(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011946
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】電池ユニット
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20240118BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240118BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20240118BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240118BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240118BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20240118BHJP
H01M 10/6555 20140101ALI20240118BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20240118BHJP
H01M 10/659 20140101ALI20240118BHJP
H01M 10/652 20140101ALI20240118BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/213
H01M50/244 Z
H01M50/293
H01M10/613
H01M10/643
H01M10/6555
H01M10/653
H01M10/659
H01M10/652
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114309
(22)【出願日】2022-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 正晃
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031CC01
5H031EE04
5H031HH08
5H031KK01
5H031KK02
5H040AA28
5H040AT01
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC23
5H040CC33
5H040CC38
5H040LL06
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】円筒セルから端部ホルダに効率良く熱を移動させることができる電池ユニットを提供する。
【解決手段】本開示の電池ユニットは、複数の円筒セルとセルホルダを備える。セルホルダは、長さ方向に順に配置された第1端部ホルダ、中間ホルダ、及び第2端部ホルダを有する。中間ホルダは、中間円筒孔と、第1開口部と、第1縁部と、第2開口部と、第2縁部と、を有する。第1端部ホルダは、第1円筒孔と、第3開口部と、第3縁部と、を有する。第2端部ホルダは、第2円筒孔と、第4開口部と、第4縁部と、を有する。第1縁部と第3縁部は、環状の第1合わせ面を構成している。第2縁部と第4縁部は、第2合わせ面を構成している。第1合わせ面及び第2合わせ面のうち少なくとも一方は、断面形状が長さ方向と直交する平面方向に対し交差する交差面を含んでいる。中間円筒孔の内径は円筒セルの外径よりも小径である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子が同じ方向を向くように配置された複数の円筒セルと、
複数の前記円筒セルを保持するセルホルダと、
を備え、
前記セルホルダは、前記円筒セルの長さ方向に順に配置された、第1端部ホルダ、中間ホルダ、及び第2端部ホルダを有し、
前記中間ホルダは、
前記円筒セルの長さ方向に貫通し、前記円筒セルの前記長さ方向の中間部が収容される中間円筒孔と、
前記中間円筒孔から前記第1端部ホルダの方に開口する第1開口部と、
前記第1開口部の縁部である第1縁部と、
前記中間円筒孔から前記第2端部ホルダの方に開口する第2開口部と、
前記第2開口部の縁部である第2縁部と、
を有し、
前記第1端部ホルダは、
前記長さ方向に貫通し、前記円筒セルの長さ方向の一端部が収容される第1円筒孔と、
前記第1円筒孔から前記中間ホルダの方に開口する第3開口部と、
前記第3開口部の縁部である第3縁部と、
を有し、
前記第2端部ホルダは、
前記長さ方向に貫通し、前記円筒セルの長さ方向の他端部が収容される第2円筒孔と、
前記第2円筒孔から前記中間ホルダの方に開口する第4開口部と、
前記第4開口部の縁部である第4縁部と、
を有し、
前記第1円筒孔と前記中間円筒孔と前記第2円筒孔は、前記長さ方向に順に配置されて、1つの前記円筒セルが収容されるセル収容部を形成し、
前記セル収容部は、複数の前記円筒セルと同数設けられており、
前記第1縁部と前記第3縁部は当接し、前記長さ方向から視て環状の第1合わせ面を構成しており、
前記第2縁部と前記第4縁部は当接し、前記長さ方向から視て環状の第2合わせ面を構成しており、
前記第1合わせ面の断面形状及び前記第2合わせ面の断面形状のうち少なくとも一方は、前記長さ方向と直交する平面方向に対し交差する交差面を含んでおり、
前記中間円筒孔の内径は、前記円筒セルの外径よりも小径である
電池ユニット。
【請求項2】
前記交差面は、周方向に延在している
請求項1に記載の電池ユニット。
【請求項3】
前記交差面は、周方向に延在し、環状に形成されている
請求項1に記載の電池ユニット。
【請求項4】
前記第1縁部と前記第2縁部の形状が相違している
請求項1に記載の電池ユニット。
【請求項5】
前記交差面の断面形状は、直線状の斜面である
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項6】
