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  • 特開-大気中の二酸化炭素固定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119451
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】大気中の二酸化炭素固定方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 40/02 20060101AFI20240827BHJP
   C04B 14/46 20060101ALI20240827BHJP
   C04B 28/02 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
C04B40/02
C04B14/46
C04B28/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026356
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】501173461
【氏名又は名称】太平洋マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】乙茂内 郁美
(72)【発明者】
【氏名】杉野 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】谷辺 徹
【テーマコード(参考)】
4G112
【Fターム(参考)】
4G112PA18
4G112RA02
(57)【要約】
【課題】短期間に大気中の二酸化炭素を固定化する技術を提供すること。
【解決手段】アルカリ土類金属及びアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上の酸化物及び/又は水酸化物を含有する結合材、水並びにロックウールを主成分とする形成されたロックウール組成物に、水を添加することを特徴とする、大気中の二酸化炭素固定方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ土類金属及びアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上の酸化物及び/又は水酸化物を含有する結合材、水並びにロックウールを主成分とする形成されたロックウール組成物に、水を添加することを特徴とする、大気中の二酸化炭素固定方法。
【請求項2】
前記ロックウール組成物中のロックウールの質量(RW)に対する結合材の固形分の質量(B)の比率(B/RW)が0.07~11である請求項1記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項3】
前記ロックウール組成物に含まれる水の水量が、前記結合材(B)の質量に対する水(W)の質量の比率(W/B)が0.3~20となる量である請求項1記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項4】
前記ロックウール組成物への水の添加が、1回当たりのロックウールの質量(RW)に対する水量(W)の比率(W/RW)を0.03~6.0とし、1回~20回添加する請求項1記載の二酸化炭素固定方法。
【請求項5】
前記ロックウール組成物に水を添加するタイミングが、ロックウール組成物中の結合材が硬化又は乾燥後である請求項1記載の二酸化炭素固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素を固定する方法に関し、特に、短期間に大気中の二酸化炭素を固定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本では2050年までにカーボンニュートラルの達成を目指し、各業界でカーボンニュートラルに貢献するための技術が検討されている。建設業界の主要材料であるセメントはその製造において多くの二酸化炭素(CO2)を排出することが知られている。
【0003】
セメントを主原料とするコンクリート分野ではCO2をコンクリートに固定させる技術が検討されている。例えば、セメントと水を含む混合物にCO2を添加する方法(例えば特許文献1及び非特許文献1)、コンクリート廃材のスラリーにCO2を添加する方法(例えば特許文献2)、気密性を有する養生シートでプレキャストコンクリート部材等のセメント硬化体を覆い当該養生シート内に二酸化炭素を含むガスを吹き込む方法(例えば特許文献3)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-037493号公報
【特許文献2】特開2022-156516号公報
【特許文献3】特許第7139541号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】阿武稔也、外3名、「セメントスラリーを利用したコンクリートへのCO2固定化技術の開発 その1 CO2注入・固定化方法の検討」、2022年9月、日本建築学会大会学術講演梗概集(北海道)、日本建築学会、p.1187-1188
