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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119494
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】吐水装置
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/14 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
E03C1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026422
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】山本 翔
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 陽一
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061BA08
2D061BB10
2D061BG04
(57)【要約】
【課題】給水路の屈曲部分におけるキンクの発生を抑制できる吐水装置を提供する。
【解決手段】パネル部と、パネル部に設けられた吐水部と、吐水部へ給水する給水部と、を備え、給水部は、給水源に接続される第1給水路と、第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、を有し、第2給水路は、可撓性を有し、第2給水路の外形寸法は、第1給水路の外形寸法よりも小さく、吐水部は、第2給水路の下流に接続され、第2給水路の水を合流させる合流部を有し、第2給水路は、第1給水路に接続され上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、合流部に接続され前後方向に延びる下流部分と、上流部分と下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、を有し、上流部分は、屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分を有する、吐水装置。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に対向するように設置されるパネル部と、
前記パネル部に設けられた吐水部と、
前記吐水部へ給水する給水部と、
を備え、
前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、
前記給水部は、
給水源に接続される第1給水路と、
前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、
を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、
前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、
前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、
前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、
前記吐水部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向に延びる下流部分と、
前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、
を有し、
前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分を有する、吐水装置。
【請求項2】
前記上流部分は、
上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央に近づくように配置される収縮部分と、
上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分と、
をさらに有する、請求項1に記載の吐水装置。
【請求項3】
前記上流部分を案内するガイド部をさらに備えた、請求項1に記載の吐水装置。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記パネル部と一体である、請求項3に記載の吐水装置。
【請求項5】
前記複数の第2給水路は、左右対称に配置される、請求項1に記載の吐水装置。
【請求項6】
設置面に対向するように設置されるパネル部と、
前記パネル部の上部から前方に向かって延びる棚部と、
前記棚部に設けられた吐水部と、
前記吐水部へ給水する給水部と、
を備え、
前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、
前記給水部は、
給水源に接続される第1給水路と、
前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、
を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、
前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、
前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、
前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、
前記棚部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向及び左右方向に延びる下流部分と、
前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、
を有し、
前記屈曲部分は、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される、吐水装置。
【請求項7】
前記下流部分は、
前記合流部に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分と、
前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第1収縮部分と、
を有し、
前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第2収縮部分を有する、請求項6に記載の吐水装置。
【請求項8】
前記上流部分は、前記第2収縮部分に接続され、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分をさらに有する、請求項7に記載の吐水装置。
【請求項9】
設置面に対向するように設置されるパネル部と、
前記パネル部の上部から前方に向かって延びる棚部と、
前記棚部に設けられた吐水部と、
前記吐水部へ給水する給水部と、
を備え、
前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、
前記給水部は、
給水源に接続される第1給水路と、
前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、
を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、
前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、
前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、
前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、
前記棚部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向及び左右方向に延びる下流部分と、
前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、
を有し、
前記屈曲部分は、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される、吐水装置。
【請求項10】
前記下流部分は、
前記合流部に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第1拡張部分と、
前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第2拡張部分と、
を有し、
前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第3拡張部分を有する、請求項9に記載の吐水装置。
【請求項11】
前記上流部分は、
上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央に近づくように配置される収縮部分と、
上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分と、
をさらに有する、請求項10に記載の吐水装置。
【請求項12】
前記上流部分及び前記下流部分を案内するガイド部をさらに備えた、請求項6~11のいずれか1つに記載の吐水装置。
【請求項13】
前記ガイド部は、前記パネル部及び前記棚部と一体である、請求項12に記載の吐水装置。
【請求項14】
前記複数の第2給水路は、左右対称に配置される、請求項6~11のいずれか1つに記載の吐水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パネル部と設置面との間の収容空間に可撓性を有する複数の給水路を収容し、給水路を前方側に屈曲させるように配置した吐水装置がある(例えば、特許文献1)。このような吐水装置において、パネル部を薄くするために、複数の給水路を合流させる合流部を、パネル部と設置面との間の収容空間ではなく、パネル部よりも前方に位置する吐水部に設けることが考えられる。このような構造にすると、パネル部の収容空間から前方に位置する合流部に向かって屈曲するように複数の給水路を配置することになる。そのため、屈曲部分の屈曲角度が過度に小さくなると、屈曲部分においてキンクが発生しやすい。
