(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119501
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】紙巻器
(51)【国際特許分類】
A47K 10/38 20060101AFI20240827BHJP
【FI】
A47K10/38 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026440
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】與五澤 賢右
(72)【発明者】
【氏名】松山 司
(72)【発明者】
【氏名】末次 史拓
(57)【要約】
【課題】使い勝手のよい紙巻器を提供する。
【解決手段】トイレットペーパを保持する保持部と、前記保持部の側方に位置して、予備のトイレットペーパを収納する予備部と、を備えた紙巻器において、前記保持部は、前記予備部とは反対側に位置する一側側壁と、前記一側側壁から前記予備部に向けて延び、前記トイレットペーパの筒芯を支持する芯棒と、を有し、前記芯棒は、前記筒芯を前記芯棒から取り外すときに前記筒芯が挿入する切欠部を有することを特徴とする紙巻器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレットペーパを保持する保持部と、
前記保持部の側方に位置して、予備のトイレットペーパを収納する予備部と、
を備えた紙巻器において、
前記保持部は、
前記予備部とは反対側に位置する一側側壁と、
前記一側側壁から前記予備部に向けて延び、前記トイレットペーパの筒芯を支持する芯棒と、
を有し、
前記芯棒は、前記筒芯を前記芯棒から取り外すときに前記筒芯が挿入する切欠部を有することを特徴とする紙巻器。
【請求項2】
前記予備部は、
前記予備のトイレットペーパを周方向に覆うカバーと、
前記保持部とは反対側に位置して前記カバーの端部を覆う他側側壁と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の紙巻器。
【請求項3】
前記切欠部は、前方から後方に向けて窪んでいること特徴とする請求項1に記載の紙巻器。
【請求項4】
前記カバーは、前記切欠部に対応した位置に、前記トイレットペーパの前記筒芯を挿通可能な挿通部を有していることを特徴とする請求項2に記載の紙巻器。
【請求項5】
前記他側側壁は、前記カバーの前記端部に対して開閉可能となっていることを特徴とする請求項2に記載の紙巻器。
【請求項6】
前記芯棒は、前記トイレットペーパの横ずれを抑制する突起を有していることを特徴とする請求項1に記載の紙巻器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に紙巻器に関する。
【背景技術】
【0002】
予備のトイレットペーパを収納できる紙巻器が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された紙巻器は、トイレットペーパの筒芯が芯棒から取り外しづらく、使い勝手が悪くなるおそれがある。
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、使い勝手のよい紙巻器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、トイレットペーパを保持する保持部と、前記保持部の側方に位置して、予備のトイレットペーパを収納する予備部と、を備えた紙巻器において、前記保持部は、前記予備部とは反対側に位置する一側側壁と、前記一側側壁から前記予備部に向けて延び、前記トイレットペーパの筒芯を支持する芯棒と、を有し、前記芯棒は、前記筒芯を前記芯棒から取り外すときに前記筒芯が挿入する切欠部を有することを特徴とする紙巻器である。
【0007】
この紙巻器によれば、予備部から保持部にトイレットペーパをスライド移動させて取り付けることができる。また、予備のトイレットペーパが予備部に残った状態でも、保持部に保持された状態のトイレットペーパの筒芯を切欠部に沿って傾けることができる。これにより、筒芯を芯棒から容易に取り外すことができるので、使い勝手がよい紙巻器とすることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記予備部は、前記予備のトイレットペーパを周方向に覆うカバーと、前記保持部とは反対側に位置して前記カバーの端部を覆う他側側壁と、を有することを特徴とする紙巻器である。
