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特開2024-119403森林資源の活用システム及び森林資源の活用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119403
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】森林資源の活用システム及び森林資源の活用方法
(51)【国際特許分類】
   C10B 53/02 20060101AFI20240827BHJP
   C10C 5/00 20060101ALI20240827BHJP
   B27K 5/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
C10B53/02
C10C5/00
B27K5/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026276
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】513302329
【氏名又は名称】野上 和利
(74)【復代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(72)【発明者】
【氏名】野上 和利
【テーマコード(参考)】
2B230
4H012
【Fターム(参考)】
2B230AA30
2B230BA02
2B230BA18
2B230EA30
2B230EB12
2B230EC01
4H012JA02
(57)【要約】
【課題】 樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図ることができるようにし、森林資源を活用の向上を図る。
【解決手段】 森林エリアE内に植生する樹木を伐採することにより得られる比較的大径の丸太を主とする主素材Wa、比較的小径の丸太を主とする副素材Wb、及び、小枝や葉を含む雑素材Wcを活用するもので、雑素材Wcを含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置1と、過熱蒸気により主素材Waを乾燥させる乾燥装置20と、乾燥した主素材Waを製材して製材品を得る製材施設Mと、過熱蒸気により副素材Wbを炭化させて木炭を得る木炭製造装置30と、乾燥装置20及び木炭製造装置30から排出されるガスを凝縮して凝縮水にする凝縮装置40とを備えた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木が植生する森林エリア内及び/または該森林エリアの周辺に設けられ、上記森林エリア内に植生する樹木を伐採することにより得られる比較的大径の丸太を主とする主素材、上記主素材以外の比較的小径の丸太を主とする副素材、及び、上記主素材及び副素材以外の小枝や葉を含む雑素材を活用する森林資源の活用システムであって、
上記雑素材を含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、該過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を処理物としての上記主素材に接触させて該主素材を乾燥させる乾燥装置と、該乾燥装置で乾燥した主素材を製材して製材品を得る製材施設と、上記過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を処理物としての上記副素材に接触させ該副素材を炭化させて木炭を得る木炭製造装置と、上記乾燥装置及び木炭製造装置から排出されるガスを凝縮して凝縮水にする凝縮装置とを備えたことを特徴とする森林資源の活用システム。
【請求項2】
上記凝縮装置は、ガスを凝縮するための熱交換用の冷却水を取り入るとともに熱交換後に上記冷却水を温水として排出する構成とし、該凝縮装置からの凝縮水及び温水を用いて発電を行うバイナリー発電装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の森林資源の活用システム。
【請求項3】
上記乾燥装置及び木炭製造装置は、夫々、行列状の多数の貫通孔を有した壁部で上開放の容器状に形成され処理物を収納する収納ケースと、該収納ケースを収容するとともに過熱蒸気を内部に注入する注入口及び内部で生成されるガスを排出する排出口を備えた密閉型の処理槽とを備えた熱処理装置で構成されることを特徴とする請求項1記載の森林資源の活用システム。
【請求項4】