【0003】
給水路においてキンクが発生すると、吐水部からの吐水に乱れが生じる、吐水部から吐水されない、などの吐水の不具合が発生するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-067996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、給水路の屈曲部分におけるキンクの発生を抑制できる吐水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、設置面に対向するように設置されるパネル部と、前記パネル部に設けられた吐水部と、前記吐水部へ給水する給水部と、を備え、前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、前記給水部は、給水源に接続される第1給水路と、前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、を有し、前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、前記複数の第2給水路は、それぞれ、前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、前記吐水部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向に延びる下流部分と、前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、を有し、前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分を有する、吐水装置である。
【0007】
この吐水装置によれば、第2給水路の上流部分の屈曲部分に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分を設けることで、屈曲部分の屈曲角度(曲げR)が過度に小さくなることを抑制できる。これにより、屈曲部分におけるキンクの発生を抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合を抑制できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記上流部分は、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央に近づくように配置される収縮部分と、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分と、をさらに有する、吐水装置である。
【0009】
この吐水装置によれば、第2給水路の上流部分に、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央に近づくように配置される収縮部分と、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分と、を設けることで、上流部分が長くなりすぎることを抑制できる。これにより、圧力損失が大きくなることを抑制でき、圧力損失の増大による吐水の乱れを抑制できる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、前記上流部分を案内するガイド部をさらに備えた、吐水装置である。
【0011】
この吐水装置によれば、第2給水路の上流部分を案内するガイド部を設けることで、通水時の給水圧の変化による上流部分の暴れを抑制できる。これにより、第2給水路の上流部分の暴れによる吐水の乱れを抑制できる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記ガイド部は、前記パネル部と一体である、吐水装置である。
【0013】
この吐水装置によれば、ガイド部をパネル部と一体とすることで、ガイド部を別途用意する必要がないため、コストや施工の手間を削減できる。
【0014】
第5の発明は、第1の発明において、前記複数の第2給水路は、左右対称に配置される、吐水装置である。
【0015】
この吐水装置によれば、複数の第2給水路を左右対称に配置することで、複数の第2給水路の圧力損失を同程度にすることができる。これにより、圧力損失のばらつきによる吐水の乱れを抑制できる。
【0016】
第6の発明は、設置面に対向するように設置されるパネル部と、前記パネル部の上部から前方に向かって延びる棚部と、前記棚部に設けられた吐水部と、前記吐水部へ給水する給水部と、を備え、前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、前記給水部は、給水源に接続される第1給水路と、前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、を有し、前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、前記複数の第2給水路は、それぞれ、前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、前記棚部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向及び左右方向に延びる下流部分と、前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、を有し、前記屈曲部分は、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される、吐水装置である。
【0017】
この吐水装置によれば、屈曲部分を上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置することで、パネル部と棚部とが接続される角で屈曲部分を斜めに延ばしながら屈曲させることができる。これにより、屈曲部分を斜めに延ばさずに屈曲させる場合と比べて、屈曲部分の屈曲角度(曲げR)が過度に小さくなることを抑制できる。したがって、屈曲部分におけるキンクの発生を抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合を抑制できる。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、前記下流部分は、前記合流部に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分と、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第1収縮部分と、を有し、前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第2収縮部分を有する、吐水装置である。
【0019】
この吐水装置によれば、第2給水路の下流部分の合流部に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分を設け、第2給水路の下流部分の屈曲部分に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第1収縮部分を設け、第2給水路の上流部分の屈曲部分に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第2収縮部分を設けることで、より確実に屈曲部分を上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置することができる。これにより、屈曲部分におけるキンクの発生をより確実に抑制できる。
【0020】
第8の発明は、第7の発明において、前記上流部分は、前記第2収縮部分に接続され、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分をさらに有する、吐水装置である。
【0021】
この吐水装置によれば、第2給水路の上流部分に、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分を設けることで、上流部分が長くなりすぎることを抑制できる。これにより、圧力損失が大きくなることを抑制でき、圧力損失の増大による吐水の乱れを抑制できる。
【0022】
第9の発明は、設置面に対向するように設置されるパネル部と、前記パネル部の上部から前方に向かって延びる棚部と、前記棚部に設けられた吐水部と、前記吐水部へ給水する給水部と、を備え、前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、前記給水部は、給水源に接続される第1給水路と、前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、を有し、前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、前記複数の第2給水路は、それぞれ、前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、前記棚部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向及び左右方向に延びる下流部分と、前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、を有し、前記屈曲部分は、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される、吐水装置である。
【0023】
