(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119563
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】洗濯方法
(51)【国際特許分類】
D06L 1/16 20060101AFI20240827BHJP
C11D 3/04 20060101ALI20240827BHJP
C11D 3/08 20060101ALI20240827BHJP
C11D 3/10 20060101ALI20240827BHJP
D06F 35/00 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
D06L1/16
C11D3/04
C11D3/08
C11D3/10
D06F35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026555
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(74)【代理人】
【識別番号】100203242
【弁理士】
【氏名又は名称】河戸 春樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 美穂
(72)【発明者】
【氏名】岩本 芳浩
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 政宏
【テーマコード(参考)】
3B168
4H003
【Fターム(参考)】
3B168FA01
4H003AE05
4H003DA01
4H003DB02
4H003DC02
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA21
4H003ED02
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】繊維製品の汚れ由来の臭いを低減できる洗濯方法を提供する。
【解決手段】下記工程1及び工程2を含む繊維製品の洗濯方法。
工程1:処理液と汚れを含んだ繊維製品とを接触させて前処理する工程であって、前記処理液は、アルカリ剤、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上であり、アルカリ剤を前記繊維製品の質量に対して0.05質量%以上10質量%以下の割合で含有する、工程
工程2:工程1の後、前記処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する工程
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程1及び工程2を含む繊維製品の洗濯方法。
工程1:処理液と汚れを含んだ繊維製品とを接触させて前処理する工程であって、前記処理液は、アルカリ剤、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上であり、アルカリ剤を前記繊維製品の質量に対して0.05質量%以上10質量%以下の割合で含有する、工程
工程2:工程1の後、前記処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する工程
【請求項2】
前記工程1と前記工程2とを同一の処理槽で行う、請求項1に記載の洗濯方法。
【請求項3】
前記アルカリ剤が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属炭酸塩、有機アミン化合物、及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる1種以上の化合物である、請求項1又は2に記載の洗濯方法。
【請求項4】
前記アルカリ剤が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属珪酸塩、及びアルカリ金属炭酸塩から選ばれる1種以上の化合物と、アルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる1種以上の化合物とである、請求項1~3の何れか1項に記載の洗濯方法。
【請求項5】
前記工程2での界面活性剤の質量の上昇を、前記処理液への界面活性剤を含む洗浄剤の添加により行う、請求項1~4の何れかに記載の洗濯方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維製品の洗濯では、洗浄、すすぎ、脱水などの工程を経て繊維製品を清浄にする。洗浄には、主たる洗浄基剤である界面活性剤と、アルカリ剤、キレート剤などのビルダーとを含有する洗浄剤が用いられる。前記界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤などが主に用いられている。洗濯では、洗浄力の向上、作業負荷の低減、排水負荷の低減など、様々な観点からの改善が試みられている。