上記過熱蒸気生成装置は、上記雑素材を含む燃料を燃焼する燃焼炉と、該燃焼炉で生成された燃焼ガスによって水蒸気を生成するボイラと、上記雑素材を含む燃料を燃焼する加熱炉を有するとともに上記ボイラからの排ガスの熱及び上記加熱炉で得られる熱を用いて上記ボイラの水蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する生成機と、該生成機からの排ガスを乾燥用熱源とし上記雑素材を乾燥させる乾燥器と、上記燃焼炉及び加熱炉で生じるガスから飛灰を集塵する集塵機とを備えて構成したことを特徴とする請求項3記載の森林資源の活用システム。
【請求項5】
上記過熱蒸気生成装置で上記雑素材を含む燃料を燃焼させることにより生じる焼却灰及び飛灰を無害化する無害化装置を備え、該無害化装置を、上記焼却灰及び飛灰を収容するとともに過熱蒸気を内部に注入する注入口及び内部で生成されるガスを排出する排出口を備えた密閉型の熱分解装置で構成したことを特徴とする請求項4記載の森林資源の活用システム。
【請求項6】
上記過熱蒸気生成装置において、上記雑素材にバーク材料を加えた燃料を用い、上記バーク材料は、上記主素材を樹皮が付帯したまま上記乾燥装置で乾燥させ、その後、上記製材施設で、主素材から樹皮を剥離して得たものであることを特徴とする請求項5記載の森林資源の活用システム。
【請求項7】
上記過熱蒸気生成装置において、上記雑素材におが屑混合鶏糞を加えた燃料を用いることを特徴とする請求項6記載の森林資源の活用システム。
【請求項8】
上記乾燥装置は、予め多数の主素材の水分量の測定値から相関する乾燥温度及び乾燥時間の演算を行い、統計学的解析を用いて構築される解析モデル、または、機械学習を用いて構築される学習済みモデルからなる演算モデルを構築し、乾燥に供する主素材において、その測定した水分量と上記演算モデルとから演算された演算結果により、当該乾燥に供する主素材を所要の乾燥温度及び乾燥時間で乾燥させる制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の森林資源の活用システム。
【請求項9】
請求項1乃至8何れかに記載の森林資源の活用システムを用いて行う森林資源の活用方法において、上記森林エリアを、15以上の区画に区分けし、1年目に、選択された1つの区画の樹木を伐採し、この伐採した樹木により、上記主素材,副素材及び雑素材を賄い、2年目以降から1年毎に樹木を伐採する区画を順に変えて一巡させるとともに、上記樹木を伐採した区画には、樹木の伐採後少なくとも1年以内に植林することを特徴とする森林資源の活用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、森林の樹木を有効に活用する森林資源の活用システム及び森林資源の活用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、森林資源の活用システムとしては、例えば、特許第5615151号公報に掲載されたものが知られている。これは、樹木が植生する森林エリア内に、この森林エリア内に植生する樹木を伐採することにより得られる丸太を製材して製材品を得る製材施設を設けるとともに、製材品を得る樹木以外の細木や枝葉等をバイオマス燃料としてスターリングエンジンからなる外燃機関を用いて発電する発電設備を設け、この発電施設で発電した電力を用いて製材施設や搬送手段を稼働させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5615151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の森林資源の活用システムにおいては、製材施設で丸太を製材して製材品を得ているが、その際に、丸太の乾燥を行うことについての記述はなく、仮に、乾燥を行うとしても、自然乾燥や発電設備の電力を利用した電熱乾燥によると考えられ、その場合には、樹木に含まれる有用成分が発散して無駄になり、その活用を図ることができないという問題がある。一方、製材品を得る樹木以外の素材においても、発電用の燃料として用いるので、樹木に含まれる有用成分が全部燃焼することから、この有用成分の活用を図ることができないという問題がある。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図ることができるようにし、森林資源の活用の向上を図った森林資源の活用システム及び森林資源の活用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の森林資源の活用システムは、樹木が植生する森林エリア内及び/または該森林エリアの周辺に設けられ、上記森林エリア内に植生する樹木を伐採することにより得られる比較的大径の丸太を主とする主素材、上記主素材以外の比較的小径の丸太を主とする副素材、及び、上記主素材及び副素材以外の小枝や葉を含む雑素材を活用する森林資源の活用システムであって、
