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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119442
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】接客ロボットおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240827BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G06Q30/0601
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026344
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】井上 生健
(72)【発明者】
【氏名】中村 一輝
(72)【発明者】
【氏名】大塚 陽介
(72)【発明者】
【氏名】小久江 千咲
(72)【発明者】
【氏名】和田 秀之
(72)【発明者】
【氏名】綿田 将悟
(72)【発明者】
【氏名】星野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】下川 サヤカ
【テーマコード(参考)】
3C707
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707CS08
3C707HS27
3C707JS03
3C707KS11
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT04
3C707WA02
3C707WA16
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】複数の店舗が入居する商業施設において顧客の買物を支援することが可能な接客ロボットおよびプログラムを提供する。
【解決手段】複数の店舗が入居する商業施設内を顧客とともに移動する接客ロボットであって、移動先の店舗において、当該店舗で販売される商品の中から前記顧客が購入する商品の登録処理を行う登録手段と、前記登録手段で登録された商品の決済を行う決済手段と、前記接客ロボットの動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記店舗で登録された商品の決済が当該店舗で行われるまでの間、前記接客ロボットの動作を制限する。
【選択図】図33
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗が入居する商業施設内を顧客とともに移動する接客ロボットであって、
移動先の店舗において、当該店舗で販売される商品の中から前記顧客が購入する商品の登録処理を行う登録手段と、
前記登録手段で登録された商品の決済を行う決済手段と、
前記接客ロボットの動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記店舗で登録された商品の決済が当該店舗で行われるまでの間、前記接客ロボットの動作を制限する、
接客ロボット。
【請求項2】
前記制御手段は、前記店舗で登録された商品の決済が当該店舗で行われるまでの間、前記接客ロボットが移動可能な範囲を店舗内に制限する、
請求項1に記載の接客ロボット。
【請求項3】
前記制御手段は、前記店舗で登録された商品の決済が行われないまま前記接客ロボットが店舗外に移動すると、前記接客ロボットの走行を停止させる、
請求項1に記載の接客ロボット。
【請求項4】
前記制御手段は、前記店舗で登録された商品の決済が行われないまま前記接客ロボットが店舗外に移動すると、前記顧客に決済を促す報知を行う、
請求項3に記載の接客ロボット。
【請求項5】
前記制御手段は、前記店舗で登録された商品の決済が行われないまま前記接客ロボットが店舗外に移動すると、前記店舗の店員に向けた報知を行う、
請求項3に記載の接客ロボット。
【請求項6】
表示部を更に備え、
前記制御手段は、前記登録手段で登録された商品が決済済であるか否かを示す情報を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の接客ロボット。
【請求項7】
表示部を更に備え、
前記店舗で販売される商品の中から購入候補となる商品を前記表示部に提示するリコメンド手段を更に備え、
前記登録手段は、前記顧客の操作に応じて、前記リコメンド手段により提示された商品の登録処理を行う、
請求項1に記載の接客ロボット。
【請求項8】
前記登録手段は、前記店舗で販売される商品のうち、前記店舗で受け取り可能な第1商品と、前記店舗で受け取り不可の第2商品とを識別可能に登録し、
前記制御手段は、前記登録手段で登録された商品のうち、前記第1商品の決済が前記店舗で行われるまでの間、前記接客ロボットの動作を制限する、
請求項1に記載の接客ロボット。
【請求項9】
複数の店舗が入居する商業施設内を顧客とともに移動する接客ロボットのコンピュータを、
移動先の店舗において、当該店舗で販売される商品の中から顧客が購入する商品の登録処理を行う登録手段と、
前記登録手段で登録された商品の決済を行う決済手段と、
前記接客ロボットの動作を制御する制御手段と、
して機能させ、
前記制御手段は、前記店舗で登録された商品の決済が当該店舗で行われるまでの間、前記接客ロボットの動作を制限する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、接客ロボットおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗に来店した顧客の接客を行うロボット(以下、接客ロボット)が提案されている。例えば、店舗内において商品の陳列場所を特定できずにいる顧客に対し、商品の位置まで誘導案内する自走式のロボットが提案されている。
【0003】
しかしながら、上述した従来の接客ロボットは、店舗内での買物支援にとどまるものであり、複数店舗を有するショッピングモール等の商業施設に適用することはできない。商業施設を利用する顧客や店舗にとって、より有用な接客ロボットの実現が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、複数の店舗が入居する商業施設において、顧客の買物を支援することが可能な接客ロボットおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の接客ロボットは、複数の店舗が入居する商業施設内を顧客とともに移動する接客ロボットであって、登録手段と、決済手段と、制御手段とを備える。登録手段は、移動先の店舗において、当該店舗で販売される商品の中から前記顧客が購入する商品の登録処理を行う。決済手段は、前記登録手段で登録された商品の決済を行う。制御手段は、前記接客ロボットの動作を制御する。また、制御手段は、前記店舗で登録された商品の決済が当該店舗で行われるまでの間、前記接客ロボットの動作を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係る接客支援システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る接客ロボットの外観構成の一例を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る接客ロボットの外観構成の一例を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態に係る接客ロボットのハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る店舗装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る商品マスタのデータ構成の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る店舗管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るロボット管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係るユーザ管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る取引管理テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る接客ロボット、店舗装置およびサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
図13図13は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図15図15は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図16図16は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図17図17は、実施形態に係る接客ロボットの背面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図18図18は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図19図19は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図20図20は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図21図21は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図22図22は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図23図23は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図24図24は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図25図25は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図26図26は、実施形態に係る接客ロボットの背面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図27図27は、実施形態に係る接客ロボットの正面表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図28図28は、実施形態の接客ロボットが行うメイン処理の一例を示すフローチャートである。
図29図29は、実施形態の接客ロボットが行うチェックイン処理の一例を示すフローチャートである。
図30図30は、実施形態の接客ロボットが行うパーソナライズ処理の一例を示すフローチャートである。
図31図31は、実施形態の接客ロボットが行う行動プラン生成処理の一例を示すフローチャートである。
図32図32は、実施形態の接客ロボットおよび店舗装置が行う店舗連携処理の一例を示すフローチャートである。
図33図33は、実施形態の接客ロボットが行う購入支援処理の一例を示すフローチャートである。
図34図34は、変形例1の接客ロボットが行う購入支援処理の一例を示すフローチャートである。
図35図35は、変形例1の接客ロボットが行う決済支援処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態では、複数の店舗が入居するショッピングセンターや駅ビル等の商業施設に適用した形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
図1は、実施形態に係る接客支援システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、接客支援システム1は、接客ロボット10と、店舗装置20と、サーバ装置30と、駐車場システム40と、顧客端末50とを有する。接客ロボット10、店舗装置20、サーバ装置30、および駐車場システム40は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNに接続される。
【0009】
接客ロボット10は、自律移動式の自律走行可能なロボットである。接客ロボット10は、商業施設に複数台設けられ、商業施設を利用する顧客の行動支援を行う。なお、接客ロボット10の台数は、図1の例に限らないものとする。
【0010】
ここで、図2および図3を参照して、接客ロボット10の外観構成について説明する。図2および図3は、接客ロボット10の外観構成の一例を示す斜視図である。
【0011】
なお、図2および図3では、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸の3軸方向を用いて接客ロボット10の構成を説明する。X軸は、接客ロボット10を前後に貫き、接客ロボット10の後方から前方に向かう軸である。Y軸は、接客ロボット10を左右に貫き、接客ロボット10の左側から右側に向かう軸である。Z軸は、接客ロボット10を上下に貫き、接客ロボット10の下方から上方に向かう軸である。以下では、接客ロボット10のX軸正方向側を接客ロボット10の正面側ともいう。また、接客ロボット10のX軸負方向側を接客ロボット10の背面側ともいう。
【0012】
接客ロボット10は、本体部11と、移動部12と、インタフェース部13とを備えている。接客ロボット10は、顧客に対する心理的安心感を与えるため、例えば、動物等のキャラクターを模した外観とすることが好ましい。本実施形態の接客ロボット10は、カンガルーを模した外観を有しており、本体部11および移動部12がカンガルーの胴部に、インタフェース部13がカンガルーの頭部にそれぞれ対応する。
【0013】
本体部11は、略円筒形状の筐体111と、載置台112と、筐体111の下方背面側から正面側にかけて載置台112周囲を覆うよう設けられたカバー部113とを有する。筐体111の正面側には、開口114が設けられており、開口114を通じて筐体111内にアクセスすることが可能となっている。載置台112は、開口114を通じて、筐体111の内部から正面側に突出した状態で設けられている。載置台112には、例えば商品等の物品を載置することができる。また、載置台112に、後述するリーダライタ部157を設ける構成としてもよい。ここで、載置台112は、接客ロボット10の外観において、カンガルーの育児嚢(袋)に対応するようデザインされている。
【0014】
なお、本実施形態では、載置台112の一部を筐体111から突出させた構成としたが、これに限らず、筐体111の内部に載置台112を設け、筐体111内に物品を収容可能な構成としてもよい。また、載置台112の上方の一部を筐体111で覆う形態としたが、これに限らず、載置台112の上方を覆わない形態としてもよい。
【0015】
また、開口114に蓋や扉等の開閉可能な遮蔽部材を設けることで、載置台112に載置された物品を遮蔽する構成としてもよい。遮蔽部材は、外部から内部の状態を視認できるように光透過性の部材で形成してもよい。更には、電子ロック等を設けることで、遮蔽部材による閉状態をロック可能としてもよい。これにより、例えば、接客ロボット10の移動時等に、載置台112から物品が落下することを防止することができる。また、載置台112から物品が不用意に取り出されてしまうことを防止することができる。
【0016】
一方、筐体111の背面側には、背面表示部115が設けられている。背面表示部115は、例えばタッチパネルディスプレイであり、後述する制御部154の制御の下、各種の情報を表示する。また、筐体111の背面側下方には、カンガルーの尾に対応する尾部116が設けられている。
【0017】
移動部12は、本体部11の下方に設けられ、本体部11を下方から支持する。移動部12は、モータおよび回転機構等を有した駆動部121(図4参照)を具備する。また、移動部12の底面側には、駆動部121によって回転駆動される複数の駆動輪、補助輪等が設けられている(何れも図示せず)。
【0018】
駆動部121は、後述する制御部154の制御の下、駆動輪を回転駆動することで、施設内を走行することが可能となっている。具体的には、駆動部121は、駆動する駆動輪や、駆動源の回転速度および回転方向を変えることで、接客ロボット10を任意の方向および速度で走行させる。なお、本実施形態では、接客ロボット10の正面側を進行方向に向けた状態で走行させるものとするが、これに限らず、接客ロボット10の背面側を進行方向に向けた状態で走行させてもよい。
【0019】
インタフェース部13は、本体部11の上部に設けられる。インタフェース部13は、筐体131と、正面表示部132とを有する。筐体131の正面側には、上方から下方にかけて正面側に傾斜した操作面が形成されており、当該操作面に正面表示部132が設けられている。正面表示部132は、例えばタッチパネルディスプレイであり、後述する制御部154の制御の下、各種の情報を表示する。また、筐体131には、カンガルーの耳に対応する耳部133が設けられる。
【0020】
また、筐体111の操作面の下方には、後述する商品カードを挿入することが可能なスリット134が形成されている。スリット134の内部には、RFIDタグ等の無線タグの読み取りおよび書き込みを行うことが可能なリーダライタ部157(図4参照)が設けられている。リーダライタ部157は、後述する制御部154の制御の下、スリット134に挿入される商品カードの無線タグから商品を特定可能な情報を読み取ったり、当該無線タグに購入済であることを示す情報を書き込んだりする。なお、リーダライタ部157が設けられる位置や個数はこれに限らないものとする。例えば、リーダライタ部157は、載置台112に設けられてもよい。
【0021】
また、接客ロボット10は、本体部11とインタフェース部13との間に発光部141を備える。発光部141は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有し、後述する制御部154の制御にしたがい発光する。また、発光部141は、複数色の発光素子を有し、後述する制御部154の制御にしたがい発光色を切り替える。発光部141は、発光により例えば、接客ロボット10の状態や商品の購入状態等、各種の状態を報知する。なお、本実施形態では、カンガルーの首に対応する位置に発光部141を首輪状に設けた例を示しているが、発光部141が設けられる位置や形状はこれに限らないものとする。
【0022】
また、接客ロボット10は、背面側に停止ボタン142を備える。停止ボタン142は、接客ロボット10の走行を停止させるための操作子である。停止ボタン142が操作されると、接客ロボット10は走行を停止する。なお、本実施形態では、カンガルーの首に対応する位置に停止ボタン142を設けた例を示しているが、停止ボタン142が設けられる位置はこれに限らないものとする。
【0023】
また、接客ロボット10は、撮像部143を備える。撮像部143は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等の撮像素子を有し、接客ロボット10の正面側および背面側のそれぞれに設けられる。一例として、撮像部143は、図2および図3に示すように、本体部11とインタフェース部13との間の首に相当する部分や、背面表示部115の周辺に設けられる。
【0024】
撮像部143は、例えば、接客ロボット10の周辺に存在する顧客を捉えるため、接客ロボット10の周辺を撮像する。また、正面側に設けられる撮像部143は、顧客によって提示される、商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボル、顧客端末50に表示されたコードシンボル等の撮像に用いられる。言い換えると撮像部143は商品に付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボルを取得する。なお、接客ロボット10が備える撮像部143の個数および設置位置は図示例に限らないものとする。例えば、撮像部143は、正面表示部132の周辺に設けられてもよいし、接客ロボット10の側面に設けられてもよい。
【0025】
また、接客ロボット10は、マイクロフォン等の収音部144、スピーカ等の音声出力部145を備える。収音部144および音声出力部145は、例えば接客ロボット10の正面側および背面側の何れか一方、又は両方に設けられる。一例として、収音部144および音声出力部145は、図2に示すように、インタフェース部13に設けられる。なお、接客ロボット10が備える収音部144および音声出力部145の個数および設置位置は図示例に限らないものとする。
【0026】
また、接客ロボット10は、各種のセンサ部158(図4参照)を備える。例えば、接客ロボット10は、測距センサを備える。測距センサは、例えば、接客ロボット10の正面側および背面側のそれぞれに設けられ、接客ロボット10周辺の物体を検知したり、物体までの距離を検知したりする。測距センサのセンシング結果は、後述する制御部154に出力され、走行時の衝突回避等に使用される。なお、測距センサは、例えば撮像画像や超音波により物体検知や距離の測定を行うセンサ装置、レーザ光により物体検知を行うLiDAR(Light Detection and ranging)等のセンサ装置で実現することができる。
【0027】
また、接客ロボット10は、センサ部158として、本体部11への接触や衝撃を検知することが可能な振動検知センサ等を備えてもよい。また、接客ロボット10は、センサ部158として、載置台112に物品が載置されているか否かを検知することが可能な物体検知センサや重量センサ等を備えてもよい。また、接客ロボット10は、センサ部158又は測位部159(図4参照)として、GPS(Global Positioning System)等の位置センサを備えてもよい。位置センサは、例えば、商業施設内における自己の接客ロボット10の存在位置を検出する。
【0028】
また、接客ロボット10は、本体部11や移動部12に、自己の接客ロボット10の駆動電力を供給するバッテリ(図示せず)を備える。
【0029】
なお、接客ロボット10の構成は、図示例に限定されないものとする。例えば、インタフェース部13は、ICカードやクレジットカード等のカード媒体から情報を読み取るリーダ装置等を備えてもよい。また、接客ロボット10は、現金自動精算機やプリンタ等を備えてもよい。
【0030】
図1に戻り、店舗装置20は、商業施設に存在する店舗の各々に設けられたPOS端末や店舗サーバ等の情報処理装置である。店舗装置20は、図示しないプロセッサの制御の下、自己の店舗に係る各種の処理を実行する。
【0031】
サーバ装置30は、接客支援システム1のサーバ装置である。サーバ装置30は、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置によって実現される。サーバ装置30は、接客支援システム1のデータ処理に係る各種のデータを記憶し管理する。例えば、サーバ装置30は、接客ロボット10の位置や状態を管理する。例えば、サーバ装置30は、接客ロボット10を介して登録・購入された商品を管理する。
【0032】
なお、本実施形態では、サーバ装置30は、単一の情報処理装置によって実現されるものとするが、ネットワーク接続された複数台の情報処理装置によって実現されるクラウドサーバであってもよい。また、サーバ装置30をクラウドサーバとする場合、各店舗の店舗サーバや駐車場システム40を含めた構成としてもよい。
