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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119421
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】ブロワ装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20240827BHJP
   F04D 29/60 20060101ALI20240827BHJP
   F04D 29/62 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
F04D29/60 J
F04D29/62 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026307
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】吉留 聖也
(72)【発明者】
【氏名】坂 吉和
(72)【発明者】
【氏名】田代 知行
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 純樹
(72)【発明者】
【氏名】日高 誠
【テーマコード(参考)】
3H130
5H605
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB26
3H130AB45
3H130AC13
3H130BA87G
3H130DD01X
3H130DF07X
5H605AA02
5H605BB05
5H605CC01
5H605EC11
(57)【要約】
【課題】車両のシート下方に配置されるブロワ装置において、ブロワ装置の上方から落下する水などの液体に対する被水対策を施す。
【解決手段】ブロワケーシング2と、ブロワケーシング2の内側に収容されたインペラと、ブロワケーシング2の軸方向一方端側に設けられ、インペラを回転させるモータと、モータに電力を供給する複数のコネクタピンを備えたコネクタハウジング94と、を備えたブロワ装置である。コネクタハウジング94には、コネクタハウジング94の上方を覆う被水カバー100が固定されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロワケーシングと、
前記ブロワケーシングの内側に収容されたインペラと、
前記ブロワケーシングの軸方向一方端側に設けられ、前記インペラを回転させるモータと、
前記モータに電力を供給する複数のコネクタピンを備えたコネクタハウジングと、
を備え、
前記コネクタハウジングの上方を覆う被水カバーが、前記コネクタハウジングに固定されたブロワ装置。
【請求項2】
前記被水カバーの軸方向の少なくとも一端部に、径方向外側に突出するフランジ部を設けた請求項1に記載のブロワ装置。
【請求項3】
前記被水カバーは、前記コネクタハウジングを収容する収容部を備え、前記収容部に、内側へ突出する係止爪を備え、前記コネクタハウジングの壁部に設けた貫通孔に、前記係止爪が係合している請求項1または2に記載のブロワ装置。
【請求項4】
前記収容部は、前記コネクタハウジングの開口部以外の面を囲う複数の壁面を備え、少なくとも一つの前記壁面に、前記軸方向に延在する突条を設けた請求項3に記載のブロワ装置。
【請求項5】
前記収容部は、前記コネクタハウジングの開口と同じ方向を向く開口部を備え、前記開口部の縁部には、該開口部の内側に突出することで、前記コネクタハウジングが前記開口部が開口する側へ相対移動することを規制する規制部を設けた請求項3に記載のブロワ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブロワ装置に係り、特に、外部の配線を接続するための電装品に被水対策を施す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心ファンを用いたブロワ装置は、家電機器、OA機器、産業機器の冷却、換気、空調や、車両用機器、などに広く用いられている。
【0003】
たとえば、ハイブリッド車や電気自動車などの車両では、走行用の駆動源としてのモータや、各種センサに供給される電力を蓄える電池パックが配置され、電池パックを冷却するための送風機が設けられている。この電池パックを搭載する車両において、電池パックをシート下方のフロアパネルに配置する場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された電池パックを冷却するための送風機としては、一般に、遠心送風機であるブロワ装置が用いられており、モータに電力を供給するための電装品として、コネクタを備えたブロワ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-062256号公報