上記雑素材を含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、該過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を処理物としての上記主素材に接触させて該主素材を乾燥させる乾燥装置と、該乾燥装置で乾燥した主素材を製材して製材品を得る製材施設と、上記過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を処理物としての上記副素材に接触させ該副素材を炭化させて木炭を得る木炭製造装置と、上記乾燥装置及び木炭製造装置から排出されるガスを凝縮して凝縮水にする凝縮装置とを備えた構成している。
【0007】
ここで、森林エリアとは、樹木が植生していることが条件ではあるが、必ずしも樹木が密集していなくても、そこには、草地、谷、川や道路等があって良い。樹木の種類も、スギ,マツ,ヒノキ等の針葉樹、ナラ,ブナ,クリ等の広葉樹等、樹種はどのようなものであっても良い。また、樹木としては、間伐材をはじめ、雑木や草木も含む。
【0008】
これにより、森林エリア内に植生する樹木を伐採することにより、比較的大径の丸太を主とする主素材、主素材以外の比較的小径の丸太を主とする副素材、及び、主素材及び副素材以外の小枝や葉を含む雑素材を得る。そして、過熱蒸気生成装置において、雑素材を含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気生成装置で生成した過熱蒸気を、乾燥装置及び木炭製造装置に送給する。この場合、過熱蒸気生成装置においては、雑素材を燃焼させて熱源とするので、樹木の有効利用を図ることができる。
【0009】
そして、乾燥装置においては、処理物としての主素材を乾燥させる。この乾燥装置で乾燥した主素材は、製材施設において製材されて製材品となる。この場合、主素材は、乾燥されているので、品質の向上を図ることができる。また、主素材を製材する際には、丸太から樹皮を剥し、バーク材料とする。このバーク材料においても乾燥されているので、過熱蒸気生成装置の燃料にすることができる。更に、主素材を製材する際には、端材が出るが、この端材の全部または一部、特に比較的小さいものは過熱蒸気生成装置の燃料にすることができる。端材の比較的大きなものは、副素材とともに木炭製造装置により木炭にすることができる。更にまた、主素材を製材する際には、おが屑が出るが、このおが屑も乾燥しているので、例えば、過熱蒸気生成装置の燃料にすることができ、また、鶏舎の敷料として用いることができ、有効利用を図ることができる。
【0010】
一方、木炭製造装置においては、処理物としての副素材を炭化させて木炭を得る。この場合、上記の主素材を製材する際には、端材が出るが、この端材の比較的大きなものは、副素材とともに、木炭にすることができる。この木炭は、例えば、石炭火力発電所における大量混焼用の木質バイオマス燃料として用いることができ、活用を図ることができる。
【0011】
そしてまた、乾燥装置及び木炭製造装置から排出されるガスは、凝縮装置に送給され、この凝縮装置において、凝縮されて凝縮水となる。このため、凝縮水には、樹木の有用成分、例えば、酢酸,アルコール,石炭酸,クレゾール,グアヤニール,アルデヒド,ケトン,モノテルペン類,セスキテルペン類,フェノール類等の化合物群で各種の有用な有機成分が含まれることになるので、例えば、農業用の肥料や土壌改良材として、あるいは、農作物の病害虫防止用として用いる等、有効活用を図ることができるようになる。即ち、凝縮水を得ることにより、樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図ることができるようになり、森林資源の活用の向上を図ることができるのである。
【0012】
そして、必要に応じ、上記凝縮装置は、ガスを凝縮するための熱交換用の冷却水を取り入るとともに熱交換後に上記冷却水を温水として排出する構成とし、該凝縮装置からの凝縮水及び温水を用いて発電を行うバイナリー発電装置を備えた構成としている。バイナリー発電装置においては、沸点が約-33℃のアンモニアや約36℃のペンタンなどの沸点が100℃以下の媒体が使用される。これにより、発電による電力を、例えば、製材施設の種々の機器の動力源として用いることができる。
【0013】
また、必要に応じ、上記乾燥装置及び木炭製造装置は、夫々、行列状の多数の貫通孔を有した壁部で上開放の容器状に形成され処理物を収納する収納ケースと、該収納ケースを収容するとともに過熱蒸気を内部に注入する注入口及び内部で生成されるガスを排出する排出口とを備えた密閉型の処理槽とを備えた熱処理装置で構成される。ここで、収納ケースは、例えば、金属製の網や、パンチングメタルで構成することができる。これにより、処理物を収納ケースに入れて処理するので、処理物の出し入れを容易にすることができるとともに、処理物の回収を容易にすることができる。また、収納ケースには行列状の多数の貫通孔が形成されているので、処理物と過熱蒸気との接触性が良くなり、処理物の処理効率を向上させることができる。
【0014】
