IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノエビアの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119455
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20240827BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20240827BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240827BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240827BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/60
A61Q19/00
A61K8/9789
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026365
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】境 仁美
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA122
4C083AB032
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC082
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC442
4C083AC582
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD201
4C083AD202
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD222
4C083AD282
4C083AD331
4C083AD332
4C083AD492
4C083AD572
4C083CC04
4C083CC05
4C083DD31
4C083DD41
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】
本発明は特定の成分を併用することにより、保湿効果が相乗的に向上する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】
下記(A)~(D)を含有する皮膚外用剤を提供することである。
(A)ヒアルロン酸、その誘導体およびそれらの塩からなる群より選択される1種又は2種以上
(B)クインスシードエキス
(C)グリセリルグルコシド
(D)オリゴ糖から選択される1種又は2種以上
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(D)を含有する皮膚外用剤。
(A)ヒアルロン酸、その誘導体およびそれらの塩からなる群より選択される1種又は2種以上
(B)クインスシードエキス
(C)グリセリルグルコシド
(D)オリゴ糖から選択される1種又は2種以上
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚外用剤の付加価値を高めるために、様々な成分を組み合わせる等の技術開発がなされている。一般に皮膚外用剤等に求められる機能は多岐に渡るが、従来より、保湿効果を高めるために様々な保湿剤が検討、含有されており、成分を組み合わせるなどにより、その効果をさらに向上させるための検討がなされている(引用文献1)。
【0003】
しかしながら、単に併用すれば効果が相乗的に向上するものではなく、相加的に効果が向上するもの、効果を相殺するものなど、その併用による効果は予測不可能な効果である。なかでもより少量で、より高い効果の得られる成分を皮膚外用剤へ配合することのニーズは非常に高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-123540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は特定の成分を併用することにより、保湿効果が相乗的に向上する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決する手段は、下記(A)~(D)を含有する皮膚外用剤を提供することである。
(A)ヒアルロン酸、その誘導体およびそれらの塩からなる群より選択される1種又は2種以上
(B)クインスシードエキス
(C)グリセリルグルコシド
(D)オリゴ糖から選択される1種又は2種以上
【発明の効果】
【0007】
本発明の皮膚外用剤は特定の成分を併用することにより、保湿効果が相乗的に向上する効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0009】
[ヒアルロン酸、その誘導体およびそれらの塩]
本発明で用いられるヒアルロン酸は、酸性ムコ多糖類の一種であり、グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンの二糖を構成単位として含む多糖類である。ヒアルロン酸は、鶏冠や、サメの皮、臍帯、眼球、皮膚、及び軟骨などの動物組織、ストレプトコッカス属微生物等のヒアルロン酸生産微生物、動物細胞もしくは植物細胞の培養物から抽出、回収することができる。また、市販品を購入することもできる。
【0010】
上記のように動物組織や微生物等から抽出して得られるヒアルロン酸は一般に、平均分子量が約100万以上といわれ、極めて高分子であることが知られている。本発明には、このような高分子のヒアルロン酸を用いてもよいし、高分子ヒアルロン酸を分解して得られる低分子ヒアルロン酸を用いてもよい。低分子ヒアルロン酸は、高分子ヒアルロン酸を塩酸等の酸又はアルカリの存在下で加水分解する方法、ヒアルロニダーゼなどの酵素を用いて処理する方法、又は超音波や剪断によって物理的に切断する方法、微生物により発酵させる方法等によって得ることができる。また、低分子ヒアルロン酸は、市販品を購入し使用することもできる。
【0011】
ヒアルロン酸の平均分子量は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されず、例えば、高分子ヒアルロン酸を用いた場合の平均分子量は、約20万~500万であり得る。より一層効果的に本発明の効果を奏することができるという観点から、本発明のヒアルロン酸の平均分子量は、好ましくは約100万~300万である。
