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特開2024-119525会計システム、入力装置、決済装置及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119525
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】会計システム、入力装置、決済装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240827BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240827BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20240827BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/01 301E
G06Q20/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026501
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 元宏
(72)【発明者】
【氏名】河原 高行
(72)【発明者】
【氏名】平松 直剛
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142DA04
3E142DA07
3E142EA04
3E142FA03
3E142FA08
3E142FA42
3E142GA41
3E142JA01
5L020AA42
5L055AA42
(57)【要約】
【課題】入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システムを提供する。
【解決手段】入力装置は、取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に送信先決済装置に送信する。決済装置は、取引の決済が不可能な状態で、入力装置から取引に係るデータを受信すると、受信した取引に係るデータを他の一台の転送先決済装置に送信する転送モードに転換する。決済装置は、転送モードに転換されると、取引を決済する決済モードに復帰するまで、入力装置から受信した取引に係るデータを転送先決済装置に送信する。決済装置は、取引の決済が可能な状態で、入力装置から取引に係るデータを受信すると、当該取引に係るデータを決済側記憶部で記憶し、入力終了の通知を受けると、決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する。
【選択図】 図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デバイスを介して取引に係るデータを入力する入力装置と、取引を決済する複数台の決済装置とを通信回線で接続し、
前記入力装置は、
取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段と、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記複数台の決済装置のうち一台の送信先決済装置に送信する第1送信手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記送信先決済装置に入力終了を通知する第1通知手段と、
を具備し、
前記決済装置は、
取引を決済する決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から取引に係るデータを受信すると、当該取引に係るデータを決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段と、
前記決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記取引に係るデータの入力終了通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段と、
前記決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から別取引に係るデータを受信すると、受信した別取引に係るデータを他の一台の転送先決済装置に送信する転送モードに転換する第1転換手段と、
前記転送モードに転換されると、前記決済モードに復帰するまで、前記入力装置又は他の決済装置から受信した別取引に係るデータを前記転送先決済装置に送信する第1転送手段と、
前記転送モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記別取引に係るデータの入力終了通知を受けると、前記転送先決済装置に入力終了を通知する第2通知手段と、
を具備する会計システム。
【請求項2】
前記決済装置は、
前記転送モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記別取引に係るデータの入力終了通知を受けると、前記決済モードに復帰する復帰手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項3】
前記決済装置は、
前記転送モードに転換すると、前記転送先決済装置を決済先決済装置として前記入力装置に通知する第3通知手段、
をさらに具備し、
前記入力装置は、
前記決済装置から通知を受けた前記決済先決済装置を報知する決済先報知手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項4】
前記入力装置は、
取引に係るデータの転送指示を検出する転送検出手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に前記転送検出手段により転送指示が検出されると、前記送信先決済装置に転送を通知する第4通知手段と、
をさらに具備し、
前記送信先決済装置は、
前記決済モードにおいて前記入力装置から転送の通知を受けると、前記転送モードに転換して前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータを前記転送先決済装置に送信する第2転換手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項5】
前記決済装置は、
他の決済装置の状態を監視する監視手段と、
前記他の決済装置の異常を検知すると、前記入力装置に異常を通知する第5通知手段と、
をさらに具備し、
前記入力装置は、
前記送信先決済装置以外の決済装置から前記送信先決済装置の異常通知を受けると、当該通知を行った決済装置を送信先決済装置とする送信先変更手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項6】
前記入力装置は、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを基に取引の明細情報を表示する明細表示手段、
をさらに具備し、
前記決済装置は、
前記決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記取引に係るデータの入力終了通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づき算出される当該取引の決済金額を表示する金額表示手段、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項7】
前記入力装置の第1送信手段は、
前記入力デバイスを介して取引に係るデータが入力される毎に、その入力された取引に係るデータを前記送信先決済装置に送信する、
請求項1乃至6のうちいずれか一記載の会計システム。
【請求項8】
前記入力装置は、
前記第1送信手段により送信した取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に修正する第1修正手段と、
前記第1修正手段により修正された修正後の取引に係るデータを、前記終了検出手段により入力終了指示が検出される前に前記送信先決済装置に送信する第2送信手段と、
をさらに具備し、
前記決済装置は、
前記転送モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記修正後の取引に係るデータを受信すると、当該修正後の取引に係るデータを前記転送先決済装置に送信する第2転送手段と、
前記決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記修正後の取引に係るデータを受信すると、当該修正後の取引に係るデータで前記決済側記憶部に記憶している取引に係るデータを修正する第2修正手段と、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項9】
前記入力装置は、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを入力側記憶部で記憶する入力側記憶手段と、
前記入力側記憶部で記憶した取引に係るデータを基に表示デバイスに当該取引の明細情報を表示する明細表示手段と、
前記明細表示手段により表示されている明細情報の修正を受け付ける修正受付手段と、
をさらに具備し、
前記第1修正手段は、前記修正受付手段により修正を受け付けた明細情報で前記入力側記憶部に記憶している取引に係るデータを修正する、
請求項8記載の会計システム。
【請求項10】
前記入力装置の第2送信手段は、
取引に係るデータが修正される毎に、その修正後の取引に係るデータを前記送信先決済装置に送信する、請求項8又は9記載の会計システム。
【請求項11】
前記入力装置は、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを入力側記憶部で記憶する入力側記憶手段と、
前記第1通知手段により入力終了を通知した取引の決済取消指示を受け付ける取消受付手段と、
前記複数台の決済装置の中から決済の取消を行う取消先決済装置を選択する取消先選択手段と、
前記取消受付手段により取引の決済取消指示を受け付けると、前記取消先選択手段により選択された取消先決済装置に決済の取消を通知する第6通知手段と、
前記決済の取消通知に対して前記取消先決済装置から決済の取消を許諾する応答があったことを条件に、前記入力側記憶部で記憶した取引に係るデータを修正する第3修正手段と、
前記第3修正手段により修正された修正後の取引に係るデータを前記取消先決済装置に送信する第3送信手段と、
をさらに具備し、
前記決済装置は、
前記決済手段により取引が決済される前に前記入力装置から前記決済の取消通知を受けると、決済の取消を許諾する応答を返す取消応答手段と、
前記第3送信手段により前記入力装置から送信されてくる修正後の取引に係るデータで、前記決済側記憶部に記憶している取引に係るデータを修正する第4修正手段と、
をさらに具備する請求項1記載の会計システム。
【請求項12】
前記入力装置は、
前記決済の取消通知に対して前記取消先決済装置から決済の取消を許諾する応答がないと、決済の取消不可を報知する不可報知手段、
をさらに具備する請求項11記載の会計システム。
【請求項13】
前記入力装置の第3送信手段は、
取引に係るデータが修正される毎に、その修正後の取引に係るデータを前記取消先決済装置に送信する、請求項11又は12記載の会計システム。
【請求項14】
前記決済装置は、
前記決済側記憶部で記憶される取引に係るデータが金券商品の取引に係るデータであるのか金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する決済側金券識別手段、
をさらに具備し、
前記決済手段は、前記入力装置又は他の決済装置から前記入力終了の通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータのうち金券商品以外の商品の取引に係るデータについては当該商品の販売金額を正の値とし、金券商品の取引に係るデータについては当該金券商品の額面金額を負の値として取引を決済する、請求項1記載の会計システム。
【請求項15】
前記決済装置は、
前記決済手段により決済された取引のレシートとして、前記金券商品以外の商品の販売金額を合算した合計金額とは別に前記金券商品の額面金額を表記したレシートを出力するレシート出力手段、
をさらに具備する請求項14記載の会計システム。
【請求項16】
前記入力装置は、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータが金券商品の取引に係るデータであるのか金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する入力側金券識別手段と、
前記取引に係るデータのうち金券商品以外の商品の取引に係るデータについては当該商品の販売金額を正の値とし、金券商品に係るデータについては当該金券商品の額面金額を負の値として取引の合計金額を算出する演算手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出された時点で前記演算手段により算出された取引の合計金額が0又は負の値であるとき、支払い完了を報知する完了報知手段と、
をさらに具備する請求項14又は15記載の会計システム。
【請求項17】
取引に係るデータを入力するための入力デバイスと、
取引を決済する複数台の決済装置とデータ通信を行うための通信デバイスと、
取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段と、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記複数台の決済装置のうち一台の送信先決済装置に送信する第1送信手段と、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記送信先決済装置に入力終了を通知する第1通知手段と、
を具備する入力装置。
【請求項18】
入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に送信先とした一台の決済装置に送信する入力装置とデータ通信を行う通信デバイスと、
取引を決済する決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から取引に係るデータを受信すると、当該取引に係るデータを決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段と、
前記決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記取引に係るデータの入力終了通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段と、
前記決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から別取引に係るデータを受信すると、受信した別取引に係るデータを他の一台の転送先決済装置に送信する転送モードに転換する第1転換手段と、
前記転送モードに転換されると、前記決済モードに復帰するまで、前記入力装置又は他の決済装置から受信した別取引に係るデータを前記転送先決済装置に送信する第1転送手段と、
前記転送モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記別取引に係るデータの入力終了通知を受けると、前記転送先決済装置に入力終了を通知する第2通知手段と、
を具備する決済装置。
【請求項19】
取引に係るデータを入力するための入力デバイスと、取引を決済する複数台の決済装置とデータ通信を行うための通信デバイスと、を備えた入力装置のコンピュータを、
取引に係るデータの入力終了指示を検出する終了検出手段、
前記入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、前記終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、前記複数台の決済装置のうち一台の送信先決済装置に送信する第1送信手段、及び、
前記終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、前記送信先決済装置に入力終了を通知する第1通知手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項20】
入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に送信先とした一台の決済装置に送信する入力装置とデータ通信を行う通信デバイス、を備えた決済装置のコンピュータを、
取引を決済する決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から取引に係るデータを受信すると、当該取引に係るデータを決済側記憶部で記憶する決済側記憶手段、
前記決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記取引に係るデータの入力終了通知を受けると、前記決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する決済手段、
前記決済モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から別取引に係るデータを受信すると、受信した別取引に係るデータを他の一台の転送先決済装置に送信する転送モードに転換する第1転換手段、
前記転送モードに転換されると、前記決済モードに復帰するまで、前記入力装置又は他の決済装置から受信した別取引に係るデータを前記転送先決済装置に送信する第1転送手段、及び、
前記転送モードにおいて、前記入力装置又は他の決済装置から前記別取引に係るデータの入力終了通知を受けると、前記転送先決済装置に入力終了を通知する第2通知手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、会計システム、及びこのシステムの入力装置及び決済装置、さらには入力装置及び決済装置それぞれのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、量販店向けの会計システムとして、店員と客とが操作を分担する分担方式の会計システムが知られている。この種の会計システムは、取引毎にその取引で売買される商品のデータ入力を受け付ける入力装置と、この入力装置で入力された商品のデータを基に取引の決済処理を実行する決済装置とを分離する。そして、店員が入力装置を操作し、客が決済装置を操作するように配置する。
【0003】
分担方式の会計システムは、商品のデータ入力操作を店員が行うため、客が全ての操作を自身で行うセルフ方式の会計システムよりもデータ入力に要する時間が短縮される。その一方で、客が決済装置を操作するため、操作に不慣れな客が決済に手間取ることが想定される。そこで一般に、分担方式の会計システムは、1台の入力装置に対して複数台の決済装置が割り当てられている。
【0004】
従来のこの種の会計システムは、店員が入力装置に対して客との取引で売買される商品のデータ入力を全て終えると、入力装置において決済情報が生成される。決済情報は、売買された商品の商品コード、商品名、単価、数量、金額等の明細情報と、合計点数、合計金額等の合計情報と、を含む。そして決済情報は、いずれかの空いている決済装置に送信されるので、店員は、客をその決済装置へと案内する。決済情報を受信した決済装置は決済処理が可能となるので、客は、決済装置を操作して、現金、クレジットカード、電子マネー等で代金を支払う。かくして分担方式の会計システムは、店員と客が操作を分担して取引を決済する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-242839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システム、及びこのシステムの入力装置及び決済装置、さらには入力装置及び決済装置それぞれのプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、会計システムは、入力デバイスを介して取引に係るデータを入力する入力装置と、取引を決済する複数台の決済装置とを通信回線で接続する。
入力装置は、終了検出手段と、第1送信手段と、第1通知手段とを備える。終了検出手段は、取引に係るデータの入力終了指示を検出する。第1送信手段は、入力デバイスを介して入力された取引に係るデータを、終了検出手段により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、複数台の決済装置のうち一台の送信先決済装置に送信する。第1通知手段は、終了検出手段により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、送信先決済装置に入力終了を通知する。
決済装置は、第1転換手段と、第1転送手段と、第2通知手段と、決済側記憶手段と、決済手段とを備える。第1転換手段は、取引の決済が不可能な状態で、入力装置又は他の決済装置から取引に係るデータを受信すると、受信した取引に係るデータを他の一台の転送先決済装置に送信する転送モードに転換する。第1転送手段は、転送モードに転換されると、取引を決済する決済モードに復帰するまで、入力装置又は他の決済装置から受信した取引に係るデータを転送先決済装置に送信する。第2通知手段は、転送モードにおいて、入力装置又は他の決済装置から入力終了の通知を受けると、転送先決済装置に入力終了を通知する。決済側記憶手段は、取引の決済が可能な状態で、入力装置又は他の決済装置から取引に係るデータを受信すると、当該取引に係るデータを決済側記憶部で記憶する。決済手段は、取引の決済が可能な状態で、入力装置又は他の決済装置から入力終了の通知を受けると、決済側記憶部で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る会計システムの概略構成を示す模式図である。
図2図2は、会計システムに組み込まれる入力装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、会計システムに組み込まれる決済装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、明細レコードのデータ構成を示す模式図である。
図6図6は、入力装置が有する第1データテーブルの構成を示す模式図である。
図7図7は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図8図8は、決済装置が有するフラグメモリの構成を示す模式図である。
図9図9は、決済装置が有する転送先メモリの構成を示す模式図である。
図10図10は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図11図11は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図12図12は、第1の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図13図13は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図14図14は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図15図15は、第1の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図16図16は、図15における転送処理の具体的な手順を示す流れ図である。
図17図17は、決済装置のプロセッサが実行するタイマ割込み処理の手順を示す流れ図である。
図18図18は、入力装置のプロセッサが実行する通知割込み処理の要部手順を示す流れ図である。
図19図19は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図20図20は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の他の例である。
図21図21は、入力装置のタッチパネルに表示される小計画面の一例である。
図22図22は、決済装置のタッチパネルに表示される待機画面の一例である。
図23図23は、決済装置のタッチパネルに表示される支払い方法選択画面の一例である。
図24図24は、決済装置のタッチパネルに表示される会計画面の一例である。
図25図25は、第2の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図26図26は、第2の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図27図27は、第2の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図28図28は、第2の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図29図29は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図30図30は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図31図31は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図32図32は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図33図33は、入力装置のタッチパネルに表示される修正画面の一例である。
図34図34は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図35図35は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図36図36は、第3の実施形態において、入力装置が有する第2データテーブルの構成を示す模式図である。
図37図37は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図38図38は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図39図39は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図40図40は、第3の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図41図41は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図42図42は、第3の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図43図43は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図44図44は、入力装置のタッチパネルに表示される決済装置選択画面の一例である。