更に、必要に応じ、上記過熱蒸気生成装置は、上記雑素材を含む燃料を燃焼する燃焼炉と、上記燃焼炉で生成された燃焼ガスによって水蒸気を生成するボイラと、上記雑素材を含む燃料を燃焼する加熱炉を有するとともに上記ボイラからの排ガスの熱及び上記加熱炉で得られる熱を用いて上記ボイラの水蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する生成機と、該生成機からの排ガスを乾燥用熱源とし上記雑素材を乾燥させる乾燥器と、上記燃焼炉及び加熱炉で生じるガスから飛灰を集塵する集塵機とを備えて構成している。これにより、この乾燥器により雑素材を予め乾燥させることができるので、熱効率を向上させることができる。
【0015】
更にまた、必要に応じ、上記過熱蒸気生成装置で上記雑素材を含む燃料を燃焼させることにより生じる焼却灰及び飛灰を無害化する無害化装置を備え、該無害化装置を、上記焼却灰及び飛灰を収容するとともに過熱蒸気を内部に注入する注入口及び内部で生成されるガスを排出する排出口とを備えた密閉型の熱分解装置で構成したことが有効である。過熱蒸気生成装置から排出される焼却灰や飛灰に含まれる可能性のあるダイオキシンなどを除去することができる。また、例えば、焼却灰や飛灰に含まれる六価クロムを三価クロムにすることができる。更に、資源として、リン酸,カリウム,マグネシウム,マンガン,ニッケル,パラジウム,ルビジウム等の単体若しくはこれらの酸化物等として生成することができる。このため、この無害化装置で無害化した焼却灰や飛灰のミネラルを、凝縮装置において生成された凝縮水に混合して土壌改良剤などとして利用することもでき、これによっても樹木の有効利用を図ることができる。
【0016】
また、必要に応じ、上記過熱蒸気生成装置において、上記雑素材にバーク材料を加えた燃料を用い、上記バーク材料は、上記主素材を樹皮が付帯したまま上記乾燥装置で乾燥させ、その後、上記製材施設で、主素材から樹皮を剥離して得たものである構成としている。バーク材料は乾燥しているので、そのまま燃料として用いることができ、極めて効率が良くなる。これによっても樹木の有効利用を図ることができる。
【0017】
この場合、上記過熱蒸気生成装置において、上記雑素材におが屑混合鶏糞を加えた燃料を用いる構成としている。不足の燃料をおが屑混合鶏糞で補充することで、燃料を担保できる。おが屑混合鶏糞は、例えば、若鶏飼養養鶏施設から排出され、このおが屑混合鶏糞を利用するので、その処理の効率化を図ることができる。
【0018】
また、必要に応じ、上記乾燥装置は、予め多数の主素材の水分量の測定値から相関する乾燥温度及び乾燥時間の演算を行い、統計学的解析を用いて構築される解析モデル、または、機械学習を用いて構築される学習済みモデルからなる演算モデルを構築し、乾燥に供する主素材において、その測定した水分量と上記演算モデルとから演算された演算結果により、当該乾燥に供する主素材を所要の乾燥温度及び乾燥時間で乾燥させる制御部を備えた構成としている。所謂AIを用いて主素材の水分量に対応して主素材を乾燥処理するので、乾燥品位を安定化することができ、製材品の品質を向上させることができる。
【0019】
また、上記課題を解決するための本発明の森林資源の活用方法は、上記の森林資源の活用システムを用いて行う森林資源の活用方法において、上記森林エリアを、15以上の区画に区分けし、1年目に、選択された1つの区画の樹木を伐採し、この伐採した樹木により、上記主素材,副素材及び雑素材を賄い、2年目以降から1年毎に樹木を伐採する区画を順に変えて一巡させるとともに、上記樹木を伐採した区画には、樹木の伐採後少なくとも1年以内に植林する構成としている。区画の数は、例えば、30~50区画とする。各区画の面積は、樹木の量などに応じて適宜に定めてよい。
【0020】
これにより、上記の凝縮水を得ることにより、樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図り、森林資源の活用の向上を図ることに加え、森林エリアを複数の区画に区分けして、樹木を伐採する区画を順に変えて一巡させるとともに、樹木を伐採した区画は速やかに植林するので、皆伐と植林の持続的なサイクルを構築することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図ることができるようにし、森林資源を活用の向上を図ることができる。また、森林エリアを複数の区画に区分けして、樹木を伐採する区画を順に変えて一巡させるとともに、樹木を伐採した区画は速やかに植林する場合には、皆伐と植林の持続的なサイクルを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムを森林エリアの一例とともに示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムの過熱蒸気生成装置,乾燥装置及び木炭製造装置を、樹木の処理の関係において示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムにおいて、過熱蒸気生成装置の構成を示す図である。