前記斜面の断面形状は、前記円筒セルから離れるにつれて、前記中間ホルダから視て前記第1端部ホルダが配置される第1長さ方向に位置するように傾斜している
請求項5に記載の電池ユニット。
【請求項7】
前記斜面の断面形状は、前記円筒セルから離れるにつれて、前記中間ホルダから視て前記第2端部ホルダが配置される第2長さ方向に位置するように傾斜している
請求項5に記載の電池ユニット。
【請求項8】
前記交差面の断面形状は、円弧面である
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項9】
前記交差面の断面形状は、直線状に傾斜した斜面を2つ組み合わせたV状である
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項10】
前記交差面は、長さ方向に直線状に延びており、
前記第1合わせ面の断面形状及び前記第2合わせ面の断面形状のうち少なくとも一方は、矩形波形状である
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項11】
前記矩形波形状は、周方向に断続的に設けられている
請求項10に記載の電池ユニット。
【請求項12】
前記矩形波形状は、周方向に連続的に設けられている
請求項10に記載の電池ユニット。
【請求項13】
前記第1端部ホルダ及び前記第2端部ホルダは、熱可塑性樹脂で形成され、
前記中間ホルダは、弾性体で形成されている
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池ユニット。
【請求項14】
前記弾性体に、相変化材料が含まれている
請求項13に記載の電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックは、電池ユニットと、電池ユニットが収容されるケースと、を備えている。このような電池ユニットは、複数の円筒セルと、その複数の円筒セルを保持するホルダと、を有している。下記特許文献のホルダは、円筒セルの長さ方向の中央部を保持する中間ホルダと、円筒セルの長さ方向の端部を保持する2つの端部ホルダと、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池パックにおいて、円筒セルで生じた熱は、セルホルダを介してケースの壁部に伝達し、ケースの壁部から外部に放熱される。詳細には、セルホルダのうち端部ホルダからケースの壁部に熱が移動する。よって、円筒セルから端部ホルダに効率良く熱を移動できることが望まれている。
【0005】
上記課題に鑑み、本開示は、円筒セルから端部ホルダに効率良く熱を移動させることができる電池ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の電池ユニットは、電極端子が同じ方向を向くように配置された複数の円筒セルと、複数の前記円筒セルを保持するセルホルダと、を備えている。前記セルホルダは、前記円筒セルの長さ方向に順に配置された、第1端部ホルダ、中間ホルダ、及び第2端部ホルダを有している。前記中間ホルダは、前記円筒セルの長さ方向に貫通し、前記円筒セルの前記長さ方向の中間部が収容される中間円筒孔と、前記中間円筒孔から前記第1端部ホルダの方に開口する第1開口部と、前記第1開口部の縁部である第1縁部と、前記中間円筒孔から前記第2端部ホルダの方に開口する第2開口部と、前記第2開口部の縁部である第2縁部と、を有している。前記第1端部ホルダは、前記長さ方向に貫通し、前記円筒セルの長さ方向の一端部が収容される第1円筒孔と、前記第1円筒孔から前記中間ホルダの方に開口する第3開口部と、前記第3開口部の縁部である第3縁部と、を有している。前記第2端部ホルダは、前記長さ方向に貫通し、前記円筒セルの長さ方向の他端部が収容される第2円筒孔と、前記第2円筒孔から前記中間ホルダの方に開口する第4開口部と、前記第4開口部の縁部である第4縁部と、を有している。前記第1円筒孔と前記中間円筒孔と前記第2円筒孔は、前記長さ方向に順に配置されて、1つの前記円筒セルが収容されるセル収容部を形成している。前記セル収容部は、複数の前記円筒セルと同数設けられている。前記第1縁部と前記第3縁部は当接し、前記長さ方向から視て環状の第1合わせ面を構成している。前記第2縁部と前記第4縁部は当接し、前記長さ方向から視て環状の第2合わせ面を構成している。前記第1合わせ面の断面形状及び前記第2合わせ面の断面形状のうち少なくとも一方は、前記長さ方向と直交する平面方向に対し交差する交差面を含んでいる。前記中間円筒孔の内径は、前記円筒セルの外径よりも小径である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、円筒セルから端部ホルダ(第1端部ホルダ又は第2端部ホルダ)に効率良く熱が移動し、円筒セルの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1の電池パック100の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、中間ホルダを軸方向から視た図である。
【
図4】
図4は、電池パックを水平方向に切った断面図であり、詳細には
図3のIV-IV線矢視断面図である。
【
図6】
図6は、第1端部ホルダを第2長さ方向から視た図である。
【
図8】
図8は、円筒セルの中心線に沿って電池パックを切った断面図であり、詳細には、
図3のVIII-VIII線矢視断面図である。
【
図9】
図9は、変形例1の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。
【
図10】
図10は、変形例2の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。
【
図11】
図11は、変形例3の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。
【
図12】
図12は、変形例4の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。
【
図13】
