(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119461
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026372
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木林 傑
(72)【発明者】
【氏名】加治 俊之
(72)【発明者】
【氏名】西 史人
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】画像中の先行車両の照明の判別をより簡便に行う。
【解決手段】車両の進行方向を撮像した第1の画像と、車両の進行方向を第1の画像とは異なる時間に撮像した第2の画像と、を取得する。第1の画像及び第2の画像に基づいて、車両の進行方向を撮像した画像における、車両に先行する先行車両が備える光源を含む部分領域を設定する。車両の進行方向を撮像した複数の画像における部分領域に基づいて、光源の発光の周期性を評価する。周期性に基づいて、光源の種類を特定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の進行方向を撮像した第1の画像と、前記車両の進行方向を前記第1の画像とは異なる時間に撮像した第2の画像と、を取得する取得手段と、
前記第1の画像及び前記第2の画像に基づいて、前記車両の進行方向を撮像した画像における、前記車両に先行する先行車両が備える光源を含む部分領域を設定する設定手段と、
前記車両の進行方向を撮像した複数の画像における前記部分領域に基づいて、前記光源の発光の周期性を評価する評価手段と、
前記周期性に基づいて、前記光源の種類を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記評価手段は、前記周期性として、前記光源が所定の周期で点滅しているか否かの評価を行い、
前記特定手段は、前記光源が所定の周期で点滅しているか否かの評価に応じて、前記種類を特定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記光源が所定の周期で点滅していると評価された場合には、前記光源をウィンカーとして特定することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記光源が所定の周期で点滅していないと評価された場合には、前記光源が点灯しているか否かの評価をさらに行い、
前記光源が点灯していると評価された場合には、前記光源をブレーキランプとして特定することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定手段は、前記部分領域を分割した領域の一部を用いて、前記光源が点灯しているか否かの評価を行うことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定手段は、前記部分領域を分割した領域の一部として、前記車両の進行方向を撮像した画像におけるy座標所定以下の領域を用いることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の画像と前記第2の画像とを撮像する時間差は、前記先行車両が備える光源の発光の周期性に基づいて設定されることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記評価手段は、前記複数の画像における前記部分領域の画素値の変化に基づいて、前記周期性を評価することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記評価手段は、前記複数の画像における前記部分領域の画素値を周波数領域に変換することによって、前記周期性を評価することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定手段は、前記第1の画像と前記第2の画像との差分に基づいて、前記部分領域を設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記設定手段は、前記部分領域を、前記車両の進行方向を撮像した画像の、右端又は左端から所定幅の領域に含まれるように設定することを特徴とする、請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
特定した前記光源の種類に応じて、前記車両の運転支援を制御することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
車両の進行方向を撮像した第1の画像と、前記車両の進行方向を前記第1の画像とは異なる時間に撮像した第2の画像と、を取得する取得工程と、
前記第1の画像及び前記第2の画像に基づいて、前記車両の進行方向を撮像した画像における、前記車両に先行する先行車両が備える光源を含む部分領域を設定する設定工程と、
前記車両の進行方向を撮像した複数の画像における前記部分領域に基づいて、前記光源の発光の周期性を評価する評価工程と、
前記周期性に基づいて、前記光源の種類を特定する特定工程と、