図4】本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムの乾燥装置及び木炭製造装置を構成する熱処理装置と凝縮装置とを、排出ガスの処理の関係において示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムの凝縮装置とバイナリー発電装置とを、凝縮水及び冷却水の処理の関係において示す図である。
図6】本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムにおいて、乾燥装置及び木炭製造装置を構成する熱処理装置を示し、(a)は横断面図、(b)は側面断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムの乾燥装置における処理時間と処理温度の一例を示す表図である。
図8】本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムの焼却灰の無害化装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システム及び森林資源の活用方法について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態に係る森林資源の活用システムSは、樹木が植生する森林エリアE内及び/または森林エリアEの周辺に設けられている。実施の形態では森林エリアE内に設けられており、森林エリアE内に植生する樹木を伐採することにより得られる比較的大径の丸太を主とする主素材Wa、主素材Wa以外の比較的小径の丸太を主とする副素材Wb、及び、主素材Wa及び副素材Wb以外の小枝や葉を含む雑素材Wcを活用する。
【0024】
森林エリアEは、図1に示すように、15以上の区画(E1~En)に区分けされている。区画の数は、例えば、30~50区画とする。各区画の面積は、樹木の量などに応じて適宜に定めてよい。実施の形態では、40区画(En=40)としている。そして、1年目に、選択された1つの区画の樹木を伐採し、この伐採した樹木により、主素材Wa,副素材Wb及び雑素材Wcを賄い、2年目以降から1年毎に樹木を伐採する区画を順に変えて一巡させるとともに、樹木を伐採した区画には、樹木の伐採後少なくとも1年以内に植林する。
【0025】
実施の形態に係る森林資源の活用システムSの基本的構成は、雑素材Wcを含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置1と、過熱蒸気生成装置1で生成した過熱蒸気を処理物としての主素材Waに接触させて主素材Waを乾燥させる乾燥装置20と、乾燥装置20で乾燥した主素材Waを製材して製材品を得る製材施設Mと、過熱蒸気生成装置1で生成した過熱蒸気を処理物としての副素材Wbに接触させこの副素材Wbを炭化させて木炭を得る木炭製造装置30と、乾燥装置20及び木炭製造装置30から排出されるガスを凝縮して凝縮水にする凝縮装置40とを備えてなる。
【0026】
製材施設Mにおいては、乾燥装置20で乾燥した主素材Waを製材して製材品とする。この主素材Waを製材する際には、丸太から樹皮を剥し、バーク材料とする。このバーク材料は、乾燥装置20で乾燥されているので、実施の形態では、過熱蒸気生成装置1の燃料にしている。また、主素材Waを製材する際には、端材及びおが屑が出るが、実施の形態では、端材及びおが屑も乾燥しているので、端材は、比較的小さいものは過熱蒸気生成装置1の燃料にし、比較的大きなものは、副素材Wbとともに木炭製造装置30により木炭にしている。おが屑は、過熱蒸気生成装置1の燃料にすることができるが、実施の形態では、若鶏飼養鶏舎の敷料として供給している。
【0027】
過熱蒸気生成装置1は、図3に示すように、雑素材Wcを含む燃料を燃焼する燃焼炉2と、燃焼炉2で生成された燃焼ガスによって水蒸気を生成するボイラ3と、雑素材Wcを含む燃料を燃焼する加熱炉5を有するとともにボイラ3からの排ガスの熱及び加熱炉5で得られる熱を用いてボイラ3の水蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する生成機4と、生成機4からの排ガスを乾燥用熱源とし雑素材Wcを乾燥させる乾燥器10とを備えて構成されている。この過熱蒸気生成装置1においては、雑素材Wcにバーク材料及びおが屑混合鶏糞を加えた燃料を用いている。実施の形態では、バーク材料は、製材施設Mで、主素材Waから樹皮を剥離して得たものである。おが屑混合鶏糞は、若鶏飼養養鶏施設から排出されるものを用いている。
【0028】
