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特開2024-119519会計システム、入力装置、決済装置及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119519
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】会計システム、入力装置、決済装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240827BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026493
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 元宏
(72)【発明者】
【氏名】河原 高行
(72)【発明者】
【氏名】平松 直剛
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142DA07
3E142FA42
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システムを提供する。
【解決手段】入力装置は、取引に係るデータを入力する前に、複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置を接続先として決定する。入力装置は、入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する。入力装置は、入力終了指示が検出されると、接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する。決済装置は、入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する。決済装置は、入力装置から入力終了の通知を受けると、決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する。
【選択図】 図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デバイスを介して取引に係るデータを入力する入力装置と、取引を決済する複数台の決済装置とを通信回線で接続し、
前記入力装置は、
前記取引に係るデータを入力する前に、前記複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置を接続先として決定する決定手段と、
前記取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段と、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する第1送信手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する第1通知手段と、
を具備し、
前記決済装置は、
前記入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段と、
前記入力装置から前記入力終了の通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段と、
を具備する会計システム。
【請求項2】
前記入力装置は、
前記取引に係るデータを入力する前に、前記複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置を選択する接続先選択手段と、
前記接続先選択手段により選択された前記一台の決済装置に接続可否を問合せる問合せ手段と、
をさらに具備し、
前記決定手段は、前記問合せ手段による問合せに対して問合せ先の決済装置から接続を許諾する応答があった場合に当該決済装置を接続先として決定し、
前記決済装置は、
前記取引の決済が可能な状態で前記入力装置から接続可否の問合せを受けると、接続を許諾する応答を返す接続応答手段と、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項3】
前記入力装置の接続先選択手段は、前記複数台の決済装置を個々に指定可能な操作子を含み、
前記入力装置は、
前記問合せ手段による問合せに対して問合せ先の決済装置から接続を許諾する応答がない場合に、当該決済装置を指定する操作子の操作を無効とする無効手段、
をさらに具備する請求項2記載の会計システム。
【請求項4】
前記入力装置は、
表示デバイスに、前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータに基づく当該取引の明細情報を、前記決定手段により接続先として決定された前記決済装置を特定する情報とともに表示する明細表示手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項5】
前記決済装置は、
表示デバイスに、前記入力装置から前記入力終了の通知を受けるまでは待機中の画面を表示し、前記入力終了の通知を受けると、前記決済側記憶手段により記憶した前記取引に係るデータを基に算出される当該取引の決済金額を表示する金額表示手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項6】
前記入力装置の第1送信手段は、
前記入力デバイスを介して取引に係るデータが入力される毎に、その入力された取引に係るデータを前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する、請求項1乃至5のうちいずれか一記載の会計システム。
【請求項7】
前記入力装置は、
前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信した取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に修正する第1修正手段と、
前記第1修正手段により修正された修正後の取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する第2送信手段と、
をさらに具備し、
前記決済装置は、
前記第2送信手段により前記入力装置から送信されてくる前記修正後の取引に係るデータで、前記決済側記憶部に記憶している取引に係るデータを修正する第2修正手段と、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項8】
前記入力装置は、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを入力側記憶部で記憶する入力側記憶手段と、
前記入力側記憶部で記憶した取引に係るデータを基に表示デバイスに当該取引の明細情報を、前記決定手段により接続先として決定された前記決済装置を特定する情報とともに表示する明細表示手段と、
前記明細表示手段により表示されている明細情報の修正を受け付ける修正受付手段と、
をさらに具備し、
前記第1修正手段は、前記修正受付手段により修正を受け付けた明細情報で前記入力側記憶部に記憶している取引に係るデータを修正する、
請求項7記載の会計システム。
【請求項9】
前記入力装置の第2送信手段は、
取引に係るデータが修正される毎に、その修正後の取引に係るデータを、前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する、請求項7又は8記載の会計システム。
【請求項10】
前記入力装置は、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを入力側記憶部で記憶する入力側記憶手段と、
前記第1通知手段により入力終了を通知した取引の決済取消指示を受け付ける取消受付手段と、
前記複数台の決済装置の中から決済の取消を行う決済装置を選択する取消先選択手段と、
前記取消受付手段により取引の決済取消指示を受け付けると、前記取消先選択手段により選択された決済装置に決済の取消を通知する第2通知手段と、
前記決済の取消通知に対して通知先の前記決済装置から決済の取消を許諾する応答があったことを条件に、前記入力側記憶部で記憶した取引に係るデータを修正する第3修正手段と、
前記第3修正手段により修正された修正後の取引に係るデータを前記取消先選択手段により選択された決済装置に送信する第3送信手段と、
をさらに具備し、
前記決済装置は、
前記決済手段により取引が決済される前に前記入力装置から前記決済の取消通知を受けると、決済の取消を許諾する応答を返す取消応答手段と、
前記第3送信手段により前記入力装置から送信されてくる前記修正後の取引に係るデータで、前記決済側記憶部に記憶している取引に係るデータを修正する第4修正手段と、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項11】
前記入力装置は、
前記決済の取消通知に対して通知先の前記決済装置から決済の取消を許諾する応答がないと、決済の取消不可を報知する不可報知手段、
をさらに具備する請求項10記載の会計システム。
【請求項12】
前記入力装置の第3送信手段は、
取引に係るデータが修正される毎に、その修正後の取引に係るデータを前記取消先選択手段により選択された決済装置に送信する、請求項10又は11記載の会計システム。
【請求項13】
前記決済装置は、
前記決済側記憶部で記憶される取引に係るデータが金券商品の取引に係るデータであるのか金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する金券識別手段、
をさらに具備し、
前記決済手段は、前記入力装置から前記入力終了の通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータのうち金券商品以外の商品の取引に係るデータについては当該商品の販売金額を正の値とし、金券商品の取引に係るデータについては当該金券商品の額面金額を負の値として取引を決済する、請求項1記載の会計システム。
【請求項14】
前記決済装置は、
前記決済手段により決済された取引のレシートとして、前記金券商品以外の商品の販売金額を合算した合計金額とは別に前記金券商品の額面金額を表記したレシートを出力するレシート出力手段、
をさらに具備する請求項13記載の会計システム。
【請求項15】
前記入力装置は、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータが金券商品の取引に係るデータであるのか金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する金券識別手段と、
前記取引に係るデータのうち金券商品以外の商品の取引に係るデータについては当該商品の販売金額を正の値とし、金券商品に係るデータについては当該金券商品の額面金額を負の値として取引の合計金額を算出する演算手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出された時点で前記演算手段により算出された取引の合計金額が0又は負の値であるとき、支払い完了を報知する完了報知手段と、
をさらに具備する請求項13又は14記載の会計システム。
【請求項16】
取引に係るデータを入力するための入力デバイスと、
取引を決済する複数台の決済装置とデータ通信を行うための通信デバイスと、
取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段と、
前記取引に係るデータを入力する前に、前記複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置を接続先として決定する決定手段と、
前記取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段と、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する第1送信手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する第1通知手段と、
を具備する入力装置。
【請求項17】
入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する入力装置とデータ通信を行う通信デバイスと、
前記入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段と、
前記入力装置から前記取引に係るデータの入力終了指示を検出したことの通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段と、
を具備する決済装置。
【請求項18】
取引に係るデータを入力するための入力デバイスと、取引を決済する複数台の決済装置とデータ通信を行うための通信デバイスと、を備えた入力装置のコンピュータを、
取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段、
前記取引に係るデータを入力する前に、前記複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置を接続先として決定する決定手段、
前記取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する第1送信手段、及び、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する第1通知手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する入力装置とデータ通信を行う通信デバイス、を備えた決済装置のコンピュータを、
前記入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段、及び、
前記入力装置から前記取引に係るデータの入力終了指示を検出したことの通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計システム、及びこのシステムの入力装置及び決済装置、さらには入力装置及び決済装置それぞれのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、量販店向けの会計システムとして、店員と客とが操作を分担する分担方式の会計システムが知られている。この種の会計システムは、取引毎にその取引で売買される商品のデータ入力を受け付ける入力装置と、この入力装置で入力された商品のデータを基に取引の決済処理を実行する決済装置とを分離する。そして、店員が入力装置を操作し、客が決済装置を操作するように配置する。
【0003】
分担方式の会計システムは、商品のデータ入力操作を店員が行うため、客が全ての操作を自身で行うセルフ方式の会計システムよりもデータ入力に要する時間が短縮される。その一方で、客が決済装置を操作するため、操作に不慣れな客が決済に手間取ることが想定される。そこで一般に、分担方式の会計システムは、1台の入力装置に対して複数台の決済装置が割り当てられている。
【0004】
従来のこの種の会計システムは、店員が入力装置に対して客との取引で売買される商品のデータ入力を全て終えると、入力装置において決済情報が生成される。決済情報は、売買された商品の商品コード、商品名、単価、数量、金額等の明細情報と、合計点数、合計金額等の合計情報と、を含む。そして決済情報は、いずれかの空いている決済装置に送信されるので、店員は、客をその決済装置へと案内する。決済情報を受信した決済装置は決済処理が可能となるので、客は、決済装置を操作して、現金、クレジットカード、電子マネー等で代金を支払う。かくして分担方式の会計システムは、店員と客が操作を分担して取引を決済する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-242839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システム、及びこのシステムの入力装置及び決済装置、さらには入力装置及び決済装置それぞれのプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、会計システムは、入力デバイスを介して取引に係るデータを入力する入力装置と、取引を決済する複数台の決済装置とを通信回線で接続する。
入力装置は、決定手段と、終了検出手段と、第1送信手段と、第1通知手段とを備える。決定手段は、取引に係るデータを入力する前に、複数台の決済装置のうちいずれか一台の決済装置を接続先として決定する。終了検出手段は、取引に係るデータの入力終了指示を検出する。第1送信手段は、入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に送信する。第1通知手段は、終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、決定手段により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置に入力終了を通知する信号を出力する。
決済装置は、決済側記憶手段と、決済手段とを備える。決済側記憶手段は、入力装置から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部で記憶する。決済手段は、入力装置から入力終了を通知する信号を受信すると、決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る会計システムの概略構成を示す模式図である。
図2図2は、会計システムに組み込まれる入力装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、会計システムに組み込まれる決済装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、第1の実施形態において、入力装置が有する第1データテーブルの構成を示す模式図である。
図6図6は、明細レコードのデータ構成を示す模式図である。
図7図7は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、決済装置が有するフラグメモリの構成を示す模式図である。
図9図9は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図10図10は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図11図11は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図12図12は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図13図13は、入力装置のタッチパネルに表示される接続先選択画面の一例である。
図14図14は、入力装置のタッチパネルに表示される接続不可画面の一例である。
図15図15は、入力装置のタッチパネルに表示される接続先選択画面の一例である。
図16図16は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図17図17は、入力装置のタッチパネルに表示される小計画面の一例である。
図18図18は、決済装置のタッチパネルに表示される待機画面の一例である。
図19図19は、決済装置のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
図20図20は、決済装置のタッチパネルに表示される会計画面の一例である。
図21図21は、第2の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図22図22は、第2の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図23図23は、第2の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図24図24は、第2の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図25図25は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図26図26は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図27図27は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図28図28は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図29図29は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図30図30は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図31図31は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図32図32は、第3の実施形態において、入力装置が有する第2データテーブルの構成を示す模式図である。
図33図33は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図34図34は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図35図35は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図36図36は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図37図37は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図38図38は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図39図39は、入力装置のタッチパネルに表示される接続先選択画面の一例である。
図40図40は、入力装置のタッチパネルに表示される第2明細画面の一例である。
図41図41は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図42図42は、第4の実施形態における明細レコードのデータ構成を示す模式図である。
図43図43は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図44図44は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図45図45は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図46図46は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図47図47は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図48図48は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図49図49は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
図50図50は、決済装置から出力されるレシートの一発行例である。
図51図51は、入力装置のタッチパネルに表示される接続先選択画面の他の例である。