図45図45は、入力装置のタッチパネルに表示される第2明細画面の一例である。
図46図46は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図47図47は、第4の実施形態における明細レコードのデータ構成を示す模式図である。
図48図48は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが有する主要な機能構成を示すブロック図である。
図49図49は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図50図50は、第4の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図51図51は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図52図52は、第4の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図53図53は、入力装置のタッチパネルに表示される明細画面の一例である。
図54図54は、入力装置のタッチパネルに表示される支払い完了画面の一例である。
図55図55は、決済装置から出力されるレシートの一発行例である。
図56図56は、他の実施形態において、入力装置のプロセッサが入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図57図57は、他の実施形態において、決済装置のプロセッサが決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、入力装置で決済情報を生成することなく店員と客が操作を分担して取引を決済できる会計システムの実施形態を、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態の順で説明する。はじめに、各実施形態において共通となる会計システムの概略構成、入力装置及び決済装置のハードウェア構成について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0010】
図1は、会計システム1の概略構成を示す模式図である。会計システム1は、入力装置11と、決済装置12と、サーバ13と、これらを接続するネットワーク14と、を含む。ネットワーク14の種類は特に限定されないが、一般的には有線又は無線のLAN(local area network)が適用される。
【0011】
入力装置11は、取引毎にその取引で売買される商品のデータ入力を受け付けるように構成された装置である。決済装置12は、入力装置11で入力された商品のデータを基に取引の決済処理を行うように構成された装置である。入力装置11は、原則、チェッカと呼ばれる役割を担った店員2が、その操作者となる。決済装置12は、原則、店舗で商品を購入する消費者、いわゆる客3が、その操作者となる。なお、入力装置11の操作者を客3としてもよい。すなわち客3が入力装置11と決済装置12の両方を操作してもよい。同様に、決済装置12の操作者を店員2としてもよい。すなわち店員2が入力装置11と決済装置12の両方を操作してもよい。
【0012】
入力装置11は、図1においては、作業テーブル4に取り付けられている。作業テーブル4は、矩形の天板を有する。複数の作業テーブル4が、天板の長手方向がほぼ並行するように配置されることにより、客3のための通路、いわゆるチェックアウトレーンが形成される。
【0013】
入力装置11及び決済装置12は、店舗のチェックアウトレーン毎に配置される。1つのチェックアウトレーンに対し、入力装置11は1台配置され、決済装置12は複数台配置される。そして、同じチェックアウトレーンに配置された入力装置11と決済装置12との間で、ネットワーク14を通じて種々のデータ信号が授受される。データ信号は、サーバ13を介して授受されてもよいし、サーバ13を介さずに授受されてもよい。
【0014】
図1では、第1のチェックアウトレーンに1台の入力装置11(11-1)と2台の決済装置12(12-1,12-2)とを配置し、第2のチェックアウトレーンに1台の入力装置11(11-2)と2台の決済装置12(12-3,12-4)とを配置した例を示している。図示しないが、他のチェックアウトレーンにおいても1台の入力装置11と2台以上の決済装置12とが配置されている。第1のチェックアウトレーンに配置された2台の決済装置12(12-1,12-2)は、いずれも同一のチェックアウトレーンに配置された入力装置11(11-1)で処理された取引の決済処理を実行することができる。第2のチェックアウトレーンに配置された2台の決済装置12(12-3,12-4)は、いずれも同一のチェックアウトレーンに配置された入力装置11(11-2)で処理された取引の決済処理を実行することができる。
【0015】
なお、1つのチェックアウトレーンに配置された少なくとも1台の決済装置12が、隣接するチェックアウトレーンに配置された入力装置11で処理された取引の決済処理を実行可能としてもよい。例えば、図1の会計システム1において、決済装置12(12-2)は、入力装置11(11-1)だけでなく入力装置11(11-2)で処理された取引の決済処理を実行できるようにする。同様に、決済装置12(12-3)は、入力装置11(11-2)だけでなく入力装置11(11-1)で処理された取引の決済処理を実行できるようにする。こうすることにより、1台の入力装置11で処理された取引の決済処理が可能な決済装置12の台数を、決済装置12を増設することなく増やすことができる。
【0016】
サーバ13は、商品マスタファイル131及び売上マスタファイル132を備える。商品マスタファイル131及び売上マスタファイル132は、サーバ13が内蔵する記憶装置に保存されていてもよいし、サーバ13の外部に接続された記憶装置に保存されていてもよい。
【0017】
商品マスタファイル131は、店舗で販売される商品毎に作成された商品レコードを格納するデータファイルである。商品レコードは、商品コード、商品名、単価、属性等の商品データを記述したデータレコードである。
【0018】
商品コードは、各商品を識別するために商品毎に設定された固有のコードである。通常、各商品には、商品コードを表すバーコード、若しくは二次元コードが付されている。あるいは、商品コードを記憶したRFID(Radio Frequency Identification)タグが付されていてもよい。入力装置11は、商品に付されたバーコード、2次元コード又はRFIDタグを読取装置で読み取ることで、取引で売買される商品の商品コードを入力することができる。
【0019】
商品名及び単価は、商品コードで識別される商品の名称及び1点当たりの価格である。属性は、例えば商品の税に関する情報である。税に関する情報としては、税率、税種(外税、内税、非課税)等がある。
【0020】
売上マスタファイル132は、店舗で販売される商品毎に作成された売上レコードを格納するデータファイルである。売上レコードは、前述した商品コード、商品名及び単価に加えて、売上点数、売上金額等の売上データを記述したデータレコードである。売上点数は、対応する商品コードで識別される商品の販売数量の合計である。売上金額は、対応する商品コードで識別される商品の販売金額の合計である。
【0021】
図2は、入力装置11のハードウェア構成を示すブロック図である。入力装置11は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24、通信ユニット25、キーボード26、スキャナ27、タッチパネル28、客用ディスプレイ29及びシステム伝送路30等を備える。システム伝送路30は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路30は、プロセッサ21と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0022】
入力装置11は、プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、時計24及び通信ユニット25とをシステム伝送路30で接続することにより、コンピュータを構成する。そして入力装置11は、そのコンピュータに、システム伝送路30を介してキーボード26、スキャナ27、タッチパネル28、客用ディスプレイ29等のデバイスを接続する。
【0023】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、入力装置11としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0024】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0025】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス23となり得る。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ21での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0026】
時計24は、日付と時刻を計時する。プロセッサ21は、時計24によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。通信ユニット25は、ネットワーク14を介して接続されたサーバ13及び複数台の決済装置12との間でデータ通信を行うためのインターフェースである。キーボード26は、客が購入する商品、いわゆる買上商品に係るデータの入力等に必要な種々のキーを配置した入力デバイスである。スキャナ27は、バーコード、二次元コード等のコードシンボルを読み取って入力する入力デバイスである。タッチパネル28は、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル28は、入力装置11のオペレータである店員に対して情報の表示を行い、その店員による操作入力を受け付ける。客用ディスプレイ29は、入力装置11において買上商品のデータが入力されている客3に対して情報の表示を行う。
【0027】
このようなハードウェア構成を有する入力装置11としては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。なお、入力装置11に接続されるデバイスは、キーボード26、スキャナ27、タッチパネル28及び客用ディスプレイ29に限定されるものではない。入力装置11の用途において必要なデバイスを追加したり、一部のデバイスを省略したりしてもよい。
【0028】
図3は、決済装置12のハードウェア構成を示すブロック図である。決済装置12は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、通信ユニット35、釣銭機インターフェース36、スキャナ37、タッチパネル38、プリンタ39、パトランプ40、端末インターフェース41及びシステム伝送路42等を備える。システム伝送路42は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。システム伝送路42は、プロセッサ31と他の各部とを直接又は信号入出力回路を介して接続し、相互間で授受されるデータ信号を伝送する。
【0029】
決済装置12は、プロセッサ31と、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34及び通信ユニット35とをシステム伝送路42で接続することにより、コンピュータを構成する。そして決済装置12は、そのコンピュータに、システム伝送路42を介して釣銭機インターフェース36、スキャナ37、タッチパネル38、プリンタ39、パトランプ40、端末インターフェース41等のデバイスインターフェース又はデバイスを接続する。
【0030】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済装置12としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPUである。
【0031】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0032】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0033】
時計34は、日付と時刻を計時する。プロセッサ31は、時計34によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。通信ユニット35は、ネットワーク14を介して接続されたサーバ13又は入力装置11との間でデータ通信を行う。釣銭機インターフェース36は、図示しない自動釣銭機とのインターフェースを構成する。釣銭機インターフェース36は、自動釣銭機から当該自動釣銭機に投入された貨幣の金額データを入力する。釣銭機インターフェース36は、決済装置12から自動釣銭機へと釣銭データを出力する。釣銭データを入力した自動釣銭機は、その釣銭データ相当の貨幣を釣銭として自動的に払い出す。
【0034】
スキャナ37は、バーコード、二次元コード等のコードシンボルを読み取るための入力デバイスである。タッチパネル38は、入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル38は、決済装置12のオペレータである客3に対して情報の表示を行い、その客3による操作入力を受け付ける。プリンタ39は、レシート用紙に対して各種の文字列又は画像等を印刷することにより、レシートを発行する。パトランプ40は、例えば赤色と青色の二色の発光体を有する。パトランプ40は、決済装置12に対応付けてその近傍に立設されたポールの頂部に設けられており、対応する決済装置12の状態に応じて、例えば赤色又は青色で点灯又は点滅する。
【0035】
端末インターフェース41は、キャッシュレス決済端末5とのインターフェースを構成する。キャッシュレス決済端末5は、クレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済等のキャッシュレス決済に対応した情報端末である。端末インターフェース41は、複数種類のキャッシュレス決済方法の中から選択されたキャッシュレス決済方法の識別データをキャッシュレス決済端末5に出力する。キャッシュレス決済端末5においては、識別データで識別されるキャッシュレス決済方法で取引の決済が処理されるので、端末インターフェース41は、キャッシュレス決済端末5から処理結果を入力する。端末インターフェース41にキャッシュレス決済端末5を接続することによって、決済装置12は、現金決済だけでなくキャッシュレス決済にも対応した機器となる。
【0036】
このようなハードウェア構成を有する決済装置12としては、例えば既存のセルフ方式のPOS端末、いわゆるセルフレジを利用することが可能である。なお、決済装置12に接続されるデバイスは、スキャナ37、タッチパネル38、プリンタ39及びパトランプ40に限定されるものではない。決済装置12の用途において必要なデバイスを追加したり、一部のデバイスを省略したりしてもよい。
【0037】
[第1の実施形態]
次に、第1の実施形態について、図4乃至図24を用いて説明する。
図4は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、第1通知手段55、転送検出手段56、第4通知手段57、決済先報知手段58及び送信先変更手段59としての機能を有する。なお、プロセッサ21が有する機能は、これらに限定されるものではない。
【0038】
入力側記憶手段51は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを入力側記憶部63で記憶する機能である。入力側記憶部63は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23の記憶領域の一部である。取引に係るデータは、例えば客との取引で売買される商品の商品コード、数量、値引額、割引率等である。入力側記憶手段51は、キーボード26、スキャナ27及びタッチパネル28の入力デバイス61を介して取引に係るデータを入力すると、その入力されたデータを基に1取引として売り上げる商品の明細レコードRaを商品毎に作成する。明細レコードRaは、図5に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目のデータを記述したレコードである。金額は、単価に数量を乗算して算出された金額である。すなわち明細レコードRaは、商品コード、数量等の取引に係るデータを記述したレコードであると言える。入力側記憶手段51は、明細レコードRaを入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶する。
【0039】
明細表示手段52は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを基に取引の明細情報を表示デバイス62で表示する機能である。表示デバイス62は、タッチパネル28と客用ディスプレイ29の双方又はいずれか一方が該当する。明細表示手段52は、表示デバイス62の画面を明細画面SAa(図19を参照)とし、その明細画面SAaに、第1取引ファイル631に記憶された明細レコードRaの商品名、数量、単価、値割引額、金額等の明細情報を表示する。明細画面SAaの詳細な説明については後述する。
【0040】
終了検出手段53は、取引に係るデータの入力終了指示を検出する機能である。終了検出手段53は、入力デバイス61からの入力を受けて、取引に係るデータの入力終了指示を検出する。
【0041】
第1送信手段54は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータを、終了検出手段53により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、通信ユニット25を介して、複数台の決済装置12のうち一台の送信先決済装置に送信する機能である。以下では、送信先決済装置を送信先決済装置121と表す。第1送信手段54は、第1データテーブル64を参照して送信先決済装置121を認識し、通信ユニット25を介してその送信先決済装置121に取引に係るデータを送信する。
【0042】
第1データテーブル64は、図6に示すように、当該入力装置11に対して送信先となり得る決済装置12の決済装置IDと関連付けて、決済装置番号(No.)と、送信先フラグFaと、決済先フラグFbとを記述したものである。送信先となり得る決済装置12とは、原則的には、当該入力装置11と同一のチェックアウトレーンに設置された複数台の決済装置12である。決済装置IDは、その複数台の決済装置12を個々に識別するために決済装置12毎に設定された識別情報である。決済装置番号は、決済装置IDによって識別される決済装置12に割り当てられた一連の番号である。
【0043】
送信先フラグFaは、対応する決済装置IDで識別される決済装置12が送信先決済装置121であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、送信先決済装置121であることを示す送信先フラグFaを“1”とし、送信先決済装置121でないことを示す送信先フラグFaを“0”とする。すなわち第1送信手段54は、送信先フラグFaが“1”の決済装置IDで識別される決済装置12を送信先決済装置121として認識し、その送信先決済装置121に取引に係るデータを送信する。
【0044】
決済先フラグFbは、対応する決済装置IDで識別される決済装置12が決済先決済装置であるか否かを識別するための1ビットデータである。以下では、決済先決済装置を決済先決済装置122と表す。決済先決済装置122とは、受信した取引に係るデータを基に取引の決済処理を実行する決済装置12である。本実施形態では、決済先決済装置122であることを示す決済先フラグFbを“1”とし、決済先決済装置122でないことを示す決済先フラグFbを“0”とする。
【0045】
第1通知手段55は、終了検出手段53により取引に係るデータの入力終了指示が検出されると、送信先決済装置121に入力終了を通知する機能である。第1通知手段55は、第1データテーブル64を参照して送信先決済装置121を認識し、通信ユニット25を介してその送信先決済装置121に入力終了を通知する信号を出力する。すなわち第1通知手段55は、送信先フラグFaが“1”の決済装置IDで識別される決済装置12を送信先決済装置121として認識し、その送信先決済装置121に入力終了を通知する信号を出力する。
【0046】
転送検出手段56は、取引に係るデータの転送指示を検出する機能である。転送検出手段56は、入力デバイス61からの入力を受けて、取引に係るデータの転送指示を検出する。
【0047】
第4通知手段57は、終了検出手段53により取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、転送検出手段56により転送指示が検出されると、送信先決済装置121に転送を通知する機能である。第4通知手段57は、第1データテーブル64を参照して送信先決済装置121を認識し、通信ユニット25を介してその送信先決済装置121に転送を通知する信号を出力する。すなわち第1通知手段55は、送信先フラグFaが“1”の決済装置IDで識別される決済装置12を送信先決済装置121として認識し、その送信先決済装置121に転送を通知する信号を出力する。
【0048】
決済先報知手段58は、決済先決済装置122を報知する機能である。決済先報知手段58は、第1データテーブル64を参照して認識した決済先決済装置122を報知する。すなわち決済先決済装置122は、決済先フラグFbが“1”の決済装置IDで識別される決済装置12を決済先決済装置122として報知する。決済先報知手段58は、店員2に対する表示デバイス62であるタッチパネル28に、決済先決済装置122を特定可能な情報を表示することで店員2に決済先決済装置122を報知する。決済先報知手段58は、客3に対する表示デバイス62である客用ディスプレイ29に、決済先決済装置122を特定可能な情報を表示することで客3に決済先決済装置122を報知してもよい。あるいは決済先報知手段58は、タッチパネル28と客用ディスプレイ29の双方に決済先決済装置122を特定可能な情報を表示することで、店員2と客3の両者に決済先決済装置122を報知してもよい。決済先決済装置122を特定可能な情報は、例えば決済先フラグFbが“1”の決済装置IDで識別される決済装置12の決済装置番号である。
【0049】
送信先変更手段59は、送信先決済装置121以外の決済装置12から送信先決済装置121の異常通知を示す信号を受信すると、当該信号の送信元である決済装置12を送信先決済装置121とする機能である。詳細は後述するが、決済装置12は、他の決済装置12の状態を監視する機能、及び、他の決済装置12の異常を検知すると入力装置11に異常を通知する機能を有している。送信先変更手段59は、通信ユニット25を介して送信先決済装置121以外の決済装置12から送信先決済装置121の異常通知を示す信号を受信すると、当該信号の送信元である決済装置12を送信先決済装置121とするように、第1データテーブル64の送信先フラグFaを更新する。具体的には、それまで“1”であった送信先フラグFaを“0”とし、異常通知を行った決済装置12の送信先フラグFaを“1”とする。
【0050】
上述した入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、第1通知手段55、転送検出手段56、第4通知手段57、決済先報知手段58及び送信先変更手段59としての機能は、プロセッサ21が入力装置11用のプログラム、いわゆる入力プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0051】
入力プログラムは、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。入力プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に入力プログラムを記録して、あるいはネットワーク14を介した通信により入力プログラムを配信して、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0052】
図7は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、第1転換手段71、復帰手段72、第1転送手段73、第2通知手段74、第3通知手段75、決済側記憶手段76、金額表示手段77、決済手段78、第2転換手段79、監視手段710及び第5通知手段711としての機能を有する。なお、プロセッサ31が有する機能は、これらに限定されるものではない。
【0053】
第1転換手段71は、取引を決済する決済モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から別取引に係るデータを受信すると、受信した別取引に係るデータを他の一台の転送先決済装置に送信する転送モードに転換する機能である。以下の説明では、転送先決済装置を転送先決済装置123と表す。別取引に係るデータとは、当該決済装置12において決済を処理中の取引に係るデータとは別の取引に係るデータを示す。復帰手段72は、転送モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から別取引に係るデータの入力終了通知を受けると、決済モードに復帰する機能である。第1転換手段71及び復帰手段72は、フラグメモリ81を使用する。
【0054】
フラグメモリ81は、図8に示すようにモードフラグFcと親機フラグFdとを記憶するためのエリアである。モードフラグFcは、当該決済装置12の動作モードを識別するための1ビットデータである。前述したように、動作モードには取引を決済する決済モードと、受信した取引に係るデータを他の一台の転送先決済装置123に送信する転送モードとがある。本実施形態では、決済モードのときのモードフラグFcを“0”とし、転換モードのときのモードフラグFcを“1”とする。
【0055】
親機フラグFdは、当該決済装置12が親機に設定されているか、子機に設定されているかを識別するための1ビットデータである。同一のチェックアウトレーンに配置された複数台の決済装置12のうち1台は親機に設定され、残りは子機に設定される。親機に設定された決済装置12においては、親機フラグFdが例えば“1”となる。子機に設定された決済装置12においては、親機フラグFdが例えば“0”となる。
【0056】