【0003】
特許文献1には、界面活性剤とアルカリ剤とを含有する所定の洗濯液に被洗物を接触させる工程1と、界面活性剤とアルカリ剤とを含有する所定の洗濯液で、工程1の後の被洗物を、物理力をかけて洗濯する工程2とを有する洗濯方法が開示されている。
【0004】
特許文献2には、少なくとも2つの独立した洗浄槽を有し、1の洗浄槽で衣料を洗浄した後、該洗浄槽内の洗浄液を排出し、衣料を次の洗浄槽に移動して再度洗浄する連続縦型内胴回転式洗浄機を用いた衣料の洗浄方法であって、(A)界面活性剤を主成分とする液体洗剤と(B)キレート剤及び/又はアルカリ剤を主成分とする液体洗浄助剤とを用い、液体洗剤(A)を添加する洗浄槽よりも前の洗浄槽に液体洗浄助剤(B)が添加される衣類の洗浄方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、被洗浄物をアルカリ性緩衝液にて洗浄する洗浄方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-253352号公報
【特許文献2】特開平7-119033号公報
【特許文献3】特開開2001-252630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、繊維製品の汚れ由来の臭いを低減できる洗濯方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記工程1及び工程2を含む繊維製品の洗濯方法に関する。
工程1:処理液と汚れを含んだ繊維製品とを接触させて前処理する工程であって、前記処理液は、アルカリ剤、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上であり、アルカリ剤を前記繊維製品の質量に対して0.05質量%以上10質量%以下の割合で含有する、工程
工程2:工程1の後、前記処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する工程
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、洗濯後の繊維製品の汚れ由来の臭いを低減できる洗濯方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の洗濯方法では、まず、工程1として、アルカリ剤を汚れを含んだ繊維製品の質量に対して、0.05質量%以上10質量%以下、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上である処理液と汚れを含んだ繊維製品とを接触させて前処理する。その後、工程2として、前記処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、界面活性剤の質量を上昇させた処理液で前記繊維製品を洗浄する洗浄処理を行う。
【0011】
洗濯では被洗濯物である汚れた繊維製品に対する洗浄力に優れることが望まれることから、洗濯条件(洗濯の工程、洗浄剤の組成など)についてもこの観点で検討されることが多い。しかし、一見すると同じように汚れが除去されている繊維製品であっても、汚れ由来の臭い強度が異なる場合があることが判明した。
本発明は、所定条件で工程1の前処理と工程2の洗浄処理とを行うことで、汚れ由来の臭いが低減できることを見いだしたものである。本発明の洗濯方法では、本発明以外の方法で行った洗濯方法と比べて、例えば、見た目の洗浄力が同等であっても洗濯後の繊維製品における汚れ由来の臭いを低減できることから、見た目汚れの除去とは異なる側面から効果が発現しているものと推察される。
【0012】
<工程1>
本発明の洗濯方法では、汚れを含んだ繊維製品を用意し、まず、工程1として、汚れを含んだ繊維製品の質量に対して0.05質量%以上10質量%以下の量のアルカリ剤、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上である処理液と前記繊維製品とを接触させて、前記繊維製品を前処理する。
【0013】
工程1での処理液は、臭い低減効果の観点から、アルカリ剤を含有する。
アルカリ剤は、水に溶解させたときにアルカリ性を示す薬剤である。
臭い低減効果の観点から、アルカリ剤は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属炭酸塩、有機アミン化合物、及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、臭い低減効果の観点から、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられる。