生成機4は、ボイラ3からの排ガスの熱及び加熱炉5で得られる熱を用いて、水蒸気を加熱して、例えば400℃~450℃の過熱蒸気を生成する。図3に示すように、生成機4から乾燥器10に至る排ガスの経路には、燃焼炉2で生成された燃焼ガスから飛灰を集塵する集塵機としてのサイクロン6、塩素除去装置7、及び、これにより塩素が除去された排ガスの温度を200℃~250℃に調整して乾燥器10に吹き込む温度調整送風機8が設けられている。また、乾燥器10の出口側の排ガスの経路には、燃焼炉2及び加熱炉5で生成されたガスから飛灰を集塵する集塵機としての別のサイクロン11、排ガスを吸引,排気するファン12、及び、煙突13が設けられている。この煙突13も下部に飛灰が溜まる集塵機としての機能を備えている。集塵機としては、サイクロン6,11及び煙突13に限らず、例えば、バグフィルターを備えたろ過式集じん装置を用いることができる。塩素除去装置7としては、例えば、吸着法や吸収法による周知の装置が用いられる。回収した塩素はアルカリを用いて中和することができる。
【0029】
乾燥装置20及び木炭製造装置30は、熱処理装置Hで構成される。熱処理装置Hは、図6に示すように、行列状の多数の貫通孔を有した壁部で上開放の容器状に形成され処理物を収納する金属製の収納ケース21と、この収納ケース21を収容するとともに過熱蒸気を内部に注入する注入口22及び内部で生成される排出ガスを排出する排出口23とを備えた密閉型の処理槽24とを備えて構成されている。収納ケース21は、例えば、金属製の網や、パンチングメタルで構成することができる。25は排出口23から排出される排出ガスから塩素を除去する上記の塩素除去装置7と同様の塩素除去装置である。符号26は、収納ケース21を搬送するコンベアである。処理物は、収納ケース21に入れて処理するので、処理物の出し入れを容易にすることができるとともに、処理後の処理物の回収を容易にすることができる。また、収納ケース21には行列状の多数の貫通孔が形成されているので、処理物と過熱蒸気との接触性が良くなり、処理効率を向上させることができる。熱分解装置10は、供給する過熱蒸気の温度や圧力調整により、処理物の性状を調整して生成しうる。
【0030】
詳しくは、乾燥装置20を構成する熱処理装置Hは、予め多数の主素材Waの水分量の測定値から相関する乾燥温度及び乾燥時間の演算を行い、統計学的解析を用いて構築される解析モデル、または、機械学習を用いて構築される学習済みモデルからなる演算モデルを構築し、乾燥に供する主素材Waにおいて、その測定した水分量と上記演算モデルとから演算された演算結果により、当該乾燥に供する主素材Waを所要の乾燥温度及び乾燥時間で乾燥させる制御部を備えている。この制御部の制御により、例えば、図7に示すように、5段階の乾燥温度及び乾燥時間で主素材Waを乾燥させる。これにより、例えば、60重量%の水分量の主素材Waを、20重量%の水分量にする。この場合、約12時間程度で乾燥を終えることができる。所謂AIを用いて主素材Waの水分量に対応して主素材Waを乾燥処理するので、乾燥品位を安定化することができ、製材品の品質を向上させることができる。
【0031】
木炭製造装置30を構成する熱処理装置Hは、過熱蒸気生成装置1で生成した過熱蒸気を処理物としての副素材Wbに接触させ、副素材Wbを炭化させて木炭を得る。例えば400℃~450℃の過熱蒸気で、所要時間副素材Wbを処理する。例えば、60重量%の水分量の副素材Wbを、5重量%以下の水分量の木炭にする。
【0032】
凝縮装置40は、図4及び図5に示すように、ガスを凝縮するための熱交換用の冷却水を取り入るとともに熱交換後に冷却水を温水として排出するように構成されている。冷却水として例えば20℃のものが供給され、熱処理装置Hからの排気ガスが、例えば300℃で排出されるとすると、熱交換により、例えば75℃の凝縮水と温水が得られる。
【0033】
そして、実施の形態では、凝縮装置40からの凝縮水及び温水を用いて発電を行うバイナリー発電装置50が備えられている。図5に示すように、バイナリー発電装置50は、例えば、沸点が約-33℃のアンモニアや約36℃のペンタンなどの沸点が100℃以下の媒体が使用される。図5中、符号51は凝縮装置40からの凝縮水により媒体を蒸発させる蒸発器、52は凝縮装置40からの温水により媒体を蒸発させる蒸発器、53は蒸発器51,52からの媒体により発電機53を駆動して発電させるタービン54である。55はタービン54からの媒体を冷却水により凝縮させる凝縮器、56は凝縮器55からの媒体を蒸発器51,52に送給するポンプである。蒸発器51からの凝縮水、蒸発器52及び凝縮器55からの温水は、熱源として種々の用に供される。発電機53の発電による電力は、例えば、製材施設Mの種々の機器の動力源として用いられる。
【0034】