を備えることを特徴とする、情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至12の何れか一項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車外環境の撮像結果に基づいて先行車両や障害物などの対象物を特定し、特定結果から車両の制御を行う技術が存在する。例えば特許文献1においては、車外環境の明るさに応じた露光時間で撮像した画像と、画像中の発光源が自発光しているか否かを判別可能な露光時間で撮像した画像と、に基づいて、画像中の先行する車両に発光源の位置を対応付ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、発光源が自発光しているか否かを判別可能な露光時間を設定するのが困難である場合があった。また、露光時間の異なる画像を交互に取得するためには、汎用的でない専用のカメラを用意しなければならない場合もあった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、画像中の先行車両の照明の判別をより簡便に行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
車両の進行方向を撮像した第1の画像と、前記車両の進行方向を前記第1の画像とは異なる時間に撮像した第2の画像と、を取得する取得手段と、
前記第1の画像及び前記第2の画像に基づいて、前記車両の進行方向を撮像した画像における、前記車両に先行する先行車両が備える光源を含む部分領域を設定する設定手段と、
前記車両の進行方向を撮像した複数の画像における前記部分領域に基づいて、前記光源の発光の周期性を評価する評価手段と、
前記周期性に基づいて、前記光源の種類を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とする、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像中の先行車両の照明の判別をより簡便に行うことを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの一例を示す図。
【
図4】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図。
【
図5】本実施形態に係る部分領域を説明するための図。
【
図6】本実施形態に係る情報処理装置による処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】本実施形態に係る部分領域の別の例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、車両の進行方向を撮像した第1の画像と、車両の進行方向を第1の画像とは異なる時間に撮像した第2の画像と、を取得する。また情報処理装置は、第1の画像及び第2の画像に基づいて、車両の進行方向を撮像した画像における、先行車両が備える光源を含む部分領域を設定する。さらに情報処理装置は、車両の進行方向を撮像した複数の画像における部分領域に基づいて、光源の発光の周期性を評価し、評価した周期性に基づいて、光源の種類を特定する。本実施形態においては、情報処理装置は車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)であり、各処理結果に応じて車両の制御を行うことが可能であるものとするが、同様の動作が可能なのであれば例えばサーバなど車両と別体の装置であってもよく、これらに限定されるわけではない。
【0011】
[システム]
以下、
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理装置110を備える車両100に係る車両制御システム(以下、単に「システム」とも称する)に関して説明を行う。
図1は、情報処理装置110による、本実施形態に係る車両制御システムを提供する情報処理システムの構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置110は車両100の車載装置である。
図1の例では、車両100は、
図2に示されるような構成による運転支援技術を利用した自動運転を行っており、先行車両である車両101に自動追従しているものとする。
【0012】
図1に例示されるシステムにおいては、情報処理装置110は、車両100の進行方向を撮像した画像を取得する。ここでは、車両100が備える撮像装置120が車両の進行方向を撮像し、その撮像結果を情報処理装置110が取得することができる。
図1の例では、車両100に先行する先行車両である車両101が存在し、撮像装置120は車両100の前方(進行方向)を撮像することにより、車両101の背面(進行方向の反対側の面)を撮像している。本実施形態に係る撮像装置120は、後述する
図3の周囲検知ユニット6aと同一の撮像装置であるものとするが、車両100が撮像装置120として別個の撮像装置を備えていてもよい。また、以下においては情報処理装置110及び撮像装置120は別体の装置であるものとして説明を行うが、例えば情報処理装置110が撮像装置120に内蔵されているなど、情報処理装置110が行うものとして説明を行う機能の一部又は全てを撮像装置120が行うような構成であってもよい。
【0013】
図2は、撮像装置120により撮像された車両101の背面の画像の一例である。画像200においては、車両101のが背面に有する照明の1つである、進行方向に向かって右側のウィンカー201が点灯している。以下において、本実施形態に係る撮像装置120による画像はRGBで表現されるものとして説明を行うが、同様の処理及び評価が可能であればCMYKなど他の形式が用いられてもよい。
【0014】
情報処理装置110は、撮像装置120から取得した画像に基づいて、後述する各種処理を実行し、画像中の車両101が備える光源の種類を特定する。情報処理装置110による処理については