第1転換手段71は、モードフラグFcが“0”の決済モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から別取引に係るデータを受信すると、モードフラグFcを“0”から“1”に変更する。モードフラグFcが“1”になることにより、当該決済装置12の動作モードは転換モードとなる。
【0057】
復帰手段72は、モードフラグFcが“1”の転送モードにおいて、通信ユニット35を介して入力装置11又は他の決済装置12から入力終了を通知する信号を受信すると、モードフラグFcを“1”から“0”に変更する。モードフラグFcが“0”になることにより、当該決済装置12の動作モードは決済モードとなる。
【0058】
第1転送手段73は、転送モードに転換されると、決済モードに復帰するまで、入力装置11又は他の決済装置12から受信した別取引に係るデータを転送先決済装置123に送信する機能である。第2通知手段74は、転送モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から別取引に係るデータの入力終了通知を受けると、転送先決済装置123に入力終了を通知する機能である。第3通知手段75は、転送モードに転換すると、転送先決済装置123を決済先決済装置122として入力装置11に通知する機能である。第1転送手段73、第2通知手段74及び第3通知手段75は、転送先メモリ82を参照する。
【0059】
転送先メモリ82は、図9に示すように、転送先決済装置123に設定される他の決済装置12の決済装置IDを記憶するためのエリアである。転送先決済装置123に設定される他の決済装置12とは、同一のチェックアウトレーンに設置された複数台の決済装置12のうちの任意の1台である。したがって、図1に示される会計システム1においては、第1のチェックアウトレーンに配置された決済装置12(12-1)の転送先決済装置123は決済装置12(12-2)となり、決済装置12(12-2)の転送先決済装置123は決済装置12(12-1)となる。第2のチェックアウトレーンに配置された決済装置12(12-3)の転送先決済装置123は決済装置12(12-4)となり、決済装置12(12-4)の転送先決済装置123は決済装置12(12-3)となる。
【0060】
因みに、1つのチェックアウトレーンに3台の決済装置、すなわち決済装置12(12-X)、決済装置12(12-Y)及び決済装置12(12-Z)が配置されている場合には、例えば、決済装置12(12-X)の転送先決済装置123は決済装置12(12-Y)とし、決済装置12(12-Y)の転送先決済装置123は決済装置12(12-Z)とし、決済装置12(12-Z)の転送先決済装置123は決済装置12(12-X)とすればよい。
【0061】
第1転送手段73、第2通知手段74及び第3通知手段75は、転送先メモリ82に記憶される決済装置IDで識別される決済装置12を転送先決済装置123として認識する。そして第1転送手段73は、モードフラグFcが“1”の転送モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から別取引に係るデータを受信すると、通信ユニット35を介してそのデータを転送先決済装置123に送信する。モードフラグFcが“1”の転送モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から入力終了を通知する信号を受信すると、通信ユニット35を介してその信号を転送先決済装置123に送信する。第3通知手段75は、モードフラグFcが“0”から“1”に変更されて転送モードに転換すると、転送先メモリ82に記憶されている転送先決済装置123の決済装置IDが決済先決済装置122の決済装置IDであることを通知する信号を、通信ユニット35を介して入力装置11に送信する。
【0062】
したがって、決済装置12は、入力装置11からだけではなく、転送モードに転換された他の決済装置12からも取引に係るデータ及びその取引に係るデータの入力終了を通知する信号を受信する場合がある。また入力装置11は、転送モードに転換した決済装置12から転送先決済装置123の決済装置IDが通知される場合がある。その場合、入力装置11においては、転送先決済装置123の決済装置IDと関連付けられた決済先フラグFbが“1”となり、決済先報知手段58によって転送先決済装置123が報知される。
【0063】
決済側記憶手段76は、モードフラグFcが“0”の決済モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から取引に係るデータを受信すると、当該取引に係るデータを決済側記憶部83で記憶する機能である。決済側記憶部83は、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33の記憶領域の一部である。決済側記憶手段76は、受信した取引に係るデータを基に、1取引として売り上げる商品の明細レコードRaを商品毎に作成する。明細レコードRaは、図5に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目のデータを記述したレコードである。すなわち明細レコードRaは、商品コード、数量等の取引に係るデータを記述したレコードであると言える。決済側記憶手段76は、明細レコードRaを決済側記憶部83の第2取引ファイル831で記憶する。
【0064】
金額表示手段77は、決済側記憶部83で記憶した取引に係るデータに基づき算出される当該取引の決済金額を表示する機能である。取引の決済金額は、第2取引ファイル831で記憶した明細レコードRaの金額と値割引額とから算出される金額である。すなわち金額表示手段77は、入力装置11又は他の決済装置12から取引に係るデータの入力終了を通知する信号を受信すると、第2取引ファイル831で記憶した取引に係るデータに基づき当該取引の決済金額を算出し、その決済金額をタッチパネル38に表示させる。
【0065】
決済手段78は、モードフラグFcが“0”の決済モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から取引に係るデータの入力終了通知を受けると、決済側記憶部83で記憶した取引に係るデータに基づいて取引を決済する機能である。決済手段78は、決済モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から取引に係るデータの入力終了を通知する信号を受信すると、第2取引ファイル831に記憶したデータを基に、取引の決済処理を実行する。
【0066】
決済手段78は、支払い方法選択画面SBb(図23を参照)を介して選択された代金支払い方法で取引を決済する。例えば代金支払い方法として現金支払いが選択された場合には、決済手段78は、釣銭機インターフェース36に接続された自動釣銭機を介して現金による取引の決済処理を実行する。代金支払い方法としてクレジットカード支払いが選択された場合には、決済手段78は、端末インターフェース41に接続されたキャッシュレス決済端末5を介してクレジットカードによる取引の決済処理を実行する。代金支払い方法として電子マネー支払いが選択された場合には、決済手段78は、端末インターフェース41に接続されたキャッシュレス決済端末5を介して電子マネーによる取引の決済処理を実行する。なお、現金、クレジットカード及び電子マネーによる取引の決済処理はいずれも周知の処理であるので、詳細な説明は省略する。
【0067】
第2転換手段79は、決済モードにおいて、入力装置11から転送の通知を受けると、転送モードに転換して決済側記憶部83で記憶した取引に係るデータを転送先決済装置123に送信する機能である。第2転換手段79は、モードフラグFcが“0”の決済モードにおいて、入力装置11が有する第4通知手段57の機能により、当該入力装置11から転送を通知する信号を受信すると、モードフラグFcを“1”に変更して転送モードに転換する。また第2転換手段79は、転送先メモリ82に記憶される決済装置IDで識別される決済装置12を転送先決済装置123として認識する。そして第2転換手段79は、決済側記憶部83の第2取引ファイル831で記憶している全ての取引に係るデータを、通信ユニット35を介して転送先決済装置123へと送信する。
【0068】
監視手段710は、同一のチェックアウトレーンに配置されている他の決済装置12の状態を監視する機能である。監視手段710は、監視タイマ84から一定時間毎に出力されるタイマ割込信号に応じて、同一のチェックアウトレーンに配置されている他の決済装置12に監視のための信号を出力する。この信号に対して他の決済装置12から応答信号があると、監視手段710は、他の決済装置12が正常であると認識する。これに対し、応答信号がない場合には、監視手段710は、他の決済装置12が異常であると認識する。
【0069】
具体的には監視手段710は、当該決済装置12の親機フラグFdが“0”、すなわち子機である場合、タイマ割込信号に応じて監視のための信号を出力する。また監視手段710は、当該決済装置12の親機フラグFdが“1”、すなわち親機である場合、タイマ割込信号に応じて監視のための信号を受信する。監視のための信号を受信すると、監視手段710は、応答信号を返す。よって、子機に設定された決済装置12は、応答信号があると親機が正常に動作していると認識し、応答信号がないと、親機が異常であると認識する。
【0070】
第5通知手段711は、監視手段710によって親機の異常が検出されると、入力装置11に親機の異常を通知する機能である。また第5通知手段711は、監視手段710によって親機の回復が検出されると、入力装置11に親機の回復を通知する機能でもある。
【0071】
上述した第1転換手段71、復帰手段72、第1転送手段73、第2通知手段74、第3通知手段75、決済側記憶手段76、金額表示手段77、決済手段78、第2転換手段79、監視手段710及び第5通知手段711としての機能は、プロセッサ21が決済装置用のプログラム、いわゆる決済プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。
【0072】
決済プログラムは、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33に記憶されるアプリケーションプログラムの一種である。決済プログラムをメインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に決済プログラムを記録して、あるいはネットワーク14を介した通信により決済プログラムを配信して、メインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0073】
次に、図10乃至図18の流れ図、及び、図19乃至図24の画面例を用いて、第1のチェックアウトレーンに配置された入力装置11(11-1)及び決済装置12(12-1,12-2)で実行される情報処理の内容と手順を説明する。なお、他のチェックアウトレーンに配置される入力装置11及び決済装置12で実行される情報処理も同一となるので、ここでの説明は省略する。
【0074】
説明に先立ち、デフォルトとして、決済装置12(12-1)を親機に設定し、決済装置12(12-2)を子機に設定する。すなわち、決済装置12(12-1)の親機フラグFdを“1”とし、決済装置12(12-2)の親機フラグFdを“0”とする。また、入力装置11の第1データテーブル64には、図6に示すデータが記述されている。すなわち、決済装置12(12-1)を識別する決済装置ID[0001]と関連付けて決済装置番号[1]が記述され、決済装置12(12-2)を識別する決済装置ID[0002]と関連付けて決済装置番号[2]が記述される。また、決済装置ID[0001]と関連付けられた送信先フラグFa及び決済先フラグFbをそれぞれ“1”とし、決済装置ID[0002]と関連付けられた送信先フラグFa及び決済先フラグFbをそれぞれ“0”とする。すなわち、親機の決済装置12(12-1)が送信先決済装置121であり、かつ決済先決済装置122であると仮定する。
【0075】
なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0076】
はじめに、入力装置11(11-1)のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を図10乃至図12の流れ図を用いて説明する。
客3は、売場に陳列されている商品の中から購入する商品を買物籠等に入れ、チェックアウトレーンに向かう。客3が第1のチェックアウトレーンに来ると、チェッカとしての役割を担う店員2は、入力装置11(11-1)に対して入力開始の宣言操作を行う。この操作を受けて、プロセッサ21は、図10乃至図12の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0077】
先ずプロセッサ21は、ACT101としてタッチパネル28の画面を明細画面SAa(図19を参照)とする。またプロセッサ21は、ACT102として第1データテーブル64を参照し、決済先フラグFbが“1”となっている決済装置ID[0001]を取得する。そしてプロセッサ21は、ACT103としてその決済装置ID[0001]と関連付けて記憶されている決済装置番号[1]を含む決済先特定情報NAa(図19を参照)を明細画面SAaの一部に表示させる。
【0078】
図19は、明細画面SAaの一表示例である。明細画面SAaは、カレントエリアAAaと、明細エリアAAbと、合計エリアAAcとに区分される。カレントエリアAAaには、一取引の買上商品として入力された最新の商品の商品名、数量及び金額が表示される。明細エリアAAbには、一連のレコード番号順に、一取引の買上商品として入力された商品の商品名、数量、単価、値割引額及び金額がリスト形式で表示される。合計エリアAAcには、買上商品の合計数量と合計金額とが表示される。そして、この明細画面SAaの一部に決済先特定情報NAaとして[決済装置1]が表示される。店員2は、この決済先特定情報NAaから、明細エリアAAbに表示されている取引に係るデータの取引を決済する決済装置12が決済装置12(12-1)であることを容易に知り得る。
【0079】
明細画面SAaは、小計ボタンBAa、値引ボタンBAb、割引ボタンBAc及び転送ボタンBAdのソフトウェアキーを含む。小計ボタンBAaは、一取引における買上商品の入力が終了したことを指令するための操作子である。値引ボタンBAbは、一取引の買上商品として入力された最新の商品の値引を指令するための操作子である。割引ボタンBAcは、一取引の買上商品として入力された最新の商品の割引を指令するための操作子である。因みに、オペレータが値引ボタンBAbを入力するとともにキーボード26のテンキーで値引額を入力することにより、商品の価格が値引される。同様に、オペレータが割引ボタンBAcを入力するとともにキーボード26のテンキーで割引率を入力することにより、商品の価格が割引される。
【0080】
転送ボタンBAdは、取引に係るデータの転送を指令するための操作子である。例えば、決済を終えた客3が釣銭を財布にしまうのに梃摺って決済先特定情報NAaで特定される決済装置12(12-1)の傍でもたもたしている場合がある。その状態で次の客が来ると、店員2は転送ボタンBAdを入力して、次の客との取引に係るデータの転送を指令する。転送を指令することにより、次の客との取引は別の決済装置12、つまりは決済装置12(12-2)で決済されるようになる。
【0081】
タッチパネル28に明細画面SAaが表示されたことを確認した店員2は、スキャナ27を操作して客3が購入する商品に付されたバーコードを読み取る。スキャナ27でバーコードが読み取られることによって、買上商品の商品コードが入力装置11(11-1)に入力される。一方、生鮮食品などの一部の商品にはバーコードが付されていないことがある。商品にバーコードが付されていない場合、店員2は、タッチパネル28にバーコード無商品のリストを表示させる。そして店員は、そのリストの中から客が購入する商品を選択する。このような操作により、バーコードのない買上商品の商品コードが入力装置11に入力される。
【0082】
図10の説明に戻る。
明細画面SAaを表示したプロセッサ21は、ACT104として商品コードが入力されるのを待ち受ける。なお、プロセッサ21は、客用ディスプレイ29の画面を客用明細画面としている。客用明細画面は、明細画面SAaからソフトウェアキーを除いたものである。
【0083】
商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT104からACT105へと進む。プロセッサ21は、ACT105として第1データテーブル64を参照し、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT106としてその決済装置IDを宛先として入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に入力イベントが送信される。入力イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該入力イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。すなわちデフォルトの状態では、入力イベントは、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)に送信される。入力イベントは、スキャナ27又はタッチパネル28から入力された商品コードを含む。入力イベントを受信した決済装置12(12-1)のプロセッサ31が実行する情報処理については後述する。
【0084】
プロセッサ21は、ACT107として明細レコードRaを作成する。すなわちプロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品コードを含む商品レコードを取得する。そしてプロセッサ21は、その商品レコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。なお、数量は“1”である。値割引額は“0”である。金額は、単価である。
【0085】
プロセッサ21は、ACT108として明細レコードRaを第1取引ファイル631に記憶する。そしてプロセッサ21は、ACT109として明細画面SAaを更新する。すなわちプロセッサ21は、明細レコードRaの商品名、数量及び金額を明細画面SAaのカレントエリアAAaに表示する。またプロセッサ21は、第1取引ファイル631に記憶した全ての明細レコードRaの合計数量及び合計金額を合計エリアAAcに表示する。プロセッサ21は、客用明細画面も同様に更新する。
【0086】
明細画面SAaを更新したプロセッサ21は、ACT110へと進む。プロセッサ21は、ACT110として決済装置12から転送先通知イベントを受信したか否かを確認する。詳細は後述するが、転送先通知イベントには、転送先決済装置123の決済装置IDが含まれている。決済装置12(12-1)において転送先決済装置123は子機に設定された決済装置12(12-2)である。
【0087】
転送先通知イベントを受信していない場合、プロセッサ21は、ACT110からACT111へと進む。プロセッサ21は、ACT111として転送ボタンBAdが入力されたか否かを確認する。転送ボタンBAdが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT111から図11のACT112へと進む。プロセッサ21は、ACT112として商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT112からACT113へと進む。プロセッサ21は、ACT113として数量又は値割引のデータが入力されたか否かを確認する。数量又は値割引のデータが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT1113からACT114へと進む。プロセッサ21は、ACT114として小計ボタンBAaが入力されたか否かを確認する。小計ボタンBAaが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT114から図10のACT110へと戻る。このように、明細画面SAaを更新したプロセッサ21は、ACT110乃至ACT114として転送先通知イベント、転送ボタンBAd、商品コード、数量又は値割引のデータ及び小計ボタンBAaの待ち受け状態となる。
【0088】
ACT110乃至ACT114の待ち受け状態において、通信ユニット25を介して転送先通知イベントを受信すると、プロセッサ21は、ACT110からACT121へと進む。プロセッサ21は、ACT121として転送先通知イベントに含まれている決済装置IDと関連付けて第1データテーブル64に記憶されている決済先フラグFbを“0”から“1”に変更し、他の決済先フラグFbを全て“0”とする。したがって、決済装置12(12-1)から転送先通知イベントを受信すると、決済装置12(12-2)の決済装置IDと関連付けられた決済先フラグFbが“1”となる。すなわち、決済装置12(12-2)が決済先決済装置122となる。
【0089】
プロセッサ21は、ACT122として決済先決済装置122の変更を報知する。すなわちプロセッサ21は、明細画面SAaの一部に表示される決済先特定情報NAaを、決済先フラグFbが“1”に変更された決済装置IDと関連付けて第1データテーブル64に記憶されている決済装置番号を含む決済先特定情報NAaに変更する。
【0090】
図20は、図19の明細画面SAaが表示されている状態、すなわち、決済先特定情報NAaとして[決済装置1]が表示されているときに、決済装置ID[0002]を含む転送先通知イベントを受信した場合の明細画面SAaの一例である。図20に示すように、決済先特定情報NAaが[決済装置1]から[決済装置2]に変更される。また、[決済装置2]とともにマークMKaが表示される。マークMKaを表示させることで、決済先特定情報NAaが変更されたことを店員2に報知する。
【0091】
なお、マークMKaとともに、あるにはマークMKaは無しに、決済先特定情報NAaを点滅させることによって、あるいは決済先特定情報NAaの色を変えることによって、店員2に決済先特定情報NAaの変更を報知してもよい。また、例えば[決済装置1]→[決済装置2]と表示することによって、決済先特定情報NAaの変更を報知してもよい。決済先特定情報NAaが変更されたことを報知したプロセッサ21は、ACT110乃至ACT114の待ち受け状態に戻る。
【0092】
ACT110乃至ACT114の待ち受け状態において、転送ボタンBAdが入力されると、プロセッサ21は、ACT111からACT131へと進む。プロセッサ21は、ACT131として第1データテーブル64を参照し、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT132としてその決済装置IDを宛先として転送イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に転送イベントが送信される。転送イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該転送イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。すなわちデフォルトの状態では、転送イベントは、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)に送信される。転送イベントを受信した決済装置12(12-1)のプロセッサ31が実行する情報処理については後述する。転送イベントを送信したプロセッサ21は、ACT110乃至ACT114の待ち受け状態に戻る。
【0093】
ACT110乃至ACT114の待ち受け状態において、商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT112からACT141へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT141乃至ACT145として、前述したACT105乃至ACT109と同様の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、ACT141として第1データテーブル64を参照し、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT142としてその決済装置IDを宛先として入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、入力イベントは、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)に送信される。
【0094】
プロセッサ21は、ACT143として明細レコードRaを作成する。そしてプロセッサ21は、ACT144として明細レコードRaを第1取引ファイル631に記憶する。またプロセッサ21は、ACT145として明細画面SAaを更新する。すなわちプロセッサ21は、明細レコードRaの商品名、数量及び金額を明細画面SAaのカレントエリアAAaに表示する。このとき、カレントエリアAAaに、当該明細レコードRaのレコード番号rよりも1つ前のレコード番号(r-1)の明細レコードRaに係るデータが表示されていた場合には、プロセッサ21は、その明細レコードRaのレコード番号(r-1)、商品名、数量、単価、値割引額及び金額を明細エリアAAbに表示する。またプロセッサ21は、第1取引ファイル631に記憶した全ての明細レコードRaの合計数量及び合計金額を合計エリアAAcに表示する。プロセッサ21は、客用明細画面も同様に更新する。明細画面SAaを更新したプロセッサ21は、ACT110乃至ACT114の待ち受け状態に戻る。
【0095】
ACT110乃至ACT114の待ち受け状態において、キーボード26のテンキーと乗算キーとによって数量が入力された場合、あるいは値引ボタンBAb又は割引ボタンBAcとテンキーとにより値引額又は割引率が入力された場合には、プロセッサ21は、ACT113からACT151へと進む。プロセッサ21は、ACT151として第1データテーブル64を参照し、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT152としてその決済装置IDを宛先として入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に入力イベントが送信される。入力イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該入力イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。すなわちデフォルトの状態では、入力イベントは、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)に送信される。入力イベントは、キーボード26から入力された数量、値引額又は割引率を含む。
【0096】