【0012】
低分子ヒアルロン酸を用いた場合の平均分子量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、約100~20万未満であり、より好ましくは約200~10万であり、更に好ましくは約200~5万であり、更により好ましくは約200~3万であり、特に好ましくは約500~2万である。
【0013】
本明細書において、平均分子量とは、重量平均分子量を意味する。重量平均分子量は、公知の測定方法により求めることができる。具体的には、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定することができる。その条件は、(カラム:TSKgel GMPWXL 7.8mm×30cm(東ソー社製)、カラム温度:40℃付近の一定温度、検出器:示差屈折率計、移動相:0.2mol/L NaCl、流量:0.3mL/分、注入量:100μL、標準物質:プルラン標準品(STANDARD P-82、昭和電工社製))である。
【0014】
ヒアルロン酸の誘導体としては、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、水酸基がアセチル化されたアセチル化ヒアルロン酸、水酸基が硫酸化された硫酸化ヒアルロン酸、カチオン化されたカチオン化ヒアルロン酸、疎水化された加水分解ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル等)、架橋型ヒアルロン酸、カルボキシメチルヒアルロン酸、ヒアルロン酸アルキレングリコール、ヒアルロン酸シラノールおよびまたはこれらの塩などを挙げることができる。ヒアルロン酸の誘導体としては、好ましくは、アセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル、カルボキシメチルヒアルロン酸、架橋型ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、ヒアルロン酸プロピレングリコールおよびまたはこれらの塩が用いられる。さらに好ましくはアセチル化ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム、架橋型ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、ヒアルロン酸プロピレングリコールおよびまたはこれらの塩が用いられる。
【0015】
ヒアルロン酸又はその誘導体の塩もまた、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウムなどの金属との塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、トリエタノールアミンのようなアミン塩などを挙げることができる。好ましくは、ヒアルロン酸又はその誘導体の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩が用いられる。具体的なヒアルロン酸又はその誘導体の塩としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸アンモニウム、ヒアルロン酸モノエタノールアミン、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸カリウム、アセチル化ヒアルロン酸カルシウム、アセチル化ヒアルロン酸マグネシウム、アセチル化ヒアルロン酸亜鉛、アセチル化ヒアルロン酸アンモニウム、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウム、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム等が挙げられる。
【0016】
本発明に用いるヒアルロン酸、その誘導体およびそれらの塩は、市販のものを用いることができる。例えば、ヒアルロン酸としては、商品名「ヒアルロン酸ナトリウムHA12N」(資生堂社製)平均分子量110万~160万、商品名「ヒアルロン酸FCH-150」(キッコーマンバイオケミファ社製)平均分子量140万~180万、商品名「バイオヒアルロン酸ナトリウムSZE](資生堂社製)平均分子量110万~160万、商品名「ヒアルロン酸FCH-120」(キッコーマンバイオケミファ社製)平均分子量100万~140万、商品名「ヒアルロン酸液HA-LQ」(キユーピー社製)平均分子量85万~160万、商品名「ヒアルロン酸液HA-LQH1P」(キユーピー社製)平均分子量120万~220万、商品名「ヒアルロン酸Na「マルハ」」(マルハニチロ社製)平均分子量90万~130万、商品名「ヒアルロン酸FCH-80」(キッコーマンバイオケミファ社製)平均分子量60万~100万、商品名「ヒアルロン酸FCH-60」(キッコーマンバイオケミファ社製)平均分子量50万~70万、商品名「ヒアルロン酸FCH-SU」(キッコーマンバイオケミファ社製)平均分子量5万~11万、商品名「ヒアルロン酸(L)」(FAPジャパン社製)平均分子量5万以下、商品名「ヒアロオリゴ」(キユーピー社製)平均分子量1万以下、商品名「ヒアルロン酸(SL)」(FAPジャパン社製)平均分子量1万以下、商品名「マイクロヒアルロン酸FCH」(キッコーマンバイオケミファ社製)平均分子量5000以下)等を挙げることができる。ヒアルロン酸の誘導体としては、商品名「アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム」(資生堂社製)平均分子量1万~10万、商品名「ヒアロベール」(キユーピー社製)平均分子量50万~80万、商品名「ヒアロリペア」(キユーピー社製)平均分子量1万以下、商品名「ヒアルジョン」(キッコーマンバイオケミファ社製)、商品名「ヒアロキャッチ」(キユーピー社製)平均分子量80万~120万、商品名「ヒアルケージシステム」(I.R.Asrl社製)、商品名「D.S.H.CN6」(EXSYMOL S.A.M社製)等の市販品が例示できる。
【0017】
本発明で用いられるヒアルロン酸、その誘導体およびそれらの塩はいずれか1種を単独で、又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。
【0018】
本発明の皮膚外用剤におけるヒアルロン酸、その誘導体およびそれらの塩の配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.0001~5質量%が好ましく、0.0005~2質量%がさらに好ましい。皮膚外用剤全量に対して0.0001質量%未満の配合量であると十分な効果を得られない場合がある。また5質量%以上の配合量であると使用感が損なわれる場合がある。