【0033】
駐車場システム40は、商業施設の駐車場に設けられ、車両の入出庫の状態や駐車位置等を管理する。例えば、駐車場システム40は、駐車場の出入り口に設けられるゲート装置、駐車位置を網羅するように設置された監視カメラ等、駐車場管理サーバ等を有し(何れも図示せず)、車両に付された車両登録番号(ナンバープレートに記載された情報)に基づき駐車位置や入退場を管理する。例えば、駐車場管理サーバは、監視カメラで撮像された車両の画像から、当該車両の車両登録番号を認識し、駐車場内での駐車位置を示す情報と関連付けて記憶する。また、駐車場管理サーバは、ゲート装置を介して得られる車両の入退場を示す時刻を、対応する車両の車両登録番号に関連付けて記憶し、駐車時間に応じた料金の徴収を、ゲート装置を介して行う。
【0034】
顧客端末50は、顧客が所持するスマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置である。本実施形態において、顧客端末50は、例えば顧客が接客ロボット10の利用を開始するチェックイン操作時に使用される。一例として、チェックイン操作は、顧客を識別可能なユーザIDを入力することで行われる。なお、接客ロボット10は、ユーザIDが未入力の状態であっても利用することが可能であるとする。
【0035】
一例として、顧客端末50には、接客ロボット10との連携に係るアプリケーションプログラム(以下、連携プログラムともいう)が導入される。顧客端末50のプロセッサは、連携プログラムと協働することで、接客ロボット10と連携するための各種の処理を実行する。例えば、顧客端末50のプロセッサは、顧客の操作に応じて、後述するユーザIDやユーザ設定を含んだコードシンボルを、顧客端末50が備える表示デバイスに表示させる。また、顧客端末50のプロセッサは、顧客の操作に応じて、接客ロボット10との間で近距離無線通信を確立することが可能であるとする。
【0036】
上述した接客支援システム1において、商業施設に訪れた顧客は、接客ロボット10による行動支援を享受することができる。具体的には、顧客は、接客ロボット10を操作することで、自身と連携した接客ロボット10による行動支援を受けることができる。接客ロボット10は、顧客と商業施設内を移動しながら、行き先となる店舗のリコメンドや商品の購入に係る支援等、各種の処理を実行する。
【0037】
なお、接客支援システム1は、図1の構成に限定されないものとする。例えば、顧客端末50は、接客支援システム1に含めない構成としてもよい。また、商業施設内に存在する店舗が運営するEC(Electronic Commerce)サイトや、商業施設外に存在する他の店舗が運営するECサイト、各種の検索サイト等、顧客が利用することが可能な外部システムを接客支援システム1に含めてもよい。この場合、接客支援システム1の接客ロボット10、サーバ装置30等では、後述するユーザID等に基づき、顧客がECサイトで購入した商品の購入履歴や、顧客が検索サイトで検索した事柄の検索履歴等を参照可能な構成としてもよい。
【0038】
以下、接客支援システム1が有する主要な装置のハードウェア構成および機能構成について説明する。
【0039】
まず、接客ロボット10のハードウェア構成について説明する。図4は、接客ロボット10のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示すように、接客ロボット10は、CPU(Central Processing Unit)151と、ROM(Read Only Memory)152と、RAM(Random Access Memory)153とを備える。
【0040】
CPU151は、プロセッサの一例であり、接客ロボット10の各部を統括的に制御する。ROM152は、各種プログラムを記憶する。RAM153は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0041】
CPU151、ROM152、およびRAM153は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部154を構成する。制御部154では、CPU151がROM152又は記憶部161に記憶されRAM153に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0042】
また、接客ロボット10は、上述した駆動部121、発光部141、撮像部143、収音部144、音声出力部145等を備える。ここで、収音部144は、接客ロボット10の周辺の音声(例えば、顧客の発話)を収音し、収音した音声の音声信号をCPU151に出力する。音声出力部145は、CPU151の制御の下、音声を出力する。
【0043】
また、接客ロボット10は、表示部155、操作部156、リーダライタ部157、センサ部158、測位部159、通信部160、および記憶部161等を備える。
【0044】
表示部155は、上述した背面表示部115、正面表示部132等の表示デバイスである。表示部155は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。表示部155は、CPU151の制御の下、各種の情報を表示する。
【0045】
操作部156は、背面表示部115および正面表示部132に設けられるタッチパネル、停止ボタン142等の入力デバイスである。操作部156は、入力デバイスを介して入力される操作内容をCPU151に出力する。なお、操作部156は、収音部144を介して入力される音声(例えば、顧客の発話)を操作内容としてCPU151に出力してもよい。
【0046】
リーダライタ部157は、無線タグの書き込みおよび読み取りを行うことが可能なリーダライタ装置である。リーダライタ部157は、電波を照射するアンテナ(図示せず)を有し、当該アンテナを介して書き込み対象のデータを送信することで、無線タグにデータの書き込みを行う。また、リーダライタ部157は、アンテナを介して無線タグが発する電波を取得することで、無線タグからデータの読み取りを行う。
【0047】
センサ部158は、上述した測距センサやGPSセンサ等の各種のセンサ装置である。センサ部158は、センシングによって得られたセンシング結果をCPU151に出力する。
【0048】
測位部159は、接客ロボット10が存在する位置を測定する。測位部159は、例えばGPSセンサ等の位置センサを用いた測位技術によって実現することができる。また、測位部159は、ビーコン測位等の測位技術を利用した位置計測装置によって実現してもよい。この場合、商業施設の各位置に、ビーコン測位等の測位技術に対応した端末を設けることで、当該端末と測位部159とで形成される測位システムにより、接客ロボット10が存在する位置を測定(特定)することができる。
【0049】
通信部160は、ネットワークNに接続可能な無線通信インタフェースである。通信部160は、ネットワークNを介してサーバ装置30等の外部装置と通信を行う。また、通信部160は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能を有する。例えば、通信部160は、接客ロボット10の周辺に存在する顧客端末50と近距離無線通信を行う。
【0050】
記憶部161は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部161は、CPU151が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。
【0051】
なお、記憶部161が記憶する情報は図示例に限定されないものとする。例えば、記憶部161は、後述するマップ情報3161や店舗管理テーブル3162、各店舗の商品マスタ2191等を記憶してもよい。
【0052】
次に、店舗装置20のハードウェア構成について説明する。図5は、店舗装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、店舗装置20は、CPU211と、ROM212と、RAM213とを備える。
【0053】
CPU211は、プロセッサの一例であり、店舗装置20の各部を統括的に制御する。ROM212は、各種プログラムを記憶する。RAM213は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0054】
CPU211、ROM212、およびRAM213は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部214を構成する。制御部214では、CPU211がROM212又は記憶部219に記憶されRAM213に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0055】
また、店舗装置20は、表示部215、操作部216、通信部217、接続部218、および記憶部219等を備える。
【0056】
表示部215は、LCD等の表示デバイスを有する。表示部215は、CPU211の制御の下、各種の情報を表示する。操作部216は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスを有する。操作部216は、入力デバイスを介して入力される操作内容をCPU211に出力する。なお、操作部216は、表示部215に設けられるタッチパネルであってもよい。
【0057】
通信部217は、ネットワークNに接続可能な無線通信インタフェースである。通信部217は、ネットワークNを介して接客ロボット10やサーバ装置30等の外部装置と通信を行う。また、通信部217は、近距離無線通信機能を有してもよく、近距離無線通信により接客ロボット10と通信を行う構成としてもよい。
【0058】
接続部218は、店舗に設けられる各種装置を接続するためのインタフェースである。例えば、接続部218には、コードシンボルを読み取ることが可能なリーダ装置や、プリンタ装置等が接続される。また、接続部218には、店舗の陳列棚の各位置に設置される電子棚札等が接続されてもよい。電子棚札を接続する場合、制御部214は、商品の陳列位置に配置される電子棚札に、当該商品の商品名や価格等を表示させるための制御を行う。また、電子棚札に、LED等の発光素子が設けられている場合、制御部214は、操作部216や接客ロボット10等の外部装置からの指示に基づき、電子棚札に設けられた発行素子を発光させる等の制御を行う。
【0059】
記憶部219は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部219は、CPU211が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。
【0060】
また、記憶部219は、自己の店舗で販売する商品に関する情報が登録された商品マスタ2191を記憶する。商品マスタ2191は、店舗で販売される商品に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。
【0061】
図6は、商品マスタ2191のデータ構成の一例を示す図である。図6に示すように、商品マスタ2191は、自己の店舗の店舗IDおよび自己の店舗で販売する商品の商品コードに関連付けて、商品名、価格、付加情報、商品画像等の商品情報を記憶する。ここで、店舗IDは店舗の各々を識別可能な識別子の一例である。また、商品コードは、商品の種別を識別可能な識別子の一例である。
【0062】
商品名の項目には、商品コードに対応する商品の名称が格納される。価格の項目には、商品コードに対応する商品の価格が格納される。付加情報の項目には、商品コードに対応する商品に関する付加的な情報が格納される。例えば、付加情報の項目には、商品の種別等が格納される。また、商品が衣料の場合、サイズや色、デザイン、材質、ブランド等が付加情報の項目に格納される。商品画像の項目には、商品コードに対応する商品を表した画像データが格納される。
【0063】
なお、商品マスタ2191のデータ構成は、図6の例に限定されるものではない。例えば、商品マスタ2191は、商品コードに関連付けて、その商品の在庫数を記憶してもよい。また、商品マスタ2191は、商品コードに関連付けて、その商品の陳列位置、当該陳列位置に配置された電子棚札等を特定可能な情報を記憶してもよい。
【0064】
また、商品マスタ2191に登録される商品は、実際に店舗から受け取って持ち帰ることが可能な商品(以下、店舗商品ともいう)に限らないものとする。例えば、商品マスタ2191に登録される商品は、サービスであってもよい。
【0065】
また、例えば、商品の展示のみを行うショールーム型の店舗では、展示された商品の商品コードを読み取って当該商品の登録及び決済をし、顧客が指定した受取方法(配送、受取カウンター等で受取)で商品を引き渡す場合がある。このような場合、商品コードに対応する商品が、上述した店舗で受け取り可能な店舗商品か、店舗で受け取ることができない後述する仮商品かを示す情報を、付加情報として記憶してもよい。また、例えば、展示された商品の決済をその場で行うのではなく、店舗が運営するECサイトで行うような場合には、ECサイトのアドレス等を付加情報として記憶してもよい。
【0066】
次に、サーバ装置30のハードウェア構成について説明する。図7は、サーバ装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。図7に示すように、サーバ装置30は、CPU311と、ROM312と、RAM313とを備える。
【0067】
CPU311は、プロセッサの一例であり、サーバ装置30の各部を統括的に制御する。ROM312は、各種プログラムを記憶する。RAM313は、プログラムや各種データを展開するワークスペースである。
【0068】
CPU311、ROM312、およびRAM313は、バス等を介して接続され、コンピュータ構成の制御部314を構成する。制御部314では、CPU311が記憶部316に記憶されRAM313に展開されたプログラムに従って動作することによって、各種の処理を実行する。
【0069】
また、サーバ装置30は、通信部315および記憶部316等を備える。通信部315は、ネットワークNに接続可能な有線または無線の通信インタフェースである。通信部315は、ネットワークNを介して接客ロボット10、店舗装置20、駐車場システム40等の外部装置と通信を行う。
【0070】
記憶部316は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体を有し、電源を遮断しても記憶内容を維持する。記憶部316は、CPU311が実行することが可能なプログラムや各種の設定情報を記憶する。
【0071】
また、記憶部316は、マップ情報3161と、店舗管理テーブル3162と、ロボット管理テーブル3163と、ユーザ管理テーブル3164と、取引管理テーブル3165とを記憶する。
【0072】
マップ情報3161は、商業施設のマップを示した情報である。マップ情報3161には、商業施設に存在する店舗の位置や通路の位置が示されており、各店舗の位置に関連付けて当該店舗を識別することが可能な店舗IDが記憶されている。例えば、商業施設が多層階構造を有する場合には、階毎にマップ情報3161が用意される。また、マップ情報3161には、店舗以外の共用スペース(例えば、エレベータ、エスカレータ、トイレ、休憩所等)の位置も識別子に関連付けて記憶される。
【0073】
店舗管理テーブル3162は、商業施設に存在する店舗に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。図8は、店舗管理テーブル3162のデータ構成の一例を示す図である。図8に示すように、店舗管理テーブル3162は、商業施設に存在する各店舗の店舗IDに関連付けて、店舗名、店舗種別、キーワード、ステータス等の店舗情報を記憶する。店舗名の項目には、店舗IDに対応する店舗の名称を示す情報が格納される。
【0074】
店舗種別の項目には、店舗の業態種別や、店舗で取り扱う商品の分類を示す情報等が格納される。例えば、店舗種別の項目には、飲食店や小売店等の大分類、取り扱う商品の分類(例えば、和食、中華、衣料店、電気店等)を示す中分類、より詳細な小分類(寿司、そば、紳士服、婦人服等)等、段階的に定義することも可能である。
【0075】
キーワードの項目には、店舗の特徴や特性を示すキーワードが1又は複数格納される。キーワードは、店舗毎に任意に設定することが可能であるとするが、顧客の来店行動に基づく指標で分類されたキーワードを用いることが好ましい。また、同じ業種、ジャンルの店舗については、共通する指標に基づき分類されたキーワードを用いることが好ましい。
【0076】
一例として、飲食店では「食べたい」等のキーワード、衣料店等の小売店では「買いたい」等のキーワード、ゲームセンター等の店舗では「遊びたい」等のキーワードを設定することができる。また、店舗が扱う商品の特性に基づき、「男性向け」、「女性向け」、「ファミリー向け」等のキーワードを設定してもよい。なお、キーワードは、後述する来店目的確認画面において、顧客の目的を探る際のキーワードとすることもできる。そのため、顧客の来店行動に基づいた指標を設定することが好ましい。
【0077】
ステータスの項目には、店舗の混雑状況や、営業中/休業中等の状態を示す情報が格納される。
【0078】
なお、店舗管理テーブル3162のデータ構成は図8の例に限定されるものではない。例えば、店舗管理テーブル3162は、店舗IDに関連付けて、当該店舗IDに対応する店舗の位置を示す位置情報を記憶してもよい。さらに、店舗管理テーブル3162は、店舗以外の共用スペースに関する情報を記憶してもよい。
【0079】
ロボット管理テーブル3163は、接客ロボット10に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。図9は、ロボット管理テーブル3163のデータ構成の一例を示す図である。図9に示すように、ロボット管理テーブル3163は、ロボットIDに関連付けて、現在位置、ステータス、ユーザID、ユーザ特徴、行動プラン等のロボット情報を記憶する。ここで、ロボットIDは、接客ロボット10の各々を識別可能な識別子の一例である。
【0080】
現在位置の項目には、接客ロボット10の現在位置を示す情報が格納される。ステータスの項目には、ロボットIDに対応する接客ロボット10の現在の状態を示す情報が格納される。例えば、接客ロボット10の現在の動作モードを示す情報が格納される。また、例えば、接客ロボット10が搭載するバッテリーの残量を示す情報が格納される。
【0081】
ユーザIDの項目には、接客ロボット10が接客中の顧客、つまり接客ロボット10にチェックインした顧客(以下、チェックインユーザともいう)のユーザIDが格納される。なお、後述するように、接客ロボット10は、ユーザIDの項目は空の状態であっても動作することが可能となっている。
【0082】
ユーザ特徴の項目には、接客ロボット10にチェックインユーザの外観上の特徴を示す情報が格納される。例えば、ユーザ特徴の項目には、顧客の顔や姿を撮像した画像や、顧客の顔や姿の特徴を示す特徴量が格納される。ユーザ特徴は、撮像部143によって撮像される画像から、チェックインユーザを認識する際に使用される。また、行動プランの項目には、接客ロボット10が生成した後述する行動プランが格納される。
【0083】
なお、ロボット管理テーブル3163のデータ構成は、図9の例に限定されるものではない。例えば、ロボット管理テーブル3163は、ロボットIDに関連付けて、後述するパーソナライズ処理で変更された接客ロボット10の変更内容をユーザ設定として記憶してもよい。また、ロボット管理テーブル3163は、ロボットIDに関連付けて、対応する接客ロボット10で取得された画像や映像、音声等を、取得日時とともに記憶してもよい。
【0084】
ユーザ管理テーブル3164は、顧客に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。図10は、ユーザ管理テーブル3164のデータ構成の一例を示す図である。図10に示すように、ユーザ管理テーブル3164は、ユーザIDに関連付けて、ユーザ名、特性情報、車両登録番号、ユーザ設定等のユーザ情報を記憶する。ここで、ユーザIDは、顧客の各々を識別可能な識別子の一例である。
【0085】
ユーザ名の項目には、顧客の氏名を示す情報が格納される。特性情報の項目には、ユーザIDに対応する顧客の特定を示す情報が格納される。例えば、特性情報には、顧客の性別、年齢、嗜好等を示す情報が含まれる。ここで、嗜好を示す情報は、顧客自身が設定したものであってもよいし、顧客の購入履歴や検索履歴等から導出されたものであってもよい。後者の場合、例えば、制御部314は、後述する取引管理テーブル3165等からユーザIDに対応する顧客の購入履歴を抽出し、抽出した購入履歴に基づいて顧客の嗜好を推定する構成としてもよい。また、例えば、制御部314は、ユーザIDに関連付けられた購入履歴や検索履歴を外部システムから取得し、取得した情報に基づいて顧客の嗜好を推定してもよい。なお、嗜好の推定方法は特に問わず、公知の技術を用いることが可能である。
【0086】
車両登録番号の項目には、顧客が所持する車両の車両登録番号が格納される。ユーザ設定の項目には、顧客が後述するパーソナライズ処理で行った接客ロボット10の設定内容が格納される。
【0087】
なお、ユーザ管理テーブル3164のデータ構成は、図10の例に限定されるものではない。例えば、ユーザ管理テーブル3164は、ユーザIDに関連付けて、その顧客が使用する端末(顧客端末50)の端末IDやアドレス情報等を含んでもよい。また、ユーザ管理テーブル3164は、顧客の顔認証を行うため、ユーザIDに関連付けて、その顧客の顔部を撮像した顔画像や、顔部の特徴を示した特徴量を記憶してもよい。
【0088】
また、ユーザ管理テーブル3164は、ユーザIDに関連付けて、その顧客の住所等、商品の配送先を特定可能な情報を記憶してもよい。またユーザ管理テーブル3164は、ユーザIDに関連付けて、決済用情報を記憶してもよい。ここで、決済用情報は、顧客が予め契約した電子決済サービスを利用するためのアカウント等の情報である。電子決済サービスは、コード決済、電子マネー決済、クレジット決済などを含む。また、電子決済サービスがクレジット決済である場合、決済用情報は顧客が所有するクレジットカードの番号であってもよい。
【0089】
取引管理テーブル3165は、接客ロボット10を介して行われた取引に関する情報を記憶し管理するためのデータテーブルである。図11は、取引管理テーブル3165のデータ構成の一例を示す図である。図11に示すように、取引管理テーブル3165は、ロボットIDおよび取引IDに関連付けて、店舗ID、商品コード、価格、購入済フラグ等の取引情報を記憶する。
【0090】
ここで、取引IDは、ロボットIDに対応する接客ロボット10が行う取引の各々を識別可能な識別子である。かかる取引IDは、例えば、顧客のチェックインが行われる毎に固有の取引IDが接客ロボット10で発行され、顧客から接客ロボット10の利用終了(又は、接客ロボット10による接客終了)を指示するチェックアウト操作が行われるまでの間、同一の取引IDが継続して使用される。
【0091】
なお、本実施形態では、接客ロボット10の各々が取引IDを発行する構成とするが、これに限らず、サーバ装置30が発行する構成としてもよい。この場合、サーバ装置30の制御部314は、ロボット管理テーブル3163に基づいて接客ロボット10のステータスを監視し、ステータスが接客モードに切り替わった接客ロボット10を検出すると、当該接客ロボット10に対し取引IDを発行する。そして、サーバ装置30の制御部314は、発行した取引IDを対応する接客ロボット10に通知することで、当該接客ロボット10の接客モードが継続する間、同一の取引IDを使用させることができる。