図52図52は、他の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図53図53は、他の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システムの実施形態を、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態の順で説明する。はじめに、各実施形態において共通となる会計システムの概略構成、入力装置及び決済装置のハードウェア構成について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0010】
図1は、会計システム1の概略構成を示す模式図である。会計システム1は、入力装置11と、決済装置12と、サーバ13と、これらを接続するネットワーク14と、を含む。ネットワーク14の種類は特に限定されないが、一般的には有線又は無線のLAN(local area network)が適用される。
【0011】
入力装置11は、取引毎にその取引で売買される商品のデータ入力を受け付けるように構成された装置である。決済装置12は、入力装置11で入力された商品のデータを基に取引の決済処理を行うように構成された装置である。入力装置11は、原則、チェッカと呼ばれる役割を担った店員2が、その操作者となる。決済装置12は、原則、店舗で商品を購入する消費者、いわゆる客3が、その操作者となる。なお、入力装置11の操作者を客3としてもよい。すなわち客3が入力装置11と決済装置12の両方を操作してもよい。同様に、決済装置12の操作者を店員2としてもよい。すなわち店員2が入力装置11と決済装置12の両方を操作してもよい。
【0012】
入力装置11は、図1においては、作業テーブル4に取り付けられている。作業テーブル4は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル4が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、客3のための通路、いわゆるチェックアウトレーンが形成される。
【0013】
入力装置11及び決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。1つのチェックアウトレーンに対し、入力装置11は1台配置され、決済装置12は2台以上の複数台配置される。そして、同じチェックアウトレーンに配置された入力装置11と決済装置12との間で、ネットワーク14を通じて種々のデータ信号が授受される。データ信号は、サーバ13を介して授受されてもよいし、サーバ13を介さずに授受されてもよい。
【0014】
図1では、第1のチェックアウトレーンに1台の入力装置11(11-1)と2台の決済装置12(12-1,12-2)とを配置し、第2のチェックアウトレーンに1台の入力装置11(11-2)と2台の決済装置12(12-3,12-4)とを配置した例を示している。図示しないが、他のチェックアウトレーンにおいても1台の入力装置11と2台以上の決済装置12とが配置されている。第1のチェックアウトレーンに配置された2台の決済装置12(12-1,12-2)は、いずれも同一のチェックアウトレーンに配置された入力装置11(11-1)で処理された取引の決済処理を実行することができる。第2のチェックアウトレーンに配置された2台の決済装置12(12-3,12-4)は、いずれも同一のチェックアウトレーンに配置された入力装置11(11-2)で処理された取引の決済処理を実行することができる。
【0015】
なお、1つのチェックアウトレーンに配置された少なくとも1台の決済装置12が、隣接するチェックアウトレーンに配置された入力装置11で処理された取引の決済処理を実行可能としてもよい。例えば、図1において、決済装置12(12-2)は、入力装置11(11-1)だけでなく入力装置11(11-2)で処理された取引の決済処理を実行できるようにする。同様に、決済装置12(12-3)は、入力装置11(11-2)だけでなく入力装置11(11-1)で処理された取引の決済処理を実行できるようにする。こうすることにより、1台の入力装置11で処理された取引の決済処理が可能な決済装置12の台数を、決済装置12を増設することなく増やすことができる。
【0016】
サーバ13は、商品マスタファイル131及び売上マスタファイル132を備える。商品マスタファイル131及び売上マスタファイル132は、サーバ13が内蔵する記憶装置に保存されていてもよいし、サーバ13の外部に接続された記憶装置に保存されていてもよい。
【0017】
商品マスタファイル131は、店舗で販売される商品毎に作成された商品レコードを格納するデータファイルである。商品レコードは、商品コード、商品名、単価、属性等の商品データを記述したデータレコードである。
【0018】
商品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定された固有のコードである。通常、各商品には、商品コードを表すバーコード、若しくは二次元コードが付されている。あるいは、商品コードを記憶したRFID(Radio Frequency Identification)タグが付されていてもよい。入力装置11は、商品に付されたバーコード、2次元コード又はRFIDタグを読取装置で読み取ることで、取引で売買される商品の商品コードを入力することができる。
【0019】
商品名及び単価は、商品コードで識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。属性は、例えば商品の税に関する情報である。税に関する情報としては、税率、税種(外税、内税、非課税)等がある。
【0020】
売上マスタファイル132は、店舗で販売される商品毎に作成された売上レコードを格納するデータファイルである。売上レコードは、前述した商品コード、商品名及び単価に加えて、売上点数、売上金額等の売上データを記述したデータレコードである。売上点数は、対応する商品コードで識別される商品の販売数量の合計である。売上金額は、対応する商品コードで識別される商品の販売金額の合計である。
【0021】
図2は、入力装置11のハードウェア構成を示すブロック図である。入力装置11は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、通信ユニット25、キーボード26、スキャナ27、タッチパネル28、客用ディスプレイ29及びシステム伝送路30等を備える。システム伝送路30は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路30は、プロセッサ21と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0022】
入力装置11は、プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信ユニット25とをシステム伝送路30で接続することにより、コンピュータを構成する。そして入力装置11は、そのコンピュータに、システム伝送路30を介してキーボード26、スキャナ27、タッチパネル28、客用ディスプレイ29等のデバイスを接続する。
【0023】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、入力装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0024】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0025】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0026】
時計24は、日付と時刻を計時する。プロセッサ21は、時計24によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。通信ユニット25は、ネットワーク14を介して接続されたサーバ13及び複数台の決済装置12との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。キーボード26は、客が購入する商品、いわゆる買上商品に係るデータの入力等に必要な種々のキーを配置した入力デバイスである。スキャナ27は、バーコード、二次元コード等のコードシンボルを読み取って入力する入力デバイスである。タッチパネル28は、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル28は、入力装置11のオペレータである店員に対して情報の表示を行い、その店員による操作入力を受け付ける。客用ディスプレイ29は、入力装置11において買上商品のデータが入力されている客3に対して情報の表示を行う。
【0027】
このようなハードウェア構成を有する入力装置11としては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。なお、入力装置11に接続されるデバイスは、キーボード26、スキャナ27、タッチパネル28及び客用ディスプレイ29に限定されるものではない。入力装置11の用途において必要なデバイスを追加したり、一部のデバイスを省略したりしてもよい。
【0028】
図3は、決済装置12のハードウェア構成を示すブロック図である。決済装置12は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、通信ユニット35、釣銭機インターフェース36、スキャナ37、タッチパネル38、プリンタ39、パトランプ40、端末インターフェース41及びシステム伝送路42等を備える。システム伝送路42は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路42は、プロセッサ31と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0029】
決済装置12は、プロセッサ31と、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34及び通信ユニット35とをシステム伝送路42で接続することにより、コンピュータを構成する。そして決済装置12は、そのコンピュータに、システム伝送路42を介して釣銭機インターフェース36、スキャナ37、タッチパネル38、プリンタ39、パトランプ40、端末インターフェース41等のデバイスインターフェース又はデバイスを接続する。
【0030】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済装置12としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPUである。
【0031】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0032】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0033】
時計34は、日付と時刻を計時する。プロセッサ31は、時計34によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。通信ユニット35は、ネットワーク14を介して接続されたサーバ13又は入力装置11との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース36は、図示しない自動釣銭機とのインターフェースを構成する。釣銭機インターフェース36は、自動釣銭機から当該自動釣銭機に投入された貨幣の金額データを入力する。釣銭機インターフェース36は、決済装置12から自動釣銭機へと釣銭データを出力する。釣銭データを入力した自動釣銭機は、その釣銭データ相当の貨幣を釣銭として自動的に払い出す。
【0034】
スキャナ37は、バーコード、二次元コード等のコードシンボルを読み取るための入力デバイスである。タッチパネル38は、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル38は、決済装置12のオペレータである客3に対して情報の表示を行い、その客3による操作入力を受け付ける。プリンタ39は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。パトランプ40は、例えば赤色と青色の二色の発光体を有する。パトランプ40は、決済装置12に対応付けてその近傍に立設されたポールの頂部に設けられており、対応する決済装置12の状態に応じて、例えば赤色又は青色で点灯又は点滅する。
【0035】
端末インターフェース41は、キャッシュレス決済端末5とのインターフェースを構成する。キャッシュレス決済端末5は、クレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済等のキャッシュレス決済に対応した情報端末である。端末インターフェース41は、複数種類のキャッシュレス決済方法の中から選択されたキャッシュレス決済方法の識別データをキャッシュレス決済端末5に出力する。キャッシュレス決済端末5においては、識別データで識別されるキャッシュレス決済方法で取引の決済が処理されるので、端末インターフェース41は、キャッシュレス決済端末5から処理結果を入力する。端末インターフェース41にキャッシュレス決済端末5を接続することによって、決済装置12は、現金決済だけでなくキャッシュレス決済にも対応した機器となる。
【0036】
このようなハードウェア構成を有する決済装置12としては、例えば既存のセルフ方式のPOS端末、いわゆるセルフレジを利用することが可能である。なお、決済装置12に接続されるデバイスは、スキャナ37、タッチパネル38、プリンタ39及びパトランプ40に限定されるものではない。決済装置12の用途において必要なデバイスを追加したり、一部のデバイスを省略したりしてもよい。
【0037】
[第1の実施形態]
次に、第1の実施形態について、図4乃至図20を用いて説明する。
図4は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、接続先選択手段51、問合せ手段52、決定手段53、無効手段54、入力側記憶手段55、明細表示手段56、終了検出手段57、第1送信手段58、第1通知手段59及び決済先報知手段510としての機能を有する。なお、プロセッサ21が有する機能は、これらに限定されるものではない。
【0038】
接続先選択手段51は、取引に係るデータを入力する前に、入力デバイス61からの入力を受けて、複数台の決済装置12のうちいずれか一台の決済装置12を接続先として選択する機能である。入力デバイス61は、キーボード26又はタッチパネル28が該当する。接続先選択手段51は、入力デバイス61に複数台の決済装置12を個々に指定可能な操作子を配置する。接続先選択手段51は、いずれか1つの操作子が操作されると、その操作子によって指定された決済装置12を接続先として選択する。
【0039】
問合せ手段52は、接続先選択手段51により選択された一台の決済装置12に接続可否を問合せる機能である。問合せを受けた決済装置12からは、接続を許諾する接続可又は接続を否定する接続不可の応答がある。
【0040】
決定手段53は、取引に係るデータを入力する前に、複数台の決済装置12のうちいずれか一台の決済装置12を接続先として決定する機能である。決定手段53は、問合せ手段52による問合せに対して問合せ先の決済装置12から接続を許諾する接続可の応答信号を受信した場合に当該決済装置12を接続先として決定する。
【0041】
問合せ手段52及び決定手段53は、第1データテーブル63を参照して作用する。第1データテーブル63は、図5に示すように、当該入力装置11に対して接続先となり得る決済装置12の決済装置IDと関連付けて、決済装置番号(No.)と、接続先フラグFaとを記述したデータテーブルである。接続先となり得る決済装置12とは、原則的には、当該入力装置11と同一のチェックアウトレーンに設置された複数台の決済装置12である。決済装置IDは、その複数台の決済装置12を個々に識別するために決済装置12毎に設定された識別情報である。決済装置番号は、決済装置IDによって識別される決済装置12に割り当てられた一連の番号である。接続先フラグFaは、対応する決済装置IDで識別される決済装置12が接続先として決定されたか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、接続先として決定された接続先フラグFaを“1”とし、接続先として決定されていない接続先フラグFaを“0”とする。
【0042】
因みに本実施形態では、決済装置12(12-1)の決済装置IDを[0001]とし、決済装置番号を[1]とする。同様に、決済装置12(12-2)の決済装置IDを[0002]、決済装置番号を[2]とし、決済装置12(12-3)の決済装置IDを[0003]、決済装置番号を[3]とし、決済装置12(12-4)の決済装置IDを[0004]、決済装置番号を[4]とする。したがって、図5は、決済装置12(12-1)及び決済装置12(12-2)が接続先となり得る入力装置11(11‐1)が有する第1データテーブル63を図示している。
【0043】
問合せ手段52は、接続先選択手段51によって選択された決済装置12の決済装置IDを第1データテーブル63から取得し、その決済装置IDで識別される決済装置12に対して問合せを行う。決定手段53は、問合せ先の決済装置12から接続可の応答信号を受信した場合に、当該決済装置12の決済装置IDに対応した接続先フラグFaを“0”から“1”に変更する。
【0044】
無効手段54は、問合せ手段52による問合せに対して問合せ先の決済装置12から接続を否定する接続不可の応答信号を受信した場合に、入力デバイス61に配置された複数の操作子のうち、当該決済装置12を指定する操作子の操作を無効とする機能である。
【0045】
入力側記憶手段55は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを入力側記憶部64で記憶する機能である。入力側記憶部64は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23の記憶領域の一部である。取引に係るデータは、例えば客との取引で売買される商品の商品コード、数量、値引額、割引率等である。入力側記憶手段55は、キーボード26、スキャナ27及びタッチパネル28の入力デバイス61を介して取引に係るデータを入力すると、その入力されたデータを基に1取引として売り上げる商品の明細レコードRaを商品毎に作成する。明細レコードRaは、図6に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目のデータを記述したレコードである。金額は、単価に数量を乗算して算出された金額である。すなわち明細レコードRaは、商品コード、数量等の取引に係るデータを記述したレコードであると言える。入力側記憶手段55は、明細レコードRaを入力側記憶部64の第1取引ファイル641に記憶する。
【0046】
明細表示手段56は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを基に取引の明細情報を表示デバイス62で表示する機能である。表示デバイス62は、タッチパネル28と客用ディスプレイ29の双方又はいずれか一方が該当する。明細表示手段56は、表示デバイス62の画面を明細画面SAc(図16を参照)とし、その明細画面SAcに、第1取引ファイル641に記憶された明細レコードRaの商品名、数量、単価、値割引額、金額等の明細情報を表示する。明細画面SAcの詳細な説明については後述する。
【0047】
終了検出手段57は、取引に係るデータの入力終了指示を検出する機能である。終了検出手段57は、入力デバイス61からの入力を受けて、取引に係るデータの入力終了指示を検出する。
【0048】
第1送信手段58は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを、終了検出手段57により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、通信ユニット25を介して決定手段53により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置12に送信する機能である。第1送信手段58は、第1データテーブル63を参照して、決定手段53により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置12、すなわち接続先フラグFaが“1”に設定された決済装置12を認識する。以下では、決定手段53により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置12を接続先決済装置120と表す。第1送信手段58は、入力デバイス61を介して取引に係るデータが入力される毎に、その入力された取引に係るデータを接続先決済装置120に送信する。
【0049】
第1通知手段59は、終了検出手段57により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、接続先決済装置120に入力終了を通知する機能である。第1通知手段59は、第1データテーブル63を参照して接続先決済装置120を認識し、その接続先決済装置120に入力終了を通知する信号を出力する。
【0050】
決済先報知手段510は、第1通知手段59により入力終了を通知した接続先決済装置120を決済先として報知する機能である。決済先報知手段510は、店員2に対する表示デバイス62であるタッチパネル28に、接続先決済装置120を特定可能な情報を表示することで店員2に決済先を報知する。決済先報知手段510は、客3に対する表示デバイス62である客用ディスプレイ29に、接続先決済装置120を特定可能な情報を表示することで客3に決済先を報知してもよい。あるいは決済先報知手段510は、タッチパネル28と客用ディスプレイ29の双方に接続先決済装置120を特定可能な情報を表示することで、店員2と客3の両者に決済先を報知してもよい。接続先決済装置120を特定可能な情報は、例えば第1データテーブル63に設定されている決済装置番号である。
【0051】
上述した接続先選択手段51、問合せ手段52、決定手段53、無効手段54、入力側記憶手段55、明細表示手段56、終了検出手段57、第1送信手段58、第1通知手段59及び決済先報知手段510としての機能は、プロセッサ21が入力装置11用のプログラム、いわゆる入力プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0052】
入力プログラムは、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。入力プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に入力プログラムを記録して、あるいはネットワーク14を介した通信により入力プログラムを配信して、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0053】
図7は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、決済側記憶手段71、金額表示手段72、接続応答手段73及び決済手段74としての機能を有する。なお、プロセッサ31が有する機能は、これらに限定されるものではない。
【0054】
決済側記憶手段71は、入力装置11から送信され、通信ユニット35を介して受信した取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部81で記憶する機能である。決済側記憶部81は、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33の記憶領域の一部である。決済側記憶手段71は、受信した取引に係るデータを基に、1取引として売り上げる商品の明細レコードRaを商品毎に作成する。明細レコードRaは、図5に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目のデータを記述したレコードである。すなわち明細レコードRaは、商品コード、数量等の取引に係るデータを記述したレコードであると言える。決済側記憶手段71は、明細レコードRaを決済側記憶部81の第2取引ファイル811で記憶する。
