(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119349
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】発電制御装置、発電制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B60L 58/40 20190101AFI20240827BHJP
H01M 8/04313 20160101ALI20240827BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20240827BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20240827BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20240827BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240827BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20240827BHJP
B60L 7/14 20060101ALI20240827BHJP
B60L 50/75 20190101ALI20240827BHJP
B60L 58/10 20190101ALI20240827BHJP
【FI】
B60L58/40
H01M8/04313
H01M8/04537
H01M8/04858
H01M8/00 A
H01M8/00 Z
B60L50/60
B60L15/20 J
B60L7/14
B60L50/75
B60L58/10
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026178
(22)【出願日】2023-02-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】吉永 寛史
【テーマコード(参考)】
5H125
5H127
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC07
5H125AC12
5H125BA00
5H125BC05
5H125BD02
5H125CA01
5H125CA14
5H125CB02
5H125EE33
5H125EE41
5H125EE42
5H125EE51
5H125EE52
5H125EE61
5H127AB04
5H127AB29
5H127AC05
5H127BA02
5H127BB02
5H127DB66
5H127DB69
5H127DB92
5H127DC96
5H127DC97
5H127FF11
5H127FF12
(57)【要約】
【課題】発電時の燃料電池スタックの劣化を抑制する。
【解決手段】発電制御装置10は、自車両の速度と自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度を取得する取得部122と、自車両に要求されたトルクを発生させるために自車両が備えるモータが消費する消費電力と、自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する特定部123と、相対速度が第1閾値よりも大きい場合、燃料電池スタックからモータに供給電力を供給させるとともに、自車両が備えるバッテリからモータに不足電力を供給させる制御部124と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の速度と前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度を取得する取得部と、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する特定部と、
前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させる制御部と、
を有する発電制御装置。
【請求項2】
前記自車両が備えるアクセルペダルの踏込量と前記自車両の速度とに対応する前記モータのトルクを記憶する記憶部をさらに有し、
前記取得部は、前記アクセルペダルの踏込量と前記速度とをさらに取得し、
前記特定部は、前記記憶部を参照することにより、前記取得部が取得した前記踏込量と前記速度とに対応する前記モータのトルクを特定する、
請求項1に記載の発電制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記踏込量が所定量よりも大きいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給させる、
請求項2に記載の発電制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記踏込量が所定量以下であることを条件として、前記踏込量と前記自車両の速度とに対応する前記トルクで前記モータが作動することにより発生した回生電力を前記バッテリに供給させる、
請求項2又は3に記載の発電制御装置。
【請求項5】
前記自車両を前記他車両に追従して走行させるか否かの設定を受け付ける受付部をさらに有し、
前記制御部は、前記自車両を前記他車両に追従させない設定を受け付けた場合、前記相対速度が第1閾値よりも大きいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給させる、
請求項1に記載の発電制御装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記自車両と前記他車両との距離をさらに取得し、
