(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119338
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】部品管理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240827BHJP
H05K 13/02 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
B65G1/137 E
H05K13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026159
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】岸 透
【テーマコード(参考)】
3F522
5E353
【Fターム(参考)】
3F522BB01
3F522BB19
3F522CC01
3F522GG03
3F522GG18
3F522GG47
3F522HH02
3F522HH13
3F522JJ10
3F522LL32
3F522LL55
3F522LL57
5E353CC04
5E353CC23
5E353CC25
5E353HH01
5E353HH25
5E353LL04
5E353LL07
5E353QQ01
5E353QQ30
(57)【要約】
【課題】部品収納棚から精度良く、かつ、容易に部品を取り出すことができるようにする。
【解決手段】複数の部品収納部を備え、作業領域が設定された複数の部品収納装置と、複数の作業者が保持する携帯端末Mbkと、管理サーバ21とから成る。第1の作業者P1が所望するすべての第1の部品が取り出されるまでの間に、第2の作業者P2が保持する携帯端末Mb2が所定の部品収納装置の作業領域内に位置する場合に、携帯端末Mb2の表示部33に第1の作業者が作業中である旨が表示される。第2の作業者P2が、第1の作業者P1が所望する部品を間違えて取り出してしまうことがない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)部品を収納するための複数の部品収納部を備え、部品を取り出すための取出面に作業領域が設定された複数の部品収納装置と、
(b)前記各部品収納部のうちの所定の部品収納部から部品を取り出す複数の作業者が保持する携帯端末と、
(c)前記各部品収納装置及び前記各携帯端末と通信網を介して接続された管理サーバとから成るとともに、
(d)前記各部品収納装置のうちの所定の部品収納装置において、第1の作業者が所望するすべての第1の部品が前記部品収納部から取り出されるまでの間に、第2の作業者が保持する携帯端末が前記所定の部品収納装置の作業領域内に位置する場合に、前記第2の作業者が保持する携帯端末の表示部に、前記第1の作業者が作業中である旨が表示されることを特徴とする部品管理システム。
【請求項2】
前記すべての第1の部品が前記部品収納部から取り出されたときに、前記第2の作業者が保持する携帯端末の表示部に、部品収納部から取り出すことが可能であることを表す部品の状態が表示される請求項1に記載の部品管理システム。
【請求項3】
前記すべての第1の部品が前記部品収納部から取り出された後、前記第2の作業者が所望する第2の部品が取り出されたときに、前記第2の作業者が保持する携帯端末の表示部に、部品収納部から既に取り出されていることを表す部品の状態が表示される請求項1に記載の部品管理システム。
【請求項4】
前記第2の作業者が保持する携帯端末が前記所定の部品収納装置の作業領域外に移動したときに、前記第2の作業者が保持する携帯端末の表示部に、部品収納装置の作業領域外にあることを表す部品の状態が表示される請求項1に記載の部品管理システム。
【請求項5】
前記部品収納装置から送信される位置検出用の信号が受信されたかどうかによって、第2の作業者が保持する携帯端末が部品収納装置の作業領域内に位置するかどうかが検出される請求項1に記載の部品管理システム。
【請求項6】
前記第2の作業者が保持する携帯端末の表示部に、前記第1の作業者が作業中である旨、及び第2の作業者による部品の取出しを優先するための操作部位が表示される請求項1に記載の部品管理システム。
【請求項7】
(a)前記各部品収納部は点灯又は消灯される表示要素を備え、
(b)前記第1の部品が取り出されたとき又は前記第1の作業者が保持する携帯端末が作業領域外に移動したときに、前記第2の作業者が所望する第2の部品を収納する部品収納部における前記表示要素が点灯する請求項1~6のいずれか1項に記載の部品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、IC、トランジスタ、ダイオード等のチップ部品をプリント基板に自動的に取り付ける自動装着機においては、複数のチップ部品を保持する部品であるリールがフィーダにセットされ、フィーダにおいてリールから繰り出されたテープがマウンタに送られ、マウンタにおいてテープから分離させられた各チップ部品が、プリント基板上に載置され、ボンダによってプリント基板に取り付けられるようになっている。
【0003】
前記チップ部品は、取り付けられるプリント基板、取り付けられる部位等によって異なるので、部品管理システムとしてのリール管理システムが提供され、リール管理システムにおいて、リールが、チップ部品ごとに形成され、部品収納棚としてのリール収納棚に収納され、自動装着機においてプリント基板に取り付けられるチップ部品が決まると、作業者によって、チップ部品を保持するリールがリール収納部棚の所定のリール収納部から取り出され、フィーダにセットされる。また、必要に応じて、リールがリール収納部に収納され、補充される。
