(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024119580
(43)【公開日】2024-09-03
(54)【発明の名称】燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
B67D 7/32 20100101AFI20240827BHJP
【FI】
B67D7/32 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026584
(22)【出願日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000110099
【氏名又は名称】トキコシステムソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宣行
(72)【発明者】
【氏名】松永 侑己
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AA02
3E083AD22
(57)【要約】
【課題】作業員は、燃料供給装置1が浸水した高さを容易に把握することができ、浸水した高さから点検が必要な機器を把握する。
【解決手段】燃料供給装置1は、燃料供給対象に燃料を送出する燃料供給経路と、燃料供給経路途中に設けられた燃料供給機器および当該燃料供給機器と接続された電子機器で構成された燃料供給関連機器と、複数の燃料供給関連機器を内部に収容する筐体10と、筐体10に設けられ、浸水した高さを示す浸水跡を報知するステッカー60と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料供給対象に燃料を送出する燃料供給経路と、
前記燃料供給経路途中に設けられた燃料供給機器および当該燃料供給機器と接続された電子機器で構成された燃料供給関連機器と、
複数の前記燃料供給関連機器を内部に収容する筐体と、
前記筐体に設けられ、浸水した高さを示す浸水跡を報知する報知手段と、を備える
ことを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
前記報知手段は、浸水した高さに応じた点検内容を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記報知手段は、浸水した高さに応じた点検内容に紐づく識別情報を表示し、
前記識別情報を読み取った情報処理装置の表示部に前記点検内容を表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記筐体の内壁面に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記筐体に貼付され、水に触れると色が変化する塗料が塗られたステッカーである
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体内の機器や装置のメンテナンス性を向上させた燃料供給装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料供給装置において、大雨等の影響により燃料供給装置が浸水してしまう可能性がある。仮に、燃料供給装置が浸水した場合、水が引いた後に、作業員は、筐体内のポンプやモータ等の各機器(燃料供給機器および電子機器)を点検する必要がある。しかしながら、特許文献1などの燃料供給装置において、作業員は、筐体内の機器がどこまで浸水したかを把握することが困難で、点検すべき機器を把握することができない。したがって、点検する必要がない機器まで網羅的に点検する必要があり、点検に要する時間が増大し、点検に関する作業性が低下していた。
【0005】
本発明は、燃料供給装置がどこまで浸水したかを容易に把握することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の燃料供給装置は、燃料供給対象に燃料を送出する燃料供給経路と、燃料供給経路途中に設けられた燃料供給機器および当該燃料供給機器と接続された電子機器で構成された燃料供給関連機器と、複数の燃料供給関連機器を内部に収容する筐体と、筐体に設けられ、浸水した高さを示す浸水跡を報知する報知手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、作業員は、報知手段による浸水跡によって、燃料供給装置が浸水した高さを容易に把握することができ、浸水した高さから、複数の燃料供給関連機器(燃料供給機器および電子機器)のうち、点検が必要な機器(燃料供給関連機器)がどれであるのかを把握することができる。これにより、点検作業の作業性が向上する。
