向転換路
30 エンドキャップ本体
31 袖部
32a 当接面(対向面)
37 側面給油口
50 油路ユニット
70 エンドキャップ
71 供給側潤滑剤供給路
72 反供給側潤滑剤供給路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13