アルカリ金属珪酸塩としては、臭い低減効果の観点から、珪酸ナトリウム及び結晶性アルカリ金属珪酸塩が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、臭い低減効果の観点から、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムが挙げられる。
有機アミン化合物としては、臭い低減効果の観点から、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどが挙げられる。
アルカリ金属炭酸水素塩としては、臭い低減効果の観点から、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムが挙げられる。
また、アルカリ剤として、セスキ炭酸ナトリウムのような、アルカリ金属炭酸塩とアルカリ金属炭酸水素塩との複塩を用いてもよい。
これらは、何れか一つの化合物を用いてもよく、或いは複数の化合物を併用してもよい。臭い低減効果の観点から、アルカリ剤は、アルカリ金属炭酸塩、及びアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、アルカリ金属炭酸塩とアルカリ金属炭酸水素塩がより好ましく、炭酸カリウムと炭酸水素カリウムが更に好ましい。
【0014】
臭い低減効果の観点から、アルカリ剤は、強塩基性化合物と弱塩基性化合物とを組み合わせて使用することが望ましい。例えば、強塩基性化合物としてアルカリ金属炭酸塩、より好ましくは炭酸カリウムと、弱塩基性化合物としてアルカリ金属炭酸水素塩、より好ましくは炭酸水素カリウムとを組み合わせることが好ましい。例えば、後述のようにアルカリ剤を含有する処理液用組成物を水で希釈して処理液を調製する際は、アルカリ剤として前記の組み合わせを用いることで、処理液用組成物に希釈に対するpH緩衝能を付与することができ、臭い低減効果の維持にも寄与する。
【0015】
臭い低減効果の観点から、アルカリ剤中のアルカリ金属炭酸水素塩の割合は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、そして好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、より更に好ましくは70質量%以下が好ましい。アルカリ剤は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属珪酸塩、及びアルカリ金属炭酸塩から選ばれる1種以上の化合物と、アルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる1種以上の化合物であることが好ましい。この場合もアルカリ剤中のアルカリ金属炭酸水素塩の割合は前記範囲であることが好ましい。
【0016】
工程1での処理液は、臭い低減効果の観点から、アルカリ剤を、汚れを含んだ繊維製品の質量に対して、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上、そして、洗濯により排出される排液の富栄養化の抑制の観点から、10質量%以下、好ましくは9質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、より更に好ましくは6質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.9質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下であり、より更に好ましくは0.7質量%以下の割合で含有する。
【0017】
工程1での処理液は、pHが10以上、臭い低減効果の観点から、好ましくは10.1以上、より好ましくは10.2以上、そして、好ましくは12以下、より好ましくは11以下である。pHは、下記に記載のpHの測定法に従って測定する。処理液のpHは、工程1を実施する温度でのpHであるが、20℃でのpHであってもよい。
[pHの測定法]
pHメーター(HORIBA製pH/イオンメーター D-74)にpH測定用複合電極(HORIBA製 9615S計量法型式JF15)を接続し、電源を投入する。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)を使用する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、工程1を実施する温度又は20℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となるサンプルを工程1を実施する温度又は20℃に調整し、前記のpHメーターの電極をサンプルに浸漬し2分後のpHを測定する。
【0018】
工程1での処理液は、水を含有する。水は、処理液の残部である。水としては、イオン交換水、工業用水、市水、井戸水、河川水などが挙げられる。