【0092】
店舗ID、商品コード、および価格の項目は、ロボットIDに対応する接客ロボット10を用いて登録された商品に係る、店舗ID、商品コード、および価格が登録される。また、購入済フラグの項目には、商品コードに対応する商品の決済(会計)が完了済か否かを示す情報が格納される。
【0093】
なお、取引管理テーブル3165のデータ構成は、図11の例に限定されるものではない。例えば、取引管理テーブル3165は、ロボットIDおよび取引IDに関連付けて、対応する接客ロボット10にチェックインしたチェックインユーザのユーザIDを記憶してもよい。また、取引管理テーブル3165は、商品コードに関連付けて、当該商品コードに対応する商品が後述するリコメンド商品か否かを識別可能な情報を記憶してもよい。また、取引管理テーブル3165は、商品コードに関連付けて、対応する商品の登録又は決済が行われた日時を記憶してもよい。
【0094】
また、取引管理テーブル3165は、接客ロボット10の各々で商品の登録や決済が行われる度に更新されるものとする。なお、取引管理テーブル3165に記憶されたデータは、接客ロボット10から通知される取引IDを指定した接客終了等の指示に応じて、対応するロボットIDおよび取引IDのデータがクリアされる構成としてもよいし、保持し続ける構成としてもよい。後者の場合、取引管理テーブル3165に記憶されたデータは、商業施設を利用した各顧客の購入履歴として取り扱うことができる。
【0095】
また、サーバ装置30が保持するデータテーブルは、上記例に限定されないものとする。例えば、サーバ装置30は、商業施設内の全店舗の商品マスタを総合商品マスタとして記憶部316等に保持する形態としてもよい。
【0096】
次に、上述した接客ロボット10、店舗装置20およびサーバ装置30の機能構成について説明する。図12は、接客ロボット10、店舗装置20およびサーバ装置30の機能構成を示すブロック図である。まず、サーバ装置30について説明する。
【0097】
サーバ装置30の制御部314は、CPU311がROM312や記憶部316に記憶されたプログラムにしたがって動作することで、情報管理部3141、およびロボット管理部3142として機能する。なお、これら各機能の一部又は全ては、専用回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【0098】
情報管理部3141は、接客ロボット10、店舗装置20、および駐車場システム40の各々と協働することで、記憶部316に記憶された各種データテーブルを更新する。例えば、情報管理部3141は、接客ロボット10、店舗装置20、および駐車場システム40の各々から各種データテーブルに係る情報を取得し、取得した情報に基づいて各種データテーブルの更新を行う。
【0099】
情報の取得方法は特に問わず、種々の方法を用いることが可能である。例えば、情報管理部3141は、接客ロボット10、店舗装置20、および駐車場システム40の各々から送信される情報を受動的に取得するプッシュ型で情報を取得してもよい。また、情報管理部3141は、接客ロボット10、店舗装置20、および駐車場システム40の各々に情報を要求等することで、情報を能動的に取得するプル型で情報を取得してもよい。
【0100】
例えば、情報管理部3141は、店舗装置20からステータスに関する情報を取得すると、店舗管理テーブル3162に記憶された当該店舗装置20の店舗IDに係るステータスを更新する。
【0101】
例えば、情報管理部3141は、接客ロボット10から位置情報やステータス、行動プランに関する情報を取得すると、当該接客ロボット10のロボットIDに関連付けて記憶されたロボット管理テーブル3163の該当するデータエントリを更新する。また、情報管理部3141は、接客ロボット10から、接客中の顧客のユーザID、ユーザ設定を取得すると、ユーザIDに関連付けて記憶されたユーザ管理テーブル3164の該当するデータエントリを更新する。また、例えば、情報管理部3141は、接客ロボット10から取引IDとともに取引に関する情報を取得すると、当該接客ロボット10のロボットIDおよび取引IDに基づいて、データエントリの追加や削除、購入済フラグの更新等を取引管理テーブル3165に対して行う。
【0102】
なお、本実施形態では、ユーザ管理テーブル3164に記憶されるユーザ情報のうち、ユーザID、ユーザ名、特性情報、および車両登録番号等の静的な情報は予め登録されているものとするが、これに限定されるものではない。例えば、接客ロボット10や顧客端末50を介して新規ユーザの登録(以下、会員登録ともいう)が行われてもよい。この場合、ユーザ管理テーブル3164は、接客ロボット10や顧客端末50から取得した新規ユーザのユーザ情報をユーザ管理テーブル3164に追加する。
【0103】
また、情報管理部3141は、記憶部316に記憶されたマップ情報3161および各種データテーブルを、接客ロボット10や店舗装置20の各々から参照可能に提供する。ここで、データの提供方法は特に問わないものとする。例えば、情報管理部3141は、ファイル共有等の技術によりマップ情報3161および各種データテーブルを、接客ロボット10の各々から参照可能に提供する。また、例えば、情報管理部3141は、ロボットIDやユーザID、店舗ID等をキーとするクエリに応じて、各種データテーブルから該当するデータエントリを抽出し、依頼元の接客ロボット10に提供する。
【0104】
ロボット管理部3142は、接客ロボット10の位置情報やステータス等に基づき、商業施設内での接客ロボット10の動作を統括的に管理する。例えば、顧客の接客を行わない待機状態(待機モード)の接客ロボット10が存在する場合、ロボット管理部3142は、待機状態の接客ロボット10に移動先等を指示する。一例として、ロボット管理部3142は、各接客ロボット10の位置に基づき、商業施設の入り口や接客ロボット10が比較的存在しないエリア等に移動することを指示する。
【0105】
次に、店舗装置20の機能構成について説明する。店舗装置20の制御部214は、CPU211がROM212や記憶部219に記憶されたプログラムにしたがって動作することで、店舗情報送信部2141と、ロボット連携部2142と、決済処理部2143とを備える。なお、これら各機能の一部又は全ては、専用回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【0106】
店舗情報送信部2141は、自己の店舗に関する店舗情報をサーバ装置30に送信する。例えば、店舗情報送信部2141は、店舗の混雑状況や、営業中/休業中等の状態を示す情報を、自己の店舗の店舗IDとともにサーバ装置30に送信する。ここで、店舗の混雑状況は、例えば、店舗に来店した顧客(接客ロボット10)の単位時間あたりの人数に基づき導出してもよい。また、店舗の混雑状況は、例えば、店舗に設けられる監視カメラで撮像された画像に含まれる人数に基づき導出してもよい。また、店舗情報送信部2141は、店員等が入力した店舗に係るキーワードを、自己の店舗の店舗IDとともにサーバ装置30に送信してもよい。また、店舗情報送信部2141は、自己の店舗の商品マスタ2191をサーバ装置30に送信してもよい。
【0107】
ロボット連携部2142は、ネットワークN又は近距離無線通信を介し、接客ロボット10からのアクセスを受け付ける。ロボット連携部2142は、アクセス元の接客ロボット10と通信を確立することで、接客ロボット10との連携を実現する。ロボット連携部2142は、連携した接客ロボット10に対し、店舗装置20が保持する商品マスタ2191等を参照可能に提供する。
【0108】
また、ロボット連携部2142は、接客ロボット10と協働することで、店舗に設けられた電子棚札の発光を制御する。例えば、ロボット連携部2142は、接客ロボット10から商品の種別や商品を指定した発光指示を受け付けると、当該発光指示で指定された種別の商品や指定された商品が陳列された陳列位置の電子棚札を発光させる。
【0109】
決済処理部2143は、店舗で販売する商品の決済処理を実行する。例えば、決済処理部2143は、店舗に設けられた登録装置や接客ロボット10で登録された各商品の商品コード、点数に基づいて合計金額を算出し、当該合計金額を顧客の支払金額で決済する処理を実行する。また、決済処理部2143、決済処理が完了すると、図示しないプリンタから、決済処理の内訳を印字したレシートを発行させる。なお、本実施形態では、決済処理部2143は、現金による決済処理を行うものとするが、対応可能な決済方法はこれに限らないものとする。
【0110】
次に、接客ロボット10の機能構成について説明する。接客ロボット10の制御部154は、CPU311がROM312や記憶部316に記憶されたプログラムにしたがって動作することで、表示制御部1541、操作受付部1542、リード/ライト制御部1543、動作制御部1544、パーソナライズ処理部1545、行動プラン生成部1546、店舗連携部1547、購入支援部1548、として機能する。なお、これら各機能の一部又は全ては、専用回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【0111】
表示制御部1541は、表示部155に各種情報を表示させる。具体的には、表示制御部1541は、接客ロボット10の各機能と協働することで、背面表示部115および正面表示部132に各種の画面(GUI:Graphical User Interface)を表示させる。表示制御部1541が表示する画面については後述する。
【0112】
操作受付部1542は、操作部156を介してユーザ操作を受付ける。例えば、操作受付部1542は、背面表示部115および正面表示部132に対する操作を受け付ける。また、操作受付部1542は、停止ボタン142に対する操作を受け付ける。また、操作受付部1542は、ウェイクワード等の収音部144を介した音声操作を受け付ける。
【0113】
リード/ライト制御部1543は、撮像部143やリーダライタ部157等を介して情報の読み取りを行う。例えば、リード/ライト制御部1543は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルが撮像部143により撮像されると、コードシンボルをデコードすることで、コードシンボルに保持された情報の読み取りを行う。また、例えば、リード/ライト制御部1543は、リーダライタ部157を制御することで、無線タグに保持された情報の読み取りを行う。また、例えば、リード/ライト制御部1543は、リーダライタ部157を制御することで、無線タグに対し情報の書き込みを行う。
【0114】
例えば、リード/ライト制御部1543は、顧客端末50に表示されたコードシンボルからユーザIDの読み取りを行う。例えば、リード/ライト制御部1543は、商品に付されたコードシンボルから、商品コードの読み取りを行う。また、リード/ライト制御部1543は、商品に付された無線タグから、商品コードの読み取りを行う。
【0115】
動作制御部1544は、接客ロボット10の動作を統括的に制御する。具体的には、動作制御部1544は、駆動部121を制御し、撮像部143によって撮像される画像や各種のセンサ部158のセンシング結果に基づき接客ロボット10を走行させることで、接客ロボット10の自律走行を実現する。
【0116】
また、動作制御部1544は、接客ロボット10の状態等に応じて接客ロボット10の動作モードを切り替える。本実施形態の接客ロボット10は、大別して、待機モードと、接客モードと、閉店後モードとの3つの動作モードを有する。また、接客ロボット10は、接客モード時の動作モードとして、先導モードと、追従モードとを有する。
【0117】
待機モードは、接客を行わない待機状態時の動作モードである。接客モードは、接客を行うための動作モードである。先導モードは、顧客を店舗等の移動先に先導するための動作モードである。追従モードは、顧客に追従して移動する動作モードである。閉店後モードは、商業施設の閉店後等、接客以外の業務を行うための動作モードである。
【0118】
また、動作制御部1544は、接客モード下において、パーソナライズ処理部1545、行動プラン生成部1546、店舗連携部1547、および購入支援部1548を有効化し、顧客の行動支援を行う。
【0119】
動作制御部1544は、待機モードにおいて、接客ロボット10の利用を開始するためのチェックイン画面を正面表示部132に表示させる。例えば、動作制御部1544は、図13に示すようなチェックイン画面を正面表示部132に表示させる。
【0120】
なお、動作制御部1544は、待機モードの間、背面表示部115にチェックイン可能であることを報知するメッセージや、商業施設の広告画面等を表示させてもよい。また、動作制御部1544は、音声出力部145からチェックイン操作を促す音声を出力させてもよい。
【0121】
また、動作制御部1544は、待機モードの間、接客ロボット10を所定の位置に停車させてもよいし、予め定められたルートで走行させてもよいし、サーバ装置30からの指示に応じて走行させてもよい。なお、動作制御部1544は、待機モード時に接客ロボット10を走行させる場合、センサ部158や収音部144を介し、自装置の周辺に顧客が存在することや呼び止めるような音声を検知したことを条件に、接客ロボット10を停車させるものとする。
【0122】
図13は、接客ロボット10の正面表示部132に表示される画面の一例を示す図である。図13に示すように、チェックイン画面Gaには、目や鼻等の顔を模した画像が表示される。また、チェックイン画面Gaには、顧客のチェックイン操作を促すメッセージGaaが表示される。
【0123】
チェックイン操作の操作方法は、特に問わないものとするが、ユーザ管理テーブル3164にユーザ情報が登録された顧客(以下、会員ともいう)の操作方法と、ユーザ管理テーブル3164にユーザ情報が未登録の非会員用の操作方法とを用意することが好ましい。本実施形態では、ユーザIDを接客ロボット10に入力する操作を、会員用のチェックイン操作としている。また、ユーザIDを入力せずに行うチェックイン画面Gaに対するタッチ操作を、非会員用のチェックイン操作としている。なお、図13のチェックイン画面Gaでは、ユーザIDの入力を促すため、コードシンボルの読み取りを案内する画像Gabを表示した例を示している。
【0124】
なお、画像Gabは、顧客端末50に表示されるコードシンボルを接客ロボット10に読み取らせることを案内する情報を含んでもよい。また、チェックイン画面Gaにチェックイン用のコードシンボルを表示させる場合、画像Gabは、そのコードシンボルと当該コードシンボルを顧客端末50で読み取ることを案内する情報を含んでもよい。後者の場合、チェックイン画面Gaに表示するコードシンボルに、自己の接客ロボット10と後述するペアリングを確立するための情報を含めることが好ましい。この場合、動作制御部1544は、ペアリングが確立した顧客端末50からユーザIDを取得することで、ユーザIDの入力を受け付けてもよい。
【0125】
ここで、例えば、顧客端末50に表示されたユーザIDを含むコードが、正面側の撮像部143に向けてかざされると、リード/ライト制御部1543は、当該コードシンボルからユーザIDを読み取る。動作制御部1544は、リード/ライト制御部1543を介してユーザIDの入力を受け付けると、入力されたユーザIDをユーザ管理テーブル3164から検索することで、会員か否かの照合を行う。入力されたユーザIDがユーザ管理テーブル3164に登録されている場合、動作制御部1544は、会員によるチェックイン操作が行われたと判断し、待機モードから接客モードへと移行させる。なお、動作制御部1544は、接客モードに移行した際に取引IDを発行してもよい。
【0126】
また、動作制御部1544は、撮像部143が撮像する画像から、チェックイン操作を行った顧客の画像や特徴量をユーザ特徴として取得し、入力されたユーザIDと関連付けてRAM153等に保持する。そして、動作制御部1544は、自装置のロボットIDに関連付けて、現在の動作モード、入力されたユーザID、およびユーザ特徴をロボット管理テーブル3163に登録する。
【0127】
なお、顔認証用の顔画像をユーザ管理テーブル3164に記憶する構成の場合には、動作制御部1544は、撮像部143で撮像された顧客の顔画像と、ユーザ管理テーブル3164に記憶された顔画像とを照合し、該当するユーザIDを取得することで、ユーザIDの入力を受け付ける形態としてもよい。
【0128】
また、動作制御部1544は、チェックイン画面Gaに対するタッチ操作を受け付けると、非会員によりチェックイン操作が行われたと判断し、待機モードから接客モードへと移行させる。この場合、動作制御部1544は、チェックイン操作を行った顧客のユーザ特徴をローカルに保持するとともに、自装置のロボットIDに関連付けて、現在の動作モード、およびユーザ特徴をロボット管理テーブル3163に登録する。また、この場合、パーソナライズ処理部1545は、会員登録を促す画面を正面表示部132に表示させてもよい。
【0129】
なお、タッチ操作によるチェックイン操作が行われた場合であっても、接客モードの間は任意のタイミングでユーザIDの入力を行うことで、会員によるチェックイン状態に移行できるものとする。
【0130】
また、動作制御部1544は、チェックインした顧客が会員か否かによらず、顧客端末50との間で近距離無線通信による通信(ペアリング)を確立することが可能である。この場合、例えば動作制御部1544は、自己の接客ロボット10とペアリングするための設定情報を二次元コード等の形態で正面表示部132に表示させたり、リード/ライト制御部1543を介して顧客端末50が保持する情報を読み取ったりする。動作制御部1544は、顧客端末50とのペアリングが確立すると、RSSI(受信信号強度)等に基づいてチェックインユーザの位置や接客ロボット10との距離を捕捉したり、各種情報の送受信を行ったりする。
【0131】
また、ペアリング対象の装置(以下、ペアリング装置ともいう)は、顧客端末50に限らず、より簡易的なビーコン端末やリモコン端末等であってもよい。この場合、ペアリング装置は商業施設から貸し出されてもよいし、接客ロボット10に着脱自在に設けられてもよい。動作制御部1544は、ペアリング装置とのペアリングが確立すると、RSSI(受信信号強度)等に基づいてチェックインユーザの位置や接客ロボット10との距離を捕捉したり、各種情報の送受信を行ったりする。また、動作制御部1544は、ペアリング装置からの指示により、接客ロボット10の走行を停止したり、先導モード/追従モードを切り替えたりしてもよい。
【0132】
パーソナライズ処理部1545は、チェックインユーザの操作に応じて、接客ロボット10の設定を変更するパーソナライズ処理を行う。
【0133】
変更可能な接客ロボット10の設定は、接客ロボット10の基本動作を妨げない範囲であれば特に問わないものとする。例えば、発光部141の表示色や、正面表示部132に表示する顔を模した画像、UIの表示言語、接客ロボット10が発する人口音声(男性の音声、女性の音声、発話言語等)等を変更することができる。また、接客ロボット10が音声アシスタント機能を有する場合、音声アシスタント機能を呼び出す(起動する)際に用いるウェイクワードを変更することができる。また、接客ロボット10が行う各種の報知方法や、決済の方法等を設定することができる。なお、接客ロボット10の初期状態の設定は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0134】
また、設定の変更方法も特に問わず、画面操作又は音声操作により変更することが可能であるとする。例えば、パーソナライズ処理部1545は、チェックイン操作の後、設定変更を行う否かを確認するための画面を正面表示部132に表示させてもよい。この場合、パーソナライズ処理部1545は、設定変更が指示されると、変更可能な項目を示した設定変更画面を正面表示部132に表示させる(何れも図示せず)。そして、顧客の操作により変更後の設定内容が決定されると、パーソナライズ処理部1545は、自装置の設定を変更後の設定内容に変更する。なお、接客モードの間は、任意のタイミングで設定変更することが可能であるとする。
【0135】
また、パーソナライズ処理部1545は、設定変更が行われた場合、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて、変更後の設定内容をユーザ設定としてユーザ管理テーブル3164に登録する。
【0136】
なお、チェックインユーザが会員である場合、パーソナライズ処理部1545は、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて記憶されたユーザ設定をユーザ管理テーブル3164から読み出し、当該ユーザ設定に基づいて、自装置の設定を変更してもよい。また、顧客端末50に表示されるコードシンボルにユーザ設定が含まれる場合には、パーソナライズ処理部1545は、チェックインの際にリード/ライト制御部1543で読み取られたユーザ設定に基づいて、自装置の設定を変更してもよい。
【0137】
このように、接客ロボット10では、顧客の操作に応じて設定を変更することで、顧客毎のカスタマイズを許容する。これにより、顧客は、自己の接客ロボット10と、他の接客ロボット10とを容易に識別することができる。また、顧客は、自己の好みにカスタマイズした接客ロボット10を用いて買い物等を行うことができる。
【0138】
なお、本実施形態では、チェックインユーザが会員か否かによらず、設定変更を行うことが可能であるとする。チェックインユーザが非会員の場合、パーソナライズ処理部1545は、変更内容をユーザ管理テーブル3164に登録することなく自装置に反映する。また、チェックインユーザが非会員の場合には、設定変更を行うことができないよう制限する構成としてもよい。
【0139】
行動プラン生成部1546は、商業施設内での顧客の行動を支援するための処理を実行する。具体的には、行動プラン生成部1546は、顧客の目的や条件を確認しながら行き先を絞り込んで行くことで、商業施設内での顧客の行先を計画した行動プランを生成し、顧客に提示する。
【0140】
ここで、図14図16を参照して、行動プラン生成部1546の動作例について説明する。図14図16は、接客ロボット10の正面表示部132に表示される画面の一例を示す図である。
【0141】
まず、行動プラン生成部1546は、顧客の来店目的(以下、単に目的ともいう)を確認するため、図14に示すような来店目的確認画面Gbを正面表示部132に表示させる。来店目的確認画面Gbには、店舗管理テーブル3162に登録された各店舗の店舗種別やキーワードに基づき設定された、目的の種別を示す選択肢Gbaが表示される。例えば、図14に示すように、「買いたい」、「遊びたい」、「食べたい」等の大まかな目的が選択肢Gbaとして表示される。ここで、選択肢Gbaは、例えば何れか一つを選択することが可能となっている。何れか一の選択肢Gbaが選択された後、中央の操作子Gbbの操作により選択が確定されると、行動プラン生成部1546は、選択された選択肢Gbaの目的を更に絞り込むため、来店目的確認画面Gcを正面表示部132に表示させる。
【0142】
来店目的確認画面Gcでは、直前の来店目的確認画面Gbで選択された目的について、より詳細な目的が設定された選択肢Gcaが表示される。図15は、来店目的確認画面Gcの一例であり、図14の来店目的確認画面Gbから「買いたい」の選択肢Gbaが選択された場合の例を示している。