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のコンクリート等にCO2を固定させる技術は、CO2を供給する必要がある。このCO2供給を密閉されている反応槽内等の密閉容器内で行わないと、供給したCO2の一部が大気中に排出されてしまい、大気中のCO2量が増加してしまうという問題がある。また、CO2を供給・添加するためには、CO2供給のための設備が必要であるという問題もある。もしも、CO2供給を行わずに大気中のCO2により一般的な鉄筋コンクリートにCO2を固定させようとすると、鉄筋の埋まっている深さまでCO2を固定させるのに何十年という期間が必要となる。
従って、本発明の課題は、短期間に大気中の二酸化炭素を固定化する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
耐火被覆材や断熱材、吸音材などに使用される吹付けロックウールはセメント、ロックウール及び水が混合したロックウール組成物が形成される。本発明者らがセメントと水を混合したセメントスラリーとロックウールとの混合物からなるロックウール組成物のCO2固定性能を評価したところ、意外にも、ロックウール組成物は、一般的な施工・養生を行った普通コンクリートと比較して非常に短い期間で多くのCO2を固定することができ、優れたCO2固定性能を有することを見出した。
しかし、本発明者らは、通常の吹付けロックウールで製造したロックウール組成物よりもより短期間でより多くの大気中の二酸化炭素を固定することができる技術が必要であると考えて検討した結果、全く意外にも、形成されたロックウール組成物に水を添加すれば、ロックウール組成物の形状を維持しながら、当該ロックウール組成物に短期間に大気中の二酸化炭素を固定化することができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の発明[1]~[5]を提供するものである。
[1]アルカリ土類金属及びアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上の酸化物及び/又は水酸化物を含有する結合材、水並びにロックウールを主成分とする形成されたロックウール組成物に、水を添加することを特徴とする、大気中の二酸化炭素固定方法。
[2]前記ロックウール組成物中のロックウールの質量(RW)に対する結合材の固形分の質量(B)の比率(B/RW)が0.07~11である[1]記載の二酸化炭素固定方法。
[3]前記ロックウール組成物に含まれる水の水量が、前記結合材(B)の質量に対する水(W)の質量の比率(W/B)が0.3~20となる量である[1]又は[2]記載の二酸化炭素固定方法。
[4]前記形成されたロックウール組成物への水の添加が、1回当たりのロックウールの質量(RW)に対する水量(W)の比率(W/RW)を0.03~6.0とし、1回~20回添加する[1]~[3]のいずれかに記載の二酸化炭素固定方法。
[5]前記形成されたロックウール組成物に水を添加するタイミングが、ロックウール組成物中の結合材が硬化又は乾燥後である[1]~[4]のいずれかに記載の二酸化炭素固定方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、短期間に大気中の二酸化炭素を固定化することができる。本発明によれば、一般的な施工・養生を行った普通コンクリートに比較して短期間で、CO2供給を行わずに大気中の二酸化炭素を固定化することができる。また、本発明によれば、通常の吹付けロックウールで製造したロックウール組成物よりもより短期間でより多くの二酸化炭素を固定することができる。また、本発明によれば、ロックウール組成物の形状を維持しながら、当該ロックウール組成物に短期間に大気中の二酸化炭素を固定化することができる二酸化炭素固定方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1における材齢3週の試験結果及び中性化深さ(炭酸化深さ)を測定時のサンプル写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の大気中の二酸化炭素固定方法の一態様は、アルカリ土類金属及びアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上の酸化物及び/又は水酸化物を含有する結合材、水並びにロックウールを主成分とする形成されたロックウール組成物に、水を添加することを特徴とする。
【0012】
本発明の二酸化炭素固定方法に用いられるロックウール組成物は、アルカリ土類金属及びアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上の酸化物及び/又は水酸化物を含有する結合材、水並びにロックウールを主成分とする形成されたロックウール組成物であり、種々の手段により種々の形態に形成されたロックウール組成物である。
ロックウール組成物に用いられるアルカリ土類金属及びアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上の酸化物及び/又は水酸化物を含有する結合材としては、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2等を含むポルトランドセメントやエコセメント、混合セメント、アルミナセメントの他、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム及び高炉スラグから選ばれる1種又は2種以上を含む無機結合材、あるいは有機結合材が好ましい例として挙げられる。