【0019】
[クインスシードエキス]
本発明で用いられるクインスシードエキスは、マルメロ(Pyrus cydonia)の種子抽出物であり、通常の皮膚外用剤に配合し得るものであれば特に限定されない。
【0020】
上記植物の抽出物を調製する際には、生の植物をそのまま、若しくは乾燥させて用いる。細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが抽出効率の観点から好ましい。抽出溶媒としては、水、メタノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノール等の低級アルコール、1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,グリセリン等の多価アルコール、エチルエーテル,プロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン等のケトン類などの極性有機溶媒を用いることができ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。また、生理食塩水,リン酸緩衝液,リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。中でも、水を用いることが好ましい。
【0021】
上記溶媒による抽出物は、そのままでも用いることができるが、濃縮、乾固したものを水や極性溶媒に再度溶解したり、或いはそれらの皮膚生理機能向上作用を損なわない範囲で脱色、脱臭、脱塩等の精製処理を行ったり、カラムクロマトグラフィーによる分画処理を行った後に用いてもよい。また、抽出物を酸、アルカリ、酵素などを用いて加水分解したものを用いてもよい。また保存のため、精製処理の後凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。抽出処理は、抽出原料に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定はされず、常法に従って行うことができる。例えば、抽出原料の5~30倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温または還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去することにより抽出液を得ることができる。得られた抽出液から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、この濃縮物をさらに乾燥すると乾燥物が得られる。
【0022】
本発明で用いられるクインスシードエキスは、市販されているものを用いることもできる。市販品としてはクインスシード 2S、クインスシード 2SP、クインスシード G(以上大日本化成社製)、マルメロ BG、マルメロ BG/EPH、マルメロ E、マルメロ S、マルメロ S/PHE(以上香栄興業社製)等を挙げることができる。
【0023】
本発明の皮膚外用剤におけるクインスシードエキスの配合量は、エキス純分として皮膚外用剤全量に対して0.0005~2質量%が好ましく、0.001~1.5質量%がさらに好ましい。皮膚外用剤全量に対して0.0005質量%未満の配合量であると十分な効果を得られない。また、2質量%を超えて配合すると、曵糸性が高くなりすぎ、使用感が損なわれる場合がある。
【0024】
[グリセリルグルコシド]
本発明で用いられるグリセリルグルコシドは、一般的に化粧料等に配合し得るものであれば製造方法は、合成、微生物による発酵等方法を問わない。具体的には、α 体、β 体、或いはこれらの混合物のいずれも用いることができる。市販品としては、Glycoin(登録商標) natural(bitopAG社製)、COSARTE-2G(登録商標)(東洋精糖社製)等が挙げられる。またグリセリルグルコシドを含有する市販品としては、Vivendin(Evonik Operations GmbH社製)等が挙げられる。
【0025】
本発明の皮膚外用剤におけるグリセリルグルコシドの配合量は、皮膚外用剤全量に対し0.0001~5質量%が好ましく、0.001~3質量%がさらに好ましい。グリセリルグルコシドの配合量が0.0001質量%未満では、十分な保湿効果が得られない場合がある。グリセリルグルコシドの配合量が5質量%を超えると、べたつきの原因となる場合がある。
【0026】
[オリゴ糖]
本発明で用いられるオリゴ糖はオリゴ糖単糖がグリコシド結合によって2個~10個結合した糖類のオリゴマーである。本発明で用いられるオリゴ糖としては、例えば、キシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース等のキシロオリゴ糖、アガロビオース、カラビオース等のガラクトオリゴ糖類、グルコテトラオース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、イソマルトース、ソホロース、セロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、トレハロース、ネオトレハロース、イソトレハロース等のグルコオリゴ糖類、マンノオリゴ糖類、イヌロビオース、イヌロトリオース、イヌロテトラオース、イヌロペンタオース等のフルクトオリゴ糖類といったホモオリゴ糖類、ビシアノース、イソプリメベロース、サンブビオース、プリメベロース、リコテトラオース、ソラビオース、メリビオース、マンニノトリオース、ラクトース、リコビオース、リコトリオース、エピセロビオース、スクロース、ツラノース、マルツロース、イソケストース、エルロース、ケストース、ゲンチアノース、ラクツロース、エピゲンチビオース、イソリクノース、ウンベリフェロース、セサモース、ラフィノース、リクノース、ロビノビオース、シラノビオース、ルチノース、カコトリオース、ソラトリオース、グリコシルトレハロース等のヘテロオリゴ糖類が挙げられる。いずれか1種を単独で、又は2種以上を適宜組合せて用いることができる。
【0027】
本発明で用いられるオリゴ糖としてはヘテロオリゴ糖が好ましく用いられる。中でもラフィノースを用いることが効果の点から好ましい。ラフィノースは市販品を用いることもでき、例えば、オリゴGGF(旭化成ファインケム社製)等が挙げられる。
【0028】
本発明の皮膚外用剤におけるオリゴ糖の配合量は、0.001~5質量%、特に0.01~3質量%が好ましい。
【0029】