図4及び
図5を参照して後述する。ここで、情報処理装置110は、特定した光源の種類に基づいて、例えば車両100の運転支援を行い、車両101との車間距離を調節してもよい。この運転支援の制御の例に関しては
図2を参照して説明する。
【0015】
[車両100の構成]
図3は、本実施形態に本実施形態に係る情報処理装置110を備える車両100の構成の一例を示すブロック図である。
図1においては、車両100はその概略が平面図と側面図とで示されている。本実施形態の車両100は、一例として、セダンタイプの四輪の乗用車であり、例えばパラレル方式のハイブリッド車両でありうる。なお、車両100は、四輪乗用車に限られるものではなく、鞍乗型車両(自動二輪車、自動三輪車)であってもよいし、トラックやバスなどの大型車両であってもよい。
【0016】
情報処理装置110は、車両100の運転支援を含む車両100の制御を実行する電子回路であるコントローラ301を含む。コントローラ301は、複数のECUを備える。ECUは例えば情報処理装置110の機能ごとに設けられる。各ECUは、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェース等を含む。記憶デバイスには、プロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。インタフェースは、入出力インタフェースや通信インタフェースが含まれる。各ECUは、複数のプロセッサ、複数の記憶デバイス及び複数のインタフェースを備えていてもよい。
【0017】
コントローラ301は、パワーユニット(パワープラント)2を制御することによって車両100の駆動(加速)を制御する。パワーユニット2は、車両100の駆動輪を回転させる駆動力を出力する走行駆動部であり、内燃機関、モータ及び自動変速機を含むことができる。モータは、車両100を加速させる駆動源として利用可能であるとともに、減速時等において発電機としても利用可能である(回生制動)。
【0018】
本実施形態の場合、コントローラ301は、アクセルペダルAPに設けられた操作検知センサ2aやブレーキペダルBPに設けられた操作検知センサ2bにより検知した運転者の運転操作や車速等に対応して、内燃機関やモータの出力を制御したり、自動変速機の変速段を切り替えたりする。なお、自動変速機には車両100の走行状態を検知するセンサとして、自動変速機の出力軸の回転数を検知する回転数センサ2cが設けられている。車両100の車速は、回転数センサ2cの検知結果から演算可能である。
【0019】
コントローラ301は、油圧装置3を制御することによって車両100の制動(減速)を制御する。ブレーキペダルBPに対する運転者の制動操作はブレーキマスタシリンダBMにおいて液圧に変換されて油圧装置3に伝達される。油圧装置3は、ブレーキマスタシリンダBMから伝達された液圧に基づいて、四輪にそれぞれ設けられたブレーキ装置3a(例えばディスクブレーキ装置)に供給する作動油の液圧を制御可能なアクチュエータである。
【0020】
コントローラ301は、油圧装置3が備える電磁弁等の駆動制御を行うことにより、車両100の制動を制御することができる。また、コントローラ301は、ブレーキ装置3aによる制動力と、パワーユニット2が備えるモータの回生制動による制動力との配分を制御することにより、電動サーボブレーキシステムを構成することもできる。コントローラ301は、制動時にブレーキランプ3bを点灯させてもよい。
【0021】
コントローラ301は、電動パワーステアリング装置4を制御することによって車両100の操舵を制御する。電動パワーステアリング装置4は、ステアリングホイールSTに対する運転者の運転操作(操舵操作)に応じて前輪を操舵する機構を含む。電動パワーステアリング装置4は、操舵操作のアシストあるいは前輪を自動操舵するための駆動力(操舵アシストトルクと表記することがある)を発揮するモータを含む駆動ユニット4a、操舵角センサ4b、運転者が負担する操舵トルク(操舵負担トルクと呼び、操舵アシストトルクと区別する。)を検知するトルクセンサ4c等を含む。
【0022】
コントローラ301は、後輪に設けられている電動パーキングブレーキ装置3cを制御する。電動パーキングブレーキ装置3cは、後輪をロックする機構を備える。コントローラ301は電動パーキングブレーキ装置3cによる後輪のロック及びロック解除を制御可能である。
【0023】
コントローラ301は、車内に情報を報知する情報出力装置5を制御する。情報出力装置5は、例えば、運転者に対して画像により情報を報知する表示装置5a、及び/又は、運転者に対して音声により情報を報知する音声出力装置5bを含む。表示装置5aは、例えばインストルメントパネル、ステアリングホイールSTに設けられうる。表示装置5aはヘッドアップディスプレイであってもよい。情報出力装置5は、乗員に対して振動や光により情報を報知してもよい。また、コントローラ301は、入力装置6を介して乗員(例えば運転者)から指示入力を受け付ける。入力装置6は、運転者が操作可能な位置に配置され、例えば、運転者が車両100に対して指示を行うスイッチ群6a、及び/又は、方向指示器(ウインカー)を作動させるウインカーレバー6bを含む。
【0024】