【0055】
金額表示手段72は、入力装置11から入力終了の通知する信号を受信すると、取引の決済金額をタッチパネル38に表示する機能である。取引の決済金額は、第2取引ファイル811で記憶した明細レコードRaの金額と値割引額とから算出される金額である。因みに、取引の決済金額が表示されるまで、すなわち入力装置11から入力終了の通知する信号を受信するまでは、金額表示手段72は、待機画面SBa(図18を参照)をタッチパネル38に表示している。
【0056】
接続応答手段73は、取引の決済が可能な状態で入力装置11から接続可否の問合せを受けると、接続を許諾する接続可の応答を返す機能である。接続応答手段73は、取引の決済が不可能な状態で入力装置11から接続可否の問合せを受けると、接続を否定する接続不可の応答信号を返す。接続応答手段73は、フラグメモリ82を参照して、取引の決済が可能か否かを判定する。そして接続応答手段73は、取引の決済が可能であると判定した場合には、通信ユニット35を介して入力装置11に接続を許諾する接続可の応答、すなわち肯定応答(OK)の信号を送信する。このとき、接続応答手段73は、例えば青色で点灯するようにパトランプを制御する。接続応答手段73は、取引の決済が不可能であると判定した場合には、通信ユニット35を介して入力装置11に接続を否定する接続不可の応答、すなわち否定応答(NG)の信号を送信する。このとき、パトランプ40は、消灯したままである。
【0057】
フラグメモリ82は、図8に示すように状態フラグFbを記憶する。状態フラグFbは、当該決済装置12が待機中であるか決済中であるかを識別するための1ビットデータである。待機中の決済装置12が入力装置11から取引に係るデータを受信すると、当該決済装置12は決済中となる。取引の決済中のとき、決済装置12は、次の取引の決済が不可能な状態となる。したがって接続応答手段73は、否定応答(NG)の信号を送信する。決済中の決済装置12において決済処理が終了すると、当該決済装置12は待機中となる。待機中のとき、決済装置12は、次の取引の決済が可能な状態となる。したがって接続応答手段73は、肯定応答(OK)の信号を送信する。すなわち待機中の決済装置12は、取引の決済が可能な状態の決済装置であると言える。決済中の決済装置12は、取引の決済が不可能な状態の決済装置であると言える。本実施形態では、待機中のときの状態フラグFbを“0”とし、決済中のときの状態フラグFbを“1”とする。
【0058】
決済手段74は、通信ユニット35を介して入力装置11から入力終了の通知を受けると、決済側記憶部81で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する機能である。決済手段74は、入力装置11から入力終了の通知する信号を受信すると、第2取引ファイル811に記憶したデータを基に、取引を決済する。そして決済を終了すると、決済手段74は、パトランプ40を消灯する。また決済手段74は、第2取引ファイル811をクリアし、状態フラグFbを“1”から“0”に変更する。第2取引ファイル811がクリアされ、かつ状態フラグFbが“0”になることにより、決済装置12は、次の客との取引が可能となる。
【0059】
決済手段74は、支払い方法選択画面SBb(図19を参照)を介して選択された代金支払い方法で取引を決済する。例えば代金支払い方法として現金支払いが選択された場合には、決済手段74は、釣銭機インターフェース36に接続された自動釣銭機を介して現金による取引の決済処理を実行する。代金支払い方法としてクレジットカード支払いが選択された場合には、決済手段74は、端末インターフェース41に接続されたキャッシュレス決済端末5を介してクレジットカードによる取引の決済処理を実行する。代金支払い方法として電子マネー支払いが選択された場合には、決済手段74は、端末インターフェース41に接続されたキャッシュレス決済端末5を介して電子マネーによる取引の決済処理を実行する。なお、現金、クレジットカード及び電子マネーによる取引の決済処理はいずれも周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。
【0060】
上述した決済側記憶手段71、金額表示手段72、接続応答手段73及び決済手段74としての機能は、プロセッサ21が決済装置用のプログラム、いわゆる決済プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0061】
決済プログラムは、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。決済プログラムをメインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に決済プログラムを記録して、あるいはネットワーク14を介した通信により決済プログラムを配信して、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0062】
次に、図9乃至図12の流れ図、及び、図13乃至図20の画面例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される主要な情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0063】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を図9及び図10の流れ図を用いて説明する。
客3は、売場に陳列されている商品の中から購入する商品を買物籠等に入れ、チェックアウトレーンに向かう。客3がチェックアウトレーンに来ると、チェッカとしての役割を担う店員2は、入力装置11に対して入力開始の宣言操作を行う。この操作を受けて、プロセッサ21は、図9及び図10の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0064】
先ずプロセッサ21は、ACT101としてタッチパネル28の画面を接続先選択画面SAa(図13を参照)とする。
図13は、接続先選択画面SAaの一表示例である。接続先選択画面SAaには、当該入力装置11と同一のチェックアウトレーンに配置された複数台の決済装置12を個々に指定可能な操作子として、第1ボタンBAaと第2ボタンBAbとが配置されている。
【0065】
図13は、入力装置11(11-1)のタッチパネル28に表示される接続先選択画面SAaの一例である。入力装置11と同一のチェックアウトレーンに配置された決済装置12は、決済装置12(12-1)と決済装置12(12-2)である。第1ボタンBAaは、決済装置12(12-1)を指定するボタンである。したがって、第1ボタンBAaには決済装置12(12-1)の決済装置番号「1」が表示されている。第2ボタンBAbは、決済装置12(12-2)を指定するボタンである。したがって、第2ボタンBAbには決済装置12(12-2)の決済装置番号「2」が表示されている。
【0066】
因みに、決済装置12(12-3)及び決済装置12(12-4)同一のチェックアウトレーンに配置された入力装置11(11-2)においては、決済装置12(12-3)の決済装置番号「3」が表示された第1ボタンBAaと、決済装置12(12-4)の決済装置番号「4」が表示された第2ボタンBAbとが配置された接続先選択画面SAaが表示される。
【0067】
タッチパネル28に接続先選択画面SAaが表示されたことを確認した店員2は、空いている決済装置12を探す。空いている決済装置12とは、決済を行っている客3が居ない決済装置12である。あるいは、パトランプ40が消灯している決済装置12である。店員は、空いている決済装置12を認識すると、その決済装置12の決済装置番号が表示された操作子(第1ボタンBAa又は第2ボタンBAb)をタッチ操作で入力する。例えば決済装置12(12-1)が空いていると認識した店員2は、第1ボタンBAaをタッチ操作で入力する。例えば決済装置12(12-2)が空いていると認識した店員2は、第2ボタンBAbをタッチ操作で入力する。
【0068】
図9の説明に戻る。
接続先選択画面SAaを表示したプロセッサ21は、ACT102として決済装置番号が入力されるのを待ち受ける。プロセッサ21は、接続先選択画面SAaに配置された第1ボタンBAaが入力されると、その第1ボタンBAaに割り当てられた決済装置番号が入力されたと判断する。プロセッサ21は、接続先選択画面SAaに配置された第2ボタンBAbが入力されると、その第2ボタンBAbに割り当てられた決済装置番号が入力されたと判断する。
【0069】
決済装置番号が入力されると、プロセッサ21は、ACT102からACT103へと進む。プロセッサ21は、ACT103として第1データテーブル63を参照して、当該決済装置番号と関連付けられた決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT104としてその決済装置IDを宛先として確認イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に確認イベントが送信される。確認イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該確認イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。確認イベントを受信した決済装置12からは、接続を許諾する肯定応答(OK)、又は、接続を否定する否定応答(NG)の信号が返信される。
【0070】
確認イベントの送信を制御したプロセッサ21は、ACT105として決済装置12から肯定応答(OK)の信号を受信するのを待ち受ける。この待ち受け状態において、所定時間内に通信ユニット25を介して否定応答(NG)の信号を受信するか、肯定応答(OK)又は否定応答(NG)の信号を受信できない場合には、プロセッサ21は、ACT105からACT106へと進む。プロセッサ21は、ACT106として入力した決済装置番号で特定される決済装置12との接続が不可であることを示す接続不可画面SAb(図14を参照)をタッチパネル28に表示する。
【0071】
図14は、接続不可画面SAbの一表示例である。接続不可画面SAbには、決済装置12に接続できなかったことを示すテキストとともに、確認ボタンBAcが配置されている。テキストを確認した店員2は、確認ボタンBAcをタッチ操作で入力する。
【0072】
接続不可画面SAbを表示したプロセッサ21は、ACT107として確認ボタンBAcが入力されるのを待ち受ける。確認ボタンBAcが入力されると、プロセッサ21は、ACT107からACT101へと戻る。すなわちプロセッサ21は、タッチパネル28の画面を接続不可画面SAbから接続先選択画面SAa(図15を参照)に戻す。
【0073】
図15は、第1ボタンBAaに割り当てられた決済装置番号の決済装置12から否定応答(NG)を受信した後の接続先選択画面SAaの一表示例である。図示するように、第2ボタンBAbはタッチ操作での入力が可能であるが、第1ボタンBAaはグレーアウトしていて、入力することはできない。このように、決済装置12に確認イベントを送信したが、否定応答(NG)の信号を受信した場合には、確認イベント送信先の決済装置12の決済装置番号が割り当てられた第1ボタンBAa又は第2ボタンBAbが無効化される。
【0074】
図15の接続先選択画面SAaを確認した店員2は、第2ボタンBAbに割り当てられた決済装置番号の決済装置12が空いているか確認し、空いている場合には、第2ボタンBAbをタッチ操作で入力する。第2ボタンBAbが入力されると、プロセッサ21は、ACT103乃至ACT105の処理を前述したのと同様に実行する。ここで、第2ボタンBAbに割り当てられた決済装置番号の決済装置12からも所定時間内に通信ユニット25を介して否定応答(NG)の信号を受信するか、肯定応答(OK)又は否定応答(NG)の信号を受信できない場合には、プロセッサ21は、ACT106及びACT107の処理を前述したのと同様に実行する。そしてその後、プロセッサ21は、ACT101へと戻る。このときの接続先選択画面SAaは、第2ボタンBAbがグレーアウトし、第1ボタンBAaが入力可能となる。
【0075】
ACT105において、所定時間内に通信ユニット25を介して肯定応答(OK)を受信すると、プロセッサ21は、ACT105からACT108へと進む。プロセッサ21は、ACT108として肯定応答(OK)を送信した決済装置12の決済装置IDと関連付けられて第1データテーブル63に記述されている接続先フラグFaを“0”から“1”に変更する。またプロセッサ21は、ACT109としてタッチパネル28の画面を明細画面SAc(図16を参照)とする。
【0076】
図16は、明細画面SAcの一表示例である。明細画面SAcは、カレントエリアAAaと、明細エリアAAbと、合計エリアAAcとに区分される。カレントエリアAAaには、一取引の買上商品として入力された最新の商品の商品名、数量及び金額が表示される。明細エリアAAbには、一連のレコード番号順に、一取引の買上商品として入力された商品の商品名、数量、単価、値割引額及び金額がリスト形式で表示される。合計エリアAAcには、買上商品の合計数量と合計金額とが表示される。
【0077】
また明細画面SAcは、小計ボタンBAd、値引ボタンBAe及び割引ボタンBAfのソフトウェアキーを含む。小計ボタンBAdは、一取引における買上商品の入力が終了したことを指令するための操作子である。値引ボタンBAeは、一取引の買上商品として入力された最新の商品の値引を指令するための操作子である。割引ボタンBAfは、一取引の買上商品として入力された最新の商品の割引を指令するための操作子である。因みに、オペレータが値引ボタンBAeを入力するとともにキーボード26のテンキーで値引額を入力することにより、商品の価格が値引される。同様に、オペレータが割引ボタンBAfを入力するとともにキーボード26のテンキーで割引率を入力することにより、商品の価格が割引される。
【0078】
なお、ACT109において、プロセッサ21は、客用ディスプレイ29の画面を客用明細画面とする。客用明細画面は、明細画面SAcからソフトウェアキーを除いたものである。
【0079】
タッチパネル28に明細画面SAcが表示されたことを確認した店員2は、スキャナ27を操作して客3が購入する商品に付されたバーコードを読み取る。スキャナ27でバーコードが読み取られることによって、買上商品の商品コードが入力装置11に入力される。一方、生鮮食品などの一部の商品にはバーコードが付されていないことがある。商品にバーコードが付されていない場合、店員2は、タッチパネル28にバーコード無商品のリストを表示させる。そして店員は、そのリストの中から客が購入する商品を選択する。このような操作により、バーコードのない買上商品の商品コードが入力装置11に入力される。
【0080】
図9の説明に戻る。
明細画面SAcを表示したプロセッサ21は、ACT110として商品コードが入力されるのを待ち受ける。商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT110からACT111へと進む。プロセッサ21は、ACT111として接続先となった決済装置12の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ21は、第1データテーブル63を参照して、接続先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT112として決済装置IDを宛先として入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に入力イベントが送信される。入力イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該入力イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。入力イベントは、スキャナ27又はタッチパネル28から入力された商品コードを含む。
【0081】
またプロセッサ21は、ACT113として明細レコードRaを作成する。すなわちプロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品コードを含む商品レコードを取得する。そしてプロセッサ21は、その商品レコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。なお、数量は“1”である。値割引額は“0”である。金額は、単価である。
【0082】
プロセッサ21は、ACT114として明細レコードRaを第1取引ファイル641に記憶する。またプロセッサ21は、ACT115として明細画面SAcを更新する。すなわちプロセッサ21は、明細レコードRaの商品名、数量及び金額を明細画面SAcのカレントエリアAAaに表示する。このとき、カレントエリアAAaに、当該明細レコードRaのレコード番号rよりも1つ前のレコード番号(r-1)の明細レコードRaに係るデータが表示されていた場合には、プロセッサ21は、その明細レコードRaのレコード番号(r-1)、商品名、数量、単価、値割引額及び金額を明細エリアAAbに表示する。またプロセッサ21は、第1取引ファイル641に記憶した全ての明細レコードRaの合計数量及び合計金額を合計エリアAAcに表示する。プロセッサ21は、客用明細画面も同様に更新する。
【0083】
明細画面SAcを更新したプロセッサ21は、図10のACT121へと進む。プロセッサ21は、ACT121として商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT121からACT122へと進む。プロセッサ21は、ACT122として数量又は値割引のデータが入力されたか否かを確認する。数量又は値割引のデータが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT122からACT123へと進む。プロセッサ21は、ACT123として小計ボタンBAdが入力されたか否かを確認する。小計ボタンBAdが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT123からACT121へと戻る。このように、明細画面SAcを更新したプロセッサ21は、ACT121乃至ACT123として商品コード、数量又は値割引のデータ及び小計ボタンBAdの待ち受け状態となる。
【0084】
ACT121乃至ACT123の待ち受け状態において、商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT121から図9のACT111へと戻る。そしてプロセッサ21は、ACT111乃至ACT115の処理を前述したのと同様に実行する。すなわちプロセッサ21は、接続先となった決済装置12の決済装置IDを取得し、その決済装置IDを宛先として入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。入力イベントは、スキャナ27又はタッチパネル28から入力された商品コードを含む。またプロセッサ21は、明細レコードRaを作成し、その明細レコードRaを第1取引ファイル641に記憶する。そしてプロセッサ21は、第1取引ファイル641に記憶した明細レコードRaのデータを基に明細画面SAcを更新する。その後、プロセッサ21は、ACT121乃至ACT123の待ち受け状態となる。
【0085】
ACT121乃至ACT123の待ち受け状態において、キーボード26のテンキーと乗算キーとによって数量が入力された場合、あるいは値引ボタンBAe又は割引ボタンBAfとテンキーとにより値引額又は割引率が入力された場合には、プロセッサ21は、ACT122からACT124へと進む。プロセッサ21は、ACT124及びACT125として前述したACT111及びACT112の処理と同様な処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、接続先となった決済装置12の決済装置IDを取得し、その決済装置IDを宛先として入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。入力イベントは、キー入力された数量、値引額又は割引率を含む。
【0086】
プロセッサ21は、ACT126として第1取引ファイル641に記憶したレコード番号rの明細レコードRaを更新する。具体的には、数量が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaの数量を入力された値とし、金額を単価と数量との積とする。値引額が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaに値引額を記述し、金額から値引額を減じる。割引率が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaの単価と割引率とから割引額を算出して記述し、金額から割引額を減じる。そしてプロセッサ21は、ACT127として明細レコードRaを更新した後の第1取引ファイル641のデータにより、明細画面SAcのカレントエリアAAaと合計エリアAAcの表示を更新する。プロセッサ21は、客用明細画面も同様に更新する。その後、プロセッサ21は、ACT121乃至ACT123の待ち受け状態に戻る。
【0087】
ACT121乃至ACT123の待ち受け状態において、小計ボタンBAdが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT123からACT128へと進む。プロセッサ21は、ACT128としてタッチパネル28の画面を小計画面SAd(図17を参照)とする。
【0088】
図17は、小計画面SAdの一表示例である。小計画面SAdは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアAAdを含む。また小計画面SAdは、小計値引ボタンBAg、小計割引ボタンBAh、入力完了ボタンBAi及び明細に戻るボタンBAjのソフトウェアキーを含む。小計値引ボタンBAgは、合計金額の値引を指令するための操作子である。小計割引ボタンBAhは、合計金額の割引を指令するための操作子である。因みに、小計値引ボタンBAgを入力するとともにキーボード26のテンキーで値引額を入力することにより、合計金額が値引される。同様に、小計割引ボタンBAhを入力するとともにキーボード26のテンキーで割引率を入力することにより、合計金額が割引される。
【0089】
入力完了ボタンBAiは、取引に係るデータの入力終了を指示するための操作子である。店員2は、取引に係るデータの入力を終了すると、入力完了ボタンBAiをタッチ操作で入力する。取引に係るデータの入力を終了していない場合には、店員2は、明細に戻るボタンBAjをタッチ操作で入力する。
【0090】
なお、ACT128において、プロセッサ21は、客用ディスプレイ29の画面を客用小計画面とする。客用小計画面は、小計画面SAdからソフトウェアキーを除いたものである。
【0091】
ところで、明細画面SAc及び小計画面SAdは、その画面の一部に確認イベントに対して肯定応答(OK)を返信した接続先決済装置120の識別名NAaを表示する。識別名NAaは、決済装置番号を含む。因みに図16の明細画面SAc及び図17の小計画面SAdには、決済装置番号「1」が割り当てられた決済装置12(12-1)が接続先決済装置120として選択された場合の画面例であり、識別名NAaとして[決済装置1]が表示されている。店員2は、この識別名NAaにより、接続先決済装置120が決済装置12(12-1)であることを容易に知り得る。
【0092】