図13は、変形例5の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図であり、詳細には
図14のXIII-XIII線で切った断面図である。
【
図14】
図14は、変形例5の電池ユニットの中間ホルダを第1長手方向から視た図面である。
【
図15】
図15は、変形例6の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図であり、詳細には
図16のXV-XV線で切った断面図である。
【
図16】
図16は、変形例6の電池ユニットの中間ホルダを第1長さ方向から視た図面である。
【
図17】
図17は、変形例7の電池パックを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の電池パック100の分解斜視図である。
図1に示すように、電池パック100は、電池ユニット1と、電池ユニット1を収容するケース70と、を備えている。
【0011】
ケース70は、樹脂製の筐体である。ケース70は、鉛直方向に分割された第1ケース71と第2ケース72とを有している。第1ケース71は、第2ケース72に対し、鉛直方向の上側に配置されている。以下、鉛直方向の上側を上方Z1という。鉛直方向の下側を下方Z2と称する。また、鉛直方向に直交する方向を水平方向と称する。第1ケース71は、電池ユニット1の上方Z1を覆う上壁部である。第2ケース72は、上方Z1に開口する有底筒状に形成されている。第1ケース71と第2ケース72は、図示しないボルトにより締結されている。
【0012】
電池ユニット1は、複数の円筒セル2と、セルホルダ5と、タブ6と、制御基板7と、を備えている。制御基板7は、円筒セル2の過放電や過充電を抑制している。制御基板7は、セルホルダ5の上方Z1に配置され、図示しないねじによりセルホルダ5に固定される。
【0013】
円筒セル2は、円柱状に形成されている。以下、円筒セル2の延在する方向を長さ方向と称する。円筒セル2の長さ方向の両端には、電極端子3が設けられている。本実施形態において、円筒セル2は10個設けられている。10個の円筒セル2は、それぞれ、水平方向に平行となるように配置されている。また、10個の円筒セル2は、それぞれ、電極端子3が同じ方向を向いている。そして、10個の円筒セル2は、鉛直方向に2列、水平方向に5列、となるように配置されている。以下、水平方向のうち円筒セルが5つ並ぶ方向を幅方向という。また、幅方向の一方を第1幅方向Y1と称し、反対方向を第2幅方向Y2と称する。
【0014】
10個の円筒セル2は、それぞれの電極端子3が同一平面上に位置するように配置されている。なお、同一平面は、幅方向及び鉛直方向に延在する平面である。以下、同一平面と平行な方向を平面方向と称する。なお、本開示において、複数の電極端子3が同一平面上に配置されていなくてもよい。つまり、複数の電極端子3がそれぞれ長さ方向に多少ずれて配置されていてもよい。
【0015】
セルホルダ5は、円筒セル2の長さ方向に順に配置された第1端部ホルダ10、中間ホルダ20、及び第2端部ホルダ30を有している。以下、中間ホルダ20から視て第1端部ホルダ10が配置される方向を第1長さ方向X1と称する。中間ホルダ20から視て第2端部ホルダ30が配置される方向を第2長さ方向X2と称する。
【0016】
図2は、中間ホルダの斜視図である。
図3は、中間ホルダを軸方向から視た図である。
図4は、電池パックを水平方向に切った断面図であり、詳細には
図3のIV-IV線矢視断面図である。
図2から
図4に示すように、中間ホルダ20は、中間円筒孔21と、第1開口部22と、第1縁部23と、第2開口部24(
図3で不図示。
図2参照)と、第2縁部25(
図2、
図3で不図示。
図4参照)と、を有している。
【0017】
中間円筒孔21は、中間ホルダ20を長さ方向に貫通している。中間円筒孔21の断面は、円筒セル2の中心線X(
図2、
図3参照)を中心に円形状に形成されている。中間円筒孔21は、円筒セル2と同数の10個設けられ、鉛直方向に2列、水平方向に5列となるように配置されている。中間円筒孔21には、円筒セル2の中間部が収容される(
図4参照)。
【0018】
第1開口部22は、中間円筒孔21から第1長さ方向X1に開口している。よって、第1開口部22は、第1端部ホルダ10の方に開口している。第1縁部23は、第1開口部22の縁部である。第1縁部23は、円筒セル2の中心線Xを中心に円形状(環状)に形成されている。また、
図3に示すように、第1縁部23の周方向の一部は、幅方向又は鉛直方向に隣り合う他の第1縁部23と合流する合流部23aを構成している。よって、第1縁部23は、合流部23aと、合流部23a以外の部分である独立部23bと、を有している。
【0019】
図4に示すように、第2開口部24は、中間円筒孔21から第2長さ方向X2に開口する開口部である。つまり、第2開口部24は、第2端部ホルダ30の方に開口している。第2縁部25は、第2開口部24の縁部である。第2縁部25は、中心線Xを中心に円形状(環状)に形成されている。第2縁部25は、第1縁部23と同様に、合流部25a(
図4参照)と独立部25b(
図8参照)と、を有している。
【0020】
そのほか、
図2、
図3に示すように、中間ホルダ20には、肉抜き穴26が複数設けられている。また、
図3に示すように、中間ホルダ20の底面27には、上方に窪む溝27aが設けられている。この溝27aは、長さ方向に延びている。
【0021】
図5は、第1端部ホルダの斜視図である。
図6は、第1端部ホルダを第2長さ方向から視た図である。
図5、
図6に示すように、第1端部ホルダ10は、第1円筒孔11と、第3開口部12と、第3縁部13と、を有している。
【0022】
第1円筒孔11は、第1端部ホルダ10を長さ方向に貫通している。第1円筒孔11は、中間円筒孔21と同様に10個設けられている。10個の第1円筒孔11は、鉛直方向に2列、水平方向に5列となるように配置されている。
【0023】