【0004】
ところで、前記リール管理システムにおいては、リールの保管場所である、リール収納棚におけるリール収納部が作業者に知らされ、作業者が、リール収納部に対応する作業者識別情報をリール管理システムに入力すると、作業者識別情報に基づいて真正な作業者であるかどうかが判断され、真正な作業者である場合に、作業者はリール収納部からリールを取り出すことができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のリール管理システムにおいては、複数の作業者がリール収納棚に収納されたリールを取り出そうとした場合に、各作業者に同時にリール収納部が知らされると、間違えて他の作業者が必要としているリールを取り出してしまう恐れがある。
【0007】
また、作業者が、リール収納部に対応する作業者識別情報をリール管理システムに入力する必要があるので、リールを取り出すための作業が煩わしい。
【0008】
本発明は、前記従来の部品管理システムの問題点を解決して、部品収納棚から精度良く、かつ、容易に部品を取り出すことができるようにした部品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の部品管理システムは、部品を収納するための複数の部品収納部を備え、部品を取り出すための取出面に作業領域が設定された複数の部品収納装置と、前記各部品収納部のうちの所定の部品収納部から部品を取り出す複数の作業者が保持する携帯端末と、前記各部品収納装置及び前記各携帯端末と通信網を介して接続された管理サーバとから成る。
【0010】
そして、前記各部品収納装置のうちの所定の部品収納装置において、第1の作業者が所望するすべての第1の部品が前記部品収納部から取り出されるまでの間に、第2の作業者が保持する携帯端末が前記所定の部品収納装置の作業領域内に位置する場合に、前記第2の作業者が保持する携帯端末の表示部に、前記第1の作業者が作業中である旨が表示される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、部品管理システムは、部品を収納するための複数の部品収納部を備え、部品を取り出すための取出面に作業領域が設定された複数の部品収納装置と、前記各部品収納部のうちの所定の部品収納部から部品を取り出す複数の作業者が保持する携帯端末と、前記各部品収納装置及び前記各携帯端末と通信網を介して接続された管理サーバとから成る。
【0012】
そして、前記各部品収納装置のうちの所定の部品収納装置において、第1の作業者が所望するすべての第1の部品が前記部品収納部から取り出されるまでの間に、第2の作業者が保持する携帯端末が前記所定の部品収納装置の作業領域内に位置する場合に、前記第2の作業者が保持する携帯端末の表示部に、前記第1の作業者が作業中である旨が表示される。
【0013】
この場合、第1の作業者が所望するすべての第1の部品が前記部品収納部から取り出されるまでの間に、第2の作業者が保持する携帯端末が前記所定の部品収納装置の作業領域内に位置する場合に、前記第2の作業者が保持する携帯端末の表示部に、前記第1の作業者が作業中である旨が表示されるので、第2の作業者が、第1の作業者が所望する第1の部品を間違えて取り出してしまうことがない。
【0014】
また、第1、第2の作業者は、部品収納部に対応する作業者識別情報を部品管理システムに入力する必要がないので、第1の部品を取り出すための作業を簡素化することができる。
【0015】
したがって、第1、第2の作業者は、部品収納棚から精度良く、かつ、容易に部品を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施の形態におけるリール管理システムの制御ブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態におけるリール収納棚を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態におけるリール管理区域を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態におけるリール管理システムの概念図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における部品管理情報テーブルの例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における製品別部品情報テーブルの例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における取出部品情報の表示例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリール管理システムの動作を示す第1のフローチャートである。
【
図9】本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリール管理システムの動作を示す第2のフローチャートである。
【