この吐水装置によれば、屈曲部分を上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置することで、パネル部と棚部とが接続される角で屈曲部分を斜めに延ばしながら屈曲させることができる。これにより、屈曲部分を斜めに延ばさずに屈曲させる場合と比べて、屈曲部分の屈曲角度(曲げR)が過度に小さくなることを抑制できる。したがって、屈曲部分におけるキンクの発生を抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合を抑制できる。
【0024】
第10の発明は、第9の発明において、前記下流部分は、前記合流部に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第1拡張部分と、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第2拡張部分と、を有し、前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第3拡張部分を有する、吐水装置である。
【0025】
この吐水装置によれば、第2給水路の下流部分の合流部に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第1拡張部分を設け、第2給水路の下流部分の屈曲部分に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第2拡張部分を設け、第2給水路の上流部分の屈曲部分に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第3拡張部分を設けることで、より確実に屈曲部分を上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置することができる。これにより、屈曲部分におけるキンクの発生をより確実に抑制できる。
【0026】
第11の発明は、第10の発明において、前記上流部分は、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央に近づくように配置される収縮部分と、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分と、をさらに有する、吐水装置である。
【0027】
この吐水装置によれば、第2給水路の上流部分に、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央に近づくように配置される収縮部分と、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分と、を設けることで、上流部分が長くなりすぎることを抑制できる。これにより、圧力損失が大きくなることを抑制でき、圧力損失の増大による吐水の乱れを抑制できる。
【0028】
第12の発明は、第6~第11のいずれか1つの発明において、前記上流部分及び前記下流部分を案内するガイド部をさらに備えた、吐水装置である。
【0029】
この吐水装置によれば、第2給水路の上流部分及び下流部分を案内するガイド部を設けることで、通水時の給水圧の変化による上流部分及び下流部分の暴れを抑制できる。これにより、第2給水路の上流部分及び下流部分の暴れによる吐水の乱れを抑制できる。
【0030】
第13の発明は、第12の発明において、前記ガイド部は、前記パネル部及び前記棚部と一体である、吐水装置である。
【0031】
この吐水装置によれば、ガイド部をパネル部及び棚部と一体とすることで、ガイド部を別途用意する必要がないため、コストや施工の手間を削減できる。
【0032】
第14の発明は、第6~第11のいずれか1つの発明において、前記複数の第2給水路は、左右対称に配置される、吐水装置である。
【0033】
この吐水装置によれば、複数の第2給水路を左右対称に配置することで、複数の第2給水路の圧力損失を同程度にすることができる。これにより、圧力損失のばらつきによる吐水の乱れを抑制できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の態様によれば、給水路の屈曲部分におけるキンクの発生を抑制できる吐水装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1実施形態に係る吐水装置を前方側から見た斜視図である。
図2】第1実施形態に係る吐水装置を後方側から見た斜視図である。
図3】第1実施形態に係る吐水装置の分解斜視図である。
図4】第1実施形態に係る吐水装置の給水部の正面図である。
図5】第1実施形態に係る吐水装置の吐水部の周辺の断面図である。
図6】第1実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す背面図である。
図7】第2実施形態に係る吐水装置を前方側から見た斜視図である。
図8】第2実施形態に係る吐水装置を後方側から見た斜視図である。
図9】第2実施形態に係る吐水装置の分解斜視図である。
図10】第2実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す背面図である。
図11】第2実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す上面図である。
図12】第3実施形態に係る吐水装置を後方側から見た斜視図である。
図13】第3実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す背面図である。
図14】第3実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る吐水装置を前方側から見た斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る吐水装置を後方側から見た斜視図である。
図3は、第1実施形態に係る吐水装置の分解斜視図である。
図4は、第1実施形態に係る吐水装置の給水部の正面図である。
図1図4に表したように、第1実施形態に係る吐水装置100は、パネル部10と、手洗器20と、給水部30と、吐水部40と、センサ50と、ガイド部70と、を備えている。
【0037】
吐水装置100は、例えば、トイレ室に設けられる。吐水装置100は、例えば、トイレ室において、便器の側方に設けられたカウンターの上に設けられる。
【0038】
パネル部10は、設置面Sに対向するように設置される。設置面Sは、例えば、トイレ室の壁である。パネル部10は、例えば、設置面Sにねじ止めなどで固定された取付材を介して、設置面Sに取り付けられる。取付材とパネル部10とは、例えば、面ファスナーなどにより、接続される。パネル部10を設置面Sに取り付ける手段は、これに限定されない。パネル部10は、例えば、樹脂製である。
【0039】
パネル部10は、前面部10aと、上面部10bと、下面部10cと、左側面部10dと、右側面部10eと、を有する。前面部10aは、上下方向及び左右方向に広がる板状である。上面部10bは、前面部10aの上端から後方に延びており、パネル部10の上端を構成している。下面部10cは、前面部10aの下端から後方に延びており、パネル部10の下端を構成している。左側面部10dは、前面部10aの左側端から後方に延びており、パネル部10の左側端を構成している。右側面部10eは、前面部10aの右側端から後方に延びており、パネル部10の右側端を構成している。パネル部10は、前方に向かって窪む凹形状である。
【0040】
なお、本願明細書においては、吐水装置100と向き合う使用者からみて手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とし、上側を「上方」とし、下側を「下方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」とする。
【0041】
パネル部10は、収容空間11を有する。収容空間11は、前面部10aと設置面Sとの間の空間である。つまり、収容空間11は、前面部10a、上面部10b、下面部10c、左側面部10d、右側面部10e、及び設置面Sによって囲まれた空間である。収容空間11は、給水部30の少なくとも一部(第2給水路32)を収容する。また、前後方向において収容空間11と重なる位置には、前面部10aを前後方向に貫通する孔12が設けられている。給水部30の少なくとも一部(第2給水路32)は、収容空間11から孔12を通って、前面部10aよりも前方側に延びるように配置される。
【0042】
また、パネル部10は、前面部10aの背面側に設けられ、後方に向かって突出するリブ13を有する。リブ13は、例えば、前後方向において、収容空間11と重ならない位置に設けられる。この例では、パネル部10は、複数のリブ13を有する。リブ13を設けることで、パネル部10の反りなどを抑制できる。
【0043】
手洗器20は、吐水部40から吐出された水を受ける。手洗器20は、パネル部10の前方に設けられる。手洗器20は、前面部10aに接する。手洗器20と前面部10aとが接する箇所には、例えば、手洗器20と前面部10aとの間の隙間を埋めるためのコーキング材が設けられる。手洗器20は、例えば、カウンターに載置される。手洗器20は、例えば、陶器製である。手洗器20は、ボウル部21と、載置部22と、を有する。
【0044】
ボウル部21は、下方に向かって窪む凹形状である。この例では、ボウル部21は、上方が開放された箱状である。ボウル部21は、吐水部40の下に設けられ、吐水部40から吐出された水を受ける。ボウル部21の底には、図示しない排水口が設けられており、受けた水を排水口から排出する。
【0045】
載置部22は、物品を載置可能な棚として機能する。載置部22の上面は、例えば、平面である。載置部22は、ボウル部21の側方に設けられる。この例では、載置部22は、ボウル部21の右側方に設けられている。載置部22は、ボウル部21の左側方に設けられていてもよい。載置部22は、例えば、石鹸やハンドソープなどを置くための棚として機能する。載置部22は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0046】