【特許文献2】国際公開2020/255564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載されたブロワ装置を、特許文献1に記載されたような電池パックに設け、この電池パックがシート下方のフロアパネルに配置された車両において、車内の人が容器に入った水や飲み物などをシート上にこぼした場合、ブロワ装置の上方から水などの液体が電装品であるコネクタの電極部に付着してモータが故障する虞がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両のシート下方に配置されるブロワ装置において、ブロワ装置の上方から落下する水などの液体に対する被水対策を施すことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ブロワケーシングと、前記ブロワケーシングの内側に収容されたインペラと、前記ブロワケーシングの軸方向一方端側に設けられ、前記インペラを回転させるモータと、前記モータに電力を供給する複数のコネクタピンを備えたコネクタハウジングと、を備え、前記コネクタハウジングの上方を覆う被水カバーが、前記コネクタハウジングに固定されたブロワ装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シートから落下する水滴がコネクタハウジングを覆う被水カバーに落下し、被水カバーの端部から落下するので、コネクタハウジングの電極部に水滴が付着してモータが故障するといった不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態のブロワ装置の分解斜視図である。
図2】実施形態のブロワ装置の側面図である。
図3図2のIII-III線断面の一部拡大図である。
図4図2の逆方向から視た側面図である。
図5】実施形態のブロワ装置の斜視図である。
図6】(A)は実施形態のブロワ装置の視る角度を変えた斜視図であり、(B)は(A)の矢印Bで示す部分の拡大図である。
図7】実施形態における突起部と溝との嵌合状態を示す断面図である。
図8】実施形態におけるブロワ下ケーシングを示す斜視図である。
図9】実施形態におけるインペラを示す斜視図である。
図10】実施形態におけるモータを示す斜視図である。
図11】実施形態におけるエンドキャップを示す斜視図である。
図12】実施形態におけるカバーを示す斜視図である。
図13】実施形態における抜け止めブロックを示す斜視図である。
図14図13の視る角度を変えた斜視図である。
図15】実施形態における被水カバーを示す斜視図である。
図16図15のXVI-XVI線断面図である。
図17図15に示す被水カバーを反対側から視た斜視図である。
図18】被水カバーの平面図である。
図19】被水カバーの裏面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.ブロワ装置の概略構成
図1は、本発明の実施形態のブロワ装置1の分解斜視図、図2は側面図である。ブロワ装置1は、ブロワケーシング2と、ブロワケーシング2を取り付け対象に固定するための固定部材である複数(この例では2個)の固定取付足ブラケット3を備えている。
【0012】
ブロワケーシング2は、ブロワ上ケーシング(第2ブロワケーシング)4とブロワ下ケーシング(第1ブロワケーシング)5から構成され、吸込口21と排気口22とを有している。ブロワケーシング2の内側には、複数の羽根を備えて空気の吸い込みおよび吹き出しを行うインペラ6が収容されている。
【0013】
ブロワ下ケーシング5の上壁には、インペラ6を回転させるための電動機であるモータ7が固定されている。なお、以下の説明においては、モータ7のシャフト71の方向を軸方向とし、軸方向の内、図1および図3に示した矢印Y方向を上側、その逆方向を下側とする。また、シャフト71と直交する方向を径方向とし、シャフト71の回転方向を周方向とする。
【0014】
モータ7のシャフト71は、モータ7の回転軸であって、インペラ6とモータ7とを連結している軸である。この構造により、シャフト71は、モータ7の回転に合わせて、インペラ6を回転させる。
【0015】