プロセッサ21は、ACT153として第1取引ファイル631に記憶したレコード番号rの明細レコードRaを更新する。具体的には、数量が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaの数量を入力された値とし、金額を単価と数量との積とする。値引額が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaに値引額を記述し、金額から値引額を減じる。割引率が入力された場合には、プロセッサ21は、明細レコードRaの単価と割引率とから割引額を算出して記述し、金額から割引額を減じる。そしてプロセッサ21は、ACT154として明細レコードRaを更新した後の第1取引ファイル631のデータにより、明細画面SAaのカレントエリアAAaと合計エリアAAcの表示を更新する。プロセッサ21は、客用明細画面も同様に更新する。明細画面SAaを更新したプロセッサ21は、ACT110乃至ACT114の待ち受け状態に戻る。
【0097】
ACT110乃至ACT114の待ち受け状態において、小計ボタンBAaが入力されると、プロセッサ21は、ACT114からACT161へと進む。プロセッサ21は、ACT161としてタッチパネル28の画面を小計画面SAb(図21を参照)とする。
【0098】
図21は、小計画面SAbの一表示例である。小計画面SAbは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアAAdを含む。また小計画面SAbは、小計値引ボタンBAe、小計割引ボタンBAf、入力完了ボタンBAg及び明細に戻るボタンBAhのソフトウェアキーを含む。小計値引ボタンBAeは、合計金額の値引を指令するための操作子である。小計割引ボタンBAfは、合計金額の割引を指令するための操作子である。因みに、小計値引ボタンBAeを入力するとともにキーボード26のテンキーで値引額を入力することにより、合計金額が値引される。同様に、小計割引ボタンBAfを入力するとともにキーボード26のテンキーで割引率を入力することにより、合計金額が割引される。
【0099】
入力完了ボタンBAgは、取引に係るデータの入力終了を指示するための操作子である。店員2は、取引に係るデータの入力を終了すると、入力完了ボタンBAgをタッチ操作で入力する。取引に係るデータの入力を終了していない場合には、店員2は、明細に戻るボタンBAhボタンをタッチ操作で入力する。
【0100】
なお、ACT161において、プロセッサ21は、客用ディスプレイ29の画面を客用小計画面とする。客用小計画面は、小計画面SAbからソフトウェアキーを除いたものである。
【0101】
小計画面SAbを表示したプロセッサ21は、ACT162として明細に戻るボタンBAhが入力されたか否かを確認する。明細に戻るボタンBAhが入力されていない場合には、プロセッサ21は、ACT162からACT163へと進む。プロセッサ21は、ACT163として入力完了ボタンBAgが入力されたか否かを確認する。入力完了ボタンBAgが入力されていない場合には、プロセッサ21は、ACT163からACT162へと戻る。
【0102】
このように小計画面SAbを表示したプロセッサ21は、ACT162及びACT163において明細に戻るボタンBAhが入力されるか、入力完了ボタンBAgが入力されるのを待ち受ける。なお、この待ち受け状態において、小計値引ボタンBAe又は小計割引ボタンBAfが入力された場合には、プロセッサ21は、小計値引又は小計割引の処理を行って、ACT162及びACT163の待ち受け状態に戻る。
【0103】
ACT162及びACT163の待ち受け状態において、明細に戻るボタンBAhが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT162からACT164へと進む。プロセッサ21は、ACT164としてタッチパネル28の画面を小計画面SAbから直前の明細画面SAaに戻す。そしてプロセッサ21は、ACT110乃至ACT114の待ち受け状態に戻る。
【0104】
ACT162及びACT163の待ち受け状態において、入力完了ボタンBAgが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT163から図12のACT171へと進む。プロセッサ21は、ACT171として取引番号を発番する。例えば入力装置11は、取引番号をカウントするためのカウンタを備えている。プロセッサ21は、このカウンタをカウントアップして新規の取引番号を発番する。
【0105】
プロセッサ21は、ACT172として第1データテーブル64を参照し、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT173としてその決済装置IDを宛先として完了イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に完了イベントが送信される。完了イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該完了イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。すなわちデフォルトの状態では、完了イベントは、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)に送信される。完了イベントには、ACT171において発番した取引番号が含まれる。完了イベントを受信した決済装置12(12-1)のプロセッサ31が実行する情報処理については後述する。
【0106】
完了イベントを送信したプロセッサ21は、ACT174へと進む。プロセッサ21は、ACT174として第1取引ファイル631をクリアする。このクリアにより、第1取引ファイル631に記憶していた明細レコードRaはすべて削除される。またプロセッサ21は、ACT175として第1データテーブル64に対し、送信先フラグFaが“1”の決済装置IDと関連付けられた決済先フラグFbを“1”とし、他の決済先フラグFbを“0”とする。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0107】
このように、第1取引ファイル631がクリアされた入力装置11においては、次の客が取引に係るデータの入力が可能となる。そして店員2が、入力装置11に対して入力開始の宣言操作を行うと、プロセッサ21は、タッチパネル28の画面を明細画面SAaとする。このとき、明細画面SAaには、送信先フラグFaが“1”の決済装置、すなわち送信先決済装置121を決済先決済装置122として特定する決済先特定情報NAaが表示される。そして、プロセッサ21は、ACT104以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0108】
ここにプロセッサ21は、ACT107及びACT108の処理、さらにはACT143及びACT144の処理により、入力側記憶手段51としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT109の処理、さらにはACT145の処理により、明細表示手段52としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT163の処理により、終了検出手段53としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT102及びACT103の処理により、決済先報知手段としての機能を実現する。
【0109】
これらの機能により、入力装置11(11-1)においては、客との取引に係るデータが入力される毎に明細レコードRaが作成され、第1取引ファイル631に記憶される。また、第1取引ファイル631に記憶された明細レコードのデータに基づいて明細画面SAaがタッチパネル28に表示される。この明細画面SAaには、決済先フラグFbが“1”の決済装置12を特定する決済先特定情報NAaが表示されている。したがって店員2は、決済先特定情報NAaで特定される決済装置12で決済することを客に指示することができる。
【0110】
またプロセッサ21は、ACT105及びACT106の処理、ACT141及びACT142の処理、さらにはACT151及びACT152の処理により、第1送信手段54としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT172及びACT173の処理により、第1通知手段55としての機能を実現する。
【0111】
これらの機能により、入力装置11(11-1)においては、客との取引に係るデータが入力される毎にそのデータを含む入力イベントが送信先決済装置121に送信される。その後、取引に係るデータの入力終了が指示されると、取引番号を含む完了イベントが送信先決済装置121に送信される。すなわち入力装置11(11-1)においては、取引に係るデータの入力終了が指示されるのを待って取引の決済に必要な決済情報を作成し、決済装置12に送信する、ということは行っていない。
【0112】
またプロセッサ21は、ACT111の処理により、転送検出手段56としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT131及びACT132の処理により、第4通知手段57としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT102及びACT103の処理、さらにはACT121及びACT122の処理により、決済先報知手段としての機能を実現する。
【0113】
これらの機能により、店員2が転送ボタンBAdをタッチ操作で入力すると、取引に係るデータの転送を指示する転送コマンドが送信先決済装置121に送信される。また、転送先決済装置123を特定する決済先特定情報NAaが明細画面SAaに表示される。
【0114】
次に、決済装置12(12-1)のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を図13及び図16の流れ図を用いて説明する。
決済装置12(12-1)のプロセッサ31は、図13のACT201としてモードフラグFcを“0”とする。すなわちプロセッサ31は、動作モードを決済モードとする。そしてプロセッサ21は、ACT202としてタッチパネル38の画面を待機画面SBa(図22を参照)とする。
【0115】
図22は、待機画面SBaの一表示例である。待機画面SBaは、オペレータに待機中であることを知らせる画面である。決済装置12のオペレータは、原則、客3である。したがって、待機画面SBaは、客3が勝手に操作しないような画像を表示した画面であればよい。例えば「いらっしゃいませ」、「お待ちください」等のテキストを表示した画面であってもよいし、店舗のロゴ等のイラストを表示した画面であってもよい。
【0116】
因みに、決済装置12(12-2)のプロセッサ31も、ACT101及びACT102の処理を実行している。したがって、決済装置12(12-2)の動作モードも決済モードである。タッチパネル38には待機画面SBaが表示されている。
【0117】
待機画面SBaを表示したプロセッサ31は、ACT203として入力装置11(111)から送信される入力イベントを待ち受ける。この待ち受け状態において、通信ユニット35を介して入力イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT203からACT204へと進む。プロセッサ31は、ACT204として商品コードを含む入力イベントを受信したか否かを確認する。
【0118】
前述したように、入力イベントには、商品コードを含む入力イベントと、数量、値引額又は割引率を含む入力イベントがある。ACT204において、商品コードを含む入力イベントを受信したことを確認したプロセッサ31は、ACT205へと進む。プロセッサ31は、ACT205として明細レコードRaを作成する。すなわちプロセッサ31は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力イベントに含まれる商品コードを含む商品レコードを取得する。そしてプロセッサ31は、その商品レコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。なお、数量は“1”である。値割引額は“0”である。金額は、単価である。
【0119】
明細レコードRaを作成したプロセッサ31は、ACT206と進む。プロセッサ31は、ACT206してその明細レコードRaを第2取引ファイル831に記憶する。
【0120】
一方、受信した入力イベントが商品コードを含まない入力イベントの場合、プロセッサ31は、ACT204からACT207へと進む。プロセッサ31は、ACT207として数量、値引額又は割引率を含む入力イベントを受信したか否かを確認する。数量、値引額又は割引率を含む入力イベントを受信した場合、プロセッサ31は、ACT207からACT208へと進む。プロセッサ31は、ACT208として第2取引ファイル831に記憶したレコード番号rの明細レコードRaを更新する。具体的には、数量を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaの数量を入力イベントに含まれる値とし、金額を単価と数量との積とする。値引額を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaに値引額を記述し、金額から値引額を減じる。割引率を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaの単価と割引率とから割引額を算出して記述し、金額から割引額を減じる。
【0121】
こうして、ACT206又はACT208の処理を終えると、プロセッサ31は、図14のACT211へと進む。プロセッサ31は、ACT211として次の入力イベントを受信したか否かを確認する。入力イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT211からACT212へと進む。プロセッサ31は、ACT212として転送イベントを受信したか否かを確認する。転送イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT212からACT213へと進む。プロセッサ31は、ACT213として完了イベントを受信したか否かを確認する。完了イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT213からACT211へと戻る。このようにプロセッサ31は、ACT211乃至ACT213として入力イベント、転送インベント、又は完了イベントを待ち受ける。
【0122】
ACT211乃至ACT213の待ち受け状態において、入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は,ACT211からACT221へと進む。プロセッサ31は、ACT31としてモードフラグFcを調べる。モードフラグFcが“0”、すなわち決済モードが設定されている場合には、プロセッサ31は、ACT221から図13のACT204へと戻る。そしてプロセッサ31は、ACT204以降の処理を前述したのと同様に実行する。すなわち、商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、明細レコードRaを作成し、その明細レコードRaを第2取引ファイル831に記憶する。数量、割引額又は割引率を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、レコード番号rの明細レコードRa、すなわち直前のACT206の処理で第2取引ファイル831に記憶した明細レコードRaを更新する。そしてプロセッサ31は、再びACT211乃至ACT213の待ち受け状態となる。
【0123】
一方、モードフラグFcが“1”、すなわち転送モードが設定されていた場合には、プロセッサ31は、ACT221からACT222へと進む。プロセッサ31は、ACT222として転送先メモリ82に記憶されている転送先決済装置123の決済装置IDを取得する。プロセッサ31は、ACT223として転送先決済装置123の決済装置IDを宛先として、受信した入力イベントを送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、通信ユニット35を介してネットワーク14に入力イベントが送信される。入力イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該入力イベントの宛先である決済装置IDが設定された転送先決済装置123で受信される。すなわち、決済装置12(12-1)が転送モードである場合、入力イベントは、転送先決済装置123である決済装置12(12-2)で受信される。このとき、決済装置12(12-2)が決済モードであれば、決済装置12(12-2)のプロセッサ31は、ACT204乃至ACT208の処理を実行する。入力イベントを送信した決済装置12(12-1)のプロセッサ31は、再びACT211乃至ACT213の待ち受け状態となる。
【0124】
ACT211乃至ACT213の待ち受け状態において、転送イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT212からACT231へと進む。プロセッサ31は、ACT231としてモードフラグFcを“1”とする。そして、プロセッサ31は、ACT232として転送先メモリ82に記憶されている転送先決済装置123の決済装置IDを取得する。プロセッサ31は、ACT233として転送先決済装置123の決済装置IDを宛先として、第2取引ファイル831で記憶した全ての明細レコードRaを送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、通信ユニット35を介してネットワーク14に第2取引ファイル831で記憶した全ての明細レコードRaが送信される。明細レコードRaは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、宛先である決済装置IDが設定された転送先決済装置123で受信される。
【0125】
すなわち、決済モードであった決済装置12(12-1)が転送イベントを受信すると、動作モードを転送モードに転換し、第2取引ファイル831で記憶している明細レコードRaを決済装置12(12-2)に送信する。このとき、決済装置12(12-2)が決済モードであると仮定すると、決済装置12(12-2)においては、第2取引ファイル831に明細レコードRaが記憶されることとなる。
【0126】
明細レコードRaを送信した決済装置12(12-1)のプロセッサ31は、ACT234へと進む。プロセッサ31は、ACT234として第2取引ファイル831をクリアする。またプロセッサ31は、ACT235として転送先IDを入力装置11に通知する。すなわちプロセッサ31は、転送先メモリ82に記憶されている転送先決済装置123の決済装置IDを含む通知信号を入力装置11のIDを宛先として送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、通信ユニット35を介してネットワーク14に通知信号が送信される。通知信号は、宛先のIDが設定された入力装置11で受信される。通知信号を受信した入力装置11においては、プロセッサ21が、前述したACT121及びACT122の処理を実行する。その結果、図20に示すように、明細画面SAaの決済先特定情報NAaが[決済装置1]から[決済装置2]に変更される。転送先IDを通知したプロセッサ31は、再びACT211乃至ACT213の待ち受け状態となる。
【0127】
ACT211乃至ACT213の待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT241へと進む。プロセッサ31は、ACT241としてモードフラグFcを調べる。モードフラグFcが“0”、すなわち決済モードが設定されている場合には、プロセッサ31は、ACT241からACT242へと進む。プロセッサ31は、ACT242として例えば青色で点灯するようにパトランプ40を制御する。
【0128】
その後、プロセッサ31は、図15のACT251へと進む。プロセッサ31は、ACT251としてタッチパネル38の画面を支払い方法選択画面SBb(図23を参照)とする。
【0129】
図23は、支払い方法選択画面SBbの一表示例である。支払い方法選択画面SBbは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアABaを含む。また支払い方法選択画面SBbは、現金ボタンBBa、クレジットボタンBBb及び電子マネーボタンBBcのソフトウェアキーを含む。現金ボタンBBaは、現金支払いを選択するための操作子である。クレジットボタンBBbは、クレジットカード支払いを選択するための操作子である。電子マネーボタンBBcは、電子マネー支払いを選択するための操作子である。
【0130】
支払い方法選択画面SBbを確認した客3は、代金の支払い方法を選択する。現金支払いを希望する客3は、現金ボタンBBaをタッチ操作で入力する。クレジットカード支払いを希望する客3は、クレジットボタンBBbをタッチ操作で入力する。電子マネー支払いを希望する客3は、電子マネーボタンBBcをタッチ操作で入力する。なお、本実施形態では、代金支払い方法を現金支払い、クレジットカード支払い及び電子マネー支払いの3種類に限定するが、代金支払い方法はこれら3種類に限定されないのは言うまでもない。例えば、コード決済等のキャッシュレスによる決済方法を含めてもよい。
【0131】
支払い方法選択画面SBbを表示したプロセッサ21は、ACT252としていずれか1つの支払い方法が選択されるのを待ち受ける。この待ち受け状態のとき、入力装置11(11-1)においては、次の客の取引に係るデータ等が入力される場合がある。このため、決済装置12(12-1)は、入力装置11(11-1)から入力イベント、転送イベント又は完了イベントを受信する場合があり得る。そこでプロセッサ31は、ACT253としてイベントを受信したか否かを確認する。支払い方法が選択される前にイベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT253からACT271へと進む。プロセッサ31は、ACT271として転送処理を実行する。転送処理についは、後述する。転送処理を終えると、プロセッサ31は、ACT252へと戻る。プロセッサ31は、支払い方法が選択されるか、次のイベントを受信するのを待ち受ける。
【0132】
現金ボタンBBa、クレジットボタンBBb又は電子マネーボタンBBcの入力によりいずれかの支払い方法が選択された場合には、プロセッサ31は、ACT252からACT254へと進む。プロセッサ31は、ACT254として支払い種別を取得する。支払い種別は、選択入力を受け付けた代金支払い方法を識別する支払い方法識別データである。例えば、現金ボタンBBaが入力された場合には、プロセッサ31は、支払い方法識別データとして支払い種別「現金」を取得する。クレジットボタンBBbが入力された場合には、プロセッサ31は、支払い方法識別データとして支払い種別「クレジット」を取得する。電子マネーボタンBBcが入力された場合には、プロセッサ31は、支払い方法識別データとして支払い種別「電子マネー」を取得する。支払い種別を取得したプロセッサ31は、ACT255としてタッチパネル38の画面を支払い種別に対応した会計画面SBc(図24を参照)とする。
【0133】
図24は、支払い種別が「現金」であった場合の会計画面SBcの一表示例である。会計画面SBcは、合計点数及び合計金額が表示される合計エリアABbを含む。また会計画面SBcは、変更ボタンBBd及び店員呼出ボタンBBeのソフトウェアキーを含む。会計画面SBcは、決済装置12のオペレータに対して会計の方法を知らせる画面である。決済装置12のオペレータは、原則、客3である。したがって、例えば「現金支払いが選択されています。代金を投入してください」というテキストが会計画面SBcに表示される。このテキストを確認した客3は、自動釣銭機に代金相当の現金を投入する。
【0134】
なお、支払い方法を変更したい客3は、変更ボタンBBdをタッチ操作で入力する。また店員を呼び出したい客3は、店員呼出ボタンBBeをタッチ操作で入力する。店員呼出ボタンBBeが入力されると、決済装置12から入力装置11に店員呼出信号が出力されて、入力装置11のタッチパネル28に客から呼び出しがあることを店員に知らせる画像が表示される。
【0135】
会計画面SBcを表示したプロセッサ31は、ACT256として代金の支払いが完了するか、ACT257として変更ボタンBBdが入力されるのを待ち受ける。変更ボタンBBdが入力された場合には、プロセッサ31は、ACT257からACT251へと戻る。すなわちプロセッサ31は、タッチパネル38の画面を支払い方法選択画面SBbとする。そしてプロセッサ31は、ACT251以降の処理を前述したのと同様に実行する。したがって、変更ボタンBBdをタッチ操作で入力した客3は、別の支払い方法を選択することができる。
【0136】
ところで、ACT256及びACT257の待ち受け状態においても、決済装置12(12-1)は、入力装置11から入力イベント、転送イベント又は完了イベントを受信する場合があり得る。そこでプロセッサ31は、ACT258としてイベントを受信したか否かを確認する。代金の支払いが完了する前にイベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT258からACT272へと進む。プロセッサ31は、ACT272として転送処理を実行する。転送処理についは、後述する。転送処理を終えると、プロセッサ31は、ACT256へと戻る。プロセッサ31は、代金の支払いが完了するか、次のイベントを受信するのを待ち受ける。
【0137】
例えば支払い種別が「現金」であり、自動釣銭機に代金相当の現金が投入された場合には、プロセッサ31は、代金の支払いが完了したと判断する。例えば支払い種別が「クレジット」または「電子マネー」の場合には、プロセッサ31は、キャッシュレス決済端末5から決済完了の信号を待ち受ける。決済完了の信号を受信すると、プロセッサ31は、代金の支払いが完了したと判断する。
【0138】
代金の支払いが完了すると、プロセッサ31は、ACT256からACT259へと進む。プロセッサ31は、ACT259としてプリンタ39を動作させて、取引レシートを発行する。取引レシートには、第2取引ファイル831に記憶された明細レコードRaのデータ、つまりは買上商品の商品名、数量、単価、金額等が印字される。また、買上商品の合計金額、支払い金額、釣銭額、完了イベントに含まれていた取引番号等も印字される。
【0139】
取引レシートを発行したプロセッサ31は、ACT260へと進む。プロセッサ31は、ACT260として第2取引ファイル831に記憶した明細レコードRaに基づいて、買上商品の売上処理を行う。この売上処理により、売上マスタファイル132に記憶される買上商品の売上点数及び売上金額が更新される。