小計画面SAdを表示したプロセッサ21は、ACT129として明細に戻るボタンBAjが入力されたか否かを確認する。明細に戻るボタンBAjが入力されていない場合には、プロセッサ21は、ACT129からACT130へと進む。プロセッサ21は、ACT130として入力完了ボタンBAiが入力されたか否かを確認する。入力完了ボタンBAiが入力されていない場合には、プロセッサ21は、ACT130からACT129へと戻る。
【0093】
このように小計画面SAdを表示したプロセッサ21は、ACT129及びACT130において明細に戻るボタンBAjが入力されるか、入力完了ボタンBAiが入力されるのを待ち受ける。なお、この待ち受け状態において、小計値引ボタンBAg又は小計割引ボタンBAhが入力された場合には、プロセッサ21は、小計値引又は小計割引の処理を行って、ACT129及びACT130の待ち受け状態に戻る。
【0094】
ACT129及びACT130の待ち受け状態において、明細に戻るボタンBAjが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT129からACT131へと進む。プロセッサ21は、ACT131としてタッチパネル28の画面を小計画面SAdから直前の明細画面SAcに戻す。そしてプロセッサ21は、ACT121乃至ACT123の待ち受け状態に戻る。
【0095】
ACT129及びACT130の待ち受け状態において、入力完了ボタンBAiが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT130からACT132へと進む。プロセッサ21は、ACT132として取引番号を発番する。例えば入力装置11は、取引番号をカウントするためのカウンタを備えている。プロセッサ21は、このカウンタをカウントアップして新規の取引番号を発番する。
【0096】
取引番号を発番したプロセッサ21は、ACT133へと進む。プロセッサ21は、ACT133として接続先となった決済装置12の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ21は、第1データテーブル63を参照して、接続先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT134として決済装置IDを宛先として完了イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に完了イベントが送信される。完了イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該完了イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。完了イベントには、ACT132において発番した取引番号が含まれる。
【0097】
完了イベントを送信したプロセッサ21は、ACT135へと進む。プロセッサ21は、ACT135として完了イベントの送信先である決済装置12を報知する。例えばプロセッサ21は、送信先である決済装置12に対して割り当てられた決済装置番号をタッチパネル28に表示する。この表示を確認した店員2は、客3に対し、送信先である決済装置12で決済を行うように指示することとなる。なおプロセッサ21は、客用ディスプレイ29に表示されている客用支払い画面の一部に、送信先である決済装置12を示す情報を表示してもよい。そうすることにより、客3は、決済を行い得る決済装置12がどれであるかを知ることができる。
【0098】
完了イベント送信先の決済装置12を報知したプロセッサ21は、ACT136へと進む。プロセッサ21は、ACT136として第1取引ファイル641をクリアする。このクリアにより、第1取引ファイル641に記憶していた明細レコードRaはすべて削除される。またプロセッサ21は、ACT137として第1データテーブル63を参照して、“1”となっていた接続先フラグFaを“0”に変更する。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0099】
このように、第1取引ファイル641がクリアされ、第1データテーブル63の接続先フラグFaが全て“0”となった入力装置11においては、次の客が取引に係るデータの入力が可能となる。そして店員2が、入力装置11に対して入力開始の宣言操作を行うと、プロセッサ21は、タッチパネル28の画面を接続先選択画面SAaとする。そして、プロセッサ21は、ACT102以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0100】
ここにプロセッサ21は、ACT101及びACT102の処理により、接続先選択手段51としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT103及びACT104の処理により、問合せ手段52としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT105及びACT108の処理により、決定手段53としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT106及びACT101の処理により、無効手段54としての機能を実現する。
【0101】
またプロセッサ21は、ACT113及びACT114の処理により、入力側記憶手段55としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT115の処理により、明細表示手段56としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT130の処理により、終了検出手段57としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT111及びACT112の処理により、第1送信手段58としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT132乃至ACT134の処理により、第1通知手段59としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT135の処理により、決済先報知手段510としての機能を実現する。
【0102】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を図11及び図12の流れ図を用いて説明する。
状態フラグFbが“0”、すなわち待機中にある決済装置12のプロセッサ31は、図11及び図12の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ず、プロセッサ31は、ACT201としてタッチパネル38の画面を待機画面SBa(図18を参照)とする。
【0103】
図18は、待機画面SBaの一表示例である。待機画面SBaは、オペレータに待機中であることを知らせる画面である。決済装置12のオペレータは、原則、客3である。したがって、待機画面SBaは、客3が勝手に操作しないような画像を表示した画面であればよい。例えば「いらっしゃいませ」、「お待ちください」等のテキストを表示した画面であってもよいし、店舗のロゴ等のイラストを表示した画面であってもよい。
【0104】
待機画面SBaを表示したプロセッサ31は、ACT202として入力装置11から送信される確認イベントを待ち受ける。この待ち受け状態において、通信ユニット35を介して確認イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT202からACT203へと進む。プロセッサ31は、ACT203として入力装置11との接続を許諾する接続可の応答、すなわち肯定応答(OK)を送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、通信ユニット35を介してネットワーク14に肯定応答(OK)の信号が送信される。肯定応答(OK)の信号には、確認イベント送信元の入力装置11を識別する入力装置IDが含まれる。肯定応答(OK)の信号は、ネットワーク14に接続された複数台の入力装置11のうち、当該信号に含まれる入力装置IDが設定された入力装置11で受信される。
【0105】
肯定応答(OK)を送信したプロセッサ31は、ACT204へと進む。プロセッサ31は、ACT204としてフラグメモリ82の状態フラグFbを“0”から“1”へと変更する。また、プロセッサ31は、ACT205として例えば青色で点灯するようにパトランプ40を制御する。
【0106】
パトランプ40を点灯させたプロセッサ31は、ACT206として入力装置11から送信される入力イベントを待ち受ける。この待ち受け状態において、通信ユニット35を介して入力イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT206からACT207へと進む。プロセッサ31は、ACT207として商品コードを含む入力イベントを受信したか否かを確認する。
【0107】
前述したように、入力イベントには、商品コードを含む入力イベントと、数量、値引額又は割引率を含む入力イベントがある。ACT207において、商品コードを含む入力イベントを受信したことを確認したプロセッサ31は、ACT208へと進む。プロセッサ31は、ACT208として明細レコードRaを作成する。すなわちプロセッサ31は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力イベントに含まれる商品コードを含む商品レコードを取得する。そしてプロセッサ31は、その商品レコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。なお、数量は“1”である。値割引額は“0”である。金額は、単価である。
【0108】
明細レコードRaを作成したプロセッサ31は、ACT209へと進む。プロセッサ31は、ACT209としてその明細レコードRaを第2取引ファイル811に記憶する。
【0109】
一方、受信した入力イベントが商品コードを含まない入力イベントの場合には、プロセッサ31は、ACT207からACT210へと進む。プロセッサ31は、ACT210として数量、値引額又は割引率を含む入力イベントを受信したか否かを確認する。数量、値引額又は割引率を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT210からACT211へと進む。プロセッサ31は、ACT211として第2取引ファイル811に記憶したレコード番号rの明細レコードRaを更新する。具体的には、数量を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaの数量を入力イベントに含まれる値とし、金額を単価と数量との積とする。値引額を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaに値引額を記述し、金額から値引額を減じる。割引率を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaの単価と割引率とから割引額を算出して記述し、金額から割引額を減じる。
【0110】
こうして、ACT209又はACT211の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT212へと進む。プロセッサ31は、ACT212として次の入力イベントを受信したか否かを確認する。入力イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT212からACT213へと進む。プロセッサ31は、ACT213として入力装置11から送信される完了イベントを受信したか否かを確認する。完了イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT212へと戻る。このようにプロセッサ31は、ACT212及びACT213として入力装置11から送信される入力イベント又は完了イベントを待ち受ける。
【0111】
ACT212及びACT213の待ち受け状態において、入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT212からACT207へと戻る。そしてプロセッサ31は、ACT207以降の処理を前述したのと同様に実行する。すなわち、商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaを作成し、その明細レコードRaを第2取引ファイル811に記憶する。数量、割引額又は割引率を含む入力イベントを受信した場合には、レコード番号rの明細レコードRa、すなわち直前のACT209の処理で第2取引ファイル811に記憶した明細レコードRaを更新する。そしてプロセッサ31は、再びACT212及びACT213の待ち受け状態となる。
【0112】
ACT212及びACT213の待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT213から図12のACT221へと進む。プロセッサ31は、ACT221としてタッチパネル38の画面を支払い方法選択画面SBb(図19を参照)とする。
【0113】
図19は、支払い方法選択画面SBbの一表示例である。支払い方法選択画面SBbは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアABaを含む。また支払い方法選択画面SBbは、現金ボタンBBa、クレジットボタンBBb及び電子マネーボタンBBcのソフトウェアキーを含む。現金ボタンBBaは、現金支払いを選択するための操作子である。クレジットボタンBBbは、クレジットカード支払いを選択するための操作子である。電子マネーボタンBBcは、電子マネー支払いを選択するための操作子である。
【0114】
支払い方法選択画面SBbを確認した客3は、代金の支払い方法を選択する。現金支払いを希望する客3は、現金ボタンBBaをタッチ操作で入力する。クレジットカード支払いを希望する客3は、クレジットボタンBBbをタッチ操作で入力する。電子マネー支払いを希望する客3は、電子マネーボタンBBcをタッチ操作で入力する。なお、本実施形態では、代金支払い方法を現金支払い、クレジットカード支払い及び電子マネー支払いの3種類に限定するが、代金支払い方法はこれら3種類に限定されないのは言うまでもない。例えば、コード決済等のキャッシュレスによる決済方法を含めてもよい。
【0115】
支払い方法選択画面SBbを表示したプロセッサ21は、ACT222としていずれか1つの支払い方法が選択されるのを待ち受ける。この待ち受け状態において、決済装置12は、同一チェックアウトレーンに配置された入力装置11から確認イベントを受信する場合があり得る。そこでプロセッサ31は、ACT223として確認イベントを受信したか否かを確認する。支払い方法が選択される前に確認イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT223からACT224へと進む。プロセッサ31は、ACT224として入力装置11との接続を否定する接続不可の応答、すなわち否定応答(NG)を送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、通信ユニット35を介してネットワーク14に否定応答(NG)の信号が送信される。否定応答(NG)の信号には、確認イベント送信元の入力装置11を識別する入力装置IDが含まれる。否定応答(NG)の信号は、ネットワーク14に接続された複数台の入力装置11のうち、当該信号に含まれる入力装置IDが設定された入力装置11で受信される。否定応答(NG)の信号を送信したプロセッサ31は、ACT222に戻る。プロセッサ21は、いずれか1つの支払い方法が選択されるのを待ち受ける。
【0116】
ACT222の待ち受け状態において、現金ボタンBBa、クレジットボタンBBb又は電子マネーボタンBBcの入力によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ31は、ACT225へと進む。プロセッサ31は、ACT225として支払い種別を取得する。支払い種別は、選択入力を受け付けた代金支払い方法を識別する支払い方法識別データである。例えば、現金ボタンBBaが入力された場合には、プロセッサ31は、支払い方法識別データとして支払い種別「現金」を取得する。クレジットボタンBBbが入力された場合には、プロセッサ31は、支払い方法識別データとして支払い種別「クレジット」を取得する。電子マネーボタンBBcが入力された場合には、プロセッサ31は、支払い方法識別データとして支払い種別「電子マネー」を取得する。支払い種別を取得したプロセッサ31は、ACT226としてタッチパネル38の画面を支払い種別に対応した会計画面SBc(図20を参照)とする。
【0117】
図20は、支払い種別が「現金」であった場合の会計画面SBcの一表示例である。会計画面SBcは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアABbを含む。また会計画面SBcは、変更ボタンBBd及び店員呼出ボタンBBeのソフトウェアキーを含む。会計画面SBcは、決済装置12のオペレータに対して会計の方法を知らせる画面である。決済装置12のオペレータは、原則、客3である。したがって、例えば「現金支払いが選択されています。代金を投入してください」というテキストが会計画面SBcに表示される。このテキストを確認した客3は、自動釣銭機に代金相当の現金を投入する。
【0118】
なお、支払い方法を変更したい客3は、変更ボタンBBdをタッチ操作で入力する。また店員を呼び出したい客3は、店員呼出ボタンBBeをタッチ操作で入力する。店員呼出ボタンBBeが入力されると、決済装置12から入力装置11に店員呼出信号が出力されて、入力装置11のタッチパネル28に客から呼び出しがあることを店員に知らせる画像が表示される。
【0119】
会計画面SBcを表示したプロセッサ31は、ACT227として代金の支払いが完了するか、ACT228として変更ボタンBBdが入力されるのを待ち受ける。変更ボタンBBdが入力された場合には、プロセッサ31は、ACT228からACT221へと戻る。すなわちプロセッサ31は、タッチパネル38の画面を支払い方法選択画面SBbとする。そしてプロセッサ31は、ACT222以降の処理を前述したのと同様に実行する。したがって、変更ボタンBBdをタッチ操作で入力した客3は、別の支払い方法を選択することができる。
【0120】
ところで、ACT227及びACT228の待ち受け状態において、決済装置12は、同一チェックアウトレーンに配置された入力装置11から確認イベントを受信する場合があり得る。そこでプロセッサ31は、ACT229として確認イベントを受信したか否かを確認する。代金の支払いが完了する前に確認イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT229からACT230へと進む。プロセッサ31は、ACT230として入力装置11との接続を否定する否定応答(NG)を送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、通信ユニット35を介してネットワーク14に否定応答(NG)の信号が送信される。否定応答(NG)の信号には、確認イベント送信元の入力装置11を識別する入力装置IDが含まれる。否定応答(NG)の信号は、ネットワーク14に接続された複数台の入力装置11のうち、当該信号に含まれる入力装置IDが設定された入力装置11で受信される。否定応答(NG)の信号を送信したプロセッサ31は、ACT227に戻る。プロセッサ21は、代金の支払いが完了するか、変更ボタンBBdが入力されるのを待ち受ける。
【0121】
例えば支払い種別が「現金」であり、自動釣銭機に代金相当の現金が投入された場合には、プロセッサ31は、代金の支払いが完了したと判断する。例えば支払い種別が「クレジット」または「電子マネー」の場合には、プロセッサ31は、キャッシュレス決済端末5から決済完了の信号を待ち受ける。決済完了の信号を受信すると、プロセッサ31は、代金の支払いが完了したと判断する。
【0122】
代金の支払いが完了すると、プロセッサ31は、ACT227からACT231へと進む。プロセッサ31は、ACT231としてプリンタ39を動作させて、取引レシートを発行する。取引レシートには、第2取引ファイル811に記憶された明細レコードRaのデータ、つまりは買上商品の商品名、数量、単価、金額等が印字される。また、買上商品の合計金額、支払い金額、釣銭額、完了イベントに含まれていた取引番号等も印字される。
【0123】
取引レシートを発行したプロセッサ31は、ACT232へと進む。プロセッサ31は、ACT232として第2取引ファイル811に記憶した明細レコードRaに基づいて、買上商品の売上処理を行う。この売上処理により、売上マスタファイル132に記憶される買上商品の売上点数及び売上金額が更新される。
【0124】
買上商品の売上処理を終えたプロセッサ31は、ACT233へと進む。プロセッサ31は、ACT233として第2取引ファイル811をクリアする。このクリアにより、第2取引ファイル811に記憶されていた明細レコードRaが削除される。またプロセッサ31は、ACT234としてフラグメモリ82の状態フラグFbを“1”から“0”へと変更する。さらにプロセッサ31は、ACT235として例えば青色で点灯していたパトランプ40が消灯するように制御する。以上で、プロセッサ31は、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0125】
このように、第2取引ファイル811がクリアされ、フラグメモリ82の状態フラグFbが“0”となった決済装置12においては、取引の決済が可能となる。このとき、タッチパネル38の画面は待機画面SBaとなる。また、パトランプ40は消灯している。この状態で、入力装置11から確認イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT203以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0126】
ここにプロセッサ31は、ACT208及びACT209の処理により、決済側記憶手段71としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT221及びACT226の処理により、金額表示手段72としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT202及びACT203、ACT223及びACT224、さらにはACT229及びACT230の処理により、接続応答手段73としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT231及びACT232の処理により、決済手段74としての機能を実現する。
【0127】
以上で、入力装置11のプロセッサ21及び決済装置12のプロセッサ31が実行する主要な情報処理の説明を終了する。
【0128】
以上詳述したように、第1の実施形態においては、入力装置11は、接続先選択手段51、問合せ手段52及び決定手段53としての機能により、取引に係るデータを入力する前に、複数台の決済装置12のうちいずれか一台の決済装置12を接続先として決定する。そして入力デバイス61を介して取引に係るデータが入力されると、入力装置11は、第1送信手段58としての機能により、取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、接続先として決定されたいずれか一台の決済装置12に送信する。入力装置11は、終了検出手段57としての機能により、取引に係るデータの入力終了指示を検出すると、接続先として決定されたいずれか一台の決済装置12に入力終了を通知する.