【0019】
工程1での処理液に用いる水の硬度としては、臭い低減効果の観点から、好ましくは0°DH以上、20°DH以下であり、1.5°DH以上、15°DH以下がより好ましい。硬度は、下記に記載の硬度の測定方法に従って測定する。
<水のドイツ硬度の測定方法>
〔試薬〕
・0.01mol/L EDTA・2Na溶液:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの0.01mol/L水溶液(滴定用溶液、0.01MEDTA-Na2、シグマアルドリッチ(SIGMA-ALDRICH)社製)
・Universal BT指示薬(製品名:Universal BT、(株)同仁化学研究所製)
・硬度測定用アンモニア緩衝液(塩化アンモニウム67.5gを28w/v%アンモニア水570mlに溶解し、イオン交換水で全量を1000mlとした溶液)
〔硬度の測定方法〕
まず、試料となる水20mLをホールピペットでコニカルビーカーに採取し、硬度測定用アンモニア緩衝液2ml添加した。更に、UniversalBT指示薬を0.5mL添加し、添加後の溶液が赤紫色であることを確認した。
コニカルビーカーをよく振り混ぜながら、ビュレットから0.01mol/L EDTA・2Na溶液を滴下し、試料となる水が青色に変色した時点を滴定の終点とした。EDTA・2Na溶液の滴定量T(mL)より、試料中の全硬度を下記の算出式で求めた。
硬度(°DH)=(T×0.01×F×56.0774×100)/A
T:0.01mol/L EDTA・2Na溶液の滴定量(mL)
A:サンプル容量(20mL、試料となる水の容量)
F:0.01mol/L EDTA・2Na溶液のファクター
【0020】
工程1での処理液は、任意に界面活性剤を含有する。
界面活性剤としては、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0021】
工程1での処理液が界面活性剤を含有する場合、その量は、汚れを含んだ繊維製品の質量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下である。なお、界面活性剤の含有量は有効分に基づく。
【0022】
工程1での処理液は、他の任意成分として、水軟化剤、分散剤、泡調整剤、溶剤、安定化剤、酵素、香料などを含有することができる。
【0023】
工程1での処理液は、アルカリ剤と水と任意に界面活性剤とを混合してなるものであってよい。工程1での処理液は、アルカリ剤を含有する処理液用組成物(以下、処理液用組成物ともいう)と、水とを混合してなるものが好ましい。処理液用組成物は、アルカリ剤と水とを含有するものが好ましい。処理液用組成物は、例えば、アルカリ剤を5質量%以上50質量%以下含有することができる。
【0024】
処理液用組成物は、臭い低減効果の観点から、緩衝能を有するものが好ましい。
例えば、処理液用組成物、更にアルカリ剤を5質量%以上50質量%以下含有する処理液用組成物は、水で1000倍に希釈した希釈液のpH(20℃)が、希釈に用いた処理液用組成物のpH(20℃)の±1の範囲内であることが好ましい。
また、例えば、処理液用組成物、更にアルカリ剤を5質量%以上50質量%以下含有する処理液用組成物は、水による希釈液のpH(20℃)が、当該希釈液中のアルカリ剤の含有量が100ppm以上2000ppmの何れかにおいて、希釈に用いた処理液用組成物のpH(20℃)の±1の範囲内であることが好ましい。
処理液用組成物に緩衝能を付与する方法としては、例えば、前述のように、アルカリ剤としてアルカリ金属炭酸水素塩のような弱塩基性の塩を他のアルカリ剤と組み合わせて用いるなどの方法が挙げられる。
【0025】
処理液用組成物が含む水、及び処理液用組成物と混合する水は、それぞれ、前記の硬度を有するものが好ましい。
【0026】
工程1では、処理液と繊維製品の接触時間は、例えば、臭い低減効果の観点から、30秒以上、1分以上、そして、30分以下、20分以下であってよい。
【0027】
工程1では、処理液の温度は、例えば、臭い低減効果の観点から、0℃以上、更に5℃以上、そして、60℃以下、更に好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、より更に好ましくは30℃以下であってよい。
【0028】
工程1では、臭い低減効果の観点から、少なくとも一部で、外力を負荷した状態、例えば、撹拌下で、処理液と繊維製品とを接触させることが好ましい。工程1の少なくとも一部で、外力を負荷した状態、例えば、撹拌下で、処理液と繊維製品とを接触させる場合、処理液中のアルカリ剤の繊維製品の質量に対する割合とpHは、それぞれ、少なくとも、外力の負荷、例えば、撹拌を開始する時点で、前記範囲となっていることが好ましい。
【0029】