図10】本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリールの状態を説明するための第1の図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリールの状態を説明するための第2の図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリールの状態を説明するための第3の図である。
【
図13】本発明の第2の実施の形態における第1、第2の携帯端末が作業領域内に位置する場合のリール管理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第2の実施の形態における第1の携帯端末の表示部に表示されるリールの状態を説明するための図である。
【
図15】本発明の第2の実施の形態における第2の携帯端末の表示部に表示されるリールの状態を説明するための図である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態における優先処理が行われる際の第1の携帯端末の表示部に表示されるリールの状態を説明するための図である。
【
図17】本発明の第2の実施の形態における優先処理が行われる際の第2の携帯端末の表示部に表示されるリールの状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、部品収納装置としてのリール収納棚、及び部品管理システムとしてのリール管理システムについて説明する。
【0018】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるリール収納棚を示す斜視図である。
【0019】
図において、Shi(i=1、2、…)は複数のリール収納棚、12は該リール収納棚Shiを移動自在に支持するキャスタである。
【0020】
前記リール収納棚Shiは、四角形の形状を有するフレームFrを備え、該フレームFrは、左右のサイドフレームSf1、Sf2、及び該各サイドフレームSf1、Sf2の上端間を連結するトップパネルTpから成る。前記フレームFr内には、サイドフレームSf1、Sf2の間に架設された複数の、例えば、6個の載置棚SL1~SL6が配設される。
【0021】
前記各載置棚SL1~SL6には、複数の部品収納部としてのリール収納部Cj(j=1、2、…)が形成され、該リール収納部Cjのうちの所定のリール収納部に部品としてのリールRが収納される。なお、各リールRには、例えば、複数のチップ部品が貼り付けられた紙テープ、複数の凹部にチップ部品がセットされて形成されたエンボステープ等のテープが巻装された状態で収容される。
【0022】
次に、複数のリール収納棚Shiが設置された部品管理区域としてのリール管理区域について説明する。
【0023】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるリール管理区域を示す図である。
【0024】
図において、Qは、工場等において、図示されない製造ラインに隣接させて形成され、リールRを管理するために設定されたリール管理区域であり、該リール管理区域Qに、前記各リール収納棚Shiが、図のX軸方向において所定の間隔を置いて互いに並列に、かつ、Y軸方向に延在させて配設され、各リール収納棚Shiの図示されない取出面に作業領域Ari(i=1、2(2-1、2-2)、…)が設定され、スマートフォン、タブレット端末(スマートデバイス)等の携帯端末Mbk(k=1、2、…)を保持する作業者Pk(k=1、2、…)が、所定の作業領域において、リールR(
図2)をリール収納部Cjに収納したり、リール収納部Cjから取り出したりする作業を行う。
【0025】
本実施の形態においては、リール収納棚Sh1の取出面である前面側に作業領域Ar1が、リール収納棚Sh2の第1の取出面である前面側に作業領域Ar2-1が、リール収納棚Sh2の第2の取出面である後面側に作業領域Ar2-2が、リール収納棚Sh3の第1の取出面である前面側に作業領域Ar3が設定される。
【0026】
次に、リール管理システムについて説明する。
【0027】
図4は本発明の第1の実施の形態におけるリール管理システムの概念図である。
【0028】
図において、Syはリール管理システム、Shiはリール収納棚、21は管理サーバ、Mbkは携帯端末、11は、リール収納棚Shiと管理サーバ21と携帯端末Mbkとを接続する第1の通信網としての無線又は有線のLAN、13は、リール収納棚Shiと携帯端末Mbkとを接続する第2の通信網としての、かつ、近距離無線通信網としてのBluetooth(登録商標)である。
【0029】
次に、リール管理システムSyの制御装置について説明する。
【0030】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるリール管理システムの制御ブロック図、
図5は本発明の第1の実施の形態における部品管理情報テーブルの例を示す図、
図6は本発明の第1の実施の形態における製品別部品情報テーブルの例を示す図である。
【0031】
前記管理サーバ21は、第1の制御部としてのサーバ制御部22、各種の情報が記録された記憶部23、各リール収納棚Shi及び各携帯端末Mbkとの間で各種の情報を送受信する通信部24等を備える。
【0032】
前記記憶部23には、作業者Pkの情報である作業者情報が記録されるほかに、部品管理情報テーブルTb1及び製品別部品情報テーブルTb2が記録される。そして、部品管理情報テーブルTb1に部品管理情報が、製品別部品情報テーブルTb2に製品別部品情報が記録される。
【0033】