【0009】
この紙巻器によれば、予備のトイレットペーパがカバーと他側側壁とに覆われているので、予備のトイレットペーパの盗難を抑制することができるとともに、予備のトイレットペーパが汚れるのを抑制できる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、前記切欠部は、前方から後方に向けて窪んでいること特徴とする紙巻器である。
【0011】
この紙巻器によれば、使用後のトイレットペーパの筒芯を、使用者側(前方側)に向かって取り外すことができるため、より使い勝手をよくさせることができる。
【0012】
第4発明は、第2の発明において、前記カバーは、前記切欠部に対応した位置に、前記トイレットペーパの前記筒芯を挿通可能な挿通部を有していることを特徴とする紙巻器である。
【0013】
この紙巻器によれば、筒芯を芯棒から取り外すときに、芯棒の切り欠きに沿って傾けた筒芯が予備部のカバーに干渉することを抑制することができる。従って、カバーや予備のトイレットペーパが邪魔になることなく、より容易に筒芯を取り外すことができる。
【0014】
第5の発明は、第2の発明において、前記他側側壁は、前記カバーの前記端部に対して開閉可能となっていることを特徴とする紙巻器である。
【0015】
この紙巻器によれば、他側側壁を開いて予備部に予備のトイレットペーパを補充できる。この場合、保持部に保持された使用中のトイレットペーパに干渉しないため、使い勝手がよい紙巻器とすることができる。
【0016】
第6の発明は、第1の発明において、前記芯棒は、前記トイレットペーパの横ずれを抑制する突起を有していることを特徴とする紙巻器である。
【0017】
この紙巻器によれば、突起がトイレットペーパに接触することにより、トイレットペーパが芯棒に沿って横ずれするのを抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、使い勝手のよい紙巻器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る紙巻器を示す斜視図である。
【
図2】紙巻器の蓋部を開けた状態を示す斜視図である。
【
図3】紙巻器の保持部を拡大して示す正面図である。
【
図4】
図3中の保持部を矢示A-A方向からみた断面図である。
【
図5】筒芯を芯棒から取り外すときの状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る紙巻器を示す斜視図である。
図2は、紙巻器の蓋部を開けた状態を示す斜視図である。
図3は、紙巻器の保持部を拡大して示す正面図である。
図4は、
図3中の保持部を矢示A-A方向からみた断面図である。
図4では、予備のトイレットペーパTP2を省略して示している。
【0022】
図1に示すように、紙巻器10は、トイレットペーパTP1(以下、ペーパTP1とする)を回動可能に支持する。紙巻器10は、例えば左右方向の一側に予備のトイレットペーパTP2(以下、ペーパTP2とする)を収納可能となっている。ペーパTP1、TP2は、筒芯TPaにペーパが巻回されたものとなっている。
【0023】
なお、紙巻器は、左右方向で2つ以上の予備のペーパTP2を収納可能なものでもよい。また、上下方向で予備のペーパTP2を収納可能な紙巻器でもよい。なお、本願明細書においては、紙巻器10と向き合う使用者からみて手前側を「前」とし、奥側を「後」とし、上側を「上」とし、下側を「下」とし、右側を「右」とし、左側を「左」として説明する。
【0024】
紙巻器10は、例えばトイレ空間の壁面やカウンタ(図示せず)に取り付けられている。紙巻器10は、例えば樹脂材料や金属材料により形成されている。紙巻器10は、例えば図示しない大便器の側方に位置してトイレ空間の壁面に設置される。なお、トイレ空間は、公共施設などに設置されるパーティションなどで仕切られたトイレブースなどでもよいし、家庭などに設置される個室状のトイレ室でもよい。
【0025】
そして、紙巻器10は、使用中のペーパTP1が保持される保持部20と、保持部20に隣接する予備部30と、を備えている。
図1に示すように、この例では、右側に保持部20が設けられ、左側に予備部30が設けられた紙巻器10となっている。なお、左側に保持部20が設けられ、右側に予備部30が設けられた紙巻器となっていてもよい。