コントローラ301は、車両100の現在位置及び進路(姿勢)を認識・判定する。本実施形態の場合、車両100には、ジャイロセンサ5aと、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサ5bと、通信装置5cとが設けられる。ジャイロセンサ5aは、車両100の回転運動(ヨーレート)を検知する。GNSSセンサ5bは、車両100の現在位置を検知する。また、通信装置5cは、地図情報や交通情報を提供するサーバと無線通信を行い、これらの情報を取得する。本実施形態の場合、コントローラ301は、ジャイロセンサ5a及びGNSSセンサ5bの検知結果に基づいて車両100の進路を判定するとともに、当該進路に関する高精度な地図情報を通信装置5cを介してサーバから逐次取得してデータベース5d(記憶デバイス)に格納する。なお、車両100には、車両100の速度を検知する速度センサや、車両100の加速度を検知する加速度センサなど、車両100の状態を検知するためのセンサが設けられてもよい。
【0025】
コントローラ301は、車両100に設けられた各種の検知ユニットの検知結果に基づいて車両100の運転支援を実行する。車両100には、車両100の外部(周囲状況)を検知する外界センサである周囲検知ユニット6a~6bと、車内の状況(運転者の状態)を検知する車内センサである車内検知ユニット7a~7bとが設けられている。コントローラ301は、周囲検知ユニット6a~6bの検知結果に基づいて車両100の周囲状況を把握し、当該周囲状況に応じて運転支援を実行することができる。また、コントローラ301は、車内検知ユニット7a~7bの検知結果に基づいて、運転支援を実行する際に運転者に課される所定の動作義務を運転者が行っているか否かを判定することができる。
【0026】
周囲検知ユニット6aは、車両100の前方を撮影する撮像装置であり、例えば車両100のルーフ前部におけるフロントウィンドウの車室内側に取り付けられる。コントローラ301は、前方カメラ6aで撮影された画像を解析することにより、物標の輪郭抽出や道路上の車線の区画線(白線等)を抽出することができる。
【0027】
本実施形態に係る周囲検知ユニット6aは、撮像装置120と別体の撮像装置であってもよく、撮像装置120として車両101の背面の撮像を行ってもよい。
【0028】
周囲検知ユニット6bは、ミリ波レーダであり(以下、レーダ6bと表記することがある)、電波を用いて車両100の周囲の物標を検知し、物標までの距離や、車両100に対する物標の方向(方位)を検知(計測)する。
図1に示す例では、レーダ6bは5つ設けられており、車両100の前部の中央に1つ、前部の左右の各隅部に1つずつ、後部の左右の各隅部に1つずつ設けられている。
【0029】
なお、車両100に設けられる周囲検知ユニットは、上記の構成に限られず、カメラの数及びレーダの数を変更してもよいし、車両100の周囲の物標を検知するライダ(LIDAR:Light Detection and Ranging)が設けられてもよい。
【0030】
車内検知ユニット7aは、車内を撮影する撮像装置であり(以下、車内カメラ7aと表記することがある)、例えば車内Vのルーフ前部における車室内側に取り付けられる。本実施形態の場合、車内カメラ7aは、運転者(例えば運転者の目や顔)を撮影するドライバーモニタカメラである。コントローラ301は、車内カメラ7aで撮影された画像(運転者の顔画像)を解析することにより、運転者の視線や顔の向きを判定することができる。
【0031】
車内検知ユニット7bは、運転者によるステアリングホイールSTの把持を検知する把持センサであり(以下、把持センサ7bと表記することがある)、例えばステアリングホイールSTの少なくとも一部に設けられる。なお、車内検知ユニットとしては、運転者の操舵トルクを検知するトルクセンサ4cが用いられてもよい。
【0032】
車両100の運転支援としては、例えば、加減速支援と車線維持支援と車線変更支援とを挙げることができる。加減速支援は、パワーユニット2及び油圧装置3を制御することにより、先行車との車間距離を保ちながら所定の車速内で車両100の加減速を制御する運転支援(ACC:Adaptive Cruise Control)である。車線維持支援は、電動パワーステアリング装置4を制御することにより、車両100を車線の内側に維持させる運転支援(LKAS:Lane Keeping Assist System)である。車線変更支援とは、電動パワーステアリング装置4を制御することにより、隣接車線へ車両100の走行車線を変更する運転支援(ALC:Auto Lane Changing、ALCA:Active Lane Change Assist)である。また、コントローラ301で実行される運転支援は、油圧装置3を制御することにより道路上の物標(例えば歩行者や他車両、障害物)との衝突回避を支援する衝突軽減ブレーキ、ABS機能、トラクションコントロール、及び/又は、車両100の姿勢制御を含んでもよい。
【0033】
[情報処理装置110の機能構成]
次いで、
図4を参照して、本実施形態に係る情報処理装置110が行う情報処理について説明を行う。
図4は、情報処理装置110の機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置110は、取得部401、設定部402、評価部403、特定部404、及び制御部405を備えている。
【0034】