モータ7には回路基板8が近接して配置されている。回路基板8は、モータ7に制御電流を供給し、回路基板8には外部電源から駆動電流が供給される。回路基板8はエンドキャップ9に固定され、エンドキャップ9はモータ7のフレーム72に固定されている。エンドキャップ9には、半円状のカバー10が固定されている。エンドキャップ9には、コネクタハウジング94が樹脂の射出成形により一体に成形され、コネクタハウジング94の外周には、被水カバー100が取り付けられている。
【0016】
2.ブロワケーシング
ブロワ下ケーシング5の外周部には、図1に示すように、ブロワ上ケーシング4側に突出する複数の係止片51が形成され、係止片51の先端には径方向外側に突出する爪部51aが形成されている。一方、ブロワ上ケーシング4の外周部には、橋のような形状をなす架橋部41が係止片51に対応する位置に形成されている。そして、係止片51を架橋部41に挿入し、爪部51aが架橋部41を通過することにより、係止片51が架橋部41に係合し、ブロワ上ケーシング4とブロワ下ケーシング5が結合される。
【0017】
また、図示は省略するが、ブロワ上ケーシング4の縁部には突条が形成され、ブロワ下ケーシング5の縁部には溝が形成されている。ブロワ上ケーシング4とブロワ下ケーシング5を結合した状態で溝に突条が嵌合して密封され、風が漏れない構造となっている。ブロワ上ケーシング4とブロワ下ケーシング5の外周の一部には、排気口22の一方片と他方片とが形成されており、両者を合わせることで排気口22が形成されている。
【0018】
図4図6に示すように、ブロワ下ケーシング5の外周部分には、軸方向に延在する一対の突起部52が周方向に添って複数対形成されている。突起部52は、図7に示すように、断面略T字状をなしている。以上の構成は樹脂の射出成形により一体に成形されている。また、突起部52は、図5に示すように両端面52a,52bを有している。この突起部52を用いて、固定取付足ブラケット3は、ブロワ下ケーシング5に取り付けられている。
【0019】
3.固定取付足ブラケットおよび抜け止めブロック
固定取付足ブラケット3は、本体部31と、本体部31から延在する固定部32とを備えている。固定部32には、ボルト等の締結部材を挿通するための貫通孔32aが形成されている。また、固定部32には、一対の溝33が形成されている(図1参照)。溝33の断面形状は突起部52の断面形状とほぼ相似形であり、図7に示すように、固定取付足ブラケット3は、径方向および周方向への移動を規制された状態でブロワ下ケーシング5に取り付けられている。
【0020】
図1に示すように、溝33の一方端は開放されているが、他方端は壁34で閉塞されている。図8の右下の位置から溝33に突起部52を嵌合させて軸方向へ摺動させると、壁34が突起部52の端面52aに当接し、固定取付足ブラケット3のそれ以上の軸方向への移動が規制される。逆方向への移動は、後述する抜け止めブロック200を固定取付足ブラケット3に形成した第1貫通孔35および第2貫通孔36に挿入することにより、抜け止めブロック200が突起部52の反対側の端面52bと接触することで規制される。
【0021】
図13および図14に抜け止めブロック200を示す。抜け止めブロック200は、樹脂の射出成形で一体に成形され、側面視でH字状をなす本体部201を有している。本体部201の一端部の両側には、その厚さ方向に突出する抜け止め脚部202が形成されている。抜け止め脚部202は、断面が略半円状のもので、その略半円状をなす頂面には突条203が形成されている。また、抜け止め脚部202の突条203と反対側には、段部204が形成されている。本体部201の他端部には、その厚さ方向に向け抜け止め脚部202から離間するように傾斜した係止脚部205を備えている。
【0022】
係止脚部205の先端部には爪部205aが形成されている。なお、図中符号206は凹部であり、凹部206は抜け止めブロック200の樹脂成形の際のヒケ対策であると共に、抜け止めブロック200の軽量化を図ったものである。
【0023】
抜け止めブロック200の抜け止め脚部202と係止脚部205は、固定取付足ブラケット3の本体部31に形成された第1、第2貫通孔35,36にそれぞれ挿入されている。挿入の際、抜け止め脚部202に形成した突条203が第1貫通孔35と接触し、抜け止め脚部202の頂面の他の部分は第1貫通孔35と接触しないため、挿入の際の抵抗が小さくしかもガタのない状態で挿入される。
【0024】
このとき、爪部205aが第2貫通孔36の縁部に押されて脚部204が弾性変形する。そして、抜け止めブロック200の段部204が本体部31に当接し、同時に爪部204aが第2貫通孔36を抜け出て係止脚部205が弾性復帰し、爪部205aが第2貫通孔36の縁部に係合するとともに、抜け止め脚部202が突起部52の軸方向の他方の端面52bに接触する。これにより、固定取付足3は、軸方向のいずれの方向にも動けない状態となる。