前記部品管理情報は、前記リール収納棚Shi及びリール収納部Cjによって特定される保管場所、各保管場所が属する作業領域Ari、各保管場所に収納されるリールRの部品番号としてのリール番号、及び各リール収納部CjにおけるリールRの状態から成り、例えば、リール収納棚Sh1のリール収納部C1に、リール番号がRa-1であるリールRが収納されている場合の保管場所、作業領域、リール番号及び状態は、
図5に示されるように、「Sh1-C1」、「Ar1」、「Ra-1」、「待機中」になる。
【0034】
また、製品別部品情報は、製造ラインで製造される製品、及び製品を製造するのに必要なチップ部品を保持するリールRのリール番号から成り、例えば、製品W1を製造するのに必要なチップ部品が、リール番号がRa-1であるリールRによって保持されている場合の製品及びリール番号は、
図6に示されるように、「W1」、「Ra-1」になる。
【0035】
前述されたように、前記リール収納棚Shiには、複数のリール収納部Cjが形成され、該各リール収納部Cjに一つのリールR(
図2)が収納される。
【0036】
各リール収納部Cjの所定の箇所には、表示要素としてのLEDランプDdj(j=1、2、…)が配設され、点灯又は消灯させられる。
【0037】
また、各リール収納部Cjには、リールRがリール収納部Cjに収納されたか、リール収納部Cjから取り出されたかをオン・オフで表すセンサsj(j=1、2、…)が配設され、該各センサsjは、リールRがリール収納部Cjに収納されるとオンになり、リールRがリール収納部Cjから取り出されるとオフになる。そのために、リール収納部Cjの所定の箇所に図示されない磁石が配設され、磁場の変化によって前記センサsjがオン・オフさせられる。
【0038】
さらに、リール収納棚Shiには、管理サーバ21との間で各種の情報を送受信する通信部26、前記Bluetooth(登録商標)13の5.1AoD機能によるビーコンの信号、すなわち、ビーコン信号を発生させ、携帯端末Mbkに送信する送信部27等が配設される。前記ビーコン信号は、位置検出用の信号であり、前記リール収納棚Shiから送信されたビーコン信号が携帯端末Mbkによって受信されたかどうかによって、携帯端末Mbkがリール収納棚Shiの作業領域Ari(
図3)内に位置するかどうかが検出される。
【0039】
前記携帯端末Mbkは、第2の制御部としての端末制御部28、管理サーバ21との間で通信を行う通信部29、各リール収納棚Shiから送信されたビーコン信号を受信する受信部30、操作パネル31等を備える。該操作パネル31は、タッチパネル等のような、作業者Pkが携帯端末Mbkへの指示を入力するための操作部32、及び作業者Pkに各種の情報、指示等を通知する通知部としての表示部33が一体に形成される。
【0040】
また、携帯端末Mbkは、各リール収容棚Shiから各ビーコン信号を受信することによって携帯端末Mbkの位置を検出する。
【0041】
そのために、各リール収納棚Sh1の送信部27は複数のアンテナを備え、各アンテナから位相の異なる電波が携帯端末Mbkに送信され、各携帯端末Mbにおいて、受信部30が各電波を受信すると、端末制御部28は、受信した各電波の位相差に基づいて携帯端末Mbkに対する各リール収納棚Sh1の方向である角度を算出し、各角度及び各リール収納棚Shiの位置(X,Y)に基づいて携帯端末Mbkの位置を検出する。
【0042】
次に、作業者Pkがリール収納部CjからリールRを取り出すときのリール管理システムSyの動作について説明する。
【0043】
例えば、作業者Pkが、リール収納棚Shiのうちの所定のリール収納棚の所定のリール収納部CjからリールRを取り出す際に、携帯端末Mbkの操作部32を操作して作業者識別情報を入力すると、携帯端末Mbkの通信部29は作業者識別情報を管理サーバ21に送信する。
【0044】
管理サーバ21は、通信部24が受信した作業者識別情報と記憶部23に記録された作業者情報とを照会し、携帯端末Mbkを操作している作業者Pkが正規な作業者であるかどうかを確認するとともに、作業者Pkが担当している製品を読み出す。
【0045】
次に、管理サーバ21は、製品別部品情報テーブルTb2を参照し、作業者Pkが担当している製品に対応する、リール収納部Cjから取り出されるリールRの情報を取得する。例えば、作業者Pkが担当する製品がW1である場合、リール収納部Cjから取り出されるリールRの番号は、
図6に示されるように、「Ra-1」、「Ra-2」、「Ra-3」である。
【0046】
続いて、管理サーバ21は、部品管理情報テーブルTb1を参照し、リール収納部Cjから取り出されるリールRの保管場所及び状態を取得する。例えば、リール番号が「Ra-1」、「Ra-2」、「Ra-3」であるリールRの保管場所は、
図5に示されるように、「Sh1-C1」、「Sh1-C2」、「Sh2-C5」であり、リールRの状態はいずれも「待機中」である。
【0047】
そして、管理サーバ21は、リール収納部Cjから取り出されるリールRのリール番号、保管場所及び状態の各情報、すなわち、取出部品情報を携帯端末Mbkに送信する。
【0048】
次に、携帯端末Mbkは、取出部品情報を受信すると、取出部品情報を表示部33に表示する。
【0049】
図7は本発明の第1の実施の形態における取出部品情報の表示例を示す図である。
【0050】
携帯端末Mbkの表示部33には、リール番号、保管場所、及び携帯端末MbkがBluetooth(登録商標)13のビーコン信号が到達する範囲である作業領域Ari内に位置するかどうかを表す状態が表示される。例えば、