第3開口部12は、第1円筒孔11から第2長さ方向X2に開口している。つまり、第3開口部12は、中間ホルダ20の方に開口している。第3縁部13は、第3開口部12の縁部である。第3縁部13は、円形状(環状)に形成されている。第3縁部13は、第1縁部23と同様に、合流部13aと独立部13bとを有している。そのほか、第1端部ホルダ10には、肉抜き穴16が複数設けられている。
図6に示すように、第1端部ホルダ10の底面17には、上方に窪む溝17aが設けられている。この溝17aは、長さ方向に延びている。
【0024】
図4に示すように、中間円筒孔21には、円筒セル2の第1長さ方向X1の端部が収容されている。第3縁部13は、中間ホルダ20の第1縁部23と当接している。以下、第1縁部23と第3縁部13が重なる(当接している)環状の面部分を第1合わせ面40という。
【0025】
第2端部ホルダ30と第1端部ホルダ10は、中間ホルダ20を基準に面対象に形成されている。よって、第2端部ホルダ30の各構成については簡単に説明する。
図4に示すように、第2端部ホルダ30は、第2円筒孔31と、第4開口部32と、第4縁部33と、を有している。第2円筒孔31は、第2端部ホルダ30を長さ方向に貫通している。第2円筒孔31は、中間円筒孔21と同様に10個設けられている。10個の第2円筒孔31は、鉛直方向に2列、水平方向に5列となるように配置されている。第2円筒孔31には、円筒セル2の第2長さ方向X2の端部が収容されている。
【0026】
第4開口部32は、中間ホルダ20の方に開口している。第4縁部33は、第4開口部32の縁部である。第4縁部33は、円形状(環状)に形成されている。第4縁部33は、第1縁部23と同様に、合流部33aと独立部33bとを有している(
図4、
図8参照)。そして、第4縁部33は、第2長さ方向X2から第2縁部25は、当接している。以下、第2縁部25と第4縁部33が重なっている(当接している)環状の面部分を第2合わせ面50という。なお、特に図示しないが、第2端部ホルダ30の底面には、第1端部ホルダ10の底面17及び中間ホルダ20の底面27と同様に、上方に窪む溝が設けられている。また、第2端部ホルダ30には、第1端部ホルダ10と同様に、複数の肉抜き穴36が設けられている(
図8参照)。
【0027】
以上から、セルホルダ5では、
図4に示すように、第1円筒孔11と中間円筒孔21と第2円筒孔31は、第1長さ方向X1から順に配置されて、1つの円筒セル2が収容されるセル収容部Sを形成している。また、第1円筒孔11と中間円筒孔21と第2円筒孔31は、複数の円筒セル2と同数設けられている。よって、セル収容部Sも、複数の円筒セル2と同数設けられている。
【0028】
図1に示すように、タブ6は、平面方向に延びる金属板である。タブ6は、第1タブ6aと、第2タブ6bと、を有している。第1タブ6aは、第1端部ホルダ10に対し、第1長さ方向X1に配置されている。第2タブ6bは、第2端部ホルダ30に対し、第2長さ方向X2に配置されている。
【0029】
図4に示すように、第1タブ6aは、第1端部ホルダ10の第1円筒孔11を介して、円筒セル2の第1長さ方向X1の電極端子3と接合している。第2タブ6bは、第2端部ホルダ30の第2円筒孔31を介して、円筒セル2の第2長さ方向X2の電極端子3と接合している。
【0030】
また、第1タブ6aは、第1長さ方向X1に配置された第2ケース72の第1壁部73と当接している。さらに、第1タブ6aは、第1端部ホルダ10の第1長さ方向X1の端部と当接している。よって、円筒セル2から中間ホルダ20に移動した熱は、第1端部ホルダ10、第1タブ6a、第1壁部73の順で移動し、第1壁部73からケース70の外部に放出される。
【0031】
第2タブ6bは、第2長さ方向X2に配置された第2ケース72の第2壁部74と当接している。また、第2タブ6bは、第2端部ホルダ30の第2長さ方向X2の端部と当接している。よって、円筒セル2から中間ホルダ20に移動した熱は、第2端部ホルダ30、第2タブ6b、第2壁部74の順で移動し、第2壁部74からケース70の外部に放出される。
【0032】
図7は、
図4のVII-VII線矢視断面図である。
図7に示すように、第2ケース72は、底壁部75を有している。この底壁部75には、上方に突出する突起75aが設けられている。この突起75aは、長さ方向に延在している。また、突起75aを平面方向で切った断面形状は、第1端部ホルダ10の溝17a(
図6参照)、中間ホルダ20の溝27a、及び第2端部ホルダ30の溝(不図示)と同一形状である。そして、突起75aは、第1端部ホルダ10の溝17a(
図6参照)、中間ホルダ20の溝27a、及び第2端部ホルダ30の溝(不図示)に入り込んでいる。
【0033】
また、第2ケース72は、第1幅方向Y1に配置される第3壁部76と、第2幅方向Y2に配置される第4壁部77と、を有している。第3壁部76及び第4壁部77は、第1端部ホルダ10、中間ホルダ20、及び第2端部ホルダ30のそれぞれを幅方向の側面と当接している。よって、ケース70内で、電池ユニット1が幅方向にガタつくことないように位置決めされている。
【0034】
図8は、円筒セルの中心線に沿って電池パックを切った断面図であり、詳細には、
図3のVIII-VIII線矢視断面図である。次に、セルホルダ5の詳細について説明する。中間ホルダ20は、弾性変形可能な弾性体で形成されている。弾性変形可能な材料としては、ゴムが挙げられる。具体的には、中間ホルダ20を形成するゴムとして、天然ゴム、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、ポリウレタンゴム、シリコーンゴムが挙げられる。
【0035】