【0025】
4.モータおよびインペラ
図9に示すように、インペラ6は、中央部のハブ61と、ハブ61の外周部に形成された略円板状のフランジ62と、フランジ62の外周面に立設した複数の羽根63と、複数の羽根63を連結する連結リング64とを備えている。そして、モータ7を駆動することによりシャフト71が回転し、シャフト71の回転に伴ってインペラ6が回転する。インペラ6の回転により、吸込口21から吸入した空気は、インペラ6の内側に案内されて複数の羽根63の間からブロワケーシング2内に排出され、ブロワケーシング2内の流路を経て排気口22からブロワケーシング2の外方へ吹き出す。
【0026】
図10に示すように、モータ7のフレーム72には、径方向外側に突出する複数(この例では3個)のフランジ73が形成され、フランジ73には2つの貫通孔73aが形成されている。一方、図8に示すように、ブロワ下ケーシング5の中央部には円形の開口部55が形成され、開口部55の周囲には、軸方向へ突出する円柱状の突起53が形成されている。なお、図8に示す突起53は熱カシメで潰れた状態を示している。この突起53を貫通孔73aに挿入することで、フレーム72は、エンドキャップ9と共にブロワ上ケーシング4に固定されている。この固定方法については後述する。
【0027】
フランジ73とフランジ73との中間部には、さらにフランジ74が形成されている。図3に示すように、フランジ74に形成された貫通孔にはネジ75が挿通され、ネジ75の頭部とフランジ74とによって1本のコネクタピン95の端部を挟み込み、ナット76で締め付けて固定している。導電性材料(例えば金属製)からなるフレーム72にコネクタピン95を接触させることで接地され、コネクタピン95の他端部が接続された回路基板8のGNDパターンが基準電位(例えばゼロボルト)に設定される。
【0028】
5.エンドキャップおよびカバー
図11にエンドキャップ9を示す。エンドキャップ9は、円筒部91と半円状の天板部92と半円状の開口部93とを備えた略円板状をなすもので、円筒部91がブロワ下ケーシング5の開口部55に嵌合している。エンドキャップ9の天板部92には、コネクタハウジング94が樹脂の射出成形にて一体に成形されている。コネクタハウジング94は、複数のコネクタピン95(図6(B)参照)をインサート材にして成形されたもので、コネクタピン95はL字状をなし、その一端部はコネクタハウジング94の内部に突出し、他端部は軸方向に延在して回路基板8の配線パターンに電気的に接続されている。
【0029】
コネクタハウジング94の内部には、外部電源と接続されたコネクタプラグ(図示略)が挿入され、外部電源が回路基板8に供給される。図6(B)に示すように、コネクタハウジング94の内周面には、内側に突出する突起96が形成されている。突起96は、コネクタプラグに形成した凹部と係合し、抜け止めを構成している。コネクタハウジング94には、突起96を形成するための金型の抜き孔97(貫通孔)が形成されている。
【0030】
エンドキャップ9は、円筒部91から径方向外側に延在する複数(この例では3個)のフランジ98を備えている。フランジ98には、2個の貫通孔98aが形成されている。この貫通孔98aと、モータ7のフレーム72のフランジ73に形成した貫通孔73aに、ブロワ下ケーシング5に形成した突起53を挿入し、突起53を熱カシメして潰すことにより、モータ7およびエンドキャップ9がブロワ下ケーシング5に固定される。
【0031】
エンドキャップ9の天板部92と反対側の外周部には、径方向外側に突出する複数(この例では3個)の凸部99が形成され、凸部99には、軸方向に突出する突起99aが形成されている。そして、突起99aを用いてカバー10が固定されている。
【0032】
図12に示すように、カバー10は半円状をなす絶縁性樹脂からなるもので、エンドキャップ9の天板部92の反対側の開口部93を閉塞することにより、モータ7を駆動制御するための電子回路、電子部品等の実装、及び配線パターンが形成された回路基板8を保護している。カバー10は、半円状の天板部101と、天板部101の外周縁部から軸方向へ延在する円筒部102とを備えている。円筒部102には、径方向外側へ突出するフランジ103が形成され、フランジ103には貫通孔103aが形成されている。そして、貫通孔103aにエンドキャップ9の突起99aを貫通させ、突起99aを熱カシメで潰すことにより、カバー10はエンドキャップ9に固定されている。