【0026】
保持部20は、ペーパTP1を保持する部分となっている。保持部20は、前方が開放されており、ペーパTP1を前方に引き出すことができるようになっている。そして、保持部20は、一側側壁21と、芯棒23と、を有している。
【0027】
一側側壁21は、予備部30とは反対側に位置している。すなわち、一側側壁21は、保持部20の側方(この例では、右側方)を閉塞している。換言すると、一側側壁21は、芯棒23に支持されたペーパTP1の側方に当接する。一側側壁21は、紙巻器10の左右方向の一側に位置する壁部(この例では、右壁部)となっている。
【0028】
芯棒23は、一側側壁21から予備部30に向けて延び、ペーパTP1の筒芯TPaを支持する。すなわち、芯棒23は、ペーパTP1を回動可能に支持する。芯棒23は、基端側が一側側壁21に固定され、先端側が自由端となった片持ち構造となっている。芯棒23の長さ寸法Lは、ペーパTP1の筒芯TPaの長さ寸法に対応した長さとなっている。ペーパTP1は、筒芯TPaを芯棒23の先端側から挿入することにより芯棒23に支持される。
【0029】
ここで、芯棒23の外径が小さいと、ペーパTP1を安定して回動支持させるのが困難になり、使い勝手が悪くなってしまうおそれがある。そこで、芯棒23は、例えば筒芯TPaの孔径よりも僅かに小さい外径の円筒体となっている。これにより、芯棒23は、ペーパTP1を安定して回動支持できるようになっている。
【0030】
図1~
図4に示すように、芯棒23は、一側側壁21から延びる第1部位23aと、第1部位23aから予備部30に向けて延びる第2部位23bと、第2部位23bの先端に設けられた突起23cと、を有している。
【0031】
図3、
図4に示すように、第1部位23aは、芯棒23のうち一側側壁21側に位置する部分となっている。第1部位23aは、外形形状が真円状に形成された部分である。
図3に示すように、第1部位23aは、例えば一側側壁21からの距離がL/2よりも短い部分となっている。第1部位23aの外径寸法がペーパTP1の孔径よりも僅かに小さいことにより、ペーパTP1の回動を安定させることができる。
【0032】
芯棒23は、第2部位23bに切欠部23b1を有している。切欠部23b1は、筒芯TPaを芯棒23から取り外すときに、筒芯TPaが挿入される部分となっている。
図3に示すように、切欠部23b1は、芯棒23の先端側に設けられている。切欠部23b1は、例えば一側側壁21からの距離がL/2よりも先端側に向けて延びている。
【0033】
切欠部23b1は、第2部位23bのうち、筒芯TPaを芯棒23から抜き出す方向の面に形成されている。この例では、切欠部23b1は、第2部位23bの前面側に形成されている。すなわち、切欠部23b1は、前方から後方に向けて窪んでいる。これにより、
図4に示すように、筒芯TPaを取り外す場合には、筒芯TPaの後端TPa1を切欠部23b1内に挿入させて、筒芯TPaの先端TPa2を前方に向けて移動させることができる。
【0034】
また、
図4に示すように、切欠部23b1は、第1部位23aから芯棒23の先端に向けて徐々に深くなるように形成されている。これにより、筒芯TPaを芯棒23から抜き出す量が大きくなるにつれて、筒芯TPaの先端TPa2をより前方に向けることができるようになっている。
【0035】
芯棒23は、第2部位23bに第1テーパ面23b2と第2テーパ面23b3とを有している。第1テーパ面23b2と第2テーパ面23b3とは、筒芯TPaを抜き出す方向に傾斜している。第1テーパ面23b2は、第2部位23bの下面に形成されている。第1テーパ面23b2は、芯棒23が延びる方向で芯棒23の先端に向けて上方に傾斜している。
【0036】
第2テーパ面23b3は、第2部位23bの後面に形成されている。
図4に示すように、第2テーパ面23b3は、切欠部23b1の後側に位置している。第2テーパ面23b3は、芯棒23が延びる方向で芯棒23の先端に向けて前方に傾斜している。第1テーパ面23b2と第2テーパ面23b3とは、連続している。芯棒23は、第1テーパ面23b2と第2テーパ面23b3とにより、先端に向けて先細り状に形成されている。筒芯TPaは、第1テーパ面23b2と第2テーパ面23b3とは、筒芯TPaを斜め上方に向けて抜き出しやすくしている。
【0037】
