(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119334
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】取出移送装置及び取出移送方法
(51)【国際特許分類】
B65G 47/88 20060101AFI20240827BHJP
B22D 29/04 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B65G47/88 G
B22D29/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026154
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000154901
【氏名又は名称】株式会社北川鉄工所
(72)【発明者】
【氏名】三浦 健志
【テーマコード(参考)】
3F017
【Fターム(参考)】
3F017CA03
3F017CA06
3F017CC06
3F017CD02
3F017DA42
(57)【要約】
【課題】砂型アッシィが規定位置に正確に搬送されていなくても、確実に鋳造物を取り出して、それを移送可能な取出移送装置及び取出移送方法を提供する。
【解決手段】一の位置に搬送された砂型アッシィから鋳造物を取り出し、他の位置に当該鋳造物を移送する取出移送装置であって、フレームと、移送機構と、スライダと、を備え、フレームは、ラーメン構造を構成する略直方体形状からなり、移送機構は、フレーム内で鋳造物を移送可能に支持され、鋳造物検知手段と、係合手段と、を備え、鋳造物検知手段は、鋳造物に接触すると信号を出力可能に構成され、係合手段は、一の位置で鋳造物と係合可能に、且つ移送された他の位置でその係合状態を解除可能に構成され、スライダは、フレームに支持され、左右一対が前後に延在し、スライダ上部を鋳造物が摺動可能に構成される、取出移送装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の位置に搬送された砂型アッシィから鋳造物を取り出し、他の位置に当該鋳造物を移送する取出移送装置であって、
フレームと、移送機構と、スライダと、を備え、
前記フレームは、ラーメン構造を構成する略直方体形状からなり、
前記移送機構は、
前記フレーム内で前記鋳造物を移送可能に支持され、
鋳造物検知手段と、係合手段と、を備え、
前記鋳造物検知手段は、鋳造物に接触すると信号を出力可能に構成され、
前記係合手段は、一の位置で鋳造物と係合可能に、且つ移送された他の位置でその係合状態を解除可能に構成され、
前記スライダは、
前記フレームに支持され、左右一対が前後に延在し、
当該スライダ上部を鋳造物が摺動可能に構成される、
取出移送装置。
【請求項2】
請求項1の取出移送装置であって、
前記鋳造物検知手段は、鋳造物接触レバーと、第1リミットスイッチと、を備え、
鋳造物接触レバーは、
鋳造物に接触すると鋳造物接触レバーの支点を中心に回転可能に構成され、
第1リミットスイッチは、
鋳造物接触レバーの接触による回転によって信号が出力可能に構成される、
取出移送装置。
【請求項3】
請求項1の取出移送装置であって、
前記係合手段は、鋳造物と係合する係合爪と、それを駆動するシリンダと、を備え、
前記係合爪は、左右一対からなり、当該係合爪の支点を中心に回転可能に構成され、
前記シリンダは、前記信号によって駆動可能に構成され、
前記シリンダの駆動によって、係合爪が回転し、鋳造物に係合し、
前記シリンダの駆動解除によって、鋳造物との係合を解除するように構成される、
取出移送装置。
【請求項4】
請求項1の取出移送装置であって、
前記移送機構は、砂型検知手段と、砂砕手段と、を更に備え、
前記砂型検知手段は、
砂型に接触すると信号を出力可能に構成され、
砂型接触ローラと、第2リミットスイッチと、を備え、
砂型接触ローラは、搬送された砂型アッシィの前面の砂型と接触可能に構成され、
第2リミットスイッチは、砂型接触ローラの接触によって信号が出力可能に構成さ
れ、
前記砂砕手段は、
前記信号によって、前記砂型を落下可能に構成され、