工程1での浴比は、例えば、臭い低減効果の観点から、3以上、更に4以上、そして、40以下、更に35以下であってよい。ここで、浴比は、繊維製品の質量(kg)に対する処理液の量(L)の比である、処理液の量(L)/繊維製品の質量(kg)である。
【0030】
<工程2>
本発明の洗濯方法では、工程1の後に、工程2として、前記処理液中、すなわち工程1で用いた処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該記処理液で前記繊維製品を洗浄する洗浄処理を行う。
【0031】
ここで、処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させない、とは、工程2で用いる処理液中のアルカリ剤の質量が工程1で用いる処理液中のアルカリ剤の質量とほぼ同じであることであり、工程2を行う際に処理液に不可避的に混入する成分などの影響でアルカリ剤の量が僅かに変動してもよいことを意味する。例えば、本発明では、工程2で用いる処理液中のアルカリ剤の質量が、工程1で用いる処理液中のアルカリ剤の質量の5%以内、更に4%以内、更に3%以内の範囲にあってよく、この範囲にある場合を、アルカリ剤の質量を実質的に上昇させない、としてよい。
例えば、本発明では、工程2は、工程1の後、前記処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する工程であって、工程2で用いる処理液中のアルカリ剤の質量が、工程1で用いる処理液中のアルカリ剤の質量の5%以内、更に4%以内、更に3%以内である、工程であってよい。
更に、例えば、本発明では、工程2は、工程1の後、前記処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する工程であって、工程2で用いる処理液中のアルカリ剤の前記繊維製品の質量に対する割合(質量%)が、工程1で用いる処理液中のアルカリ剤の前記繊維製品の質量に対する割合(質量%)の5%以内、更に4%以内、更に3%以内である、工程であってよい。
【0032】
工程2で用いる処理液中の界面活性剤の質量の上昇は、例えば、処理液への界面活性剤を含有する洗浄剤の添加、界面活性剤を含有する漂白剤の添加、界面活性剤を含有する抗菌剤の添加など、処理液への界面活性剤を含有する組成物(剤)の添加により行うことができ、処理液への界面活性剤を含有する洗浄剤の添加により行うことが好ましい。
当該洗浄剤としては、例えば、臭い低減効果の観点から、界面活性剤を10質量%以上、更に15質量%以上、そして、80質量%以下、更に70質量%以下、及び水を含有する液体のものが挙げられる。
当該洗浄剤はアルカリ剤の含有量が少ないものが好ましく、例えば、臭い低減効果の観点から、アルカリ剤を5質量%以下、更に3質量%以下含有するものであってよい。
当該洗浄剤の20℃のpHは、例えば、臭い低減効果の観点から、3以上、更に4以上、そして、11以下、更に10以下であってよい。
当該洗浄剤は、剤型を問わない。例えば、当該洗浄剤は、液体、固体、又はこれらの組み合わせによる剤型であってよく、例えば、粉末、タブレット、フィルム、水溶性単位容量洗剤(液体・ジェル・粉末を内包するフィルム)、ビーズ剤、カートリッジ等の形態の洗浄剤を使用することができる。
【0033】
工程1で用いる処理液が界面活性剤を含有する場合、臭い低減効果の観点から、工程2で用いる処理液中の界面活性剤の量は、工程1で用いる処理液中の界面活性剤の量の1倍以上、更に1.5倍以上、更に2倍以上であってよい。
【0034】
工程2で用いる処理液中の界面活性剤としては、臭い低減効果の観点から、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が挙げられる。臭い低減効果の観点から、界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤であることが好ましい。
【0035】
工程2で用いる処理液は、界面活性剤を、臭い低減効果の観点から、繊維製品の質量に対して、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上、より更に好ましくは0.18質量%以上、そして、洗濯により排出される排液の富栄養化の抑制の観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、より更に好ましくは0.6質量%以下の割合で含有する。
【0036】
工程2の処理液は、アルカリ剤、界面活性剤、及び水を含有する。アルカリ剤は、工程1で用いた処理液からもたらされたものである。水は、工程1で用いた処理液からもたらされたもの、及び工程2で前記処理液に添加されたものである。工程2で処理液に水を添加する場合、水の硬度(測定方法は前記の通り)としては、臭い低減効果の観点から、好ましくは0°DH以上、より好ましくは1.5°DH以上、そして、好ましくは20°DH以下、より好ましくは15°DH以下である。