また、本発明の上記した以外の課題、構成及び効果については、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る燃料供給装置1の正面図である。
【
図2】第1実施形態に係る燃料供給装置1の下部の外観斜視図、及び筐体10の外面に貼付されるステッカー60の正面図である。
【
図3】第1実施形態に係る燃料供給装置1の点検内容を情報処理装置70の表示部71に表示させる表示方法を示した図である。
【
図4】第2実施形態に係る燃料供給装置1の点検内容を情報処理装置70の表示部71に表示させる表示方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態において、その構成要素は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る燃料供給装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。以下の説明では、本発明に係る燃料供給装置を、車両等の燃料供給対象にレギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油等といった燃料を供給する給油所、いわゆるガソリンスタンドに設置される給油装置としての燃料供給装置を例に説明する。なお、本発明に係る燃料供給装置が適用される燃料供給所は、ガソリンスタンドに限られるものではない。また、燃料供給装置が供給する燃料は、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油、アルコールといった液種(油種)を供給する装置に限られるものではない。
【0011】
(燃料供給装置1)
図1は、第1実施形態に係る燃料供給装置1(給油装置)の正面図である。なお、
図1においては、燃料供給装置1の筐体の下部(後述する機器収納筐体部10B)については、図中、正面中央に付した一点鎖線を中心にして、その左側部分では、筐体パネル11が取り付けられている構成が、その右側部分では、筐体パネル11が取り外されている構成が対比的に示されている。
【0012】
図示の例では、燃料供給装置1は、筐体10の正面及び背面それぞれに、それぞれ油種が異なる3つの給油系統(例えば、レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油の各給油系統)を備え、筐体10の正面側及び背面側それぞれで、個別に別々の車輌等の燃料供給対象に対する所望の油種の給油作業が行える構成になっている。
【0013】
燃料供給装置1の筐体10は、通常、筐体フレームに筐体パネル11を取り付けて構成されている。筐体フレームは、ベース(基台)20に立設された複数の柱材フレーム間を、高さ方向に位置を異ならせて複数の横架材フレームで連結して構成されている。筐体10の内部は、筐体フレームに取り付けられた筐体パネル11や、筐体フレームの外周面によって、外部から隠蔽された構成になっている。
【0014】
その上で、図示の燃料供給装置1の場合、筐体10は、一対の柱状筐体部10A,10A間に、ベース20側から高さ方向に沿って、機器収納筐体部10B、制御装置筐体部10C、ホース接続筐体部10Dが順次配置された構成になっている。
【0015】
筐体10の機器収納筐体部10Bの内部には、ポンプモータ31(燃料供給機器)により駆動され、車両等の燃料供給対象に燃料を送出するポンプ32(燃料供給機器)及び電磁弁33(燃料供給機器)といった送液機器(燃料供給機器)や、給油ノズル39(燃料供給機器)に送液された油量(供給量)を計測する流量計34(燃料供給機器)及び流量計34(燃料供給機器)に付設された流量発信器35(燃料供給関連機器)といった流量計測機器(燃料供給機器)が、給油ノズル39を備えた給油系統毎若しくは給油ノズル39からの供給油種毎に対応させて、それぞれ配設されている。
【0016】
図示の例では、ポンプ32は、油種毎に対応させて3台設けられ、横架材フレームを構成する棚板21に固定されている。ポンプモータ31は、ベース20に立設されたモータ取付フレーム22に固定されている。棚板21の下には、上記したポンプモータ31、及び電線やケーブルの接続部分を収納する箱であるジョイントボックス(登録商標)30(燃料供給機器)が設けられている。なお、ポンプ32は、ポンプモータ31により駆動されるものに限らず、電磁式ダイヤフラムポンプやエア駆動ポンプであってもよい。
【0017】
流量計34は、ポンプ32の吐出口部分に一体的に取り付けられた分岐管ユニット36に、油種毎に、正面側及び背面側の2つ給油系統用の2台の流量計34が取り付けられている。流量発信器35及び電磁弁33は、各流量計34に対して一体的に取り付けられている。
【0018】
その上で、各流量計34から、対応する電磁弁33を介して送液される油液は、給油系統別の筐体内配管37によって、柱状筐体部10A内を介して、ホース接続筐体部10Dに案内される構成になっている。