前記受付部は、前記自車両を前記他車両に追従して走行させる設定を受け付けた場合は、前記自車両が走行する際の前記他車両との距離である設定距離をさらに受け付け、
前記制御部は、前記自車両を前記他車両に追従して走行させる設定を前記受付部が受け付け、且つ前記他車両との距離が前記設定距離よりも大きい場合、現在の時刻に取得した前記距離が、現在の時刻より前の時刻に取得した前記距離よりも小さいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給させる、
請求項5に記載の発電制御装置。
【請求項7】
プロセッサが実行する、
自車両の速度と前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度を取得するステップと、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定するステップと、
前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させるステップと、
を有する発電制御方法。
【請求項8】
プロセッサに、
自車両の速度と前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度を取得するステップと、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定するステップと、
前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
自車両と前記自車両の進行方向前方を走行する他車両との距離を取得する取得部と、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する特定部と、
前記距離が第2閾値よりも小さい場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させる制御部と、
を有する発電制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電制御装置、発電制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の燃料電池システムは、車両が加速する際に必要な電力量を特定し、当該電力量に対応する発電をするように水素ガスの循環流量を制御することで、燃料電池スタックの劣化を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、燃料電池スタックの触媒に塗布された白金粒子は、発電時の負荷の変動に伴い電圧が変動することで、溶出又は析出して粗大化するため、燃料電池スタックが劣化しやすい。その結果、従来の燃料電池システムにおいては、車両が加速するために必要な電力量が変化するたびに負荷が変動するため、燃料電池スタックの劣化が進むという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、発電時の燃料電池スタックの劣化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る発電制御装置は、自車両の速度と前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度を取得する取得部と、前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する特定部と、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させる制御部と、を有する。
【0007】
前記自車両が備えるアクセルペダルの踏込量と前記自車両の速度とに対応する前記モータのトルクを記憶する記憶部をさらに有し、前記取得部は、前記アクセルペダルの踏込量と前記速度とをさらに取得し、前記特定部は、前記記憶部を参照することにより、前記取得部が取得した前記踏込量と前記速度とに対応する前記モータのトルクを特定してもよい。
【0008】
前記制御部は、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記踏込量が所定量よりも大きいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給させてもよい。
【0009】
前記制御部は、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記踏込量が所定量以下であることを条件として、前記踏込量と前記自車両の速度とに対応する前記トルクで前記モータが作動することにより発生した回生電力を前記バッテリに供給させてもよい。
【0010】
前記自車両を前記他車両に追従して走行させるか否かの設定を受け付ける受付部をさらに有し、前記制御部は、前記自車両を前記他車両に追従させない設定を受け付けた場合、前記相対速度が第1閾値よりも大きいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給させてもよい。
【0011】