工程2の処理液は、他の任意成分として、水軟化剤、キレート剤、分散剤、泡調整剤、溶剤、安定化剤、蛍光染料、青み付け剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、香料、柔軟化剤などを含有することができる。
【0037】
本発明では、工程1の後に工程2を設けるが、工程1が完了する前に工程2を行うための準備工程が含まれていてもよい。例えば、工程1が完了する前に洗浄剤の添加の準備を開始するなど、工程1が完了する前に処理液中の界面活性剤の質量を上昇させるための操作の準備を行ってもよい。
【0038】
工程2では、処理液と繊維製品の接触時間は、例えば、臭い低減効果の観点から、1分以上、更に3分以上、そして、60分以下、50分以下であってよい。
【0039】
工程2では、処理液の温度は、例えば、臭い低減効果の観点から、0℃以上、更に5℃以上、そして、60℃以下、更に50℃以下であってよい。
【0040】
工程2では、少なくとも一部で、外力を負荷した状態、例えば、撹拌下で、処理液で繊維製品を洗浄することが好ましい。工程2の少なくとも一部で、外力を負荷した状態、例えば、撹拌下で、処理液で繊維製品を洗浄する場合、処理液中に含まれる界面活性剤の質量は、少なくとも、外力の負荷、例えば、撹拌を開始する時点で、工程1での処理液中に含まれる界面活性剤の質量よりも上昇していることが好ましい。
【0041】
工程2での浴比は、例えば、臭い低減効果の観点から、3以上、更に4以上、そして、40以下、更に35以下であってよい。
【0042】
本発明では、工程1と工程2とを同一の処理槽で行うことが好ましい。同一の処理槽を用いることで、作業性が向上し、使用水量、時間の短縮が可能となる。また、臭い低減効果をより高めることが出来る。例えば、同一の処理槽内で工程1の処理液に界面活性剤を添加して工程2の処理液を容易に得ることができる。本発明では、工程1と工程2は、連続して行うことができる。本発明では、工程1と工程2は、一方又は両方を、複数行うことができる。工程1と工程2の一方又は両方を複数行う場合、連続して行われる工程1と工程2の組み合わせが少なくとも一つあることが好ましい。
【0043】
例えば、本発明の洗濯方法は、
工程1が、処理槽に収容された処理液に、汚れを含んだ繊維製品を前記処理槽内で接触させて前処理する工程であって、前記処理液は、アルカリ剤、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上であり、アルカリ剤を前記繊維製品の質量に対して0.05質量%以上10質量%以下含有する工程であり、
工程2が、工程1の後、前記処理槽内で、前記処理液中のアルカリ剤濃度を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する工程である、
洗濯方法であってよい。
【0044】
また、本発明の洗濯方法は、下記工程1a及び工程2aを含む繊維製品の洗濯方法であってよい。
工程1a:処理液と汚れを含んだ繊維製品とを接触させて前処理する工程であって、前記処理液は、アルカリ剤を含有する処理液用組成物と水とを混合して得られたものであり、前記処理液は、アルカリ剤、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上であり、アルカリ剤を前記繊維製品の質量に対して0.05質量%以上10質量%以下含有する、工程
工程2a:工程1aの後、前記処理液に、界面活性剤を含有する洗浄剤を添加して、前記処理液中に含まれるアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する工程
【0045】
また、本発明の洗濯方法は、
汚れを含んだ繊維製品を用意すること、
アルカリ剤を含有する処理液用組成物と水と任意に界面活性剤とを混合して、アルカリ剤を前記繊維製品の質量に対して、0.05質量%以上10質量%以下、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上である処理液を調製すること、
工程1として、処理槽内で、前記処理液に、汚れを含んだ繊維製品を接触させて前処理すること、
工程2として、工程1の後、前記処理槽内で、前記処理液に、界面活性剤を含有する洗浄液用組成物を添加して、前記処理液中のアルカリ剤の質量を実質的に上昇させずに、前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する洗浄処理を行うこと、
を含む洗濯方法であってよい。
処理液は、処理槽内で調製してもよいし、別途調製して処理槽に投入してもよい。また、処理槽に繊維製品が投入された状態で、処理液用組成物と水とを投入して処理液を調製してもよい。
【0046】