【0140】
買上商品の売上処理を終えたプロセッサ31は、ACT261へと進む。プロセッサ31は、ACT261として第2取引ファイル831をクリアする。このクリアにより、第2取引ファイル831に記憶されていた明細レコードRaが削除される。
【0141】
第2取引ファイル831をクリアしたプロセッサ31は、ACT262へと進む。プロセッサ31は、ACT262としてモードフラグFcを調べる。モードフラグFcが“0”、すなわち決済モードが設定されている場合には、プロセッサ31は、ACT262からACT263へと進む。プロセッサ31は、ACT263として例えば青色で点灯していたパトランプ40が消灯するように制御する。以上で、プロセッサ31は、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0142】
一方、モードフラグFcが“1”、すなわち転送モードが設定されている場合には、プロセッサ31は、ACT262からACT264へと進む。プロセッサ31は、ACT264として入力装置11(11-1)から入力イベント、転送イベント又は完了イベントを受信するのを待ち受ける。そして、イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT264からACT273へと進む。プロセッサ31は、ACT273として転送処理を実行する。転送処理についは、後述する。
【0143】
転送処理を終えると、プロセッサ31は、ACT262へと戻る。プロセッサ31は、モードフラグFcを調べる。依然としてモードフラグFcが“1”、すなわち転送モードで設定されている場合には、プロセッサ31は、次のイベントを待ち受ける。これに対し、モードフラグFcが“0”、すなわち決済モードに転換されていた場合には、プロセッサ31は、ACT263へと進む。プロセッサ31は、パトランプ40が消灯するように制御する。以上で、プロセッサ31は、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0144】
このように、第2取引ファイル831がクリアされ、パトランプ40が消灯した決済装置12(12-1)においては、次の取引の決済が可能となる。このとき、タッチパネル38の画面は待機画面SBaとなる。この状態で、入力装置11(11-1)から入力イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT204以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0145】
すなわちプロセッサ31は、商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、明細レコードRaを作成し、第2取引ファイル831で記憶する。数量、値引額又は割引率を含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、第2取引ファイル831に記憶した明細レコードRaを更新する。その後、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、タッチパネル38の画面を待機画面SBaから支払い方法選択画面SBbへと遷移させる。そして、いずれかの支払方法が選択されると、プロセッサ31は、その支払方法で取引を決済するための処理を行う。
【0146】
一方、完了イベントを受信する前に転送イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、動作モードを決済モードから転送モードに転換する。そしてプロセッサ31は、第2取引ファイル831に記憶した明細レコードRaを転送先決済装置123に送信して、第2取引ファイル831をクリアする。
【0147】
ここに、プロセッサ31は、ACT205及びACT206の処理により、決済側記憶手段76としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT251の処理により、金額表示手段77としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT359及びACT260の処理により、決済手段78としての機能を実現する。
【0148】
これらの機能により、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)が決済モードで動作している場合、その決済装置12(12-1)には、入力装置11(11-1)において取引に係るデータが入力される毎に、その取引に係るデータを含む入力イベントが送信される。この入力イベントを受けて、決済装置12(12-1)は、明細レコードRaを作成し、第2取引ファイル831に記憶する。ただし、タッチパネル38の画面は待機画面SBaから遷移しない。その後、完了コマンドを受信すると、決済装置12(12-1)は、タッチパネル38の画面を支払い方法選択画面SBbとする。支払い方法選択画面SBbには、第2取引ファイル831に記憶された明細レコードRaのデータを基に算出された合計金額が表示されるので、客3は、その合計金額に相当する代金を現金、クレジットカード、電子マネー等の支払方法を利用して支払う。代金を支払うことにより、決済装置12(12-1)においては決済処理が実行されて、レシートが発行される。
【0149】
またプロセッサ31は、ACT231の処理により、第2転換手段79としての処理を実現する。プロセッサ31は、ACT235の処理により、第3通知手段75としての機能を実現する。
【0150】
これらの機能により、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)は、転送コマンドを受信すると、転送モードに転換する。そして決済装置12(12-1)は、第2取引ファイルに記憶していた明細レコードRaを、転送先決済装置123である決済装置12(12-2)に送信する。以後、決済装置12(12-1)は、転送モードとなったので、入力装置11(11-1)から受信した種々のイベントを決済装置12(12-2)に送信する。
【0151】
ここで、決済装置12(12-2)が決済モードで動作している場合、決済装置12(12-2)においては決済側記憶手段76、金額表示手段77及び決済手段78としての機能が働く。一方、入力装置11(11-1)においては、ACT121及びACT122の処理による決済先報知手段としての機能が働く。したがって、入力装置11(11-1)を介して取引に係るデータが入力された取引は、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)ではなく、転送先決済装置123である決済装置12(12-2)で決済される。このような機能は、決済装置12(12-1)での決済を終了した客3がもたもたしており、決済装置12(12-1)が空かない場合に、店員2の判断によって次の客との取引の決済先を決済装置12(12-2)に変更できるので、大変効果的である。
【0152】
次に、図16の流れ図を用いてACT271、ACT272又はACT273において実行される転送処理の具体的な内容と手順について説明する。前述したように、転送処理は、客との取引の決済が完了する前に次の客との取引が開始され、入力イベント等を受信した場合に実行される処理である。
【0153】
ACT271、ACT272又はACT273において転送処理に入ると、プロセッサ31は、ACT281として転送先決済装置123の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ31は、転送先メモリ82に記憶されている決済装置IDを取得する。転送先決済装置123の決済装置IDを取得したプロセッサ31は、ACT282としてモードフラグFcを調べる。モードフラグFcが“0”、すなわち決済モードが設定されている場合には、プロセッサ31は、ACT282からACT283へと進む。プロセッサ31は、ACT283としてモードフラグFcを“1”に変更する。すなわちプロセッサ31は、動作モードを決済モードから転送モードへと転換する。そしてプロセッサ31は、ACT284として転送先決済装置123の決済装置IDを含む通知信号を入力装置11のIDを宛先として送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により通信ユニット35を介してネットワーク14に通知信号が送信される。通知信号は、宛先のIDが設定された入力装置11(11-1)で受信される。通知信号を受信した入力装置11(11-1)においては、プロセッサ21は、ACT121及びACT122の処理を実行する。その結果、図20に示すように、決済先特定情報NAaが[決済装置1]から[決済装置2]に変更される。
【0154】
転送先IDを通知したプロセッサ31は、ACT285へと進む。一方、ACT282においてモードフラグFcが“1”、すなわち転送モードが設定されている場合には、プロセッサ31は、ACT283及びACT284の処理をスキップして、ACT285へと進む。
【0155】
プロセッサ31は、ACT285として入力装置11(11-1)から受信したイベントを、転送先決済装置123に送信するように通信ユニット35を制御する。すなわちプロセッサ31は、ACT281において取得した転送先決済装置123の決済装置IDを宛先として、入力装置11(11-1)から受信したイベントをそのまま送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、通信ユニット35を介してネットワーク14にイベントが送信される。イベントは、ネットワーク14に接続された転送先決済装置123で受信される。すなわち、決済装置12(12-2)でイベントが受信される。
【0156】
イベントを送信したプロセッサ31は、ACT285からACT286へと進む。プロセッサ31は、ACT286として入力装置11(11-1)から受信したイベントが完了イベントであるか否かを確認する。受信したイベントが完了イベントでない場合、プロセッサ31は、転送処理を抜ける。
【0157】
一方、受信したイベントが完了イベントであった場合には、プロセッサ31は、ACT286からACT287へと進む。プロセッサ31は、ACT287としてモードフラグFcを“1”から“0”に変更する。すなわちプロセッサ31は、動作モードを決済モードに復帰させる。以上で、プロセッサ31は、転送処理を抜ける。
【0158】
ここに、プロセッサ31は、ACT283の処理により、第1転換手段71としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT287の処理により、復帰手段72としての機能を実現する。
【0159】
またプロセッサ31は、ACT281及びACT285の処理により、第1転送手段73としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT281及びACT285の処理により、第2通知手段74としての機能も実現する。
【0160】
このような機能により、決済モードであった決済装置12(12-1)のプロセッサ31は、客との取引の決済が完了する前に次の客と取引、すなわち別取引が開始され、入力装置11(11-1)からその別取引に係るデータを含む入力イベントを受信すると、モードフラグFcを“0”から“1”に変更する。すなわち動作モードを転送モードに転換する。そしてプロセッサ31は、受信した入力イベントを転送先決済装置123である決済装置12(12-2)に送信する。
【0161】
ここで、決済装置12(12-2)が決済モードで動作している場合、決済装置12(12-2)においては決済側記憶手段76、金額表示手段77及び決済手段78としての機能が働く。一方、入力装置11(11-1)においては、ACT102及びACT103の処理による決済先報知手段としての機能が働く。したがって、入力装置11(11-1)を介して取引に係るデータが入力された別取引は、送信先決済装置121である決済装置12(12-1)ではなく、転送先決済装置123である決済装置12(12-2)で決済される。
【0162】
なお、転送モードに転換した決済装置12(12-1)は、その後、入力装置11(11-1)から完了イベントを受信すると、受信した完了イベントを決済装置12(12-2)に送信し、モードフラグFcを“1”から“0”に変更する。すなわち動作モードを決済モードに戻す。したがって、別取引の後の取引は、決済装置12(12-1)で決済されることとなる。そして、いずれの取引を決済する際にも、入力装置11(11-1)は、取引に係るデータの入力終了が指示されるのを待って取引の決済に必要な決済情報を作成し、決済装置12に送信する、という処理を行わない。
【0163】
ところで、本実施形態においては、親機である決済装置12(12-1)を送信先決済装置121とし、同一チェックアウトレーンの入力装置11(11-1)は、各種のイベントを送信先決済装置121、つまりは決済装置12(12-1)に送信する。このため、決済装置12(12-1)がダウンしてしまうと、入力装置11から決済装置12(12-1)にイベントを送信できなくなる。イベントを送信できないと、たとえ子機である決済装置12(12-2)が正常に動作していても、入力装置11(11-1)で取引に係るデータが入力された取引を決済することができない。このような不具合を解消するために、決済装置12は、監視手段710及び第5通知手段711としての機能を有している。また、入力装置11は、送信先変更手段59の機能を有している。そこで次に、これらの機能について図17及び図18を用いて説明する。
【0164】
図17は、決済装置12のプロセッサ31が実行するタイマ割込み処理の手順を示す流れ図である。プロセッサ31が内蔵するタイマからは、例えば1分間隔で周期的にタイマ割込み信号が出力される。このタイマ割込み信号を検出したプロセッサ31は、図17の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0165】
先ず、プロセッサ31は、ACT291として親機フラグFdを調べる。親機フラグFdが“0”、すなわち当該決済装置12が決済装置12(12-2)である場合には、プロセッサ31は、ACT292へと進む。プロセッサ31は、ACT292として親機フラグFdが“1”に設定されている他の決済装置12、すなわち決済装置12(12-1)の状態を確認する。例えばプロセッサ31は、決済装置12(12-1)に対して状態確認のための監視信号を出力する。
【0166】
一方、ACT291において親機フラグFdが“1”、すなわち当該決済装置12が決済装置12(12-1)である場合には、プロセッサ31は、ACT293へと進む。プロセッサ31は、ACT293として他の決済装置12、すなわち決済装置12(12-2)から監視信号を受信したか否かを確認する。監視信号を受信していない場合、プロセッサ31は、タイマ割込み処理を終了する。
【0167】
これに対し、決済装置12(12-2)から監視信号を受信すると、プロセッサ31は、ACT293からACT294へと進む。プロセッサ31は、ACT294として応答信号を決済装置12(12-2)に返信する。そしてプロセッサ31は、タイマ割込み処理を終了する。
【0168】
このように、子機に設定された決済装置12(12-2)は、タイマ割込み信号を受信する毎に、状態確認のための監視信号を親機の決済装置12(12-1)に送信する。親機に設定された決済装置12(12-1)は、監視信号を受信する毎に、応答信号を返信する。したがって、親機に設定された決済装置12(12-1)が正常に動作している場合には、子機に設定された決済装置12(12-2)は、一定の間隔で監視信号を送信する毎に応答信号を受信することができる。換言すれば、監視信号を送信したが応答信号を受信できない場合には、親機の決済装置12(12-1)が異常であると判定することができる。
【0169】
そこで、ACT292において監視信号を送信したプロセッサ31は、ACT295として親機の決済装置12(12-1)から応答信号を受信したか否かを確認する。応答信号を受信していない場合、プロセッサ31は、ACT296として所定の応答時間が経過したか否かを確認する。応答時間は、タイマ割込み信号の送信周期よりも短い時間である。
【0170】
応答信号を受信することなく応答時間が経過したならば、プロセッサ31は、ACT296からACT297へと進む。プロセッサ31は、ACT297として前回の監視信号送信時には応答信号を受信していたか否かを確認する。前回の監視信号送信時においても応答信号を受信していなかった場合には、決済装置12(12-1)の異常が継続していると推定される。プロセッサ31は、タイマ割込み処理を終了する。
【0171】
これに対し、前回の監視信号送信時には応答信号を受信していた場合には、親機の決済装置12(12-1)に異常が発生したと推測される。プロセッサ31は、ACT298として親機の異常を通知する異常通知信号を入力装置11(11-1)に対して出力する。異常通知信号には、親機に設定された決済装置12(12-1)の決済装置IDと、異常通知信号の送信元である子機に設定された決済装置12(12-2)の決済装置IDとが含まれる。以上で、プロセッサ31は、タイマ割込み処理を終了する。
【0172】
一方、ACT295において応答時間内に応答信号を受信した場合には、プロセッサ31は、ACT295からACT299へと進む。プロセッサ31は、ACT299として前回の監視信号送信時には応答信号を受信していなかったか否かを確認する。前回の監視信号送信時においても応答信号を受信していた場合には、決済装置12(12-1)は正常に動作していると推定される。プロセッサ31は、タイマ割込み処理を終了する。
【0173】
これに対し、前回の監視信号送信時には応答信号を受信していなかった場合には、親機の決済装置12(12-1)が正常な状態に回復したと推測される。プロセッサ31は、ACT300として親機の回復を通知する回復通知信号を入力装置11(11-1)に対して出力する。回復通知信号には、親機に設定された決済装置12(12-1)の決済装置IDと、回復通知信号の送信元である子機に設定された決済装置12(12-2)の決済装置IDとが含まれる。以上で、プロセッサ31は、タイマ割込み処理を終了する。
【0174】
このように、子機に設定された決済装置12(12-2)は、定期的に親機に設定された決済装置12(12-1)の状態を監視している。そして、親機の決済装置12(12-1)の異常を判定すると、子機の決済装置12(12-2)は、入力装置11(11-1)に親機の異常通知信号を出力する。その後、決済装置12(12-1)の異常が回復すると、子機の決済装置12(12-2)は、入力装置11(11-1)に回復通知信号を出力する。
【0175】
上述した異常通知信号又は回復通知信号を受信した入力装置11(11-1)のプロセッサ21は、図18の流れ図に示す手順の通知割込み処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、ACT181として異常通知信号を受信したのか、ACT182として回復通知信号を受信したのかを判断する。
【0176】
異常通知信号を受信した場合には、プロセッサ21は、ACT181からACT183へと進む。プロセッサ21は、ACT183として異常通知信号から親機に設定された決済装置12(12-1)の決済装置IDと、子機に設定された決済装置12(12-2)の決済装置IDとを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT184として親機に設定された決済装置12(12-1)の決済装置IDと関連付けて第1データテーブル64に記憶されている送信先フラグFaを“0”とする。またプロセッサ21は、ACT185として子機に設定された決済装置12(12-2)の決済装置IDと関連付けて第1データテーブル64に記憶されている送信先フラグFaを“1”とする。
【0177】
一方、回復通知信号を受信した場合には、プロセッサ21は、ACT182からACT186へと進む。プロセッサ21は、ACT186として回復通知信号から親機に設定された決済装置12(12-1)の決済装置IDと、子機に設定された決済装置12(12-2)の決済装置IDとを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT187として親機に設定された決済装置12(12-1)の決済装置IDと関連付けて第1データテーブル64に記憶されている送信先フラグFaを“1”とする。またプロセッサ21は、ACT188として子機に設定された決済装置12(12-2)の決済装置IDと関連付けて第1データテーブル64に記憶されている送信先フラグFaを“0”とする。以上で、プロセッサ21は、通知割込み処理を終了する。
【0178】
ここに決済装置12のプロセッサ31は、ACT292、ACT295及びACT296の処理により、監視手段710としての機能を実現する。またプロセッサ31は、ACT298及びACT300の処理により、第5通知手段711としての機能を実現する。一方、入力装置11のプロセッサ21は、ACT181乃至ACT188の処理により、送信先変更手段59としての機能を実現する。
【0179】
このように、入力装置11(11-1)においては、子機の決済装置12(12-2)から親機の異常通知信号を受信すると、子機の決済装置12(12-2)に対する送信先フラグFaを“1”とする。すなわち、入力装置11(11-1)は、子機の決済装置12(12-2)を送信先決済装置121とする。したがって、決済装置12(12-1)がダウンしてしまっても、入力装置11は、決済装置12(12-2)に入力イベント、完了イベント等を送信するように切り替わるので、取引の決済ができなくなるという不具合を未然に防ぐことができる。
【0180】
以上詳述したように、第1の実施形態によれば、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。
【0181】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図25乃至図34を用いて説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、入力装置11に入力された1取引の買上商品のデータを、入力完了ボタンBAgの入力である入力終了指示が行われる前に、遡って修正する機能を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0182】
図25は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、第1通知手段55、転送検出手段56、第4通知手段57、決済先報知手段58及び送信先変更手段59に加えて、修正受付手段511、第1修正手段512及び第2送信手段513としての機能を有する。
【0183】
修正受付手段511は、明細表示手段52によりタッチパネル28の明細画面SAaに表示されている明細情報の修正を受け付ける機能である。明細画面SAaの明細エリアAAbには、一連のレコード番号順に、一取引の買上商品として入力された商品の商品名、数量、単価、値割引額及び金額がリスト形式で表示されている。修正受付手段511は、入力デバイス61を介して、明細エリアAAbに商品名、数量、単価等が表示されている明細レコードRaの削除、若しくは数量、単価、値引額、割引率の変更等を受け付ける。
【0184】
第1修正手段512は、第1送信手段54により送信先決済装置121に送信した取引に係るデータを、終了検出手段53により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に修正する機能である。送信先決済装置121に送信された取引に係るデータは、明細レコードRaとして第1取引ファイル631に記憶されている。第1修正手段512は、入力デバイス61からの入力に応じて、第1取引ファイル631に記憶されている明細レコードRaを修正する。例えば第1修正手段512は、明細レコードRaを削除する。例えば第1修正手段512は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0185】
第2送信手段513は、第1修正手段512により修正された取引に係るデータを、終了検出手段53により当該取引に係るデータの入力終了指示が検出される前に、送信先決済装置121に送信する機能である。
【0186】
図26は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、第1転換手段71、復帰手段72、第1転送手段73、第2通知手段74、第3通知手段75、決済側記憶手段76、金額表示手段77、決済手段78、第2転換手段79、監視手段710及び第5通知手段711に加えて、第2転送手段721及び第2修正手段722としての機能を有する。
【0187】
第2転送手段721は、モードフラグFcが“1”の転送モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から修正後の取引に係るデータを受信すると、当該修正後の取引に係るデータを転送先決済装置123に送信する機能である。
【0188】
第2修正手段722は、モードフラグFcが“0”の決済モードにおいて、入力装置11又は他の決済装置12から修正後の取引に係るデータを受信すると、当該修正後の取引に係るデータで決済側記憶部83に記憶している取引に係るデータを修正する機能である。決済側記憶部83の第2取引ファイル831には、第1送信手段54により入力装置11から送信された取引に係るデータ、あるいは第1転送手段73により他の決済装置12から送信された取引に係るデータを基に当該決済装置12で作成された明細レコードRaが記憶されている。第2修正手段722は、第2取引ファイル831に記憶した明細レコードRaを、第2送信手段513により入力装置11から送信されてくる修正後の取引に係るデータ、あるいは第2転送手段721により他の決済装置12から送信されてくる修正後の取引に係るデータに基づいて修正する。例えば第2修正手段722は、明細レコードRaを削除する。例えば第2修正手段722は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0189】
次に、図27及び図28の流れ図、及び、図29乃至図34の画面例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第2の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0190】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図27の流れ図を用いて説明する。図27の流れ図は、第1の実施形態においては図11の流れ図に相当する。そこで、図10と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0191】