前記取得部は、前記自車両と前記他車両との距離をさらに取得し、前記受付部は、前記自車両を前記他車両に追従して走行させる設定を受け付けた場合は、前記自車両が走行する際の前記他車両との距離である設定距離をさらに受け付け、前記制御部は、前記自車両を前記他車両に追従して走行させる設定を前記受付部が受け付け、且つ前記他車両との距離が前記設定距離よりも大きい場合、現在の時刻に取得した前記距離が、現在の時刻より前の時刻に取得した前記距離よりも小さいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給させてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様に係る発電制御方法は、プロセッサが実行する、自車両の速度と前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度を取得するステップと、前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定するステップと、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させるステップと、を有する。
【0013】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、プロセッサに、自車両の速度と前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度を取得するステップと、前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定するステップと、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させるステップと、を実行させる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る発電制御装置は、自車両と前記自車両の進行方向前方を走行する他車両との距離を取得する取得部と、前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する特定部と、前記距離が第2閾値よりも小さい場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させる制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、発電時の燃料電池スタックの劣化を抑制するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態に係る車両Sの概要を説明するための図である。
【
図2】モータ7に供給する電力量を説明するための図である。
【
図3】ACCを使用しない場合における処理シーケンスである。
【
図4】ACCを使用する場合における処理シーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<車両Sの概要>
図1は、本実施形態に係る車両Sの概要を説明するための図である。
図1に示す車両Sは、操作部1と、距離特定部2と、速度センサ3と、アクセルセンサ4と、FC(Fuel Cell)スタック5と、バッテリ6と、モータ7と、発電制御装置10と、を備える。車両Sは、例えば、HEV(Hybrid Electric Vehicle;すなわちハイブリッド車)又はEV(Electric Vehicle;すなわち電気自動車)であり、車両Sが走行するためにモータ7が消費する電力をFCスタック5から供給するハイブリッドモードで動作する。
【0018】
操作部1は、運転者が操作するためのボタン又はタッチパネルであり、例えば、ステアリングスイッチである。操作部1は、例えば、車両Sの進行方向前方において車両Sに最も近い位置を走行する他車両に、車両Sを追従して走行させるための設定(いわゆる、ACC;Adaptive Cruise Control)を運転者から受け付ける。
【0019】
距離特定部2は、車両Sの進行方向前方を走行する他車両と車両Sとの距離(いわゆる車間距離)を特定する処理を実行する。一例として、距離特定部2は、車両Sに搭載されたADAS(Advanced Driver-Assistance Systems;先進運転支援システム)が備えるLiDAR(Light Detection And Ranging)等の三次元レーザ(不図示)が車両Sの周囲の物体を測定することにより生成した点群データに基づいて車間距離を特定する。距離特定部2は、電子部品を含む筐体を有していてもよく、電子部品が実装されたプリント基板であってもよい。
【0020】
速度センサ3は、車両Sの速度を検出して発電制御装置10に送信する。アクセルセンサ4は、車両Sが備えるアクセルペダル(不図示)の踏込量を検出して発電制御装置10に送信する。
【0021】
FCスタック5は、複数の燃料電池セルを積層(スタック)した燃料電池スタックであり、例えば、水素ガス等の燃料ガスと、空気中の酸素等の酸化剤ガスとの化学反応により発電を行う。FCスタック5は、発電した電気を、バッテリ6又はモータ7に供給する。バッテリ6は、充放電可能な蓄電池であり、車両Sが備える電装品(不図示)に電気を供給する。また、バッテリ6は、FCスタック5が発電した電気とモータ7が発生した回生電力とを充電する。モータ7は、FCスタック5から供給された電気を用いて、車両Sが駆動するための動力を発生させる動力源である。モータ7は、車両Sがブレーキ(不図示)を用いて減速する場合に回生電力を発生し、バッテリ6に電気を供給する。
【0022】
発電制御装置10は、車両Sに要求されたトルクをモータ7に発生させるために、FCスタック5の発電量を決定する処理を実行する。発電制御装置10は、電子部品を含む筐体を有していてもよく、電子部品が実装されたプリント基板であってもよい。
【0023】
ところで、FCスタック5においては、触媒金属として用いられる白金が塗布されている。白金は、FCスタック5が発電する際の負荷の変動に伴い電圧が変動することで溶出又は析出して粗大化するため、FCスタック5は、発電量が変動すると劣化しやすくなる。一例として、他車両との車間距離が小さくて車両Sが加速するような場合は、車両Sが加速した直後に減速することが想定される。このような場合、モータ7に発生させるトルクの変動に伴いFCスタック5が発電する際の負荷が変動するため、FCスタック5が劣化しやすくなる。