【0143】
ここで、来店目的確認画面Gcの選択肢Gcaには、例えば、商品を購入可能な店舗の店舗名が表示される。また、他の例として、来店目的確認画面Gcの選択肢Gcaには、商業施設で購入可能な商品の種別等が表示されてもよい。後者の場合、選択肢Gcaを介して商品の種別が選択され、操作子Gcbの操作により選択が確定されると、行動プラン生成部1546は、選択された種別の商品を販売する店舗の店舗名を選択肢とした新たな来店目的確認画面(図示せず)を更に表示させてもよい。このように、行動プラン生成部1546は、顧客の目的を段階的に絞り込んでいくことで、目的に適合した行先となる店舗(以下、行先店舗ともいう)を決定する。
【0144】
なお、来店目的確認画面を用いて絞り込みを行う回数は特に問わないものとする。例えば、目的毎に絞り込みを行う回数が異なっていてもよい。また、上記例では、絞り込みの最終的段階で行先店舗を選択させる例を示したが、選択可能な店舗数は1に限らず複数であってもよい。
【0145】
また、行動プラン生成部1546は、行先店舗を顧客に直接選択させることなく、選択された目的の条件から行先店舗を自動で決定する形態としてもよい。この場合、行動プラン生成部1546は、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて記憶された特性情報や購入履歴等に基づき、行先店舗を1又は複数個決定してもよい。
【0146】
また、来店目的確認画面では、或る目的について行先店舗を決定した後、最初や直前の来店目的確認画面に再び戻ることで、異なる目的について行先店舗を決定することも可能である。
【0147】
行動プラン生成部1546は、行先店舗を確定する操作を受け付けると、行先店舗各々の位置情報と、自己の接客ロボット10の現在位置と、マップ情報3161とに基づき、行先店舗の順路を示した行動プランを生成する。そして、行動プラン生成部1546は、生成した行動プランを表す画面(以下、行動プラン画面ともいう)を、正面表示部132に表示させる。
【0148】
ここで、行動プランは、行先店舗の各々に対応する店舗IDと、行先店舗を巡回する順序を規定するための順序情報と、行先店舗に到達(入店)したか否かを判別するための来店フラグとを少なくとも有する。また、行動プランは、行先店舗の存在位置(例えば階、フロア)を示す情報を含んでもよい。また、行動プランは、行先店舗間の距離や移動に要する時間、行先店舗での滞在時間、移動時間および滞在時間を合計した総時間等を含んでもよい。
【0149】
この場合、滞在時間には、各店舗一律の時間が設定されてもよい。また、滞在時間には、店舗毎や店舗の種別毎に予め算出された滞在時間の平均値等に基づいて、行先店舗やその種別に応じた滞在時間が設定されてもよい。更には、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて行動履歴を記録する構成の場合、過去の行動履歴から行先店舗の滞在時間を抽出し、抽出した滞在時間の平均値等を滞在時間に設定してもよい。
【0150】
また、行先店舗の巡回順序を決定する方法は特に問わず、経路探索等の公知の技術を用いることが可能である。例えば、行動プラン生成部1546は、現在位置から近い順に行先店舗を並べてもよい。また、行動プラン生成部1546は、行先店舗の混雑状況等を加味して、待ち時間が最小となる順序で行先店舗を並べてもよい。
【0151】
図16は、行動プラン画面の一例である。行動プラン画面Gdには、行動プランに規定された行先店舗の各々の店舗名と、当該行先店舗を巡回する順序が表示される。図16では、店舗A、店舗B、店舗C、店舗Dの順に巡回することが表示された例を示している。具体的には、図16では、行先店舗が存在する階数Gdaや、行先店舗の種別を示すアイコンGdb、および行先店舗の店舗名Gdc等の行先店舗に関する情報が、巡回する行先店舗の順序で画面上方から下方にかけて配置されている。また、図16では、行先店舗間の移動に要する移動時間Gdd、移動時間および各行先店舗での滞在時間をあわせた総時間Gdeを表示した例を示している。
【0152】
接客ロボット10を操作する顧客は、行動プラン画面Gdを見ることで、行き先となる店舗とその順序を確認することができる。また、行動プラン画面Gdでは、顧客の操作に応じて、行先店舗の順序を変更したり、行先店舗を削除したりすることができる。
【0153】
例えば、図16の行動プラン画面Gdにおいて、何れか一の行先店舗を長押しした状態で、他の行先店舗間の位置まで移動する操作が行われると、行動プラン生成部1546は、長押しされた行先店舗を移動された位置に挿入することで、行動プランを更新する。また、例えば、図16の行動プラン画面Gdにおいて、何れか一の行先店舗(例えば、店舗C)に対しフリック操作が行われると、行動プラン生成部1546は、操作の対象となった行先店舗を削除し、行動プランを更新する。
【0154】
また、行動プラン画面Gdでは、顧客の操作に応じて、行先店舗を追加することもできる。例えば、操作子Gdfの操作を受け付けると、行動プラン生成部1546は、行先店舗を追加することが可能な画面を正面表示部132に表示する。かかる画面は、例えば、店舗を直接指定することが可能な、店舗名を一覧表示した画面であってもよいし、上述した来店目的確認画面であってもよい。
【0155】
また、行動プラン画面Gdには、商業施設のマップを表示するための操作子Gdgが設けられている。行動プラン生成部1546は、操作子Gdgの操作を受け付けると、マップ情報3161に基づいて、商業施設のマップに行先店舗の各位置を示した画面を正面表示部132に表示させる(図示せず)。また、行動プラン生成部1546は、行先店舗の各位置に巡回する順序を示す番号を付したり、行先店舗間の移動経路を強調したりする等の処理を表示するマップに行ってもよい。
【0156】
また、行動プラン画面Gdには、行先店舗への移動を開始することを指示する操作子Gdhが設けられている。操作子Gdhが操作されると、動作制御部1544は、自装置の動作モードを先導モードへと移行させる。なお、動作制御部1544は、行動プランが生成されたタイミングや、行先店舗への移動開始が指示されたタイミングで、取引IDを発行してもよい。
【0157】
なお、行動プラン画面Gdでは、表示された行先店舗の店舗名等を選択することで、当該行先店舗に到着した際に実行する処理内容を設定することも可能であるとする。例えば、行先店舗に到着した際に、来店目的選択画面で選択した種別の商品が陳列されている電子棚札を発光させる処理をタスクとして設定することができる。
【0158】
ここで、タスクとは、顧客から要求された処理を規定するものであり、予め設定されたタイミングで実行される。例えば、タスクは、実行条件と処理内容との組で表すことができる。上記例の場合、実行条件は、処理を実行する店舗の「店舗名」と、処理の実行タイミングを規定する「店舗への到着時」との組で規定される。また、処理内容には、来店目的選択画面で選択された商品の種別を表す商品コード等とともに、電子棚札の発光を指示するコマンド等が設定される。行先店舗に設定されたタスクの処理内容は、当該タスクの実行条件に基づき、動作制御部1544の制御により実行される。なお、タスクとして設定可能な実行条件及び処理内容はこれに限らないものとする。
【0159】
動作制御部1544は、先導モードに移行すると、行動プラン生成部1546が生成した行動プランに基づいて接客ロボット10を行先店舗に向けて移動させる。具体的には、動作制御部1544は、行動プランに規定された行先店舗の順に接客ロボット10を移動させる。例えば、図16の行動プランの場合、動作制御部1544は、まず店舗Aに向けて接客ロボット10を移動させる。また、動作制御部1544は、行動プランに規定された店舗間の移動時間に応じた速度で接客ロボット10を走行させる。
【0160】
また、動作制御部1544は、先導モードにおいて、チェックインを行った顧客と所定の距離を保ちながら当該顧客の前方を移動することで、行先店舗に向けて顧客を誘導(先導)する。具体的には、動作制御部1544は、チェックイン時に記憶した顧客画像に基づき、撮像部143が撮像する画像の中からユーザ特徴に合致する人物、つまりチェックインユーザを特定する。そして、動作制御部1544は、特定した顧客と所定の距離を保ちながら、当該人物の前方を行先店舗に向けて走行する。このとき、動作制御部1544は、行先店舗に誘導中であることを案内する画面(以下、案内画面ともいう)を背面表示部115に表示させることで、自装置に追従して移動することを顧客に促す。
【0161】
図17は、接客ロボット10の背面表示部115に表示される画面の一例を示す図であり、案内画面の一例を示している。図17に示すように、案内画面Geには、移動先となる店舗(店舗A)に案内中であることを示すメッセージGeaが表示される。また、案内画面Geには、接客ロボット10が移動する方向を示す矢印Gebや、移動先となる店舗までの距離Gecが表示される。また、案内画面Geには、接客ロボット10の現在位置周辺に存在する共用スペースを示した周辺情報Gedが、画面上部に表示される。ここで、画面内において周辺情報Gedが表示される位置は、例えば、接客ロボット10の現在位置および移動方法を基準する共用スペースの存在方向に対応する。
【0162】
また、動作制御部1544は、画面表示による案内に限らず、音声出力による案内を行ってもよい。例えば、動作制御部1544は、案内画面とともに、行先店舗への移動を案内する音声を出力してもよい。
【0163】
なお、接客ロボット10の移動中に、正面表示部132に表示させる画面は特に問わないものとする。例えば、動作制御部1544は、接客ロボット10を移動させている間、上述したチェックイン画面Gaと同様の、目や鼻等の顔を模した画像を正面表示部132に表示させてもよい。但し、チェックイン画面Gaとは異なり、顧客を案内中であることを示す情報をあわせて表示させることが好ましい。
【0164】
これにより、顧客は、先行する接客ロボット10の背面表示部115に表示された案内画面を見ることで、行き先となる店舗や当該店舗までの距離等を容易に確認することができる。また、顧客は、行先店舗への移動途中において周辺に存在する共用スペースを容易に確認することができるため、必要に応じて共用スペースに向かうことができる。
【0165】
なお、顧客が共用スペースに向かう等することで接客ロボット10から離れた場合、顧客は接客ロボット10の移動方向とは異なる方向に移動し、接客ロボット10との距離が規定値から逸脱した、行動プラン外の動作を行うことになる。動作制御部1544は、撮像部143の画像等に基づき行動プラン外の顧客の動作を検出すると、先導モードを解除し、顧客に追従して移動する追従モードに移行する。また、動作制御部1544は、顧客が共用スペースに入った場合、当該顧客が共用スペースから出てくるまでの間、例えば共用スペース付近に設けられた所定の待機場所で待機する。ここで、動作制御部1544は、待機場所で待機する間、自己の接客ロボット10の動作モードを一時的に待機モードに移行させてもよい。そして、動作制御部1544は、ユーザ特徴に合致する顧客が共用スペースから出てくると、先導モードに移行して行先店舗への案内を継続する。
【0166】
また、顧客の先導途中で当該顧客が他の店舗に向うような場合も、動作制御部1544は、先導モードを解除して追従モードに移行する。この場合、動作制御部1544は、顧客が店舗から退店するまで追従モードを継続し、測位部159の位置情報等に基づき店舗から退店したことを検知すると、先導モードに移行して行先店舗への案内を継続する。なお、この場合、動作制御部1544は、行動プラン生成部1546と協働し、行先店舗の巡回順序を変更する等、行動プランを更新する構成としてもよい。
【0167】
また、動作制御部1544は、先導モードで動作している間であっても顧客の操作を受け付けることが可能である。例えば、動作制御部1544は、接客ロボット10の移動中に、停止ボタン142の操作を受け付けると、接客ロボット10の走行(移動)を停止させる。また、例えば、動作制御部1544は、背面表示部115をタッチする操作や、本体部11をノックする操作、ウェイクワード等の呼び掛け操作等を受け付けると、接客ロボット10の走行を停止させる。また、例えば、動作制御部1544は、ペアリング装置からの指示に応じて接客ロボット10の走行を停止させる。そして、動作制御部1544は、正面表示部132に行動プラン画面Gd等を表示させることで、各種操作を受け付け可能な状態とする。また、動作制御部1544は、設定された移動ルートに従って移動している際に、顧客から、例えば共用スペースに行きたい旨の指示を受け付けると、行動プランを変更して、指示された共用スペースまで先導する。その際、行動プラン生成部1546は、移動ルートの再設定を行う。
【0168】
なお、動作制御部1544は、接客ロボット10の走行を停止させる際に、正面表示部132を顧客に向けた状態で停止させてもよい。
【0169】
動作制御部1544は、先導モードによる移動により、行先店舗に到達したと判定すると、接客ロボット10の動作モードを先導モードから追従モードに移行させる。例えば、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10の現在位置が、行先店舗の位置情報を基点する所定範囲のエリアに入ると、行先店舗に到達したと判定する。
【0170】
ここで、行先店舗への到達判定に係るエリアの範囲は任意に設定することが可能であるとする。例えば、店舗の敷地全域を到達判定に係るエリアとしてもよい。また、例えば、フードコートに存在する特定の店舗(飲食店)が行先店舗の場合、フードコートの全域を到達判定に係るエリアとしてもよい。
【0171】
また、店舗到達の判定方法は、位置情報によるものに限らず、動作制御部1544は、店舗の入口(又は出口)等に設けられるゲート端末やビーコン端末等との連携により、行先店舗に到達したことを検知してもよい。この場合、動作制御部1544は、例えばゲート端末やビーコン端末等から通知される店舗ID等に基づき、行先店舗に到達したことを判定する。
【0172】
動作制御部1544は、追従モードに移行すると、顧客の後に追従して接客ロボット10を移動させる制御を行う。例えば、動作制御部1544は、正面側の撮像部143が撮像する画像等からチェックインユーザを検出し、検出したチェックインユーザと所定の距離を保ちながら、チェックユーザの後方を走行させる。これにより、動作制御部1544は、顧客が行先店舗に滞在する間、当該顧客に追従して接客ロボット10を走行させる。
【0173】
なお、動作制御部1544は、追従モードに移行した際に、画面表示や音声により追従モードに移行したことを顧客に報知してもよい。例えば、動作制御部1544は、追従モードに移行すると、接客ロボット10の正面側を顧客に向け、行先店舗に到着したことを報知する情報や、「お供します」等の追従動作を報知する情報を、正面表示部132や音声出力部145から出力させてもよい。また、背面表示部115には、追従モードで動作していることを報知する情報を表示させてもよいし、他の情報を表示させてもよい。例えば、動作制御部1544は、到着した行先店舗に関する広告や、接客ロボット10の利用を促す宣伝等の情報を背面表示部115に表示させてもよい。
【0174】
動作制御部1544は、行先店舗に到達したと判定すると、店舗連携部1547を有効化し、自己の接客ロボット10と行先店舗に設けられた店舗装置20とを連携させる。店舗連携部1547は、ネットワークN又は近距離無線通信を介して店舗装置20にアクセスすることで、接客ロボット10が行先店舗の店舗装置20と連携して動作することが可能な状態を実現する。例えば、店舗連携部1547は、接客ロボット10が行先店舗に到達すると、当該行先店舗の店舗装置20にアクセスすることで、店舗装置20が保持する商品マスタ2191等を参照可能な状態を実現する。
【0175】
また、動作制御部1544は、店舗装置20と協働することで、電子棚札を発光させたりすることもできる。例えば、接客ロボット10が到達した行先店舗に、特定の種別の商品の陳列位置の電子棚札を発光させるタスクが設定されている場合、動作制御部1544は、店舗装置20と協働することで、該当する陳列位置の電子棚札を発光させる。
【0176】
具体的には、店舗連携部1547は、タスクに設定された種別に該当する商品を商品マスタ2191から検索し、当該商品の陳列位置を特定する。そして、店舗連携部1547は、店舗装置20と協働し、特定した陳列位置に配置された電子棚札を発光させるための制御を行う。
【0177】
これにより、顧客は、接客ロボット10の先導により行先店舗に到達すると、自己が購入目的とした商品の陳列位置を容易に把握することができる。したがって、接客ロボット10は、顧客が目的とした商品の購入支援を効率的に行うことができる。なお、ユーザ設定により発光部141の発光色が設定されている場合、店舗連携部1547は、ユーザ設定の発光色で電子棚札を発光させるように制御してもよい。
【0178】
購入支援部1548は、登録手段、決済手段、制御手段、およびリコメンド手段の一例である。購入支援部1548は、自己の接客ロボット10の移動先となった店舗において、商品の購入を支援するための処理を実行する。例えば、購入支援部1548は、コードシンボル又は無線タグから読み取られた商品コードに基づき、当該商品コードに対応する商品を購入対象として登録する処理を実行する。具体的には、購入支援部1548は、リード/ライト制御部1543により商品コードが読み取られると、その商品コードに対応する商品の商品名、価格等の商品情報を商品マスタ2191から読み取り、RAM153等に記憶されたデータテーブル(以下、ローカル取引管理テーブルともいう)に登録する。ここで、ローカル取引管理テーブルは、例えば、取引管理テーブル3165と同様のデータ構成であってもよいし、取引管理テーブル3165からロボットIDを除いたデータ構成であってもよい。
【0179】
また、購入支援部1548は、顧客の操作に応じて、ローカル取引管理テーブルに登録された商品の決済処理を実行する。具体的には、購入支援部1548は、ローカル取引管理テーブルに登録された商品の合計金額を、顧客の支払金額で決済する決済処理を実行する。そして、決済処理が完了すると、購入支援部1548は、ローカル取引管理テーブルに登録された決済済の商品の商品コードに関連付けて購入済フラグを付与する。
【0180】
なお、決済方法は特に問わず、クレジット決済や、電子マネー決済、コード決済等の電子決済処理を行うことが可能であるとする。また、接客ロボット10が現金自動精算機を備える場合には現金決済も使用可能であるとする。
【0181】
接客ロボット10が現金自動精算機を備えない場合には、購入支援部1548は、ネットワークN又は近距離無線通信を介し、現金決済可能な外部装置に決済用のデータを送信することで、当該装置で現金決済を行わせるものとする。例えば、購入支援部1548は、店舗の店舗装置20の決済用のデータを送信することで、店舗装置20で現金決済を行わせる。なお、決済用データの送信先は、店舗装置20に限らず、商業施設内に設けられた現金決済用の会計機に決済用のデータを送信してもよい。
【0182】
また、購入支援部1548は、現金決済可能な外部装置の状態に応じて送信先となる外部装置を決定してもよい。例えば、外部装置が有する釣銭の在高や、外部装置の使用状況に応じて、送信先となる外部装置を決定してもよい。また、外部装置に決済を行わせる場合には、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、決済先の外部装置まで顧客を先導することが好ましい。
【0183】
なお、購入支援部1548は、決済処理の完了に伴い、その取引の内訳を示したレシートを出力する。例えば、接客ロボット10がプリンタを備える場合や、接客ロボット10にプリンタが接続される構成の場合、購入支援部1548は、プリンタを制御することで当該プリンタからレシートを出力させる。
【0184】
また、購入支援部1548は、電子レシートの形態でレシートを出力してもよい。この場合、購入支援部1548は、ペアリングを確立した顧客端末50に電子レシートを送信してもよい。また、購入支援部1548は、ユーザ管理テーブル3164に記憶されたアドレス宛に電子レシートを送信してもよい。
【0185】
また、この場合、購入支援部1548は、決済処理が行われる毎にレシートを出力してもよいし、店舗毎にレシートを出力してもよい。後者の場合、購入支援部1548は、接客ロボット10が店舗から退店する際に、レシートを出力してもよい。さらには、購入支援部1548は、行動プランに規定された全ての店舗の巡回が完了した際に、店舗の各々行われた決済処理のレシートをまとめて出力してもよい。なお、レシートの出力タイミングは、顧客が選択できるものとする。また、レシートの出力タイミングは、パーソナライズ処理により設定可能としてもよい。
【0186】
なお、購入支援部1548は、商品の登録又は決済処理の完了によりローカル取引管理テーブルを更新すると、更新した内容を自装置のロボットIDおよび当該取引の取引IDとともにサーバ装置30に送信することで、サーバ装置30の取引管理テーブル3165を更新する。これにより、接客ロボット10の各々で行われる取引の最新の状態が、サーバ装置30の取引管理テーブル3165に反映されることになる。なお、本実施形態では、接客ロボット10とサーバ装置30との両方の取引管理テーブルに取引の状態を保持したが、これに限らず、何れか一方の取引管理テーブルに保持する形態としてもよい。
【0187】
また、購入支援部1548は、購入候補の商品の選定にあたり、顧客を支援するための機能を備えている。具体的には、購入支援部1548は、顧客の嗜好に適した商品を選定および提示するリコメンド機能を備える。
【0188】
例えば、購入支援部1548は、衣料店等において、商品コードの読み取りによりリコメンドの基準となる基準商品が選択されると、その商品の付加情報に含まれたサイズや色、デザイン等の情報に基づき、組み合わせ(又は代替)に適した商品をリコメンド商品として選定する。そして、購入支援部1548は、選定したリコメンド商品を正面表示部132に表示させることで顧客に提示する。提示されたリコメンド商品は、顧客の操作により、購入対象として登録することや、却下すること等を指示することが可能であるとする。
【0189】
なお、リコメンド商品の選定方法は特に問わず、リコメンドに関する公知の技術を用いることが可能である。例えば、購入支援部1548は、顧客のユーザIDに関連付けられた購入履歴や検索履歴等に基づいて、顧客の購入傾向や嗜好に応じた商品をリコメンド商品として選定してもよい。また、本実施形態では、選定するリコメンド商品は、商品マスタ2191に登録された、店舗で販売される店舗商品であるものとするが、これに限らないものとする。
【0190】
ここで、図18図25を参照して、購入支援部1548の動作例について説明する。図18図25は、接客ロボット10の正面表示部132に表示される画面の一例を示す図である。なお、図18図25では、衣料店における動作例を示している。
【0191】
まず、購入支援部1548は、接客ロボット10が追従モードに移行すると、図18に示す画面(以下、基本操作画面ともいう)を正面表示部132に表示させ、顧客の操作を待機する。
【0192】
図18は、基本操作画面の一例を示す図である。図18に示すように、基本操作画面Gfには、商品の読み取りを促すメッセージおよび画像Gfaが表示される。また、基本操作画面Gfの上方には、滞在中の店舗の店舗名が表示される店舗名領域Gfbと、後述する操作子Gfcとが設けられる。