第1の実施形態では、プロセッサ21は、ACT109、ACT145又はACT154において明細画面SAaを更新したプロセッサ21は、ACT110乃至ACT114として転送先通知イベント、転送ボタンBAd、商品コード、数量又は値割引のデータ及び小計ボタンBAaの待ち受け状態となった。第2の実施形態では、AACT110乃至ACT114の待ち受け状態において、さらにACT301として明細画面SAaの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されるのを待ち受けるようにした。
【0192】
図29は、4品目の買上商品の取引に係るデータが入力された後の明細画面SAaの一表示例である。具体的には図29は、単価200円の商品AAAAAの商品コードと、単価300円の商品BBBBBの商品コードと、単価400円の商品CCCCCの商品コードと、単価100円の商品DDDDDの商品コードとが順に入力されたときの明細画面SAaである。このような入力により、カレントエリアAAaには、商品DDDDDの商品名、数量及び金額が表示される。明細エリアAAbには、レコード番号「1」と関連付けて、商品AAAAAの商品名、数量、単価及び金額が表示され、レコード番号「2」と関連付けて、商品BBBBBの商品名、数量、単価及び金額が表示され、レコード番号「3」と関連付けて、商品CCCCCの商品名、数量、単価及び金額が表示される。合計エリアAAcには、合計点数4点と合計金額1,000円とが表示される。
【0193】
このとき、第1取引ファイル631には、ACT143及びACT144の処理により、商品AAAAAの明細レコードRa-Aと、商品BBBBBの明細レコードRa-Bと、商品CCCCCの明細レコードRa-Cと、商品DDDDDの明細レコードRa-Dとが記憶される。また、ACT141及びACT142の処理により、商品AAAAAの商品コードを含む入力イベントと、商品BBBBBの商品コードを含む入力イベントと、商品CCCCCの商品コードを含む入力イベントと、商品DDDDDの商品コードを含む入力イベントとが、送信先決済装置121に送信される。各入力イベントは、商品コードが入力される毎に送信先決済装置121に送信される。これらの入力イベントの送信により、送信先決済装置121又は転送先決済装置123においては、商品AAAAAの明細レコードRa-Aと、商品BBBBBの明細レコードRa-Bと、商品CCCCCの明細レコードRa-Cと、商品DDDDDの明細レコードRa-Dとが、それぞれ第2取引ファイル831に記憶される。
【0194】
図27の説明に戻る。
ACT110乃至ACT114及びACT301の待ち受け状態において、例えば客3が商品BBBBBの返品を申し出た場合を想定する。その場合、入力装置11のオペレータである店員2は、明細エリアAAbの商品BBBBBに係るデータが表示されている行をタッチ操作で選択する。このように、明細エリアAAbの行がタッチ操作されることにより、プロセッサ21は、ACT301において商品選択有と判断する。
【0195】
商品選択有と判断すると、プロセッサ21は、ACT301からACT302へと進む。プロセッサ21は、ACT302としてタッチパネル28に修正画面SAc(図30を参照)を表示する。
【0196】
図30は、修正画面SAcの一表示例である。修正画面SAcは、明細エリアAAbから選択された商品の商品名が表示されるエリアAAeと、明細エリアAAbから選択された商品の数量、単価、値割引額及び金額が表示されるエリアAAfと、操作ガイダンス等が表示されるエリアAAgとが形成されている。また修正画面SAcは、取消ボタンBAi、数量変更ボタンBAj、単価変更ボタンBAk、値引ボタンBAl、割引ボタンBAm、キャンセルボタンBAn及びOKボタンBAoのソフトウェアキーを含む。因みに、修正画面SAcは、明細画面SAaの上に重ねてポップアップ表示されることが好ましい。
【0197】
修正画面SAcを確認した店員2は、取消ボタンBAiをタッチ操作で入力する。取消ボタンBAiが入力されると、図31に示すように、エリアAAfに表示されている商品BBBBBの数量、単価、値割引額及び金額に取消線が表示される。また、数量変更ボタンBAj、単価変更ボタンBAk、値引ボタンBAl及び割引ボタンBAmはグレーアウトして入力不可となる。ここで、客3が商品BBBBBの返品を取り止めた場合には、店員2は、キャンセルボタンBAnをタッチ操作で入力する。商品BBBBBの返品を確定させる場合には、店員2は、OKボタンBAoをタッチ操作で入力する。
【0198】
図27の説明に戻る。
修正画面SAcを表示したプロセッサ21は、ACT303としてOKボタンBAoが入力されたか否かを確認する。OKボタンBAoが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT303からACT304へと進む。プロセッサ21は、ACT304としてキャンセルボタンBAnが入力されたか否かを確認する。キャンセルボタンBAnが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT304からACT303に戻る。このように、修正画面SAcを表示したプロセッサ21は、ACT303及びACT304としてOKボタンBAoが入力されるかキャンセルボタンBAnが入力されるのを待ち受ける。
【0199】
ACT303及びACT304の待ち受け状態において、キャンセルボタンBAnが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT304からACT305へと進む。プロセッサ21は、ACT305として修正画面SAcを消去する。しかる後、プロセッサ21は、ACT110乃至ACT114及びACT301の待ち受け状態に戻る。このように、店員2がキャンセルボタンBAnを入力すると、修正画面SAcが消去される。その結果、タッチパネル28の画面は、図29に示す明細画面SAaとなる。
【0200】
一方、ACT303及びACT304の待ち受け状態において、OKボタンBAoが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT303からACT306へと進む。プロセッサ21は、ACT306として第1データテーブル64を参照し、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT307としてその決済装置IDを宛先として修正イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に修正イベントが送信される。修正イベントは、修正画面SAcに対して入力された情報、すなわちこの場合には、商品BBBBBの取消という情報を含む。
【0201】
修正イベントを送信したプロセッサ21は、ACT308として明細レコードRaを修正する。すなわちプロセッサ21は、第1取引ファイル631に記憶された商品BBBBBの明細レコードRa-Bを削除する。そしてプロセッサ21は、ACT309として修正画面SAcを消去し、明細画面SAaを更新する。しかる後、プロセッサ21は、ACT110乃至ACT114及びACT301の待ち受け状態に戻る。
【0202】
図32は、商品BBBBBを削除した後に更新された明細画面SAaの表示例である。図32に示すように、明細エリアAAbから商品BBBBBの商品名、数量、単価、値割引額及び金額が消去される。そして、カレントエリアAAaに表示されていた商品DDDDDの商品名、数量、単価、値割引額及び金額が明細エリアAAbに表示される。商品BBBBBの商品名、数量及び金額は、カレントエリアAAaに表示される。そして、カレントエリアAAaの商品名、数量及び金額には、取消線が表示される。この表示により、店員2は、商品BBBBBを取り消したことを確認できる。
【0203】
ACT110乃至ACT114及びACT301の待ち受け状態において、例えば商品BBBBBの数量を“1”から“3”に修正する場合を想定する。その場合も店員2は、明細エリアAAbの商品BBBBBに係るデータが表示されている行をタッチ操作で選択する。このタッチ操作により、プロセッサ21は、ACT302の処理を実行する。この処理により、タッチパネル28に修正画面SAcが表示されるので、店員2は、数量変更ボタンBAjを入力する。数量変更ボタンBAjが入力されると、図33に示すように、エリアAAgの数量が表示されている区画の背景色が他の区画の背景色と異なる。この背景色の違いにより、店員2は、数量の修正を指示したと認識できる。なお、取消ボタンBAi、単価変更ボタンBAk、値引ボタンBAl及び割引ボタンBAmはグレーアウトして入力不可となる。数量の修正を指示した店員2は、キーボード26のテンキーを操作して、修正後の数量“3”を入力し、OKボタンBAoを入力する。
【0204】
OKボタンBAoが入力されると、プロセッサ21は、ACT306乃至ACT309の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得し、その決済装置IDを宛先として修正イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。修正イベントは、修正画面SAcに対して入力された情報、すなわちこの場合には、商品BBBBBの数量を“1”から“3”に修正するという情報を含む。またプロセッサ21は、明細レコードRaを修正する。すなわちプロセッサ21は、第1取引ファイル631に記憶された商品BBBBBの明細レコードRa-Bにおける数量を“1”から“3”に修正する。またプロセッサ21は、明細レコードRa-Bにおける金額を300円から900円に修正する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAaを更新する。
【0205】
図34は、商品BBBBBの数量が“1”から“3”に修正された後の明細画面SAaである。図34に示すように、数量が修正された商品BBBBBの商品名と、修正後の数量と、数量修正後の金額とがカレントエリアAAaに表示される。なお、明細エリアAAbにおいては、商品BBBBBのデータが消去され、商品DDDDDのデータが追加される。
【0206】
ACT110乃至ACT114及びACT301の待ち受け状態において、例えば商品BBBBBの単価を修正する場合には、店員2は、修正画面SAcの単価変更ボタンBAkを入力し、テンキーで修正後の単価を入力して、OKボタンBAoを入力する。例えば商品BBBBBの値引額を修正する場合には、店員2は、修正画面SAcの値引ボタンBAlを入力し、テンキーで修正後の値引額を入力して、OKボタンBAoを入力する。例えば商品BBBBBの割引率を修正する場合には、店員2は、修正画面SAcの割引ボタンBAmを入力し、テンキーで修正後の割引率を入力して、OKボタンBAoを入力する。
【0207】
これらの操作により、プロセッサ21は、ACT306乃至ACT309の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得し、その決済装置IDを宛先として修正イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。またプロセッサ21は、明細レコードRaを修正する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAaを更新する。
【0208】
その後、小計ボタンBAaが入力されると、プロセッサ21は、図11のACT161へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT161以降の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0209】
ここに、プロセッサ21は、ACT301及びACT302の処理により、修正受付手段511としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT306及びACT307の処理により、第2送信手段513としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT308の処理により、第1修正手段512としての機能を実現する。
【0210】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図28の流れ図を用いて説明する。図28の流れ図は、第1の実施形態においては図14の流れ図に相当する。そこで、図14と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0211】
第1の実施形態では、プロセッサ31は、ACT206において明細レコードRaを第2取引ファイル831に記憶するか、ACT208において第2取引ファイル831に記憶したレコード番号rの明細レコードRaを更新すると、ACT211乃至ACT213として入力イベント、転送インベント、又は完了イベントを待ち受けていた。第2の実施形態では、ACT212及びACT213の待ち受け状態において、プロセッサ31はさらに、ACT401として修正イベントを待ち受ける。そして、修正イベントを受信すると、プロセッサ31は、ACT401からACT402へと進む。プロセッサ31は、ACT402としてモードフラグFcを調べる。モードフラグFcが“0”、すなわち決済モードが設定されている場合には、プロセッサ31は、ACT402からACT403へと進む。プロセッサ31は、ACT403として第2取引ファイル831に記憶した明細レコードRaを修正する。具体的にはプロセッサ31は、例えば、商品BBBBBの取消という情報を含む修正イベントを受信した場合には、第2取引ファイル831から商品BBBBBの明細レコードRa-Bを削除する。プロセッサ31は、商品BBBBBの数量を修正するという情報を含む修正イベントを受信した場合には、明細レコードRa-Bの数量と金額を修正する。プロセッサ31は、商品BBBBBの単価、値引額又は割引率を修正するという情報を含む修正イベントを受信した場合には、明細レコードRa-Bの単価又は値割引額と金額とを修正する。
【0212】
一方、モードフラグFcが“1”、すなわち転送モードが設定されている場合には、プロセッサ31は、ACT402からACT404へと進む。プロセッサ31は、ACT404として転送先メモリ82に記憶されている転送先決済装置123の決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ31は、ACT405として転送先決済装置123の決済装置IDを宛先として、受信した修正イベントを送信するように通信ユニット35を制御する。この制御により、通信ユニット35を介してネットワーク14に修正イベントが送信される。修正イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該入力イベントの宛先である決済装置IDが設定された転送先決済装置123で受信される。
【0213】
こうして、ACT403において明細レコードRaを修正するか、ACT405において転送先決済装置123に修正イベントを送信すると、プロセッサ31は、ACT211乃至ACT213、さらにはACT401の待ち受け状態に戻る。この待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、図14のACT241へと進む。以後、プロセッサ21は、ACT241以降の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0214】
ここに、プロセッサ31は、ACT404及びACT405の処理により第2転送手段721としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT403の処理により、第2修正手段722としての機能を実現する。
【0215】
このように、第2の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第2の実施形態の会計システム1によれば、入力装置11に入力された1取引の買上商品のデータを、入力完了ボタンBAgの入力である入力終了指示が行われる前に、遡って修正することができる。
【0216】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、図35乃至図45を用いて説明する。
第3の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、入力完了ボタンBAgの入力である入力終了指示が行われた後に、その入力終了が指示された取引を戻して修正する機能を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0217】
図35は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、第1通知手段55、転送検出手段56、第4通知手段57、決済先報知手段58及び送信先変更手段59に加えて、取消受付手段521、取消先選択手段522、第6通知手段523、第3修正手段524、第3送信手段525及び不可報知手段526としての機能を有する。
【0218】
取消受付手段521は、第1通知手段55により入力終了を通知した取引の決済取消指示を受け付ける機能である。取消受付手段521は、入力デバイス61を介して取引の決済取消を指示する操作入力があると、その操作入力に応じた信号を決済取消指示の信号として受け付ける。
【0219】
取消先選択手段522は、複数台の決済装置12の中から決済の取消を行う決済装置12を選択する機能である。取消先選択手段522は、入力デバイス61を介して指定された決済装置12を決済の取消を行う決済装置12として選択する。以下では、決済の取消を行う決済装置12を取消先決済装置124と表す。
【0220】
第6通知手段523は、取消受付手段521により取引の決済取消指示を受け付けると、通信ユニット25を介して、取消先決済装置124に決済の取消を通知する機能である。
【0221】
取消先選択手段522及び第6通知手段523は、第2データテーブル65を参照して作用する。第2データテーブル65は、図36に示すように、当該入力装置11に対して取消先となり得る決済装置12の決済装置IDと関連付けて、決済装置番号(No.)と、取消先フラグFeとを記述したデータテーブルである。取消先となり得る決済装置12とは、原則的には、当該入力装置11と同一のチェックアウトレーンに設置された複数台の決済装置12である。決済装置番号は、決済装置IDによって識別される決済装置12に割り当てられた一連の番号である。取消先フラグFeは、対応する決済装置IDで識別される決済装置12が取消先として選択されたか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、取消先として選択された取消先フラグFeを“1”とし、取消先として選択されていない取消先フラグFeを“0”とする。
【0222】
第3修正手段524は、決済の取消通知に対して取消先決済装置124から決済の取消を許諾する応答があったことを条件に、入力側記憶部63で記憶した取引に係るデータを修正する機能である。第1取引ファイル631のデータは、取消先決済装置124に完了イベントを送信した際に第3取引ファイル632に複写される。第3修正手段524は、入力デバイス61からの入力に応じて、第3取引ファイル632に記憶されている明細レコードRaを修正する。例えば第3修正手段524は、明細レコードRaを削除する。例えば第3修正手段524は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0223】
第3送信手段525は、第3修正手段524により修正された取引に係るデータを、通信ユニット25を介して、取消先決済装置124に送信する機能である。第3送信手段525は、取引に係るデータが修正される毎に、その修正された取引に係るデータを取消先決済装置124に送信する。
【0224】
不可報知手段526は、決済の取消通知に対して取消先決済装置124から肯定応答がないと、決済取消不可を報知する機能である。不可報知手段526は、例えば表示デバイス62に決済の取消が不可であることを示すテキストまたは画像を表示して報知する。
【0225】
図37は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、第1転換手段71、復帰手段72、第1転送手段73、第2通知手段74、第3通知手段75、決済側記憶手段76、金額表示手段77、決済手段78、第2転換手段79、監視手段710及び第5通知手段711に加えて、取消応答手段731及び第4修正手段732としての機能を有する。
【0226】
取消応答手段731は、決済手段78により取引が決済される前に入力装置11又は他の決済装置12から決済の取消通知を受けると、決済の取消を許諾する応答を返す機能である。取消応答手段731は、決済手段78により取引が決済された後に入力装置11又は他の決済装置12から決済の取消通知を受けた場合には、決済の取消を許諾する応答を返さない。
【0227】
第4修正手段732は、第3送信手段525により入力装置11から送信されてくる修正後の取引に係るデータで、決済側記憶部に記憶している取引に係るデータを修正する機能である。第4修正手段732は、第2取引ファイル831に記憶された明細レコードRaを、第3送信手段525により入力装置11から送信されてくる修正後の取引に係るデータで修正する。例えば第4修正手段732は、明細レコードRaを削除する。例えば第4修正手段732は、明細レコードRaの単価、数量、値割引額等を修正する。
【0228】
次に、図38乃至図42の流れ図、及び、図43乃至図45の画面例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第3の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0229】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図38乃至図40の流れ図を用いて説明する。図38の流れ図は、第1の実施形態においては図10の流れ図に相当する。そこで、図10と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0230】
図38に示すように、第3の実施形態では、入力完了ボタンBAgが入力された後の処理手順の一部が第1の実施形態と異なる。すなわち入力完了ボタンBAgが入力されると、プロセッサ21は、ACT171として取引番号を発番する。またプロセッサ21は、ACT172として第1データテーブル64を参照し、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT173としてその決済装置IDを宛先として完了イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。
【0231】
こうして、送信先決済装置121に完了イベントを送信した入力装置11のプロセッサ21は、ACT501へと進む。プロセッサ21は、ACT501として第1取引ファイル631に記憶されている全ての明細レコードRaを第3取引ファイル632に複写する。その後、プロセッサ21は、ACT174として第1取引ファイル631をクリアする。またプロセッサ21は、ACT175として第1データテーブル64に対し、送信先フラグFaが“1”の決済装置IDと関連付けられた決済先フラグFbを“1”とし、他の決済先フラグFbを“0”とする。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0232】
このように第3の実施形態において、プロセッサ21は、送信先決済装置121に完了イベントを送信し終えると、第1取引ファイル631に記憶されている全ての明細レコードRaを第3取引ファイル632に複写し、第1取引ファイル631をクリアする機能を有している。したがって、第3取引ファイル632には、完了イベントを送信した送信先決済装置121又は転送先決済装置123で決済される取引の明細レコードRaが記憶される。一方、第1取引ファイル631はクリアされるので、入力装置11においては、次の客との取引に係るデータの入力が可能となる。
【0233】
次の客との取引に係るデータの入力が可能となった入力装置11のプロセッサ21は、図39の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。すなわちプロセッサ21は、ACT101としてタッチパネル28の画面を明細画面SAd(図43を参照)とする。またプロセッサ21は、ACT102として第1データテーブル64を参照し、決済先フラグFbが“1”となっている決済装置ID[0001]を取得する。そしてプロセッサ21は、ACT103としてその決済装置ID[0001]と関連付けて記憶されている決済装置番号[1]を含む決済先特定情報NAa(図43を参照)を明細画面SAdの一部に表示させる。
【0234】
図43は、第3の実施形態における明細画面SAdの一表示例である。明細画面SAdが第1の実施形態における明細画面SAaと異なる点は、決済取消ボタンBApのソフトウェアキーが追加されている点である。決済装置12へと移動した客3が、自らの取引の決済を完了する前に取引の修正を依頼した場合、店員2は、決済取消ボタンBApを入力する。この修正は、例えば、商品の数量に間違えがあったり、値引されていなかったりした場合が該当する。あるいは、客3が取引を中止する場合も該当する。
【0235】
図39の説明に戻る。
明細画面SAdを表示したプロセッサ21は、ACT104へと進む。プロセッサ21は、ACT104として商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT104からACT511へと進む。プロセッサ21は、ACT511として決済取消ボタンBApが入力されたか否かを確認する。決済取消ボタンBApが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT511からACT104へと戻る。このようにプロセッサ21は、ACT104及びACT511において、商品コードが入力されるか決済取消ボタンBApが入力されるのを待ち受ける。
【0236】
ACT104及びACT511の待ち受け状態において、商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT104からACT512へと進む。プロセッサ21は、ACT512として明細画面SAdの決済取消ボタンBApを消去する。しかる後、プロセッサ21は、ACT105へと進む。そしてプロセッサ21は、第1の実施形態で説明したACT105以降の処理を同様に実行する。したがって、客3が購入する商品の商品コードが入力されて、第1取引ファイル631に明細レコードRaが記憶されると、第1取引ファイル631がクリアされるまで、決済取消ボタンBApを入力することはできない。
【0237】