一方で、第1端部ホルダ10及び第2端部ホルダ30は、樹脂で形成されている。具体的には、第1端部ホルダ10及び第2端部ホルダ30を形成する樹脂として、ABS(スチレン・アクリロニトル・ブタジエン)、EP(エポキシ樹脂)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、PA(ポリアミド(6ナイロン))、PBTP(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PE(ポリエチレン(低密度)、及びポリエチレン(高密度))、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PESF(ポリエーテルサルホン)、PETP(ポリエチレンテレフタレート)、PF(フェノール樹脂)、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロビニルエーテル共重合体)、PI(ポリイミド)、PMMA(ポリメチルメタクリレート(アクリル))、POM(ポリアセタール(ジュラコン))、PP(ポリプロピレン)、PPE(ポリフェニレンサルファイド)、PS(ポリスチレン)、PSF(ポリサルホン)、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)、PVC(ポリ塩化ビニル(硬質)及びポリ塩化ビニル(軟質))、SI(シリコーン樹脂)が挙げられる。
【0036】
なお、上記したゴムのヤング率は、0.7GPa未満である。一方で、上記した樹脂のヤング率は、1GPa以上2.5GPa以下である。よって、荷重が作用した場合、樹脂(第1端部ホルダ10及び第2端部ホルダ30)は変形し難く、剛性が高い。
【0037】
また、第1円筒孔11の内径r1(
図6参照)及び第2円筒孔31の内径r3(
図8参照)は、通常の径である。この通常の径とは、円筒セル2の製造誤差を吸収できるように、円筒セル2の外径R(
図8参照)よりも僅かに大きい。よって、
図8に示すように、第1円筒孔11の内周面11aと円筒セル2の外周面2aの間には、微小の隙間が生じている。同様に、第2円筒孔31の内周面31aと円筒セル2の外周面2aの間には、微小の隙間が生じている。このため、円筒セル2の熱は、第1端部ホルダ10及び第2端部ホルダ30に移動し難い。なお、円筒セル2と第1端部ホルダ10の間の隙間と、円筒得る2と第2端部ホルダ30との間の隙間は、微小であるため、
図4で図示されていない。
【0038】
一方で、中間円筒孔21の内径r2(
図3参照)は、円筒セル2の外径Rよりも小さい。このため、中間円筒孔21の内周面21aは、円筒セル2の外周面2aに隙間なく密着している。よって、円筒セル2の熱は、中間ホルダ20に移動し易い(
図8の矢印A1参照)。また、中間ホルダ20は、ゴムで形成され、比熱が高い。このことからも、円筒セル2から中間ホルダ20に多くの熱が移動する。また、密着しているため、円筒セル2が中間円筒孔21の内周面21aに摺動しない。これにより円筒セル2と中間円筒孔21の内周面21aの間で摩擦熱が発生し難い。そのほか、中間ホルダ20は、弾性体で形成されているため、円筒セル2の製造誤差を吸収できる。
【0039】
第1合わせ面40は、中間ホルダ20の第1縁部23と、第1端部ホルダ10の第3縁部13と、により構成される。
図4に示すように、第1縁部23の合流部23a及び第3縁部13の合流部13aを円筒セル2の中心線Xに沿って切った断面形状は、平面方向(仮想平面Hを参照)と平行である。よって、第1縁部23の合流部23a及び第3縁部13の合流部13aは、平面方向と平行な平坦面41を構成している。
【0040】
一方、
図8に示すように、第1縁部23の独立部23b及び第3縁部13の独立部13bを円筒セル2の中心線Xに沿って切った断面形状は、平面方向(仮想平面Hを参照)に対し交差している。よって、第1縁部23の独立部23b及び第3縁部13の独立部13bは、平面方向と交差する交差面42を構成している。詳細には、交差面42の断面形状は、直線状の斜面である。より詳細には、斜面(交差面42)の断面形状は、円筒セル2から離れるにつれて、第2長さ方向X2に位置するように傾斜している。
【0041】
よって、第1合わせ面40は、交差面42を含んでいる。このため、第1合わせ面40が平坦面41のみで構成される場合よりも、第1縁部23と第3縁部13との接触面積が増加している。よって、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に熱が移動し易い(
図8の矢印A2参照)。また、本実施形態では、独立部23b及び独立部13bの全てが斜面(交差面42)となっており、斜面(交差面42)が周方向に延びている。このため、独立部23b及び独立部13bの一部のみに斜面(交差面42)が設けられている場合よりも、第1縁部23と第3縁部13との接触面積が増加している。この理由からも、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に熱が移動し易い。以上から、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に多くの熱が移動する。
【0042】
また、第2合わせ面50は、中間ホルダの第2縁部25と、第2端部ホルダの第4縁部33と、で構成される。
図4に示すように、第2縁部25の合流部25a及び第4縁部33の合流部33aを円筒セル2の中心線Xに沿って切った断面形状は、平面方向と平行である。よって、第2縁部25の合流部25a及び第4縁部33の合流部33aは、平面方向と平行な平坦面51を構成している。
【0043】
一方、
図8に示すように、第2縁部25の独立部25b及び第4縁部33の独立部33bを円筒セル2の中心線Xに沿って切った断面形状は、平面方向に対し交差している。よって、第2縁部25の独立部25b及び第4縁部33の独立部33bは、平面方向に対し交差する交差面52を構成している。詳細には、交差面52の断面形状は、直線状の斜面である。より詳細には、斜面(交差面52)の断面形状は、円筒セル2から離れるにつれて、第1長さ方向X1に位置するように傾斜している。また、独立部25b及び独立部33bの全てが斜面(交差面52)である。以上から、第2縁部25と第4縁部33の接触面積は増加し、中間ホルダ20から第2端部ホルダ30に多くの熱が移動する(
図8の矢印A3参照)。
【0044】