前記砂型を砕き落とす砂砕き棒と、それを駆動するシリンダと、を備える、
取出移送装置。
【請求項5】
請求項1の取出移送装置であって、
前記一対のスライダ間における後方の隙間は、
後方に行くにつれて末広がり状態に構成される、
取出移送装置。
【請求項6】
請求項5の取出移送装置であって、
前記一対のスライダは、対向部位に各々替刃が取り付けられ、当該替刃上部を鋳造物が摺動可能に構成される、
取出移送装置。
【請求項7】
一の位置に搬送された砂型アッシィから鋳造物を取り出し、他の位置に当該鋳造物を移送する取出移送方法であって、
一の位置に搬送された砂型アッシィは、スライダの後方と吊掛ける吊掛工程と、
鋳造物接触レバーが鋳造物と接触する鋳造物接触工程と、
前記鋳造物接触によって第1リミットスイッチが信号を出力する第1信号出力工程と、
係合爪が鋳造物と係合する係合工程と、
係合状態で他の位置に移送機構が鋳造物を移送する移送工程と、
係合爪が係合を解除し、移送機構が原点復帰する復帰工程と、
以降、上記工程が繰り返される、
取出移送方法。
【請求項8】
請求項7の取出移送方法であって、
吊掛工程と鋳造物接触工程との間で、砂型接触ローラが砂型アッシィの前面と接触する砂型接触工程と、
前記砂型接触によって第2リミットスイッチが信号を出力する第2信号出力工程と、
第2信号出力によって砂砕き棒が鋳造物の前面の砂型を除去する砂型除去工程と、
をさらに備える、
取出移送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送された砂型アッシィ(砂で作られた砂型とその内部で鋳造された鋳造物が組み合わさった構成部品をいう)から鋳造物のみを取り出して、次工程に移送する鋳造物の取出移送装置及び取出移送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送された砂型アッシィから鋳造物のみを取り出して、次工程に鋳造物を搬送する取出搬送装置が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1には、砂型を使用して鋳造物を鋳造した後に前記鋳造物を砂型から取り出す鋳造物の取り出し装置において、砂型を搬送するベルトコンベアと、該ベルトコンベア上の砂型から鋳造物を取り出してハンガーへ移動させるアーム部を有し、前記アーム部が鋳造物を吊り下げるフックを備え、前記アーム部がフックに吊り下げた鋳造物をハンガーへ移動させる際にアーム部とハンガーの相対的に位置を一致させる位置合わせ手段を備えることを特徴とする鋳造物の取り出し装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、搬送されてくる砂型アッシィは、搬送時の蛇行走行等によって、規定位置に搬送されない恐れがある。また、複数の砂型アッシィは、互いに押されながら連なって搬送されるが、その過程で砂型が崩れ、規定位置に搬送されない恐れがある。それらによって、フックが係合部に係合しない恐れがある。また、高温で粉塵の多い環境に設置されるため、センサの誤動作により、停止する恐れもある。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、砂型アッシィが規定位置に正確に搬送されていなくても、確実に鋳造物を取り出して、それを移送可能な取出移送装置及び取出移送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様によれば、一の位置に搬送された砂型アッシィから鋳造物を取り出し、他の位置に当該鋳造物を移送する取出移送装置であって、フレームと、移送機構と、スライダと、を備え、前記フレームは、ラーメン構造を構成する略直方体形状からなり、 前記移送機構は、前記フレーム内で前記鋳造物を移送可能に支持され、鋳造物検知手段と、係合手段と、を備え、前記鋳造物検知手段は、鋳造物に接触すると信号を出力可能に構成され、前記係合手段は、一の位置で鋳造物と係合可能に、且つ移送された他の位置でその係合状態を解除可能に構成され、前記スライダは、前記フレームに支持され、左右一対が前後に延在し、当該スライダ上部を鋳造物が摺動可能に構成される、取出移送装置。
【0007】