図7に示されるように、リール番号が「Ra-1」であるリールRの保管場所は「Sh1-C1」であり、携帯端末Mbkの状態は、いずれも作業領域Ar1内に位置しない、すなわち、作業領域Ar1外に位置することを表す「範囲外」である。
【0051】
表示部33に表示された取出部品情報を見て、作業者Pkは、リール番号が表示されたリールRの保管場所が「Sh1-C1」で示されるリール収納棚Sh1に移動する。
【0052】
一方、各リール収納棚Shiの通信部26は、Bluetooth(登録商標)13によるビーコン信号を送信し、各携帯端末Mbkの受信部30は、各リール収納棚Shiが送信したビーコン信号を受信する。
【0053】
各携帯端末Mbkは、受信した複数のビーコン信号に基づいてリール管理区域Qにおける携帯端末MbkのX軸上及びY軸上の位置を検出し、位置情報として通信部29によって管理サーバ21に送信する。
【0054】
管理サーバ21は、前記位置情報に基づいて、各携帯端末Mbkが各リール収納棚Shiの作業領域Ari内に位置するかどうかを判断する。
【0055】
ところで、複数の作業者Pkが、例えば、リール収納棚Sh1に収納されたリールRを同時に取り出そうとすると、間違えて他の作業者が必要としているリールを取り出してしまう恐れがある。
【0056】
そこで、本実施の形態においては、所定のリール収納棚Sh1において第1の作業者としての作業者P1が、所望する第1の部品としてのリールRをリール収納部Cjから取り出している間に、すなわち、作業者P1が所望するすべてのリールRがリール収納部Cjから取り出されるまでの間に、第2の作業者としての作業者P2が保持する携帯端末Mb2が作業領域Ar1内に位置する場合に、携帯端末Mb2の表示部33に、作業者P1が作業中である旨が表示されるようになっている。
【0057】
また、リール収納棚Sh1のLEDランプDdjは、作業者P1が保持する携帯端末Mb1が前記作業領域Ar1内に移動し、リールRが取出し可能になったときに点灯され、前記作業者P1がリールRを取り出したとき、又は作業者P1が保持する携帯端末Mb1が作業領域Ar1外に移動したときに消灯される。
【0058】
作業者P1がリールRを取り出したとき、又は作業者P1が保持する携帯端末Mb1が前記作業領域Ar1外に移動したときに消灯され、前記作業者P1がリールRの取出しを終了したときに点灯される。
【0059】
次に、携帯端末Mbkのうちの所定の携帯端末、例えば、各携帯端末Mb1、Mb2が、リール収納棚Shiのうちの所定のリール収納棚Sh1の作業領域Ar1内に位置する場合のリール管理システムSyの動作について説明する。
【0060】
図8は本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリール管理システムの動作を示す第1のフローチャート、
図9は本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリール管理システムの動作を示す第2のフローチャート、
図10は本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリールの状態を説明するための第1の図、
図11は本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリールの状態を説明するための第2の図、
図12は本発明の第1の実施の形態における携帯端末が作業領域内に位置する場合のリールの状態を説明するための第3の図である。
【0061】
まず、管理サーバ21は、例えば、携帯端末Mb2が作業領域Ar1内に位置する場合に、部品管理情報テーブルTb1を参照し、リール収納棚Sh1の取出し面に、作業者P2が取り出す必要があるリールRがあるかどうかを判断する(ステップS1)。
【0062】
リール収納棚Sh1の取出し面に作業者P2が取り出す必要があるリールRがある場合、管理サーバ21は、リール収納棚Sh1の取出し面にあるすべてのリールRのうちのいずれかのリールRの状態が、作業者P1が同じ作業領域Ar1でリールRを取り出しているかどうか、すなわち、作業中であるかどうかを判断する(ステップS2)。
【0063】
いずれかのリールRの状態が作業中である場合、管理サーバ21は、表示部33に表示されるリール収納棚Shiに存在するリールRの状態を、
図10に示されるように、作業者P1が作業中である旨を表す、「他者が作業中」にするよう携帯端末Mb2に指示する(ステップS3)。
【0064】
例えば、
図10に示されるように、リール番号が「Ra-1」、「Ra-2」のリールRについては、表示部33に表示されるリールRの状態が、いずれも「他者が作業中」になる。
【0065】
この場合、作業者P2は、作業者P1がリールRの取出しを終了するのを待機するか、又は他のリール収納棚にあるリールRを取り出すために他のリール収納棚の作業領域に移動することができる。
【0066】
そこで、管理サーバ21は、作業者P2が保持する携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動したかどうかを判断する(ステップS4)。
【0067】
携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動した場合、管理サーバ21は、表示部33に表示されるリールRの状態を、作業領域Ar1外に位置することを表す「範囲外」にするよう携帯端末Mb2に指示し(ステップS5)、処理を終了する。