給水部30は、吐水部40へ給水する。給水部30は、吐水部40の上流に接続される。給水部30は、給水源WSと吐水部40との間に設けられる。給水部30は、第1給水路31と、複数の第2給水路32と、分岐継手33と、を有する。第1給水路31及び第2給水路32は、それぞれ、水が通過可能なチューブである。第1給水路31及び第2給水路32は、例えば、樹脂製である。この例では、給水部30は、2つの第2給水路32を有する。給水部30は、3つ以上の第2給水路32を有していてもよい。
【0047】
第1給水路31は、給水源WSの下流に接続される。複数の第2給水路32は、それぞれ、分岐継手33を介して、第1給水路31の下流に接続される。吐水部40(合流部43)は、複数の第2給水路32の下流に接続される。つまり、第1給水路31は、給水源WSと複数の第2給水路32との間に設けられる。また、複数の第2給水路32は、それぞれ、第1給水路31と吐水部40(合流部43)との間に設けられる。
【0048】
より具体的には、第1給水路31の上流端は、給水源WSに接続される。第1給水路31の下流端は、分岐継手33の上流端に接続される。複数の第2給水路32の上流端は、それぞれ、分岐継手33の下流端に接続される。複数の第2給水路32の下流端は、それぞれ、吐水部40(合流部43)に接続される。
【0049】
複数の第2給水路32の外形寸法ED2は、それぞれ、第1給水路31の外形寸法ED1よりも小さい。複数の第2給水路32の外形寸法ED2は、例えば、それぞれ、同じである。複数の第2給水路32は、それぞれ、可撓性を有する。第1給水路31は、可撓性を有していてもよいし、可撓性を有していなくてもよい。
【0050】
吐水部40は、水を吐出する。吐水部40は、例えば、下方に向けて水を吐出する。吐水部40は、パネル部10の前面部10aに設けられる。吐水部40は、前後方向において、孔12と重なる位置に設けられる。
【0051】
この例では、吐水部40は、前方に向かうにつれて下方に向かうように斜めに延びている。つまり、この例では、吐水部40は、パネル部10の前面部10aから前下方に向かって斜めに延びている。吐水部40は、例えば、パネル部10の前面部10aから前方に向かって略垂直に延びていてもよい。
【0052】
吐水部40は、カバー部41と、固定具42と、合流部43と、泡沫キャップ44と、を有する。カバー部41は、吐水部40の外郭を構成する。カバー部41は、合流部43、及び泡沫キャップ44を覆っている。カバー部41は、例えば、樹脂製である。この例では、カバー部41は、パネル部10の前面部10aから分離可能である。カバー部41は、パネル部10の前面部10aと一体であってもよい。
【0053】
固定具42は、収容空間11内に設けられている。固定具42は、カバー部41をパネル部10の前面部10aに対して固定する。より具体的には、カバー部41の上部は、固定具42を介して、前面部10aに対して固定されている。カバー部41の下部は、固定具42を介さずに、前面部10aに対して固定されている。固定具42は、例えば、樹脂製である。
【0054】
合流部43は、カバー部41内に設けられている。合流部43は、複数の第2給水路32の下流に接続される。合流部43は、複数の第2給水路32の水を合流させて、吐出する。つまり、給水源WSから供給された水は、第1給水路31を流れて、複数の第2給水路32に分岐し、複数の第2給水路32のそれぞれを流れて、合流部43において合流し、吐出される。合流部43は、例えば、樹脂製である。
【0055】
泡沫キャップ44は、カバー部41内に設けられている。泡沫キャップ44は、合流部43の下流端に設けられている。泡沫キャップ44を設けることで、吐水部40から吐出される水の流れを整えることができる。泡沫キャップ44は、例えば、金属製である。泡沫キャップ44は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0056】
センサ50は、使用者の手を検出する。センサ50は、センサ本体51と、ケーブル52と、を有する。センサ本体51は、例えば、赤外線センサである。センサ本体51は、ケーブル52を介して、図示しない制御部と電気的に接続される。センサ本体51は、検出結果を制御部に出力する。制御部は、例えば、検出結果に基づいて、吐水部40からの水の吐出の開始や停止を制御する。センサ50は、必要に応じて設けられ、省略可能である。センサ50が省略される場合には、例えば、吐水部40からの水の吐出の開始や停止の操作を行うための操作部が設けられる。
【0057】
ガイド部70は、第2給水路32の少なくとも一部(上流部分32a)を案内する。この例では、ガイド部70は、パネル部10の前面部10aの背面側から後方に向かって突出するリブである。また、この例では、ガイド部70は、パネル部10と一体である。ガイド部70は、前後方向において、収容空間11と重なる位置に設けられている。
【0058】
ガイド部70は、例えば、パネル部10の前面部10aの背面側に設けられた凹部(ザグリ)であってもよい。ガイド部70は、例えば、第2給水路32の少なくとも一部(上流部分32a)をひっかけるフックであってもよい。ガイド部70は、例えば、第2給水路32の少なくとも一部(上流部分32a)を前面部10aの背面側に貼り付けるシールであってもよい。ガイド部70は、パネル部10から分離可能であってもよい。ガイド部70は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0059】
図5は、第1実施形態に係る吐水装置の吐水部の周辺の断面図である。
図6は、第1実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す背面図である。
図5は、図1に示したA1-A2線による断面図である。
図5及び図6に表したように、複数の第2給水路32は、それぞれ、収容空間11から、収容空間11の前方側に位置する孔12に向かって屈曲し、孔12を通って、孔12の前方側に位置する吐水部40内に延びる。
【0060】
複数の第2給水路32は、それぞれ、上流部分32aと、下流部分32bと、屈曲部分32cと、を有する。上流部分32aは、第1給水路31(分岐継手33)に接続される。上流部分32aは、上下方向及び左右方向に延びる。上流部分32aは、収容空間11内に配置される。下流部分32bは、合流部43(接続部431)に接続される。下流部分32bは、前後方向に延びる。下流部分32bは、吐水部40内(カバー部41内)に配置される。屈曲部分32cは、上流部分32aと下流部分32bとの間で屈曲する。
【0061】
合流部43は、接続部431と、吐水口432と、を有する。接続部431は、合流部43の上流端に位置する。接続部431は、複数の第2給水路32の下流部分32bが接続される部分である。接続部431は、複数設けられる。接続部431の数は、第2給水路32の数と同じである。吐水口432は、合流部43の下流端に位置する。吐水口432は、複数の第2給水路32から供給された水を吐出する。泡沫キャップ44は、吐水口432に設けられている。
【0062】
上流部分32aは、上下方向及び左右方向に広がるように配置される。より具体的には、上流部分32aは、拡張部分35と、収縮部分36と、平行部分37と、を有する。
【0063】
拡張部分35は、屈曲部分32cに接続される。つまり、拡張部分35は、上流部分32aのうち、最下流に位置する部分である。拡張部分35は、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される。
【0064】
左右方向の中央CLは、例えば、複数の第2給水路32の左側端32Lと、複数の第2給水路32の右側端32Rと、の中点32Pを通り、上下方向に沿う仮想線で表される。左右方向の中央CLは、例えば、孔12の中心を通る。
【0065】
この例では、拡張部分35は、第1拡張部分35aと、第2拡張部分35bと、を有する。第1拡張部分35aは、屈曲部分32cに接続される。第1拡張部分35aは、上流に向かうにつれて上方に向かいながら左右方向の中央CLから離れるように配置される。第2拡張部分35bは、第1拡張部分35aよりも上流に位置する。第2拡張部分35bは、第1拡張部分35aに接続される。第2拡張部分35bは、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央CLから離れるように配置される。
【0066】
収縮部分36は、拡張部分35(第2拡張部分35b)よりも上流に位置する。この例では、収縮部分36は、拡張部分35(第2拡張部分35b)に接続されている。収縮部分36は、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央CLに近づくように配置される。
【0067】
平行部分37は、拡張部分35(第2拡張部分35b)よりも上流に位置する。この例では、平行部分37は、収縮部分36に接続されている。つまり、この例では、平行部分37は、収縮部分36よりも上流に位置している。平行部分37は、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される。
【0068】
この例では、複数の第2給水路32は、それぞれ、屈曲部分32cから上流に向かうにつれて、まず、上方に向かいながら左右方向の中央CLから離れ(第1拡張部分35a)、次に、下方に向かいながら左右方向の中央CLから離れ(第2拡張部分35b)、次に、下方に向かいながら左右方向の中央CLに近づき(収縮部分36)、次に、下方に向かってまっすぐ延びる(平行部分37)ように配置されている。
【0069】
平行部分37は、拡張部分35(第2拡張部分35b)と収縮部分36との間に位置していてもよい。つまり、拡張部分35(第2拡張部分35b)の上流に平行部分37が接続され、平行部分37の上流に収縮部分36が接続されていてもよい。
【0070】