【0193】
また、基本操作画面Gfの下方には画像Gfd、Gfeが表示されている。画像Gfdは、コードシンボルの読み取りが可能であることを示すアイコンであり、画像Gfeは、無線タグの読み取りが可能であることを示すアイコンである。
【0194】
なお、画像Gfd、Gfeは、読み取り機能に係るハードウェア構成を有効化させるための操作子としてもよい。例えば、画像Gfd、Gfeの何れかのアイコンがタッチされると、購入支援部1548は、タッチされたアイコンに応じて、撮像部143又はリーダライタ部157を有効化する制御を行ってもよい。
【0195】
また、基本操作画面Gfには、操作子Gff、Gfg、Gfhが表示される。操作子Gffは、店舗内の店員に問い合わせを行うための操作子である。操作子Gfgは、登録された商品を確認するための操作子である。操作子Gfhは、決済処理の開始を指示するための操作子である。
【0196】
なお、操作子Gffが操作された場合には、購入支援部1548は、店舗装置20と協働することで、店舗の店員に対応を依頼するための処理を実行する。例えば、購入支援部1548は、自己の接客ロボット10の位置や、問合せの対象となる商品を指定する情報、チェックインユーザのユーザID等を含んだ問合せ情報を店舗装置20に送信することで、店員による対応を依頼する。この場合、店舗装置20は、店舗の店員が所持する端末に接客ロボット10の位置等を通知し、顧客の対応を店員に促す。
【0197】
購入支援部1548は、追従モードの間、コードシンボル又は無線タグの読み取りにより商品コードの入力を受け付けると、例えば図19に示す画面(商品画面)を正面表示部132に表示させる。図19は、商品画面の一例を示す図である。
【0198】
商品画面Ggは、基本操作画面Gfで説明した各種の操作子を有する。また、商品画面Ggの画面中央には、商品画像を表示するための領域Ggaが設けられている。具体的には、購入支援部1548は、入力された商品コードに対応する商品の商品情報を商品マスタ2191から読み出し、読み出した商品情報に含まれる商品画像を領域Ggaに表示させる。
【0199】
図19では、商品AAAが読み取られた状態を示しており、領域Ggaに商品AAAの商品画像が表示されている。また、図19では、商品AAAの商品名、価格等を表示した例を示している。
【0200】
また、商品画面Ggには、操作子Ggbと、操作子Ggcと、操作子Ggdとが設けられている。ここで、操作子Ggdは、領域Ggaに表示された商品、つまり入力された書品コードに対応する商品の登録を指示するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Ggdの操作を受け付けると、入力された商品コードに基づき、対応する商品の商品情報をローカル取引管理テーブルに登録する登録処理(以下、単に登録ともいう)を実行する。
【0201】
なお、この例では、操作子Ggdの操作に応じて、入力された商品コードに対応する商品を登録する形態としたが、これに限定されるものではない。例えば、商品コードが入力されると、購入支援部1548は、対応する商品の登録を直ちに行う形態としてもよい。この場合、購入支援部1548は、操作子Ggdを取り除いた商品画面を表示させてもよい。
【0202】
また、購入支援部1548は、登録した商品に係るローカル取引管理テーブルのレコードを、自己の接客ロボット10のロボットIDおよび当該取引の取引IDとともにサーバ装置30に送信することで、取引管理テーブル3165に取引情報を登録する。なお、購入支援部1548は、店舗装置20に対しても、自己の接客ロボット10に登録された商品に関する情報(例えば商品コード)を通知してもよい。
【0203】
操作子Ggbは、領域Ggaに表示された商品の試着を指示するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Ggbの操作を受け付けると、撮像部143で撮像された顧客の画像を正面表示部132に表示させる。これにより、商品を試着した顧客は、操作子Ggbを操作して自身の姿を撮像させ、正面表示部132に表示された画像を見ることで自己の姿を確認することができる。
【0204】
なお、本実施形態では、顧客が実際に商品を試着する形態としたが、これに限らず、例えば、公知のAR(拡張現実)技術やVR(仮想現実)技術等を用いることで仮想的に試着を行う構成としてもよい。この場合、購入支援部1548は、撮像部143で撮像された顧客の画像に、領域Ggaに表示された商品の商品画像を重畳した合成画像を生成する。そして、購入支援部1548は、生成した合成画像を正面表示部132に表示させることで仮想試着を実現する。
【0205】
また、操作子Ggcは、リコメンド商品の提示を要求するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Ggcの操作を受け付けると、領域Ggaに表示された商品、つまり、入力された商品コードに対応する商品(基準商品)の付加情報等に基づき、基準商品と組み合わせ可能な商品をリコメンド商品として商品マスタ2191から選定する。また、購入支援部1548は、チェックインユーザが会員である場合、ユーザIDに関連付けられた購入履歴や検索履歴に基づき、リコメンド商品を商品マスタ2191から選定する。そして、購入支援部1548は、選定したリコメンド商品の商品情報に基づき、当該商品の商品画像等を表した画面(以下、リコメンド画面ともいう)を正面表示部132に表示させる。
【0206】
図20は、リコメンド画面の一例を示す図である。リコメンド画面Ghは、例えば、商品画面Ggと同様の画面構成を有し、基本操作画面Gfで説明した各種の操作子を有する。また、リコメンド画面Ghの画面中央には、商品画像を表示するための領域Ghaが設けられている。具体的には、購入支援部1548は、選定したリコメンド商品(商品BBB)の商品画像を領域Ghaに表示させる。また、購入支援部1548は、リコメンド商品の商品名、価格等を領域Ghaの下方に表示させる。さらに、購入支援部1548は、領域Ghaの上方に商品をリコメンドするメッセージGhbを表示させる。
【0207】
また、リコメンド画面Ghには、登録を指示するための操作子Ghcが設けられる。購入支援部1548は、操作子Ghcの操作を受け付けると、領域Ghaに表示されたリコメンド商品の商品コードに基づき、商品の登録処理を実行する。なお、この場合、購入支援部1548は、登録した商品がリコメンド商品であることを記録するため、リコメンド商品であることを示すフラグ情報等を商品コードに対応付けて登録してもよい。
【0208】
このように、購入支援部1548は、顧客が選択した商品に基づき、当該商品と組み合わせ可能な商品をリコメンド商品として提案する。そして、顧客は、提案されたリコメンド商品を気に入った場合、購入対象の商品として登録することができる。なお、リコメンド画面Ghには、商品画面と同様に試着を指示するための操作子を設けてもよい。
【0209】
また、購入支援部1548は、他のリコメンド方法として、顧客が商品を試着した後にリコメンド商品を提示する形態としてもよい。ここで、図21図22を参照して、他のリコメンド方法について説明する。なお、以下に説明するリコメンド方法では、顧客は、自己が入力した商品コードに対応する商品の試着を行い、その試着の結果に応じて、登録するか否かを選択可能な構成について説明する。
【0210】
図21は、商品を試着した顧客を表す画面(以下、試着画面ともいう)を示す図であり、例えば図19の操作子Ggbが操作された後に表示される画面例である。試着画面Giには、領域Giaが設けられている。領域Giaには、試着を行った顧客の画像が表示される。具体的には、購入支援部1548は、撮像部143で撮像した顧客の姿を領域Giaに表示させる。なお、図21では、図19の領域Ggaに表示された商品を試着した状態を示している。
【0211】
また、試着画面Giには、操作子Gib、Gic、Gidが設けられている。ここで、操作子Gidは、試着の終了を指示するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Gidの操作を受け付けると、例えば、図19の画面に戻すことで試着画面Giの表示を終了する。また、操作子Gicは、購入対象とすることを指示するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Gicの操作を受け付けると、先に入力された商品コードに対応する商品の登録処理を実行する。これにより、顧客は、商品を試着した自己の姿に基づき、その商品を購入対象とするか否かを選択することができる。
【0212】
操作子Gibは、上述した操作子Ggcと同様、リコメンド商品の提示を要求するための操作子である。ここで、購入支援部1548は、操作子Gibの操作を受け付けると、領域Giaに表示された商品、つまり入力された商品コードに対応する商品(基準商品)の付加情報等に基づき、リコメンド商品を商品マスタ2191から選定する。また、この場合、購入支援部1548は、領域Giaに表示された顧客の姿(着姿)に基づき、リコメンド商品を選定してもよい。例えば、購入支援部1548は、試着画像から顧客の身長や体形、髪の色等の身体的な特徴を抽出し、抽出した特徴を加味してリコメンド商品を選定する。
【0213】
そして、購入支援部1548は、選定したリコメンド商品の商品情報に基づき、当該商品の商品画像等を表したリコメンド画面を正面表示部132に表示させる。ここで、表示されるリコメンド画面は、図20のリコメンド画面Ghと同様の形態であってもよいし、図22に示すように、基準商品とリコメンド商品とを着衣した人物のイメージ画像を含んだ他のリコメンド画面Gjであってもよい。
【0214】
図22は、リコメンド画面の他の例を示す図である。リコメンド画面Gjは、第1領域Gjaと、第2領域Gjbとを有する。ここで、第1領域Gjaには、基準商品とリコメンド商品とを着衣した人物のイメージ画像が表示される。図22では、基準商品に基づき3つの異なるリコメンド商品が選定された例を示しており、リコメンド商品毎に、当該リコメンド商品と基準商品とを着衣した人物のイメージ画像が表示されている。
【0215】
なお、イメージ画像は、店舗で販売する各商品の組み合わせについて予め作成されたものであってもよいし、基準商品とリコメンド商品とに基づき自動で生成されたものであってもよい。後者の場合、例えば、公知のVR技術等を用いることで、先に撮像された顧客の画像にリコメンド商品を仮想的に合成したものであってもよいし、仮想的なモデルに基本画像およびリコメンド画像を合成したものであってもよい。
【0216】
ここで、第1領域Gjaでは、イメージ画像に基づき所望のリコメンド商品を選択することが可能となっている。例えば、第1領域Gjaでは、図中矢印方向にイメージ画像をスライド操作することで、表示された3つのイメージ画像から一のイメージ画像を選択することが可能となっている。具体的には、所望のリコメンド商品が含まれたイメージ画像を中央に配置すると、そのイメージ画像に含まれる基準商品と、リコメンド商品との画像が第2領域Gjbに表示される。図22では、第1領域Gjaの中央に表示されたイメージ画像に含まれる基準商品Gjc(商品AAA)と、リコメンド商品Gjd(商品BBB)との画像が第2領域Gjbに表示された例を示している。
【0217】
また、顧客は、第2領域Gjbに表示された商品を、第2領域Gjbの下方に表示されたカート状の操作子Gjeに向けてフリック操作することで、商品の登録処理を指示することができる。例えば、基準商品Gjcと、リコメンド商品Gjdとのそれぞれが操作子Gjeに向けてフリック操作されると、購入支援部1548は、基準商品Gjcと、リコメンド商品Gjdとの登録処理をそれぞれ実行する。
【0218】
また、第1領域Gjaにおけるスライド操作により他のイメージ画像が中央に配置された場合は、当該他のイメージ画像に表された他のリコメンド商品と、基準商品との画像が第2領域Gjbに表示される。上述と同様、この状態から登録処理を指示することが可能であるが、基準商品が登録済みの場合には、重複して登録されてしまうことを防ぐため、購入支援部1548は、登録済を示すアイコン等の情報を基準商品の画像に付加して表示させることが好ましい。
【0219】
また、顧客は、リコメンド商品を気に入らない場合には、例えば、リコメンド画面Gjをスワイプ操作等することで、図19の画面や直前の画面に戻すことができるものとする。
【0220】
なお、購入支援部1548によって選定されるリコメンド商品は、その時点では顧客が現物を手にしていない商品となる。この場合、顧客によっては、実物を手にして色合い等を確認したい等の要望があがることが想定される。そこで、例えば、本実施形態のように店舗内で販売される店舗商品がリコメンド商品として選定される場合には、購入支援部1548は、顧客からの操作に応じて、リコメンド商品が陳列された位置を案内する制御を行ってもよい。
【0221】
例えば、購入支援部1548は、店舗連携部1547および店舗装置20と協働することで、リコメンド商品が陳列された位置を示す店内マップ等を正面表示部132に表示させてもよい。また、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働し、リコメンド商品の陳列位置まで接客ロボット10を移動させることで顧客を先導してもよい。また、例えば、購入支援部1548は、店舗連携部1547および店舗装置20と協働し、リコメンド商品の陳列位置に配置された電子棚札を発光させてもよい。
【0222】
なお、本実施形態では、リコメンド商品を登録可能としたが、これに限らず、リコメンド商品は参考に留め、登録を不可とする形態としてもよい。
【0223】
また、上記の動作例では、商品コードの入力により基準商品が選択される形態としたが、基準商品の選択方法は、これに限らないものとする。例えば、後述する操作子Gfgを操作することで表示される登録済の商品の中から、基準商品が選択されてもよい。
【0224】
また、上記の動作例では、基準商品に基づいてリコメンド商品を選定する形態を説明したが、これに限らず、商品が未選択の状態からリコメンド商品を選定する形態としてもよい。この場合、購入支援部1548は、チェックインユーザのユーザIDに関連付けられた購入履歴や検索履歴等に基づいて、リコメンド商品を選定してもよい。また、チェックインユーザが非会員の場合には、購入支援部1548は、リコメンド機能を無効化してもよいし、店舗の人気商品等に基づいてリコメンド商品を選定してもよい。
【0225】
また、購入支援部1548は、上述した図19等の画面において、操作子Gfgの操作を受け付けると、例えば図23に示す画面(以下、仮想カート画面ともいう)を正面表示部132に表示させる。
【0226】
図23は、仮想カート画面の一例を示す図である。仮想カート画面Gkは、上述した基本操作画面Gf等と同様の操作子を有する。また、仮想カート画面Gkの画面中央には、登録された各商品の商品画像、商品名、価格等を表示するための領域Gkaが設けられている。購入支援部1548は、ローカル取引管理テーブルに登録された各商品の商品情報に基づき、登録された各商品の商品画像、商品名、および価格等を領域Gkaに表示させる。
【0227】
図23では、図19又は図22で説明した商品AAAと、図20又は図22で説明した説明したリコメンド商品の商品BBBとが登録された状態を示している。顧客は、この仮想カート画面Gkを見ることで、接客ロボット10を用いて登録した商品の一覧を確認することができる。
【0228】
なお、仮想カート画面に表示する商品は、未決済の商品に限らず、決済が完了した商品も表示させてもよい。この場合、購入支援部1548は、購入済フラグの有無に基づいて、決済済か否かを識別可能に表示させることが好ましい。例えば、購入支援部1548は、決済済の商品の商品画像に決済済を示すマークを付して表示させてもよい。
【0229】
領域Gkaの下方には、登録された商品の合計金額等を表示するための領域Gkbが設けられている。購入支援部1548は、ローカル取引管理テーブルに登録された各商品の価格に基づき算出した合計金額を領域Gkbに表示させる。なお、決済済の商品が含まれる場合には、未決済の商品の合計金額と、決済済の商品の合計金額とを分けて表示することが好ましい。
【0230】
また、上述した何れかの画面において操作子Gfhが操作されると、購入支援部1548は、登録された商品のうち、未決済の商品の合計金額に基づいて決済処理を行う。ここで、購入支援部1548は、クレジット決済やコード決済等、決済方法を選択するための画面(後述する、図25の決済方法選択画面)を正面表示部132に表示させてもよい。これにより、購入支援部1548は、登録された商品のうち、未決済の商品を一度に決済することができる。
【0231】
また、本実施形態の接客ロボット10では、仮想カート画面Gkの領域Gkaに表示された未決済の商品を選択することで、当該商品の決済を個別に行うことも可能である。例えば、図23に示した仮想カート画面Gkにおいて、商品BBBの選択操作を受け付けると、購入支援部1548は、例えば図24に示す画面(以下、選択商品画面ともいう)を正面表示部132に表示させる。
【0232】
図24は、選択商品画面の一例を示す図である。図24に示すように、選択商品画面Glには、仮想カート画面Gkで選択された商品(商品BBB)の商品画像、商品名、価格等が表示される。また、選択商品画面Glには、操作子Gla、Glb、Glcが表示される。
【0233】
ここで、操作子Glaは、上述した操作子Ggcと同様、商品のリコメンドを依頼するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Glaの操作を受け付けると、選択された商品を基準商品とし、上述したリコメンド画面Gh又はリコメンド画面Gjを表示させる。また、操作子Glbは、上述した操作子Gffと同様、店員に問い合わせを行うための操作子である。購入支援部1548は、操作子Gffの操作を受け付けると、自己の接客ロボット10の現在位置や、選択された商品の商品コード等を含んだ問合せ情報を店舗装置20に通知することで、店員の対応を依頼する。
【0234】
操作子Glcは、選択された商品の決済を指示するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Glcの操作を受け付けると、選択された商品の価格に基づき決済処理を行う。また、購入支援部1548は、決済処理に先駆けて、決済方法を選択するための画面(以下、決済方法選択画面)を正面表示部132に表示させてもよい。なお、決済済の商品が選択された場合、購入支援部1548は、操作子Glcを無効化又は非表示とすることで、決済処理が重複して行われてしまうことを防止することが好ましい。
【0235】
図25は、決済方法選択画面の一例を示す図である。図25に示すように、決済方法選択画面Gmには、各種の決済方法を選択可能な操作子Gma、Gmb、Gmc、Gmdが表示される。また、決済方法選択画面Gmには、決済対象の商品の合計金額が表示される。
【0236】
ここで、操作子Gmaは、クレジット決済を指示するための操作子である。操作子Gmbは、現金決済を指示するための操作子である。操作子Gmcは、電子マネー決済を指示するための操作子である。操作子Gmdは、コード決済を指示するための操作子である。購入支援部1548は、操作子Gma、Gmb、Gmc、Gmdの何れか一が選択されると、その選択された操作子に対応する決済方法を用いて、決済対象の商品の合計金額を決済する決済処理を実行する。
【0237】
また、接客ロボット10が、現金自動精算機を備えない構成の場合には、現金決済を指示する操作子Gmbを非表示としてもよい。また、上述したように、店舗装置20等の外部装置で現金決済を行う構成の場合には、操作子Gmbを表示してもよい。また、この場合、外部装置が有する釣銭の在高や外部装置の使用状況に応じて、操作子Gmbの表示と非表示とを切り替える構成としてもよい。
【0238】
購入支援部1548は、商品の決済処理が完了すると、ローカル取引管理テーブルに記憶された当該商品の商品コードに関連付けて購入済フラグを付与する。また、購入支援部1548は、決済処理が完了した商品に係るローカル取引管理テーブルのレコードを、自己の接客ロボット10のロボットIDおよび当該取引の取引IDとともにサーバ装置30に送信することで、取引管理テーブル3165に記憶された該当する商品の取引情報に購入済フラグを付与する。
【0239】
また、購入支援部1548は、店舗装置20に対しても、決済が完了した商品に関する情報(例えば商品コード)を通知してもよい。この場合、店舗装置20の制御部214は、決済が完了した商品の在庫数を減少させる等の制御を行う。またこの場合、ロボット連携部2142は、商品の在庫数が閾値以下となった場合、当該商品の商品コードを、店舗装置20に連携された接客ロボット10の各々に通知してもよい。さらに、接客ロボット10の購入支援部1548では、店舗装置20から在庫数が閾値以下となった商品に関する情報を受信すると、該当する商品の商品情報や在庫数を正面表示部132に表示させたり、背面表示部115に表示させたりしてもよい。これにより、接客ロボット10は、自己の接客ロボット10を操作する顧客および店舗内に存在する他の顧客に対し、在庫数の少ない商品を報知することができる。
【0240】
なお、本実施形態では、店舗内で登録された商品は、当該店舗内で決済が完了するまで、店舗外に持ち出すことができないよう接客ロボット10の動作が制限されているものとする。具体的には、購入支援部1548は、店舗で登録された商品の決済が当該店舗で行われるまでの間、接客ロボット10の動作を制限する。
【0241】
例えば、購入支援部1548は、登録された商品の全てで決済が完了するまでの間、動作制御部1544と協働し、接客ロボット10が移動可能な範囲を店舗内に制限することで、接客ロボット10が店舗外に出ないよう動作を制限する。また、例えば、購入支援部1548は、操作子Gfcを無効化することで、接客ロボット10が店舗外に出ないよう動作を制限する。また、店舗の出口に顧客の退場を管理する退場ゲート等が設けられている場合、購入支援部1548は、顧客が出口に移動する退店動作を検知すると、店舗連携部1547や店舗装置20と協働することで、退場ゲートを封鎖する等の制御を行ってもよい。
【0242】
ここで、退店動作の検知方法は特に問わないものとする。例えば、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、顧客に追従する自己の接客ロボット10の位置情報に基づき、顧客が出口に移動したことを退店動作として検知してもよい。また、例えば、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、撮像部143で撮像される画像等から顧客が出口に移動したことを退店動作として検知してもよい。
【0243】
これにより、接客ロボット10は、店舗内で登録された商品が不用意に店舗外に持ち出されてしまうような事態を防ぐことができる。したがって、接客ロボット10は、行先店舗の各々において、商品の登録から決済までの商品の購入に係る一連の操作を、顧客に行わせることができる。
【0244】
また、例えば、購入支援部1548は、店舗で登録された商品の決済が行われないまま接客ロボット10が店舗外に移動したことを検知した場合も、動作制御部1544と協働することで、店舗外での移動可能な範囲を制限することが好ましい。例えば、購入支援部1548は、未決済のまま接客ロボット10が店舗外に移動したことを検知すると、接客ロボット10の走行を直ちに停止させてもよい。また、例えば、購入支援部1548は、接客ロボット10が店舗から所定の距離離れたことを検知すると、当該接客ロボット10の走行を停止させてもよい。この場合、接客ロボット10が店舗外で移動することが可能な範囲は、任意に設定できるものとするが、例えば店舗装置20と近距離無線通信が可能な範囲とすることが好ましい。