【0068】
一方、作業者P2が他のリール収納棚の作業領域に移動しなかった場合、管理サーバ21は、リール収納棚Sh1の取出し面にあるすべてのリールRのうちのいずれかのリールRの状態が作業中であるかどうかを再び判断し(ステップS2)、すべてのリールRの状態が作業中でなくなるのを待機する。
【0069】
そして、作業者P1がリールRの取出しを終了し、すべてのリールRの状態が作業中でなくなると、管理サーバ21は、リール収納棚Sh1の取出し面にあるすべてのリールRの状態を作業中に変更し(ステップS6)、リール収納棚Sh1において、各LEDランプDdjのうちの、作業者P2が取り出す必要があるリールRが収納されているリール収納部のLEDランプを点灯するようリール収納棚Sh1に指示する(ステップS7)。
【0070】
続いて、管理サーバ21は、表示部33に表示される、作業者P2が取り出す必要があるリールRの状態を、部品収納部から取り出すことが可能であることを表す「取出し可」にするよう携帯端末Mb2に指示する(ステップS8)。これにより、
図11に示されるように、携帯端末Mb2の表示部33において、リール番号が「Ra-1」、「Ra-2」のリールRの状態が「取出し可」になる。
【0071】
次に、管理サーバ21は、作業者P2が保持する携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動したかどうかを判断する(ステップS9)。携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動した場合、管理サーバ21は、リール収納棚Sh1においてまだ取り出されていないリールRの状態を待機中に変更し(ステップS10)、リールRが取り出されていないリール収納部のLEDランプを消灯するようリール収納棚Sh1に指示する(ステップS11)。
【0072】
続いて、管理サーバ21は、表示部33に表示される、作業者P2が取り出す必要のあるすべてのリールRのうちの、まだ取り出されていないリールRの状態を、部品収納棚Sh1の作業領域Ar1外に位置することを表す「範囲外」にするよう携帯端末Mb2に指示する(ステップS12)。
【0073】
一方、携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動しなかった場合、リール収納棚Sh1において、作業者P2が、LEDランプDdiが点灯しているリール収納部CjからリールRを取り出すと、前記センサsjはオフになり、リール収納棚Sh1の通信部26は、リールRが取り出されたことを表す通知、すなわち、取出通知を管理サーバ21に送信する。
【0074】
管理サーバ21は、リール収納棚Sh1から取出通知を受信したかどうかを判断し(ステップS13)、取出通知を受信すると、部品管理情報テーブルTb1を変更し、リール収納部Cjから取り出されたリールRの部品管理情報を削除する(ステップS14)。
【0075】
また、管理サーバ21は、リールRが取り出されたリール収納部のLEDランプを消灯するようリール収納棚Sh1に指示する(ステップS15)。
【0076】
そして、管理サーバ21は、表示部33に表示される、取り出される必要のあるすべてのリールRのうちの、リール収納部から取り出されたリールRの状態を、リール収納部から既に取り出されていることを表す「取出し済」にするよう携帯端末Mb2に指示する(ステップS16)。これにより、
図12に示されるように、リール収納部Cjから取り出された、リール番号が「Ra-1」のリールRの状態は「取出し済」になり、リール収納部Cjから取り出されていない、リール番号が「Ra-2」のリールRの状態は「取出し可」のままになる。
【0077】
次に、管理サーバ21は、部品管理情報テーブルTb1を参照し、リール収納棚Sh1の取出し面にあるリールRのうちのいずれかのリールRの状態が作業中であるかどうかを判断する(ステップS17)。管理サーバ21は、いずれかのリールRの状態が作業中である場合、携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動したかどうかを再び判断し(ステップS9)、すべてのリールRの状態が作業中でなくなると、リール収納棚Sh1において取り出す必要があるすべてのリールRが取り出されたことになるので、処理を終了する。
【0078】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 管理サーバ21はリール収納棚Sh1に作業者P2が取り出す必要があるリールRがあるかどうかを判断する。リール収納棚Sh1に作業者P2が取り出す必要があるリールRがある場合はステップS2に進み、リール収納棚Sh1に作業者P2が取り出す必要があるリールRがない場合は処理を終了する。
ステップS2 管理サーバ21はいずれかのリールRの状態が作業中であるかどうかを判断する。いずれかのリールRの状態が作業中である場合はステップS3に進み、すべてのリールRの状態が作業中でなくなった場合はステップS6に進む。
ステップS3 管理サーバ21はリールRの状態を「他者が作業中」にするよう携帯端末Mb2に指示する。
ステップS4 管理サーバ21は携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動したかどうかを判断する。携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動した場合はステップS5に進み、携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動しなかった場合はステップS2に戻る。