取得部401は、車両100の進行方向を撮像した画像を取得する。本実施形態に係る取得部401は、撮像装置120が撮像した画像を取得するものとするが、例えば情報処理装置110が撮像機能を有し、車両100の進行方向を撮像してもよい。以下、単に「撮像画像」と表現する場合、そのような車両100の進行方向を撮像した画像のことを指すものとする。本実施形態に係る取得部401は、第1の撮像画像と、第1の撮像画像とは異なる時間に撮像した第2の撮像画像と、を取得する。第1の撮像画像と第2の撮像画像との撮像の時間差は、先行車両が備える(想定される種類の)光源の発光の周期性に基づいて設定することが可能である。例えばこの時間差は、撮像画像における車両101が備える光源(例えば、ウィンカー)の点灯による変化を撮像可能な時間として、ユーザが任意に設定可能である。この第1の撮像画像と第2の撮像画像との撮像の時間差は、例えば想定されるウィンカーの点滅周期が毎分60回である場合には、一例として0.5秒間とすることができる。
【0035】
設定部402は、第1の撮像画像及び第2の撮像画像に基づいて、車両100の進行方向を撮像した画像における、車両100に先行する先行車両が備える光源を含む部分領域を設定する。本実施形態に係る設定部402は、例えば、第1の撮像画像と第2の撮像画像との差分に基づいて、撮像画像中の光源の位置を推定し、推定した光源を含む部分領域を設定することができる。
【0036】
ここで、設定部402による、撮像画像中の光源の位置を推定する処理の例について説明を行う。撮像画像において、先行車両が備えるランプ(光源)が点灯している場合にはその光源の位置の輝度(又は明度)が所定の値以上となることが考えられる。そのような観点から、設定部402は、輝度値が予め設定した所定の閾値以上となる撮像画像中の領域を、撮像画像中の光源の位置を示す領域として推定してもよい。この閾値は、撮像装置120における露光の設定や環境条件などに応じて所望の値に設定可能であるものとするが、例えば150としてもよい。なお、この処理は、撮像画像中の光源の位置を推定できるのであれば任意の技術により行うことが可能であり、例えばRGB値がそれぞれ所定範囲内に存在する(例えばRが200以上、G及びBがそれぞれ50以上)領域が光源の位置として推定されてもよい。
【0037】
また、第1の撮像画像と第2の撮像画像との間で光源が明滅している場合には、第1の撮像画像と第2の撮像画像との差分において光源の位置の画素値が所定値以上となることが考えられる。そのような観点に基づいて、設定部402は、光源の位置を推定するために、第1の撮像画像と第2の撮像画像との差分を用いてもよい。例えば設定部402は、第1の撮像画像と第2の撮像画像との差分において画素値が所定値以上である領域のうち、第1の撮像画像及び/又は第2の撮像画像において光源の可能性があるとされる画素値の領域と重複する領域を、撮像画像中の光源の位置と推定することができる。ここで、設定部402は、画素値が特定の範囲である場合、例えば赤色と推定される範囲(例えば、Rが200以上、G及びBがそれぞれ50以下)又は黄色と推定される範囲(例えば、R及びGが200以上、Bが50以下)である場合に、そのような画素値を有する領域を光源の可能性がある領域とすることができる。
【0038】
設定部402は、上述の通り、撮像画像における、位置を推定した光源を含む部分領域を設定する。本実施形態においては、設定部402は、上述の部分領域として撮像画像上の光源を含む矩形の領域を設定するものとする。ここでは、設定部402は、光源を丁度含むような矩形の部分領域を設定してもよく、所定幅(例えば、20ピクセル)の余裕をもたせて光源を含むような矩形の部分領域を設定してもよい。また、例えば検出漏れのないように、この矩形の上下幅は、撮像画像から検出された車両の上下幅に応じて(例えば、車両の上下幅と同じ幅としても)設定されてもよい。
【0039】
なお、ここでは車両101の備える光源は、ウィンカー、ブレーキランプ、ハイマウントストップランプ、又はテールランプなどの種類の照明であり、これらの光源は車両101の背面の左右端付近に左右対称に配置されていることが考えられる。したがって、設定部402は、撮像画像の左端及び右端から所定幅の領域(以下、「左右領域」と呼ぶ)のうちから上述の部分領域を設定してもよい。例えば、設定部402は、960×960ピクセルの撮像画像のうち、左端及び右端からそれぞれ幅200ピクセルの領域を左右領域として設定し、その左右領域内で上述した部分領域を設定してもよい。この処理は、設定した左右領域内の画素を参照して光源の位置を推定するものであってもよく、撮像画像全体から光源の位置を推定し、その位置から設定される部分領域を左右領域内に限定する処理であってもよい。なお、ここでは各照明が左右に配置されていることを想定しているが、車両の背面の左右線対象軸上にも照明が配置されていることを想定して、上述の左右領域に加えてそのような線対象軸上を通る所定幅の領域からも部分領域を設定してもよい。
【0040】
図5は、本実施形態に係る左右領域上に設定される部分領域を例示した図である。
図5では、撮像装置120による第1の撮像画像510並びに第2の撮像画像520において、ブレーキランプ501a及び501bを備える車両101の背面が撮像されている。この第1の撮像画像510及び第2の撮像画像520では、左端から所定幅(ここでは200ピクセル)の左右領域502aと、右端から所定の左右領域502bと、が設定されている。第1の撮像画像510においてはブレーキランプ501a及び501bは点灯しておらず、第2の撮像画像においてはブレーキランプ501a及び501bが点灯している。そのため、
図5の例では、第1の撮像画像510と第2の撮像画像520との差分に基づいて、左右領域502a内に部分領域503aが、左右領域502b内に部分領域503bが設定されている。
【0041】