本発明の別の態様によれば、一の位置に搬送された砂型アッシィから鋳造物を取り出し、他の位置に当該鋳造物を移送する取出移送方法であって、一の位置に搬送された砂型アッシィは、スライダの後方と吊掛ける吊掛工程と、鋳造物接触レバーが鋳造物と接触する鋳造物接触工程と、前記鋳造物接触によって第1リミットスイッチが信号を出力する第1信号出力工程と、係合爪が鋳造物と係合する係合工程と、係合状態で他の位置に移送機構が鋳造物を移送する移送工程と、係合爪が係合を解除し、移送機構が原点復帰する復帰工程と、以降、上記工程が繰り返される、取出移送方法。
【0008】
係る態様によれば、砂型アッシィが規定位置に正確に搬送されていなくても、確実に鋳造物を取り出して、それを移送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る取出移送装置の構成概要を示す図である。
【
図2】
図1の矢視A図であり、スライダと鋳造物の係合関係を示す模式図である。
【
図3】
図1の矢視B図であり、鋳造物の移送関係を示す模式図である。
【
図4】本発明に係る砂型アッシィから鋳造物を取り出し、移送する動作図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
1.全体構成
取出移送装置1の全体構成について説明する。
図1は、本発明に係る取出移送装置1の構成概要を示す図である。以下、
図1を正面視した場合の左を前、右を後、天を上、地を下、手前を左、奥を右と、それぞれ定義し、前後左右上下方向、前後左右上下側などと表現する。
【0012】
取出移送装置1は、主に、フレーム4と、移送機構2と、スライダ3と、を備え、一の位置に搬送された砂型アッシィASから鋳造物tを取り出し、他の位置に当該鋳造物tを移送するものである。ここで、砂型アッシィASとは、砂型s(砂ともいう)とその内部で鋳造された鋳造物tのことをいう。
【0013】
1-1.フレーム
フレーム4は、ラーメン構造を構成する略直方体形状からなり、地面に固定される。
【0014】
1-2.移送機構
移送機構2は、フレーム4内で鋳造物tを移送可能に支持され、鋳造物検知手段7と、係合手段8と、を備えている。
具体的にいうと、移送機構2は、フレーム4に固定されたガイド軸5に沿ってモーター6により前後方向に動く構造となっており、鋳造物検知手段7によって、検知された鋳造物tを係合手段8で係合し、それを移送可能な構造となっている。
また、移送機構2は、好ましくは、砂型検知手段9と、砂砕手段10と、更に備える。これによって、鋳造物の前面に砂型s(砂)が残っていたとしても、砂型sを除去することで確実に、鋳造物tを鋳造物検知手段7で検知することができる。
【0015】
(鋳造物検知手段)
鋳造物検知手段7は、鋳造物tに接触すると信号を出力可能に構成され、鋳造物接触レバー7aと、第1リミットスイッチ7bと、を備える。
鋳造物接触レバー7aは、鋳造物tに接触すると鋳造物接触レバー7aの支点を中心に回転可能に構成され、接触が解除されると元の位置に戻るように構成される。
第1リミットスイッチ7bは、鋳造物接触レバー7aの回転によって信号が出力可能に構成され、接触中は、常時信号が出力されている状態である。
【0016】
(係合手段)
係合手段8は、一の位置で鋳造物tと係合可能に、且つ鋳造物tが移送された他の位置で鋳造物tとの係合状態を解除可能に構成される。この移送中に砂型sは自重落下する。
係合手段8は、鋳造物tと係合する係合爪8aと、それを駆動するシリンダ8bと、を備える。
係合爪8aは、左右一対からなり、当該係合爪8aの支点を中心に回転可能に構成される。
シリンダ8bは、第1リミットスイッチ7bからの信号によって駆動可能に構成される。
すなわち、係合爪8aは、シリンダ8bの駆動によって、支点を中心に回転して鋳造物tに係合し、その状態でモーター6によって前方に移動することで、鋳造物tを前方に移送し、他の位置でモーター6が停止した後、シリンダ8bの駆動解除によって、支点を中心に元の位置に復帰して鋳造物tとの係合を解除するように構成される。
【0017】
好ましくは、移送機構2は、砂型検知手段と、砂砕手段と、を更に備える。
【0018】