以上、実施形態1の電池ユニット1によれば、円筒セル2から第1端部ホルダ10及び第2端部ホルダ30に効率良く熱が移動する。このため、円筒セル2の高温化が回避され、円筒セル2の長寿命化を図ることできる。また、セルホルダ5のうち、第1端部ホルダ10及び第2端部ホルダ30は、剛性が高く、円筒セル2を支持する支持強度が高い。よって、電池パック100に外力が入力しても、円筒セル2が損傷し難い。
【0045】
以上、実施形態について説明したが、本開示は実施形態で示した例に限定されない。例えば、実施形態では、交差面42、52は、第1合わせ面40及び第2合わせ面50の両方に設けられているが、本開示は、第1合わせ面40及び第2合わせ面50のうち少なくとも一方に設けられていればよい。
【0046】
本実施形態では、交差面42、52は、独立部13b、23b、25b、33bに設けられているが、本開示は、合流部13a、23a、25a、33aに設けられていてもよい。また、交差面42、52は、第1縁部23、第2縁部25、第3縁部13、第4縁部33の全周に設けられていてもよい。そのほか、交差面42、52が周方向に断続的に設けられていてもよい。つまり、第1縁部23、第2縁部25、第3縁部13、第4縁部33に対し、交差面42、52と平坦面41、51が交互に設けられていてもよい。
【0047】
また、交差面42、52の断面形状について、実施形態で示した例に限定されない。例えば、第1合わせ面40に斜面(交差面52)を適用し、第2合わせ面50に斜面(交差面42)を適用してもよい。また、交差面42、52の断面形状は、斜面以外の形状であってもよい。以下、斜面以外の交差面42、52について説明する。なお、以下の変形例では、第1合わせ面40を代表例として説明するが、変形例で示した傾斜面は第2合わせ面50の方に適用してもよい。
【0048】
(変形例1)
図9は、変形例1の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。変形例1の電池ユニット1Aにおいて、第1合わせ面40Aは、中間ホルダ20の第1縁部23Aと、第1端部ホルダ10の第3縁部13Aと、からなる。第1縁部23Aは、第1斜面28aと、第2斜面28bと、を有している。第1斜面28aは、円筒セル2から径方向外側に離れるにつれて第1長さ方向X1に位置するように傾斜している。第2斜面28bは、第1斜面28aの径方向外側の端部から円筒セル2から径方向外側に離れるにつれて第2方向に位置するように傾斜している。このため、第1縁部23Aの断面形状は、V字状であり、第1長さ方向X1に向かうにつれて尖っている。
【0049】
また、第3縁部13Aは、第3斜面18aと、第4斜面18bと、を有している。第3斜面18aは、円筒セル2から径方向外側に離れるにつれて第1長さ方向X1に位置するように傾斜している。第4斜面18bは、第3斜面18aの径方向外側の端部から円筒セル2から径方向外側に離れるにつれて第2長さ方向X2に位置するように傾斜している。よって、第3縁部13Aの断面形状は、V字状であり、第1長さ方向X1に向かうにつれて、第3斜面18aと第4斜面18bの間の幅が狭い。そして、第1斜面28aと第3斜面18aとが当接し、第2斜面28bと第4斜面18bとが当接している。
【0050】
以上、変形例1の第1合わせ面40Aは、断面形状がV字状の交差面42Aを含んでおり、接触面積が増加している。よって、実施形態と同様に、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に効率良く熱が移動する。
【0051】
(変形例2)
図10は、変形例2の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。変形例2の電池ユニット1Bにおいて、第1合わせ面40Bは、中間ホルダ20の第1縁部23Bと、第1端部ホルダ10の第3縁部13Bと、からなる。第1縁部23Bは、第1斜面28cと、第2斜面28dと、を有している。第1斜面28cは、円筒セル2から径方向外側に離れるにつれて第2長さ方向X2に位置するように傾斜している。第2斜面28dは、第1斜面28cの径方向外側の端部から円筒セル2から径方向外側に離れるにつれて第1長さ方向X1に位置するように傾斜している。よって、第1縁部23Bの断面形状は、V字状であり、第2長さ方向X2に向かうにつれて、第1斜面28cと第2斜面28dの間の幅が狭い。
【0052】
また、第3縁部13Bは、第3斜面18cと、第4斜面18bと、を有している。第3斜面18cは、円筒セル2から径方向外側に離れるにつれて第2長さ方向X2に位置するように傾斜している。第4斜面18bは、第3斜面18cの径方向外側の端部から円筒セル2から径方向外側に離れるにつれて第1長さ方向X1に位置するように傾斜している。このため、第3縁部13Bの断面形状は、V字状であり、第2長さ方向X2に向かうにつれて尖っている。そして、第1斜面28cと第3斜面18cとが当接し、第2斜面28dと第4斜面18dとが当接している。
【0053】
以上、変形例1の第1合わせ面40Bは、断面形状がV字状の交差面42Bを含んでおり、接触面積が増加している。よって、実施形態と同様に、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に効率良く熱が移動する。
【0054】
(変形例3)
図11は、変形例3の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。変形例3の電池ユニット1Cにおいて、第1合わせ面40Cは、中間ホルダ20の第1縁部23Cと、第1端部ホルダ10の第3縁部13Cと、からなる。第1縁部23Cの断面形状は、円弧面であり、中央部が第1長さ方向X1に突出している。第3縁部13Cの断面形状は、円弧面であり、中央部が第1長さ方向X1に窪んでいる。そして、第3縁部13Cは、第1縁部23Cに当接している。交差面42Cの断面形状が円弧状である。以上、変形例3の第1合わせ面40Cは、断面形状の円弧状の交差面42Cを含んでおり、接触面積が増加している。よって、実施形態と同様に、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に効率良く熱が移動する。