【0024】
そこで、発電制御装置10は、車両Sの進行方向前方の他車両との車間距離、及び車両Sと当該他車両との速度の差に基づいて、車両Sが加速した後に減速することが想定されると判定した場合は、FCスタック5に加えてバッテリ6からもモータ7に電気を供給する。このように動作することで、要求されたトルクのうち車両Sの加速に伴い変動するトルクに対応する電力をバッテリ6から供給できるため、FCスタック5の発電量の変動を抑制できる。その結果、FCスタック5の劣化を抑制できる。
以下、発電制御装置10の構成及び動作を詳細に説明する。
【0025】
<発電制御装置10の構成>
発電制御装置10は、記憶部11と、プロセッサ12と、を有する。プロセッサ12は、受付部121と、取得部122と、特定部123と、制御部124と、を有する。
【0026】
記憶部11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部11は、プロセッサ12が実行するプログラムを記憶している。記憶部11は、FCスタック5及びバッテリ6からモータ7に電気を供給するための各種の情報を記憶している。一例として、記憶部11は、車両Sが備えるアクセルペダルの踏込量と車両Sの速度とに対応するモータ7のトルクを示すトルクマップを記憶している。トルクマップは、アクセルペダルの踏込量と車両Sの速度とを軸とする二次元空間上の平面として表されており、当該平面には、アクセルペダルの踏込量と車両Sの速度とに関連付けられたモータ7のトルクが示されている。
【0027】
プロセッサ12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はECU(Electronic Control Unit)等のプロセッサである。プロセッサ12は、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部121、取得部122、特定部123及び制御部124として機能する。なお、プロセッサ12は、1つのプロセッサで構成されていてもよいし、複数のプロセッサ又は1以上のプロセッサと電子回路との組み合わせにより構成されていてもよい。
以下、プロセッサ12により実現される各部の構成を説明する。
【0028】
受付部121は、操作部1から、車両Sを他車両に追従して走行させるか否かの設定(すなわち、ACCを使用するか否かの設定)を受け付ける。他車両は、車両Sの進行方向前方において、車両Sに最も近い位置を走行する車両である。また、受付部121は、車両Sを他車両に追従して走行させる設定を受け付けた場合は、車両Sが走行する際の他車両との距離である設定距離をさらに受け付ける。車両Sは、ACCを使用する設定を受付部121が受け付けた場合、車両Sの進行方向前方の他車両と車両Sとの車間距離が、受付部121が受け付けた設定距離になるように走行する。
【0029】
取得部122は、車両Sの速度と車両Sの進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度、及び車両Sと他車両との距離(いわゆる車間距離)を取得する。例えば、取得部122は、一定時間が経過する度に距離特定部2から車間距離を取得し、複数の時刻の車間距離の差に基づいて、車両Sと他車両との相対速度を特定する。さらに、取得部122は、アクセルセンサ4が検出したアクセルペダルの踏込量と速度センサ3が検出した車両Sの速度とを取得する。
【0030】
特定部123は、車両Sに要求されたトルクを発生させるために車両Sが備えるモータ7が消費する消費電力と、車両Sが備えるFCスタック5が発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する。例えば、特定部123は、記憶部11に記憶されたトルクマップが示すモータ7のトルクを参照することにより、取得部122が取得したアクセルペダルの踏込量と車両Sの速度とに対応するモータ7のトルクを特定する。続いて、特定部123は、特定したトルクを発生させるためにモータ7が消費する消費電力を算出し、当該消費電力と現時刻におけるFCスタック5の発電量(すなわち供給電力)との差である不足電力を特定する。
【0031】
制御部124は、車両Sが加速した後に減速することが想定される場合は、FCスタック5に加えてバッテリ6からもモータ7に電力を供給させる。制御部124は、取得部122が取得した相対速度が第1閾値よりも大きい場合、又は取得部122が取得した車間距離が第2閾値よりも小さい場合、車両Sが加速した後に減速することが想定されると判定する。そして、制御部124は、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給させるとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給させる。第1閾値は、他車両の速度よりも車両Sの速度が大きいことを示す値であり、実験又はシミュレーションにより定められる。第2閾値は、速度に応じて定められた値であり、例えば、車両Sの速度が時速40kmである場合は22m、車両Sの速度が時速80kmである場合は80mである。第1閾値及び第2閾値は、記憶部11に記憶されている。
【0032】