本発明の別の態様として、例えば、下記工程1及び工程2bを含む繊維製品の洗濯方法が挙げられる。
工程1:処理液と汚れを含んだ繊維製品とを接触させて前処理する工程であって、前記処理液は、アルカリ剤、水及び任意に界面活性剤を含有し、pHが10以上であり、アルカリ剤を前記繊維製品の質量に対して0.05質量%以上10質量%以下の割合(以下、割合(1)という)で含有する、工程
工程2b:工程1の後、前記処理液中に含まれるアルカリ剤の質量の前記繊維製品の質量に対する割合を前記割合(1)の5%以内、更に4%以内、更に3%以内とし、且つ前記処理液中に含まれる界面活性剤の質量を上昇させて、該処理液で前記繊維製品を洗浄する工程
【0047】
本発明の洗濯方法では、前記した所定の工程1と所定の工程2を行うが、これら以外の処理を行う工程を含むことができる。例えば、すすぎ、脱水、乾燥など、通常の洗濯方法で行われる処理を行う工程を含むことができる。
【実施例0048】
実施例及び比較例で用いた成分、布、洗濯機などを下記に示す。
<処理液用組成物>
下記の処理液用組成物(1)~(8)を調製した。処理液用組成物の組成を表に示す。
・処理液用組成物(1):メタ珪酸ナトリウム5g、炭酸水素カリウム7.7g、及びイオン交換水200gを混合して調製した組成物(20℃のpH11.0)
・処理液用組成物(2):メタ珪酸ナトリウム10g、炭酸水素カリウム14.12g、及びイオン交換水1000gを混合して調製した組成物(20℃のpH11.0)
・処理液用組成物(3):炭酸カリウム10g、炭酸水素カリウム2.36g、及びイオン交換水20gを混合して調製した組成物(20℃のpH10.8)
・処理液用組成物(4):炭酸カリウム12.5g、炭酸水素カリウム2.94g、及びイオン交換水25gを混合して調製した組成物(20℃のpH10.8)
・処理液用組成物(5):炭酸カリウム15.0g、炭酸水素カリウム3.53g、及びイオン交換水30gを混合して調製した組成物(20℃のpH10.8)
・処理液用組成物(6):炭酸カリウム17.5g、炭酸水素カリウム4.12g、及びイオン交換水35gを混合して調製した組成物(20℃のpH10.8)
・処理液用組成物(7):炭酸カリウム20g、炭酸水素カリウム4.71g、及びイオン交換水40gを混合して調製した組成物(20℃のpH10.8)
・処理液用組成物(8):ソーダ灰67.5g、及びイオン交換水450gを混合して調製した組成物(20℃のpH11.5)
【0049】
・陽イオン界面活性剤:花王株式会社、コータミン-40ES(有効分25%)
・液体洗浄剤:花王株式会社、アタックゼロ
・粉末洗浄剤:花王株式会社、粉末アタック
・水:水道水(和歌山市水)
【0050】
・汚染布:モデル皮脂汚れが塗布されたサイズが7cm×7cmの布
<モデル皮脂人工汚染布の調製>
下記組成のモデル皮脂人工汚染液を布に付着させてモデル皮脂人工汚染布を調製した。モデル皮脂人工汚染液の布への付着は、グラビアロールコーターを用いて人工汚染液を布に印刷することで行った。モデル皮脂人工汚染液を布に付着させモデル皮脂人工汚染液を作製する工程は、グラビアロールのセル容量58cm3/m2、塗布速度1.0m/min、乾燥温度100℃、乾燥時間1minで行った。布は木綿2003(谷頭商店製)を使用した。
*モデル皮脂人工汚染液の組成:ラウリン酸0.4質量%、ミリスチン酸3.1質量%、ペンタデカン酸2.3質量%、パルミチン酸6.2質量%、ヘプタデカン酸0.4質量%、ステアリン酸1.6質量%、オレイン酸7.8質量%、トリオレイン13.0質量%、パルミチン酸n-ヘキサデシル2.2質量%、スクアレン6.5質量%、卵白レシチン液晶物1.9質量%、鹿沼赤土8.1質量%、カーボンブラック0.01質量%、水残部(合計100質量%)
・質量調整用布:木綿(綿100%)/化繊(ポリエステル100%)=7/3(質量比)からなる布
・洗濯機:ドラム式洗濯機、パナソニック株式会社、型番 NA-VX900BL
【0051】
<実施例1>
以下の工程1と工程2を行い、臭いの評価を行った。表に実施例の工程1と工程2の概略及び臭い評価の結果を示した。
【0052】
<工程1>
ドラム式洗濯機の洗濯槽に、汚染布5枚と質量調整用布を合計が4kgとなるように投入した。そこに、処理液用組成物(1)の全量を投入して当該洗濯機のおまかせコースにて水道水を投入し、汚染布の前処理を9分間行った。前処理の処理液はpHが10.5であり、希釈時の処理液pHが希釈前の処理液用組成物のpHと比較して±1の範囲内に収まることから、処理液用組成物(1)が緩衝能を有することを確認した。
【0053】
<工程2>
工程1の前処理終了後、排水をせずに、一時停止した状態で、液体洗浄剤を洗濯槽の処理液に9g投入し、工程2の処理液を調製して洗浄処理を9分間行った。洗浄処理は、当該洗濯機のおまかせコースで行った。洗浄処理の処理液はpHが10.4であった。