一方、ACT104及びACT511の待ち受け状態、すなわち第1取引ファイル631がクリアされている状態において、決済取消ボタンBApが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT511からACT513へと進む。プロセッサ21は、ACT513としてタッチパネル28の画面を決済装置選択画面SAe(図44を参照)とする。
【0238】
図44は、決済装置選択画面SAeの一表示例である。決済装置選択画面SAeは、当該入力装置11と同一のチェックアウトレーンに配置された決済装置12をそれぞれ割り当てた複数の決済装置選択ボタンBAq,BArのソフトウェアキーを含む。因みに図44は、入力装置11(11-1)に表示される決済装置選択画面SAeの例である。入力装置11(11-1)と同一のチェックアウトレーンに配置された決済装置12は決済装置12(12-1)と決済装置12(12-2)の2台なので、2つの決済装置選択ボタンBAq,BArが配置されている。そして、一方の決済装置選択ボタンBAqには決済装置12(12-1)が割り当てられており、他方の決済装置選択ボタンBArには決済装置12(12-2)が割り当てられている。
【0239】
決済装置選択画面SAeを確認した店員2は、取引の修正を依頼した客3が決済しようとしていた決済装置12の決済装置選択ボタンBAq,BArを入力する。例えば、決済装置12(12-1)で決済しようとしていた客3が取引の修正を依頼した場合には、店員2は、決済装置選択ボタンBAqを入力する。例えば、決済装置12(12-2)で決済しようとしていた客3が取引の修正を依頼した場合には、店員2は、決済装置選択ボタンBArを入力する。
【0240】
図39の説明に戻る。
決済装置選択画面SAeを表示したプロセッサ21は、ACT514としていずれかの決済装置選択ボタンBAq,BArが入力されるのを待ち受ける。そして、いずれかの決済装置選択ボタンBAq,BArが入力されると、プロセッサ21は、ACT514からACT515へと進む。プロセッサ21は、ACT515として入力された決済装置選択ボタンBAq,BArに割り当てられた決済装置12の識別情報である決済装置IDを取得する。例えば、決済装置選択ボタンBAqが入力された場合には、プロセッサ21は、決済装置12(12-1)のIDを取得する。例えば、決済装置選択ボタンBArが入力された場合には、プロセッサ21は、決済装置12(12-2)のIDを取得する。
【0241】
次いで、プロセッサ21は、ACT516として決済取消イベントを送信する。決済取消イベントは、ACT515において取得した決済装置IDを含む。すなわち決済取消イベントは、決済装置選択画面SAeで選択された決済装置12に送信される。
【0242】
決済取消イベントを送信したプロセッサ21は、ACT516からACT517へと進む。プロセッサ21は、ACT517としていずれかの決済装置12から肯定応答(OK)を待ち受ける。この待ち受け状態において、一定時間内に肯定応答(OK)の信号を受信できなかった場合、プロセッサ21は、ACT517からACT518へと進む。プロセッサ21は、ACT518として決済の取消不可を報知する。例えばプロセッサ21は、タッチパネル28に決済の取消が不可であることを示すテキストまたは画像を表示して報知する。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0243】
ACT517において、一定時間内に肯定応答(OK)の信号を受信した場合には、プロセッサ21は、ACT519へと進む。プロセッサ21は、ACT519として第3取引ファイル632に記憶されている全ての明細レコードRaを第1取引ファイル631に複写する。そしてプロセッサ21は、ACT520として第3取引ファイル632をクリアする。その後、プロセッサ21は、ACT521として第2データテーブル65のACT515の処理で取得した決済装置IDと関連付けられた取消先フラグFeを“1”にセットする。またプロセッサ21は、ACT522として第1取引ファイル631に複写した明細レコードRaのデータを基に、タッチパネルの画面を第2明細画面SAf(図45を参照)とする。
【0244】
図45は、第2明細画面SAfの一表示例である。第2明細画面SAfは、ACT101において表示される明細画面SAd(図43を参照)と比較して、決済取消ボタンBApが一括取消ボタンBAsに変更されている。また、小計ボタンBAaが完了ボタンBAtに変更されている。さらに、第2明細画面SAfの明細エリアAAbには、第1取引ファイル631に複写した明細レコードRaの商品名、数量、値割引額、金額が表示され、合計エリアAAcには、同明細レコードRaの合計点数と合計金額が表示されている。また、第2明細画面SAfには、決済装置選択画面SAeによって選択された決済装置12の識別名NAcがマークMKbとともに表示されている。因みに、図45の第2明細画面SAfは、決済装置選択ボタンBArの入力により決済装置12(12-2)が選択された場合であり、星印のマークMKbとともに識別名NAcとして[決済装置2]が表示されている。マークMKbを表示させることで、明細画面が第2明細画面SAfであることを店員2に報知する。
【0245】
なお、マークMKbとともに、あるにはマークMKbは無しに、決済装置12の識別名NAcを点滅させることによって、あるいは決済装置12の識別名NAcの色を変えることによって、店員2に明細画面が第2明細画面SAfであることを報知してもよい。
【0246】
第2明細画面SAfを表示したプロセッサ21は、図40のACT531へと進む。プロセッサ21は、ACT531として一括取消ボタンBAsが入力されたか否かを確認する。一括取消ボタンBAsが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT531からACT532へと進む。プロセッサ21は、ACT532として第2明細画面SAfの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されたか否かを確認する。商品が選択されていない場合、プロセッサ21は、ACT531に戻る。このようにプロセッサ21は、ACT531及びACT532として一括取消ボタンBAsが入力されるか商品が選択されるのを待ち受ける。
【0247】
客3が取引の中止を求めた場合、店員2は、一括取消ボタンBAsを入力する。客が買上商品の削除、数量、単価、値引額又は割引率の修正を求めた場合、店員2は、該当する買上商品の商品名等が表示されている明細エリアAAbの行をタッチ操作する。
【0248】
ACT531及びACT532の待ち受け状態において、一括取消ボタンBAsが入力されると、プロセッサ21は、ACT531からACT533へと進む。プロセッサ21は、ACT533として第2データテーブル65を参照し、取消先フラグFeが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT534としてその決済装置IDを宛先として一括取消イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に一括取消イベントが送信される。一括取消イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該一括取消イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12、つまりは決済装置選択画面SAeで選択された決済装置12で受信される。
【0249】
一括取消コマンドを送信したプロセッサ21は、ACT535へと進む。プロセッサ21は、ACT535として第1取引ファイル631をクリアする。またプロセッサ21は、ACT536として“1”となっていた取消先フラグFeを“0”に戻す。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0250】
ACT531及びACT532の待ち受け状態において、商品選択有と判断すると、プロセッサ21は、ACT532からACT537へと進む。プロセッサ21は、ACT537としてタッチパネル28に修正画面SAc(図40を参照)を表示する。修正画面SAcは、第2の実施形態で説明した修正画面SAcと同様である。そして、この修正画面SAcに対する店員2の操作入力に応じたプロセッサ21の情報処理も、第2の実施形態と同様である。
【0251】
すなわち、修正画面SAcを表示したプロセッサ21は、ACT538としてOKボタンBAoが入力されるか、ACT539としてキャンセルボタンBAnが入力されるのを待ち受ける。ACT538及びACT539の待ち受け状態において、キャンセルボタンBAnが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT539からACT540へと進む。プロセッサ21は、ACT540として修正画面SAcを消去する。しかる後、プロセッサ21は、ACT545へと進む。
【0252】
一方、ACT538及びACT539の待ち受け状態において、OKボタンBAoが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT538からACT541へと進む。プロセッサ21は、ACT541として第2データテーブル65を参照して、取消先フラグFeが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT542としてその決済装置IDを宛先として修正イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に修正イベントが送信される。修正イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該修正イベントの宛先である取消先決済装置124に送信される。つまりは決済装置選択画面SAeで選択された決済装置12で受信される。
【0253】
修正イベントは、修正画面SAcに対して入力された情報を含む。例えば修正画面SAcの取消ボタンBAiが入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の取消という情報を含む。例えば修正画面SAcの数量変更ボタンBAjが入力され、さらに修正後の数量が入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の数量を変更後数量に修正するという情報を含む。修正画面SAcの単価変更ボタンBAk、値引ボタンBAl及び割引ボタンBAmが入力された場合も、数量変更ボタンBAjが入力された場合と同様に、選択された商品の単価、割引額又は割引率を修正するという情報を含む。
【0254】
修正イベントを送信したプロセッサ21は、ACT543へと進む。プロセッサ21は、ACT543として第1取引ファイル631に記憶している明細レコードRaを修正する。例えば修正画面SAcの取消ボタンBAiが入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の明細レコードRaを削除する。例えば修正画面SAcの数量変更ボタンBAjが入力され、さらに修正後の数量が入力された場合には、プロセッサ31は、選択された商品の明細レコードRaの数量と金額を修正する。修正画面SAcの単価変更ボタンBAk、値引ボタンBAl及び割引ボタンBAmが入力された場合も、数量変更ボタンBAjが入力された場合と同様に、選択された商品の明細レコードRaの単価、割引額又は割引率と金額を修正する。そしてプロセッサ21は、ACT544として修正画面SAcを消去し、第2明細画面SAfを更新する。しかる後、プロセッサ21は、ACT545へと進む。
【0255】
このように、ACT540において修正画面SAcを消去するか、ACT544において第2明細画面SAfを更新すると、プロセッサ21は、ACT545へと進む。プロセッサ21は、ACT545として第2明細画面SAfの明細エリアAAbに表示されている商品が選択されたか否かを確認する。商品が選択されていない場合、プロセッサ21は、ACT545からACT546へと進む。プロセッサ21は、ACT546として完了ボタンBAtが入力されたか否かを確認する。完了ボタンBAtが入力されていない場合、プロセッサ21は、ACT546からACT545へと戻る。このようにプロセッサ21は、ACT545及びACT546として商品が選択されるか完了ボタンBAtが入力されるのを待ち受ける。
【0256】
ACT545及びACT546の待ち受け状態において、商品が選択された場合には、プロセッサ21は、ACT545からACT537へと戻る。そしてプロセッサ21は、ACT537乃至ACT544の処理を前述したのと同様に実行する。
【0257】
一方、ACT545及びACT546の待ち受け状態において、完了ボタンBAtが入力された場合には、プロセッサ21は、ACT546からACT547へと進む。プロセッサ21は、ACT547として第2データテーブル65を参照して、取消先フラグFeが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT548としてその決済装置IDを宛先として修正完了イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に修正完了イベントが送信される。修正完了イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該修正完了イベントの宛先である取消先決済装置124に送信される。つまりは決済装置選択画面SAeで選択された決済装置12で受信される。
【0258】
修正完了イベントを送信したプロセッサ21は、ACT549と進む。プロセッサ21は、ACT549として取引の修正が完了したことを報知する。例えばプロセッサ21は、客用ディスプレイ29に、取引の修正が完了したことを示すメッセージを表示して報知する。この報知を確認した客3は、決済を中断した決済装置12の場所に移動して、決済を行うこととなる。
【0259】
取引の修正が完了したことを報知したプロセッサ21は、ACT550へと進む。プロセッサ21は、ACT550として第1取引ファイル631をクリアする。またプロセッサ21は、ACT551として“1”となっていた取消先フラグFeを“0”に戻す。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0260】
ここに、プロセッサ21は、ACT511の処理により、取消受付手段521としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT513及びACT514の処理により、取消先選択手段522としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT515及びACT516の処理により、第6通知手段523としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT535及びACT543の処理により、第3修正手段524としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT533及びACT534の処理、及び、ACT541及びACT542の処理により、第3送信手段525としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT518の処理により、不可報知手段526としての機能を実現する。
【0261】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図41及び図42の流れ図を用いて説明する。図41の流れ図は、第1の実施形態においては図15の流れ図に相当する。そこで、図15と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0262】
ACT251において、支払い方法選択画面SBbを表示したプロセッサ31は、ACT252としていずれかの支払い方法が選択されるのを待ち受ける。第3の実施形態では、この待ち受け状態において、決済装置12は、同一チェックアウトレーンに配置された入力装置11から決済取消イベントを受信する場合があり得る。そこでプロセッサ31は、ACT601として決済取消イベントを受信したか否かを確認する。支払い方法が選択される前に決済取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT601から図42のACT611へと進む。
【0263】
またACT255において会計画面SBcを表示したプロセッサ31は、ACT256として代金の支払いが完了するか、ACT257として変更ボタンBBdが入力されるのを待ち受ける。第3の実施形態では、この待ち受け状態においても、決済装置12は、同一チェックアウトレーンに配置された入力装置11から決済取消イベントを受信する場合があり得る。そこでプロセッサ31は、ACT602として決済取消イベントを受信したか否かを確認する。代金の支払いが完了する前に決済取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT602から図42のACT611へと進む。
【0264】
このように、代金支払い方法が入力されるか、代金の支払いが完了する前に決済取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT611へと進む。プロセッサ31は、ACT611として決済取消イベント送信元の入力装置11に対して決済の取消を許諾する応答、すなわち肯定応答(OK)の信号を送信する。その後、プロセッサ31は、ACT612として修正イベントを受信したか否かを確認する。修正イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT612からACT613へと進む。プロセッサ31は、ACT613として修正完了イベントを受信したか否かを確認する。修正完了イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT613からACT614へと進む。プロセッサ31は、ACT614として一括取消イベントを受信したか否かを確認する。一括取消イベントを受信していない場合、プロセッサ31は、ACT614からACT612へと戻る。このようにプロセッサ31は、ACT612乃至ACT614において、修正イベントを受信するか、修正完了イベントを受信するか、一括取消イベントを受信するのを待ち受ける。
【0265】
ACT612乃至ACT614の待ち受け状態において、修正イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT612からACT615へと進む。プロセッサ31は、ACT615として第2取引ファイル831に記憶されている明細レコードRaのデータを、修正イベントに含まれている情報に基づいて修正する。この修正は、第2の実施形態で説明したACT403の処理と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。明細レコードRaの修正を終えたプロセッサ31は、ACT612へと戻り、再び、修正イベント、修正完了イベント及び一括取消イベントの待ち受け状態となる。
【0266】
ACT612乃至ACT614の待ち受け状態において、修正完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT613から図41のACT251へと進む。そしてプロセッサ31は、ACT251以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0267】
ACT612乃至ACT614の待ち受け状態において、一括取消イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT614からACT616へと進む。プロセッサ31は、ACT616として第2取引ファイル831をクリアする。以上で、プロセッサ31は、決済プログラムに従った情報処理を終了する。
【0268】
ここに、プロセッサ31は、ACT611の処理により、取消応答手段731としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT615及びACT616の処理により、第4修正手段732としての機能を実現する。
【0269】
このように、第3の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第3の実施形態の会計システム1によれば、入力完了ボタンBAgの入力である入力終了指示が行われた後に、その入力終了が指示された取引を戻して修正することができる。
【0270】
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について、図46乃至図55を用いて説明する。
第4の実施形態は、第1の実施形態の会計システム1において、代金の支払い方法として商品券を追加したものである。よって、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0271】
商品券は、金券商品の一例である。本実施形態では、商品券を、額面金額500円の商品券と、額面金額1000円の商品券の2種類とする。各商品券には、それぞれ商品と同様に一意の商品券コードが割り当てられており、また、その商品券コードを表すバーコードが印刷されている。そして、商品レコードと同一のフォーマットで作成された商品券のデータレコードが商品マスタファイル131に格納されている。商品券のデータレコードは、商品券コードを商品コードとして記述し、商品券名を商品名として記述し、額面金額を単価として記述したものである。
【0272】
図46は、入力装置11のプロセッサ21が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ21は、入力側記憶手段51、明細表示手段52、終了検出手段53、第1送信手段54、第1通知手段55、転送検出手段56、第4通知手段57、決済先報知手段58及び送信先変更手段59に加えて、金券識別手段531、演算手段532及び完了報知手段533としての機能を有する。
【0273】
金券識別手段531は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、金券商品の取引に係るデータであるのか、金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する機能である。前述したように、商品券には商品券コードを表すバーコードが印刷されている。入力デバイス61のスキャナ27でこのバーコードをスキャニングすることにより、商品券コードが取引に係るデータとして入力される。金券識別手段531は、取引に係るデータが商品券コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品の取引に係るデータであると識別する。金券識別手段531は、取引に係るデータが商品コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別する。
【0274】
入力側記憶手段51は、取引に係るデータを入力すると、その入力されたデータを基に1取引として売り上げる商品又は商品券の明細レコードRbを作成する。明細レコードRbは、図47に示すように、一連のレコード番号と関連付けて、商品券コード、商品券名、額面金額、数量、金額、商品券フラグFf等の項目のデータを記述したレコードである。商品券フラグFfは、当該レコードが商品券の明細レコードRbであるか、商品券以外の商品の明細レコードRbであるかを識別する値である。本実施形態では、商品券の明細レコードRbであることを示す商品券フラグFfの値を“1”とし、商品券以外の商品の明細レコードRbであることを示す商品券フラグFfの値を“0”とする。入力側記憶手段51は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、金券識別手段531によって金券商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFfの値を“1”とした明細レコードRb、すなわち商品券の明細レコードRbを作成する。入力側記憶手段51は、入力デバイス61を介して入力された取引に係るデータが、金券識別手段531によって金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFfの値を“0”とした明細レコードRb、すなわち商品券以外の商品の明細レコードRbを作成する。入力側記憶手段51は、商品券又は商品券以外の商品の明細レコードRbを、入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶する。
【0275】
演算手段532は、入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶される取引に係るデータのうち、金券商品以外の商品の取引に係るデータについては当該商品の販売金額を正の値とし、金券商品に係るデータについては当該金券商品の額面金額を負の値として取引の合計金額を算出する機能である。演算手段532は、算出された合計金額を表示デバイス62に表示する。
【0276】
完了報知手段533は、終了検出手段53により取引に係るデータの入力終了指示が検出された時点で、演算手段532により算出された取引の合計金額が0又は負の値であるとき、支払い完了を報知する機能である。完了報知手段533は、例えば表示デバイス62を利用して支払い完了を報知する。
【0277】
図48は、決済装置12のプロセッサ31が有する主要な機能構成を示すブロック図である。プロセッサ31は、第1転換手段71、復帰手段72、第1転送手段73、第2通知手段74、第3通知手段75、決済側記憶手段76、金額表示手段77、決済手段78、第2転換手段79、監視手段710及び第5通知手段711に加えて、金券識別手段741及びレシート出力手段742としての機能を有する。
【0278】
金券識別手段741は、決済側記憶部83で記憶される取引に係るデータが、金券商品の取引に係るデータであるのか、金券商品以外の商品の取引に係るデータであるのかを識別する機能である。入力装置11の金券識別手段531と同様に、金券識別手段741は、取引に係るデータが商品券コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品の取引に係るデータであると識別する。金券識別手段741は、取引に係るデータが商品コードであるとき、当該取引に係るデータは金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別する。
【0279】