芯棒23は、ペーパTP1の横ずれを抑制する突起23cを有している。突起23cは、芯棒23(第2部位23b)の先端に位置して、上方に向けて突出している。突起23cは、芯棒23に支持されるペーパTP1の側面に当接することにより、ペーパTP1の横ずれを抑制する。
【0038】
保持部20は、芯棒23の上方に紙切板25を有している。紙切板25は、後端を回動支点として、上下方向に回動可能となっている。紙切板25は、芯棒23に支持されたペーパTP1の上方を覆う。紙切板25の前端には、ペーパTP1を切断するための切断部25aが設けられている。
【0039】
予備部30は、保持部20の側方に位置して、予備のペーパTP2を収納する部分となっている。そして、予備部30は、カバー31と、他側側壁33と、を有している。
【0040】
カバー31は、後述する棚部40からベースプレート45に向けて湾曲状に延びている。カバー31の湾曲面は、例えばペーパTP2の周面の曲率と同様に形成されている。カバー31は、予備のペーパTP2を支持するとともに、ペーパTP2を周方向に覆っている。カバー31は、ペーパTP2を支持するとともに、ペーパTP2の盗難を抑制している。
【0041】
カバー31は、芯棒23の切欠部23b1に対応した位置に、ペーパTP1の筒芯TPaを挿通可能な挿通部31aを有している。
図1に示すように、挿通部31aは、カバー31の一側端部(この例では、右端部)から左右方向に切り欠かれている。挿通部31aは、例えば筒芯TPaの外径寸法よりも大きく形成されており、芯棒23から筒芯TPaを取り外すときの出口となっている。また、予備のペーパTP2を予備部30から保持部20に移動させる場合には、挿通部31aによりペーパTP2を取り出しやすくしている。
【0042】
カバー31は、施錠部31bを有している。施錠部31bは、例えば棚部40側、かつ他側側壁33側に設けられている。施錠部31bは、他側側壁33を閉状態に施錠する鍵穴となっている。
【0043】
他側側壁33は、保持部20とは反対側に位置してカバー31の他側端部31c(この例では、左端部)を覆っている。
図2に示すように、他側側壁33は、カバー31の他側端部31cに対して開閉可能となっている。すなわち、他側側壁33は、紙巻器10の左右方向の他側に位置する扉部となっている。この例では、他側側壁33は、後端側を回動支点として開閉可能となっている。
【0044】
紙巻器10は、他側側壁33を開けて、予備のペーパTP2を予備部30の内部に収納させることができる。また、他側側壁33は、施錠部31bから閉状態に施錠できるようになっている。これにより、他側側壁33を開けて、予備のペーパTP2が盗難されるのを抑制できる。
【0045】
紙巻器10は、棚部40を備えている。棚部40は、保持部20および予備部30の上方に位置している。棚部40は、紙巻器10の上方を覆う天板部となっている。棚部40は、例えば上面が平坦となっており、携帯電話や眼鏡などの小物を置くことができるようになっている。
【0046】
また、紙巻器10は、ベースプレート45を備えている。ベースプレート45は、保持部20および予備部30の後方に位置している。ベースプレート45は、紙巻器10の背面を覆う背面板となっている。紙巻器10は、例えばベースプレート45がトイレ空間の壁面にねじ止めされることにより、トイレ空間に設置される。
【0047】
かくして、本実施形態に係る紙巻器10は、上述の如き構成を有するもので、次にペーパTP1を使いきったときに、予備のペーパTP2を予備部30から保持部20に移動させる作業について説明する。
【0048】
図5は、筒芯を芯棒から取り外すときの状態を示す正面図である。
図5(a)は、筒芯を芯棒から取り外すときの第1状態を示している。
図5(b)は、筒芯を芯棒から取り外すときの第2状態を示している。
【0049】
図5(a)に示すように、筒芯TPaを芯棒23から抜き出す第1状態では、筒芯TPaを芯棒23の第2部位23bまでスライド移動させる。第2部位23bには、前方から後方に向けて窪む切欠部23b1が設けられている。これにより、筒芯TPaの後端TPa1を切欠部23b1に挿入させながら、筒芯TPaの先端TPa2をカバー31の挿通部31aに向けて移動させることができる。
【0050】
切欠部23b1は、芯棒23の先端に向かうにつれて奥行きが深くなっている。従って、
図5(b)に示すように、筒芯TPaを芯棒23から抜き出す第2状態では、筒芯TPaの先端TPa2をより前方に向けることができる。そして、筒芯TPaは、カバー31の挿通部31aを介して取り出すことができる。