制御部124は、例えば、相対速度が第1閾値よりも大きい場合、又は車間距離が第2閾値よりも小さい場合、アクセルペダルの踏込量が所定量よりも大きいか否かを判定する。そして、制御部124は、踏込量が所定量よりも大きいと判定したことを条件として、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給させるとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給させる。所定量は、車両Sの速度に対応する踏込量よりも大きい量であり、記憶部11に記憶されている。
【0033】
図2は、モータ7に供給する電力量を説明するための図である。
図2(a)は、車両Sと他車両との相対速度を示し、
図2(b)は、車両Sと他車両との車間距離を示し、
図2(c)は、モータ7の消費電力を示し、
図2(d)は、FCスタック5がモータ7に供給する供給電力を示す。
図2の横軸は時刻を示し、
図2(a)の縦軸は相対速度、
図2(b)の縦軸は車間距離、
図2(c)の縦軸は消費電力、
図2(d)の縦軸は供給電力を示す。
図2(a)に示す相対速度は、車両Sの速度が他車両の速度よりも大きい場合、0より大きい値を示す。
図2においては、時刻T1から時刻T5までの時間において、運転者がアクセルペダルを所定量よりも大きく踏み込む。時刻T3は、アクセルペダルの踏込量がもっとも大きい時刻である。
【0034】
時刻T1から時刻T2までの時間において、制御部124は、相対速度が第1閾値A1以下であり、かつ車間距離が第2閾値A2以上であることを特定し、モータ7が消費する電力をFCスタック5から供給させる。時刻T2から時刻T4までの時間において、制御部124は、相対速度が第1閾値A1より大きいことを特定し、供給電力W2をFCスタック5からモータ7に供給させるとともに、消費電力と供給電力W2との差である不足電力をバッテリ6から供給させる。例えば、時刻T3においては、供給電力W2をFCスタック5からモータ7に供給させるとともに、不足電力「W3-W2」をバッテリ6からモータ7に供給させる。
【0035】
制御部124が上記のように動作することで、アクセルペダルの踏込量に対応するトルクをモータ7が発生するための消費電力をFCスタック5及びバッテリ6から供給しつつ、FCスタック5の発電量の変化(すなわち、負荷の変化)を抑制できる。その結果、触媒金属として用いる白金の溶出又は析出を抑制できるため、FCスタック5の劣化を抑制できる。
【0036】
なお、制御部124は、相対速度が第1閾値A1よりも大きい場合、又は距離が第2閾値A2よりも小さい場合、アクセルペダルの踏込量が所定量以下であることを条件として、当該踏込量と車両Sの速度とに対応するトルクでモータ7が作動することにより発生した回生電力をバッテリ6に供給させてもよい。制御部124がこのように動作することで、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給することによりバッテリ6の充電率が低下したとしても、回生電力により充電率を上昇させることができる。
【0037】
ところで、受付部121がACCを使用する設定を受け付けた場合、制御部124は、アクセルペダルの踏込量が所定量よりも大きいか否かを判定することができない。そこで、制御部124は、受付部121がACCを使用する設定を受け付けた場合は、受付部121がACCを使用しない設定を受け付けた場合における、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給するための条件と異なる条件を用いてもよい。
【0038】
例えば、ACCを使用しない(車両Sを他車両に追従させない)設定を受け付けた場合、制御部124は、相対速度が第1閾値A1よりも大きいこと、又は車間距離が第2閾値A2よりも小さいことを条件とする。そして、制御部124は、相対速度が第1閾値A1よりも大きい、又は第2閾値A2よりも小さい場合に、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給させるとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給させる。さらに、制御部124は、アクセルペダルの踏込量が所定量よりも大きいことを条件として、FCスタック5及びバッテリ6からモータ7に電力を供給させてもよい。
【0039】
一方、ACCを使用する(車両Sを他車両に追従して走行させる)設定を受け付けた場合、制御部124は、受付部121が受け付けた設定距離に車間距離を近づけるために車両Sが加速していると判定したことを条件とする。制御部124は、例えば、現在の時刻に取得した第1車間距離が設定距離よりも大きい場合、第1車間距離が、現在の時刻より前の時刻に取得した第2車間距離よりも小さいか否かを判定する。そして、制御部124は、第1車間距離が第2車間距離よりも小さい場合に、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給させるとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給させる。制御部124がこのように動作することで、ACCを使用する設定を受け付けた場合であっても、FCスタック5の発電量の変化を抑制できるため、FCスタック5の劣化を抑制できる。
【0040】
<発電制御装置10における処理シーケンス>
図3及び
図4は、発電制御装置10における処理シーケンスの例を示す図である。
図3に示す処理シーケンスは、ACCを使用しない場合における処理シーケンスであり、
図4に示す処理シーケンスは、ACCを使用する場合における処理シーケンスである。
図3及び
図4に示す処理シーケンスは、モータ7に消費電力を供給する供給元(すなわち、FCスタック5及びバッテリ6の少なくともいずれか)と供給する電力量とを決定する動作を示す。発電制御装置10は、
図3又は