(砂型検知手段)
砂型検知手段9は、砂型sに接触すると信号を出力可能に構成され、砂型接触ローラ9aと、第2リミットスイッチ9bと、を備える。
砂型接触ローラ9aは、搬送された砂型アッシィASの前面の砂型に接触すると砂型接触ローラ9aの支点を中心に回転可能に構成され、接触が解除されると元の位置に戻るように構成される。
第2リミットスイッチ9bは、砂型接触ローラ9aの回転によって信号が出力可能に構成され、接触中は、常時信号が出力されている状態である。
【0019】
(砂砕手段)
砂砕手段10は、第2リミットスイッチ9bからの信号によって、砂型アッシィASの前面の砂型sを落下可能に構成される。
砂砕手段10は、砂型sを砕き落とす砂砕き棒10aと、それを駆動するシリンダ10bと、を備える。
砂砕き棒10aは、上下方向に移動可能に構成され、砂型sに接触する側の先端は先細り形状となっている。好ましくは、複数の棒で構成されるのが良い。
シリンダ10bは、第2リミットスイッチ9bからの信号によって移送機構2が所定量後退した後に駆動可能に構成される。
すなわち、砂砕き棒10aは、シリンダ10bの駆動によって、上下方向に移動し、それによって、砂型アッシィASの前面の砂型sを砕くように構成される。
これによって、搬送された砂型アッシィASの前面に砂型sが残っていたとしても、鋳造物tの前面に付着したままの砂型s(砂)を除去することで、鋳造物検知手段7で鋳造物tを確実に検知することができる。
【0020】
1-3.スライダ
以下、
図2及び
図3を用いて、スライダ3について説明する。
図2は、
図1の矢視A図であり、スライダ3と鋳造物tの係合関係を示す模式図である。
図3は、
図1の矢視B図であり、鋳造物tの移送関係を示す模式図である。
スライダ3は、フレーム4に固定され、スライダ3の後方は所定位置まで搬送された砂型アッシィASを刺し崩す位置まで延在し、スライダ3の前方は鋳造物tを他の位置まで移送可能な位置まで延在している。これによって、搬送されてきた鋳造物tは落下することなく、スライダ3の後方で必ず掛かることができる。また、掛かった鋳造物tをスライダ3に沿って前方まで移送することができる。
図2に示すように、スライダ3は、L字状の左右対称の一対の部材で構成される。スライダ3は、固定部3aとガイド部3bなどで構成される。
固定部3aは、上下方向に延在し、一端側(上方)がフレーム4に固定される。
ガイド部3bは、固定部3aの他端側(下方)から連なって所定の角度αを有して延在される。好ましくは、L字状の角度αは90°<角度α<135°である。
また、スライダ3(ガイド部3b)は、好ましくは、取り替え可能な替刃3cを備える。これによって、鋳造物との摺動部及び砂を刺し崩す先端箇所が摩耗しても、替刃3cのみの交換ですみ、メンテナンス性が高まる。
図3に示すように、スライダ3は、中心線Jを挟んで左右一対で構成され、スライダ間における後方の隙間が、後方に行くにつれて末広がり状態に構成される。
換言すると、一対のスライダ3は、後方にいくにつれて中心線Jから離れていくように構成されている。これによって、砂型アッシィASとスライダ3との相対的距離が短くなるにつれて、砂型アッシィASの中央にむかって入っていくことで、砂型アッシィASの砂型s(砂)を落としやすくすることができる。また、この構造によって、砂型アッシィASを中央に誘導可能となり、砂型アッシィASがズレて搬送されてきたとしても、吸収することができ、スライダで移送中に規定位置にすることができる。
【0021】
2.鋳造物の取出移送方法
次に、
図4を用いて、一の位置に搬送されてきた砂型アッシィASから鋳造物tを取り出して、他の位置に移送する方法について説明する。
図4は、本発明に係る砂型アッシィASから鋳造物tを取り出し、移送する動作図である。以下、移送機構2は、砂型検知手段と、砂砕手段と、を備えた構成で説明するが、砂型アッシィASによっては、砂型検知手段と砂砕手段とを除した構成でも構わない。
【0022】
[開始]
(ステップS1)
まず、
図4(a)に示すように、コンベア等で砂型アッシィASが所定位置に搬送される。この搬送過程において、固定されたスライダ3に砂型アッシィASが徐々に突き刺ささっていき、スライダ3の先端が鋳造物tと係合した状態となる。このとき、移送機構2は所定の位置(原点)で待機状態である。