評価部403は、複数の撮像画像における部分領域に基づいて、光源の発光の周期性を評価する。ここでは、評価部403は、部分領域に存在する光源が所定の周期で点滅しているか、所定の周期で点滅せずに点灯しているかの評価を行うことができる。特定部404は、そのような周期性の評価に基づいて、部分領域に存在する光源の種類を特定する。ここでは、例えば特定部404は、所定の周期で点滅していると評価された光源をウィンカーとして、所定の周期で点滅していないと評価された光源をウィンカーでない(例えば、ブレーキランプ)ものとして特定してもよい。なお、ここで用いる複数の撮像画像は、部分領域の設定に用いた第1の撮像画像及び第2の撮像画像を含んでいてもそうでなくてもよい。
【0042】
本実施形態に係る評価部403は、撮像画像それぞれについて、部分領域の画素値に基づいて、部分領域に含まれる光源の発光の周期性を評価する。例えば、評価部403は、部分領域における輝度の平均を算出し、算出した平均値の履歴に基づいて周期性を評価してもよく、部分領域における画素のRGBそれぞれについて平均を算出し、算出した平均値の履歴から周波数領域を生成して周期性の評価を行ってもよい。このように算出して周期性の評価に用いられる、1つの撮像画像での部分領域における輝度又は画素値の平均を、以下においては単に「部分平均」と表現することがある。
【0043】
本実施形態に係るウィンカーは、車両の右左折又は進路変更の際に、点滅によりその方向を周囲に示す照明である。ここでは、ウィンカーは、毎分60回以上120回以下の周期で点滅を行うものとし、周期性の評価結果がそのような範囲であった場合には、特定部404がその光源はウィンカーであると特定するものとする。このように、本実施形態に係る特定部404は、光源の発光の周期性の評価結果に応じてその光源の種類を特定する。そのために、取得部401は、撮像装置120による撮像画像を複数(例えば所定期間中の各フレームを、又は0.5秒に1つなどの一定周期で)取得することができる。
【0044】
本実施形態に係る評価部403は、所定期間中に撮像された撮像画像における部分平均の履歴を蓄積し、蓄積した部分輝度平均の値から、周期性の評価を行うことができる。例えば評価部403は、所定期間中に撮像された撮像画像における部分平均において、ある種類の光源に対応する発光の周期性が検知されるか否かに応じて、その光源の発光の周期性の評価を行うことができる。また例えば、評価部403は所定期間中に撮像された撮像画像における部分平均のデータをフーリエ変換により周波数領域へと変換し、色の周期的な変化を抽出してもよい。これらの処理は、上述のような光源の周期的な点滅の有無を評価できるのであれば特にこのような処理には限定されず、画像中の光源の点滅を検知可能な他の公知の手法を用いてもよい。
【0045】
なお特定部404は、所定の周期で点滅していないと評価された光源について、部分領域の画素値(又は輝度)に基づいてその光源が(点滅せずに)点灯しているか否かを判定することができる。これは例えば、部分領域の平均画素値が、所定期間(例えば、2秒間)、光源が点灯しているものとして予め設定された所定範囲の画素値を維持した場合に、その光源が点灯しているものとしてもよい。また例えば特定部404は、所定期間の部分平均の履歴に基づいて光源が点滅せずに点灯したか否かの判定を行ってもよい。この処理は、一般的な光源検知処理と同様の処理により行うことが可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0046】
制御部405は、特定部404が特定した光源の種類に応じて車両100の運転支援の制御を行ってもよい。例えば制御部405は、特定部404によりブレーキランプである光源が特定されている場合、先行する車両101との車間距離を保つよう、加減速支援により車両100の減速を行うことができる。また例えば制御部405は、特定部404によりウィンカーである光源が特定されている場合、点滅しているウィンカーが示す方向に車両100の進行方向を制御し、車両101への追従走行の補助を行うことができる。
【0047】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置110が行う画像中の光源の種類の特定処理の一例を示すフローチャートである。
図6に係る処理は、車両100における運転支援を開始した場合にS601から開始するものとして説明を行う。
【0048】
S601で取得部401は、車両の進行方向を撮像した撮像画像を複数取得する。ここでは、取得部401は、撮像装置120が撮像する各フレームの撮像画像を取得するものとする。S602で設定部402は、部分領域の設定に用いる第1の撮像画像及び第2の撮像画像を、S601で取得した撮像画像の中から設定する。ここで設定部402は、あるフレームの撮像画像を第1の撮像画像とし、第1の撮像画像から所定期間の時間差で撮像された撮像画像を第2の撮像画像として設定する。なお、ここでは撮像画像の取得を行うS601と部分領域の設定で用いる撮像画像を設定するS602とにわけて処理を行うものとするが、S601で部分領域の設定で用いる撮像画像のみを取得するようにしてもよい。
【0049】
S603で設定部402は、第1の撮像画像と第2の撮像画像に基づいて、撮像画像中の光源の位置を推定する。ここでは、設定部402は、上述したように第1の撮像画像と第2の撮像画像との差分に基づいて光源の位置を推定する。光源の位置が推定できなかった場合処理はS602へと戻り、光源の位置が推定できた場合は処理がS604へと進む。
【0050】