【0055】
(変形例4)
図12は、変形例4の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。変形例4の電池ユニット1Dにおいて、第1合わせ面40Dは、中間ホルダ20の第1縁部23Dと、第1端部ホルダ10の第3縁部13Dと、からなる。第1縁部23Dの断面形状は、円弧面であり、中央部が第2長さ方向X2に窪んでいる。第3縁部13Dの断面形状は、円弧面であり、中央部が第2長さ方向X2に突出している。そして、第3縁部13Dは、第1縁部23Dに当接している。交差面42Dの断面形状が円弧状である。以上、変形例4の第1合わせ面40Dは、断面形状の円弧状の交差面42Dを含んでおり、接触面積が増加している。よって、実施形態と同様に、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に効率良く熱が移動する。
【0056】
(変形例5)
図13は、変形例5の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図であり、詳細には
図14のXIII-XIII線で切った断面図である。
図14は、変形例5の電池ユニットの中間ホルダを第1長さ方向から視た図面である。
図13に示すように、変形例5の電池ユニット1Eにおいて、第1合わせ面40Eは、中間ホルダ20の第1縁部23Eと、第1端部ホルダ10の第3縁部13Eと、からなる。
【0057】
図13、
図14に示すように、第1縁部23Eは、平面方向に平坦な平坦面29aと、平坦面29aから第1長さ方向に突出する柱部29bと、を備えている。柱部20を長さ方向から視ると円形状である。つまり、柱部29は、円柱状に形成されている。また、柱部29bは、円筒セル2の中心線Xから径方向に2つずつとなるように配置されている。さらに、径方向に並ぶ2つの柱部29bは、円筒セル2の中心線Xを中心に周方向に複数配置されている。よって、
図13に示すように、第1縁部23Eは、平坦面29aと、平坦面29aから突出する2つの柱部29と、を有している。よって。第1縁部23Eの断面形状は、矩形波形状である。
【0058】
また、第3縁部13Eは、平面方向に平坦な平坦面19aと、平坦面19aから第1長さ方向に窪む穴19bと、を備えている。この穴19bは、柱部29bが挿入される穴である。よって、穴19bは、柱部29bに対応し、円筒セル2の中心線Xから径方向に2つずつとなるように配置されている。さらに、径方向に並ぶ2つの穴19bは、円筒セル2の中心線Xを中心に周方向に複数配置されている。よって、
図13に示すように、第3縁部13Eは、平坦面19aと、平坦面19aから窪む2つの2つの穴19と、を有している。よって、第3縁部13Eの断面形状は、矩形波形状である。
【0059】
変形例5によれば、第1合わせ面40Eの断面形状は、矩形波形状である。よって、第1合わせ面40Eの断面形状には、長さ方向に延びる直線状の交差面42Eが4つ含まれ、接触面積が増加している。このため、実施形態と同様に、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に効率良く熱が移動する。なお、変形例5によれば、4つの交差面42Eを含む矩形波形状は、周方向に断続的に設けられている。
【0060】
(変形例6)
図15は、変形例6の電池ユニットを円筒セルの中心線に沿って切った断面図であり、詳細には
図16のXV-XV線で切った断面図である。
図16は、変形例6の電池ユニットの中間ホルダを第1長さ方向から視た図面である。
図15に示すように、変形例6の電池ユニット1Fにおいて、第1合わせ面40Fは、中間ホルダ20の第1縁部23Fと、第1端部ホルダ10の第3縁部13Fと、からなる。
【0061】
図15、
図16に示すように、第1縁部23Fは、平面方向に平坦な平坦面29aと、平坦面29aに設けられた第1突条29c及び第2突条29dと、を有している。第2突条29dは、第1突条29cに対し、内周側に配置されている。第1突条29c及び第2突条29dは、平坦面29aから第1長さ方向X1に突出している。第1突条29c及び第2突条29dの断面形状は、それぞれ矩形状である。第1突条29c及び第2突条29dは、円筒セル2の中心線Xを中心に周方向に連続し、環状(円形状)に形成されている。よって、
図15に示すように、第1縁部23Fの断面形状は、矩形波形状である。
【0062】
また、第3縁部13Fは、平面方向に平坦な平坦面19aと、平坦面19aから第1長さ方向に窪む第1溝19c及び第2溝19dと、を有している。第1溝19cは、第1突条29cが挿入される溝である。第2溝19dは、第2突条29dが挿入される溝である。よって、第2溝19dは、第1溝19cに対し、内周側に配置されている。第1溝19c及び第2溝19dは、平坦面19aから第1長さ方向に窪んでいる。第1溝19c及び第2溝19dの断面形状が矩形状である。また、特に図示しないが、第1溝19c及び第2溝19dは、円筒セル2の中心線Xを中心に周方向に連続し、環状(円形状)である。よって、
図15に示すように、第3縁部13Fの断面形状は、平坦面19aから第1溝19c及び第2溝19dが窪み、矩形波形状である。
【0063】
変形例6によれば、第1合わせ面40Fの断面形状は、矩形波形状である。よって、第1合わせ面40Fの断面形状には、長さ方向に延びる直線状の交差面42Fが4つ含まれ、接触面積が増加している。このため、実施形態と同様に、中間ホルダ20から第1端部ホルダ10に効率良く熱が移動する。また、変形例6によれば、4つの交差面42Fを含む矩形波形状は、周方向に断続的に設けられている。
【0064】
以上、交差面の変形例について説明した。次に、第1合わせ面の断面形状と第2合わせ面の断面形状が異なる例を説明する。
【0065】
(変形例7)