また、収縮部分36及び平行部分37のいずれか一方は、省略されていてもよい。つまり、第2給水路32は、拡張部分35、及び収縮部分36を有し、平行部分37を有さないものであってもよい。第2給水路32は、拡張部分35、及び平行部分37を有し、収縮部分36を有さないものであってもよい。
【0071】
複数の第2給水路32は、左右対称に配置されることが好ましい。例えば、第2給水路32が拡張部分35、収縮部分36、及び平行部分37を有する場合には、左側の拡張部分35の長さが右側の拡張部分35の長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の収縮部分36の長さが右側の収縮部分36の長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の平行部分37の長さが右側の平行部分37の長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0072】
また、例えば、第2給水路32が平行部分37を有さない場合には、平行部分37以外の各部分の全長の差が±10%以内であるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。また、例えば、第2給水路32が収縮部分36を有さない場合には、収縮部分36以外の各部分の全長の差が±10%以内であるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0073】
また、例えば、第2給水路32が拡張部分35、収縮部分36、及び平行部分37を有する場合には、左側の拡張部分35の少なくとも一部が左右方向において右側の拡張部分35と重なり、左側の収縮部分36の少なくとも一部が左右方向において右側の収縮部分36と重なり、左側の平行部分37の少なくとも一部が左右方向において右側の平行部分37と重なるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0074】
また、例えば、第2給水路32が平行部分37を有さない場合には、平行部分37以外の各部分の少なくとも一部が左右方向において重なるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。また、例えば、第2給水路32が収縮部分36を有さない場合には、収縮部分36以外の各部分の少なくとも一部が左右方向において重なるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0075】
このように、第2給水路32の上流部分32aの屈曲部分32cに接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される拡張部分35を設けることで、屈曲部分32cの屈曲角度(曲げR)が過度に小さくなることを抑制できる。これにより、屈曲部分32cにおけるキンクの発生を抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合を抑制できる。
【0076】
また、第2給水路32の上流部分32aに、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央CLに近づくように配置される収縮部分36と、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分37と、を設けることで、上流部分32aが長くなりすぎることを抑制できる。これにより、圧力損失が大きくなることを抑制でき、圧力損失の増大による吐水の乱れを抑制できる。
【0077】
また、複数の第2給水路32を左右対称に配置することで、複数の第2給水路32の圧力損失を同程度にすることができる。これにより、圧力損失のばらつきによる吐水の乱れを抑制できる。
【0078】
また、この例では、ガイド部70は、第1ガイド部71と、第2ガイド部72と、第3ガイド部73と、を有する。第1ガイド部71は、上流部分32aの拡張部分35を案内する。第2ガイド部72は、上流部分32aの収縮部分36を案内する。第3ガイド部73は、上流部分32aの平行部分37を案内する。
【0079】
この例では、第1ガイド部71、第2ガイド部72、及び第3ガイド部73は、それぞれ、パネル部10の前面部10aの背面側から後方に向かって突出するリブである。また、この例では、第1ガイド部71、第2ガイド部72、及び第3ガイド部73は、それぞれ、パネル部10と一体である。第1ガイド部71、第2ガイド部72、及び第3ガイド部73は、それぞれ、パネル部10から分離可能であってもよい。
【0080】
このように、第2給水路32の上流部分32aを案内するガイド部70を設けることで、通水時の給水圧の変化による上流部分32aの暴れを抑制できる。これにより、第2給水路32の上流部分32aの暴れによる吐水の乱れを抑制できる。
【0081】
また、ガイド部70をパネル部10と一体とすることで、ガイド部70を別途用意する必要がないため、コストや施工の手間を削減できる。
【0082】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る吐水装置を前方側から見た斜視図である。
図8は、第2実施形態に係る吐水装置を後方側から見た斜視図である。
図9は、第2実施形態に係る吐水装置の分解斜視図である。
図7図9に表したように、第2実施形態に係る吐水装置100Aは、パネル部10と、手洗器20と、給水部30と、吐水部40と、センサ50と、棚部60と、ガイド部70と、を備えている。
【0083】
第2実施形態に係る吐水装置100Aは、棚部60が設けられ、吐水部40がパネル部10ではなく棚部60に設けられる以外は、第1実施形態に係る吐水装置100と実質的に同じである。第2実施形態に係る吐水装置100Aの手洗器20及びセンサ50は、第1実施形態に係る吐水装置100の手洗器20及びセンサ50と同じでよいため、説明を省略する。
【0084】
この例では、吐水部40がパネル部10ではなく棚部60に設けられるため、パネル部10に孔12が設けられていない。それ以外は第1実施形態に係る吐水装置100のパネル部10と同じである。
【0085】
棚部60は、物品を載置可能な棚として機能する。棚部60の上面は、例えば、平面である。棚部60は、パネル部10の上部から前方に向かって延びる。棚部60は、手洗器20の上方に位置する。棚部60は、例えば、タオルや眼鏡などを置くための棚として機能する。棚部60は、例えば、樹脂製である。
【0086】
棚部60は、基部60aと、蓋部60bと、を有する。基部60aは、パネル部10と接続されている。この例では、基部60aは、パネル部10と一体である。基部60aは、パネル部10から分離可能であってもよい。蓋部60bは、基部60aの上に設けられる。蓋部60bの上面は、棚部60の上面を構成する。図8では、蓋部60bを取り外した状態を示している。
【0087】
棚部60は、収容空間61を有する。収容空間61は、基部60aと蓋部60bとの間の空間である。つまり、収容空間61は、基部60a及び蓋部60bによって囲まれた空間である。収容空間61は、第2給水路32の下流部分32bを収容する。また、上下方向において収容空間61と重なる位置には、基部60aを前後方向に貫通する孔62が設けられている。
【0088】
また、棚部60は、基部60aの上面側に設けられ、上方に向かって突出するリブ63を有する。リブ63は、例えば、上下方向において、収容空間61と重ならない位置に設けられる。この例では、棚部60は、複数のリブ63を有する。リブ63を設けることで、棚部60の反りなどを抑制できる。
【0089】
また、この例では、棚部60を保持する保持部材65が設けられている。保持部材65は、背面部65aと、上面部65bと、を有する。背面部65aは、上下方向及び左右方向に広がる板状である。上面部65bは、前後方向及び左右方向に広がる板状である。背面部65aは、パネル部10の前面部10aの後方に設けられる。背面部65aは、パネル部10の前面部10aに固定される。上面部65bは、棚部60の基部60aと蓋部60bとの間に設けられる。この例では、複数の保持部材65が設けられている。保持部材65を設けることで、棚部60を補強できる。保持部材65は、例えば、金属製である。保持部材65は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0090】
吐水部40は、棚部60に設けられている。より具体的には、合流部43は、棚部60の孔62の内部に設けられており、棚部60から下方に向かって水を吐出する。泡沫キャップ44は、合流部43の下流端に設けられている。この例では、カバー部41及び固定具42は、設けられていない。
【0091】
この例では、給水部30の複数の第2給水路32は、それぞれ、パネル部10の収容空間11から棚部60の収容空間61を通って、前方側に延びるように配置される。複数の第2給水路32については、後述する。
【0092】
図10は、第2実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す背面図である。
図11は、第2実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す上面図である。
図10及び図11に表したように、複数の第2給水路32は、それぞれ、上流部分32aと、下流部分32bと、屈曲部分32cと、を有する。
【0093】
上流部分32aは、第1給水路31(分岐継手33)に接続される。上流部分32aは、上下方向及び左右方向に延びる。上流部分32aは、収容空間11内に配置される。下流部分32bは、合流部43(接続部431)に接続される。下流部分32bは、前後方向及び左右方向に延びる。下流部分32bは、棚部60(収容空間61)内に配置される。屈曲部分32cは、上流部分32aと下流部分32bとの間で屈曲する。つまり、屈曲部分32cは、パネル部10と棚部60とが接続される角の部分で屈曲する。
【0094】