S604で設定部402は、S603で推定した撮像画像中の光源の位置に基づいて、撮像画像における、先行車両(車両101)が備える光源を含む部分領域を設定する。ここでは、設定部402は、撮像画像中の左右領域を設定し、左右領域内に含まれるように部分領域の設定を行う。
【0051】
S605で評価部403は、複数の撮像画像における、S604で設定した部分領域に基づいて、光源の発光の周期性を評価する。ここでは、評価部403は、S601で取得した撮像画像を所定期間分用いて、各撮像画像の部分領域の画素値の平均の履歴から、光源の発光の周期性を評価する。
【0052】
S606で特定部404は、S605で評価した周期性に基づいて、撮像画像中の光源の種類を特定する。S607で制御部405は、S606で特定した光源の種類に基づいて車両100の運転支援の制御を行い、
図5の処理を終了する。
【0053】
このような処理によれば、車両の進行方向を撮像した撮像画像中の、先行車両が備える光源を含む部分領域を設定し、複数の撮像画像における部分領域に基づいて光源の発光の周期性を評価することができる。また、評価した周期性に基づいて光源の種類を特定することができる。したがって、光源の発光の周期性を評価して光源の種類を特定することにより、画像中の先行車両の照明の判別をより簡便に行うことが可能となる。
【0054】
なお、本実施形態においては撮像画像の左右端からの所定幅の領域を左右領域とし、その左右領域に含まれるように部分領域の設定を行ったが、部分領域の設定処理は特にこのように限定されるわけではない。例えば、設定部402は、撮像画像に写る光源の位置が上下端にに寄りすぎないであろうことを考えて、左右領域を、
図5に図示した左右領域502a及び502bから、上下端から所定幅分を除いた領域としてもよい。
【0055】
また、本実施形態に係る特定部404は、所定の周期で点滅していないと評価された光源について、部分領域全体の画素値に基づいてその光源が(点滅せずに)点灯しているか否かを判定するものとして説明を行った。しかしながら特定部404は、例えばブレーキランプが車両背面の下端に寄りすぎていることは想定されないことから、部分領域をさらに区分した領域を用いて、その光源が点灯しているか否かの判定を行ってもよい。例えば、特定部404は、部分領域をさらに複数の分割領域に分割し、そのうちの一部のみに対して(例えば、所定以下のy座標に存在する分割領域のみを用いて)光源が点灯しているか否かの判定を行ってもよい。ここでの座標は、左上端の座標を原点(0,0)とし、右下端の座標を(960,960)としたものである。
図7は、そのように設定される分割領域を説明するための図である。
【0056】
図7の例では、撮像画像700中に、
図5の部分領域と同様に設定される部分領域710a及び710bが設定されている。以下、左側の部分領域710aのみについて説明を行うが、特に左右差のない条件については右側の部分領域710についても同様の説明が適用される。ここで部分領域710aは、5つの分割領域711a~715aに分割されており、ブレーキランプ501aの位置は分割領域713aに対応している。例えば、これらの分割領域のうち、711a~714aのみについて光源が点灯しているか否かの判定を行うことにより、処理対象とする領域をより削ることにより処理負荷を低くすることができる。
【0057】
ここでは、特定部404は、所定期間中の輝度の平均値の分散(又は重心)が最も大きい分割領域を光源が点灯している領域としてもよく、そのような分散が閾値以上となるような分割領域光源が点灯している領域としてもよく、これらとは異なる処理を行ってもよい。また、ここでは輝度を参照するものとして説明を行ったが、ブレーキランプの点灯時には赤色の変化量が大きくなるであろうことを踏まえて、輝度の代わりにR値を用いてもよく、輝度よりもR値の重みがより大きくなるようなRGBの重み付き和を行った値を用いてもよい。
【0058】
また本実施形態においては、撮像画像の差分に基づいて光源の位置を推定し、推定した光源の位置を含むように部分領域が設定されるものとして説明を行ったが、部分領域が光源を含むのであればこのような処理を行う必要はない。例えば、設定部402は、左右領域をさらに複数の分割領域に分割し、分割領域それぞれの画素値に基づいて光源を含むと推定される分割領域を部分領域として設定してもよい。この領域の分割は、例えば
図7に示すようなものと同様に行うことができる。その場合、設定部402は、左右領域を分割した分割領域のそれぞれについて画素値を参照し、そのうちの何れか又は複数を部分領域として設定することができる。設定部402は例えば、分割領域ごとに輝度の平均(又は最大値など)を算出し、所定期間中に撮像される撮像画像における輝度の平均値の変化量に基づいて部分領域を設定してもよい。例えば、設定部402は、所定期間中の輝度の平均値の分散(又は重心)が最も大きい分割領域を部分領域としてもよく、そのような分散が閾値以上となるような分割領域を部分領域としてもよく、これらとは異なる判断基準により部分領域を設定してもよい。
図7の例と同様にここでは輝度を参照するものとして説明を行ったが、ブレーキランプの点灯時には赤色の変化量が大きくなるであろうことを踏まえて、輝度の代わりにR値を用いてもよく、輝度よりもR値の重みがより大きくなるようなRGBの重み付き和を行った値を用いてもよい。
【0059】
なお、上述した処理により部分領域を設定した後、又は光源の位置する分割領域を設定した後、そのような領域の追尾は公知の追尾技術により行うことが可能である。ここでは、そのような光源を含む領域を追尾するよう学習済みの追尾器を用いて追尾を行うものとし、ここでの詳細な説明は行わない。