一方、接続先として決定された決済装置12は、決済側記憶手段71としての機能により、入力装置11から送信されてくる取引に係るデータを、当該取引が決済されるまで決済側記憶部81で記憶する。そして、入力装置11から入力終了の通知を受けると、決済装置12は、決済手段としての機能により、決済側記憶部81で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する。
【0129】
したがって、第1の実施形態によれば、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。
【0130】
その上、入力装置11の接続先選択手段51は、複数台の決済装置を個々に指定可能な操作子を含む。そして入力装置11は、問合せ手段52による問合せに対して問合せ先の決済装置12から接続を許諾する応答がない場合に、無効手段54としての機能により、当該決済装置12を指定する操作子の操作を無効としている。
【0131】
したがって、入力装置11のオペレータである店員2は、接続を許諾する応答がない決済装置12を選択してしまっても、該当する操作子が無効となるので、直ぐに他の決済装置12を選択することができる。
【0132】
また、接続先として決定された決済装置12においては、入力装置11から入力終了の通知を受けるまでは、タッチパネル38の画面を待機画面SAbとしている。そして、入力装置11から入力終了の通知を受けると、決済装置12はタッチパネル38の画面を支払い方法選択画面SBbとする。すなわち、客3が居ないときの決済装置12におけるタッチパネル38の画面は待機画面SAbとなっており、客3が決済のために決済装置12の設置場所へと移動するタイミングでその画面が取引の決済金額を含む支払い方法選択画面SBbとなる。したがって、入力装置11が取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に決済装置12に送信していても、客3が決済のために決済装置12の設置場所へと移動するまでは、その取引の決済金額が決済装置12に表示されることはない。
【0133】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図21乃至図30を用いて説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、入力装置11に入力された1取引の買上商品のデータを、入力完了ボタンBAiの入力である入力終了指示が行われる前に、遡って修正する機能を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0134】
図21は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、接続先選択手段51、問合せ手段52、決定手段53、無効手段54、入力側記憶手段55、明細表示手段56、終了検出手段57、第1送信手段58、第1通知手段59及び決済先報知手段510に加えて、修正受付手段511、第1修正手段512及び第2送信手段513としての機能を有する。
【0135】
修正受付手段511は、明細表示手段56によりタッチパネル28の明細画面SAcに表示されている明細情報の修正を受け付ける機能である。明細画面SAcの明細エリアAAbには、一連のレコード番号順に、一取引の買上商品として入力された商品の商品名、数量、単価、値割引額及び金額がリスト形式で表示されている。修正受付手段511は、入力デバイス61を介して、明細エリアAAbに商品名、数量、単価等が表示されている明細レコードRaの削除、若しくは数量、単価、値引額、割引率の変更等を受け付ける。
【0136】
第1修正手段512は、決定手段53により接続先として決定されたいずれか一台の決済装置12、すなわち接続先決済装置120に対して、第1送信手段58により送信した取引に係るデータを、終了検出手段57により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に修正する機能である。接続先決済装置120に送信された取引に係るデータは、明細レコードRaとして第1取引ファイル641に記憶されている。第1修正手段512は、入力デバイス61からの入力に応じて、第1取引ファイル641に記憶されている明細レコードRaを修正する。例えば第1修正手段512は、明細レコードRaを削除する。例えば第1修正手段512は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0137】
第2送信手段513は、第1修正手段512により修正された取引に係るデータを、終了検出手段57により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、接続先決済装置120に送信する機能である。
【0138】
図22は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、決済側記憶手段71、金額表示手段72、接続応答手段73及び決済手段74に加えて、第2修正手段75としての機能を有する。
【0139】
第2修正手段75は、第2送信手段513により入力装置11から送信されてくる取引に係るデータで、決済側記憶部81に記憶している取引に係るデータを修正する機能である。決済側記憶部81の第2取引ファイル811には、第1送信手段58により入力装置11から送信された取引に係るデータを基に決済装置12で作成された明細レコードRaが記憶されている。第2修正手段75は、第2取引ファイル811に記憶した明細レコードRaを、第2送信手段513により入力装置11から送信されてくる取引に係るデータに基づいて修正する。例えば第2修正手段75は、明細レコードRaを削除する。例えば第2修正手段75は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0140】
次に、図23及び図24の流れ図、及び、図25乃至図30の画面例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第2の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0141】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図23の流れ図を用いて説明する。図23の流れ図は、第1の実施形態においては図10の流れ図に相当する。そこで、図10と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0142】
第1の実施形態では、プロセッサ21は、ACT115又はACT127において明細画面SAcを更新した後、ACT121乃至ACT123として商品コード、数量又は値割引のデータ及び小計ボタンBAdの待ち受け状態となった。第2の実施形態では、ACT121乃至ACT123の待ち受け状態において、さらにACT301として明細画面SAcの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されるのを待ち受けるようにした。
【0143】
図25は、4品目の買上商品の取引に係るデータが入力された後の明細画面SAcの一表示例である。具体的には図25は、単価200円の商品AAAAAの商品コードと、単価300円の商品BBBBBの商品コードと、単価400円の商品CCCCCの商品コードと、単価100円の商品DDDDDの商品コードとが順に入力されたときの明細画面SAcである。このような入力により、カレントエリアAAaには、商品DDDDDの商品名、数量及び金額が表示される。明細エリアAAbには、レコード番号「1」と関連付けて、商品AAAAAの商品名、数量、単価及び金額が表示され、レコード番号「2」と関連付けて、商品BBBBBの商品名、数量、単価及び金額が表示され、レコード番号「3」と関連付けて、商品CCCCCの商品名、数量、単価及び金額が表示される。合計エリアAAcには、合計点数4点と合計金額1,000円とが表示される。
【0144】
このとき、第1取引ファイル641には、ACT113及びACT114の処理により、商品AAAAAの明細レコードRa-Aと、商品BBBBBの明細レコードRa-Bと、商品CCCCCの明細レコードRa-Cと、商品DDDDDの明細レコードRa-Dとが記憶される。また、ACT111及びACT112の処理により、商品AAAAAの商品コードを含む入力イベントと、商品BBBBBの商品コードを含む入力イベントと、商品CCCCCの商品コードを含む入力イベントと、商品DDDDDの商品コードを含む入力イベントとが、接続先決済装置120に送信される。各入力イベントは、商品コードが入力される毎に接続先決済装置120に送信される。これらの入力イベントの送信により、接続先決済装置120においては、商品AAAAAの明細レコードRa-Aと、商品BBBBBの明細レコードRa-Bと、商品CCCCCの明細レコードRa-Cと、商品DDDDDの明細レコードRa-Dとが、それぞれ第2取引ファイル811に記憶される。
【0145】
図23の説明に戻る。
ACT121乃至ACT123及びACT301の待ち受け状態において、例えば客3が商品BBBBBの返品を申し出た場合を想定する。その場合、入力装置11のオペレータである店員2は、明細エリアAAbの商品BBBBBに係るデータが表示されている行をタッチ操作で選択する。このように、明細エリアAAbの行がタッチ操作されることにより、プロセッサ21は、ACT301において商品選択有と判断する。
【0146】
商品選択有と判断すると、プロセッサ21は、ACT301からACT302へと進む。プロセッサ21は、ACT302としてタッチパネル28に修正画面SAe(図26を参照)を表示する。
【0147】
図26は、修正画面SAeの一表示例である。修正画面SAeは、明細エリアAAbから選択された商品の商品名が表示されるエリアAAeと、明細エリアAAbから選択された商品の数量、単価、値割引額及び金額が表示されるエリアAAfと、操作ガイダンス等が表示されるエリアAAgとが形成されている。また修正画面SAeは、取消ボタンBAk、数量変更ボタンBAl、単価変更ボタンBAm、値引ボタンBAn、割引ボタンBAo、キャンセルボタンBAp及びOKボタンBAqのソフトウェアキーを含む。因みに、修正画面SAeは、明細画面SAcの上に重ねてポップアップ表示されることが好ましい。
【0148】
修正画面SAeを確認した店員2は、取消ボタンBAkをタッチ操作で入力する。取消ボタンBAkが入力されると、図27に示すように、エリアAAfに表示されている商品BBBBBの数量、単価、値割引額及び金額に取消線が表示される。また、数量変更ボタンBAl、単価変更ボタンBAm、値引ボタンBAn及び割引ボタンBAoはグレーアウトして入力不可となる。ここで、客3が商品BBBBBの返品を取り止めた場合には、店員2は、キャンセルボタンBApをタッチ操作で入力する。商品BBBBBの返品を確定させる場合には、店員2は、OKボタンBAqをタッチ操作で入力する。
【0149】
図23の説明に戻る。
修正画面SAeを表示したプロセッサ21は、ACT303としてOKボタンBAqが入力されたか否かを確認する。OKボタンBAqが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT303からACT304へと進む。プロセッサ21は、ACT304としてキャンセルボタンBApが入力されたか否かを確認する。キャンセルボタンBApが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT304からACT303に戻る。このように、修正画面SAeを表示したプロセッサ21は、ACT303及びACT304としてOKボタンBAqが入力されるかキャンセルボタンBApが入力されるのを待ち受ける。
【0150】
ACT303及びACT304の待ち受け状態において、キャンセルボタンBApが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT304からACT305へと進む。プロセッサ21は、ACT305として修正画面SAeを消去する。しかる後、プロセッサ21は、ACT121乃至ACT123及びACT301の待ち受け状態に戻る。このように、店員2がキャンセルボタンBApを入力すると、修正画面SAeが消去される。その結果、タッチパネル28の画面は、図25に示す明細画面SAcとなる。
【0151】
一方、ACT303及びACT304の待ち受け状態において、OKボタンBAqが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT303からACT306へと進む。プロセッサ21は、ACT306として接続先決済装置120の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ21は、第1データテーブル63を参照して、接続先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT307として決済装置IDを宛先として修正イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に修正イベントが送信される。修正イベントは、修正画面SAeに対して入力された情報、すなわちこの場合には、商品BBBBBの取消という情報を含む。
【0152】
修正イベントを送信したプロセッサ21は、ACT308として明細レコードRaを修正する。すなわちプロセッサ21は、第1取引ファイル641に記憶された商品BBBBBの明細レコードRa-Bを削除する。そしてプロセッサ21は、ACT309として修正画面SAeを消去し、明細画面SAcを更新する。しかる後、プロセッサ21は、ACT121乃至ACT123及びACT301の待ち受け状態に戻る。
【0153】
図28は、商品BBBBBを削除した後に更新された明細画面SAcの表示例である。図28に示すように、明細エリアAAbから商品BBBBBの商品名、数量、単価、値割引額及び金額が消去される。そして、カレントエリアAAaに表示されていた商品DDDDDの商品名、数量、単価、値割引額及び金額が明細エリアAAbに表示される。商品BBBBBの商品名、数量及び金額は、カレントエリアAAaに表示される。そして、カレントエリアAAaの商品名、数量及び金額には、取消線が表示される。この表示により、店員2は、商品BBBBBを取り消したことを確認できる。
【0154】
ACT121乃至ACT123及びACT301の待ち受け状態において、例えば商品BBBBBの数量を“1”から“3”に修正する場合を想定する。その場合も店員2は、明細エリアAAbの商品BBBBBに係るデータが表示されている行をタッチ操作で選択する。このタッチ操作により、プロセッサ21は、ACT302の処理を実行する。この処理により、タッチパネル28に修正画面SAeが表示されるので、店員2は、数量変更ボタンBAlを入力する。数量変更ボタンBAlが入力されると、図29に示すように、エリアAAgの数量が表示されている区画の背景色が他の区画の背景色と異なる。この背景色の違いにより、店員2は、数量の修正を指示したと認識できる。なお、取消ボタンBAk、単価変更ボタンBAm、値引ボタンBAn及び割引ボタンBAoはグレーアウトして入力不可となる。数量の修正を指示した店員2は、キーボード26のテンキーを操作して、修正後の数量“3”を入力し、OKボタンBAqを入力する。
【0155】
OKボタンBAqが入力されると、プロセッサ21は、ACT306乃至ACT309の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、接続先決済装置120に修正イベントを送信する。修正イベントは、修正画面SAeに対して入力された情報、すなわちこの場合には、商品BBBBBの数量を“1”から“3”に修正するという情報を含む。またプロセッサ21は、明細レコードRaを修正する。すなわちプロセッサ21は、第1取引ファイル641に記憶された商品BBBBBの明細レコードRa-Bにおける数量を“1”から“3”に修正する。またプロセッサ21は、明細レコードRa-Bにおける金額を300円から900円に修正する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAcを更新する。
【0156】
図30は、商品BBBBBの数量が“1”から“3”に修正された後の明細画面SAcである。図30に示すように、数量が修正された商品BBBBBの商品名と、修正後の数量と、数量修正後の金額とがカレントエリアAAaに表示される。なお、明細エリアAAbにおいては、商品BBBBBのデータが消去され、商品DDDDDのデータが追加される。
【0157】
ACT121乃至ACT123及びACT301の待ち受け状態において、例えば商品BBBBBの単価を修正する場合には、店員2は、修正画面SAeの単価変更ボタンBAmを入力し、テンキーで修正後の単価を入力して、OKボタンBAqを入力する。例えば商品BBBBBの値引額を修正する場合には、店員2は、修正画面SAeの値引ボタンBAnを入力し、テンキーで修正後の値引額を入力して、OKボタンBAqを入力する。例えば商品BBBBBの割引率を修正する場合には、店員2は、修正画面SAeの割引ボタンBAoを入力し、テンキーで修正後の割引率を入力して、OKボタンBAqを入力する。
【0158】
これらの操作により、プロセッサ21は、ACT306乃至ACT309の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、接続先決済装置120に修正イベントを送信する。またプロセッサ21は、明細レコードRaを修正する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAcを更新する。
【0159】
その後、小計ボタンBAdが入力されると、プロセッサ21は、図10のACT128へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT128以降の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0160】
ここに、プロセッサ21は、ACT301及びACT302の処理により、修正受付手段511としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT308の処理により、第1修正手段512としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT306及びACT307の処理により、第2送信手段513としての機能を実現する。
【0161】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図24の流れ図を用いて説明する。図24の流れ図は、第1の実施形態においては図11の流れ図に相当する。そこで、図11と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0162】
プロセッサ31は、第1の実施形態と同様に、ACT201としてタッチパネル38の画面を待機画面SBaとする。そしてプロセッサ31は、ACT202として入力装置11から送信される確認イベントを待ち受ける。この待ち受け状態において、通信ユニット35を介して確認イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT202乃至ACT205の処理を実行する。その後、プロセッサ31は、ACT206として入力装置11から送信される入力イベントを待ち受ける。この待ち受け状態において、通信ユニット35を介して入力イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT207乃至ACT211の処理を実行する。その後、プロセッサ31は、ACT212及びACT213として、入力イベント又は完了イベントを待ち受ける。
【0163】
第2の実施形態では、ACT212及びACT213の待ち受け状態において、プロセッサ31はさらに、ACT401として修正イベントを待ち受ける。そして、修正イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT401からACT402へと進む。プロセッサ31は、ACT402として第2取引ファイル811に記憶した明細レコードRaを修正する。具体的にはプロセッサ31は、例えば、商品BBBBBの取消という情報を含む修正イベントを受信した場合には、第2取引ファイル811から商品BBBBBの明細レコードRa-Bを削除する。プロセッサ31は、商品BBBBBの数量を修正するという情報を含む修正イベントを受信した場合には、明細レコードRa-Bの数量と金額を修正する。プロセッサ31は、商品BBBBBの単価、値引額又は割引率を修正するという情報を含む修正イベントを受信した場合には、明細レコードRa-Bの単価又は値割引額と金額とを修正する。
【0164】
こうして、明細レコードRaの修正を終了すると、プロセッサ31は、ACT212及びACT213、さらにはACT401の待ち受け状態に戻る。この待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、図12のACT221へと進む。以後、プロセッサ21は、ACT221以降の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0165】