【0019】
さらに、筐体10の機器収納筐体部10Bの正面及び背面には、正面及び背面の各給油系統(レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油)の給油ノズル39を、給油作業が行われていない待機時に格納しておくためのノズル収納部40が設けられている。ノズル収納部40は、格納された給油ノズル39の重量を支えるノズル支持部41と、給油ノズル39の先端の吐出パイプを収容する吐出パイプ収容部を備えるノズル収納部枠体42と、を有する。
【0020】
一方、制御装置筐体部10Cの内部には、燃料供給装置1の各部を制御し、筐体10の正面及び背面それぞれでの個別給油作業の実行制御を行う制御装置50(電子機器)が配設されている。具体的には、制御装置50は流量計34の流量発信器35やポンプモータ31等の燃料供給機器と回線により接続され、それぞれの燃料供給機器と通信を行う。そして、制御装置筐体部10Cの正面及び背面それぞれには、図示の燃料供給装置1の場合は、給油作業を行うに当たって、供給油種をはじめとする各種設定操作を行うための操作表示パネル51(電子機器)、顧客識別カードの読取を行うカード読取機52(電子機器)、給油量や給油金額等を表示する給油表示器53(電子機器)、給油作業終了時に給油伝票を発行する伝票発行機54(電子機器)等の機器が設けられている。
【0021】
また、ホース接続筐体部10Dの正面及び背面それぞれでは、給油系統毎の、先端に給油ノズル39が接続された給油ホース38の基端が、対応する給油系統の筐体内配管37と連通接続された構成になっている。
【0022】
(燃料供給装置1の機器の配置位置)
燃料供給装置1の機器(ジョイントボックス30、ポンプモータ31、ポンプ32、流量計34、流量発信器35、給油ノズル39、ノズルスイッチ43、制御系(制御装置50、操作表示パネル51、給油表示器53、制御装置50)の配置位置について説明する。
【0023】
筐体10の内部の最下部には、ジョイントボックス30及びポンプモータ31が配置される。ジョイントボックス30及びポンプモータ31は、ポンプ32を支持する棚板21より下側に配置されている。
【0024】
ジョイントボックス30及びポンプモータ31の上には、ポンプ32が配置される。このポンプ32は、棚板21の上面に配置されている。
【0025】
ポンプ32の上側には、流量計34、流量発信器35、給油ノズル39、及びノズルスイッチ43が配置される。流量計34、流量発信器35、給油ノズル39、及びノズルスイッチ43の上には、ガソリンベーパーが電子機器(電子機器)類に接触するのを防止するためのベーパーバリアが設けられている。
【0026】
このベーパーバリアの上には、制御装置50、表示器(操作表示パネル51、給油表示器53)、カード読取機52、及び伝票発行機54が配置される。制御装置50、表示器(操作表示パネル51、給油表示器53)、カード読取機52、及び伝票発行機54などの電子機器が配置されている。
【0027】
(ステッカー60の詳細)
図2は、第1実施形態に係る燃料供給装置1の下部の外観斜視図、及び筐体10の外面に貼付されるステッカー60の正面図である。次に、
図2を参照して、本発明の報知手段の一例としてのステッカー60の詳細を説明する。本実施形態では、本発明の報知手段として、筐体10に貼付されるステッカー60を例示するが、筐体10に当該ステッカー60に含まれる情報(点検内容、コード情報、目盛り)が直接記載されてもよい。この場合、筐体10(柱状筐体部10A)が本発明の報知手段となる。
【0028】
筐体10(柱状筐体部10A)の外面には、浸水した高さを示す浸水跡を報知するステッカー60(報知手段)が設けられる。このステッカー60は、水に触れると色が変化する塗料が塗られたものであって、大雨や洪水によって燃料供給装置1が浸水した場合に浸水跡が残る。この浸水跡は、浸水した高さを示す。この浸水跡は、水が引いて、当該ステッカー60が乾燥したとしても、残り続ける。または所定時間、浸水跡が残り続け、所定時間経過後、浸水跡が消えても良い。
【0029】
ステッカー60には、目盛りが記載されており、作業員は、浸水跡が位置する目盛りにより浸水高さを容易に把握することができる。
【0030】
また、ステッカー60には、高さ方向に複数のコード情報61が並んで配置されている。コード情報61は、識別可能な記号や文字列などの識別情報であれば、バーコードであってもよいし、2次元コードであってもよい。また、コード情報61の代わりに、コード情報61が示す情報が埋め込まれたICチップを備えてもよい。このコード情報61は、浸水した高さに応じた点検内容に紐づく識別情報である。浸水した高さによって点検するべき機器及びその機器に対する点検作業が異なるため、浸水した高さに応じた点検内容に紐づく識別情報がステッカー60に記載されている。