決済側記憶部83の第2取引ファイル831には、決済側記憶手段76によって作成された明細レコードが記憶される。この明細レコードは、入力側記憶手段51によって作成され、入力側記憶部63の第1取引ファイル631に記憶される明細レコードRbと同一のフォーマットを有する。決済側記憶手段76は、入力装置11又は他の決済装置12から送信され、通信ユニット35を介して受信した取引に係るデータが、金券識別手段741によって金券商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFfの値を“1”とした明細レコードRb、すなわち商品券の明細レコードRbを作成する。決済側記憶手段76は、入力装置11又は他の決済装置12から送信され、通信ユニット35を介して受信した取引に係るデータが、金券識別手段741によって金券商品以外の商品の取引に係るデータであると識別されたとき、商品券フラグFfの値を“0”とした明細レコードRb、すなわち商品券以外の商品の明細レコードRbを作成する。決済側記憶手段76は、商品券又は商品券以外の商品の明細レコードRbを、決済側記憶部83の第2取引ファイル831に記憶する。
【0280】
レシート出力手段742は、決済手段78により決済された取引のレシートとして、金券商品以外の商品の販売金額を合算した合計金額とは別に金券商品の額面金額を表記したレシートを出力する機能である。レシートは、紙媒体に印刷によって出力してもよいし、電子レシートとしてスマートフォン等の情報端末に出力してもよい。
【0281】
次に、図49乃至図52の流れ図、及び、図53及び図54の画面例、並びに図55のレシート例を用いて、会計システム1を構成する入力装置11及び決済装置12において実行される情報処理のうち、第4の実施形態に関係する情報処理の内容と手順を説明する。なお、以下に説明する情報処理の内容と手順は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その内容及び手順は適宜変更することができる。また、画面例及びレシート例も一例である。出力されるテキストの内容、画像の配置、ソフトウェアキーの種類及びレイアウト等は、適宜変更することができる。
【0282】
はじめに、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図49及び図50の流れ図を用いて説明する。図49の流れ図は、第1の実施形態における図10のACT104又は図11のACT112において買上商品の商品コードが入力された後の情報処理の手順を示している。そこで、図10及び図11と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。図50は、第1の実施形態においては図12の流れ図に相当する。そこで、図12と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0283】
ACT104(ACT112)において買上商品の商品コードが入力されると、プロセッサ21は、ACT105(Act141)乃至ACT107(Act143)の処理を第1の実施形態と同様に実行する。すなわちプロセッサ21は、送信先決済装置121の決済装置IDを取得し、この決済装置IDを宛先として買上商品の商品コードを含む入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。またプロセッサ21は、明細レコードRbを作成する。すなわちプロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。
【0284】
一方、ACT104(ACT112)において商品券の商品券コードが入力された場合も、プロセッサ21は、ACT105(Act141)乃至ACT107(Act143)の処理を実行する。すなわちプロセッサ21は、送信先決済装置121の決済装置IDを取得し、この決済装置IDを宛先として商品券の商品券コードを含む入力イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。またプロセッサ21は、明細レコードRbを作成する。すなわちプロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から入力された商品券コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品券名、額面金額等の情報を基に、レコード番号r、商品コード(商品券コード)、商品名(商品券名)、単価(額面金額)、数量、金額等の項目データからなる明細レコードRbを作成する。明細レコードRbの商品コードは、商品券コードである。商品名は、商品券名である。
【0285】
ACT107(Act143)の処理を終えると、プロセッサ21は、ACT701へと進む。プロセッサ21は、ACT701として明細レコードRbが商品の明細レコードであるのか商品券の明細レコードであるのかを識別する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コードである場合、プロセッサ21は、商品券の明細レコードRbと認識する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コード以外のコードである場合、プロセッサ21は、商品券以外の商品の明細レコードRbと認識する。
【0286】
明細レコードRbが商品券以外の商品の明細レコードである場合には、プロセッサ21は、ACT701からACT702へと進む。プロセッサ21は、ACT702として明細レコードRbの商品券フラグFfを“0”に設定する。
【0287】
これに対し、明細レコードRbが商品券の明細レコードである場合には、プロセッサ21は、ACT701からACT703へと進む。プロセッサ21は、ACT703として明細レコードRbの商品券フラグFfを“1”に設定する。またプロセッサ21は、ACT704として明細レコードRbの金額にマイナス符号を付す。
【0288】
ACT702又はACT704の処理を終えると、プロセッサ21は、ACT108(Act144)へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT108(Act144)及びACT109(Act145)の処理を第1の実施形態と同様に実行する。すなわちプロセッサ21は、明細レコードRbを第1取引ファイル631に記憶する。そしてプロセッサ21は、明細画面SAaを更新する。
【0289】
図53は、額面金額が1000円の商品券のバーコードをスキャナ27でスキャニングした後の明細画面SAaである。図示するように、カレントエリアAAaには、商品券の名称、数量及び額面金額が表示される。そして額面金額には、マイナス符号が付されている。
【0290】
ACT109(Act145)の処理を終えたプロセッサ21は、ACT110へと進む。プロセッサ21は、ACT110乃至ACT114の待ち受け状態となる。この待ち受け状態において、商品又は商品券のバーコードがスキャニングされると、プロセッサ21は、ACT141乃至ACT143、ACT701乃至ACT704、さらにはACT144及びACT145の処理を前述したのと同様に実行する。
【0291】
ACT110乃至ACT114の待ち受け状態において、小計ボタンBAaが入力された場合には、プロセッサ21は、第1の実施形態と同様にACT161としてタッチパネル28の画面を小計画面SAbとする。そしてプロセッサ21は、ACT162及びACT163として明細に戻るボタンBAhが入力されるか、入力完了ボタンBAgが入力されるのを待ち受ける。
【0292】
ACT162及びACT163の待ち受け状態において、入力完了ボタンBAgが入力されると、プロセッサ21は、ACT163から図50のACT711へと進む。プロセッサ21は、ACT711として合計金額を算出する。合計金額は、第1取引ファイル631に記憶した全ての明細レコードRbの金額の合計である。商品の明細レコードRbの金額は正の値であるが、商品券の明細レコードRbの金額は、ACT704の処理で負の値としている。したがって、合計金額は必ずしも正の金額とは限らず、0円又は負の金額となる場合もある。
【0293】
プロセッサ21は、ACT712として合計金額が正の金額であるか、0円又は負の金額であるかを確認する。合計金額が正の金額であった場合、代金の支払いが生じる。この場合、プロセッサ21は、ACT712からACT171へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT171乃至ACT175の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0294】
これに対し、合計金額が0円又は負の金額となった場合には、商品券によって代金の支払いが完了している。この場合、プロセッサ21は、ACT712からACT713へと進む。プロセッサ31は、ACT713としてタッチパネル28の画面を支払い完了画面SAg(図54を参照)とする。
【0295】
図54は、支払い完了画面SAgの一表示例である。支払い完了画面SAgは、小計画面SAbから、小計値引ボタンBAe、小計割引ボタンBAf及び明細に戻るボタンBAhのソフトウェアキーを除いた画面である。そして支払い完了画面SAgには、商品券によって支払いが完了したことを知らせるテキストが表示される。例えば図54の支払い完了画面SAgは、図53の明細画面SAaに示されるように、4品目で合計1000円の商品を購入した客3が額面金額1000円の商品券を提示した場合である。この場合、合計金額が0円なので、代金の支払いはない。しかし、レシートは決済装置12から発行される。このため、支払い完了画面SAgを表示したプロセッサ21は、ACT171へと進む。そしてプロセッサ21は、ACT171乃至ACT175の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0296】
ここに、プロセッサ21は、ACT701の処理により、金券識別手段531としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT711の処理により演算手段532としての機能を実現する。プロセッサ21は、ACT712及びACT713の処理により完了報知手段533としての機能を実現する。
【0297】
次に、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を、図51及び図52の流れ図を用いて説明する。図51の流れ図によって示される処理手順は、第1の実施形態において、図13の流れ図に相当する。そこで、図13と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。図52の流れ図によって示される処理手順は、第1の実施形態において、図15の流れ図に相当する。そこで、図15と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0298】
図51を用いて説明したように、決済装置12には、入力装置11から商品コード又は商品券コードを含む入力イベントが送信される。決済装置12のプロセッサ31は、図51のACT203として入力装置11から入力イベントを受信し、ACT204としてその入力イベントが商品コード又は商品券コードを含む入力イベントであることを確認すると、プロセッサ31は、ACT204からACT205へと進む。プロセッサ31は、ACT205として明細レコードRbを作成する。
【0299】
すなわち商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から当該商品コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品名、単価等の商品情報を基に、レコード番号r、商品コード、商品名、単価、数量、値割引額、金額等の項目データからなる明細レコードRaを作成する。
【0300】
一方、商品券コードを含む入力イベントを受信した場合も、プロセッサ21は、サーバ13にアクセスして、商品マスタファイル131から当該商品券コードを含むデータレコードを取得する。そしてプロセッサ21は、そのデータレコードに記述された商品券名、額面金額等の情報を基に、レコード番号r、商品コード(商品券コード)、商品名(商品券名)、単価(額面金額)、数量、金額等の項目データからなる明細レコードRbを作成する。
【0301】
ACT205の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT801へと進む。プロセッサ31は、ACT801として明細レコードRbが商品の明細レコードであるのか商品券の明細レコードであるのかを識別する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コードである場合、プロセッサ31は、商品券の明細レコードRbと認識する。明細レコードRbに含まれる商品コードが商品券コード以外のコードである場合、プロセッサ31は、商品券以外の商品の明細レコードRbと認識する。
【0302】
明細レコードRbが商品の明細レコードである場合には、プロセッサ31は、ACT801からACT802へと進む。プロセッサ31は、ACT802として明細レコードRbの商品券フラグFfを“0”に設定する。
【0303】
これに対し、明細レコードRbが商品券の明細レコードである場合には、プロセッサ31は、ACT801からACT803へと進む。プロセッサ31は、ACT803として明細レコードRbの商品券フラグFfを“1”に設定する。またプロセッサ31は、ACT804として明細レコードRbの金額にマイナス符号を付す。
【0304】
ACT802又はACT804の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT206へと進む。プロセッサ31は、ACT206としてその明細レコードRaを第2取引ファイル831に記憶する。そしてプロセッサ31は、ACT211乃至ACT213の待ち受け状態となる。
【0305】
ACT211乃至ACT213の待ち受け状態において、入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT211からACT203へと戻る。そしてプロセッサ31は、ACT203以降の処理を前述したのと同様に実行する。すなわち、商品コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、商品券フラグFfが“0”の明細レコードRbを作成し、その明細レコードRbを第2取引ファイル831に記憶する。商品券コードを含む入力イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、商品券フラグFfが“1”の明細レコードRbを作成し、その明細レコードRbを第2取引ファイル831に記憶する。
【0306】
ACT211乃至ACT213の待ち受け状態において、完了イベントを受信した場合には、プロセッサ31は、ACT213から図52のACT811へと進む。プロセッサ21は、ACT811として合計金額を算出する。合計金額は、第2取引ファイル831に記憶した全ての明細レコードRbの金額の合計である。商品の明細レコードRbの金額は正の値であるが、商品券の明細レコードRbの金額は、ACT804の処理で負の値としている。したがって、合計金額は必ずしも正の金額とは限らず、0円又は負の金額となる場合もある。
【0307】
プロセッサ31は、ACT812として合計金額が正の金額であるか、0円又は負の金額であるかを確認する。合計金額が正の金額である場合、プロセッサ31は、ACT812からACT251へと進む。そしてプロセッサ31は、ACT251乃至ACT264の処理を、第1の実施形態と同様に実行する。
【0308】
これに対し、合計金額が0又は負の金額である場合には、プロセッサ31は、ACT812からACT259へと進む。すなわちプロセッサ31は、ACT251乃至ACT258の処理をスキップする。したがって、客3は、代金を支払うことはない。その後、プロセッサ21は、ACT259乃至ACT264の処理を、第1の実施形態と同様に実行する。したがって、レシートRS(図55を参照)が発行されるので、客3は、レシートRSを受け取る。
【0309】
図55は、合計金額1000円の買物に対して額面金額が1000円の商品券を提示した客に対して発行されるレシートRSの一例である。図55に示すように、レシートRSには、4品目の買上商品の明細の後にその合計金額1000円が印字され、その後に商品券の額面金額1000円がマイナス符号を付して印字されている。このようなレシートRSにより、客3は、買上商品の代金を商品券で支払ったことを確認することができる。
【0310】
ここに、プロセッサ31は、ACT801の処理により、金券識別手段741としての機能を実現する。プロセッサ31は、ACT259の処理によりレシート出力手段742としての機能を実現する。
【0311】
このように、第4の実施形態においても、入力装置11が、売買された商品の明細情報と合計情報とを含む決済情報を生成して決済装置12に送信することなく、店員2と客3が操作を分担して取引を決済できる会計システム1を提供することができる。しかも、第4の実施形態によれば、代金の支払方法として店員の介在が必要な商品券等の金券にも対応した会計システム1を提供することができる。
【0312】
[他の実施形態]
前記実施形態では、客3が決済装置12を操作して代金の支払方法を入力する場合を例示した。他の実施形態としては、店員2が入力装置11を操作して代金の支払方法を入力するようにしてもよい。そこで次に、代金の支払い方法を入力装置11で入力する他の実施形態について、図56及び図57を用いて説明する。
【0313】
図56は、入力装置11のプロセッサ21が入力プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図56は、第1の実施形態においては図12の流れ図に相当する。そこで、図12と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0314】
ACT162及びACT163の待ち受け状態において、入力完了ボタンBAgが入力されると、プロセッサ21は、ACT163から図56のACT901へと進む。プロセッサ21は、ACT901としてタッチパネル28の画面を支払い方法選択画面とする。支払い方法選択画面は、第1の実施形態において決済装置12のタッチパネル38に表示される支払い方法選択画面SBbと同様の画面である。このとき、客用ディスプレイ29は、客用登録画面のままである。
【0315】
支払い方法選択画面を確認した店員は、客に代金の支払い方法を確認する。ここで、客3が現金支払いを希望する場合、店員2は現金ボタンBBaを入力する。客3がクレジットカード支払いを希望する場合、店員2はクレジットボタンBBbを入力する。客3が電子マネー支払いを希望する場合、店員2は電子マネーボタンBBcを入力する。
【0316】
支払い方法選択画面を表示したプロセッサ21は、ACT902としていずれか1つの支払い方法が選択されるのを待ち受ける。そして現金ボタンBBa、クレジットボタンBBb又は電子マネーボタンBBcの入力によりいずれかの支払い方法が選択されると、プロセッサ21は、ACT902からACT903へと進む。プロセッサ21は、ACT903として支払い種別を取得する。支払い種別は、選択入力を受け付けた代金支払い方法を識別する支払い方法識別データである。例えば、現金ボタンBBaが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「現金」を取得する。クレジットボタンBBbが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「クレジット」を取得する。電子マネーボタンBBcが入力された場合、プロセッサ21は、支払い方法識別データとして支払い種別「電子マネー」を取得する。
【0317】
支払い種別を取得したプロセッサ21は、ACT171へと進む。プロセッサ21は、ACT171として取引番号を発番する。取引番号を発番したプロセッサ21は、ACT172へと進む。プロセッサ21は、ACT172として送信先決済装置121の決済装置IDを取得する。すなわちプロセッサ21は、第1データテーブル64を参照して、送信先フラグFaが“1”となっている決済装置IDを取得する。そしてプロセッサ21は、ACT173として決済装置IDを宛先として完了イベントを送信するように通信ユニット25を制御する。この制御により、通信ユニット25を介してネットワーク14に完了イベントが送信される。完了イベントは、ネットワーク14に接続された複数台の決済装置12のうち、当該完了イベントの宛先である決済装置IDが設定された決済装置12で受信される。完了イベントには、ACT171において発番した取引番号が含まれる。また、完了イベントには、ACT903において取得した支払い種別も含まれる。
【0318】
完了イベントを送信したプロセッサ21は、ACT174へと進む。プロセッサ21は、ACT174として第1取引ファイル631をクリアする。またプロセッサ21は、ACT175として第1データテーブル64に対し、送信先フラグFaが“1”の決済装置IDと関連付けられた決済先フラグFbを“1”とし、他の決済先フラグFbを“0”とする。以上で、プロセッサ21は、入力プログラムに従った情報処理を終了する。
【0319】
図57は、決済装置12のプロセッサ31が決済プログラムにしたがって実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。図57は、第1の実施形態においては図15の流れ図に相当する。そこで、図15と共通する処理のステップには、同一の符号を付している。
【0320】
第1の実施形態では、決済装置12のプロセッサ31は、決済モードにおいて完了イベントを受信すると、図15のACT251としてタッチパネル38の画面を支払い方法選択画面SBbとした。他の実施形態では、決済モードにおいて完了イベントを受信すると、図57のACT911へと進む。プロセッサ31は、ACT911として完了イベントから支払い種別を取得する。
【0321】
支払い種別を取得したプロセッサ31は、ACT255へと進む。プロセッサ31は、ACT255としてタッチパネル38の画面を支払い種別に対応した会計画面SBcとする。そしてプロセッサ31は、ACT256以降の処理を第1の実施形態と同様に実行する。
【0322】
このように、入力装置11のプロセッサ21が実行する情報処理の一部を図56のように変更し、かつ、決済装置12のプロセッサ31が実行する情報処理の一部を図57のように変更することで、店員2が入力装置11を操作して代金の支払い方法を入力するように構成することができる。
【0323】
前記実施形態では、決済装置12がキャッシュレス決済端末5を接続している場合を例示した。決済装置12は、必ずしもキャッシュレス決済端末5を接続していなくてもよい。キャッシュレス決済端末5を接続していない決済装置12は、現金支払い専用の決済装置となる。その場合、決済装置12のプロセッサ31は、図15のACT251乃至ACT254の処理を省略する。すなわちプロセッサ31は、図14のACT242においてパトランプを点灯させると、図15のACT255の処理へと進む。
【0324】
図1においては、1つのチェックアウトレーンに対して2台の決済装置12を配置した会計システム1を例示した。会計システム1は、これに限定されない。例えば1つのチェックアウトレーンに対して3台以上の決済装置12を配置した会計システムであっても、前述した各実施形態を適用できるものである。
【0325】
例えば、入力装置11(11-1)と同一のチェックアウトレーンに配置されている決済装置12を、決済装置12(12-1)、決済装置12(12-2)、決済装置12(12-3)の3台とする。この場合、決済装置12(12-1)は、転送先メモリ82において決済装置12(12-2)の決済装置IDを記憶する。決済装置12(12-2)は、転送先メモリ82において決済装置12(12-3)の決済装置IDを記憶する。決済装置12(12-3)は、転送先メモリ82において決済装置12(12-3)の決済装置IDを記憶する。また、送信先決済装置121を決済装置12(12-1)とする。この場合、入力装置11(11-1)からは決済装置12(12-1)に入力イベント、完了イベント等が送信される。このとき、決済装置12(12-1)が転送モードであると、イベントは、決済装置12(12-1)から決済装置12(12-2)に転送される。そして、決済装置12(12-2)も転送モードであると、イベントは、決済装置12(12-2)から決済装置12(12-3)に転送される。ここで、決済装置12(12-3)が決済モードであると、決済装置12(12-3)でイベントが処理される。したがって、1つのチェックアウトレーンに対して3台以上の決済装置12を配置した会計システムであっても、各実施形態の作用効果を奏し得るものである。
【0326】
前記実施形態では、入力装置11が取引番号を発番し、完了イベントとともに決済装置12に送信する場合を例示した。他の実施形態としては、完了イベントを受信した決済装置12が取引番号を発番してもよい。この場合、同一のチェックアウトレーンに配置されている複数台の決済装置12においては、例えば取引番号の最上位桁に異なる値を付すことで、各々の決済装置12から発番される取引番号が重複しないようにするとよい。
【0327】
また、第4の実施形態において、決済装置12は、合計金額が負の場合にその金額を釣銭として自動釣銭機から払い出すようにしてもよい。そうすることにより、釣銭の払い出しが可能な商品券にも対応することができる。
【0328】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0329】
1…会計システム、2…店員、3…客、5…キャッシュレス決済端末、11…入力装置、12…決済装置、13…サーバ、14…ネットワーク、21,31…プロセッサ、51…入力側記憶手段、52…明細表示手段、53…終了検出手段、54…第1送信手段、55…第1通知手段、56…転送検出手段、57…第4通知手段、58…決済先報知手段、59…送信先変更手段、63…入力側記憶部、64…第1データテーブル、65…第2データテーブル、71…第1転換手段、72…復帰手段、73…第1転送手段、74…第2通知手段、75…第3通知手段、76…決済側記憶手段、77…金額表示手段、78…決済手段、79…第2転換手段、81…フラグメモリ、82…転送先メモリ、83…決済側記憶部、511…修正受付手段、512…第1修正手段、513…第2送信手段、521…取消受付手段、522…取消先選択手段、523…第6通知手段、524…第3修正手段、525…第3送信手段、526…不可報知手段、531…金券識別手段、532…演算手段、533…完了報知手段、631…第1取引ファイル、632…第3取引ファイル、710…監視手段、711…第5通知手段、721…第2転送手段、722…第2修正手段、731…取消応答手段、732…第4修正手段、741…金券識別手段、742…レシート出力手段、831…第2取引ファイル。
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