【0013】
本発明においてロックウールとは、玄武岩等の天然岩石や高炉スラグ等の金属酸化物を主成分とする原料を溶融した後に繊維化させたものを云い、本発明におけるロックウールには、スラグウールも含まれる。
【0014】
本発明におけるロックウール組成物は、アルカリ土類金属及びアルカリ金属から選ばれる1種又は2種以上の酸化物及び/又は水酸化物を含有する結合材、水及びロックウール以外の成分を本発明の効果が損なわれない範囲で含有してもよい。当該成分としては、セメント混和材料、骨材、コンクリート廃材の粉砕物、コンクリート製造時に生じる廃スラッジ等が挙げられる。
【0015】
本発明の二酸化炭素固定方法において水を添加する対象は、前記の組成を有するロックウール組成物であって、種々の形態に形成されたロックウール組成物である。ここで、種々の手段により種々の形態に形成されたとは、吹付け工法、塗布、成形(型枠内への充填、打込み)、左官工法、敷き均した後に転圧する方法、通気性容器に充填する方法などにより、所望の箇所や所望の形態にロックウール組成物が形成された状態を意味する。ロックウール組成物は湿式吹付工法のように予め混合して形成してもよいし、乾式または半乾式吹付工法のように水またはセメントペースト以外の材料に水またはセメントペーストを添加して形成してもよい。
【0016】
本発明におけるロックウール組成物としては、絶乾嵩密度が0.05~1.2g/cm3のものがより短期間に二酸化炭素を固定するとともに形状が安定することから好ましく、より好ましくは絶乾嵩密度が0.10~1.0g/cm3とする。ロックウール組成物の絶乾嵩密度を0.05~1.2g/cm3とするには、ロックウールの質量(RW)に対する結合材の固形分の質量(B)の比率(B/RW)を0.07~11とするのが好ましい。また、ロックウール組成物の絶乾嵩密度を0.10~1.0g/cm3とするには、B/RWを0.09~9とするのが好ましい。ここで、絶乾嵩密度とは、ロックウール組成物を105℃の乾燥炉内で恒量となるまで乾燥させたときの嵩密度をいう。
【0017】
本発明におけるロックウール組成物に含まれる水の水量(W)は、上記結合材の質量(B)に対する水の質量の比率(W/B)が0.3~20(30~2000%)となる量とすることが好ましく、0.5~17(50~1700%)となる量とすることがより好ましく、0.55~16.5(55~1650%)となる量とすることが更に好ましく、0.59~16.13(59~1613%)となる量とすることが最も好ましい。W/Bが0.3(30%)未満となる量の水量では、形成するロックウール組成物の形状を維持し難く、20(30~2000%)となる量を超えると、材料分離を起こし易く、この場合も形成するロックウール組成物の形状を維持し難い。ここで、ロックウール組成物に含まれる水の水量は、種々の形態に形成されたロックウール組成物中の水の水量である。この水量には、水溶液やエマルションとしてロックウール組成物に混和される混和材料に含まれる水分が含まれる。
【0018】
本発明において、ロックウール組成物に水を添加する回数は、1回以上であればよいが、2回以上行ってもよい。好ましくは20回以下、より好ましくは15回以下である。
また、1回に添加する水の水量(W)は、ロックウールの質量(RW)に対する水量の比率(水ロックウール比)(W/RW)を0.03~6.0(3~600%)とすることが好ましく、水ロックウール比(W/RW)を0.05~5.5(5~550%)とすることがより好ましく、0.10~5.0(10~500%)とすることが更に好ましい。1回に添加する水の水量が、水ロックウール比(W/RW)0.03(3%)未満では、直ぐに乾燥してしまうために二酸化炭素の固定量が向上し難く、6.0(600%)を超えると、ロックウール組成物で添加する水を保持できなくなる虞がある。
【0019】
本発明において、ロックウール組成物に水を添加するタイミングは、ロックウール組成物の形成後であれば可能であるが、好ましくは、ロックウール組成物中の結合材が硬化又は乾燥後が好ましく、急結性又は急硬性のセメントを用いない場合は、ロックウール組成物の形成後数時間以降(概ね6時間以降)が好ましく、ロックウール組成物の形成の翌日以降であればより好ましい。二酸化炭素の固定量の点からはロックウール組成物に水を添加するタイミングの上限は特にないが、工程上の点から、ロックウール組成物の形成後1月以内が好ましく、2週間以内がより好ましい。
【0020】
本発明において、ロックウール組成物に水を添加する方法は、特に限定されないが、噴霧器等を用いてロックウール組成物の表面に水を噴霧する方法、ローラー又は刷毛等でロックウール組成物の表面に水を塗布する方法、水で濡れた布・スポンジ・マット等をロックウール組成物の表面に当て水を浸透させる方法、管・ホース等の先端をロックウール組成物の表面に当て又はロックウール組成物内に差し込み水を圧入する方法、ロックウール組成物の表面に柄杓やバケツ等で撒く又は流す方法、ロックウール組成物の表面に滴下させる方法、ロックウール組成物の表面に水蒸気を当てる方法等が好ましい例として挙げられる。尚、本発明においてロックウール組成物に添加する水としては、上水、工業用水、地下水、雨水、河川水等の他、本発明の効果が損なわれない範囲で、水溶液、o/w型エマルション等の水を分散媒とする懸濁液も使用できる。