【0031】
(点検内容の表示方法)
図3は、第1実施形態に係る燃料供給装置1の点検内容を情報処理装置70の表示部71に表示させる表示方法を示した図である。次に、
図3を参照して、第1実施形態に係る燃料供給装置1の点検内容の表示方法を説明する。点検内容は、点検するべき機器を示す情報(例えば、点検するべき機器の名称、点検するべき機器の画像)、及び当該機器に対する点検作業の情報(例えば、機器に対する点検作業の動画、アニメーション、1又は複数の静止画)を含む。
【0032】
ガソリンスタンドの店員等は、専用端末やスマートフォンなどの情報処理装置70のカメラで、ステッカー60の浸水跡に対応するコード情報61を読み取る。情報処理装置70は、コード情報61を読み取り可能な情報処理装置であれば、ノートパソコンなどであってもよい。例えば、
図3に示す位置に浸水跡62が残っている場合、店員等は、当該浸水跡62より下のコード情報61(61A~61C)の内の最も高い位置にあるコード情報61(61C)を情報処理装置70のカメラで読み取る。
【0033】
情報処理装置70は、読み取ったコード情報61に従って表示内容を格納するサーバ80にリクエストを送信する。このリクエストは、例えば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストである。
【0034】
サーバ80は、コード情報61毎に点検内容を示す情報を記憶する。サーバ80は、コード情報61A(コード情報1)に係るリクエストを受信した場合、ジョイントボックス30及びポンプモータ31に関する点検内容を含むレスポンスを情報処理装置70に送信する。また、サーバ80は、コード情報61B(コード情報2)に係るリクエストを受信した場合、上記した機器(ジョイントボックス30及びポンプモータ31)及びポンプ32に関する点検内容を含むレスポンス(つまり、受信したコード情報より低い数値のコード情報も含めた点検内容)を情報処理装置70に送信する。また、サーバ80は、コード情報61C(コード情報3)に係るリクエストを受信した場合、上記した機器(ジョイントボックス30、ポンプモータ31及びポンプ32)、流量計34、流量発信器35、給油ノズル39、及びノズルスイッチ43に関する点検内容を含むレスポンスを情報処理装置70に送信する。また、サーバ80は、コード情報61D(コード情報4)に係るリクエストを受信した場合、上記した機器(ジョイントボックス30、ポンプモータ31、ポンプ32、流量計34、流量発信器35、給油ノズル39及びノズルスイッチ43)、制御装置50、表示器(操作表示パネル51、給油表示器53)、カード読取機52、及び伝票発行機54に関する点検内容を含むレスポンスを情報処理装置70に送信する。このリクエストは、例えば、HTTPレスポンスである。また、サーバ80に記憶されるそれぞれのコード情報に含まれる点検内容(点検対象機器)は、燃料供給装置1内部の機器のレイアウトにより変更する。
【0035】
例えば、情報処理装置70のWebブラウザは、HTTPレスポンスに基づいて、表示部71にWebコンテンツとして点検内容を表示する。レスポンスを受信した情報処理装置70の表示部71には、点検するべき機器を示す情報(例えば、点検するべき機器の名称、及び/又は点検するべき機器の画像)、及び当該機器に対する点検作業の情報(機器に対する点検作業の動画、アニメーション、1又は複数の静止画)が表示される。なお、点検するべき機器を示す情報、又は当該機器に対する点検作業の情報のいずれか一方のみを表示してもよい。
【0036】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、作業員は、報知手段であるステッカー60の浸水跡の位置から、燃料供給装置1が浸水した高さを容易に把握することができる。そして、作業員は、浸水した高さから点検が必要な機器を把握することができる。これにより、点検作業の作業性が向上する。
【0037】
また、本実施形態では、ステッカー60にコード情報61が記載されているので、作業員は、コード情報61をカメラなどで読み取るだけで、点検内容(点検するべき機器を示す情報、当該機器に対する点検作業の情報)を把握することができる。したがって、例えば、ガソリンスタンドの店員等の作業に不慣れな作業員であっても、点検内容を容易に把握することができる。
【0038】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る燃料供給装置1の点検内容を情報処理装置70の表示部71に表示させる表示方法を示した図である。次に、
図4を参照して、第2実施形態に係る燃料供給装置1の点検内容の表示方法を説明する。第1実施形態と同様の説明は、適宜省略する。