【0245】
これにより、接客ロボット10は、未決済の商品が存在する場合には、店舗外での移動範囲を制限することができるため、行先店舗の各々において、商品の登録から決済までの商品の購入に係る一連の操作を、顧客に行わせることができる。
【0246】
また、購入支援部1548は、登録された商品の中に、未決済の商品が存在する場合、店員や顧客自身に注意を促すため報知を行ってもよい。例えば、購入支援部1548は、発光部141の発光色を変えたり、発光部141を点滅させたりすることで、未決済の商品が存在することを報知してもよい。なお、未決済の商品の存在以外にも、バッテリー低下等の報知すべき状態が発生している場合には、各状態を報知する発光色で交互に発光させたりしてもよいし、発光する領域を分ける等することで個別に発光させてもよい。
【0247】
また、購入支援部1548は、例えば図26に示すように、背面表示部115に商品の登録および決済の状態を表示させることで、店員への注意を促してもよい。
【0248】
図26は、接客ロボット10の背面表示部115に表示される画面の一例を示す図である。図26に示すように、購入支援部1548は、ローカル取引管理テーブルの登録状況に基づき、登録された商品のうち未決済の商品の点数と、決済が完了した商品の点数とを表した画面Gnを背面表示部115に表示させる。ここで、領域Gnaは、未決済の商品の点数が表示される領域であり、2点の商品が未決済であることを示している。また、領域Gnbは、決済済の商品の点数が表示される領域であり、1点の商品が決済済であることを示している。なお、領域Gncは、フリーの表示スペースであり、例えば、店舗の広告や、来店してからの経過時間等、各種の情報が表示される。
【0249】
このように、商品の登録状況や決済状況を背面表示部115に表示させることで、店舗の店員又は商業施設の従業員は、未決済の商品が存在するか否か等、取引の状態を容易に把握することができる。
【0250】
また、購入支援部1548は、店舗で登録された商品の決済が行われないまま接客ロボット10が店舗外に移動したこと、或いは顧客の退店動作を検知した場合、顧客に決済を促す報知を行ってもよい。例えば、購入支援部1548は、未決済の商品が存在することを報知するメッセージを正面表示部132に表示させてよい。また、購入支援部1548は、未決済の商品が存在することを報知するメッセージを音声出力部145から音声で出力させてもよい。
【0251】
また、購入支援部1548は、店舗で登録された商品の決済が行われないまま接客ロボット10が店舗外に移動したこと、或いは顧客の退店動作を検知した場合、店舗の店員に報知を行う構成としてもよい。この場合、例えば、購入支援部1548は、商品の決済を済ませていない顧客が店舗から出ようとしていることを報知するメッセージを背面表示部115に表示させてよい。また、例えば、購入支援部1548は、商品の決済を済ませていない顧客が店舗から出ようとしていること報知するメッセージを店舗装置20に送信することで、店員端末への転送を指示してもよい。
【0252】
これにより、接客ロボット10は、未決済の商品がある状態で店舗から出ることが指示されたような場合、顧客自身や店舗の店員に未決済の商品があることを報知することができるため、決済を促すことができる。
【0253】
なお、動作制御部1544は、行動プランに規定された店舗に到着すると、当該店舗の店舗IDに関連付けて保持された行動プランの来店フラグを来店済に設定する。また、動作制御部1544は、店舗に到着したタイミングで経過時間の計時を開始する。そして、動作制御部1544は、計時する経過時間が、行動プランに規定された当該店舗の滞在時間に近づく又は達すると、次の店舗に移動する時間であることを表示又は音声を介して顧客に報知する。
【0254】
例えば、図16に示した行動プラン画面Gdの行動プランにおいて、店舗Aに到着してからの経過時間が、当該行動プランに規定された滞在時間に達すると、動作制御部1544は、次の店舗Bへの移動を促す報知を行う。報知を受けた顧客は、例えば、基本操作画面Gf等の操作子Gfcを操作することで、次の行先店舗への移動を接客ロボット10に指示することができる。
【0255】
ここで、操作子Gfcは、行動プランに規定された次の行先店舗への移動を指示するための操作子である。動作制御部1544は、操作子Gfcの操作を受け付けると、接客ロボット10を先導モードに移行させ、滞在中の店舗の次に規定された行先店舗への移動を開始する。
【0256】
なお、操作子Gfcを操作可能なタイミングは、移動を促す報知が行われた際に限らず、店舗に到着してからの経過時間が行動プランに規定された滞在時間に満たない場合であっても操作することが可能であるとする。また、滞在時間に基づく報知は、例えば、パーソナライズ処理の設定により有効/無効を切り替ることが可能であるとする。また、行動プランに規定された最後の行先となる店舗(例えば店舗D)においては、滞在時間に達した場合でも報知を行わない構成としてもよい。
【0257】
また、次の行先店舗への移動を指示する方法は、操作子Gfcの操作に限らないものとする。例えば、動作制御部1544は、顧客の退店動作を検知すると、接客ロボット10を先導モードに移行させ、次の行先店舗への移動を開始してもよい。また、音声による操作やペアリング端末からの操作により、次の行先店舗への移動が指示されてもよい。
【0258】
このように、接客ロボット10は、動作制御部1544の制御の下、先導モードと追従モードとを切り替えながら、行動プランで規定された順に各店舗を移動することになる。
【0259】
ところで、行動プランで規定される店舗の中には、接客ロボット10の移動可能な範囲を超えた位置に存在する店舗が含まれる場合がある。例えば、図16に示す行動プランでは、1階に存在する店舗Aに移動した後、2階に存在する店舗Bに移動することになるため、接客ロボット10は階を移動する必要がある。このような場合、接客ロボット10が、エレベータ又はエスカレータに乗ることができない仕様であったとすると、1階を走行する接客ロボット10では、2階の店舗Bまで移動することができない。
【0260】
上記のように、行動プランに規定された店舗の中に、一台の接客ロボット10では到達することができない店舗が含まれる場合、動作制御部1544は、当該店舗に到達可能な他の接客ロボット10に設定を引き継ぐことで、顧客の行動支援を継続する。
【0261】
具体的には、動作制御部1544は、行動プランに基づき最初の店舗又は次の店舗への移動に際し、自己の接客ロボット10が位置する階と、移動先の店舗が存在する階とが同一か否かを判定する。階が同一の場合、動作制御部1544は、上述した先導モードで移動先の店舗まで顧客を案内する。
【0262】
また、階が異なる場合、動作制御部1544は、ロボット管理テーブル3163を参照し、移動先の店舗と同じ階に存在し、且つステータスが待機モードにある他の接客ロボット10を検索する。次いで、動作制御部1544は、検索した他の接客ロボット10に、自己の接客ロボット10に保持されたチェックインユーザのユーザID,ユーザ特徴、ユーザ設定、行動プラン、ローカル取引管理テーブル等の各種データを引き継ぐとともに、引継ぎポイントとなる位置まで他の接客ロボット10を移動させる。
【0263】
ここで、データの引継ぎ方法は特に問わないものとする。例えば、動作制御部1544は、他の接客ロボット10宛にデータを直接送信してもよい。また、例えば、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10のロボットIDや、チェックインユーザのユーザID等を他の接客ロボット10に通知することで、サーバ装置30の各種データテーブルから引継ぎに必要なデータを他の接客ロボット10に読み取らせてもよい。
【0264】
また、引継ぎポイントは、例えば、エレベータの昇降口周辺やエスカレータの昇降口周辺等であり、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10の位置から最も近い引継ぎポイントを他の接客ロボット10に指示する。そして、動作制御部1544は、移動先の店舗が存在する階への移動手段となるエレベータ又はエスカレータの周辺等の引継ぎポイントまで先導モードで移動し、移動先の階で他の接客ロボット10が接客を引き継ぐことを報知する画面を正面表示部132に表示させる。
【0265】
なお、載置台112に商品等の物品が載置されている場合には、動作制御部1544は、顧客に移動することを促す画面を表示させてもよいし、受け取りカウンター等に移動することを指示するための画面を表示させてもよい。後者の場合、動作制御部1544は、移動の指示を受け付けると、載置台112に載置された物品を受け取りカウンターへと移動する。
【0266】
一方、他の接客ロボット10側の動作制御部1544では、接客ロボット10から引継ぎポイントの指示を受け付けると、待機モードを維持したまま、指示された引継ぎポイントまで移動する。また、他の接客ロボット10側の動作制御部1544では、引継ぎが指示されたデータを自己の接客ロボット10に反映することで、例えばユーザ設定で指示された発光色で発光部141を発光させる。
【0267】
他の接客ロボット10側の動作制御部1544では、階を移動した顧客によるチェックイン操作を受け付けると、自己の接客ロボット10を、引継がれたデータを反映した状態で接客モード(先導モード)へと移行させる。また、動作制御部1544は、接客モードに移行すると、引継ぎ元の接客ロボット10に引継ぎが完了したことを通知する。引継ぎ元の接客ロボット10では、引継ぎ完了の通知に伴い、自己の接客ロボット10に保持されたユーザID、ユーザ設定、行動プラン、ローカル取引管理テーブル等の各種データをクリアし、待機モードへと移行させる。なお、載置部の物品を受け取りカウンター等に移動する場合には、動作制御部1544は、移動先まで移動した後、係員等の操作に応じて待機モードに移行させることが好ましい。
【0268】
これにより、接客ロボット10では、自己の接客ロボット10では到達不可能な店舗が行動プランに含まれる場合であっても、他の接客ロボット10と連携することで、行動プランに基づいた顧客の行動支援を継続することができる。
【0269】
なお、接客ロボット10間のデータの引継ぎは階を跨ぐ場合に限らないものとする。例えば、接客ロボット10の移動可能なフロアが制限されている場合には、各フロアを担当する接客ロボット10間でデータの引継ぎを行う構成としてもよい。また、商業施設と駐車場とで担当する接客ロボット10が異なる場合には、商業施設と駐車場とを行き来する際に接客ロボット10間でデータの引継ぎを行う構成としてもよい。
【0270】
さらには、接客ロボット10のバッテリー残量が残り少ない等、自己の接客ロボット10の物理的な事情により移動先の店舗に到達不可能な場合に、代わりの接客ロボット10との間でデータの引継ぎを行う構成としてもよい。この場合、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10のバッテリー残量が閾値を下回ると、自己の接客ロボット10と同じ階に存在し、且つステータスが待機モードにある、バッテリー残量閾値以上の他の接客ロボット10を、データの引き継ぎ先に選定する。また、動作制御部1544は、現在位置又は自己の接客ロボット10が移動可能な範囲内で設定した引継ぎポイントを他の接客ロボット10に指示する。これにより、顧客を接客中の接客ロボット10がバッテリー切れを起こしたような場合であっても、他の接客ロボット10との連携により、行動プランに基づいた顧客の行動支援を継続することができる。
【0271】
また、動作制御部1544は、行動プランに規定された全ての店舗への移動を完了すると、例えば顧客から指示されるチェックアウト操作に応じて、行動プランに基づいた顧客の行動支援を終了する。行動支援を終了すると、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10に保持されたユーザID、ユーザ設定、行動プラン、ローカル取引管理テーブル等の各種データをクリアし、待機モードに移行させる。なお、チェックアウト操作は、行動プランに規定された全ての店舗への移動完了時に限らず、任意のタイミングで行われてもよい。
【0272】
待機モードに移行した接客ロボット10は、例えば、動作制御部1544の制御により、商業施設内の所定位置に移動する。所定位置は、接客ロボット10が集積されている商業施設の入り口でもよいし、使用後の接客ロボット10のバッテリーを充電するための充電エリアであってもよい。
【0273】
また、接客ロボット10を所定位置に戻す操作を、店員が遠隔操作で行ってもよい。この場合、接客ロボット10を所定位置に戻す遠隔操作は、個々の接客ロボット10に対して別々に行ってもよいし、複数の接客ロボット10をまとめて所定位置に戻すような操作であってもよい。
【0274】
また、待機モードの接客ロボット10は、店舗装置20やサーバ装置30からの指示により、指定された位置に移動するように構成してもよい。この場合、店舗装置20やサーバ装置30からの指示は、個々の接客ロボット10に対して行われてもよいし、複数の接客ロボット10に対し一度に行われてもよい。
【0275】
ところで、各店舗で購入された商品は、接客ロボット10が備える載置台112に載置することで、接客ロボット10に搬送させることが可能である。一方で、商品の形態や顧客の意向によっては、購入した商品をその場で受け取らず、他の機会又は場所で受け取るようなことも想定される。例えば、店舗がショールーム店舗である場合、店舗内の商品は展示品となるため、商品の現物をその場で受け取ることはできない。また、例えば、接客ロボット10の載置台112に持参した荷物や他の商品が載置されているような場合、新たに購入した商品を載置台112に置くことができない場合がある。
【0276】
そこで、購入支援部1548は、決済処理が完了した商品について、当該商品の受け取り方法を選択可能な画面を正面表示部132に表示させてもよい。例えば、購入支援部1548は、図27示すように、受け取り方法を選択可能な画面(以下、受取方法選択画面ともいう)を正面表示部132に表示させる。
【0277】
図27は、接客ロボット10の正面表示部132に表示される画面の一例を示す図であり、受取方法選択画面の一例を示している。図27に示すように、受取方法選択画面Goには、受け取り方法の選択に係る操作子として、操作子Goa~Godが設けられている。
【0278】
操作子Goaは、郵送等で発送することを指示するための操作子である。操作子Gobは、商業施設内に設けられた受け取りカウンターで受け取ることを指示するための操作子である。操作子Gocは、商業施設内に設けられたロッカーを介して受け取ることを指示するための操作子である。操作子Godは、商業施設の出口まで搬送することを指示するための操作子である。
【0279】
購入支援部1548は、操作子Goaの操作を受け付けると、例えば、発送先の住所等の宛先を入力するための画面を正面表示部132に表示し、宛先の入力を顧客に促す。宛先が入力されると、購入支援部1548は、発送対象の商品を特定可能な情報と宛先とを関連付けた発送情報を生成し、店舗装置20やサーバ装置30に送信する。店舗装置20やサーバ装置30では、接客ロボット10から発送情報を受け付けると、商品の発送を行う担当又は業者の端末に、発送情報を通知することで発送手配を行う。これにより、顧客は購入した商品を指定した宛先を受け取ることができる。
【0280】
なお、顧客のユーザIDに関連付けて住所が顧客管理テーブルに登録されている場合には、購入支援部1548は、登録された住所を宛先として使用してもよい。
【0281】
また、購入支援部1548は、操作子Gobの操作を受け付けると、対象商品を特定可能な情報と、顧客を特定可能な情報と、受け取りカウンターへの移送とを指定した受取先情報(第1受取先情報)を、店舗装置20やサーバ装置30に送信する。店舗装置20やサーバ装置30では、接客ロボット10から第1受取先情報を受け付けると、受け取りカウンターに商品を運ぶ店員又は担当の端末に第1受取先情報を通知することで受け取りカウンターへの移送手配を行う。これにより、顧客は購入した商品を、商業施設内に設けられた受け取りカウンターで受け取ることができる。
【0282】
なお、受け取りカウンターが複数個所に存在する場合、購入支援部1548は、例えば現在位置から最も近い受け取りカウンターを指定して第1受取先情報を送信してもよい。また、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、受け取りカウンターまで顧客を先導してもよい。
【0283】
また、購入支援部1548は、操作子Gocの操作を受け付けると、対象商品を特定可能な情報と、顧客を特定可能な情報と、ロッカーへの移送とを指定した受取先情報(第2受取先情報)を、店舗装置20やサーバ装置30に送信する。店舗装置20やサーバ装置30では、接客ロボット10から第2受取先情報を受け付けると、ロッカーに商品を収容する店員又は担当の端末に第2受取先情報を通知することでロッカーへの収容手配を行う。また、購入支援部1548は、収容先のロッカーを特定する情報を、店舗装置20やサーバ装置30を介して取得すると、正面表示部132に表示させたりすることで顧客への報知を行う。これにより、顧客は購入した商品を、収容先のロッカーで受け取ることができる。
【0284】
なお、ロッカーが複数個所に存在する場合、購入支援部1548は、例えば現在位置から最も近いロッカーを指定して第2受取先情報を送信してもよい。また、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、収容先のロッカーの位置まで顧客を先導してもよい。また、顧客が所持する顧客端末50の電話番号やアドレスを第2受取先情報に含め送信することで、顧客端末50宛に収容先のロッカーが通知される構成としてもよい。
【0285】
また、購入支援部1548は、操作子Godの操作を受け付けると、対象商品を特定可能な情報と、顧客を特定可能な情報と、出口への移送とを指定した受取先情報(第3受取先情報)を、店舗装置20やサーバ装置30に送信する。店舗装置20やサーバ装置30では、接客ロボット10から第3受取先情報を受け付けると、商品を出口まで運ぶ店員又は担当の端末に第3取情報を通知することで出口への移送手配を行う。これにより、顧客は購入した商品を、商業施設の出口にて受け取ることができる。
【0286】
なお、出口が複数個所に存在する場合、購入支援部1548は、例えば現在位置から最も近い出口を指定して第3受取先情報を送信してもよい。また、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、受け取り先の出口まで顧客を先導してもよい。
【0287】
このように、本実施形態の接客ロボット10では、決済が完了した商品について、顧客が所望する方法で商品を受け渡すことができる。
【0288】
なお、上記した受け取り方法の選択の際に、紙レシートの同送を依頼できる構成してもよい。この場合、商品の移送を行う店員等の担当者は、当該商品の取引に係る紙レシートを同送する。これにより、顧客は購入した商品を、当該商品の取引に係るレシートともに受け取ることができる。
【0289】
また、上記例では、商業施設内での商品の受け渡し場所を、受け取りカウンター、ロッカー、および出口としたが、これに限らず、ユーザが任意の場所を指定可能な構成としてもよい。例えば、顧客の現在位置や、顧客が駐車した車両の駐車位置を指定可能な構成としてもよい。
【0290】
例えば、駐車位置を指定するような場合、購入支援部1548は、顧客が駐車した車両の車両登録番号を入力するための画面を正面表示部132に表示させる。購入支援部1548は、サーバ装置30等を介して車両システムが管理する車両登録番号と、駐車位置との関係から、入力された車両登録番号に対応する駐車位置を特定する。そして、購入支援部1548は、特定した駐車位置を指定した第3受取先情報を送信することで、駐車位置への移送を依頼する。これにより、顧客は購入した商品を、車両の駐車位置にて受け取ることができる。なお、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、駐車位置まで顧客を先導してもよい。また、顧客のユーザIDに関連付けて車両登録番号が登録されている場合には、当該車両登録番号を用いて駐車位置を特定してもよい。
【0291】
また、上記例では、受け取り場所までの商品の移送は店員等の人員が行うことを想定したが、これに限らず、接客ロボット10が商品を移送する形態としてもよい。
【0292】
例えば、商品を載置台112に積載した接客ロボット10において、チェックアウト操作が行われると、動作制御部1544は、先に指定された商業施設内での受け渡し場所まで移動することで、商品の移送を担う構成としてもよい。
【0293】
また、例えば、商業施設内での受け取り場所の指定を受けた店舗装置20又はサーバ装置30は、待機中の状態の接客ロボット10を移送元の店舗等に呼び出し後、指定された受け取り場所への移動を指示することで、接客ロボット10を移送手段として使用する構成としてもよい。
【0294】
また、接客ロボット10は、商業施設の営業終了後等の営業時間外において、上述した動作モードとは異なる閉店後モードで動作する。具体的には、動作制御部1544は、現在の日時が商業施設の営業時間外に達すると、接客ロボット10を閉店後モードに移行させる。
【0295】
閉店後モードの接客ロボット10は、上述した待機モードおよび接客モードとは異なる動作を行う。例えば、動作制御部1544は、商業施設内を所定のルートで走行させるとともに、撮像部143を用いて周辺環境の撮像を行うことで、商業施設や店舗の見回り業務を行う。
【0296】
また、例えば、接客ロボット10は、予め設定された店舗において、店舗内の棚卸業務を支援する形態としてもよい。この場合、例えば、動作制御部1544は、店舗内を巡回しながらリーダライタ部157を動作させることで、店舗内に存在する商品の無線タグから商品コードや個品コードの読み取りを行う。そして、動作制御部1544は、読み取り結果に基づいて商品の点数を種別毎に集計し、棚卸結果として店舗装置20に送信等を行う。
【0297】
なお、接客ロボット10を閉店後モードにした場合、例えば見回り業務の終了後に、自動的または店員等の操作によって、すべての接客ロボット10をまとめて所定位置に移動させるようにしてもよい。
【0298】
以下、上述した接客ロボット10が行う処理の一例について説明する。
【0299】
図28は、本実施形態の接客ロボット10が行うメイン処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、接客ロボット10は待機モードの状態にあるものとする(ステップS11)。
【0300】
まず、動作制御部1544は、正面表示部132にチェックイン画面(図13参照)等を表示することで、顧客のチェックイン操作を待機する。動作制御部1544は、顧客のチェックイン操作を受け付けると、チェックイン処理を実行し(ステップS12)、接客ロボット10を接客モードに移行させる(ステップS13)。
【0301】