【0033】
6.被水カバー
図15図19に被水カバー100を示す。被水カバー100は、断面が略台形状の被水カバー部110を備え、被水カバー部110の軸方向両端部には、第1フランジ部120と、第1フランジ部120よりも幅が狭い第2フランジ部130とが形成されている。第1フランジ部120は、ほぼ半円状をなしている。図16に示すように、被水カバー部110は、中央部の水平板部112と、水平板部112の両端部からハ字状に傾斜して延在する傾斜板部113,114からなっている。水平板部112の一端部には凸部115が形成され、凸部115には軸方向に延在する凹部111が形成されている。凸部115から水平板部112の端部までの間には、水平板部112の軸方向に隣接して弧状板部116が形成されている。第2フランジ部130は、被水カバー部110に添った形状をなしている。
【0034】
図15に示すように、被水カバー部110の内周面の周方向中央寄の箇所には、被水カバー部110の端部同士を結んだ直線の方向に延在する第1板部140と第2板部150とが形成されている。第1板部140の先端部と被水カバー部110の内周面には第1アーム部160が架設され、第2板部150の先端部と被水カバー部110の内周面には第2アーム部170が架設されている。さらに、第1板部140の基部には、第2板部150の手前まで延在する第3板部180が形成されている。
【0035】
被水カバー部110の内周面には、該内周面から第1、第2アーム部160,170に至る天板部190が形成されている。天板部190と、第1、第2板部140,150および第3板部180とにより、軸方向上側と軸方向に直交する3方向が閉塞された収容部191が形成されている。
【0036】
第3板部180の一端部には、軸方向に延在する断面矩形状の係止片181が形成されている。係止片181の端部側面には、係止爪182が形成されている。係止片181に隣接して抜き孔(貫通孔)192が形成されている。抜き孔192は、係止爪182を成形した成形金型の一部によって形成されたものである。また、係止片181の被水カバー部110側には凹部111が形成されている。凹部111は、係止片181を成形した成形金型の一部によって形成されたものである。
【0037】
第1板部140の端部には、第2板部150側に突出して軸方向に延在する第1規制部141が形成されている。第1規制部141の軸方向の端部には、第2板部150側に延在する第3アーム部142が形成され、第3アーム部142の略中央部には、軸方向に突出して径方向に延在する第2規制部143が形成されている。第2板部150の第2アーム部170側の端部には、第1板部140側に突出する第3規制部151が形成されている。
【0038】
被水カバー部110の幅(図6(A)における左右方向の寸法)は、コネクタハウジング94の幅よりも広く、被水カバー部110の高さ(図6(A)における上下方向の寸法)はコネクタハウジング94の高さよりも高く設定されている。
【0039】
第1板部140の第2板部150側を向く面には、軸方向に延在する複数(この例では2個)の突条144が形成されている。また、第2板部150の第1板部140側を向く面には、軸方向に延在する複数(この例では2個)の突条152が形成されている。
【0040】
7.組立方法
被水カバー100をブロワケーシング2に取り付ける方法について説明する。図17に示すように、収容部191は、一方の面が開放されている。この開放された面の位置をコネクタハウジング94の開口部に合わせ、収容部191にコネクタハウジング94が収容されるように被水カバー100を軸方向に移動させる。すると、係止爪182がコネクタハウジング94の抜き孔97に係合する。同時に、被水カバー100の天板部190がコネクタハウジング94に当接して静止する。この状態で、被水カバー100は軸方向のいずれの方向へも移動が規制されている。
【0041】
8.作用および効果
図2に示すように、コネクタハウジング94に被水カバー100を装着した状態で、被水カバー100は傾いているが、コネクタハウジング94は、その開口部を除いて全て被水カバー100で覆われている。したがって、シートから流れ落ちた水滴は、被水カバー部110に落下し、被水カバー部110の両端部からフロアに流れ落ちるため、コネクタハウジング94に水滴が落ちない構造となっている。したがって、コネクタハウジング94のコネクタピン95に水滴が付着してモータが故障するといった不都合を回避することができる。
【0042】