【0039】
第2実施形態では、ガソリンスタンド等に設置されるカメラ400が、ステッカー60の浸水跡に対応するコード情報61を読み取る。このカメラ400は、例えば、ガソリンスタンド等に設置される監視カメラである。カメラ400のコンピュータは、カメラ400によって読み取られたステッカー60の画像に画像処理を行い、浸水跡の位置を特定する。ステッカー60が浸水によって色が変化するものであれば、当該コンピュータは、カメラ400によって撮像されたステッカー60の画像の画像処理から色を識別し、浸水跡の位置を特定する。第2実施形態では、撮影したステッカー60の画像に対してカメラ400のコンピュータが画像処理を行ったが、カメラ400とネットワークを介して通信可能な他のコンピュータで画像処理を行い、浸水跡の位置を特定してもよい。また、単に燃料供給装置1を撮影するカメラの画像が作業員が所持する情報処理装置70(可搬式携帯端末)に送信されることにより、作業員は情報処理装置70(可搬式携帯端末)の表示部に表示されたカメラの画像を確認することで、燃料供給装置1がどのくらいの高さまで浸水したのかを容易に把握することができ、予め、点検のための準備等を行える等の作業性が向上する。
【0040】
さらに、第2実施形態では、カメラ400は、浸水跡に対応するコード情報61を読み取る。カメラ400は、読み取ったコード情報61に従って点検内容を格納するサーバ80にリクエストを送信する。そして、カメラ400は、リクエストに対するレスポンスとして、点検内容を示す情報を受信する。カメラ400は、受信した点検内容を示す情報を、作業員などの情報処理装置70に送信し、情報処理装置70の表示部71に点検内容を表示する。
【0041】
なお、第2実施形態では、カメラ400がサーバ80にリクエストを送信したが、カメラ400が読み取ったコード情報61を情報処理装置70に転送し、情報処理装置70がサーバ80にリクエストを送信し、レスポンスとして点検内容を受信してもよい。
【0042】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、カメラ400により自動で浸水跡を特定し、コード情報61を読み取ることができるため、ガソリンスタンドの店員などが燃料供給装置1まで出向かなくても、点検内容や浸水レベルを作業員に事前に報知することができる。作業員は、事前に報知された内容に基づいて、点検作業に必要な工具などの準備など、事前準備を行うことができ、現地に適切に点検作業を行うことが可能となる。
【0043】
その他の効果は、第1実施形態の効果と同様である。
【0044】
(変形例)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。特に燃料供給関連機器として、前述した機器以外にも燃料供給装置が浸水した場合に作業員により点検等が必要な機器が含まれるのは当然である。
【0045】
例えば、上記した実施形態では、ステッカー60にコード情報61を表示したが、コード情報61の代りに又はコード情報61に追加して、点検内容を表示してもよい。ステッカー60に点検内容が表示されている場合、コード情報61を読み取る情報処理装置70がなくても、点検内容を把握することができる。
【0046】
また、上記した実施形態では、筐体10の外面にステッカー60を貼付したが、筐体10の内壁面にステッカー60を貼付してもよい。筐体10の内壁面にステッカー60を貼付することによって、燃料供給装置1の外観、デザイン性を損なわずに、浸水跡を残すことができる。燃料供給装置1は、キャノピーの下に配置されることが一般的だが、暴風などによって燃料供給装置1の側面が濡れたとしても、この変形例では、浸水以外でステッカー60が濡れるのを防止することができる。
【符号の説明】
【0047】
1:燃料供給装置、 10:筐体、 10A:柱状筐体部、 10B:機器収納筐体部、 10C:制御装置筐体部、 10D:ホース接続筐体部、 11:筐体パネル、 20:ベース、 21:棚板、 22:モータ取付フレーム、 31:ポンプモータ(燃料供給機器)、 31a:モータ本体(燃料供給機器)、 31b:支持部材、 32:ポンプ(燃料供給機器)、 33:電磁弁(燃料供給機器)、 34:流量計(燃料供給機器)、 35:流量発信器(電子機器)、 36:分岐管ユニット、 37:筐体内配管、 38:給油ホース、 39:給油ノズル、 40:ノズル収納部、 41:ノズル支持部、 42:ノズル収納部枠体、 50:制御装置(電子機器)、 51:操作表示パネル(電子機器)、 52:カード読取機(電子機器)、 53:給油表示器(電子機器)、 54:伝票発行機(電子機器)、 60:ステッカー、 61,61A~61D:コード情報、 70:情報処理装置、 80:サーバ、 400:カメラ