図4に示す処理シーケンスを一定時間ごとに繰り返す。
【0041】
まず、ACCを使用しない場合の動作を説明する。
図3において、取得部122は、相対速度Vと車間距離Lとを取得する(S11)。相対速度Vが第1閾値A1以下であり、且つ車間距離Lが第2閾値A2以上である場合(S12のNO)、発電制御装置10は処理を終了する。相対速度Vが第1閾値A1よりも大きい場合、又は車間距離Lが第2閾値A2よりも小さい場合(S12のYES)、取得部122は、アクセルペダルの踏込量Dを取得する(S13)。
【0042】
踏込量Dが所定量A3以下である場合(S14のNO)、制御部124は、モータが発生させた回生電力をバッテリ6に供給させる(S19)。踏込量Dが所定量A3より大きい場合(S14のYES)、取得部122は、車両Sの速度を取得する(S15)。そして、特定部123は、記憶部11に記憶されたトルクマップを参照することにより、車両Sの速度と踏込量Dとに関連付けられたモータトルクを特定する(S16)。特定部123は、特定したモータトルクを発生させるためにモータ7が消費する消費電力と、FCスタック5が供給する供給電力と当該消費電力との差である不足電力とを特定する(S17)。制御部124は、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給させるとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給させる(S18)。
【0043】
次に、ACCを使用する場合の動作を説明する。
図4において、制御部124は、取得部122が取得した現在の時刻の第1車間距離L1と受付部121が受け付けた設定距離L3とを取得する(S21)。第1車間距離L1が設定距離L3以下である場合(S22のNO)、発電制御装置10は処理を終了する。第1車間距離L1が設定距離L3よりも大きい場合(S22のYES)、制御部124は、記憶部11に記憶された前の時刻の第2車間距離L2を取得する(S23)。
【0044】
第2車間距離L2が第1車間距離L1以下である場合(S24のNO)、発電制御装置10は処理を終了する。第2車間距離L2が第1車間距離L1よりも大きい場合(S24のYES)、取得部122は、車両Sの速度を取得する(S25)。そして、特定部123は、第1車間距離L1及び第2車間距離L2に基づいて車両Sの加速度を特定し、車両Sの速度と特定した加速度とに対応するモータトルクを特定する(S26)。特定部123は、特定したモータトルクを発生させるためにモータ7が消費する消費電力と、FCスタック5が供給する供給電力と当該消費電力との差である不足電力とを特定する(S27)。制御部124は、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給させるとともに、バッテリ6からモータ7に不足電力を供給させる(S28)。
【0045】
<発電制御装置10による効果>
以上説明したように、発電制御装置10は、車両Sの速度と車両Sの進行方向前方を走行する他車両の速度との差である相対速度を取得する取得部122と、車両Sに要求されたトルクを発生させるために車両Sが備えるモータ7が消費する消費電力と、車両Sが備えるFCスタック5が発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する特定部123と、相対速度が第1閾値よりも大きい場合、FCスタック5からモータ7に供給電力を供給させるとともに、車両Sが備えるバッテリ6からモータ7に不足電力を供給させる制御部124と、を有する。
【0046】
発電制御装置10がこのように構成されることで、車両Sが加速した後に減速することが想定される場合、要求されたトルクのうち車両Sの加速及び減速に伴い変動するトルクに対応する電力をバッテリ6から供給できるため、FCスタック5の電圧の変動を抑制できる。その結果、FCスタック5に塗布された触媒金属(白金)の溶出又は析出を抑制できるため、FCスタック5の劣化を抑制することができる。
【0047】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0048】
1 操作部
2 距離特定部
3 速度センサ
4 アクセルセンサ
5 FCスタック
6 バッテリ
7 モータ
10 発電制御装置
11 記憶部
12 プロセッサ
121 受付部
122 取得部
123 特定部
124 制御部
【手続補正書】
【提出日】2024-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の速度から前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度を減算した減算値である相対速度と、前記自車両が備えるアクセルペダルの踏込量と、を取得する取得部と、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する特定部と、
前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記踏込量が所定量よりも大きいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させ、前記相対速度が前記第1閾値以下の場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記消費電力を供給させる制御部と、
を有する発電制御装置。
【請求項2】
前記踏込量と前記自車両の速度とに対応する前記モータのトルクを記憶する記憶部をさらに有し、
前記取得部は、前記速度をさらに取得し、
前記特定部は、前記記憶部を参照することにより、前記取得部が取得した前記踏込量と前記速度とに対応する前記モータのトルクを特定する、
