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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119493
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/14 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
E03C1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026421
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】山本 翔
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 陽一
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061BA08
2D061BB10
2D061BG04
(57)【要約】
【課題】給水路の屈曲部分におけるキンクの発生を抑制できる吐水装置を提供する。
【解決手段】パネル部と、パネル部に設けられた吐水部と、吐水部へ給水する給水部と、を備え、給水部は、給水源に接続される第1給水路と、第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、を有し、複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、第1給水路の外形寸法よりも小さく、吐水部は、複数の第2給水路の下流に接続され、複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、複数の第2給水路は、それぞれ、第1給水路に接続され上下方向に延びる上流部分と、合流部に接続され前後方向に延びる下流部分と、上流部分と下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、を有し、下流部分を位置決めする位置決め部が設けられた、吐水装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に対向するように設置されるパネル部と、
前記パネル部に設けられた吐水部と、
前記吐水部へ給水する給水部と、
を備え、
前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、
前記給水部は、
給水源に接続される第1給水路と、
前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、
を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、
前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、
前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、
前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向に延びる上流部分と、
前記吐水部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向に延びる下流部分と、
前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、
を有し、
前記下流部分を位置決めする位置決め部が設けられた、吐水装置。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記下流部分の下方への動きを規制する、請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記位置決め部は、前記下流部分の上方への動きを規制する、請求項2に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、本体部と、前記本体部を前後方向に貫通する孔と、を有し、
前記下流部分は、前記孔を通る、請求項3に記載の吐水装置。
【請求項5】
前記位置決め部は、複数の前記孔を有し、
複数の前記孔は、第1孔と、前記第1孔よりも下方に位置する第2孔と、を有し、
前記合流部は、第1接続部と、前記第1接続部よりも下方に位置する第2接続部と、を有し、
前記複数の第2給水路の前記下流部分の1つは、前記第1孔を通って、前記第1接続部に接続され、
前記複数の第2給水路の前記下流部分の他の1つは、前記第2孔を通って、前記第2接続部に接続される、請求項4に記載の吐水装置。
【請求項6】
前記位置決め部は、前記合流部の動きを規制する規制部を有する、請求項1~5のいずれか1つに記載の吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パネル部に吐水部を設け、パネル部と設置面との間の収容空間に可撓性を有する複数の給水路を収容した吐水装置がある(例えば、特許文献1)。このような吐水装置において、パネル部を薄くするために、複数の給水路を合流させる合流部を、パネル部と設置面との間の収容空間ではなく、吐水部に設けることが考えられる。このような構造にすると、パネル部の収容空間から吐水部(合流部)に向かって屈曲するように複数の給水路を配置することになる。そのため、屈曲部分の屈曲角度が過度に小さくなると、屈曲部分においてキンクが発生しやすい。