ここに、プロセッサ31は、ACT402の処理により、第2修正手段75としての機能を実現する。
【0166】
このように、第2の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第2の実施形態の会計システム1によれば、入力装置11に入力された1取引の買上商品のデータを、入力完了ボタンBAiの入力である入力終了指示が行われる前に、遡って修正することができる。
【0167】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、図31乃至図39を用いて説明する。
第3の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、入力完了ボタンBAiの入力である入力終了指示が行われた後に、その入力終了が指示された取引を戻して修正する機能を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0168】
図31は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、接続先選択手段51、問合せ手段52、決定手段53、無効手段54、入力側記憶手段55、明細表示手段56、終了検出手段57、第1送信手段58、第1通知手段59及び決済先報知手段510に加えて、取消受付手段514、取消先選択手段515、第2通知手段516、第3修正手段517、第3送信手段518及び不可報知手段519としての機能を有する。
【0169】
取消受付手段514は、第1通知手段59により入力終了を通知した取引の決済取消指示を受け付ける機能である。取消受付手段514は、入力デバイス61を介して取引の決済取消を指示する操作入力があると、その操作入力に応じた信号を決済取消指示の信号として受け付ける。
【0170】
取消先選択手段515は、複数台の決済装置12の中から決済の取消を行う決済装置12を選択する機能である。取消先選択手段515は、入力デバイス61を介して指定された決済装置12を決済の取消を行う決済装置12として選択する。以下では、決済の取消を行う決済装置12を取消先決済装置121と表す。
【0171】
第2通知手段516は、取消受付手段514により取引の決済取消指示を受け付けると、通信ユニット25を介して、取消先決済装置121に決済の取消を通知する機能である。
【0172】
取消先選択手段515及び第2通知手段516は、第2データテーブル65を参照して作用する。第2データテーブル65は、図32に示すように、当該入力装置11に対して取消先となり得る決済装置12の決済装置IDと関連付けて、決済装置番号(No.)と、取消先フラグFcとを記述したデータテーブルである。取消先となり得る決済装置12とは、原則的には、当該入力装置11と同一のチェックアウトレーンに設置された複数台の決済装置12である。決済装置番号は、決済装置IDによって識別される決済装置12に割り当てられた一連の番号である。取消先フラグFcは、対応する決済装置IDで識別される決済装置12が取消先として選択されたか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、取消先として選択された取消先フラグFcを“1”とし、取消先として選択されていない取消先フラグFcを“0”とする。
【0173】
第3修正手段517は、決済の取消通知に対して取消先決済装置121から決済の取消を許諾する応答があったことを条件に、入力側記憶部64で記憶した取引に係るデータを修正する機能である。第1取引ファイル641のデータは、取消先決済装置121に完了イベントを送信した際に第3取引ファイル642に複写される。第3修正手段517は、入力デバイス61からの入力に応じて、第3取引ファイル642に記憶されている明細レコードRaを修正する。例えば第3修正手段517は、明細レコードRaを削除する。例えば第3修正手段517は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0174】
第3送信手段518は、第3修正手段517により修正された取引に係るデータを、通信ユニット25を介して、取消先決済装置121に送信する機能である。第3送信手段518は、取引に係るデータが修正される毎に、その修正された取引に係るデータを取消先決済装置121に送信する。
【0175】
不可報知手段519は、決済の取消通知に対して取消先決済装置121から肯定応答がないと、決済取消不可を報知する機能である。不可報知手段519は、例えば表示デバイス62に決済の取消が不可であることを示すテキストまたは画像を表示して報知する。
【0176】
図32は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、決済側記憶手段71、金額表示手段72、接続応答手段73及び決済手段74に加えて、取消応答手段76及び第4修正手段77としての機能を有する。
【0177】
取消応答手段76は、決済手段74により取引が決済される前に入力装置11から決済の取消通知を受けると、決済の取消を許諾する応答を返す機能である。取消応答手段76は、決済手段74により取引が決済された後に入力装置11から決済の取消通知を受けた場合には、決済の取消を許諾する応答を返さない。
【0178】
第4修正手段77は、第3送信手段518により入力装置11から送信されてくる取引に係るデータで、決済側記憶部81に記憶している取引に係るデータを修正する機能である。第4修正手段77は、第2取引ファイル811に記憶された明細レコードRaを、第3送信手段518により入力装置11から送信されてくる取引に係るデータで修正する。例えば第4修正手段77は、明細レコードRaを削除する。例えば第4修正手段77は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0179】
次に、図33乃至図37の流れ図、及び、図38及び図39の画面例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第3の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0180】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図34乃至図36の流れ図を用いて説明する。図34の流れ図は、第1の実施形態においては図10の流れ図に相当する。そこで、図10と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。図35の流れ図は、第1の実施形態においては図9の流れ図に相当する。そこで、図9と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0181】
図34に示すように、第3の実施形態では、入力完了ボタンBAiが入力された後の処理手順の一部が第1の実施形態と異なる。すなわち入力完了ボタンBAiが入力されると、プロセッサ21は、ACT132として取引番号を発番する。またプロセッサ21は、ACT133として接続先決済装置120の決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT134として決済装置IDを宛先として完了イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。またプロセッサ21は、ACT135として完了イベントの送信先である決済装置12を報知する。
【0182】
こうして、完了イベント送信先の決済装置12を報知したプロセッサ21は、ACT501へと進む。プロセッサ21は、ACT501として第1取引ファイル641に記憶されている全ての明細レコードRaを第3取引ファイル642に複写する。その後、プロセッサ21は、ACT136として第1取引ファイル641をクリアする。またプロセッサ21は、ACT137として第1データテーブル63を参照し、“1”となっていた接続先フラグFaを“0”に変更する。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0183】
このように第3の実施形態において、プロセッサ21は、接続先決済装置120に完了イベントを送信し終えると、第1取引ファイル641に記憶されている全ての明細レコードRaを第3取引ファイル642に複写し、第1取引ファイル641をクリアする機能を有している。したがって、第3取引ファイル642には、完了イベントを送信した接続先決済装置120で決済される取引の明細レコードRaが記憶される。一方、第1取引ファイル641はクリアされ、接続先フラグFaはすべて“0”になるので、入力装置11においては、次の客との取引に係るデータの入力が可能となる。
【0184】
次の客との取引に係るデータの入力が可能となった入力装置11のプロセッサ21は、図35の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。すなわちプロセッサ21は、ACT511としてタッチパネル28の画面を接続先選択画面SAf(図39を参照)とする。
【0185】
図39は、第3の実施形態における接続先選択画面SAfの一表示例である。接続先選択画面SAfが第1の実施形態における接続先選択画面SAaと異なる点は、決済修正ボタンBArのソフトウェアキーが追加されている点である。決済装置12へと移動した客3が、自らの取引の決済を完了する前に取引の修正を依頼した場合、店員2は、決済修正ボタンBArをタッチ操作で入力する。この修正は、例えば、商品の数量に間違えがあったり、値引されていなかったりした場合が該当する。あるいは、客3が取引を中止する場合も該当する。
【0186】
図35の説明に戻る。
接続先選択画面SAfを表示したプロセッサ21は、ACT512へと進む。プロセッサ21は、ACT512として決済装置番号が入力されたか否かを確認する。決済装置番号が入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT512からACT513へと進む。プロセッサ21は、ACT513として決済修正ボタンBArが入力されたか否かを確認する。決済修正ボタンBArが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT513からACT512へと戻る。このように、接続先選択画面SAfを表示したプロセッサ21は、ACT512及びACT513として決済装置番号が入力されるか、決済修正ボタンBArが入力されるのを待ち受ける。
【0187】
ACT512及びACT513の待ち受け状態において、決済装置番号が入力されると、プロセッサ21は、ACT512からACT103へと進む。プロセッサ21は、ACT103以降の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0188】
ACT512及びACT513の待ち受け状態において、決済修正ボタンBArが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT513からACT514へと進む。プロセッサ21は、ACT514として接続先選択画面SAfを介して決済装置番号が入力されるのを待ち受ける。
【0189】
決済修正ボタンBArを入力した店員は、修正を依頼した客3が取引を決済しようとした決済装置12の決済装置番号が割り当てられた第1ボタンBAa又は第2ボタンBAbをタッチ操作で入力する。
【0190】
ACT514において、決済装置番号が入力されたことを確認したプロセッサ21は、ACT515へと進む。プロセッサ21は、ACT515として第2データテーブル65を参照して、当該決済装置番号と関連付けられた決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT516としてその決済装置IDを宛先として決済取消イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に決済取消イベントが送信される。決済取消イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該決済取消イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。決済取消イベントを受信した決済装置12、すなわち取消先決済装置121からは、決済の取消を許諾する肯定応答(OK)、又は、決済の取消を否定する否定応答(NG)の信号が返信される。
【0191】
決済取消イベントを送信したプロセッサ21は、ACT516からACT517へと進む。プロセッサ21は、ACT517として取消先決済装置121から肯定応答(OK)を待ち受ける。この待ち受け状態において、一定時間内に肯定応答(OK)の信号を受信できなかった場合、プロセッサ21は、ACT517からACT518へと進む。プロセッサ21は、ACT518として決済の取消不可を報知する。例えばプロセッサ21は、タッチパネル28に決済の取消が不可であることを示すテキストまたは画像を表示して報知する。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0192】
ACT517において、一定時間内に肯定応答(OK)の信号を受信した場合には、プロセッサ21は、ACT519へと進む。プロセッサ21は、ACT519として第3取引ファイル642に記憶されている全ての明細レコードRaを第1取引ファイル641に複写する。そしてプロセッサ21は、ACT520として第3取引ファイル642をクリアする。また、プロセッサ21は、ACT521として肯定応答(OK)を送信した決済装置12、すなわち取消先決済装置121の決済装置IDと関連付けられて第2データテーブル65に記述されている取消先フラグFcを“0”から“1”に変更する。その後、プロセッサ21は、ACT520として第1取引ファイル641に複写した明細レコードRaのデータを基に、タッチパネルの画面を第2明細画面SAg(図40を参照)とする。
【0193】
図40は、第2明細画面SAgの一表示例である。第2明細画面SAgは、ACT109において表示される明細画面SAc(図16を参照)と比較して、ソフトウェアキーの一括取消ボタンBAsが追加されている。また、小計ボタンBAdが完了ボタンBAtに変更されている。さらに、第2明細画面SAgの明細エリアAAbには、第1取引ファイル641に複写した明細レコードRaの商品名、数量、値割引額、金額が表示され、合計エリアAAcには、同明細レコードRaの合計点数と合計金額が表示されている。また、第2明細画面SAgには、接続先選択画面SAfによって選択された取消先決済装置121の識別名NAbが表示されている。因みに、図40の第2明細画面SAgは、取消先決済装置121として決済装置12(12-1)が選択された画面例であり、識別名NAbとして[決済装置1]が表示されている。
【0194】
第2明細画面SAgを表示したプロセッサ21は、図36のACT531へと進む。プロセッサ21は、ACT531として一括取消ボタンBAsが入力されたか否かを確認する。一括取消ボタンBAsが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT531からACT532へと進む。プロセッサ21は、ACT532として第2明細画面SAgの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されたか否かを確認する。商品が選択されていない場合、プロセッサ21は、ACT531に戻る。このようにプロセッサ21は、ACT531及びACT532として一括取消ボタンBAsが入力されるか商品が選択されるのを待ち受ける。
【0195】
客3が取引の中止を求めた場合、店員2は、一括取消ボタンBAsを入力する。客が買上商品の削除、数量、単価、値引額又は割引率の修正を求めた場合、店員2は、該当する買上商品の商品名等が表示されている明細エリアAAbの行をタッチ操作する。
【0196】
ACT531及びACT532の待ち受け状態において、一括取消ボタンBAsが入力されると、プロセッサ21は、ACT531からACT533へと進む。プロセッサ21は、ACT533として取消先決済装置121の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ21は、第2データテーブル65を参照して、取消先フラグFcが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT534として決済装置IDを宛先として一括取消イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に一括取消イベントが送信される。一括取消イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該一括取消イベントの宛先である決済装置IDが設定された取消先決済装置121で受信される。一括取消イベントには、ACT515の処理で取得した決済装置IDが含まれている。
【0197】
一括取消イベントを送信したプロセッサ21は、ACT535へと進む。プロセッサ21は、ACT535として第1取引ファイル641をクリアする。またプロセッサ21は、ACT536として第2データテーブル65を参照して、“1”となっていた取消先フラグFcを“0”に変更する。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0198】
ACT531及びACT532の待ち受け状態において、商品選択有と判断すると、プロセッサ21は、ACT532からACT537へと進む。プロセッサ21は、ACT537としてタッチパネル28に修正画面SAe(図26を参照)を表示する。修正画面SAeは、第2の実施形態で説明した修正画面SAeと同様である。そして、この修正画面SAeに対する店員2の操作入力に応じたプロセッサ21の情報処理も、第2の実施形態と同様である。
【0199】
すなわち、修正画面SAeを表示したプロセッサ21は、ACT538としてOKボタンBAqが入力されるか、ACT539としてキャンセルボタンBApが入力されるのを待ち受ける。ACT538及びACT539の待ち受け状態において、キャンセルボタンBApが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT539からACT540へと進む。プロセッサ21は、ACT540として修正画面SAeを消去する。しかる後、プロセッサ21は、ACT545へと進む。
【0200】
一方、ACT538及びACT539の待ち受け状態において、OKボタンBAqが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT538からACT541へと進む。プロセッサ21は、ACT541として取消先決済装置121の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ21は、第2データテーブル65を参照して、取消先フラグFcが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT542として決済装置IDを宛先として修正イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に修正イベントが送信される。修正イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該修正イベントの宛先である取消先決済装置121で受信される。修正イベントは、修正画面SAeに対して入力された情報を含む。例えば修正画面SAeの取消ボタンBAkが入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の取消という情報を含む。例えば修正画面SAeの数量変更ボタンBAlが入力され、さらに修正後の数量が入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の数量を変更後数量に修正するという情報を含む。修正画面SAeの単価変更ボタンBAm、値引ボタンBAn及び割引ボタンBAoが入力された場合も、数量変更ボタンBAlが入力された場合と同様に、選択された商品の単価、割引額又は割引率を修正するという情報を含む。
【0201】
修正イベントを送信したプロセッサ21は、ACT543へと進む。プロセッサ21は、ACT543として第1取引ファイル641に記憶している明細レコードRaを修正する。例えば修正画面SAeの取消ボタンBAkが入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の明細レコードRaを削除する。例えば修正画面SAeの数量変更ボタンBAlが入力され、さらに修正後の数量が入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の明細レコードRaの数量と金額を修正する。修正画面SAeの単価変更ボタンBAm、値引ボタンBAn及び割引ボタンBAoが入力された場合も、数量変更ボタンBAlが入力された場合と同様に、選択された商品の明細レコードRaの単価、割引額又は割引率と金額を修正する。そしてプロセッサ21は、ACT544として修正画面SAeを消去し、第2明細画面SAgを更新する。しかる後、プロセッサ21は、ACT545へと進む。