請求項1に記載の発電制御装置。
【請求項3】
自車両の速度から前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度を減算した減算値である相対速度を取得する取得部と、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定する特定部と、
前記自車両を前記他車両に追従して走行させるか否かの設定を受け付ける受付部と、
前記自車両を前記他車両に追従させない設定を前記受付部が受け付けたことにより、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合は、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させ、前記相対速度が前記第1閾値以下の場合は、前記燃料電池スタックから前記モータに前記消費電力を供給させる制御部と、
を有する発電制御装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記自車両と前記他車両との距離をさらに取得し、
前記受付部は、前記自車両を前記他車両に追従して走行させる設定を受け付けた場合は、前記自車両が走行する際の前記他車両との距離である設定距離をさらに受け付け、
前記制御部は、前記自車両を前記他車両に追従して走行させる設定を前記受付部が受け付け、且つ前記他車両との距離が前記設定距離よりも大きい場合、現在の時刻に取得した前記距離が、現在の時刻より前の時刻に取得した前記距離よりも小さいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記バッテリから前記モータに前記不足電力を供給させる、
請求項3に記載の発電制御装置。
【請求項5】
プロセッサが実行する、
自車両の速度から前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度を減算した減算値である相対速度と、前記自車両が備えるアクセルペダルの踏込量と、を取得するステップと、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定するステップと、
前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記踏込量が所定量よりも大きいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させ、前記相対速度が前記第1閾値以下の場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記消費電力を供給させるステップと、
を有する発電制御方法。
【請求項6】
プロセッサが実行する、
自車両の速度から前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度を減算した減算値である相対速度を取得するステップと、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定するステップと、
前記自車両を前記他車両に追従して走行させるか否かの設定を受け付けるステップと、
前記設定を受け付けるステップにおいて前記自車両を前記他車両に追従させない設定を受け付けたことにより、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合は、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させ、前記相対速度が前記第1閾値以下の場合は、前記燃料電池スタックから前記モータに前記消費電力を供給させるステップと、
を有する発電制御方法。
【請求項7】
プロセッサに、
自車両の速度から前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度を減算した減算値である相対速度と、前記自車両が備えるアクセルペダルの踏込量と、を取得するステップと、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定するステップと、
前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合、前記踏込量が所定量よりも大きいことを条件として、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させ、前記相対速度が前記第1閾値以下の場合、前記燃料電池スタックから前記モータに前記消費電力を供給させるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
プロセッサに、
自車両の速度から前記自車両の進行方向前方を走行する他車両の速度を減算した減算値である相対速度を取得するステップと、
前記自車両に要求されたトルクを発生させるために前記自車両が備えるモータが消費する消費電力と、前記自車両が備える燃料電池スタックが発電している発電量に対応する供給電力との差である不足電力を特定するステップと、
前記自車両を前記他車両に追従して走行させるか否かの設定を受け付けるステップと、
前記設定を受け付けるステップにおいて前記自車両を前記他車両に追従させない設定を受け付けたことにより、前記相対速度が第1閾値よりも大きい場合は、前記燃料電池スタックから前記モータに前記供給電力を供給させるとともに、前記自車両が備えるバッテリから前記モータに前記不足電力を供給させ、前記相対速度が前記第1閾値以下の場合は、前記燃料電池スタックから前記モータに前記消費電力を供給させるステップと、
を実行させるためのプログラム。