【0060】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態には少なくとも以下の情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを開示している。
【0061】
1.上記実施形態の情報処理装置(例えば110)は、
車両の進行方向を撮像した第1の画像と、前記車両の進行方向を前記第1の画像とは異なる時間に撮像した第2の画像と、を取得する取得手段と、
前記第1の画像及び前記第2の画像に基づいて、前記車両の進行方向を撮像した画像における、前記車両に先行する先行車両が備える光源を含む部分領域を設定する設定手段と、
前記車両の進行方向を撮像した複数の画像における前記部分領域に基づいて、前記光源の発光の周期性を評価する評価手段と、
前記周期性に基づいて、前記光源の種類を特定する特定手段と、
を備える。
この実施形態によれば、画像中の先行車両の照明の判別をより簡便に行うことが可能となる。
【0062】
2.上記実施形態の情報処理装置では、
前記評価手段は、前記周期性として、前記光源が所定の周期で点滅しているか否かの評価を行い、
前記特定手段は、前記光源が所定の周期で点滅しているか否かの評価に応じて、前記種類を特定する。
この実施形態によれば、所定の周期で点滅する光源の判別を行うことが可能となる。
【0063】
3.上記実施形態の情報処理装置では、
前記特定手段は、前記光源が所定の周期で点滅していると評価された場合には、前記光源をウィンカーとして特定する。
この実施形態によれば、所定の周期で点滅する光源をウィンカーとして特定することが可能となる。
【0064】
4.上記実施形態の情報処理装置では、
前記特定手段は、前記光源が所定の周期で点滅していないと評価された場合には、前記光源が点灯しているか否かの評価をさらに行い、
前記光源が点灯していると評価された場合には、前記光源をブレーキランプとして特定する。
この実施形態によれば、点灯している光源をブレーキランプとして特定することが可能となる。
【0065】
5.上記実施形態の情報処理装置では、
前記特定手段は、前記部分領域を分割した領域の一部を用いて、前記光源が点灯しているか否かの評価を行う。
この実施形態によれば、処理負荷を軽減することが可能となる。
【0066】
6.上記実施形態の情報処理装置では、
前記特定手段は、前記部分領域を分割した領域の一部として、前記車両の進行方向を撮像した画像におけるy座標所定以下の領域を用いる。
この実施形態によれば、ブレーキランプが存在しないであろう領域による処理を省略することが可能となる。
【0067】
7.上記実施形態の情報処理装置では、
前記第1の画像と前記第2の画像とを撮像する時間差は、前記先行車両が備える光源の発光の周期性に基づいて設定される。
この実施形態によれば、想定される光源の発光の周期性に応じた間隔で撮像した画像を用いて光源の存在する領域を探索することが可能となる。
【0068】
8.上記実施形態の情報処理装置では、
前記評価手段は、前記複数の画像における前記部分領域の画素値の変化に基づいて、前記周期性を評価する。
この実施形態によれば、光源を含む領域の画素値の履歴に基づいて発光の周期性の評価を行うことが可能となる。
【0069】
9.上記実施形態の情報処理装置では、
前記評価手段は、前記複数の画像における前記部分領域の画素値を周波数領域に変換することによって、前記周期性を評価する。
この実施形態によれば、フーリエ変換により発光の周期性の評価を行うことが可能となる。
【0070】
10.上記実施形態の情報処理装置では、
前記設定手段は、前記第1の画像と前記第2の画像との差分に基づいて、前記部分領域を設定する。
この実施形態によれば、画素値の変化が生じている領域から光源を探索することが可能となる。
【0071】
11.上記実施形態の情報処理装置では、
前記設定手段は、前記部分領域を、前記車両の進行方向を撮像した画像の、右端又は左端から所定幅の領域に含まれるように設定する。
この実施形態によれば、光源の存在しているであろう領域から光源を探索することが可能となる。
【0072】
12.上記実施形態の情報処理装置では、
特定した前記光源の種類に応じて、前記車両の運転支援を制御する。
この実施形態によれば、発光している光源の種類に応じた運転支援を行うことが可能となる。
【0073】
13.上記実施形態の情報処理装置(例えば110)による情報処理方法は、
車両の進行方向を撮像した第1の画像と、前記車両の進行方向を前記第1の画像とは異なる時間に撮像した第2の画像と、を取得する取得工程と、
前記第1の画像及び前記第2の画像に基づいて、前記車両の進行方向を撮像した画像における、前記車両に先行する先行車両が備える光源を含む部分領域を設定する設定工程と、
前記車両の進行方向を撮像した複数の画像における前記部分領域に基づいて、前記光源の発光の周期性を評価する評価工程と、
前記周期性に基づいて、前記光源の種類を特定する特定工程と、
を備える。
この実施形態によれば、画像中の先行車両の照明の判別をより簡便に行うことが可能となる。
【0074】
14.上記実施形態のプログラムは、
コンピュータを、請求項1乃至11の何れか一項に記載の情報処理装置の各手段として機能させる。
この実施形態によれば、画像中の先行車両の照明の判別をより簡便に行うことが可能となる。
【0075】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
100:車両、110:情報処理装置、120:撮像装置