合流部43は、棚部60の孔62の内部に設けられている。合流部43は、接続部431と、吐水口(第1実施形態の吐水口432に相当)と、を有する。接続部431は、孔62よりも上方に位置している。つまり、下流部分32bは、収容空間11内で接続部431に接続されている。泡沫キャップ44は、吐水口に設けられている。
【0095】
下流部分32bは、前後方向及び左右方向に広がるように配置される。より具体的には、下流部分32bは、拡張部分35と、第1収縮部分36aと、を有する。
【0096】
拡張部分35は、合流部43に接続される。つまり、拡張部分35は、下流部分32bのうち、最下流に位置する部分である。拡張部分35は、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される。
【0097】
左右方向の中央CLは、例えば、複数の第2給水路32の左側端32Lと、複数の第2給水路32の右側端32Rと、の中点32Pを通り、上下方向または前後方向に沿う仮想線で表される。左右方向の中央CLは、例えば、孔62の中心を通る。
【0098】
第1収縮部分36aは、屈曲部分32cに接続される。第1収縮部分36aは、拡張部分35よりも上流に位置する。この例では、第1収縮部分36aは、拡張部分35に接続されている。第1収縮部分36aは、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLに近づくように配置される。
【0099】
上流部分32aは、上下方向及び左右方向に広がるように配置される。より具体的には、上流部分32aは、第2収縮部分36bと、平行部分37と、を有する。
【0100】
第2収縮部分36bは、屈曲部分32cに接続される。つまり、第2収縮部分36bは、上流部分32aのうち、最下流に位置する部分である。第2収縮部分36bは、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLに近づくように配置される。
【0101】
平行部分37は、第2収縮部分36bに接続されている。つまり、平行部分37は、収縮部分36よりも上流に位置する。平行部分37は、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される。
【0102】
このように、第2給水路32は、下流部分32bから上流部分32aにかけて、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLに近づくように配置されている。そして、屈曲部分32cは、第1収縮部分36aと第2収縮部分36bとの間に位置し、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLに近づくように配置されている。
【0103】
つまり、この例では、複数の第2給水路32は、それぞれ、合流部43から上流に向かうにつれて、まず、後方に向かいながら左右方向の中央CLから離れ(拡張部分35)、次に、後方に向かいながら左右方向の中央CLに近づき(第1収縮部分36a)、次に、左右方向の中央CLに近づきながら下方に屈曲し(屈曲部分32c)、次に、下方に向かいながら左右方向の中央CLに近づき(第2収縮部分36b)、次に、下方に向かってまっすぐ延びる(平行部分37)ように配置されている。
【0104】
平行部分37は、省略されていてもよい。つまり、第2給水路32は、拡張部分35、第1収縮部分36a、及び第2収縮部分36bを有し、平行部分37を有さないものであってもよい。
【0105】
複数の第2給水路32は、左右対称に配置されることが好ましい。例えば、第2給水路32が拡張部分35、第1収縮部分36a、第2収縮部分36b、及び平行部分37を有する場合には、左側の拡張部分35の長さが右側の拡張部分35の長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の第1収縮部分36aの長さが右側の第1収縮部分36aの長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の第2収縮部分36bの長さが右側の第2収縮部分36bの長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の平行部分37の長さが右側の平行部分37の長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0106】
また、例えば、第2給水路32が平行部分37を有さない場合には、平行部分37以外の部分の全長の差が±10%以内であるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0107】
また、例えば、第2給水路32が拡張部分35、第1収縮部分36a、第2収縮部分36b、及び平行部分37を有する場合には、左側の拡張部分35の少なくとも一部が左右方向において右側の拡張部分35と重なり、左側の第1収縮部分36aの少なくとも一部が左右方向において右側の第1収縮部分36aと重なり、左側の第2収縮部分36bの少なくとも一部が左右方向において右側の第2収縮部分36bと重なり、左側の平行部分37の少なくとも一部が左右方向において右側の平行部分37と重なるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0108】
また、例えば、第2給水路32が平行部分37を有さない場合には、平行部分37以外の各部分の少なくとも一部が左右方向において重なるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0109】
このように、屈曲部分32cを上流に向かうにつれて左右方向の中央CLに近づくように配置することで、パネル部10と棚部60とが接続される角で屈曲部分32cを斜めに延ばしながら屈曲させることができる。これにより、屈曲部分32cを斜めに延ばさずに屈曲させる場合と比べて、屈曲部分32cの屈曲角度(曲げR)が過度に小さくなることを抑制できる。したがって、屈曲部分32cにおけるキンクの発生を抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合を抑制できる。
【0110】
また、第2給水路32の下流部分32bの合流部43に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される拡張部分35を設け、第2給水路32の下流部分32bの屈曲部分32cに接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLに近づくように配置される第1収縮部分36aを設け、第2給水路32の上流部分32aの屈曲部分32cに接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第2収縮部分36bを設けることで、より確実に屈曲部分32cを上流に向かうにつれて左右方向の中央CLに近づくように配置することができる。これにより、屈曲部分32cにおけるキンクの発生をより確実に抑制できる。
【0111】
また、第2給水路32の上流部分32aに、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分37を設けることで、上流部分32aが長くなりすぎることを抑制できる。これにより、圧力損失が大きくなることを抑制でき、圧力損失の増大による吐水の乱れを抑制できる。
【0112】
また、複数の第2給水路32を左右対称に配置することで、複数の第2給水路32の圧力損失を同程度にすることができる。これにより、圧力損失のばらつきによる吐水の乱れを抑制できる。
【0113】
また、この例では、ガイド部70は、第1ガイド部71と、第2ガイド部72と、を有する。第1ガイド部71は、下流部分32bを案内する。第2ガイド部72は、上流部分32aを案内する。
【0114】
この例では、第1ガイド部71は、棚部60の基部60aの上面側から上方に向かって突出するリブである。また、この例では、第1ガイド部71は、棚部60と一体である。第1ガイド部71は、棚部60から分離可能であってもよい。
【0115】
この例では、第2ガイド部72は、パネル部10の前面部10aの背面側から後方に向かって突出するリブである。また、この例では、第2ガイド部72は、パネル部10と一体である。第2ガイド部72は、パネル部10から分離可能であってもよい。
【0116】
このように、第2給水路32の上流部分32a及び下流部分32bを案内するガイド部70を設けることで、通水時の給水圧の変化による上流部分32a及び下流部分32bの暴れを抑制できる。これにより、第2給水路32の上流部分32a及び下流部分32bの暴れによる吐水の乱れを抑制できる。
【0117】
また、ガイド部70をパネル部10及び棚部60と一体とすることで、ガイド部70を別途用意する必要がないため、コストや施工の手間を削減できる。
【0118】
(第3実施形態)
【0119】
図12は、第3実施形態に係る吐水装置を後方側から見た斜視図である。
図12に表したように、第3実施形態に係る吐水装置100Bは、パネル部10と、手洗器20と、給水部30と、吐水部40と、センサ50と、棚部60と、ガイド部70と、を備えている。
【0120】
第3実施形態に係る吐水装置100Bは、複数の第2給水路32の配置が異なる以外は、第2実施形態に係る吐水装置100Aと実質的に同じであるため、複数の第2給水路32以外の部分については、説明を省略する。
【0121】
この例でも、給水部30の複数の第2給水路32は、それぞれ、パネル部10の収容空間11から棚部60の収容空間61を通って、前方側に延びるように配置される。複数の第2給水路32については、後述する。
【0122】
図13は、第3実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す背面図である。
図14は、第3実施形態に係る吐水装置の第2給水路を示す上面図である。