ステップS5 管理サーバ21はリールRの状態を「範囲外」にするよう携帯端末Mb2に指示し、処理を終了する。
ステップS6 管理サーバ21はすべてのリールRの状態を作業中に変更する。
ステップS7 管理サーバ21は作業者P2が取り出す必要があるリールRが収納されているリール収納部のLEDランプを点灯するようリール収納棚Sh1に指示する。
ステップS8 管理サーバ21は作業者P2が取り出す必要があるリールRの状態を「取出し可」にするよう携帯端末Mb2に指示する。
ステップS9 管理サーバ21は携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動したかどうかを判断する。携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動した場合はステップS10に進み、携帯端末Mb2が作業領域Ar1外に移動しなかった場合はステップS13に進む。
ステップS10 管理サーバ21はまだ取り出されていないリールRの状態を待機中に変更する。
ステップS11 管理サーバ21はリールRが取り出されていないリール収納部のLEDランプを消灯するようリール収納棚Sh1に指示する。
ステップS12 管理サーバ21はまだ取り出されていないリールRの状態を「範囲外」とするよう携帯端末Mb2に指示し、処理を終了する。
ステップS13 管理サーバ21はリール収納棚Sh1から取出通知を受信したかどうかを判断する。取出通知を受信した場合はステップS14に進み、取出通知を受信しなかった場合はステップS9に戻る。
ステップS14 管理サーバ21はリール収納部から取り出されたリールRの部品管理情報を削除する。
ステップS15 管理サーバ21はリールRが取り出されたリール収納部のLEDランプを消灯するようリール収納棚Sh1に指示する。
ステップS16 管理サーバ21はリール収納部から取り出されたリールRの状態を「取出し済」とするよう携帯端末Mb2に指示する。
ステップS17 管理サーバ21はリール収納棚Sh1の取出し面にあるリールRのうち、いずれかのリールRの状態が作業中であるかどうかを判断する。いずれかのリールRの状態が作業中である場合はステップS9に戻り、すべてのリールRの状態が作業中でなくなった場合は処理を終了する。
【0079】
このように、本実施の形態においては、前記複数のリール収納棚Shiのうちの所定のリール収納棚Sh1において、作業者P1が所望するすべてのリールRが前記リール収納部Cjから取り出されるまでの間に、作業者P2が保持する携帯端末Mb2が前記リール収納棚Sh1の作業領域Ar1内に位置する場合に、作業者P2が保持する携帯端末Mb2の表示部33に、作業者P1が作業中である旨が表示されるので、作業者P2が、作業者P1が所望するリールRを間違えて取り出してしまうことがない。
【0080】
また、作業者P1、P2は、リール収納部Cjに対応する作業者識別情報をリール管理システムSyに入力する必要がないので、リールRを取り出すための作業を簡素化することができる。
【0081】
したがって、作業者P1、P2は、リール収納棚Shiから精度良く、かつ、容易にリールRを取り出すことができる。
【0082】
さらに、作業者P1がリールRを取り出したとき又は作業者P1が保持する携帯端末Mb1が前記作業領域Ar1外に移動したときに、前記作業者P2が所望するリールRが収納される部品収納部CjにおいてLEDランプDdjが点灯するので、作業者P2は、前記LEDランプDdjの点灯及び消灯に従ってリールRを取り出すことができる。
【0083】
ところで、作業者P1がリール収納棚Sh1においてリール収納部C1、C2からリール番号が「Ra-1」、「Ra-2」のリールRを取り出しているときに、作業者P2がリール収納棚Sh1においてリール収納部C3からリール番号がRb-1のリールRを取り出そうとする場合、本実施の形態において、作業者P2は、作業者P1によるリールRの取出しが終了するまで待機するか、又は他の作業領域に移動して他のリール収納棚からリールRを取り出すかしなければならない。
【0084】
そこで、作業者P2が、作業者P1より優先してリール番号がRa-3のリールRを取り出すことができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0085】
図13は本発明の第2の実施の形態における第1、第2の携帯端末が作業領域内に位置する場合のリール管理システムの動作を示すフローチャート、
図14は本発明の第2の実施の形態における第1の携帯端末の表示部に表示されるリールの状態を説明するための図、
図15は本発明の第2の実施の形態における第2の携帯端末の表示部に表示されるリールの状態を説明するための図、
図16は本発明の第2の実施の形態における優先処理が行われる際の第1の携帯端末の表示部に表示されるリールの状態を説明するための図、
図17は本発明の第2の実施の形態における優先処理が行われる際の第2の携帯端末の表示部に表示されるリールの状態を説明するための図である。
【0086】