図17は、変形例7の電池パックを円筒セルの中心線に沿って切った断面図である。変形例7の電池ユニット1Gの第1合わせ面40Gは、実施形態1の第1合わせ面40が適用されている。つまり、第1合わせ面40Gは、円筒セル2から離れるにつれて、第2長さ方向X2に位置するように傾斜する斜面(交差面42G)を有している。一方で、電池ユニット1Gの第2合わせ面50Gは、変形例3の第1合わせ面40Cが適用されている。つまり、第2合わせ面50Gは、径方向の中央部が第1長さ方向に突出する円弧面状の交差面52Gを有している。
【0066】
以上から、中間ホルダ20の第1縁部23Gの断面形状は、第2長さ方向X2に位置するように傾斜する斜面である。一方で、第2縁部25Gの断面形状は、径方向の中央部が第1長さ方向に窪む円弧面である。よって、第1縁部23Gと第2縁部25Gの形状が相違しているため、中間ホルダ20の向きが視認できる。この結果、中間ホルダ20に対し円筒セル2の向きを誤って挿入する、ということが回避され、生産性が向上する。
【0067】
以上、実施形態と各変形例について説明した。また、本開示の中間ホルダは、ゴムのみからなるものに限定されず、例えば、ゴム内にパラフィンなどの相変化材料が含まれていてもよい。なお、相変化材料とは、温度などの環境変化により状態を変化させるものである。そして、これによれば、ゴム単独で製造されている場合よりも、中間ホルダ20の比熱が高くなる。よって、さらに効率良く熱を端部ホルダ(第1端部ホルダ10、第2端部ホルダ30)に移動させることができる。
【0068】
なお、本開示は、以下のような構成の組み合わせであってもよい。
(1)
電極端子が同じ方向を向くように配置された複数の円筒セルと、
複数の前記円筒セルを保持するセルホルダと、
を備え、
前記セルホルダは、前記円筒セルの長さ方向に順に配置された、第1端部ホルダ、中間ホルダ、及び第2端部ホルダを有し、
前記中間ホルダは、
前記円筒セルの長さ方向に貫通し、前記円筒セルの前記長さ方向の中間部が収容される中間円筒孔と、
前記中間円筒孔から前記第1端部ホルダの方に開口する第1開口部と、
前記第1開口部の縁部である第1縁部と、
前記中間円筒孔から前記第2端部ホルダの方に開口する第2開口部と、
前記第2開口部の縁部である第2縁部と、
を有し、
前記第1端部ホルダは、
前記長さ方向に貫通し、前記円筒セルの長さ方向の一端部が収容される第1円筒孔と、
前記第1円筒孔から前記中間ホルダの方に開口する第3開口部と、
前記第3開口部の縁部である第3縁部と、
を有し、
前記第2端部ホルダは、
前記長さ方向に貫通し、前記円筒セルの長さ方向の他端部が収容される第2円筒孔と、
前記第2円筒孔から前記中間ホルダの方に開口する第4開口部と、
前記第4開口部の縁部である第4縁部と、
を有し、
前記第1円筒孔と前記中間円筒孔と前記第2円筒孔は、前記長さ方向に順に配置されて、1つの前記円筒セルが収容されるセル収容部を形成し、
前記セル収容部は、複数の前記円筒セルと同数設けられており、
前記第1縁部と前記第3縁部は当接し、前記長さ方向から視て環状の第1合わせ面を構成しており、
前記第2縁部と前記第4縁部は当接し、前記長さ方向から視て環状の第2合わせ面を構成しており、
前記第1合わせ面の断面形状及び前記第2合わせ面の断面形状のうち少なくとも一方は、前記長さ方向と直交する平面方向に対し交差する交差面を含んでおり、
前記中間円筒孔の内径は、前記円筒セルの外径よりも小径である
電池ユニット。
(2)
前記交差面は、周方向に延在している
(1)に記載の電池ユニット。
(3)
前記交差面は、周方向に延在し、環状に形成されている
(1)に記載の電池ユニット。
(4)
前記第1縁部と前記第2縁部の形状が相違している
(1)から(3)のいずれか1つに記載の電池ユニット。
(5)
前記交差面の断面形状は、直線状の斜面である
(1)から(4)のいずれか1つに記載の電池ユニット。
(6)
前記斜面の断面形状は、前記円筒セルから離れるにつれて、前記中間ホルダから視て前記第1端部ホルダが配置される第1長さ方向に位置するように傾斜している
(5)に記載の電池ユニット。
(7)
前記斜面の断面形状は、前記円筒セルから離れるにつれて、前記中間ホルダから視て前記第2端部ホルダが配置される第2長さ方向に位置するように傾斜している
(5)に記載の電池ユニット。
(8)
前記交差面の断面形状は、円弧面である
(1)から(4)のいずれか1つに記載の電池ユニット。
(9)
前記交差面の断面形状は、直線状に傾斜した斜面を2つ組み合わせたV状である
(1)から(4)のいずれか1つに記載の電池ユニット。
(10)
前記交差面は、長さ方向に直線状に延びており、
前記第1合わせ面の断面形状及び前記第2合わせ面の断面形状のうち少なくとも一方は、矩形波形状である
(1)から(4)のいずれか1つに記載の電池ユニット。
(11)
前記矩形波形状は、周方向に断続的に設けられている
(10)に記載の電池ユニット。
(12)
前記矩形波形状は、周方向に連続的に設けられている
(10)に記載の電池ユニット。
(13)
前記第1端部ホルダ及び前記第2端部ホルダは、熱可塑性樹脂で形成され、
前記中間ホルダは、弾性体で形成されている
(1)から(12)のいずれか1つに記載の電池ユニット。
(14)
前記弾性体に、相変化材料が含まれている
(13)に記載の電池ユニット。
【符号の説明】
【0069】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G 電池ユニット
2 円筒セル
5 セルホルダ
6 タブ
7 制御基板
10 第1端部ホルダ
11 第1円筒孔
12 第3開口部
13、13A、13B、13C、13D、13E、13F 第3縁部
13a、23a、25a、33a 合流部
13b、23b、25b、33b 独立部
20 中間ホルダ
21 中間円筒孔
22 第1開口部
23、23A、23B、23C、23D、23E、23F 第1縁部
24 第2開口部
25 第2縁部
30 第2端部ホルダ
31 第2円筒孔
32 第4開口部
33 第4縁部
40、40A、40B、40C、40D、40E、40F、40G 第1合わせ面
41、51 平坦面
42、42A、42B、42C、42D、42E、42F、42G、52、52G 交差面
50、50G 第2合わせ面
70 ケース
100 電池パック