また、実施の形態では、過熱蒸気生成装置1で雑素材Wcを含む燃料を燃焼させることにより生じる焼却灰及び飛灰を無害化する無害化装置60が備えられている。図8に示すように、無害化装置60は、焼却灰及び飛灰を収容するとともに上記の過熱蒸気生成装置1からの過熱蒸気を内部に注入する注入口及び内部で生成されるガスを排出する排出口とを備えた密閉型の上記の熱処理装置Hと同様の熱分解装置Bで構成されている。図8中、符号61は排出口から排出される排出ガスから塩素を除去する上記の塩素除去装置7,25と同様の塩素除去装置である。62は熱分解装置Bからの排出ガスを凝縮する上記と同様の凝縮装置である。
【0035】
従って、実施の形態に係る森林資源の活用システムSにおいては、図2に示すように、森林エリアE内の区画の1つにおいて、植生する樹木を伐採することにより、比較的大径の丸太を主とする主素材Wa、主素材Wa以外の比較的小径の丸太を主とする副素材Wb、及び、主素材Wa及び副素材Wb以外の小枝や葉を含む雑素材Wcを得る。主素材Waは大型の収納ケース21に入れられて乾燥装置20に搬送され、副素材Wbは小型の収納ケース21に入れられて木炭製造装置30に搬送される。また、雑素材Wcも適宜の搬送手段により、過熱蒸気生成装置1に搬送される。
【0036】
そして、過熱蒸気生成装置1において、雑素材Wcを含む燃料を燃焼させて過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気生成装置1で生成した過熱蒸気を、乾燥装置20及び木炭製造装置30に送給する。この場合、過熱蒸気生成装置1においては、雑素材Wcを燃焼させて熱源とするので、樹木の有効利用を図ることができる。また、この燃料となる雑素材Wcは、生成機4からの排ガスを乾燥用熱源とした乾燥器10により予め乾燥させるので、熱効率を向上させることができる。
【0037】
更に、過熱蒸気生成装置1においては、製材施設Mから得られたバーク材料を雑素材Wcとともに燃料として用いており、バーク材料は乾燥装置20により乾燥しているので、そのまま燃料として用いることができ、極めて効率が良くなり、これによっても、樹木の有効利用を図ることができる。更にまた、過熱蒸気生成装置1においては、おが屑混合鶏糞を雑素材Wcに加えた燃料を用いるので、不足の燃料をおが屑混合鶏糞で補充することで、燃料を担保できるとともに、若鶏飼養養鶏施設から排出されるおが屑混合鶏糞を利用するので、その処理の効率化を図ることができる。
【0038】
乾燥装置20においては、処理物としての主素材Waを乾燥させる。乾燥に先立って、主素材Waの水分量が測定され、乾燥条件が定められ、制御部はこの乾燥条件に従って主素材Waを乾燥させる。この制御部の制御により、例えば、図7に示すように、5段階の乾燥温度及び乾燥時間で主素材Waを乾燥させる。これにより、例えば、60重量%の水分量の主素材Waを、20重量%の水分量にする。約12時間程度で乾燥を終えることができる。所謂AIを用いて主素材Waの水分量に対応して主素材Waを乾燥処理するので、乾燥品位を安定化することができ、製材品の品質を向上させることができる。
【0039】
この場合、処理物を収納ケース21に入れて処理するので、処理物の出し入れを容易にすることができるとともに、処理物の回収を容易にすることができる。また、収納ケース21には行列状の多数の貫通孔が形成されているので、処理物と過熱蒸気との接触性が良くなり、処理物の処理効率を向上させることができる。
【0040】
この乾燥装置20で乾燥した主素材Waは、製材施設Mにおいて製材されて製材品となる。この場合、主素材Waは、乾燥されているので、品質の向上を図ることができる。また、主素材Waを製材する際には、丸太から樹皮を剥し、バーク材料とし、上記の通り過熱蒸気生成装置1の燃料としている。また、主素材Waを製材する際には、端材が出るが、この端材の全部または一部、特に比較的小さいものは過熱蒸気生成装置1の燃料にすることができる。端材の比較的大きなものは、副素材Wbとともに木炭製造装置30により木炭にする。更に、主素材Waを製材する際には、おが屑が出るが、このおが屑も乾燥しているので、実施の形態では若鶏飼養鶏舎の敷料として供給している。このように製材品の副産物も無駄なく利用しているので、樹木の有効利用を図ることができる。
【0041】
一方、木炭製造装置30においては、処理物としての副素材Wbを炭化させて木炭を得る。この場合、上記の主素材Waを製材する際には、端材が出るが、この端材の比較的大きなものは、副素材Wbとともに、木炭にしている。また、この場合、処理物を収納ケース21に入れて処理するので、処理物の出し入れを容易にすることができるとともに、処理物の回収を容易にすることができる。更に、収納ケース21には行列状の多数の貫通孔が形成されているので、処理物と過熱蒸気との接触性が良くなり、処理物の処理効率を向上させることができる。この木炭は、例えば、石炭火力発電所における大量混焼用の木質バイオマス燃料として用いることができ、活用を図ることができる。
【0042】