本発明の皮膚外用剤には、上述の成分の他に、通常の化粧料、医薬部外品に用いられる任意成分を、本発明の効果を阻害しない程度に配合することができる。具体的には、油剤、界面活性剤、増粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤等を挙げることができる。
【0030】
本発明の皮膚外用剤の剤型は、特に限定されず、水系、油系、乳化型等いずれの剤型でもよい。
【0031】
本発明の皮膚外用剤は定法により調製することができる。
【0032】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ローション剤、乳剤、軟膏の剤型で用いることができる。
【実施例0033】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量%である。
【0034】
[保湿効果試験方法]
表1に示した試料を調製し、皮表角層水分量および経表皮水分蒸散量の測定を行った。
【0035】
[測定方法]
(1)馴化
被験者は左右前腕内側部を洗浄後、水分をふき取り、温度21±0.5℃、湿度50±5%に調整された室内で15分間安静にし、馴化を行った。
(2)塗布
左右前腕内側部に3cm×3cmの領域を記し、ピペットを用いて9μLを滴下し、指サックをした指で均一に塗布した。
(3)測定
皮表角層水分量は塗布前、塗布30分後、1時間後及び2時間後をSKICON-200EX(ヤヨイ社製)を用いて測定した。経表皮水分蒸散量は塗布前、及び塗布2時間後をVapometer(SWL4081)(デルフィン・テクノロジーズ社製)を用いて測定した。皮表角層水分量および経表皮水分蒸散量は塗布前を1とした場合の相対値を算出し、表1に示した。皮表角層水分量および経表皮水分蒸散量は、測定当日の気温、湿度等の影響を受けやすいため、一群の試料は同日に評価し、塗布前の測定も試料を塗布した部位での測定値を相対値の基準とした。
【0036】
【表1】
【0037】
表1に示した通り、各成分単独の比較例1~4と比較し、実施例1は各成分が4分の1量であるにも関わらず、皮表角層水分量は向上し、経表皮水分蒸散量は低下した。従って、本発明の皮膚外用剤は、保湿効果が相乗的に向上する効果を発揮した。
【0038】
[実施例2]クリーム
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)ステアリン酸 2.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)セタノール 3.6
(6)親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)グリセリルグルコシド(注3) 1.5
(9)ラフィノース 0.01
(10)フェノキシエタノール 0.2
(11)アルギニン(20質量%水溶液) 15.0
(12)ヒアルロン酸Na 0.05
(13)クインスシードエキス 0.03
(14)精製水 全量を100とする量
(15)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 15.0
【0039】
[実施例3]乳液
(1)スクワラン 10.0(質量%)
(2)メチルフェニルポリシロキサン 4.0
(3)水素添加パーム核油 0.5
(4)水素添加大豆リン脂質 0.1
(5)モノステアリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 1.3
(6)モノステアリン酸ソルビタン 1.0
(7)グリセリン 4.0
(8)グリセリルグルコシド(注3) 0.01
(9)ラフィノース 1.5
(10)フェノキシエタノール 0.2
(11)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 0.15
(12)ヒアルロン酸Na 0.001
(13)クインスシードエキス 0.001
(14)精製水 全量を100とする量
(15)L-アルギニン(1質量%水溶液) 20.0
【0040】
[実施例4]化粧水
(1)エタノール 15.0(質量%)
(2)ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油 0.3
(3)香料 0.1
(4)精製水 全量を100とする量
(5)クエン酸 0.02
(6)クエン酸ナトリウム 0.1
(7)グリセリン 1.0
(8)グリセリルグルコシド(注3) 1.0
(9)ラフィノース 0.2
(10)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(11)ヒアルロン酸Na 0.003
(12)クインスシードエキス 0.1
【0041】
[実施例5]美容液
(1)精製水 全量を100とする量(質量%)
(2)グリセリン 10.0
(3)ショ糖脂肪酸エステル 1.3
(4)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 17.5
(5)アルギン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 15.0
(6)モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0
(7)ヒアルロン酸Na 0.001
(8)クインスシードエキス 0.04
(9)グリセリルグルコシド(注3) 0.1
(10)ラフィノース 1.2
(11)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(12)N-ラウロイル-L-グルタミン酸
ジ(フィトステリル-2-オクチルドデシル) 2.0
(13)硬化パーム油 2.0
(14)スクワラン(オリーブ由来) 1.0
(15)ベヘニルアルコール 0.75
(16)ミツロウ 1.0
(17)ホホバ油 1.0
(18)1,3-ブチレングリコール 10.0
(19)L-アルギニン(10質量%水溶液) 2.0
【0042】
[実施例6]水性ジェル
(1)カルボキシビニルポリマー(1質量%水溶液) 0.5(質量%)
(2)精製水 全量を100とする量
(3)水酸化ナトリウム(10質量%水溶液) 0.5
(4)フェノキシエタノール 0.2
(5)ヒアルロン酸Na 0.1
(6)クインスシードエキス 0.015
(7)香料 0.1
(8)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.1
(9)グリセリルグルコシド(注3) 0.002
(10)ラフィノース 0.00