【0003】
このような吐水装置を施工する際には、設置面側(後方側)から順に部品を取り付けるため、前方側から後方側に向かって力がかかった状態で部品が取り付けられる場合がある。前方側から後方側に向かって力がかかった状態で部品が取り付けられると、給水路に対して意図しない方向から力がかかり、屈曲部分の屈曲角度が過度に小さくなる場合がある。
【0004】
給水路においてキンクが発生すると、吐水部からの吐水に乱れが生じる、吐水部から吐水されない、などの吐水の不具合が発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-067996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、給水路の屈曲部分におけるキンクの発生を抑制できる吐水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、設置面に対向するように設置されるパネル部と、前記パネル部に設けられた吐水部と、前記吐水部へ給水する給水部と、を備え、前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、前記給水部は、給水源に接続される第1給水路と、前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、を有し、前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、前記複数の第2給水路は、それぞれ、前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向に延びる上流部分と、前記吐水部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向に延びる下流部分と、前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、を有し、前記下流部分を位置決めする位置決め部が設けられた、吐水装置である。
【0008】
この吐水装置によれば、第2給水路の下流部分(すなわち、合流部と屈曲部分との間の部分)を位置決めする位置決め部を設けることで、施工する際などに給水路に対して力がかかったとしても、屈曲部分の屈曲角度(曲げR)が過度に小さくなることを抑制できる。これにより、屈曲部分におけるキンクの発生を抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合を抑制できる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記位置決め部は、前記下流部分の下方への動きを規制する、吐水装置である。
【0010】
この吐水装置によれば、位置決め部が第2給水路の下流部分の下方への動きを規制することで、施工する際などに下流部分を下方へ動かす力がかかったとしても、下流部分の下方への動きを規制できる。これにより、屈曲部分におけるキンクの発生をより確実に抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合をより確実に抑制できる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、前記位置決め部は、前記下流部分の上方への動きを規制する、吐水装置である。
【0012】
この吐水装置によれば、位置決め部が第2給水路の下流部分の上方への動きを規制することで、施工する際や給水圧がかかった際に下流部分を上方へ動かす力がかかったとしても、下流部分の上方への動きを規制できる。これにより、下流部分が上方に動いて吐水が乱れることを抑制できる。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、前記位置決め部は、本体部と、前記本体部を前後方向に貫通する孔と、を有し、前記下流部分は、前記孔を通る、吐水装置である。
【0014】
この吐水装置によれば、下流部分が位置決め部の孔を通ることで、施工する際などに下流部分を上下方向へ動かす力や左右方向へ動かす力がかかったとしても、下流部分の上下方向及び左右方向への動きを規制できる。これにより、屈曲部分におけるキンクの発生をより確実に抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合をより確実に抑制できるとともに、下流部分が上方や左右方向に動いて吐水が乱れることを抑制できる。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、前記位置決め部は、複数の前記孔を有し、複数の前記孔は、第1孔と、前記第1孔よりも下方に位置する第2孔と、を有し、前記合流部は、第1接続部と、前記第1接続部よりも下方に位置する第2接続部と、を有し、前記複数の第2給水路の前記下流部分の1つは、前記第1孔を通って、前記第1接続部に接続され、前記複数の第2給水路の前記下流部分の他の1つは、前記第2孔を通って、前記第2接続部に接続される、吐水装置である。