そしてまた、図4及び図5に示すように、乾燥装置20及び木炭製造装置30から排出されるガスは、凝縮装置40に送給され、この凝縮装置40において、凝縮されて凝縮水となる。凝縮装置40においては、ガスを凝縮するための熱交換用の冷却水を取り入るとともに熱交換後に冷却水を温水として排出する。そして、図5に示すように、バイナリー発電装置50において、凝縮装置40からの凝縮水及び温水を用いて発電がおこなわれる。この発電による電力は、例えば、製材施設Mの種々の機器の動力源として用いることができる。バイナリー発電装置50の蒸発器52及び凝縮器55からの温水は、例えば、農業用の温室の熱源として用いることができる。
【0043】
また、バイナリー発電装置50の蒸発器51からの凝縮水には、樹木の有用成分、例えば、酢酸,アルコール,石炭酸,クレゾール,グアヤニール,アルデヒド,ケトン,モノテルペン類,セスキテルペン類,フェノール類等の化合物群で各種の有用な有機成分が含まれることになるので、この凝縮水は、例えば、農業用の肥料や土壌改良材として、あるいは、農作物の病害虫防止用として用いる等、有効活用を図ることができるようになる。即ち、凝縮水を得ることにより、樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図ることができるようになり、森林資源の活用の向上を図ることができるのである。
【0044】
更に、過熱蒸気生成装置1で雑素材Wcを含む燃料を燃焼させることにより生じる焼却灰及び飛灰は無害化装置60により無害化される。図8に示すように、無害化装置60の熱分解装置Bにより、焼却灰及び飛灰は、過熱蒸気により、成分が熱分解され、焼却灰及び飛灰に含まれる可能性のあるダイオキシンなどを除去することができる。また、例えば、焼却灰に含まれる六価クロムを三価クロムにすることができる。更に、資源として、リン酸,カリウム,マグネシウム,マンガン,ニッケル,パラジウム,ルビジウム等の単体若しくはこれらの酸化物等として生成することができる。このため、この無害化装置60で無害化した焼却灰や飛灰のミネラルを、凝縮装置40において生成された凝縮水に混合して土壌改良剤などとして利用することもでき、これによっても樹木の有効利用を図ることができる。尚、無害化装置60で得られる凝縮装置40の排水や温水も、上記と同様に熱源として利用できる。
【0045】
次に、実施の形態に係る森林資源の活用方法について説明する。この活用方法は、森林エリアEを、15以上の区画(実施の形態では40区画)に区分けし、1年目に、選択された1つの区画の樹木を伐採し、この伐採した樹木により、主素材Wa,副素材Wb及び雑素材Wcを賄い、2年目以降から1年毎に樹木を伐採する区画を順に変えて一巡させるとともに、樹木を伐採した区画には、樹木の伐採後少なくとも1年以内に植林する。構成としている。区画の数は、例えば、30~50区画とする。各区画の面積は、樹木の量などに応じて適宜に定めてよい。
【0046】
これにより、上記の凝縮水を得ることにより、樹木に含まれる有用成分を別途抽出できるようにしてその活用を図り、森林資源の活用の向上を図ることに加え、森林エリアEを複数の区画に区分けして、樹木を伐採する区画を順に変えて一巡させるとともに、樹木を伐採した区画は速やかに植林するので、皆伐と植林の持続的なサイクルを構築することができる。
【0047】
尚、上記の実施の形態においては、森林エリアEを40区画に区分けしたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。また、上記実施の形態において、本システムを森林エリアE内に設けたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、全部もしくはその一部を、森林エリアEの周辺に設けても良く、適宜変更して差支えない。本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されず、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
S 森林資源の活用システム
E 森林エリア
Wa 主素材
Wb 副素材
Wc 雑素材
1 過熱蒸気生成装置
2 燃焼炉
3 ボイラ
4 生成機
5 加熱炉
6 サイクロン
7 塩素除去装置
8 送風機
10 乾燥器
11 サイクロン
12 ファン
13 煙突
M 製材施設
H 熱処理装置
20 乾燥装置
21 収納ケース
22 注入口
23 排出口
24 処理槽
25 塩素除去装置
26 コンベア
30 木炭製造装置
40 凝縮装置
50 バイナリー発電装置
51 蒸発器
52 蒸発器
53 発電機
54 タービン
55 凝縮器
56 ポンプ
60 無害化装置
B 熱分解装置
61 塩素除去装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8