接客モードでは、パーソナライズ処理部1545が、顧客の操作に応じてパーソナライズ処理を実行する(ステップS14)。また、行動プラン生成部1546は、来店目的確認画面(図14図15参照)等を介し顧客とインタラクションを行うことで、行先となる店舗(行先店舗)を示した行動プランを生成する行動プラン生成処理を実行する(ステップS15)。なお、図28では、行動プラン生成処理の前にパーソナライズ処理を実行する例を示したが、パーソナライズ処理の実行タイミングはこれに限らず、接客モードの間任意のタイミングで実行することが可能であるとする。
【0302】
続いて、動作制御部1544は、ステップS15で生成された行動プランに基づき、行先店舗への移動を開始することを指示する操作を受け付けると、接客ロボット10を先導モードに移行させる(ステップS16)。
【0303】
続いて、動作制御部1544は、行動プランに規定された最初の行先店舗について、自己の接客ロボット10が到達可能か否かを判定する(ステップS17)。例えば、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10の階数と行先店舗の階数とが同一の場合、到達可能と判定し、階数が異なる場合、到達不可と判定する。また、例えば、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10のバッテリー残量で走行可能な距離が、行先店舗までの距離に満たない場合、到達不可と判定する。
【0304】
ステップS17で走行可能と判定した場合(ステップS17;Yes)、動作制御部1544は、接客ロボット10を行先店舗に移動させる(ステップS18)。また、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10が行先店舗に未到着(到達)の場合(ステップS19;No)、ステップS17に処理を戻す。これにより、接客ロボット10では、行先店舗への移動開始後、不測の事態により到達不可となった場合であっても、他の接客ロボット10への引継ぎを行うことができる。
【0305】
続いて、動作制御部1544は、行先店舗に到着すると(ステップS19;Yes)、接客ロボット10を追従モードに移行させる(ステップS20)。次いで、店舗連携部1547が店舗装置20と連携を行う店舗連携処理を実行する(ステップS21)。また、購入支援部1548は、商品の購入を支援する購入支援処理を実行する(ステップS22)。
【0306】
次いで、動作制御部1544は、顧客の操作等により接客ロボット10が店舗から退店すると、行動プランに規定された全ての店舗を巡回したか否かを判定する(ステップS23)。ここで、例えば、動作制御部1544は、チェックアウト操作を受け付けると、全ての店舗を巡回したと判定する。全ての店舗を巡回したと判定した場合(ステップS23;Yes)、動作制御部1544は、ステップS27に処理を移行する。
【0307】
一方、巡回していない店舗が存在すると判定した場合には(ステップS23;No)、動作制御部1544は、ステップS16に戻ることで接客ロボット10を先導モードに移行させる。次いで、動作制御部1544は、ステップS17において、次の行先店舗に到達可能か否かを判定し、到達不可と判定した場合には(ステップS17;No)、ステップS24に移行する。
【0308】
ステップS24では、動作制御部1544は、ロボット管理テーブル3163から行先店舗に到達可能な他の接客ロボット10を検索する。次いで、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10が保持するユーザIDやユーザ特徴、ユーザ設定、行動プラン、ローカル取引管理テーブル等の各種データを他の接客ロボット10に引き継ぐとともに、引継ぎポイントとなる位置まで他の接客ロボット10を移動させる(ステップS24)。
【0309】
続いて、動作制御部1544は、引継ぎポイントまで先導モードで移動し(ステップS25)する。ここで、動作制御部1544は、引継ぎポイントで、他の接客ロボット10が接客を引き継ぐことを報知する画面を正面表示部132等に表示させる。次いで、動作制御部1544は、他の接客ロボット10から引継ぎ完了が通知されるまで待機し(ステップS26;No)、引継ぎ完了が通知されると(ステップS26;Yes)、ステップS27に移行する。なお、他の接客ロボット10の動作制御部1544は、引き継いだデータに基づき、ステップS16移行の処理を行うことで、行動プランに基づいた顧客の行動支援を継続する。
【0310】
続くステップS27において、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10が保持する各種データをクリアし、待機モードに移行させる(ステップS27)。そして、動作制御部1544は、商業施設内の所定位置に移動し(ステップS28)、本処理を終了する。
【0311】
次に、上述のメイン処理で行われる各種処理について説明する。
【0312】
まずは、図28のステップS12で行われるチェックイン処理について説明する。図29は、接客ロボット10が行うチェックイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0313】
動作制御部1544は、正面表示部132にチェックイン画面を表示させる(ステップS121)。次いで、動作制御部1544は、チェックイン操作が行われるまで待機する(ステップS122;No→ステップS123;No)。ここで、動作制御部1544は、ユーザIDの入力を受け付けると(ステップS122;Yes)、ユーザ管理テーブル3164に登録されたユーザIDと照合することで(ステップS124)、正規の会員か否かを判定する(ステップS125)。
【0314】
ステップS125において、入力されたユーザIDがユーザ管理テーブル3164に登録されていない場合(ステップS125;No)、動作制御部1544は、非会員によるチェックイン操作を受け付けたと判定し(ステップS126)、図28のステップS13に移行する。また、ステップS123において、チェックイン画面に対するタッチ操作を受け付けた場合も(ステップS123;Yes)、動作制御部1544は、非会員によるチェックイン操作を受け付けたと判定し(ステップS126)、図28のステップS13に移行する。
【0315】
なお、非会員によるチェックイン操作を受け付けた場合には、動作制御部1544は、その旨を示すメッセージを正面表示部132に表示させたり、会員登録を促すメッセージを正面表示部132に表示させたりしてもよい。
【0316】
一方、ステップS125において、入力されたユーザIDがユーザ管理テーブル3164に登録されている場合(ステップS125;Yes)、動作制御部1544は、会員によるチェックイン操作を受け付けたと判定し(ステップS127)、図28のステップS13に移行する。
【0317】
なお、会員によるチェックイン操作を受け付けた場合、動作制御部1544は、自己の接客ロボット10のロボットIDに関連付けて、入力されたユーザIDや顧客のユーザ特徴をロボット管理テーブル3163に記憶する。また、動作制御部1544は、会員又は非会員のチェックイン操作を受け付けた後、顧客端末50等のペアリング端末との間でペアリングを行ってもよい。
【0318】
次に、図30を参照して、図28のステップS14で行われるパーソナライズ処理について説明する。図30は、接客ロボット10が行うパーソナライズ処理の一例を示すフローチャートである。
【0319】
まず、パーソナライズ処理部1545は、接客ロボット10にチェックインした顧客(チェックインユーザ)が会員か否かを判定する(ステップS141)。ここで、チェックインユーザが、正規のユーザIDを入力した会員であると判定した場合(ステップS141;Yes)、パーソナライズ処理部1545は、ユーザ管理テーブル3164を参照し、ユーザIDに関連付けられた既存のユーザ設定が存在するか否かを判定する(ステップS142)。
【0320】
既存のユーザ設定が存在しない場合、パーソナライズ処理部1545は、ステップS144に移行する。また、既存のユーザ設定が存在する場合、パーソナライズ処理部1545は、既存のユーザ設定の使用の可否をチェックインインユーザに確認し、チェックインインユーザからの指示を待機する(ステップS143)。例えば、パーソナライズ処理部1545は、既存のユーザ設定を使用するか否かを確認するための画面を正面表示部132に表示させることで、使用の可否をチェックインインユーザに確認する。
【0321】
ここで、既存のユーザ設定を使用する場合には(ステップS143;Yes)、ユーザ設定に規定された変更内容を反映するため、ステップS147に移行する。また、既存のユーザ設定を使用しない場合には、ステップS144に移行する。
【0322】
ステップS144では、パーソナライズ処理部1545は、チェックインユーザから接客ロボット10の設定を変更するカスタマイズ操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS144)。例えば、パーソナライズ処理部1545は、発光部141の発光色を変更可能な画面や、接客ロボット10の動作に係る各種設定を変更可能な画面を正面表示部132に表示させ、顧客のカスタマイズ操作を受け付ける。ここで、カスタマイズ操作が行われない場合には(ステップS144;No)、パーソナライズ処理部1545は、本処理を終了し、図28のステップS15に移行する。
【0323】
また、ステップS144において、カスタマイズ操作を受け付けた場合には(ステップS144;Yes)、パーソナライズ処理部1545は、変更後の設定内容をユーザ設定とし、チェックインユーザのユーザIDに関連付けて、ユーザ管理テーブル3164に記憶する(ステップS145)。次いで、パーソナライズ処理部1545は、変更後の設定内容を反映するため、ステップS147に移行する。
【0324】
一方、ステップS141において、チェックインユーザが非会員であると判定した場合(ステップS141;No)、パーソナライズ処理部1545は、チェックインユーザから接客ロボット10の設定を変更するカスタマイズ操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS146)。ここで、パーソナライズ処理部1545は、ステップS144と同様の画面を表示してカスタマイズ操作を受け付けてもよいし、会員用とは異なる非会員用の画面を表示してカスタマイズ操作を受け付けてもよい。例えば、非会員用の画面では、会員用の画面と比較し、変更可能な設定の項目数を制限する等してもよい。
【0325】
ステップS146において、カスタマイズ操作が行われない場合には(ステップS146;No)、パーソナライズ処理部1545は、本処理を終了し、図28のステップS15に移行する。また、カスタマイズ操作を受け付けた場合には(ステップS146;Yes)、パーソナライズ処理部1545は、変更後の設定内容を反映するため、ステップS147に移行する。
【0326】
ステップS147において、パーソナライズ処理部1545は、変更後の設定内容に基づき、接客ロボット10の動作を制御することで変更後の設定内容を反映し、図28のステップS15に移行する。
【0327】
なお、パーソナライズ処理部1545は、変更後の設定内容をユーザ設定として記憶部161等に記憶するものとするが、自己の接客ロボット10のロボットIDに関連付けて、ロボット管理テーブル3163に記憶してもよい。また、顧客端末50とのペアリングが確立されている場合、パーソナライズ処理部1545は、顧客端末50にユーザ設定を提供してもよい。
【0328】
次に、図31を参照して、図28のステップS15で行われる行動プラン生成処理について説明する。図31は、接客ロボット10が行う行動プラン生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0329】
まず、行動プラン生成部1546は、正面表示部132に来店目的画面を表示させる(ステップS151)。ここで、来店目的確認画面には、図14図15で説明したように、例えば顧客の来店目的を確認するための選択肢が表示される。なお、最初に表示する来店目的確認画面には、例えば「買いたい」、「遊びたい」、「食べたい」等の大まかな来店目的が選択肢として表示される。
【0330】
続いて、行動プラン生成部1546は、チェックインユーザの操作により、来店目的が選択されたか否かを判定する(ステップS152)。ここで、来店目的が選択されない場合には(ステップS152;No)、ステップS156に移行する。
【0331】
行動プラン生成部1546は、来店目的の選択を受け付けると(ステップS152;Yes)、選択された来店目的に基づき行先店舗を絞り込むことが可能か否かを判定する(ステップS153)。例えば、行動プラン生成部1546は、選択された来店目的により導出される行先店舗の件数が閾値(例えば3)以下となる場合、行先店舗を絞り込むことが可能と判定し、閾値を上回る場合、行先店舗を絞り込むことができないと判定する。
【0332】
行先店舗を絞り込むことができない場合(ステップS153;No)、行動プラン生成部1546は、ステップS152で選択された来店目的に基づいて、来店目的をより詳細に確認するための選択肢に更新し(ステップS154)、ステップS151に処理を戻す。これにより、更新後の選択肢を含む来店目的確認画面が正面表示部132に表示される。また、行動プラン生成部1546は、行先店舗を絞り込むことが可能となるまで、ステップS151~ステップS154の処理を繰り返し実行する。なお、更新後の選択肢は、商品の種別や商品そのものを選択するものや、店舗そのものを選択するものであってもよい。
【0333】
また、行先店舗を絞り込むことが可能である場合には(ステップS153;Yes)、行動プラン生成部1546は、絞り込みによって導出される店舗を行先店舗に決定し(ステップS155)、ステップS156に移行する。このとき、行動プラン生成部1546は、これまでに決定した行先店舗を一覧表示する等してもよい。
【0334】
続いて、行動プラン生成部1546は、これまでに決定した行先店舗について、チェックインユーザから確定を指示する操作(確定操作)を受け付けたか否かを判定する(ステップS156)。ここで、確定操作が行われない場合(ステップS156;No)、行動プラン生成部1546は、ステップS151に戻り、来店目的確認画面を表示する。この場合、行動プラン生成部1546は、最初に表示する来店目的確認画面と同様、大まかな来店目的を選択肢として含んだ来店目的確認画面を表示させてもよい。
【0335】
また、行動プラン生成部1546は、確定操作を受け付けると(ステップS156;Yes)、これまでに決定した行先店舗に基づいて、当該行先店舗を巡回する順序等を規定した行動プランを生成する(ステップS157)。そして、行動プラン生成部1546は、生成した行動プランを正面表示部132に表示させ(ステップS158)、図28のステップS16に移行する。
【0336】
なお、行先店舗が未決定のまま確定操作を受け付けた場合、行動プラン生成部1546は、「行先店舗が設定されていません」等のメッセージを正面表示部132に表示して、ステップS151に処理を戻すことが好ましい。また、顧客は、行動プランに規定された行先店舗に対し、例えば来店目的選択画面で選択した商品の種別又は商品について、その陳列位置を報知する等のタスクを設定することが可能であるとする。
【0337】
次に、図32を参照して、図28のステップS21で行われる店舗連携処理について説明する。図32は、接客ロボット10および店舗装置20が行う店舗連携処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理の前提として、店舗装置20の商品マスタ2191には、商品コードに関連付けて、その商品の陳列位置、当該陳列位置に配置された電子棚札を特定可能な情報が記憶されているものとする。
【0338】
接客ロボット10が行先店舗に到達すると、店舗連携部1547は、当該店舗に設けられた店舗装置20にアクセスし、店舗装置20との通信を確立するための処理を実行する。また、店舗装置20のロボット連携部2142は、接客ロボット10からアクセスを受け付けると、アクセス元の接客ロボット10と通信を確立するための処理を実行する。かかる処理により、接客ロボット10と店舗装置20との間で連携が実現される(ステップS211、ステップS31)。
【0339】
店舗連携部1547は、店舗装置20との連携が実現されると、行動プランに規定された当該店舗にタスクが設定されているか否かを判定する(ステップS212)。タスクが設定されていない場合(ステップS212;No)、図28のステップS22に移行する。
【0340】
また、タスクが設定されている場合(ステップS212;Yes)、店舗連携部1547は、タスクの設定内容に応じた処理を実行する。例えば、来店目的選択画面で選択された商品の種別又は商品について、陳列位置の報知がタスクとして設定されている場合には、店舗連携部1547は、商品マスタ2191を参照し、当該店舗で報知の対象となる商品の種別又は商品を決定する(ステップS213)。次いで、店舗連携部1547は、決定した商品の種別や商品(商品コード)を指定した発光指示を店舗装置20に送信し(ステップS214)、図28のステップS22に移行する。
【0341】
一方、店舗装置20のロボット連携部2142は、接客ロボット10からタスクに基づいた指示(この例では発光指示)があるまで待機し、指示がない場合には(ステップS32;No)、処理を終了する。また、ロボット連携部2142は、接客ロボット10から発光指示を受け付けると(ステップS32;Yes)、指示された商品の陳列位置を商品マスタ2191から特定する(ステップS33)。そして、ロボット連携部2142は、特定した陳列位置に配置された電子棚札を発光させ(ステップS34)、処理を終了する。
【0342】
これにより、行先店舗に来店した顧客は、自らが選んだ商品の陳列位置を容易に把握することができる。なお、店舗連携部1547は、報知の対象となる商品の陳列位置を商品マスタ2191から特定し、特定した陳列位置を発光指示として店舗装置20に送信してもよい。
【0343】
次に、図33を参照して、図28のステップS22で行われる購入支援処理について説明する。図33は、接客ロボット10が行う購入支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0344】
接客ロボット10が行先店舗に到達すると、購入支援部1548は、基本操作画面(図18参照)等を正面表示部132に表示させることで、商品コードの入力を顧客に促す。
【0345】
顧客により商品コードが入力されると(ステップS2201;Yes)、購入支援部1548は、商品コードに関連付けられた商品情報を商品マスタ2191から読み出し、当該商品コードに対応する商品を示した商品画面(図19参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS2202)。続いて、購入支援部1548は、入力された商品コードに対応する商品について、顧客から試着を行うことが指示されたか否かを判定する(ステップS2203)。ここで、試着を行うことが指示されない場合(ステップS2203;No)、ステップS2209に移行する。
【0346】
また、ステップS2203で顧客から試着を行うことが指示された場合(ステップS2203;Yes)、購入支援部1548は、商品コードに対応する商品を試着した顧客を表す試着画面(例えば図21参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS2204)。次いで、購入支援部1548は、顧客からリコメンド商品の提示が要求されたか否かを判定する(ステップS2205)。
【0347】
リコメンド商品の提示が要求されない場合(ステップS2205;No)、ステップS2208に移行する。この場合、購入支援部1548は、ステップS2208において、入力された商品コードに対応する商品の登録が、顧客から指示されたか否かを判定する(ステップS2208)。
【0348】
登録が指示されない場合には(ステップS2207;No)、購入支援部1548は、ステップS2201に処理を戻す。また、登録が指示された場合には(ステップS2208;Yes)、購入支援部1548は、入力された商品コードに対応する商品を登録し(ステップS2209)、ステップS2201に処理を戻す。なお、購入支援部1548は、ステップS2207又はステップS2208の実行に伴い、店舗連携部1547等と協働することで、リコメンド商品の陳列位置に配置された電子棚札を発光させるための制御を行ってもよい。
【0349】
また、ステップS2205において、顧客からリコメンド商品の提示が指示された場合(ステップS2205;Yes)、購入支援部1548は、入力された商品コードに対応する商品(基準商品)に基づき、商品マスタ2191に登録された商品からリコメンド商品を選定する(ステップS2206)。次いで、購入支援部1548は、リコメンド商品を表したリコメンド画面(例えば図22参照)を正面表示部132に表示させ(ステップS2207)、ステップS2208に移行する。この場合、購入支援部1548は、ステップS2208において、リコメンド商品の登録が顧客から指示されたか否かを判定する(ステップS2208)。
【0350】
登録が指示されない場合には(ステップS2208;No)、購入支援部1548は、ステップS2201に処理を戻す。また、登録が指示された場合には(ステップS2208;Yes)、購入支援部1548は、リコメンド商品を登録し(ステップS2209)、ステップS2201に処理を戻す。
【0351】
なお、本処理では、商品の登録が指示されない場合(ステップS2208;No)、および商品の登録を行った場合(ステップS2209)、ステップS2201に処理を戻すこととしたが、これに限らず、ステップS2226に移行させてもよい。
【0352】
また、ステップS2201において、商品コードが入力されない場合(ステップS2201;No)、購入支援部1548は、顧客から仮想カートの表示が指示されたか否かを判定する(ステップS2210)。仮想カートの表示が指示されると(ステップS2210;Yes)、購入支援部1548は、これまでに登録した商品(登録済商品)を一覧表示した仮想カート画面(例えば図23参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS2211)。次いで、購入支援部1548は、登録済商品の中から特定の商品を選択する操作を顧客から受け付けたか否かを判定する(ステップS2212)。
【0353】
ここで、例えば仮想カート画面の表示を終了する操作が行われた場合、購入支援部1548は、商品の選択は行われないと判定する(ステップS2212;No)。この場合、購入支援部1548は、基本操作画面や直前の画面に戻した後、ステップS2217に移行する。
【0354】
また、ステップS2212において、商品の選択操作を受け付けると(ステップS2212;Yes)、購入支援部1548は、選択された商品を表す選択商品画面(例えば図24参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS2213)。
【0355】
次いで、購入支援部1548は、顧客からリコメンド商品の提示を要求する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2214)。リコメンド商品の提示が要求されると(ステップS2214;Yes)、購入支援部1548は、ステップS2206に移行することで、ステップS2212で選択された商品(基準商品)に基づいたリコメンド商品の選定を行う。また、リコメンド商品の提示が要求されない場合(ステップS2214;No)、購入支援部1548は、顧客から店員への問合せを要求する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2215)。