【0016】
この吐水装置によれば、合流部が上下方向の位置が異なる複数の接続部(第1接続部及び第2接続部)を有することで、合流部が左右方向に並んだ(すなわち、上下方向の位置が同じである)複数の接続部を有する場合と比べて、合流部の左右方向の幅を小さくすることができ、吐水部の左右方向の幅を小さくすることができる。また、位置決め部が上下方向の位置が異なる複数の孔(第1孔及び第2孔)を有し、複数の第2給水路の下流部分の1つが第1孔を通って第1接続部に接続され、複数の第2給水路の下流部分の他の1つが第2孔を通って第2接続部に接続されることで、上下方向の位置が異なる複数の接続部に接続される場合にも、下流部分におけるねじれなどの発生を抑制できる。これにより、屈曲部分におけるキンクの発生をより確実に抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合をより確実に抑制できる。
【0017】
第6の発明は、第1~第5のいずれか1つの発明において、前記位置決め部は、前記合流部の動きを規制する規制部を有する、吐水装置である。
【0018】
この吐水装置によれば、位置決め部が合流部の動きを規制する規制部を有することで、吐水時に合流部において発生する暴れを規制できる。これにより、合流部の暴れによる吐水の乱れを抑制できる。また、位置決め部が合流部の動きを規制する規制部を有することで、給水路の屈曲部分におけるキンクの発生をより確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の態様によれば、給水路の屈曲部分におけるキンクの発生を抑制できる吐水装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る吐水装置を前方側から見た斜視図である。
図2】実施形態に係る吐水装置を後方側から見た斜視図である。
図3】実施形態に係る吐水装置の分解斜視図である。
図4】実施形態に係る吐水装置の給水部の正面図である。
図5】実施形態に係る吐水装置の吐水部の周辺の断面図である。
図6】実施形態に係る吐水装置の位置決め部と合流部の位置関係を示す背面図である。
図7】実施形態に係る吐水装置の位置決め部と合流部の位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る吐水装置を前方側から見た斜視図である。
図2は、実施形態に係る吐水装置を後方側から見た斜視図である。
図3は、実施形態に係る吐水装置の分解斜視図である。
図4は、実施形態に係る吐水装置の給水部の正面図である。
図1図4に表したように、実施形態に係る吐水装置100は、パネル部10と、手洗器20と、給水部30と、吐水部40と、センサ50と、位置決め部60と、ガイド部70と、を備えている。
【0022】
吐水装置100は、例えば、トイレ室に設けられる。吐水装置100は、例えば、トイレ室において、便器の側方に設けられたカウンターの上に設けられる。
【0023】
パネル部10は、設置面Sに対向するように設置される。設置面Sは、例えば、トイレ室の壁である。パネル部10は、例えば、設置面Sにねじ止めなどで固定された取付材を介して、設置面Sに取り付けられる。取付材とパネル部10とは、例えば、面ファスナーなどにより、接続される。パネル部10を設置面Sに取り付ける手段は、これに限定されない。パネル部10は、例えば、樹脂製である。
【0024】
パネル部10は、前面部10aと、上面部10bと、下面部10cと、左側面部10dと、右側面部10eと、を有する。前面部10aは、上下方向及び左右方向に広がる板状である。上面部10bは、前面部10aの上端から後方に延びており、パネル部10の上端を構成している。下面部10cは、前面部10aの下端から後方に延びており、パネル部10の下端を構成している。左側面部10dは、前面部10aの左側端から後方に延びており、パネル部10の左側端を構成している。右側面部10eは、前面部10aの右側端から後方に延びており、パネル部10の右側端を構成している。パネル部10は、前方に向かって窪む凹形状である。
【0025】
なお、本願明細書においては、吐水装置100と向き合う使用者からみて手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とし、上側を「上方」とし、下側を「下方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0026】
パネル部10は、収容空間11を有する。収容空間11は、前面部10aと設置面Sとの間の空間である。つまり、収容空間11は、前面部10a、上面部10b、下面部10c、左側面部10d、右側面部10e、及び設置面Sによって囲まれた空間である。収容空間11は、給水部30の少なくとも一部(第2給水路32)を収容する。また、前後方向において収容空間11と重なる位置には、前面部10aを前後方向に貫通する孔12が設けられている。給水部30の少なくとも一部(第2給水路32)は、収容空間11から孔12を通って、前面部10aよりも前方側に延びるように配置される。