【0021】
本発明において、ロックウール組成物の表面に仕上材層が備わっていてもよい。当該仕上材層としては、透気性且つ透水性のものが好ましい。ロックウール組成物の表面に透水性の仕上材層が備わっていている場合には、仕上げ材層の表面から水を添加してもよい。ロックウール組成物の表面に非透水性の仕上材層が備わっていている場合には、管・ホース等の先端を仕上げ材層に差し込むなどしてロックウール組成物の表面に当て又はロックウール組成物内に差し込み水を圧入する方法により、ロックウール組成物に水を添加する。
【0022】
本発明方法によれば、大気中の二酸化炭素が形成されたロックウール組成物中に速やかに固定される。ここで、二酸化炭素が固定されるとは、大気中の二酸化炭素がロックウール組成物中に取り込まれたことを意味し、二酸化炭素は主にロックウール組成物中の物質と二酸化炭素が反応し炭酸塩となりロックウール組成物中に取り込まれる。
【実施例0023】
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0024】
[実施例1]
表1に示す作製条件でロックウール組成物のサンプルを作製した。サンプルは30×30×30mmのキューブ状とした。サンプル毎の配合比率やかさ密度などのばらつきを極力抑えるために、1サンプルずつ各材料の所定量を計量しポリ袋内に入れた後に当該ポリ袋内で混合することで、ロックウール組成物を作製した。作製したロックウール組成物の全量を型枠内に投入することで、30×30×30mmのキューブ状のロックウール組成物のサンプルを作製した。作製したサンプルは測定材齢まで20℃、60%RHの恒湿室にて上面のみを一面解放させた状態で養生した。サンプルの側面及び底面は、型枠に密着させた状態で養生した。給水させるサンプルは、材齢2週でサンプル作製時と同量の水を解放面から滴下して給水させた。用いたセメント(結合材)は、太平洋セメント社製普通ポルトランドセメントを用いた。
【0025】
【表1】
【0026】
作製したロックウール組成物のサンプルを以下の評価項目について中性化試験を行った。その結果を表2に示した。また、材齢3週の試験結果を図1に示した。
・炭酸化深さ
フェノールフタレイン溶液の呈色反応により中性化深さ(炭酸化深さ)を測定した。測定の直前に型枠から取り出したキューブ状サンプルを縦方向に2分割し、断面にフェノールフタレイン溶液を噴霧して、呈色反応が落ち着いた段階で解放面(上面)からの中性化深さを測定した。
・CO2固定量
熱重量示差熱分析(TG-DTA)により測定し、粉砕した試料をN2ガスフローの環境下にて20℃/分で1000℃まで昇温して行った。その分析結果と以下の式(1)を用いて固定されたCO2量(αCO2)を算出した。
ここで、自由水や結晶水の脱水など他の質量減少量を除外するため、加熱温度1000℃における質量を基準に算出した。未水和セメント中の少量混合成分に含まれるCaCO3については、未水和セメント単体で測定した質量減少量を熱重量測定(TG)の結果から差し引いた。ロックウールについても、事前にロックウール単体でTG-DTAを行い、CaCO3が含まれていないことを確認した。
【0027】
【数1】
【0028】
【表2】
【0029】
給水をしなかったサンプルに比べて、材齢2週で給水したサンプルは、CO2固定量、炭酸化深さともに大きな値であり、より多くの二酸化炭素を固定しており、その速度も速いことが分かる。
【0030】
[実施例2]
ロックウール組成物のサンプルの配合、又は給水処理の条件が異なるサンプルを作製し、実施例1と同様に炭酸化深さを測定した。サンプルの配合、給水処理の条件等のサンプルの作成条件を表3に示した。サンプルNo.5については、材齢2週と材齢3週に所定量の水を給水した。
【0031】
【表3】
【0032】
各サンプルについて、以下の項目について評価を行った。その結果を、表4に示した。
・CO2固定性能向上効果
作製したサンプルと同様に給水を行わないサンプルを作製し、材齢4週で炭酸化深さを実施例1と同様に測定した。但し、No.4のサンプルは、材齢6週で炭酸化深さを測定した。
給水処理を行わないサンプルよりも炭酸化深さが大きい場合を「良好」(記号:○)と評価し、給水処理を行わないサンプルの炭酸化深さと同等である場合を「不良」(記号:×)と評価した。また、成形性が「不良」の評価のサンプルは、炭酸化深さの測定ができなかったので、「測定不能」(記号:-)と評価した。
・成形性
脱型時にサンプルが崩れずにセメントペーストが型枠の下部に偏って存在することがない場合を「良好」(記号:○)と評価し、脱型時にサンプルが崩れてしまった場合、又はセメントペーストが型枠の下部に偏って存在する場合等の材料としての一体性がない場合を「不良」(記号:×)と評価した。
【0033】
【表4】
【0034】
本発明の実施例に当たるサンプルNo.1~9は、CO2固定性能向上効果が優れていた。また、給水回数を2回としたサンプルNo.5は、同じ配合割合で1回当たりの給水量が同じで給水回数1回のサンプルNo.1及びサンプルNo.2よりも炭酸化深さが大きかった。なお、サンプルNo.10~12は、ロックウール組成物の成形性が良好でなく、炭酸化深さが測定できなかったことからCO2固定性能向上効果は判定できなかった。
図1