図13及び図14に表したように、複数の第2給水路32は、それぞれ、上流部分32aと、下流部分32bと、屈曲部分32cと、を有する。
【0123】
上流部分32aは、第1給水路31(分岐継手33)に接続される。上流部分32aは、上下方向及び左右方向に延びる。上流部分32aは、収容空間11内に配置される。下流部分32bは、合流部43(接続部431)に接続される。下流部分32bは、前後方向及び左右方向に延びる。下流部分32bは、棚部60(収容空間61)内に配置される。屈曲部分32cは、上流部分32aと下流部分32bとの間で屈曲する。つまり、屈曲部分32cは、パネル部10と棚部60とが接続される角の部分で屈曲する。
【0124】
下流部分32bは、前後方向及び左右方向に広がるように配置される。より具体的には、下流部分32bは、第1拡張部分35aと、第2拡張部分35bと、を有する。
【0125】
第1拡張部分35aは、合流部43に接続される。つまり、第1拡張部分35aは、下流部分32bのうち、最下流に位置する部分である。第1拡張部分35aは、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される。
【0126】
左右方向の中央CLは、例えば、複数の第2給水路32の左側端32Lと、複数の第2給水路32の右側端32Rと、の中点32Pを通り、上下方向または前後方向に沿う仮想線で表される。左右方向の中央CLは、例えば、孔62の中心を通る。
【0127】
第2拡張部分35bは、屈曲部分32cに接続される。第2拡張部分35bは、第1拡張部分35aよりも上流に位置する。この例では、第2拡張部分35bは、第1拡張部分35aに接続されている。第2拡張部分35bは、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される。
【0128】
上流部分32aは、上下方向及び左右方向に広がるように配置される。より具体的には、上流部分32aは、第3拡張部分35cと、収縮部分36と、平行部分37と、を有する。
【0129】
第3拡張部分35cは、屈曲部分32cに接続される。つまり、第3拡張部分35cは、上流部分32aのうち、最下流に位置する部分である。第3拡張部分35cは、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される。
【0130】
収縮部分36は、第3拡張部分35cよりも上流に位置する。この例では、収縮部分36は、第3拡張部分35cに接続されている。収縮部分36は、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央CLに近づくように配置される。
【0131】
平行部分37は、第3拡張部分35cよりも上流に位置する。この例では、平行部分37は、収縮部分36に接続されている。つまり、この例では、平行部分37は、収縮部分36よりも上流に位置している。平行部分37は、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される。
【0132】
このように、第2給水路32は、下流部分32bから上流部分32aにかけて、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置されている。そして、屈曲部分32cは、第2拡張部分35aと第3拡張部分35cとの間に位置し、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置されている。
【0133】
つまり、この例では、複数の第2給水路32は、それぞれ、合流部43から上流に向かうにつれて、まず、後方に向かいながら左右方向の中央CLから離れ(第1拡張部分35a及び第2拡張部分35b)、次に、左右方向の中央CLから離れながら下方に屈曲し(屈曲部分32c)、次に、下方に向かいながら左右方向の中央CLから離れ(第3拡張部分35c)、次に、下方に向かいながら左右方向の中央CLに近づき(収縮部分36)、次に、下方に向かってまっすぐ延びる(平行部分37)ように配置されている。
【0134】
第1拡張部分35aと第2拡張部分35bとの間には、上流に向かうにつれて後方に向かいながら左右方向の中央CLに近づくように配置された他の収縮部分が設けられていてもよい。また、第1拡張部分35aと第2拡張部分35bとの間には、上流に向かうにつれて後方に向かうように配置された他の平行部分が設けられていてもよい。
【0135】
平行部分37は、第3拡張部分35cと収縮部分36との間に位置していてもよい。つまり、第3拡張部分35cの上流に平行部分37が接続され、平行部分37の上流に収縮部分36が接続されていてもよい。
【0136】
また、収縮部分36及び平行部分37のいずれか一方は、省略されていてもよい。つまり、第2給水路32は、第1拡張部分35a、第2拡張部分35b、第3拡張部分35c、及び収縮部分36を有し、平行部分37を有さないものであってもよい。第2給水路32は、第1拡張部分35a、第2拡張部分35b、第3拡張部分35c、及び平行部分37を有し、収縮部分36を有さないものであってもよい。
【0137】
複数の第2給水路32は、左右対称に配置されることが好ましい。例えば、第2給水路32が第1拡張部分35a、第2拡張部分35b、第3拡張部分35c、収縮部分36b、及び平行部分37を有する場合には、左側の第1拡張部分35aの長さが右側の第1拡張部分35aの長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の第2拡張部分35bの長さが右側の第2拡張部分35bの長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の第3拡張部分35cの長さが右側の第3拡張部分35cの長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の収縮部分36の長さが右側の収縮部分36の長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であり、左側の平行部分37の長さが右側の平行部分37の長さの0.9倍以上1.1倍以下(つまり、全長の差が±10%以内)であるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0138】
また、例えば、第2給水路32が平行部分37を有さない場合には、平行部分37以外の部分の全長の差が±10%以内であるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0139】
また、例えば、第2給水路32が第1拡張部分35a、第2拡張部分35b、第3拡張部分35c、収縮部分36b、及び平行部分37を有する場合には、左側の第1拡張部分35aの少なくとも一部が左右方向において右側の第1拡張部分35aと重なり、左側の第2拡張部分35bの少なくとも一部が左右方向において右側の第2拡張部分35bと重なり、左側の第3拡張部分35cの少なくとも一部が左右方向において右側の第3拡張部分35cと重なり、左側の収縮部分36の少なくとも一部が左右方向において右側の収縮部分36と重なり、左側の平行部分37の少なくとも一部が左右方向において右側の平行部分37と重なるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0140】
また、例えば、第2給水路32が平行部分37を有さない場合には、平行部分37以外の各部分の少なくとも一部が左右方向において重なるときに、左側の第2給水路32と右側の第2給水路32とは、左右対称に配置されているとみなすことができる。
【0141】
このように、屈曲部分32cを上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置することで、パネル部10と棚部60とが接続される角で屈曲部分32cを斜めに延ばしながら屈曲させることができる。これにより、屈曲部分32cを斜めに延ばさずに屈曲させる場合と比べて、屈曲部分32cの屈曲角度(曲げR)が過度に小さくなることを抑制できる。したがって、屈曲部分32cにおけるキンクの発生を抑制でき、キンクの発生による吐水の乱れなどの不具合を抑制できる。
【0142】
また、第2給水路32の下流部分32bの合流部43に接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される第1拡張部分35aを設け、第2給水路32の下流部分32bの屈曲部分32cに接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される第2拡張部分35bを設け、第2給水路32の上流部分32aの屈曲部分32cに接続される箇所に、上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置される第3拡張部分35cを設けることで、より確実に屈曲部分32cを上流に向かうにつれて左右方向の中央CLから離れるように配置することができる。これにより、屈曲部分32cにおけるキンクの発生をより確実に抑制できる。
【0143】
また、第2給水路32の上流部分32aに、上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央CLに近づくように配置される収縮部分36と、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分37と、を設けることで、上流部分32aが長くなりすぎることを抑制できる。これにより、圧力損失が大きくなることを抑制でき、圧力損失の増大による吐水の乱れを抑制できる。
【0144】
また、複数の第2給水路32を左右対称に配置することで、複数の第2給水路32の圧力損失を同程度にすることができる。これにより、圧力損失のばらつきによる吐水の乱れを抑制できる。
【0145】