【0027】
また、パネル部10は、前面部10aの背面側に設けられ、後方に向かって突出するリブ13を有する。リブ13は、例えば、前後方向において、収容空間11と重ならない位置に設けられる。この例では、パネル部10は、複数のリブ13を有する。リブ13を設けることで、パネル部10の反りなどを抑制できる。
【0028】
手洗器20は、吐水部40から吐出された水を受ける。手洗器20は、パネル部10の前方に設けられる。手洗器20は、前面部10aに接する。手洗器20と前面部10aとが接する箇所には、例えば、手洗器20と前面部10aとの間の隙間を埋めるためのコーキング材が設けられる。手洗器20は、例えば、カウンターに載置される。手洗器20は、例えば、陶器製である。手洗器20は、ボウル部21と、載置部22と、を有する。
【0029】
ボウル部21は、下方に向かって窪む凹形状である。この例では、ボウル部21は、上方が開放された箱状である。ボウル部21は、吐水部40の下に設けられ、吐水部40から吐出された水を受ける。ボウル部21の底には、図示しない排水口が設けられており、受けた水を排水口から排出する。
【0030】
載置部22は、物品を載置可能な棚として機能する。載置部22の上面は、例えば、平面である。載置部22は、ボウル部21の側方に設けられる。この例では、載置部22は、ボウル部21の右側方に設けられている。載置部22は、ボウル部21の左側方に設けられていてもよい。載置部22は、例えば、石鹸やハンドソープなどを置くための棚として機能する。載置部22は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0031】
給水部30は、吐水部40へ給水する。給水部30は、吐水部40の上流に接続される。給水部30は、給水源WSと吐水部40との間に設けられる。給水部30は、第1給水路31と、複数の第2給水路32と、分岐継手33と、を有する。第1給水路31及び第2給水路32は、それぞれ、水が通過可能なチューブである。第1給水路31及び第2給水路32は、例えば、樹脂製である。この例では、給水部30は、2つの第2給水路32を有する。給水部30は、3つ以上の第2給水路32を有していてもよい。
【0032】
第1給水路31は、給水源WSの下流に接続される。複数の第2給水路32は、それぞれ、分岐継手33を介して、第1給水路31の下流に接続される。吐水部40(合流部43)は、複数の第2給水路32の下流に接続される。つまり、第1給水路31は、給水源WSと複数の第2給水路32との間に設けられる。また、複数の第2給水路32は、それぞれ、第1給水路31と吐水部40(合流部43)との間に設けられる。
【0033】
より具体的には、第1給水路31の上流端は、給水源WSに接続される。第1給水路31の下流端は、分岐継手33の上流端に接続される。複数の第2給水路32の上流端は、それぞれ、分岐継手33の下流端に接続される。複数の第2給水路32の下流端は、それぞれ、吐水部40(合流部43)に接続される。
【0034】
複数の第2給水路32の外形寸法ED2は、それぞれ、第1給水路31の外形寸法ED1よりも小さい。複数の第2給水路32の外形寸法ED2は、例えば、それぞれ、同じである。複数の第2給水路32は、それぞれ、可撓性を有する。第1給水路31は、可撓性を有していてもよいし、可撓性を有していなくてもよい。
【0035】
吐水部40は、水を吐出する。吐水部40は、例えば、下方に向けて水を吐出する。吐水部40は、パネル部10の前面部10aに設けられる。吐水部40は、前後方向において、孔12と重なる位置に設けられる。
【0036】
この例では、吐水部40は、パネル部10の前面部10aから前方に向かって略垂直に延びている。吐水部40は、例えば、前方に向かうにつれて下方に向かうように斜めに延びていてもよい。つまり、吐水部40は、例えば、パネル部10の前面部10aから前下方に向かって斜めに延びていてもよい。
【0037】
吐水部40は、カバー部41と、固定具42と、合流部43と、泡沫キャップ44と、を有する。カバー部41は、吐水部40の外郭を構成する。カバー部41は、固定具42、合流部43、及び泡沫キャップ44を覆っている。カバー部41は、例えば、樹脂製である。この例では、カバー部41は、パネル部10の前面部10aと一体である。カバー部41は、パネル部10の前面部10aから分離可能であってもよい。
【0038】
固定具42は、カバー部41内に設けられている。固定具42は、合流部43及び泡沫キャップ44の位置を固定する。合流部43及び泡沫キャップ44の位置を固定することで、吐水方向が固定される。固定具42は、手洗いする手に対して適切な方向に吐水されるように、合流部43及び泡沫キャップ44の位置を固定する。固定具42は、例えば、接着剤、両面テープ、超音波溶着、ねじなどにより、カバー部41に対して固定される。固定具42は、例えば、樹脂製である。
【0039】