【0202】
このように、ACT540において修正画面SAeを消去するか、ACT544において第2明細画面SAgを更新すると、プロセッサ21は、ACT545へと進む。プロセッサ21は、ACT545として第2明細画面SAgの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されたか否かを確認する。商品が選択されていない場合、プロセッサ21は、ACT545からACT546へと進む。プロセッサ21は、ACT546として完了ボタンBAtが入力されたか否かを確認する。完了ボタンBAtが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT546からACT545へと戻る。このようにプロセッサ21は、ACT545及びACT546として商品が選択されるか完了ボタンBAtが入力されるのを待ち受ける。
【0203】
ACT545及びACT546の待ち受け状態において、商品が選択された場合には、プロセッサ21は、ACT545からACT537へと戻る。そしてプロセッサ21は、ACT537乃至ACT544の処理を前述したのと同様に実行する。
【0204】
一方、ACT545及びACT546の待ち受け状態において、完了ボタンBAtが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT546からACT547へと進む。プロセッサ21は、ACT547として取消先決済装置121の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ21は、第2データテーブル65を参照して、取消先フラグFcが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT548として決済装置IDを宛先として修正完了イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に修正完了イベントが送信される。修正完了イベントは、修正完了イベントには、ACT547において取得した決済装置IDを含む。
【0205】
修正完了イベントを送信したプロセッサ21は、ACT549と進む。プロセッサ21は、ACT549として取引の修正が完了したことを報知する。例えばプロセッサ21は、客用ディスプレイ29に、取引の修正が完了したことを示すメッセージを表示して報知する。この報知を確認した客3は、決済を中断した決済装置12の場所に移動して、決済を行うこととなる。
【0206】
取引の修正が完了したことを報知したプロセッサ21は、ACT550へと進む。プロセッサ21は、ACT550として第1取引ファイル641をクリアする。またプロセッサ21は、ACT551として第2データテーブル65を参照して、“1”となっていた取消先フラグFcを“0”に変更する。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0207】
ここに、プロセッサ21は、ACT511乃至ACT513の処理により、取消受付手段514としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT514の処理により、取消先選択手段515としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT515及びACT516の処理により、第2通知手段516としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT535及びACT543の処理により、第3修正手段517としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT533及びACT534の処理、及び、ACT541及びACT542の処理により、第3送信手段518としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT518の処理により、不可報知手段519としての機能を実現する。
【0208】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図37及び図38の流れ図を用いて説明する。図37の流れ図によって示される処理手順は、第1の実施形態において、図12のACT221以降の処理手順に相当する。そこで、図12と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0209】
ACT221において、支払い方法選択画面SBbを表示したプロセッサ31は、ACT222としていずれかの支払い方法が選択されるのを待ち受ける。第3の実施形態では、この待ち受け状態において、決済装置12は、同一チェックアウトレーンに配置された入力装置11から決済取消イベントを受信する場合があり得る。そこでプロセッサ31は、ACT601として決済取消イベントを受信したか否かを確認する。支払い方法が選択される前に決済取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT601から図38のACT611へと進む。
【0210】
またACT226において会計画面SBcを表示したプロセッサ31は、ACT227として代金の支払いが完了するか、ACT228として変更ボタンBBdが入力されるのを待ち受ける。第3の実施形態では、この待ち受け状態においても、決済装置12は、同一チェックアウトレーンに配置された入力装置11から決済取消イベントを受信する場合があり得る。そこでプロセッサ31は、ACT602として決済取消イベントを受信したか否かを確認する。代金の支払いが完了する前に決済取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT602から図38のACT611へと進む。
【0211】
このように、代金支払い方法が入力されるか、代金の支払いが完了する前に決済取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT611へと進む。プロセッサ31は、ACT611として決済取消イベント送信元の入力装置11に対して決済の取消を許諾する応答、すなわち肯定応答(OK)の信号を送信する。その後、プロセッサ31は、ACT612として修正イベントを受信したか否かを確認する。修正イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT612からACT613へと進む。プロセッサ31は、ACT613として修正完了イベントを受信したか否かを確認する。修正完了イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT613からACT614へと進む。プロセッサ31は、ACT614として一括取消イベントを受信したか否かを確認する。一括取消イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT614からACT612へと戻る。このようにプロセッサ31は、ACT612乃至ACT614において、修正イベントを受信するか、修正完了イベントを受信するか、一括取消イベントを受信するのを待ち受ける。
【0212】
ACT612乃至ACT614の待ち受け状態において、修正イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT612からACT615へと進む。プロセッサ31は、ACT615として第2取引ファイル811に記憶されている明細レコードRaのデータを、修正イベントに含まれている情報に基づいて修正する。この修正は、第2の実施形態で説明したACT402の処理と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。明細レコードRaの修正を終えたプロセッサ31は、ACT612へと戻り、再び、修正イベント、修正完了イベント及び一括取消イベントの待ち受け状態となる。
【0213】
ACT612乃至ACT614の待ち受け状態において、修正完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT613から図37のACT221へと進む。そしてプロセッサ31は、ACT221以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0214】
ACT612乃至ACT614の待ち受け状態において、一括取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT614からACT616へと進む。プロセッサ31は、ACT616として第2取引ファイル811をクリアする。以上で、プロセッサ31は、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0215】
ここに、プロセッサ31は、ACT611の処理により、取消応答手段76としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT615及びACT616の処理により、第4修正手段77としての機能を実現する。
【0216】
このように、第3の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第3の実施形態の会計システム1によれば、入力完了ボタンBAiの入力である入力終了指示が行われた後に、その入力終了が指示された取引を戻して修正することができる。
【0217】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について、図41乃至図50を用いて説明する。
第4の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、代金の支払い方法として商品券を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0218】
商品券は、金券商品の一例である。本実施形態では、商品券を、額面金額500円の商品券と、額面金額1000円の商品券の2種類とする。各商品券には、それぞれ商品と同様に一意の商品券コードが割り当てられており、また、その商品券コードを表すバーコードが印刷されている。そして、商品レコードと同一のフォーマットで作成された商品券のデータレコードが商品マスタファイル131に格納されている。商品券のデータレコードは、商品券コードを商品コードとして記述し、商品券名を商品名として記述し、額面金額を単価として記述したものである。
【0219】
図41は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、接続先選択手段51、問合せ手段52、決定手段53、無効手段54、入力側記憶手段55、明細表示手段56、終了検出手段57、第1送信手段58、第1通知手段59及び決済先報知手段510に加えて、金券識別手段520、演算手段521及び完了報知手段522としての機能を有する。
【0220】
金券識別手段520は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、金券商品の取引に係るデータであるのか、金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する機能である。前述したように、商品券には商品券コードを表すバーコードが印刷されている。入力デバイス61のスキャナ27でこのバーコードをスキャニングすることにより、商品券コードが取引に係るデータとして入力される。金券識別手段520は、取引に係るデータが商品券コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品の取引に係るデータであると識別する。金券識別手段520は、取引に係るデータが商品コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別する。
【0221】
入力側記憶手段55は、取引に係るデータを入力すると、その入力されたデータを基に1取引として売り上げる商品又は商品券の明細レコードRbを作成する。明細レコードRbは、図42に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品券コード、商品券名、額面金額、数量、金額、商品券フラグFd等の項目のデータを記述したレコードである。商品券フラグFdは、当該レコードが商品券の明細レコードRbであるか、商品券以外の商品の明細レコードRbであるかを識別する値である。本実施形態では、商品券の明細レコードRbであることを示す商品券フラグFdの値を“1”とし、商品券以外の商品の明細レコードRbであることを示す商品券フラグFdの値を“0”とする。入力側記憶手段55は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、金券識別手段520によって金券商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFdの値を“1”とした明細レコードRb、すなわち商品券の明細レコードRbを作成する。入力側記憶手段55は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、金券識別手段520によって金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFdの値を“0”とした明細レコードRb、すなわち商品券以外の商品の明細レコードRbを作成する。入力側記憶手段55は、商品券又は商品券以外の商品の明細レコードRbを、入力側記憶部64の第1取引ファイル641に記憶する。
【0222】
演算手段521は、入力側記憶部64の第1取引ファイル641に記憶される取引に係るデータのうち、金券商品以外の商品の取引に係るデータについては当該商品の販売金額を正の値とし、金券商品に係るデータについては当該金券商品の額面金額を負の値として取引の合計金額を算出する機能である。演算手段521は、算出された合計金額を表示デバイス62に表示する。
【0223】
完了報知手段522は、終了検出手段57により取引に係るデータの入力終了指示が検出された時点で、演算手段521により算出された取引の合計金額が0又は負の値であるとき、支払い完了を報知する機能である。完了報知手段522は、例えば表示デバイス62を利用して支払い完了を報知する。
【0224】
図43は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、決済側記憶手段71、金額表示手段72、接続応答手段73及び決済手段74に加えて、金券識別手段78及びレシート出力手段79としての機能を有する。
【0225】
金券識別手段78は、決済側記憶部81で記憶される取引に係るデータが、金券商品の取引に係るデータであるのか、金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する機能である。入力装置11の金券識別手段520と同様に、金券識別手段78は、取引に係るデータが商品券コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品の取引に係るデータであると識別する。金券識別手段78は、取引に係るデータが商品コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別する。
【0226】
決済側記憶部81の第2取引ファイル811には、決済側記憶手段71によって作成された明細レコードが記憶される。この明細レコードは、入力側記憶手段55によって作成され、入力側記憶部64の第1取引ファイル641に記憶される明細レコードRbと同一のフォーマットを有する。決済側記憶手段71は、入力装置11から送信され、通信ユニット35を介して受信した取引に係るデータが、金券識別手段78によって金券商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFdの値を“1”とした明細レコードRb、すなわち商品券の明細レコードRbを作成する。決済側記憶手段71は、入力装置11から送信され、通信ユニット35を介して受信した取引に係るデータが、金券識別手段78によって金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFdの値を“0”とした明細レコードRb、すなわち商品券以外の商品の明細レコードRbを作成する。決済側記憶手段71は、商品券又は商品券以外の商品の明細レコードRbを、決済側記憶部81の第2取引ファイル811に記憶する。
【0227】
レシート出力手段79は、決済手段74により決済された取引のレシートとして、金券商品以外の商品の販売金額を合算した合計金額とは別に金券商品の額面金額を表記したレシートを出力する機能である。レシートは、紙媒体に印刷によって出力してもよいし、電子レシートとしてスマートフォン等の情報端末に出力してもよい。
【0228】
次に、図44乃至図47の流れ図、及び、図48及び図49の画面例、並びに図50のレシート例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第4の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例及びレシート例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0229】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図44及び図45の流れ図を用いて説明する。図44の流れ図は、第1の実施形態においては図9の流れ図に相当する。そこで、図9と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。図45は、第1の実施形態においては図10の流れ図に相当する。そこで、図10と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0230】
図44のACT110又は図45のACT121において、買上商品の商品コードが入力されると、プロセッサ21は、第1の実施形態と同様に、ACT111乃至ACT113の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、接続先となった決済装置12の決済装置IDを取得し、この決済装置IDを宛先として買上商品の商品コードを含む入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。またプロセッサ21は、明細レコードRbを作成する。すなわちプロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。
【0231】
一方、図44のACT110又は図45のACT121において、商品券の商品券コードが入力された場合も、プロセッサ21は、ACT111乃至ACT113の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、接続先となった決済装置12の決済装置IDを取得し、この決済装置IDを宛先として商品券の商品券コードを含む入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。またプロセッサ21は、明細レコードRbを作成する。すなわちプロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品券コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品券名、額面金額等の情報を基に、レコード番号r、商品コード(商品券コード)、商品名(商品券名)、単価(額面金額)、数量、金額等の項目データからなる明細レコードRbを作成する。明細レコードRbの商品コードは、商品券コードである。商品名は、商品券名である。
【0232】
ACT113の処理を終えると、プロセッサ21は、ACT701へと進む。プロセッサ21は、ACT701として明細レコードRbが商品の明細レコードであるのか商品券の明細レコードであるのかを識別する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コードである場合、プロセッサ21は、商品券の明細レコードRbと認識する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コード以外のコードである場合、プロセッサ21は、商品券以外の商品の明細レコードRbと認識する。
【0233】
明細レコードRbが商品券以外の商品の明細レコードである場合には、プロセッサ21は、ACT701からACT702へと進む。プロセッサ21は、ACT702として明細レコードRbの商品券フラグFdを“0”に設定する。
【0234】
これに対し、明細レコードRbが商品券の明細レコードである場合には、プロセッサ21は、ACT701からACT703へと進む。プロセッサ21は、ACT703として明細レコードRbの商品券フラグFdを“1”に設定する。またプロセッサ21は、ACT704として明細レコードRbの金額にマイナス符号を付す。
【0235】