【0356】
ここで、店員への問合せが要求された場合(ステップS2215;Yes)、購入支援部1548は、ステップS2225に移行することで、選択された商品に関する問合せを行う。具体的には、購入支援部1548は、ステップS2212で選択された商品を指定する情報や、自己の接客ロボット10の位置等を含んだ問合せ情報を店舗装置20に送信し(ステップS2225)、ステップS2226に移行する。
【0357】
また、ステップS2215で店員への問合せが要求されない場合(ステップS2215;No)、購入支援部1548は、顧客から決済を行うことが指示されたか否かを判定する(ステップS2216)。
【0358】
ここで、決済を行うことが指示された場合(ステップS2216;Yes)、購入支援部1548は、ステップS2218に移行することで、選択された商品の決済に係る処理を実行する。具体的には、購入支援部1548は、決済方法を選択することが可能な決済方法選択画面(例えば図25参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS2218)。次いで、購入支援部1548は、決済方法の選択操作を受け付けると(ステップS2219)、その選択された決済方法で、ステップS2212で選択された商品の決済処理を実行し(ステップS2220)、ステップS2221に移行する。
【0359】
なお、ステップS2216において、顧客から決済を行うことが指示されない場合(ステップS2216;No)、購入支援部1548は、ステップS2226に移行する。
【0360】
一方、ステップS2210において、仮想カートの表示が指示されない場合(ステップS2210;No)、購入支援部1548は、顧客から決済を行うことが指示されたか否かを判定する(ステップS2217)。
【0361】
ここで、決済を行うことが指示された場合(ステップS2217;Yes)、購入支援部1548は、決済方法を選択することが可能な決済方法選択画面(例えば図25参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS2218)。購入支援部1548は、決済方法の選択操作を受け付けると(ステップS2219)、その選択された決済方法で、登録された商品のうち、未決済の全ての商品の決済処理を実行し(ステップS2220)、ステップS21に移行する。
【0362】
続いて、購入支援部1548は、顧客から商品の受け取り方法の選択を指示する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2221)。受け取り方法の選択が指示されない場合(ステップS2221;No)、購入支援部1548は、ステップS2226に移行する。
【0363】
また、受け取り方法の選択が指示されると(ステップS2221;Yes)、購入支援部1548は、商品の受け取り方法を選択可能な受取方法選択画面(例えば図27参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS2222)。ここで、受取方法選択画面から受け取り方法が選択されると、購入支援部1548は、選択された受け取り方法に基づき生成した受取先情報を、店舗装置20又はサーバ装置30に送信することで商品の移送手配を行い(ステップS2223)、ステップS2226に移行する。
【0364】
一方、ステップS2217において、決済を行うことが指示されない場合(ステップS2217;No)、購入支援部1548は、顧客から店員への問合せを行うことが要求されたか否かを判定する(ステップS2224)。店員への問合せが要求されない場合(ステップS2224;No)、購入支援部1548は、ステップS2226に移行する。
【0365】
また、店員への問合せが要求されると(ステップS2224;Yes)、購入支援部1548は、自己の接客ロボット10の位置等を含んだ問合せ情報を店舗装置20に送信し(ステップS2225)、ステップS2226に移行する。
【0366】
なお、問合せ情報を受け付けた店舗装置20では、例えばロボット連携部2142の制御により、店舗の店員が所持する端末に接客ロボット10の位置等を通知することで、顧客の対応を店員に促す。
【0367】
ステップS2226において、購入支援部1548は、顧客から退店が指示されたか否かを判定する(ステップS2226)。例えば、購入支援部1548は、次店舗への移動を指示する操作を、退店を指示する操作として受け付けてもよい。また、例えば、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、顧客が出口に移動したことが検出された場合に、退店が指示されたと判定してもよい。
【0368】
退店が指示されない場合(ステップS2226;No)、購入支援部1548は、ステップS2201に処理を戻す。また、退店が指示された場合(ステップS2226;Yes)、購入支援部1548は、登録された全ての商品について決済処理が完了済みか否かを判定する(ステップS2227)。
【0369】
未決済の商品が存在する場合(ステップS2227;No)、購入支援部1548は、未決済の商品が存在することを報知するアラートメッセージを正面表示部132に表示させ(ステップS2228)、ステップS2201に処理を戻す。なお、ステップS2228では、購入支援部1548は、背面表示部115にアラートメッセージを表示させてもよい。また、購入支援部1548は、発光部141の発光色や音声の出力により報知を行ってもよい。更に、購入支援部1548は、動作制御部1544と協働することで、接客ロボット10が移動可能な範囲を制限したり、走行を停止させたりしてもよい。
【0370】
また、登録された全ての商品が決済済である場合(ステップS2227;Yes)、購入支援部1548は、図28のステップS23に移行させる。
【0371】
なお、本処理では、店舗連携部1547は、商品の登録および決済を行う毎に、その商品の取引に係るローカル取引管理テーブルのレコードを、自己の接客ロボット10のロボットIDに関連付けて、取引管理テーブル3165に記憶するものとするが、この構成に限らないものとする。例えば、店舗連携部1547は、ステップS23に移行するタイミングで、当該店舗で行われた取引に係るローカル取引管理テーブルのレコードを、取引管理テーブル3165に記憶してもよい。
【0372】
また、店舗連携部1547は、ステップS23に移行するタイミングで、店舗装置20との連携を解除するための処理を行ってもよい。
【0373】
以上説明したとおり、上記実施形態の接客ロボット10は、複数の店舗が設けられる商業施設において、顧客を先導又は顧客に追従しながら顧客の行動支援を行う。具体的には、接客ロボット10は、来店目的確認画面を介して顧客とインタラクションを行うことで、顧客の来店目的や嗜好に応じた行先店舗を導出し、行先店舗の巡回順序を規定した行動プランを生成する。また、接客ロボット10は、行動プランに規定された順に、行先店舗の各々まで先導モードで移動する。これにより、接客ロボット10は、商業施設内に存在する店舗のうち、顧客のニーズに適した店舗まで顧客を効率的に案内することができる。
【0374】
また、接客ロボット10は、到着した行先店舗の店舗内において、顧客に追従する追従モードで移動し、商品の購入支援を行う。これにより、接客ロボット10は、店舗内を移動する顧客の移動先において、商品の登録や決済を行うことが可能な環境を顧客に提供することができる。
【0375】
また、接客ロボット10は、到着した行先店舗の店舗内において、顧客からの要請により、リコメンド商品の提示等の顧客支援を行う。また、接客ロボット10は、顧客が選んだ商品や、当該商品を試着した顧客の姿等に基づき、リコメンド商品の選定を行う。これにより、接客ロボット10は、顧客の嗜好や体形に基づいたリコメンド商品を顧客に提示することができるため、商品の購入支援を効率的に行うことができる。
【0376】
また、接客ロボット10は、店舗内で登録された商品の決済が当該店舗で行われるまでの間、接客ロボット10の動作を制限する。これにより、接客ロボット10は、移動先となった店舗の各々において、商品の登録から決済完了までの商品の購入に係る一連の操作を、顧客に行わせることができる。これにより、接客ロボット10は、複数の店舗が入居する商業施設において、顧客が所望する店舗を巡回する過程で、各店舗での商品の購入支援を効率的に行うことができる。
【0377】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0378】
[変形例1]
上述の実施形態では、店舗で商品の登録が行われると、登録された全ての商品の決済が完了するまでの間、接客ロボット10の動作を制限等することで、未決済の商品が店舗外に持ち出されることを防ぐ形態を説明した。但し、この形態に限定されるものではない。
【0379】
例えば、店舗で販売される商品の中には、実際に店舗から受け取って持ち帰ることが可能な店舗商品の他、現物を受け取ることができない商品(以下、仮商品ともいう)が含まれる場合がある。例えば、店舗が上記したショールーム店舗の場合、店舗内の商品は展示品となるため、商品の現物をその場で受け取ることはできない仮商品となる。また、リコメンド商品として店舗に在庫のない商品が提示されるような場合、そのリコメンド商品はその場で受け取ることができない仮商品となる。
【0380】
上述した実施形態の構成では、仮商品であっても店舗内で決済を行うことが可能であるが、店舗内で決済を済ます必要性はなく、任意のタイミングで決済可能とすることが利便性の上で好ましい。そこで、本変形例では、店舗商品と仮商品とで、決済を行うタイミングを異ならせることが可能な接客ロボット10の構成について説明する。
【0381】
具体的には、本変形の構成では、接客ロボット10の購入支援部1548は、登録される商品が店舗商品か仮商品かを識別する。商品が店舗商品か仮商品かを識別する方法は特に問わず、種々の方法を採用することができる。
【0382】
例えば、商品コードに関連付けて、当該商品コードに対応する商品が店舗商品か仮商品かを識別可能なフラグ等の識別情報を商品マスタ2191に登録しておく形態としてもよい。この場合、購入支援部1548は、識別情報を参照することで、登録した商品が店舗商品か仮商品かを識別する形態としてもよい。
【0383】
また、例えば、店舗商品には、商品コードをコードシンボルの形態で付与し、展示品等の仮商品には、商品コードを無線タグの形態で付与しておくことで、商品コードの入力媒体から店舗商品か仮商品かを識別することができる。具体的には、購入支援部1548は、リード/ライト制御部1543がコードシンボルから商品コードを読み取ると、当該商品コードに対応する商品が店舗商品であると識別する。また、購入支援部1548は、リード/ライト制御部1543が無線タグから商品コードを読み取ると、当該商品コードに対応する商品が仮商品であると識別する。なお、商品コードおよび無線タグと、店舗商品および仮商品との関係は、逆であってもよい。
【0384】
また、購入支援部1548は、商品コードに対応する商品を登録する際に、その商品が店舗商品か仮商品かを識別可能なフラグ等の識別情報をあわせて登録する。このように、購入支援部1548は、商品が店舗商品か仮商品かを識別可能な状態で登録する。
【0385】
なお、購入支援部1548は、店舗内で登録された商品については、上述した実施形態と同様の方法で決済処理を行うことが可能であるとする。但し、本変形例では、店舗商品については店舗内での決済を必須とし、仮商品については任意であるとする。また、仮商品については、滞在中の店舗で登録された仮商品に限り決済可能としてもよいし、他の店舗で登録された仮商品を含めて決済可能としてもよい。
【0386】
また、購入支援部1548は、店舗内で登録された店舗商品の全てで決済が完了するまでの間、動作制御部1544と協働することで、接客ロボット10が店舗外に出ないよう動作を制限する。これにより、顧客は、店舗商品の決済を済ませている場合には、登録した仮商品が未決済の状態であっても店舗から退店することができる。これにより、顧客は、例えば店舗で購入した店舗商品を受け取りながら、当該店舗で販売される仮商品を登録した状態で次の店舗に移動することができる。
【0387】
また、本変形例の購入支援部1548は、店舗外においても決済を行うことが可能となっている。具体的には、購入支援部1548は、接客ロボット10が追従モードで移動している場合であっても、顧客からの要求に応じて、未決済の商品、つまり仮商品の決済処理を実行する。
【0388】
次に、図34および図35を参照して、本変形例の購入支援部1548が行う処理例について説明する。まず、図34を参照して、本変形の購入支援部1548が、図28のステップS21で行う購入支援処理について説明する。
【0389】
ここで、図34は、変形例1の接客ロボット10が行う購入支援処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS2201~S2226の処理は、図33と同様であるため説明を省略する。
【0390】
ステップS2226において、購入支援部1548は、退店の指示を受け付けると(ステップS2226;Yes)、登録された商品のうち、全ての店舗商品について決済処理が完了済みか否かを判定する(ステップS2229)。
【0391】
未決済の店舗商品が存在する場合(ステップS2229;No)、購入支援部1548は、未決済の店舗商品が存在することを報知し(ステップS2230)、ステップS2201に処理を戻す。また、登録された全ての店舗商品が決済済である場合(ステップS2229;Yes)、購入支援部1548は、図28のステップS23に移行させる。
【0392】
ステップS23に移行した後、接客ロボット10に登録される未決済の商品は、仮商品のみとなる。また、行先店舗の各々において、仮商品が未決済のまま退店が行われた場合には、複数の店舗で登録された仮商品が未決済のまま残ることになる。
【0393】
そこで、購入支援部1548は、店舗外において図35に示す決済支援処理を行うことで、未決済のまま残留した仮商品の決済を行うことが可能となっている。
【0394】
ここで、図35は、変形例1の接客ロボット10が行う決済支援処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、接客モードで動作している間であれば、顧客の操作に応じて、任意のタイミングで実行可能であるとする。
【0395】
例えば、先導モードでの走行時に停止ボタン142等の顧客操作により接客ロボット10が停止された場合、購入支援部1548は、上述した操作子Gfg等を正面表示部132に表示させることで、商品の取引内容(登録、決済の状態)を確認可能な状態とする。
【0396】
購入支援部1548は、顧客から取引内容を確認する指示を受け付けるまで待機する(ステップS41;No)。購入支援部1548は、例えば上述した仮想カートの表示を指示する操作等により、取引内容を確認する指示を受け付けると(ステップS42;Yes)、ローカル取引管理テーブルを参照し、未決済の商品(仮商品)が存在するか否かを判定する(ステップS42)。具体的には、購入支援部1548は、購入済フラグの状態に基づき、決済済か否かを判別する。
【0397】
ここで、登録された全ての商品が決済済である場合(ステップS42;No)、購入支援部1548は、登録された商品を一覧表示した画面を正面表示部132に表示させ(ステップS43)、ステップS51に移行する。
【0398】
一方、未決済の商品が存在すると判定した場合には(ステップS42;Yes)、購入支援部1548は、決済済の商品と、未決済の商品とを識別可能に一覧表示した画面を正面表示部132に表示させる(ステップS44)。
【0399】
なお、ステップS43およびステップS44で表示される画面は、例えば、図23の仮想カート画面と同様の形態で表示される。また、決済済の商品には、例えば決済済であることを示したアイコン等の情報が付加されることで、識別可能に表示される。
【0400】
続いて、購入支援部1548は、顧客から決済を行うことが指示されたか否かを判定する(ステップS45)。顧客から決済を行うことが指示されない場合(ステップS45;No)、購入支援部1548は、ステップS51に移行する。
【0401】
また、ステップS45で決済を行うことが指示された場合(ステップS45;Yes)、購入支援部1548は、未決済の商品について決済方法を選択することが可能な決済方法選択画面(例えば図25参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS46)。次いで、購入支援部1548は、決済方法の選択操作を受け付けると(ステップS47)、その選択された決済方法で、未決済の商品の決済処理を実行する(ステップS48)。
【0402】
なお、本処理では、未決済の仮商品を一度に決済する例を説明したが、これに限らず、上述した実施形態と同様、顧客が選択した商品について個別に決済することも可能である。また、未決済の仮商品の登録解除を指示することが可能であるとする。
【0403】
また、購入支援部1548は、店舗商品および仮商品の登録や決済を行った場合、登録や決済の対象となった商品に関する情報(例えば商品コード)を店舗装置20に通知してもよい。この場合、例えば、店舗装置20の制御部214は、仮商品の登録が通知された段階で、該当する商品の在庫数を減少させる制御を行ってもよい。また、店舗装置20の制御部214は、仮商品の登録が通知された段階で、該当する商品を取り置きする等の報知を、店員等の端末に送信してもよい。
【0404】
続いて、購入支援部1548は、商品の受け取り方法を選択可能な受取方法選択画面(例えば図27参照)を正面表示部132に表示させる(ステップS49)。ここで、受取方法選択画面から受け取り方法が選択されると、購入支援部1548は、選択された受け取り方法に基づき生成した受取先情報を、店舗装置20又はサーバ装置30に送信することで商品の移送手配を行い(ステップS50)、ステップS51に移行する。
【0405】
続いて、購入支援部1548は、取引内容の確認を終了するか否かを判定する(ステップS51;No)。取引内容の確認が継続される場合には(ステップS51;No)、購入支援部1548は、ステップS42に処理を戻す。また、取引内容の確認を終了する指示を受け付けた場合には(ステップS51;Yes)、購入支援部1548は、本処理を終了する。
【0406】
このように、本変形例に係る接客ロボット10では、行先店舗で登録された仮商品については、店舗外での決済を許容する。これにより、例えば顧客は、複数の店舗で登録した仮商品を一度に決済したり、複数の店舗で登録した仮商品を比較しながら購入するものを選択したりすることができる。したがって、接客ロボット10は、商業施設の店舗で販売される仮商品の購入に係る利便性を向上させることができる。
【0407】
[変形例2]
上述の実施形態では、接客ロボット10は店舗に到達すると、当該店舗の店舗装置20と連携することで、各種情報の授受を行う構成を説明したが、連携可能な店舗装置20は、滞在中の店舗装置20に限らないものとする。
【0408】
例えば、購入支援部1548は、来店中の店舗において商品の登録や決済を行うと、店舗連携部1547等と協働することで、当該商品の商品情報やチェックインユーザに関するユーザ情報を、自己のロボットIDとともに、参考情報として他の店舗の店舗装置20に送信してもよい。また、購入支援部1548は、顧客が試着した商品の商品情報や、顧客の試着姿、試着時に抽出された顧客の身体的な特徴を、自己のロボットIDとともに、参考情報として他の店舗の店舗装置20に送信してもよい。
【0409】
なお、参考情報で送信する対象となる商品は、店舗商品および仮商品の両方であってもよいし、何れか一方であってもよい。また、参考情報の送信先となる店舗装置20は特に問わず、任意に設定することが可能であるとする。例えば、購入支援部1548は、商業施設の全店舗に参考情報を送信してもよい。また、購入支援部1548は、来店中の店舗と同じ種別の店舗に対し参考情報を送信してもよい。また、購入支援部1548は、行動プランに規定された行先店舗のうち、未到達の行先店舗に対し参考情報を送信してもよい。
【0410】
また、参考情報を受信した店舗の店舗装置20(ロボット連携部2142)では、自己の店舗に顧客(接客ロボット10)が来店すると、該当するロボットIDの参考情報に基づき、商品の宣伝やリコメンドを接客ロボット10に行ってもよい。具体的には、ロボット連携部2142は、接客ロボット10の店舗連携部1547と連携が完了すると、該当するロボットIDの参考情報に基づき選定したリコメンド商品に関する商品情報を、接客ロボット10に提供する。ここで、リコメンド商品は、上述の実施形態で説明した購入支援部1548と同様の選定方法で選定されたものであってもよいし、店舗の店員が選定したものであってもよい。
【0411】
一方、接客ロボット10では店舗装置20から商品情報を受け付けると、購入支援部1548が、当該商品情報に係る商品をリコメンド商品として正面表示部132に表示させる。例えば、購入支援部1548は、基本操作画面(図18参照)に、店舗装置20から通知されたリコメンド商品を表示させる。
【0412】
このように、接客ロボット10は、店舗で行われた顧客の商取引に係る動作の履歴を、他の店舗に引き渡すことで、他の店舗に顧客が訪れた際の購入支援を効率的に行うことができる。また、店舗装置20は、接客ロボット10から送信される参考情報に基づき、顧客の嗜好に応じた商品を顧客に提示することができるため、商品の販促を効率的に行うことができる。
【0413】
[変形例3]
上述の実施形態では、接客ロボット10が備える各種の機能構成により、接客ロボット10の各々が独立して動作する構成としたが、これに限らず、サーバ装置30が接客ロボット10の動作を統括して制御する構成としてもよい。
【0414】
この場合、サーバ装置30は、例えば動作制御部1544、パーソナライズ処理部1545、行動プラン生成部1546、店舗連携部1547、および購入支援部1548の何れか又は全ての機能構成を備え、当該機能構成の機能により、接客ロボット10の動作を個別に制御してもよい。
【0415】
なお、上記実施形態において、接客ロボット10、店舗装置20、サーバ装置30、および顧客端末50の各装置で実行されるプログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0416】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0417】
1 接客支援システム
10 接客ロボット
20 店舗装置
30 サーバ装置
40 駐車管理システム
50 顧客端末
1541 表示制御部
1542 操作受付部
1543 リード/ライト制御部
1544 動作制御部
1545 パーソナライズ処理部
1546 行動プラン生成部
1547 店舗連携部
1548 購入支援部
2141 店舗情報送信部
2142 ロボット連携部
2143 決済処理部
3141 情報管理部
3142 ロボット管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0418】
【特許文献1】特開2021-111128号公報
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