合流部43は、カバー部41内に設けられている。合流部43は、複数の第2給水路32の下流に接続される。合流部43は、複数の第2給水路32の水を合流させて、吐出する。つまり、給水源WSから供給された水は、第1給水路31を流れて、複数の第2給水路32に分岐し、複数の第2給水路32のそれぞれを流れて、合流部43において合流し、吐出される。合流部43は、例えば、樹脂製である。合流部43については、後述する。
【0040】
泡沫キャップ44は、カバー部41内に設けられている。泡沫キャップ44は、合流部43の下流端に設けられている。泡沫キャップ44を設けることで、吐水部40から吐出される水の流れを整えることができる。泡沫キャップ44は、例えば、金属製である。泡沫キャップ44は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0041】
センサ50は、使用者の手を検出する。センサ50は、センサ本体51と、ケーブル52と、を有する。センサ本体51は、例えば、赤外線センサである。センサ本体51は、ケーブル52を介して、図示しない制御部と電気的に接続される。センサ本体51は、検出結果を制御部に出力する。制御部は、例えば、検出結果に基づいて、吐水部40からの水の吐出の開始や停止を制御する。センサ50は、必要に応じて設けられ、省略可能である。センサ50が省略される場合には、例えば、吐水部40からの水の吐出の開始や停止の操作を行うための操作部が設けられる。
【0042】
位置決め部60は、第2給水路32の一部(下流部分32b)を位置決めする。位置決め部60は、固定具42に対して、ねじ止めなどにより固定される。位置決め部60は、例えば、樹脂製である。位置決め部60については、後述する。
【0043】
ガイド部70は、第2給水路32の少なくとも一部(上流部分32a)を案内する。この例では、ガイド部70は、パネル部10の前面部10aの背面側から後方に向かって突出するリブである。また、この例では、ガイド部70は、パネル部10と一体である。ガイド部70は、前後方向において、収容空間11と重なる位置に設けられている。
【0044】
ガイド部70は、例えば、パネル部10の前面部10aの背面側に設けられた凹部(ザグリ)であってもよい。ガイド部70は、例えば、第2給水路32の少なくとも一部(上流部分32a)をひっかけるフックであってもよい。ガイド部70は、例えば、第2給水路32の少なくとも一部(上流部分32a)を前面部10aの背面側に貼り付けるシールであってもよい。ガイド部70は、パネル部10から分離可能であってもよい。ガイド部70は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0045】
図5は、実施形態に係る吐水装置の吐水部の周辺の断面図である。
図5は、図1に示したA1-A2線による断面図である。
図5に表したように、複数の第2給水路32は、それぞれ、収容空間11から、収容空間11の前方側に位置する孔12に向かって屈曲し、孔12を通って、孔12の前方側に位置する吐水部40内に延びる。
【0046】
複数の第2給水路32は、それぞれ、上流部分32aと、下流部分32bと、屈曲部分32cと、を有する。上流部分32aは、第1給水路31(分岐継手33)に接続される。上流部分32aは、上下方向に延びる。上流部分32aは、収容空間11内に配置される。下流部分32bは、合流部43(接続部431)に接続される。下流部分32bは、前後方向に延びる。下流部分32bは、前後方向に水平に延びていてもよいし、前方に向かうにつれて下方に向かうように延びていてもよいし、前方に向かうにつれて上方に向かうように延びていてもよい。また、前方に向かうにつれて右側方に向かうように延びていてもよいし、前方に向かうにつれて左側方に向かうように延びていてもよい。下流部分32bは、吐水部40内(カバー部41内)に配置される。屈曲部分32cは、上流部分32aと下流部分32bとの間で屈曲する。
【0047】
合流部43は、接続部431と、吐水口432と、を有する。接続部431は、合流部43の上流端に位置する。接続部431は、複数の第2給水路32の下流部分32bが接続される部分である。接続部431は、複数設けられる。接続部431の数は、第2給水路32の数と同じである。吐水口432は、合流部43の下流端に位置する。吐水口432は、複数の第2給水路32から供給された水を吐出する。泡沫キャップ44は、吐水口432に設けられている。
【0048】
位置決め部60は、第2給水路32の下流部分32bを位置決めする。より具体的には、位置決め部60は、例えば、下流部分32bの下方への動きを規制する。位置決め部60は、例えば、下流部分32bの下方に位置する。位置決め部60は、例えば、下流部分32bの下面と接する。また、位置決め部60は、例えば、下流部分32bの上方への動きを規制する。位置決め部60は、例えば、下流部分32bの上方に位置する。位置決め部60は、例えば、下流部分32bの上面と接する。
【0049】
この例では、位置決め部60は、本体部61と、孔62と、を有する。本体部61は、上下方向及び左右方向に広がる板状である。孔62は、本体部61を前後方向に貫通する。複数の第2給水路32の下流部分32bは、それぞれ、孔62を通る。これにより、位置決め部60は、下流部分32bの上下方向及び左右方向への動きを規制する。