特に、上記実施形態では、被水カバー部110の幅は、コネクタハウジング94の幅よりも広く、被水カバー部110の高さはコネクタハウジング94の高さよりも高く設定しているから、上記作用および効果を確実に得ることができる。
【0043】
また、上記実施形態では、被水カバー部110の端部に第2フランジ部130を設けているから、被水カバー部110に落下して跳ねた水滴は第2フランジ部130で受け止められる。したがって、水滴の飛沫がコネクタハウジング94内に入り込むのを抑制することができる。
【0044】
上記実施形態では、被水カバー100は、コネクタハウジング94を収容する収容部191を備え、収容部191に係止片181を設け、係止片181に内側へ突出する係止爪182を形成している。そして、コネクタハウジング94の壁部に設けた抜き孔97に、係止爪182を係合させる構成であるから、被水カバー100をコネクタハウジング94に簡単に装着することができる。
【0045】
また、収容部191は、コネクタハウジング94の開口部以外の面を囲う第1板部140、第2板部150、および第3板部180を備え、第1板部140および第2板部150に、軸方向に延在する突条144,152を形成しているから、収容部191をコネクタハウジング94に装着する際の抵抗が少ない。
【0046】
また、収容部191の開口部に、第1規制部141、第2規制部143、および第3規制部151を設けているから、コネクタハウジング94が被水カバー100の開口部から突出するようなことがない。
【0047】
9.変更例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように種々の変更が可能である。
上記実施形態では、コネクタハウジング94に形成された抜き孔97に係止爪182に係合させているが、抜き孔97を利用せず、他の位置に形成した貫通孔を用いてもよい。
【0048】
被水カバー100の第1フランジ部120に貫通孔を形成し、この貫通孔に、エンドキャップ9のフランジ98の貫通孔98aと、モータ7のフレーム72のフランジ73に形成した貫通孔73aとを合わせ、そこにブロワ下ケーシング5に形成した突起53を挿入し、突起53を熱カシメして潰すことにより、モータ7、エンドキャップ9、および被水カバー100をブロワ下ケーシング5に固定してもよい。
【0049】
上記実施形態では、エンドキャップ9にコネクタハウジング94を備えているが、モータ7にコネクタハウジングを備えた構成であってもよい。その場合、モータ7をブロワ下ケーシング5に固定するための固定部材(例えば、ネジ、ボルト、樹脂製の突起による熱カシメ等)により、モータ7と共に被水カバー100をブロワ下ケーシング5に固定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、家電機器、OA機器、産業用や車両用機器の送風、換気、冷却等に用いられるブロワ装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…ブロワ装置、2…ブロワケーシング、3…固定取付足ブラケット、4…ブロワ上ケーシング(第2ブロワケーシング)、5…ブロワ下ケーシング(第1ブロワケーシング)、6…インペラ、7…モータ、8…回路基板、9…エンドキャップ、10…カバー、21…吸込口、22…排気口、31…本体部、32…固定部、32a…貫通孔、33…溝、34…、35…第1貫通孔、36…第2貫通孔、41…架橋部、51…係止片、51a…爪部、52…突起部、52a,52b…端面、53…突起、55…開口部、61…ハブ、62…フランジ、63…羽根、64…連結リング、71…シャフト、72…フレーム、73…フランジ、73a…貫通孔、91…円筒部、92…天板部、93…開口部、94…コネクタハウジング、95…コネクタピン、96…突起、97…抜き孔、98…フランジ、98a…貫通孔、99…凸部、99a…突起、100…被水カバー、110…被水カバー部、111…凹部、112…水平板部、113,114…傾斜板部、115…凸部、116…弧状板部、120…第1フランジ部、130…第2フランジ部、140…第1板部、141…第1規制部、142…第3アーム部、143…第2規制部、144…突条、150…第2板部、151…第3規制部、152…突条、160…第1アーム部、170…第2アーム部、180…第3板部、181…係止片、182…係止爪、190…天板部、191…収容部、200…抜け止めブロック、201…本体部、202…抜け止め脚部、203…突条、204…段部、205…係止脚部、205a…爪部、206…凹部。
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