また、この例では、ガイド部70は、第1ガイド部71と、第2ガイド部72と、第3ガイド部73と、を有する。第1ガイド部71は、下流部分32bを案内する。第2ガイド部72は、上流部分32aの収縮部分36を案内する。第3ガイド部73は、上流部分32aの平行部分37を案内する。
【0146】
この例では、第1ガイド部71は、棚部60の基部60aの上面側から上方に向かって突出するリブである。また、この例では、第1ガイド部71は、棚部60と一体である。第1ガイド部71は、棚部60から分離可能であってもよい。
【0147】
この例では、第2ガイド部72及び第3ガイド部73は、パネル部10の前面部10aの背面側から後方に向かって突出するリブである。また、この例では、第2ガイド部72及び第3ガイド部73は、パネル部10と一体である。第2ガイド部72及び第3ガイド部73は、パネル部10から分離可能であってもよい。
【0148】
このように、第2給水路32の上流部分32a及び下流部分32bを案内するガイド部70を設けることで、通水時の給水圧の変化による上流部分32a及び下流部分32bの暴れを抑制できる。これにより、第2給水路32の上流部分32a及び下流部分32bの暴れによる吐水の乱れを抑制できる。
【0149】
また、ガイド部70をパネル部10及び棚部60と一体とすることで、ガイド部70を別途用意する必要がないため、コストや施工の手間を削減できる。
【0150】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0151】
(構成1)
設置面に対向するように設置されるパネル部と、
前記パネル部に設けられた吐水部と、
前記吐水部へ給水する給水部と、
を備え、
前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、
前記給水部は、
給水源に接続される第1給水路と、
前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、
を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、
前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、
前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、
前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、
前記吐水部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向に延びる下流部分と、
前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、
を有し、
前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分を有する、吐水装置。
【0152】
(構成2)
前記上流部分は、
上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央に近づくように配置される収縮部分と、
上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分と、
をさらに有する、構成1に記載の吐水装置。
【0153】
(構成3)
前記上流部分を案内するガイド部をさらに備えた、構成1または2に記載の吐水装置。
【0154】
(構成4)
前記ガイド部は、前記パネル部と一体である、構成3に記載の吐水装置。
【0155】
(構成5)
前記複数の第2給水路は、左右対称に配置される、構成1~4のいずれか1つに記載の吐水装置。
【0156】
(構成6)
設置面に対向するように設置されるパネル部と、
前記パネル部の上部から前方に向かって延びる棚部と、
前記棚部に設けられた吐水部と、
前記吐水部へ給水する給水部と、
を備え、
前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、
前記給水部は、
給水源に接続される第1給水路と、
前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、
を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、
前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、
前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、
前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、
前記棚部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向及び左右方向に延びる下流部分と、
前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、
を有し、
前記屈曲部分は、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される、吐水装置。
【0157】
(構成7)
前記下流部分は、
前記合流部に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される拡張部分と、
前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第1収縮部分と、
を有し、
前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央に近づくように配置される第2収縮部分を有する、構成6に記載の吐水装置。
【0158】
(構成8)
前記上流部分は、前記第2収縮部分に接続され、上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分をさらに有する、構成7に記載の吐水装置。
【0159】
(構成9)
設置面に対向するように設置されるパネル部と、
前記パネル部の上部から前方に向かって延びる棚部と、
前記棚部に設けられた吐水部と、
前記吐水部へ給水する給水部と、
を備え、
前記パネル部は、前記設置面との間に前記給水部の少なくとも一部を収容する収容空間を有し、
前記給水部は、
給水源に接続される第1給水路と、
前記第1給水路の下流に接続される複数の第2給水路と、
を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、可撓性を有し、
前記複数の第2給水路の外形寸法は、それぞれ、前記第1給水路の外形寸法よりも小さく、
前記吐水部は、前記複数の第2給水路の下流に接続され、前記複数の第2給水路の水を合流させる合流部を有し、
前記複数の第2給水路は、それぞれ、
前記収容空間内に配置され、前記第1給水路に接続され、上下方向及び左右方向に延びる上流部分と、
前記棚部内に配置され、前記合流部に接続され、前後方向及び左右方向に延びる下流部分と、
前記上流部分と前記下流部分との間で屈曲する屈曲部分と、
を有し、
前記屈曲部分は、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される、吐水装置。
【0160】
(構成10)
前記下流部分は、
前記合流部に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第1拡張部分と、
前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第2拡張部分と、
を有し、
前記上流部分は、前記屈曲部分に接続され、上流に向かうにつれて左右方向の中央から離れるように配置される第3拡張部分を有する、構成9に記載の吐水装置。
【0161】
(構成11)
前記上流部分は、
上流に向かうにつれて下方に向かいながら左右方向の中央に近づくように配置される収縮部分と、
上流に向かうにつれて下方に向かうように配置される平行部分と、
をさらに有する、構成10に記載の吐水装置。
【0162】
(構成12)
前記上流部分及び前記下流部分を案内するガイド部をさらに備えた、構成6~11のいずれか1つに記載の吐水装置。
【0163】
(構成13)
前記ガイド部は、前記パネル部及び前記棚部と一体である、構成12に記載の吐水装置。
【0164】
(構成14)
前記複数の第2給水路は、左右対称に配置される、構成6~13のいずれか1つに記載の吐水装置。
【0165】
以上のように、実施形態によれば、給水路の屈曲部分におけるキンクの発生を抑制できる吐水装置が提供される。
【0166】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、吐水装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0167】
10:パネル部
10a:前面部
10b:上面部
10c:下面部
10d:左側面部
10e:右側面部
11:収容空間
12:孔
13:リブ
20:手洗器
21:ボウル部
22:載置部
30:給水部
31:第1給水路
32:第2給水路
32a:上流部分
32b:下流部分
32c:屈曲部分
32L:左側端
32P:中点
32R:右側端
33:分岐継手
35:拡張部分
35a:第1拡張部分
35b:第2拡張部分
35c:第3拡張部分
36:収縮部分
36a:第1収縮部分
36b:第2収縮部分
37:平行部分
40:吐水部
41:カバー部
42:固定具
43:合流部
431:接続部
432:吐水口
44:泡沫キャップ
50:センサ
51:センサ本体
52:ケーブル
60:棚部
60a:基部
60b:蓋部
61:収容空間
62:孔
63:リブ
65:保持部材
65a:背面部
65b:上面部
70:ガイド部
71:第1ガイド部
72:第2ガイド部
73:第3ガイド部
100、100A、100B:吐水装置
CL:中央
ED1、ED2:外形寸法
S:設置面
WS:給水源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14