この場合、第1の作業者としての作業者P1が、第1の携帯端末としての携帯端末Mb1を操作して部品収納装置としてのリール収納棚Shiのうちのリール収納棚Sh1における部品収納部としてのリール収納部Cjのうちの、例えば、リール収納部C1、C2から部品番号としてのリール番号がRa-1、Ra-2の部品としてのリールRを取り出しているときに、第2の作業者としての作業者P2が、第2の携帯端末としての携帯端末Mb2を操作してリール収納棚Sh1のリール収納部C3からリール番号がRb-1のリールRを取り出そうとする場合について説明する。
【0087】
まず、管理サーバ21は、作業者P1が保持する携帯端末Mb1に、通知部としての表示部33に表示される、リール番号が「Ra-1」、「Ra-2」のリールRの状態を、
図14に示されるように「取出し可」にするよう指示し、作業者P2が保持する携帯端末Mb2に、表示部33に表示される、リール番号が「Rb-1」のリールRの状態を、
図15に示されるように「他者が作業中」にするとともに、リールRの状態に隣接させて操作部位としての「優先」のボタンbt1を表示するよう指示する。
【0088】
そして、携帯端末Mb2が、表示部33に表示されるリール番号が「Rb-1」のリールRの状態を「他者が作業中」にし、「優先」のボタンbt1を表示したときに、作業者P2がボタンbt1を押下することによって、リール収納棚Sh1における作業者P1によるリールRの取出しの中断を要求すると、管理サーバ21は、リールRの取出しの優先処理を行い、リール収納棚Sh1におけるリールRの取出しの中断を許可するかどうかを表示部33に表示するよう携帯端末Mb1に指示する(ステップS21)。
【0089】
続いて、管理サーバ21は、作業者P1が携帯端末Mb1の表示部33においてリール収納棚Sh1におけるリールRの取出しの中断を許可したかどうかを判断する(ステップS22)。作業者P1がリールRの取出しの中断を許可した場合、管理サーバ21は、リール収納棚Sh1の取出し面にあるすべてのリールRの状態を待機中に変更し(ステップS23)、リール収納棚Sh1において取出しが中断されたリールRが収納されているリール収納部の表示要素としてのLEDランプを消灯するようリール収納棚Sh1に指示する(ステップS24)。
【0090】
次に、管理サーバ21は、リール収納棚Sh1の取出し面にあるすべてのリールRの状態を、
図16に示されるように「他者が取出し中」にするよう携帯端末Mb1に指示する(ステップS25)。このとき、管理サーバ21は、「他者が取出し中」にされたリールのうちの、代表となるリール番号が「Ra-1」のリールRの状態に隣接させて「優先」のボタンbt2を表示する。
【0091】
そして、管理サーバ21は、作業者P2が取り出そうとする、リール番号が「Rb-1」のリールRの状態を作業中に変更し(ステップS26)、状態が作業中に変更されたリールRが収納されているリール収納部のLEDランプを点灯するようリール収納棚Sh1に指示する(ステップS27)。
【0092】
続いて、管理サーバ21は、作業者P2が取り出そうとする、リール番号が「Rb-1の」リールRの状態を「取出し可」にするよう携帯端末Mb2に指示する(ステップS28)。
【0093】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 管理サーバ21はリールRの取出しの中断を許可するかどうかを表示部33に表示するよう携帯端末Mb1に指示する。
ステップS22 管理サーバ21は作業者P1がリールRの取出しの中断を許可したかどうかを判断する。作業者P1がリールRの取出しの中断を許可した場合はステップS23に進み、作業者P1がリールRの取出しの中断を許可しなかった場合は処理を終了する。
ステップS23 管理サーバ21はすべてのリールRの状態を待機中に変更する。
ステップS24 管理サーバ21は取出しが中断されたリールRが収納されているリール収納部のLEDランプを消灯するようリール収納棚Sh1に指示する。
ステップS25 管理サーバ21はすべてのリールRの状態を「他者が取出中」にするよう携帯端末Mb1に指示する。
ステップS26 管理サーバ21は作業者P2が取り出そうとするリールRの状態を作業中に変更する。
ステップS27 管理サーバ21は状態が作業中に変更されたリールRが収納されているリール収納部のLEDランプを点灯するようリール収納棚Sh1に指示する。
ステップS28 管理サーバ21は、作業者P2が取り出そうとするリールRの状態を「取出し可」にするよう携帯端末Mb2に指示し、処理を終了する。
【0094】
このように、本実施の形態においては、作業者P2が保持する携帯端末Mb2の表示部33に、作業者P1が作業中である旨、及び作業者P2によるリールRの取出しを優先するためのボタンbt1が表示されるので、作業者P1が作業中であっても、作業者P1が許可をすれば、作業者P2は優先してリールRを取り出すことができる。
【0095】
なお、前記各実施の形態においては、ビーコン信号の送信部27がリール収納棚Shiに配設されるようになっているが、送信部27を、リール収納棚Shi以外の場所、例えば、リール収納棚Shiが配設されている領域の天井に配設することもできる。
【0096】
また、前記各実施の形態においては、リール収納棚Shiの作業領域Ariが、取出し面単位で設定されているが、幅が広いリール収納棚Shiの場合には作業領域AriをX軸方向において分割することもできる。
【0097】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0098】
33 表示部
Ari 作業領域
Cj リール収納部
Ddi LEDランプ
Mbk 携帯端末
Pk 作業者
R リール
Shi リール収納棚
Sy リール管理システム