ACT702又はACT704の処理を終えると、プロセッサ21は、ACT114へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT114及びACT115の処理を、第1の実施形態と同様に実行する。すなわちプロセッサ21は、明細レコードRbを第1取引ファイル641に記憶する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAcを更新する。
【0236】
図48は、額面金額が1000円の商品券のバーコードをスキャナ27でスキャニングした後の明細画面SAcである。図示するように、カレントエリアAAaには、商品券の名称、数量及び額面金額が表示される。そして額面金額には、マイナス符号が付されている。
【0237】
ACT115の処理を終えたプロセッサ21は、ACT121乃至ACT123の待ち受け状態となる。この待ち受け状態において、商品又は商品券のバーコードがスキャニングされると、プロセッサ21は、ACT111乃至ACT113、ACT701乃至ACT704、さらにはACT114及びACT115の処理を前述したのと同様に実行する。
【0238】
ACT121乃至ACT123の待ち受け状態において、小計ボタンBAdが入力された場合には、プロセッサ21は、第1の実施形態と同様にタッチパネル28の画面を小計画面SAdとする。そしてプロセッサ21は、ACT129及びACT130において明細に戻るボタンBAjが入力されるか、入力完了ボタンBAiが入力されるのを待ち受ける。
【0239】
ACT129及びACT130の待ち受け状態において、入力完了ボタンBAiが入力されると、プロセッサ21は、ACT130からACT711へと進む。プロセッサ21は、ACT711として合計金額を算出し、正の値であるか否かを確認する。合計金額は、第1取引ファイル641に記憶した全ての明細レコードRbの金額の合計である。商品の明細レコードRbの金額は正の値であるが、商品券の明細レコードRbの金額は、ACT704の処理で負の値としている。したがって、合計金額は必ずしも正の金額とは限らず、0円又は負の金額となる場合もある。
【0240】
合計金額が正の金額であった場合、代金の支払いが生じる。この場合、プロセッサ21は、ACT711からACT132へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT132乃至ACT137の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0241】
これに対し、合計金額が0円又は負の金額となった場合には、商品券によって代金の支払いが完了している。この場合、プロセッサ21は、ACT711からACT712へと進む。プロセッサ31は、ACT712としてタッチパネル28の画面を支払い完了画面SAh(図49を参照)とする。
【0242】
図49は、支払い完了画面SAhの一表示例である。支払い完了画面SAhは、小計画面SAdから、小計値引ボタンBAg、小計割引ボタンBAh及び明細に戻るボタンBAjのソフトウェアキーを除いた画面である。そして支払い完了画面SAhには、商品券によって支払いが完了したことを知らせるテキストが表示される。例えば図49の支払い完了画面SAhは、図48の明細画面SAcに示されるように、4品目で合計1000円の商品を購入した客3が額面金額1000円の商品券を提示した場合である。この場合、合計金額が0円なので、代金の支払いはない。しかし、レシートは決済装置12から発行される。このため、支払い完了画面SAhを表示したプロセッサ21は、ACT132へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT132乃至ACT137の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0243】
ここに、プロセッサ21は、ACT701の処理により、金券識別手段520としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT711の処理により演算手段521としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT712の処理により完了報知手段522としての機能を実現する。
【0244】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図46及び図47の流れ図を用いて説明する。図46の流れ図によって示される処理手順は、第1の実施形態において、図11の流れ図に相当する。そこで、図11と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。図47の流れ図によって示される処理手順は、第1の実施形態において、図12の流れ図に相当する。そこで、図12と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0245】
図44を用いて説明したように、決済装置12には、入力装置11から商品コード又は商品券コードを含む入力イベントが送信される。決済装置12のプロセッサ31は、図46のACT207において入力装置11から商品コード又は商品券コードを含む入力イベントを受信すると、ACT207からACT209へと進む。プロセッサ31は、ACT209として明細レコードRbを作成する。
【0246】
すなわち商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から当該商品コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。
【0247】
一方、商品券コードを含む入力イベントを受信した場合も、プロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から当該商品券コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品券名、額面金額等の情報を基に、レコード番号r、商品コード(商品券コード)、商品名(商品券名)、単価(額面金額)、数量、金額等の項目データからなる明細レコードRbを作成する。
【0248】
ACT209の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT801へと進む。プロセッサ31は、ACT801として明細レコードRbが商品の明細レコードであるのか商品券の明細レコードであるのかを識別する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コードである場合、プロセッサ31は、商品券の明細レコードRbと認識する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コード以外のコードである場合、プロセッサ31は、商品券以外の商品の明細レコードRbと認識する。
【0249】
明細レコードRbが商品の明細レコードである場合には、プロセッサ31は、ACT801からACT802へと進む。プロセッサ31は、ACT802として明細レコードRbの商品券フラグFdを“0”に設定する。
【0250】
これに対し、明細レコードRbが商品券の明細レコードである場合には、プロセッサ31は、ACT801からACT803へと進む。プロセッサ31は、ACT803として明細レコードRbの商品券フラグFdを“1”に設定する。またプロセッサ31は、ACT804として明細レコードRbの金額にマイナス符号を付す。
【0251】
ACT802又はACT804の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT210へと進む。プロセッサ31は、ACT210としてその明細レコードRaを第2取引ファイル811に記憶する。そしてプロセッサ31は、ACT212及びACT213の待ち受け状態となる。
【0252】
ACT212及びACT213の待ち受け状態において、入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT212からACT207へと戻る。そしてプロセッサ31は、ACT207以降の処理を前述したのと同様に実行する。すなわち、商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、商品券フラグFdが“0”の明細レコードRbを作成し、その明細レコードRbを第2取引ファイル811に記憶する。商品券コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、商品券フラグFdが“1”の明細レコードRbを作成し、その明細レコードRbを第2取引ファイル811に記憶する。
【0253】
ACT212及びACT213の待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT213から図45のACT811へと進む。プロセッサ21は、ACT811として合計金額を算出し、正の値であるか否かを確認する。合計金額は、第2取引ファイル811に記憶した全ての明細レコードRbの金額の合計である。商品の明細レコードRbの金額は正の値であるが、商品券の明細レコードRbの金額は負の値である。したがって、合計金額は必ずしも正の金額とは限らず、0円又は負の金額となる場合もある。
【0254】
合計金額が正の金額である場合、プロセッサ31は、ACT811からACT221へと進む。そしてプロセッサ31は、ACT221乃至ACT235の処理を、第1の実施形態と同様に実行する。
【0255】
これに対し、合計金額が0又は負の金額である場合には、プロセッサ31は、ACT811からACT231へと進む。すなわちプロセッサ31は、ACT221乃至ACT230の処理をスキップする。したがって、客3は、代金を支払うことはない。その後、プロセッサ21は、ACT231乃至ACT235の処理を、第1の実施形態と同様に実行する。したがって、レシートRS(図50を参照)が発行されるので、客3は、レシートRSを受け取る。
【0256】
図50は、合計金額1000円の買物に対して額面金額が1000円の商品券を提示した客に対して発行されるレシートRSの一例である。図50に示すように、レシートRSには、4品目の買上商品の明細の後にその合計金額1000円が印字され、その後に商品券の額面金額1000円がマイナス符号を付して印字されている。このようなレシートRSにより、客3は、買上商品の代金を商品券で支払ったことを確認することができる。
【0257】
ここに、プロセッサ31は、ACT801の処理により、金券識別手段78としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT231の処理によりレシート出力手段79としての機能を実現する。
【0258】
このように、第4の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第4の実施形態によれば、代金の支払い方法として店員の介在が必要な商品券等の金券にも対応した会計システム1を提供することができる。
【0259】
[他の実施形態]
図51は、接続先選択画面SAiの他の実施形態である。接続先選択画面SAiは、ソフトウェアキーとして、決済装置番号を手入力するための「0」~「9」のテンキーボタンBAuと、確定ボタンBAvと、クリアボタンBAwとを配置する。また接続先選択画面SAiは、テンキーボタンBAuによって入力された決済装置番号を表示するための欄AAiを配置する。
【0260】
接続先選択画面SAiを確認した店員2は、空いている決済装置12の決済装置番号をテンキーボタンBAuで置数し、確定ボタンBAvにタッチする。なお、置数し間違えた場合には、店員2は、クリアボタンBAwにタッチして、置数をクリアする。確定ボタンBAvがタッチされると、プロセッサ21は、図9のACT102において置数された値を決済装置番号として入力する。以後、プロセッサ21は、ACT103以降の処理を前述したのと同様に実行する。
このように、入力装置11は、接続先選択画面SAaに代えて、接続先選択画面SAiを採用してもよい。
【0261】
前記実施形態では、客3が決済装置12を操作して代金の支払い方法を入力する場合を例示した。他の実施形態としては、店員2が入力装置11を操作して代金の支払い方法を入力するようにしてもよい。そこで次に、代金の支払い方法を入力装置11で入力する他の実施形態について、図52及び図53を用いて説明する。
【0262】
図52は、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図52は、第1の実施形態においては図10の流れ図に相当する。そこで、図10と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0263】
図52に示すように、ACT129及びACT130の待ち受け状態において、入力完了ボタンBAiが入力されると、プロセッサ21は、ACT130からACT901へと進む。プロセッサ21は、ACT901としてタッチパネル28の画面を支払い方法選択画面とする。支払い方法選択画面は、第1の実施形態において決済装置12のタッチパネル38に表示される支払い方法選択画面SBbと同様の画面である。このとき、客用ディスプレイ29は、客用登録画面のままである。
【0264】
支払い方法選択画面を確認した店員は、客に代金の支払い方法を確認する。ここで、客3が現金支払いを希望する場合、店員2は現金ボタンBBaを入力する。客3がクレジットカード支払いを希望する場合、店員2はクレジットボタンBBbを入力する。客3が電子マネー支払いを希望する場合、店員2は電子マネーボタンBBcを入力する。
【0265】
支払い方法選択画面を表示したプロセッサ21は、ACT902としていずれか1つの支払い方法が選択されるのを待ち受ける。そして現金ボタンBBa、クレジットボタンBBb又は電子マネーボタンBBcの入力によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ21は、ACT902からACT903へと進む。プロセッサ21は、ACT903として支払い種別を取得する。支払い種別は、選択入力を受け付けた代金支払い方法を識別する支払い方法識別データである。例えば、現金ボタンBBaが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「現金」を取得する。クレジットボタンBBbが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「クレジット」を取得する。電子マネーボタンBBcが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「電子マネー」を取得する。
【0266】
支払い種別を取得したプロセッサ21は、ACT132へと進む。プロセッサ21は、ACT132として取引番号を発番する。取引番号を発番したプロセッサ21は、ACT133へと進む。プロセッサ21は、ACT133として接続先となった決済装置12の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ21は、第1データテーブル63を参照して、接続先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT904として決済装置IDを宛先として完了イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に完了イベントが送信される。完了イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該完了イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。完了イベントには、ACT132において発番した取引番号が含まれる。また、完了イベントには、ACT903において取得した支払い種別も含まれる。
【0267】
完了イベントを送信したプロセッサ21は、ACT135へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT135乃至ACT137の処理を、第1の実施形態と同様に実行する。
【0268】
図53は、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図53は、第1の実施形態においては図12の流れ図に相当する。そこで、図12と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0269】
第1の実施形態では、決済装置12のプロセッサ31は、ACT212及びACT213の待ち受け状態において完了イベントを受信すると、図12のACT221としてタッチパネル38の画面を支払い方法選択画面SBbとした。他の実施形態では、完了イベントを受信すると、図53のACT911へと進む。プロセッサ31は、ACT911として完了イベントから支払い種別を取得する。
【0270】
支払い種別を取得したプロセッサ31は、ACT226へと進む。プロセッサ31は、ACT226としてタッチパネル38の画面を支払い種別に対応した会計画面SBcとする。そしてプロセッサ31は、ACT227として代金の支払いが完了するのを待ち受ける。代金の支払いが完了すると、プロセッサ31は、ACT227からACT231へと進む。プロセッサ31は、ACT231乃至ACT235の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0271】
このように、入力装置11のプロセッサ21が実行する情報処理の一部を図52のように変更し、かつ、決済装置12のプロセッサ31が実行する情報処理の一部を図53のように変更することで、店員2が入力装置11を操作して代金の支払い方法を入力するように構成することができる。
【0272】
前記実施形態では、決済装置12がキャッシュレス決済端末5を接続している場合を例示した。決済装置12は、必ずしもキャッシュレス決済端末5を接続していなくてもよい。キャッシュレス決済端末5を接続していない決済装置12は、現金支払い専用の決済装置となる。その場合、決済装置12のプロセッサ31は、図12のACT221乃至ACT226の処理を省略する。すなわちプロセッサ31は、図11のACT212及びACT213の待ち受け状態において完了イベントを受信すると、図12のACT227の処理へと進む。
【0273】
図1においては、1つのチェックアウトレーンに対して2台の決済装置12を配置した会計システム1を例示した。会計システム1は、これに限定されない。例えば1つのチェックアウトレーンに対して3台以上の決済装置12を配置した会計システムであっても、前述した各実施形態を適用できるものである。
【0274】
また、2台以上の決済装置12は、キャッシュレス決済端末5を接続した決済装置12とキャッシュレス決済端末5を接続していない決済装置12とが混在していてもよい。その場合、入力装置11のオペレータである店員2は、客3に代金の支払い方法を前もって確認する。そして客3がキャッシュレス決済を希望する場合には、接続先選択画面SAaにおいてキャッシュレス決済端末5を接続した決済装置12を選択すればよい。
【0275】
前記実施形態では、入力装置11が取引番号を発番し、完了イベントとともに決済装置12に送信する場合を例示した。他の実施形態としては、完了イベントを受信した決済装置12が取引番号を発番してもよい。この場合、同一のチェックアウトレーンに配置されている複数台の決済装置12においては、例えば取引番号の最上位桁に異なる値を付すことで、各々の決済装置12から発番される取引番号が重複しないようにするとよい。
【0276】
また、第4の実施形態において、決済装置12は、合計金額が負の場合にその金額を釣銭として自動釣銭機から払い出すようにしてもよい。そうすることにより、釣銭の払い出しが可能な商品券にも対応することができる。
【0277】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0278】
1…会計システム、2…店員、3…客、5…キャッシュレス決済端末、11…入力装置、12…決済装置、13…サーバ、14…ネットワーク、21,31…プロセッサ、51…接続先選択手段、52…問合せ手段、53…決定手段、54…無効手段、55…入力側記憶手段、56…明細表示手段、57…終了検出手段、58…第1送信手段、59…第1通知手段、63…第1データテーブル、64…入力側記憶部、65…第2データテーブル、71…決済側記憶手段、72…金額表示手段、73…接続応答手段、74…決済手段、75…第2修正手段、76…取消応答手段、77…第4修正手段、78…金券識別手段、79…レシート出力手段、81…決済側記憶部、82…フラグメモリ、510…決済先報知手段、511…修正受付手段、512…第1修正手段、513…第2送信手段、514…取消受付手段、515…取消先選択手段、516…第2通知手段、517…第3修正手段、518…第3送信手段、519…不可報知手段、520…金券識別手段、521…演算手段、522…完了報知手段、641…第1取引ファイル、642…第3取引ファイル、811…第2取引ファイル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図51
図52
図53