【0051】
図4に二点鎖線で示すように、筒芯TPaを芯棒23から取り外す場合には、筒芯TPaの後端TPa1を、芯棒23の切欠部23b1や第1、第2テーパ面23b2、23b3に沿って移動させる。この場合、筒芯TPaは、予備部30に収納されているペーパTP2に干渉しないので、使い勝手のよい紙巻器10とすることができる。
【0052】
その後、予備部30のペーパTP2を右側に移動させて、芯棒23に支持させることにより、ペーパTP2を保持部20に収納させることができる。この場合、挿通部31aによりペーパTP2がつかみ易くなっている。また、管理者は、他側側壁33を施錠部31bから開錠させて、他側側壁33を開く。その後、管理者は、予備のペーパTP2を予備部30に収納させてから他側側壁33を閉状態に施錠する。
【0053】
図6は、変形例に係る紙巻器を示す正面図である。
上述した実施形態では、切欠部23b1が芯棒23の前方から後方に向けて窪んでいる場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば
図6に示す変形例のように、芯棒50は、下方から上方に向けて窪む切欠部51を有していてもよい。また、カバー53は、下面側に挿通部54を有していてもよい。このような場合には、筒芯TPaは、先端を下方に傾けて芯棒50から抜き出させることができる。
【0054】
また、上述した実施形態では、挿通部31aから筒芯TPaを取り出した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば
図6に示すように、保持部20と予備部30との間の寸法Bを長くして、カバーに挿通部を設けていなくてもよい。この場合、カバーの一側端部と芯棒との間(寸法Bの間)から筒芯TPaを抜き出させることができる。
【0055】
また、上述した実施形態では、切欠部23b1が先端に向かうにつれて奥行きが深くなる場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば切欠部は、芯棒の長さ方向で深さが一定な凹状に形成されていてもよい。
【0056】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
(構成1)
トイレットペーパを保持する保持部と、
前記保持部の側方に位置して、予備のトイレットペーパを収納する予備部と、
を備えた紙巻器において、
前記保持部は、
前記予備部とは反対側に位置する一側側壁と、
前記一側側壁から前記予備部に向けて延び、前記トイレットペーパの筒芯を支持する芯棒と、
を有し、
前記芯棒は、前記筒芯を前記芯棒から取り外すときに前記筒芯が挿入する切欠部を有することを特徴とする紙巻器。
(構成2)
前記予備部は、
前記予備のトイレットペーパを周方向に覆うカバーと、
前記保持部とは反対側に位置して前記カバーの端部を覆う他側側壁と、
を有することを特徴とする構成1に記載の紙巻器。
(構成3)
前記切欠部は、前方から後方に向けて窪んでいること特徴とする構成1または2に記載の紙巻器。
(構成4)
前記カバーは、前記切欠部に対応した位置に、前記トイレットペーパの前記筒芯を挿通可能な挿通部を有していることを特徴とする構成2に記載の紙巻器。
(構成5)
前記他側側壁は、前記カバーの前記端部に対して開閉可能となっていることを特徴とする構成2または4に記載の紙巻器。
(構成6)
前記芯棒は、前記トイレットペーパの横ずれを抑制する突起を有していることを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の紙巻器。
【0057】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、紙巻器などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0058】
10 紙巻器
20 保持部
21 一側側壁
23 芯棒
23a 第1部位
23b 第2部位
23b1 切欠部
23b2 第1テーパ面
23b3 第2テーパ面
23c 突起
25 紙切板
25a 切断部
30 予備部
31 カバー
31a 挿通部
31b 施錠部
31c 他側端部
33 他側側壁
40 棚部
45 ベースプレート
50 芯棒
51 切欠部
53 カバー
54 挿通部
TP1 トイレットペーパ
TP2 予備のトイレットペーパ
TPa 筒芯
TPa1 後端
TPa2 先端