洗浄処理終了後、ためすすぎを2回行い、次いで脱水を4分間行った。脱水後の汚染布は、室温下自然乾燥で乾燥させた。
乾燥後の汚染布の臭いを3名の評価員が判定した。判定の基準は、汚れ由来の臭いがしないもの(汚染布の調製に用いた汚染前の布の臭いと同じもの)を最も良い0点とし、汚れ由来の臭いがはなはだしいものを最も悪い5点とし、0.1点刻みで点数をつけた。3名の評価員の点数の平均値で臭いを評価した。結果を表に示す。点数が0に近いほど、汚れ由来の臭いの低減効果に優れることを意味する。
【0054】
<実施例2>
実施例1と同様に、ただし、処理液用組成物(1)に代えて処理液用組成物(2)を用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。なお、処理液用組成物(2)も緩衝能を有することを確認した。
【0055】
<実施例3>
実施例1と同様に、ただし、処理液用組成物(1)に代えて処理液用組成物(3)と陽イオン界面活性剤6gを用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。なお、処理液用組成物(3)も緩衝能を有することを確認した。
【0056】
<実施例4>
実施例1と同様に、ただし、処理液用組成物(1)に代えて処理液用組成物(4)と陽イオン界面活性剤6gを用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。なお、処理液用組成物(4)も緩衝能を有することを確認した。
【0057】
<実施例5>
実施例1と同様に、ただし、処理液用組成物(1)に代えて処理液用組成物(5)と陽イオン界面活性剤6gを用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。なお、処理液用組成物(5)も緩衝能を有することを確認した。
【0058】
<実施例6>
実施例1と同様に、ただし、処理液用組成物(1)に代えて処理液用組成物(6)と陽イオン界面活性剤6gを用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。なお、処理液用組成物(6)も緩衝能を有することを確認した。
【0059】
<実施例7>
実施例1と同様に、ただし、処理液用組成物(1)に代えて処理液用組成物(7)と陽イオン界面活性剤6gを用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。なお、処理液用組成物(7)も緩衝能を有することを確認した。
【0060】
<実施例8>
実施例1と同様に、ただし、処理液用組成物(1)に代えて処理液用組成物(8)を用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。処理液用組成物(8)は緩衝能に乏しいものであった。
【0061】
<比較例1>
ドラム式洗濯機の洗濯槽に、汚染布5枚と質量調整用の布を合計が4kgとなるように投入した。そこに、液体洗浄剤を9g投入し、工程2の処理液を調製して洗浄処理を9分間行った。洗浄処理終了後、実施例1同様にすすぎ、脱水、乾燥を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。比較例1は、本発明の工程1の前処理を行わずに液体洗浄剤で1回の洗浄を行うものであり、当該洗濯機のおまかせコースで行った。結果を表に示す。
【0062】
<比較例2>
ドラム式洗濯機の洗濯槽に、汚染布5枚と質量調整用の布を合計が4kgとなるように投入した。そこに、液体洗浄剤を9g投入し、工程2の処理液を調製して一回目の洗浄処理を9分間行った。その後、処理液を排水して、再度、洗濯槽に液体洗浄剤を9g投入し、工程2の処理液を調製して二回目の洗浄処理を9分間行った。二回目の洗浄処理終了後、実施例1同様にすすぎ、脱水、乾燥を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。比較例2は、本発明の工程1の前処理を行わずに液体洗浄剤で2回の洗浄を行うものであり、当該洗濯機の2度洗いコースで行った。結果を表に示す。
【0063】
<比較例3>
比較例1と同様に、ただし、液体洗浄剤に代えて粉末洗浄剤を28g用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。
【0064】
<比較例4>
比較例2と同様に、ただし、一回目、二回目の洗浄処理の液体洗浄剤に代えてそれぞれ粉末洗浄剤を28g用いて、汚染布の洗濯を行い、洗濯後の汚染布の臭いを評価した。結果を表に示す。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
*比較例2、4の工程2の処理液の繊維製品に対するアルカリ剤の質量%、繊維製品に対する界面活性剤の質量%、pHは、それぞれ、一回目、二回目の洗浄処理で共通