【0050】
このように、第2給水路32の下流部分32b(すなわち、合流部43と屈曲部分32cとの間の部分)を位置決めする位置決め部60を設けることで、施工する際などに給水路(第2給水路32)に対して力がかかったとしても、屈曲部分32cの屈曲角度(曲げR)が過度に小さくなることを抑制できる。これにより、屈曲部分32cにおけるキンクの発生を抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合を抑制できる。
【0051】
また、位置決め部60が第2給水路32の下流部分32bの下方への動きを規制することで、施工する際などに下流部分32bを下方へ動かす力がかかったとしても、下流部分32bの下方への動きを規制できる。これにより、屈曲部分32cにおけるキンクの発生をより確実に抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合をより確実に抑制できる。
【0052】
また、位置決め部60が第2給水路32の下流部分32bの上方への動きを規制することで、施工する際や給水圧がかかった際に下流部分32bを上方へ動かす力がかかったとしても、下流部分32bの上方への動きを規制できる。これにより、下流部分32bが上方に動いて吐水が乱れることを抑制できる。
【0053】
また、下流部分32bが位置決め部60の孔62を通ることで、施工する際などに下流部分32bを上下方向へ動かす力や左右方向へ動かす力がかかったとしても、下流部分32bの上下方向及び左右方向への動きを規制できる。これにより、屈曲部分32cにおけるキンクの発生をより確実に抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合をより確実に抑制できるとともに、下流部分32bが上方や左右方向に動いて吐水が乱れることを抑制できる。
【0054】
位置決め部60は、規制部63をさらに有する。規制部63は、前後方向及び左右方向に広がる板状である。規制部63は、合流部43の一部と接する。これにより、規制部63は、合流部43の動きを規制する。
【0055】
このように、位置決め部60が合流部43の動きを規制する規制部63を有することで、吐水時に合流部43において発生する暴れを規制できる。これにより、合流部43の暴れによる吐水の乱れを抑制できる。また、位置決め部60が合流部43の動きを規制する規制部63を有することで、給水路(第2給水路32)の屈曲部分32cにおけるキンクの発生をより確実に抑制できる。
【0056】
図6は、実施形態に係る吐水装置の位置決め部と合流部の位置関係を示す背面図である。
図7は、実施形態に係る吐水装置の位置決め部と合流部の位置関係を示す平面図である。
図6及び図7に表したように、合流部43は、複数の接続部431を有する。より具体的には、合流部43は、第1接続部431aと、第2接続部431bと、を有する。
【0057】
第2接続部431bは、第1接続部431aよりも下方に位置する。つまり、第2接続部431bの上下方向の位置は、第1接続部431aの上下方向の位置とずれている。より具体的には、背面視において、第2接続部431bの中心C2は、第1接続部431aの中心C1よりも下方に位置する。つまり、第2接続部431bの中心C2の上下方向の位置は、第1接続部431aの中心C1の上下方向の位置とずれている。第2接続部431bは、第1接続部431aよりも上方に位置していてもよい。第2接続部431bの中心C2は、第1接続部431aの中心C1よりも上方に位置していてもよい。
【0058】
また、位置決め部60は、複数の孔62を有する。より具体的には、位置決め部60は、第1孔62aと、第2孔62bと、を有する。
【0059】
第2孔62bは、第1孔62aよりも下方に位置する。つまり、第2孔62bの上下方向の位置は、第1孔62aの上下方向の位置とずれている。より具体的には、背面視において、第2孔62bの中心C4は、第1孔62aの中心C3よりも下方に位置する。つまり、第2孔62bの中心C4の上下方向の位置は、第1孔62aの中心C3の上下方向の位置とずれている。第2孔62bは、第1孔62aよりも上方に位置していてもよい。第2孔62bの中心C4は、第1孔62aの中心C3よりも上方に位置していてもよい。
【0060】
この例では、第2孔62bは、第1孔62aとつながっている。第2孔62bは、第1孔62aとつながっていなくてもよい。
【0061】
第1孔62aは、第1接続部431aと対応する位置に設けられている。第1孔62aは、前後方向において、第1接続部431aと重なる位置に設けられている。第2孔62bは、第2接続部431bと対応する位置に設けられている。第2孔62bは、前後方向において、第2接続部431bと重なる位置に設けられている。
【0062】
複数の第2給水路32の下流部分32bの1つは、第1孔62aを通って、第1接続部431aに接続されている。複数の第2給水路32の下流部分32bの他の1つは、第2孔62bを通って、第2接続部431bに接続されている。
【0063】