【0023】
(ステップS2)
続いて、
図4(b)に示すように、外部からの指令によって、砂型アッシィASを一の位置に前進させる。同時に外部からの指令によって、移送機構2が後退し、砂型検知手段9によって、砂型sを検知する。
具体的には、砂型接触ローラ9aが砂型sの前面に接触することで、第2リミットスイッチ9bが砂型sを検知し、その信号を出力するようになっている。
なお、砂型アッシィASの前進と移送機構2の後退のタイミングは、特に限定せず、砂型アッシィASが前進完了後、移送機構2を後退させても良い。
【0024】
(ステップS3)
続いて、
図4(c)に示すように、ステップS2で砂型sを検知すると、移送機構2がさらに所定量後退し、後退完了後、砂砕手段10を駆動させて、鋳造物tの前面の砂型s(砂)を砕き落とす。
具体的には、移送機構2が後退完了後、砂砕き棒10aを、シリンダ10bの駆動によって、上下方向に移動させ、それによって、鋳造物tの前面の砂型s(砂)を砕きながら落下させるようになっている。
なお、このとき、砂型接触ローラ9aは砂型アッシィASの前面から上部に避難しつつ、上部と接触している状態である。つまり、第2リミットスイッチ9bが常時信号を出力している状態である。
【0025】
(ステップS4)
続いて、
図4(d)に示すように、鋳造物tの前面の砂を除去後、砂砕き棒10aを元の位置に戻す(駆動オフ)。その後、移送機構2は、鋳造物検知手段7が鋳造物tを検知するまで後退するようになっている。
具体的には、、鋳造物接触レバー7aが鋳造物tの前面に接触することで、第1リミットスイッチ7bが鋳造物tを検知し、その信号を出力するようになっている。
【0026】
(ステップS5)
続いて、
図4(e)に示すように、ステップS4で鋳造物tを検知すると、移送機構2がさらに所定量後退し、後退完了後、係合手段8によって、鋳造物tと係合する。(ステップS4に続く)。
具体的には、係合爪8aを、シリンダ8bの駆動によって、係合爪8aの支点を中心に回転させ、それによって、砂型s(砂)を突き刺しながら鋳造物tの後部と係合する(引掛ける)ようになっている。
なお、このとき、鋳造物接触レバー7aは鋳造物tの前面から上部に避難しつつ、上部と接触している状態である。つまり、第1リミットスイッチ7bが常時信号を出力している状態である。
【0027】
(ステップS6)
続いて、
図4(f)に示すように、係合手段8によって鋳造物tと係合した状態で、移送機構2が前進することで、鋳造物tも一緒にスライダ3に沿って移送可能となり、鋳造物tは、スライダ3の前方の他の位置まで移送するようになっている。
[終了]
【0028】
続いて、図示しないが、係合状態を解除して、移送機構2はステップS1の原点に戻り、ステップS1~ステップS6を繰り返すこととなる。
【0029】
以上より、移送機構2は、接触式の検知手段を用いることで、非接触のセンサによる誤動作を抑制することができる。また、搬送された鋳造物t前面に砂型s(砂)が残っていたとしても、砂型sを除去することで確実に、鋳造物tを鋳造物検知手段7で検知することができる。また、砂型アッシィASが規定位置に正確に搬送されていなくても、スライダの末広がり構成により、移送時に姿勢を強制的に戻すことができる。
また、砂型アッシィASを強制的にスライダ3内に導き入れる構造としたことにより、砂型アッシィASの位置検出が不要となる。それによって、1工程を削減でき、短時間で失敗なく鋳造物tを取り出すことができる。
【0030】
最後に、本発明に係る実施形態及び変形例を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0031】
1…取出移送装置、2…移送機構、3…スライダ、4…フレーム、5…ガイド軸、6…モーター、7…鋳造物検知手段、7a…鋳造物接触レバー、7b…第1リミットスイッチ、8…係合手段、8a…係合爪、8b…シリンダ、9…砂型検知手段、9a…砂型接触ローラ、9b…第2リミットスイッチ、10…砂砕手段、10a…砂砕き棒、10b…シリンダ、AS…砂型アッシィ、s…砂型、t…鋳造物