このように、合流部43が上下方向の位置が異なる複数の接続部431(第1接続部431a及び第2接続部431b)を有することで、合流部43が左右方向に並んだ(すなわち、上下方向の位置が同じである)複数の接続部431を有する場合と比べて、合流部の左右方向の幅を小さくすることができ、吐水部40の左右方向の幅を小さくすることができる。
【0064】
また、位置決め部60が上下方向の位置が異なる複数の孔62(第1孔62a及び第2孔62b)を有し、複数の第2給水路32の下流部分32bの1つが第1孔62aを通って第1接続部431aに接続され、複数の第2給水路32の下流部分32bの他の1つが第2孔62bを通って第2接続部431bに接続されることで、上下方向の位置が異なる複数の接続部431に接続される場合にも、下流部分32bにおけるねじれなどの発生を抑制できる。これにより、屈曲部分32cにおけるキンクの発生をより確実に抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合をより確実に抑制できる。
【0065】
なお、位置決め部60は、上述のものに限定されず、例えば、下流部分32bを覆うパイプなどであってもよい。また、この場合、位置決め部60は、下流部分32bに加えて、屈曲部分32cや上流部分32aの一部を覆うパイプであってもよい。
【0066】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0067】
(構成1)
設置面に対向するように設置されるパネル部と、
前記パネル部に設けられた吐水部と、
前記吐水部へ給水する給水部と、
を備え、
前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、
前記給水部は、
給水源に接続される第1給水路と、
前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、
を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、
前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、
前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、
前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向に延びる上流部分と、
前記吐水部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向に延びる下流部分と、
前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、
を有し、
前記下流部分を位置決めする位置決め部が設けられた、吐水装置。
【0068】
(構成2)
前記位置決め部は、前記下流部分の下方への動きを規制する、構成1に記載の吐水装置。
【0069】
(構成3)
前記位置決め部は、前記下流部分の上方への動きを規制する、構成1または2に記載の吐水装置。
【0070】
(構成4)
前記位置決め部は、本体部と、前記本体部を前後方向に貫通する孔と、を有し、
前記下流部分は、前記孔を通る、構成1~3のいずれか1つに記載の吐水装置。
【0071】
(構成5)
前記位置決め部は、複数の前記孔を有し、
複数の前記孔は、第1孔と、前記第1孔よりも下方に位置する第2孔と、を有し、
前記合流部は、第1接続部と、前記第1接続部よりも下方に位置する第2接続部と、を有し、
前記複数の第2給水路の前記下流部分の1つは、前記第1孔を通って、前記第1接続部に接続され、
前記複数の第2給水路の前記下流部分の他の1つは、前記第2孔を通って、前記第2接続部に接続される、構成4に記載の吐水装置。
【0072】
(構成6)
前記位置決め部は、前記合流部の動きを規制する規制部を有する、構成1~5のいずれか1つに記載の吐水装置。
【0073】
以上のように、実施形態によれば、給水路の屈曲部分におけるキンクの発生を抑制できる吐水装置が提供される。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、吐水装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0075】
10:パネル部
10a:前面部
10b:上面部
10c:下面部
10d:左側面部
10e:右側面部
11:収容空間
12:孔
13:リブ
20:手洗器
21:ボウル部
22:載置部
30:給水部
31:第1給水路
32:第2給水路
32a:上流部分
32b:下流部分
32c:屈曲部分
33:分岐継手
40:吐水部
41:カバー部
42:固定具
43:合流部
431:接続部
431a:第1接続部
431b:第2接続部
432:吐水口
44:泡沫キャップ
50:センサ
51:センサ本体
52:ケーブル
60:位置決め部
61:本体部
62:孔
62a:第1孔
62b:第2孔
63:規制部
70:ガイド部
100:吐水装置
C1~C4:中心
ED1、ED2:外形寸法
S:設置面
WS:給水源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7